JP2008513321A - 有機シリカ材料中の架橋有機基の変換方法 - Google Patents

有機シリカ材料中の架橋有機基の変換方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、架橋有機基を含有する金属酸化物材料(たとえば架橋型有機シリカ)中の架橋有機基の化学変換に関する。そのような変換は、低誘電率(k)用途向けに性質を大幅に改良する。特定の温度で熱処理すると、有機基が架橋形から末端形に変換され、それにより、極性ヒドロキシル基が消費されることが明らかにされる。変換によりkが減少し疎水性が増大する(「自己疎水化」を介する)。架橋−末端変換の結果として、ポーラス有機シリカ皮膜は、k<2.0、E>6GPaを有し、脱ヒドロキシル化(疎水性)のための追加の化学的表面処理を必要としないことが明らかにされる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、架橋型有機シリカを含有する金属酸化物材料中の架橋有機基の化学変換に関する。そのような変換は、低誘電率(k)マイクロエレクトロニクス用途向けに性質を大幅に改良する。特定の温度で熱処理すると、有機基が架橋形から末端形に変換されることが明らかにされる。変換によりkが減少し疎水性が増大する(「自己疎水化」を介して)。その結果、ポーラス皮膜は、脱ヒドロキシル化のための化学的表面処理を必要とせず、良好な機械的剛度および機械的強度を保持する。
周期的メソポーラス材料(すなわちMCM−41)は、有機超分子鋳型と重合性無機(または有機/無機ハイブリッド)材料との協同的自己集合を用いて合成された特殊なクラスのポーラス構造体である(Kresge et al 1992を参照されたい)。これらの材料は、触媒作用、分子分離、ナノ複合体デザイン、化学的センシング、および薬剤送達における新規な用途に膨大な可能性を有する(Stein et al 2003を参照されたい)。
周期的メソポーラスシリカをはじめとするシリカは、Si−O−Si結合を介して連結された凝縮SiO構成ユニットよりなる。メソポーラスシリカのメソ構造に有機基を組み込む一方法では、有機末端シリケート前駆体(たとえば、RSi(OEt)、式中、Rは有機基である)とSi(OEt)(TEOS)のようなシリケート前駆体との組合せが使用される。しかしながら、Si−R−Si形態の架橋型シルセスキオキサン前駆体を用いると、網状連結性がより大きいため、有意により多量の有機基が組み込まれる可能性がある。したがって、これとの関連では、周期的メソポーラス有機シリカ(PMO)とは、周期的メソポーラス骨格としての架橋型有機シリカのことである。PMOは、SiOR構成ブロックまたはSiO構成ブロックよりなる。式中、Rは、架橋有機基である。ポア壁内の架橋有機基が特有の化学的性質および物理的性質を提供しうるので、これらの材料は、科学的かつ技術的に重要である(Asefa et al 1999, Asefa et al 2002およびInagaki et al US patent 6,248,686を参照されたい)。
PMOは、化学的機能が制御されるので、触媒作用、化学的センシング、生物学的センシング、薬剤送達、およびナノ複合体デザインに多くの潜在用途を有する。また、末端基と比較して架橋基を含有する有機シリカでは、シリケート網状構造がより十分に結合された状態に保持されるので、より大きい耐熱安定性および機械的安定性が達成される(Shea et al 1992を参照されたい)。
ポロシティー、ポアサイズ、および有機組成の制御されたPMO皮膜には、多くの潜在用途が存在する。ポーラス有機シリケート皮膜の非常に重要な一潜在用途は、マイクロエレクトロニクス産業においてチップ上の相互接続配線を包囲し絶縁する誘電体材料としてとしての用途である。主要な要件(多数の要件のうち)は、系の容量結合を低減し配線間の信号「クロストーク」を防止すべく現在の標準(すなわち、シリカ、k≒3.8)よりも低い誘電率(k)を有することである。層内キャパシタンスおよび層間キャパシタンスは、デバイスとして信号遅延の劇的な増大を引き起こし、また相互接続密度は、ムーアの法則により示されるように急速に増加し続けている。したがって、デバイスサイズが90nm、65nm、45nm、さらにはそれよりも小さい値に近づくと、超低誘電率<2.0を有する好適な材料が緊急に必要となる(Maex et al 2003を参照されたい)。
現在の工業プロセスに適するように材料に必要とされる特性要件は多数存在する。すなわち、機械的強度、耐熱安定性、固着性、耐湿分吸着性、および全コストは、なかでも最も重要である。k空気≒1.0であるのでポロシティーはkを減少させるが、ポーラスになりすぎたり(すなわち>75vol%)機械的に弱くなったりすることなく低いk値を達成することが、材料に課された重要な課題である。最終的には、誘電体皮膜は、プロセスの化学的機械的研磨(CMP)段階に耐えるように機械的に十分に強くなければならない。
低k用途向けに開発中であるほとんどの材料は、おおまかにいえば、ポーラスシリカ系材料または高分子/有機系材料として分類可能である。後者としては、本質的に低いk値を有するPTFEのようなフッ素化ポリマーが挙げられるが、これは、一般に、耐熱安定性に関連する問題を抱えている(Miller et al 1999を参照されたい)。ポーラスシリカ材料としては、フッ素化シリカ、メチル末端シリカ(MSSQ)、水素末端シリカ(HSSQ)、および表面処理ポーラスシリカが挙げられる。ポーラス構造は、一般的には、キセロゲルおよびエーロゲル(不均一ポア、非周期的ポーラス構造)、ポロゲン鋳型のMCMタイプの材料(均一ポア、非周期的)、または自己集合鋳型のMCMタイプの材料(均一ポア、周期的)である。
ポーラスシリカ自体は、キセロゲルであってもMCMタイプであっても、常に、高極性水分子への強い親水性引力を回避するために、多数のヒドロキシル基を有機種(すなわち末端メチル)で置き換える「キャッピング」またはメチルシリル化として知られる脱ヒドロキシル化表面処理が必要である。一般に、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)またはトリメチルシリルクロリド(TMSC)のような反応種がシラノール(Si−OH基)プロトンとの反応に使用され、末端トリメチルシリル表面基が形成される。
また、シリカ中に有機基を組み込むと、kが減少し、疎水性が増大する。しかしながら、フッ素化シリカ材料、MSSQ材料、およびHSSQ材料は、一般に、多量の末端基に伴う連結切断構造に起因して、機械的強度が比較的低いという問題を抱えており、多くの場合、キャッピング処理を必要とする可能性もある。
Asefa et al 2000では、メテン架橋型PMOが近傍の−OH(シラノール)基との反応により架橋配向から末端配向への有機基の変換を引き起こしうることが示された。一方のSi−R−Si架橋は破壊されるが、他方のSi−O−Si架橋が形成されて、網状連結性が保持される。彼らは、この変換が温度により非常に特異的に制御され、400〜600℃で起こることを確認した。Kuroki et al 2002でもまた、1,3,5−フェニレンPMOで類似の熱的変換挙動が明らかにされた。しかしながら、いずれの場合にも、彼らは、粉末材料だけを用いて実験を行い、疎水性増加の証拠についても誘電率に及ぼす影響についても明らかにしなかった。
Brinker et al (US Patent 5,858,457)では、メソポーラスシリカ皮膜で「蒸発誘導自己集合」(EISA)が示された。この場合には、加水分解シリケート溶液が界面活性剤および過剰量の揮発性溶媒と混合される。しかしながら、彼らは、この方法を架橋型有機シリカに適用せず、そのような材料の性質についてもなんら示さなかった。
Lu et al (2000)では、EISA法を用いて架橋型エテンシリカ(−CHCH−)材料で最初のPMO薄膜が示された。窒素下、350℃で皮膜を熱処理して界面活性剤鋳型を除去し、次に、HMDSの蒸気処理に付して皮膜を疎水性にし水吸着を防止した。彼らの測定によれば、75:25のモル比の皮膜(有機シラン:TEOS)の誘電率は1.98であった。しかしながら、「架橋−末端」変換を引き起こす追加の熱処理は行わず、熱処理に基づく疎水性や誘電率の変化も示さなった。
Nakata et al (US 6,558,747)では、低誘電体用途向けに種々のポリシルセスキオキサン(架橋型ポリシルセスキオキサンを包含する)の薄膜が調製された。しかしながら、これらの皮膜はノンポーラスである。また、不活性雰囲気中での熱処理が必要とされるが、温度は最大400℃に制限され、Si−C結合は保持される。したがって、架橋−末端変換についても皮膜の物理的性質に及ぼす関連の影響についても、証拠は存在しなった。
Landskron et al (2003)では、相互連結Si(CH3環で構成されたPMOが合成され、400℃(窒素下)で熱処理することによりメテン基の架橋−末端変換を引き起こして誘電率を減少させうることが明らかにされた。しかしながら、彼らは、温度>400℃におけるさらなる熱処理の影響を示さず、疎水性も試験しなかった。
本発明は、化学変換を行って架橋有機基が末端基になるように、架橋有機基を含有するある範囲内の金属酸化物材料(たとえば、PMOおよびノンポーラス架橋型有機シリカ)を処理する手段を提供することにより、先行技術の欠陥を克服する。詳述すると、従来の鋳型除去(仮焼)の温度を超える特定の温度において特定の架橋型有機シリカ中の架橋有機基が末端基に変換されることが知られている(Asefa et al 2000を参照されたい)。化学変換により極性ヒドロキシル基(すなわちSi−OH)が排除される。
本明細書において、本発明者らは、この変換が、有機含有率、ポーラス構造、および網状連結性を保持しながら、「自己疎水化」を介して材料のkの減少と疎水性の増大とを同時に引き起こすことを示す。特定的には、ヒドロキシル消費反応が低k用途向けの架橋型有機シリカ皮膜(たとえばPMO)の性質を大幅に改良することを見いだした。
本発明の一態様において、少なくとも2個の金属原子をそれぞれ架橋する有機基を含有する金属酸化物骨格を含む材料を処理して、該材料の疎水性を増大させ、かつ誘電率を減少させる方法を提供する。この方法は、
架橋形から末端形への該有機基の少なくともいくつかのヒドロキシル基消費化学変換を引き起こすのに有効な処理を施して、該有効な処理を施すことにより、該材料の疎水性を増大させ、かつ該材料の誘電率を減少させる工程を含む。
本発明の他の態様において、
少なくとも2個の金属原子を架橋する有機基を含有する金属酸化物骨格を合成する工程と、
架橋形から末端形への該有機基の少なくともいくつかのヒドロキシル基消費化学変換を引き起こすのに有効な処理を施す工程と、
を含む方法により作製される、有機基を含有する金属酸化物骨格を含む材料を提供する。
本発明は、Si−C結合によりSi原子に結合された末端有機基以外の他の末端基が存在しない周期的ポーラス有機シリカ材料を提供する。
次に、架橋型有機基を含有する金属酸化物材料の化学変換方法について本発明に従って説明する。単なる例として、添付の図面を参照する。
本明細書中で使用する場合、「金属酸化物」とは、H、He、C、N、O、F、Ne、S、Cl、Ar、Br、I、At、Kr、Xe、Rnを除くすべての元素の酸化物のことである。
本明細書中で使用する場合、酸化ケイ素材料とは、「金属酸化物」のクラスに属すると定義されるものである。
本明細書中で使用する場合、「有機シリカ」という用語は、有機基を含有するポリシルセスキオキサンを意味する。
本明細書中で使用する場合、「架橋有機シリカ」または「架橋型有機シリカ」という用語は、架橋有機基を含有するポリシルセスキオキサンを意味する。
本明細書中で使用する場合、「架橋ポリシルセスキオキサン」または「架橋型ポリシルセスキオキサン」という用語は、架橋有機基を含有するポリシルセスキオキサンを意味する。
本明細書中で使用する場合、「有機シラン」という用語は、有機基を含有するシルセスキオキサン分子を意味する。
本明細書中で使用する場合、「架橋有機基」または「架橋型有機基」という用語は、少なくとも2個の金属原子(たとえばSi)に結合されている有機基を意味する。
本明細書中で使用する場合、「有機基」とは、化学結合により連結された少なくとも2個の原子よりなりかつ少なくとも1つの炭素水素共有結合を含有する基を意味する。
本明細書中で使用する場合、「メテン」という用語は、E−(CH)−E(式中、E=元素)タイプの架橋有機基を意味する。
本明細書中で使用する場合、「メテンシリカ」という用語は、Si−(CH)−Siタイプの架橋型メテン基を含有する架橋型有機シリカ材料を意味する。
本明細書中で使用する場合、「エテン」という用語は、E−(CHCH)−E(式中、E=元素)タイプの架橋有機基を意味する。
本明細書中で使用する場合、「エテンシリカ」という用語は、Si−(CHCH)−Siタイプの架橋型エテン基を含有する架橋型有機シリカ材料を意味する。
本明細書中で使用する場合、「デンドリシリカ」という用語は、デンドリマー構造中に架橋有機基を含有する架橋型有機シリカ材料を意味する。
本明細書中で使用する場合、「環」という用語は、E(E=元素、R=有機基、n>1)タイプの環を1つ以上含有する分子または分子もしくはポリマーの構成ユニットを意味する。
本明細書中で使用する場合、「鋳型」または「有機鋳型」という用語は、他の分子またはポリマーに対する構造規定機能を有するイオン性および非イオン性の分子もしくはポリマー、分子の超分子集合体、または粒子を意味する。
本明細書中で使用する場合、「界面活性剤鋳型」とは、構造規定機能を有するように自己集合しうるイオン性および非イオン性の両親媒性分子を意味する。
本明細書中で使用する場合、「メソポーラス」という用語は、直径2〜50nmのポアを有することを意味する。
本明細書中で使用する場合、「周期的メソポーラス」という用語は、直径2〜50nmのポアが並進対称性に関して秩序化された配列を有することを意味する。
本明細書中で使用する場合、「マクロポーラス」という用語は、直径50nm超のポアの配列を有することを意味する。
本明細書中で使用する場合、「架橋有機シラン」という用語は、架橋有機基を含有するシルセスキオキサン分子を意味する。
先に述べたように、本発明は、化学変換を行って架橋有機基が末端基になるように、架橋有機基を含有するある範囲内の金属酸化物材料(たとえば、PMOおよびノンポーラス架橋型有機シリカ)を処理する方法を提供することにより、先行技術の欠陥を克服する。詳述すると、従来の鋳型除去(仮焼)の温度を超える特定の温度において特定の架橋型有機シリカ中の架橋有機基が末端基に変換されることが知られている(Asefa et al 2000を参照されたい)。化学変換により極性ヒドロキシル基(すなわちSi−OH)が排除される。
熱処理により開始する場合、この架橋−末端化学変換は、「熱的変換」と呼ぶことが可能である。熱的変換後、メテンシリカPMOのような架橋型有機シリカ皮膜は、架橋メテン基がシラノールプロトンと反応して表面の末端メチル基に変換された高ポーラスシロキサン(すなわちシリカ)網状構造を有することが特徴である。本発明は、単一工程の熱処理を必要とするだけであり、ガス状キャッピング種との反応を介して親水性シラノール基を除去する表面改質を必要としない。それに加えて、熱的変換により構造の網状連結性が失われることはない。一方の架橋(有機)が他方の架橋(酸素)と置き換えられる。したがって、末端有機基を含有する「変換された」材料は、アルキル末端前駆体(すなわちMSSQ)から直接合成された材料に伴うのと同一の連結切断構造的脆弱性(低い剛度および強度をもたらす)の問題を抱えていない。
本発明は、マイクロエレクトロニクスシステム用途向けに極低誘電率(k)、疎水性、および高機械的強度を有するように架橋有機基を含有する金属酸化物材料(たとえばPMO)を処理することを包含する。変換された材料は、Si原子に対するSi−C結合のモルパーセントが少なくとも50モル%になるように複数の末端有機基を有することが特徴である。有機基は、材料全体に、壁内に、およびポーラス骨格の表面に均一に分布する。最終的には、実際上すべてのヒドロキシル基が排除されて、湿分吸着に対して十分な耐性を有する材料が得られる。
ヒドロキシル(すなわちシラノール)基を排除する熱的変換は、縮合過程ではない。これは、完全無機のシリカおよびMSSQにおける熱的脱ヒドロキシル化に関連する縮合(HOを発生する)とはまったく対照的にある。さらに、架橋型有機シリカの場合、熱的変換により400〜500℃で実際上すべてのシラノール基が排除されるが、完全無機のシリカの場合、それらの温度で依然として多数のシラノール基が残存する。低温で架橋型有機シリカ材料を処理しうるので、マイクロエレクトロニクスにおいて実用化するうえで有益である。また、熱的変換過程の「非縮合」性により熱硬化時の材料の収縮が回避されるので、皮膜の耐亀裂性の向上(すなわち、厚さ亀裂閾値の向上)が得られるものと思われる。
PMO材料は、きわめて均一なサイズのポアを有する周期的メソポーラス構造になるように作製されたSi−R−Si形態(式中、Rは、メテン、エテン、またはフェニレンのような有機基である)の架橋型ポリシルセスキオキサンである。架橋型有機シリカ材料の実効kは、Si−O−Siシロキサン架橋をより低極性のSi−R−Si架橋で置き換えることにより得られるシリカよりも小さい。Asefa et al (2000)では、不完全凝縮構造で架橋有機基とシラノール基との反応を引き起こしてそれらを末端基に変換するのに、400〜500℃の熱処理で十分であると報告された。
PMO皮膜は、蒸発誘導自己集合(EISA)法を用いてさまざまな表面上にディップコーティング、スピンコーティング、インクジェットプリンティング、またはキャスティングすることにより堆積可能である。ポーラス構造は、高秩序型かつ配向型でありうるか、または無秩序型にしうる。他の選択肢として、化学気相堆積(CVD)のような気相堆積法により堆積可能であると考えられる。
架橋型有機基を含有する金属酸化物材料(PMOを包含する)における架橋基から末端基へのこの有機基変換の有益性は、架橋有機基との反応により極性親水性ヒドロキシル(すなわちシラノール)基を除去すると同時に末端有機基を生成することである。表面でこの反応が起こると、その表面は、末端有機基で覆われるので疎水性になる。その結果、kは変換により低下し、材料はより疎水性になる。高いポロシティーを有するにもかかわらず耐湿分吸着性が高いということは、誘電体材料にとって利点である。
本明細書において、これらの架橋−末端化学変換特性は、メテン(CH)架橋、エテン(C)架橋、および1,3,5−ベンゼン架橋を有する架橋型有機シリカ(ただし、これらに限定されるものではない)により例示されるポリシルセスキオキサン(有機シリカ)材料中のある範囲内の架橋型有機基の熱的変換により機能することが示されている。その結果、これらの材料は、低kマイクロエレクトロニクス用途にきわめて好適な多くの性質を呈する。主要な利点は、これらの材料が表面の脱ヒドロキシル化のための合成後蒸気処理(たとえば、HMDS蒸気を用いる処理)をなんら必要とせず、単に不活性雰囲気中における規定の温度への加熱だけを必要とするということである。その結果、材料は、in situで「自己疎水化」し、マイクロチップ製造に必要とされる処理段階を単純化する。従来のシリカおよび有機シリカの誘電体皮膜に必要な蒸気「キャッピング」処理を回避することは有益である。
架橋型有機基を含有する金属酸化物材料は、末端有機基だけを含有する金属酸化物(たとえばMSSQ)と比較して、より高い網状相互連結性に基づいてはるかに高い機械的剛度および機械的強度を有する。この場合、PMOの機械的性質は、メソポーラスシリカに匹敵する。架橋−末端変換により有機架橋がオキシド架橋で置き換えられるので、網状連結性は失われない。その結果、複数の末端有機基にもかかわらず、機械的性質は、化学的機械的研磨(CMP)のような処理を必要とするマイクロエレクトロニクス用途で使用するのに十分な程度に良好である。
したがって、一例として、架橋−末端変換をPMO材料に応用した場合、均一なポアサイズ、低いk(<2.0)、高い弾性モジュラス(5〜10GPa)、疎水性、耐熱安定性、およびシラノールキャッピング蒸気処理を必要としない比較的単純な処理条件が兼備されることが明らかにされる。これらの性質のおかげで、これらの材料は、低k用途にまたはメンブレンもしくはセンサーのような低誘電率および疎水性であることが有益である任意の用途にきわめて好適である。
本発明は、少なくとも2個の金属原子(たとえばSi)を架橋する有機基を含有する金属酸化物骨格を含む材料を処理する方法を提供する。材料のポロシティーは、鋳型を用いて構造化可能であるが、鋳型の使用に限定されるものではない。熱的加熱のような処理により、架橋形から末端形への有機基のヒドロキシル基消費化学変換が起こる。より一般的には、各変換が起こると、金属原子に対するn個の架橋結合を有する架橋有機基は、n−1個の架橋結合を有するようになる。特定例は、1,3,5−フェニル架橋基でありうるが、これに限定されるものではない。この場合、逐次的に熱的変換が起こり、最初に1,3−フェニル架橋基に、次に末端フェニル基に変換され、それと同時にこれらの各工程でシラノール基が消費されうる。そのため、これらの変換により材料の疎水性はそれに対応する順序で増大する。たとえば、金属酸化物骨格は、ケイ素、チタン、アルミニウム、またはスズの酸化物で構成されうる。
次に、以下の方法を用いて本発明について具体的に説明するが、この方法に限定されるものではない。
蒸発誘導自己集合(EISA)を用いて、メソポーラス材料を薄膜として急速に堆積させた。揮発性溶媒としての過剰量のエタノールまたはブタノールを、有機シラン前駆体、酸(典型的にはHClまたはHNO)、水、および界面活性剤と組み合わせて混合した。界面活性剤は、典型的には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTACl)のようなカチオン性アルキルアンモニウムであるが、C1633(EO)10H(Brij−56)のような非イオン性界面活性剤またはトリブロック(EO)20(PO)70(EO)20(Pluronic P123)のようなブロックコポリマーを使用することも可能である。有機シランの加水分解速度に応じて20〜60分間にわたり溶液を混合した。十分に加水分解した後、溶液は透明であった。また、スピンコーティング、ディップコーティング、プリンティング、またはキャスティングにより薄膜堆積を行うのに十分な程度に基板を湿潤することが判明した。界面活性剤鋳型を用いることなくEISA溶液を用いてキセロゲル(ノンポーラス)皮膜を合成した。
図1は、基板(12)上に位置する皮膜(11)の概略断面図を示している。EISA溶液の組成により皮膜の組成を制御した。相対量のシリカ前駆体テトラメチルオルトシリケート(TMOS、98% Aldrich)および有機シラン前駆体(すなわち、3環、[(EtO)SiCH)を混合することにより、さまざまな有機含有率を有する皮膜を作製した。また、有機シラン前駆体のハイブリッド組合せ(すなわち、3環およびMT3)を用いて、皮膜を合成した。
EISA溶液中の界面活性剤と有機シラン前駆体とのモル比(R)を制御して、高いR比を有する皮膜が鋳型除去後に高いポロシティーを有するようにすることにより、さまざまなポロシティーを有する皮膜を合成した(鋳型除去時に構造が典型的に崩潰する許容限度≒75vol%まで)。
皮膜が均一に形成されるように20〜30秒間にわたりガラス上またはSiウェーハ基板上に1200〜5000rpmの速度でEISA溶液をスピンコーティングした。スピン速度、溶液粘度、および溶媒の選択により、皮膜厚さを500〜1500nmに制御した。
室温空気中または制御湿度条件下で皮膜を24時間乾燥させた。界面活性剤鋳型を除去するために仮焼を使用したが、溶媒抽出のような他の方法を使用することも可能であった。仮焼は、流動窒素下、1℃/分の速度で300℃まで皮膜を加熱してから5時間保持することを含むものであった。皮膜は、典型的には、仮焼後、光学的に透明であり、亀裂を有していなかった。また、窒素下、2時間の保持時間で、さらなる熱処理を行った。
皮膜に対して種々の特性決定法を使用した。皮膜の周期的メソ構造のd間隔および構造相を測定するために、粉末X線回折(PXRD)を使用した。屈折率(n)および厚さ(t)を測定するために、偏光解析分光法(ES)を使用した。皮膜を介する平行平板キャパシタンスを測定するために、電極としてスパッタードAu電極ドット(≒0.6mm)および高ドープドSi基板を用いて誘電率(k)を測定した。破断断面のSEMまたはESを用いて、皮膜の厚さを測定した。ナノ押込みを用いて、ヤングモジュラス(E)および硬度(H)を測定した。ガラス基板上に堆積された皮膜に対して、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)を透過形態で適用した。
特定の温度において、特定の架橋型ポリシルセスキオキサン中の架橋型有機基は、図2に示されるように、近傍のシラノール基と化学反応を起こしてプロトン移動の結果として末端アルキル基になる(すなわち、架橋型メテンはメチルになる)ことが明らかにされている。メテンシリカPMOの場合、この変換反応は、約400℃で開始され、600℃近傍の温度まで進行し、この温度で末端メチル基はすべて失われることが明らかにされている(Asefa et al 2000)。
したがって、本発明は、少なくとも2個の金属原子をそれぞれ架橋する有機基を含有する金属酸化物骨格を含む材料を処理して、該材料の疎水性を増大させ、かつ誘電率を減少させる方法を提供する。この方法は、架橋形から末端形への該有機基の少なくともいくつかのヒドロキシル基消費化学変換を引き起こすのに有効な処理を施して、該有効な処理を施すことにより、該材料の疎水性を増大させ、かつ該材料の誘電率を減少させる工程を含む。
本発明はまた、少なくとも2個の金属原子を架橋する有機基を含有する金属酸化物骨格を合成する工程と、架橋形から末端形への該有機基の少なくともいくつかのヒドロキシル基消費化学変換を引き起こすのに有効な処理を施す工程と、を含む処理方法により作製される、有機基を含有する金属酸化物骨格を含む材料を提供する。化学変換により有機基は少なくとも1個少ない金属原子に結合された形をとるようになる。
化学変換された材料は、低誘電率、疎水的耐湿分吸着性、および高ヤングモジュラスを有する。この方法で作製された材料は、約1.1〜約3.0、より好ましくは約1.6〜約2.2の範囲内の誘電率を有しうる。金属酸化物骨格は、ポーラスでありうるか(鋳型使用もしくは鋳型不使用)またはノンポーラスでありうる。
本発明はまた、架橋−末端化学変換後、均一に分布した末端有機基を含有する金属酸化物骨格を含む材料を提供する。有機基のきわめて均一な分布がみられる。ポーラス材料では、有機基は、ポア壁の表面に加えて、ポア壁の内部にも均一に分布する。材料は、Si−C結合の全個数とSi原子の全個数との比が少なくとも50モルパーセントである。架橋−末端変換反応によればヒドロキシル基は実質的に存在せず、材料は疎水的耐湿分吸着性を有する。提供される材料は、約1.1〜約3.0、より好ましくは約1.6〜約2.2の範囲内の誘電率を有する。材料は、少なくとも3GPaのヤングモジュラスを有する。金属酸化物骨格は、ポーラスでありうるか(鋳型使用もしくは鋳型不使用)またはノンポーラスでありうる。
架橋有機基は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン、フェニレン基、フェニレン基含有炭化水素、または少なくとも1個の炭素原子を有する化合物から誘導される他の有機基でありうる。
金属原子は、ケイ素、ゲルマニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、ジルコニウム、タンタル、ニオブ、スズ、ハフニウム、マグネシウム、モリブデン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ベリリウム、イットリウム、ランタン、鉛、およびバナジウムでありうる。
材料は、有機鋳型により構造化されたものであってもよく、この場合、有機鋳型は、不安定有機基、溶媒、熱分解性ポリマー、小分子、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、デンドリマー、超分枝状ポリマー、ブロックコポリマー、ポリオキシアルキレン化合物、コロイド状高分子粒子、およびそれらの組合せよりなる群から選択される。
材料構造は、約1〜約50nmの範囲内の平均ポア直径を有するメソポーラスでありうるか、または材料構造は、少なくとも50nmの平均ポア直径を有するマクロポーラスでありうる。材料は、ポアの周期的配列および少なくとも2nmの平均ポア間隔を有しうる。
材料のポーラス構造は、二次元六方構造、三次元六方構造、立方構造、およびラメラ構造で構成された周期的ユニットセル対称性を有しうるか、または皮膜は、ポアの非周期的配列を有しうる。材料は、約0〜約90vol%の範囲内のポア体積を有しうる。皮膜モルフォロジーは、連続層を有しうるかまたは層の形態に凝結された粒子の集まりを有しうる。皮膜は、スピンコーティング、ディップコーティング、プリンティング、またはキャスティングにより堆積可能であり、皮膜は、少なくとも10nmの厚さを有しうる。他の選択肢として、化学気相堆積(CVD)のような気相堆積が使用可能であると考えられる。
化学変換は、熱的変換でありうる。これは、該熱的変換に影響を及ぼすのに有効な時間にわたり少なくとも200℃まで加熱することを含む。熱処理の雰囲気は、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、二酸化炭素、および酸素のいずれか1つまたはそれらの組合せでありうる。他の選択肢として、有機基のヒドロキシル消費架橋−末端変換を引き起こす他の処理方法、たとえば、光学的手段、電気的手段、化学的手段、または熱的手段(限定されるものではないが、UV硬化または酸化プラズマ処理が包含される)が使用可能であると考えられる。
好ましい実施形態では、材料は、誘電率が1.80であるときに少なくとも6GPaのヤングモジュラスを有する。上述したように作製されたポーラス皮膜を含む少なくとも1層の誘電体絶縁層を備えた半導体デバイスを製造することが可能である。
たとえば、蒸発誘導自己集合を用いて合成されたメテンPMO皮膜、エテンPMO皮膜、3環PMO皮膜、および3環/MTハイブリッドPMO皮膜、ならびにノンポーラス架橋型有機シリカキセロゲル皮膜の例を本明細書に提示するが、これらに限定されるものではない。
実施例1
メテンPMO
(EtO)Si−CH−Si(EtO)(Gelest、98%)有機シラン前駆体(図3中の2)を用いてメテンPMO皮膜を合成した(Hatton et al 2005を参照されたい)。典型的な合成は、0.356gの10−3M HCl、1.135gのEtOH、および0.450gのセチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTACl)水溶液(25wt.%、Aldrich)を均一溶液になるように混合し、次に、0.419gの(EtO)Si−CH−Si(EtO)を添加することを含むであろう(モル比1.0:31.3:2.89×10−4:10:0.285の(EtO)Si−CH−Si(EtO):HO:HCl:EtOH:CTACl)。2000〜4000rpmの速度でSiウェーハ上に皮膜をスピンコーティングし、次に、窒素下、300℃で仮焼した(1℃/分ランプ、5時間保持)。仮焼後、窒素下で種々のさらなる熱処理を2時間施した。
モル比Fにより規定されたシリカ(TMOS、図3中の1)とシルセスキオキサン前駆体との混合物を用いて、さまざまな有機含有率を有する皮膜を合成した。これらのPMOはSiに関してTサイト(ここで、T1,2,3は、RSi(OSi)(OH)3−x四面体サイトに対応する)を含有するので、Fは、
Figure 2008513321
により定義される。ただし、x(nTMOS)+(1−x){1/2(nPMO)}=1.0。したがって、SiサイトFのモル分率=T:(T+Q)=0、0.25、0.5、0.75、および1で、前駆体TMOSおよび(EtO)SiCHSi(OEt)を混合した。
図4aは、Si基板上のメテンPMO皮膜を断面図で示している。皮膜は、均一な厚さを有し、亀裂を含まず、かつ基板に固着していた。図5bは、この仮焼皮膜の透過型電子顕微鏡(TEM)画像をメソポーラスシリカ(図5a)および他のPMO皮膜と比較して示しており、これから高秩序度の2D六方(p6mm)相が示唆される。
図6は、仮焼(300℃)メテンPMOのPXRDスペクトルをメソポーラスシリカおよび他のPMO皮膜と比較して示している。強いシャープなピークは、高秩序度を示唆し、ピークシフトは、シルセスキオキサン前駆体のサイズに伴うd間隔の変化に対応する。
仮焼メテンシリカ材料の29Si MAS NMRスペクトルを図7aに示す。29Siスペクトルは、−63ppm近傍に極大を有するTサイト(CH)Si(OSi)(OH)3−xに特有な化学シフトのシグナルおよびSi(OSi)(OH)4−xとして規定されるいくつかのQサイトに対する−100ppm近傍の小さいシグナルを示す。このことから、仮焼条件はSi−C結合の切断にきわめてわずかに寄与するにすぎず、結果として架橋基は元の状態に保持されることが示唆される。
シリカと(EtO)SiCHSi(OEt)との組合せを用いて合成された皮膜について、図10(白丸)は、d間隔がモル分率Fと共に直線的にシフトすることを示している。したがって、前駆体は均一に混合されている(漸増する有機含有率を有するエテンPMO皮膜および3環PMO皮膜の場合と同様)。
誘電率(k)を有機含有率(モル分率F)の関数として図11aに示す。結果は、熱処理温度の関数として示されている。kの値は、有機含有率の増加に伴って減少し、完全にシルセスキオキサン前駆体だけから合成された組成物(すなわち、F=1.0)のときに最小となる。400℃の熱処理後、kはさらに減少する。これは、架橋−末端変換に伴うシラノール排除の結果である。kの値は、500℃の熱処理後、さらにわずかに減少する。600℃までさらに加熱すると、予想どおり、有機基がすべて失われて、シラノール基の親水性表面が残存し、kは劇的に増大する。
メテンPMOについて湿潤環境への暴露の影響を熱処理の関数として図12に示す。400℃、450℃、および500℃の熱処理が施され、相対湿度80%(RH)の環境に1日間暴露された皮膜について、kの測定値がモル分率Fに対してプロットされている。それらは、湿分を含まないNグローブボックス中で保持された400℃皮膜(「乾燥」と記されている)と比較される。明らかに、F<1.0を有する皮膜では、kは劇的な増加を示し、500℃未満の熱処理の施された皮膜では、より少ない増加を示す。高極性かつk≒80を有する水が表面上に吸着されることが原因で、kの値は、有意に増加する。熱処理は、400℃および450℃では疎水性に関して有益であるが、500℃では十分に効果的である。この結果から、疎水性および耐湿分吸着性に及ぼす有機含有率および熱的変換の有益な効果が明確に示される。
仮焼+500℃メテンPMO皮膜について湿潤環境への暴露の影響を図13aに示す;乾燥(湿分を含まないグローブボックス中に保存)ならびに1日間および5日間にわたり80%RH環境に暴露。明らかに、F<1.0を有する皮膜では、kの劇的な増加がみられる。高極性かつk≒80を有する水が表面上に吸着されることが原因で、kの値は、有意に増加する。F=1.0を有する皮膜では、5日後でさえもkの変化はみられない。この結果から、疎水性および耐湿分吸着性に及ぼす有機含有率および熱的変換処理の有益な効果が明確に示される。
仮焼(300℃)メテンPMO皮膜(同一のポロシティーを有するシリカおよび他のPMOと比較)についてナノ押込み力−深さ押込み曲線を図17に示す。EおよびHに関して結果の平均をメソポーラスシリカと比較して表1に示す。EおよびHはいずれも、シリカ(10.0GPaおよび0.44GPa)と比較して増大する(それぞれ12.7GPaおよび0.51GPa)。
表1は、ナノ押込みにより測定したときの仮焼皮膜(300℃)のヤングモジュラス(E)および硬度(H)を示している。
Figure 2008513321
したがって、不活性雰囲気中で300℃仮焼+追加の熱処理(400〜500℃)に付されたメテンPMO皮膜は、より低いkおよび増大された疎水性をもたらす架橋−末端化学変換を示す。皮膜は、500℃処理の後、十分に耐湿分吸着性である。
実施例2
エテンPMO
(EtO)Si−CHCH−Si(EtO)(Aldrich、96%)有機シラン前駆体を用いてエテンPMO皮膜を合成した(図3中の3)。典型的な合成は、0.356gの10−3M HCl、0.5675gのEtOH、および0.450gのセチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTACl)水溶液(25wt.%、Aldrich)を均一溶液になるように混合し、次に、0.437gの(EtO)SiCHCHSi(OEt)を添加することを含むものであった(モル比1.0:31.3:2.89×10−4:5:0.285の(EtO)SiCHCHSi(OEt):HO:HCl:EtOH:CTACl)。
実施例1のときと同様に、TMOSとシルセスキオキサン前駆体との混合物を用いて、さまざまな有機含有率を有する皮膜を合成した。したがって、SiサイトFのモル分率=T:(T+Q)=0、0.25、0.5、0.75、および1(式1に基づく)で、前駆体TMOSおよび(EtO)SiCHCHSi(OEt)を混合した。2000〜4000rpmの速度でSiウェーハ上に皮膜をスピンコーティングし、次に、窒素下、300℃で仮焼した(1℃/分ランプ、5時間保持)。仮焼後、窒素下で種々の追加の熱処理を2時間施した。
図4bは、Si基板上のエテンPMO皮膜を断面図で示している。皮膜は、均一な厚さを有し、亀裂を含まず、かつ基板に固着していた。図5cは、仮焼皮膜の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示しており、図6は、メソポーラスシリカおよび他のPMO皮膜と比較して、仮焼(300℃)エテンPMOのPXRDスペクトルを示している。強いシャープなピークは、チャネルが基板表面に平行に配向した状態の高秩序度を示唆する。
仮焼エテンシリカ材料の29Si MAS NMRスペクトルを図7bに示す。29Siスペクトルは、−60ppm近傍に極大を有するTサイト(CH)Si(OSi)(OH)3−xに特有な化学シフトのシグナルを示し、Qサイト(Si(OSi)(OH)4−x)に対する−100ppm近傍のピークの徴候を示さない。したがって、架橋基(すなわち、Si−C結合)は、300℃仮焼の後、元の状態に保持される。
図8は、架橋−末端熱的変換が架橋エテン基でも起こることを示している。図8aおよび8bは、それぞれ、エテンPMO皮膜の29Siおよび13C MAS NMRスペクトルを温度の関数として示している。29Siスペクトルは、TサイトからQサイトへの転移が400℃で開始されることを示している。13Cスペクトルは、メテン基に関して有機分が失われることはないが架橋−末端変換を受けることを示している。4.6ppmのピーク(SiCHCH−Siに対応する)は、500℃および550℃で2つの異なるピーク1.9ppmおよび−2.8ppmに***する。これらは、(架橋)CH基および(末端)CH基の2つの炭素サイトに対応する。
図8cは、変換反応をさらに裏付ける。500℃で処理されたサンプルについてd3=1μs、10μs、および50μsの3つの遅延時間で行った一連の13C NQS実験が示されている。d=50μsのスペクトルの2.0ppmの残存ピークは、架橋CH基ではなく末端CH基が存在することを明確に示している。
シリカと(EtO)SiCHCHSi(OEt)との組合せを用いて合成された皮膜について、図10(三角)は、d間隔がモル分率Fと共に直線的にシフトすることを示している。したがって、前駆体は均一に混合されている(漸増する有機含有率を有するメテンPMO皮膜および3環PMO皮膜の場合と同様)。
有機含有率(モル分率F)の関数としての誘電率(k)を処理温度の関数として図11bに示す。メテンPMOのときと同様に、kは、有機含有率の増加に伴って減少し、F=1.0で最小となる。400℃および500℃の熱処理後、kはさらに減少する。これは、架橋−末端変換に伴うシラノール排除の結果である。600℃までさらに加熱すると、予想どおり、有機基がすべて失われて、シラノール基の親水性表面が残存し、kは劇的に増大する。
仮焼(300℃)および500℃の熱処理の施されたエテンPMO皮膜について湿潤環境への暴露の影響を図13bに示す;乾燥(湿分を含まないグローブボックス中に保存)ならびに1日間および5日間にわたり80%RH環境に暴露。明らかに、F<0.5を有する皮膜では、吸着水に起因して(kH2O≒80であることが理由で)、kの劇的な増加がみられ、0.5以上のFを有する皮膜では、少ない増加がみられる。したがって、熱的変換(500℃)エテンPMO皮膜は、メテンPMO材料および3環PMO材料よりもわずかに低いが非常に高い疎水的耐湿分吸着性を示す。
仮焼(300℃)エテンシリカPMO皮膜(シリカおよび他のPMOと比較)についてナノ押込み力−深さ押込み曲線を図17に示す。EおよびHに関して結果の平均をメソポーラスシリカと比較して表1に示す。EおよびHはいずれも、シリカ(10.0GPaおよび0.44GPa)と比較して増大する(それぞれ13.3GPaおよび0.77GPa)。
したがって、不活性雰囲気中で300℃仮焼+追加の熱処理(400〜500℃)に付されたエテンPMO皮膜は、より低いkおよび増大された疎水性をもたらす架橋−末端化学変換を示す。エテン架橋の架橋−末端変換が初めて実証される。
実施例3
3環PMO
環状3環[(EtO)SiCH有機シラン前駆体(図3中の4)を用いて3環PMO皮膜を合成した(Landskron et al 2003を参照されたい)。典型的な合成は、0.356gの10−3M HCl、0.568gのEtOH、および0.450gのセチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTACl)水溶液(25wt.%、Aldrich)を均一溶液になるように混合し、次に、0.488gの[(EtO)SiCHを添加することを含むものであった(モル比1.0:31.3:2.89×10−4:10:0.285の[(EtO)SiCH:HO:HCl:EtOH:CTACl)。2000〜4000rpmの速度でSiウェーハ上に皮膜をスピンコーティングし、次に、窒素下、300℃で仮焼した(1℃/分ランプ、5時間保持)。仮焼後、窒素下で種々の追加の熱処理を2時間施した。
モル比FDに基づくTMOSと[(EtO)SiCHとの混合物を用いて、さまざまな有機含有率を有する皮膜を合成した。これらのPMOはSiに関してDサイト(ここで、D1,2,3は、(CHSi(OSi)(OH)2−x四面体サイトに対応する)を含有するので、FDは、
Figure 2008513321
により定義される。ただし、x(nTMOS)+(1−x){1/3(n)}=1.0。したがって、SiサイトFDのモル分率=D:(D+Q)=0、0.25、0.5、0.75、および1で、前駆体TMOSおよび[(EtO)SiCHを混合した。
図4cは、Si基板上の3環PMO皮膜を断面図で示している。皮膜は、均一な厚さを有し、亀裂を含まず、かつ基板に固着していた。図5dは、この仮焼皮膜の透過型電子顕微鏡(TEM)画像をメソポーラスシリカ(図5a)および他のPMOと比較して示しており、これから高秩序度の2D六方(p6mm)相が示唆される。
図6は、仮焼(300℃)3環PMOのPXRDスペクトルをメソポーラスシリカおよび他のPMOと比較して示している。強いシャープなピークは、高秩序度を示唆し、ピークシフトは、シルセスキオキサン前駆体のサイズに伴うd間隔の変化に対応する。
仮焼(300℃)3環PMOの29Siスペクトルを図7bに示す。これは、D(CHSi(OSi)(OH)サイトとD(CHSi(OSi)サイトとの絡合いに帰属される−20ppmの幅広いシグナルを示しており、このことからこの温度ではすべてのSi−C結合が元の状態に保持されることが証明される。
図9は、3環PMOについて29Si MAS NMRスペクトルの変化を温度の関数として示している。「元の状態」の架橋構造(300℃仮焼)のDサイト((CHSi(OSi)(OH)2−x)は、400℃でTサイト(CHSi(OSi)(OH)3−x)への変換が開始される。Tサイトの出現は、この過程でいくつかの架橋基がシラノール基を消費して末端基になったことを示唆する。500℃で、DサイトとTサイトとの組合せがみられる。600℃では、Qサイト(Si(OSi)(OH)4−x)を表す約100ppmのピークも存在することから、有機基の完全な消失が示唆される。
シリカと[(EtO)SiCHとの組合せを用いて合成された皮膜について、図10(黒丸)は、d間隔がモル分率Fと共に直線的にシフトすることを示している。したがって、前駆体は均一に混合されている(漸増する有機含有率を有するメテンPMO皮膜およびエテンPMO皮膜の場合と同様)。
誘電率(k)を有機含有率(モル分率Fにより測定される)の関数として図11cに示す。結果は、熱処理温度の関数として示されている。PMO材料のそれぞれについて、kの値は、有機含有率の増加に伴って減少し、完全にシルセスキオキサン前駆体だけから合成された組成物(すなわち、F=1.0)のときに最小となる。400℃の熱処理後、kはさらに減少する。これは、架橋−末端変換に伴うシラノール排除の結果である。F<0.75の場合、kの値は、500℃の熱処理後、さらにわずかに減少する。F=0.75および1.0では、400℃および500℃の熱処理は、kに関して類似の結果を生じる。600℃までさらに加熱すると、予想どおり、有機基がすべて失われて、シラノール基の親水性表面が残存し、kは劇的に増大する。
仮焼+500℃3環PMO皮膜について湿潤環境への暴露の影響を図13cに示す;乾燥(湿分を含まないグローブボックス中に保存)ならびに1日間および5日間にわたり80%RH環境に暴露。明らかに、F<0.5を有する皮膜では、吸着水に起因して(kH2O≒80であることが原因で)、kの劇的な増加がみられる。F=0.75および1.0を有する皮膜では、5日後でさえもkの変化はみられない。この結果から、疎水性および耐湿分吸着性に及ぼす有機含有率および熱的変換処理の有益な効果が明確に示される。
図14は、メソポーラスシリカ皮膜および3環キセロゲル皮膜(鋳型不使用)と比較して、80%RHに1日間暴露した後における漸増有機含有率(記載のF値)の3環PMO皮膜(500℃)のFTIRスペクトルを示している。約2960cm−1のピークは、架橋メテン基のC−H伸縮に対応する。シリカ皮膜の場合、−OH基および物理吸着された表面結合水のO−H伸縮に対応する実質的なピークが約3400cm−1に存在する。ピーク強度は、有機含有率の増加に伴って劇的に減少し、F=1.0のPMO皮膜およびキセロゲル皮膜では完全に消失することから、皮膜は非常に疎水性であり湿分をなんら吸収しないことが示唆される。
R=CTACl/[(EtO)SiCHのモル比を増加させることにより、一連のポロシティーを有する3環PMOの皮膜を合成した(R=0は、キセロゲル皮膜を示す)。図15は、Rの増加に伴って仮焼後の屈折率(n)が減少することを示している。このことから、界面活性剤の体積分率の増加に伴ってポロシティーが増加することが示唆される。
図16は、300℃の仮焼ならびに400℃および500℃の後続の熱処理の後におけるRの増加に伴うkの変化を示している(同一のフィルムサンプル)。空気ではk≒1.0であるので、Rに伴うポロシティーの増加は、kの連続的減少を引き起こす。「元の状態」の300℃皮膜では、約3.6(R=0)から約2.1に減少する。400℃および500℃の熱処理を施すと、先に示した熱的変換に基づいて、kはさらに減少する。500℃では、kの最小値は、R=0.14〜0.17の範囲内で1.70である。
仮焼(300℃)3環PMO皮膜(シリカおよび他のPMOと比較)についてナノ押込み力−深さ押込み曲線を図17に示す。EおよびHに関して結果の平均をメソポーラスシリカと比較して表1に示す。EおよびHはいずれも、同一ポロシティのシリカ(10.0GPaおよび0.44GPa)と比較して増大する(それぞれ11.8GPaおよび0.67GPa)。
図18は、さまざまな界面活性剤/前駆体モル比でBrij−56界面活性剤を用いて合成された一連の3つの3環PMO皮膜(A、B、C)について(Aを最小としてポロシティーを増大させるように)、ヤングモジュラス(E)vs誘電率(k)を示している。結果は、仮焼後の熱処理(400℃および450℃)の関数として示されている。ポロシティーの増加に伴ってEおよびkはいずれも減少するが、450℃で熱処理すると、試験したすべての皮膜でE/kの比が改良される。450℃処理の後、皮膜Bは、k=1.80およびE=7.26GPaを有していた。
したがって、不活性雰囲気中で300℃仮焼+追加の熱処理(400〜500℃)に付された3環PMO皮膜および3環ノンポーラスキセロゲル皮膜は、より低いkおよび増大された疎水性をもたらす架橋−末端化学変換を示す。80%RHの5日間暴露の後でk=1.80、E=7.2GPa、および完全な耐湿分吸着性を有する皮膜が合成された。
実施例4
3環/MT PMO
40mol%の3環前駆体(図3中の4)と60mol%のMT前駆体(図3中の5)との組合せを用いて、ハイブリッド皮膜を合成した。典型的な合成は、0.356gの10−3M HCl、0.568gのEtOH、および0.400gのセチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTACl)水溶液(25wt.%、Aldrich)を均一溶液になるように混合し、次に、0.293gの3環前駆体および0.259gのMT前駆体を添加することを含むものであった(モル比1.0:0.498:54.0:4.43×10−4:15.3:0.389の3環:MT3:HO:HCl:EtOH:CTACl)。2000〜4000rpmの速度でSiウェーハ上に皮膜をスピンコーティングし、次に、窒素下、300℃で仮焼した(1℃/分ランプ、5時間保持)。仮焼後、窒素下で種々の追加の熱処理を2時間施した。
図4dは、仮焼(300℃)皮膜のSEM断面図を示し、図19は、4.2nmのd間隔に対応する明確なピークを示す同一皮膜のPXRDパターンを示し、これから秩序化六方メソ構造が示唆される。図20は、誘電率kの予備的測定を仮焼(300℃)から400℃および500℃までの熱処理温度の関数として示している。明らかに、kは、温度と共に2.51(300℃)から2.21(500℃)まで減少することから、有効な熱的変換挙動が実証される。300℃皮膜のナノ押込み測定により、E=14.07GPaおよびH=1.51GPaが示される。ポロシティーを増大させると、kはさらに低減するが、高いE/k比が保持されるものと予想される。
したがって、3環前駆体とMT前駆体との組合せを含むハイブリッドPMOの誘電率の低下に及ぼす熱的変換の効果が実証される。
実施例5
架橋型有機シリカキセロゲル皮膜
エテン前駆体(図3中の3)およびデンドリシリカ前駆体(図3中の6)を用いて、有機鋳型を用いない有機シリカキセロゲル皮膜を合成した。典型的な合成は、0.360gの0.10M HClおよび0.500gのEtOHを均一溶液になるように混合し、次に、それぞれ、0.443gのエテン前駆体(モル比1.0:16.0:0.0288:8.70のエテン:HO:HCl:EtOH)または0.397gのデンドリシリカ前駆体(モル比1.0:40.0:0.0719:21.7のデンドリシリカ:HO:HCl:EtOH)を添加することを含むものであった。2000〜4000rpmの速度でSiウェーハ上に皮膜をスピンコーティングし、次に、窒素下、300℃で仮焼した(1℃/分ランプ、5時間保持)。仮焼後、窒素下で種々の追加の熱処理を2時間施した。
図21aおよび21bは、エテンシリカキセロゲル皮膜およびデンドリシリカキセロゲル皮膜のSEM断面図を示している。図22は、誘電率(k)の変化を熱処理温度の関数として示している。エテンシリカは、3.40(300℃皮膜)から3.10(500℃皮膜)まで減少し、デンドリシリカは、3.47(300℃皮膜)から2.44(500℃皮膜)まで減少する。その結果、これらのノンポーラス架橋型有機シリカ皮膜では、kに及ぼす熱処理の顕著な効果が存在することになる。
したがって、メテン基およびエテン基を含有する2つのノンポーラス架橋型有機シリカキセロゲル皮膜の誘電率の低下に及ぼす熱的変換の効果がそれぞれ実証される。デンドリシリカ材料は、エテンシリカ材料よりも高い有機含有率を有し、より大きい熱処理効果を示す。
計測
Siemens D5000回折計を用いてPXRDパターンを測定した(λ=0.1542nm)。
固体NMR実験はすべて、Bruker DSX 400 NMR分光計を用いて行った。29Si MAS NMRスペクトルは、5kHzのスピン速度および5sのパルス遅延で記録した。13C CP MAS NMR実験は、5kHzのスピン速度、5msの接触時間、および3sのパルス遅延で行った。
TEM画像は、200kVの加速電圧でPhilips Tecnai 20顕微鏡を用いて記録した(C膜被覆Cuグリッド上の皮膜断片)。SEM画像は、1kVで動作するHitachi S−4500顕微鏡を用いて記録した。
0.1〜10mNの荷重でBerkovichダイヤモンドインデンターを用いて皮膜のナノ押込みを行って機械的性質を測定した(Shimadzu DUH−2100)。各測定に対して、4回の荷重/非荷重サイクルを5秒間の保持時間で使用した。
高ドープドSi(100)ウェーハ上に堆積された皮膜を用いて30mV振幅(および0バイアス)で1MHz 4280A Hewlett−Packard Cメーターにより平行平板キャパシタンス測定を行って誘電率を決定した。約0.6mmのAuドット(シャドウマスクを介してスパッタリングしたもの)がトップ電極であり、各サンプルについて少なくとも6個の電極を測定した。
屈折率測定は、Sopra GES−5偏光解析分光計を用いて300〜1300nmの範囲にわたって行った。
FTIR(Perkin Elmer Spectrum GX)を用いて、透過で4000〜2000cm−1にわたり、ガラススライド上に堆積された皮膜の振動吸収スペクトルの特性付けを行った。
本明細書中で使用する場合、「comprises(含む)」、「comprising」、「including(含む)」、および「includes」という用語は、包括的かつ拡張的であり排他的ではないと解釈されるものとする。特定的には、本明細書(特許請求の範囲を包含する)中で使用する場合、「comprises」、「comprising」、「including」、および「includes」という用語、ならびにそれらの変化形は、指定の特徴、工程、または要素が包含されることを意味する。これらの用語は、他の特徴、工程、または要素の存在を除外するものと解釈すべきものではない。
本発明の好ましい実施形態についての以上の説明は、本発明を説明された特定の実施形態に限定するためではなく、本発明の原理を示すために提示されたものである。本発明の範囲は、以下の特許請求およびそれらの等価物の範囲内に包含されるあらゆる実施形態により規定されるものとする。
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基板上の皮膜の概略断面図を示している。 架橋形から末端形への有機基の熱誘導変換に関連する化学結合の概略図である。 PMO皮膜に用いられるシルセスキオキサン(有機シラン)前駆体を示している。 断面で破断した仮焼(300℃)PMO皮膜のSEM画像を示している;(a)メテン、(b)エテン、(c)3環、および(d)3環/MTハイブリッド。 仮焼(300℃)PMO皮膜のTEM画像(200kV)を示している;(a)シリカ、(b)メテン、(c)エテン、および(d)3環。 仮焼(300℃)PMO皮膜の粉末X線回折(PXRD)スペクトルを示している。 仮焼(300℃)PMO皮膜の29Si MAS NMRスペクトルを示している;メテンPMO。 仮焼(300℃)PMO皮膜の29Si MAS NMRスペクトルを示している;エテンPMO。 仮焼(300℃)PMO皮膜の29Si MAS NMRスペクトルを示している;3環PMO。 エテンPMO皮膜の29Si MAS NMRスペクトルを温度の関数として示している。 エテンPMO皮膜の13C MAS NMRスペクトルを温度の関数として示している。 500℃で処理されたサンプルについてd3=1μs、10μs、および50μsの3つの遅延時間で取得した13C NQSスペクトルを示している。 300℃(A)、400℃の(B)、500℃の(C)、600℃(D)、および700℃(E)の温度での3環PMOの29Si MAS NMRスペクトルを示している。 メテンPMO皮膜、エテンPMO皮膜、および3環PMO皮膜について有機含有率(モル分率F)に伴う(100)d間隔の変化を示している。 メテンPMOについて誘電率(k)を有機含有率(モル分率F)および熱処理温度(300℃仮焼+熱処理)の関数として示している。 エテンPMOについて誘電率(k)を有機含有率(モル分率F)および熱処理温度(300℃仮焼+熱処理)の関数として示している。 3環PMOについて誘電率(k)を有機含有率(モル分率F)および熱処理温度(300℃仮焼+熱処理)の関数として示している。 仮焼(300℃)メテンPMO皮膜の誘電率(k)に及ぼす湿潤環境(80%RH、1日間)への露出の影響を示している。皮膜は、追加の熱処理(記載のとおり)で処理されたものであり、窒素下、乾燥状態で保持された400℃皮膜と比較される。 300℃仮焼+500℃で処理されたPMO皮膜について誘電率(k)を有機含有率(モル分率F)の関数として示している。皮膜は、80%RH環境に1日間および5日間暴露されたものであり、同等な「乾燥」(非暴露)皮膜と比較される;メテンPMO。 300℃仮焼+500℃で処理されたPMO皮膜について誘電率(k)を有機含有率(モル分率F)の関数として示している。皮膜は、80%RH環境に1日間および5日間暴露されたものであり、同等な「乾燥」(非暴露)皮膜と比較される;エテンPMO。 300℃仮焼+500℃で処理されたPMO皮膜について誘電率(k)を有機含有率(モル分率F)の関数として示している。皮膜は、80%RH環境に1日間および5日間暴露されたものであり、同等な「乾燥」(非暴露)皮膜と比較される;3環PMO。 メソポーラスシリカ皮膜および3環キセロゲル皮膜と比較して、80%RHに1日間暴露した後における漸増有機含有率(記載のF値)の3環PMO皮膜(300℃仮焼+500℃)のFTIRスペクトルを示している。 仮焼(300℃)3環PMO皮膜の屈折率(n)の差をEISA溶液のCTACl:[(EtO)SiCHモル比(R)の関数として示している。 300℃の仮焼ならびに400℃および500℃の追加の熱処理の後における3環PMO皮膜の誘電率(k)の変化をEISA溶液のCTACl:[(EtO)SiCHモル比(R)の関数として示している。 仮焼(300℃)メソポーラスシリカ皮膜および仮焼(300℃)PMO皮膜の押込み力/深さ曲線を示している。 3環PMO皮膜(A、B、C)のヤングモジュラス(E)vs誘電率(k)を仮焼後の熱処理(400℃および450℃)の関数として示している。 仮焼(300℃)3環/MT皮膜のPXRDスペクトルを示している。 3環/MT皮膜について温度(300℃仮焼+追加の熱処理)に伴う誘電率(k)の変化を示している。 (a)エテンシリカキセロゲル皮膜および(b)デンドリシリカキセロゲル皮膜のSEM断面図を示している。 エテンシリカキセロゲル皮膜およびデンドリシリカキセロゲル皮膜の誘電率(k)の変化を熱処理温度の関数として示している。
符号の説明
11 皮膜
12 基板

Claims (52)

  1. 少なくとも2個の金属原子をそれぞれ架橋する有機基を含有する金属酸化物骨格を含む材料を処理して、該材料の疎水性を増大させ、かつ誘電率を減少させる方法であって、
    架橋形から末端形への該有機基の少なくともいくつかのヒドロキシル基消費化学変換を引き起こすのに有効な処理を施して、該有効な処理を施すことにより、該材料の疎水性を増大させ、かつ該材料の誘電率を減少させる工程、
    を含む、上記方法。
  2. 少なくとも2個の金属原子をそれぞれ架橋する有機基を含有する金属酸化物骨格を含む前記材料が、架橋型有機シリカを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記架橋型有機シリカが周期的メソポーラス有機シリカ(PMO)を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 1nm未満〜約50nmの範囲内の平均ポア直径のポアを有するメソポーラス構造および少なくとも50nmの平均ポア直径を有するマクロポーラス構造のうちの1つを有してポーラスである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記材料が、皮膜、粉末、モノリスのうちの1つの形態をとる、請求項1、2、3、または4に記載の方法。
  6. 有効な処理を施す前記工程が、ヒドロキシル基消費化学変換を引き起こすように加熱することを含む、請求項1、2、3、4、または5に記載の方法。
  7. 加熱する前記工程が、前記化学変換に影響を及ぼすのに有効な時間にわたり少なくとも200℃まで加熱することを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 加熱する前記工程が、空気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、二酸化炭素、および酸素よりなる群から選択される雰囲気中で前記材料を加熱することを含む、請求項6または7に記載の方法。
  9. 有効な処理を施す前記工程が、光学的手段、電気的手段、化学的手段、または熱的手段、たとえば、限定されるものではないが、紫外線および酸化プラズマを含む、請求項1、2、3、または4に記載の方法。
  10. 前記誘電率が、約1.1〜約3.0の範囲内の値まで低減される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 有機基を含有する金属酸化物骨格を含む材料であって、
    少なくとも2個の金属原子を架橋する有機基を含有する金属酸化物骨格を合成する工程と、
    架橋形から末端形への該有機基の少なくともいくつかのヒドロキシル基消費化学変換を引き起こすのに有効な処理を施す工程と、
    を含む方法により作製される、上記材料。
  12. 有効な処理を施す前記工程が、ヒドロキシル基消費化学変換を引き起こすように加熱することを含む、請求項11に記載の方法により作製される材料。
  13. 加熱する前記工程が、前記化学変換に影響を及ぼすのに有効な時間にわたり少なくとも200℃まで加熱することを含む、請求項12に記載の方法により作製される材料。
  14. 加熱する前記工程が、空気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、二酸化炭素、および酸素よりなる群から選択される雰囲気中で前記材料を加熱することを含む、請求項12または13に記載の方法により作製される材料。
  15. 有効な処理を施す前記工程が、架橋から末端への有機基の変換を引き起こすように、紫外線(UV)および酸化プラズマのいずれか1つに前記材料を暴露することを含む、請求項11に記載の方法により作製される材料。
  16. 金属酸化物骨格を作製する前記工程が、有機鋳型を用いて構造化される前記金属酸化物骨格を作製することを含む、請求項11、12、13、14、または15に記載の方法により作製される材料。
  17. 前記有機鋳型が、不安定有機基、溶媒、熱分解性ポリマー、小分子、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、デンドリマー、超分枝状ポリマー、ブロックコポリマー、ポリオキシアルキレン化合物、コロイド状高分子粒子、およびそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項16に記載の方法により作製される材料。
  18. 皮膜として形成される、請求項11〜17のいずれか1項に記載の方法により作製される材料。
  19. 粉末として形成される、請求項11〜17のいずれか1項に記載の方法により作製される材料。
  20. モノリスとして形成される、請求項11〜17のいずれか1項に記載の方法により作製される材料。
  21. 約1.1〜約3.0の範囲内の誘電率を有する、請求項18、19、または20に記載の方法により作製される材料。
  22. 前記皮膜が、スピンコーティング、ディップコーティング、プリンティング、キャスティング、シルクスクリーン、インクジェット、蒸発、および気相堆積のいずれか1つにより堆積される、請求項18または21に記載の方法により作製される材料。
  23. 前記皮膜が、少なくとも10nmの厚さを有する、請求項18、21、または22に記載の方法により作製される材料。
  24. 少なくとも1.15の屈折率を有する、請求項18、19、20、21、22、または23に記載の方法により作製される材料。
  25. 少なくとも3GPaのヤングモジュラスを有する、請求項18、19、20、21、22、23、または24に記載の方法により作製される材料。
  26. 前記材料の疎水性が、前記化学変換に基づいて増大される、請求項11〜25のいずれか1項に記載の方法により作製される材料。
  27. ポーラスである、請求項11〜26のいずれか1項に記載の方法により作製される材料。
  28. 1nm未満〜約50nmの範囲内の平均ポア直径のポアを有するメソポーラス構造を有する、請求項27に記載の方法により作製される材料。
  29. 少なくとも50nmの平均ポア直径を有するマクロポーラス構造を有する、請求項27に記載の方法により作製される材料。
  30. ポアの周期的配列および少なくとも2nmの平均ポア間隔を有する、請求項27、28、または29に記載の方法により作製される材料。
  31. 二次元六方構造、三次元六方構造、立方構造、およびラメラ構造またはポーラスラメラ構造よりなる群から選択される周期的ユニットセル対称性を有する、請求項27、28、29、または30に記載の方法により作製される材料。
  32. ポアの非周期的配列を有する、請求項27、28、または29に記載の方法により作製される材料。
  33. 前記ポーラス材料のポア体積が、約0〜約90vol%の範囲内である、請求項27〜32のいずれか1項に記載の方法により作製される材料。
  34. 連続層であるかまたは層の形態に凝結された粒子の集まりである皮膜モルフォロジーを有する、請求項27に記載の方法により作製される材料。
  35. 前記有機基が、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン、フェニレン基、フェニレン基含有炭化水素、および少なくとも1個の炭素原子を有する化合物から誘導される有機基よりなる群から選択される、請求項11に記載の方法により作製される材料。
  36. 前記金属原子が、ケイ素、ゲルマニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、ジルコニウム、タンタル、ニオブ、スズ、ハフニウム、マグネシウム、モリブデン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ベリリウム、イットリウム、ランタン、鉛、およびバナジウム、ならびに混合金属よりなる群から選択される、請求項11に記載の方法により作製される材料。
  37. Si−C結合によりSi原子に結合された末端有機基以外の他の末端基が存在しない、周期的ポーラス有機シリカ材料。
  38. 均一に分布する末端有機基を含有する金属酸化物骨格を含む、請求項37に記載の材料。
  39. 疎水的耐湿分吸着性を有する、請求項37または38に記載の材料。
  40. 約1.1〜約3.0の範囲内の誘電率を有する、請求項37、38、または39に記載の材料。
  41. 約1.6〜約2.2の範囲内の誘電率を有する、請求項37、38、または39に記載の材料。
  42. 少なくとも3GPaのヤングモジュラスを有する、請求項37、38、39、40、または41に記載の材料。
  43. 皮膜、粉末、またはモノリスとして形成される、請求項37〜42のいずれか1項に記載の材料。
  44. ポーラスである、請求項37〜43のいずれか1項に記載の材料。
  45. 1nm未満〜約50nmの範囲内の平均ポア直径のポアを有するメソポーラス構造を有する、請求項44に記載の材料。
  46. 少なくとも50nmの平均ポア直径を有するマクロポーラス構造を有する、請求項44に記載の材料。
  47. 前記誘電率が、約1.6〜約2.2の範囲内の値まで低減される、請求項18、19、または20のいずれかに記載の方法により作製される材料。
  48. 前記誘電率が、約1.6〜約2.2の範囲内の値まで低減される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  49. 前記有機基が、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン、フェニレン基、フェニレン基含有炭化水素、および少なくとも1個の炭素原子を有する化合物から誘導される有機基よりなる群から選択される、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  50. 前記金属原子が、ケイ素、ゲルマニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、ジルコニウム、タンタル、ニオブ、スズ、ハフニウム、マグネシウム、モリブデン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ベリリウム、イットリウム、ランタン、鉛、およびバナジウムよりなる群から選択される、請求項1〜10に記載の方法。
  51. 0.5GPa超の硬度を呈する、請求項11〜36に記載の方法により作製される材料。
  52. 0.5GPa超の硬度を呈する、請求項37〜46に記載の材料。
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