JP2008303993A - 液状ガスケットシール構造 - Google Patents

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学 杉本
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Abstract

【課題】 第1フランジに対する第2フランジの剪断方向への振動等の変位に対して、ガスケットの追従性を大幅に改善し、ガスケットが第1,第2フランジから剥離、脱落することを抑制して、高いシール性を維持できる、液状ガスケットシール構造を提供する。
【解決手段】下端フランジ5bの幅方向中間部に、上端フランジ7bに対して反対側へ窪む窪み部11が下端フランジ5bの長さ方向にビード状に形成され、上端フランジ7bの幅方向内縁部分に、幅方向内側程下端フランジ5bから離隔するように傾斜する内縁傾斜部12が上端フランジ7bの長さ方向に延びるように形成され、この内縁傾斜部12と下端フランジ5bの幅方向内縁部分とで、内部空間9に開放された開放溝部13が形成され、フランジ5b,7bが結合された状態で、窪み部11の幅方向内端縁11aが内縁傾斜部12の幅方向外端縁12aよりも幅方向内側に間隔を空けて位置している。
【選択図】 図4

Description

本発明は、第1,第2部材の第1,第2フランジを液状ガスケットを介して、第1,第2部材の内部空間を外界に対してシールする液状ガスケットシール構造に関する。
従来、上記液状ガスケットシール構造を、エンジンユニットのシリンダブロックとオイルパンに適用したものが周知である(例えば、特許文献1参照)。シリンダブロックの下側にオイルパンが設けられ、このオイルパンに貯留されたオイルがシリンダブロックを含むエンジン本体に循環供給されるが、オイルパンは、その上端フランジをシリンダブロックの下端フランジに結合して組付けられ、その際、これら両フランジ間に液状ガスケットが塗着され、両フランジに接着状態で硬化して、両フランジ間がシールされ、シリンダブロックとオイルパンの内部空間が外界に対してシールされる。
特許文献1の液状ガスケットシール構造では、シリンダブロックの下端フランジの下面が全体的に水平に形成され、オイルパンの上端フランジには、その幅方向内縁部分に、幅方向内側程シリンダブロックの下端フランジから離隔するように傾斜する傾斜部と、この傾斜部の幅方向外端縁から立上がる縦壁部とが形成され、この傾斜部及び縦壁部とオイルパンの上端フランジの幅方向内縁部分とで、シリンダブロックとオイルパンの内部空間に開放された開放溝部が形成され、この開放溝部に液状ガスケットが充填される。
また、エンジンユニットのシリンダブロックとチェーンケースとの間に液状ガスケットを介在させた液状ガスケットシール構造が公知であり(例えば、特許文献2参照)、こうした液状ガスケットシール構造については、エンジンユニットのシリンダブロック、オイルパン、チェーンケースに限らず、内部空間を外界に対してシールする必要がある種々の2部材に対して適用可能である。
特許文献2の液状ガスケットシール構造では、ポンプ室とその外界とを仕切るように、シリンダブロックの第1シール面とチェーンケースの第2シール面とが当接されるが、第1シール面が全体的に水平に形成され、第2シール面の幅方向中間部に、第1シール面に対して反対側へ窪む窪み部が形成され、この窪み部に液状ガスケットが充填される。
また、チェーンケースには、第2シール面よりもポンプ室側に位置する傾斜部に溝が形成され、第1,第2シール面を当接させ、シール溝に充填された液状ガスケットがシール溝に充満状態となって、第1,第2シール面の間からポンプ室の方へはみ出し、その液状ガスケットがシリンダブロックとチェーンケースの第1,第2シール面付近の前記傾斜部を含む隅部分に定着して硬化し、前記溝にも入り込む。
特開2005−114113号公報 特開平8−326922号公報
第1,第2部材の第1,第2フランジを液状ガスケットを介して、第1,第2部材の内部空間を外界に対してシールする液状ガスケットシール構造において、特許文献2のように、第1フランジの幅方向中間部に窪み部を形成し、この窪み部に液状ガスケットを充填したものでは、第1フランジに対する第2フランジの圧縮・引張り方向(第1,第2フランジの面直交方向)への振動等の変位に対して、窪み部の硬化したガスケットの追従性が良く、即ち、このガスケットの弾性変形により第1,第2フランジからの剥離も起こりにくいので、所期のシール性を維持することができる。
しかし、このガスケットでは、第1,第2フランジの面間に多少のガスケット薄膜が形成されるものの、第1フランジに対する第2フランジの剪断方向(第1,第2フランジの面平行方向)への振動等の変位に対して、前記圧縮・引張り方向への変位に対するよりも、ガスケットの弾性変形許容部位を十分に確保できないので、ガスケットの追従性が悪く、即ち、第1,第2フランジからの剥離が起こり、所期のシール性を維持できない虞がある。特に、この液状ガスケットシール構造を、エンジンユニットのシリンダブロックとオイルパン等、振動等が発生する2部材に適用した場合、上記課題は顕著になる。
一方、特許文献1のように、第2フランジの幅方向内縁部分に傾斜部を形成し、この傾斜部と第1の幅方向内縁部分とで開放溝部を形成し、この開放溝部に液状ガスケットを充填したものでは、前記同様、第1フランジに対する第2フランジの剪断方向への変位に対して、開放溝部の硬化したガスケットの追従性が悪いという問題がある。但し、第1,第2部材の内部空間が高圧の場合に、このガスケットの楔機能により、高いシール性を発揮できる。しかし、このガスケットが第1,第2フランジから剥離して、開放溝部から脱落する虞があり、そうなると、シール性が大幅に低下する。
尚、特許文献1には、その先行技術として、図6に、窪み部と開放溝部の両方を有する液状ガスケットシール構造が開示さているが、これら窪み部と開放溝部は離隔して設けられ、つまり、窪み部のガスケットと開放溝部のガスケットは個々に独立に存在するものであるので、上記問題を解決できるものではない。
尚、特許文献2の液状ガスケットシール構造では、第1,第2シール面を当接させる際、シール溝に充填された液状ガスケットがシール溝に充満状態となって、第1,第2シール面の間からポンプ室の方へはみ出し、その液状ガスケットがシリンダブロックとチェーンケースの前記隅部分に定着し硬化するが、チェーンケースの前記傾斜部の溝に入り込むということにも疑問があり、前記隅部分のガスケットが剥離して脱落する虞が高い。
本発明の目的は、特に、第1フランジに対する第2フランジの剪断方向への振動等の変位に対して、ガスケットの追従性を大幅に改善し、このガスケットが第1,第2フランジから剥離、脱落することを抑制して、高いシール性を維持することができる、液状ガスケットシール構造を提供することである。
請求項1の液状ガスケットシール構造は、第1,第2部材の第1,第2フランジを液状ガスケットを介して、第1,第2部材の内部空間を外界に対してシールする液状ガスケットシール構造において、前記第1フランジの幅方向中間部に、第2フランジに対して反対側へ窪むように第1フランジの長さ方向にビード状に形成された窪み部と、前記第2フランジの幅方向内縁部分に、幅方向内側程第1フランジから離隔するように傾斜して第2フランジの長さ方向に延びるように形成され、第1フランジ部の幅方向内縁部分とで前記内部空間に開放された開放溝部を形成する内縁傾斜部とを備え、前記第1,第2フランジを結合した状態で、前記窪み部の幅方向内端縁が前記内縁傾斜部の幅方向外端縁よりも幅方向内側に間隔を空けて位置して繋ぎ部を形成するとともに、前記窪み部に充填された液状ガスケットが窪み部に充満状態となって前記繋ぎ部から前記開放溝部にはみ出すように構成されたことを特徴とする。
第1,第2部材の第1,第2フランジを結合する際、窪み部に予め窪み部のボリューム以上の適正量の液状ガスケットを充填しておくことで、窪み部に充填された液状ガスケットが窪み部に充満状態となって、その余剰分が繋ぎ部から開放溝部にはみ出し、これら液状ガスケットが第1,第2フランジに接着状態で硬化して、第1,第2フランジ間がシールされ、第1,第2部材の内部空間が外界に対してシールされる。
窪み部の硬化したガスケット部分と開放溝部の硬化したガスケット部分とが繋ぎ部を介して繋がれて一体化され、ガスケットが全体的に幅広になってサイズアップされるとともに、この繋ぎ部周辺のガスケット部分により、第1フランジに対する第2フランジの圧縮・引張り方向(第1,第2フランジの面直交方向)への振動等の変位に対して、ガスケットの弾性変形許容部位が拡充されて追従性が改善され、特に、第1フランジに対する第2フランジの剪断方向(第1,第2フランジの面平行方向)への振動等の変位に対して、ガスケットの弾性変形許容部位が拡充されて追従性が大幅に改善される。
つまり、第1フランジに対して第2フランジが、圧縮・引張り方向、剪断方向へ変位しても、その変位にガスケットが追従して、第1,第2フランジから剥離することが抑制され、仮に、ガスケットが第1,第2フランジから剥離しても脱落することはなく、何故なら、開放溝部のガスケット部分が単独で存在すると脱落する虞があるが、窪み部のガスケット部分は脱落する虞は低く、その窪み部のガスケット部分に開放溝部のガスケット部分が繋ぎ部を介して繋がっており、また、開放溝部のガスケット部分では、その楔機能により、第1,第2部材の内部空間が高圧の場合に高いシール性が発揮され、故に、全体で高いシール性が維持される。
ここで、請求項1の発明において、前記窪み部の幅方向内側部分の内面と前記内縁傾斜部の幅方向外側部分の傾斜面とが、前記繋ぎ部を空けて対面する(請求項2)、前記窪み部の幅方向内側部分と前記内縁傾斜部との間の角度が、前記内部空間側に向かって先細りとなるように、鋭角である(請求項3)、前記内縁傾斜部の幅方向外端縁が、前記窪み部の最深部と同じ幅方向位置に又は最深部よりも幅方向内側に位置する(請求項4)、とすることが好ましい。
請求項1の液状ガスケットシール構造によれば、前記のように、窪み部、内縁傾斜部、開放溝部を備え、第1,第2フランジを結合した状態で、窪み部の幅方向内端縁を内縁傾斜部の幅方向外端縁よりも幅方向内側に間隔を空けて位置させて繋ぎ部を形成するとともに、窪み部に充填された液状ガスケットが窪み部に充満状態となって繋ぎ部から開放溝部にはみ出すように構成したので、窪み部の硬化したガスケット部分と開放溝部の硬化したガスケット部分とを繋ぎ部を介して繋いで一体化し、ガスケットを全体的に幅広にしてサイズアップできるとともに、この繋ぎ部周辺のガスケット部分により、第1フランジに対する第2フランジの圧縮・引張り方向、特に剪断方向への振動等の変位に対して、ガスケットの弾性変形許容部位を拡充して追従性を大幅に改善し、故に、ガスケットが第1,第2フランジから剥離、脱落することを抑制して、また、開放溝部のガスケット部分では、その楔機能により、第1,第2部材の内部空間が高圧の場合に高いシール性を発揮するので、全体で高いシール性を維持することができる。
請求項2の液状ガスケットシール構造によれば、窪み部の幅方向内側部分の内面と内縁傾斜部の幅方向外側部分の傾斜面とが、繋ぎ部を空けて対面するので、繋ぎ部周辺のガスケット部分を適当なボリュームで形成して、窪み部のガスケット部分と開放溝部のガスケット部分とを繋ぎ部を介して確実に一体化し、第1フランジに対する第2フランジの剪断方向への変位に対して、ガスケットの追従性を確実に改善することができる。
請求項3の液状ガスケットシール構造によれば、窪み部の幅方向内側部分と内縁傾斜部との間の角度が、内部空間側に向かって先細りとなるように、鋭角であるので、窪み部の幅方向内側部分の内面と内縁傾斜部の幅方向外側部分の傾斜面との間の繋ぎ部周辺を含むガスケット部分を、開放溝部側程細くなる断面楔形状にして、開放溝部のガスケット部分が窪み部のガスケット部分と共に脱落することを確実に防止することができる。
請求項4の液状ガスケットシール構造によれば、内縁傾斜部の幅方向外端縁が、窪み部の最深部と同じ幅方向位置に又は最深部よりも幅方向内側に位置するので、内縁傾斜部の幅方向長さを大きくし過ぎず、開放溝部を適当なボリュームに形成し、液状ガスケットの量を多くしすぎずに、請求項1〜3の効果をバランス良く達成することができる。
本発明の液状ガスケットシール構造では、第1部材の第1フランジの幅方向中間部に、第2部材の第2フランジに対して反対側へ窪む窪み部が第1フランジの長さ方向にビード状に形成され、第2フランジの幅方向内縁部分に、幅方向内側程第1フランジから離隔するように傾斜する内縁傾斜部が第2フランジの長さ方向に延びるように形成され、この内縁傾斜部と第1フランジ部の幅方向内縁部分とで、第1,第2部材の内部空間に開放された開放溝部が形成され、第1,第2フランジが結合された状態で、窪み部の幅方向内端縁が内縁傾斜部の幅方向外端縁よりも幅方向内側に間隔を空けて位置している。
本実施例は、自動車のエンジンユニットのシリンダブロックとオイルパンとの結合部分に、本発明の液状ガスケットシール構造を適用した場合の例である。
図1、図2に示すように、自動車のエンジンユニット1は、エンジン本体2を有し、そのエンジン本体2は、アッパブロック4とロアブロック5とからなるシリンダブロック3と、アッパブロック4の上側部分に設けられたシリンダヘッド6とを有し、エンジン本体2の下側に設けられてロアブロック5に取付けられたオイルパン7を有する。尚、図2において、1aは吸弁機構、1bは排弁機構、1cはピストン、1dはコネクチングロッド1eはクランク軸のピン部である。
オイルパン7には、オイル(潤滑油)が貯留されて、そのオイル内にストレーナ(図示略)が配置され、エンジン本体2が作動すると、オイルパン7に貯留されたオイルがストレーナからオイルポンプ(図示略)で汲上げられてエンジン本体2内に供給され、その後オイルがオイルパン7に回収されて循環する。
ロアブロック5には、外周壁部5aが設けられ、その外周壁部5aの下端部に外周外に張出す下端フランジ5bが形成され、また、オイルパン7には、外周壁部7aが設けられ、その外周壁部7aの上端部に外周外に張出す上端フランジ7bが形成されている。この下端フランジ5bと上端フランジ7bは、上下方向から視て略同形同サイズの矩形枠状に形成され、下端フランジ5bは上端フランジ7bよりも厚肉に形成されている。
フランジ5b,7bが面接触状に複数のボルト8で締結され、これらボルト8は適当間隔おきに配設されている。下端フランジ5bと上端フランジ7bには、夫々、複数のボルト8が挿通する複数のボルト孔5c,7cが形成されている。尚、オイルパン7には、上端フランジ7bの先端部から下方へ屈曲する補強帯状部7dが設けられている。
図3〜図6に示すように、液状ガスケットシール構造10は、第1部材に相当するロアブロック5の第1フランジに相当する下端フランジ5bと、第2部材に相当するオイルパン7の第2フランジに相当する上端フランジ7bとを、液状ガスケットSaを介して、ロアブロック5とオイルパン7の内部空間9を外界に対してシールするものである。
尚、図3〜図6において、矢印aがフランジ5b,7bの幅方向、矢印aの紙面左側が幅方向内側、矢印aの紙面右側が幅方向外側、矢印aを含むフランジ5b,7bの面平行方向が剪断方向、矢印bがフランジ5b,7bの長さ方向、矢印cが上下方向であり、フランジ5b,7bの面直交方向となる圧縮・引張り方向である。
液状ガスケットシール構造10は、下端フランジ5bの幅方向中間部に、上端フランジ7bに対して反対側(上側)へ窪むように下端フランジ5bの長さ方向にビード状に形成された複数の窪み部11と、上端フランジ7bの幅方向内縁部分に、幅方向内側程下端フランジ5bから離隔する(下側へ移行する)ように傾斜して上端フランジ7bの長さ方向に延びるように形成され、下端フランジ5bの幅方向内縁部分とで内部空間9に開放された開放溝部13を形成する内縁傾斜部12とを備えている。
そして、液状ガスケットシール構造10は、フランジ5b,7bを結合した状態で、複数の窪み部11の幅方向内端縁11aが内縁傾斜部12の幅方向外端縁12aよりも幅方向内側に間隔L1を空けて位置して繋ぎ部14を形成するとともに、複数の窪み部11に充填された液状ガスケットSaが夫々窪み部11に充満状態となって繋ぎ部14から開放溝部13にはみ出すように構成されている。
各構成について詳しく説明する。
下端フランジ5bは、複数の窪み部11以外の下面が全体的に水平に形成され、複数の窪み部11は、下端フランジ5bの幅方向中央部よりも幅方向内側部分に、複数のボルト孔5cの位置に対応させて、下端フランジ5bの長さ方向に適当間隔おきに形成されている。隣合う2つの窪み部11は、その間付近に位置するボルト孔5cに対する所定領域を空けて形成され、この所定領域では、フランジ5b,7bをボルト8で締結する締結力により、フランジ5b,7b間に作用する面圧により、液状ガスケットSa無しで、フランジ5b,7b間の十分なシール性が確保される。
窪み部11は、幅方向内側部分の内側傾斜面11bと、幅方向外側部分の外側傾斜面11cと、両傾斜面11b,11cの間の湾曲面11dとで、断面略2等辺3角形状に形成され、湾曲面11dに窪み部11の上端部の最深部11eがある。内側傾斜面11bの水平に対する角度θ1は約50度に設定されている。
上端フランジ7bは、内縁傾斜部12以外の上面が全体的に水平に形成され、内縁傾斜部12は、上端フランジ7bに環状に連続的に形成されている。内縁傾斜部12の水平に対する角度θ2は約20度に設定され、開放溝部13は、内部空間9に向かってθ2(約20度)の角度で広がる断面楔形に形成されている。
内縁傾斜部12の幅方向外端縁12aは、前記のように、窪み部11の幅方向内端縁11aよりも幅方向外側に間隔L1を空けて位置し、故に、この幅方向内端縁11aと幅方向外端縁12aとの間にL1の幅の繋ぎ部14が形成され、更に、内縁傾斜部12の幅方向外端縁12aは、窪み部11の最深部11eよりも幅方向内側に間隔L2を空けて位置している。例えば、L1は、L2と略同じかL2よりも少し大きく設定されている。
窪み部11の内側傾斜面11bと内縁傾斜部12との間の角度θ3(=θ1−θ2)が鋭角(約30度)に設定され、窪み部11の内側傾斜面11bと内縁傾斜部12の幅方向外側部分の傾斜面12bとが、繋ぎ部14を空けて対面している。
液状ガスケットシールSaについては、フランジ5b,7bを結合する際、窪み部11に予め窪み部11のボリューム以上の適正量充填しておくことで、その液状ガスケットSaが窪み部11に充満状態となって、その余剰分が繋ぎ部14から開放溝部13にはみ出し、窪み部11よりも幅方向外側のフランジ5b,7b間にも多少薄膜状に広がり、これら液状ガスケットSaがフランジ5b,7bに接着状態で硬化する。
硬化したガスケットSbは、窪み部11のガスケット部分Sb1、開放溝部13のガスケット部分Sb2、このガスケット部分Sb1,Sb2を繋ぐ繋ぎ部14の周辺のガスケット部分Sb3、窪み部11よりも幅方向外側のフランジ5b,7b間の薄膜状のガスケット部分Sb4を有し、これらガスケット部分Sb1〜Sb4を一体化して形成される。
以上説明した液状ガスケットシール構造10によれば次の効果を奏する。
窪み部11の硬化したガスケット部分Sb1と開放溝部13の硬化したガスケット部分Sb2とを繋ぎ部14を介して繋いで一体化し、ガスケットSbを全体的に幅広にしてサイズアップできるとともに、この繋ぎ部14の周辺のガスケット部分Sb3により、下端フランジ5bに対する上端フランジ7bの圧縮・引張り方向、特に剪断方向への振動等の変位に対して、ガスケットSbの弾性変形許容部位を拡充して追従性を大幅に改善し、故に、ガスケットSbがフランジ5b,7bから剥離、脱落することを抑制して、また、開放溝部13のガスケット部分Sb2では、その楔機能により、内部空間9が高圧の場合に高いシール性を発揮するので、全体で高いシール性を維持することができる。
窪み部11の幅方向内側部分の内面(内側傾斜面11b)と内縁傾斜部12の幅方向外側部分の傾斜面12bとが、繋ぎ部14を空けて対面するので、繋ぎ部14の周辺のガスケット部分Sb2を適当なボリュームで形成して、窪み部11のガスケット部分Sb1と開放溝部13のガスケット部分Sb2とを繋ぎ部14を介して確実に一体化し、下端フランジ5bに対する上端フランジ7bの剪断方向への変位に対して、ガスケットSbの追従性を確実に改善することができる。
窪み部11の幅方向内側部分(内側傾斜面11b)と内縁傾斜部12との間の角度θ3が、内部空間9側に向かって先細りとなるように、鋭角であるので、窪み部11の内側傾斜面11bと内縁傾斜部12の幅方向外側部分の傾斜面12bとの間の繋ぎ部14の周辺を含むガスケット部分を、開放溝部13側(幅方向内側)程細くなる断面楔形状にして、開放溝部13のガスケット部分Sb2が窪み部11のガスケット部分Sb1と共に脱落することを確実に防止することができる。
内縁傾斜部12の幅方向外端縁12aが、窪み部11の最深部11eよりも幅方向内側に位置するので、内縁傾斜部12の幅方向長さを大きくし過ぎず、開放溝部13を適当なボリュームに形成し、液状ガスケットSaの量を多くしすぎずに、上記効果をバランス良く達成することができる。
次に、前記液状ガスケットシール構造10を部分的に変更した液状ガスケットシール構造について説明する。但し、基本的に、前記液状ガスケットシール構造10と同様の構成であり、前記実施例と同一符号を付して説明を省略する。
1]図7に示すように、変形例1の液状ガスケットシール構造10Aでは、上端フランジ7bの幅方向内縁部分に、前記内縁傾斜部12に代わる内縁傾斜部12Aが形成され、この内縁傾斜部12Aと下端フランジ5bの幅方向内縁部分とで、内部空間9に開放された開放溝部13Aが形成され、フランジ5b,7bが結合された状態で、窪み部11の幅方向内端縁11aが内縁傾斜部12Aの幅方向外端縁12Aaよりも幅方向内側に間隔L3を空けて位置し、この幅方向内端縁11aと幅方向外端縁12Aaとの間に繋ぎ部14Aが形成されている。
内縁傾斜部12Aの水平に対する角度θ2は約20度に設定され、内縁傾斜部12Aの幅方向外端縁12Aaは、窪み部11の最深部11eと同じ幅方向位置に位置している。窪み部11の内側傾斜面11bと内縁傾斜部12Aとの間の角度θ3(=θ1−θ2)が鋭角(約30度)に設定され、窪み部11の内側傾斜面11bと内縁傾斜部12Aの幅方向外側部分の傾斜面12Abとが、繋ぎ部14Aを空けて対面している。
2]図8に示すように、変形例2の液状ガスケットシール構造10Bでは、窪み部11Bは、前記窪み部11よりも断面形状が多少上下に小さく形成され、前記窪み部11と同様に、内側傾斜面11Bb、外側傾斜面11Bc、湾曲面11Bd、最深部11Beを有し、内側傾斜面11Bbの水平に対する角度θ4は約40度に設定されている。
上端フランジ7bの幅方向内縁部分に、前記内縁傾斜部12に代わる内縁傾斜部12Bが形成され、この内縁傾斜部12Bと下端フランジ5bの幅方向内縁部分とで、内部空間9に開放された開放溝部13Bが形成され、フランジ5b,7bが結合された状態で、窪み部11Bの幅方向内端縁11Baが内縁傾斜部12Bの幅方向外端縁12Baよりも幅方向内側に間隔L4を空けて位置し、この幅方向内端縁11Baと幅方向外端縁12Baとの間に繋ぎ部14Bが形成されている。
内縁傾斜部12Bの水平に対する角度θ4は、内側傾斜面11Bbの水平に対する角度θ4と同じ約40度に設定され、内縁傾斜部12Bと内側傾斜面11Bbとは平行になっている。内縁傾斜部12Bの幅方向外端縁12Baは、窪み部11Bの最深部11Beより幅方向内側へ間隔L5を空けて位置し、窪み部11Bの内側傾斜面11Bbと内縁傾斜部12Bの幅方向外側部分の傾斜面12Bbとが、繋ぎ部14Bを空けて対面している。
3]図9に示すように、変形例3の液状ガスケットシール構造10Cでは、下端フランジ5bに、前記窪み部11に代わる窪み部11Cが形成され、その窪み部11Cは断面略円弧状に形成されている。この窪み部11Cの幅方向内側部分の水平に対する角度θ5が、下端フランジ5bの下面からの立上がり角度(窪み部11Cの幅方向内端縁11Caにおける略接線方向の角度)として、約60度に設定されている。
フランジ5b,7bが結合された状態で、窪み部11Cの幅方向内端縁11Caが内縁傾斜部12の幅方向外端縁12aよりも幅方向内側に間隔L6を空けて位置し、内縁傾斜部12の幅方向外端縁12aが、窪み部11Cの最深部11Ceよりも幅方向内側に間隔L7を空けて位置している。
幅方向内端縁11Caと幅方向外端縁12aとの間に繋ぎ部14Cが形成されている。窪み部11Cの幅方向内側部分と内縁傾斜部12との間の角度θ6(=θ5−θ2)が鋭角(約40度)に設定され、窪み部11Cの幅方向内側部分と内縁傾斜部12の幅方向外側部分の傾斜面12bとが、繋ぎ部14Cを空けて対面している。
[参考例]
図10に示すように、この液状ガスケットシール構造10Dでは、フランジ5bの幅方向内側部分に、幅方向内側程フランジ7bに対して離隔するように傾斜する傾斜部5Daが形成され、フランジ7bの幅方向内側部分に、幅方向内側程傾斜部5Daに対して離隔し且つ水平に対する傾斜角度が傾斜部5Daよりも小さい傾斜部12Dが形成され、これら傾斜部5Da,12Dとで内部空間9に斜め上側に向かって開放された開放溝部13Dが形成され、この開放溝部13Dに液状ガスケットSaが充填されている。
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記開示事項以外の種々の変更を付加して実施可能である。例えば、複数の窪み部を、1つの連続する環状の窪み部としてもよい。また、前記L1〜L7、θ1〜θ6等、窪み部、内縁傾斜部、開放溝部のサイズ・形状等については適宜変更可能である。
また、本発明の液状ガスケットシール構造については、エンジンユニットの種々のシリンダブロックとオイルパンの結合部分、或いは、それ以外の内部空間を外界に対してシールする必要がある種々の2部材(例えば、シリンダブロックのアッパブロックとロアブロック、アッパブロックとシリンダヘッド等々)の結合部分に対して適用可能である。
エンジンユニットの下方からの斜視図である。 エンジンユニットの断面図である。 エンジンユニットの液状ガスケットシール構造を含む要部断面図である。 図3の要部拡大図である。 ロアブロックの部分的な底面図である。 オイルパンの部分的な平面図である。 変形例1の図4相当図である。 変形例2の図4相当図である。 変形例3の図4相当図である。 参考例の図4相当図である。
符号の説明
Sa 液状ガスケット
5 ロアブロック(第1部材)
5b 下端フランジ(第1フランジ)
7 オイルパン(第2部材)
7b 上端フランジ(第2フランジ)
9 内部空間
10,10A,10B,10C 液状ガスケットシール構造
11,11B,11C 窪み部
11e,11Be,11Ce 最深部
12,12A,12B 内縁傾斜部
13,13A,13B 開放溝部
14,14A,14B,14C 繋ぎ部

Claims (4)

  1. 第1,第2部材の第1,第2フランジを液状ガスケットを介して、第1,第2部材の内部空間を外界に対してシールする液状ガスケットシール構造において、
    前記第1フランジの幅方向中間部に、第2フランジに対して反対側へ窪むように第1フランジの長さ方向にビード状に形成された窪み部と、
    前記第2フランジの幅方向内縁部分に、幅方向内側程第1フランジから離隔するように傾斜して第2フランジの長さ方向に延びるように形成され、第1フランジ部の幅方向内縁部分とで前記内部空間に開放された開放溝部を形成する内縁傾斜部とを備え、
    前記第1,第2フランジを結合した状態で、前記窪み部の幅方向内端縁が前記内縁傾斜部の幅方向外端縁よりも幅方向内側に間隔を空けて位置して繋ぎ部を形成するとともに、前記窪み部に充填された液状ガスケットが窪み部に充満状態となって前記繋ぎ部から前記開放溝部にはみ出すように構成されたことを特徴とする液状ガスケットシール構造。
  2. 前記窪み部の幅方向内側部分の内面と前記内縁傾斜部の幅方向外側部分の傾斜面とが、前記繋ぎ部を空けて対面することを特徴とする請求項1に記載の液状ガスケットシール構造。
  3. 前記窪み部の幅方向内側部分と前記内縁傾斜部との間の角度が、前記内部空間側に向かって先細りとなるように、鋭角であることを特徴とする請求項2に記載の液状ガスケットシール構造。
  4. 前記内縁傾斜部の幅方向外端縁が、前記窪み部の最深部と同じ幅方向位置に又は最深部よりも幅方向内側に位置することを特徴とする請求項2又は3に記載の液状ガスケットシール構造。
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