JP2008513363A - ナノ粒子を含む送達媒体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ナノ粒子を含む送達媒体に関連する。更に、本発明は、前記薬物送達媒体を含む薬学的組成にも関連する。更に、本発明は、前記送達媒体の製造方法および医薬分野への前記送達媒体の使用にも関連する。

Description

本発明は、ナノ粒子を含む送達媒体に関連する。更に、本発明は、前記薬物送達媒体を含む薬学的組成にも関連する。更に、本発明は、前記送達媒体の製造方法および医薬における前記媒体の使用にも関連する。
bbbのような生理学的障壁を通過することができる薬物は多く存在する。しかし、それ以外の薬物は、効率良くそれらの障壁を通過できないか、または全く通過できず、かつ、目標の組織に直接投与されたときのみ効果を発揮する。このように、潜在的に強力な多くの薬物が、bbbのような生理学的障壁を通過する能力が無いために臨床上有効利用できない。
従来技術において、前記生理学的障壁における薬物の透過を増加させる取り組みは、多数報告されている。
一つの取り組みとして、前記障壁、例えばbbb自身の機能を変化させる取り組みがなされてきた。例えば、浸透性の薬剤を末梢に(静脈注射などにより)投与すると、結果としてbbbが開放される。更に、CNS上で作用するいくつかの薬物は、他の物質に対するbbbの透過性を変化させることができる。例えば、コリン作用薬であるアレコリンは、bbbにおける薬物透過の変化を引き起こすことが報告されている(非特許文献1参照)。
もう一つの取り組みは、薬物分子自体の修飾である。例えば、タンパク質のような巨大分子は、bbbを全く通過できない。例えば、まず、前記巨大分子の活性部位、すなわち、前記分子において生物学的に望ましい結果を引き出す一部分を単離し、続いてこの活性部位のみを用いることができる。サイズは、bbbの透過性を許容する一因である。このため、より小さい分子はただちにbbbを透過できるであろうという期待の元に、減少させたサイズが用いられている。他に、bbbの通過を試みるための巨大分子の修飾としては、タンパク質の糖化、またはプロドラッグの形成が含まれる。タンパク質は、糖化することによりbbbの透過性を高めることができる。
特許文献1は、タンパク質の糖化を論じており、一方、特許文献2および特許文献3は、プロドラッグの形成を開示している。これらのプロドラッグは、脂肪酸担体から形成され、向神経活性の薬物であり、それ自体は、bbbを通過することができない。特許文献3において同様の方法が開示されている。
さらにもう一つの取り組みは、徐放性ポリマーの埋め込みである。前記徐放性ポリマーは、活性成分をマトリクスシステムから直接神経組織内に放出する。しかし、この取り組みは侵襲的であり、かつ、脳内または脊髄内に直接埋め込む場合には外科的処置が必要である(Sabelらによる特許文献4および特許文献5参照)。
これらの制約を克服するために、もう一つの取り組みが試みられている。その取り組みにおいては、リポソーム、赤血球ゴースト、抗体複合物およびモノクローナル抗体複合物のような薬物担体システムを用いる。標的薬物送達(ターゲッティングドラッグデリバリー)における主な問題の一つは、急速なオプソニン化、および、注入された担体の、細網内皮系(RES)特に肝臓と脾臓におけるマクロファージによる取り込みである。この障害は、リポソームの場合、ホスファチジルイノシトール、モノシアロガングリオシドまたはスルフォガラクトシルセラミドのような“ステルス(stealth)”と呼ばれる脂質を混合することにより部分的に克服され得る。しかしながら、これらの系は全て、医薬への幅広い応用を可能にする融通性を欠いている。
更に、所望の標的組織に薬物を直接運ぶ取り組みが、特許文献6で開示されている。同文献中には、ポリマー材料から形成されたナノ粒子を含む薬物標的システム(ドラッグターゲッティングシステム)が開示されている。前記ナノ粒子は、前記哺乳類に送達される薬物と、その表面に堆積した界面活性剤コーティングと、投与後に前記ナノ粒子の標的への輸送を前記哺乳類の体内で可能にする生理学的に許容可能な担体および/または希釈液を含む。この取り組みでは、ナノ粒子は、好ましくは、1000nm未満の直径を有するポリマー粒子を含めて用いられる。図1bにおいて、ポリマー材料内にカプセル封入された薬物を輸送するナノ粒子も開示されている。しかしながら、ポリマー性コア粒子を有し、その表面に前記薬物および続いて界面活性剤コーティングを適用したナノ粒子は、実際に行った実験のみしか示されていない。前記医薬品および、後に界面活性剤コーティングを適用された医薬品上にポリマーのコア粒子を有するナノ粒子を直接提供したのは試みだけである。
特許文献6には、コア粒子上における薬物を含む多層のポリマーコーティングに関する情報も、コーティング層の正確な厚みに関する情報も含まれていない。更に、前記文献中における前記ナノ粒子は、非透過性および透過性薬物がさらに容易にbbbを通過できるようにするための目的を有する「標的システム(ターゲッティングシステム)」としてデザインされている。同文献中で用いられる「ナノ粒子(nanoparticle)」という用語は、使用環境による化学的および/または物理的破壊に十分に抵抗しうる担体構造を示す。このため、血流内注射、または腹腔内もしくは経口投与後、十分な量の前記ナノ粒子が、実質的に無傷で残り、脳のbbbに達することができる。この中で用いられる“ナノ粒子”という用語は、使用環境による化学的および/または物理的破壊に対して十分に耐えうる担体構造を示しており、血中、腹腔内または経口投与後、充分な量のナノ粒子が、もとのままで残ることができる。特許文献6には、a)例えばbbbまたは粘膜障壁のような全ての主要なタイプの生理学的障壁を通過可能であり、b)修飾された放出、例えば、徐放または遷延性放出を達成することが可能であり、生理学的障壁を通過した後に標的組織内で活性を有している薬物送達(ドラッグデリバリー)媒体としてナノ粒子をデザインして用いることは、開示されていない。
特許文献7は、核酸および他の多価イオン性生理活性薬物の持続的送達に関連する。特に、同文献は、核酸のような多価イオン性生理活性組成物を動物の組織に送達するための化合物および方法について記述している。前記化合物は、多価イオン性生理活性薬物を含んでいるマトリクスを含む化合物を包含する。そして、少なくとも前記マトリクスの外面部分における前記多価イオン性生理活性物質のほとんどは、濃縮された形態で存在する。
特許文献8は、ナノ粒子、好ましくは表面修飾ナノ粒子を含む徐放性薬物送達システム(ドラッグデリバリーシステム)を提供する。前記ナノ粒子は、生分解性、生体適合性ポリマーまたはバイオマテリアルからなるコアを有している。前記ナノ粒子の平均径は、ナローサイズ分布(narrow size distribution)で、典型的には約300nm以下、好ましくは、100nm〜150nmの範囲、および、さらに好ましくは、10nm〜50nmの範囲である。前記ポリマー性のコアは、生理活性または生理不活性の薬物または薬物の組み合わせを有していても良く、前記ナノ粒子コアを含むポリマーマトリクスに取り込まれていても、包埋されていても、同調されていても、またはさもなければ一部を構成していても良い。前記取り込まれた生理活性薬物は、前記ポリマーが加水分解および分解するにつれて放出され、それによって生理分解性である。特許文献8において、前記徐放は、薬物コアの表面にコーティングされた少なくとも一つのポリマー層により達成されるのではなく、前記薬物が分布する前記ポリマーマトリクスの分解により達成される。前記ナノ粒子を形成する際には、前記ポリマー材料に前記生理活性薬物を加える。
米国特許第5,260,308号公報 米国特許第4,933,324号公報 国際公開WO89/07938号パンフレット 米国特許第4,883,666号公報 米国特許出願番号第07/407,930号 国際公開WO95/022963号パンフレット 国際公開WO00/041647号パンフレット 国際公開WO96/20698号パンフレット Saija, A., Princi, P., De Pasquale, R., Costa, G., "Arecoline but not haloperidol produces changes in the permeability of the blood−brain barrier in the rat." J. Pharm. Pha. 42:135−138(1990)
そこで、本発明の目的は、医薬品のための送達媒体、特に、所望の放出特性を得られる送達媒体を供給することである。特に、本発明の目的は、医学的条件を変化させるために用いるのに適していて、動物や人間の体内における主な生理学的または生物学的障壁を特異的に通過でき、続いて標的組織内における薬物の徐放または遷延性放出のような修飾された放出特性を示す送達媒体を供給することである。更に、本発明の目的は、薬物送達(ドラッグデリバリー)のためのナノ粒子の製造方法を供給することである。更に、本発明は、薬物送達媒体製造のための改良された方法であって、前記媒体を固形分として高い収率で得ることが可能な方法の提供をも目的とする。更に、本発明は、薬物送達媒体製造のための方法であって、前記媒体の大量生産に適した方法の提供を目的とする。
前記目的は、前記独立形式請求項の前記内容により達成される。好ましい実施形態は、前記従属形式請求項により示される。
その一局面によれば、本発明は、ナノ粒子を含む新規送達媒体を提供する。前記ナノ粒子は、
a)少なくとも一つの医薬品を含むコア粒子;および
b)前記コア粒子上にコーティングされた10〜200Åの範囲の厚みを有する少なくとも一つのコーティング層を含み、前記コーティング層は、少なくとも一つの生分解性ポリマー材料を含んでいる。
言い換えれば、本発明は、標的システム(ターゲッティングシステム)を提供する。前記標的システムにおいては、前記医薬品または薬物がコア成分を形成し、前記コア成分は、少なくとも一つのポリマー材料から形成された少なくとも一つの層によりコーティングされている。このように、前記コア成分は、実質的にポリマー材料を何ら含まず、前記少なくとも一つの医薬品および任意に少なくとも一つの担体だけで構成されることが好ましい。好ましい実施形態によれば、前記送達媒体は、少なくとも一つのポリマー材料における少なくとも二つのコーティング層を含んでいる。
本発明は、ナノ粒子に基づく薬物送達媒体の新しい取り組みを提案する。前記取り組みにおいては、ナノ粒子は、医薬品を含むコアおよびポリマー材料による個別の層を含む多層コーティングを含めて開発された。このように、まず本発明は、
a)標的とする組織または器官に到達するために、以下に定義する生理学的障壁を通過する薬物輸送を可能にし、および、
b)個々の医学的条件/疾病に正確に適合させた特異的な放出特性を提供する、
送達媒体を構築する可能性を提案する。
例えば、前記送達媒体またはそれを含む薬学的組成物は、in vivoで少なくとも一つの前記医薬品の遷延性放出または徐放を示してもよい。
加えて、前記多層構造は、一つの薬物の初期放出(または突発放出)、および続けて、前記標的組織または器官に対する前記薬物または別の薬物の徐放または遷延的放出という複合的な特性を有するナノ粒子をデザインする可能性を開く。
前記ナノ粒子は、例えば、上記のように表面を第一のポリマー材料でコーティングされた薬物のコアを含み得る。そして、前記ポリマーコーティング層は、前記コアおよびその表面にコーティングされたさらなる用量の医薬品を含む層に含まれる前記薬物の徐放または遷延的放出を提供する。加えて、この外側の層は、前記医薬品の初期量の急速な放出を提供するために、急速に分解し得るポリマー材料のコーティング層によりコーティングされていても良いし、またはコーティングされていなくても良い。
本発明では、予想外に、10Å〜200Åの範囲の厚みを有するコーティング層が上記結果を成し得るのに適していることが分かった。
ここで用いられる“ナノ粒子”という用語は、一般的に、生体適合性であり、かつ使用環境による化学的および/または物理的破壊に対して十分に耐えうる担体構造を示している。そのため、人間または動物体内に下記の腹腔内、経口または静脈内投与後、充分な量のナノ粒子が、無傷で残り、所望の標的器官または組織、例えば、脳、肝臓、腎臓および肺などに達することができる。
好ましい実施形態によれば、前記ナノ粒子は、1nm〜20μmの範囲、好ましくは、10nm〜10μmの範囲、より好ましくは100nm〜1000nmの範囲の直径を有する。
更に、上記で定義された前記ナノ粒子は、その表面に堆積された界面活性剤コーティングを含むことが好ましい。前記ナノ粒子を適切な界面活性剤による充分なコーティングで処理することは、吸着された薬物が前記bbbのような生理学的障壁をより良く通過することを可能にする。この効果を開示する複数の文献を参照することが可能であり、特に、特許文献6の全体を本明細書中に組み込むことができる。
更なる実施形態によれば、本発明の薬物送達媒体において、前記ナノ粒子は、2〜100の範囲、好ましくは、5〜50の範囲、より好ましくは、10〜20の範囲のコーティング層を含み、前記各コーティング層は、それぞれが少なくとも一つの生分解性ポリマー材料を含む。
上記の通り、本発明は、所望の結果を達成するために複数の異なる医薬品および/または少なくとも一つのポリマー材料を含むいくつかのコーティング層を結びつける可能性を開く。このように、一実施形態において、少なくとも一つのコーティング層は、各層において、異なる生分解性ポリマー材料または生分解性ポリマー材料の混合物を含んでいても良い。
前記生分解性ポリマー材料は、固体またはフィルム状のポリマー、好ましくは、アルキルシアノアクリレート、より好ましくは、ブチルシアノアクリレート、ポリ乳酸、ポリ酪酸ならびにそれらの混合物および誘導体を含んでいることが好ましい。
ここで用いられる“生分解性ポリマー”という用語は、生体内での使用に適している、すなわち、生物学的に不活性で、生理学的に許容可能で、無毒であることが知られている合成または天然由来のポリマー材料を示している。そして、本発明の前記送達システム(デリバリーシステム)では、前記生分解性ポリマーは、使用環境において生分解され、生体に吸収され得る。
本発明を実際に使用するために実例となる適した生分解性材料は、アカシア、ゼラチン、デキストラン、アルブミン、アルギン酸/デンプンなどの天然由来のポリマー、または合成ポリマーを含み、親水性でも疎水性でも良い。
生分解性合成ポリマーもまたナノ粒子を形成するのに用いられ得る。前記合成ポリマーは、ポリグリコライドおよびポリ乳酸ポリグリコライドコポリマー(PLGA)のようなポリエステル;末端が水酸化されたポリ(ε−カプロラクトン)−ポリエーテルまたはポリカプロラクトン(PCL)のようなポリエーテル;ポリアンヒドリド;ポリアクリルアミド;ポリ(オルトエステル);ポリアミノ酸;および生分解性ポリウレタンなどを含むが、これらに限定されない。ポリマーという前記用語は、コポリマーおよびオリゴマーを含むと解釈するべきである。
本明細書中で用いられる前記“医薬品”という用語は、治療薬および診断薬の両方を含んでいる。本明細書中では、“薬物”と“治療薬”は、交換的に用いられる。
前記治療薬は、送達媒体または担体なしでは生理学的障壁を通過できない、または充分に通過できない物質から選択されることが好ましい。前記生理学的障壁は、限定はしないが、血液−脳障壁(bbb)、血液−空気障壁、血液−脳脊髄液障壁および頬粘膜からなる群から選択されることが好ましいが、これらに限定されない。加えて、前記少なくとも一つの治療薬は、中枢神経系活性を有するが送達媒体なしでは血液−脳障壁を通過し得ない治療薬であっても良い。
好ましい実施形態によれば、本発明の前記送達媒体は、シナプス部位およびニューロエフェクタージャンクション部位に活性を有する医薬品;全身麻酔剤および局所麻酔剤;催眠剤および鎮痛剤;うつ病および総合失調症のような精神病学的異常の治療のための薬物;抗てんかん薬および抗痙攣薬;パーキンソン病、ハンチントン病、老化およびアルツハイマー病治療のための薬物;抗肥満薬;興奮性アミノ酸拮抗薬、神経栄養因子および神経再生薬;栄養性因子;CNS外傷または発作治療を意図した薬物;耽溺性および薬物濫用治療のための薬物;オータコイドおよび抗炎症薬;寄生的な感染症および微生物により引き起こされる疾病のための化学療法薬;免疫抑制剤および抗がん剤;ビタミン剤;ホルモンおよびホルモン拮抗薬;重金属および重金属拮抗薬;非金属性毒素のための拮抗薬;ガン治療のための細胞***阻害剤;核医学において用いるための診断物質;免疫活性剤および免疫反応性剤;トランスミッターおよび前記トランスミッターのそれぞれのレセプター作用薬およびレセプター拮抗薬、前記トランスミッターのそれぞれの前駆物質および代謝物質;輸送体阻害剤;抗生物質;鎮痙薬;抗ヒスタミン薬;吐き気止め薬;弛緩薬;興奮薬;センスオリゴヌクレオチドおよびアンチセンスオリゴヌクレオチド;脳血管拡張薬;向精神薬;抗そう病薬;血管拡張薬および血管収縮薬;降圧薬;偏頭痛治療薬;催眠薬、高血糖薬および低血糖薬;抗喘息薬;抗ウイルス薬、好ましくは、抗HIV薬;疾病のDNA治療またはアンチセンス治療に適した遺伝子材料;およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬を含む。
典型的な活性成分(例えば、薬物)は、神経系に影響する任意の物質、または前記神経系の診断テストに用いられる物質であっても良い。これらについては、Gilman et al. (1990), “Goodman and Gilman’s − The Pharmacological Basis of Therapeutics”, Pergamon Press, New Yorkに記述されており、下記の薬物を含む。
アセチルコリンおよび合成コリンエステル、天然由来のコリン作用性アルカロイドおよびその合成同属体、抗コリンエステラーゼ薬、神経節刺激薬、アトロピン、スコポラミンおよび関連する抗ムスカリン薬類、カテコールアミン、エピネフリン、ノルエピネフリンおよびドパミンのような交換神経刺激薬、アドレナリン作用薬、アドレナリン受容体拮抗薬、GABA、グリシン、グルタミン酸、アセチルコリン、ドパミン、5−ヒドロキシトリプトファンおよびヒスタミン、向神経活性ペプチド;オピオイド系鎮痛薬のような鎮痛薬および麻酔薬ならびに拮抗薬;ベンゾジアゼピン、バルビツール酸、抗ヒスタミン薬、フェノチアジンおよびブチルフェノンのような麻酔前投薬および麻酔薬;オピオイド;制吐剤;アトロピン、スコポラミン、グリコピロレートのような抗コリン薬;コカイン;クローラル誘導体;エトクロルビノール;グルタエチミド;メチプリロン;メプロバメート;パーアルデヒド;ジスルフィラム;モルヒネ、フェンタニルおよびナロキソン;フェノチアジン、チオキサンチンおよび他のヘテロ環化合物(例えば、ハルペリオドール(halperiodol))のような精神病用薬;デシミプラミンおよびイミプラミンのような三環系抗うつ薬;異型性抗うつ薬(例えば、フルオキセチンおよびトラゾドン)、イソカルボキサジドのようなモノアミンオキシダーゼ阻害剤;リチウム塩;クロルジアゼポキシドおよびジアゼパムのような抗不安薬;ヒダントインを含む抗てんかん薬、抗痙攣薬、バルビツール酸、イミノスチルビン(例えば、カルバマゼピン)、サクシニミド、バルプロ酸、オキサゾリジンジオンおよびベンゾジアゼピン、L−DOPA/CARBIDOPA、アポモルヒネ、アマタジン、エルゴリン、セレギリン、ロピノロール、ブロモクリプチンメシレートおよび抗コリン薬のような抗パーキンソン病薬;バクロフェン、ヂアゼパムおよびダントロレンのような抗痙攣薬;興奮性アミノ酸拮抗薬のような神経保護薬、神経栄養因子および脳由来の神経栄養因子、繊毛様神経親和性因子、または神経成長因子;ニューロトロフィン(NT)3(NT3);NT4およびNT5;ガングリオシド;神経再生薬;オピオイド拮抗薬および抗うつ薬を含む耽溺性および薬物濫用治療のための薬物;ヒスタミン、ブラジキニン、カイリジンおよび前記それぞれの作用薬および拮抗薬のようなオータコイドおよび抗炎症薬;寄生的な感染症および微生物による疾病のための化学療法薬;アルキル化薬(例えば、ニトロソ尿素)を含む抗がん剤および代謝拮抗物質;ナイトロジェンマスタード、エチルエナミンおよびメチルメラミン;アルキルスルホン酸;葉酸類似体;ピリミジン類似体、プリン類似体、ビンカアルカロイド;および抗生物質
好ましい実施形態によれば、前記診断薬は、核医学および放射線治療の分野の診断における有用な診断薬からなる群から選択される。
前記界面活性剤および/または前記安定剤は、少なくとも一つの下記の物質:
グリセロール、ソルビトールおよび他の多価アルコールの脂肪酸エステル、好ましくは、グリセロールモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステルまたはソルビタンモノオレイン酸エステル;ポリソルベート、好ましくは、ポリソルベート60、およびもっとも好ましくは、ポリソルベート80;ポロクサマー(poloxamer)、好ましくは、ポロクサマー188、338または407;ポロキサミン(poloxamine)、好ましくは、ポロキサミン904、908または1508;ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステル;エトキシトリグリセリド;エトキシフェノールおよびエトキシジフェノール;Genapol(商標)およびBaukiシリーズの界面活性剤;脂肪酸の金属塩、脂肪族アルコール硫酸エステルの金属塩、ラウリル硫酸ナトリウム;およびスルフォサクシネートの金属塩;好ましくは、ポリオキシエチレングリコール、より好ましくは、ルテンゾール50または80;ドデシル硫酸ナトリウム;および前記物質のうち少なくとも2つの混合物を含む
上記において、ポリソルベート80が最も好ましい。
本発明の前記ナノ粒子における前記少なくとも一つのコーティング層は、それぞれ、好ましくは、20Å〜150Åの範囲、より好ましくは、30Å〜100Åの範囲の厚みを有する。
別の一局面によれば、本発明は、本明細書中で定義される前記送達媒体と薬学的に許容可能な担体および/または希釈液とを含む薬学的組成物に関連する。
実用的な実施形態においてナノ粒子を用いるために、前記ナノ粒子は、生理学的なpHおよび浸透圧に調整された蒸留水または一般的な生理食塩水により懸濁液として再構成しても良い。
典型的には、前記ナノ粒子は、注射可能な懸濁液中に0.1mgナノ粒子/ml懸濁液〜100mgナノ粒子/ml懸濁液の範囲の濃度で存在する。10mgナノ粒子/mlが好ましい。用いられる前記ナノ粒子の量は、個々のナノ粒子に含まれる前記医薬品の量に強く依存し、熟練者または主治医であれば、特定の環境における前記ナノ粒子の用量をあらかじめ適合させることができるであろう。
好ましくは、前記送達媒体または前記薬学的組成物は、in vivoで少なくとも一つの前記医薬品の遷延的放出または徐放を示す。本発明の前記原理に従って製造された前記ナノ粒子は、数時間から6ヶ月またはそれ以上の期間で生分解する。
その他、前記薬学的組成物は、前記本発明の送達媒体を他の生理学的障壁に輸送し、かつ通過させるために、例えば、前記血液−空気障壁に輸送し、かつ通過させるために必要な他の形状を取っても良い。例えば、前記薬学的組成物は、前記組成物を吸入により問題の障壁に送達するために、エアロゾルなどの形状を有していても良い。
別の一局面によれば、本発明は、医薬品のための送達媒体の製造方法であって、
a)少なくとも一つの医薬品の粒子を調製する工程と、
b)適切な溶媒中で、前記粒子の懸濁液を調製する工程、
c)液体および少なくとも一つの生分解性ポリマー材料のモノマーを含む混合物に前記懸濁液を加え、前記粒子上にポリマーコーティングを提供するために前記モノマーを重合させ、さらに前記ナノ粒子を単離する工程、
を含む製造方法を提供する。
一実施形態において、前記工程c)は、前記少なくとも一つの生分解性ポリマー材料のモノマーを含む前記同じ溶液または別の溶液に前記工程c)で単離された前記ナノ粒子を加え、前記粒子上にポリマーコーティングを提供するために前記モノマーを重合し、さらに前記ナノ粒子を単離することにより、一回または複数回繰り返す。
前記工程b)においては、前記に代えて、適切な溶媒による前記医薬品の溶液を用いるか、または、前記少なくとも一つの医薬品を純粋な形態で提供しても良い。次の前記工程c)においては、前記医薬品の前記溶液または純粋な形態における前記少なくとも一つの医薬品を、液体および少なくとも一つの生分解性ポリマー材料のモノマーを含む混合物に加え、その後、ナノ粒子を供給するために前記モノマーを重合する。
基本的であるが、前記工程b)において懸濁液を調製した場合は、固体および液体の成分を含む系が確立されることを申し添える。そうすると、必然的に、前記医薬品は、前記懸濁液中で溶解せずに残留する。したがって、親水性の医薬品を用いた場合は、前記医薬品は親油性溶媒中に懸濁させるべきであり、逆もまた同様である。懸濁液の場合、前記固体成分は、結晶形状、特に、ナノ結晶の粒子であることが好ましい。
その他、前記少なくとも一つの医薬品は、前記工程c)において、純粋な形態、例えば、自然な状態(液体または固体、例えば、油または粉体)で用いても良い。この場合において、本発明の前記製造方法は、ナノ粒子を導く。
前記少なくとも一つの医薬品は、前記ナノ粒子全体に分散されていることによりポリマー性マトリクスを導く。それにより、前記少なくとも一つの医薬品は、制御された方法によりin vivoにおいて放出される。
本発明は、まず、医薬品を含むナノ粒子の形成方法を提供する。前記形成方法においては、重合工程を行う前に、前記医薬品を前記モノマーと接触させ、混合させる。したがって、前記少なくとも一つの医薬品は、従来からある技術的取り組みにおける種々の方法で取り込んでも良い。通常、前記医薬品は、前記重合工程(前記医薬品を前記粒子中に取り込まない)に続いて前記ナノ粒子上にコーティングする。
好ましい重合方法は、K.Landfester et al.により開発された前記ミニエマルジョン技術である。
ミニエマルジョンとは、50〜500nmの範囲のサイズで臨界的に安定した油滴の分散系であり、油、水、界面活性剤および疎水性物質を含む系をせん断することにより調製される。そのようなミニエマルジョン中における重合は、最初の滴と同じサイズを有する粒子をもたらす。前記ミニエマルジョン重合の原理を概要的に図1に示す(K. Landfester, Polyreactions in miniemulsions, Macromol. Rapid Comm. 2001, 896−936. K. Landfester, N. Bechthold, F. Tiarks, and M. Antonietti, Formulation and stability mechanisms of polymerizable miniemulsions. Macromolecules 1999, 32, 5222. K. Landfester, Recent Developments in Miniemulsions − Formation and Stability Mechanisms. Macromol. Symp. 2000, 150, 171)。
従来技術における前記ナノ粒子は、例えば、一般的に“溶媒中エマルジョン化蒸発技術(in-solvent emulsification-evaporation technique)”と呼ばれる技術により調製する。前記技術では、前記取り込まれる医薬品が疎水性または親水性(上記で説明済み)のいずれであるかに依存し、単一の(オイル−イン−ウォーターすなわち水中油滴)または複数のエマルジョン化(ウォーター−イン−オイル−イン−ウォーター)を用いる。
医薬品を含む前記ポリマー粒子を形成した後、前記溶媒を前記エマルジョンから蒸発させる。前記ナノ粒子を、遠心分離または、好ましくは、超遠心(120,000〜145,000g)により残渣から分離後、水で洗浄し、再度遠心後、デカンテーションする。しかしながら、前記形成されたナノ粒子中に残留する有機溶媒は、後にin vivoでの適用において問題を起こす可能性がある(上記で説明したミニエマルジョン法の場合は、起こらない)。
そこで、本発明は、好ましくは、
油相型および水相型の液相、安定剤、少なくとも一つの医薬品および重合可能なモノマーを含む反応系を提供する工程、
O/W型のミニエマルジョンを形成する工程、および
ナノ粒子を形成するために前記モノマーを重合する工程、を含むナノ粒子の調製(製造)方法にも関連している。
一般的な所見として、本発明の前記ナノ粒子は、“ミニエマルジョン法”により形成する。このミニエマルジョン法は、それ自体はよく知られており、例えば、K. Landfester, “Polyreactions in miniemulsions”, Macromol. Rapid Comm. 2001 , 896−936. K. Landfester, N. Bechthold, F. Tiarks, and M. Antonietti, “Formulation and stability mechanisms of polymerizable miniemulsions”中において開示されている。基本的に、この技術は、製造工程の順序が異なる点で、周知の伝統的な方法とは異なる。この取り組みにおいては、分散された疎水性物質を含むミニエマルジョン、すなわち親水性連続相中のモノマーを含む滴をポリマー粒子に形成する。前記従来の取り組みにおいて、前記ポリマーは、モノマーを含む前記溶液から直接形成する。
このように、本明細書中で用いられる“ミニエマルジョン”という用語は、一般的に、連続的な水(親水性)相と前記連続相中に分散された油(疎水性)相とを含む分散系を形成する技術を意味する。更に、この用語は、1〜1000nmの範囲、通常、約50〜500nmの範囲で形成されるエマルジョン滴(後の重合による前記粒子の前記サイズは、同一、またはほぼ同一である)を示す。
前記従来の取り組みの主要な欠点の一つは、約1%のナノ粒子(固体成分)を含む懸濁液しか得られないという事実に見ることができる。対照的に、本発明のミニエマルジョンの取り組みは、25%w/w(前記O/W反応系の重量全体に基づく)のモノマー成分に基づき、15〜24%またはそれ以上のナノ粒子の固体成分を得ることができる。このように、固体ナノ粒子の収量は劇的に増加しており、投入したモノマーの約60〜96%に該当する。
この方法では、高濃度の固体成分(15%〜24%の範囲)のナノ粒子の懸濁液を得ることが可能である。このように、収量(60%〜96%)が高いことは、スケールアップの観点から非常に重要なことである。前記プロセスは、再現性がある。製造された前記ナノ粒子の平均径は、200〜300nmである(1μm未満の範囲)。
一例として、前記油相が6gのモノマー+250mgの疎水性物質からなり、前記水相が24gの0.01N 塩酸+安定剤からなる場合は、固体の最大含有量は、収率100%に相当し、25%w/w(6/24×100)となる見込みである。含有量が20%w/wであれば、対応する収率は80%である。この場合、モノマーで表現される残りの20%は、例えば、容器の表面またはホモジナイザーなどで重合することにより、重合中に失われる。
好ましくは、前記少なくとも一つの医薬品および前記モノマーは、前記油相中に含まれる。この場合、前記医薬品は、重合工程により形成されたナノ粒子内に精密に分散される。または、前記少なくとも一つの医薬品が前記水相中に存在し、前記モノマーが前記油相中に含まれていても良い。この場合でも、かなりの量の前記医薬品が、形成されるナノ粒子内に取り込まれることが分かっている。本発明者等は、どのような特定の理論に限定することも意図しない。しかしながら、例えば、強力なせん断力を適用して前記ミニエマルジョンを調製することにより、前記水相中に含まれる前記医薬品が前記油相に密接に接触し、前記医薬品が前記油相中にも分散することに導かれると想定される。
加えて、溶液中で医薬品を運搬するために、通常の環境下では前記溶媒に十分な量だけ溶解しない溶液媒介物質(solution mediators)を用いても良い。この物質群としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ポリソルベート80、ビタミンE、ポリエチレングリコール(PEG400)、クレモフォール(Cremophor、登録商標)またはグリセロールである。
更に、所望であれば、前記少なくとも一つの医薬品は、前記油相および前記水相の両方に加えることが可能である。
好ましい実施形態によれば、用いられる前記安定剤は、前記水相中に含まれる。
前述の通り、前記ミニエマルジョンを調製するためには、例えば、Landfester et al.(前記)により開示された既知のミニエマルジョン技術を用いることができる。この方法は、例えば、まず、水相中のモノマーと、油相と、安定剤(以下で定義する)を組み合わせて行うことができる。前記水相は、さらなる成分、例えば、適切なpH値にセッティングするためのHCl等を含んでいても良いことを申し添える。次に、すべての成分を混合するために、前記反応系を、例えば、ホモジナイザーなどにより混合しても良い。
前記ミニエマルジョンの前記調製自体は、前記反応系に、例えば、超音波および高圧ホモジナイザーにより強力なせん断力を適用して行う。更に、前記せん断力は、前記反応系のサイズと使用する前記ホモジナイザーにより、1〜5分の範囲の時間で適用しても良い。基本的に、2〜4分の範囲の時間で十分であると認識される。
前記超音波ホモジナイザーは、約60〜100%の振幅(amplitude)、好ましくは、約70%の振幅を有し得る。
一実施形態によれば、この工程で用いられる温度は、−1〜5℃、好ましくは、0℃である。
一般的に、前記油相と水相の重量比は、15〜40%w/wの範囲、好ましくは、20〜30%w/wの範囲、更に好ましくは、約25%w/wである。
前記ミニエマルジョンを調製した後、例えば、単に前記pHをpH7.0等の値に増加させることにより前記重合工程を開始する。これは、前記反応系においてPBCAモノマーを用いる場合はいつでも行うことができる。そして、前記pHの増加は、例えば、十分な量の炭酸カリウム(K2CO3)を前記反応系に加えることにより、または前記調製したミニエマルジョンを水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液中に注ぐことにより行う。
更なる実施形態によれば、前記油相は疎水性物質を含む。前記疎水性物質は、好ましくは、オリーブ油、ミグリオールおよび/またはヘキサデカンから選択される。前記疎水性物質の量は、通常、相対的に少量であり、オストワルド熟成を妨げるのに十分である(前記油相(更に前記モノマーも含む)の全重量に基づいて約2−10%w/w)。
好ましくは、前記工程a)における前記粒子は、少なくとも一つの前記医薬品を含む溶液を噴霧乾燥することにより調製する。または、前記工程a)における前記粒子は、前記少なくとも一つの医薬品を粉砕し、任意でふるい分けするかまたは高圧ホモジナイゼーションにかけることで調製しても良い。前記工程c)において用いられる前記液体は、好ましくは、親油性溶媒を含み、好ましくは、n−ヘキサン、ヘキサデカンまたはミグリオールである。
好ましい実施形態によれば、本発明の前記製造方法は、前記安定剤が、前記得られたナノ粒子から少なくとも部分的に除去される追加工程を含んでいる。これは、透析または遠心分離により行うことが好ましい。驚いたことに、前記製造方法自体において、前記最終のナノ粒子が形成された後に、前記安定剤が少なくとも部分的に除去され得ることが要求されると判明した。言い換えれば、“過剰な”安定剤は、前記ナノ粒子の安定性を維持するために必要ではなく、in vivoでの適用において潜在的なリスクを引き起こしかねないため、除去しておくほうが良い。in vivoでのリスクを低減するためには、前記ナノ粒子中における前記安定剤の量は、可能である最低限の量が望ましいと想定される。
更なる一局面によれば、本発明は、上記で示した前記製造方法により得られる送達媒体を提供する。
目下の開示は、前記製造方法または前記送達媒体/ナノ粒子などの関連においてだけ、いくつかの実施形態を示しており、それらの内容は、本出願に含まれる他の全ての各局面にも拡大されることを申し添える。
さらに、本発明は、少なくとも一つの生理学的障壁を通過するための医薬品を必要とする疾病および状態の治療用薬物を製造するための、本明細書中で定義する送達媒体または薬学的組成物の使用を提供する。特に、先に列挙した前記薬物に対応する疾病の治療に用いる。
特に、前記送達媒体は、前記CNSに関連する疾病の治療における適用を見出すであろう。更に、これは、AIDSの治療を含んでいる。HIVは、進行したAIDS患者、可能性として成人患者の1/3および小児患者の半数におよぶ多くの人々において、脳に潜入し、傷つけることによりHIV関連性痴呆を引き起こすためである。前記疾患は、集中力の欠如、記憶力の減退、思考および動作の遅行により注目される。特に、前記脳内の前記ウイルスを標的にすることは、難しい。そこで、本発明は、抗HIV薬を前記脳に送達することによる新しい治療の成功に道を開く。
[実施例1]前記ミニエマルジョン法を用いるn−ブチルシアノアクリレートによるパクリタキセル(DMSO中)のカプセル封入
2種類の別々の溶液を調製する。
溶液1:1.5mlフラスコ(エッペンドルフチューブ)に2.4mlの塩酸(0.1moll−1)を加える。それから、この溶液に、0.06gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を加える。得られた溶液を、SDSが完全に溶解するまで攪拌する。
溶液2:a)パクリタキセルのDMSO溶液を調製するために、5mlフラスコに30mgのパクリタキセルおよび30μlのジメチルスルホキシド(DMSO)を加える。b)つぎに、5mlフラスコに0.0323mL(0.025mg)のヘキサデカンおよび最後に、0.5455mL(0.6g)のn―ブチル―α―シアノアクリレート(インダーミル(登録商標))を加える。均質な溶液が形成されるまで、前記フラスコを転倒混和する。最後に溶液a)およびb)を、均質な溶液を調製するために混合する。
前記溶液1に前記溶液2を加え、得られた懸濁液を2分間超音波処理すること(振幅の70%、0℃)により、ただちにミニエマルジョンが形成される。前記モノマー滴の重合は、2.4ml(0.1moll−1)の水酸化ナトリウム水溶液(10mlフラスコ)中に前記ミニエマルジョンを加えることでpHの値を1から7に急速に変えることにより開始される。それから、前記得られた懸濁液を5分間、攪拌する。前記ナノ粒子懸濁液は、270.2±2.3nmの平均粒子径(光子相関分光法)を有する。
前記カプセル封入されたパクリタキセルの量を決定するために、前記形成されたナノ粒子懸濁液の1mlを20,000rpmで30分間遠心分離し、結合しなかったパクリタキセルを除去する。上清中の前記パクリタキセルの量をuv分光法により決定する。前記カプセル封入されたパクリタキセルの量をuv分光により決定する。そのために、前記ペレットを1mlの酢酸エチルに溶解する。前記測定方法により検出された前記パクリタキセルの全量は、70.2%(10mgのNPあたり0.35mg)と決定された。前記カプセル封入されたパクリタキセルの量は、24.4%(0.12mg/10mgNP)と見出された。前記遊離パクリタキセルの量は、45.8%(10mg/mlのナノ粒子あたり0.23mg)と見出された。
[実施例2]ミニエマルジョン法を用いるn―ブチルシアノアクリレートによるパクリタキセルのカプセル封入
2種類の別々の溶液を準備する。
溶液1:1.5mlフラスコ(エッペンドルフチューブ)に2.4mlの塩酸(0.1moll−1)を加える。それから、0.06gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)をこの溶液に加える。SDSが完全に溶解するまで、前記溶液を攪拌する。
溶液2:5mlフラスコに30mgのパクリタキセル、0.0323mL(0.025mg)のヘキサデカンおよび最後に、0.5455mL(0.6g)のn―ブチル―α―シアノアクリレート(インダーミル(登録商標))を加える。均質な懸濁液が形成されるまで、前記フラスコを転倒混和する。
前記溶液1に前記溶液2を加え、得られた懸濁液を2分間、超音波処理すること(振幅の70%、0℃)により、ただちにミニエマルジョンを形成する。モノマー滴の重合は、2.4ml(0.1moll−1)の水酸化ナトリウム水溶液(10mlフラスコ)中に前記ミニエマルジョンを加えることで、pHの値を1から7に急速に変えることにより開始される。それから、前記得られた懸濁液を5分間、攪拌する。前記ナノ粒子懸濁液は、270.2±2.3nmの平均粒子径(光子相関分光法)を有する。
前記カプセル封入されたパクリタキセルの量を決定するために、前記形成されたナノ粒子懸濁液の1mlを20,000rpmで30分間遠心分離し、結合しなかったパクリタキセルを除去する。上清中のパクリタキセルの量をuv分光法により決定する。前記カプセル封入されたパクリタキセルの量をuv分光法により決定する。そのために、前記ペレットを1mlの酢酸エチルに溶解する。前記測定方法により検出された前記パクリタキセルの全量は、99%(10mgのNPあたり0.49mg)と決定された。前記カプセル封入されたパクリタキセルの量は、76%(0.38mg/10mgNP)と見出された。前記カプセル封入されていないパクリタキセルの量は、23%(10mg/mlのナノ粒子あたり0.11mg)と見出された。
[実施例3]ミニエマルジョン法を用いるn―ブチルシアノアクリレートによるビタミンCのカプセル封入
2種類の別々の溶液を準備する。
溶液1:100mlフラスコ(PP)に36.0mlの塩酸(0.1moll−1)を加える。それから、0.900gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)および1.6gのビタミンCをこの溶液に加える。SDSが完全に溶解するまで、前記溶液を攪拌する。
溶液2:50mlのフラスコに0.485mL(0.375g)のヘキサデカンおよび最後に、8.182mL(9.0g)のn―ブチル―α―シアノアクリレート(インダーミル(登録商標))を加える。均質な溶液が形成されるまで、前記フラスコを転倒混和する。
前記溶液1に前記溶液2を加え、得られた懸濁液を2分間、超音波処理すること(振幅の70%、0℃)により、ただちにミニエマルジョンを形成する。前記モノマー滴の重合は、36.0ml(0.1moll−1)の水酸化ナトリウム水溶液(200mlフラスコ)中に前記ミニエマルジョンを加えることで、pHの値を1から7に急速に変えることにより開始される。それから、前記得られた懸濁液を5分間、攪拌するとともに、さらに134.67mlの0.1moll−1水酸化ナトリウム水溶液を加えてビタミンCを中和する。前記ナノ粒子懸濁液は、47.9mg/mlの固体成分および286.7±7.9nmの平均粒子径(光子相関分光法)を有する。
前記カプセル封入されたビタミンCの量を決定するために、前記形成されたナノ粒子懸濁液の1mlを20,000rpmで30分間遠心分離し、結合しなかったビタミンCを除去する。上清中の遊離ビタミンCの量をuv分光法により測定し、67.4%(10mg/mlのナノ粒子あたり1.2mg)と決定した。前記カプセル封入されたビタミンCの量は、32.6%(0.58mg/10mgNP)と見出された。
[実施例4]ミニエマルジョン法を用いるn―ブチルシアノアクリレートによるビタミンEのカプセル封入
2種類の別々の溶液を準備する。
溶液1:100mlフラスコ(PP)に36.0mlの塩酸(0.1moll−1)を加える。それから、0.900gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)をこの溶液に加える。SDSが完全に溶解するまで、前記溶液を攪拌する。
溶液2:50mlフラスコに2.023gのビタミンE、つぎに0.485mL(0.375g)のヘキサデカンおよび最後に、8.182mL(9.0g)のn―ブチル―α―シアノアクリレート(インダーミル(登録商標))を加える。均質な溶液が形成されるまで、前記フラスコを転倒混和する。
前記溶液1に前記溶液2を加え、得られた懸濁液を2分間、超音波処理すること(振幅の70%、0℃)により、ただちにミニエマルジョンを形成する。モノマー滴の重合は、38.0ml(0.1moll−1)の水酸化ナトリウム水溶液(100mlフラスコ)中に前記ミニエマルジョンを加えることで、pHの値を1から7に急速に変えることにより開始される。それから、前記得られた懸濁液を5分間、攪拌する。前記ナノ粒子懸濁液は、135.4mg/mlの固体成分および125.9±1.1nmの平均粒子径(光子相関分光法)を有する。
前記カプセル封入されたビタミンEの量を決定するために、前記形成されたナノ粒子懸濁液の1ml(13.54%(w/w))を1%(w/w)に希釈する。それから、前記希釈された懸濁液の1mlを20,000rpmで30分間遠心分離し、結合しなかったビタミンEを除去する。上清中の遊離ビタミンEの量をuv分光法により決定する。前記カプセル封入されたビタミンEの量をuv分光法により決定する。そのために、前記ペレットを1mlの酢酸エチルに溶解する。前記測定方法により検出された全量は、87%(10mgのNPあたり1.60mg)と決定された。前記カプセル封入されたビタミンEの量は、33.5%(0.616mg/10mgNP)と見出された。前記遊離ビタミンEの量は、53.5%(10mg/mlナノ粒子に対して0.98mg)と見出された。
[実施例5]ミニエマルジョン法を用いるn―ブチルシアノアクリレートによるナノ結晶“化合物A”のカプセル封入
化合物Aは、疎水性医薬品化合物である。
2種類の別々の溶液を準備する。
溶液1:ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の塩酸(0.1moll−1)溶液を形成する。
ナノ結晶:“化合物A”を1%(w/w)のポリソルベート80水溶液(1ml)中に超音波を用いて分散させる。“化合物A”のナノ結晶は、圧力をかけて適度な回転数を適用する、高圧ホモジナイゼーションにより得られる。得られた前記ナノ結晶は、透析により精製することができる。
溶液2:フラスコに“化合物A”のナノ結晶(精製してあっても、していなくても良い)、ヘキサデカンおよびn―ブチル―α―シアノアクリレート(インダーミル(登録商標))を加える。均質な懸濁液が形成されるまで、前記フラスコを転倒混和する。
前記溶液2に前記溶液1を加え、得られた懸濁液を2分間、超音波処理すること(振幅の70%、0℃)により、ただちにミニエマルジョンを形成する。モノマー滴の重合は、0.1moll−1の水酸化ナトリウム水溶液中に前記ミニエマルジョンを加えることで、pHの値を1から7に急速に変えることにより開始される。それから、得られた前記懸濁液を5分間、攪拌する。前記形成されたナノ粒子懸濁液の固体成分量は、重量測定的に決定し、平均粒子径は、光子相関分光法を用いることにより決定する。
前記カプセル封入された“化合物A”の量を決定するために、前記形成されたナノ粒子懸濁液の1mlを20,000rpmで30分間遠心分離し、結合しなかった“化合物A”を除去する。上清中の遊離“化合物A”の量をuv分光法により決定する。前記カプセル封入された“化合物A”の量をuv分光法により決定する。そのために、前記ペレットを1mlの酢酸エチルに溶解する。
図1は、前記ミニエマルジョン重合技術を示す図である。 図2は、本発明に従って製造されたナノ粒子の写真である。 図3は、本発明に従って製造された前記ナノ粒子の粒子径分布の一例である。

Claims (34)

  1. 薬物送達(ドラッグデリバリー)のためのナノ粒子の製造方法であって、
    a)少なくとも一つの医薬品を供給する工程と、
    b)適切な溶媒中で前記医薬品の懸濁液もしくは溶液を調製し、または前記少なくとも一つの医薬品を純粋な形態で供給する工程と、
    c)前記医薬品の懸濁液もしくは溶液または純粋な形態の前記少なくとも一つの医薬品を、液体と少なくとも一つの生分解性ポリマー材料のモノマーとを含む混合物に加え、ナノ粒子を供給するために前記モノマーを重合し、前記ナノ粒子を単離する工程を含む製造方法。
  2. 前記工程c)で単離した前記ナノ粒子を、前記少なくとも一つの生分解性ポリマー材料のモノマーを含む前記同じ溶液または別の溶液に加え、前記粒子上にポリマーコーティングを提供するために前記モノマーを重合し、前記ナノ粒子を単離することにより、前記工程c)を1回または複数回繰り返す請求項1記載の製造方法。
  3. 油相型および水相型の液相、安定剤、少なくとも一つの医薬品および重合可能なモノマーを含む反応系を供給する工程と、
    O/W型のミニエマルジョンを形成する工程と、
    ナノ粒子を形成するために前記モノマーを重合する工程を用いることにより、
    前記ナノ粒子を調製する請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記少なくとも一つの医薬品および前記モノマーが、前記油相中に含まれる請求項3記載の製造方法。
  5. 前記少なくとも一つの医薬品が、前記水相中に存在し、前記モノマーが、前記油相中に含まれる請求項3記載の製造方法。
  6. 前記安定剤が、前記水相中に含まれる請求項3から5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記工程a)における前記医薬品を、前記少なくとも一つの医薬品を含む溶液を噴霧乾燥することにより粒子として調製する請求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記工程a)における前記医薬品を、前記少なくとも一つの医薬品を粉砕して任意でふるい分けすることにより粒子として調製する請求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記工程a)における前記医薬品を、高圧ホモジナイザーにより粒子として調製する請求項8記載の製造方法。
  10. 前記工程c)において用いられるかまたは前記油相に含まれる前記液体が、親油性溶媒、好ましくは、n−ヘキサン、ヘキサデカンまたはミグリオールを含む請求項1から9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記ミニエマルジョンを、前記反応系に強力なせん断力を加えることにより形成する請求項3記載の製造方法。
  12. 超音波および/または高圧ホモジナイザーを用いる請求項11記載の製造方法。
  13. 前記ナノ粒子を、
    a)少なくとも一つの医薬品を含むコア粒子を含み;かつ、その表面に、
    b)10〜200Åの範囲の厚みを有する少なくとも一つのコーティング層がコーティングされているように製造し、前記コーティング層が、少なくとも一つの生分解性ポリマー材料を含む請求項2記載の製造方法。
  14. 前記ナノ粒子が、1nm〜20μmの範囲、好ましくは、10nm〜10μmの範囲、より好ましくは、100nm〜1000nmの範囲の直径を有する請求項13記載の製造方法。
  15. 前記ナノ粒子が、その表面に堆積した界面活性剤コーティングを含む請求項13または14記載の製造方法。
  16. 前記ナノ粒子が、それぞれが少なくとも一つの生分解性ポリマー材料を含む2〜100の範囲、好ましくは、5〜50の範囲、より好ましくは、10〜20の範囲のコーティング層を含む請求項13から15のいずれか一項に記載の製造方法。
  17. 前記少なくとも一つのコーティング層が、各層において、異なる生分解性ポリマー材料または生分解性ポリマー材料の混合物を含む請求項13から16のいずれか一項に記載の製造方法。
  18. 前記生分解性ポリマー材料が、固体またはフィルム状のポリマー、好ましくは、アルキルシアノアクリレート、より好ましくは、ブチルシアノアクリレート、ポリ乳酸、ポリ酪酸およびそれらの混合物および誘導体を含む請求項1から17のいずれか一項に記載の製造方法。
  19. 少なくとも一つの前記医薬品が、治療薬および診断薬から選択される請求項1から18のいずれか一項に記載の製造方法。
  20. 前記治療薬が、送達媒体または担体なしでは生理学的障壁を通過できない、または十分に通過できない物質から選択される請求項19記載の製造方法。
  21. 前記生理学的障壁が、血液−脳障壁(bbb)、血液−空気障壁、血液−脳脊髄液障壁および頬粘膜からなる群から選択される請求項20記載の製造方法。
  22. 前記少なくとも一つの治療薬が、中枢神経系活性を有するが、送達媒体なしでは血液−脳障壁を通過できない、または十分に通過できない請求項20記載の製造方法。
  23. 前記治療薬が、シナプス部位およびニューロエフェクタージャンクション部位に活性を有する医薬品;全身麻酔剤および局所麻酔剤;催眠剤および鎮痛剤;うつ病および総合失調症のような精神病学的異常の治療のための薬物;抗肥満薬;抗てんかん薬および抗痙攣薬;パーキンソン病、ハンチントン病、老化およびアルツハイマー病治療のための薬物;興奮性アミノ酸拮抗薬、神経栄養因子および神経再生薬;栄養性因子;CNS外傷または発作治療を意図した薬物;耽溺性および薬物濫用治療のための薬物;オータコイドおよび抗炎症薬;寄生的な感染症および微生物により引き起こされる疾病のための化学療法薬;免疫抑制剤および抗がん剤;ビタミン剤;ホルモンおよびホルモン拮抗薬;重金属および重金属拮抗薬;非金属性毒素のための拮抗薬;ガン治療のための細胞***阻害剤;核医学において用いるための診断物質;免疫活性剤および免疫反応性剤;トランスミッターおよび前記トランスミッターのそれぞれのレセプター作用薬およびレセプター拮抗薬、前記トランスミッターのそれぞれの前駆物質および代謝物質;輸送体阻害剤;抗生物質;鎮痙薬;抗ヒスタミン薬;吐き気止め薬;弛緩薬;興奮薬;センスオリゴヌクレオチドおよびアンチセンスオリゴヌクレオチド;脳血管拡張薬;向精神薬;抗そう病薬;血管拡張薬および血管収縮薬;降圧薬;偏頭痛治療薬;催眠薬、高血糖薬および低血糖薬;抗喘息薬;抗ウイルス薬、好ましくは、抗HIV薬;疾病のDNA治療またはアンチセンス治療に適した遺伝子材料;およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項19から22のいずれか一項に記載の製造方法。
  24. 前記診断薬が、核医学における診断および放射線治療に有用な診断薬からなる群から選択される請求項19記載の製造方法。
  25. 前記界面活性剤コーティングまたは前記安定剤が、下記物質のうち少なくとも一つ:
    グリセロール、ソルビトールおよび他の多価アルコールの脂肪酸エステル、好ましくは、グリセロールモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステルまたはソルビタンモノオレイン酸エステル;ポロキサミン(poloxamine)、好ましくは、ポロキサミン904、908または1508;ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステル;エトキシトリグリセリド;エトキシフェノールおよびエトキシジフェノール;Genapol(商標)およびBaukiシリーズの界面活性剤;脂肪酸の金属塩、脂肪族アルコール硫酸エステルの金属塩、ラウリル硫酸ナトリウム;およびスルフォサクシネートの金属塩;好ましくは、ポリソルベート、より好ましくは、ポリソルベート60、および最も好ましくは、ポリソルベート80;好ましくは、ポロクサマー(poloxamer)、より好ましくは、ポロクサマー188、338または407;好ましくは、ポリオキシエチレングリコール、より好ましくは、ルテンゾール50または80;ドデシル硫酸ナトリウム;および前記物質のうち少なくとも2つの混合物を含む請求項1から24のいずれか一項に記載の製造方法。
  26. 前記少なくとも一つのコーティング層が、それぞれ20〜150Åの範囲、好ましくは、30〜100Åの範囲の厚みを有する請求項1から25のいずれか一項に記載の製造方法。
  27. 前記安定剤を、得られた前記ナノ粒子から少なくとも部分的に除去する請求項1から26のいずれか一項に記載の製造方法。
  28. 前記安定剤を、透析または遠心分離により除去する請求項27記載の製造方法。
  29. 請求項1から28のいずれか一項に記載の製造方法により得られるナノ粒子。
  30. 請求項23記載のナノ粒子と、薬学的に許容可能な担体および/または希釈液とを含む薬学的組成物。
  31. in vivoにおいて前記少なくとも一つの医薬品の遷延性放出または徐放性を示す請求項30記載の薬学的組成物。
  32. 少なくとも一つの生理学的障壁、好ましくは、前記血液−脳障壁を通過するための医薬品を必要とする疾病および状態の治療用薬物を製造するための、請求項29記載のナノ粒子、または請求項30もしくは31記載の薬学的組成物の使用。
  33. 請求項23において列挙した前記薬物に対応する疾病治療のための請求項32の使用。
  34. 請求項1から28のいずれか一項に記載の製造方法により製造されたナノ粒子を含む送達媒体であって、前記ナノ粒子が、
    a)少なくとも一つの医薬品を含むコア粒子;およびその表面にコーティングされた、
    b)10〜200Åの範囲の厚みを有する少なくとも一つのコーティング層を含み、前記コーティング層が、少なくとも一つの生分解性ポリマー材料を含む送達媒体。
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