JP2008505912A - 全血及び血漿におけるatiiiの直接的活性化法 - Google Patents
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Abstract
血液製剤における本来の場所でATIIIを活性化する方法が開示され、前記の方法及び血液製剤は、感染症、炎症性障害及び疾患又はトロンビンの活性化により寄与される異常を治療する場合に使用することができる。
Description
関連出願
本出願は、2004年7月7日に出願された仮出願U.S.S.N.60/586,043に対する優先権を主張している。当該仮出願の内容は、明確に完全な状態で、引用によりここに編入されている。
本出願は、2004年7月7日に出願された仮出願U.S.S.N.60/586,043に対する優先権を主張している。当該仮出願の内容は、明確に完全な状態で、引用によりここに編入されている。
発明の背景
ワクチンが様々なタイプのウイルス感染症を予防するために利用できるが、すべてのウイルスが、ワクチンにより予防できるわけでなく、たとえワクチンが利用できても、すべての潜在的な被害者が、ワクチン接種を受けることができるわけではない。たとえば、レトロウイルス ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、後天性免疫不全症候群(AIDS)を引き起こす。AIDSは、ワクチンがない不治の病であり、体の免疫システムを破壊し、患者が、たとえば肺炎のような日和見性の感染症、及びたとえばカポージ肉腫のようなある種の癌に罹りやすくする。HIVに感染した多くの患者が、C型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)又はその他のウイルスにも感染している。ワクチンが、たとえばHBVのようなあるウイルスについては利用可能であるが、危険な状態にある多くの人々が、ワクチン接種を受けないか、又は利用しない。さらに、いくらかのデータから、HBVワクチンは、すでにHIVに感染している人々には有効ではないということが明らかになっている。
ワクチンが様々なタイプのウイルス感染症を予防するために利用できるが、すべてのウイルスが、ワクチンにより予防できるわけでなく、たとえワクチンが利用できても、すべての潜在的な被害者が、ワクチン接種を受けることができるわけではない。たとえば、レトロウイルス ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、後天性免疫不全症候群(AIDS)を引き起こす。AIDSは、ワクチンがない不治の病であり、体の免疫システムを破壊し、患者が、たとえば肺炎のような日和見性の感染症、及びたとえばカポージ肉腫のようなある種の癌に罹りやすくする。HIVに感染した多くの患者が、C型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)又はその他のウイルスにも感染している。ワクチンが、たとえばHBVのようなあるウイルスについては利用可能であるが、危険な状態にある多くの人々が、ワクチン接種を受けないか、又は利用しない。さらに、いくらかのデータから、HBVワクチンは、すでにHIVに感染している人々には有効ではないということが明らかになっている。
ウイルス感染症は、一旦感染が確立されると一般的に治らない。
しかしながら、ウイルスが再生することや体の免疫システムを破壊することを防止することができる、様々な抗ウイルス薬、すなわちウイルスの感染を遅らせ、そして患者の寿命を延長する、様々な抗ウイルス薬がある。しかしながら、前記の治療法は、しばしば部分的に有効であり、そして持続性のあるウイルス学的な利益、免疫学的な利点及び臨床的な利点を達成するためには、如何に多くのウイルスの抑制が必要であるかは、不明である。抗ウイルス薬は、しばしば毒性が高く、そして心損傷、腎不全及び骨粗しょう症を含む重篤な副作用を引き起こし得る。
しかしながら、ウイルスが再生することや体の免疫システムを破壊することを防止することができる、様々な抗ウイルス薬、すなわちウイルスの感染を遅らせ、そして患者の寿命を延長する、様々な抗ウイルス薬がある。しかしながら、前記の治療法は、しばしば部分的に有効であり、そして持続性のあるウイルス学的な利益、免疫学的な利点及び臨床的な利点を達成するためには、如何に多くのウイルスの抑制が必要であるかは、不明である。抗ウイルス薬は、しばしば毒性が高く、そして心損傷、腎不全及び骨粗しょう症を含む重篤な副作用を引き起こし得る。
たとえば、非常に活性が高い抗レトロウイルス薬の療法(HAART)は、完全にウイルスの複製の抑制することができる、多剤プロテアーゼ阻害薬を含む養生法を伴う、広く使用された抗HIV治療である。抗レトロウイルス療法(HAART)の結果として、肝臓の損傷が、主な関心事であり、そしてすべての種類の抗レトロウイルス療法で起こることが示された。最近の抗HIV療法の有効性は、さらに養生法の複雑性、ピル負荷及び薬物間の相互作用により制限されている。抗ウイルス薬の毒性の影響への服従が、併用療法の寿命を困難な見通しにし、そして多くの患者は、HAARTによる長期に亘る療法に耐えることができない。さらに、併用療法に対する、不十分な支持は、HIVの薬剤耐性株の出現を招いた。
ウイルス感染症を治療するために、新しい抗ウイルス薬及び他の新規なアプローチが、明らかに求められている。
発明の要約
本発明は、たとえば血液、血漿、血清アルブミン及び組み換え血漿等の血液製剤において、本来の位置で直接、たとえばヘパリンのような糖を用いて、ATIIIが活性化され、そして被験体に再投与する可能性があるという驚くべき発見に基づいている。たとえば、被験体の血液製剤をヘパリン又は他の糖と共にインキュベートし、透析し、そして被験体に再度投与してもよい。あるいは、たとえば商業的な供給源のような、もう一つの供給源からの血液製剤をヘパリン又は他の糖と共にインキュベートし、透析し、そして被験体に投与してもよい。そのように処理された前記血液製剤は、ウイルス感染症を治療するために有効な用量で、活性化されたATIIIを含む。この新規な治療法は、予め、活性化されたATIIIの調製のための必要性を削減する。前記の処理された血液製剤は、たとえば、トロンビンの活性化により引き起こされるか又はトロンビンの活性化に寄与する、ウイルス感染症、疾患又は異常を有する患者を治療することにおいて、治療法として有用である可能性がある。本発明により提供される治療方法は、より短い前臨床及び臨床試験期間で済む可能性がある。さらに、これらの治療方法は、精製された、活性化されたATIIIの薬学的調製物を使用して、既存のウイルス感染症の治療方法に対して、代替法又は補完する方法を提供するものである。
本発明は、たとえば血液、血漿、血清アルブミン及び組み換え血漿等の血液製剤において、本来の位置で直接、たとえばヘパリンのような糖を用いて、ATIIIが活性化され、そして被験体に再投与する可能性があるという驚くべき発見に基づいている。たとえば、被験体の血液製剤をヘパリン又は他の糖と共にインキュベートし、透析し、そして被験体に再度投与してもよい。あるいは、たとえば商業的な供給源のような、もう一つの供給源からの血液製剤をヘパリン又は他の糖と共にインキュベートし、透析し、そして被験体に投与してもよい。そのように処理された前記血液製剤は、ウイルス感染症を治療するために有効な用量で、活性化されたATIIIを含む。この新規な治療法は、予め、活性化されたATIIIの調製のための必要性を削減する。前記の処理された血液製剤は、たとえば、トロンビンの活性化により引き起こされるか又はトロンビンの活性化に寄与する、ウイルス感染症、疾患又は異常を有する患者を治療することにおいて、治療法として有用である可能性がある。本発明により提供される治療方法は、より短い前臨床及び臨床試験期間で済む可能性がある。さらに、これらの治療方法は、精製された、活性化されたATIIIの薬学的調製物を使用して、既存のウイルス感染症の治療方法に対して、代替法又は補完する方法を提供するものである。
本発明の他の特徴及び利点は、次の詳細な説明及びクレームから明らかになるであろう。
本発明の詳細な説明
1.定義
便宜上、本明細書、実施例、及び追加されたクレームで使用されている、ある用語が、ここに集められている。その他に定義されていなければ、ここで使用されている、すべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の通常の技術者の一人により、一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。
1.定義
便宜上、本明細書、実施例、及び追加されたクレームで使用されている、ある用語が、ここに集められている。その他に定義されていなければ、ここで使用されている、すべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の通常の技術者の一人により、一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。
冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法上の目的語の、一つ又は一つより多い(すなわち、少なくとも一つの)を意味するためにここでは使用される。一例として、「an element」は、一つの元素又は一つより多い元素とを意味する。
「ATIIIを活性化する」又は「ATIIIを活性すること」という用語は、適切な条件下でATIIIを処理し、その結果、前記ATIIIが高分子量のATIIIとなり、そしてウイルス負荷を減らすことができることを意味する。
「投与する」という用語は、被験体のシステムの中に、又は被験体の特定の部位の中又は表面上に、薬学的組成物又は治療剤を放出するあらゆる方法を包含する。ここで使用されているように、「全身性投与」、「全身的に投与された」、「末梢投与」及び「末梢的に投与された」という語句は、じかに中枢神経システムに投与する以外の、化合物、薬物又は他の構成成分の投与であり、その結果それが患者のシステムに入り、それゆえ、たとえば皮下投与のような代謝又は他の同じようなプロセスに晒されることを意味する。「非経口投与」及び「非経口的に投与された」は、経腸投与及び局所投与以外の投与方法、すなわち通常は注射による投与方法を意味し、そして、制限なく、静脈内、筋肉内、動脈内、クモ膜下腔内、関節包内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管内、皮下、表皮下、関節腔内、被膜下、クモ膜下、脊椎内及び胸骨内への注射並びに注入を包含する。
「ATIII」という用語は、アンチトロンビンIIIを意味する。
「血液製剤」という用語は、血液であるか又は血液から調製された、すべての調製物又は物質を意味する。たとえば、血液製剤は、全血、血漿、血清、血清アルブミン調製物、及びたとえば組み替え血漿のような、それらと同一物の人工調製物を包含するが、これらに限定されるものではない。
「哺乳類」という用語は、この技術分野では知られており、典型的な哺乳類は、ヒト、霊長類、ウシ科の動物、ブタ類、イヌ科の動物、ネコ科の動物及びげっ歯類動物(たとえば、マウス及びラット)を包含する。
「高分子量ATIII」という用語は、たとえば、58kDaから、約60kDa、約240kDaに、野生型ATIIIに比べて、前記の分子の分子量を増加するように処理されたATIIIを意味する。
前記の方法により取り扱われる、「患者」、「被験体」又は「宿主」は、ヒトか又はヒト以外の動物の両方を意味するかもしれない。
「薬学的に受容される」という語句は、過度の毒性、刺激、アレルギー応答又は他の問題、又は併発症がない、ヒト及び動物の組織と接触における使用に適切であり、適当な利益/リスク比に相応しく、適切な医学的な判断の範囲における、それらの組成物及びその投薬量を意味する。
「薬学的に受容されるキャリヤー」という語句は、たとえば、液体又は固体の、賦形剤(filler)、希釈剤、賦形剤(excipient)、溶媒又はカプセルに包む材料のような、体の一つの器官又部分から体のもう一つの器官又は部分へ、あらゆる補助物又は組成物又はその構成成分を保持するか又は輸送することに関与する、薬学的に受容される材料、組成物又はビークルを意味する。「薬学的に受容されるキャリヤー」という語句は、組成物の他の成分と共存し、及びその受容器に対して有害でないという意味で「受容される」キャリヤーを意味する。薬学的に受容されるキャリヤーとして利用できる材料のいくらかの例は、(1)たとえばラクトース、グルコース及びショ糖のような糖、(2)たとえば、トウモロコシデンプン及びバレイショデンプンのようなデンプン、(3)たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及びセルロースアセテートのようなセルロース又はその誘導体、(4)トラガント末、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)たとえば、カカオ脂及び座剤ワックスのような賦形剤、(9)たとえば、ラッカセイ油、綿実油、コウカ油、ゴマ油、オリブ油、トウモロコシ油及びダイズ油のような油、(10)たとえばプロピレングリコールのようなグリコール類、(11)たとえば、グリセリン、ソルビット、マンニトール及びポリエチレングリコールのようなポリオール、(12)たとえば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルのようなエステル、(13)カンテン、(14)たとえば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのような緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)パイロジェンを含まない水、(17)等張食塩水、(18)リンゲル液、(19)エチルアルコール(20)リン酸バッファー及び(21)薬学的製剤において使用されている、他の無毒性の共存できる物質を包含する。
「糖」という用語は、単糖類及び多糖類の両方を包含する。
「ATIIIを活性化することができる」という用語は、野生型ATIIIを、ウイルス負荷を削減する能力を備えた、活性化されたか、及び/又は高分子量であるかのATIIIに変換できる、あらゆる糖を意味する。
「治療学的に有効な量」という用語は、前記の治療の必要性がある被験体に投与されたときに、治療効果を発揮するのに十分な、活性化されたATIII、薬物又は他の分子の量を意味する。前記の治療学的に有効な量は、治療される被験体及び疾患の状態、前記の被験体の体重及び年齢、前記の疾患の状態の厳しさ、及び普通の当業者により容易に決定される投与方法等に依存して、異なるであろう。
「治療する」という用語は、ここ使用されているように、少なくとも一つの症状、又はあらゆる疾患若しくは異常の進行を改善することのみならず、完治することを包含することを意図されている。減少されるか、又は予防される。治療は、予防的か、又は病理学的な出来事の開始に続いて実施されてもよい。
「ウイルス負荷」という用語は、血液中における、たとえばHIVのようなウイルスの濃度を意味する。
その他に示されていないならば、この明細書及びクレームで使用されている成分及び反応条件等の量を表す、全ての数字は、全ての例において「約」という用語により、修飾されていると理解されるべきである。それゆえ、前記の反対に示されていないならば、この明細書及び添付されたクレームにおいて述べられた、数で示されるパラメーターは、本発明により得られるように追求された望ましい特性に依存して変動する可能性がある近似値である。
2.ATIIIの本来の場所における血液活性化
アンチトロンビンIII(ATIII)は、血液凝固における明確に定義された役割を備えた、血漿中に存在する糖タンパク質である。特異的には、ATIIIは、54kDaから65kDaの間の明白な分子量を有する、前記の凝固カスケードの反応の強力な阻害剤である(ローゼンバーグ(Rosenberg)及びダマス(Damus), ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)248巻: 6490−505ページ(1973年); ノードマンら(Nordenman et al.), ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Eur. J. Biochem.),78巻:195−204ページ(1977年);クラチら(Kurachi et al.),バイオケミストリー(Biochemistry)15巻:373−7ページ(1976年)), of which some ten percent is contributed by four glucosamine−base carbohydrate chains (クラチら(Kurachi et al.),バイオケミストリー(Biochemistry)15巻:373−7ページ(1976年);ピーターセンら(Petersen et al.), in The Physiological Inhibitors of Coagulation and Fibrinolysis (コーレンら(Collen et al.),編集)エルゼビア(Elsevier),アムステルダム(Amsterdam),48ページ(1979年))。
アンチトロンビンIII(ATIII)は、血液凝固における明確に定義された役割を備えた、血漿中に存在する糖タンパク質である。特異的には、ATIIIは、54kDaから65kDaの間の明白な分子量を有する、前記の凝固カスケードの反応の強力な阻害剤である(ローゼンバーグ(Rosenberg)及びダマス(Damus), ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)248巻: 6490−505ページ(1973年); ノードマンら(Nordenman et al.), ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Eur. J. Biochem.),78巻:195−204ページ(1977年);クラチら(Kurachi et al.),バイオケミストリー(Biochemistry)15巻:373−7ページ(1976年)), of which some ten percent is contributed by four glucosamine−base carbohydrate chains (クラチら(Kurachi et al.),バイオケミストリー(Biochemistry)15巻:373−7ページ(1976年);ピーターセンら(Petersen et al.), in The Physiological Inhibitors of Coagulation and Fibrinolysis (コーレンら(Collen et al.),編集)エルゼビア(Elsevier),アムステルダム(Amsterdam),48ページ(1979年))。
その名称は、それがトロンビンのみに作用するということを暗示するが、ATIIIは、少なくともある程度、すべての前記の凝固系の酵素を実質的に阻害することに、実際に役立っている。それが阻害する主な酵素は、factor Xa、factor IXa及びトロンビン(factor IIa)である。それは、また、factor XIIa、factor Xia及びfactor VIIa及び組織因子との複合体を阻害するが、factor VIIa及び活性化プロテインCを阻害しない。ATIIIは、また、トリプシン、プラスミン及びカリクレインを阻害する(シャロット(Charlotte)及びチャーチ(Church), Seminars (ヘパトロジー(Hematology)28巻:3−9ページ(1995年))。多種多様な相互作用を通して凝固を制限する、その能力は、それを主な天然の抗凝固因子蛋白の一つとなしている。
ATIIIは、それ自体では相対的に不十分な阻害剤である。しかしながら、ATIIIは、単純な鋳型メカニズムにより、又はヘパリンの結合によりもたらされるアロステリックなコンフォメーションの変化により、活性化することができる(スキナーら(Skinner et al.),ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.)283巻:9−14ページ(1998年);ハンチングトンら(Huntington et al.),ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.),293巻:449−55ページ(1999年);ベラーら(Belar et al.),ジャーナル・オブ・モレキュラー・アンド・バイオロジー・ケミストリー(J. Mol. Biol. Chem.),275巻:8733−41ページ(2000年))ATIIIがヘパリンに結合すると、阻害を引き起こす反応が起こる速度が、非常に加速される。この相互作用は、抗凝固療法に基づくヘパリンの基本原理である。
純粋な、プラズマから誘導された又は組み替えATIIIは、HIVウイルス負荷を低下させることにおいて、不活性である。しかしながら、我々は、U.S.S.N. 10/436,872において、高分子量を有するように処理された、すなわち「活性化された」ATIIIが、感染細胞においてHIVウイルス負荷を有効に低下させることを示した。
当該仮出願の内容が明確に完全な状態で、引用によりここに編入されているこの出願は、レトロウイルス感染症を治療するために有効な量の高分子量アンチトロンビンIII(ATIII)を含む薬学的組成物を開示している。様々な組み合わせで、ヘパリンの存在下及び/又は加熱下でATIIIとインキュベートすると、ATIIIが活性化されること、そしてレトロウイルス感染症の増殖を阻害することが示された。
ロシア仮出願番号U.S.S.N.60/586,043号
当該仮出願の内容が明確に完全な状態で、引用によりここに編入されているこの出願は、レトロウイルス感染症を治療するために有効な量の高分子量アンチトロンビンIII(ATIII)を含む薬学的組成物を開示している。様々な組み合わせで、ヘパリンの存在下及び/又は加熱下でATIIIとインキュベートすると、ATIIIが活性化されること、そしてレトロウイルス感染症の増殖を阻害することが示された。
本発明は、たとえば血液、血漿、血清アルブミン及び組み換え血漿のような血液製剤において、生体内の原位置にあるまま発現する状態で、たとえばヘパリンのような糖類を用いて直接活性化される可能性があるという驚くべき発見に基づいている。そのように処理された血液製剤は、活性化された、すなわち高分子量ATIIIを含有する。この新規な処理により、たとえば、薬学的組成物のための調製、精製及び製剤化のような、予めのATIII調製が不要になる。そのような治療法は、たとえば、ウイルス疾患、トロンビン活性化により引き起こされるか又はトロンビンの活性化が寄与している、疾患又は異常に罹っている患者を治療する場合に有用であるかもしれない。
たとえば、ヘパリンと組み合わせて、患者自身の血液又は血漿又は血清アルブミンを、穏やかな条件下で(約37℃乃至約40℃)(前記の糖濃度が、処理された血液中のATIIIの当モル濃度よりも非常に低いならば必要ない。)、インキュベートしてもよく、そして、前記の活性化された血液製剤を注射により前記の患者に戻してもよい。このアイデアの背景にある原理的な説明は、ほとんどの患者が、低分子ヘパリン量のみが活性化のために必要とされる、血液1Lあたり約100mg乃至約150mgのATIIIを有するであろうということである。
それゆえ、血液製剤における生体内の原位置にあるまま発現する状態で、活性化されたATIIIを調製するための方法は、(a)前記ATIIIを活性化するために十分な量でATIIIを活性化することができる糖を、ATIIIを含む血液製剤に加えること、及び(b)得られた前記の血液製剤と糖の混合物を、前記のATIIIを活性化するために十分な条件下でインキュベートすることを含む。ある実施態様では、前記の糖は、前記の血液製剤中のATIIIの量よりも過剰な量、たとえば、前記の血液製剤中のATIIIの量の約0.1当モル量乃至1.0当モル量を添加してもよい。
ある実施態様では、ATIIIを活性化するために十分な条件は、約37℃乃至約40℃で、約24時間乃至約72時間である。ある実施態様では、前記の温度は、約37℃乃至約38℃、約38℃乃至約39℃又は約39℃乃至約40℃である。ある実施態様では、インキュベーションの時間は、約24時間乃至約36時間、約36時間乃至約48時間、約48時間乃至約60時間又は約60時間乃至約72時間である。
前記の血液製剤は、血液であるか又は血液から誘導される、あらゆる調製物又は物質であってもよい。たとえば、血液製剤は、全血、血漿、血清、血清アルブミン調製物及び、たとえば組み替え血漿のような、前記と同じものの人工的な調製物を包含するが、これらに限定されるものではない。
前記の糖は、たとえば、低分子量のヘパリン(約2乃至約4kDa)、高分子量ヘパリン(少なくとも12kDa)及び標準の非分画ヘパリンを包含する、ヘパリンのあらゆる形態のようなオリゴ糖であってもよい。ある実施態様では、前記の糖が、五糖である。さらに、前記の糖が、グリコシダーゼ又は他の制限酵素により処理されたオリゴ糖であってもよい。ある実施態様では、前記の糖が、血液製剤中のATIIIの量の、約0.1当モル量乃至約0.2当モル量、約0.2当モル量乃至約0.3当モル量、約0.3当モル量乃至約0.4当モル量、約0.4当モル量乃至約0.5当モル量、約0.5当モル量乃至約0.6当モル量、約0.6当モル量乃至約0.7当モル量、約0.7当モル量乃至約0.8当モル量、約0.8当モル量乃至約0.9当モル量又は約0.9当モル量乃至約1.0当モル量で添加されてもよい。
本発明の方法で使用される可能性がある糖は、単糖類、二糖類及び多糖類(五糖類、七糖類及び6糖類を含む)、糖アルコール及びアミノ糖を包含するが、これらに限定されるものではない。単糖類の例は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、アラビノース及びイノシトールを包含する。二糖類の例は、サッカロース、ラクトース、マルトース、ペクチンである。糖アルコールの例は、マンニトール、ソルビトール及びキシリトールを包含する。アミノ糖の例は、グルコサミン、ガラクトサミン、N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチルガラクトサミンを包含する。これらのアミノ糖は、たとえばアミノ配糖体及びヘパリンのような、より複雑なオリゴ糖を形成することができる積み木のようなものである。ある実施態様では、前記のオリゴ糖は、低分子量(2−4kDa)ヘパリン、高分子量(少なくとも12kDa)ヘパリン、標準の非分画ヘパリン、ペクチン、五糖類及びアミノ配糖体であってもよい。ある実施態様では、前記のオリゴ糖は、ATIIIに対して親和性を有している。ここで使用されているように、糖類は、たとえばビオチン、アビジン又はストレプトアビジンのように、追加の小さな分子で誘導体化することができる。ある実施態様では、糖類は、硫酸化されたオリゴ糖、又はグリコシダーゼ又は他の制限酵素反応で同定されるオリゴ糖であってもよい。
ATIIIが生体内の原位置にあるまま発現する状態で活性化された血液製剤もまた、本発明の範囲内である。前記の血液製剤は、たとえば滅菌静脈注射用バッグ又はインキュベーション・バッグに充填してもよい。
3.治療方法
生体内の原位置にあるまま発現する状態でATIIIを活性化するために血液製剤を処理する前記の方法、及びここで調製された活性化された血液製剤は、被験体における疾患を治療する方法に組み入れられていてもよい。
ある実施態様では、前記の疾患のための治療の必要性がある被験体における疾患を治療する方法は、
(a)前記ATIIIを活性化するために十分な量でATIIIを活性化することができる糖を、ATIII包含する血液製剤に添加することと、
(b)前記ATIIIを活性化するために十分な条件下で、前記血液製剤及び前記糖の混合物をインキュベートすることと、
(c)前記混合物を、疾患を治療する前記被験体に投与すること
を包含していてもよい。
ある実施態様では、前記の方法は、さらに、たとえば透析のような、注入ステップに先立ち、未反応の糖を除去するために前記の混合物を精製することを包含してもよい。本発明の方法は、ヒト、及びたとえばウシ科動物、ウマ科動物、イヌ科動物、ネコ科動物等のような動物被験体に使用することができる。
生体内の原位置にあるまま発現する状態でATIIIを活性化するために血液製剤を処理する前記の方法、及びここで調製された活性化された血液製剤は、被験体における疾患を治療する方法に組み入れられていてもよい。
ある実施態様では、前記の疾患のための治療の必要性がある被験体における疾患を治療する方法は、
(a)前記ATIIIを活性化するために十分な量でATIIIを活性化することができる糖を、ATIII包含する血液製剤に添加することと、
(b)前記ATIIIを活性化するために十分な条件下で、前記血液製剤及び前記糖の混合物をインキュベートすることと、
(c)前記混合物を、疾患を治療する前記被験体に投与すること
を包含していてもよい。
ある実施態様では、前記の方法は、さらに、たとえば透析のような、注入ステップに先立ち、未反応の糖を除去するために前記の混合物を精製することを包含してもよい。本発明の方法は、ヒト、及びたとえばウシ科動物、ウマ科動物、イヌ科動物、ネコ科動物等のような動物被験体に使用することができる。
ある実施態様では、前記の疾患は、細菌又はウイルスにより引き起こされる。本発明の、生体内の原位置にあるまま発現する状態でATIIIを活性化する方法を使用して治療される可能性があるか、又は前記の血液製剤により治療される可能性があるウイルス感染症の例は、A型肝炎ウイルス(HAV)感染症、B型肝炎ウイルス(HBV)感染症、C型肝炎ウイルス(HCBV)感染症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、コロナウイルス感染症、サイトメガロウイルス感染症(CMV)及び重症急性呼吸器症候群(SARS)である。ある実施態様では、前記のウイルスは、たとえばHIVのようなレトロウイルスである。他の実施態様では、前記の疾患が、トロンビンの活性化により引き起こされるか、又は寄与される、疾患又は異常であってもよい。
患者におけるトロンビン活性化に関連する疾患は、敗血症、外傷、急性呼吸促迫症候群、血栓症、脳卒中及び再狭窄を包含する。前記の方法は、また、たとえば経皮的経管的冠状動脈形成術における再閉塞及び再狭窄、手術に付随する血栓症、虚血/再灌流の損傷、及び癌患者又は外科手術の患者における凝固異常のようなトロンビンが関与する病理学的疾患の危険性がある患者を治療するために使用されてもよい。前記の方法で投与された、前記の処理された血液製剤は、たとえば、静脈及び動脈の血栓症の危険性を高くする先天的なトロンビンIII欠損症、又は播種性血管内凝固症候群、内皮の損傷(すなわち、溶血性***症候群)及び静脈閉塞性疾患(VOD)に起因する細血管異常性溶血性貧血を引き起こす後天的なトロンビンIII欠損症の治療における抗凝固剤を供給するかもしれない。前記の方法及び前記の血液製剤は、また、動脈血栓及び深静脈血栓症のような半ば慢性の疾患を治療するために使用されるかもしれない。
単回投与、及び長期で、慢性、繰り返し投与の両方の治療方法は、本発明の範囲内である。
ある実施態様では、前記の治療法は、さらに、たとえば前記の被験体に抗ウイルス薬のような他の薬学的組成物を投与することを包含してもよい。たとえば、ある実施態様では、抗ウイルス薬を、前記の血液製剤と同時に投与してもよい。しかしながら、他の実施態様では、抗ウイルス薬を、前記の混合物の投与に続いて投与してもよい。さらなる他の実施態様では、抗ウイルス薬を、前記の血液製剤と同時又は前記の血液製剤に続いて投与してもよい。抗ウイルス薬を前記の混合物に加えるか、又は別の組成物として投与してもよい。
抗ウイルス薬の例は、たとえば、ジドブジン(zidovudine)、ザルシタビン(zalcitabine)、ジダノシン(didanosine)、スタブジン(stavudine)、ラミブジン(lamivudine)、アバカビル(abacavir)、テノホビル(tenofovir)、ネビラピン(nevirapine)、エファビレンツ(efavirenz)、デラビルジン(delavirdine)のような逆転写酵素阻害剤、たとえば、サキナビル(saquinavir)、リトナビル(ritonavir)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、アプレナビル(amprenavir)、ロピナビル(lopinavir)のようなプロテアーゼ阻害剤、たとえば、アデニンアラビノシド、アデニンアラビノシド 5’−モノリン酸、アシクロビル、ガンシクロビル(ganciclovir)、ファムシクロビル(famciclovir)、ラミブジン(lamivudine)、クレブジン(clevudine)、アフェドビル ジピボキシル(afedovir dipivoxil)、エンテカビル(entecavir)、IFN−a−2b、IFN−a−2a、 リンパ芽球様(lymphoblastoid)IFN、コンセンサス−IFN、IFN−b、IFN−g、 ペグ化されたIFN−a−2a、 コルチコステロイド又はチモシン(thymosin)a1、IL−2、IL−12、リバビリン(ribavirin)、シクロスポリン又は顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子、たとえば、T−20(エンフュヴァタイド(enfuvirtide))、ジンク・フィンガー阻害剤(zinc finger inhibitor)及びリバビリン(ribavrin)のような融合阻害剤を包含する。
高活性抗レトロウイルス療法(HAART)は、HIV及び他のウイルス感染症に推奨されている治療法である。「カクテル療法」という名称でも知られているHAATは、日々の養生法において、二つ又はそれよりも多い抗ウイルス薬を組み合わせる。抗ウイルス薬のカクテル療法は、当業者にはよく知られている。たとえば、有効であることが知られている抗HIVカクテル療法は、たとえば、AZT、3TC及びエファビレンツ(efavirenz)の組み合わせ;ネビラピン(nevirapine)、スタブジン(stavudine)及びラミブジン(lamivudine)の組み合わせ;エムトリシタビン(emtricitabine)及びフマル酸テノホビル ジソプロキシル(tenofovir disoproxil fumarate)の組み合わせ;インジナビル(indinavir)、ジドブジン(zidovudine)及びラミブジン(lamivudine)(3TC)の組み合わせ;並びにジドブジン(zidovudine)及び3TCの組み合わせを包含するが、これらに限定されるものではない。有効な抗HCVカクテル療法は、リバブリン(ribavrin)及びインターフェロンである。
本発明の血液製剤と他の抗ウイルス薬との組み合わせ使用は、組み合わせの各成分のいずれについての必要とされる投与量を減らすことができる。なぜならば、前記の異なる構成成分の効果の始まり及び持続が、相補的であるかもしれないからである。前記の組み合わせ治療法において、前記の異なる活性薬物は、一緒に又は別々に、そして前記の日の間で、同時又は異なる時点において、放出されるかもしれない。
同時、順次、又は同時及び順次の両方の何れか一方で、投与されてもよい他の薬学的組成物は、ATIII及びインターフェロン又はインターフェロンから誘導された薬物を包含する。たとえば、前記の血液製剤は、それを活性化するための前記のオリゴ糖の添加に先立ち、追加のATIIIを補ってもよい。他の実施態様では、抗凝固剤を、単独、又はそれらの有効性を改善するために、治療法におけるそれらの使用に先立ち、本発明の血液製剤を処理するために、たとえば、ヘパリン又は五糖と組み合わせて、使用してもよい。
さらに、係属中の米国特許出願第10/436,872号に開示されているように、高分子量ATIII薬学的組成物を、前記の処理された血液製剤の投与のために、たとえば、同時、順次、又は同時及び順次の両方でそれを投与することにより、前記の治療法を補完するように使用してもよい。
米国特許出願第10/436,872号
本発明の前記の血液製剤を直接被験体に投与してもよいし、又は一つ又はそれより多い生理学的に受容されるキャリヤー又は賦形剤を使用する、一般に行われている方法で製剤化してもよい。前記の治療法のために、本発明の化合物を、全身的及び局部(topical)又は局所(localized)投与を含む、様々な投与の負荷のために製剤化することができる。技術及び剤形は、一般的にレミントンズ・ファーマシューティカル・サイエンシーズ(Remmington’s Pharmaceutical Sciences)ミード・パブリッシング・カンパニー(Meade Publishing Co.),イートン・ピー・エー(Easton, PA)に開示されている。全身性投与のために、筋肉注射、静脈注射、腹腔注射及び皮下注射を含む、注射が好ましい。前記の血液製剤を、たとえば、ボーラス注射又は連続注入のような注射による非経口的投与のために製剤化してもよい。注射のためには、本発明の血液製剤を、液体溶液、好ましくは、たとえばハンクス液又はリンゲル液のような、生理学的に適合したバッファーで製剤化することができる。さらに、前記の血液製剤を固形フォームに製剤化してもよく、そして使用する直前に再溶解又は懸濁してもよい。前記の血液製剤の凍結乾燥フォームもまた含まれる。
注射の剤形は、たとえば、保存剤を添加された、アンプル又は繰り返し投与用容器のような単位投与フォームで提供されてもよい。前記の製剤は、懸濁剤、液剤、及びオイル又は水性ビークル中の乳化剤のような前記フォームを形成してもよいし、たとえば、懸濁剤、安定化剤及び又は分散剤のような製剤化剤を含んでもよい。あるいは、前記の活性成分は、たとえば、滅菌された、パイロジェンを含まない水のような適当なビークルにより、使用前に構成される粉末フォームであってもよい。
さらに、当業者が理解するように、本発明の方法で使用される、あらゆる血液製剤、作用物質、化合物、薬物等の用量は、症状、患者の年齢及び体重、治療又は予防される前記の障害の性質及び過酷さ、並びに投与ルート及び補充物の前記のフォームに依存して異なるであろう。あらゆる前記の製剤は、たとえば、単回投与又は分割投与のような、あらゆる適切な投与量で投与されてもよい。単独若しくはあらゆる他の本発明の化合物と共にか、又は治療することを求められている、特別の障害、疾患若しくは異常に有用であるとみなされるあらゆる化合物と組み合わせての、本発明の血液製剤の用量は、本発明の記載に基づいて及びここで教示されているように当業者に知られている技術により、容易に決定されるかもしれない。さらに、本発明は、他の治療成分のみならず、一つの化合物よりも多い混合物を提供する。
ATIIIは、~100U/kg/dayの用量で投与されると、良好な耐薬性があることが示された(ワレンら(Warren et al.),ジャーナル・オブ・アメリカン・ メディカル・アソシエーション(JAMA)286巻:1869−78ページ(2001年))そして、ATIIIは、18.6時間という全般的な***半減期を有することが示された(イリアスら(Ilias et al.)インテンシブ・ケア・メディシン(Intensive Care Medicine)26巻:7104−7115ページ(2000年))。前記の用量は、症状、体重、性別及び動物種等により適切に決定されるが、一般的には、一日に単回又は複数回投与される成人に関しては、前記の用量は、ATIII(本発明の処理された血液製剤に含まれるとして)の、1−1,000単位/kg体重/日であり、好ましくは10−500単位/kg体重/日である。静脈内投与の場合、たとえば、前記の用量は、好ましくは10−100単位/kg体重/日である。
指定された患者で最も効果的な治療を生ずるであろう、正確な投与時間及びあらゆる特定の生成物又は化合物の量は、特定の化合物の活性、薬物動力学的性状、バイオアベイラビリティ、前記の患者の生理学的状態(年齢、性別、疾患のタイプ及び段階、一般的な身体的状態、投与された用量に対する反応性並びに治療のタイプを含む。)及び投与ルートに依存するであろう。ここに示されたガイドラインは、前記の被験体を観察し、前記の用量及び/又は時間を調節することからなる、わずかの決まりきった実験を必要とするであろう、たとえば、最適な投与時間及び/又は投与量の決定のような、前記の治療を最適化するために使用されてもよい。ある実施態様では、前記の投与養生法は、また、たとえば、前記の血液製剤が前記の患者の血液である場合、前記の血液製剤中のATIIIの相対的な量に依存するかもしれない。
前記の被験体が治療されている間に、前記の被験体の健康状態は、24時間の期間で所定の回数で、一つ又はそれより多い適切な指標を測定することにより、観察されるかもしれない。補充物、投与量、投与時間及び製剤からなる治療法は、前記の観察の結果に従って最適化されるかもしれない。前記の被験体は、同じパラメーターを測定することにより改善の程度を定期的に再評価されてもよい。すなわち、最初の前記の再評価は、典型的には前記の治療の開始から4週間後におこなわれ、そして続いての再評価は、治療期間中の4週間から8週間ごとに行われ、そしてその後3ヶ月後ごとにおこなわれてもよい。治療は、数ヶ月か又は複数年の間さえ継続されるかもしれない。なお、ヒトに対する治療の典型的な長さは、最低一ヶ月である。投与された薬剤の量の調整、及びことによると投与の時間に対する調整は、これらの再評価に基づいてなされるかもしれない。前記の血液製剤が、HAART養生法に従って投与される実施態様では、前記の血液製剤は、前記のHAARTの残存期間で投与されてもよい。
治療は、前記の調製物又は化合物の前記の最適用量よりも少ない、より小さい用量で開始されてもよい。その後、前記の用量は、前記の最適な治療効果が達成されるまで、小さな増加量で増やされるかもしれない。
4.キット
本発明は、また、本発明の組成物、及び任意でそれらの使用のための指示書を包含するキットを提供する。たとえば、いくらかの本発明の治療法の実施のためのキットは、ATIIIを活性化することができる糖及び使用のための指示書を包含してもよい。さらに、いくらかの本発明の治療法の実施のための他のキットは、ATIIIが本来の場所で活性化された血液製剤を包含してもよい。さらに、本発明は、血液製剤における、本来の場所で活性化されたATIIIを調製する方法のためのキットを提供する。たとえば、前記のキットは、ATIIIを活性化できるオリゴ糖及び使用のための指示書を包含してもよい。
本発明は、また、本発明の組成物、及び任意でそれらの使用のための指示書を包含するキットを提供する。たとえば、いくらかの本発明の治療法の実施のためのキットは、ATIIIを活性化することができる糖及び使用のための指示書を包含してもよい。さらに、いくらかの本発明の治療法の実施のための他のキットは、ATIIIが本来の場所で活性化された血液製剤を包含してもよい。さらに、本発明は、血液製剤における、本来の場所で活性化されたATIIIを調製する方法のためのキットを提供する。たとえば、前記のキットは、ATIIIを活性化できるオリゴ糖及び使用のための指示書を包含してもよい。
キットを構成する要素は、手動による実施、又は前記の方法ための、部分的若しくは全てが自動化された実施のためにパッケージされていてもよい。キットを包含する他の実施態様では、本発明は、本発明の組成物及び任意でそれらの使用のための指示書を包含するキットを意図している。他の実施態様では、キットは、さらに対照、薬剤、バッファー及び/又は使用のための指示書を包含してもよい。前記のキットは、たとえば、造影、診断、治療及び他の適用を含む、様々な用途を有していてもよい。
実施例
さて、一般的に記載されている本発明は、本発明の確立された態様及び実施態様の例示の目的のために含まれ、本発明を限定することを意図していない、次の実施例に対する引用により容易に理解されるであろう。
さて、一般的に記載されている本発明は、本発明の確立された態様及び実施態様の例示の目的のために含まれ、本発明を限定することを意図していない、次の実施例に対する引用により容易に理解されるであろう。
実施例1:標準の非分画ヘパリンを使用するin vitroでの血漿ATIIIの活性化のための調製方法
ヒト用の標準の非分画ヘパリン(1,000−10,000単位、すなわち約2mgから約40mg)を、滅菌されたインキュベーション・バッグに入れた市販されているヒト血漿500mL試料(平均して約120mgから約150mgのATIIIを含む)に添加した。前記のバッグに添加する前記のヘパリンの量は、患者のウイルス負荷及び望まれた治療養生法に依存する。得られた混合物を、室温、37℃又は40℃で、24−72時間インキュベートした。前記のインキュベーションの間に必要に応じて穏やかに混合した。前記のインキュベートした混合物を、更に未反応のヘパリンを除くために精製するか、又は精製することなく、患者に注入してもよい。これらの方法において、前記のヘパリンの用量は、前記の血漿中のATIIIの濃度レベルに比べて非常に少ない、その結果、生じた混合物中の遊離のヘパリンが生じることが避けられ、それゆえ、出血の危険性を減らすことができる。
ヒト用の標準の非分画ヘパリン(1,000−10,000単位、すなわち約2mgから約40mg)を、滅菌されたインキュベーション・バッグに入れた市販されているヒト血漿500mL試料(平均して約120mgから約150mgのATIIIを含む)に添加した。前記のバッグに添加する前記のヘパリンの量は、患者のウイルス負荷及び望まれた治療養生法に依存する。得られた混合物を、室温、37℃又は40℃で、24−72時間インキュベートした。前記のインキュベーションの間に必要に応じて穏やかに混合した。前記のインキュベートした混合物を、更に未反応のヘパリンを除くために精製するか、又は精製することなく、患者に注入してもよい。これらの方法において、前記のヘパリンの用量は、前記の血漿中のATIIIの濃度レベルに比べて非常に少ない、その結果、生じた混合物中の遊離のヘパリンが生じることが避けられ、それゆえ、出血の危険性を減らすことができる。
実施例2:標準の非分画ヘパリンを使用するin vitroでの血液ATIIIの活性化のための調製方法
ヒト用標準の非分画ヘパリン(1,000−20,000単位、すなわち約2mgから約40mg)を、滅菌されたインキュベーション・バッグに入れたHIV又はHCV感染患者から採取した血液1,000mL(平均して約70mgから約150mgのATIIIを含む)に添加した。得られた混合物を、室温、37℃又は40℃で、24−72時間インキュベートした。前記のインキュベーションの間に必要に応じて穏やかに混合した。インキュベートされた混合物を、更に未反応のヘパリンを除くために精製するか、又は精製することなく、患者に注入してもよい。これらの方法において、前記のヘパリンの用量は、前記の血漿中のATIIIの濃度レベルに比べて非常に少ない、その結果、生じた混合物中の遊離のヘパリンが生じることが避けられ、それゆえ、出血の危険性を減らすことができる。
ヒト用標準の非分画ヘパリン(1,000−20,000単位、すなわち約2mgから約40mg)を、滅菌されたインキュベーション・バッグに入れたHIV又はHCV感染患者から採取した血液1,000mL(平均して約70mgから約150mgのATIIIを含む)に添加した。得られた混合物を、室温、37℃又は40℃で、24−72時間インキュベートした。前記のインキュベーションの間に必要に応じて穏やかに混合した。インキュベートされた混合物を、更に未反応のヘパリンを除くために精製するか、又は精製することなく、患者に注入してもよい。これらの方法において、前記のヘパリンの用量は、前記の血漿中のATIIIの濃度レベルに比べて非常に少ない、その結果、生じた混合物中の遊離のヘパリンが生じることが避けられ、それゆえ、出血の危険性を減らすことができる。
実施例3:低分子量ヘパリンを使用するin vitroでの血漿ATIIIの活性化のための調製方法
ヒト用の低分子量ヘパリン(LMW)(1,000−10,000単位、すなわち約2mgから約20mg)を、滅菌されたインキュベーション・バッグに入れた市販されているヒト血漿500mL試料(平均して約70mgから約150mgのATIIIを含む)に添加した。得られた混合物を、室温、37℃又は40℃で、24−72時間インキュベートした。前記のインキュベーションの間に必要に応じて穏やかに混合した。インキュベートした混合物を、更に未反応のヘパリンを除くために精製するか、又は精製することなく、患者に注入してもよい。これらの方法において、前記のヘパリンの用量は、前記の血漿中のATIIIの濃度レベルに比べて非常に少ない、その結果、生じた混合物中の遊離のヘパリンが生じることが避けられ、それゆえ、出血の危険性を減らすことができる。
ヒト用の低分子量ヘパリン(LMW)(1,000−10,000単位、すなわち約2mgから約20mg)を、滅菌されたインキュベーション・バッグに入れた市販されているヒト血漿500mL試料(平均して約70mgから約150mgのATIIIを含む)に添加した。得られた混合物を、室温、37℃又は40℃で、24−72時間インキュベートした。前記のインキュベーションの間に必要に応じて穏やかに混合した。インキュベートした混合物を、更に未反応のヘパリンを除くために精製するか、又は精製することなく、患者に注入してもよい。これらの方法において、前記のヘパリンの用量は、前記の血漿中のATIIIの濃度レベルに比べて非常に少ない、その結果、生じた混合物中の遊離のヘパリンが生じることが避けられ、それゆえ、出血の危険性を減らすことができる。
実施例4:低分子量ヘパリンを使用するin vitroでの血液ATIIIの活性化のための調製方法
ヒト用の低分子量ヘパリン(LMW)(1,000−20,000単位、すなわち約2mgから約20mg)を、滅菌されたインキュベーション・バッグに入れたHIV又はHCV感染患者から採取したヒト血液1,000mL試料(平均して約70mgから150mgのATIIIを含む)に添加した。得られた混合物を、室温、37℃又は40℃で、24−72時間インキュベートした。前記のインキュベーションの間に必要に応じて穏やかに混合した。インキュベートした混合物を、更に未反応のヘパリンを除くために精製するか、又は精製することなく、患者に注入してもよい。これらの方法において、前記のヘパリンの用量は、前記の血漿中のATIIIの濃度レベルに比べて非常に少ない、その結果、生じた混合物中の遊離のヘパリンが生じることが避けられ、それゆえ、出血の危険性を減らすことができる。
ヒト用の低分子量ヘパリン(LMW)(1,000−20,000単位、すなわち約2mgから約20mg)を、滅菌されたインキュベーション・バッグに入れたHIV又はHCV感染患者から採取したヒト血液1,000mL試料(平均して約70mgから150mgのATIIIを含む)に添加した。得られた混合物を、室温、37℃又は40℃で、24−72時間インキュベートした。前記のインキュベーションの間に必要に応じて穏やかに混合した。インキュベートした混合物を、更に未反応のヘパリンを除くために精製するか、又は精製することなく、患者に注入してもよい。これらの方法において、前記のヘパリンの用量は、前記の血漿中のATIIIの濃度レベルに比べて非常に少ない、その結果、生じた混合物中の遊離のヘパリンが生じることが避けられ、それゆえ、出血の危険性を減らすことができる。
実施例5:ヘパリン、ヘパリン誘導体、又はATIIIを活性化できる他のオリゴ糖を使用する血液又は血漿におけるATIIIの活性化
ATIIIは、また、0.1当モルから1.0当モルのあらゆるヘパリンから誘導される五糖、又はATIIIを活性化できる他のオリゴ糖を使用して、血液又は血漿中で上記実施例1−4の方法を使用して活性化されてもよい。上述の例は、前記の詳細な説明の項に提供されている。
ATIIIは、また、0.1当モルから1.0当モルのあらゆるヘパリンから誘導される五糖、又はATIIIを活性化できる他のオリゴ糖を使用して、血液又は血漿中で上記実施例1−4の方法を使用して活性化されてもよい。上述の例は、前記の詳細な説明の項に提供されている。
実施例6:修飾された形態におけるタンパク質に結合したヘパリン及び遊離ヘパリンの概算
遊離ヘパリン及びタンパク質に結合したヘパリンを概算するために、UV及び屈折率(RI)の両方の統合は、以下のように使用された。
UV及びRI検出器の両方により吸収の検出における差異を補正するために、補正係数を、以下の数式に従って、両方の検出器により純粋のタンパク質の標準測定から確立した。
全RIの統合は、以下のように表されるかもしれない。
それゆえ、結合した(Bheparin)は、以下の数式で算定される。
遊離ヘパリン(Fheparin)は、以下の数式に従って算定される。
遊離ヘパリン及びタンパク質に結合したヘパリンを概算するために、UV及び屈折率(RI)の両方の統合は、以下のように使用された。
UV及びRI検出器の両方により吸収の検出における差異を補正するために、補正係数を、以下の数式に従って、両方の検出器により純粋のタンパク質の標準測定から確立した。
実施例7:HIV−1複製の阻害作用の測定
X4 HTLV−IIIB(以下にX4 HIV;チャングら(Chang et al.),ネイチャー(Nature),363巻:466−9ページ(1993年))、HIVの原型のT細胞指向性株(American Type Tissue Collection, Monassass,VA,USA;ATCC No.CRL−8543)を使用して、T−細胞指向性HIV感染に関する前記のATIII活性化方法の効果を評価した。細胞培養ミクロプレート・ウエル(cell culture microplate well)又はチューブの数の50%で感染するであろう、特定の懸濁液量(たとえば、0.1mL)におけるウイルスの量を、組織培養感染用量50(Tissue Culture Infectious Dose 50)[TCID50]と名づけた。TCID50は、プラーク数(プラーク形成単位(PFU)として値を与える)によるウイルス力価を決定するための代替法として使用される。ヒト白血球抗原蛋白(HLA)B6、Bw62及びCw3を発現するヒトT−リンパ芽球様細胞株(H9細胞)に、X4 HIV(MOI:1×10−2 TCID50/mL)を強く感染させた。前記の感染されたH9細胞を、R20細胞培養培液に5×105細胞/mlとなるように再懸濁した。この懸濁液2mLを、24ウエルのミクロタイタープレートの各ウエルに分注した。それから、これらの細胞を、活性化されたATIIIを含む試料の存在下又は非存在下で、12日間まで培養した。3日間毎(3日、6日及び12日)に、1mLの細胞上澄みを試験ウエルから取り除き、そして等量のR20細胞培養培地を加えた。対照ウエルからも同じように上澄みを採取したが、処理されていない試料を含む培地を添加した。HIV(Alliance(登録商標)HIV−1 p24 ELISA kit, NEN(登録商標)Life Science, Boston MA, USA)用のウイルスコア蛋白p24(gag)の濃度を、0日、3日、6日、9日及び12日に採取した各サンプルについて測定した。図1に示した結果から、LMWヘパリンで処理された血液中のHIV−1阻害活性が示された。
X4 HTLV−IIIB(以下にX4 HIV;チャングら(Chang et al.),ネイチャー(Nature),363巻:466−9ページ(1993年))、HIVの原型のT細胞指向性株(American Type Tissue Collection, Monassass,VA,USA;ATCC No.CRL−8543)を使用して、T−細胞指向性HIV感染に関する前記のATIII活性化方法の効果を評価した。細胞培養ミクロプレート・ウエル(cell culture microplate well)又はチューブの数の50%で感染するであろう、特定の懸濁液量(たとえば、0.1mL)におけるウイルスの量を、組織培養感染用量50(Tissue Culture Infectious Dose 50)[TCID50]と名づけた。TCID50は、プラーク数(プラーク形成単位(PFU)として値を与える)によるウイルス力価を決定するための代替法として使用される。ヒト白血球抗原蛋白(HLA)B6、Bw62及びCw3を発現するヒトT−リンパ芽球様細胞株(H9細胞)に、X4 HIV(MOI:1×10−2 TCID50/mL)を強く感染させた。前記の感染されたH9細胞を、R20細胞培養培液に5×105細胞/mlとなるように再懸濁した。この懸濁液2mLを、24ウエルのミクロタイタープレートの各ウエルに分注した。それから、これらの細胞を、活性化されたATIIIを含む試料の存在下又は非存在下で、12日間まで培養した。3日間毎(3日、6日及び12日)に、1mLの細胞上澄みを試験ウエルから取り除き、そして等量のR20細胞培養培地を加えた。対照ウエルからも同じように上澄みを採取したが、処理されていない試料を含む培地を添加した。HIV(Alliance(登録商標)HIV−1 p24 ELISA kit, NEN(登録商標)Life Science, Boston MA, USA)用のウイルスコア蛋白p24(gag)の濃度を、0日、3日、6日、9日及び12日に採取した各サンプルについて測定した。図1に示した結果から、LMWヘパリンで処理された血液中のHIV−1阻害活性が示された。
等価物
本発明の特定の実施例が論じられたが、前記の詳記は、例示であって、限定ではない。本発明の多くの変形は、この明細書及び以下の請求項を再吟味すると、当業者には明らかになるであろう。たとえば、インキュベーション時間の変更のような、前記の実施例において使用された反応剤の量に関する変更は、本発明の範囲内に属する。本発明の全ての範囲は、等価物及び前記の詳述の全ての範囲、並びに前記の変更例に沿って、請求項を参照することにより決定されるべきである。以下にリストした刊行物を含む、ここで述べた全ての刊行物及び特許は、ちょうど各刊行物又は特許が、明確にかつ個々に引用により編入されていると示されているかのように、全ての内容において、ここに引用により編入されている。抵触の場合、ここのあらゆる定義を含む、本出願は、支配するであろう。
本発明の特定の実施例が論じられたが、前記の詳記は、例示であって、限定ではない。本発明の多くの変形は、この明細書及び以下の請求項を再吟味すると、当業者には明らかになるであろう。たとえば、インキュベーション時間の変更のような、前記の実施例において使用された反応剤の量に関する変更は、本発明の範囲内に属する。本発明の全ての範囲は、等価物及び前記の詳述の全ての範囲、並びに前記の変更例に沿って、請求項を参照することにより決定されるべきである。以下にリストした刊行物を含む、ここで述べた全ての刊行物及び特許は、ちょうど各刊行物又は特許が、明確にかつ個々に引用により編入されていると示されているかのように、全ての内容において、ここに引用により編入されている。抵触の場合、ここのあらゆる定義を含む、本出願は、支配するであろう。
ウライト(Wright), バイオアッセイ(BIOASSAY), 18巻:453−64ページ(1996年); スキナーら(Skinner et al.),ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.),283巻: 9−14ページ(1998年); ハンティングトンら(Huntington et al.),ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.)293巻: 449−55ページ(1999年); ディーク(Deeks),ジャーナル・オブ・アメリカン・ メディカル・アソシエーション(JAMA),286巻: 224−6ページ(2001年);ステフェンソン(Stephenson),ジャーナル・オブ・アメリカン・ メディカル・アソシエーション(JAMA),277巻: 614−6ページ(1997年); カーら(Carr et al.),ランセット(Lancet),351巻: 1881−3ページ(1998年)
Claims (20)
- (a)ATIIIを包含する血液製剤に、前記ATIIIを活性化するために十分な量で、ATIIIを活性化することができる糖を添加することと、
(b)前記ATIIIを活性化するために十分な条件下で、前記血液製剤及び前記糖の生成した混合物をインキュベートすることと、
(c)前記混合物を前記被験体に投与することと
を包含する、前記疾患のための治療の必要性がある被験体における疾患を治療する方法。 - 前記糖が、オリゴ糖である、請求項1記載の方法。
- 前記オリゴ糖が、ヘパリンであり、そして前記ヘパリンが、低分子量ヘパリン、高分子量ヘパリン及び標準の非分画ヘパリンからなる群から選ばれる、請求項2の方法。
- 前記オリゴ糖が、前記血液製剤におけるそのATIIIの量の過剰量で添加される、請求項2記載の方法。
- 前記ATIIIを活性化するために十分な、前記条件が、約37℃乃至約40℃で、約24時間乃至約72時間のインキュベーションである、請求項1記載の方法。
- 前記オリゴ糖が、前記血液製剤におけるATIIIの量の0.1乃至1.0当モルの量で添加される、請求項2の方法。
- 前記血液製剤が、血漿又はHSAである、請求項1記載の方法。
- 前記投与ステップに先立ち、未反応の糖を除去するために前記混合物を精製するステップを、さらに包含する、請求項1の方法。
- 前記疾患が、A型肝炎ウイルス(HAV)感染症、B型肝炎ウイルス(HBV)感染症、C型肝炎ウイルス(HCV)感染症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症及びコロナウイルス感染症からなる群から選ばれるウイルス感染症である、請求項1記載の方法。
- 前記疾患が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症である、請求項9記載の方法。
- 前記疾患が、敗血症、外傷、急性呼吸促迫症候群、血栓症、脳卒中、再狭窄、再閉塞、及び経皮的経管的冠動脈形成術における再狭窄、手術に関連する血栓症、虚血/再潅流傷害、癌又は外科手術を受けた患者における凝固機能不全、アンチトロンビンIII欠乏症、静脈性血栓症、動脈性血栓症、播種性血管内凝固症候群、細血管異常性溶血性貧血及び静脈閉塞病(VOD)からなる群から選ばれるトロンビンの活性化により引き起こされるか、又は一因となる疾患又は異常である、請求項1の方法。
- 前記被験体に、さらに抗ウイルス薬を投与することを包含する、請求項9の方法。
- 前記抗ウイルス薬の前記投与が、さらに前記混合物の前記投与と同時である、請求項12記載の方法。
- 前記抗ウイルス薬の前記投与が、さらに前記混合物の前記投与に続いて起こる、請求項12記載の方法。
- 前記抗ウイルス薬の前記投与が、また、投与前に前記生じた混合物に添加される、請求項12記載の方法。
- 前記糖の添加に先立ち、追加のATIIIにより前記血液製剤を補うことを、さらに包含する、請求項1記載の方法。
- 前記被験体に、さらにインターフェロン又はインターフェロンから誘導された薬を投与することを包含する、請求項1記載の方法。
- 前記混合物の前記投与が、ウイルスの負荷の減少を生ずる、請求項9記載の方法。
- (a)ATIIIを含む血液製剤に、前記ATIIIを活性化するために十分な量でATIIIを活性化することができる糖を添加することと、
(b)前記ATIIIを活性化するために十分な条件下で前記血液製剤及び前記糖の、生成する混合物をインキュベートすること
を包含する、活性化されたATIIIを含む血液製剤を調製する方法。 - ATIIIを活性化できるオリゴ糖及び使用法に関する指図書を包含する血液製剤において、本来の位置で活性化されたATIIIを調製するためのキット。
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