JP2008291060A - 発泡合成樹脂の製造方法および発泡合成樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】二酸化炭素を用いた良好なフロス発泡を簡便な製造装置を用いて行うことが可能であり、優れた物性と表面外観が得られる発泡合成樹脂の製造方法、および該製造方法により得られる発泡合成樹脂の提供。
【解決手段】活性水素化合物(A)とイソシアネート化合物(B)とを、触媒(C)、二酸化炭素を含む発泡剤(D)、および整泡剤(E)の存在下で混合し、フロス発泡させる発泡合成樹脂の製造方法であって、予め前記(A)〜(E)の原料(ただし、二酸化炭素を除く。)を反応が進行しないように複数の原料タンク10、20に分けて収納した後、少なくとも一つの原料タンク10、20において予め収納された原料に二酸化炭素を加圧して溶存させて、各原料タンク10、20の原料をミキシング手段30に圧送して該ミキシング手段30内で衝突混合させることを特徴とする発泡合成樹脂の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】活性水素化合物(A)とイソシアネート化合物(B)とを、触媒(C)、二酸化炭素を含む発泡剤(D)、および整泡剤(E)の存在下で混合し、フロス発泡させる発泡合成樹脂の製造方法であって、予め前記(A)〜(E)の原料(ただし、二酸化炭素を除く。)を反応が進行しないように複数の原料タンク10、20に分けて収納した後、少なくとも一つの原料タンク10、20において予め収納された原料に二酸化炭素を加圧して溶存させて、各原料タンク10、20の原料をミキシング手段30に圧送して該ミキシング手段30内で衝突混合させることを特徴とする発泡合成樹脂の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、発泡合成樹脂の製造方法、および該製造方法により製造される発泡合成樹脂に関する。
ポリウレタンフォーム等の発泡合成樹脂は、活性水素化合物とイソシアネート化合物とを、発泡剤等の存在下で混合し、発泡させることにより製造されている。また、面材間に発泡合成樹脂が形成される大型の断熱材等の製造では、常温で気体の低沸点発泡剤(フロス剤)を用い、活性水素化合物とイソシアネート化合物とを混合した後、ミキシングヘッドからの吐出と同時に発泡を開始する「フロス発泡」が採用されている。
従来、フロス発泡では、常温で気体の発泡剤(フロス剤)として塩素化フッ素化炭素(CFC)、水素化塩素化フッ素化炭素(HCFC)、水素化フッ素化炭素(HFC)等の低沸点の含フッ素化合物が一般に使用されている。この含フッ素化合物は、予め、活性水素化合物および/またはイソシアネート化合物に加圧下で溶解混合され、原料同士の衝突混合時、すなわち常圧に戻る際に気化して発泡し、フロス剤として機能する。しかしながら、含フッ素化合物の使用は、環境面から好ましくない。
一般の発泡合成樹脂製造の分野において、含フッ素化合物の代替に関しては、ブタンやシクロペンタン等の低沸点の炭化水素化合物や、水(たとえば、特許文献1参照)を用いることが提案されている。
これらのうち、炭化水素化合物は引火性があり、使用には注意を要するため、水を主発泡剤とすることが進められている。
これらのうち、炭化水素化合物は引火性があり、使用には注意を要するため、水を主発泡剤とすることが進められている。
水は、沸点が高いため、それ自身では発泡剤として機能しないが、イソシアネート化合物と反応して二酸化炭素を生成する。そして、該二酸化炭素が発泡剤として機能する。
しかし、発泡剤として単に水を用いただけでは、イソシアネート化合物との反応が進行しなければ発泡が始まらないため、フロス発泡とはならない。
しかし、発泡剤として単に水を用いただけでは、イソシアネート化合物との反応が進行しなければ発泡が始まらないため、フロス発泡とはならない。
そこで、ミキシングヘッド内に不活性ガスを直接導入する不活性ガス導入手段を備えた製造装置を用いて、発泡合成樹脂を製造する方法が提案されている(特許文献2参照)。
該不活性ガス導入手段が設けられた製造装置において、不活性ガスは、強制的に原料混合物中に拡散し、反応開始前に発泡を開始するフロス剤として機能する。
この場合、不活性ガスは、予め原料混合物に混合溶解しておかなくてよいため、充分な量をミキシングヘッド内に導入することができる。
特開2003−096152号公報
特開2005−314675号公報
該不活性ガス導入手段が設けられた製造装置において、不活性ガスは、強制的に原料混合物中に拡散し、反応開始前に発泡を開始するフロス剤として機能する。
この場合、不活性ガスは、予め原料混合物に混合溶解しておかなくてよいため、充分な量をミキシングヘッド内に導入することができる。
しかし、特許文献2に記載の方法のように、不活性ガスを直接ミキシングヘッド内に導入する方法では、他の原料との混合性を安定化することが難しいため、不均一な大きさのセルが形成されやすくなり、断熱材として必要な、微細でかつ充分な量の独立気泡を有する発泡合成樹脂を製造することが困難である。さらに、ボイドやセル荒れが発生することで表面外観が不良となりやすい。
また、発泡合成樹脂の製造装置として不活性ガス導入手段を設けることは、該製造装置の構成が複雑となり、経済面からも好ましくない。
また、発泡合成樹脂の製造装置として不活性ガス導入手段を設けることは、該製造装置の構成が複雑となり、経済面からも好ましくない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素を用いた良好なフロス発泡を簡便な製造装置を用いて行うことが可能であり、優れた物性と表面外観が得られる発泡合成樹脂の製造方法、および該製造方法により得られる発泡合成樹脂を提供する。
本発明の発泡合成樹脂の製造方法は、活性水素化合物(A)とイソシアネート化合物(B)とを、触媒(C)、二酸化炭素を含む発泡剤(D)、および整泡剤(E)の存在下で混合し、フロス発泡させる発泡合成樹脂の製造方法であって、予め前記(A)〜(E)の原料(ただし、二酸化炭素を除く。)を反応が進行しないように複数の原料タンクに分けて収納した後、少なくとも一つの原料タンクにおいて予め収納された原料に二酸化炭素を加圧して溶存させて、各原料タンクの原料をミキシング手段に圧送して該ミキシング手段内で衝突混合させることを特徴とする。
本発明の発泡合成樹脂の製造方法においては、前記発泡剤(D)として水をさらに用いることが好ましい。
また、本発明の発泡合成樹脂の製造方法においては、全原料タンク中に存在している二酸化炭素の割合が、二酸化炭素を除いた原料全体100質量部に対して0.1質量部以上であることが好ましい。
また、本発明の発泡合成樹脂の製造方法においては、前記発泡剤(D)として用いる水の割合が、前記活性水素化合物(A)100質量部に対して3〜10質量部であることが好ましい。
本発明の発泡合成樹脂の製造方法においては、前記発泡剤(D)として水をさらに用いることが好ましい。
また、本発明の発泡合成樹脂の製造方法においては、全原料タンク中に存在している二酸化炭素の割合が、二酸化炭素を除いた原料全体100質量部に対して0.1質量部以上であることが好ましい。
また、本発明の発泡合成樹脂の製造方法においては、前記発泡剤(D)として用いる水の割合が、前記活性水素化合物(A)100質量部に対して3〜10質量部であることが好ましい。
また、本発明の発泡合成樹脂は、前記本発明の発泡合成樹脂の製造方法により製造されることを特徴とする。
本発明によれば、二酸化炭素を用いた良好なフロス発泡を簡便な製造装置を用いて行うことが可能であり、優れた物性と表面外観が得られる発泡合成樹脂の製造方法を提供できる。
また、本発明の発泡合成樹脂の製造方法により、気泡の生成状態が良好で、表面外観や断熱性等の諸物性に優れ、しかも環境に優しい発泡合成樹脂を提供できる。
また、本発明の発泡合成樹脂の製造方法により、気泡の生成状態が良好で、表面外観や断熱性等の諸物性に優れ、しかも環境に優しい発泡合成樹脂を提供できる。
≪発泡合成樹脂の製造方法≫
本発明の発泡合成樹脂の製造方法は、活性水素化合物(A)とイソシアネート化合物(B)とを、触媒(C)、二酸化炭素を含む発泡剤(D)、および整泡剤(E)の存在下で混合し、フロス発泡させる製造方法である。
本発明の発泡合成樹脂の製造方法は、活性水素化合物(A)とイソシアネート化合物(B)とを、触媒(C)、二酸化炭素を含む発泡剤(D)、および整泡剤(E)の存在下で混合し、フロス発泡させる製造方法である。
<活性水素化合物(A)>
活性水素化合物(A)としては、特に限定されるものではなく、ポリオール、ポリフェノール、ポリアミン等が挙げられる。
活性水素化合物(A)としては、特に限定されるものではなく、ポリオール、ポリフェノール、ポリアミン等が挙げられる。
ポリオールとしては、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、多価アルコール、水酸基含有ジエン系ポリオール等が挙げられる。また、ポリオールとしては、ポリオール中にアクリロニトリル系樹脂やスチレン系樹脂等のポリマー微粒子が安定分散したポリマー分散ポリオールを使用してもよい。
ポリオールの水酸基価は、特に限定されず、20〜1810mgKOH/gのものが好ましく、目的に応じて選択できる。硬質発泡合成樹脂の製造では、100〜1000mgKOH/gのものがより好ましく用いられ、100〜840mgKOH/gのものが特に好ましく用いられる。
ポリオールの水酸基価は、特に限定されず、20〜1810mgKOH/gのものが好ましく、目的に応じて選択できる。硬質発泡合成樹脂の製造では、100〜1000mgKOH/gのものがより好ましく用いられ、100〜840mgKOH/gのものが特に好ましく用いられる。
ポリエーテル系ポリオールは、触媒の存在下、開始剤に環状エーテルを開環付加重合させて得られるポリオールである。
開始剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類;ソルビトール、蔗糖等の糖類;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミノ化合物、フェノール類とアルデヒドとアミンのマンニッヒ縮合物、またはこれらの環状エーテル少量付加物等が挙げられる。
環状エーテルとしては、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エチレンオキシド等のアルキレンオキシド等が挙げられる。中でも、プロピレンオキシド単独、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの併用が好ましい。
開始剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類;ソルビトール、蔗糖等の糖類;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミノ化合物、フェノール類とアルデヒドとアミンのマンニッヒ縮合物、またはこれらの環状エーテル少量付加物等が挙げられる。
環状エーテルとしては、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エチレンオキシド等のアルキレンオキシド等が挙げられる。中でも、プロピレンオキシド単独、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの併用が好ましい。
ポリエステル系ポリオールとしては、多価アルコール類−多価カルボン酸類縮合系ポリオール、環状エステル開環重合体系ポリオール等が挙げられる。
多価アルコール類としては、前記開始剤で例示した多価アルコール類と同様のものが挙げられる。
水酸基含有ジエン系ポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
多価アルコール類としては、前記開始剤で例示した多価アルコール類と同様のものが挙げられる。
水酸基含有ジエン系ポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
ポリフェノールは、2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物であり、フェノール類をアルカリ触媒の存在下で過剰のホルムアルデヒド類と縮合結合させたレゾール型初期縮合物、このレゾール型初期縮合物を合成する際に非水系で反応させたベンジリック型初期縮合物、過剰のフェノール類を酸触媒の存在下でホルムアルデヒド類と反応させたノボラック型初期縮合物等が挙げられる。
初期縮合物の分子量は200〜10000程度が好ましい。
フェノール類とは、芳香環を形成する骨格の1個以上の炭素原子が直接水酸基と結合したものを意味し、その同一構造内に他の置換結合基を有するものであってもよい。その具体例としては、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA、レゾルシノール等が挙げられる。また、ホルムアルデヒド類としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
初期縮合物の分子量は200〜10000程度が好ましい。
フェノール類とは、芳香環を形成する骨格の1個以上の炭素原子が直接水酸基と結合したものを意味し、その同一構造内に他の置換結合基を有するものであってもよい。その具体例としては、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA、レゾルシノール等が挙げられる。また、ホルムアルデヒド類としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
ポリアミンとしては、1級または2級のアミノ基を2個以上有する化合物であり、その具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ポリオールの水酸基をアミノ化した化合物等が挙げられる。
活性水素化合物(A)は、1種または2種以上を用いることができる。
上記の例示した中でも、活性水素化合物(A)としては、ポリエーテル系ポリオールを単独で、またはポリエーテル系ポリオールと他の活性水素化合物とを組み合わせて用いることが特に好ましい。
上記の例示した中でも、活性水素化合物(A)としては、ポリエーテル系ポリオールを単独で、またはポリエーテル系ポリオールと他の活性水素化合物とを組み合わせて用いることが特に好ましい。
<イソシアネート化合物(B)>
イソシアネート化合物(B)としては、イソシアネート基を平均2個以上有する芳香族系、脂環族系、もしくは脂肪族系のポリイソシアネート、またはこれらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネート、またはこれらのプレポリマー変性体、カルボジイミト゛変性体、ヌレート変性体、もしくはウレア変性体等が挙げられる。
イソシアネート化合物(B)は、1種または2種以上を用いることができる。
イソシアネート化合物(B)としては、イソシアネート基を平均2個以上有する芳香族系、脂環族系、もしくは脂肪族系のポリイソシアネート、またはこれらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネート、またはこれらのプレポリマー変性体、カルボジイミト゛変性体、ヌレート変性体、もしくはウレア変性体等が挙げられる。
イソシアネート化合物(B)は、1種または2種以上を用いることができる。
<触媒(C)>
触媒(C)としては、ウレタン化反応および泡化反応(水とイソシアネート化合物との反応)を促進する触媒であれば、特に限定されるものではない。
具体的には、トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等の3級アミン類;ジブチルスズジラウレート等の有機金属化合物等が挙げられる。
また、イソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を併用することもでき、その具体例としては、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸金属塩等が挙げられる。
触媒(C)は、1種または2種以上を用いることができる。
触媒(C)としては、ウレタン化反応および泡化反応(水とイソシアネート化合物との反応)を促進する触媒であれば、特に限定されるものではない。
具体的には、トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等の3級アミン類;ジブチルスズジラウレート等の有機金属化合物等が挙げられる。
また、イソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を併用することもでき、その具体例としては、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸金属塩等が挙げられる。
触媒(C)は、1種または2種以上を用いることができる。
<発泡剤(D)>
本発明においては、発泡剤(D)として二酸化炭素を用いる。二酸化炭素は、熱伝導率が比較的低く、液化ガスとしても取り扱いが容易である。
また、発泡剤(D)としては、二酸化炭素と共に、水をさらに用いることが好ましい。
本発明においては、発泡剤(D)として二酸化炭素を用いる。二酸化炭素は、熱伝導率が比較的低く、液化ガスとしても取り扱いが容易である。
また、発泡剤(D)としては、二酸化炭素と共に、水をさらに用いることが好ましい。
なお、発泡剤(D)としては、二酸化炭素と水以外に、必要に応じて含フッ素化合物や炭化水素化合物を併用してもよい。
含フッ素化合物としては、低沸点含フッ素化合物が好適に挙げられ、具体的には、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)等である。
炭化水素化合物としては、低沸点炭化水素化合物が好適に挙げられ、具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、またはこれらの異性体等である。
ただし、環境面や引火性の観点から、発泡剤(D)として含フッ素化合物や炭化水素化合物を用いないことが好ましい。
含フッ素化合物としては、低沸点含フッ素化合物が好適に挙げられ、具体的には、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)等である。
炭化水素化合物としては、低沸点炭化水素化合物が好適に挙げられ、具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、またはこれらの異性体等である。
ただし、環境面や引火性の観点から、発泡剤(D)として含フッ素化合物や炭化水素化合物を用いないことが好ましい。
<整泡剤(E)>
整泡剤(E)は、良好な気泡を形成するために使用されるものであり、その具体例としては、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤等が挙げられる。中でも、硬質発泡合成樹脂の製造では、シリコーン系整泡剤が好ましく用いられる。
整泡剤(E)は、1種または2種以上を用いることができる。
整泡剤(E)は、良好な気泡を形成するために使用されるものであり、その具体例としては、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤等が挙げられる。中でも、硬質発泡合成樹脂の製造では、シリコーン系整泡剤が好ましく用いられる。
整泡剤(E)は、1種または2種以上を用いることができる。
<その他の成分>
本発明の発泡合成樹脂の製造方法においては、上記(A)〜(E)成分以外に、必要に応じて、各種の配合剤を用いることができる。
その具体例としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等が挙げられる。
本発明の発泡合成樹脂の製造方法においては、上記(A)〜(E)成分以外に、必要に応じて、各種の配合剤を用いることができる。
その具体例としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等が挙げられる。
(A)〜(E)成分の使用量は、それぞれ以下の通りである。
イソシアネート化合物(B)の使用量は、活性水素化合物(A)および水の活性水素の合計数に対するイソシアネート基の数の割合を100倍して表される値(通常、この100倍で表される数値をイソシアネートインデックスという。)として50〜300であることが好ましい。
ここで、ウレタン処方においては、イソシアネート化合物(B)の使用量が、イソシアネートインデックスで50〜140が好ましく、60〜130がより好ましい。
また、イソシアヌレート処方(ウレタン変性ポリイソシアヌレート処方)においては、イソシアネート化合物(B)の使用量が、イソシアネートインデックスで120〜300が好ましく、150〜250がより好ましく、触媒(C)としてイソシアネート基の三量化触媒を主に用いることが好ましい。
イソシアネート化合物(B)の使用量は、活性水素化合物(A)および水の活性水素の合計数に対するイソシアネート基の数の割合を100倍して表される値(通常、この100倍で表される数値をイソシアネートインデックスという。)として50〜300であることが好ましい。
ここで、ウレタン処方においては、イソシアネート化合物(B)の使用量が、イソシアネートインデックスで50〜140が好ましく、60〜130がより好ましい。
また、イソシアヌレート処方(ウレタン変性ポリイソシアヌレート処方)においては、イソシアネート化合物(B)の使用量が、イソシアネートインデックスで120〜300が好ましく、150〜250がより好ましく、触媒(C)としてイソシアネート基の三量化触媒を主に用いることが好ましい。
触媒(C)の使用量は、活性水素化合物(A)100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜3質量部が特に好ましい。
全原料タンク中に存在している二酸化炭素の割合は、二酸化炭素を除いた原料全体100質量部に対して0.1質量部以上であることが好ましく、0.15質量部以上であることがより好ましい。二酸化炭素の割合は3質量部以下であることが好ましい。二酸化炭素の割合が0.1質量部以上であると、より良好なフロス発泡を行うことができ、成形性がさらに向上する。
また、二酸化炭素は、原料タンクにおいて予め収納された原料に加圧下で溶存しており、該加圧の圧力としては0.8〜2MPaが好ましく、0.9〜2MPaがより好ましい。
発泡剤(D)として二酸化炭素と水を用いる場合、水の割合は、活性水素化合物(A)100質量部に対して3〜10質量部であることが好ましく、5〜10質量部であることが特に好ましい。水の割合が下限値以上であると、イソシアネート化合物(B)と反応して発生する二酸化炭素の生成量が増加して、得られる発泡合成樹脂の軽量化が容易に図られる。一方、水の割合が上限値以下であれば、原料タンク内で活性水素化合物(A)と混合しやすくなる。
また、二酸化炭素は、原料タンクにおいて予め収納された原料に加圧下で溶存しており、該加圧の圧力としては0.8〜2MPaが好ましく、0.9〜2MPaがより好ましい。
発泡剤(D)として二酸化炭素と水を用いる場合、水の割合は、活性水素化合物(A)100質量部に対して3〜10質量部であることが好ましく、5〜10質量部であることが特に好ましい。水の割合が下限値以上であると、イソシアネート化合物(B)と反応して発生する二酸化炭素の生成量が増加して、得られる発泡合成樹脂の軽量化が容易に図られる。一方、水の割合が上限値以下であれば、原料タンク内で活性水素化合物(A)と混合しやすくなる。
整泡剤(E)の使用量は、活性水素化合物(A)に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部が特に好ましい。
<発泡合成樹脂の製造方法>
本発明の発泡合成樹脂の製造方法は、予め前記(A)〜(E)の原料(ただし、二酸化炭素を除く。)を反応が進行しないように複数の原料タンクに分けて収納した後、少なくとも一つの原料タンクにおいて予め収納された原料に二酸化炭素を加圧して溶存させて、各原料タンクの原料をミキシング手段に圧送して該ミキシング手段内で衝突混合させる方法である。
本発明の発泡合成樹脂の製造方法は、予め前記(A)〜(E)の原料(ただし、二酸化炭素を除く。)を反応が進行しないように複数の原料タンクに分けて収納した後、少なくとも一つの原料タンクにおいて予め収納された原料に二酸化炭素を加圧して溶存させて、各原料タンクの原料をミキシング手段に圧送して該ミキシング手段内で衝突混合させる方法である。
図1は、本発明の方法に好適な発泡合成樹脂の製造装置全体を示す模式図である。
製造装置100は、フロス発泡にて発泡合成樹脂を製造する簡易型発泡装置であり、反応が進行しないように原料を分けて供給する原料タンク10、20と、原料タンク10、20から供給される原料を衝突混合するミキシング手段であるミキシングヘッド30と、原料タンク10、20内の原料をミキシングヘッド30に圧送するための加圧ガスを供給するガスボンベ50とから概略構成されている。
「簡易型発泡装置」とは、原料タンク内に収納された原料を、メカニカルポンプ等の機械的力を利用せず、加圧ガスの圧力によってミキシング手段へ圧送して該ミキシング手段内で衝突混合させ、金型等の部材へ注入または吹き付けして発泡させる装置をいう。
製造装置100は、フロス発泡にて発泡合成樹脂を製造する簡易型発泡装置であり、反応が進行しないように原料を分けて供給する原料タンク10、20と、原料タンク10、20から供給される原料を衝突混合するミキシング手段であるミキシングヘッド30と、原料タンク10、20内の原料をミキシングヘッド30に圧送するための加圧ガスを供給するガスボンベ50とから概略構成されている。
「簡易型発泡装置」とは、原料タンク内に収納された原料を、メカニカルポンプ等の機械的力を利用せず、加圧ガスの圧力によってミキシング手段へ圧送して該ミキシング手段内で衝突混合させ、金型等の部材へ注入または吹き付けして発泡させる装置をいう。
図1において、ガスボンベ50には、不活性ガスが充填されており、圧力調整弁51にて所定圧に調整された不活性ガスが加圧ガス供給管61、62を介して、原料タンク10、20内の上部(ヘッドスペース)に導入され、原料タンク10、20内が加圧されるようになっている。この加圧によって原料タンク10、20に分けて予め収納された原料(システム液11、21)が、原料供給管63、64をそれぞれ介してミキシングヘッド30に圧送され、該ミキシングヘッド30内で衝突混合してフロス発泡するようになっている。
このように、製造装置100は、ガスボンベ50、加圧ガス供給管61、62、および原料供給管63、64により、原料タンク10、20内のシステム液11、21をそれぞれミキシングヘッド30に圧送する圧送手段が構成されている。
また、原料供給管63、64には、ミキシングヘッド30に流入するシステム液11、21の液流量を制御する流量調節器15、25がそれぞれ取り付けられている。
また、原料供給管63、64には、ミキシングヘッド30に流入するシステム液11、21の液流量を制御する流量調節器15、25がそれぞれ取り付けられている。
ミキシングヘッド30は、内部に空間(ミキシング室)を有する円筒状部材からなるものが好ましい。原料供給管63、64は、ミキシングヘッド30の周面にそれぞれ垂直に、かつ、互いに対向するように接続されている。なお、ミキシングヘッド30の形状は適宜設計できる。
ミキシングヘッド30のシステム液11とシステム液21との混合物が吐出される側の面には、ミキサー(混合器)が内蔵された吐出管40が接続されている。
吐出管40に内蔵するミキサーとしては、スタティックミキサー(静的混合器)や、機械的力をかけて混合するダイナミックミキサーを使用できる。ただし、製造装置100の簡易性の点で、スタティックミキサーが好ましく用いられる。
ミキシングヘッド30内でシステム液11とシステム液21とが衝突混合して得られる混合物は、吐出管40内でさらに均一に混合された後、外部(矢印方向)に吐出されるようになっている。
吐出管40に内蔵するミキサーとしては、スタティックミキサー(静的混合器)や、機械的力をかけて混合するダイナミックミキサーを使用できる。ただし、製造装置100の簡易性の点で、スタティックミキサーが好ましく用いられる。
ミキシングヘッド30内でシステム液11とシステム液21とが衝突混合して得られる混合物は、吐出管40内でさらに均一に混合された後、外部(矢印方向)に吐出されるようになっている。
本実施形態では、システム液11が活性水素化合物(A)、触媒(C)、整泡剤(E)、および水を含む溶液であり、システム液21がイソシアネート化合物(B)からなる溶液であり、二酸化炭素が両方の原料タンク10、20に存在する場合について説明する。
システム液11、21の粘度は、たとえば、25℃において100〜5000mPa・sであることが好ましい。該粘度は、JIS K1557(1970年版)に準拠して測定される値を示す。
原料タンク10、20に収納された二酸化炭素は、大部分がシステム液11、21に溶存した状態であることが好ましい。原料タンク内のヘッドスペースにも存在していてもよい。
なお、本発明者は、二酸化炭素を、原料(システム液)に2.1MPaの圧力条件で、1時間溶存させた場合、二酸化炭素が、二酸化炭素を除く原料全体100質量部に対して1.1〜1.2質量部まで溶存することを確認した。二酸化炭素の溶存量は、溶存させる時間を長くすることにより、さらに増加すると推測される。
また、二酸化炭素以外の不活性ガス、たとえば窒素ガスを用いた場合、溶存させる時間を長くしてもフロス発泡に充分な量の窒素ガスを溶存できないことを確認した。
なお、本発明者は、二酸化炭素を、原料(システム液)に2.1MPaの圧力条件で、1時間溶存させた場合、二酸化炭素が、二酸化炭素を除く原料全体100質量部に対して1.1〜1.2質量部まで溶存することを確認した。二酸化炭素の溶存量は、溶存させる時間を長くすることにより、さらに増加すると推測される。
また、二酸化炭素以外の不活性ガス、たとえば窒素ガスを用いた場合、溶存させる時間を長くしてもフロス発泡に充分な量の窒素ガスを溶存できないことを確認した。
システム液11、21に二酸化炭素を加圧して溶存させる方法としては、一般的な手法を用いることができる。
工業的な手法としてはカーボネーター等が用いられる。
簡易的な手法としては、例えば、原料タンク10(20)にシステム液11(21)を収納した後、二酸化炭素を所定量投入して昇圧し、該原料タンク10(20)を回転もしくは振とうする方法が好ましく用いられる。これにより、投入した二酸化炭素をシステム液11(21)に溶存させることができる。
工業的な手法としてはカーボネーター等が用いられる。
簡易的な手法としては、例えば、原料タンク10(20)にシステム液11(21)を収納した後、二酸化炭素を所定量投入して昇圧し、該原料タンク10(20)を回転もしくは振とうする方法が好ましく用いられる。これにより、投入した二酸化炭素をシステム液11(21)に溶存させることができる。
ガスボンベ50に充填される不活性ガスとしては、窒素、空気、二酸化炭素を用いることができ、窒素または空気を用いることが好ましい。該不活性ガスとして二酸化炭素を用いた場合、発泡剤(D)としての二酸化炭素が溶存する原料タンク10、20内のシステム液11、21は、不活性ガスとして用いられた二酸化炭素により、システム液11、21表面付近の二酸化炭素濃度が高くなる。これにより、システム液11、21中の二酸化炭素濃度が不均一となり、ミキシングヘッド30内で二酸化炭素の気泡の大きさが不揃いとなったり、成形品の物性が不安定となったりするため、好ましくない。
本実施形態では、メカニカルポンプ等の機械的力を利用することなく、加圧ガスの圧力によって、システム液11、21がミキシングヘッド30に圧送される。加圧ガスの圧力は、システム液11、21を圧送できれば特に限定されるものではなく、0.8〜2MPaに設定することが好ましく、0.9〜2MPaに設定することがより好ましい。
ミキシングヘッド30内は、本発明の効果が良好であることから、常圧とすることが好ましい。
ミキシングヘッド30内は、本発明の効果が良好であることから、常圧とすることが好ましい。
原料供給管63、64から流入するシステム液11、21の流量は、混合効率等を考慮して、通常、同程度に設定される。この場合、流入したシステム液11、21は、主には、空間(ミキシング室)内において、原料供給管63、64の接続箇所からほぼ等距離に位置する中央部およびその近傍領域で衝突混合してシステム液11とシステム液21との混合物となる。
反応条件は、適宜設定すればよいが、吐出管40に内蔵するミキサーとしてスタティックミキサーを用いる場合、反応温度は0〜50℃が好ましく、15〜40℃が特に好ましい。必要に応じて、ミキシングヘッド30、原料タンク10、20または原料供給管63、64を加温し、反応温度を調整することが好ましい。加温手段としては、原料タンク10、20には加温庫等、ミキシングヘッド30および原料供給管63、64にはテープヒータ等がそれぞれ好適に用いられる。
また、システム液11とシステム液21との混合物の吐出量は、特に限定されるものではなく、スタティックミキサーを用いる場合、吐出管40の内径と加圧ガスの圧力で決定される。例えば、吐出管40の内径を18mmとし、原料タンク10、20の加圧ガスの圧力を1〜2MPaとすれば、吐出流量は0.1〜900mL/秒程度となる。硬質発泡合成樹脂においては、吐出流量が、常温下で1〜900mL/秒であることが好ましく、40〜700mL/秒であることが特に好ましい。
また、システム液11とシステム液21との混合物の吐出量は、特に限定されるものではなく、スタティックミキサーを用いる場合、吐出管40の内径と加圧ガスの圧力で決定される。例えば、吐出管40の内径を18mmとし、原料タンク10、20の加圧ガスの圧力を1〜2MPaとすれば、吐出流量は0.1〜900mL/秒程度となる。硬質発泡合成樹脂においては、吐出流量が、常温下で1〜900mL/秒であることが好ましく、40〜700mL/秒であることが特に好ましい。
均一に混合された原料混合物は吐出管40から吐出され、発泡合成樹脂を形成するための部材(木製箱、金型、型枠、冷蔵機器等のキャビネット等)へ発泡注入されて硬化する。これにより、ポリウレタンフォーム等の発泡合成樹脂が得られる。
以上説明した本発明の発泡合成樹脂の製造方法によれば、予め原料タンク10、20に二酸化炭素を溶存させておくことにより、良好なフロス発泡を行うことが可能である。
これは、原料タンク10、20内に存在する充分な量の二酸化炭素が、ミキシングヘッド30内で気泡となって、システム液11、21の混合物中に均一に拡散し、特に反応前から反応初期に充分に発泡するためである。
本発明の発泡合成樹脂の製造方法によれば、不活性ガス導入手段を別途設けることを必要としないため、製造装置を簡便なものとすることができる。
これは、原料タンク10、20内に存在する充分な量の二酸化炭素が、ミキシングヘッド30内で気泡となって、システム液11、21の混合物中に均一に拡散し、特に反応前から反応初期に充分に発泡するためである。
本発明の発泡合成樹脂の製造方法によれば、不活性ガス導入手段を別途設けることを必要としないため、製造装置を簡便なものとすることができる。
また、本発明の発泡合成樹脂の製造方法は、発泡剤として含フッ素化合物を用いる必要がないため、環境に優しい方法である。また、引火性のある炭化水素化合物も用いる必要がないため、使用の際にそれほど注意を要することなく、安全性が高い方法である。
また、本発明の発泡合成樹脂の製造方法は、特に、従来、発泡剤として含フッ素化合物が多量に使用されている硬質ポリウレタンフォーム、ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォーム等の硬質発泡合成樹脂の製造に好適な方法である。
また、本発明の発泡合成樹脂の製造方法によれば、大型の発泡合成樹脂を成形する場合にも、安定的に、良質な気泡生成状態(独立気泡性、コア密度、気泡分布等)を実現し、表面外観や、断熱性(熱伝導率)、強度、寸法安定性等の諸物性が良好な高品質の発泡合成樹脂を提供できる。
また、本発明の発泡合成樹脂の製造方法は、特に、従来、発泡剤として含フッ素化合物が多量に使用されている硬質ポリウレタンフォーム、ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォーム等の硬質発泡合成樹脂の製造に好適な方法である。
また、本発明の発泡合成樹脂の製造方法によれば、大型の発泡合成樹脂を成形する場合にも、安定的に、良質な気泡生成状態(独立気泡性、コア密度、気泡分布等)を実現し、表面外観や、断熱性(熱伝導率)、強度、寸法安定性等の諸物性が良好な高品質の発泡合成樹脂を提供できる。
本発明の発泡合成樹脂の製造方法に用いられる製造装置は、図1に示す製造装置100のような原料タンク数2個に限定されず、反応が進行しないように原料を分けて供給することができれば、3個以上であってもよい。反応を進行させないためには、活性水素化合物(A)とイソシアネート化合物(B)とを分ければよく、発泡剤(D)として水を用いる場合、さらにイソシアネート化合物(B)と水とを分ければよい。
また、本発明に用いられる製造装置は、システム液11とシステム液21とのより均一な混合を実現するため、製造装置100におけるミキシングヘッド30と吐出管40との間に、補助ミキシング室等の補助ミキシング手段(図示略)を設ける構成としてもよい。
また、製造装置には、必要に応じて、別途洗浄ラインを付加してもよい。
また、製造装置には、必要に応じて、別途洗浄ラインを付加してもよい。
不均一なセル(ボイド)を形成しない範囲であれば、ミキシングヘッド30内、および少なくとも1つの原料タンク10(20)とミキシングヘッド30とを結ぶ経路(原料供給管63(64))内のいずれか一方または両方に、不活性ガスを導入する不活性ガス導入手段を設けることもできる。
二酸化炭素は、原料タンク10および原料タンク20のいずれか一方のみに存在させてもよく、本実施形態のように両方の原料タンク10、20に存在させてもよい。
本実施形態では、簡易型発泡装置への適用例について説明したが、本発明は、原料タンク内に収納された原料をメカニカルポンプ等の機械的力によって圧送する、高圧発泡装置や低圧発泡装置にも適用可能である。
本発明は、特に、メカニカルポンプ等の機械的力を使用せず、加圧ガスの圧力によってのみシステム液を圧送するため、高粘性のシステム液同士を混合することがより困難な簡易型発泡装置において好ましく適用できる。簡易型発泡装置を用いても、含フッ素化合物や炭化水素化合物を用いずにシステム液同士を良好に混合でき、高品質の発泡合成樹脂を製造できることは、生産性上のメリットが極めて大きいものである。
本発明は、特に、メカニカルポンプ等の機械的力を使用せず、加圧ガスの圧力によってのみシステム液を圧送するため、高粘性のシステム液同士を混合することがより困難な簡易型発泡装置において好ましく適用できる。簡易型発泡装置を用いても、含フッ素化合物や炭化水素化合物を用いずにシステム液同士を良好に混合でき、高品質の発泡合成樹脂を製造できることは、生産性上のメリットが極めて大きいものである。
≪発泡合成樹脂≫
本発明の発泡合成樹脂は、上記本発明の発泡合成樹脂の製造方法により製造されるものである。
本発明の発泡合成樹脂は、気泡の生成状態(独立気泡性、コア密度、気泡分布等)が良好であり、表面外観や、断熱性(熱伝導率)、強度、寸法安定性等の諸物性に優れた高品質なものである。また、上記本発明の発泡合成樹脂の製造方法により含フッ素化合物を含まない発泡合成樹脂を製造できるため、環境に優しい発泡合成樹脂を提供できる。
本発明の発泡合成樹脂は、断熱性パネル、断熱性ボード等として好適に用いられる。
本発明の発泡合成樹脂は、上記本発明の発泡合成樹脂の製造方法により製造されるものである。
本発明の発泡合成樹脂は、気泡の生成状態(独立気泡性、コア密度、気泡分布等)が良好であり、表面外観や、断熱性(熱伝導率)、強度、寸法安定性等の諸物性に優れた高品質なものである。また、上記本発明の発泡合成樹脂の製造方法により含フッ素化合物を含まない発泡合成樹脂を製造できるため、環境に優しい発泡合成樹脂を提供できる。
本発明の発泡合成樹脂は、断熱性パネル、断熱性ボード等として好適に用いられる。
発泡合成樹脂の諸物性は、特に限定されるものではなく、用途等に応じて適宜設計できる。一例として断熱材用の硬質発泡合成樹脂について説明する。
断熱材用の用途では、発泡合成樹脂の独立気泡率が50〜100%であることが好ましく、80〜100%であることが特に好ましい。独立気泡率が高いことは、気泡膜が破れて形成された連続気泡の割合が少なく、1個の気泡が独立して存在する独立気泡の割合が高いことを意味する。したがって、独立気泡率が高いほど、断熱性が高くなることが知られており、本発明の発泡合成樹脂は、断熱性が非常に高いものである。
独立気泡率は、ASTM D2856に準拠して測定され、例えば整泡剤(E)の種類や使用量で制御できる。
断熱材用の用途では、コア密度が15〜100kg/m3であることが好ましく、25〜80kg/m3であることが特に好ましい。コア密度が前記範囲の下限値以上であると、圧縮強度や寸法安定性等が向上する。一方、コア密度が前記範囲の上限値以下であれば、熱伝導率等が向上する。
コア密度は、JIS A9511に準拠して測定され、例えば発泡剤(D)の使用量で制御できる。特に、発泡剤(D)として水を用いる場合、水の使用量でも好適に制御できる。
断熱材用の用途では、発泡合成樹脂の独立気泡率が50〜100%であることが好ましく、80〜100%であることが特に好ましい。独立気泡率が高いことは、気泡膜が破れて形成された連続気泡の割合が少なく、1個の気泡が独立して存在する独立気泡の割合が高いことを意味する。したがって、独立気泡率が高いほど、断熱性が高くなることが知られており、本発明の発泡合成樹脂は、断熱性が非常に高いものである。
独立気泡率は、ASTM D2856に準拠して測定され、例えば整泡剤(E)の種類や使用量で制御できる。
断熱材用の用途では、コア密度が15〜100kg/m3であることが好ましく、25〜80kg/m3であることが特に好ましい。コア密度が前記範囲の下限値以上であると、圧縮強度や寸法安定性等が向上する。一方、コア密度が前記範囲の上限値以下であれば、熱伝導率等が向上する。
コア密度は、JIS A9511に準拠して測定され、例えば発泡剤(D)の使用量で制御できる。特に、発泡剤(D)として水を用いる場合、水の使用量でも好適に制御できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。
表1に示す実験例1〜5の配合比に従って、下記<発泡合成樹脂の製造方法>により発泡合成樹脂を製造した。
表1の配合組成において、各システム液の使用量の単位は「質量部」である。
使用した製造装置および原料は、以下の通りである。
水酸基価は、JIS K1557(1970年版)に準拠して測定した。
表1に示す実験例1〜5の配合比に従って、下記<発泡合成樹脂の製造方法>により発泡合成樹脂を製造した。
表1の配合組成において、各システム液の使用量の単位は「質量部」である。
使用した製造装置および原料は、以下の通りである。
水酸基価は、JIS K1557(1970年版)に準拠して測定した。
<製造装置>
市販の簡易型発泡装置(旭硝子社製、商品名「オートフロス」)を改造し、図1に示す製造装置と同様の構成を備えた製造装置100を用いて、各実験例の発泡合成樹脂を製造した。
製造装置100におけるミキシングヘッド30には、内径が23mm、高さが47mmの円筒状部材を用いた。原料供給管63、64は、いずれも内径が14mmであり、ミキシングヘッド30の周面に垂直に、かつ、原料供給管63、64の吐出端同士が対向するように設けた。吐出管40は、内径が14mmでありスタティックミキサーを内蔵するものを、ミキシングヘッド30の外部(矢印方向)側の面の中心に設けた。
市販の簡易型発泡装置(旭硝子社製、商品名「オートフロス」)を改造し、図1に示す製造装置と同様の構成を備えた製造装置100を用いて、各実験例の発泡合成樹脂を製造した。
製造装置100におけるミキシングヘッド30には、内径が23mm、高さが47mmの円筒状部材を用いた。原料供給管63、64は、いずれも内径が14mmであり、ミキシングヘッド30の周面に垂直に、かつ、原料供給管63、64の吐出端同士が対向するように設けた。吐出管40は、内径が14mmでありスタティックミキサーを内蔵するものを、ミキシングヘッド30の外部(矢印方向)側の面の中心に設けた。
<原料>。
・活性水素化合物(A)
ポリオール化合物(a1):ペンタエリスリトールを開始剤として用い、該開始剤にプロピレンオキシドを反応させて得られた、水酸基価410mgKOH/gのポリエーテル系ポリオール。
ポリオール化合物(a2):プロピレングリコールを開始剤として用い、該開始剤にプロピレンオキシドを反応させて得られた、水酸基価560mgKOH/gのポリエーテル系ポリオール。
ポリオール化合物(a3):トリレンジアミンを開始剤として用い、該開始剤にプロピレンオキシドを反応させて得られた、水酸基価350mgKOH/gであり、かつ、窒素原子を有するポリエーテル系ポリオール。
ポリオール化合物(a4):トリメチロールプロパンを開始剤として用い、該開始剤にプロピレンオキシドを反応させて得られた、水酸基価400mgKOH/gのポリエーテル系ポリオール。
・活性水素化合物(A)
ポリオール化合物(a1):ペンタエリスリトールを開始剤として用い、該開始剤にプロピレンオキシドを反応させて得られた、水酸基価410mgKOH/gのポリエーテル系ポリオール。
ポリオール化合物(a2):プロピレングリコールを開始剤として用い、該開始剤にプロピレンオキシドを反応させて得られた、水酸基価560mgKOH/gのポリエーテル系ポリオール。
ポリオール化合物(a3):トリレンジアミンを開始剤として用い、該開始剤にプロピレンオキシドを反応させて得られた、水酸基価350mgKOH/gであり、かつ、窒素原子を有するポリエーテル系ポリオール。
ポリオール化合物(a4):トリメチロールプロパンを開始剤として用い、該開始剤にプロピレンオキシドを反応させて得られた、水酸基価400mgKOH/gのポリエーテル系ポリオール。
・イソシアネート化合物(B)
クルードMDI(日本ポリウレタン工業社製、商品名「MR−200」)。
・触媒(C)
触媒(C1):N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンのジプロピレングリコール溶液(東ソー社製、商品名「TEDA L−33」)。
触媒(C2):東ソー社製、商品名「TOYOCAT RX−7」。
・発泡剤(D)
二酸化炭素。
水。
・整泡剤(E)
シリコーン系整泡剤(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SZ−1677」)。
・難燃剤
大八化学社製、商品名「TMCPP」。
クルードMDI(日本ポリウレタン工業社製、商品名「MR−200」)。
・触媒(C)
触媒(C1):N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンのジプロピレングリコール溶液(東ソー社製、商品名「TEDA L−33」)。
触媒(C2):東ソー社製、商品名「TOYOCAT RX−7」。
・発泡剤(D)
二酸化炭素。
水。
・整泡剤(E)
シリコーン系整泡剤(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SZ−1677」)。
・難燃剤
大八化学社製、商品名「TMCPP」。
<システム液の調製>。
・活性水素化合物(A)側のシステム液(A−1)
前記ポリオール化合物(a1)〜(a4)を用い、これらを質量比(a1):(a2):(a3):(a4)=20:20:30:30で混合して混合ポリオールを準備した。
この混合ポリオール100質量部と、前記難燃剤10質量部と、水6.0質量部と、前記整泡剤4.0質量部と、前記触媒(C1)0.22質量部および前記触媒(C2)0.70質量部とを配合し、撹拌機にて撹拌混合してシステム液(A−1)を調製した。
得られたシステム液(A−1)42kg分を、活性水素化合物用50kgボンベ(原料タンク10)に秤量しながら収納した。
・活性水素化合物(A)側のシステム液(A−1)
前記ポリオール化合物(a1)〜(a4)を用い、これらを質量比(a1):(a2):(a3):(a4)=20:20:30:30で混合して混合ポリオールを準備した。
この混合ポリオール100質量部と、前記難燃剤10質量部と、水6.0質量部と、前記整泡剤4.0質量部と、前記触媒(C1)0.22質量部および前記触媒(C2)0.70質量部とを配合し、撹拌機にて撹拌混合してシステム液(A−1)を調製した。
得られたシステム液(A−1)42kg分を、活性水素化合物用50kgボンベ(原料タンク10)に秤量しながら収納した。
・活性水素化合物(A)側のシステム液(A−2)
上記と同様にして調製したシステム液(A−1)を収納した原料タンク10を準備し、該原料タンク10に、炭酸ガスボンベから発泡剤(D)用の二酸化炭素420gを投入した。投入後の原料タンク10内の圧力は1.7MPaだった。次に、横置きにした原料タンク10を、回転速度72rpmで40分間回転させて、投入した二酸化炭素を該システム液(A−1)に溶存させてシステム液(A−2)を調製した。溶存後の原料タンク10内の圧力は0.3MPaであった。
上記と同様にして調製したシステム液(A−1)を収納した原料タンク10を準備し、該原料タンク10に、炭酸ガスボンベから発泡剤(D)用の二酸化炭素420gを投入した。投入後の原料タンク10内の圧力は1.7MPaだった。次に、横置きにした原料タンク10を、回転速度72rpmで40分間回転させて、投入した二酸化炭素を該システム液(A−1)に溶存させてシステム液(A−2)を調製した。溶存後の原料タンク10内の圧力は0.3MPaであった。
・活性水素化合物(A)側のシステム液(A−3)
上記システム液(A−2)の調製と同様にして、システム液(A−1)を収納した原料タンク10に、炭酸ガスボンベから二酸化炭素115gを投入し、二酸化炭素をシステム液(A−1)に溶存させてシステム液(A−3)を調製した。溶存後の原料タンク10内の圧力は0.2MPaであった。
上記システム液(A−2)の調製と同様にして、システム液(A−1)を収納した原料タンク10に、炭酸ガスボンベから二酸化炭素115gを投入し、二酸化炭素をシステム液(A−1)に溶存させてシステム液(A−3)を調製した。溶存後の原料タンク10内の圧力は0.2MPaであった。
・イソシアネート化合物(B)側のシステム液(B−1)
前記クルードMDIの42kg分を、イソシアネート化合物用50kgボンベ(原料タンク20)に秤量しながら収納した。
前記クルードMDIの42kg分を、イソシアネート化合物用50kgボンベ(原料タンク20)に秤量しながら収納した。
・イソシアネート化合物(B)側のシステム液(B−2)
上記と同様にして調製したシステム液(B−1)を収納した原料タンク20を準備し、該原料タンク20に、炭酸ガスボンベから発泡剤(D)用の二酸化炭素420gを投入した。投入後の原料タンク20内の圧力は1.7MPaだった。次に、横置きにした原料タンク20を、回転速度72rpmで40分間回転させて、投入した二酸化炭素を該システム液(B−1)に溶存させてシステム液(B−2)を調製した。溶存後の原料タンク20内の圧力は0.3MPaであった。
上記と同様にして調製したシステム液(B−1)を収納した原料タンク20を準備し、該原料タンク20に、炭酸ガスボンベから発泡剤(D)用の二酸化炭素420gを投入した。投入後の原料タンク20内の圧力は1.7MPaだった。次に、横置きにした原料タンク20を、回転速度72rpmで40分間回転させて、投入した二酸化炭素を該システム液(B−1)に溶存させてシステム液(B−2)を調製した。溶存後の原料タンク20内の圧力は0.3MPaであった。
<発泡合成樹脂の製造方法1>
後述の反応速度(ゲルタイム、タックフリータイム)、コア密度の測定を行った発泡合成樹脂は、以下のように製造した。
すなわち、上記の各システム液が収納された原料タンク10、20を用意した後、該原料タンク10、20内を窒素ガスにて1.7MPaまで加圧し、23℃±1℃に調温した。その後、製造装置100の運転を開始し、縦300mm×横300mm×高さ300mmの大きさの木製箱内に発泡注入して発泡合成樹脂を成形した。
後述の反応速度(ゲルタイム、タックフリータイム)、コア密度の測定を行った発泡合成樹脂は、以下のように製造した。
すなわち、上記の各システム液が収納された原料タンク10、20を用意した後、該原料タンク10、20内を窒素ガスにて1.7MPaまで加圧し、23℃±1℃に調温した。その後、製造装置100の運転を開始し、縦300mm×横300mm×高さ300mmの大きさの木製箱内に発泡注入して発泡合成樹脂を成形した。
<発泡合成樹脂の製造方法2>
後述の成形性の評価に用いた発泡合成樹脂は、以下のように製造した。
すなわち、上記の各システム液が収納された原料タンク10、20を用意した後、該原料タンク10、20内を窒素ガスにて1.7MPaまで加圧し、23℃±1℃に調温した。
別に、縦600mm×横900mm×高さ50mmのアルミニウム製の金型を準備し、該金型を予め50℃に加温した。
そして、製造装置100の運転を開始した後、50℃に加温しておいた該金型内に、成形質量が890gになるように発泡注入して発泡合成樹脂(断熱パネル)を成形した。
後述の成形性の評価に用いた発泡合成樹脂は、以下のように製造した。
すなわち、上記の各システム液が収納された原料タンク10、20を用意した後、該原料タンク10、20内を窒素ガスにて1.7MPaまで加圧し、23℃±1℃に調温した。
別に、縦600mm×横900mm×高さ50mmのアルミニウム製の金型を準備し、該金型を予め50℃に加温した。
そして、製造装置100の運転を開始した後、50℃に加温しておいた該金型内に、成形質量が890gになるように発泡注入して発泡合成樹脂(断熱パネル)を成形した。
<発泡合成樹脂の評価>
各実験例の発泡合成樹脂において、反応速度(ゲルタイム、タックフリータイム)、コア密度をそれぞれ測定した。また、成形性について、得られた発泡合成樹脂(断熱パネル)の表面外観、および金型への充填性を評価項目として評価した。その結果を表1に示す。
各評価方法は、以下の通りである。
各実験例の発泡合成樹脂において、反応速度(ゲルタイム、タックフリータイム)、コア密度をそれぞれ測定した。また、成形性について、得られた発泡合成樹脂(断熱パネル)の表面外観、および金型への充填性を評価項目として評価した。その結果を表1に示す。
各評価方法は、以下の通りである。
[ゲルタイム]
活性水素化合物(A)側のシステム液11とイソシアネート化合物(B)側のシステム液21との混合開始時を0秒とし、混合物内に金属棒を挿入し、金属棒に付着したウレタン樹脂が糸引きを開始するまでの時間(秒)を測定した。
活性水素化合物(A)側のシステム液11とイソシアネート化合物(B)側のシステム液21との混合開始時を0秒とし、混合物内に金属棒を挿入し、金属棒に付着したウレタン樹脂が糸引きを開始するまでの時間(秒)を測定した。
[タックフリータイム]
活性水素化合物(A)側のシステム液11とイソシアネート化合物(B)側のシステム液21との混合開始時を0秒とし、発泡体の表面に金属棒を当接し、金属棒表面にウレタン樹脂が付着しなくなるまでの時間(秒)を測定した。
活性水素化合物(A)側のシステム液11とイソシアネート化合物(B)側のシステム液21との混合開始時を0秒とし、発泡体の表面に金属棒を当接し、金属棒表面にウレタン樹脂が付着しなくなるまでの時間(秒)を測定した。
[コア密度]
得られた発泡合成樹脂のコア密度(kg/m3)を、JIS A9511に準拠して測定した。
得られた発泡合成樹脂のコア密度(kg/m3)を、JIS A9511に準拠して測定した。
[成形性]
得られた発泡合成樹脂(断熱パネル)の成形性について、その表面外観、および金型への充填性を、下記評価基準に基づいて、目視観察により評価した。
(表面外観の評価基準)
良好:微細で、かつ、均一な気泡を形成していた。
不良:気泡同士が連続形成され、セル荒れ不良が発生していた。
(金型への充填性の評価基準)
良好:金型内に充分に充填されていた。
やや不良:金型内のコーナー部に小さな未充填部分があった。
不良:金型内のコーナー部に大きな未充填部分があった。
得られた発泡合成樹脂(断熱パネル)の成形性について、その表面外観、および金型への充填性を、下記評価基準に基づいて、目視観察により評価した。
(表面外観の評価基準)
良好:微細で、かつ、均一な気泡を形成していた。
不良:気泡同士が連続形成され、セル荒れ不良が発生していた。
(金型への充填性の評価基準)
良好:金型内に充分に充填されていた。
やや不良:金型内のコーナー部に小さな未充填部分があった。
不良:金型内のコーナー部に大きな未充填部分があった。
表1の結果から明らかなように、全原料タンク中に存在する二酸化炭素の割合が、実験例3のように0.33質量部以上であれば、充分に低いコア密度と、良好な成形性とが得られることが確認できた。
特に、実験例1〜3は、断熱材として必要な、微細でかつ充分な量の独立気泡を有する、高品質の発泡合成樹脂を製造できることが確認できた。
特に、実験例1〜3は、断熱材として必要な、微細でかつ充分な量の独立気泡を有する、高品質の発泡合成樹脂を製造できることが確認できた。
また、実験例1では、二酸化炭素を1.00質量部まで全原料タンク中に存在させることができ、実験例3において二酸化炭素の割合を0.33質量部まで少なくしても充分に低いコア密度と、良好な成形性とが得られることから、発泡合成樹脂の製造において充分な量の二酸化炭素を原料タンク中に存在させられることが確認できた。
したがって、本発明の発泡合成樹脂の製造方法によれば、不活性ガス導入手段を用いることなく、二酸化炭素を用いた良好なフロス発泡を簡便な製造装置を用いて行うことが可能であり、優れた物性と表面外観を有する発泡合成樹脂が得られることが確認できた。
本発明の発泡合成樹脂の製造方法は、硬質ポリウレタンフォーム、ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォーム、その他の硬質発泡合成樹脂等の製造に好ましく適用することができる。
10 原料タンク 20 原料タンク 30 ミキシングヘッド 40 吐出管 50 ガスボンベ 61 加圧ガス供給管 62 加圧ガス供給管 63 原料供給管 64 原料供給管 100 製造装置
Claims (5)
- 活性水素化合物(A)とイソシアネート化合物(B)とを、触媒(C)、二酸化炭素を含む発泡剤(D)、および整泡剤(E)の存在下で混合し、フロス発泡させる発泡合成樹脂の製造方法であって、
予め前記(A)〜(E)の原料(ただし、二酸化炭素を除く。)を反応が進行しないように複数の原料タンクに分けて収納した後、少なくとも一つの原料タンクにおいて予め収納された原料に二酸化炭素を加圧して溶存させて、各原料タンクの原料をミキシング手段に圧送して該ミキシング手段内で衝突混合させることを特徴とする発泡合成樹脂の製造方法。 - 前記発泡剤(D)として水をさらに用いる請求項1に記載の発泡合成樹脂の製造方法。
- 全原料タンク中に存在している二酸化炭素の割合が、二酸化炭素を除いた原料全体100質量部に対して0.1質量部以上である請求項1または2に記載の発泡合成樹脂の製造方法。
- 前記発泡剤(D)として用いる水の割合が、前記活性水素化合物(A)100質量部に対して3〜10質量部である請求項2または3に記載の発泡合成樹脂の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の発泡合成樹脂の製造方法により製造されることを特徴とする発泡合成樹脂。
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Cited By (2)
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WO2013027416A1 (ja) * | 2011-08-25 | 2013-02-28 | パナソニック株式会社 | 発泡ポリウレタンフォームの製造装置および製造方法、並びに断熱構造体 |
CN107457956A (zh) * | 2017-09-14 | 2017-12-12 | 绍兴市华创聚氨酯有限公司 | 一种用于二氧化碳聚氨酯发泡机的输送机构 |
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JP2006192720A (ja) * | 2005-01-13 | 2006-07-27 | Basf Inoacポリウレタン株式会社 | ポリウレタンフォーム製造装置 |
-
2007
- 2007-05-22 JP JP2007135413A patent/JP2008291060A/ja active Pending
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