JP2008306490A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】観察用光束を受光する撮像素子による測光値を適切に補正することが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置1は、撮影光学系からの光束であって主反射面61で反射された光束である観察用光束をファインダ窓10へと導くことが可能なファインダ光学系と、観察用光束を受光して画像信号を生成する撮像素子7と、撮像素子7の画像信号に基づいて観察用光束の明るさに関する測定値を算出する算出手段と、撮像素子7とは別個に設けられる測光センサ79とを備える。撮像装置1は、主反射面61をミラーアップ位置PS1に移動して撮像素子7と測光センサ79とを含む所定の空間SUを遮光状態にし、当該遮光状態における測光センサ79の出力信号に基づいて、撮像素子7による測定値を補正する。
【選択図】図16
【解決手段】撮像装置1は、撮影光学系からの光束であって主反射面61で反射された光束である観察用光束をファインダ窓10へと導くことが可能なファインダ光学系と、観察用光束を受光して画像信号を生成する撮像素子7と、撮像素子7の画像信号に基づいて観察用光束の明るさに関する測定値を算出する算出手段と、撮像素子7とは別個に設けられる測光センサ79とを備える。撮像装置1は、主反射面61をミラーアップ位置PS1に移動して撮像素子7と測光センサ79とを含む所定の空間SUを遮光状態にし、当該遮光状態における測光センサ79の出力信号に基づいて、撮像素子7による測定値を補正する。
【選択図】図16
Description
本発明は、デジタルカメラなどの撮像装置に関する。
一眼レフレックスタイプのカメラ(一眼レフカメラとも称する)において、ライブビュー機能(被写体に関する時系列の画像を順次に液晶表示部等に表示する機能、換言すれば被写体の画像を動画的態様で液晶表示部等に表示する機能)を搭載する技術が存在する。
例えば、特許文献1のカメラにおいては、撮像用(静止画像記録用)の撮像素子とは別個のライブビュー用の撮像素子がファインダー光学系の近傍に設けられている。また、接眼レンズ付近のファインダー光路中に当該光路に対して進退可能な可動反射ミラーが設けられている。そして、この反射ミラーがファインダー光路に対して進退することによって、被写体からの観察用光束が接眼レンズへ向かう状況と、被写体からの観察用光束がライブビュー用の撮像素子へ到達する状況とが選択的に切り換えられる。当該カメラにおいては、ライブビュー用の撮像素子へと導かれた光像を用いてライブビュー機能が実現される。
ところで、ライブビュー表示時等においては、観察用光束を受光する撮像素子(上述のようなライブビュー用の撮像素子等)を測光手段として利用することが可能である。
しかしながら、ライブビュー連続使用時等において撮像素子の温度が上昇すると、当該撮像素子による測光結果に大きな誤差が生じてしまう。このような誤差(測光誤差とも称する)は、ライブビュー画像等の劣化を引き起こすため望ましくない。
そこで、この発明は、観察用光束を受光する撮像素子による測光値を適切に補正することが可能な撮像装置を提供することを課題とする。
本発明は、撮像装置であって、撮影光学系からの光束であって主反射面で反射された光束である観察用光束をファインダ窓へと導くことが可能なファインダ光学系と、前記観察用光束を受光して画像信号を生成する撮像素子と、前記撮像素子の前記画像信号に基づいて、前記観察用光束の明るさに関する測定値を算出する算出手段と、前記撮像素子とは別個に設けられる測光センサと、前記主反射面をミラーアップ位置に移動して前記撮像素子と前記測光センサとを含む所定の空間を遮光状態にし、当該遮光状態における前記測光センサの出力信号に基づいて、前記撮像素子による前記測定値を補正する制御手段と、を備える。
本発明によれば、観察用光束を受光する撮像素子による測光値を適切に補正することが可能である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.構成概要>
図1および図2は、本発明の実施形態に係る撮像装置1(1A)の外観構成を示す図である。ここで、図1は、撮像装置1の正面外観図であり、図2は、撮像装置1の背面外観図である。この撮像装置1は、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルカメラとして構成されている。
図1および図2は、本発明の実施形態に係る撮像装置1(1A)の外観構成を示す図である。ここで、図1は、撮像装置1の正面外観図であり、図2は、撮像装置1の背面外観図である。この撮像装置1は、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルカメラとして構成されている。
図1に示すように、撮像装置1は、カメラ本体部(カメラボディ)2を備えている。このカメラ本体部2に対して、交換式の撮影レンズユニット(交換レンズ)3が着脱可能である。
撮影レンズユニット3は、主として、鏡胴36、ならびに、鏡胴36の内部に設けられるレンズ群37(図3参照)及び絞り等によって構成される。レンズ群37(撮影光学系)には、光軸方向に移動することによって焦点位置を変更するフォーカスレンズ等が含まれている。
カメラ本体部2は、撮影レンズユニット3が装着される円環状のマウント部Mtを正面略中央に備え、撮影レンズユニット3を着脱するための着脱ボタン89を円環状のマウント部Mt付近に備えている。
また、カメラ本体部2は、その正面左上部にモード設定ダイヤル82を備え、その正面右上部に制御値設定ダイヤル86を備えている。モード設定ダイヤル82を操作することによれば、カメラの各種モード(各種撮影モード(人物撮影モード、風景撮影モード、およびフルオート撮影モード等)、撮影した画像を再生する再生モード、および外部機器との間でデータ交信を行う通信モード等を含む)の設定動作(切替動作)を行うことが可能である。また、制御値設定ダイヤル86を操作することによれば、各種撮影モードにおける制御値を設定することが可能である。
また、カメラ本体部2は、正面左端部に撮影者が把持するためのグリップ部14を備えている。グリップ部14の上面には露光開始を指示するためのレリーズボタン11が設けられている。グリップ部14の内部には電池収納室とカード収納室とが設けられている。電池収納室にはカメラの電源として、例えば4本の単3形乾電池が収納されており、カード収納室には撮影画像の画像データを記録するためのメモリカード90(図3参照)が着脱可能に収納されるようになっている。
レリーズボタン11は、半押し状態(S1状態)と全押し状態(S2状態)の2つの状態を検出可能な2段階検出ボタンである。レリーズボタン11が半押しされS1状態になると、被写体に関する記録用静止画像(本撮影画像)を取得するための準備動作(例えば、AF制御動作およびAE制御動作等)が行われる。また、レリーズボタン11がさらに押し込まれてS2状態になると、当該本撮影画像の撮影動作(撮像素子5(後述)を用いて被写体像(被写体の光像)に関する露光動作を行い、その露光動作によって得られた画像信号に所定の画像処理を施す一連の動作)が行われる。
図2において、カメラ本体部2の背面略中央上部には、ファインダ窓(接眼窓)10が設けられている。撮影者は、ファインダ窓10を覗くことによって、撮影レンズユニット3から導かれた被写体の光像を視認して構図決定を行うことができる。すなわち、光学ファインダを用いて構図決めを行うことが可能である。
なお、この実施形態に係る撮像装置1においては、背面モニタ12(後述)に表示されるライブビュー画像を用いて構図決めを行うことも可能である。また、光学ファインダによる構図決め動作とライブビュー表示による構図決め動作との切換操作は、操作者が切換ダイヤル87を回転させることによって実現される。この切換操作等に関しては後に詳述する。
図2において、カメラ本体部2の背面の略中央には、背面モニタ12が設けられている。背面モニタ12は、例えばカラー液晶ディスプレイ(LCD)として構成される。背面モニタ12は、撮影条件等を設定するためのメニュー画面を表示したり、再生モードにおいてメモリカード90に記録された撮影画像を再生表示したりすることができる。また、操作者が光学ファインダによる構図決めではなくライブビュー表示による構図決めを選択した場合には、背面モニタ12には、撮像素子7(後述)によって取得された時系列の複数の画像(すなわち動画像)がライブビュー画像として表示される。
背面モニタ12の左上部にはメインスイッチ81が設けられている。メインスイッチ81は2点スライドスイッチからなり、接点を左方の「OFF」位置に設定すると、電源がオフになり、接点の右方の「ON」位置に設定すると、電源がオンになる。
背面モニタ12の右側には方向選択キー84が設けられている。この方向選択キー84は円形の操作ボタンを有し、この操作ボタンにおける上下左右の4方向の押圧操作と、右上、左上、右下及び左下の4方向の押圧操作とが、それぞれ検出されるようになっている。なお、方向選択キー84は、上記8方向の押圧操作とは別に、中央部のプッシュボタンの押圧操作も検出されるようになっている。
背面モニタ12の左側には、メニュー画面の設定、画像の削除などを行うための複数のボタンからなる設定ボタン群83が設けられている。
<2.機能ブロック>
つぎに、図3を参照しながら、撮像装置1の機能の概要について説明する。図3は、撮像装置1の機能構成を示すブロック図である。
つぎに、図3を参照しながら、撮像装置1の機能の概要について説明する。図3は、撮像装置1の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、撮像装置1は、操作部80、全体制御部101、フォーカス制御部121、ミラー制御部122、シャッタ制御部123、タイミング制御回路124、およびデジタル信号処理回路50等を備える。
操作部80は、レリーズボタン11(図1参照)を含む各種ボタンおよびスイッチ等を備えて構成される。操作部80に対するユーザーの入力操作に応答して、全体制御部101が各種動作を実現する。
全体制御部101は、マイクロコンピュータとして構成され、主にCPU、メモリ、及びROM等を備える。全体制御部101は、ROM内に格納されるプログラムを読み出し、当該プログラムをCPUで実行することによって、各種機能を実現する。
例えば、全体制御部101は、後述する撮像素子7による測光値の補正動作等を実現する。また、全体制御部101は、AFモジュール20およびフォーカス制御部121等と協動して、フォーカスレンズの位置を制御する合焦制御動作を行う。全体制御部101は、AFモジュール20によって検出される被写体の合焦状態に応じて、フォーカス制御部121を用いてAF動作を実現する。なお、AFモジュール20は、ミラー機構6を介して進入してきた光を用いて、位相差方式等の合焦状態検出手法により被写体の合焦状態を検出することが可能である。
フォーカス制御部121は、全体制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM1を駆動することによって、撮影レンズユニット3のレンズ群37に含まれるフォーカスレンズを移動する。また、フォーカスレンズの位置は、撮影レンズユニット3のレンズ位置検出部39によって検出され、フォーカスレンズの位置を示すデータが全体制御部101に送られる。このように、フォーカス制御部121および全体制御部101等は、フォーカスレンズの光軸方向の動きを制御する。
ミラー制御部122は、ミラー機構6が光路から退避した状態(ミラーアップ状態)とミラー機構6が光路を遮断した状態(ミラーダウン状態)との状態切替を制御する。ミラー制御部122は、全体制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM2を駆動することによって、ミラーアップ状態とミラーダウン状態とを切り替える。
シャッタ制御部123は、全体制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM3を駆動することによって、シャッタ4の開閉を制御する。
タイミング制御回路124は、撮像素子5等に対するタイミング制御を行う。
撮像素子(ここではCCDセンサ(単にCCDとも称する))5は、光電変換作用により被写体の光像を電気的信号に変換して、本撮影画像に係る画像信号(記録用の画像信号)を生成する。撮像素子5は、記録画像取得用の撮像素子であるとも表現される。
撮像素子5は、タイミング制御回路124から入力される駆動制御信号(蓄積開始信号および蓄積終了信号)に応答して、受光面に結像された被写体像の露光(光電変換による電荷蓄積)を行い、当該被写体像に係る画像信号を生成する。また、撮像素子5は、タイミング制御回路124から入力される読出制御信号に応答して、当該画像信号を信号処理部51へ出力する。また、タイミング制御回路124からのタイミング信号(同期信号)は、信号処理部51及びA/D(アナログ/デジタル)変換回路52にも入力される。
撮像素子5で取得された画像信号は、信号処理部51において所定のアナログ信号処理が施され、当該アナログ信号処理後の画像信号はA/D変換回路52によってデジタル画像データ(画像データ)に変換される。この画像データは、デジタル信号処理回路50に入力される。
デジタル信号処理回路50は、A/D変換回路52から入力される画像データに対してデジタル信号処理を行い、撮像画像に係る画像データを生成する。デジタル信号処理回路50は、黒レベル補正回路53、ホワイトバランス(WB)回路54、γ補正回路55及び画像メモリ56を備える。
黒レベル補正回路53は、A/D変換回路52が出力した画像データを構成する各画素データの黒レベルを基準の黒レベルに補正する。WB回路54は、画像のホワイトバランス調整を行う。γ補正回路55は、撮像画像の階調変換を行う。画像メモリ56は、生成された画像データを一時的に記憶するための、高速アクセス可能な画像メモリであり、複数フレーム分の画像データを記憶可能な容量を有する。
本撮影時には、画像メモリ56に一時記憶される画像データは、全体制御部101において適宜画像処理(圧縮処理等)が施された後、カードI/F132を介してメモリカード90に記憶される。
また、画像メモリ56に一時記憶される画像データは、全体制御部101によって適宜VRAM131に転送され、背面モニタ12に画像データに基づく画像が表示される。これによって、撮影画像を確認するための確認表示(アフタービュー)、および撮影済みの画像を再生する再生表示等が実現される。
また、この撮像装置1は、撮像素子5とは別の撮像素子7(図4も参照)をさらに備えている。撮像素子7は、いわゆるライブビュー画像取得用(動画取得用)の撮像素子としての役割を果たす。撮像素子7も、撮像素子5と同様の構成を有している。ただし、撮像素子7は、ライブビュー用の画像信号(動画像)を生成するための解像度を有していればよく、通常、撮像素子5よりも少ない数の画素で構成される。
撮像素子7で取得された画像信号に対しても、撮像素子5で取得された画像信号と同様の信号処理が施される。すなわち、撮像素子7で取得された画像信号は、信号処理部51で所定の処理が施され、A/D変換回路52でデジタルデータに変換された後、デジタル信号処理回路50で所定の画像処理が施され、画像メモリ56に格納される。
また、撮像素子7で取得され画像メモリ56に格納される時系列の画像データは、全体制御部101によって適宜VRAM131に順次に転送され、当該時系列の画像データに基づく画像が背面モニタ12に表示される。これによって、構図決めを行うための動画的態様の表示(ライブビュー表示)が実現される。
さらに、撮像装置1は、通信用I/F133を有しており、当該インターフェイス133の接続先の機器(例えば、パーソナルコンピュータ等)とデータ通信をすることが可能である。
また、撮像装置1は、フラッシュ41、フラッシュ制御回路42、およびAF補助光発光部43を備えている。フラッシュ41は、被写体の輝度不足時等に利用される光源である。フラッシュの点灯の有無および点灯時間等は、フラッシュ制御回路42および全体制御部101等によって制御される。AF補助光発光部43は、AF用の補助光源である。AF補助光発光部43の点灯の有無および点灯時間等は、全体制御部101等によって制御される。
<3.撮影動作>
<概要>
つぎに、この撮像装置1における構図決め動作を含む撮影動作について説明する。上述したように、この撮像装置1においては、ファインダ光学系等で構成される光学ファインダ(光学ビューファインダ(OVF)とも称される)を用いて構図決め(フレーミング)を行うことが可能であるとともに、背面モニタ12(後述)に表示されるライブビュー画像を用いて構図決めを行うことも可能である。なお、撮像素子7および背面モニタ12を利用して実現されるファインダ機能は、被写体の光像を電子データに変換した後に可視化するものであることから電子ビューファインダ(EVF)とも称される。
<概要>
つぎに、この撮像装置1における構図決め動作を含む撮影動作について説明する。上述したように、この撮像装置1においては、ファインダ光学系等で構成される光学ファインダ(光学ビューファインダ(OVF)とも称される)を用いて構図決め(フレーミング)を行うことが可能であるとともに、背面モニタ12(後述)に表示されるライブビュー画像を用いて構図決めを行うことも可能である。なお、撮像素子7および背面モニタ12を利用して実現されるファインダ機能は、被写体の光像を電子データに変換した後に可視化するものであることから電子ビューファインダ(EVF)とも称される。
後述するように、操作者は切換ダイヤル87を操作することによって、光学ビューファインダ(OVF)を用いて構図決めを行うか、操作者が電子ビューファインダ(EVF)を用いて構図決めを行うかを選択することができる。
図4および図5は、撮像装置1の断面図である。図4は、OVFを用いた構図決め動作を示しており、図5は、EVFを用いた構図決め動作を示している。また、図6は、露光動作時(詳細にはOVF時)の状態を示す断面図である。
図4等に示すように、撮影レンズユニット3から撮像素子5に至る光路(撮影光路)上にはミラー機構6が設けられている。ミラー機構6は、撮影光学系からの光を上方に向けて反射する主ミラー61(主反射面)を有している。この主ミラー61は、例えばその一部または全部がハーフミラーとして構成され、撮影光学系からの光の一部を透過する。また、ミラー機構6は、主ミラー61を透過した光を下方に反射させるサブミラー62(副反射面)をも有している。サブミラー62で下方に反射された光は、AFモジュール20へと導かれて入射し、位相差方式のAF動作に利用される。
撮影モードにおいてレリーズボタン11が全押し状態S2にされるまで、換言すれば構図決めの際には、ミラー機構6はミラーダウン状態となるように配置される(図4および図5参照)。そして、この際には、撮影レンズユニット3からの被写体像は、主ミラー61で上方に反射され観察用光束としてペンタミラー65に入射する。ペンタミラー65は、複数のミラー(反射面)を有しており、被写体像の向きを調整する機能を有している。また、ペンタミラー65に入射した後の、観察用光束の進路は、上記の両方式(すなわちOVF方式およびEVF方式)のいずれを採用して構図決めを行うかに応じて異なっている。これについては後述する。操作者は、選択した所望の方式によって構図決めを行うことが可能である。
一方、レリーズボタン11が全押し状態S2にされると、ミラー機構6はミラーアップ状態となるように駆動され、露光動作が開始される(図6参照)。被写体に係る記録用静止画像(本撮影画像とも称する)を取得する際の基本的動作(すなわち露光の際の動作)は、上記の両方式(すなわちOVF方式およびEVF方式)による構図決めに共通である。
具体的には、図6に示すように、露光時には、ミラー機構6は、撮影光路から待避する。詳細には、撮影光学系からの光(被写体像)を遮らないように主ミラー61とサブミラー62とが上方に待避し、撮影レンズユニット3からの光がシャッタ4の開放タイミングに合わせて撮像素子5に到達する。撮像素子5は、光電変換によって、受光した光束に基づいて被写体の画像信号を生成する。このように、被写体からの光が撮影レンズユニット3を介して撮像素子5に導かれることによって、被写体に係る撮影画像(撮影画像データ)が得られる。
<光学ファインダによる構図決め動作(フレーミング動作)>
次に、構図決めの際の上記両方式の各動作についてそれぞれ説明する。
次に、構図決めの際の上記両方式の各動作についてそれぞれ説明する。
まず、OVF方式の構図決め動作について説明する。
図4に示すように、ミラー機構6の主ミラー61およびサブミラー62が、撮影レンズユニット3からの被写体像の光路上に配置されると、被写体像が主ミラー61とペンタミラー65と接眼レンズ67とを介してファインダ窓10へと導かれる。このように、主ミラー61とペンタミラー65と接眼レンズ67とを含むファインダ光学系は、撮影光学系からの光束であって主ミラー61で反射された光束である観察用光束をファインダ窓10へと導くことが可能である。
詳細には、撮影レンズユニット3からの光は、主ミラー61で反射されて上方に進路を変更し、焦点板63において結像し、焦点板63を通過する。その後、焦点板63を通過した光は、ペンタミラー65でその進路をさらに変更した後に接眼レンズ67を通ってファインダ窓10へ向かう(図4の光路PA参照)。このようにして、ファインダ窓10を通過した被写体像は撮影者(観察者)の眼へ到達して視認される。すなわち、撮影者はファインダ窓10を覗くことによって、被写体像を確認することができる。
ここにおいて、ペンタミラー65は、三角屋根状に形成された2面のミラー(ダハミラー)65a,65b(図7も参照)と、当該ダハミラー(ダハ面)65a,65bに対して固定された面65cと、もう1つのミラー(反射面)65eとを有している。また、三角屋根状の2面のミラー65a,65bは、プラスチック成型により一体部品65dとして形成されている。主ミラー61で反射されて上方に進路を変更した光は、ダハミラー65a,65bで反射されて左右反転されて進行し、さらにミラー65eでも反射されることによって上下も反転されて撮影者の眼に到達する。このように、撮影レンズユニット3において左右上下が反転されていた光像は、ペンタミラー65でさらに左右上下が反転される。これにより、撮影者は、光学ファインダにおいて、その上下左右が実際の被写体と同じ状態で被写体像を観察することができる。
なお、ここでは、ファインダ光学系の一部である光学ユニットU1が撮像装置1内部の上部空間SUに設けられている。この光学ユニットU1は、接眼レンズ67とファインダ窓10とを有するととともに、駆動手段(不図示)によって開閉可能なアイピースシャッタ16をさらに有している。OVF方式の構図決め動作時においては、アイピースシャッタ16は開放されており、ペンタミラー65からの被写体像がファインダ窓10を通過するように構成されている。
また、主ミラー61を透過した光はサブミラー62で反射されて下方に進路を変更しAFモジュール20へと進入する。AFモジュール20およびフォーカス制御部121等は、主ミラー61およびサブミラー62を介して進入してきた光を用いて、AF動作を実現する。
<電子ファインダによる構図決め動作(フレーミング動作)>
次に、EVF方式による構図決め動作について説明する。
次に、EVF方式による構図決め動作について説明する。
この場合にも、図5に示すように、ミラー機構6の主ミラー61およびサブミラー62が、撮影レンズユニット3からの被写体像の光路上に配置される。そして、撮影レンズユニット3からの光は、主ミラー61で反射されて上方に進路を変更し、焦点板63において結像し、焦点板63を通過する。
ただし、このEVF方式による構図決め動作においては、焦点板63を通過した光は、ペンタミラー65でその進路をさらに変更した後に、ビームスプリッタ71でさらにその進路を変更して結像レンズ69(結像光学系)を通過して撮像素子7の撮像面上で再結像する(図5の光路PB参照)。なお、主ミラー61で反射されて上方に進路を変更した光は、ダハミラー65a,65bで反射されて左右反転されて進行し、さらにミラー65eでも反射されることによって上下も反転され、さらに結像レンズ69で上下左右反転されて撮像素子7に到達する。
より詳細には、図4と比較すると判るように、図5においてはミラー65eの角度(カメラ本体部2に対する設置角度)が変更されている。具体的には、ミラー65eは、図4の状態から、その下端側の軸AX1を中心に矢印AR1の向きに所定角度α回動している。なお、後述するように、ミラー65eは、撮影者の操作に応じて回動する。
そして、このミラー65eの角度変更によって、ミラー65eで反射される光(観察用光束)の反射角度が変更され、当該ミラー65eによる反射光の進行経路が変更される。具体的には、図4の状態に比べて、ミラー65eへの入射角度θ1が比較的小さくなり、反射角度θ2も比較的小さくなる。その結果、ミラー65eの反射光は、接眼レンズ67に向かう光路からダハミラー65a,65b寄りの光路へとその進路を上方に変更してビームスプリッタ71に向かい、ビームスプリッタ71でさらにその進路を変更して結像レンズ69を通過して撮像素子7に到達する。なお、ビームスプリッタ71、結像レンズ69および撮像素子7は、接眼レンズ67よりも上方に配置されており、且つ、OVFの際にミラー65eから接眼レンズ67へと進行する光束を遮らない位置に配置されている。
また、ミラー65eで反射された光束の進路は、ミラー65eの変更角度αに応じて、その2倍の大きさの角度β(=2×α)変更される。逆に言えば、反射光路の進行角度を角度β変更するために、ミラー65eの回転角度は、当該角度βの半分の角度αで済む。すなわち、ミラー65eの比較的小さな回転角度でミラー65eの反射光の進路を比較的大きく変更することが可能である。また、ミラー65eと撮像素子7とは光学的に比較的離れて配置されているため、ミラー65eの回転角度を小さく変更するだけで、ミラー65eによる2つの反射光を、互いに離れて配置された接眼レンズ67および撮像素子7へと確実に導くことが可能である。すなわち、ミラー65eの回転角度を小さく変更することによってミラー65eによる反射光の光束を良好に2つの光路に選択的に進行させることが可能である。したがって、ミラー65eの回転によるスペースの増大は最小限に止められる。
撮像素子7は、ミラー65eで反射され結像レンズ69を通過して撮像素子7に到達した被写体像に基づいて、ライブビュー画像を生成する。具体的には、微小時間間隔(例えば、1/60秒)で複数の画像を順次に生成する。そして、取得された時系列の画像は背面モニタ12において順次に表示される。これによって、撮影者は、背面モニタ12に表示される動画像(ライブビュー画像)を視認し、当該動画像を用いて構図決めを行うことが可能になる。
なお、EVF方式の構図決め動作時においては、ファインダ窓10からの光が上部空間SUへと入射しないように、アイピースシャッタ16が開じられてる。
また、この場合も、OVFによる構図決めの際(図4参照)と同様に、主ミラー61とサブミラー62とを介してAFモジュール20に入射した光を用いてAF動作が実現される。
以上のように、ミラー65eで反射した後の観察用光束の進路(詳細には主進路)は、ミラー65eの反射角度の変更によって、ミラー65eから接眼レンズ67およびファインダ窓10に向かう光路PA(図4)と、ミラー65eから結像レンズ69および撮像素子7に向かう光路PB(図5)との間で切り換えられる。換言すれば、当該観察用光束の進路は、ミラー65eの反射角度の変更によって、ミラー65eで反射されてファインダ窓10に向かう第1の光路PAと、ミラー65eで反射されて撮像素子7に向かう第2の光路PBとの間で切り換えられる。
なお、撮像装置1によれば、上記の従来技術のように被写体像の光路に対して進退可能な可動反射ミラーをファインダ光学系の接眼レンズ67の付近の光路内に設けることなく、ライブビュー表示を実現することが可能になる。換言すれば、撮像装置1によれば、コンパクトな構成でライブビュー表示を実現することができる。
また、撮像装置1においては、ペンタミラー65を構成する複数のミラー65a,65b,65eのうち、或る反射面(ミラー65e)の反射角度が変更される一方で、他の反射面(ダハミラー65a,65b)は固定されている。すなわち、複数の反射面のうち、一の反射面65eのみを駆動することによって観察用光束の進路が変更されるので、駆動部分を少なくしコンパクトな構成にすることができる。
また、撮像装置1においては、ファインダ光学系のペンタミラー65に含まれる複数の反射面のうち、ダハミラー65a,65b以外の反射面であるミラー65eの反射角度を変更して、観察用光束の進路を変更しているので、ダハミラー65a,65bを駆動する場合に比べて容易に観察用光束の進路を変更することができる。
<両動作の切り換え機構>
つぎに、OVFによる構図決め動作とEVFによる構図決め動作との切り替え操作について説明する。
つぎに、OVFによる構図決め動作とEVFによる構図決め動作との切り替え操作について説明する。
図7は、撮像装置1の上面図であり、図8は、ミラー65eの駆動機構(角度変更機構)を示す概略図である。なお、図7においては、撮像装置1の一部を破断して内部の様子を示している。
図8に示すように、矩形状のミラー65eは、その長手方向に略平行な軸を中心に回動可能となるように設けられている。具体的には、ミラー65eの下端側においては、軸部材88が、矩形状のミラー65eの下辺に沿って設けられた貫通孔に貫通して、ミラー65eに対して固定されている。この軸部材88は、ミラー65eが回動可能(揺動可能)となるようにその両端にて軸支されている。
また、この軸部材88には、切換ダイヤル87と回転子92とが固定されている。
図7および図1に示すように、切換ダイヤル87の一部は、撮像装置1のカメラ本体部2の外表面から突出しており、撮影者は、切換ダイヤル87の当該突出部分を利用して切換ダイヤル87を回転操作することが可能である。なお、塵埃等が切換ダイヤル87部分から装置内部へと進入することを防止するため、切換ダイヤル87を囲むように隔壁96が設けられている。
図9は、切換ダイヤル87付近の構成を示す図である。図9に示すように、切換ダイヤル87の外周部には2つの切り欠き部Na,Nbが設けられている。また、切換ダイヤル87の外周部には弾性部材91が設けられている。弾性部材91の先端に設けられた突出部91aは、適度の弾性力を付与して切換ダイヤル87の外周面に押し付けられており、切換ダイヤル87の回転移動に伴って外周面に沿って相対移動することが可能である。また、弾性部材91の突出部91aは、当該2つの切り欠き部Na,Nbの一方に選択的に係合することによって切換ダイヤル87の回転方向の位置を固定することができる。弾性部材91の突出部91aが切り欠き部Naに係合しているときには、OVFによる構図決め動作が行われる。また、弾性部材91の突出部91aが切り欠き部Nbに係合しているときには、EVFによる構図決め動作が行われる。
撮影者は、切換ダイヤル87を操作して、ミラー65eを矢印AR1の向きに回動させ弾性部材91の突出部91aを切り欠き部Nbに係合させることによって、EVFによる構図決め動作を行うことが可能になる。逆に、切換ダイヤル87を操作して、ミラー65eを矢印AR2の向きに回動させ弾性部材91の突出部91aを切り欠き部Naに係合させることによって、OVFによる構図決め動作を行うことが可能になる。
また、ミラー65eの角度を検出するために、回転子92および検出器93が設けられている。図10に示すように、OVFによる構図決め動作においては、検出器93の2つの電気的接続子94a,94bが互いに接触して導通状態(オン状態)になっている。一方、図11に示すように、EVFによる構図決め動作においては、軸部材88の回動動作に伴って回転子92の突出部92bによって矢印AR3の向きの力が電気的接続子94bに付与され、電気的接続子94bが図11の右向きに変形する。この結果、電気的接続子94bが電気的接続子94aから離れ、電気的接続子94a,94bが非導通状態(オフ状態)になる。検出器93は、この2つの状態(オン状態およびオフ状態)を検出することによって、ミラー65eの角度を検出する。
全体制御部101は、検出器93による検出状態に基づいて、OVFによる構図決め動作を行うべきか、EVFによる構図決め動作を行うべきかを決定する。具体的には、検出器93のオン状態が検出されたときには、OVFによる構図決め動作を行うべき旨を決定して、撮像素子7への給電を停止し背面モニタ12を非表示にする等の処理を行う。一方、検出器93のオフ状態が検出されたときには、EVFによる構図決め動作を行うべき旨を決定して、撮像素子7への給電を行うとともに背面モニタ12にライブビュー画像を表示する等の処理を行う。
<測光処理>
次に、EVFによる構図決め動作時の測光処理とOVFによる構図決め動作時の測光処理とについてそれぞれ説明する。
次に、EVFによる構図決め動作時の測光処理とOVFによる構図決め動作時の測光処理とについてそれぞれ説明する。
図12は、ペンタミラー65付近の内部構成を示す拡大断面図である。図12に示すように、光路PA上には接眼レンズ67とファインダ窓10とが設けられている。一方、光路PB上にはビームスプリッタ71と結像レンズ69と撮像素子7とが設けられている。
このビームスプリッタ71は、光の進行方向(換言すれば光の進行路(光路))を変更する光路変更機能を有している。具体的には、ビームスプリッタ71は、光路PB上に配置されており、光路PB上を進行してきた光(詳細には反射面65eで反射された光)の進路を約90度上方に変更する。当該ビームスプリッタ71による進行方向変更後の光路PB(PB2)上には、結像レンズ69と撮像素子7とが配置されており、ビームスプリッタ71による進行方向変更後の光束は、結像レンズ69を通過して撮像素子7上に結像する。
EVFによる構図決め動作時においては、反射面65eが位置P1に配置され、観察用光束の進路が光路PBとなる。このとき、光路PB上を進行しビームスプリッタ71および結像レンズ69を介して撮像素子7に結像した被写体像に基づいて、撮影画像が生成される。そして、当該撮影画像を用いてライブビュー表示が実行されるとともに、同じ撮影画像を用いて測光処理も実行される。例えば、撮像素子7による撮影画像を複数(例えば、8(横)×5(縦)=40個)の測光ブロックに分割して、各測光ブロックにおける受光量を算出する測光処理が実行される。また、この測光結果に基づいて、適切な明るさを実現する撮影パラメータ(絞り値、シャッタスピード等)を決定する処理(自動露光調整処理)が行われる。
一方、OVFによる構図決め動作時においては、反射面65eが位置P2(図12では二点鎖線で示される位置)に配置され、観察用光束の進路が光路PAとなる。このとき、ファインダ窓10を介して被写体像が視認されるとともに、光路PAの近傍に配置された測光センサ79を用いて測光処理が行われる。測光センサ79は、光路PAの近傍に配置されたビームスプリッタ71を透過する光束を、結像レンズ72を介して受光して、測光処理を行う。
測光センサ79は、焦点板63を睨んでおり、図12の点線で示す光路PEに従って進行した光、詳細には、光路PAの近傍を進行し且つビームスプリッタ71を透過した光を受光する。ここにおいて、ビームスプリッタ71は、光路PB上であるとともに光路PE上でもある位置に存在するが、光路PE上を進行する光束はビームスプリッタ71を通過して測光センサ79へと到達する。測光センサ79は、光路PEを進行する光束を受光することによって、光路PAを進行する観察用光束の被写体像と同様の被写体像(換言すれば撮影対象となる被写体像と同様の光像)、具体的には、ファインダ窓10を介して受光される被写体像に関する被写体を若干異なる角度から(若干斜めから)見た光像を受光する。
そして、測光センサ79での受光量に基づく測光処理が適切に実現される。例えば、測光センサ79内の複数(例えば40個)の測光単位のそれぞれにおける受光量を算出する測光処理が実行される。また、この測光結果に基づいて、適切な明るさを実現する撮影パラメータ(絞り値、シャッタスピード等)を決定する処理(自動露光調整処理)が行われる。
なお、OVFによる構図位置決め動作時においては、観察用光束の進路が光路PAとなるため、撮像素子7には適切な被写体像が結像されない。したがって、上記のような測光センサ79を設けない場合には、OVFによる構図位置決め動作時に適切な測光処理を実現することが困難である。
この撮像装置1においては、以上のようにして撮影動作が行われる。
<4.撮像素子7の測光誤差の補正動作等>
<概要>
つぎに、撮像素子7における測光誤差の補正動作等について説明する。
<概要>
つぎに、撮像素子7における測光誤差の補正動作等について説明する。
上述したように、撮像素子7においては、連続通電等に伴う温度上昇に起因して測光誤差が発生する。そして、このような測光誤差は、画像の露出制御に悪影響を及ぼし、画像が劣化してしまうことになる。
そこで、この実施形態においては、撮像素子7の測光誤差を求めて撮像素子7による測光値を補正し、撮像素子7によって取得される画像の露光状態の適正化を図ることが可能な技術についてさらに説明する。
具体的には、撮像装置1は、撮像素子7とは別個に設けられた測光センサ79による測光結果を用いて、撮像素子7の測光誤差を補正する。より詳細には、主ミラー61をミラーアップ位置に移動して撮像素子7と測光センサ79とを含む上部空間SUを遮光状態にする。そして、当該遮光状態における測光センサ79による測光値(光の明るさに関する測定値)に基づいて、撮像素子7の測光誤差を算出する。
ここにおいて、測光センサ79は、例えばシリコンフォトセル(SPC(Silicon Photo Cell))などの高精度の素子を用いて構成される。より詳細には、測光センサ79は、図13に示すように、複数のシリコンフォトセルで構成される。測光センサ79は、入力光の明るさに応じた電圧を出力し、全体制御部101は、測光センサ79の出力電圧値を所定の変換式等によって輝度値(絶対輝度値)BVに変換する。
図13は、測光センサ79の受光部の受光面を入射側から見た平面図である。測光センサ79は、図13に示すように、複数(ここでは40個)のエリアR0〜R39に分割されており、その受光部で受光される光像の明るさ(輝度)を40個のエリアのそれぞれに配置された各シリコンフォトセルによってそれぞれ測定することが可能である。後述する補正処理においては、これらの40個のエリアのうち任意の1つ以上のエリアを利用することが可能である。例えば、全40個のエリアによる測定輝度の平均値を測光センサ79による測光値として取得することが可能である。
また、図14は、測光センサ79の入力光の明るさ(入力輝度とも称される)に対する出力電圧(および測光輝度)の特性(すなわち入出力特性)の一例を示す図である。図14に示すように、測光センサ79の入出力特性は、超低輝度域(例えばBV値=−4)から超高輝度域(例えばBV値=17)に至るまで、非常に高い直線性を有している。
一方、撮像素子7は、測光センサ79に比べると、測定レンジが狭いという特性を有している。入力光の明るさに応じてシャッタスピード、絞り値等を変更し露光量を制御することによれば、このような特性を或る程度克服して比較的広いレンジにおいて測光処理を行うことが可能ではあるが、次述するような事情のため特に低輝度域では測光結果(輝度)に誤差が生じやすい。以下、撮像素子7の測光結果に関して、低輝度域で誤差が生じやすくなる事情について説明する。
撮像素子7による測光結果(輝度)bvは、撮像素子7の画素値(例えば所定領域の平均画素値)Lに基づいて、基本的には式(1)を用いて算出される。なお、この算出処理は、全体制御部101によって実行される。
なお、値Tvは撮像素子7の電子シャッタの開放時間(露出時間)に関するTV値を表し、値Avは、撮像光学系の絞りに関するAV値を表し、値Svは撮像素子7の撮像感度に関するSV値を表す。また、値Ltは、画素値Lの目標値(固定値)を表す。
高輝度領域においては、撮像素子7の画素値Lが目標値(目標画素値)Ltとなるように、露光パラメータ(具体的には値Tv,Av,Sv)が決定される。例えば、画素値Lが0から4095までの値を取り得る場合においては、値Lが目標値Lt(例えば493)に等しくなるように、フィードバック制御によって値Tv,Av,Svが決定される。なお、この場合、理想的には、式(1)の右辺第4項はゼロになり式(1)右辺の第1項から第3項によって輝度bvが算出される。
光の明るさが所定の範囲内の場合には、このようなフィードバック制御によって、値Lが目標値Ltになるように、値Tv,Av,Svを適切に決定することが可能である。
しかしながら、値Tv,Av,Svの変動域には限界値が存在するため、光の明るさが当該所定の範囲を外れる場合には、値Tv,Av,Svを制御しても、値Lを目標値Ltに追従させることができなくなる。
そのため、低輝度領域においては、式(1)の右辺第4項を加えて修正された値が、輝度値bvとして算出される。
より具体的には、光像が所定程度よりも暗くなった場合には、値Tv,Av,Svの変動限界の存在のため、値Lを目標値Ltまで大きくすることが出来なくなる。そして、例えば、値Lが目標値Ltの半分(1/2)の場合には、式(1)の右辺第4項が−1となり、式(1)右辺の第1項から第3項による算出値に対して−1を加算(換言すれば1を減算)することによって、値bvが算出される。
ところが、実際には、この値Lには上述のような温度上昇等に起因する誤差が含まれている。例えば、この誤差を黒レベルのずれ量Leで表現すると、値Lは式(2)のように表現される。
すなわち、値Lは、本来の値L0に対してずれ量Leが加算された値として表現される。
また、式(2)を考慮すると、式(1)は式(3)のように表現される。
式(3)に示すように、輝度値bvは、このような黒レベルのずれ量Leの影響によって、真の輝度値bv1に対して誤差Δbvを含む値になる。
図15はこのような誤差の影響を示す図であり、撮像素子7を用いた測光処理における入出力特性(入力輝度に対する出力輝度の特性)の一例を示す図である。図15に示すように、測光センサ79の入出力特性は、低輝度領域(ここではBV値で0以下の領域)において、その直線性を維持できなくなっている。詳細には、当該低輝度領域における輝度の低下に伴ってずれ量Δbv(=bv−bv1)が増大している。この現象は、低輝度領域において値Lが小さくなるにつれて、Lに占めるLeの割合が大きくなる(換言すれば、Ltに対するLeの割合がLtに対するL0の割合に比べて大きくなる)ことに起因する。なお、図15においては、入力輝度のBV値が−4のときのずれ量Δbvが示されている。
一方、真の輝度値bv1は、式(4)のように表現される。
なお、この式(4)は、式(2)の関係を用いると式(5)のようにも表現される。
したがって、ずれ量Leを求めることができれば、値bv1を求めることができる。
そこで、この撮像装置1(詳細には全体制御部101)においては、上述したように、撮像素子7とは別個に設けられた測光センサ79による測光結果を用いて、上記のずれ量Leを算出する。具体的には、遮光状態における測光センサ79によって取得される輝度値bv0を正確な輝度値bv1として採用し、式(5)および式(6)によって得られる方程式を解いて値Leを得る。すなわち、式(5)の左辺の輝度値bv1に値bv0を代入することによって得られる方程式を値Leについて解く。なお、式(5)の各値Tv,Av,Sv,Lとしては、遮光状態における値を採用する。
このようにして、遮光状態における撮像素子7による測光値(光の明るさに関する測定値)を算出するための各種パラメータ値Tv,Av,Sv,L,Ltと、当該遮光状態における測光センサ79による測光値(輝度bv0)とに基づいて、ずれ量Leを求めることができる。すなわち、撮像素子7の測光誤差を算出することができる。
全体制御部101は、値Leを算出すると、その後の測光時においては、式(7)を用いて輝度bvを算出する。式(7)は、式(5)の右辺を補正後の新たな輝度値bvとするものである。
すなわち、算出された当該値Leと、新たな測光時(非遮光状態における測光時等)における値Tv,Av,Sv,L,Ltとを式(7)に代入することによって、値bvを撮像素子7による輝度として算出する。これによれば、黒レベルのずれ量Leの影響を抑制した輝度値bvを取得することが可能である。
<ミラーアップ時の遮光>
ここで、ミラーアップ状態における空間SUの様子について説明する。
ここで、ミラーアップ状態における空間SUの様子について説明する。
図16は、EVFモードにおける撮影時(撮像素子5による露光動作時)の撮像装置1の内部構成を示す図である。上述の図5に示すように、この実施形態では、EVF方式による構図決め動作(レリーズボタン11押下前)において既にアイピースシャッタ16が閉じられており、ファインダ窓10から空間SUへの光の入射は遮られている。そのため、さらに主ミラー61をミラーアップ位置に移動することによって焦点板63を主ミラー61によって覆うことによれば、上部空間SUの遮光状態を容易に達成することが可能である。
また、図17および図18は、焦点板63付近の様子を示す一部拡大図である。図17はミラーダウン状態を示し、図18はミラーアップ状態を示している。また、図19は、焦点板63およびホルダ64等の分解斜視図である。なお、図17〜図19においては、簡略化のため、隔壁66およびサブミラー62等の図示を省略している。
ここにおいて、撮像装置1の内部空間は、高さ方向において焦点板63の位置と同様の位置に設けられた隔壁66(図4および図16等参照)によって、上側空間SUと下側空間SLとに隔てられている。そのうち、上部空間SUは、カメラボディ2(隔壁66等を含む)に覆われた閉空間として形成されており、焦点板63とファインダ窓10とを除く部分においては、上部空間SUの外部からその内部へと光が入射しないように構成されている。また、下部空間SLには、主ミラー61および撮像素子5などが設けられている。
図16等に示すように、この実施形態においては、焦点板63を保持するホルダ64が撮像装置1の本体内部の隔壁66に対して固定されている。換言すれば、焦点板63は、ホルダ64を介して撮像装置1の本体に固定されて保持されている。
図19等に示すように、ホルダ64は、その中央に開口部64aを有し、当該開口部64aを包囲する四辺に枠部64bを有している。
枠部64bの上面側(換言すれば、ペンタミラー65側)には、焦点板63の大きさ(幅、高さ、奥行き)に合わせて段差部が設けられており、当該段差部に焦点板63が嵌め込まれて保持されている。これにより、焦点板63は、ホルダ64の開口部64aに固定されて配置されている。
また、枠部64bの下面側(換言すれば、主ミラー61側)には、略半円柱形状の緩衝材64cが主ミラー61側に突出するように設けられている。詳細には、緩衝材64cは、焦点板63を包囲する位置に、当該枠部64bの全周にわたって設けられている。この緩衝材64cは、例えば、ゴムなどの弾性材料、あるいは、不織布などで形成される。
図18に示すように、焦点板63に近接する対向位置(ミラーアップ位置)PS1へと主ミラー61が移動する際、すなわち、ミラーアップ動作時(上昇動作時)においては、主ミラー61が停止位置直前から緩衝材64cに接触した後に停止する。これによって、焦点板63およびホルダ64等が主ミラー61から受ける衝撃が緩和される。
また、緩衝材64cは、遮光性を有している。そして、図18に示すように、主ミラー61がミラーアップ位置PS1に移動した状態(換言すれば、主ミラー61が焦点板63に対して微小な距離を隔てて近接した状態(図16も参照))においては、緩衝材64cは、主ミラー61と接触している。このとき、緩衝材64cは、焦点板63と主ミラー61との間隙を埋めて、主ミラー61側からの光が上部空間SUに入射しないように、当該主ミラー61側からの光を遮っている。このように緩衝材64cを遮光部材として機能させることによって、主ミラー61のミラーアップ位置への移動後において、上部空間SUの遮光状態を高いレベルで実現することができる。
このように、遮光性の緩衝材64cを焦点板63付近に設けることによって、ミラーアップ動作時において主ミラー61が他部材に与える衝撃を緩和するとともに、ミラーアップ状態での上部空間SUにおける遮光の程度を高めることが可能である。
<動作例>
つぎに、より詳細な動作例について説明する。
つぎに、より詳細な動作例について説明する。
上述のように、この撮像装置1においては、EVFモードでは撮像素子7によって測光機能が実現され、OVFモードでは測光センサ79によって測光機能が実現される。すなわち、撮像素子7による測光機能は、EVFモードにおいて実現される。
そこで、この実施形態ではEVFモードにおいて撮像素子7の測光誤差の算出動作を行う場合を例示する。これによれば、撮像素子7の測光誤差の算出動作を撮像素子7の測光動作時点に近い時点(もしくは測光動作時点)で行うことができる。
図20は、この実施形態に係る撮像装置1のEVFモードでの測光処理ルーチンの概略動作を示すフローチャートである。この測光処理ルーチンは、EVFモードにおける構図決め動作中において微小時間間隔(例えば1/10秒間隔)で実行される。以下では、図20を参照しながら、撮像装置1のEVFモードでの測光処理ルーチンについて説明する。
ここでは、連続通電時間が所定期間T1経過するごとに、主ミラー61がミラーアップ位置(焦点板63の対向位置とも称される)PS1(図16参照)に移動されて補正動作が実行される場合を例示する。具体的には、全体制御部101は、主ミラー61をミラーアップ位置PS1へと移動させて、撮像装置1の内部空間のうち上部空間SUを遮光状態にする。そして、全体制御部101は、当該遮光状態における測光センサ79による測光値(詳細には輝度bv0)を取得し、当該測光値bv0を用いて、撮像素子7による測光値を補正する補正動作を実行する。
図20に示すように、ステップSP1においては、補正タイミングであるか否かが判定される。ここでは、撮像素子7の連続通電時間が所定時間T1(例えば10分)経過したか否かに応じて、補正タイミングが到来したか否かを判定する。
補正タイミングが未だ到来していないと判定されるときには、ステップSP9に進む。ステップSP9においては、式(7)による輝度出力動作が実行される。ただし、後述する補正動作(ステップSP4,SP5)が未だ1度も実行されていない場合には、ずれ量Leがゼロに設定されており、式(1)による輝度値と同様の値が算出される。
一方、補正タイミングが到来したと判定されると、背面モニタ12におけるライブビュー表示が停止され、主ミラー61がミラーアップ位置PS1に移動しミラーアップ状態にされる(ステップSP2,SP3)。このミラーアップ状態においては、上述したように、上部空間SUが遮光状態になっている。このEVFモードにおいては、常にアイピースシャッタ16が閉じられているため、主ミラー61をミラーアップ位置PS1に移動することによって、上部空間SUが遮光状態になる。
なお、後のステップSP7でライブビューが再開されるまでの期間(換言すればミラーアップ状態)においては、ライブビュー画像として最後に撮影された画像を静止画像として背面モニタ12に表示しておくことが好ましい。これによれば、ライブビュー停止期間中において背面モニタ12に何も表示されない状態(ブラックアウト)を回避でき、操作者の違和感を低減することができる。また、当該期間においては、このような静止画像に代えて、もしくは当該静止画像とともに、「補正中」などの文字等を背面モニタ12に表示することによって、補正中であることを明示するようにしてもよい。
そして、ステップSP4においては、この遮光状態における測光センサ79の出力信号が取得され、当該出力信号に基づく測光動作によって測光値(輝度値)bv0が算出される。また、ステップSP4においては、この遮光状態における撮像素子7の測光値を算出するための各種パラメータ値Tv,Av,Sv,Lも取得される。
次のステップSP5においては、ステップSP4で取得された各種パラメータ値等(Tv,Av,Sv,L,Lt,bv0)と上記の式(5),(6)とに基づいて、ずれ量Leを求める。このずれ量Leは、測定誤差を解消する要素として算出され、撮像装置1の所定のメモリ(不揮発性メモリ(不図示)等)内の格納領域に保存される。
さらに、次のステップSP6において、主ミラー61がミラーダウン位置PS2(図17参照)にまで下降して、ミラーダウン状態に戻される(図5参照)。そして、ステップSP7において、ライブビューが再開され、一旦、測光処理ルーチンが終了する。
その後、微小時間後に再び測光処理ルーチンが再び開始されると、ステップSP1の動作が再び実行される。なお、このステップSP1での判定処理では、撮像素子7の測光誤差に関する前回の補正動作(ステップSP4,SP5)からの連続通電時間がさらに所定時間T1を経過したか否かに応じて、補正タイミングが到来したか否かが判定される。
撮像素子7に関する前回の補正動作からの連続通電時間がさらに所定時間T1を経過するまでは、ステップSP1からステップSP9に進み、輝度値bvが式(7)に基づいて算出される。このとき、ずれ量Leとしては、前回の補正タイミングで算出された値が用いられる。その結果、ずれ量Leに起因する輝度値のずれΔbvが適切に補正され、より正確な輝度値bvが算出されることになる。
そして、このような測光センサ79の輝度値bv0に基づく補正処理が施され、補正後の輝度値bvに基づく露出制御が施されると、明るさが適切に調節された画像が得られるようになる。具体的には、再開後のライブビュー画像は、より適切な露出処理が施された画像として得られる。また、このような補正後の輝度値に基づく測光処理を施して撮影された記録用静止画像も、より適切な露出処理が施された画像として得られる。
以上のように、この実施形態における撮像装置1によれば、主ミラー61をミラーアップ位置PS1に移動して撮像素子7を含む空間SUを遮光状態にし、当該遮光状態における測光センサ79の測光値に基づいて撮像素子7の測光誤差Δbvを算出することができる。その結果、撮像素子5,7によって取得される画像の画質低下を回避することが可能である。
また、特に、連続通電時間が所定時間経過したことに応答して、主ミラー61をミラーアップ状態にして空間SUを遮光状態にするとともに、当該遮光状態における測光センサ79の出力信号を取得して、撮像素子7の測光誤差が補正されている。すなわち、撮像素子7に関する測光値補正処理が自動的に実行されている。したがって、ユーザが特別の操作を行うことを要することなく、連続通電状態の撮像素子7の温度上昇に起因する測光誤差を補正することが可能である。
<5.変形例>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては、ミラーアップ位置において主ミラー61が焦点板63に近接する場合を例示したが、これに限定されず、ミラーアップ位置において主ミラー61が焦点板63に接触するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、連続通電時間が所定時間のN倍に到達するごとに、撮像素子7に関するずれ量Leの算出動作等を行う場合を例示したが、これに限定されない。
例えば、撮像素子7の連続通電時間が第1の時間T1経過したときだけでなく、他の時間、具体的には、第2の経過時間T2(時間T1の1.5倍等)、および第3の時間T3(時間T1の5.3倍等)が経過したときなどにおいて、補正タイミングが到来したと判定するようにしてもよい。
あるいは、撮影指示入力に応答してミラーアップ状態になるタイミングを補正タイミングとして判定し、当該補正タイミングの到来に応答して撮像素子7に関する補正動作等を行うようにしてもよい。具体的には、操作者からの撮影指示入力に応答して主ミラー61をミラーアップ位置PS1に移動し空間SUを遮光状態にするとともに、当該遮光状態における撮像素子7に関するパラメータ値と当該遮光状態における測光センサ79の測光値とに基づいて、撮像素子7の測光値の補正動作を行うことが可能である。特に、EVF方式による構図決め動作時においては、アイピースシャッタ16が既に閉じているため、主ミラー61をミラーアップ位置に移動することによって遮光状態を容易に形成することができる。また、OVF方式による構図決め動作時においては、アイピースシャッタ16が開いているが、一旦、アイピースシャッタ16を閉じることによって遮光状態を形成し、当該遮光状態を利用して撮像素子7に関する測光値の補正動作を行うようにしてもよい。
あるいは、図21に示すように、撮像装置1において撮像素子7の近傍等に温度計78をさらに設けておき、温度計78による測定温度が所定値(例えば40℃)に到達すると、主ミラー61をミラーアップ位置PS1に移動し空間SUを遮光状態にするとともに、当該遮光状態における測光センサ79の出力信号を取得して撮像素子7の測光誤差を算出するようにしてもよい。温度計78による測定温度を利用することによれば、連続通電時間以外に起因する温度変化、例えば、環境温度の変化等による撮像素子7の温度変化にも好適に対応することが可能である。
さらには、温度計78による測定温度が所定レベル変化するごとに、主ミラー61をミラーアップ位置PS1に移動し空間SUを遮光状態にするとともに、当該遮光状態における測光センサ79の出力信号を取得して撮像素子7の測光誤差を算出するようにしてもよい。例えば、測定温度が5℃変化するごとに、遮光状態を利用した上述の測光誤差補正処理を実行するようにしてもよい。
なお、温度計78は、撮像素子7の温度をより正確に反映させるため、撮像素子7の近傍に設置されること、あるいは、撮像素子7に組み込まれて設置されることが好ましい。ただし、これに限定されず、撮像装置1の任意の位置に温度計78を設置するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、主ミラー61をミラーアップ状態にするとともにアイピースシャッタ16を閉じることによって、撮像素子7の存在空間SUを遮光状態にする場合を例示したが、これに限定されない。
たとえば、撮像装置1がアイピースシャッタ16を自動的に閉じる代わりに、操作者がアイピースカバー17を図22に示すように撮像装置1に装着するようにしてもよい。アイピースカバー17がファインダ窓10を覆うように配置された状態において、主ミラー61がミラーアップ位置PS1に移動することによって、上部空間SUの遮光状態を形成することができる。なお、図22は、ストラップ18に付属するタイプのアイピースカバー17が、撮像装置1の背面側においてファインダ窓10を覆うように装着されている状態を示す図である。
より詳細には、測定誤差を補正する補正タイミングにおいて、アイピースカバー17を装着すべき旨を背面モニタ12などの表示部に表示して、操作者によるアイピースカバー17の装着を促すようにしてもよい。そして、操作者によってアイピースカバー17が装着され且つ操作者からの更なる操作入力(補正処理開始指示入力)が受け付けられたときに、撮像装置1は主ミラー61を跳ね上げてミラーアップ状態にするとともに、上述の測光誤差補正処理を実行するようにすればよい。
また、この場合には、アイピースカバー17が実際には装着されていないことも想定されるので、次のようにして空間SUにおいて遮光状態が実現されていることを確認することが好ましい。
例えば、撮像素子7の全画素の平均値を求めるとともに、当該全画素の平均値が当該所定の閾値TH2以下である場合に、空間SUの遮光状態が実現されていると判定するようにすることができる。これによれば、撮像素子7における全体的な明るさを検出して、空間SUの遮光状態が実現されているか否かを判定することができる。したがって、撮像素子7の測光誤差補正動作を遮光状態にて実行することを確実化することができる。
あるいは、測光センサ79の測光結果に基づいて、空間SUの明るさが所定レベル以下であることを確認することによって、空間SUが遮光状態であることを確認するようにしてもよい。
また、上述の測光誤差補正処理は、理想的には完全な遮光状態で実行されることが好ましいが、必ずしも完全な遮光状態で実行されることを要しない。不完全な遮光状態であっても、ずれ量Leを求めることが可能である。
また、上記実施形態においては、黒レベル補正回路53(図3)は、初期設定における黒レベル補正(例えば、基準温度(25℃)における撮像素子7等の黒レベル補正)を実行するものであることを前提としている。換言すれば、上記実施形態における黒レベル補正回路53は、黒レベルのずれ量Leに基づき撮像素子7の黒レベル自体を補正するものではない。ただし、これに限定されず、黒レベル補正回路53を用いて、黒レベルのずれ量Leに基づいて撮像素子7の黒レベル自体を補正するようにしてもよい。この場合には、ステップSP9において、上記の式(7)に代えて上記の式(1)を用い、当該式(1)において黒レベル補正後の画素値Lを代入して輝度値bvを求めるようにすればよい。
また、上記実施形態においては、撮影者の物理的な操作力を利用して(いわば手動で)ミラー65eの角度を変更する場合を例示しているが、これに限定されない。例えば、スイッチ操作に応じて、モータ等の駆動装置を利用してミラー65e等の角度を自動的に変更し、電気的にOVFモードとEVFモードとを切り替えるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、EVFモードとOVFモードとを操作者の指示入力に応じて切り替える場合を例示しているが、これに限定されない。例えば、図23に示すように、接眼部(ファインダ窓10)付近に、対象物の接近を感知する接眼センサ68を設けておき、当該接眼センサ68の検出結果に応じて、EVFモードとOVFモードとを自動的に切り替えるようにしてもよい。具体的には、当該接眼センサ68によって操作者の眼部の接近を検出するとEVFモードに切り替え、当該接眼センサ68によって操作者の眼部の離遠を検出するとOVFモードに切り替えるようにしてもよい。なお、この場合には、モータ等の駆動装置を利用することなどによって、ミラー65e等の角度を変更すればよい。
また、上記実施形態においては、ミラー65eの反射角度を変更し観察用光束の進路を変更することなどによって、EVF表示を実現する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、上述の従来技術のような撮像装置、具体的には、被写体像の光路に対して進退可能な可動反射ミラーをファインダ光学系の接眼レンズ67の付近の光路内に設けることによって、ライブビュー表示を実現する撮像装置において、本発明の思想を適用し、ミラーアップ時の遮光状態において撮像素子7の測光誤差補正等を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、本発明の思想をデジタルカメラに適用する場合について例示したが、これに限定されず、本発明の思想をフィルム式のカメラに適用することも可能である。具体的には、撮像素子5を設けることなく、撮像素子5の撮像面の位置にフィルムの撮像面を配置すればよい。
1 撮像装置
5,7 撮像素子
6 ミラー機構
10 ファインダ窓
12 背面モニタ
16 アイピースシャッタ
61 主ミラー
65 ペンタミラー
78 温度計
79 測光センサ
63 焦点板
SU 上部空間
5,7 撮像素子
6 ミラー機構
10 ファインダ窓
12 背面モニタ
16 アイピースシャッタ
61 主ミラー
65 ペンタミラー
78 温度計
79 測光センサ
63 焦点板
SU 上部空間
Claims (6)
- 撮像装置であって、
撮影光学系からの光束であって主反射面で反射された光束である観察用光束をファインダ窓へと導くことが可能なファインダ光学系と、
前記観察用光束を受光して画像信号を生成する撮像素子と、
前記撮像素子の前記画像信号に基づいて、前記観察用光束の明るさに関する測定値を算出する算出手段と、
前記撮像素子とは別個に設けられる測光センサと、
前記主反射面をミラーアップ位置に移動して前記撮像素子と前記測光センサとを含む所定の空間を遮光状態にし、当該遮光状態における前記測光センサの出力信号に基づいて、前記撮像素子による前記測定値を補正する制御手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記制御手段は、当該遮光状態における前記測光センサの出力信号に基づいて、前記撮像素子の黒レベルのずれ量を算出することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記制御手段は、前記撮像素子の連続通電時間が所定時間に到達すると、前記主反射面を前記ミラーアップ位置に移動し前記所定の空間を前記遮光状態にするとともに、当該遮光状態における前記測光センサの前記出力信号を取得することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
温度計、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記温度計による測定温度が所定値になると、前記主反射面を前記ミラーアップ位置に移動し前記所定の空間を前記遮光状態にするとともに、当該遮光状態における前記測光センサの前記出力信号を取得することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
温度計、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記温度計による測定温度が所定レベル変化すると、前記主反射面を前記ミラーアップ位置に移動し前記所定の空間を前記遮光状態にするとともに、当該遮光状態における前記測光センサの前記出力信号を取得することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記撮像素子により取得される時系列の画像を表示する表示手段、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記主反射面が前記ミラーアップ位置に存在する期間においては、前記主反射面が前記ミラーアップ位置に移動する前に前記撮像素子によって取得された画像を、前記表示手段に表示することを特徴とする撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007152013A JP2008306490A (ja) | 2007-06-07 | 2007-06-07 | 撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007152013A JP2008306490A (ja) | 2007-06-07 | 2007-06-07 | 撮像装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008306490A true JP2008306490A (ja) | 2008-12-18 |
Family
ID=40234808
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007152013A Withdrawn JP2008306490A (ja) | 2007-06-07 | 2007-06-07 | 撮像装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008306490A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011028177A (ja) * | 2009-07-29 | 2011-02-10 | Nikon Corp | 撮像装置 |
US8704907B2 (en) | 2008-10-30 | 2014-04-22 | Panasonic Corporation | Camera body and camera system with interchangeable lens for performing image data correction |
JP2015004728A (ja) * | 2013-06-19 | 2015-01-08 | キヤノン株式会社 | 撮像装置、その制御方法、および制御プログラム |
-
2007
- 2007-06-07 JP JP2007152013A patent/JP2008306490A/ja not_active Withdrawn
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