JP2008511624A - 電気触媒性インターカレーターを用いる核酸の決定 - Google Patents

電気触媒性インターカレーターを用いる核酸の決定 Download PDF

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Abstract

核酸の電気化学的検出のための組成物および方法が開示される。組成物は、2本鎖の核酸に結合して核酸を酸化する電気触媒性インターカレーターを備える。試料中の核酸の検出方法は、電気触媒性インターカレーターによって結合する2本鎖の核酸を形成する工程を含み、インターカレーターは電極表面で核酸の酸化を触媒する。

Description

本出願は概して、電気触媒性インターカレーターを用いて核酸を検出するためのバイオセンサーに関する。
核酸系バイオセンサーは、遺伝子型決定から分子診断にわたり潜在的適用を有する。蛍光法は、特異的核酸配列および遺伝子発現を分析するための高密度核酸アレイを与える。これらのアレイは広く採用されてはいるが、標的核酸試料の標識を必要とする。したがって、電気化学的伝達法が核酸ハイブリダイゼーション事象の超高感度検出のために提案されている。蛍光の代わりに電気化学法を使用することで、より単純でより小さい検出器が可能になりうる。核酸を選択的かつ高感度で直接検出できることが、電気化学的研究の主な目標である。
したがって、本発明者らは、試料中の核酸を検出するためのバイオセンサーに新しいアプローチを案出することに成功した。このアプローチは、超高感度核酸検出に使用するために新規な核酸インターカレーターを合成および分析応用することに基づく。
種々の実施形態において、本発明は下記式Iのコア化合物を提供する。
−D−L
(I)
式中、Dは2価の環状基である。LおよびLはそれぞれ独立して、約3から約20個の非水素原子、脂肪族アミノ基、および窒素部分を有する有機アミンを備える連結基である。
さらなる実施形態において、本発明は、式IIの遷移金属化合物に結合した式Iのコア化合物を備える電気触媒性インターカレーターも提供する。
Figure 2008511624
式中、Mは、窒素に配位結合を形成することができる金属元素である。RおよびR’は、それらの窒素原子でMに配位した窒素含有有機部分である。Zはハロゲン原子であり、mは+1、+2、+3、+4、+5、または+6である。Xは、mとバランスを保つアニオンまたは複数のアニオンの組合せである。好ましい実施形態において、金属元素はルテニウムである。
種々のさらなる実施形態において、本発明は、前記電気触媒性インターカレーターの調製方法も提供する。この方法は、式Iのコア化合物に式IIの遷移金属化合物を接触させることにより、コア化合物と遷移金属化合物との間に金属から窒素への配位結合を形成する工程を備える。
本発明は、前記電気触媒性インターカレーターを利用した核酸の電気触媒的検出方法をさらに提供する。種々の実施形態において、電気触媒性インターカレーターが複合体に挿入されるように、電気触媒性インターカレーターに標的核酸を含む複合体が接触する。
さらなる実施形態において、本発明は電気触媒性インターカレーターを備えるキット、および当該電気触媒性インターカレーターを核酸の電気触媒的検出に利用するバイオセンサーにも関する。
本発明により、核酸の塩基対の間に挿入され、電気化学的増強後にヌクレオチドの酸化を触媒する新規な電気触媒性インターカレーターを本出願者らは発見した。本発明のインターカレーターは、このインターカレーターの電気触媒的性質に寄与する様々な部分を備える。本出願者らは、2本鎖の核酸への本発明の電気触媒性インターカレーターの選択的組込み、および効率的な電気触媒が、標的核酸を高感度で無標識決定または検出するための一般的なプラットフォームをもたらすことを発見した。
例えば、複数の縫込み型インターカレーターは、2本鎖の核酸と可逆的に相互作用する重要な化合物の群である。縫込み型インターカレーターは、例えば2本鎖のDNAの塩基対間に挿入されて結合する平面多環芳香族系の存在などの構造上の共通な特徴を有している。特定の理論に縛られるわけではないが、2本鎖の核酸への本願の電気触媒性インターカレーターの挿入後に、電気触媒性インターカレーターがヌクレオチドを酸化し、電子がヌクレオチドからバイオセンサー/電極に移動する電子流が電極で検出される。本発明の有用性、機能、または組成物を限定することなしに、電気触媒性インターカレーターは、電気化学的増強後にヌクレオチドを酸化する。触媒サイクルでは、インターカレーターは電極によって酸化され、酸化したインターカレーターはヌクレオチドから電子を除去してラジカルカチオンを形成することができ、ラジカルカチオンは脱プロトンしてさらなる反応を受ける。このように、本反応は触媒的であり、核酸から直接電子を除去する一連の反応によって核酸の消費を導き、電極に電子が移動する結果として検出可能な電流が生じる。
位置実施形態において、本発明は、式(I)に対応する構造を有するコア化合物を提供する。
−D−L
(I)
式(I)において、Dは1つまたは複数の置換基を有することができる2価の環状基を表す。好ましくは、この2価の環状基は平面環状基を備える。2価の環状基の非限定的な例としては、2つの窒素原子に2つの結合部位を有するナフタレンジイミド基、2−および6−位または1−および5−位(好ましくは2−および6−位)に2つの結合部位を有するアントラセン基、アントラセン基と同様に2つの結合部位を有するアントラキノン基、2−および6−位に2つの結合部位を有するフルオレン基、2−および6−位に2つの結合部位を有するビフェニレン基、2−および7−位に2つの結合部位を有するフェナントレン基、ならびに2−および7−位に2つの結合部位を有するピレン基が挙げられる。好ましい環状基は、窒素原子に2つの結合を有するナフタレンジイミド基である。2価の環状基の置換基の非限定的な例は、ハロゲン原子(例えば、塩素(Cl)または臭素(Br))、またはメチル、エチル、もしくはn−プロピルなどの1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である。
好ましい実施形態において、Dは核酸インターカレーターである。インターカレーターは、例えば、DNA/DNAハイブリッドまたはDNA/RNAハイブリッドなどの2本鎖の核酸の塩基対間に滑込むことができる分子である。好ましくは、インターカレーターはナフタレンジイミド基を備える。好ましい実施形態において、インターカレーターは1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を備える。
上記式(I)において、LおよびLはそれぞれ独立して、約3から約20個の非水素原子、脂肪族アミノ基を有する有機アミンを備える連結基であり、該連結基は、金属から窒素への配位結合をもたらすことができる窒素部分をさらに備えている。好ましい実施形態において、窒素部分は、少なくとも1つの窒素原子を含む複素環である。適切な窒素部分の非限定的な例としては、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピロール、ピラゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、およびトリアジンが挙げられる。複素環の窒素の1つは、金属と配位結合を形成することができる。好ましい窒素部分はイミダゾールである。窒素部分が複素環であるとき、脂肪族アミノ基は、環に結合したアルキル基上に好ましくは保持される。アルキル基は直鎖でも分岐でもよく、一般に約1から約20個の炭素、好ましくは約2から約12個、さらに好ましくは約3個から約6個の炭素原子を含む。好ましい連結基は3−アミノプロピルイミダゾールである。
別の実施形態において、上記式(I)に対応する構造を有する化合物は電気触媒性インターカレーターの一部である。好ましい実施形態において、電気触媒性インターカレーターは、式(II)の遷移金属化合物に結合した式(I)の化合物を備えている。
Figure 2008511624
式中、Mは窒素への配位結合を形成する金属元素である。RおよびR’は、それらの窒素原子でMに配位した窒素含有有機部分である。Zはハロゲン原子であり、mは+1、+2、+3、+4、+5、または+6である。Xは、mとバランスを保つアニオンまたは複数のアニオンの組合せである。
式IIにおいて、Mとしての使用に適切な金属元素としては、例えば、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、白金(Pt)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)、およびその混合物が挙げられる。好ましい実施形態において、金属元素Mは遷移金属ルテニウム(Ru)である。
式IIのRおよびR’は同一または異なることがあり、それらの窒素原子で金属元素に配位している。R、R’、またはその両方は、例えば2,2’−ビピリジル;C1〜C4アルキル、フェニル、および1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で置換されたフェニルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換された2,2’−ビピリジル;1,10−フェナントロリニル;ならびにC1〜C4アルキル、フェニル、および1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で置換されたフェニルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換された1,10−フェナントロリニルでもよい。好ましくは、RおよびR’の少なくとも1つは2,2’−ビピリジルである。
別の実施形態において、RおよびR’の少なくとも1つおよび好ましくは両方が、2,2’−ビピリジルまたは1,10−フェナントロリニルであり、それらのいずれも任意で置換されてもよい。ビピリジルまたはフェナントロリニルが置換されているとき、置換基は、C1〜C4アルキル、フェニル、およびC1〜C4アルキルでさらに置換されたフェニルからなる群から好ましくは選択され、さらに好ましくはC1〜C2アルキル基である。置換されたビピリジルおよびフェナントロリニル配位基は、一置換でもよいし、二置換以上でもよい。種々の実施形態において、例えば4,4’−二置換−2,2’−ビピリジル、5,5’−二置換−2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリニル、4,7−二置換−1,10−フェナントロリニル、および5,6−二置換−1,10−フェナントロリニルを含む二置換配位基を使用することができる。
RおよびR’の一方だけがビピリジルまたはフェナントロリニルであるか、上述した任意で置換された基の1つであるとき、好ましくは、他方は、金属Mと配位結合を形成することができる2つの窒素原子を含む脂肪族配位子から選択される。非限定的な例としては、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、およびそのいずれかの誘導体が挙げられ、誘導体は、窒素から金属Mへの配位結合も、その複合体の電気化学的活性も妨害しないアルキル、アリール、または他の基で任意に置換された1,3−プロパンジアミンまたは1,4−ブタンジアミン骨格に基づく。
式IIにおいて、Zはハロゲン原子である。好ましい実施形態において、Zは塩素または臭素であり、さらに好ましくは塩素である。上付文字mは、Mの酸化状態に応じて+1、+2、+3、+4、+5、または+6である。好ましい実施形態において、例えばMが酸化状態+4のルテニウムであるとき、Zは塩素であり、mは+3である。Xはカチオンの形式電荷mとバランスを保つアニオンまたは複数のアニオンの組合せである。例えば、Xは、非限定的に塩素、臭素、ヨウ素、フッ素、テトラフルオロボレート、過塩素酸、硝酸、硫酸、炭酸、または亜硫酸でもよい。
好ましい実施形態において、本発明の電気触媒性インターカレーターは、式(II)の化合物に結合した式(I)の化合物を備えており、式中、Dは1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物であり、LおよびLはそれぞれ3−アミノプロピルイミダゾールであり、Mはルテニウムであり、RおよびR’はそれぞれ2,2’−ビピリジルであり、Zは塩素である。さらに好ましくは、本発明の電気触媒性インターカレーターは、下記式を備える。
Figure 2008511624
本発明は、上記電気触媒性インターカレーターの調製方法も提供する。本発明の好ましい方法では、電気触媒性インターカレーターは、一般式(I)のコア化合物および一般式(II)の遷移金属化合物の間の配位子交換によって調製される。本願に記載された遷移金属化合物は、金属との安定な複合体の形成を助け、配位子交換条件下で連結基LまたはLによって置換可能なフィラー配位子Zを備えている。好ましい連結基は、金属に対して金属から窒素への配位結合をもたらす窒素部分を備えている。好ましい実施形態において、金属はルテニウムであり、Zは塩素であり、連結基は3−アミノプロピルイミダゾールである。
本発明の電気触媒性インターカレーターを、試料中の標的核酸を検出するために使用することができる。非限定的な例では、核酸およびその電気触媒性インターカレーターを備える複合体が電極などの固体支持体の表面に形成され、電子移動が検出される。本発明によると、電気触媒性インターカレーターは、相補性プローブ分子にハイブリダイズした標的核酸を含む2本鎖の核酸の塩基対の間に挿入される。本発明のメカニズム、機能、または有用性を限定することなしに、当該方法はヌクレオチドの電気化学的酸化を利用している。電気触媒性インターカレーターは、2本鎖の核酸への挿入の際に、および適切な電気化学的増強の際に、ヌクレオチド、好ましくはグアニンを酸化することができる。特定の理論に縛られるわけではないが、触媒サイクルでは、インターカレーターは電極によって酸化され、酸化したインターカレーターはヌクレオチドから電子を除去してラジカルカチオンを形成することができ、ラジカルカチオンは脱プロトン化してさらなる反応を受ける。この反応は触媒的であり、核酸から直接電子を除去する一連の反応によって核酸の消費を導いて電極に電子が移動する結果として、検出可能な電流が生じる。
一実施形態において、標的核酸および電気触媒性インターカレーターを備える複合体は、電極表面に固定されているか電極表面に結合可能なプローブとの標的核酸のハイブリダイゼーションによって電極の表面に形成されている。適切なプローブは、標的核酸の特異的配列に相補性の1本鎖領域を含む核酸を備えることができる。検出される標的核酸は核酸を含むことができ、該核酸は特定された1本鎖もしくは2本鎖であるか、または2本鎖および1本鎖配列の両方の部分を含むことができる。標的核酸が2本鎖の核酸のみを含むとき、相補性プローブへの標的核酸のハイブリダイゼーション前に変性が必要であることが認識されている。
標的核酸はDNA(ゲノムDNAまたはcDNAのいずれか)、RNA、またはハイブリッドでもよく、核酸は、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの任意の組合せ、ならびに例えばウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチンなどを含む塩基の任意の組合せを含む。例えばハイブリダイゼーションにより標的核酸がプローブに結合することができる。
一般に、プローブは、例えばDNA、mRNA、rRNA、tRNA、ペプチド核酸(PNA)、または発現配列タグ(EST)を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。プローブをDNAまたはその断片から得ることができ、生体からの抽出、制限酵素による開裂、電気泳動による分離、および熱処理またはアルカリ処理による変性によってプローブを得てもよい。プローブを化学合成することもできる。プローブ鎖中のグアニンの代用であろう(すなわち、グアニンのように、核酸2本鎖中の他の塩基よりもシトシンに対してより大きな結合親和性を有する塩基である)が、適用可能な反応条件下で電気触媒性インターカレーターによって酸化しないであろう代替塩基を使用してプローブを合成することも可能である。当該代替塩基の例としては、イノシンおよび7−デアザ−グアニンが挙げられる。
プローブの調製に適した塩基を、天然の、非天然の、または「合成」のヌクレオチド塩基から選択することができる。天然のヌクレオチド塩基は、例えばアデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、およびチミンでもよい。プローブは、7−デアザ−グアニン、8−オキソ−グアニン、6−メルカプトグアニン、4−アセチルシチジン、5−(カルボキシヒドロキシエチル)ウリジン、2’−O−メチルシチジン、5−カルボキシメチルアミノ−メチル−2−チオリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウリジン、ジヒドロウリジン、2’−O−メチルプソイドウリジン、β−D−ガラクトシルキュェオシン、2’−O−メチルグアノシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデノシン、1−メチルアデノシン、1−メチルプソイドウリジン、1−メチルグアノシン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアノシン、2−メチルアデノシン、2−メチルグアノシン、3−メチルシチジン、5−メチルシチジン、N6−メチルアデノシン、7−メチルグアノシン、5−メチルアミノメチルウリジン、5−メトキシアミノメチル−2−チオウリジン、β−D−マンノシルキュェオシン、5−メトキシカルボニルメチルウリジン、5−メトキシウリジン、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデノシン、N−((9−β−D−リボフラノシル−2−メチルチオプリン−6−イル)カルバモイル)トレオニン、N−((9−β−D−リボフラノシルプリン−6−イル)N−メチルカルバモイル)トレオニン、ウリジン−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウリジン−5−オキシ酢酸、ワイブトキソシン、プソイドウリジン、キュェオシン、2−チオシチジン、5−メチル−2−チオウリジン、2−チオウリジン、2−チオウリジン、5−メチルウリジン、N−((9−β−D−リボフラノシルプリン−6−イル)カルバモイル)トレオニン、2’−O−メチル−5−メチルウリジン、2’−O−メチルウリジン、ワイブトシン、および3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)ウリジンなどの非天然の、または「合成」のヌクレオチド塩基から調製されてもよい。DNA、RNA、炭素環などの修飾糖、ならびにフルオロおよびメトキシなどの2’置換を含む糖を含む任意のオリゴヌクレオチド主鎖が採用されてもよい。オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド間の架橋リン酸残基の少なくとも1つまたは全てが、メチルホスホネート、メチルホスホノチオエート、ホスホロモルホリデート、ホスホロピペラジデート、およびホスホルアミデートなどの修飾されたリン酸であるオリゴヌクレオチドでもよい(例えば1つおきのヌクレオチド間架橋リン酸残基が、記載されたように修飾されてもよい)。オリゴヌクレオチドは、参照によって本願に援用されるP.ニールセン(P.Nielsen)ら、Science 254、1497〜1500(1991)に記載されているような「ペプチド核酸」でもよい。唯一必要なのは、少なくとも一部がDNA試料の配列の公知の部分に結合可能な配列をオリゴヌクレオチドプローブが有すべきであるということである。標的核酸試料に、異なる塩基配列を有するいくつかのオリゴヌクレオチドプローブを接触させることが一部の適用では理想的なことがある(例えば、試料中に2つ以上の標的核酸が存在する場合、または「サンドイッチ」アッセイにおいて単一標的核酸が2つ以上のプローブにハイブリダイズしている場合)。
プローブ分子は電極に固定化されてもよい。好ましい実施形態において、プローブは金属電極に結合する。しかし、当業者は、当業界で公知のいくつかの技法によってプローブを電極に固定化することができることを理解するだろう。文献の手順を採用して、本発明に係る使用のために、電極の表面上にプローブを固定化するための様々な技法を利用することができ、それらの技法は当業者に公知である。
非限定的な例において、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドなどのプローブ分子の5’−または3’−末端(5’−末端が好ましい)にチオール基が結合することができ、結合したチオールは電極の金原子に配位する。DNAにチオール基を組み込むための方法は、参照によって本願明細書に援用されるM.マエダ(M.Maeda)ら、Chem.Lett.、1805〜1806(1994)およびA.コノリー(A.Connolly)、Nucleic Acids Res.、13、4484(1985)に記載されている。この固定方法では、チオール末端を有するプローブ分子が金電極上に滴下されて低温で2、3時間放置された後、所望のプローブ分子が電極上に固定される。
ガラス状炭素電極の使用などの別の非限定的な例において、電極は過マンガン酸カリウムによって酸化され、電極の表面上にカルボキシル基が生成される。アミド結合が形成されてガラス状炭素電極の表面上にプローブ分子が固定されるように、カルボキシル基を有する表面上に、チオール末端を有するプローブ分子が滴下される。この方法の詳細は、参照によって本願に援用されるK.M.ミラン(K.M.Millan)ら、Analytical Chemistry、65、2317〜2323(1993)に記載されている。
認識対がプローブの電極への結合に使用されてもよい。これについて、プローブが修飾されて該プローブが認識対の第1メンバーを備え、電極表面が第2メンバーで被覆されてもよい。したがって、プローブ/標的核酸ハイブリッドを備える2本鎖の核酸が、認識対の第1および第2メンバーの相互作用を介して電極の表面に形成されてもよい。認識対および様々な分子へのそれらの結合は、当技術分野において公知である。非限定的な例では、認識対はビオチンおよびアビジンからなる。
インターカレーターの添加前に、またはインターカレーターの存在下でプローブへの標的核酸のハイブリダイゼーションが行われてもよい。好ましくは、インターカレーターは数nMから数mMの濃度で使用される。当業者に公知の任意の適切な方法で標的核酸試料にプローブが接触してもよい。例えば、標的試料を溶液に溶解し、ハイブリダイゼーションを可能にする条件下で、標的試料を有する溶液にプローブを溶解することによって、標的試料をプローブに接触させることができる。適切な条件は当業者に十分に公知であり、その条件として様々な塩濃度条件が挙げられる。あるいは、固体支持体上に固定化されたプローブを有する溶液に標的試料を溶解してもよく、標的試料を含有する溶液に、オリゴヌクレオチドプローブが固定化された固体支持体を浸漬することによって、標的試料にプローブが接触してもよい。プローブ分子と標的核酸とのハイブリダイゼーションは、電極への電位の適用および電流の検出の際に決定される。
プローブ分子に部分的に相補性である標的核酸断片試料を検出するためにもまた、本発明の電気触媒性インターカレーターを採用可能である。当該断片試料は「ミスマッチ断片」と一般に称される。ミスマッチしている可能性のある標的核酸断片の検出で得られたピーク電流強度を、完全な相補性を有する標的核酸断片(すなわち完全マッチ断片)の検出で得られた対応するピーク電流強度と比較することによって、ミスマッチ断片を検出することができる。
当業者に公知の任意の適切な手段により、酸化および還元を伴う触媒サイクルが検出されてもよい。酸化還元反応に関連する電気信号の検出により、ハイブリダイズしたプローブ/標的核酸の存在または不在の決定が可能になる。任意の適切な手段により、反応速度を測定する工程が行われてもよい。例えば、走査速度、プローブ濃度、標的濃度、メディエータ、緩衝液、温度、および/または電気化学的方法の関数として電流を比較することによって、相対反応速度が決定されてもよい。
当業者に公知の適切な手段により、酸化還元反応速度が測定されてもよい。典型的には、酸化還元反応の発生に関連する電気信号を測定することによって、酸化還元反応速度は測定される。例えば、検出電極と電気的に接続された適切な装置が提供されることによって、酸化還元反応に関連する電気信号が測定されてもよい。適切な装置は、ハイブリダイズしたプローブ/標的核酸と電気触媒性インターカレーターとの反応の酸化還元反応速度を測定するために発生した電気信号を測定することができるであろう。この電気信号は、サイクリックボルタンメトリー、ノーマルパルスボルタンメトリー、クロノアンペロメトリー、および矩形波ボルタンメトリーを含む任意の電気化学的方法の特性を有してもよく、サイクリックボルタンメトリーが現在好ましい形式である。
好ましい実施形態において、本方法は遺伝子診断に使用される。例えば、p53に対する遺伝子などの標的分析物の配列を決定するためにオリゴヌクレオチドプローブを使用することができ、遺伝子は様々な癌に関連する遺伝子である。他の非限定的な例としては、非ポリポーシス性結腸癌の遺伝子、BRCA1乳癌遺伝子、患者の容易な発症前スクリーニングを可能にする、アルツハイマー病のより大きなリスクを示すApo E4遺伝子、嚢胞性線維症遺伝子の突然変異、または当技術分野で十分に公知のその他の任意のものが挙げられる。
その他の種々の実施形態において、本発明の電気触媒性インターカレーターを用いて、ウイルスおよび細菌の検出が可能である。この実施形態において、プローブは、様々な細菌およびウイルスから標的配列を検出するように設計される。本願に開示された方法は、臨床試料を直接スクリーニングして例えばHIV核酸配列を検出可能にする。さらに、これは、抗ウイルス療法の有効性を評価する改良法として、患者内で循環するウイルスの直接モニタリングを可能にする。同様に、白血病に関連するウイルス、HTLV−I、およびHTLV−IIが、このように検出されてもよい。結核などの細菌感染が検出されてもよい。
他の実施形態において、例えば水試料および食品試料のスクリーニングでの有毒細菌用のプローブが使用されてもよい。例えば、試料が処理されて細菌が溶解し、その細菌の核酸が放出され、次にサルモネラ(Salmonella)、カンピロバクター(Campylobacter)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、大腸菌(E.coli)腸毒性株およびレジオネラ症細菌などの病原株を非限定的に含む細菌株を認識するプローブが設計されてもよい。同様に、本発明の組成物を使用してバイオレメディエーション戦略が評価されてもよい。
他の実施形態において、プローブは法医学のために使用可能であり、このとき、DNAフィンガープリントを使用して、DNAなどの犯罪現場の標的核酸を、被害者および容疑者から採取した試料と照合することができる。
標的核酸の供給源として、例えばヒト、動物、植物、または環境を挙げることができる。
他の実施形態において、本発明は、電気触媒性インターカレーターを備えるキットにも関する。キットは、検出される標的核酸を認識して結合することができる、本願に記載されたものなどのプローブをさらに備えることができる。
種々の他の実施形態において、本発明はさらに、本願に記載された電気触媒性インターカレーターを利用するバイオセンサーに関する。バイオセンサーは、装置を備えてもよいし、1つもしくは複数の電気触媒性インターカレーターによって発生する信号を検出および測定するのに必要な構成要素を備えるシステム中で使用されてもよい。装置は、電源および検出器に結合したバイオセンサーアレイを含む集積回路を備えることができる。このような集積回路は当業者に公知である。バイオセンサーアレイを備えるシステムは、作用電極に電位が印加された後の電気化学信号を測定するための手段を追加的に含んでもよい。
本願に記載された方法および装置は、当業者に十分に公知の検査法を利用し、サンブルック(Sambrook),J.ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー、2001;スペクター(Spector),D.L.ら、Cells:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー、1998;およびハーロー(Harlow),E.、Using Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー、1999などの検査マニュアルに見出され得る。
本願に記載された方法および装置は、当業者に十分に公知の検査法を利用し、サンブルック(Sambrook),J.ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー、2001;スペクター(Spector),D.L.ら、Cells:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー、1998;およびハーロー(Harlow),E.、Using Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー、1999などの検査マニュアルに見出され得る。
本願に使用された([背景技術]および[発明の開示]などの)項目名は、本発明の開示内の表題の一般的な編制だけを意図しており、本発明の開示もその任意の態様も限定することを意図しない。特に、[背景技術]に開示された主題は、本発明の範囲内の技法の態様を含むことがあり、従来技術の詳述を構成しないことがある。[発明の開示]に開示された主題は、本発明の範囲全体またはその任意の実施形態の網羅的または完全な開示ではない。
本願における参照の引用は、これらの参照が従来技術であるという承認を与えず、本願に開示された本発明の特許性に何ら関連しない。本願に引用された全ての参照は、参照によってその全体が本願に援用される。
本説明および具体的な実施例は本発明の実施形態を示しているが、例示目的のみを意図しており、本発明の範囲を制限することを意図しない。さらに、述べられた特徴を有する多数の実施形態の詳述は、追加の特徴を有する他の実施形態および述べられた特徴の異なる組合せを組み込んでいる他の実施形態を除外することを意図しない。具体的な実施例は、本発明の組成物および方法をどのように製造、使用、および実行するかの例示的な目的で提供され、別に明確に述べない限り、本発明の与えられた実施形態が製造または試験されたか、またはされなかったという表現であることを意図しない。
本願で使用されるように、単語「好ましい」および「好ましくは」は、ある状況である利益を与える本発明の実施形態を指す。しかし、同じ状況または他の状況で他の実施形態もまた好ましいことがある。さらに、1つまたは複数の好ましい実施形態の詳述は、他の実施形態が有用ではないことを意味せず、本発明の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
本発明で使用されるように、単語「含む」およびその変形は、非限定的であることを意図するためであり、リストにある項目の詳述は、本発明の材料、組成物、デバイス、および方法に同様に有用でありうる他の類似の項目を除外することではない。
以下の説明において、用語「決定」または「検出」は、試料中の核酸の定性的および定量決的な定または検出の両方を意味するために使用される。例えば、下記に定義される方法およびシステムは、媒質中の核酸を決定または検出するために使用され、これはその媒質中の核酸の存在と、任意で濃度とを決定することを意味することを意図する。したがって、成句「存在または不在を決定すること」は、検出された事象(例えば、DNAハイブリダイゼーション、RNAハイブリダイゼーション、標的核酸を検出することなど)の存在または不在を定性的に決定すること、および定量的に決定することの両方を含むことを意図する。
本願で使用されるように、用語「インターカレーター」は、核酸の塩基対の間に挿入および/またはスタッキングすることができる平面芳香族部分または平面複素芳香族部分を意味することを意図する。
本願で使用されるように、用語「縫込み型インターカレーター」は、置換基または側鎖を有するインターカレーターを意味することを意図する。
本願で使用されるように、用語「電気触媒性インターカレーター」は、電極によって酸化可能であるとともに電気化学的増強後にヌクレオチドを酸化可能なインターカレーターを意味することを意図する。
本願で使用されるように、用語「核酸」は、DNAおよびRNAの両方を含む任意の核酸を指す。本発明の核酸は、典型的にはポリ核酸、すなわち3’,5’−ホスホジエステル結合によって共有結合した、個別のヌクレオチドのポリマーである。本発明の方法および装置を本願においてDNAに関して説明することがあるが、これは明確さのためのものであり、本発明の方法および/または装置をRNAなどの他の核酸に適用することができるものとする。
本願で使用されるように、用語「相補性核酸」は、別の核酸に特異的に結合してハイブリダイズした核酸を形成する、オリゴヌクレオチドプローブを含む任意の核酸を指す。
本願で使用されるように、用語「ハイブリダイズした」または「ハイブリダイゼーション」は、完全に塩基対を形成していることもあるし、また形成していないこともある、相互に会合した少なくとも2本の核酸鎖を意味することを意図する。
本願で使用されるように、用語「変性すること」または「変性」は、オリゴヌクレオチド2本鎖の鎖がもはや水素結合によって塩基対を形成しておらず、1本鎖分子に分離される方法を意味することを意図する。
本願で使用されるように、用語「電極」は、導電媒質へ入出する電流を伝導する導電体を意味することを意図する。2つの電極、すなわち陽極および陰極は電子をそれぞれ受け取り、放出する。電極は、一般に導体を記載するために使用される。本発明において、電極は、別々にアドレス可能な多数の電極からなるマイクロアレイまたは超マイクロ電極のこともある。
本願で使用されるように、用語「ヌクレオシド」は、リボース、デオキシリボースまたはその誘導体もしくはアナログのいずれかであるペントースに結合した含窒素複素環塩基を意味することを意図する。用語「ヌクレオチド」は、含窒素複素環塩基、ペントース、および1つまたは複数のリン酸基または他の主鎖形成基を含むヌクレオシドのリン酸エステルに関する。ヌクレオチドはオリゴヌクレオチドのモノマーユニットである。ヌクレオチドユニットは、グアニン(G)、アデニン(A)、シトシン(C)、チミン(T)、またはその誘導体などの共通塩基を含んでもよい。ペントースは、デオキシリボース、リボース、またはそれを代替する基でもよい。
本願で使用されるように、用語「ヌクレオチドアナログ」、「修飾塩基」、「塩基アナログ」、または「修飾ヌクレオシド」は、天然の対応物に類似して機能するが構造的に修飾された部分を意味することを意図する。
本願で使用されるように、用語「オリゴヌクレオチド」または「ヌクレオチド配列」は、ホスホロジエステルまたは他の主鎖形成基によって結合した天然の複素環塩基およびペントフラノシル同等基から特異的配列に形成された、複数の結合したヌクレオチドユニットを意味することを意図する。
本願で使用されるように、用語「オリゴヌクレオチドアナログ」または「修飾オリゴヌクレオチド」は、天然のオリゴヌクレオチドと類似して機能するが、非天然部分を有する組成物を意味することを意図する。オリゴヌクレオチドアナログまたは修飾オリゴヌクレオチドは、当技術分野における使用について公知である改変された糖部分、改変された塩基、改変された糖および塩基の両方、または改変された糖間結合を有してもよい。
本願で使用されるように、用語「バイオセンサー」は、酸化または還元反応で生成された電子の運動によって発生した信号を検出または測定するために必要な構成要素を備える装置またはシステムを意味することを意図する。用語「バイオセンサー」は、生物系が直接利用されない場合でさえも、物質の濃度および生物学的関心対象である他のパラメータを決定するための装置を含む。
以下の実施例は例示を意図し、本発明の範囲を限定することを意図しない。
実施例1
本実施例は、電気触媒性インターカレーター(Ru(bpy)ClでグラフトされたN,N’−ビス[1(3−プロピル)イミダゾール]−1,4,5,8−ナフタレンジイミド(PIND)(「PIND−Ru」))の合成を例示する。
PIND−Ruの合成を以下のように概略する。
Figure 2008511624
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(ND)の合成のための一般的な手順に従ってPINDを調製する。3−アミノプロピルイミジゾール(AI)3.0mlおよびテトラヒドロフラン3.0mlを磁気撹拌した混合物に、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物0.30gをゆっくりと添加する。塊がほとんどできないように添加速度を制御する。反応混合物を24時間還流し、次に室温に冷却する。次いで、得られた反応物をアセトン/水(3/1)混液10mlに分散させ、次に、高速撹拌した無水エーテル500mlに注いで目的化合物を沈殿させる。得られた沈殿を目の細かい焼結ガラス漏斗を通した吸引ろ過によって収集し、エタノールで短時間洗浄する。クロロホルム/エタノール(体積比1/1)から結晶化することにより精製を行い、40℃で終夜減圧乾燥して黄色結晶0.46gを得る(収率85%)。
1段階配位子交換反応でPIND−Ruを合成する。Ru(bpy)Cl(0.52mmol)の新鮮な蒸留エチレングリコール溶液8.0mlに、10分間にわたり少量ずつPIND(0.25mmol)を添加し、結果として生じた混合物を30〜40分間還流する。サイクリックボルタンメトリーにより配位子交換反応の完了を監視する。次に、得られた紫色の反応混合物を、高速撹拌したKCl飽和エタノール100mlにゆっくりと注ぎ入れる。得られた沈殿を、目の細かい焼結ガラス漏斗を通した吸引ろ過によって収集する。粗生成物をPBSで洗浄し、エタノール3.0〜5.0mlに溶解し、KCl飽和エタノールでもう一度沈殿させる。得られた沈殿をエタノールで結晶化させることによってさらに精製し、純生成物を収率78%で得る。得られた生成物は、PBS中でE1/20.63Vを有して金電極で1対の可逆酸化還元波を示す。PINDの2つのイミダゾール末端での完全な二重配位子交換を確実にするために、わずかに過剰のRu(bpy)(10〜15%)が必要である。
Finnigan/MAT LCQ質量分析計(サーモフィニガン(ThermoFinnigan)[カリフォルニア州サンホゼ(San Jose)所在])を用いて質量分析実験を行う。別に言及しない限り全てのスペクトルを室温で記録する。
プロトン核磁気共鳴(H NMR)分光法(300MHz CDCl)δ8.76(4H)、7.54(2H)、7.26(2H)、4.27(4H)、4.12(4H)、2.31(4H)、および1.839(2H)(図1)。
エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)を用いたPINDに関する質量分析試験は、PIND+H、および(PIND+2H)/2に対応するm/z483.3および242.3に主ピークを示し(図2)、これは所望の化合物の分子量とよく一致している。一方がグラフトされたPINDはESI−MSスペクトルで観察されないことから、PINDの任意の不完全なグラフト形成を除外することができる。
実施例2
本実施例は、サイクリックボルタンメトリーを用いた電気活性PIND−Ruインターカレーターの形成および電気化学的性質を例示する。
エチレングリコール中での還流中、5分毎にサイクリックボルタンメトリー試験を行う。図3に、最初の30分間に得られた2つの典型的なボルタモグラムを示す。図3のトレース1から分かるように、Ru(bpy)ClへのPINDの添加前に、0.40Vを中心とする1対の可逆なボルタンメトリーピークが得られ、これはRu(bpy)Clの十分に公知の酸化還元過程に対応する。PINDの添加の際に、新たな対のボルタンメトリーピークが0.63Vに出現し、これはPIND−Ruの形成を示す(図3、トレース2)。両方の電子移動過程は明らかに分解され、反応媒質のより大きなiR降下を主な原因としてわずかにピーク間の電位分離が大きいことを除き、可逆過程の特徴の全てを有する。0.63Vでのボルタンメトリーピークの強度は反応時間と共に徐々に増加する。同時に、0.40Vでの強度は徐々に減少する。両方の酸化還元対は還流30〜40分後に定常状態に達する。0.40Vでのボルタンメトリーの微細ピークは、過剰量のRu(bpy)Clを示す。分離および精製後に、このように精製されたPIND−Ruのボルタンメトリー試験は、精製工程が非常に効果的であることを意味する1対だけのボルタンメトリーピークを示す(図3、トレース3)。
図3のトレース3に例示するように、PIND−Ruは溶液中で高度に可逆な酸化還元カップルについて正に予想通りのことを示す。0.0から+0.90Vの間の多数の繰返し電位サイクル後にほとんど変化が観察されず、これは溶液中でPIND−Ruの安定性が良好であることを明らかにしている。<500mV/sの低スキャン速度で、理想的なネルンスト挙動を示す一電子交換系について予想されるような、拡散に制御される典型的ボルタモグラムが記録され、ピーク電流は電位スキャン速度の平方根に比例し、ピーク間の電位分離は理論値59mVに非常に近く、電位スキャン速度は独立している(図4)。これらの結果は、ルテニウム酸化還元中心の全てが電極表面に到達し、可逆性の不均一な電子移動が進むことを確認している。
実施例3
本実施例は、PIND−RuのUV−vis分光光度法によって決定された、PIND−Ruとds−DNAとの相互作用を例示する。
漸増する量のサケ***DNAの存在下でUV−vis分光光度法によって決定されたPIND−Ruとds−DNAとの相互作用の様式を検討した(図5A)。UV−可視スペクトルをAgilent8453 UV−可視分光光度計で記録する。UV−vis分光光度法では、縫込み型インターカレーターの融合した平面芳香環系がds−DNAの塩基対の間に挿入される、インターカレートした結合のシグネチャは淡色効果および赤方偏移である。図5Aに示すように、DNA塩基対/PIND−Ru比4.0でのPIND−RuへのDNAの添加は、366および387nmでND吸光バンドの40%減少および2nm赤方偏移を生じる。類似の現象が、脂肪族第三アミン側鎖を有するナフタレンジイミド(ND)で以前に観察された。ND吸光バンドの淡色効果はDNA塩基対/PIND−Ru比>4.0でプラトーに達し、一定の淡色効果が観察される。これは、ds−DNAに対するPIND−Ruの結合がNDの選択的インターカレーションによって起こることを示している。
ボジャー(Boger)によって提案されたのと類似した、短鎖ヘアピンオリゴヌクレオチドを用いた競合実験により、インターカレーションの安定性を推定する。PIND−Ruの当量に対する蛍光変化のプロットは滴定曲線をもたらし、それから1:1の化学量論比が決定される(図5B)。競合実験によって決定された安定性定数は3.0×10であることが見出され、これはNDに対して約75倍の増強に対応する。安定性定数の増強についての妥当と思われる説明は、ND基がds−DNAに挿入された後、PIND−Ru中の2つのカチオン性Ru(bpy)Cl基が、リン酸基を有するイオン対をds−DNAの各側に形成し、NDをds−DNAの塩基対の間でより堅固に固定させることであろう。
実施例4
本実施例は、DNAバイオセンサーへのPIND−Ruの適用を例示する。
金電極の調製および前処理は、シェ(Xie)ら、Anal.Chem.76:1611〜1617(2004);シェ(Xie)ら、Nucelic Acids Res.32、e15(2004);シェ(Xie)ら、Anal Chem.76:4023〜4029(2004);およびガオ(Gao)ら、Synth.Met.75:5〜10(1995)に以前に記載されたとおりであり、これらの全ては参照によって本願に援用される。簡潔には、捕獲プローブ(CP)の吸着前に、金電極を酸素プラズマに5〜10分間曝露し、次に、直ちに無水エタノール中に20分間浸漬して酸化物層を還元する。100μg/mlのCPのPBS溶液に16〜24時間金電極を浸漬することによってCP単層を吸着させる。吸着後、電極をPBSで何度もすすぎ、PBS中に20分間浸し、もう一度すすぎ、気流をあてて乾燥させる。スチール(Steel)によって提案された手順に従って、カチオン性酸化還元プローブの使用によって電気化学的に評価されたCPの表面密度は、1.13〜1.30×10−11mol/cmの範囲であることが見出されている。DNAに関係しないPIND−Ruの取込みを最小にし、CP単層の質および安定性を改善するために、CPを被覆した金電極を2.0mg/mlの1−メルカプトドデカン(MD)のメタノール溶液に4〜6時間浸漬する。未反応のMD分子をすすいで除き、撹拌したエタノールに10分間浸漬し、続いてエタノールおよび水で完全にすすぐことによって電極を洗浄する。得られた電極は、風乾後にいつでも使用可能な状態である。
標的DNAのハイブリダイゼーションおよびその電気化学的検出を3工程で行う。まず、標的DNAを含有するハイブリダイゼーション溶液2.5μlを電極上に均一に広げ、電極を、60℃(塩分調整融解温度より27℃下の低ストリンジェンシー)に維持した水分飽和環境チャンバーに30分間置く。次に、電極をブランクハイブリダイゼーション溶液を用いて60℃で完全にすすぎ、ハイブリダイゼーション溶液中の100μg/ml PIND−Ru5.0μlとともに35℃で10分間インキュベートする。縫込み型インターカレーションによって、ハイブリダイズした標的DNAにPIND−Ruを結合させる。電極を空冷して室温に10分間保持した後で、10%エタノールを含有するNaCl飽和リン酸緩衝液(pH7.4)を用いて完全な洗浄を行う。ボルタンメトリーによって電気触媒性酸化電流を測定する。低DNA濃度では各測定後に平滑化を適用しており、ランダムノイズおよび電磁干渉を除去する。
低電流モジュールに結合したCHインストルメント(CH Instruments)モデル660A電気化学ワークステーション(CHインストルメント(CH Instruments)[テキサス州オースティン(Austin)所在])を用いて電気化学実験を行う。3電極系は、直径3.0mmの金作用電極、ノンリーク小形Ag/AgCl参照電極(サイプレス・システムズ(Cypress Systems)[カンザス州ローレンス(Lawrence)所在]および白金線対電極を備えている。直径3.0mmの作用域を超えて試料滴が広がることを避けるために、CPの固定化後にパターン化した疎水性フィルムを金電極に適用する。本研究で報告された全ての電位はAg/AgCl電極を参照としている。
最初のハイブリダイゼーション検査では、200nMのポリ(AT)20、ポリ(AG)20、およびポリ(G)40のTE溶液5.0μLを、対応する相補性CP被覆電極とそれぞれハイブリダイズする。比較のために、同セットの電極を200nMのポリ(T)405.0μLで処理する。ハイブリダイゼーションの際に、オリゴヌクレオチドはそれらの相補性CPに選択的に結合し、電極表面に固定される。ハイブリダイゼーション緩衝液を用いた完全なすすぎで、ハイブリダイゼーションに関係しないオリゴヌクレオチドを全て洗い流す。ハイブリダイゼーション溶液中の100μg/ml PIND−Ru5.0μlとともにその後インキュベートする間、PIND−Ruは電極表面に設けられる。10%エタノールを含有するNaCl飽和10mMリン酸緩衝液を用いた徹底的な洗浄は、DNAに関係しないPIND−Ruの取込みの大部分を除去する。
ハイブリダイゼーション後の電極についてのサイクリックボルタモグラムを図6Aに示す。非相補性ポリ(T)40について、ボルタンメトリーで1対の微細ピークが、ハイブリダイゼーション後にPIND−Ruの酸化還元電位(0.63V)で観察される(図6Aトレース1)。これは、電極表面でのPIND−RuとCPとの純粋な静電相互作用を大きな原因としている。相補性ポリ(AT)20、ポリ(AG)20、およびポリ(G)40について、酸化還元電位のわずかな正のシフトが観察され、ピーク電流は100倍だけ増加する(図6Aトレース2、3および4)。したがって、200nMのポリ(AT)20とハイブリダイゼーション後に観察された電流0.30μAは、活性であるとともに挿入されたPIND−Ru1.3pmolに起因する。この数字は、アッセイ液滴中に含まれるPIND−Ruの<0.50%に相当する。表面CP被覆率として1.2×10−11mol/cm(推定値の範囲中央)を採用し、最大PIND−Ru/塩基比を1/4と仮定すると、標的DNAの0.13pmolがハイブリダイズする。このように、標的DNA13%および表面に結合したCPの15%が実際にハイブリダイズし、この値は文献にみられる値に匹敵する。興味深いことに、ポリ(AG)20およびポリ(G)40が対応する相補性CP被覆電極とハイブリダイズするとき、陽極電流の顕著な増加および陰極電流のわずかな減少が観察され(図6Aトレース3および4)、グアニン含量が増加するに伴い、陽極電流の増分はほぼ直線的に増加する。このことは、オリゴヌクレオチド中のグアニンが、挿入されたPIND−Ruによって0.63Vで触媒酸化することを示している。これらの結果は、PIND−Ruがds−DNAと選択的に相互作用し、PIND−Ru−ds−DNA付加物が非常に低速の解離速度および高度に効率的なグアニン酸化電気触媒を有することを実証している。そのことは超高感度DNAバイオセンサーを開発するための道を開いている。
次に、mRNA中の完全長腫瘍タンパク質p53(TP53)遺伝子を標的遺伝子として採用して、mRNA中の癌感受性遺伝子を直接検出するための電気活性指示物質として挿入されたPIND−Ruを評価する。ハイブリダイゼーション前に、mRNA混合物を70℃で10分間変性させる。TP53遺伝子に相補性の配列を有するオリゴヌクレオチドを電極表面に固定化し、CPとして利用する。53℃で30分間のハイブリダイゼーションの際に、混合物からのTP53 mRNAは電極表面に選択的に結合する。ハイブリダイゼーション緩衝液を用いた完全なすすぎで、ハイブリダイゼーションに関係しないmRNAを全て洗い流す。
PIND−Ruを適用後の電極の典型的なサイクリックボルタモグラムである図6Bに示すように、かなり高ピークの電流が陽極過程について観察され、これは、最も確からしくは捕獲された長鎖TP53 mRNA分子が原因となって、大量の電子が酸化過程で生じることを示し、mRNA分子は大量のグアニンを電極表面にもたらす。逐次電位サイクルの間にピーク電流は顕著に降下し、定常状態ボルタモグラムが0および0.90Vの間で5サイクル後に達成される(図5Bトレース2)。低スキャン速度≦10mV/sでの酸化または還元電流ピークの積分によって、電気活性Ru2+/Ru3+部位に関して3.8pmolの表面被覆率が得られる。PIND−Ruの合計量1.9×10−11mole/cmは、ハイブリダイズして完全に挿入されているCPの32%に等しい。ハイブリダイゼーション効率およびPIND−Ruの負荷レベルをさらに理解するために、ハイブリダイゼーション後およびPIND−Ruの挿入後に、一連の水晶微量天秤(QCM)の測定をTP53に関して行う。結果を表1にまとめる。
Figure 2008511624
表1に示すように、約40fmoleのTP53がハイブリダイズする。この数字は、表面に結合したCPの約1.6%が実際にハイブリダイズすることに相当し、これは文献で報告された短鎖オリゴヌクレオチド(20〜50塩基長)の値よりもずっと低い。分析される遺伝子の長さが増加するに伴い、ハイブリダイゼーション効率が激しく減少するのは驚くべきことではない。さらに、QCM実験は、TP53の11〜14塩基あたり1個のPIND−Ruが挿入されたことを示し、これは、PIND−Ru分子の一部がTP53の二次構造に挿入され、それがさらに本方法の感度を上げていることを示唆している。PIND−Ruの負荷密度は1.5〜2.2×10−11mole/cmの範囲にあることが見出され、この値はボルタンメトリー試験で得られた値とよく一致する。
TP53のmRNAから転写し、使用前にTE緩衝液で種々の濃度に希釈した精製cDNAを用いて、TP53遺伝子定量のダイナミックレンジを確立する。対照実験について、電極の調製に非相補性CPを使用する。電流は2.5から350pMのcDNA濃度で直線的に増加し、検出限界は0.60ng/mlに対応する1.5pMであることが見出される。試料体積を考慮すると、提案された方法を用いて7.5アトモルという少量のTP53 cDNAがうまく検出される。直接核酸酸化アッセイの以前の結果と比較して、本発明の触媒性縫込み型インターカレーター・スキームを採用することによって、ゲノム核酸アッセイの感受性は大きく改善する。核酸を直接検出するための非標識電気化学法の魅力は、酸化還元活性ユニット(グアニンおよび挿入されたPIND−Ru)の多くを含む現実世界の試料由来の遺伝子が高感度を示すことである。本願に記載されたPIND−Ru触媒系の長所は、グアニンおよびPIND−Ruの両方が0.63Vという低い電位で酸化され、バックグラウンド電流がほとんど存在しないことである。さらに、グアニンをより多く有する遺伝子は、より高感度の信号を与える。これらの2つの組合せは、ピコモル濃度の検出限界および最大350pMのダイナミックレンジを可能にする。本発明の教示の範囲から逸脱せずに、上記方法および組成物に様々な変更を加えることができることから、上記説明に含まれる全ての事柄は例示であり限定的な意味ではないと解釈されることが意図される。行われた(すなわち、過去形を使用して)活動を挙げるために明示的に述べない限り、例示および実施例は、本教示の与えられた実施形態が行われたか、または行われなかったという表現であることを意図しない。
本願に引用された全ての参照は、その全体が参照によって本願に援用される。本願における参照の論考は、それらの著者によってなされた主張を要約することだけを意図し、任意の参照が特許性に関連する従来技術を構成するという承認は行われない。本出願者は、引用された参照の正確さおよび適切性に異議を申し立てる権利を留保する。
当業者は、下記の図面が例示のためだけであることを了解しているであろう。これらの図面は、本教示の範囲をいかなる方法で制限することも意図しない。
CDCl中のPINDのプロトン核磁気共鳴(H NMR)分光法(300MHz)の図。 エレクトロスプレーイオン化モードを用いたPINDの質量分析試験の図。 Ru(bpy)Cl(トレース1)、エチレングリコール中でPINDと30分間還流後のRu(bpy)Cl(トレース2)、ならびに精製PIND−Ru(トレース3)のサイクリックボルタモグラムの図。(トレース3)についての支持電解質はPBSであり、電位スキャン速度は100mV/sである。 PBS中の精製PIND−Ruのサイクリックボルタモグラムの図。内側から外側のボルタモグラムにかけて電位スキャン速度は100(トレース1)、200(トレース2)、300(トレース3)、400(トレース4)および500(トレース5)mV/sであった。 (A)(塩基対単位で)0(トレース1)、25(トレース2)、50(トレース3)、および100μM(トレース4)という漸増する濃度のサケ***DNAの関数としての25μM PIND−RuのUV−visスペクトル;(B)配列5’−AATTT−CCCCC−AAATTを含むヘアピンオリゴヌクレオチドに対するPIND−Ruの蛍光インターカレーター置換滴定曲線の図。 (A)非相補性CP被覆電極にハイブリダイズした200nMポリ(T)40(トレース1)、ならびにそれぞれ相補性CP被覆電極にハイブリダイズした200nMのポリ(AT)20(トレース2)、ポリ(AG)20(トレース3)、およびポリ(G)40(トレース4)のサイクリックボルタモグラム;(B)p53核酸がハイブリダイズしたバイオセンサーのPBS中での1回目(トレース1)および5回目(トレース2)の電位サイクルの図。電位スキャン速度は100mV/sである。

Claims (49)

  1. 下式の化合物。
    −D−L
    (式中、
    Dは2価の環状基であり、
    およびLはそれぞれ独立して、約3から約20個の非水素原子、脂肪族アミノ基、および窒素部分を有する有機アミンを備える連結基である)
  2. 前記2価の環状基が2本鎖の核酸に挿入可能な部分を備える、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記部分が1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を備える、請求項2に記載の化合物。
  4. 前記窒素部分が金属から窒素への配位結合を備える、請求項1に記載の化合物。
  5. 前記有機アミンが3−アミノプロピルイミダゾールである、請求項1に記載の化合物。
  6. 下式を備える化合物。
    Figure 2008511624
  7. 下式の遷移金属化合物
    Figure 2008511624
    (式中、
    Mは、窒素への配位結合を形成することができる金属元素であり、
    RおよびR’は、それらの窒素原子でMに配位した窒素含有有機部分であり、ここで、RおよびR’は、2,2’−ビピリジル;C1〜C4アルキル、フェニル、および1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で置換されたフェニルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換された2,2’−ビピリジル;1,10−フェナントロリニル;ならびにC1〜C4アルキル、フェニル、および1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で置換されたフェニルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換された1,10−フェナントロリニルからなる群から独立して選択され、
    Zはハロゲン原子であり、
    mは、+1、+2、+3、+4、+5、または+6であり、
    Xは、mとバランスを保つアニオンまたは複数のアニオンの組合せである)
    に結合した下式のコア化合物を備える電気触媒性インターカレーター。
    −D−L
    (式中、
    Dは2価の環状基であり、
    およびLはそれぞれ独立して、約3から約20個の非水素原子、脂肪族アミノ基、および窒素部分を有する有機アミンを備える連結基である)
  8. 前記コア化合物が、金属から窒素への配位結合を有する遷移金属化合物に結合している、請求項7に記載の電気触媒性インターカレーター。
  9. Mが、ルテニウム、オスミウム、亜鉛、鉄、ロジウム、レニウム、白金、スカンジウム、チタン、バナジウム、カドミウム、マグネシウム、銅、コバルト、パラジウム、クロム、マンガン、ニッケル、モリブデン、タングステン、およびイリジウム、またはその混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の電気触媒性インターカレーター。
  10. Mがルテニウムである、請求項8に記載の電気触媒性インターカレーター。
  11. 前記有機アミンが3−アミノプロピルイミダゾールを備える、請求項7に記載の電気触媒性インターカレーター。
  12. Zが塩素または臭素である、請求項8に記載の電気触媒性インターカレーター。
  13. 前記2価の環状基が2本鎖の核酸に挿入可能な部分を備える、請求項8に記載の電気触媒性インターカレーター。
  14. 前記部分が1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を備える、請求項13に記載の電気触媒性インターカレーター。
  15. RおよびR’が、2,2’−ビピリジル、4,4’−メチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−エチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−フェニル−2,2’−ビピリジル、5,5’−メチル−2,2’−ビピリジル、5,5’−エチル−2,2’−ビピリジル、および5,5’−フェニル−2,2’−ビピリジルからなる群から独立して選択される、請求項8に記載の電気触媒性インターカレーター。
  16. Mが、ルテニウム、オスミウム、亜鉛、鉄、ロジウム、レニウム、白金、スカンジウム、チタン、バナジウム、カドミウム、マグネシウム、銅、コバルト、パラジウム、クロム、マンガン、ニッケル、モリブデン、タングステン、およびイリジウム、またはその混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の電気触媒性インターカレーター。
  17. Mがルテニウムである、請求項16に記載の電気触媒性インターカレーター。
  18. 前記有機アミンが3−アミノプロピルイミダゾールを備える、請求項15に記載の電気触媒性インターカレーター。
  19. Zが塩素または臭素である、請求項15に記載の電気触媒性インターカレーター。
  20. 前記2価の環状基が2本鎖の核酸に挿入可能な部分を備える、請求項15に記載の電気触媒性インターカレーター。
  21. 前記部分が1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を備える、請求項20に記載の電気触媒性インターカレーター。
  22. Iが1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物であり、前記有機アミンが3−アミノプロピルイミダゾールであり、RおよびR’の少なくとも一方が2,2’−ビピリジルであり、Mがルテニウムであり、Zが塩素である、請求項7に記載の電気触媒性インターカレーター。
  23. 下式を備える電気触媒性インターカレーター。
    Figure 2008511624
  24. 下式のコア化合物に、
    −D−L
    (式中、
    Dは2価の環状基であり、
    およびLはそれぞれ独立して、約3から約20個の非水素原子、脂肪族アミノ基、および窒素部分を有する有機アミンを備える連結基である)
    下式
    Figure 2008511624
    (式中、
    Mは、窒素への配位結合を形成することができる金属元素であり、
    RおよびR’は、それらの窒素原子でMに配位した窒素含有有機部分であり、ここで、RおよびR’は、2,2’−ビピリジル;C1〜C4アルキル、フェニル、および1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で置換されたフェニルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換された2,2’−ビピリジル;1,10−フェナントロリニル;ならびにC1〜C4アルキル、フェニル、および1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で置換されたフェニルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換された1,10−フェナントロリニルからなる群から独立して選択され、
    Zはハロゲン原子であり、
    mは、+1、+2、+3、+4、+5、または+6であり、
    Xは、mとバランスを保つアニオンまたは複数のアニオンの組合せである)
    の遷移金属化合物を接触させることにより、該コア化合物と該遷移金属化合物との間に金属から窒素への配位結合を形成させる工程を備える、電気触媒性インターカレーターの調製方法。
  25. Mが、ルテニウム、オスミウム、亜鉛、鉄、ロジウム、レニウム、白金、スカンジウム、チタン、バナジウム、カドミウム、マグネシウム、銅、コバルト、パラジウム、クロム、マンガン、ニッケル、モリブデン、タングステン、およびイリジウム、またはその混合物からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
  26. Mがルテニウムである、請求項25に記載の方法。
  27. 前記有機アミンが3−アミノプロピルイミダゾールを備える、請求項24に記載の方法。
  28. Zが塩素または臭素である、請求項24に記載の方法。
  29. 前記2価の環状基が2本鎖の核酸に挿入可能な部分を備える、請求項24に記載の方法。
  30. 前記部分が1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を備える、請求項29に記載の方法。
  31. RおよびR’が、2,2’−ビピリジル、4,4’−メチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−エチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−フェニル−2,2’−ビピリジル、5,5’−メチル−2,2’−ビピリジル、5,5’−エチル−2,2’−ビピリジル、および5,5’−フェニル−2,2’−ビピリジルからなる群から独立して選択される、請求項24に記載の方法。
  32. Mが、ルテニウム、オスミウム、亜鉛、鉄、ロジウム、レニウム、白金、スカンジウム、チタン、バナジウム、カドミウム、マグネシウム、銅、コバルト、パラジウム、クロム、マンガン、ニッケル、モリブデン、タングステン、およびイリジウム、またはその混合物からなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
  33. Mがルテニウムである、請求項32に記載の方法。
  34. 前記有機アミンが3−アミノプロピルイミダゾールを備える、請求項31に記載の方法。
  35. Zが塩素または臭素である、請求項31に記載の方法。
  36. 前記2価の環状基が2本鎖の核酸に挿入可能な部分を備える、請求項31に記載の方法。
  37. 前記部分が1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を備える、請求項36に記載の方法。
  38. Iが1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物であり、前記有機アミンが3−アミノプロピルイミダゾールであり、RおよびR’の少なくとも一方が2,2−ビピリジルであり、Mがルテニウムであり、Zが塩素である、請求項24に記載の方法。
  39. 水性媒質中で、下式の遷移金属化合物
    Figure 2008511624
    (式中、
    Mは、窒素への配位結合を形成することができる金属元素であり、
    RおよびR’は、それらの窒素原子でMに配位した窒素含有有機部分であり、ここで、RおよびR’は、2,2’−ビピリジル;C1〜C4アルキル、フェニル、および1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で置換されたフェニルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換された2,2’−ビピリジル;1,10−フェナントロリニル;ならびにC1〜C4アルキル、フェニル、および1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で置換されたフェニルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換された1,10−フェナントロリニルからなる群から独立して選択され、
    Zはハロゲン原子であり、
    mは+1、+2、+3、+4、+5、または+6であり、
    Xは、mとバランスを保つアニオンまたはアニオンの組合せである)
    に結合した下式のコア化合物を備える電気触媒性インターカレーター
    −D−L
    (式中、
    Dは2価の環状基であり、
    およびLはそれぞれ独立して、約3から約20個の非水素原子、脂肪族アミノ基、および窒素部分を有する有機アミンからなる連結基である)
    に核酸を備える複合体を接触させることにより、該複合体に該電気触媒性インターカレーターを挿入する工程と、
    該電気触媒性インターカレーターがヌクレオチドを酸化するときの電流を検出する工程とを備える、核酸の検出方法。
  40. 前記ヌクレオチドがグアニンである、請求項39に記載の方法。
  41. Mが、ルテニウム、オスミウム、亜鉛、鉄、ロジウム、レニウム、白金、スカンジウム、チタン、バナジウム、カドミウム、マグネシウム、銅、コバルト、パラジウム、クロム、マンガン、ニッケル、モリブデン、タングステン、およびイリジウム、またはその混合物からなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
  42. Mがルテニウムである、請求項41に記載の方法。
  43. 前記有機アミンが3−アミノプロピルイミダゾールを備える、請求項39に記載の方法。
  44. Zが塩素または臭素である、請求項39に記載の方法。
  45. 前記2価の環状基が2本鎖の核酸に挿入可能な部分を備える、請求項39に記載の方法。
  46. 前記部分が1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を備える、請求項45に記載の方法。
  47. 電極にプローブを固定化する工程と、
    前記核酸を溶液中で該電極と接触させる工程であって、該プローブおよび核酸が相互にハイブリダイズする工程とをさらに備える、請求項39に記載の方法。
  48. 認識対の第1メンバーを電極に固定化する工程と、
    プローブを認識対の第2メンバーで標識する工程と、
    標識された該プローブを溶液中で該電極と接触させて組み合わせる工程であって、該プローブおよび前記核酸がハイブリダイズして該電極の表面に結合した複合体を形成する工程とをさらに備える、請求項39に記載の方法。
  49. 前記電気触媒性インターカレーターが下式を備える化合物である、請求項39に記載の方法。
    Figure 2008511624
JP2007529783A 2004-09-02 2005-07-19 電気触媒性インターカレーターを用いる核酸の決定 Withdrawn JP2008511624A (ja)

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