JP2008311017A - 接続装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特に電子部品の電極との接続による金属間化合物の生成及び転写を従来に比べて抑制することを可能とした接続装置を提供することを目的としている。
【解決手段】 接続部を構成する芯部の表面に、金属層34と、前記金属層34中に分散され一部が表面33aに露出するフッ素樹脂粒子35とを有する被覆部33が形成される。これにより、前記フッ素樹脂粒子35の金属に対する反発機能や分離・剥離機能(金属に対する非付着性)が適切に作用し、突出電極42と接続部間の接続による金属間化合物の生成及び転写を従来に比べて抑制することが可能である。
【選択図】図6

Description

本発明は、ICパッケージなどの電子部品が設置される接続装置に係り、特に電子部品の電極との接続による金属間化合物の生成及び転写を従来に比べて抑制することを可能とした接続装置に関する。
以下の特許文献1には、複数のスパイラル状の弾性腕を有する接続部を備えた接続装置が開示されている。ICパッケージなどの電子部品の底面には複数の球状の電極が設けられており、それぞれの電極が弾性腕に弾圧されて、電極と接続部とが一対一の関係で個別で接続される。
特許文献1の図4Fには、例えば金(Au)で形成された最表面層(特許文献1では導電性部材40)を有する接続部の断面形状が示されている。
また前記電子部品の電極は例えば半田で形成される。
特開2005−032708号公報
しかしながら従来では以下に説明する問題が生じた。図面を用いて説明する。
図10(a)は、接続部の金(Au)で形成された最表面層4と、電子部品の半田で形成された電極2とが接触した状態を示す。前記接続部を備えた接続装置は、例えば電子部品に対する検査用として用いられ、前記電子部品は前記接続装置内に永久的に装着されるものでなく、装着と離脱とが繰り返して行われる。よって、前記電極2も、図10(a)に示す接続部の最表面層4に接触した状態から検査終了後、接続部の最表面層4から離されることになる。
金(Au)は化学的に極めて安定なため、前記最表面層4に酸化層は形成されない。このため、図10(b)のように最表面層4と半田からなる電極2とが接触すると両者間で金属結合し、このとき、金が前記半田中に拡散し、非常に脆くて硬い金属間化合物3が生成される。前記金属間化合物3は、バーン・イン検査等の加熱下で特に生成されやすい。
図10(c)に示すように、前記電極2を前記最表面層4から離すと、前記金属間化合物3は金(Au)からなる最表面層4に転写される。前記接続部に対して電極2を有する電子部品の装着と離脱とが繰り返し行われたり、前記電極が前記接続部の最表面層4上を摺動等すると前記金属間化合物3が前記最表面層4に蓄積されていき、やがて前記電子部品の電極2との間で導通不良を起こすといった問題があった。
上記した問題は、最表面層4がAuであると顕著に現れるが、Auでなくても白金族系元素やNi等であっても電極2との異種金属間での接触では上記した金属間化合物が生成されてしまう。
特許文献1に記載された発明には上記した従来技術の課題認識がなく、当然、上記した課題を解決する手段は開示されていない。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、特に電子部品の電極との接続による金属間化合物の生成及び転写を従来に比べて抑制することを可能とした接続装置を提供することを目的としている。
本発明は、電子部品の電極と電気的に接続される接続部を備えた接続装置において、
前記接続部には、導電性の芯部の少なくとも前記電極と接触する表面に、金属層と、前記金属層中に分散され一部が表面に露出するフッ素樹脂粒子とを有する被覆部が形成されていることを特徴とするものである。
このように前記被覆部に前記フッ素樹脂粒子を含有し、しかも前記フッ素樹脂粒子の一部が前記被覆部の表面に露出していることで、前記フッ素樹脂粒子の金属に対する反発機能や分離・剥離機能(金属に対する非付着性)が適切に作用し、前記電極と接続部間の接続による金属間化合物の生成及び転写を従来に比べて抑制することが可能である。
また前記フッ素樹脂粒子の撥水撥油効果による前記金属層への酸化膜の生成を抑制でき接触抵抗の増大を抑制できる。
本発明では、前記被覆部はメッキ形成されていることが、簡単且つ適切に前記芯部の表面に前記被覆部を形成でき好適である。
また本発明では、前記被覆部の前記金属層の表面には、前記電極との接触抵抗を低下させるための最表面層が形成されていることが好ましい。前記最表面層は前記被覆部の金属層表面に形成され、前記フッ素樹脂粒子上を覆っていないため、フッ素樹脂粒子の被覆部表面への露出状態は保たれている。前記接続部の最表面が前記被覆部の表面であってもよいが、前記被覆部の金属層よりも電気伝導性に優れた材質の金属からなる最表面層を設けることで、より効果的に接触抵抗を低減できる。
また本発明では、前記最表面層は、金(Au)、あるいは白金族元素のうち、少なくとも1種の元素を有して形成されることが好ましい。前記最表面層にAuを用いても、本発明では、前記フッ素樹脂粒子の一部が接続部表面に露出しているため、接触抵抗を低減しつつ、前記電極と接続部間の接続による金属間化合物の生成及び転写を従来に比べて適切に抑制することができる。
また本発明では、前記芯部は、銅(Cu)または銅合金と、ニッケルまたはニッケル合金の、少なくとも一方で形成されていることが好ましい。
また本発明は、前記接続部に対して、前記電極を有する前記電子部品の装着と離脱とが繰り返して行われる検査用である場合に有効である。すなわち、前記電子部品の着脱を繰り返しても、効果的に前記電極と接続部間の接続による金属間化合物の生成及び転写を従来に比べて抑制することが可能である。
また本発明では、前記電極が半田で形成されている場合に有効である。すなわち、前記電極に半田を使用しても、効果的に前記電極と接続部間の接続による金属間化合物の生成及び転写を従来に比べて抑制することが可能である。
本発明の接続装置によれば、接続部と電子部品の電極間の接続による金属間化合物の生成及び転写を従来に比べて抑制することが可能である。
図1は、本発明の実施の形態である接続装置の部分断面図、図2は、図1に示す接続装置の接続部付近を示す拡大断面図、図3は、本実施形態の接続部の平面図、図4は、前記接続部の弾性腕の部分を膜厚方向から切断した切断面を示す断面図、図5は、図4の前記弾性腕を構成する被覆部と電子部品の電極との接触状態を示す部分拡大断面図、図6は、図5をさらに拡大した前記被覆部と前記電極との接触状態を示す部分拡大断面図、である。
図1に示す接続装置1は、基台10を有している。基台10の平面形状は例えば四角形状であり、基台10の4辺のそれぞれにはほぼ垂直に立ち上がる側壁部10aが形成されている。4辺の側壁部10aで囲まれた領域は凹部であり、その底部10bの上面が支持面12である。前記支持面12の上には、接続シート15が設置されている。接続シート15は、可撓性の基材シート16の表面に複数の接続部20が設けられている。
図2に示すように、前記基材シート16には、多数のスルーホール16aが形成され、それぞれのスルーホール16aの内周面には導電層17がメッキなどの手段で形成されている。基材シート16の表面には、前記導電層17に導通する表側の接続ランド17aが形成され、基材シート16の裏面には、前記導電層17に導通する裏側の接続ランド17bが形成されている。
前記接続部20は、薄い導電性金属板を打ち抜いて形成されさらにメッキ処理されたものであり、個々の接続部20が、前記接続ランド17aの表面に導電性接着剤などで接合されている。あるいは、接続部20は、銅やニッケルなどの導電性材料を使用してメッキ工程で形成される。例えば、基材シート16とは別個のシートの表面に複数の接続部20がメッキ工程で形成され、前記シートが、基材シート16に重ね合わされて、それぞれの接続部20が、導電性接着剤などで前記接続ランド17aに接合される。
それぞれの接続部20は、基材シート16に設置された後に、外力が与えられて立体形状に形成される。このとき、加熱処理で内部の残留応力が除去され、接続部20は立体形状で弾性力を発揮できるようになる。
図2に示すように、基材シート16の裏面側では、前記接続ランド17bに個別に接続する導電性材料のバンプ電極18が形成されている。図1に示すように、接続シート15が基台10の底部10bの表面である支持面12に設置されると、前記バンプ電極18が、前記支持面12に設けられた導電部に接続される。
前記支持面12上での接続部20の配列ピッチは、例えば2mm以下であり、あるいは1mm以下である。接続部20の外形寸法の最大値も2mm以下であり、あるいは1mm以下である。
図2と図3に示すように、接続部20は、支持部21と弾性腕22が一体に連続して形成されている。弾性腕22は螺旋形状に形成されており、弾性腕22の巻き始端である基部22aが、支持部21と一体化されている。弾性腕22の巻き終端である先端部22bは、螺旋のほぼ中心部に位置している。図2に示すように、接続部20を構成している支持部21が前記接続ランド17aに接続され、弾性腕22は、先端部22bが支持面12から離れるように立体成形されている。
図4に断面図で示すように、弾性腕22は、芯部30と、この芯部30の表面の全周を覆う被覆部33を有している。芯部30は、導電層31の周囲の全周が弾性層32で覆われたものである。導電層31は、銅(Cu)または銅を含む合金の単層である。銅合金は、高い電気導電度と高い機械的強度を有するCu,Si,Niを有するコルソン合金が好ましく使用される。コルソン合金は、例えばCu−Ni−Si−Mgで、Cuが96.2質量%、Niが3.0質量%、Siが0.65質量%、Mgが0.15質量%のものが使用される。
弾性層32は、導電性であり且つ高い機械的強度と高い曲げ弾性係数を発揮する金属材料であり、ニッケル(Ni)層またはNiを含む合金層である。Ni合金は、Ni−X合金(ただしXは、P、W、Mn、Ti、Beのいずれか一種以上)が使用される。弾性層32は、導電層31の周囲に電解メッキまたは無電解メッキを施すことで形成される。弾性層32は、好ましくは無電解メッキで形成されたNi−P合金である。Ni−P合金では、リン(P)の濃度を10at%以上で30at%以下とすることにより、少なくとも一部が非晶質となり、高い弾性係数と高い引っ張り強度を得ることができる。あるいは、弾性層32はNi−W合金で形成される。この場合もタングステン(W)の濃度を10at%以上で30at%以下とすることにより、少なくとも一部が非晶質となり、高い弾性係数と高い引っ張り強度を得ることができる。
図4において、前記弾性層32の断面積は、芯部30の断面積の20%以上で80%以下であることが好ましい。前記範囲であると、芯部30が導電性とばね性の双方の機能を発揮できる。また図4の断面図において、芯部30の厚さ寸法および幅寸法は、共に10μm以上で100μm以下である。
被覆部33は、前記弾性腕22と電子部品の突出電極との接触による金属間化合物の生成及び転写を従来に比べて抑制するために設けられたものである。
図5に示すように前記被覆部33は、金属層34と、前記金属層34中に分散された多数のフッ素樹脂粒子35を有して構成される。
前記金属層34は、例えば、ニッケル(Ni)またはNi合金で形成される。Ni合金は、Ni−X合金(ただしXは、P、W、Mn、Ti、Beのいずれか一種以上)が好ましく使用される。前記金属層34をNi合金で形成する場合、前記弾性層32と同様にNi−P合金やNi−W合金で形成することが好適である。前記金属層34中に占めるNi−P合金及びNi−W合金のP及びWの濃度を10at%以上で30at%以下の範囲内にて調整する。
前記フッ素樹脂粒子35は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で形成される。
前記フッ素樹脂粒子35は、図6に示すように、被覆部33の表面33aに露出している。被覆部33の表面33aに露出しているのは一部のフッ素樹脂粒子35であり、図5のように被覆部33の内部に完全に埋もれているフッ素樹脂粒子35があってもよい。
また前記フッ素樹脂粒子35は前記被覆部33の表面33aに露出していればよく、前記フッ素樹脂粒子35の前記表面33aからの突出量が大きくなると、電子部品40の突出電極42と前記被覆部33の金属層34間の接触面積が小さくなって導通性が低下するので(最悪、導通不良となる)、前記被覆部33の平均膜厚は前記フッ素樹脂粒子35の平均粒径以上であることが好適である。前記被覆部33の平均膜厚とは、前記被覆部33の全域(金属層34が存在するかフッ素樹脂粒子35が存在するかは問わない)での膜厚を平均化したものであるが、実際には任意に定めた複数の測定点での膜厚を平均化して前記被覆部33の平均膜厚を求める。前記フッ素樹脂粒子35間を埋める金属層34の膜厚が前記フッ素樹脂粒子35の平均粒径より薄いと、前記被覆部33の平均膜厚は、前記フッ素樹脂粒子35の平均粒径より薄くなり、前記フッ素樹脂粒子35の表面33aからの突出量が大きくなるので、前記フッ素樹脂粒子35間を埋める金属層34の膜厚を前記フッ素樹脂粒子35の平均粒径以上に厚くして、前記被覆部33の平均膜厚を、前記フッ素樹脂粒子35の平均粒径以上にすることで、前記フッ素樹脂粒子35の表面33aからの突出量を小さくできる。
ただし上記のように被覆部33の平均膜厚がフッ素樹脂粒子35の平均粒径より小さくなる場合であっても後述する図7のように前記金属層34上に最表面層50を形成する形態では、被覆部33の平均膜厚がフッ素樹脂粒子35の平均粒径より小さくなっても前記フッ素樹脂粒子35の突出量を小さくすることができる。
前記フッ素樹脂粒子35の平均粒径は0.1〜5μm程度であることが好ましい。前記フッ素樹脂粒子35は、球状、半楕円球状、鱗片状等、特に限定しないが、前記フッ素樹脂粒子35が球状以外の形態である場合には、長径、長辺の長さの平均を、「平均粒径」と設定する。前記フッ素樹脂粒子35の平均粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)にて複数個のフッ素樹脂粒子35の粒径を測定し、その平均を算出して特定したものである。
また前記被覆部33の平均膜厚は、0.5〜6μm程度であることが好適である。
また前記フッ素樹脂粒子35は、前記被覆部33中に10〜50vol%含まれることが好適である。これにより、前記被覆部33を設けた効果(従来に比べて金属間化合物の生成及び転写を抑制する効果)を大きくでき、しかも、前記被覆部33と電子部品の突出電極42間の導通性を適切に確保できる。
図1に示すように、接続装置1には、電子部品40が設置される。電子部品40は、ICパッケージなどであり、ICベアチップなどの各種電子素子が本体部41内に密閉されている。本体部41の底面41aには、複数の突出電極42が設けられており、それぞれの突出電極42が本体部41内の回路に導通している。この実施の形態の電子部品40は、前記突出電極42が球形状である。また、突出電極42は裁頭円錐形状などであってもよい。
前記突出電極42は、スズを含む導電性の合金で形成されている。すなわち、鉛を含まない半田で形成されており、例えばスズ・ビスマス合金や、スズ・銀合金である。
実施の形態の接続装置1は、電子部品40の検査用であり、図1に示すように、被検査物である電子部品40が、基台10の凹部内に装着される。このとき、電子部品40は、本体部41の底面41aに設けられた個々の突出電極42が前記接続部20の上に設置されるように位置決めされる。基台10の上には図示しない押圧用の蓋体が設けられており、この蓋体を基台10上に被せると、この蓋体により電子部品40が矢印F方向へ押圧される。この押圧力により、それぞれの突出電極42が弾性腕22に押し付けられ、立体形状の弾性腕22が押しつぶされて、突出電極42と弾性腕22とが個別に導通させられる。
接続装置1がいわゆるバーン・イン検査に使用される場合には、周囲の温度が150℃程度に設定された状態で、外部の検査用の回路から接続部20を経て突出電極42に電流が与えられて、電子部品40の本体部41内の回路が断線しているか否かの検査が行われる。あるいは、接続部20から突出電極42に所定の信号が与えられて、本体部41内の回路の動作試験が行われる。
検査が完了した電子部品40は、接続装置1から取り出され、次に検査すべき電子部品40が接続装置1内に設置されて、同様にして検査が行われる。この検査が繰り返される。そのため、接続部20の弾性腕22には、新たな電子部品40の突出電極42が次々に接触することになる。
本実施形態では図4で説明したように、弾性腕22は、導電性の金属で形成された芯部30の表面に被覆部33が形成されており、この被覆部33は、金属層34と、前記金属層34中に分散され一部が表面に露出するフッ素樹脂粒子35とを有して構成される。
上記した被覆部33を形成することで、前記フッ素樹脂粒子35の金属に対する反発機能や分離・剥離機能(金属に対する非付着性)が適切に作用し、前記突出電極42と弾性腕22間の接続による金属間化合物の生成及び転写を従来に比べて抑制することが可能である。
また前記フッ素樹脂粒子35の撥水撥油効果により、前記金属層34に対する酸化膜の生成を適切に抑制することが可能である。したがって前記突出電極42との接触抵抗の増大を適切に抑制することが可能である。また換言すれば、このような撥水撥油効果により、前記金属層34に酸化しやすい材質を用いても、酸化膜の形成を抑制できるため前記金属層34の材質の選択性が広がる。すなわち金属単独では酸化膜が形成されやすくても、フッ素樹脂粒子35を含有することで酸化膜の形成を抑制でき、突出電極42との接触抵抗の増大を抑制できるから前記被覆部33の表面を最表面として使用することが可能である。
上記したように前記金属層34は、例えばNi又はNi合金で形成される。後述する実験に示すように、これにより、前記突出電極42と弾性腕22間の接続による金属間化合物の生成及び転写を従来に比べて抑制することが可能である。
また前記金属層34は、金(Au)、あるいは白金族元素のうち、少なくとも1種の元素を有して形成されてもよい。例えば前記金属層34はAuあるいはPdで形成される。前記金属層34がAuで形成されるとき、従来技術でも説明したようにAuは化学的に極めて安定であるため、Auのみで前記被覆部33を構成すると、半田との接触により容易に金属結合してしまい金属間化合物が生成され、その金属間化合物がAu側に転写されるといった問題が発生したが、本実施形態では前記被覆部33中にフッ素樹脂粒子35を含有したことで、従来に比べて金属間化合物の生成及び前記弾性腕22側への転写を従来に比べて抑制することが可能である。
前記被覆部33は、電解メッキあるいは無電解メッキにより形成されることが好適である。金属層34を構成する金属イオンと、フッ素樹脂粒子とを含有したメッキ液を用いて前記被覆部33を前記芯部30の表面にメッキ形成する。
なお、めっきにより共析させるためには、フッ素樹脂をめっき液中に安定に分散させる必要がある。その為、分散させるための分散剤として、界面活性剤が使用されている。
図4に示すように前記被覆部33は前記芯部30の全周にわたって形成されているが、少なくとも前記突出電極42と接触する表面にのみ形成すれば足りる。
ただし図4のように前記被覆部33を前記芯部30の全周に形成することが前記被覆部33の形成を容易化できるし、また図1、図2に示した接続装置1では、前記突出電極42の形状や大きさ等によって弾性変形する前記弾性腕22と前記突出電極42との接触範囲が変動しやすいので、図4のように前記被覆部33を前記芯部30の全周に形成することが、金属間化合物の生成及び前記弾性腕22側への転写を効果的に抑制することが可能であり好適である。
また図7に示す実施形態に示すように、前記被覆部33の金属層34の表面に、前記突出電極42との接触抵抗を低下させる最表面層50が形成されていてもよい。
前記最表面層50は、前記金属層34よりも比抵抗が低い金属材料で形成される。前記最表面層50は、金(Au)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)の少なくとも1種から形成される。前記最表面層50をAuあるいは白金族金属元素で形成することで、前記突出電極42との接触抵抗を適切に低下させることが可能である。
前記被覆部33を構成する金属層34が例えばNiで形成され、前記最表面層50が例えばAuあるいはPdで形成される。
前記最表面層50は電解メッキあるいは無電解メッキで形成される。このとき前記最表面層50は、図7に示すように前記被覆部33の金属層34の表面に電着し、前記フッ素樹脂粒子35の表面には電着しない。よって前記フッ素樹脂粒子35は弾性腕22の表面に露出した状態を維持するため、接触抵抗の低下とともに金属間化合物の生成及び転写の抑制効果を適切に発揮させることが可能である。
本実施形態での弾性腕22は図2及び図3に示すように上方に向けて立体成形された螺旋形状であったが、立体成形されていなくてもよく、また螺旋形状以外であってもよい。また、弾性変形しない接続部の表面に本実施形態の被覆部33を適用してもよい。
また実施形態では前記電子部品40の突出電極42は半田であったが、半田でなくても、接続部20との接触(特に異種金属間で起こりやすい)が繰り返されたり摺動動作が加わると、金属間化合物が生成されやすくなり、特に前記金属間化合物は加熱工程が加わるとより形成されやすいため、前記突出電極42が半田でなくても、本実施形態の被覆部33を形成したほうが効果的である。
図8に示すプローブ51と基板52を用意し、以下に説明する摺動試験を行った。図8は、実験に使用されるプローブ51及び基板52の模式図である。
実施例では、快削黄銅上にNiの金属層とフッ素樹脂粒子とから成る被覆部を厚さ1.5μmにてメッキ形成し、さらに前記金属層上にPdを厚さ0.2μmにて電解メッキして前記プローブ51を形成した。
また比較例では、快削黄銅上にNiから成る被覆部を厚さ5μmにて無電解メッキ形成し、さらに前記被覆部上にAuを厚さ0.5μmにて電解メッキして前記プローブ51を形成した。
実施例及び比較例におけるプローブ51の先端の半径Rはいずれも100μmであった。
また黄銅板の表面に厚さ10μmにて半田(Sn−Bi)をメッキしてなる前記基板52を形成した。
実験では前記プローブ51を前記基板52の表面に荷重20gfにて押し当て、その状態にて前記プローブ51を前記基板52上で25往復(距離にすると20mm)摺動させて、前記プローブ51先端の状態を観察した。
図9(a)が実施例のプローブ先端の写真で、図9(b)が比較例のプローブ先端の写真である。
図9(a)中及び図9(b)中に示される拡大写真はいずれも走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
図9(a)に示す実施例では、前記プローブ51の先端を基板52表面の半田上にて摺動させることで生成される金属間化合物が前記プローブ51先端にあまり付着していなかったのに対し、図9(b)に示す比較例では、前記金属間化合物が前記プローブ51先端に実施例に比べて多く付着していることがわかった。
図10は、上記の実施例及び比較例における接点圧力と接触抵抗との関係を示すグラフであるが、図10に示すように、接点圧力が0.01(gf/μm)より大きい範囲では、実施例及び比較例ともに前記接点圧力に対する接触抵抗はさほど変わらなかった。一方、前記接点圧力が0.01(gf/μm2)以下になると、実施例のほうが比較例に比べて前記接点圧力に対する接触抵抗を小さくできることがわかった。
本発明の実施の形態である接続装置の部分断面図、 図1に示す接続装置の接続部付近を示す拡大断面図、 本実施形態の接続部の平面図、 接続部の弾性腕の部分を膜厚方向から切断した切断面を示す断面図、 図4の前記弾性腕を構成する被覆部と電子部品の電極との接触状態を示す部分拡大断面図、 図5をさらに拡大した被覆部と電極との接触状態を示す部分拡大断面図、 図6とは別の構成の本実施形態における被覆部と電極との接触状態を示す部分拡大断面図、 摺動実験で使用したプローブと基板との模式図、 快削黄銅上に被覆部を形成し、さらに前記被覆部上に最表面層を形成したプローブを基板上にて摺動させた後の前記プローブ先端の写真であり、(a)は、前記被覆部をNiとフッ素樹脂粒子とで形成し、前記最表面層をPdで形成した実施例のプローブ先端の写真、(b)は、前記被覆部をNiで形成し、前記最表面層をAuで形成した比較例のプローブ先端の写真、 実施例、及び比較例の接点圧力と接触抵抗の関係を示すグラフ、 従来の問題点を説明するための接続装置の接続部の表面部分と電子部品の電極との拡大図、
符号の説明
1 接続装置
10 基台
12 支持面
15 接続シート
16 基材シート
20 接続部
21 支持部
22 弾性腕
30 芯部
31 導電層
32 弾性層
33 被覆部
40 電子部品
42 突出電極
50 最表面層
51 プローブ
52 基板

Claims (7)

  1. 電子部品の電極と電気的に接続される接続部を備えた接続装置において、
    前記接続部には、導電性の芯部の少なくとも前記電極と接触する表面に、金属層と、前記金属層中に分散され一部が表面に露出するフッ素樹脂粒子とを有する被覆部が形成されていることを特徴とする接続装置。
  2. 前記被覆部はメッキ形成されている請求項1記載の接続装置。
  3. 前記被覆部の前記金属層の表面には、前記電極との接触抵抗を低下させるための最表面層が形成されている請求項1又は2に記載の接続装置。
  4. 前記最表面層は、金(Au)、あるいは白金族元素のうち、少なくとも1種の元素を有して形成される請求項3記載の接続装置。
  5. 前記芯部は、銅(Cu)または銅合金と、ニッケルまたはニッケル合金の、少なくとも一方で形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の接続装置。
  6. 前記接続部に対して、前記電極を有する前記電子部品の装着と離脱とが繰り返して行われる検査用である請求項1ないし5のいずれかに記載の接続装置。
  7. 前記電極は半田で形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の接続装置。
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JP2010212091A (ja) * 2009-03-10 2010-09-24 Alps Electric Co Ltd 弾性接触子
JP2011044382A (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 Panasonic Electric Works Co Ltd 基板接続用雌側コネクタ及びそれを含むコネクタアッセンブリー

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