JP2008505172A - 化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I):
【化1】
Figure 2008505172

(式中、RおよびRは明細書に定義のとおりである)で示される化合物、その製造法、それを含有する医薬組成物、該医薬組成物の製造法、およびその治療におけるその使用を提供する。

Description

本発明は新規ヒダントイン誘導体、その製造方法、それを含有する組成物、およびその治療用途に関する。
メタロプロテイナーゼはプロテイナーゼ(酵素)のスーパーファミリーであり、その数は近年劇的に増加している。構造と機能の考察に基づいて、これらの酵素は文献(N.M. Hooper (1994) FEBS Letters 354:1-6)に記載があるように、ファミリー(科)とサブファミリー(亜科)に分類されている。メタロプロテイナーゼの例は、マトリックス・メタロプロテイナーゼ(MMP類)、例えば、コラゲナーゼ(MMP1、MMP8、MMP13)、ゼラチナーゼ(MMP2、MMP9)、ストロメライシン(MMP3、MMP10、MMP11)、マトリライシン(MMP7)、メタロエラスターゼ(MMP12)、エナメライシン(MMP19)、MT−MMP類(MMP14、MMP15、MMP16、MMP17);TNF変換酵素(ADAM10およびTACE)などのセクレターゼおよびシェダーゼを包含するレプロライシンまたはアダマライシンまたはMDCファミリー;プロコラーゲン・プロセシング・プロテイナーゼ(PCP)などの酵素を包含するアスタシン・ファミリー;およびその他のメタロプロテイナーゼ、例えば、アグリカナーゼ、エンドセリン変換酵素ファミリーおよびアンギオテンシン変換酵素ファミリーなどである。
メタロプロテイナーゼは胚発生、骨形成および月経中の子宮の再造形などの組織再造形に関わる生理的疾患進行過程の多血症において重要であると信じられる。これはコラーゲン、プロテオグリカンおよびフィブロネクチンなどの幅広い範囲のマトリックス基質を切断するメタロプロテイナーゼの能力に基づくものである。メタロプロテイナーゼはまた生物学的に重要な細胞メディエーター、例えば、腫瘍壊死因子(TNF)などのプロセシングまたは分泌において、および生物学的に重要な膜タンパク質の、例えば、低親和性IgEレセプターCD23などの翻訳後のタンパク分解プロセシングまたは放出において重要であるとも信じられる(より完全なリストは文献(N. M. Hooper et al., (1997) Biochem. J. 321:265-279)参照)。
メタロプロテイナーゼは多くの疾患または症状と関連がある。1種またはそれ以上のメタロプロテイナーゼの活性を阻害することは、例えば、以下に示す疾患または症状に非常に有益である;種々の炎症性およびアレルギー疾患、例えば、関節の炎症(とりわけ、関節リウマチ、骨関節症および痛風)、胃腸管の炎症(とりわけ、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎および胃炎)、皮膚の炎症(とりわけ、乾癬、湿疹、皮膚炎);腫瘍転移または侵入;細胞外マトリックスの非制御分解と関連する疾患、例えば、骨関節症;骨再吸収疾患(骨そしょう症およびパジェット病など);異常な脈管形成と関連する疾患;糖尿病、歯周病(歯肉炎など)、角膜潰瘍、皮膚潰瘍、術後症状(結腸吻合など)および皮膚外傷融合などと関連する増強されたコラーゲン再形成;中枢および抹消神経系の脱髄性疾患(多発性硬化症など);アルツハイマー病;再狭窄およびアテローム性動脈硬化などの心血管系疾患に認められる細胞外マトリックス再形成;喘息;鼻炎;および慢性閉塞性肺疾患(COPD)。
マクロファージ・エラスターゼまたはメタロエラスターゼとしても知られるMMP12は、Shapiro et al. [1992, Journal of Biological Chemistry 267: 4664] がマウスで最初にクローン化し、ヒトでは同じグループが1995年にクローン化した。MMP12は活性化マクロファージにて優先的に発現され、喫煙者の肺胞マクロファージから(Shapiro et al, 1993, Journal of Biological Chemistry, 268: 23824)、またアテローム性動脈硬化病巣の泡沫細胞に(Matsumoto et al, 1998, Am. J. Pathol. 153: 109)分泌されることが示されている。マウスのCOPDモデルは、マウスをタバコの煙で6ヶ月間、1日タバコ2本で1週間に6日間攻撃したものに基づいている。この処置の後、野生型マウスは肺気腫を発症した。MMP12ノックアウトマウスをこのモデルで試験した場合、有意な気腫を発生することはなく、MMP12がCOPD病因のキーとなる酵素であることを強く示唆した。COPD(肺気腫および気管支炎)におけるMMP12などの役割については、Anderson and Shinagawa, 1999, Current Opinion in Anti-inflammatory and Immunomodulatory Investigational Drugs 1(1): 29-38 で考察されている。最近発見されたことは、喫煙がヒトの頚動脈プラークにおいて、マクロファージの浸潤と、マクロファージ由来MMP−12の発現を増大させることである Kangavari [Matetzky S, Fishbein MC et al., Circulation 102:(18), 36-39 Suppl. S, Oct 31, 2000]。
MMP9(ゼラチナーゼB;92kDaタイプIVコラゲナーゼ;92kDaゼラチナーゼ)は1989年に最初に精製され、次いでクローン化、配列決定された分泌タンパク質である[S.M. Wilhelm et al (1989) J. Biol. Chem. 264 (29): 17213-17221; J. Biol. Chem. (1990) 265 (36): 22570 誤出版]。MMP9に関する最新の総説は、このプロテアーゼについての詳細な情報と参考文献のすぐれた供給源である:T.H. Vu & Z. Werb (1998) (In : Matrix Metalloproteinases, 1998, edited by W.C. Parks & R.P. Mecham, pp. 115 - 148, Academic Press. ISBN 0-12-545090-7)。T.H. Vu & Z. Werb, 1998 によるこの総説から以下の点が引き出せる。
MMP9の発現は通常2〜3の細胞型に限定される、例えば、栄養芽層細胞、破骨細胞、好中球およびマクロファージなどである。しかし、この発現はこれらの同じ細胞中および他の細胞型で、数種のメディエーターにより、例えば、細胞が増殖因子またはサイトカインに接触することなどにより誘発することができる。これらは炎症反応を開始する際にしばしば関係ありとされるものと同じメディエーターである。他の分泌MMP類の様に、MMP9は不活性なプロ酵素として放出され、引き続き切断されて、酵素として活性な酵素を形成する。インビボでこの活性化に必要なプロテアーゼは未知である。活性なMMP9と不活性な酵素とのバランスは、さらにインビボでTIMP−1(メタロプロテイナーゼ−1の組織インヒビター)(天然産タンパク質)との相互作用により調節される。TIMP−1はMMP9のC末端領域に結合し、MMP9の触媒ドメインを阻害することとなる。プロMMP9の誘発された発現のバランス、プロ−から活性MMP9への切断およびTIMP−1の存在が組合わさって、局所部位に存在する触媒活性MMP9の量を決定する。タンパク分解活性MMP9が、ゼラチン、エラスチン、および未変性のIV型およびV型コラーゲンなどの基質を攻撃する;これは未変性のI型コラーゲン、プロテオグリカンまたはラミニンに対しては活性をもたない。
種々の生理過程および病理過程におけるMMP9の役割に関する膨大なデータがある。生理的役割とは、胎児着床の初期段階で胎児性栄養芽層細胞が子宮上皮に侵入すること;一部の役割として骨の成長と発達に関わること;また炎症性細胞を血管系から組織へ移動させること;である。
酵素免疫アッセイ法により測定されるMMP9の放出は、他の集団からのものに比較して、未処置喘息からの体液およびAM上清中で有意に上昇していた[Am. J. Resp. Cell & Mol. Biol., Nov 1997, 17 (5):583-591]。また、増大したMMP9の発現はある種の他の病理学的症状に観察されるが、それによってMMP9を疾患過程、例えば、COPD、関節炎、腫瘍転移、アルツハイマー病、多発性硬化症、および心筋梗塞などの急性冠状症状につながるアテローム性動脈硬化症のプラーク破壊などに関連させる。
数多くのメタロプロテイナーゼ・インヒビターが知られている(例えば、以下のMMPインヒビターの総説参照:Beckett R.P. and Whittaker M., 1998, Exp. Opin. Ther. Patents, 8(3):259-282, and by Whittaker M. et al, 1999, Chemical Reviews 99(9):2735-2776)。
WO02/074767は下記式のヒダントイン誘導体を開示している:
Figure 2008505172
この誘導体は、MMPインヒビターとして、とりわけ強力なMMP12インヒビターとして有用である。以下の3種の化合物はWO02/074767に具体的に開示されている。
Figure 2008505172
今回、我々はメタロプロテイナーゼのインヒビターであり、MMP12およびMMP9などのMMP類を阻害する上で特に興味のある一群の化合物を発見した。本発明の化合物は有益な活力、選択性および/または薬物動態性を有する。本発明の化合物は、一般的にはWO02/074767の範囲に含まれるが、そこには具体的に例示されていないタイプの化合物である。
従って、本発明によると、以下の式(I):
Figure 2008505172
[式中、
はC1〜2アルキル、シクロプロピル、F、CN、OCH、SCHまたはOCFを表す;当該アルキルまたはシクロプロピル基は所望により1個以上のフルオロ原子によってさらに置換されている;そして
はC1〜3アルキルを表す]
で示される化合物およびその医薬的に許容される塩が提供される。
式(I)で示される化合物はエナンチオマーの形態で存在し得る。理解すべきことは、すべてのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体およびその混合物が本発明の範囲内に包含されることである。
本発明化合物はまた種々の互変異性体の形態でも存在し得る。すべての可能な互変異性体の形態とその混合物が本発明の範囲内に包含される。
一態様において、RはC1〜2アルキルまたはシクロプロピルを表し、当該アルキルまたはシクロプロピル基は所望により1個以上のフルオロ原子によってさらに置換されている。
もう一つの態様において、Rは所望により1個以上のフルオロ原子によってさらに置換されているC1〜2アルキルを表す。
一態様において、Rはトリフルオロメチルを表す。
一態様において、Rはメチルを表す。
一態様において、Rはエチルを表す。
一態様において、Rはメチルまたはエチルを表す。一態様において、Rはメチルを表す。
一態様において、Rは所望により1個以上のフルオロ原子によってさらに置換されているC1〜2アルキルを表し、そしてRはメチルまたはエチルを表す。
一態様において、Rは所望により1個以上のフルオロ原子によってさらに置換されているC1〜2アルキルを表し、そしてRはメチルを表す。
一態様において、RはCFを表し、そしてRはメチルまたはエチルを表す。
特に断りのない限り、本明細書にて言及する用語「C1〜3アルキル」は、1ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルである。かかる基の例は、メチル、エチル、n−プロピルおよびi−プロピルを含む。用語「C1〜2アルキル」はメチルまたはエチルを意味する。
所望により1個以上のフルオロ原子によってさらに置換されているC1〜2アルキルの例は、CF、CHF、CHCF、CFCHおよびCFCFを含む。
所望により1個以上のフルオロ原子によってさらに置換されているシクロプロピル環の例は、1−フルオロ−1−シクロプロピル、2,2−ジフルオロ−1−シクロプロピルおよび2,3−ジフルオロ−1−シクロプロピル:
Figure 2008505172
を含む。
本発明化合物の例は、
(5S)−5−({[4−[(6−メトキシピリジン−3−イル)エチニル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]スルホニル}メチル)−5−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン;
(5S)−5−({[4−[(6−フルオロピリジン−3−イル)エチニル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]スルホニル}メチル)−5−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン;
5−{[1−({[(4S)−4−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル]メチル}スルホニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]エチニル}ピリジン−2−カルボニトリル;
(5S)−5−({[4−[(6−エチルピリジン−3−イル)エチニル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]スルホニル}メチル)−5−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン;
(5S)−5−メチル−5−({[4−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチニル}−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]スルホニル}メチル)イミダゾリジン−2,4−ジオン;
およびその医薬的に許容される塩を含む。
各例示化合物は本発明の特定の、また独特の側面を表す。
式(I)で示される化合物はエナンチオマーの形態で存在し得る。それ故、すべてのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体およびその混合物が本発明の範囲内に包含される。様々な光学異性体は該化合物のラセミ混合物を常套技法、例えば、分別結晶法またはHPLCなどにより分離することにより単離し得る。あるいは、不斉合成によるか、または光学活性の出発原料から合成することにより光学異性体を入手することもできる。
光学異性体が本発明化合物に存在する場合、我々はすべての個々の光学活性体、および本発明の個々の特定の態様としてそれらの組み合わせを、また同様にそれらの対応するラセミ体を開示する。
好ましくは、式(I)で示される化合物は以下に示すように(5S)の立体化学を有する:
Figure 2008505172
互変異性体が本発明化合物に存在する場合、我々はすべての個々の互変異性体、および本発明の個々の特定の態様としてそれらの組み合わせを開示する。
本発明は塩の形態の式(I)で示される化合物を包含する。適切な塩は有機もしくは無機の酸または有機もしくは無機の塩基と形成される塩を含む。かかる塩は通常医薬的に許容される塩であるが、医薬的に非許容の塩であっても、特定化合物の調製および精製においては有用であり得る。かかる塩は酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、トシル酸塩およびマレイン酸塩、ならびにリン酸と、また硫酸と形成する塩である。別の側面において、適切な塩はアルカリ金属塩などの塩基塩、例えば、ナトリウム塩もしくはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩もしくはマグネシウム塩、または有機アミン塩、例えば、トリエチルアミン塩である。
式(I)で示される化合物の塩は、遊離の塩基または別のその塩と1当量以上の適切な酸または塩基と反応させることにより形成され得る。
式(I)で示される化合物は動物において薬理活性を有するため有用であり、従って、潜在的に医薬として有用である。とりわけ、本発明化合物はメタロプロテイナーゼ・インヒビターであり、従って、MMP12および/またはMMP9が介在する疾患または症状、例えば、喘息、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節炎(例えば関節リウマチおよび骨関節症)、アテローム性動脈硬化症と再狭窄、癌、浸潤と転移、組織破壊を伴う疾患、人工股関節のゆるみ、歯周病、線維症、梗塞と心臓病、肝臓と腎臓の線維症、子宮内膜症、細胞外マトリックスの衰弱に関係する疾患、心不全、大動脈瘤、アルツハイマー病と多発性硬化症(MS)などのCNS関連疾患、および血液学的障害などの処置に使用し得る。
一般に本発明化合物はMMP9とMMP12の強力なインヒビターである。本発明化合物はまたMMP8、MMP14およびMMP19などの種々の他のMMP類について、相対的に阻害性を欠くという良好な選択性を示す。さらに、本発明化合物は、一般的に、改善された logD 値、とりわけ、0.5<logD<2.0の範囲の logD 値を有する。LogDは生理的pHでの化合物の親油性を反映するパラメータである。これら好適なlogD 値の結果として、本発明化合物は改善された溶解度特性と低下した血漿タンパク質結合性を有し、結果、薬物動態と薬物動力学が改善されたものとなる。
従って、本発明は、治療に使用する本明細書ですでに定義した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
もう一つの側面において、本発明は、治療に使用する医薬の製造における、本明細書ですでに定義した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
もう一つの側面において、本発明は、MMP12および/またはMMP9を阻害することが有益である疾患または症状の処置に使用する医薬の製造における、本明細書ですでに定義した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
もう一つの側面において、本発明は、炎症性疾患の処置に使用する医薬の製造における、本明細書ですでに定義した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
もう一つの側面において、本発明は、喘息またはCOPDなどの閉塞性気道疾患の処置に使用する医薬の製造における、本明細書ですでに定義した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
本明細書の文面において、「治療」という用語はそれを特に否定する断りのない限り、「予防」をも包含する。従って、「治療的」および「治療的に」という用語もそのように解釈すべきである。
予防とは、問題の疾患または症状に罹患した経歴をもつ人、またはその危険性が増大していると考えられる人の処置に特に関係するものとする。特定の疾患または症状が発症する危険のある人とは、一般に、該疾患または症状の家族病歴をもつ人、または該疾患または症状を特に発症し易いと遺伝子試験またはスクリーニングにより確認されている人である。
本発明はさらにMMP12および/またはMMP9を阻害することが有益である疾患または症状を処置する方法であって、患者に、治療有効量の本明細書にすでに定義した式(I)で示される化合物または医薬的に許容されるその塩を投与することを含む方法を提供する。
本発明はまた、例えば、喘息またはCOPDなどの閉塞性気道疾患を処置する方法であって、患者に、治療有効量の本明細書にすでに定義した式(I)で示される化合物または医薬的に許容されるその塩を投与することを含む方法を提供する。
上記の治療的使用のために投与すべき用量は、勿論、採用する化合物、投与様式、所望の処置および処置すべき障害によって変わる。式(I)で示される化合物/塩(有効成分)の1日用量は、0.001mg/kgないし75mg/kg、とりわけ、0.5mg/kgないし30mg/kgの範囲である。この1日用量は必要に応じ、分割投与され得る。代表的な単位投与形は、本発明化合物を約1mgないし500mg含有する。
式(I)で示される化合物および医薬的に許容されるその塩は、それ自体でも使用し得るが、一般的には、式(I)で示される化合物/塩(有効成分)を医薬的に許容し得るアジュバント、希釈剤または担体と組合わせた医薬組成物の形態で投与される。投与方式により、該医薬組成物は、好ましくは、0.05ないし99%w(重量パーセント)、より好ましくは0.10ないし70%wの有効成分を含み、1ないし99.95%w、より好ましくは30ないし99.90%wの医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を含む;重量パーセントはすべて組成物総量にもとづくものである。適切な剤形の選定と製剤についての一般的手法は、例えば、文献(Pharmaceutical - The Science of Dosage Form Designs(医薬品−投与形態設計の科学), M.E. Aulton, Churchill Livingstone, 1988)に記載がある。
従って、本発明は、本明細書にすでに定義した式(I)で示される化合物または医薬的に許容されるその塩と、医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体とを含んでなる医薬組成物を提供する。
本発明はさらに本発明医薬組成物の製造法であって、本明細書にすでに定義した式(I)で示される化合物または医薬的に許容されるその塩と、医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体とを混合することを含む方法を提供する。
本発明の医薬組成物は処置しようとする疾患または症状について標準的な方法、例えば、経口、局所、非経腸、口腔内、鼻腔内、膣内または直腸投与により、または吸入により投与され得る。これらの目的に対し、本発明化合物は技術上既知の手段により製剤化され、例えば、錠剤、カプセル、水性または油性溶液、懸濁液、エマルジョン、クリーム、ゲル剤、鼻腔用スプレー、坐剤、微細粉末剤、または吸入用エーロゾルの形態、そして非経腸用(静脈内、筋肉内または点滴を含む)の無菌の水性もしくは油性溶液もしくは懸濁液または無菌のエマルジョンの形態とすることができる。
本発明化合物に加えて、本発明の医薬組成物はまた上記の一つ以上の疾患または症状の処置に有益な1種以上の医薬品、例えば、製品「シンビコート(Symbicort; 商標)」と共に含有するか、または一緒に(同時にまたは連続的に)投与されてもよい。
本発明はさらに、本明細書にすでに定義した式(I)で示される化合物または医薬的に許容されるその塩の製造法を提供する。当該方法は、
a) 式(II):
Figure 2008505172
[式中、Rは式(I)で定義したとおりであり、Lは脱離基を表す]
で示される化合物と、式(III):
Figure 2008505172
[式中、Rは式(I)で定義したとおりである]
で示される化合物(またはその塩)との反応;または
b) 式(X):
Figure 2008505172
[式中、Rは式(I)で定義したとおりである;RはHまたは適切な保護基である;そして、Xはハライドまたはトリフレートなどの脱離基である]
で示される化合物と、式(IX):
Figure 2008505172
[式中、Rは式(I)で定義したとおりである]
で示されるアセチレン化合物との反応;または
c) 式(XI):
Figure 2008505172
[式中、RはHまたはトリメチルシリルを表す;Rは式(I)で定義したとおりである;そして、RはHまたは適切な保護基を表す]
で示される化合物と、式(VI):
Figure 2008505172
[式中、Rは式(I)で定義したとおりであり、Xはハライドまたはトリフレートを表す]
で示されるハロゲン化アリールまたはアリールトリフレートとの反応;
そしてその後、所望により医薬的に許容されるその塩を形成することを含む。
上記の方法において、適切な脱離基Lはハロ、とりわけクロロである。反応は、好ましくは、適切な溶媒中、所望により添加した塩基の存在下に、適切な時間、典型的には0.5〜24時間、環境温度ないし還流温度で実施する。代表的な溶媒としてピリジン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリルまたはジクロロメタンを使用する。使用する場合、添加される塩基は、有機塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンまたはピリジン、または無機塩基、例えば、アルカリ金属炭酸塩である。反応は、一般に、環境温度で0.5〜16時間、またはクロマトグラフィーまたは分光学的方法により判定して、反応が完全に終了するまで実施する。ハロゲン化スルホニルと種々の一級および二級アミンとの反応は、文献上周知であり、条件の変更は当業者にとって明らかである。
式(II)で示される塩化スルホニル(式中、Lは塩素を表す)は、式(IV):
Figure 2008505172
で示される化合物を、当業者にとって容易に明瞭となる方法により、酸化的塩素化反応により簡便に調製される(Mosher, J., J. Org. Chem. 1958. 23, 1257; Griffith, O., J. Biol. Chem. 1983. 258, (3), 1591; WO02/074767)。
式(III)で示される化合物は、文献に記載の種々の方法により、または合成有機化学の当業者が認識するその変法により調製され得る。適切な方法は限定されるものではないが以下に記載の方法であり、それをスキーム1に示す。
Figure 2008505172
スキーム1において、PGはt−Bocなどの適切な保護基を表す;Xはハライドまたはトリフレートなどの脱離基を表す;Rは水素またはトリメチルシリルを表す;tms はトリメチルシリルを表す;Ar はRが2位に置換する5−ピリジニル環を表す;そして、Rは式(I)で定義したとおりである。
アリール誘導体またはビニル誘導体[(V)または(VI)]とアセチレン[(VII)、(VIII) または(IX)]との反応は、所望により適切な溶媒中、適切なパラジウム塩、例えば、PdCl(PPh)などの触媒を用い、銅塩を添加してまたは添加せず、そしてピペリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどのアミン塩基と共に実施され得る。使用される場合、添加される溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、アセトニトリル、またはN,N−ジメチルホルムアミドであり得る。反応は、環境温度ないし還流温度で、20分間ないし数時間、クロマトグラフィーまたは分光学的方法が反応の終了を示すまで実施される。アセチレン化合物の関わるパラジウム触媒反応は文献上既知であり、その条件のバリエーションは当業者にとって明瞭である。このタイプの一般的方法論は、例えば、文献(Brandsma, L., Synthesis of Acetylenes, Allenes and Cumulenes: Methods and Techniques(アセチレン、アレンおよびクムレンの合成:方法と技術), 2004, Elsiever Academic Press,. Chapter 16, pages 293-317; Transition Metals-Catalysed Couplings of Acetylenes with sp2-halides(アセチレンとsp−ハロゲン化物との遷移金属触媒カップリング), Sonogashira, K. J. Organomet. Chem., 2002, 653, 46-49; Tykwinski, R. R., Angew. Chem. Int.Ed., 2003, 42, 1566-1568.)に記載がある。
XがO−トリフレートであり、そしてPGがt−Bocである場合のビニルトリフレート(V)は文献(Wustrow, D. J., Synthesis, 1991, 993-995)に記載された通りに調製され得る。
アセチレン化合物(VIII)は該トリフレート(V)から、トリメチレンシリルアセチレンとのパラジウム触媒カップリング反応と、必要であれば、さらに、例えば適切な溶媒中、フッ化カリウムを用いたトリメチルシリル基の脱保護により調製され得る。あるいは、RがHであり、そしてPGがt−Bocである化合物(VIII)の調製は、式(VII)で示される化合物を脱水すること、例えば、メシル化と、引き続くジイソプロピルエチルアミンなどの適切な塩基での処理により実施され得る。
式(IX)で示されるアセチレン・ヘテロアリール化合物は、文献記載の様々な方法により調製され得る。
方法(b)において、反応は式(VIII)で示される化合物の調製について上に記載したのと同様の方法で実施される。必要であれば式(X)で示される化合物のヒダントイン環の1個の窒素をSEMCl(R=SEM)で保護した後、パラジウム触媒反応を実施する。式(X)で示される化合物は、式(V)で示される化合物(PG=t−Boc)の酸触媒脱保護と、続いて式(I)で示される化合物の調製について上に記載したのと同じ方法で、式(II)で示される化合物との反応により調製され得る。
方法(c)において、反応は式(VIII)で示される化合物の調製について上に記載したのと同様の方法で実施される。必要であれば、式(XI)で示される化合物のヒダントイン環の1個の窒素をSEMCl(R=SEM)で保護し、次いでパラジウム触媒反応を実施する。化合物(XI)は化合物(VIII)(式中、Rはトリメチルシリルであり、そしてPGはt−Bocである)から、t−Boc 基の酸触媒による除去(例えば、メタノール中塩化アセチルを使用する)と、続いて式(II)と(III)で示される化合物間の反応について上に記載したような、式(II)で示される化合物との反応により簡便に調製される。
当業者が認識するであろうことは、本発明の方法において、原料試薬または中間体化合物のヒドロキシル基またはアミノ基などの特定の潜在的に反応性の官能基は、適切な保護基により保護される必要があり得ることである。従って、本発明化合物の製造は、様々な段階で、1種以上の保護基の付加および除去を含んでもよい。
適切な保護基およびかかる基の付加および除去方法の詳細については、文献('Protective Groups in Organic Chemistry'(有機化学における保護基), edited by J.W.F. McOmie, Plenum Press (1973) and 'Protective Groups in Organic Synthesis'(有機合成における保護基), 3rd edition, T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Wiley-Interscience (1999))に記載がある。
本発明化合物およびその中間体は、その反応混合物から単離され得るが、必要であれば、標準的な技法を用いてさらに精製されてもよい。
ここで本発明について、以下の実施例を述べることによりさらに説明する。
一般法
H−NMRおよび13C−NMRはバリアン・イノバ(Varian Inova)400MHzまたはバリアン・マーキュリー(Varian Mercury)VX300MHz機器にて記録した。クロロホルム−d(δ7.27ppm)、ジメチルスルホキシド−d2.50ppm)、アセトニトリル−d1.95ppm)またはメタノール−d3.31ppm)の中心ピークを内部標準として使用した。カラムクロマトグラフィーはシリカゲル(0.040〜0.063mm、メルク)を用いて実施した。クロマジルKR−100−5−C18カラム(250×20mm、アクゾ・ノーベル)およびアセトニトリル/水と0.1%TFAとの混合物(流速10ml/分)を分取HPLC用に使用した。特に断りのない限り、出発原料は市販品を利用した。溶媒および市販の試薬類はすべて実験室等級のものとし、受領したままで使用した。
以下の方法をLC/MS分析に使用した:
装置=アジレント1100;カラム=ウォーターズ・シンメトリー2.1×300mm;マス=APCI;流速=0.7ml/分;波長=254または220nm;溶媒A=水+0.1%TFA;溶媒B=アセトニトリル+0.1%TFA;濃度勾配=15〜95%/B2.7分、95%B0.3分。
以下の方法をLC分析に使用した:
方法A:
装置=アジレント1100;カラム=クロマジルC18、100×3mm、5μ粒径;溶媒A=0.1%TFA/水;溶媒B=0.08%TFA/アセトニトリル;流速=1ml/分;濃度勾配=10〜100%/B20分、100%B1分。吸光度は220、254および280nmにて測定した。
方法B:
装置=アジレント1100;カラム=XTerraC8、100×3mm、5μ粒径;溶媒A=15mM−NH/水、溶媒B=アセトニトリル、流速=1ml/分、濃度勾配=10〜100%/B20分、100%B1分。吸光度は220、254および280nmにて測定した。
Figure 2008505172
(5S)−5−({[4−[(6−メトキシピリジン−3−イル)エチニル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]スルホニル}メチル)−5−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン・トリフルオロ酢酸塩
4−[(6−メトキシピリジン−3−イル)エチニル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸tert−ブチル(85mg、0.27mmol)をTHF(4ml)とHCl(4ml)に溶かし、室温で1時間攪拌した。得られる2−メトキシ−5−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イルエチニル)ピリジン塩酸塩をEtOH/トルエンに溶かして濃縮し(3回)、減圧下に乾燥した。生成物をTHF(3ml)とDMSO(1ml)に溶かし、ジイソプロピルエチルアミン(106μL、0.62mmol)をアルゴン下に加えた。混合物を0℃に冷却し、塩化[(4S)−4−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル]メタンスルホニル(73mg、0.32mmol)とTHF(1ml)との溶液を加えた。混合物を室温で3.5時間攪拌し、濃縮して、分取HPLCで精製して、生成物(4mg)を固体として得た。
1H-NMR (CD3CN): δ 8.48 (1H, s); 8.26 (1H, m); 7.68 (1H, dd); 6.77 (1H, d); 6.29 (1H, s); 6.14 (1H, m); 3.91 (3H, s); 3.86 (2H, m); 3.41 (2H, q); 3.39 (2H, m); 2.41 (2H, m); 1.47 (3H, s)。
APCI-MS m/z: 405 [MH+ - CF3COOH]。
a) 4−[(6−メトキシピリジン−3−イル)エチニル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸tert−ブチル
4−ヒドロキシ−4−[(6−メトキシピリジン−3−イル)エチニル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(285mg、0.86mmol)、ジクロロメタン(2.5ml)およびピリジン(2.5ml)の溶液に、0℃で三臭化リン(85μL、0.90mmol)を加えた。2.5時間後、さらに三臭化リン(30μL)を加え、反応物をさらに2時間攪拌した。混合物を水に注入し、クエン酸(10%)でpHを7の中性とした。水層をジクロロメタンで4回抽出し、併合した有機層を水で洗い、乾燥、濃縮して黄色の油状物(185mg)を得た。粗製の生成物を0〜100%EtOAc/ヘプタンの濃度勾配によるフラッシュ・クロマトグラフィーにより精製して、副題化合物(85mg)を油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3): δ 8.25 (1H, m); 7.60 (1H, m); 6.71 (1H, d); 6.11 (1H, m); 4.03 (2H, m); 3.95 (3H, s); 3.55 (2H, m); 2.34 (2H, m); 1.51 (3H, s); 1.49 (9H, s)。
APCI-MS m/z: 315 [MH+]。
b) 4−ヒドロキシ−4−[(6−メトキシピリジン−3−イル)エチニル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
副題化合物を Yamanaka, et al, Synth. Commun., 1983, 312-314 の方法に従い調製した。5−ブロモ−2−メトキシピリジン(188mg、0.99mmol)、4−エチニル−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(250mg、1.11mmol)およびEtN(1.5ml)からなる溶液に、CuI(5mol%)およびPdCl(PPh)(3mol%)を加え、その混合物を80℃で4時間加熱した。反応混合物を濃縮し、10〜100%EtOAc/ヘプタンの濃度勾配によるフラッシュ・クロマトグラフィーにより精製して、副題化合物(285mg)を固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6): δ 8.26 (1H, m); 7.75 (1H, dd); 6.83 (1H, d); 5.75 (1H, s); 3.86 (3H, s); 3.59 (2H, m); 3.24 (2H, m); 1.81 (2H, m); 1.61 (2H, m); 1.40 (9H, s)。
APCI-MS m/z: 277 [MH+-56]。
c) 4−エチニル−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−オキソピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルから、WO00/35908におけると同様に調製した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 3.77 (dd, 2H), 3.26 (ddd, 2H), 2.52 (s, 1H), 2.03 (s, 1H), 1.89 (tdd, 2H), 1.70 (ddd, 2H), 1.44 (d, 9H)。
GCMS-MS m/z: 225 [M+]。
d) 塩化[(4S)−4−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル]メタンスルホニル
以下の出版物に記載された方法に従い調製した:Mosher, J., J. Org. Chem., 1958, 23, 1257; Griffith, O., J. Biol. Chem., 1983, 258, (3), 1591、およびWO02/074767。
(5S)−5−({[4−[(6−フルオロピリジン−3−イル)エチニル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]スルホニル}メチル)−5−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン・トリフルオロ酢酸塩
標題化合物は実施例1について記載した方法と同じ方法で、5−ブロモ−2−フルオロピリジンから得た。
1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.77 (1H, bs); 8.38 (1H, d); 8.06 (2H, m); 7.27 (1H, m); 6.29 (1H, m); 3.81 (3H, s); 3.75 (2H, m); 3.48 (2H, m); 3.30 (2H, m); 2.33 (2H, m); 1.34 (3H, s)。
APCI-MS m/z: 393 [MH+ - CF3COOH]。
5−{[1−({[(4S)−4−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル]メチル}スルホニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]エチニル}ピリジン−2−カルボニトリル・トリフルオロ酢酸塩
標題化合物は実施例1について記載した方法と同じ方法で、5−ブロモピリジン−2−カルボニトリルから得た。
1H-NMR (CD3CN): δ 8.71 (1H, s); 8.48 (1H, bs); 7.94 (1H, dd); 7.80 (1H, d); 6.29 (2H, m); 3.89 (2H, q); 3.41 (2H, q); 3.39 (2H, t); 2.44 (2H, m); 1.46 (3H, s)。
APCI-MS m/z: 400 [MH+ - CF3COOH]。
(5S)−5−({[4−[(6−エチルピリジン−3−イル)エチニル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]スルホニル}メチル)−5−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン
標題化合物は、Nishihara, et al., J. Org. Chem., 2000, 65, 1780-1787 が記載した方法により調製した。2−エチル−5−[(トリメチルシリル)エチニル]ピリジン(0.22g、1.1mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸1−({[(4S)−4−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル]メチル}スルホニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル(0.42g、1mmol)の溶液に、CuCl(10mol%)およびPdCl(PPh)(5mol%)を加え、その混合物を85℃で6時間加熱した。混合物をEtOAc(20ml)と水(10ml)の層間に分配し、水層をEtOAcで3回抽出した。併合した有機層を食塩水で洗い、水で洗い、濃縮して褐色の油状物とした。分取HPLCにて精製し、標題化合物(20mg)を固体として得た。
1H NMR (DMSO-d6): δ 10.75 (1H, s); 8.56 (1H, d, J = 1.8 Hz); 8.02 (1H, s); 7.80 (1H, m); 7.32 (1H, d, J = 8.1 Hz); 6.24 (1H, s); 3.81 (2H, d, J = 3.2 Hz); 3.45 (2H, q, J = 26.9 Hz); 3.34 - 3.21 (2H, m); 2.75 (2H, q, J = 20.8 Hz); 2.34 (2H, m); 1.29 (3H, s); 1.19 (3H, t, J = 7.6 Hz)。
APCI-MS m/z: 403 [MH+]。
a) 2−エチル−5−[(トリメチルシリル)エチニル]ピリジン
5−ブロモ−2−エチル−ピリジン(0.707g、3.8mmol)(文献(J. Org. Chem., 1988, 53(2), 386-390)に従い調製)、エチニル(トリメチル)シラン(1.6ml、11.4mmol)、CuI(0.072g、0.38mmol)およびPdCl(PPh)(0.267g、0.38mmol)をEtN(5ml)中、80℃で4時間攪拌した。冷却後、減圧下に溶媒を除去し、残渣をクロマトグラフィーに付し、副題化合物0.25g(32%)を得た。
APCI-MS m/z: 204 [MH+]。
b) トリフルオロメタンスルホン酸1−({[(4S)−4−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル]メチル}スルホニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル
トリフルオロメタンスルホン酸1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル塩酸塩を実施例1の製造法と同じ方法で、塩化[(4S)−4−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル]メタンスルホニルと反応させた。
1H NMR (DMSO-d6): δ 10.77 (1H, s), 8.04 (1H, d), 6.10 (1H, t), 3.88 (2H, q), 3.36-3.58 (4H, m), 2.50-2.56 (2H, m), 1.32 (3H, s)。
APCI-MS m/z: 422 [MH+]。
c) 塩化4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−1,2,3,6−テトラヒドロピリジニウム
4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸tert−ブチル(3.77g、11.4mmol)をTHF(15ml)に溶かし、濃塩酸(15ml)を加えた。1時間後、溶媒を蒸発させ、生成物をトルエンとメタノールによる共沸蒸発により乾燥し、ベージュ色の固体(88%)を得た。これをさらに精製することなく使用した。
1H NMR (CDCl3): δ 9.72 (2H, s), 6.22 (1H, s), 3.75 (2H, q), 3.30 (2H, t), 2.65 (2H, td)。
APCI-MS m/z: 232 [MH+]。
d) 4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸tert−ブチル
N−boc−ピペリジン−4−オン(10.14g、50mmol)とTHF(80ml)の溶液を2M−LDA/THF(30ml、60mmol、1.2eq.)とTHF(80ml)との冷却溶液(−78℃)に、約30分に亘って滴下した。さらに10分間攪拌した後、1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド(20g、56mmol、1.1eq.)とTHF(80ml)の溶液を加え、その混合物を室温まで昇温した。溶液を水で洗い、水層をEtOAc(×2)で洗い、有機相を併合して、飽和塩化アンモニウム溶液、食塩水で洗い、乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。残渣を中性アルミナ(200g)で濾過して、n−ヘプタン、次いでn−ヘプタン/EtOAc(9:1)で溶出した。蒸発後、H−NMRスペクトルによると、生成物はなお一部トリフレート化剤の存在を示したが、さらに精製することなく使用した。収量13.17g(79.5%)。(Wustrow, D: J., Synthesis, 1991, 993-995)。
1H NMR (CDCl3): δ 5.77 (1H, s), 4.05 (2H, q), 3.64 (2H, t), 2.45 (2H, quintet), 1.48 (9H, s)。
GCMS-MS m/z: 274 [M-57]。
(5S)−5−メチル−5−({[4−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチニル}−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]スルホニル}メチル)イミダゾリジン−2,4−ジオン
標題化合物は、2−トリフルオロメチル−5−(トリメチルシラニルエチニル)ピリジンおよびトリフルオロメタンスルホン酸1−({[(4S)−4−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル]メチル}スルホニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル(実施例4b)から出発する以外、実施例4と同じ方法で合成した。
1H NMR (DMSO-d6): δ 10.75 (1H, s); 8.81 (1H, s); 8.14 (1H, d, J = 8.4 Hz); 8.02 (1H, s); 7.80 (1H, m); 7.19 (1H, d, J = 8.4 Hz); 7.32 (1H, d, J = 8.1 Hz); 6.24 (1H, s); 3.81 (2H, d, J = 3.2 Hz); 3.34 - 3.21 (2H, m); 3.30 (3H, s); 2.75 (2H, q, J = 20.8 Hz); 2.34 (2H, m); 1.19 (3H, t, J = 7.6 Hz)。
APCI-MS m/z: 443 [MH+]。
a) 2−トリフルオロメチル−5−(トリメチルシラニルエチニル)ピリジン
標題化合物は5−ヨード−2−(トリフルオロメチル)ピリジンから、実施例4aと同じ方法により98%の収率で調製された。
APCI-MS m/z: 244 [MH+]。
b) 5−ヨード−2−(トリフルオロメチル)ピリジン
6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−アミン(1.9g、12mmol)とテトラフルオロホウ酸(50%、23ml)との溶液を氷浴にて冷却した。得られるスラリーにNaNO(1.0g、16mmol)を攪拌下に分割して加えた。15分後、KI(2.4g、14mmol)と水(25ml)との溶液を少しずつ加えた。混合物を室温まで昇温し、さらに40分間攪拌した。この溶液をNa(10%水性)で脱色し、飽和NaHCO水にて注意深く中和した。水溶液はEtOAc/ジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。有機層を乾燥し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン、1:2)により精製して標題化合物(1.2g)を得た。
APCI-MS m/z: 274 [MH+]。
薬理学実施例
単離酵素アッセイ
MMP12
組換えヒトMMP12触媒ドメインを発現させ、文献(Parkar A.A. et al, (2000), Protein Expression and Purification, 20, 152)記載どおりに精製し得る。精製した酵素は以下のように活性インヒビターのモニターに使用し得る:MMP12(50ng/ml最終濃度)は室温で60分間、アッセイバッファー(0.1M“トリス−HCl”(商標)バッファー、pH7.3;0.1M−NaCl、20mM−CaCl、0.020mM−ZnClおよび0.05%(w/v)“Brij35”(商標)洗剤を含有)中、インヒビターの存在(10濃度)または不存在下、合成基質 Mca-Pro-Cha-Gly-Nva-His-Ala-Dpa-NH2 (10μM)とインキュベートする。活性はλex320nmおよびλem405nmでの蛍光を測定することにより決定する。パーセント阻害は以下のように計算する:
%阻害=[蛍光阻害剤添加−蛍光バックグラウンド]/[蛍光阻害剤非添加−蛍光バックグラウンド]
MMP8
精製 pro−MMP8はカルビオケムから購入する。酵素(10μg/mlで)は酢酸p−アミノ−フェニル−水銀(APMA)により1mMで、35℃、2.5時間活性化する。活性化した酵素を使用し、以下のように活性インヒビターをモニターすることができる:MMP8(200ng/ml最終濃度)は35℃(80%HO)で90分間、アッセイバッファー(0.1M“トリス−HCl”(商標)バッファー、pH7.5;0.1M−NaCl、30mM−CaCl、0.040mM−ZnClおよび0.05%(w/v)“Brij35”(商標)洗剤を含有)中、インヒビターの存在(10濃度)または不存在下、合成基質 Mca-Pro-Cha-Gly-Nva-His-Ala-Dpa-NH2 (12.5μM)とインキュベートする。活性はλex320nmおよびλem405nmでの蛍光を測定することにより決定する。パーセント阻害は以下のように計算する:
%阻害=[蛍光阻害剤添加−蛍光バックグラウンド]/[蛍光阻害剤非添加−蛍光バックグラウンド]
MMP9
組換えヒトMMP9触媒ドメインを発現させ、Znキレートカラム・クロマトグラフィーと、次いでヒドロキサム酸アフィニティー・カラム・クロマトグラフィーにより精製した。この酵素を用い、以下のように活性のインヒビターをモニターすることができる:MMP9(5ng/ml最終濃度)は室温で30分間、アッセイバッファー(0.1M“トリス−HCl”(商標)バッファー、pH7.3;0.1M−NaCl、20mM−CaCl、0.020mM−ZnClおよび0.05%(w/v)“Brij35”(商標)洗剤を含有)中、インヒビターの存在(10濃度)または不存在下、合成基質 Mca-Pro-Cha-Gly-Nva-His-Ala-Dpa-NH2 (5μM)とインキュベートする。活性はλex320nmおよびλem405nmでの蛍光を測定することにより決定する。パーセント阻害は以下のように計算する:
%阻害=[蛍光阻害剤添加−蛍光バックグラウンド]/[蛍光阻害剤非添加−蛍光バックグラウンド]
MMP14
組換えヒトMMP14触媒ドメインを発現させ、文献(Parkar A.A. et al, (2000), Protein Expression and Purification, 20, 152)記載どおりに精製し得る。精製した酵素は以下のように活性インヒビターのモニターに使用し得る:MMP14(10ng/ml最終濃度)は室温で60分間、アッセイバッファー(0.1M“トリス−HCl”(商標)バッファー、pH7.5;0.1M−NaCl、20mM−CaCl、0.020mM−ZnClおよび0.05%(w/v)“Brij35”(商標)洗剤を含有)中、インヒビターの存在(5濃度)または不存在下、合成基質 Mca-Pro-Cha-Gly-Nva-His-Ala-Dpa-NH2 (10μM)とインキュベートする。活性はλex320nmおよびλem405nmでの蛍光を測定することにより決定する。パーセント阻害は以下のように計算する:
%阻害=[蛍光阻害剤添加−蛍光バックグラウンド]/[蛍光阻害剤非添加−蛍光バックグラウンド]
発現・精製proMMPを用いるMMP9などの他のマトリックス・メタロプロテイナーゼに対する試験実施のプロトコールは、例えば、文献(C. Graham Knight et al., (1992) FEBS Lett., 296(3), 263-266)に記載がある。
MMP19
組換えヒトMMP19触媒ドメインを発現させ、文献(Parkar A.A. et al, (2000), Protein Expression and Purification, 20, 152)記載どおりに精製し得る。精製した酵素は以下のように活性インヒビターのモニターに使用し得る:MMP19(40ng/ml最終濃度)は35℃で120分間、アッセイバッファー(0.1M“トリス−HCl”(商標)バッファー、pH7.3;0.1M−NaCl、20mM−CaCl、0.020mM−ZnClおよび0.05%(w/v)“Brij35”(商標)洗剤を含有)中、インヒビターの存在(5濃度)または不存在下、合成基質 Mca-Pro-Leu-Ala-Nva-Dpa-Ala-Arg-NH2 (5μM)とインキュベートする。活性はλex320nmおよびλem405nmでの蛍光を測定することにより決定する。パーセント阻害は以下のように計算する:
%阻害=[蛍光阻害剤添加−蛍光バックグラウンド]/[蛍光阻害剤非添加−蛍光バックグラウンド]
タンパク質結合
血漿タンパク質結合は自動化96穴フォーマットアッセイにおける限外濾過により測定した。各試験ごとに、対照化合物(ブデソニド)の血漿タンパク質結合を並行してモニターした。
試験化合物(DMSOに溶かし10mM)を最終濃度10μMとして血漿に加え、室温で10分間平衡化した。血漿350μlを限外濾過プレート、マイクロコン−96(10kDaカットオフ、ミリポア)に移した。限外濾過プレートを3000G、室温で70分間遠心分離した。遠心分離後、得られた血漿水(非結合フラクション)中の化合物濃度を3ポイント検量線を用いて、LC−MS/MSにより測定し、当初のスパイク血漿中の濃度に比較した。
分析は移動相として酢酸/アセトニトリルによる濃度勾配クロマトグラフィー系を用いて実施した。検出はエレクトロスプレー・インターフェース付きトリプル四重極質量分析計API3000またはAPI4000(アプライド・バイオシステムズから)を用いて実施した。
溶解度測定プロトコール
0.1Mリン酸バッファー(pH7.4)中の試験化合物の溶解度は、以下のように測定した:
試験化合物(1mg)をネジ蓋付き2ml容ガラスバイアルに秤量し、0.1Mリン酸バッファー(pH7.4)(1.00ml)を加えた。次いでサンプルバイアルを約10分間超音波処理し、次いで振盪板上に20℃で一夜放置した。次いでサンプルバイアルの内容物をミリポア・マイレックス−LH0.45μmフィルターで、あらたな20ml容バイアル中に濾過し、澄明な溶液を得た。澄明な溶液(40μL)をあらたな2ml容ガラスバイアルに移し、0.1Mリン酸バッファー(pH7.4)(960μL)で希釈した。
各特定試験化合物についての標準検量線は、既知濃度の溶液を用いて作成した。既知濃度のこれら溶液は、通常、〜10μg/mlおよび〜50μg/mlの濃度を有するように選択した。これらの溶液は既知重量の化合物を99.5%エタノール(500μL)に溶解し、要すれば1分間超音波処理することにより調製した。化合物がなお完全に溶けない場合、DMSO(500μL)を加え、その混合物をさらに1分間超音波処理した。次いで、得られる溶液はアセトニトリル/100mM酢酸アンモニウム(pH5.5)(20−50/80−50)で適当な容量に希釈した。要すれば、さらに薄い標準溶液を希釈により調製した。
次いで、試験化合物溶液および標準溶液をUV検出器付きHPLCにより、以下のパラメータで分析し、0.1Mリン酸バッファーに対する試験化合物の溶解度をそれにより決定した:
HPLC装置:HP1100/HP1050
カラム: ハイピュリティ・アドバンスド、5μm、125×3mm
カラム温度: RT
流速: 1ml/分
移動相: A=アセトニトリル
B=100mM酢酸アンモニウムpH5.5
無濃度勾配比:A/B20−50/80−50
UV検出器: 254nm(220−280nm)
注入容量: 20μL
クロマトグラフィーデータ処理システム:ATLAS/Xクローム
LogD測定用プロトコール
pH7.4でのLogD値は振盪フラスコ法を用いて測定した。適切な少量の試験化合物をネジ蓋付き2ml容ガラスバイアルに室温で容れ、1−オクタノール(10mMリン酸バッファーpH7.4で飽和)600μLを加えた。次いで、このバイアルを1分間超音波処理し、化合物を完全に溶解させた。次いで、10mMリン酸バッファーpH7.4(1−オクタノールで飽和)600μLを加え、バイアルを4分間振盪して2相を混合した。次いでこのサンプルを室温、10分間、1000gで遠心分離し、2相を分離した。最後に、分離した水相と有機相を以下の条件により2回ずつHPLCで分析した:
インジェクター: スパーク・オランダ、耐久性
ポンプ: HP1050
検出器: クラトス(Kratos)、スペクトロフロー783
カラム: YMC ProC18、5μm、50×4mm、
パートno.AS12S050504QT
カラム温度: RT
流速: 1ml/分
移動相: A=アセトニトリル
B=25mMギ酸
C=100mM酢酸アンモニウムpH5.5
D=0.05%酢酸アンモニウム
濃度勾配: 0.00分 A/BまたはA/CまたはA/D 5/95
5.00分 A/BまたはA/CまたはA/D 100/0
7.00分 A/BまたはA/CまたはA/D 100/0
7.02分 A/BまたはA/CまたはA/D 5/95
UV検出器: 254nm
注入容量: 未希釈水相50μL
10倍希釈(メタノールで)有機相5μL
注入サイクル時間:11分
遠心分離機: ヘチッヒ(Hettich)、ユニバーサル30RF
ボルテックス: サイエンティフィック・インダストリーズ、ボルテックス2ジェニー
クロマトグラフィーデータ処理システム:ATLAS/Xクローム
LogD(pH7.4)値は、ATLASクロマトグラフィーデータ処理システムから報告された化合物のピーク面積応答を手動タイプした後のエクセルシートにより自動的に計算された(下記等式参照)。
等式によるLogD(pH7.4)値の計算:
Figure 2008505172
以下の表は本発明化合物の代表的選択例のデータおよびWO02/074767からの選択化合物のデータを示す。
Figure 2008505172

Claims (15)

  1. 式(I):
    Figure 2008505172
    [式中、
    はC1〜2アルキル、シクロプロピル、F、CN、OCH、SCHまたはOCFを表す;当該アルキルまたはシクロプロピル基は所望により1個以上のフルオロ原子によってさらに置換されている;そして
    はC1〜3アルキルを表す]
    で示される化合物またはその医薬的に許容される塩。
  2. が、所望により1個以上のフルオロ原子によってさらに置換されているC1〜2アルキルを表す請求項1記載の化合物。
  3. がCFを表す請求項2記載の化合物。
  4. がエチルを表す請求項2記載の化合物。
  5. がメチルまたはエチルを表す請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. がメチルを表す請求項5項記載の化合物。
  7. (5S)−5−({[4−[(6−メトキシピリジン−3−イル)エチニル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]スルホニル}メチル)−5−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン;
    (5S)−5−({[4−[(6−フルオロピリジン−3−イル)エチニル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]スルホニル}メチル)−5−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン;
    5−{[1−({[(4S)−4−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル]メチル}スルホニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]エチニル}ピリジン−2−カルボニトリル;
    (5S)−5−({[4−[(6−エチルピリジン−3−イル)エチニル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]スルホニル}メチル)−5−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン;
    (5S)−5−メチル−5−({[4−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチニル}−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]スルホニル}メチル)イミダゾリジン−2,4−ジオン;
    およびその医薬的に許容される塩からなる群より選択される請求項1記載の化合物。
  8. 請求項1に定義した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の製造法であって、
    a) 式(II):
    Figure 2008505172
    [式中、Rは式(I)で定義したとおりであり、Lは脱離基を表す]
    で示される化合物と、式(III):
    Figure 2008505172
    [式中、Rは式(I)で定義したとおりである]
    で示される化合物(またはその塩)との反応;または
    b) 式(X):
    Figure 2008505172
    [式中、Rは式(I)で定義したとおりである;RはHまたは適切な保護基である;そして、Xはハライドまたはトリフレートなどの脱離基である]
    で示される化合物と、式(IX):
    Figure 2008505172
    [式中、Rは式(I)で定義したとおりである]
    で示されるアセチレン化合物との反応;または
    c) 式(XI):
    Figure 2008505172
    [式中、RはHまたはトリメチルシリルを表す;Rは式(I)で定義したとおりである;そして、RはHまたは適切な保護基を表す]
    で示される化合物と、式(VI):
    Figure 2008505172
    [式中、Rは式(I)で定義したとおりであり、Xはハライドまたはトリフレートを表す]
    で示されるハロゲン化アリールまたはアリールトリフレートとの反応;
    そしてその後、所望により医薬的に許容されるその塩を形成することを含む方法。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と共に含有してなる医薬組成物。
  10. 請求項9に記載の医薬組成物の製造法であって、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と混合することを含む方法。
  11. 治療に使用する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩。
  12. 閉塞性気道疾患の処置に使用する医薬の製造における請求項1ないし7のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の使用。
  13. 閉塞性気道疾患が喘息または慢性閉塞性肺疾患である請求項12記載の使用。
  14. MMP12および/またはMMP9が介在する疾患または症状の処置方法であって、請求項1ないし7に記載の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の治療有効量を患者に投与することを含む方法。
  15. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の治療有効量を患者に投与することを含む閉塞性気道疾患の処置方法。
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