JP2008504355A - 癌の処置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、癌、および白血病の処置において、一緒に効果を増強させる、抗Hsp90抗体とともに効果的な抗癌剤を含む、新規薬剤および調製物に関する。
Description
本発明は、結腸直腸癌を含む癌の処置において一緒に効果を増強させる、抗Hsp90抗体とともに効果的な医薬品を含む、新規薬剤および調製物に関する。本発明の他の態様は、白血病の処置に関する。
癌治療および白血病の処置
本発明の第一の態様は、癌の処置において一緒に効果を増強させる、抗Hsp90抗体とともに効果的な抗癌剤を含む、新規薬剤および調製物に関する。
本発明の第一の態様は、癌の処置において一緒に効果を増強させる、抗Hsp90抗体とともに効果的な抗癌剤を含む、新規薬剤および調製物に関する。
タンパク質の熱ショックタンパク質(Hsp)ファミリーのメンバーは、腫瘍形成および細胞死において重要な役割を持つとして、近年明らかになってきた。実際、熱ショックタンパク質が、長年、癌治療に関する可能性ある標的であるとして同定されてきており(Whitesell L et al.,PNAS USA,1994 Aug 30,91(18):8324−8;PMID:8078881)、アンサマイシンファミリーのメンバー(以前は、チロシンキナーゼ阻害剤と呼ばれていた)が、癌治療に影響を与えることに有用であることが示唆されてきた(Neckers L et al.,Invest New Drugs,1999,17(4):361−73;PMID:10759403;Schulte TW et al.,Cancer Chemother Pharmacol.,1998,42(4):273−9;PMID:9744771)。
1つの熱ショックタンパク質、Hsp90が、乳癌、前立腺癌、黒色腫、白血病およびリンパ腫、大腸癌および肺癌(Banerji U et al.,Curr Cancer Drug Targets,2003 Oct;3(5):385−90;PMID:14529390)、ならびに甲状腺カルシノーマに関与することが明らかにされてきた。Hsp90の役割は、例えばシグナル伝達のような、広い範囲の細胞工程に関与する、「クライアントタンパク質」の正確なホールディングを確実にすることである。Hsp90クライアントタンパク質には、変異p53および低酸素症誘導因子1αのような転写因子、およびv−Src、Akt、Raf−1およびBcr−Ablを含む可溶性キナーゼが含まれる。Hsp90は、正常細胞におけるレベルと比べて、腫瘍細胞では2〜10倍高いレベルで構造的に発現しており、これは、腫瘍細胞の増殖/生存に関して重要でありうることを示唆している(Schwartz,J.et al.,2003,Semin.Hematol.40:p87−96)。クライアントタンパク質のHsp90への結合が、その配座、安定性および細胞内での運命を調節可能であるので、Hsp90は、細胞増殖、***、分化、移動および死を含む、細胞効果を調節する経路において、主要な影響をもちうる(Workman,P.,Cancer Lett.2004 Apr 8;206(2):149−57;PMID:15013520)。細胞工程における、Hsp90の広く行き渡る役割は、本タンパク質が現在、治療薬物の開発にとって、可能性のある標的としてみられていることを意味する。単一の分子標的と特異的に相互作用することによって、Hsp90阻害剤が、Hsp90クライアントタンパク質の不安定化と、ひいては分解を引き起こす。
本発明の第二の態様は、白血病の処置において一緒に効果を増強させる、抗Hsp90抗体とともに効果的な抗癌剤を含む、新規薬剤および調製物に関する。
白血病は、骨髄に影響を与える癌である。白血病を患う人々においては、骨髄が多数の異常な白血球細胞を産出する。異常な白血球細胞が骨髄内に密集し、それにより骨髄は、十分な正常赤血球細胞、白血球細胞および血小板を産出できなくなる。
異なる型の白血病は、進展の速度(急性または慢性)と影響を受ける白血球細胞の型(骨髄性またはリンパ性細胞)によって分類可能である。骨髄性白血球細胞は、感染に対する防御の免疫系第一ラインであり、主に血中で見られ、外来有機物を飲み込み殺す。リンパ性白血球細胞はリンパ節および血中で見られる。
4つの最も一般的な白血病の型には、慢性リンパ性(リンパ球性)白血病(CLL)、急性骨髄性(骨髄芽球性)白血病(AML)、急性リンパ性(リンパ芽球性)白血病(ALL)、および慢性骨髄性白血病(CML)がある。
CLLはリンパ球の癌であるだけではなく、またALLよりさらにゆっくりと進展する。本疾患は、成人を襲う白血病の最も一般的な型であり、子供では非常にまれである。
AMLは、顆粒球として知られている骨髄細胞に主に影響を与える癌である。このAMLは血管をブロック可能な非常に多くの骨髄芽球を産出するが、骨髄細胞まで十分に成熟しない。本疾患は主に成人で発生するが、子供も襲い得る。
(慢性顆粒球性白血病とも呼ばれている)CMLは、典型的には、好中球細胞のゆっくりと進行する癌であり、子供ではまれであり、一般的に、女性よりも成人男性に多い。CMLは通常、95%を超える患者の白血病細胞が、異なる細胞遺伝学的異常、フィラデルフィア染色体(Ph1)を有するので、簡単に診断される(Kurzrock,R.et al.,2003,Ann.Intern.Med.138(10):p819−30,PMID:12755554;Goldman,J.M.およびMelo,J.V.,2003,N.Engl.J.Med.349(15):p1451−64,PMID:14534339)。Ph1は、染色体9および22の長腕間の相互関係転移の結果であり、全ての造血前駆体において実証される(Deininger,M.W.et al.,2000,Blood 96(10):p3343−56,PMID:11071626)。この転移は結果として、染色体9上のAbelson(abl)癌遺伝子の、ブレイクポイントクラスター領域(BCR)と呼ばれる、染色体22の領域への転移となる(Deininger,M.W.et al.,2000,Blood 96(10):p3343−56,PMID:11071626)。続いてこれが結果として、8.5kbキメラmRNAをコードする、融合BCR/ABL遺伝子となる。BCR/ABL遺伝子は、マウス中でCML様疾患を産出するのに十分な癌遺伝子である。BCR/ABL癌遺伝子の転写物が翻訳されて、210kDaまたは190kDaタンパク質が産出される。Bcr−Ablタンパク質は、CML中で見られる無秩序な骨髄造血を引き起こす、異常なチロシンキナーゼタンパク質である。CMLは、慢性期、加速期および急性転化と呼ばれる、異なる臨床病期を通して進行する。BCR/ABL癌遺伝子は全ての期で発現されるが、急性転化は、多重のさらなる遺伝的および分子的変化によって特徴づけられる(Gorre,M.E.et al.,2002,Blood,100(8):p3041−3044)。
Ph1陰性CMLは、結果としてBcr−Abl融合mRNAとなる、t(9;22)(q34;q11)転移の細胞遺伝学的または分子的(RT−PCR)証拠なしの、CMLの臨床的特性によって特徴づけられる、まれな疾患である。Ph1陰性CMLは、他の骨髄増殖性症候群からはっきりと区別されない、よく定義されていない存在である。Bcr−Ablo転写物に関するRT−PCR解析の通常の近接性とともに、全ての臨床CMLの5〜10%を考慮した場合、この数字は現在5%未満である。興味深いことに、この状態の何人かの患者が、Ablへの異なる融合の結果であり得る。t(9;12)の結果としての、TEL(ETV6)−ABL融合が、Ph−CMLの2つの場合で実証されてきている。Ph1陰性CMLの患者は一般的に、Ph1陽性患者と比べて、処置に対する応答が弱く、生存が短い(Onida,F.et al.,2002:Cancer 95(8):p1673−84,PMID:12365015)。
ALLは、リンパ芽球として知られている、未熟リンパ球の癌である。この疾患は、若年小児、通常1〜7歳の間で最も一般的な白血病の型であり、成人では非常にまれである。ALLは、多くの異常なリンパ球を発生させ、これが、正常の赤血球細胞および血小板を押しのける。185kDa Bcr−Ablタンパク質が、ALLの発達に直接関与している。
Hsp90阻害剤として働く、2つの薬物、ゲルダナマイシン(GA)および17−アルキルアミノ、17−デスメトキシゲルダナマイシン(17−AAG)が、臨床試験において、見込みのある生物学的および臨床的活性を示した。実際、210kDa Bcr−Abl融合タンパク質(p210Bcr−Abl)は、その安定性に関して、Hsp90とのその相互作用に依存しており、GAまたは17−AAGでの細胞の処置が、p210Bcr−Ablの急速な崩壊を導く。
従来の細胞毒性試薬または他の新規の試薬との組み合わせでの、17AAGのようなHsp90阻害剤がまた、多重段階腫瘍形成を攻撃するのに、治療的に価値があり得る(Workman P.,Cancer Lett.2004 Apr 8;206(2):149−57;PMID:15013520)。遺伝的不安定性によって特徴づけられる癌細胞において、Hsp90活性を阻害することによって、17AAGが、腫瘍に対する「合成致死」を一緒に証明する、種々の変異を放出する。腫瘍細胞の遺伝的不安定性を持たない正常の細胞は、相対的に影響を受けない(Garber,K.,2002,Journal of the National Cancer Institute,Vol.94,No.22,p1666−1668)。17AAGでの明らかな問題は、薬物が長期治療に関してあまりにも毒性であり、結果として、非毒性の置換が必要であることである(Banerji et al.,上記)。
メシル酸イマチニブ(Gleevec(RTM))は、単一試薬として、新生物疾患において主要な影響を持つ、小分子チロシンキナーゼ阻害剤である。病原性9;22転移を有する悪性物の、Bcr−Ablチロシンキナーゼ特性の阻害剤として本来設計され、イマチニブは、穏やかな特異性を有すると証明されており、慢性骨髄性白血病(CML)およびフィラデルフィア染色体陽性(Ph1+)ALLの処置において主に影響を持つ(Krystal,GW,2004,Leukemia Research 28S1:pS53−S59)。CMLのイマチニブ処置に関連した問題の1つは、Bcr−Ablチロシンキナーゼにおける変異の結果としての薬物の耐性である。重要なことに、in vivoでイマチニブに耐性となるCML細胞は、そのHsp90依存性を維持し、したがって、17AAGに対する感受性を維持する。
最近の発行物によって、腫瘍Hsp90が、完全に、悪性進行を促進する多重シャペロン複合体において存在すること、およびこれらが、癌治療に対する魅力ある標的であることが示唆されている。特に、腫瘍細胞から由来した多重シャペロン複合体におけるHsp90が、正常細胞からのHsp90(すなわち潜在的な未複合化状態のHsp90)よりも、17AAGに対して100倍高い結合親和性を有することが示され、これは、多重シャペロン複合体において、潜在的な未複合化Hsp90によって提示されないエピトープ(特に四つ組エピトープ(quaternary epitopes))を提示しうることが示唆される。ミコグラブ(RTM)抗体は、結合速度論に逆の効果を持たずに、その潜在的未複合化状態、また多重シャペロン複合体でのHsp90と結合可能である。
WO01/76627は、(i)ポリエンまたはベータグルカンシンターゼ阻害剤抗真菌薬、および(ii)真菌Hsp90に対して特異的な抗体、の組み合わせを含む、真菌感染症の処置に対する組成物であって、本質的にその抗真菌薬に対する耐性にも関わらず、感染を引き起こす真菌に対して効果的な組成物を示している。
本発明の第一の態様によれば、癌の処置のための薬剤の製造方法における、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ハーセプチン、ドセタキセルおよびシスプラチンからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤
の使用が提供される。
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ハーセプチン、ドセタキセルおよびシスプラチンからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤
の使用が提供される。
ドキソルビシンは、抗腫瘍剤であるとすでに認識されたアントラサイクリン抗生物質剤である。
エピルビシンは、これも抗腫瘍剤としてすでに認識された、毒性が低い合成アントラサイクリン抗生物質である。
ダウノルビシンは、抗癌剤を含む、多数の治療領域において使用される抗新生物薬である。
ハーセプチン(トラストゥズマブ)は、HER2タンパク質過剰発現転移性乳癌の処置のために使用されるモノクローナル抗体である。
ドセタキセルは、認知された抗癌剤であり、有糸***阻害剤である。
シスプラチンは認知された抗癌剤であり、白金複合体を含む。
以下の実験結果(「実験A」)で詳述するように、ドキソルビシンおよびダウノルビシンが特に好ましく、抗Hsp90抗体と特に良好な相乗効果を示す。ハーセプチンもまた、抗Hsp90抗体と良好な相乗効果を示す。相乗効果はまた、抗Hsp90抗体と組み合わせた場合に、ドセタキセルとシスプラチンで観察される。ダウノルビシンと抗体間の相乗効果は、エストロゲンレセプター陽性細胞で特に明白であり、したがって抗体およびダウノルビシンを用いる薬剤および治療が、特に、エストロゲンレセプターを有する細胞に対してである(または投与される)。
実験(「実験A」)はまた、抗Hsp90抗体と一緒に使用した場合、他の抗癌剤が、可もなく不可もない結果(パクリタキセル)または拮抗作用(イマチニブ)いずれかを示すことを示している。これは、抗Hsp90抗体と組み合わせた場合に、上記の抗癌剤で達成された相乗効果の驚くべき/予想外の性質を確かにする。
また、癌の処置における、同時、分離または連続使用のための、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ハーセプチン、ドセタキセルおよびシスプラチンからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を含む組み合わせ調製物が提供される。
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ハーセプチン、ドセタキセルおよびシスプラチンからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を含む組み合わせ調製物が提供される。
また、必要としている患者に、治療的に効果的な量の、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ハーセプチン、ドセタキセルおよびシスプラチンからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を投与することを含む、癌の処置方法が提供される。
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ハーセプチン、ドセタキセルおよびシスプラチンからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を投与することを含む、癌の処置方法が提供される。
本明細書で使用するところの、語句「処置(treatment)」は、他に特に言及しない限り、広い意味を有することが意図される。したがって、「処置」または「治療(therapy)」は、ヒトまたは動物体の疾患または機能異常の症状を治癒させる、緩和する、除去するまたは少なくさせる、またはその可能性を防止または減少させるために設計される任意の処置を意味する。したがって、語句「処置」は、疾患状態の処置、ならびにその予防の両方を意味する。
抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号1の配列を含むペプチドによって提示されるエピトープに対して特異的でありうる。
以上で議論したように、多重シャペロン複合体中のHsp90によって提示される四つ組エピトープが、治療の適切な標的であると示唆されてきているが、実験(以下)によって、実際に、直線エピトープが治療に対して有用であり、効果的な標的であることが示されている。
抗体、それらの製造および使用は周知であり、例えば、Harlow,E and Lane,D.,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York,1999にて開示されている。
抗体は、当分野で公知の標準的な方法を用いて産出してよい。抗体には、例えば、(限定はしないが)、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、一本鎖、Fabフラグメント、Fab発現ライブラリーによって産出されるフラグメント、および抗体の抗原結合フラグメントが含まれる。
抗体は、例えばヤギ、ウサギ、ラット、マウス、ヒトなど、種々の宿主中で産出してよい。これらに、真菌ストレスタンパク質、または免疫原特性を有するそれらの任意のフラグメントまたはオリゴペプチドを注射することによって免疫性を与えてよい。宿主種に依存して、種々のアジュバントを使用して、免疫応答を増加させることができる。このようなアジュバントには、限定はしないが、フロイド、水酸化アルミニウムのようなミネラルゲル、およびリソレシチン、プルロニックポリオール類、ポリアニオン類、ペプチド類、油エマルジョン類、キーホールリンペットヘモシアニン、およびジニトロフェノールのような表面活性基質が含まれる。ヒトで使用されるアジュバントのうち、BCG(Bacille Calmette−Guerin)およびコリネバクテリウム パルバム(Corynebacterium parvum)が特に有用である。
真菌タンパク質、またはその任意のフラグメントまたはオリゴペプチドに対するモノクローナル抗体を、培養中での連続細胞株によって、抗体分子を産出するために提供される、任意の技術を用いて調製してよい。これらには、限定はしないが、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、およびEBVハイブリドーマ技術(Koehler et al.,1975,Nature,256:495−497;Kosbor et al.,1983,Immunol.Today 4:72,Cote et al.,1983,PNAS USA,80:2026−2030;Cole et al.,1985,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss Inc,,New York,pp.77−96)が含まれる。
さらに、「キメラ抗体」の産出のために開発された技術、適切な抗原特異性および生物学的活性を有する分子を得るための、マウス抗体遺伝子のヒト抗体遺伝子へのスプライシングを使用可能である(Morrison et al.,1984,PNAS USA,81:6851−6855;Neuberger et al.,1984,Nature,312:604−608;Takeda et al.,1985,Nature,314:452−454)。あるいは、真菌ストレスタンパク質特異的一本鎖抗体を産出するために、当分野で公知の方法を用いて、一本鎖抗体の産出のために記述された技術を適合してよい。関連した特異性を有するが、異なるイディオタイプ組成の抗体を、無作為組み合わせ免疫グロブリンライブラリーから鎖をシャッフルすることによって産出してよい(Burton,D.R.,1991,PNAS USA,88:11120−11123)。
抗体を、リンパ球集団中でのin vivo産出を誘導することによって、または高特異性結合試薬の、組換え体免疫グロブリンライブラリーまたはパネルをスクリーニングすることによって、産出してもよい(Orlandi et al.,1989,PNAS USA,86:3833−3837;Winter,G et al.,1991,Nature,349:293−299)。
抗原結合フラグメント、例えば抗体分子のペプシン消化によって産出可能なF(ab’)2フラグメント、およびF(ab’)2フラグメントの二硫化物橋の還元によって産出可能なFabフラグメントをまた産出してもよい。あるいは、Fab発現ライブラリーを構築して、所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速で簡単な同定を可能にすることができる(Huse et al.,1989,Science,256:1275−1281)。
種々の免疫アッセイを、所望の特異性を有する抗体を同定するためのスクリーングに使用してよい。確立された特異性を有するポリクローナルまたはモノクローナル抗体いずれかを用いる、競合結合または免疫放射定量測定法のための多数のプロトコルが当分野で周知である。このような免疫アッセイには、典型的には、真菌ストレスタンパク質またはその任意のフラグメントまたはオリゴペプチドと、その特異的な抗体間での複合体形成の測定が含まれる。2つの干渉しない真菌ストレスタンパク質エピトープに対して特異的なモノクローナル抗体を用いる、二部位のモノクローナルに基づく免疫アッセイを使用してよいが、競合結合アッセイもまた利用してよい(Maddox et al.,1983,J.Exp.Med.,158:1211−1216)。
例えば、組成物または組み合わせ調製物にて使用した抗体は、配列番号2の配列を含みうる。
本発明者は、通常処置しうる癌に、乳癌、前立腺癌、黒色腫、白血病、リンパ腫、白血病、大腸癌、精巣生殖細胞癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮癌、甲状腺癌および肺癌からなる群より選択される、線維肉腫および癌が含まれることを発見した。
本発明の第二の態様によれば、白血病の処置のための薬剤の製造方法における、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、
の使用が提供される。
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、
の使用が提供される。
また、白血病の処置のための薬剤の製造方法における、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)イマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびヒドロキシウレアからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
の使用が提供される。
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)イマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびヒドロキシウレアからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
の使用が提供される。
2−フェニルアミノピリミジンの誘導体である、イマチニブは、タンパク質チロシンキナーゼに対する活性を有する小分子拮抗薬であり、Bcr−Ablの強力かつ特異的な阻害を示す。イマチニブは、急性転化、急性期における、またはIFN治療の失敗後の慢性期における、CMLを患う患者の処置に適応される。
パクリタキセルは、いくつかの型の癌の処置として考えられる化学療法剤である。卵巣癌、乳癌および非小細胞肺癌を処置するために、最も一般的に使用される。
ドセタキセルは、認知された抗癌剤であり、有糸***阻害剤である。
ダウノルビシンは、抗癌剤としてを含む、多数の治療領域で使用される抗新生物薬である。
ドキソルビシンは、抗腫瘍剤であるとすでに認識されたアントラサイクリン抗生物質剤である。
ヒドロキシウレアは、抗新生物、リボヌクレオチド還元酵素阻害剤である。
以下の実験結果にて詳述するように(「実験B」)、ドキセタキセルおよびパクリタキセルが特に好ましく、抗Hsp90抗体と特に良好な相乗効果を示す。相乗効果はまた、抗Hsp90抗体と組み合わせた場合に、イマチニブ、ドキソルビシン、ダウノルビシンおよびヒドロキシウレアで観察される。抗Hsp90抗体と一緒に使用した場合に、抗癌剤シスプラチンは可もなく不可もない結果を示した。このことは、抗Hsp90抗体と組み合わせた場合に、上記の抗癌剤で達成された相乗効果の驚くべき/予想外の性質を確かにする。
また、白血病の処置における同時、分離または連続使用のための、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)イマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびヒドロキシウレアからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を含む組み合わせ調製物が提供される。
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)イマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびヒドロキシウレアからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を含む組み合わせ調製物が提供される。
組み合わせ調製物には、例えば、別々の用量で、(i)の抗体と、(ii)の少なくとも1つの抗癌剤を含む医薬品パックが含まれる(すなわち、単一調製物中で一緒に混合されない)。
また、必要としている患者に、治療的に効果的な量の、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)イマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびヒドロキシウレアからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を投与することを含む、白血病の処置方法が提供される。
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)イマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびヒドロキシウレアからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を投与することを含む、白血病の処置方法が提供される。
白血病は、慢性骨髄性白血病または急性リンパ性白血病であってよく、少なくとも1つの抗癌剤はイマチニブであってよい。
抗体またはその抗原結合フラグメントが、配列番号1の配列を含むペプチドによって提示されるエピトープに対して特異的であってよい。
例えば、組成物または組み合わせ調製物中で使用する抗体は、配列番号2の配列を含んでよい。
抗癌剤はイマチニブであってよい。
本発明者は、通常処置されうる白血病には、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病および急性リンパ性白血病からなる群より選択される白血病が含まれる。
白血病は、慢性骨髄性白血病または急性リンパ性白血病であってよい。
慢性骨髄性白血病は、Ph1陽性またはPh1陰性であり、すなわち、フィラデルフィア染色体を含む(Ph1陽性)、またはフィラデルフィア染色体を欠く(Ph1陰性)白血病細胞によって特徴づけられる。
本発明者は、通常イマチニブで処置されうる慢性骨髄性白血病が、Ph1陽性またはPh1陰性のいずれかでありうることを発見した。
白血病は、Ph1陽性の慢性骨髄性白血病であってよく、抗癌剤はイマチニブであってよい。特に、本発明者は、Ph1陽性のCMLの処置が、配列番号2の配列を含む抗体およびイマチニブの組み合わせによって影響を受けうることを発見した。いかなる理論にも固執する意図はないが、Hsp90が、配列番号2の配列を含む抗体によって、隔離され、したがって、(CMLにて発見された異常骨髄造血を引き起こす)異常なBcr−Ablチロシンキナーゼが、例えば誤って折りたたまれ、タンパク質分解の標的となり、および/または骨髄造血経路においてその効果を発揮することを防止することを意味する。
この処置は、イマチニブ耐性CML Ph1陽性細胞においてさらに効果的である。いかなる理論にも固執する意図はないが、イマチニブに対する耐性が、例えばタンパク質に対する結合から薬物を防止する、および/または薬物の活性様式を干渉しうる、異常なBcr−Ablチロシンキナーゼにおける集結変異による可能性がある。イマチニブ耐性細胞において、配列番号2の配列を含む抗体による、Hsp90の隔離によって、変異導入異常チロシンキナーゼが、例えば誤って折りたたまれ、タンパク質分解の標的となり、および/または骨髄造血経路におけるその効果を発揮することが防止される。通常、異常なタンパク質への結合およびその発現の阻害によって、癌細胞と関連した遺伝的変異を「緩衝する」ように働くHsp90の隔離によって、腫瘍細胞に対して、一緒に合成致死を証明するように、種々の変異が放出されうる。腫瘍細胞の遺伝的不安定性を欠く正常の細胞は、比較的影響を受けない。
さらに、とくに驚くべきことに、本発明者は、Ph1陰性であるCMLの処置が、配列番号2の配列を含む抗体とイマチニブの組み合わせによって影響を受けうることを発見した。
白血病は、Ph1陰性の慢性骨髄性白血病であってよく、抗癌剤はイマチニブであってよい。
この発見は、Ph1陰性CML細胞が、Ph1陽性細胞と関連する異常なチロシンキナーゼタンパク質を欠くことから、驚くべきことである。しかしながら、いかなる理論にも固執する意図はないが、Ph1陰性細胞中の本キナーゼが低レベルまたは基底レベル(異常またはそれ以外のいずれか)である可能性があり、上述したように、Hsp90の隔離が配列番号2の配列を有する抗体によってであることは、チロシンキナーゼタンパク質が、誤って折りたたまれ、タンパク質分解の標的となり、および/または骨髄造血経路におけるその効果を発揮することを防止されることを意味する。また、Hsp90の隔離によって、腫瘍細胞によって、一緒に合成致死を証明するように、種々の変異が放出されうる。
Ph1陰性細胞における、イマチニブおよび抗Hsp90抗体の驚くべき効果は、TEL(ETV6)−ABL融合の存在による可能性があり、これは、Ph1陰性CMLの2つの場合で実証されており(Krystal,GW,2004,Leukemia Research 28S1:pS53−S59)、イマチニブに対して感受性である。
白血病は、イマチニブ耐性の細胞によって特徴づけられうる。
本発明の組成物または調製物はさらに、公知のHsp90阻害剤、例えばGAまたは17−AAGを含んでよい。
本発明の第三の態様(実験C)は、結腸直腸癌または腺癌の処置において、一緒に効果を増強する、抗Hsp90抗体とともに効果的な抗癌剤を含む、新規薬剤および調製物に関する。
結腸直腸癌は、大腸または回腸の悪性腫瘍である。結腸直腸癌は、癌罹患率および死亡率の主要な原因である。英国では、男性で三番目に多い癌であり、女性においては、二番目に多い癌である。95パーセントの結腸直腸癌がアデノカルシノーマであり、これは、大腸および回腸の内部に並ぶ腺細胞の癌である。
結腸直腸癌の標準的な処置は、通常、5−フルオロウラシルおよびロイコボリン(ホリニル酸)の組み合わせである。
5−フルオロウラシル(5−FU)が、胃−消化管癌および乳癌を含む、多数の固形癌を処置するために使用される。進行性結腸直腸癌にて、ホリニル酸とともに一般的に使用される。5−FUは、細胞内で、FdUMPに変換され、DNA、タンパク質およびRNA合成を阻害するチミジン酸シンターゼ(TS)と複合体を形成する。
ホリニル酸(ロイコボリン)は、5−FUとの組み合わせで与えられるビタミンである。ホリニル酸は、5−フルオロウラシルに対する応答速度を増加させ、疾患のない、そして全生存の有意な改善を伴う。ホリニル酸は、細胞内葉酸を増加させ、FdUMP/TS複合体を安定化させる。
効果を持つと分かった他の薬剤には、5−フルオロウラシルおよびホリニル酸との組み合わせで、進行した結腸直腸癌の患者に最初に使用することが許諾されている、イリノテカンおよびオキサリプラチンが含まれる。イリノテカンまたはラルチトレキシドが、フルオロウラシルに基づく治療が失敗したとき、または不適切なときに、二次単剤療法として使用されることが許諾されている。
オキサリプラチンは、認知された抗癌剤であり、DNA中に架橋を形成し、したがってDNA複製を阻害する、新規のジアミノシクロヘキサン白金化合物を含む。
「FOLFOX」は、5−フルオロウラシル、ホリニル酸およびオキサリプラチンの、一般的に使用される組み合わせ化学療法である。
イリノテカン(CPT−11、Campto)は、細胞***のために必須のDNA巻き戻し酵素である、トポイソメラーゼIを阻害し、結果として、一本鎖DNA中で中断される複製停止となる。英国では、イリノテカンは、5FU/FAとの組み合わせで、進行した結腸直腸癌の化学療法を受けたことがない患者での使用のために、そして、確立された5FUに基づくレジメを失敗した患者での二次化学療法のための単剤として、許諾されている。
ラルチトレキシド(ZD 1694、Tomudex)は、DNA合成に関与する酵素チミジン酸シンターゼを阻害する。これは、5FUの標的にされる同一の酵素である。ラルチトレキシドは、英国において、5FU/FAに基づくレジメが許容されないか、または不適切である、進行性結腸直腸癌の緩和処置のために許諾されている。
Tebbutt et al.,2002,European Journal of Cancer,38:1000−1015;Cutsem et al.,2002,Best Practice and Research Clinical Gastroenterology,16:319−330;Beretta et al.,2004,Surgical Oncology,13:63−73;進行性結腸直腸癌に対する、イリノテカン、キサリプラチンおよびラルチトレキシドに関するNICEガイドライン、2002。
本発明の第三の態様によれば、癌の処置のための薬剤の製造方法における、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)5−フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカンおよびラルチトレキシドからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
の使用が提供される。
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)5−フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカンおよびラルチトレキシドからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
の使用が提供される。
あるいは、癌の処置における、同時、分離または連続使用のための、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)5−フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカンおよびラルチトレキシドからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を含む組み合わせ調製物が提供される。
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)5−フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカンおよびラルチトレキシドからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を含む組み合わせ調製物が提供される。
本発明のまたさらなる態様によれば、必要としている患者に、治療的に効果的な量の、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)5−フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカンおよびラルチトレキシドからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を投与することを含む、癌の処置方法が提供される。
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)5−フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカンおよびラルチトレキシドからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を投与することを含む、癌の処置方法が提供される。
好ましくは、癌は、結腸直腸癌または腺癌である。
最も好ましくは、抗癌剤5−フルオロウラシルがさらに含まれ、ホリニル酸(ロイコボリン)とともに投与される。
さらにまたはあるいは、5−フルオロウラシル、ホリニル酸およびオキサリプラチンが一緒に投与される。
本発明のいずれかの態様による組成物または調製物はさらに、薬理学的に許容可能な担体、希釈液または賦形剤を含んでよい。同様に、本発明の任意の製造方法、またはその利用にはまた、薬理学的に許容可能な担体、希釈液または賦形剤の利用が含まれうる。薬理学的に許容可能な担体、希釈液および賦形剤の例は、当分野で周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences and US Pharmacopoeia(1984,Mack Publishing Company,Easton,PA,USA)を参照のこと。
薬剤または組み合わせ調製物は例えば、他の投与経路が除外されることを意味しないが、経口で投与してよい。
本発明にしたがった抗体またはその抗原結合フラグメントは、従来の手順を用いて、検出可能な標識で標識してよく、またはエフェクタ分子、例えば薬物、例えばドキソルビシン、ダウノルビシン、ドセタキセルまたはシスプラチンまたは5−フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカンおよびラルチトレキシドのような抗癌剤、またはイマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびヒドロキシウレアなどの白血病を処置する際に有用な医薬品、またはリシンのような毒性または酵素と共役してよく、本発明は、このような標識化された抗体または抗体共役物まで拡張する。
必要に応じて、例えば2つ以上の本発明にしたがったストレスタンパク質の異なるエピトープを認識する抗体の混合、および/または異なるクラスの抗体の混合、例えば、本発明の同一または異なるエピトープ(類)を認識するIgGおよびIgM抗体の混合、を診断または処置のために使用してよい。
以上で議論したように、多重シャペロン複合体でのHsp90によって提示される四つ組エピトープが、治療のための適切な標的として示唆されてきているが、実験(以下)により、実際に直線エピトープが治療のための有用で効果的な標的であることが示される。
そこで引用された参考文献を含む、本明細書で議論された各参考文献の内容全てが、参照により本明細書に組み込まれる。
「PMID:」参考文献番号を、発行物に対して付ける場合、PubMed同定番号が、米国国立医学図書館(US National Library of Medicine)によって割り当てられ、それより、各発行物に対する完全な図書目録情報および要約が、www.ncbi.nlm.nih.govにて利用可能である。またこれにより、特に例えばPNAS、JBCおよびMBC発行物の場合、完全な発行物の電子コピーに対して直接アクセスすることが可能になる。
本発明は、さらに、以下の記述から明らかであり、以下は、組成物およびそれによる実験の特異的な実施様態を、ほんの一例として示している。
実験
第一組の実験(「実験A」)は、以下詳細に、それ自身、または抗癌剤ドキソルビシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ハーセプチン、イマチニブ、シスプラチンおよびパクリタキセルとの組み合わせで使用される、配列番号2の配列を有し、配列番号1の配列を有するペプチドによって提示されるエピトープに対して特異的な、抗Hsp90抗体の抗癌効果の調査を記述している。
第一組の実験(「実験A」)は、以下詳細に、それ自身、または抗癌剤ドキソルビシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ハーセプチン、イマチニブ、シスプラチンおよびパクリタキセルとの組み合わせで使用される、配列番号2の配列を有し、配列番号1の配列を有するペプチドによって提示されるエピトープに対して特異的な、抗Hsp90抗体の抗癌効果の調査を記述している。
第二組の実験(「実験B」)は、以下詳細に、白人慢性骨髄性白血病株K562、ヒト骨髄性白血病細胞株KU−812に対する、それ自身、または抗癌剤イマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシン、パクリタキセル、シスプラチンおよびヒドロキシウレアとの組み合わせで使用される、配列番号2の配列を有し、配列番号1の配列を有するペプチドによって提示されるエピトープに対して特異的な、抗Hsp90抗体の効果の調査を記述している。
第三組の実験(「実験C」)は、以下詳細に、ヒト大腸癌細胞株HT29に対する、それ自身、または抗癌剤5−フルオロウラシル(5−FU)およびホリニン酸(ロイコボリン、LV)および/またはオキサリプラチンとの組み合わせで使用される、配列番号2の配列を有し、配列番号1の配列を有するペプチドによって提示されるエピトープに対して特異的な、抗Hsp90抗体の効果の調査を記述している。
一般物質および方法
他に言及しない限り、全ての手順は、適用可能である場合に、標準のプロトコルおよび以下の取扱説明書を用いて実施した。PCR、分子クローニング、操作およびシークエンシング、抗体の製造、エピトープマッピングとミモトープ設計、細胞培養およびファージディスプレイを含む、種々の技術に対する標準のプロトコルが、McPherson,MJら(1991,PCR:A practical approach,Oxford University Press,Oxford)、Sambrook,J.and Russell,D.,“Molecular Cloning:A Laboratory Manual”,Third Edition,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Press,New York,2001,Huynh and Davies(1985,“DNA Cloning Vol I−A Practical Approach”,IRL Press、Oxford,Ed.DM Glover),Sanger,F.et al.(1977,PNAS USA 74(12):5463−5467),Harlow,E.and Lane,D.(“Using Antibodies:A Laboratory Manual”,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York,1998),Jung、G.and Beck−Sickinger,AG(1992,Angew.Chem.Int.Ed.Eng.,31:367−486),Harris,M.A.and Rae,I.F.(“General Techniques of Cell Culture”,1997,Cambridge University Press,ISBN 0521 573645),“Pharge Display of Peptides and Proteins:A Laboratory Manual”(Eds.Kay,BK,Winter,J.,and McCafferty,J.,Academic Press Inc.,1996,ISBN 0−12−402380−0)のような文献に記載されている。
他に言及しない限り、全ての手順は、適用可能である場合に、標準のプロトコルおよび以下の取扱説明書を用いて実施した。PCR、分子クローニング、操作およびシークエンシング、抗体の製造、エピトープマッピングとミモトープ設計、細胞培養およびファージディスプレイを含む、種々の技術に対する標準のプロトコルが、McPherson,MJら(1991,PCR:A practical approach,Oxford University Press,Oxford)、Sambrook,J.and Russell,D.,“Molecular Cloning:A Laboratory Manual”,Third Edition,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Press,New York,2001,Huynh and Davies(1985,“DNA Cloning Vol I−A Practical Approach”,IRL Press、Oxford,Ed.DM Glover),Sanger,F.et al.(1977,PNAS USA 74(12):5463−5467),Harlow,E.and Lane,D.(“Using Antibodies:A Laboratory Manual”,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York,1998),Jung、G.and Beck−Sickinger,AG(1992,Angew.Chem.Int.Ed.Eng.,31:367−486),Harris,M.A.and Rae,I.F.(“General Techniques of Cell Culture”,1997,Cambridge University Press,ISBN 0521 573645),“Pharge Display of Peptides and Proteins:A Laboratory Manual”(Eds.Kay,BK,Winter,J.,and McCafferty,J.,Academic Press Inc.,1996,ISBN 0−12−402380−0)のような文献に記載されている。
特に、本明細書で詳述した方法にて有用な試薬および機器は、アマシャム(Amersham)(www.amersham.co.uk)、べーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)(www.boehringer−ingeltheim.com)、クロンテック(Clontech)(www.clontech.com)、ジェノシス(Genosys)(www.genosys.com)、ミリポア(Millipore)(www.millipore.com)、ノバジェン(Novagen)(www.novagen.com)、パーキン・エルマー(Perkin Elmer)(www.perkinelmer.com)、ファルマシア(Pharmacia)(www.pharmacia.com)、プロメガ(Promega)(www.promega.com)、キアゲン(Qiagen)(www.qiagen.com)、シグマ(Sigma)(www.sigma−aldrich.com)、およびストラタジーン(Stratagene)(www.stratagene.com)などから入手可能である。
抗体
以下実験AおよびBで使用した抗体は、WO01/76627に開示されたものであり、本明細書でMycograb(RTM)と呼ぶ。この抗体は、配列番号2の配列を有し、配列番号1の配列を有するペプチドによって提示されるエピトープに対して特異的である。基礎抗体溶液は、水中の4mg/ml保存溶液であった。さらなる希釈を、RPMI完全培地中で実施した。
以下実験AおよびBで使用した抗体は、WO01/76627に開示されたものであり、本明細書でMycograb(RTM)と呼ぶ。この抗体は、配列番号2の配列を有し、配列番号1の配列を有するペプチドによって提示されるエピトープに対して特異的である。基礎抗体溶液は、水中の4mg/ml保存溶液であった。さらなる希釈を、RPMI完全培地中で実施した。
簡単に記すと、英国特許第2240979号および欧州特許第0406029号に開示された、カンジダ アルビカンス(Candida albicans)Hsp90エピトープに対して特異的な元の抗体のDNA配列を、コドン最適化によって遺伝的に改変して大腸菌(Escherichia coli)(オペロン テクノロジーズ社(Operon Technologies Inc.),Alameda,CA,USA)中で発現させ、大腸菌発現ベクター中に挿入した。抗Hsp90抗体のアミノ酸配列には、配列番号2(重鎖、軽鎖およびスペーサードメイン)の配列が含まれる。抗体は、配列番号1の配列を含むエピトープを認識する。
抗Hsp90抗体を、大腸菌宿主中で発現させ、次いでアフィニティクロマトグラフィーおよびイミダゾール交換カラムによって、95%純度まで精製した。標準分子生物学的プロトコルを使用した(例えば、Harlow & Lane,上記;Sambrook,J.et al.,1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York;Sambrook,J.& Russell,D.,2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harborを参照のこと)。
薬物
シスプラチンは、ブリストル・マイヤーズ スクイーブ、Mayne(Bristol−Myers Squibb、Mayne)より得、1mg/mlで供給した。
シスプラチンは、ブリストル・マイヤーズ スクイーブ、Mayne(Bristol−Myers Squibb、Mayne)より得、1mg/mlで供給した。
ドセタキセルを、シグマ(Sigma)より得た。5mgをまず、ジメチルスルホキシド(DMSO)にて、16mg/mlまで希釈した。
ドキソルビシンをファルマシア(Pharmacia)より得た。塩酸ドキソルビシン2mg/mlとして5ml供給した。
ノバルティス(Novartis)から得た、イマチニブ(Glivec(RTM))を、100mgカプセルとして供給した。イマチニブをまず水中で希釈して、10mg/ml保存溶液を作製した。
パクリタキセルをシグマより得、250μlメタノール中で再構築して、水で2.5mlまでにし、2mg/mlを得た。
ダウノルビシンをシグマより得、5mgを2.5ml水中で希釈して、2mg/mlを得た。
ハーセプチン(RTM)(Trastuzumab)をロッシュ(Roche)より得、7.2mlの水中で再構築し、21mg/mlを得た。
ヒドロキシウレアを、シグマより得、4ml水中で1gを希釈し、25mg/mlを得た。
5−フルオロウラシル(5−FU)をシグマより得、96mgを完全RPMI培地中で1/10希釈した1ml DMSO中で再構築し、9.6mg/mlを得た。
ホリニル酸(LV)をシグマより得、100mgを25mlの水で再構築して、4mg/ml保存溶液を得た。
オキサリプラチンをシグマより得、12.5mgを2.5mlの水で再構築して、5mg/mlを得た。
各上記薬物をさらに、RPMI完全倍中で希釈した。
細胞濃度および生存率決定
細胞を計数し、等量の0.4%トリパンブルー溶液(シグマ)で染色した後、標準の血球計を用いて、パーセント生存を決定した。
細胞を計数し、等量の0.4%トリパンブルー溶液(シグマ)で染色した後、標準の血球計を用いて、パーセント生存を決定した。
細胞生存率アッセイ
細胞生存率を、細胞タイターブルーアッセイ(プロメガ(Promega))を用いて、各実験後に査定した。培地を細胞から除去し、100μlの新鮮な完全培地、続いて20μlの細胞タイターブルー試薬を加えた。これを、37℃、5%CO2にて4時間インキュベートし、600nmを基準として、吸収度は570nmであった。このアッセイは、インジケータ色素レサズリン(青色)を用いて細胞の代謝能力を測定する。生細胞は、レサズリンをレソルフィン(ピンク色)に還元する。
細胞生存率を、細胞タイターブルーアッセイ(プロメガ(Promega))を用いて、各実験後に査定した。培地を細胞から除去し、100μlの新鮮な完全培地、続いて20μlの細胞タイターブルー試薬を加えた。これを、37℃、5%CO2にて4時間インキュベートし、600nmを基準として、吸収度は570nmであった。このアッセイは、インジケータ色素レサズリン(青色)を用いて細胞の代謝能力を測定する。生細胞は、レサズリンをレソルフィン(ピンク色)に還元する。
データ解釈
細胞増殖を、上述のように評価した。IC50(50%の細胞で細胞毒性を引き起こすのに必要な用量)濃度を、48時間インキュベーション期間にわたって、各薬物に関して単独で決定した。
細胞増殖を、上述のように評価した。IC50(50%の細胞で細胞毒性を引き起こすのに必要な用量)濃度を、48時間インキュベーション期間にわたって、各薬物に関して単独で決定した。
平均効果解析、Hill等式に基づく相乗効果、相加効果、または拮抗作用の測定を、Calcusyn製品(バイオソフト(BioSoft),Cambridge,UK−www.biosoft.com)を用いて、Chou and Talalayの方法によって決定した。1未満の場合相乗効果を、1と等しい場合相加効果を、そして1より大きい場合拮抗作用を反映するCI(組み合わせ指標)を、薬物効果のレベルを変えて計算した。Nが個々の薬物のIC50付近の値である場合、0.0156N〜8Nの範囲でIC50(50%細胞毒性効果を発揮するのに必要な薬物の濃度)より大きいまたは小さい10の固定薬物比を、細胞と一緒に48時間、薬物混合物をインキュベートし、次いで細胞傷害性の程度を決定することによって調査した。Fa50を、50%の細胞が影響を受ける点で定義する。CI値をFa50に関して示す。
実験A
この結果から、抗体が、イマチニブとの拮抗作用の兆候(evidence)を示し、パクリタキセルと無関連であることが分かる。シスプラチンと、そしてドセタキセルと相乗効果があるが、後者は、臨床的に達成不可能な濃度での可能性である。ドキソルビシンは、両方の細胞株と、臨床的に達成可能な薬物レベルで相乗効果を示し、エストロゲンレセプターが存在することに依存しない。ドキソルビシンで達成された結果は、非常に有意な相乗効果として評価する。ダウノルビシンの結果は、エストロゲンレセプターを有する細胞株で同様に目立つが、エストロゲンレセプター陰性細胞株でより低く、相乗効果は、6および12.5mg/lに制限された。ハーセプチンに対する結果により、エストロゲンレセプター陽性細胞株に対して相乗効果がないが、エストロゲンレセプター陰性細胞株で相乗効果が観察されたことが示される。
この結果から、抗体が、イマチニブとの拮抗作用の兆候(evidence)を示し、パクリタキセルと無関連であることが分かる。シスプラチンと、そしてドセタキセルと相乗効果があるが、後者は、臨床的に達成不可能な濃度での可能性である。ドキソルビシンは、両方の細胞株と、臨床的に達成可能な薬物レベルで相乗効果を示し、エストロゲンレセプターが存在することに依存しない。ドキソルビシンで達成された結果は、非常に有意な相乗効果として評価する。ダウノルビシンの結果は、エストロゲンレセプターを有する細胞株で同様に目立つが、エストロゲンレセプター陰性細胞株でより低く、相乗効果は、6および12.5mg/lに制限された。ハーセプチンに対する結果により、エストロゲンレセプター陽性細胞株に対して相乗効果がないが、エストロゲンレセプター陰性細胞株で相乗効果が観察されたことが示される。
物質と方法
細胞株および培養情報
野生型およびバリアントエストロゲンレセプターの両方、ならびにプロゲステロンレセプターを発現しているヒト白人乳癌細胞株MCF7を、ECACC(ECACC番号−86012803)より得た。
細胞株および培養情報
野生型およびバリアントエストロゲンレセプターの両方、ならびにプロゲステロンレセプターを発現しているヒト白人乳癌細胞株MCF7を、ECACC(ECACC番号−86012803)より得た。
使用した他の細胞株は以下の通りである。
HS578T−ECACC番号86082104、ヒト乳癌、上皮。免疫抑制マウス中で腫瘍形成し、半固体培地中でコロニーを形成する。エストロゲンレセプター陰性。
SK−BR−3−(ATCC)ヒト乳癌。エストロゲンレセプター陰性。HER2/C−erb−2遺伝子を過剰発現する。
UACC−812−(ATCC)腺管癌。手術前に、患者が大規模な化学療法を受けた。エストロゲンレセプター陰性、プロゲステロンレセプター陰性、P糖タンパク質陰性。HER−2/neu癌遺伝子配列の増幅。
HCT−116−ATCC結腸直腸癌。TGFベータ1およびベータ2発現に対して陽性。
HS578T−ECACC番号86082104、ヒト乳癌、上皮。免疫抑制マウス中で腫瘍形成し、半固体培地中でコロニーを形成する。エストロゲンレセプター陰性。
SK−BR−3−(ATCC)ヒト乳癌。エストロゲンレセプター陰性。HER2/C−erb−2遺伝子を過剰発現する。
UACC−812−(ATCC)腺管癌。手術前に、患者が大規模な化学療法を受けた。エストロゲンレセプター陰性、プロゲステロンレセプター陰性、P糖タンパク質陰性。HER−2/neu癌遺伝子配列の増幅。
HCT−116−ATCC結腸直腸癌。TGFベータ1およびベータ2発現に対して陽性。
細胞を、0.25% トリプシン/EDTA(シグマ)を用いて分画(split)し、10%ウシ胎児血清、1%非必須アミノ酸、2mMグルタミン、100U/mlペニシリン、0.1mg/mlストレプトマイシン(シグマ)を含む、フェノールレッドなしのRPMI培地中で、37℃、5%CO2中で維持した。
実験A
MCF7細胞におけるミコグラブの効果
細胞株を分画し、細胞を計数した。細胞を12ウェルまたは96ウェル平底組織培養プレートに加えた。12ウェルプレートの場合、1mlの4×104細胞/mlを1mlの培地とともに加えた。96ウェルプレートの場合、100μlの4×104細胞/mlを加え、続いて、さらに100μlの完全培地をプレートに加えた。これらのプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。次いで、2倍増濃度のミコグラブ(1.5〜200μg/ml)または処方緩衝液を含む新鮮な培地、または培地のみをウェルに加えた。プレートを、48時間インキュベーターに戻し、続いて細胞タイターブルーアッセイを実施するか、可視計測を血球計を用いて実施した。
MCF7細胞におけるミコグラブの効果
細胞株を分画し、細胞を計数した。細胞を12ウェルまたは96ウェル平底組織培養プレートに加えた。12ウェルプレートの場合、1mlの4×104細胞/mlを1mlの培地とともに加えた。96ウェルプレートの場合、100μlの4×104細胞/mlを加え、続いて、さらに100μlの完全培地をプレートに加えた。これらのプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。次いで、2倍増濃度のミコグラブ(1.5〜200μg/ml)または処方緩衝液を含む新鮮な培地、または培地のみをウェルに加えた。プレートを、48時間インキュベーターに戻し、続いて細胞タイターブルーアッセイを実施するか、可視計測を血球計を用いて実施した。
MCF7細胞に対する、抗癌剤ドキソルビシン、ダウノルビシン、ハーセプチン、ドセタキセル、イマチニブ、パクリタキセルおよびシスプラチンの効果
細胞株を分画し、細胞を計数した。100μlの4×104細胞/mlを96ウェル平底組織培養プレートに加え、さらに100μlの完全培地をこのプレートに加えた。次いでプレートを一晩、37℃、5%CO2にてインキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。種々の濃度の試験薬物(ドキソルビシン0.55〜600μg/ml、ダウノルビシン0.45〜1000μg/ml、ハーセプチン0.2〜200μg/ml、ドセタキセル0.75〜800μg/ml、イマチニブ4.5〜5000μg/ml、シスプラチン0.04〜50μg/ml、パクリタキセル1.8〜1000μg/ml)を含む新鮮な培地、または培地のみをウェルに加えた。プレートを48時間インキュベーターに戻し、続いて細胞タイターブルーアッセイを実施した。
細胞株を分画し、細胞を計数した。100μlの4×104細胞/mlを96ウェル平底組織培養プレートに加え、さらに100μlの完全培地をこのプレートに加えた。次いでプレートを一晩、37℃、5%CO2にてインキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。種々の濃度の試験薬物(ドキソルビシン0.55〜600μg/ml、ダウノルビシン0.45〜1000μg/ml、ハーセプチン0.2〜200μg/ml、ドセタキセル0.75〜800μg/ml、イマチニブ4.5〜5000μg/ml、シスプラチン0.04〜50μg/ml、パクリタキセル1.8〜1000μg/ml)を含む新鮮な培地、または培地のみをウェルに加えた。プレートを48時間インキュベーターに戻し、続いて細胞タイターブルーアッセイを実施した。
MCF7細胞に対する、抗癌剤ドキソルビシン、ダウノルビシン、ハーセプチン、ドセタキセル、イマチニブ、パクリタキセルおよびシスプラチンとの組み合わせでの、ミコグラブの効果
細胞株をスプリットし、細胞を計数した。100μlの4×104細胞/mlを96ウェル平底組織培養プレートに加え、さらに100μlの完全培地をこのプレートに加えた。次いでプレートを一晩、37℃、5%CO2にてインキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。100μlの新鮮な培地をプレートに加え、ミコグラブ対他の薬物の交差(checkerboard)を(ドキソルビシンを例として用いて)以下の表1で概略したように設定し、ウェルあたり総量200μlとした。
細胞株をスプリットし、細胞を計数した。100μlの4×104細胞/mlを96ウェル平底組織培養プレートに加え、さらに100μlの完全培地をこのプレートに加えた。次いでプレートを一晩、37℃、5%CO2にてインキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。100μlの新鮮な培地をプレートに加え、ミコグラブ対他の薬物の交差(checkerboard)を(ドキソルビシンを例として用いて)以下の表1で概略したように設定し、ウェルあたり総量200μlとした。
プレートを48時間インキュベーターに戻し、続いて細胞タイターブルーアッセイを実施した。
実験をまた、以上の方法を使用して、HS578T細胞で実施した。結果を以下に示す。
実験Aの結果
MCF7細胞株
シスプラチン
IC50は6mg/lであり、高濃度での相乗効果を除き、ミコグラブを加えたことにおいて効果はなかった。表2を参照。
MCF7細胞株
シスプラチン
IC50は6mg/lであり、高濃度での相乗効果を除き、ミコグラブを加えたことにおいて効果はなかった。表2を参照。
イマチニブ
IC50は37.5mg/lであり、37.5mg/l未満のイマチニブ濃度で、ミコグラブと、3.3〜10の範囲のCIsにて、拮抗作用がみられた。
IC50は37.5mg/lであり、37.5mg/l未満のイマチニブ濃度で、ミコグラブと、3.3〜10の範囲のCIsにて、拮抗作用がみられた。
ドセタキセル
IC50は225mg/lであり、高濃度のドセタキセルにて、ミコグラブとのわずかな相乗効果の兆候がみられた。表3を参照。
IC50は225mg/lであり、高濃度のドセタキセルにて、ミコグラブとのわずかな相乗効果の兆候がみられた。表3を参照。
パクリタキセル
IC50は225mg/lであり、低濃度の薬物ではなにもなく、500mg/lのパクリタキセルのような高レベルで穏やかな相乗効果があった。これらのレベルは、臨床的に関連するレベル外である。
IC50は225mg/lであり、低濃度の薬物ではなにもなく、500mg/lのパクリタキセルのような高レベルで穏やかな相乗効果があった。これらのレベルは、臨床的に関連するレベル外である。
ドキソルビシン
IC50は1.75mg/lであった。広い範囲の薬物濃度にて、ミコグラブとの明確な相乗効果が存在した。表4を参照。
IC50は1.75mg/lであった。広い範囲の薬物濃度にて、ミコグラブとの明確な相乗効果が存在した。表4を参照。
ダウノルビシン
IC50は1mg/lであった。広い範囲の薬物濃度にて、ミコグラブとの相乗効果の兆候がみられた。表5を参照。
IC50は1mg/lであった。広い範囲の薬物濃度にて、ミコグラブとの相乗効果の兆候がみられた。表5を参照。
ハーセプチン
ハーセプチンによる検出可能な活性は存在せず、相乗効果の兆候もなかった。
ハーセプチンによる検出可能な活性は存在せず、相乗効果の兆候もなかった。
HS578T細胞株
本細胞株は、400mg/lまで濃度を増加させても、ミコグラブに対して不感受性であった。これは、これらの腫瘍がステロイド感受性であり、したがって、ミコグラブのようなHsp90阻害剤に対して応答を本質的にする可能性がないことから、驚くべきことではない。しかしながら、アントラサイクリン ドキソルビシンならびにダウノルビシン、およびハーセプチンとの組み合わせにおいて、予想しない相乗効果が存在した。
本細胞株は、400mg/lまで濃度を増加させても、ミコグラブに対して不感受性であった。これは、これらの腫瘍がステロイド感受性であり、したがって、ミコグラブのようなHsp90阻害剤に対して応答を本質的にする可能性がないことから、驚くべきことではない。しかしながら、アントラサイクリン ドキソルビシンならびにダウノルビシン、およびハーセプチンとの組み合わせにおいて、予想しない相乗効果が存在した。
ドキソルビシン
IC50は1mg/lであった。広範囲の薬物濃度にて、ミコグラブとの相乗効果の兆候がみられた。表6を参照。
IC50は1mg/lであった。広範囲の薬物濃度にて、ミコグラブとの相乗効果の兆候がみられた。表6を参照。
ダウノルビシン
IC50は1mg/lであった。ミコグラブとわずかな相乗効果の兆候はあったが、ほとんど無関係であった。表7を参照。
IC50は1mg/lであった。ミコグラブとわずかな相乗効果の兆候はあったが、ほとんど無関係であった。表7を参照。
ハーセプチン
HS578Tにて、単独ハーセプチンは、200mg/lまでの濃度で50%の細胞を殺し損ねたが、ミコグラブの存在下で、相乗効果が観察された表8を参照。
HS578Tにて、単独ハーセプチンは、200mg/lまでの濃度で50%の細胞を殺し損ねたが、ミコグラブの存在下で、相乗効果が観察された表8を参照。
ドセタキセル
細胞株HS578Tに関して、50mg/lのIC50を与え、ミコグラブとの相乗効果の兆候は示さなかった。
細胞株HS578Tに関して、50mg/lのIC50を与え、ミコグラブとの相乗効果の兆候は示さなかった。
シスプラチン
シスプラチンは、細胞株HS578Tに関して、12.5mg/lのIC50を持ち、ミコグラブとの相乗効果の兆候はなかった。
シスプラチンは、細胞株HS578Tに関して、12.5mg/lのIC50を持ち、ミコグラブとの相乗効果の兆候はなかった。
結論
イマチニブとの拮抗作用の兆候があり、そしてパクリタキセルとは無関係であった。シスプラチンと、およびドセタキセルとはわずかな相乗効果があったが、後者はおそらく、臨床的に達成不可能な濃度においてである。ドキソルビシンは、両方の細胞株にて、エストロゲンレセプターが存在するかどうかに関係なく、臨床的に達成可能な薬物レベルにて相乗効果を示した。ドキソルビシンで達成された結果は、非常に有意な相乗効果と評価した。ダウノルビシンの結果は、エストロゲンレセプターを有する細胞株で同様に目立つが、エストロゲン陰性細胞株では少なく、相互作用は、6および12.5mg/lに制限された。
イマチニブとの拮抗作用の兆候があり、そしてパクリタキセルとは無関係であった。シスプラチンと、およびドセタキセルとはわずかな相乗効果があったが、後者はおそらく、臨床的に達成不可能な濃度においてである。ドキソルビシンは、両方の細胞株にて、エストロゲンレセプターが存在するかどうかに関係なく、臨床的に達成可能な薬物レベルにて相乗効果を示した。ドキソルビシンで達成された結果は、非常に有意な相乗効果と評価した。ダウノルビシンの結果は、エストロゲンレセプターを有する細胞株で同様に目立つが、エストロゲン陰性細胞株では少なく、相互作用は、6および12.5mg/lに制限された。
以上の驚くべき相乗効果は、抗体と特定の抗癌剤で観察されたが、イマチニブのような他の抗癌剤では見られなかった。
実験B
第二組の実験(以下に記述)は、白人慢性骨髄性白血病株K562、ヒト骨髄性白血病細胞株KU−812に対する、それ自身、または抗癌剤イマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシン、パクリタキセル、シスプラチンおよびヒドロキシウレアとの組み合わせで使用される、配列番号2の配列を有し、配列番号1の配列を有するペプチドによって提示されるエピトープに対して特異的である、抗Hsp−90抗体の効果の調査を詳述している。
第二組の実験(以下に記述)は、白人慢性骨髄性白血病株K562、ヒト骨髄性白血病細胞株KU−812に対する、それ自身、または抗癌剤イマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシン、パクリタキセル、シスプラチンおよびヒドロキシウレアとの組み合わせで使用される、配列番号2の配列を有し、配列番号1の配列を有するペプチドによって提示されるエピトープに対して特異的である、抗Hsp−90抗体の効果の調査を詳述している。
この結果から、抗体はイマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシンとの相乗効果の兆候を示したことが分かる。抗体は、ダウノルビシンおよびヒドロキシウレアとわずかな相乗効果の兆候を示した。この結果から、抗体は、シスプラチンと無関係である兆候を示したことが分かる。
ドセタキセルおよびパクリタキセルによって達成された結果を、非常に有意な相乗効果であると評価する。
物質と方法
細胞株および培養情報
ヒト骨髄性白血病細胞株KU−812を、ECACC(ECACC番号90071807)から得た。フィラデルフィア染色体(Ph1)が、本細胞株で検出されている。細胞は、好塩基球の形態学的特性である。
細胞株および培養情報
ヒト骨髄性白血病細胞株KU−812を、ECACC(ECACC番号90071807)から得た。フィラデルフィア染色体(Ph1)が、本細胞株で検出されている。細胞は、好塩基球の形態学的特性である。
ヒト白人慢性骨髄性白血病細胞K562を、ECACC(ECACC番号89121407)より得た。K562は、末端芽危機にて慢性骨髄性白血病の53歳女性の胸膜滲出より確立された。種々のK−562サブラインにおける核学的研究により、3つの群(A、B、C)に分類された(Dimery,I.W.et al.,1983,Exp.Hematol.;11(7):p601−10)。本実験で使用した株は、K562Bであった。実験によって、これらの株が、形態、液体懸濁培養液中での増殖速度論、軟寒天培養中でのクローニング効率、抗K562モノクローナル抗体の結合および細胞表面タンパク質に関して、遺伝的に類似していることが示された。K562Bを、増殖速度、細胞表面タンパク質マーカー、表面抗原、細胞遺伝学およびヘモグロビン産出に関して、K562AおよびK562Cと比較した。細胞間で差異が観察され、最も重要な差異は、90%を超えるK562AまたはC細胞がPh1陽性であるように見え、15%未満のK562B細胞がPh1を含んだことである(Dimery,IW,et al.,1983,Exp.Hematol.;11(7):p601−10)。細胞毒性試験では、純粋なPh1染色体の存在を明らかにしてはいないが、K562が、Ph1染色体の部分を含んでいるように見え、少なくとも4倍増幅されている。このPh1染色体の部分は、キメラbcr/c−abl転写物をコードしており、転写された場合に、bcr/c−abl融合タンパク質を産出する(Grosveld,G.,et al.,1986,Mol.Cell.Biol.6,No.2:p607−616)。bcr/b−abl融合タンパク質は、CMLの病因と関連する活性化チロシンキナーゼ活性を有する。
細胞を、フェノールレッドを含まず、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、100U/mlペニシリン、0.1mg/mlストレプトマイシン(シグマ)を含むRPMI培地1640中で、37℃、5%CO2にて、2×106〜9×106細胞/mlに維持した。
実験
K562細胞に対するミコグラブの効果
細胞株を計数した。細胞を、4×105細胞/mlを含む100μlの分液を用いて、96ウェル平底組織培養プレートに加えた。2倍濃度の種々の濃度のミコグラブ(RTM)(1.5〜200μg/ml)を含む新鮮な培地、または培地のみをウェルに加えた。プレートを、48時間インキュベーターに戻し、続いて細胞タイターブルーアッセイを実施するか、または血球計を用いて生計数を決定した。
K562細胞に対するミコグラブの効果
細胞株を計数した。細胞を、4×105細胞/mlを含む100μlの分液を用いて、96ウェル平底組織培養プレートに加えた。2倍濃度の種々の濃度のミコグラブ(RTM)(1.5〜200μg/ml)を含む新鮮な培地、または培地のみをウェルに加えた。プレートを、48時間インキュベーターに戻し、続いて細胞タイターブルーアッセイを実施するか、または血球計を用いて生計数を決定した。
K562細胞に対する抗癌剤ドキソルビシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、パクリタキセル、イマチニブ、シスプラチンおよびヒドロキシウレアの効果
細胞株を計数した。100μlの2×105または4×105細胞/mlを、96ウェル平底組織培養プレートに加えた。次いでプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。種々の濃度の試験薬物(ドキソルビシン0.55〜600μg/ml、ダウノルビシン0.07〜100μg/ml、ドセタキセル0.75〜800μg/ml、パクリタキセル0.5〜500μg/ml、イマチニブ4.5〜5000μg/ml、シスプラチン0.04〜50μg/ml)を含む新鮮な培地、または培地のみをウェルに加えた。プレートを48時間インキュベーターに戻し、続いて細胞タイターブルーアッセイを実施した。
細胞株を計数した。100μlの2×105または4×105細胞/mlを、96ウェル平底組織培養プレートに加えた。次いでプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。種々の濃度の試験薬物(ドキソルビシン0.55〜600μg/ml、ダウノルビシン0.07〜100μg/ml、ドセタキセル0.75〜800μg/ml、パクリタキセル0.5〜500μg/ml、イマチニブ4.5〜5000μg/ml、シスプラチン0.04〜50μg/ml)を含む新鮮な培地、または培地のみをウェルに加えた。プレートを48時間インキュベーターに戻し、続いて細胞タイターブルーアッセイを実施した。
K562細胞に対する抗癌剤ドキソルビシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、パクリタキセル、イマチニブ、シスプラチンおよびヒドロキシウレアの効果
細胞株を計数した。100μlの2×105または4×105細胞/mlを、96ウェル平底組織培養プレートに加えた。次いでプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。100μlの新鮮な培地をプレートに加え、ミコグラブ対他の薬物の交差を、(ダウノルビシンを例として使用して)以下表9で概略したように設定し、ウェルあたり総量200μlとした。
細胞株を計数した。100μlの2×105または4×105細胞/mlを、96ウェル平底組織培養プレートに加えた。次いでプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。100μlの新鮮な培地をプレートに加え、ミコグラブ対他の薬物の交差を、(ダウノルビシンを例として使用して)以下表9で概略したように設定し、ウェルあたり総量200μlとした。
実験をまた、以上の方法を用いて、KU−812細胞にて実施た。結果を以下に示す。
結果
K562細胞に対するミコグラブ(RTM)の効果
細胞株K562にて、12.5μg/mlで、それ自身ミコグラブは、細胞生存率の40%減少を示した。
K562細胞に対するミコグラブ(RTM)の効果
細胞株K562にて、12.5μg/mlで、それ自身ミコグラブは、細胞生存率の40%減少を示した。
K562細胞に対するミコグラブ(RTM)と抗癌剤の効果
イマチニブ
IC50は16μg/mlであった。広範囲の薬物濃度にて、イマチニブとミコグラブ(RTM)間で相乗効果のわずかな兆候が存在した(表10を参照)。
イマチニブ
IC50は16μg/mlであった。広範囲の薬物濃度にて、イマチニブとミコグラブ(RTM)間で相乗効果のわずかな兆候が存在した(表10を参照)。
ドキソルビシン
IC50は1μg/mlであった。いくつかの薬物濃度で、ドキソルビシンとミコグラブ(RTM)間で相乗効果のわずかな兆候が存在したが、ミコグラブ(RTM)とはほとんど関係しなかった。
IC50は1μg/mlであった。いくつかの薬物濃度で、ドキソルビシンとミコグラブ(RTM)間で相乗効果のわずかな兆候が存在したが、ミコグラブ(RTM)とはほとんど関係しなかった。
ダウノルビシン
IC50は0.75μg/mlであった。低薬物濃度で、ダウノルビシンとミコグラブ(RTM)間で相乗効果のわずかな兆候が存在した(表11を参照)。
IC50は0.75μg/mlであった。低薬物濃度で、ダウノルビシンとミコグラブ(RTM)間で相乗効果のわずかな兆候が存在した(表11を参照)。
ドセタキセル
IC50は70μg/mlであった。広範囲の薬物濃度で、ドセタキセルとミコグラブ(RTM)間で相乗効果の明らかな兆候が存在した(表12を参照)。
IC50は70μg/mlであった。広範囲の薬物濃度で、ドセタキセルとミコグラブ(RTM)間で相乗効果の明らかな兆候が存在した(表12を参照)。
パクリタキセル
IC50は32μg/mlであった。広範囲の薬物濃度で、パクリタキセルとミコグラブ(RTM)間で相乗効果の明らかな兆候が存在した(表13を参照)。
IC50は32μg/mlであった。広範囲の薬物濃度で、パクリタキセルとミコグラブ(RTM)間で相乗効果の明らかな兆候が存在した(表13を参照)。
シスプラチン
IC50は12.5μg/mlであった。シスプラチンとミコグラブ(RTM)間で相乗効果の兆候は存在しなかった。
IC50は12.5μg/mlであった。シスプラチンとミコグラブ(RTM)間で相乗効果の兆候は存在しなかった。
ヒドロキシウレア
IC50は、単剤としてのヒドロキシウレアに達しなかった。しかしながら、低薬物濃度にて、ヒドロキシウレアとミコグラブ(RTM)間で相乗効果のわずかな兆候が存在した(表14を参照のこと)。
IC50は、単剤としてのヒドロキシウレアに達しなかった。しかしながら、低薬物濃度にて、ヒドロキシウレアとミコグラブ(RTM)間で相乗効果のわずかな兆候が存在した(表14を参照のこと)。
KU−812細胞株
KU−812細胞に対するミコグラブ(RTM)の効果
細胞株KU−812にて、50μg/mlで、それ自身ミコグラブは、細胞生存率の40%減少を示した。
KU−812細胞に対するミコグラブ(RTM)の効果
細胞株KU−812にて、50μg/mlで、それ自身ミコグラブは、細胞生存率の40%減少を示した。
KU−812細胞に対するミコグラブ(RTM)と抗癌剤の効果
イマチニブ
IC50は0.12μg/mlであった。低薬物濃度にて、イマチニブおよびミコグラブ(RTM)間で相乗効果のわずかな兆候が存在した(表15を参照のこと)。
イマチニブ
IC50は0.12μg/mlであった。低薬物濃度にて、イマチニブおよびミコグラブ(RTM)間で相乗効果のわずかな兆候が存在した(表15を参照のこと)。
要約
K562細胞株を用いて、イマチニブ、パクリタキセルおよびドセタキセルとの相乗効果の兆候が存在した。ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびヒドロキシウレアとは、わずかな相乗効果の兆候が存在した。シスプラチンとは関連性は見られなかった。
K562細胞株を用いて、イマチニブ、パクリタキセルおよびドセタキセルとの相乗効果の兆候が存在した。ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびヒドロキシウレアとは、わずかな相乗効果の兆候が存在した。シスプラチンとは関連性は見られなかった。
KU−812細胞株を用いて、イマチニブとわずかな相乗効果の兆候が存在した。
結論
本明細書で示したデータは、ミコグラブ(RTM)抗体がそれ自身で、Ph1陽性CML細胞株およびPh1陰性CML細胞株の両方の生存率を減少させうることを明確に示している。さらに、Ph1陽性CML細胞株において、イマチニブを含む抗癌剤と、抗Hsp90抗体との間で驚くべき相乗効果が存在する。データはまた、Ph1陽性白血病細胞株において、抗Hsp90抗体と、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ヒドロキシウレアとの間で相乗効果が存在することも示している。これらの結果により、CMLの処置に対して、抗Hsp90抗体(ミコグラブ、RTM)と一緒に、イマチニブのような抗癌剤を含む組成物の使用が可能である。抗癌剤とミコグラブ(RTM)抗体の組み合わせによって示された相乗効果は、本質的に、特にイマチニブで、多くの抗癌剤の問題となる毒性を極めて有意に与えうる、より低い処置用量、または同一の用量で、より効果的でより長い処置のいずれかを可能にし、したがって、望ましくない副作用を減少させる。
本明細書で示したデータは、ミコグラブ(RTM)抗体がそれ自身で、Ph1陽性CML細胞株およびPh1陰性CML細胞株の両方の生存率を減少させうることを明確に示している。さらに、Ph1陽性CML細胞株において、イマチニブを含む抗癌剤と、抗Hsp90抗体との間で驚くべき相乗効果が存在する。データはまた、Ph1陽性白血病細胞株において、抗Hsp90抗体と、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ヒドロキシウレアとの間で相乗効果が存在することも示している。これらの結果により、CMLの処置に対して、抗Hsp90抗体(ミコグラブ、RTM)と一緒に、イマチニブのような抗癌剤を含む組成物の使用が可能である。抗癌剤とミコグラブ(RTM)抗体の組み合わせによって示された相乗効果は、本質的に、特にイマチニブで、多くの抗癌剤の問題となる毒性を極めて有意に与えうる、より低い処置用量、または同一の用量で、より効果的でより長い処置のいずれかを可能にし、したがって、望ましくない副作用を減少させる。
本発明の臨床上の意義には、(i)CMLの処置における、抗Hsp90抗体と、例えばイマチニブのような抗癌剤の相乗的組み合わせの産出が、選択処置となるべきであり、このことによっておそらく、CMLに対する死亡率の減少を導く;(ii)イマチニブは毒性であり、本発明によって提供された相乗効果が、効果を維持し、同時に毒性を減少させながら、低容量のイマチニブを使用可能であることを意味する;および(iii)抗hsp90の毒性節約効果によって、暴露されたより高用量のイマチニブの臨床効果を可能とし、さらに臨床結果の改善に関与する。
実験C
第三組の実験(「実験C」)は、ヒト結腸腺癌細胞株HT29に対する、それ自身、または抗癌剤5−フルオロウラシル(5−FU)およびホリニン酸(ロイコボリン、LV)および/またはオキサリプラチンとの組み合わせで使用される、配列番号2の配列を有し、配列番号1の配列を有するペプチドによって提示されるエピトープに対して特異的な、抗Hsp90抗体の効果の調査を詳述している。
第三組の実験(「実験C」)は、ヒト結腸腺癌細胞株HT29に対する、それ自身、または抗癌剤5−フルオロウラシル(5−FU)およびホリニン酸(ロイコボリン、LV)および/またはオキサリプラチンとの組み合わせで使用される、配列番号2の配列を有し、配列番号1の配列を有するペプチドによって提示されるエピトープに対して特異的な、抗Hsp90抗体の効果の調査を詳述している。
この結果により、抗体は、5−FUおよびホリニル酸と、およびオキサリプラチンと相乗効果の兆候を示したことが分かる。また、5−FU、ホリニル酸およびオキサリプラチンと、ミコグラブ/抗Hsp90抗体の薬物組み合わせで、相乗効果の兆候が見られた。75μg/mlを超える濃度の5−FUと、10.5μg/mlのオキサリプラチンが特に有用であることが分かった。
物質と方法
細胞株と培養情報
ヒト白人結腸腺癌グレードII細胞株HT29を、ECACC(ECACC番号91072201)から得た。
細胞株と培養情報
ヒト白人結腸腺癌グレードII細胞株HT29を、ECACC(ECACC番号91072201)から得た。
細胞を、0.25%トリプシン/EDTA(シグマ)を用いて分画し、10%胎児ウシ血清、2mMグルタミン、100Uペニシリン、0.1mgストレプトマイシン(シグマ)を含む、MoCoy’s 5a培地中で、37℃、5%CO2にて維持した。
他の細胞株にはHCT116が含まれた。
実験
HT29細胞に対するミコグラブ(RTM)の効果
細胞株を分画し、細胞を計数した。細胞を12ウェルまたは96ウェル平底組織培養プレートに加えた。12ウェルプレートの場合、1mlの4×104細胞/mlまたは4×105細胞/mlを各ウェルに加え、完全MoCoy’s 5a培地1mをさらに加えた。96ウェルプレートの場合、100μlの4×104細胞/mlまたは4×105細胞/mlを加え、続いてさらに100μlの完全McCoy’s 5a培地を各ウェルに加えた。次いでプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。次いで、2倍増濃度のミコグラブ(1.5〜200μg/ml)を含む新鮮な培地、または培地のみをウェルに加えた。プレートを、48時間インキュベーターに戻し、細胞タイターブルーアッセイを実施するか、生存計測を血球計を用いて実施した。
HT29細胞に対するミコグラブ(RTM)の効果
細胞株を分画し、細胞を計数した。細胞を12ウェルまたは96ウェル平底組織培養プレートに加えた。12ウェルプレートの場合、1mlの4×104細胞/mlまたは4×105細胞/mlを各ウェルに加え、完全MoCoy’s 5a培地1mをさらに加えた。96ウェルプレートの場合、100μlの4×104細胞/mlまたは4×105細胞/mlを加え、続いてさらに100μlの完全McCoy’s 5a培地を各ウェルに加えた。次いでプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。次いで、2倍増濃度のミコグラブ(1.5〜200μg/ml)を含む新鮮な培地、または培地のみをウェルに加えた。プレートを、48時間インキュベーターに戻し、細胞タイターブルーアッセイを実施するか、生存計測を血球計を用いて実施した。
HT29細胞に対する、抗癌剤5FUおよびホリニル酸およびオキサリプラチンの効果
細胞株を分画し、細胞を計数した。100μlの4×104細胞/mlまたは4×105細胞/mlを96ウェル平底組織培養プレートに加え、さらに100μlの完全McCoy’s 5a培地をこのプレートに加えた。次いでプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。次いで、2倍増濃度の試験薬物(5−FU4.5〜2400μg/ml+1mg/mlホリニル酸またはオキサリプラチン1〜500μg/ml)を含む100μlの新鮮完全RPMI培地、または培地のみ(5−FU対照に対して培地+2.5%DMSO)をウェルに加えた。プレートを48時間インキュベーターに戻し、続いて、細胞タイターターブルーアッセイを実施した。
細胞株を分画し、細胞を計数した。100μlの4×104細胞/mlまたは4×105細胞/mlを96ウェル平底組織培養プレートに加え、さらに100μlの完全McCoy’s 5a培地をこのプレートに加えた。次いでプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。次いで、2倍増濃度の試験薬物(5−FU4.5〜2400μg/ml+1mg/mlホリニル酸またはオキサリプラチン1〜500μg/ml)を含む100μlの新鮮完全RPMI培地、または培地のみ(5−FU対照に対して培地+2.5%DMSO)をウェルに加えた。プレートを48時間インキュベーターに戻し、続いて、細胞タイターターブルーアッセイを実施した。
HT29細胞に対する、抗癌剤5−FUおよびホリニル酸またはオキサリプラチンとの組み合わせでのミコグラブ(RTM)の効果
細胞株を分画し、細胞を計数した。100μlの4×104細胞/mlまたは4×105細胞/mlを96ウェル平底組織培養プレートに加え、さらに100μlの完全McCoy’s 5a培地をこのプレートに加えた。次いでプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。100μlの新鮮なRPMI培地をプレートに加え、ミコグラブ(RTM)対試験薬物((5−FU4.5〜2400μg/ml+1mg/mlホリニル酸またはオキサリプラチン1〜500μg/ml)の交差または培地のみ(5−FU対照に対して培地+2.5DMSO))を、表16で概説したように設定し、ウェルあたり総量200μlとした。
細胞株を分画し、細胞を計数した。100μlの4×104細胞/mlまたは4×105細胞/mlを96ウェル平底組織培養プレートに加え、さらに100μlの完全McCoy’s 5a培地をこのプレートに加えた。次いでプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。100μlの新鮮なRPMI培地をプレートに加え、ミコグラブ(RTM)対試験薬物((5−FU4.5〜2400μg/ml+1mg/mlホリニル酸またはオキサリプラチン1〜500μg/ml)の交差または培地のみ(5−FU対照に対して培地+2.5DMSO))を、表16で概説したように設定し、ウェルあたり総量200μlとした。
HT29細胞に対する、抗癌剤5−FUおよびホリニル酸およびオキサリプラチンとの組み合わせでのミコグラブ(RTM)の効果
細胞株を分画し、細胞を計数した。100μlの4×104細胞/mlまたは4×105細胞/mlを96ウェル平底組織培養プレートに加え、さらに100μlの完全McCoy’s 5a培地をこのプレートに加えた。次いでプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。100μlの新鮮なRPMI培地をプレートに加え、ミコグラブ(RTM)対試験薬物((5−FU:ホリニル酸:オキサリプラチン=3:1:0.42)の交差または培地のみ(5−FU対照に対して培地+2.5DMSO))を、表16で概説したように設定し、ウェルあたり総量200μlとした。
細胞株を分画し、細胞を計数した。100μlの4×104細胞/mlまたは4×105細胞/mlを96ウェル平底組織培養プレートに加え、さらに100μlの完全McCoy’s 5a培地をこのプレートに加えた。次いでプレートを37℃、5%CO2にて一晩インキュベートした。翌日、細胞を位相差顕微鏡下で観察して、プレートに接着したことを確かめ、吸引によって、上清培地を除去した。100μlの新鮮なRPMI培地をプレートに加え、ミコグラブ(RTM)対試験薬物((5−FU:ホリニル酸:オキサリプラチン=3:1:0.42)の交差または培地のみ(5−FU対照に対して培地+2.5DMSO))を、表16で概説したように設定し、ウェルあたり総量200μlとした。
結果
HT29細胞に対するミコグラブ(RTM)の効果
細胞株HT29にて、ミコグラブ(RTM)はそれ自身において、125μg/mlにて、細胞生存率の50%減少を示した。
HT29細胞に対するミコグラブ(RTM)の効果
細胞株HT29にて、ミコグラブ(RTM)はそれ自身において、125μg/mlにて、細胞生存率の50%減少を示した。
HT29細胞に対する、抗癌剤5FUまたはオキサリプラチンのみ、および抗癌剤5FUまたはオキサリプラチンとの組み合わせでのミコグラブ(RTM)の効果
5−FU:
5−フルオロウラシルのIC50は150μg/mlであった。広い範囲の薬物濃度で、5−FUとミコグラブ(RTM)間の相乗効果の明確な兆候が存在した。表17〜20を参照のこと。
5−FU:
5−フルオロウラシルのIC50は150μg/mlであった。広い範囲の薬物濃度で、5−FUとミコグラブ(RTM)間の相乗効果の明確な兆候が存在した。表17〜20を参照のこと。
オキサリプラチン:
オキサリプラチンのIC50は16μg/mlであった。広範囲の薬物濃度で、オキサリプラチンおよびミコグラブ(RTM)間の相乗効果のわずかな兆候が存在した。表18。
オキサリプラチンのIC50は16μg/mlであった。広範囲の薬物濃度で、オキサリプラチンおよびミコグラブ(RTM)間の相乗効果のわずかな兆候が存在した。表18。
HT29細胞に対する抗癌剤5FUおよびオキサリプラチンとの組み合わせでのミコグラブ(RTM)の効果
LV/5FU/OxのIC50は、25/75/10.5μg/mlであった。広範囲の薬物濃度にて、5−FUおよびオキサリプラチンおよびミコグラブ(RTM)間の相乗効果のわずかな兆候が存在した。表22〜24を参照のこと。
LV/5FU/OxのIC50は、25/75/10.5μg/mlであった。広範囲の薬物濃度にて、5−FUおよびオキサリプラチンおよびミコグラブ(RTM)間の相乗効果のわずかな兆候が存在した。表22〜24を参照のこと。
要約
この結果から、抗体は、5−FUおよびホリニン酸またはオキサリプラチンとの相乗効果の兆候、および75μg/mlを超える5−FU、10.5μg/mlを超えるオキサリプラチンの濃度で、5−FUおよびホリニン酸およびオキサリプラチンとの組み合わせで、4つの薬物での相乗効果のわずかな兆候を示したことが分かる。5−FUおよびオキサリプラチンとの相乗効果の兆候が存在した。表25は、ED50、ED75およびED90でのCI値を要約している。
この結果から、抗体は、5−FUおよびホリニン酸またはオキサリプラチンとの相乗効果の兆候、および75μg/mlを超える5−FU、10.5μg/mlを超えるオキサリプラチンの濃度で、5−FUおよびホリニン酸およびオキサリプラチンとの組み合わせで、4つの薬物での相乗効果のわずかな兆候を示したことが分かる。5−FUおよびオキサリプラチンとの相乗効果の兆候が存在した。表25は、ED50、ED75およびED90でのCI値を要約している。
Claims (33)
- 癌の処置のための薬剤の製造方法における、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ハーセプチン、ドセタキセルおよびシスプラチンからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
の使用。 - 癌の処置における、同時、分離または連続使用のための、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ハーセプチン、ドセタキセルおよびシスプラチンからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を含む組み合わせ調製物。 - 前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号1の配列を有するペプチドによって提示されるエピトープに特異的である、請求項1または2のいずれかに記載の使用または組み合わせ調製物。
- 前記抗体は、配列番号2の配列を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用または組み合わせ調製物。
- 前記癌は、線維肉腫、乳癌、前立腺癌、黒色肉腫、白血病、リンパ腫、大腸癌、精巣生殖細胞腫、膵臓癌、卵巣癌、子宮内膜腫瘍、甲状腺癌および肺癌からなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用または組み合わせ調製物。
- 必要とする患者に、治療的に効果的な量の、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ハーセプチン、ドセタキセルおよびシスプラチンからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を投与することを含む、癌の処置方法。 - 白血病の処置のための薬剤の製造方法における、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント
の使用。 - 白血病の処置のための薬剤の製造方法における、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)イマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびヒドロキシウレアからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
の使用。 - 白血病の処置における、同時、分離または連続使用のための、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)イマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびヒドロキシウレアからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を含む組み合わせ調製物。 - 前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号1の配列を有するペプチドによって提示されるエピトープに特異的である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の使用または組み合わせ調製物。
- 前記抗体は、配列番号2の配列を含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の使用または組み合わせ調製物。
- 前記白血病は、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病および慢性リンパ性白血病からなる群より選択される、請求項7〜11のいずれか一項に記載の使用または組み合わせ調製物。
- 前記少なくとも1つの抗癌剤は、イマチニブである、請求項7〜12にいずれか一項に記載の私用または組み合わせ調製物。
- 前記白血病は、慢性骨髄性白血病または急性リンパ性白血病である、請求項7〜13のいずれか一項に記載の使用または組み合わせ調製物。
- 前記白血病は、フィラデルフィア染色体陽性の細胞、またはフィラデルフィア染色体陽性陰性の細胞によって特徴づけられる、請求項14に記載の使用または組み合わせ調製物。
- 前記抗癌剤はイマチニブであり、前記白血病は、フィラデルフィア染色体陽性の細胞によって特徴づけられる、請求項14に記載の使用または組み合わせ調製物。
- 前記抗癌剤はイマチニブであり、前記白血病は、フィラデルフィア染色体陰性の細胞によって特徴づけられる、請求項14に記載の使用または組み合わせ調製物。
- 前記白血病は、イマチニブ耐性の細胞によって特徴づけられる、請求項7〜17のいずれか一項に記載の使用または組み合わせ調製物。
- 必要としている患者に、治療的に効果的な量の、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)イマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびヒドロキシウレアからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を投与することを含む、白血病の処置方法。 - 前記白血病は慢性骨髄性白血病であり、前記少なくとも1つの抗癌剤はイマチニブである、請求項19に記載の方法。
- 癌の処置のための薬剤の製造方法における、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)5−フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカンおよびラルチトレキシドからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
の使用。 - 癌の処置における、同時、分離または連続使用のための、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)5−フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカンおよびラルチトレキシドからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を含む組み合わせ調製物。 - 前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号1の配列を有するペプチドによって提示されるエピトープに特異的である、請求項21または22のいずれかに記載の使用または組み合わせ調製物。
- 前記抗体は、配列番号2の配列を含む、請求項21〜23のいずれか一項に記載の使用または組み合わせ調製物。
- 前記癌は、線維肉腫、乳癌、前立腺癌、黒色肉腫、白血病、リンパ腫、大腸癌、精巣生殖細胞腫、膵臓癌、卵巣癌、子宮内膜腫瘍、甲状腺癌および肺癌からなる群より選択される、請求項21〜24のいずれか一項に記載の使用または組み合わせ調製物。
- 前記癌は、結腸直腸癌または腺癌である、請求項25に記載の使用または組み合わせ調製物。
- 必要としている患者に、治療的に効果的な量の、
(i)Hsp90の少なくとも1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメント、および
(ii)5−フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカンおよびラルチトレキシドからなる群より選択される少なくとも1つの抗癌剤、
を投与することを含む、癌の処置方法。 - 前記抗癌剤は5−フルオロウラシルであり、さらにホリニン酸(ロイコボリン)を含む、請求項21〜27のいずれか一項に記載の利用、組み合わせ調製物または方法。
- 前記抗癌剤は、5−フルオロウラシル、ホリニン酸(ロイコボリン)およびオキサリプラチンを含む、請求項28に記載の利用、組み合わせ調製物または方法。
- 前記組成物または組み合わせ調製物は経口投与される、請求項6、19、20、27、28および29のいずれか一項に記載の方法。
- 前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、検出可能な標識で標識化される、請求項1〜30のいずれか一項に記載の利用、組み合わせ調製物または方法。
- 前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、エフェクタ分子と共役する、請求項1〜31のいずれか一項に記載の利用、組み合わせ調製物または方法。
- 実施例を参照して本明細書にて本質的に記述したような発明。
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