JP2008291958A - ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間に亘り、ロール部の形態安定化が維持されると共に、効率よく確実に、被洗浄面に付着した液体の除去、搾取、洗浄、及び被洗浄面に液体を塗布することができるロールを、安価にて提供する。
【解決手段】鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状からなる被洗浄面に付着した水分、油分、あるいは薬品成分等の液体の除去、搾取、洗浄、及び前記被洗浄面に水分、油分、あるいは薬品成分等の液体を塗布する為のロール1において、前記ロール1はロール部2及び台座3を有し、前記ロール部2は前記台座3の外周面に形成されてあると共に、概円環状のロール片7の少なくとも片面に平板状の芯部材8が接合された概円環状のロール部材4を有し、前記ロール部材4のみ、あるいは前記ロール部材4と前記ロール片7が積層されてあるものである。
【選択図】 図4

Description

本発明は、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状からなる被洗浄面に付着した水分、油分、あるいは薬品成分等の液体の除去、搾取、洗浄、及び前記被洗浄面に水分、油分、あるいは薬品成分等の液体を塗布する為のロールに関するものである。
鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状からなる被洗浄面に付着した水分、油分、あるいは薬品成分等の液体の除去、搾取、洗浄、及び前記被洗浄面に水分、油分、あるいは薬品成分等の液体を塗布する為のロールに関しては、さまざまな改良がなされ、例えば、柔軟性に優れた人工皮革、あるいは不織布からなる平板状の基材から概円環状のロール片を抜き取り、複数の前記ロール片を、略円柱形状、あるいは略円筒形状の台座の外周面に積層すると共に、プレス機にて圧縮し、積層されたロール片の外周端面を切削加工、及び研磨加工してロール部が形成されたロールが、一般的に知られている。
上記ロールは、長期間に亘り、ロール部の形態安定化を図る目的で、ロール片が台座の外周面において位置ずれしないよう強固に積層されてあると共に、ロール部を高密度に設定し、一般的にロール部の表面部の硬度は70°〜95°程度となるよう高硬度にて製作されている。なお、硬度とは、物質の硬さを表わし、JISK6253加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法に記載のデュロメータ硬さ試験により測定した硬度である。
その為、上記の如くのロールにおいては、長期間に亘り、ロール部の形態安定化を図ることはできるものの、ロール部の表面部が高硬度であることから、ロールの弾力性が劣り、効率よく確実に、被洗浄面に付着した液体の除去、搾取、洗浄、及び被洗浄面に液体を塗布することが難しいという問題があった。すなわち、ロールには所定のエアー圧、油圧等により圧力が付加されながら回転し、ロール部と被洗浄面が接触して、ロール部により被洗浄面に付着した液体の除去、搾取、洗浄、及び被洗浄面に液体を塗布する。しかしながら、ロール部の表面部が高硬度であると、ロールに圧力が付加されても、ロール部と被洗浄面との接触面積が広がらず、効率よく確実に、被洗浄面に付着した液体の除去、搾取、洗浄、及び被洗浄面に液体を塗布することができないのである。
また、ロール片の台座にたいする積層枚数を減らすと、ロール部は低密度になると共に、表面部の硬度は低くなり、例えば、ロール部の表面部の硬度を60°以下に設定すると、ロールの弾力性は向上し、効率よく確実に、被洗浄面に付着した液体の除去、搾取、洗浄、及び被洗浄面に液体を塗布することが可能となる。しかしながら、前記ロールにおいては、ロール片の台座にたいする積層枚数が少ないことから、ロール片はロールの回転中に、台座の外周面で移動しやすく、台座の長手方向にたいして横ずれすると共に、縦方向にも位置ずれして、ロール部は早期に表面部が凹凸となり、長期間に亘り、ロールの形態安定化を維持することが難しく、均一に被洗浄面に付着した液体の除去、搾取、洗浄、及び被洗浄面に液体を塗布することができないという問題があった。
すなわち、ロール片は台座にたいする積層枚数が少ないことから、ロールの回転中に、台座の外周面において、最初に横ずれを発生し、ロール部の表面部に硬度の高い部分、硬度の低い部分の硬度ムラが生じる。次に、ロールは被洗浄面にたいして圧接されながら回転する為、ロール部の表面部は圧縮され、摩擦抵抗により、ロールの回転を止めようとする作用が発生する。しかし、ロールは駆動源により回転を続ける為、ロール片に変形力が発生し、ロール片の内周面と、台座の外周面の間に隙間が生じ、台座からロール片が吊り上ろうとする。そして、ロール部の表面部の硬度が低くなった部分において、ロール片が台座から縦方向に容易に位置ずれして、ロール部の表面部が凹凸になるのである。
上記問題を解決するために、円筒状の軸本体、及びこの軸本体の両端に、それぞれ鍔体を介して設けられた両軸受部とでなる軸体と、前記軸本体の円筒部に形成された多数の細孔、及びその軸方向に開設され、かつ前記細孔と連通する空洞部と、前記軸本体の両鍔体間に、多数枚のディスク形成された高反撥、無粘性の不織布シート状物と、密着性のゴムシート状物等の戻り防止シート状物とを、密着状に重畳して構成されるロール第一構成部、及びこのロール第一構成部のディスク重畳部に介設されるロール第二構成部とで形成され、かつ前記軸本体に奪嵌されるロール本体と、前記軸受部に開設され、かつ前記空洞部に連通される貫通孔と、で構成されている複合構造積層ロール(例えば、特許文献1)が考案されている。
また、鉄芯の外周に環状の不織布ディスクを積層させた不織布ロールであって、可撓性材料からなる環状グリッププレートを前記鉄芯に締り嵌め状に嵌挿して、該グリッププレートと前記不織布ディスクを積層させ、この積層体を鉄芯軸方向に押圧して、前記グリッププレートの内周端部を鉄芯外周に圧接させたことを特徴とする不織布ロール(例えば、特許文献2)がある。
特開平5−180216号公報 特開平10−61657号公報
特許文献1の複合構造積層ロールは、ロール本体がロール第一構成部、及びロール第二構成部とで形成され、ロール第一構成部を構成する戻り防止シート状物、及びロール第二構成部をなす粗の不織布シート状物、あるいは剛体状物の外径が、ロール第一構成部を構成する不織布シート状物より小径である為、ロール本体の芯部はロール第一構成部、及びロール第二構成部により形成されているので、密度が高く、軸本体に強固に重畳されている。また、ロール本体の表面部は不織布シート状物のみにより形成されているので、芯部に比べ密度が低く、硬度も低いことから、柔軟で、弾力性に優れる。従って、ロール本体は不織布シート状物が軸本体から位置ずれして表面部が凹凸になることが無く、長期間に亘り、ロール本体の形態維持を図ることができると共に、被洗浄面に付着した液体を、効率的に吸収することができる。
しかしながら、複合構造積層ロールは、ロール本体が不織布シート状物と戻りシート状物を、密着状に重畳して構成されるロール第一構成部と、ロール第一構成部のディスク重畳部に介設されるロール第二構成部とで形成されていることから、ロール本体の構成が非常に複雑である。すなわち、ロール第一構成部と、ロール第二構成部は接合されていないことから、複合構造積層ロールの製造工程において、軸本体にたいして、ロール第一構成部とロール第二構成部を1ブロックとして積層する際、前記ブロックを形成するのに、戻りシート状物、不織布シート状物、ロール第二構成部をなすシート状物を仕分けする必要があり、且つ所定枚数の不織布シート状物の間に、ロール第二構成部をなすシート状物を挿入しなければならない。その為、製造工程が非常に繁雑で、複合構造積層ロールを製造するのに長時間を要することから、生産コストの上昇につながるという課題を有していた。
また、特許文献2の不織布ロールにおいては、鉄芯にキーが無く、且つ不織布ディスクにキー溝が形成されていないことから、不織布ロールにたいして高い圧力が付加されると共に、高速回転で不織布ロールが使用される場合には、不織布ディスクが鉄芯から回転ずれすると同時に、位置ずれしてロール部の表面部が凹凸に変形しやすいという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、長期間に亘り、ロール部の形態安定化が維持されると共に、効率よく確実に、被洗浄面に付着した液体の除去、搾取、洗浄、及び被洗浄面に液体を塗布することができるロールを、安価にて提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決する為に、請求項1の発明のロールは、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状からなる被洗浄面に付着した水分、油分、あるいは薬品成分等の液体の除去、搾取、洗浄、及び前記被洗浄面に水分、油分、あるいは薬品成分等の液体を塗布する為のロールにおいて、前記ロールはロール部及び台座を有し、前記ロール部は前記台座の外周面に形成されてあると共に、概円環状のロール片の少なくとも片面に平板状の芯部材が接合された概円環状のロール部材を有し、前記ロール部材のみ、あるいは前記ロール部材と前記ロール片が積層されてあるもので、ロール片にたいして芯部材が接合されてロール部材が形成されてある為、特に、コストの高い基材からなるロール片を用いた場合、ロール片のみによりロールを形成する場合に比べて、ロール片の台座にたいする積層枚数を減らすことができる為、ロールの生産コストが削減される。
すなわち、ロール部材は、ロール片と芯部材が接合されてある為、一片のロール部材は、一片のロール片に比べて厚みが厚くなる。その為、ロール部材を使用してロールを製作する場合と、ロール片のみによりロールを製作する場合とを比べると、同一密度のロール部を有するロールを製作した場合、一片の厚みが厚いロール部材を使用した方が、コストの高いロール片の使用枚数を減らすことができるのである。
ロール片を構成する基材は、例えば、柔軟性に優れた人工皮革、不織布等が用いられ、見掛け密度は0.25g/cm以上の基材が好適に使用される。前記基材は、一般的に高密度である為、ロール片として用いた場合、ロールは効率よく確実に、被洗浄面に付着した液体の除去、搾取、洗浄、及び被洗浄面に液体を塗布することができる。しかし、前記の如くの基材はコストが高いという問題がある。
一方、芯部材を構成する基材は、例えば、織布、不織布、編物等の布帛が用いられ、見掛け密度は0.25g/cm未満の基材が好適に使用される。前記基材は、一般的に低密度である為、被洗浄面に付着した液体の除去、搾取、洗浄、及び被洗浄面に液体を塗布する性能は、上記高密度の人工皮革、不織布等に比べて劣るものの、高い剛性を有し、コストは安価である。また、使用目的に応じて、合成樹脂シート、合成樹脂発泡体シート、熱可塑性エラストマーシート、フィルム状樹脂組成物シート等の剛性に優れた平板状の基材を、芯部材として用いても構わない。
また、ロール片と芯部材を接合して予めロール部材を形成することにより、ロールを製作すると、製造工程において、ロール片と芯部材を仕分ける繁雑な作業が不要となり、極めて短時間にてロールを製作することが可能となり、ロールの生産性が向上するので、ロールの生産コストが抑えられる。
請求項2の発明のロールは、特に、請求項1の発明のロールにおいて、ロール部材は芯部材の外周端面を、ロール片の外周端面より小に設定したもので、ロール部の芯部はロール片、及び芯部材から形成されている為、密度が高い。一方、ロール部の表面部はロール片のみで形成されている為、芯部に比べて、密度が低く、硬度も低い。
従って、ロール部の芯部は、接合されたロール片と芯部材が強固に台座に積層されているので、ロール部材、あるいはロール片が台座の外周面から位置ずれすることが無く、長期間に亘り、ロール部の形態安定化が維持される。すなわち、ロール部の芯部は、ロール片、及び芯部材により密度が高く、強固に台座に積層されている為、ロールの回転中に、ロール部材、あるいはロール片が台座の外周面において横ずれすることが無く、ロール部の表面部の硬度は均一に保たれ、硬度ムラを発生させることが無い。そして、ロールの回転中に、ロール部材、あるいはロール片の内周面と、台座の外周面の間に隙間が生じ、ロール部材、あるいはロール片が台座から吊り上ろうとしても、ロール部の表面部の硬度は均一に保たれているので、ロール部材、あるいはロール片が台座から縦方向に位置ずれすることが抑制される。その為、ロール部の表面部が凹凸になることが無いのである。
また、ロール部の表面部はロール片のみで構成され、硬度が低いことから、ロールの弾力性が向上し、ロール部と被洗浄面との接触面積が広がるので、効率よく確実に、且つ均一に被洗浄面に付着した液体の除去、搾取、洗浄、及び被洗浄面に液体を塗布することが可能となる。
請求項3の発明のロールは、特に、請求項1から2の発明のロールにおいて、ロール部材は複数の部分構成芯部材がロール片に接合されてあるもので、芯部材用の基材から必要な複数の部分構成芯部材を抜き取り、ロール部材を形成することができる為、前記基材の不使用部分が減少し、基材の有効活用が促進される。その為、ロールの生産コストが一段と削減される。
上記の基材の不使用部分とは、概円環状に抜き取られた後に残る基材のことである。具体的には、概円環状の内側部分の一般的に中抜き材と呼ばれている基材、及び概円環状に抜き取られた後の抜き穴を有する一般的に破材と呼ばれている基材のことである。前記の如くの中抜き材、及び破材は、有効活用の使途がほとんど無く、廃棄処分されており、ロールの生産コストの上昇につながる大きな要因となっている。
請求項4の発明のロールは、特に、請求項1から2の発明のロールにおいて、ロール部材は複数の部分構成片からなるロール片と、芯部材が接合されてあるもので、ロール片用の基材からロール片として必要な複数の部分構成片を抜き取り、ロール部材を形成することができる為、前記基材の不使用部分が減少し、基材の有効活用が促進される。その為、ロールの生産コストが大幅に削減される。
請求項5の発明のロールは、特に、請求項1から4の発明のロールにおいて、ロール部材は複数の部分構成片からなるロール片と、複数の部分構成芯部材が接合されてあるもので、ロール片用の基材からロール片として必要な複数の部分構成片、及び芯部材用の基材から必要な複数の部分構成芯部材を抜き取り、ロール部材を形成することができる為、ロール片用、芯部材用の両基材の不使用部分が減少し、前記基材の有効活用が一層促進される。その為、ロールの生産コストが飛躍的に削減される。
請求項1の発明のロールは、ロール片の台座にたいする積層枚数を減らすことができると共に、ロールの生産性を向上させることができるので、ロールの生産コストを抑えて安価にてロールを提供することができる。また、ロール部材は、ロール片と芯部材が接合されている為、ロール片と芯部材は、台座の外周面において、位置ずれすることが防止される。
請求項2の発明のロールは、ロール部の芯部の密度が高いので、ロール部の表面部が低硬度であっても、ロール部材、ロール片が台座の外周面において位置ずれすることが無く、ロール部は長期間に亘り、形態安定化を維持することができる。また、ロール部の表面部は、芯部に比べて密度が低く、硬度も低いので、ロールの弾力性が向上し、ロール部と被洗浄面との接触面積が広がり、効率よく確実に、且つ均一に被洗浄面に付着した液体の除去、搾取、洗浄、及び被洗浄面に液体を塗布することができる。
請求項3の発明のロールは、芯部材用の基材の不使用部分が減少し、基材の有効活用が促進される為、ロールの生産コストを一段と削減することができる。
請求項4の発明のロールは、ロール片用の基材の不使用部分が減少し、基材の有効活用が促進される為、ロールの生産コストを大幅に削減することができる。
請求項5の発明のロールは、ロール片用、芯部材用の両基材の不使用部分が減少し、基材の有効活用が一層促進される為、ロールの生産コストを飛躍的に削減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例におけるロールの正面図、図2(a)は、図1のA−A断面図、図2(b)は、ロール部材を前面側から見た斜視図、図3(a)は、ロール片の平面図、図3(b)は、芯部材の平面図、図3(c)は、ロール部材の平面図、図3(d)は、図3(c)のB−B断面図、図4は、本発明の第1の実施例におけるロールの断面図である。
図1、及び図2(a)において、ロール1は、台座3、止め金具5、プレート6、及び複数のロール部材4から形成されたロール部2より構成されてある。台座3は、鉄等の金属材料からなる略円柱形状であり、外周面にロール部2が形成されてある。また、ロール部2は、概円環状のロール片7と芯部材8が接合された複数の概円環状のロール部材4が重ね合わされ、台座3の外周面に積層して形成されてあり、両側から止め金具5、及びプレート6にて挟み付けられてある。止め金具5には、スナップリングが使用されてある。なお、ロール部2は、ロール1に使用する総数のロール部材4より形成されてある。台座3の外周等分2箇所に設けられたキー10は、概四角形断面を有する鉄等の金属材料であり、溶接、ネジ止め等の方法を用いて、台座3の外周面に固定されてある。
なお、台座3は、略円筒形状の形態も採用できる。また、キー10は、使用目的に応じて、台座3の外周面にたいして、等分3箇所、等分4箇所等設けても構わない。
図2(b)において、一片のロール部材4は、概円環状に形成された一片のロール片7にたいして、ロール片7の外周端面13aより小径の外周端面13bを有する平板状で概円環状に形成された一片の芯部材8を重ね合わせると共に、ロール片7と芯部材8を接着により接合して形成されてある。ロール部材4の中心部には穴部12が形成され、外周部にはロール片7の外周端面13aが形成されてある。ロール片7の内周等分2箇所には、凹部9aが形成されてあり、芯部材8の内周等分2箇所には、凹部9bが形成されてある。ロール片7の有する凹部9aと、芯部材8の有する凹部9bは、概四角形の略同一形状、且つ略同一寸法である。ロール片7の有する凹部9aと略一致するように、芯部材8の有する凹部9bが配置されている。
そして、ロール部材4が、台座3の外周面に積層される際、穴部12を台座3にたいして貫通させると共に、凹部9a、9bは、図2(a)の如く、台座3の外周等分2箇所に設けられたキー10に勘合挿入される。凹部9a、9bを、キー10に勘合挿入することにより、ロール部材4は、ロール1の回転中に台座3から回転ずれすることが防止される。
次に、ロール片7、芯部材8の材質について詳述する。
ロール片7は、人工皮革からなる。人工皮革は、次の手順にて製作される。最初に、複数本の繊維を、平板状に集積させて布状体を形成し、前記布状体を複数枚、重ね合わせた後、特殊な針を突き刺して、3次元に絡合された不織布を得る。前記の製造方法は、一般的には、ニードルパンチングと呼ばれている。また、布状体はウエッブと呼ばれている。得られた不織布は、ポリウレタン溶液中に含浸され、不織布にポリウレタンを充填させる。次いで、ポリウレタンを充填させた不織布を、水中に浸漬させると共に、水中に二酸化炭素を注入し、炭酸発泡させることにより、不織布、及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる平板状の二重構造体を形成して、製作される。なお、不織布を形成する繊維には、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、別名ウレタン弾性糸とも呼ばれるスパンデックス繊維等が単独使用、あるいは併用される。
上記の如くの人工皮革をロール片7として用いる場合、見掛け密度が0.25g/cm以上0.60g/cm以下であることが望ましい。見掛け密度が0.25g/cm未満の場合、ロール片7としては、液体を吸い上げる繊維の量が少なく、ロール1は効率よく確実に、被洗浄面に付着した液体を除去、搾取、洗浄することが難しい。また、見掛け密度が0.60g/cmを超える場合、ロール片7としては高密度すぎて、ロール部2の空隙率が著しく減少するので、被洗浄面から吸収した液体がロール部2の有する空隙部を、早期に飽和状態とする為、ロール1の耐用期間が短くなる。
また、ロール片7の材質としては、人工皮革のほか、上記の見掛け密度の範囲内であれば、不織布を用いても構わない。
一方、芯部材8は、複数本の繊維11からなる概くもの巣形状の熱接着性を有する不織布からなる。前記不織布は、次の手順にて製作される。最初に、エチレン酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用意する。次いで、前記樹脂に、ロジン系樹脂、石油樹脂等の粘着付与剤、ワックス、酸化防止剤、無機充填剤、可塑剤等を配合し、加熱して繊維11を溶融紡糸する。次に、繊維11を延伸しながら捕集ネット上に集積して熱ロールで加圧することにより繊維11を結合して不織布を形成する。前記の如くの方法は、一般的にスパンボンド法と呼ばれている。なお、熱ロールを用いずに、加熱状態の複数本の繊維11を互いに接触させ、水中に浸漬することにより冷却して、繊維11を結合して不織布を形成することもできる。
上記の如くの熱接着性を有する不織布を芯部材8として用いる場合、見掛け密度が0.05g/cm以上0.25g/cm未満であることが望ましい。見掛け密度が0.05g/cm未満の場合、厚みが薄く、ロール片7と接合して、ロール部材4を形成し、台座3に積層させてもロール部2の芯部の密度は低く、ロール部2の表面部の形態安定化を図ることは難しい。また、見掛け密度が0.25g/cm以上の場合、不織布のコストが高くなり、ロール1の生産コストの抑制につながらない。
次に、図3、及び図4を用いてロール1の製作方法について説明する。
最初に、図3(a)の如く、平板状の人工皮革から、トムソン型、あるいはレーザーカッター等を用いて、2箇所の凹部9aを有する概円環状のロール片7を抜き取る。次に、図3(b)の如く、複数本の繊維11からなる平板状の概くもの巣形状の熱接着性を有する不織布から、トムソン型、あるいはレーザーカッター等を用いて、2箇所の凹部9bを有する概円環状の芯部材8を抜き取る。
次に、図3(c)の如く、ロール片7の片面に、芯部材8を重ね合わせる。その際、ロール片7の有する凹部9aと、芯部材8の有する凹部9bが略一致するようにロール片7と芯部材8を重ね合わせる。前記の如く、重ね合わされたロール片7と芯部材8にたいして、アイロン、熱圧着機等を用いて120〜140℃程度に加熱することにより、芯部材8を構成する繊維11が有する粘着付与剤が溶解し、ロール片7と芯部材8が接着して接合され、概円環状のロール部材4が形成される。ロール部材4は、図3(d)の如く、芯部材8の外周端面13bが、ロール片7の外周端面13aより小で、ロール片7と芯部材8の内周端面は略一致するように設定されている。
なお、ロール片7と芯部材8の接合方法は、上記接着以外にも、ネジ止め、リベット止め、ホッチキス等の物理的接合方法、あるいは溶着等の化学的接合方法を用いることができる。また、ロール片7の両面に、芯部材8を接合しても構わない。
次に、概円環状に形成されたロール部材4を複数重ね合わせて、穴部12を台座3にたいして貫通させると共に、凹部9a、9bを、台座3の外周等分2箇所に設けられたキー10に勘合挿入する。そして、台座3の長手方向からプレス機にて所定長さだけ圧縮させた後、止め金具5、及びプレート6にて挟み付けて固定する。次に、所定時間放置することにより、重ね合わせた複数のロール部材4の内部応力を均一化させ、ロール片7の外周端面13aを切削加工、及び研磨加工し、台座3の外周面上にロール部2を形成して、ロール1が製作される。
ロール1は、図4の如く、複数のロール部材4が台座3の外周面に積層され、ロール部2が形成されてあると共に、両端を止め金具5、及びプレート6にて挟み付けられて固定されている。ロール部2の芯部は、ロール片7、及び芯部材8により形成されてあり、密度が高く、強固に台座3の外周面に積層されている。一方、ロール部2の表面部は、ロール片7のみにより形成されてあり、ロール部2の芯部に比べて、密度が低く、硬度も低い。
ロール部2の表面部の硬度は、40°〜60°程度に設定されるのが望ましい。硬度が40°未満の場合、硬度が低すぎて、被洗浄面が繰り返しロール部2に当接すると、早期にロール部2が摩耗する。また、硬度が60°を超えると、ロール1の弾力性が劣り、効率よく確実に、被洗浄面に付着した液体の除去、搾取、洗浄、及び被洗浄面に液体を塗布することが難しくなる。
なお、本実施例では、ロール部材4のみによりロール部2を形成する形態について説明したが、ロール部材4とロール片7を組み合わせてロール部2を形成しても構わない。
次に、本発明の第1の実施例におけるロール1のロール部2の形態安定性能、油分除去性能について、下記要領にて試験した。
(形態安定性能)
最初に、見掛け密度が0.45g/cmの人工皮革から、外径が130mm、内径が50mmで、内周等分2箇所に幅が16mm、高さが5mmの凹部9aを有するロール片7を複数、抜き取った。次に、見掛け密度が0.20g/cmの概くもの巣形状の熱接着性を有する不織布から、外径が110mm、内径が50mmで、内周等分2箇所に幅が16mm、高さが5mmの凹部9bを有する芯部材8を複数、抜き取った。次いで、ロール片7の有する凹部9aと、芯部材8の有する凹部9bが略一致するように、ロール片7と芯部材8を重ね合わせ、熱圧着機を用いて、ロール片7と芯部材8を接着により接合し、概円環状のロール部材4を形成した。そして、複数のロール部材4を、外周等分2箇所に幅が16mm、高さが5mmの概四角形断面を有するキー10が装着された略円柱形状の台座3に積層し、ロール部材4を構成するロール片7の外周端面13aを10mm切削加工、及び研磨加工して、外径が120mm、内径が50mm、全長が190mmのロール部2を有する実施例のロール1を1本作成した。なお、ロール部2の表面部の硬度は55°に設定した。また、ロール片7の厚みは1.9mm、ロール片7と芯部材8が接合された部分の厚みは2.2mmである。
次に、外径が117mmで、外周等分2箇所に幅が25mm、高さが1.5mm、長さが190mmの鉄製の平行キーを装着した鉄からなる略円筒形状のワークロールを1本用意した。そして、実施例のロール1が上部、ワークロールが下部となるように、回転試験機に上下一対でロール1とワークロールを設置した。次に、ワークロールにスギムラ化学工業製の洗浄油プレトンR−303Pを、毎分6リットルにて散布すると共に、270rpmにて回転させ、ロール1に線圧8.3kgf/cmの圧力を加えてワークロールに押し付け、回転させた。
50時間後のロール1に形成されたロール部2の表面部の凹凸状態を目視観察した。なお、本試験においては、ワークロールに装着された鉄製の平行キーが1回、ロール部2に当接すると、鋼板1枚がロール部2に当接したものとカウントする。従って、ワークロールには等分2箇所に平行キーが装着されてあるので、ワークロールが1回転すると、2枚の鋼板がロール部2に当接したことになる。ワークロールは270rpmで回転しているので、1分間では540枚の鋼板がロール部2に当接したことになり、50時間では1620000枚の鋼板がロール部2に当接したことに相当する。
なお、比較例として、実施例と同一の材料、同一の寸法からなるロール片7のみによりロール部が形成されたロールを1本作成し、上記実施例のロール1と同様の条件にて試験した。比較例のロール部の表面部の硬度も55°に設定した。
上記試験の結果、実施例のロール1は、ロール部2の芯部がロール片7、及び芯部材8により、高密度にて強固に台座3に積層されているので、ロール部材4が台座3の外周面から位置ずれすることが無く、50時間後のロール部2の表面部は凹凸になっておらず、長期間に亘り、ロール部2の形態安定化が維持される非常に優れたものであった。
一方、比較例のロールは、ロール部2の芯部がロール片7のみにより形成されている為、低密度にて台座に積層されている。その為、比較例のロールにおいては、試験開始2時間後には、ロール部の表面部に凹凸が発生した。2時間でロール部の表面部が凹凸になるということは、64800枚の鋼板がロール部に当接したことに相当し、比較例のロールは耐用期間の短いものであった。
(油分除去性能)
最初に、見掛け密度が0.45g/cmの人工皮革から、外径が330mm、内径が240mmで、内周等分2箇所に幅が25mm、高さが8mmの凹部9aを有するロール片7を複数、抜き取った。次に、見掛け密度が0.20g/cmの概くもの巣形状の熱接着性を有する不織布から、外径が300mm、内径が240mmで、内周等分2箇所に幅が25mm、高さが8mmの凹部9bを有する芯部材8を複数、抜き取った。次いで、ロール片7の有する凹部9aと、芯部材8の有する凹部9bが略一致するように、ロール片7と芯部材8を重ね合わせ、熱圧着機を用いて、ロール片7と芯部材8を接着により接合し、概円環状のロール部材4を形成した。そして、複数のロール部材4を、外周等分2箇所に幅が25mm、高さが8mmの概四角形断面を有するキー10が装着された略円柱形状の台座3に積層し、ロール部材4を構成するロール片7の外周端面13aを10mm切削加工、及び研磨加工して、外径が320mm、内径が240mm、全長が1140mmのロール部2を有する実施例のロール1を2本作成した。なお、ロール部2の表面部の硬度は55°に設定した。また、ロール片7の厚みは1.9mm、ロール片7と芯部材8が接合された部分の厚みは2.2mmである。
そして、2本の実施例のロール1を、上下一対で鋼板洗浄機に設置した。次いで、ロール1に線圧10.0kgf/cmの圧力を加えて押圧すると共に、100rpmにて回転させた。次に、幅が600mm、長さが650mm、厚みが0.7mmの溶融亜鉛メッキ鋼板と、幅が600mm、長さが270mm、厚みが1.4mmの溶融亜鉛メッキ鋼板とを、幅方向にてレーザー溶接したテーラードブランキング材に、スギムラ化学工業製の洗浄油プレトンR−303Pを、毎分50リットルにて散布しながら、上下のロール1の間を通過させ、テーラードブランキング材の上面の油膜厚みを、コーラーインスツールメント社製のフィルムゲージを用いて測定した。なお、テーラードブランキング材は、厚みが0.7mmの溶融亜鉛メッキ鋼板部分を先頭にして通板した。
また、比較例として、実施例と同一の材料、同一の寸法からなるロール片7のみによりロール部が形成されたロールを2本作成し、上記実施例のロール1と同様の条件にて試験した。比較例のロール部の表面部の硬度は80°に設定した。
上記試験の結果、実施例のロール1は、ロール部2の表面部の硬度が低く、弾力性に優れ、ロール部2とテーラードブランキング材との接触面積が広いことから、油膜厚みは0.04μで、油分除去性能は非常に優れたものであった。
一方、比較例のロールは、ロール部の表面部の硬度が、実施例のロール1に比べて高く、ロール部とテーラードブランキング材との接触面積が狭いことから、油膜厚みは0.23μで、油分除去性能は実施例のロール1に比べて劣るものであった。
上記の如く、構成されたロール1の動作、作用は下記の通りである。
ロール1は、ロール部2、及び台座3を有し、ロール部2は台座3の外周面に形成されてあると共に、概円環状の人工皮革からなるロール片7の片面に、平板状で概円環状の熱接着性を有する不織布からなる芯部材8が接着により接合された概円環状のロール部材4が台座3に積層されてあるので、コストの高い人工皮革からなるロール片7の台座3にたいする積層枚数を、ロール片7のみにより形成されたロールに比べて、減らすことができる為、ロール1の生産コストが削減される。
ロール片7と芯部材8を接合して予めロール部材4を形成することにより、ロール1の製造工程において、ロール片7と芯部材8を仕分ける繁雑な作業が不要となり、極めて短時間にてロール1を製作することが可能となり、ロール1の生産性が向上するので、ロール1の生産コストが抑えられる。また、ロール部材4は、ロール片7と芯部材8が接合されているので、台座3の外周面において位置ずれすることが無く、ロール1は高い形状安定性能を有する。
また、ロール部2の芯部はロール片7と芯部材8が積層され、密度が高く、強固に台座3に積層されているので、ロール部材4が台座3の外周面において位置ずれすることが無く、ロール部2は長期間に亘り、形態安定化を維持することができる。
さらに、ロール部2の表面部は、ロール片7のみにより形成されており、芯部に比べて密度が低く、硬度も低いので、ロール1の弾力性が向上し、ロール部2と被洗浄面との接触面積が広がり、効率よく確実に、且つ均一に被洗浄面に付着した液体の除去、搾取、洗浄、及び被洗浄面に液体を塗布することが可能である。
(実施例2)
図5(a)は、第2の実施例におけるロール片を基材から抜き取る際の平面図、図5(b)は、第2の実施例における部分構成芯部材を基材から抜き取る際の平面図、図5(c)は、第2の実施例におけるロール部材の平面図である。なお、上記第1の実施例と同一部品については、詳しい説明を省略する。
図5(a)において、ロール片27は、平板状の人工皮革からなる基材20aより、トムソン型、レーザーカッター等を用いて、概円環状に抜き取られる。ロール片27の内周等分2箇所には、概四角形状の凹部29aが形成されている。基材20aからロール片27が抜き取られた後には、ロール片27の内側部分の中抜き材22と、ロール片27と中抜き材22が抜き取られた抜き穴を有する破材23が残る。
図5(b)において、部分構成芯部材28a、28bは、複数本の繊維21からなる平板状の概くもの巣形状の熱接着性を有する不織布の基材20bより、トムソン型、あるいはレーザーカッター等を用いて抜き取られる。部分構成芯部材28a、28bは、四半の芯部材であり、部分構成芯部材28bには、内側部分に概四角形状の凹部29bが形成されている。部分構成芯部材28bに形成された凹部29bは、上記に示したロール片27に形成された凹部29aと略同一形状、且つ略同一寸法である。なお、部分構成芯部材28a、28bは、四半以外の形状も採用できる。
図5(c)において、ロール部材24は、概円環状のロール片27にたいして、4枚の四半の部分構成芯部材28a、28bが重ね合わされると共に、アイロン、熱圧着機等を用いて加熱することにより、部分構成芯部材28a、28bを構成する繊維21が有する粘着付与剤が溶解し、ロール片27と部分構成芯部材28a、28bが接着により接合されている。4枚の四半の部分構成芯部材28a、28bは、部分構成芯部材28aと、部分構成芯部材28bのそれぞれの側縁部が接するように配置され、概円環状に形成されている。部分構成芯部材28a、28bの外周端面は、ロール片27の外周端面より小であり、内周端面は略一致するよう設定されている。また、2枚の部分構成芯部材28bに設けられた凹部29bは、ロール片27の内周等分2箇所に設けられた凹部29aと略一致するよう配置されている。
上記の如くに構成されたロール部材24を用いて、ロールを形成した場合には、芯部材用の基材20bから必要な複数の部分構成芯部材28a、28bを抜き取り、ロール部材24を形成することができる為、基材20bの不使用部分が減少し、基材20bの有効活用が促進される。すなわち、ロール片27のように、基材20aから概円環状に抜き取ると、有効活用の使途がほとんど無い中抜き材22と破材23が残り、中抜き材22と破材23は廃棄処分される。しかも、ロール片27の外径、あるいは内径にもよるが、ロール片27として有効活用される基材20aの体積比率は約30〜45%であるのにたいして、有効活用の使途がほとんど無く廃棄処分される基材20a、つまり中抜き材22、及び破材23の体積比率は約55〜70%である。前記の如く、基材20aから概円環状にロール片27を抜き取ると、有効活用の使途がほとんど無い基材20aの体積比率が、有効活用される基材20aの体積比率を上回る為、ロールの生産コストの上昇につながるのである。従って、基材20bから必要な複数の部分構成芯部材28a、28bを抜き取ると、基材20bの不使用部分を極力減らすことができるので、上記実施例1のロール1に比べて、ロールの生産コストが一段と削減される。
(実施例3)
図6(a)は、第3の実施例における部分構成片を基材から抜き取る際の平面図、図6(b)は、第3の実施例における芯部材を基材から抜き取る際の平面図、図6(c)は、第3の実施例におけるロール部材の平面図である。なお、上記第1、及び第2の実施例と同一部品については、詳しい説明を省略する。
図6(a)において、四半の部分構成片35a、35bは、平板状の人工皮革からなる基材30aより、トムソン型、あるいはレーザーカッター等を用いて抜き取られる。部分構成片35bには、内側部分に概四角形状の凹部39aが形成されている。なお、部分構成片35a、35bは、四半以外の形状も採用できる。
図6(b)において、芯部材38は、複数本の繊維31からなる平板状の概くもの巣形状の熱接着性を有する不織布の基材30bより、トムソン型、あるいはレーザーカッター等を用いて、概円環状に抜き取られる。芯部材38の内周等分2箇所には、概四角形状の凹部39bが形成されている。芯部材38に形成された凹部39bは、上記に示した部分構成片35bに形成された凹部39aと略同一形状、且つ略同一寸法である。また、基材30bから芯部材38が抜き取られた後には、芯部材38の内側部分の中抜き材32と、芯部材38と中抜き材32が抜き取られた抜き穴を有する破材33が残る。中抜き材32と破材33は、有効活用の使途がほとんど無く、廃棄処分される。
図6(c)において、ロール部材34は、最初に、4枚の四半の部分構成片35a、35bを、部分構成片35aと、部分構成芯部材35bのそれぞれの側縁部が接するように配置され、概円環状のロール片37に形成される。次に、概円環状のロール片37にたいして、概円環状の芯部材38が重ね合わされると共に、アイロン、熱圧着機等を用いて加熱することにより、芯部材38を構成する繊維31が有する粘着付与剤が溶解し、ロール片37と芯部材38が接着により接合され、概円環状のロール部材34が形成される。芯部材38の外周端面は、ロール片37の外周端面より小であり、内周端面は略一致するよう設定されている。また、芯部材38の内周等分2箇所に設けられた凹部39bは、ロール片37を構成する2枚の部分構成片35bに設けられた凹部39aと略一致するよう配置されている。
上記の如くに構成されたロール部材34を用いて、ロールを形成した場合には、コストの高い人工皮革からなるロール片37用の基材30aから、ロール片37として必要な複数の部分構成片35a、35bを抜き取り、ロール部材34を形成することができる為、コストの高い基材30aの不使用部分が減少し、基材30aの有効活用が促進される。すなわち、芯部材38のように、基材30bから概円環状に抜き取った後、有効活用の使途がほとんど無く、廃棄処分される中抜き材32の発生が無く、破材33の発生を極力抑えることができる。その為、上記実施例1のロール1、及び実施例2のロールに比べて、ロールの生産コストが大幅に削減される。
(実施例4)
図7(a)は、第4の実施例における部分構成片を基材から抜き取る際の平面図、図7(b)は、第4の実施例における部分構成芯部材を基材から抜き取る際の平面図、図7(c)は、第4の実施例におけるロール部材の平面図である。なお、上記第1、第2、及び第3の実施例と同一部品については、詳しい説明を省略する。
図7(a)において、四半の部分構成片45a、45bは、平板状の人工皮革からなる基材40aより、トムソン型、あるいはレーザーカッター等を用いて抜き取られる。部分構成片45bには、内側部分に概四角形状の凹部49aが形成されている。なお、部分構成片45a、45bは、四半以外の形状も採用できる。
図7(b)において、四半の部分構成芯部材48は、複数本の繊維41からなる平板状の概くもの巣形状の熱接着性を有する不織布の基材40bより、トムソン型、あるいはレーザーカッター等を用いて抜き取られる。部分構成芯部材48の一方の側縁部は、概鉤状の窪みが形成されている。なお、部分構成芯部材48は、四半以外の形状も採用できる。
図7(c)において、ロール部材44は、最初に、4枚の四半の部分構成片45a、45bを、部分構成片45aと、部分構成片45bのそれぞれの側縁部が接するように配置され、概円環状のロール片47に形成される。次いで、4枚の四半の部分構成芯部材48を、概鉤状に形成された一方の側縁部が互いに接し、概鉤状に形成されていない他方の側縁部も互いに接するようにして、概円環状に形成して、ロール片47に重ね合わせる。次に、アイロン、熱圧着機等を用いて加熱することにより、部分構成芯部材48を構成する繊維41が有する粘着付与剤が溶解し、ロール片47と部分構成芯部材48が接着により接合され、概円環状のロール部材44が形成される。概円環状に形成された部分構成芯部材48の外周端面は、ロール片47の外周端面より小であり、内周端面は略一致するよう設定されている。また、部分構成芯部材48の概鉤状に設けられた一方の側縁部が、互いに接することにより必然的に形成される凹部49bは、ロール片47を構成する2枚の部分構成片45bに設けられた凹部49aと略一致するよう配置されている。部分構成片45bに形成された凹部49aと、2枚の部分構成芯部材48の概鉤状に形成された一方の側縁部が互いに接することにより必然的に形成される凹部49bは、略同一形状、且つ略同一寸法である。
上記の如くに構成されたロール部材44を用いて、ロールを形成した場合には、ロール片47用の基材40aからロール片47として必要な複数の部分構成片45a、45b、及び芯部材用の基材40bから必要な複数の部分構成芯部材48を抜き取り、ロール部材44を形成することができる為、ロール片47用、芯部材用の両基材40a、40bの不使用部分が減少し、基材40a、40bの有効活用が一層促進される。すなわち、上記実施例2、及び実施例3に示した廃棄処分される中抜き材22、32の発生が無く、破材23、33の発生を極力抑えることができる。その為、上記実施例1のロール1、実施例2のロール、及び実施例3のロールに比べて、ロールの生産コストが飛躍的に削減される。
本発明のロールは、主に、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状からなる被洗浄面に付着した水分、油分、あるいは薬品成分等の液体を除去、搾取、洗浄するリンガーロール、ワイパーロール、前記被洗浄面に水分、油分、あるいは薬品成分等の液体を塗布するコーティングロール、オイリングロール、アプリケーターロール、プリントロール、プレッシャーロール以外にも、前記被洗浄面を各種装置に引き込むピンチロール、前記被洗浄面にバックテンションを与えるブライドルロール、前記被洗浄面に張力を与える補助をするスナバーロール、前記被洗浄面の方向転換を行うデフレクターロール、前記被洗浄面を各種装置に案内するガイドロール、コイルを支えるコイルホイストロール等の高い耐久性を必要とするロールとして、広く好適に使用することができる。
本発明の第1の実施例におけるロールの正面図 (a)図1のA−A断面図、(b)ロール部材を前面側から見た斜視図 (a)ロール片の平面図、(b)芯部材の平面図、(c)ロール部材の平面図、(d)図3(c)のB−B断面図 本発明の第1の実施例におけるロールの断面図 (a)第2の実施例におけるロール片を基材から抜き取る際の平面図、(b)第2の実施例における部分構成芯部材を基材から抜き取る際の平面図、(c)第2の実施例におけるロール部材の平面図 (a)第3の実施例における部分構成片を基材から抜き取る際の平面図、(b)第3の実施例における芯部材を基材から抜き取る際の平面図、(c)第3の実施例におけるロール部材の平面図 (a)第4の実施例における部分構成片を基材から抜き取る際の平面図、(b)第4の実施例における部分構成芯部材を基材から抜き取る際の平面図、(c)第4の実施例におけるロール部材の平面図
符号の説明
1 ロール
2 ロール部
3 台座
4、24、34、44 ロール部材
5 止め金具
6 プレート
7、27、37、47 ロール片
8、38 芯部材
9a、9b、29a、29b、39a、39b、49a、49b 凹部
10 キー
11、21、31、41 繊維
12 穴部
13a、13b 外周端面
20a、20b、30a、30b、40a、40b 基材
22、32 中抜き材
23、33 破材
28a、28b、48 部分構成芯部材
35a、35b、45a、45b 部分構成片

Claims (5)

  1. 鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状からなる被洗浄面に付着した水分、油分、あるいは薬品成分等の液体の除去、搾取、洗浄、及び前記被洗浄面に水分、油分、あるいは薬品成分等の液体を塗布する為のロールにおいて、前記ロールはロール部及び台座を有し、前記ロール部は前記台座の外周面に形成されてあると共に、概円環状のロール片の少なくとも片面に平板状の芯部材が接合された概円環状のロール部材を有し、前記ロール部材のみ、あるいは前記ロール部材と前記ロール片が積層されてあることを特徴とするロール。
  2. 請求項1記載の構成よりなるロールにおいて、ロール部材は芯部材の外周端面を、ロール片の外周端面より小に設定したことを特徴とするロール。
  3. 請求項1から2記載の構成よりなるロールにおいて、ロール部材は複数の部分構成芯部材がロール片に接合されてあることを特徴とするロール。
  4. 請求項1から2記載の構成よりなるロールにおいて、ロール部材は複数の部分構成片からなるロール片と、芯部材が接合されてあることを特徴とするロール。
  5. 請求項1から4記載の構成よりなるロールにおいて、ロール部材は複数の部分構成片からなるロール片と、複数の部分構成芯部材が接合されてあることを特徴とするロール。
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