JP2008292410A - 感圧体および感圧素子並びにそれを用いた圧力検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一の粉体11中に第二の粉体12が導電性の経路を形成した状態で分散した感圧体であって、その空隙率が25%以上、55%以下であり、加圧による前記第一の粉体11と第二の粉体12および前記第二の粉体12同士の接触状態が変化して電気抵抗が変化する感圧体。
【選択図】図1
Description
第一の粉体にSi3N4を、第二の粉体にCを用いた例である。感圧体の製造方法について説明する。第一の粉体11としてSi3N4(宇部興産社製、型番:E10)44.0g秤量し、第二の粉体12にC(東海カーボン社製、黒鉛化C、型番:#3855)を6.0g秤量して、エタノール中でボールミル混合を24時間行った後、混合粉を乾燥して感圧体の材料となる粉末を得た。次に得られた粉末0.2gを内径φ7mmの金型に入れ、300MPaの圧力で成形し感圧体1を得た。感圧体1の製造条件を表1に示した。
[評価方法]
空隙率は感圧体の寸法を測定し体積を算出、得られた値と感圧体の重量で密度を計算し、理論密度と比較して空隙率を算出した。電気抵抗値と電気抵抗変化率(圧力感度)の測定はφ7mmの円筒状感圧体の上下面にφ7mm、厚さ1mmのCu電極31を配設し図3に示す感圧素子3を作製した。Cu電極31に0−1MPaの圧力を加えながら抵抗計3541(日置電機社製、型番:3541)を用いて電気抵抗値及び電気抵抗変化率の評価を行った(25℃、200℃の2点)。また、所定の圧力を繰り返し100回加えた後、同様な電気特性が得られるかどうかを確認した。さらに加圧してから抵抗値が一定になるまでの時間を計測し応答性の評価をあわせて行った。3点曲げ試験は、JIS:R1601に基づいて行った。ただし、支点間距離は7mmとした。なお、以下の実施例2〜13及び比較例1〜5でも同様な方法で評価した。
[評価結果]
得られた測定結果を表2に示した。感圧体の電気抵抗値は120Ω、空隙率は25%、曲げ強度18MPa、応答速度は0.5秒、圧力に対する抵抗値変化の直線性も良好であり、その電気抵抗変化率は−0.21%/MPaの値が得られた。また、100回の圧力負荷後も1回目と同等の電気特性が得られた。
成形圧30MPaで感圧体1を作製した以外は実施例1と同様の方法で感圧体を作製、特性評価を行った。感圧体の作製方法を表1に、得られた結果を表2に示した。
成形圧を0.1MPaで感圧体1を作製した以外は実施例1と同様の方法で感圧体を作製、特性評価を行った。感圧体の作製方法を表1に、得られた結果を表2に示した。
第一の粉体にエポキシ樹脂を、第二の粉体にCを用いた例である。第一の粉体11としてエポキシ樹脂粉末(ジャパンエポキシレジン社製、型番:4007P)25.0g秤量し、第二の粉体12にC(東海カーボン社製、黒鉛化C、型番:#3855)を25.0g秤量して、エタノール中でボールミル混合を24時間行った後、混合粉を乾燥して感圧体の材料となる粉末を得た。次に得られた粉末0.2gを内径φ7mmの金型に入れ、30MPaの圧力で成形し感圧体1を得た。評価方法は実施例1と同様の方法で行った。感圧体の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示した。200℃での電気抵抗値の測定は樹脂が溶融してしまい計測することができなかった。
第一の粉体と第二の粉体にSiCを用いた例である。第一の粉体11及び第二の粉体12としてα−SiC粉末(屋久島電工社製、型番:SH−7)50.0g秤量し、エタノール中でボールミル混合を24時間行った後、混合粉を乾燥して感圧体の材料となる粉末を得た。次に得られた粉末0.2gを内径φ7mmの金型に入れ、300MPaの圧力で成形し感圧体1を得た。評価方法は実施例1と同様の方法で行った。感圧体の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示した。
第一の粉体にSi3N4を、第二の粉体にSiCを用いた例である。第一の粉体11としてSi3N4(宇部興産社製、型番:E10)30.0g秤量し、第二の粉体12にα−SiC粉末(高純度化学社製、型番:SII01FA)20.0g秤量して、エタノール中でボールミル混合を24時間行った後、混合粉を乾燥して感圧体の材料となる粉末を得た。次に得られた粉末0.2gを内径φ7mmの金型に入れ、30MPaの圧力で成形し感圧体1を得た。評価方法は実施例1と同様の方法で行った。感圧体の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示した。
第一の粉体にAl2O3を、第二の粉体にTiNを用いた例である。第一の粉体11としてAl2O3(住友化学社製、型番:AKP−50)25.0g秤量し、第二の粉体12にTiN粉末(フルウチカガク社製、型番:TiC72206A)25.0g秤量して、エタノール中でボールミル混合を24時間行った後、混合粉を乾燥して感圧体の材料となる粉末を得た。次に得られた粉末0.2gを内径φ7mmの金型に入れ、30MPaの圧力で成形し感圧体1を得た。評価方法は実施例1と同様の方法で行った。感圧体の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示した。
第一の粉体にZrO2を、第二の粉体にCを用いた例である。第一の粉体11としてZrO2(東ソー社製、型番:TZ-3YE)73.2g秤量し、第二の粉体12にC(東海カーボン社製、黒鉛化C、型番:#3855)を6.88g秤量して、エタノール中でボールミル混合を24時間行った後、混合粉を乾燥して感圧体の材料となる粉末を得た。次に得られた粉末0.2gを内径φ7mmの金型に入れ、30MPaの圧力で成形し感圧体1を得た。評価方法は実施例1と同様の方法で行った。感圧体の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示した。
第一の粉体にAl2O3を、第二の粉体にCを用いた例である。第一の粉体11としてAl2O3(住友化学工業社製、型番:AKP−50)36.2g秤量し、第二の粉体12にC(東海カーボン社製、黒鉛化C、型番:#3855)を6.88g秤量して、エタノール中でボールミル混合を24時間行った後、混合粉を乾燥して感圧体の材料となる粉末を得た。次に得られた粉末0.2gを内径φ7mmの金型に入れ、30MPaの圧力で成形し感圧体1を得た。評価方法は実施例1と同様の方法で行った。感圧体の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示した。
第一の粉体にSiO2を、第二の粉体にCを用いた例である。第一の粉体11としてSiO2(デンカ工業社製、型番:FS−30)35.0g秤量し、第二の粉体12にC(東海カーボン社製、黒鉛化C、型番:#3855)を15.0g秤量して、エタノール中でボールミル混合を24時間行った後、混合粉を乾燥して感圧体材料となる粉末を得た。次に得られた粉末0.2gを内径φ7mmの金型に入れ、30MPaの圧力で成形し感圧体1を得た。評価方法は実施例1と同様の方法で行った。感圧体の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示した。
第一の粉体にSi3N4を、第二の粉体に空洞化C(ケッチェンブラック(KB))を用いた例である。第一の粉体11としてSi3N4(宇部興産社製、型番:E10)48.0g秤量し、第二の粉体12にα−SiC粉末(ライオン社製、型番:EC300J)2.0g秤量して、エタノール中でボールミル混合を24時間行った後、混合粉を乾燥して感圧体の材料となる粉末を得た。次に得られた粉末0.2gを内径φ7mmの金型に入れ、30MPaの圧力で成形し感圧体1を得た。評価方法は実施例1と同様の方法で行った。感圧体の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示した。
(実施例12)
第一の粉体11としてSi3N4(宇部興産社製、型番:E10)45.5g秤量し、第二の粉体12にC(東海カーボン社製黒鉛化C、型番:#3855)4.5g秤量して、エタノール中でボールミル混合を24時間行った後、混合粉を乾燥して感圧体の材料となる粉末を得た。それ以外は実施例2と同様の方法で感圧体を作製、特性評価行った。感圧体の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示した。
第一の粉体11としてSi3N4(宇部興産社製、型番:E10)42.8g秤量し、第二の粉体12にC(東海カーボン社製黒鉛化C、型番:#3855)7.2g秤量して、エタノール中でボールミル混合を24時間行った後、混合粉を乾燥して感圧体の材料となる粉末を得た。それ以外は実施例2と同様の方法で感圧体を作製、特性評価行った。感圧体の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示した。
第一の粉体11としてSi3N4(宇部興産社製、型番:E10)35.0g秤量し、第二の粉体12にC(東海カーボン社製黒鉛化C、型番:#3855)15.0g秤量して、エタノール中でボールミル混合を24時間行った後、混合粉を乾燥して感圧体の材料となる粉末を得た。それ以外は実施例2と同様の方法で感圧体を作製、特性評価行った。感圧体の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示した。
受圧体22と電極21を別に設けた例である。それ以外の感圧素子の作製方法、特性評価方法は実施例2と同様の方法で行った。感圧体の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示した。
成形圧を700MPaで感圧体1を作製した以外は実施例1と同様の方法で感圧体を作製、特性評価を行った。感圧体の作製方法を表1に、得られた結果を表2に示した。空隙率が22%と低く、曲げ強度が23MPaと高いために電気抵抗変化率が−0.09%/MPaと低い値となった。
成形圧を0.01MPaで感圧体1を作製した以外は実施例1と同様の方法で感圧体を作製、特性評価を行った。感圧体の作製方法を表1に、得られた結果を表2に示した。空隙率が59%と高く、曲げ強度が0.08MPaと低く機械強度が低いために、電気抵抗変化率測定で1MPaの圧力を加えた際に感圧体が破損してしまい特性評価ができなかった。
Cの含有量が4.8vol%である以外は実施例2と同様の方法で感圧体を作製、特性評価を行った。感圧体の作製方法を表1に、得られた結果を表2に示した。C含有量が4.8vol%と低いため、導電性の経路を形成することができず、電気抵抗値が高くて特性評価ができなかった。
Cの含有量が42vol%である以外は実施例2と同様の方法で感圧体を作製、特性評価を行った。感圧体の作製方法を表1に、得られた結果を表2に示した。C含有量が42vol%と高すぎるため、電気抵抗値が2Ωと小さすぎ、感圧素子としては使用できなかった。
第一の粉体11としてSi3N4(宇部興産社製、型番:E10)30.0g秤量し、第二の粉体12にSi(住友チタニウム社製、高純度Si粉末)30.0g秤量して、エタノール中でボールミル混合を24時間行った後、混合粉を乾燥して感圧体の材料となる粉末を得た。それ以外は実施例2と同様の方法で感圧体を作製、特性評価行った。感圧体の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示した。電気抵抗値が23000Ωと高すぎるため金属電極を押し付けただけでは電気抵抗値が安定せず、特性の評価ができなかった。
実施例2と同様の方法で感圧体1を得た後、Si3N4焼結体製(日本タングステン社製、型番:NPN−3)外径φ20mm、内径φ7.1mm、高さ20mmの外周保持体42の中に感圧体1を入れ、外径7.0mm、長さ10mmのSUS304製の電極41を感圧体1の上下に配設して挟み込み、感圧素子4を得た。得られた感圧素子4に10MPaの予圧を加え、そこから200MPaの圧力を加えて特性評価を行った。得られた結果を表3に示した。応答速度も0.1秒以下と速く、200MPaの高圧でも感圧素子が破損することは無かった。
実施例2と同様の方法で感圧体1を得た後、アルミ製の外径φ20mm、内径φ7.2mm、高さ20mmの外周保持体42の内周面に絶縁材43となるカプトンフィルム(東レデュポン社製、型番:Hタイプ)を貼り、その後、感圧体1を入れて外径7.0mm、長さ10mmのSUS304製の電極41を感圧体1上下に配設して挟み込み、感圧素子4を得た。得られた感圧素子4に10MPaの予圧を加え、そこから200MPaの圧力を加えて特性評価を行った。得られた結果を表3に示した。120MPaまでは電気抵抗評価ができたものの、それ以上の圧力を加えると外周保持体のアルミが変形してしまい、特性評価ができなくなった。そのため表3に示した電気抵抗変化率は120MPaまでの抵抗値から算出した値である。
外周保持体42にチタンを用いた以外は実施例16と同様の方法で感圧素子を作製、特性評価を行った。得られた結果を表3に示した。200MPaの高圧が加わっても感圧素子が壊れることなく特性評価ができた。
外周保持体42に銅を用いた以外は実施例16と同様の方法で感圧素子を作製、特性評価を行った。得られた結果を表3に示した。200MPaの高圧が加わっても感圧素子が壊れることなく特性評価ができた。
外周保持体42にSUS304を用いた以外は実施例16と同様の方法で感圧素子を作製、特性評価を行った。得られた結果を表3に示した。200MPaの高圧が加わっても感圧素子が壊れることなく特性評価ができた。
予圧を50MPaに変えた以外は実施例19と同様の方法で感圧素子を作製、特性評価を行った。得られた結果を表3に示した。200MPaの高圧が加わっても感圧素子が壊れることなく特性評価ができた。
予圧を100MPaに変えた以外は実施例19と同様の方法で感圧素子を作製、特性評価を行った。得られた結果を表3に示した。200MPaの高圧が加わっても感圧素子が壊れることなく特性評価ができた。
実施例21と同様の方法で感圧素子4を作製した後、予圧を100MPa加えた状態で電極41と外周保持体42を溶接して感圧素子を作製した。その後200MPaの圧力を加えながら電気抵抗変化率を測定し、特性評価を行った。得られた結果を表3に示した。200MPaの高圧が加わっても感圧素子が壊れることなく特性評価ができた。
(実施例24)
まずリング形状外周保持体42の製造方法について説明する。SUS304製の外径φ20mm、内径φ18.2mm、高さ20mm外周保持体となる外側リングの内側に、SUS304製の外径φ15.6mmm、内径φ14.0mm、高さ20mmの内側リングを組み合わせ、その間に出来たスペースに、電極41となるSUS304製の外径φ18.0mm、内径15.8mm、高さ5.0mmのリングをはめ込んでリング形状の外周保持体42を作製した。なお、この感圧体と接する外周保持体リングの内周面と外周面には絶縁材43となるカプトンフィルムが貼られている。その後、実施例2と同様の方法で作製した感圧粉末を0.2g充填し、30MPaの圧力を加えて成形した。次に電極41となるSUS304製の外径φ18.0mm、内径15.8mm、高さ15.0mmのリングをはめ込んで感圧素子4を得た。その後、M14のSUSネジをリング形状の感圧素子の中心部に通し、50MPaの予圧が加わるように15N・mのトルクでSUS304製の台座に締め付けた後、ネジ部に200MPaの圧力を加えて電気抵抗変化率の特性評価を行った。得られた結果を表3に示した。
実施例24はネジの締め付けトルクを30N・mとし、予圧を100MPaとした以外は実施例23と同様の方法で感圧素子4を作製、特性評価を行った。得られた結果を表3に示した。
2,3,4:感圧素子
11:第一の粉体
12:第二の粉体
21:電極
22:受圧体
31,41:電極兼受圧体
42:外周保持体
43:絶縁材
Claims (14)
- 第一の粉体中に第二の粉体が導電性の経路を形成した状態で分散した感圧体であって、その空隙率が25%以上、55%以下であり、加圧による前記第一の粉体と第二の粉体および前記第二の粉体同士の接触状態が変化して電気抵抗が変化することを特徴とする感圧体。
- 前記第二の粉体の電気抵抗率は前記第一の粉体の電気抵抗率と同じかそれ以下であって100Ω・m以下である請求項1に記載の感圧体。
- 曲げ強度が0.1MPa以上、20MPa以下である請求項1又は2に記載の感圧体。
- 前記第一の粉体が窒化珪素、サイアロン、窒化アルミニウム、アルミナ、シリカ、イットリア、ムライト、ジルコニア、マグネシア、コージェライト、アルミニウムチタネート、カーボン、炭化珪素、酸化錫、酸化インジウム、酸化銀、酸化銅、酸化亜鉛、酸化鉄、及びIV、V、VI族の遷移金属元素の炭化物、窒化物、ホウ化物、珪化物、酸化物、及びこれらの物質の二種以上で構成される複合化合物からなる群から選ばれるいずれか一種または二種以上を含む粉体からなり、前記第二の粉体が、カーボン、炭化珪素、酸化錫、酸化インジウム、酸化銀、酸化銅、酸化亜鉛、及びIV、V、VI族の遷移金属元素の炭化物、窒化物、ホウ化物、珪化物、酸化物、及びこれらの物質の二種以上で構成される複合化合物からなる群から選ばれるいずれか一種または二種以上を含む粉体からなる請求項1乃至3のいずれかに記載の感圧体。
- 前記第二の粉体がカーボンである請求項1乃至4のいずれかに記載の感圧体。
- 前記第二の粉体を5vol%以上、40vol%以下含有する請求項5に記載の感圧体。
- 前記感圧体は一対の電極を有し、かつセラミックス又は金属素材よりなる受圧体に挟まれてなる感圧素子。
- 前記電極と前記受圧体とが同一部材である請求項7に記載の感圧素子。
- 外周部を保持する金属又はセラミックス焼結体からなる外周保持体を有する請求項7または8に記載の感圧素子。
- 前記外周保持体と感圧体とが接する面には絶縁材が介在してなる請求項9に記載の感圧素子。
- 前記外周保持体はヤング率100GPa以上の材料からなる請求項9に記載の感圧素子。
- 前記感圧体に10MPa以上の予圧が負荷されている請求項7乃至11の何れかに記載の感圧素子。
- 前記感圧素子がリング形状である請求項7乃至12のいずれかに記載の感圧素子。
- 請求項7乃至13のいずれかに記載の感圧素子に10MPa以上の予圧を負荷した状態で圧力を検出することを特徴とする圧力検出方法。
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