JP2008513398A - 2位が置換されたチアゾリノン置換キノリン - Google Patents

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Abstract

本発明により、キノリン環の2位が置換された一般式(I)のチアゾリノン置換キノリン誘導体と、医薬組成物と、これらの製造方法が提供される。この誘導体はCDK1抗増殖活性を示すため、抗がん剤として有用である。

Description

本発明は、キノリン環の2位が置換されたチアゾリノン置換キノリン誘導体に関する。この誘導体は、CDK1抗増殖活性を示すため、抗がん剤として有用である。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、細胞周期の異なる期への移行(例えば、G1期(有糸***と、細胞***の新たなサイクルのためのDNA複製開始に挟まれた期間)の静止期からS期(DNA合成が活発な期間)への進行、またはG2期からM期(有糸***とDNA合成が活発に起こる)への進行)の調節において極めて重要な役割を果たしているセリン-トレオニン・プロテイン・キナーゼである。(例えばScience、第274巻、1643〜1677ページ、1996年;Ann. Rev. Cell Dev. Biol.、第13巻、261〜291ページ、1997年に掲載された論文を参照のこと)。CDK複合体は、調節サイクリン・サブユニット(例えばサイクリンA、B1、B2、D1、D2、D3、E)と、触媒キナーゼ・サブユニット(例えばCDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6)が会合することで形成される。名称からわかるように、CDKは、標的とする基質をリン酸化するのにサイクリン・サブユニットを絶対に必要としており、異なるキナーゼ/サイクリンのペアが、細胞周期の特定の期の進行を調節している。
上の説明からわかるように、これらプロテイン・キナーゼは、さまざまな細胞機能を調節するタンパク質(酵素)の1つのクラスである。調節は、タンパク質基質上の特定のアミノ酸のリン酸化によって実現され、その結果として基質タンパク質の立体配座が変化する。立体配座が変化することにより、基質が他の結合パートナーと相互作用するときの活性や能力が変化する。プロテイン・キナーゼの酵素活性とは、キナーゼがリン酸基を基質に付加する速度のことである。それは、例えば、基質がある生成物に変換される量を時間の関数として測定することによって決定できる。基質のリン酸化は、プロテイン・キナーゼの活性部位で起こる。
上記の性質を考慮すると、これらキナーゼは、細胞を増殖、分化、移動させる増殖因子のシグナル伝達において重要な役割を担っていることがわかる。線維芽細胞増殖因子(FGF)と血管内皮増殖因子(VEGF)は、腫瘍によって促進される血管新生の重要なメディエータであることが以前から認識されている。VEGFは、2つの高アフィニティ受容体(その一方は、キナーゼ挿入ドメイン含有受容体(KDR))を通じてシグナルを伝達することで内皮細胞を活性化させる。(Hennequin L.F.他、J. Med. Chem.、第45巻(6)、1300ページ、2002年を参照のこと)。FGFは、FGF受容体(FGFR)を通じてシグナルを伝達することで内皮細胞を活性化させる。固形腫瘍は、新たな血管の形成(血管新生)が増えることに依存している。したがって、受容体であるFGFRとKDRの阻害剤の中で、シグナル伝達の増加を妨げることで血管新生を遅くするもの、または阻止するものは、固形腫瘍の予防と治療において役立つ薬剤になる。(Klohs W.E.他、Current Opinion in Biotechnology、第10巻、544ページ、1999年を参照のこと)。
CDK(例えばCDK1)は細胞***の一般的なアクチベータとして機能するため、CDK1の阻害剤は抗増殖剤として使用できる。このような阻害剤は、治療のための介入を行なって細胞周期の異常な進行を抑制する際に使用できる。
本発明によれば、一般式(I)の化合物:
Figure 2008513398
(ただし、
R1は、水素、低級アルキル、アリールオキシ-低級アルキル、-C(O)2[CH2CH2O]p-R9、[CH2CH2O]v-R8、R2-(X)n-のいずれかであり;
Xは、低級アルキレン、ヒドロキシ-低級アルキレン、シクロ-低級アルキレン、アリール-低級アルキレン、カルボキシ-低級アルキレン、アミド-低級アルキレン、モノハロ-低級アルキレン、ジハロ-低級アルキレン、アミノ-低級アルキレン、モノ低級アルキルアミノ-低級アルキレン、ジ低級アルキルアミノ-低級アルキレン、イミド-低級アルキレンのいずれかであり;
R2は、
Figure 2008513398
であり;
Figure 2008513398
は、アリール環;3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル;3〜5個の炭素原子と、酸素、窒素、イオウからなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子とを含む4員〜6員のヘテロシクロアルキル環;酸素、イオウ、窒素からなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子を含む5員または6員の複素芳香族環のいずれかであり;
R5、R6、R7は、独立に、ヒドロキシ、低級アルキル-スルホン、ヒドロキシ-低級アルキル、水素、低級アルキル、ハロゲン、ペルフルオロ-低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、モノ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノからなるグループの中から選択されるか、置換基R5、R6、R7のうちの2つが環:
Figure 2008513398
上の隣り合った炭素原子上の置換基である場合には、その2つの置換基は、これら置換基が結合している互いに隣接した炭素原子と合わさって、アリール環を形成するか;酸素、窒素、イオウからなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子を含む3員〜6員のシクロアルキル環を形成するか;酸素、窒素、イオウからなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子を含む4員〜6員の複素芳香族環を形成し;
R4は、水素、-(O)k(CH2CH2O)y-R10
Figure 2008513398

-O-(CH2)m-R14のいずれかであり;
R19は水素であり;
R20は、水素、低級アルキル、
Figure 2008513398
のいずれかであり;
Figure 2008513398
は、アリール環;3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル;酸素、イオウ、窒素からなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子を含む4員〜6員のヘテロシクロアルキル環;酸素、イオウ、窒素からなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子を含む5員または6員の複素芳香族環のいずれかであり;
R8とR9は、独立に、水素または低級アルキルであり;
R10とR11は低級アルキルであり;
R14はペルフルオロ-低級アルキルであり;
R17とR18は、独立に、水素、低級アルキル、
Figure 2008513398
のいずれかであり;
nとkは0または1の整数であり;
w、y、zは0〜3の整数であり;
pは0〜6の整数であり;
vとmは1〜6の整数である)
または、R2が複素芳香族環に窒素を含む化合物のN-オキシド、またはR2がヘテロシクロアルキル環または複素芳香族環にイオウを含むスルホン;
またはCDKの活性、中でもCDK1の活性を抑制するその医薬的に許容可能な塩が発見された。
本発明のこの薬剤と、この薬剤を含む医薬組成物は、制御されない細胞増殖や望まない細胞増殖に付随するさまざまな疾患や異常状態(例えばがん、自己免疫疾患、ウイルス性疾患、真菌疾患、神経変性疾患、心臓血管疾患)の治療に役立つ。
一般式(I)の化合物と、その化合物を含む組成物は、CDK(特にCDK1)の活性を抑制および/または調節するため、キナーゼ活性によって起こる疾患を治療するのに役立つ(特にがんを治療する抗腫瘍剤として役立つ)。
この明細書に指摘してあるように、一般式(I)の化合物は潜在的な抗増殖剤であり、CDK(特にCDK1)の活性を調節および/または抑制する上で有効であるため、制御されていない細胞増殖または異常な細胞増殖に付随するがんその他の疾患を治療するための抗腫瘍薬となる。
一般式(I)の好ましい化合物の中には、一般式(I-A)の化合物:
Figure 2008513398
(ただし、
R1'は、水素、低級アルキル、低級アルコキシアルキルのいずれかであり;R4、R19、R20は上記の通りである);またはその医薬的に許容可能な塩と、一般式(I-B)の化合物:
Figure 2008513398
(ただし、
R1"はR2'-(X')n-であり;
n、R4、R19、R20は上記の通りであり;
X'は、低級アルキレン、ヒドロキシ-低級アルキレン、シクロ-低級アルキレン、モノハロ-低級アルキレン、ジハロ-低級アルキレンのいずれかであり;
R2'は
Figure 2008513398
であり;
Figure 2008513398
は、アリール環;3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル環;3〜5個の炭素原子と、酸素、窒素、イオウからなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子とを含む4員〜6員のヘテロシクロアルキル環;酸素、イオウ、窒素からなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子を含む5員または6員の複素芳香族環のいずれかであり;
R5'とR6'は、独立に、ヒドロキシ、低級アルキル-スルホン、ヒドロキシ-低級アルキル、水素、低級アルキル、ハロゲン、ペルフルオロ-低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、モノ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノからなるグループの中から選択される);
またはR2'が複素芳香族環に窒素を含む化合物のN-オキシド、またはR2'がヘテロシクロアルキル環または複素芳香族環にイオウを含むスルホン;
またはその医薬的に許容可能な塩がある。
一般式(I)と(I-B)において、R1、R1"、R2、Xがアリール部分を含む置換基である化合物では、好ましいアリール部分はフェニルである。この明細書では、ハロゲンに4種類のハロゲン(塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)がすべて含まれる。
この明細書では、“低級アルキル”という用語は、単独で、または組み合わさって、炭素原子を1〜6個含む1価の直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素アルキル基を意味する。具体例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルなどである。
“シクロアルキル”という用語はシクロ低級アルキル置換基を意味し、1価の置換されていない3〜6員の飽和炭化水素環のことである。好ましいシクロアルキル置換基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシルなどである。
“低級アルコキシ”という用語は、1〜6個の炭素原子を含む低級アルキルから形成された直鎖または分岐鎖のアルコキシ基を意味し、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシなどがある。
“アリール”という用語は、1価の単環または二環の置換されていない芳香族炭化水素環を意味し、例えばフェニル、ナフチルなどがある。その中でもフェニルが好ましい。
“ヘテロシクロアルキル”という用語は、3〜4個の炭素原子と、酸素、窒素、イオウからなるグループの中から選択した1個または2個のヘテロ原子とを含む4〜6員の飽和単環を意味する。好ましいヘテロシクロアルキル基は、モホリニル、テトラヒドロ、チオピラニル、テトラヒドロピラニルなどである。
“複素芳香族環”という用語は、4個〜5個の炭素原子と、酸素、窒素、イオウからなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子とを含む1価の5員または6員の単環複素芳香族環を意味する。好ましい複素芳香族環は、チオペニル、チオアゾール、ピリジニル、フラニルなどである。
“シクロ-低級アルキレン”という用語は、上に定義したシクロアルキル基が2価になったものを意味する。
“低級アルキレン”という用語は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の2価飽和炭化水素置換基を意味する。
“アリール-低級アルキレン”という用語は、上に定義した低級アルキレン基のうちで、上に定義したアリール基で置換されたもの(1置換であることが好ましい)を意味する。具体例は、ベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチルである。
“カルボキシ-低級アルキレン”という用語は、上に定義した低級アルキレン置換基のうちで、カルボキシ基で置換されたもの(1置換であることが好ましい)を意味する。
“ヒドロキシ-低級アルキレン”という用語は、上に定義した低級アルキレン置換基のうちで、ヒドロキシ基で置換されたもの(1置換であることが好ましい)を意味する。したがってアミド低級アルキレンという用語を用いる場合には、上に定義した低級アルキレン置換基のうちで、アミド置換基で置換されたものを意味する。
“モノハロ-低級アルキレン”または“ジハロ-低級アルキレン”という用語は、上に定義した低級アルキレン置換基のうちで、低級アルキレン鎖の1個または2個の炭素原子上でハロゲンによって1置換または2置換されたものを意味する。
“ハロゲン”という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードのいずれかを意味する。
“モノ低級アルキルアミノ-低級アルキレン”または“ジ低級アルキルアミノ-低級アルキレン”という用語は、上に定義した低級アルキレン置換基のうちで、低級アルキレン鎖の1個または2個の炭素原子上でモノ低級アルキルアミノ基またはジ低級アルキルアミノ基によって1置換または2置換されたものを意味する。
“アミノ-低級アルキレン”という用語は、上に定義した低級アルキレン基のうちで、アミノ基で置換されたもの(1置換であることが好ましい)を意味する。
“アミド-低級アルキレン”という用語は、上に定義した低級アルキレン基のうちで、1つの位置でアミド基によって置換されたものを意味する。
“イミド-低級アルキレン”という用語は、上に定義した低級アルキレン基のうちで、1つの位置でイミド基によって置換されたものを意味する。
“アリールオキシ”という用語は、アリールが上記のものであるアリールオキシ置換基を意味する。好ましいアリール基はフェニルであり、好ましいアリールオキシはフェノキシである。
“ペルフルオロ-低級アルキル”という用語は、低級アルキル基のすべての水素がフッ素で置換されたあらゆるアルキル基を意味する。好ましいペルフルオロ-低級アルキル基は、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピルなどであるが、トリフルオロメチルが特に好ましい。
“医薬的に許容可能な塩”という用語は、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)の化合物の生物学的有効性と性質を保持していて、適切な非毒性の有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基から形成される従来の酸添加塩または塩基添加塩を意味する。酸添加塩の例としては、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸)に由来するものと、有機酸(例えばpトルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸)に由来するものがある。塩基添加塩の例としては、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、水酸化第四アンモニウム(例えば水酸化テトラメチルアンモニウム)に由来するものなどがある。化合物の物理的安定性、化学的安定性、吸湿性、流動性、可溶性を改善するために医薬化合物(すなわち薬)を化学的に修飾して塩にする方法は、医薬化学の研究者には周知である。例えばH. Ansel他、『Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems』(第6版、1995年)の196ページと1456〜1457ページを参照のこと。
本発明によれば、一般式(I)の化合物は、反応スキーム1に従って調製することができる。ただしR1、R4、R19、R20は、特に断わらない限り上記のものを意味する。
Figure 2008513398
本発明によれば、一般式(II)の化合物をクネベナーゲル反応を通じて一般式(III-A)の化合物(ロダニン(2-チオキソ-チアゾリン-4-オン))と反応させ、一般式(IV)の化合物を生成させる。この縮合反応を行なわせるには、クネベナーゲル反応を実施する際の一般的なあらゆる条件を利用することができる。一般に、この反応は、還流温度にて、アルカリ金属の酢酸塩と酢酸の存在下で実施する。
この合成の次のステップでは、得られた一般式(IV)の置換されたチアゾリジンをメチル化剤で処理することによって一般式(IV)の化合物のチオ基をメチル化し、一般式(V)の化合物を生成させる。好ましいメチル化剤はヨードメタンである。この反応は、有機アミン塩基(例えばジイソプロピルエチルアミン(DIEA))の中で行なわせる。この反応を行なわせる際には、温度と圧力は重要ではないため、室温にて大気圧下で実施することができる。実際、この反応を行なわせる際には、チオ基をメチル化する一般的なあらゆる条件を利用することができる。
この合成の次のステップでは、一般式(V)の化合物を一般式(VI)の化合物と反応させて一般式(I)の化合物を生成させる。一般式(VI)の化合物はアミンである。この反応を行なわせるには、メチルチオ基のアミン置換に一般に利用されるあらゆる手段を利用することができる。一実施態様によれば、この置換は、一般式(VI)の化合物を一般的な溶媒(例えばアセトニトリル)の存在下で一般式(V)の化合物と反応させることによって実現する。一般に、この反応は、アミン塩基(例えばジイソプロピルエチルアミン)の存在下で行なわせる。
他方、一般式(I)の化合物は、一般式(II)の化合物を一般式(VII)の化合物:
Figure 2008513398
(ただしR1は上記のものである)と反応させることによって調製できる。
一般式(I)の化合物を生成させるための一般式(VII)の化合物と一般式(II)の化合物の反応は、閉鎖系の中で、高沸点の有機溶媒(例えばベンゼン、トルエン)中で150℃〜250℃という高温にて行なわせる。この反応は、このように高温にて圧力下で行なわせる。この反応は、一般式(I)において鎖Xまたは環Pの中のR基がハロゲンを含んでいる化合物を調製することが望ましい場合に特に好ましい。一般式(VII)の化合物は、一般式;
R1-NH2 (VI)
の化合物(ただしR1は上記のものである)を一般式(III-A)の化合物と反応させることを通じた直接的な置換によって直接形成することができる。この置換反応は、一般に、一般式(IX)のチエニル化合物に含まれるチエニル基のアクチベータの存在下とアミン塩基の存在下で行なわせる。好ましいアクチベータとして塩化第二水銀などがある。この反応は、不活性な有機溶媒の中で行なわせる。一般的な任意の不活性な有機溶媒(例えばアセトニトリル、塩化メチレンなど)を使用できる。この反応を行なわせる際には、アミン塩基(例えばジイソプロピルエチルアミン)を用いる。この反応では温度と圧力は重要でないため、室温にて大気圧下で実施することができる。この反応を行なわせる際には、チエニル基をアミンで置換する任意の従来法を利用することができる。
一般式(VI)においてR1がXであり、そのXがヒドロキシ低級アルキレンである化合物では、この化合物は、対応するアミノ酸またはアミノ酸エステルをアルカリ金属ホウ水素化物で還元することによって調製できる。他方、このヒドロキシ低級アルキレン化合物は、対応するシアノカルボン酸エステルを水素化アルミニウムリチウムで還元することによって調製できる。還元によってシアノ基がアミノ基になり、エステルがヒドロキシ基になる。この還元は、一般式(VI)の化合物を一般式(V)の化合物と反応させる前に実施する必要がある。
他方、一般式(VI)においてR1がR2X-であり、Xが、カルボキシ低級アルキレン、アミド低級アルキレン、イミド低級アルキレンのいずれかである化合物は、上記のように、対応する一般式(VI)の化合物を一般式(V)の化合物または一般式(III-A)の化合物と反応させることにより、一般式(I)の化合物へと直接変換することができる。
環:
Figure 2008513398
が、その環:
Figure 2008513398
を形成する窒素含有環に含まれる窒素のN-オキシドである場合には、このN-オキシドは、環の第三級窒素原子を酸化して形成することができる。第三級窒素原子を酸化してN-オキシドにする任意の従来法を利用することができる。好ましい酸化剤は、メタクロロ過安息香酸(MCPBA)である。
一般式(I)においてR1が水素である化合物は、一般式(II)の化合物をクネベナーゲル反応を通じて一般式(VII)の化合物と反応させ、一般式(IV)の化合物を生成させることによって調製できる。この縮合反応を行なわせるには、クネベナーゲル反応を実施する際の一般的なあらゆる条件を利用することができる。一般に、この反応は、還流温度にて、アルカリ金属の酢酸塩と酢酸の存在下で実施する。一般式(VII)の化合物を一般式(II)においてR20
Figure 2008513398
である化合物と反応させるクネベナーゲル反応では、R20がアミドを形成する。このアミドを加水分解し、一般式(I)においてR20が水素である化合物の2位にアミンを形成する。クネベナーゲル反応で用いる塩基はアミド基を加水分解し、対応するアミンを生成させる。
本発明によれば、一般式(II)においてR4が水素である化合物、すなわち一般式(II-A)の化合物:
Figure 2008513398
(ただしR19とR20は上記のものである)は、一般式(X)の化合物;
Figure 2008513398
から以下に示す反応スキーム2を通じて生成させることができる。ただしR19とR20は上記のものである。
Figure 2008513398
4-ヨードアニリンと3-エトキシ-アクリロイルクロリドから調製できる一般式(X)の化合物を硫酸で処理することによって環化し、一般式(XI)の化合物にする。一般に、この反応は不活性溶媒(例えばジクロロメタン)の中で行なわせる。環化は、硫酸を用いることにより、一般式(X)の化合物のエーテル部分のα、β不飽和二重結合を通じて実現される。この反応を行なわせる際には温度と圧力は重要でないため、環化反応は室温にて大気圧下で実施することができる。オキソ置換基を含む一般式(XI)の環化化合物は、塩素化剤(例えばオキシ塩化リン)を用いて処理することによって一般式(XII)の塩素化化合物に変換できる。一般に、高沸点の液体塩素化剤(例えばオキシ塩化リン)を用いることが好ましい。このようにすると、反応混合物を還流させてオキソ置換基を高収率で塩化物基に変換することができる。オキソ置換基を塩化物基に変換する一般的な任意の条件を利用してこの反応を行なわせることができる。この反応の次のステップでは、一般式(XII)の化合物を水酸化アンモニウムと反応させて一般式(XIII)の化合物を生成させる。水酸化アンモニウムとのこの反応は、圧力下で100℃〜200℃(150℃が好ましい)の温度にて1〜4時間にわたって行なわせる。望むのであれば、R19置換基とR20置換基を有する第二級アミンの調製を、一般式(XII)の化合物を置換されたアミンと反応させることによって、または第一級アミンを低級アルキルを有する第二級アミンに変換する任意の従来法によって実施することができる。置換基:
Figure 2008513398
を有する一般式(II-A)の2-アミド置換化合物は、第一級アミン化合物を酸塩化物と反応させることによって調製できる。この合成の次のステップでは、ホルミル化反応を利用してフェニル環上のヨード基をCHO置換基に変換することで、一般式(XIII)の化合物を一般式(II-A)の化合物に変換する。この反応は、一般式(XIII)の化合物を、ジフェニルプロピルホスフィン(dpp)と塩基の存在下で、触媒として酢酸パラジウムを利用して一酸化炭素と反応させることによって実現される。この反応を行なわせる際には、圧力下で60〜100℃の温度にて一酸化炭素を反応混合物に添加する。この反応を行なわせる際には、一般に70〜80psiの圧力が利用される。一酸化炭素との反応によってフェニル環上のハロゲン化物基をアルデヒドに変換する任意の従来法を利用してこの変換を実現することができる。
2位と4位が置換された一般式(I)の化合物、すなわち一般式(II-B)の中間体:
Figure 2008513398
(ただしR20'は
Figure 2008513398
であり、R4とR11は上記のものである)の合成は、以下に示す反応スキーム3を通じて実現することができる。ただしR20'とR4は上記のものである。
Figure 2008513398
一般式(XVII)の化合物は、一般式(XVI)の化合物(一般式(XVI)の化合物の調製法は実施例2に記載してある)を一般式(XX)のカルボン酸:
Figure 2008513398
(ただしR11は上記のものである)の反応性誘導体と反応させて生成させることができる。
活性なカルボン酸誘導体(例えばハロゲン化物、無水物)と反応させることによってアミンをアミドに変換する任意の従来法を利用してこの反応を実現することができる。ヒドロキシ基を有する一般式(XVII)の化合物は、一般式(XVII)の化合物のヒドロキシ部位を、一般式(I)の化合物の4位に位置させようとするR4置換基のハロゲン化物と反応させることにより、一般式(XVIII)の化合物に変換することができる。この反応は、対応するハロゲン化物と一般式(XVII)の化合物を不活性な有機溶媒の中で還流条件下にて反応させることによって実現される。ヒドロキシ基をハロゲン化物と反応させる任意の従来法を利用してこの反応を行なわせることができる。この合成の最終ステップでは、ホルミル化反応を利用してフェニル環上のヨード基をCHO置換基に変換することで、一般式(XVIII)の化合物を一般式(I-B)の化合物に変換する。この反応は、すでに説明したように、塩基の存在下で、触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを用い、60℃〜140℃の温度にて一般式(XVIII)の化合物を一酸化炭素と反応させることによって実現できる。この反応を行なわせる際には、一酸化炭素を圧力下で反応媒体に添加する。40〜80psiの圧力が一般に利用される。一酸化炭素との反応によってフェニル環上のハロゲン化物基をアルデヒドに変換するホルミル化反応のための任意の従来法を利用し、一般式(XVIII)の化合物を一般式(I-B)の化合物に変換することができる。
一般式(I)の化合物とその実施態様(その中には一般式(I-A)および一般式(I-B)の化合物が含まれる)には、すべてのアリール置換基のアリール基がフェニルであることが好ましい化合物が含まれる。
一般式(I-A)の化合物のクラスの好ましい実施態様には、一般式(I-A)においてR1が水素である化合物が含まれる。このクラスの化合物の特に好ましい実施態様には、R4が-(O)k(CH2CH2O)y-R10である化合物が含まれる。
この場合、R20
Figure 2008513398
である化合物が特に好ましい。
一般式(I-B)の化合物の好ましい実施態様には、nが0であり、R2'がシクロ低級アルキル環(特にシクロプロピル)である化合物のクラスが含まれる。このクラスの化合物の中では、R4が-(O)k(CH2CH2O)y-R10である化合物が好ましい。このクラスの化合物の中で特に好ましいのは、R20
Figure 2008513398
である化合物である。
本発明の別の一実施態様は、一般式(I-B)において、nが1であり、Xが、低級アルキレン、ヒドロキシ-低級アルキレン、シクロ-低級アルキレン、モノハロ-低級アルキレン、ジハロ-低級アルキレンのいずれかである化合物である。この場合、R4は-(O)k(CH2CH2O)y-R10であることが好ましい。この好ましい実施態様では、R20
Figure 2008513398
である化合物が特に好ましい。
本発明の医薬組成物は、一般式(I)の化合物の代わりに、または一般式(I)の化合物に加えて、活性成分として、医薬的に許容可能なプロドラッグ、医薬的に活性な代謝物、このような化合物および代謝物の医薬的に許容可能な塩を含むことができる。このような化合物、プロドラッグ、多量体、塩、代謝物を、この明細書ではまとめて“活性剤”または“薬剤”と呼ぶことがある。
薬剤が固体である場合には、当業者であれば、本発明の化合物と塩がさまざまな結晶形態または多形形態で存在していてもよく、そのすべてが本発明の範囲と個々の一般式に含まれることが理解できよう。
本発明の活性剤を治療に有効な量使用し、プロテイン・キナーゼCDK1の変化または調節が一因となった疾患を治療することができる。“有効な量”は、真核細胞(例えば哺乳動物の細胞、昆虫の細胞、植物の細胞、真菌の細胞)の増殖を有意に抑制すること、および/または異常な分化を有意に阻止することで、指示された用途(例えば特定の治療)において有効な薬剤の量を意味するものとする。
そのような量に対応する所定の薬剤の量は、さまざまな因子(例えば個々の化合物、疾患とその重篤度、治療を必要とする対象または宿主の属性(例えば体重))によって異なるであろうが、そのケースを巡る個々の状況(例えば投与する具体的な薬剤、投与経路、治療する疾患、治療する対象または宿主)に応じて公知の方法で定型的に決定することができる。“治療する”は、プロテイン・キナーゼCDK1の活性によって少なくとも一部が冒されている哺乳動物などの対象(例えばヒト)における疾患を少なくとも軽減することを意味するものとする。“治療する”には、哺乳動物に疾患が起こるのを予防すること(特に、その哺乳動物がその疾患になる素因を有するが、まだその疾患であるとは診断されていない場合);その疾患を緩和および/または抑制すること;その疾患を軽減することが含まれる。
本発明は、本発明の薬剤を投与することによって例えば哺乳動物の組織でのプロテイン・キナーゼCDK1の活性を調節または抑制する方法にも関する。抗増殖剤としての薬剤の活性は、公知の方法で容易に測定される。例えばMTTアッセイにおいて全細胞培養物を用いる。プロテイン・キナーゼCDK1の活性調節剤としての本発明の薬剤の活性は、当業者が利用できる任意の方法(例えば生体内アッセイおよび/または試験管内アッセイ)で測定することができる。活性を測定する適切なアッセイの具体例として、国際公開WO 99/21845;Parast他、Biochemistry、第37巻、16788〜16801ページ、1998年;Connell-CrowleyとHarpes、『細胞周期:材料と方法』(Michele Pagano編、シュプリンガー社、ベルリン、ドイツ国、1995年);国際公開WO 97/34876;国際公開WO 96/14843に記載されているアッセイがある。これらの性質は、例えば後出の実施例に記載した1種類以上の生物学的試験の手続きを利用して調べることができる。
本発明の活性剤は、以下に示すようにして医薬組成物にすることができる。本発明の医薬組成物は、変化、調節、抑制に有効な量の一般式(I)の化合物と、医薬的に許容可能な不活性な基剤または希釈剤とを含んでいる。医薬組成物の一実施態様では、本発明による薬剤を有効なレベルで与え、抗増殖能力を含む治療効果を提供する。“有効なレベル”は、増殖が抑制または制御されるレベルを意味する。本発明の医薬組成物は、投与(例えば非経口投与、経口投与)に適した単位用量の形態にされる。
本発明の活性剤は、従来型の投与形態にして投与することができる。その投与形態は、活性成分としての薬剤(例えば一般式(I)の化合物)の治療に有効な量を従来法に従って適切な医薬用基剤または希釈剤と組み合わせることによって調製される。この手続きには、望む調製物にするのに諸成分を混合したり、粉砕したり、圧縮したり、溶解させたりする操作が含まれる。
使用される医薬用基剤として固体と液体が可能である。固体基剤の具体例は、ラクトース、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などである。液体基剤の具体例は、シロップ、ピーナツ油、オリーブ油、水などである。同様に、基剤または希釈剤には、従来技術で知られている遅延用材料または徐放材料(例えばモノステアリン酸グリセリルジステアリン酸グリセリル)が、単独で、または蝋、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸メチルなどと組み合わせて含まれていてもよい。
多彩な医薬形態を用いることができる。例えば固体基剤を用いる場合には、調製物を錠剤にすることもできるし、粉末またはペレットの形態や、トローチまたはロゼンジの形態にして硬質ゼラチン・カプセルに収容することもできる。固体基剤の量はさまざまである。液体基剤を用いる場合には、調製物は、シロップ、エマルジョン、軟質ゼラチン・カプセル、アンプルまたはバイアルに収容した無菌注射溶液または無菌注射懸濁液、非水性懸濁液の形態にすることになろう。
安定な水溶性投与形態を得るには、活性成分の医薬的に許容可能な塩を、有機酸または無機酸の水溶液に溶かすとよい。可溶性の塩の形態が利用できない場合には、薬剤を適切な1種類の共溶媒、または複数の共溶媒の組み合わせに溶かすとよい。
本発明の組成物で用いる薬剤の実際の投与量は、使用する個々の複合体、製剤にした個々の組成物、投与法、治療する個々の部位、宿主、疾患が何であるかによって異なることになろう。所定の一群の疾患に関する最適な投与量は、当業者が、薬剤の実験データを考慮し、従来の投与量決定テストを利用して決定することができる。
本発明の組成物は、医薬組成物の調製に関して一般に知られている方法で製造することができる。方法としては、例えば、混合、溶解、顆粒化、ドラジェ製造、ゲル化、乳化、カプセル化、固定化、凍結乾燥などがある。医薬組成物は、生理学的に許容可能な1種類以上の基剤を用いて従来法で製剤にすることができる。基剤は、活性化合物を医薬として使用できる調製物にするのを容易にする賦形剤と助剤の中から選択することができる。
経口投与用として、本発明の化合物を従来技術で知られている医薬的に許容可能な基剤と組み合わせることにより、その化合物を容易に製剤にすることができる。このような基剤により、本発明の化合物を、錠剤、ピル、ドラジェ、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などにすることが可能になる。経口で使用する医薬組成物は、固体賦形剤を活性成分(薬剤)と混合し、場合によっては得られた混合物を粉砕した後、望むのであれば適切な助剤を混合した後に顆粒混合物を処理して錠剤またはドラジェのコアにすることによって得られる。
以下の実施例によって本発明をこれからさらに詳しく説明するが、本発明の範囲がこれら実施例に限定されることは決してない。
実施例1
5-[1-(2-アミノ-キノリン-6-イル)-メト-(Z)-イリデン]-2-((1R,2S)-2-フェニル-シクロプロピルアミノ)-チアゾル-4-オン;トリフルオロ酢酸との化合物
Figure 2008513398
3-エトキシ-N-(4-ヨード-フェニル)-アクリルアミドの調製
Figure 2008513398
塩化オキサリル(40g、0.555モル)の溶液にエチルビニルエーテル(105.6g、0.84モル)を0℃にてゆっくりと添加し、得られた混合物を0℃にて2時間にわたって撹拌した後、室温にて12時間にわたって撹拌した。ロータリー・エバポレータで溶媒をいくらか除去した後、得られた黒色の混合物を120℃で30分間にわたって還流させた。溶媒を、ロータリー・エバポレータで、次いでオイル・ポンプで除去すると、3-エトキシ-アクリロイルクロリドが黒い液体として得られた(69.9g)。それをさらに精製することなくそのまま次のステップの反応で使用した。
4-ヨードアニリン(14g、64ミリモル)とピリジン(10.5ml、128ミリモル)の混合物を含む塩化メチレン(85ml)に3-エトキシ-アクリロイルクロリド(10g、75ミリモル)を添加した。5時間にわたって撹拌した後、追加の3-エトキシ-アクリロイルクロリド(5g、38ミリモル)とピリジン(10.5ml、64ミリモル)を添加した。2日間にわたって撹拌した後、この反応混合物を水(3×100ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮すると、3-エトキシ-N-(4-ヨード-フェニル)-アクリルアミドが黒い油として得られた(11.32g、56%)。LC-MS m/e 318 (MH+)。
6-ヨード-1H-キノリン-2-オンの調製
Figure 2008513398
3-エトキシ-N-(4-ヨード-フェニル)-アクリルアミド(11.3g、36ミリモル)を撹拌している中に硫酸をゆっくりと添加した。3時間にわたって撹拌した後、この反応混合物をゆっくりと氷(約300g)の中に注いだ。沈殿物を濾過によって回収し、水で洗浄し、乾燥させた。フラッシュ・クロマトグラフィ(メルク・シリカゲル60、230〜400メッシュ、40分間で塩化メチレン中に0%〜15%メタノール)により、6-ヨード-1H-キノリン-2-オンが黒い固形物として得られた(7.23g、75%)。LC-MS m/e 272 (MH+)。
2-クロロ-6-ヨード-キノリンの調製
Figure 2008513398
6-ヨード-1H-キノリン-2-オン(6.23g、23ミリモル)とオキシ塩化リン(25ml)の混合物をN2雰囲気下で2時間にわたって還流させた。冷却後、溶媒を、ロータリー・エバポレータで、次いでオイル・ポンプで除去した。飽和炭酸水素ナトリウム(100ml)をゆっくりと添加した。固形物を濾過によって回収し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、水で洗浄し、乾燥させると、2-クロロ-6-ヨード-キノリンが黒い固形物として得られた(5.78g、87%)。LC-MS m/e 290 (MH+)。
6-ヨード-キノリン-2-イルアミンの調製
Figure 2008513398
2-クロロ-6-ヨード-キノリン(1g、3.46ミリモル)を水酸化アンモニウム(28%、20ml)に懸濁させた懸濁液を圧力管の中で3日間にわたって140℃に加熱した。冷却後、ロータリー・エバポレータで溶媒を除去した。固形物を濾過によって回収し、水で洗浄し、乾燥させると、6-ヨード-キノリン-2-イルアミンが黒い固形物として得られた(0.78g、84%)。LC-MS m/e 271 (MH+)。
2-アミノ-キノリン-6-カルバルデヒドの調製
Figure 2008513398
6-ヨード-キノリン-2-イルアミン(200mg、0.74ミリモル)と、トリエチルアミン(0.26ml、1.85ミリモル)と、ジフェニルプロピルホスフィン(dpp、17μl、0.074ミリモル)と、酢酸パラジウム(II)(17mg、0.074ミリモル)の混合物を含む乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(4ml)を、圧力管の中で75psiの一酸化炭素雰囲気下で室温にて10分間にわたって撹拌した。トリヘキシルシラン(0.53ml、1.5ミリモル)を添加した後、得られた混合物を75psiの一酸化炭素雰囲気下で80℃にて4時間にわたって撹拌した。この反応物を放置して25℃まで冷却した後、塩化メチレン(2×50ml)で抽出した。1つにまとめた有機層を水(3×50ml)で連続して洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュ・クロマトグラフィ(メルク・シリカゲル60、70〜230メッシュ、酢酸エチル)により、2-アミノ-キノリン-6-カルバルデヒドが固形物として得られた(30mg、24%)。
2-((1R,2S)-2-フェニル-シクロプロピルアミノ)-チアゾル-4-オンの調製
Figure 2008513398
(1R,2S)-2-フェニル-シクロプロピルアミンヒドロクロリド(0.85g、5ミリモル)とロダニン(2-チオキソ-チアゾリン-4-オン)(0.68g、5ミリモル)をアセトニトリル(20ml)に懸濁させた懸濁的にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(2.61ml、15ミリモル)を室温にて添加した。次に、この溶液を0℃に冷却し、塩化第二水銀(1.35g、5ミリモル)を10分以内に2回に分けて添加した。添加後、得られた懸濁液を放置して室温まで温め、2日間にわたって撹拌した。得られた黒い固形物をセライト・プラグで濾過し、酢酸エチル(500ml)で洗浄した。濾液を真空下で除去し、粗残留物を水(100ml)と酢酸エチル(100ml)で希釈した。2つの層を分離し、水層を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。1つにまとめた有機抽出液をブライン溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。乾燥剤を濾過し、溶媒を真空下で除去すると、粗残留物が得られた。それをバイオテージ・シリカゲル・カラム・クロマトグラフィを利用して精製すると、2-((1R,2S)-2-フェニル-シクロプロピルアミノ)-チアゾル-4-オンが白色のアモルファス固形物として0.474g(収率42%)得られた。C12H12N2OS (M+)に関するEI-HRMS m/eの計算値は232.0670、実測値は232.0665。
5-[1-(2-アミノ-キノリン-6-イル)-メト-(Z)-イリデン]-2-((1R,2S)-2-フェニル-シクロプロピルアミノ)-チアゾル-4-オンの調製;トリフルオロ酢酸との化合物
Figure 2008513398
2-アミノ-キノリン-6-カルバルデヒド(30mg、0.174ミリモル)と2-((1R,2S)-2-フェニル-シクロプロピルアミノ)-チアゾル-4-オン(26mg、0.11ミリモル)をトルエン(1ml)に懸濁させた懸濁液に安息香酸(3mg、0.011ミリモル)とピペリジン(3μl、0.011ミリモル)を添加した。この混合物をマイクロ波で20分間にわたって150℃に加熱した。室温まで冷却した後、固形物を濾過によって回収し、トルエンで洗浄し、乾燥させた。粗生成物をHPLC(逆C18、10分間で水の中に10%〜90%のアセトニトリル)で精製すると、トリフルオロ酢酸との化合物としての5-[1-(2-アミノ-キノリン-6-イル)-メト-(Z)-イリデン]-2-((1R,2S)-2-フェニル-シクロプロピルアミノ)-チアゾル-4-オンが黄色い固形物として得られた(36mg、84%)。LC-MS m/e 271 (MH+)。
実施例2
5-(2-アミノ-4-エトキシ-キノリン-6-イルメチレン)-2-[2-(3-フルオロ-フェニル)-エチルアミノ]-チアゾル-4-オン
Figure 2008513398
6-ブロモ-1H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4-ジオンの調製
Figure 2008513398
2-アミノ5-ブロモ-安息香酸(280g、1.3モル)をアセトニトリル(1.3リットル)に溶かした溶液を50〜55℃に温めた。ピリジン(206g、2.61モル)と、トリホスゲン(128.8g、0.43モル)をジクロロメタン(720ml)に溶かした溶液を、一滴ずつ同時に添加した。添加が終了した後、得られた混合物を50〜55℃にてさらに2時間にわたって撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、水を添加した。沈殿物を濾過によって回収し、水と冷たいジクロロメタンで順番に洗浄した後、真空下で乾燥させると、望む生成物である6-ブロモ-1H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4-ジオンが得られた(304g、98%)。この材料をそれ以上精製することなく次のステップで使用した。
2-アミノ-6-ブロモ-キノリン-4-オールの調製
Figure 2008513398
6-ブロモ-1H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4-ジオン(90g、0.373モル)をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(400ml)に溶かした溶液を、マロニトリル(37g、0.41モル)とトリエチルアミン(41.4g、0.41モル)をDMF(150ml)に溶かした溶液に50〜60℃にて添加した。得られた反応混合物を30分間にわたって50〜60℃に維持した。氷で冷やした0.2NのHCl(400ml)の中に入れて反応を停止させると、沈殿物が生成した。この材料を濾過によって分離し、真空下で乾燥させた後、8NのKOH(2リットル)に溶かし、得られた溶液を40時間にわたって還流させた。室温まで冷却した後、この混合物をHClで中和し、得られた沈殿物を濾過し、大気中で乾燥させると、2-アミノ-6-ブロモ-キノリン-4-オールが淡黄色の固形物として得られた(95g、97%)。この材料をそれ以上精製することなく次のステップで使用した。
N-(6-ブロモ-4-ヒドロキシ-キノリン-2-イル)-アセトアミドの調製
Figure 2008513398
2-アミノ-6-ブロモ-キノリン-4-オール(29.4g、0.12モル)と、無水酢酸(36.7g、0.36モル)と、硫酸(20ml)の混合物を含む氷酢酸(300ml)を30分間にわたって還流させた。この混合物を放置して室温まで冷却した後、水の中に注いだ。沈殿物を濾過によって分離し、乾燥させると、N-(6-ブロモ-4-ヒドロキシ-キノリン-2-イル)-アセトアミドが茶色の固形物として得られた(32g、93%)。この材料をそれ以上精製することなく次のステップで使用した。
N-(6-ブロモ-4-エトキシ-キノリン-2-イル)-アセトアミドの調製
Figure 2008513398
N-(6-ブロモ-4-ヒドロキシ-キノリン-2-イル)-アセトアミド(32g、0.114モル)とヨウ化エチル(26.77g、0.171モル)と炭酸カリウム(130g、0.912モル)の混合物を含むアセトニトリル(250ml)を2時間にわたって還流させた。溶媒を蒸発させ、残留物を水と研和した。沈殿物を濾過によって回収し、乾燥させると、N-(6-ブロモ-4-エトキシ-キノリン-2-イル)-アセトアミドが淡黄色の固形物として得られた(28g、80%)。この材料をそれ以上精製することなく次のステップで使用した。
N-(4-エトキシ-6-ホルミル-キノリン-2-イル)-アセトアミドの調製
Figure 2008513398
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4)とギ酸ナトリウム(5g、48ミリモル)の混合物を含むアセトニトリル(30ml)を窒素でパージした。N-(6-ブロモ-4-エトキシ-キノリン-2-イル)-アセトアミド(2.5g、8.12ミリモル)をDMSO(30ml)に溶かした溶液をゴム製の隔膜を通じて添加した。容器を一酸化炭素雰囲気下(50psi)に置き、密封して30分間にわたって120℃に加熱した。この混合物を室温まで冷却し、アセトニトリルを減圧下で蒸発させた。水を添加し、得られた沈殿物を濾過によって回収し、乾燥させると、N-(4-エトキシ-6-ホルミル-キノリン-2-イル)-アセトアミドが淡黄色の固形物として得られた(0.8g、40%)。
5-(2-アミノ-4-エトキシ-キノリン-6-イルメチレン)-2-[2-(3-フルオロ-フェニル)-エチルアミノ]-チアゾル-4-オンの調製
Figure 2008513398
N-(4-エトキシ-6-ホルミル-キノリン-2-イル)-アセトアミド(実施例2e、50mg、0.19ミリモル)を酢酸(1.5ml)に溶かした溶液を、マイクロ波シンセサイザーの中で180℃にて60分間にわたって2[2-(3-フルオロ-フェニル)-エチルアミノ]-チアゾル-4-オン(69mg、0.29ミリモル)と酢酸ナトリウム(63mg、0.77ミリモル)で処理した。水(0.5ml)を添加し、得られた反応混合物をマイクロ波照射によって15分間にわたって140℃にした。1NのNaOHを用いてこの混合物の反応を停止させた。沈殿物を吸引濾過によって回収し、水とエーテルとジクロロメタンで順番に洗浄した。次に、粗沈殿物をDMFに溶かし、濃縮して乾燥させた。この材料を熱いジオキサンと研和し、濾過した。母液を減圧下で濃縮すると、生成物として5-(2-アミノ-4-エトキシ-キノリン-6-イルメチレン)-2-[2-(3-フルオロ-フェニル)-エチルアミノ]-チアゾル-4-オンが粉末として得られた(23mg、28%)。LC-MS m/e 437 (MH+)。
実施例3
2-アミノ-5-(2-アミノ-4-エトキシ-キノリン-6-イルメチレン)-チアゾル-4-オン
Figure 2008513398
N-(4-エトキシ-6-ホルミル-キノリン-2-イル)-アセトアミド(実施例2e、50mg、0.19ミリモル)を酢酸(1.5ml)に溶かした溶液を、マイクロ波シンセサイザーの中で180℃にて45分間にわたってプソイドチオヒダントイン(34mg、0.29ミリモル)と酢酸ナトリウム(63mg、0.77ミリモル)で処理した。この混合物を1NのNaOHとジクロロメタンに分けた。望む生成物が含まれている水層を濃縮して乾燥させ、粗残留物をRP HPLCで精製すると、生成物がTFA塩として得られた(5mg、8%)。LC-MS m/e 315 (MH+)。
実施例4
N-(4-エトキシ-6-{4-オキソ-2-[(テトラヒドロ-ピラン-4-イルメチル-アミノ)-4H-チアゾル-5-イリデンメチル]-キノリン-2-イル}-アセトアミド
Figure 2008513398
酢酸c-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-メチルアンモニウムの調製
Figure 2008513398
テトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン(7.5g、75ミリモル)とトシルメチルイソシアニド(16.05g、82.4ミリモル)をDME(125ml)に溶かした冷たい(氷水浴)溶液を、カリウムt-ブトキシド(16.8g、150ミリモル)をt-ブチルアルコール(250ml)に懸濁させた懸濁液で処理した。この反応混合物を室温にて3時間半にわたって撹拌した後、エーテル(250ml)で希釈した。この混合物を水とブラインで順番に洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を高真空下で短行程蒸留によって精製すると、ニトリルが無色の油として得られた(2.98g)。この材料を1Mのボラン/テトラヒドロフラン(THF)(134ml、134ミリモル)に溶かし、室温にて一晩にわたって撹拌した。メタノールを添加して過剰なボランをクエンチした(室温、1時間)後、この混合物を濃縮して乾燥させた。残留物を4NのHCl/ジオキサンに溶かし、室温にて1時間にわたって撹拌した後、減圧下で濃縮した。固体残留物をエーテルと研和し、吸引濾過によって回収した。この材料(1.81g、11.9ミリモル)をTHF(30ml)に懸濁させた懸濁液を1NのNaOH(11.9ml、11.9ミリモル)で室温にて半時間にわたって処理した。THFを蒸溜によって除去し、水溶液をNaClで飽和させた後、ジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を酢酸(0.68ml、11.9ミリモル)で処理し、真空炉の中で乾燥させると、酢酸c-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-メチルアンモニウムが得られた(1.71g)。
N-(4-エトキシ-6-{4-オキソ-2-[(テトラヒドロ-ピラン-4-イルメチル-アミノ)-4H-チアゾル-5-イリデンメチル]-キノリン-2-イル})-アセトアミドの調製
Figure 2008513398
N-[4-エトキシ-6-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-キノリン-2-イル]-アセトアミド(実施例6a、50mg、0.12ミリモル)をアセトニトリル(2ml)に懸濁させた懸濁液をジイソプロピルエチルアミン(0.20ml、1.2ミリモル)およびヨウ化メチル(0.15ml、2.3ミリモル)と室温にて45分間にわたって反応させた。この混合物を濃縮して乾燥させ、残留物をアセトニトリル(2ml)に懸濁させた。ジイソプロピルエチルアミン(0.20ml、1.2ミリモル)と酢酸c-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-メチルアンモニウム(100mg、0.58ミリモル)を室温にて順番に添加し、得られた混合物を室温にて一晩にわたって撹拌した。沈澱物を吸引濾過によって回収し、SiO2に吸収させ、シリカゲル・カラム上で0〜10%メタノール/酢酸エチル勾配を用いて精製すると、生成物が固形物として得られた(29mg、56%)。LC-MS m/e 455 (MH+)。
実施例5
N-[6-(2-シクロプロピルアミノ-4-オキソ-4H-チアゾル-5-イリデンメチル)-4-エトキシ-キノリン-2-イル]-アセトアミド
Figure 2008513398
2-シクロプロピルアミノ-チアゾル-4-オンの調製
Figure 2008513398
クロロ酢酸エチル(20g、0.16モル)とチオシアン酸カリウム(12.7g、0.13モル)をエタノール(100ml)に溶かした溶液を3時間にわたって還流させた。この溶液を濾過し、減圧下で濃縮すると、チオシアナト-酢酸エチルエステルが18.7g得られた(97%)。酢酸シクロプロピルアンモニウム(0.50g、4.27ミリモル)とチオシアナト-酢酸エチルエステル(0.62g、4.27ミリモル)の混合物を3時間にわたって90℃に加熱し、室温にて一晩にわたって放置した。この反応混合物を6NのHClとジクロロメタンに分けた。それぞれの層を分離した。水層に6Nの水酸化アンモニウムを添加して塩基性にした後、濃縮して乾燥させた。粗生成物をジクロロメタンと研和し、得られた溶液を濾過によって固体から分離した。この溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して乾燥させた。粗生成物をシリカゲル・カラム上で100%酢酸エチルを用いて精製すると、2-シクロプロピルアミノ-チアゾル-4-オンが得られた(244mg、37%)。
N-[6-(2-シクロプロピルアミノ-4-オキソ-4H-チアゾル-5-イリデンメチル)-4-エトキシ-キノリン-2-イル]-アセトアミドの調製
Figure 2008513398
N-[4-エトキシ-6-ホルミル-キノリン-2-イル)-アセトアミド(100mg、0.39ミリモル)を酢酸(2ml)に溶かした溶液を、マイクロ波シンセサイザーの中で2-シクロプロピルアミノ-チアゾル-4-オン(61mg、0.39ミリモル)と酢酸ナトリウム(127mg、1.55ミリモル)を用いて180℃にて90分間にわたって処理した。沈殿物を吸引濾過によって回収し、水とエーテルで順番に洗浄し、真空炉の中で乾燥させると、生成物としてN-[6-(2-シクロプロピルアミノ-4-オキソ-4H-チアゾル-5-イリデンメチル)-4-エトキシ-キノリン-2-イル]-アセトアミドが固形物として得られた(32mg、21%)。LC-MS m/e 397 (MH+)。
実施例6
N-(4-エトキシ-6-{4-オキソ-2-[2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-エチルアミノ]-4H-チアゾル-5-イリデンメチル}-キノリン-2-イル)-アセトアミド
Figure 2008513398
N-[4-エトキシ-6-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-キノリン-2-イル]-アセトアミドの調製
Figure 2008513398
N-[4-エトキシ-6-ホルミル-キノリン-2-イル)-アセトアミド(400mg、1.55ミリモル)を酢酸(6ml)に溶かした溶液を、マイクロ波シンセサイザーの中でロダニン(320mg、0.29ミリモル)と酢酸ナトリウム(530mg、6.5ミリモル)を用いて160℃にて25分間にわたって処理した。沈殿物を吸引濾過によって回収し、酢酸と水とエーテルで洗浄した後、真空炉の中で乾燥させると、中間体であるN-[4-エトキシ-6-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-キノリン-2-イル]-アセトアミドが茶色の固形物として得られた(396mg、68%)。
N-(4-エトキシ-6-{4-オキソ-2-[2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-エチルアミノ]-4H-チアゾル-5-イリデンメチル}-キノリン-2-イル)-アセトアミドの調製
Figure 2008513398
N-[4-エトキシ-6-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-キノリン-2-イル]-アセトアミド(実施例6a、50mg、0.11ミリモル)をアセトニトリル(1.5ml)に懸濁させた懸濁液をジイソプロピルエチルアミン(0.200ml、1.15ミリモル)およびヨウ化メチル(0.15ml、2.3ミリモル)と室温にて30分間にわたって反応させた。この混合物を濃縮して乾燥させ、残留物をアセトニトリル(1.5ml)に懸濁させた。ジイソプロピルエチルアミン(0.20ml、1.15ミリモル)と4-(2-アミノエチル)テトラヒドロピラン(0.075ml、0.58ミリモル)を室温にて順番に添加し、得られた混合物を室温にて一晩にわたって撹拌した。沈殿物を吸引濾過によって回収し、アセトニトリルで洗浄した後、SiO2に吸収させ、シリカゲル・カラム上で0〜10%メタノール/酢酸エチル勾配を用いて精製すると、生成物としてN-(4-エトキシ-6-{4-オキソ-2-[2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-エチルアミノ]-4H-チアゾル-5-イリデンメチル}-キノリン-2-イル)-アセトアミドが淡黄色の固形物として得られた(22mg、50%)。LC-MS m/e 469 (MH+)。
実施例7
N-(6-{2-アミノ-4-オキソ-4H-チアゾル-5-イリデンメチル}-4-エトキシ-キノリン-2-イル)-アセトアミド
Figure 2008513398
N-[4-エトキシ-6-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-キノリン-2-イル]-アセトアミド(実施例6a、80mg、0.21ミリモル)をアセトニトリル(3ml)に懸濁させた懸濁液をジイソプロピルエチルアミン(0.40ml、2.2ミリモル)およびヨウ化メチル(0.30ml、4.6ミリモル)と室温にて30分間にわたって反応させた。この混合物を濃縮して乾燥させ、残留物をDMF(0.5ml)に懸濁させた。アンモニアをメタノール(7N、5ml、35ミリモル)に溶かした溶液を室温にて添加し、得られた混合物を室温にて24時間にわたって撹拌した。この混合物を濃縮して乾燥させ、固体を水と研和した。沈殿物を吸引濾過によって回収し、水とエーテルで順番に洗浄した後、大気中で乾燥させると、生成物が明るい茶色の固形物として得られた(50mg、63%)。LC-MS m/e 357 (MH+)。
実施例8
N-[6-(2-シクロプロピルメチルアミノ-4-オキソ-4H-チアゾル-5-イリデンメチル)-4-エトキシ-キノリン-2-イル]-アセトアミド
2-シクロプロピルメチルアミノ-チアゾル-4-オンの調製
Figure 2008513398
酢酸シクロプロピルメチルアンモニウム(0.45g、3.44ミリモル)とチオシアナト-酢酸エチルエステル(0.5g、3.44ミリモル)の混合物を2時間にわたって90℃に加熱した。この反応混合物を6NのHClとジクロロメタンに分けた。それぞれの層を分離した。水層に6Nの水酸化アンモニウムを添加して塩基性にした後、ジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。水層も濃縮して乾燥させ、残留物をDMFと研和した。このDMF溶液を濾過し、濃縮して乾燥させた。残留物を1つにまとめ、シリカゲル・カラム上で100%酢酸エチルを用いて精製すると、2-シクロプロピルメチルアミノ-チアゾル-4-オンが得られた(275mg、47%)。
N-[6-(2-シクロプロピルメチルアミノ-4-オキソ-4H-チアゾル-5-イリデンメチル)-4-エトキシ-キノリン-2-イル]-アセトアミドの調製
Figure 2008513398
N-[4-エトキシ-6-ホルミル-キノリン-2-イル)-アセトアミド(100mg、0.39ミリモル)を酢酸(2ml)に溶かした溶液を、マイクロ波シンセサイザーの中で2-シクロプロピルメチルアミノ-チアゾル-4-オン(66mg、0.39ミリモル)と酢酸ナトリウム(127mg、1.55ミリモル)を用いて180℃にて2時間にわたって処理した。この反応混合物を1NのNaOHと酢酸エチル/ジクロロメタン(1:1)に分けた。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して乾燥させた。粗生成物をシリカゲル・カラム上で0〜7%メタノール/酢酸エチル勾配を用いて精製すると、生成物としてN-[6-(2-シクロプロピルメチルアミノ-4-オキソ-4H-チアゾル-5-イリデンメチル)-4-エトキシ-キノリン-2-イル]-アセトアミドが固形物として得られた(10mg、7%)。LC-MS m/e 411 (MH+)。
実施例9
N-(6-{2-[([1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-アミノ]-4-オキソ-4H-チアゾル-5-イリデンメチル}-4-エトキシ-キノリン-2-イル)-アセトアミド
Figure 2008513398
N-[4-エトキシ-6-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-キノリン-2-イル]-アセトアミド(実施例6a、50mg、0.12ミリモル)をアセトニトリル(1.5ml)に懸濁させた懸濁液をジイソプロピルエチルアミン(0.20ml、1.2ミリモル)およびヨウ化メチル(0.15ml、2.3ミリモル)と室温にて30分間にわたって反応させた。この混合物を濃縮して乾燥させ、残留物をアセトニトリル(1.5ml)に懸濁させた。ジイソプロピルエチルアミン(0.20ml、1.2ミリモル)とc-[1,4]ジオキシン-2-イル-メチルアミン(68mg、0.58ミリモル)を室温にて順番に添加し、得られた混合物を室温にて一晩にわたって撹拌した。沈殿物を吸引濾過によって回収し、SiO2に吸収させ、シリカゲル・カラム上で100%酢酸エチルを用いて精製すると、生成物としてN-(6-{2-[([1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-アミノ]-4-オキソ-4H-チアゾル-5-イリデンメチル}-4-エトキシ-キノリン-2-イル)-アセトアミドが固形物として得られた(34mg、63%)。LC-MS m/e 457 (MH+)。
実施例10
医薬的アッセイ
本発明による化合物の医薬的性質は、多数の医薬的アッセイで確認することができる。以下に例示する医薬的アッセイは、本発明の化合物とその塩を用いて実施した。本発明の化合物はCDK1/サイクリンB活性を示し、Ki値が5.0μM未満であった。これは、すべての化合物がCDK1/サイクリンBを抑制する活性を持っていたことを示している。
CDK1活性の抑制状態を測定するため、フラッシュプレート(登録商標)(NEN(登録商標)-ライフ・サイエンス・プロダクツ社)アッセイまたはHTRFアッセイを実施した。どちらのタイプのキナーゼ・アッセイも、組み換えヒトCDK1/サイクリンB複合体を用いて実施した。GST-サイクリンBとCDK1のcDNAクローンを組み込んだバキュロウイルス・ベクターは、ベイラー医科大学(ヒューストン、テキサス州)のW. Harper博士から提供された。以前に報告(Harper, J.W.他、Cell、1993年、第75巻、805〜816ページ)されているようにしてタンパク質をハイ・ファイブ(登録商標)昆虫細胞で同時発現させ、複合体をグルタチオン・セファロース樹脂(ファルマシア社、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)上で精製した。網膜芽腫(Rb)タンパク質の先端部を切り取って6×ヒスチジン・タグを付けた形態(アミノ酸386〜928)をCDK1/サイクリンBアッセイの基質として用いた(この発現プラスミドは、ロッシュ研究センターの分子ウイルス学部門(ウェリン・ガーデン・シティ、イギリス国)のVeronica Sullivan博士から提供された)。Rbタンパク質はCDK1によるリン酸化のための天然の基質である(HerwigとStrauss、Eur. J. Biochem.、第246巻、1997年、581〜601ページと、その中で引用されている参考文献を参照のこと)。この62kDタンパク質の発現は、M15大腸菌株のIPTG誘導プロモーターの制御下にあった。細胞を超音波処理によって溶解させ、1mMのイミダゾールであらかじめ処理したNiキレート化アガロース・カラムにライセートをpH8.0にて結合させることによって精製した。次にこの樹脂を、pHを6.0まで段階的に小さくした複数のpH緩衝液を用いて数回洗浄し、500mMのイミダゾールを用いて溶離させた。溶離したタンパク質を、20mMのヘペス(pH7.5)、30%グリセロール、200mMのNaCl、1mMのDTTに対して透析した。精製したRb融合タンパク質のストックを定量化してタンパク質の濃度を明らかにし、アリコートを作り、-70℃にて保管した。
フラッシュプレート・キナーゼ・アッセイを行なうため、96ウエルのフラッシュプレートを10μg/mlのRbタンパク質でコーティングした。ウエル1つにつき100μlを使用した。プレートを、振盪機の上で、4℃にて一晩にわたって、または室温にて3時間にわたってインキュベートした。非特異的リン酸化の対照とするため、ウエルの1列を100μl/ウエルのコーティング緩衝液(20mMのヘペス、0.2MのNaCl)でコーティングした。次にプレートを洗浄緩衝液(0.01%のトゥイーン20を含むリン酸緩衝生理食塩水)で2回洗浄した。調べる化合物(“テスト化合物”)を最終濃度の5倍にしてウエルに添加した。40μlの反応混合物(25mMのヘペス、20mMのMgCl2、0.002%のトゥイーン20、2mMのDTT、1μMのATP、4nMの33P-ATP)と十分な量の酵素を直ちに添加することによって反応を開始させると、バックグラウンドの少なくとも10倍のカウントが得られた。プレートを振盪機の上で室温にて30分間にわたってインキュベートした。プレートを洗浄緩衝液で4回洗浄し、密封し、トップカウント・シンチレーション・カウンタ(パッカード・インスツルメント社、ダウナーズ・グローヴ、イリノイ州)でカウントした。CDK活性抑制の1つの指標であるRbリン酸化の抑制率は、以下の式から求めた。
100×{1 - (テスト化合物 - 非特異的)/(合計 - 非特異的)}
ただし“テスト化合物”は、複数のテスト用複製に関する1分間当たりの平均カウント数であり、“非特異的”は、CDK1/サイクリンBなどを添加しないときの1分間当たりの平均カウント数であり、“合計”は、化合物を添加しないときの1分間当たりの平均カウント数である。IC50値は、記載したテスト条件下でプロテイン・-キナーゼによって誘導される放射性標識の取り込みを50%低下させるテスト化合物の濃度である。阻害定数Kiの値は、Ki = IC50/(1+ [S]/Km)によって計算される。ただし[S]はATPの濃度であり、Kmはミカエリス定数である。
ホモジニアス時間分解蛍光(HTRF)キナーゼ・アッセイを96ウエルのポリプロピレン・プレート(BDバイオサイエンシーズ社、ベッドフォード、マサチューセッツ州)で実施した。テスト化合物をまず最初にDMSOに溶かし、次いでキナーゼ・アッセイ用緩衝液1(25mMのヘペス(pH7.0)、8mMのMgCl2、1.5mMのDTT、162μMのATP)の中に希釈してDMSOの濃度を15%にした。CDK1/サイクリンB酵素をキナーゼ・アッセイ用緩衝液2(25mMのヘペス(pH7.0)、8mMのMgCl2、0.003%のトゥイーン20、0.045%のBSA、1.5mMのDTT、0.338μMのRbタンパク質)の中に希釈した。キナーゼを反応させるため、アッセイ用プレートの中で20μlの化合物溶液を40μlのCDK1/サイクリンB溶液と混合してCDK1/サイクリンBとRbの最終濃度をそれぞれ0.1μg/mlと0.113μMにし、37℃にて30分間にわたってインキュベートした。15μlの抗ホスホ-Rb(Ser780)抗体(セル・シグナリング・テクノロジー社、ビヴァリー、マサチューセッツ州)を、抗体の希釈率が1:7692となるようにして添加した。インキュベーションを37℃にて25分間継続した後、LANCE Eu-W1024で標識した抗ウサギIgG(1nM、パーキンエルマー社、ウェルズリー、マサチューセッツ州)と抗His抗体がシュアライト-アロフィコシアニン(20nM、パーキンエルマー社、ウェルズリー、マサチューセッツ州)と共役したものをウエルに添加した。37℃にてさらに40分間にわたってインキュベーションを継続した。インキュベーションが終了すると、35μlの反応混合物を新しい384ウエルの黒いポリスチレン・プレート(コーニング社、コーニング、ニューヨーク州)に移し、蛍光プレート読み取り機を用いて励起波長340nm、放出波長665/615nmで読み取った。
本発明の化合物でのCDK1/サイクリンB活性を示すKi値は、約0.001μM〜約5.000μMの範囲である。いくつかの実施例に関する具体的なデータを以下に示す。
Figure 2008513398

Claims (19)

  1. 一般式(I)の化合物:
    Figure 2008513398
    (ただし、
    R1は、水素、低級アルキル、アリールオキシ-低級アルキル、-C(O)2[CH2CH2O]p-R9、[CH2CH2O]v-R8、R2-(X)n-のいずれかであり;
    Xは、低級アルキレン、ヒドロキシ-低級アルキレン、シクロ-低級アルキレン、アリール-低級アルキレン、カルボキシ-低級アルキレン、アミド-低級アルキレン、モノハロ-低級アルキレン、ジハロ-低級アルキレン、アミノ-低級アルキレン、モノ低級アルキルアミノ-低級アルキレン、ジ低級アルキルアミノ-低級アルキレン、イミド-低級アルキレンのいずれかであり;
    R2は、
    Figure 2008513398
    であり;
    Figure 2008513398
    は、アリール環;3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル;3〜5個の炭素原子と、酸素、窒素、イオウからなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子とを含む4員〜6員のヘテロシクロアルキル環;酸素、イオウ、窒素からなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子を含む5員または6員の複素芳香族環のいずれかであり;
    R5、R6、R7は、独立に、ヒドロキシ、低級アルキル-スルホン、ヒドロキシ-低級アルキル、水素、低級アルキル、ハロゲン、ペルフルオロ-低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、モノ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノからなるグループの中から選択されるか、置換基R5、R6、R7のうちの2つが環:
    Figure 2008513398
    上の隣り合った炭素原子上の置換基である場合には、その2つの置換基は、これら置換基が結合している互いに隣接した炭素原子と合わさって、アリール環を形成するか;酸素、窒素、イオウからなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子を含む3員〜6員のシクロアルキル環を形成するか;酸素、窒素、イオウからなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子を含む4員〜6員の複素芳香族環を形成し;
    R4は、水素、-(O)k(CH2CH2O)y-R10
    Figure 2008513398

    -O-(CH2)m-R14のいずれかであり;
    R19は水素であり;
    R20は、水素、低級アルキル、
    Figure 2008513398
    のいずれかであり;
    Figure 2008513398
    は、アリール環;3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル;酸素、イオウ、窒素からなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子を含む4員〜6員のヘテロシクロアルキル環;酸素、イオウ、窒素からなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子を含む5員または6員の複素芳香族環のいずれかであり;
    R8とR9は、独立に、水素または低級アルキルであり;
    R10とR11は低級アルキルであり;
    R14はペルフルオロ-低級アルキルであり;
    R17とR18は、独立に、水素、低級アルキル、
    Figure 2008513398
    のいずれかであり;
    nとkは0または1の整数であり;
    w、y、zは0〜3の整数であり;
    pは0〜6の整数であり;
    vとmは1〜6の整数である)
    または、R2が複素芳香族環に窒素を含む化合物のN-オキシド、またはR2がヘテロシクロアルキル環または複素芳香族環にイオウを含むスルホン;
    またはその医薬的に許容可能な塩。
  2. 一般式(I-A)の化合物:
    Figure 2008513398
    である(ただし、
    R1'は、水素または低級アルキルであり;
    R4、R19、R20は請求項1に定義した通りである)、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩。
  3. R1'が水素であり;
    R4が-(O)k(CH2CH2O)y-R10であり;
    R10、k、yが請求項1に定義した通りである、請求項2に記載の化合物。
  4. N-(6-{2-アミノ-4-オキソ-4H-チアゾル-5-イリデンメチル}-4-エトキシ-キノリン-2-イル)-アセトアミドと
    2-アミノ-5-(2-アミノ-4-エトキシ-キノリン-6-イルメチレン)-チアゾル-4-オンである、請求項3に記載の化合物。
  5. 一般式(I-B)の化合物:
    Figure 2008513398
    (ただし、
    R1"はR2'-(X')n-であり;
    n、R4、R19、R20は請求項1に定義した通りであり;
    X'は、低級アルキレン、ヒドロキシ-低級アルキレン、シクロ-低級アルキレン、モノハロ-低級アルキレン、ジハロ-低級アルキレンのいずれかであり;
    R2'は
    Figure 2008513398
    であり;
    Figure 2008513398
    は、アリール環;3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル環;3〜5個の炭素原子と、酸素、窒素、イオウからなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子とを含む4員〜6員のヘテロシクロアルキル環;酸素、イオウ、窒素からなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子を含む5員または6員の複素芳香族環のいずれかであり;
    R5'とR6'は、独立に、ヒドロキシ、低級アルキル-スルホン、ヒドロキシ-低級アルキル、水素、低級アルキル、ハロゲン、ペルフルオロ-低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、モノ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノからなるグループの中から選択される)である、請求項1に記載の化合物;
    またはR2'が複素芳香族環に窒素を含む化合物のN-オキシド、またはR2'がヘテロシクロアルキル環または複素芳香族環にイオウを含むスルホン;
    またはその医薬的に許容可能な塩。
  6. X'が低級アルキレンであり;
    R2'が、場合によってはハロゲンで置換されているフェニルであり;
    R4が-O-CH2-CH3であり;
    nが1である、請求項5に記載の化合物。
  7. 5-(2-アミノ-4-エトキシ-キノリン-6-イルメチレン)-2-[2-(3-フルオロ-フェニル)-エチルアミノ]-チアゾル-4-オンである、請求項6に記載の化合物。
  8. X'が低級アルキレンであり;
    R2'が、3〜5個の炭素原子と、酸素、窒素、イオウからなるグループの中から選択した1〜2個のヘテロ原子とを含む複素環であり;
    R4が-O-CH2-CH3であり;
    nが1である、請求項5に記載の化合物。
  9. N-(4-エトキシ-6-{4-オキソ-2-[2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-エチルアミノ]-4H-チアゾル-5-イリデンメチル}-キノリン-2-イル)-アセトアミド、
    N-(4-エトキシ-6-{4-オキソ-2-[(テトラヒドロ-ピラン-4-イルメチル-アミノ)-4H-チアゾル-5-イリデンメチル]-キノリン-2-イル}-アセトアミド、
    N-(6-{2-[([1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-アミノ]-4-オキソ-4H-チアゾル-5-イリデンメチル}-4-エトキシ-キノリン-2-イル)-アセトアミドである、請求項8に記載の化合物。
  10. X'が低級アルキレンであり;
    R2'が、置換されていないシクロプロピル、またはフェニルで置換されているシクロプロピルであり;
    R4が-O-CH2-CH3であり;
    nが0または1である、請求項5に記載の化合物。
  11. N-[6-(2-シクロプロピルメチルアミノ-4-オキソ-4H-チアゾル-5-イリデンメチル)-4-エトキシ-キノリン-2-イル]-アセトアミド、
    N-[6-(2-シクロプロピルアミノ-4-オキソ-4H-チアゾル-5-イリデンメチル)-4-エトキシ-キノリン-2-イル]-アセトアミド、
    5-[1-(2-アミノ-キノリン-6-イル)-メト-(Z)-イリデン]-2-((1R,2S)-2-フェニル-シクロプロピルアミノ)-チアゾル-4-オンである、請求項10に記載の化合物。
  12. 請求項1に記載の一般式(I)の化合物を製造する方法であって、
    a)一般式(II)の化合物:
    Figure 2008513398
    を、一般式(III)の化合物:
    Figure 2008513398
    の存在下で反応させて一般式(IV)の化合物:
    Figure 2008513398
    を取得し;
    b)その一般式(IV)の化合物をさらにメチル化剤の存在下で反応させて一般式(V)の化合物:
    Figure 2008513398
    を取得し;
    c)その一般式(V)の化合物をさらに一般式(VI)のアミン:
    R1-NH2 (VI)
    と反応させて一般式(I)の化合物を取得し;
    d)その一般式(I)の化合物を反応混合物から分離し、望むのであれば医薬的に許容可能な塩に変換する方法(ただしR1、R4、R19、R20は、請求項と同じである)。
  13. ステップb)における上記メチル化剤がヨードメタンである、請求項12に記載の方法。
  14. がん、その中でも固形腫瘍の治療用である、請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
  15. 一般式(I)で表わされる1種類以上の化合物と、医薬的に許容可能なアジュバントとを含む、がん治療用、その中でも固形腫瘍治療用の医薬組成物。
  16. 細胞周期の進行の乱れが主な原因である疾患を治療する薬を製造するための、請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
  17. がん、その中でも固形腫瘍を治療する薬を製造するための、請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
  18. 請求項12に記載の方法によって調製される請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
  19. 実質的に上に記載した内容の新規な化合物、方法、組成物及び使用。
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