〔パチンコ遊技機の全体構造〕
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図8を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ機1の外枠2に対して本体枠3を開放し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ遊技機の正面から見た斜視図であり、図3は、パチンコ機1の正面図であり、図4は、パチンコ機1の側面図であり、図5は、パチンコ機1の平面図であり、図6は、パチンコ機1の背面図であり、図7は、パチンコ機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の後方から見た分解斜視図であり、図8は、パチンコ機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図8において、本実施形態に係るパチンコ機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101と該遊技窓101の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に表面が装飾カバー板15によって被覆されている下部前面板14が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置650と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100が取り付けられ、本体枠3の後面開口580(図7参照)を覆うカバー体1250が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300の他に、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット250と、ハンドル装置460とが設けられている。そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる皿ユニット300が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドル装置460が扉枠5に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見てほぼ同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。以下、パチンコ機1を構成する部材について詳細に説明する。
〔外枠〕
外枠2について、主として図9乃至図13を参照して説明する。図9は、外枠2の正面斜視図であり、図10は、同外枠2の正面から見た分解斜視図であり、図11は、同外枠2の正面図であり、図12は、同外枠2の背面図であり、図13は、図11のB−B断面図(A)と図13(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)である。
図9及び図10において、本実施形態に係る外枠2は、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とを、それぞれの端部を連結するための連結部材19で連結することによって方形状に組み付けられるものである。具体的には、連結部材19は、中央と左右とに段差のある表彰台状に形成され、突出した中央の部分が上枠板10及び下枠板11の両端部中央に形成された係合切欠部20に嵌合され、一段下がった左右の部分の平面に上枠板10の裏面と下枠板11の上面とが当接し且つ一段下がった左右の部分の一側面に側枠板12,13の内側面が当接するようになっている。
なお、本実施形態における上枠板10及び下枠板11は、本発明の横枠に相当し、また、本例の左右の側枠板12,13は、本発明の縦枠に相当している。
そして、その状態で、上枠板10の係合切欠部20の両側方及び下枠板11の係合切欠部20の両側方にそれぞれ形成される挿通穴21と連結部材19の一段下がった左右の部分の平面に形成される複数(図示の場合2個)の連結穴22(図10の上枠板10と側枠板12とを連結する連結部材19に表示するが、他の連結部材19にも存在する)とを一致させて上方又は下方から複数(図示の場合2本)の連結ビス23で止着し、更に、側枠板12,13の上下端部分に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴24と連結部材19の一段下がった左右の部分の側面に形成される複数(図示の場合3個)の連結穴25とを一致させて側方外側から複数(図示の場合3本)の連結ビス26,27で止着することにより、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とが強固に連結固定される。ただし、3本の連結ビス26,27のうち、1本の連結ビス27は、側枠板12,13と連結部材19とを連結するものではなく、上枠板10及び下枠板11と連結部材19とを側方から直接連結するものである。
外枠2を構成する上枠板10と下枠板11、及び側枠板12,13のうち、上枠板10と下枠板11とは従来と同じ木製であり、側枠板12,13は、軽量金属、例えば、アルミニュウム合金の押出し成型板により構成されている。上枠板10及び下枠板11を従来と同じ木製で構成した理由は、パチンコ機1を遊技場に列設される島に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くするためである。一方、側枠板12,13をアルミニュウム合金の押出し成型板により構成した理由は、従来の木製に比べ強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することができるため、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の側面壁540〜543(図23参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができる。このため左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができることになり、結果的に遊技盤4の遊技領域605を大きく形成することができるからである。ただし、側枠板12,13をアルミニュウム合金の平板で構成すると、充分な剛性が確保できないため、図13(C)に示すように、側枠板12(側枠板13も全く同じ構造である。)の後方部分内側にリブによって後方が開放した空間部28(側枠板13の空間部28は図12に表示)を形成して後方部分の肉厚h1が厚くなるように引き抜き成型されている。もちろん、この肉厚h1は、従来の木製の肉厚と同等若しくは若干薄い寸法となっている。
また、図13(B),(D)に示すように、側枠板12の空間部28の前方には、連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる溝部29(側枠板13の溝部29は図9に表示)が形成されている。側枠板12の溝部29から前端部までは、図13(B)〜(D)に示すように、その内側面が連結部材19の一段下がった左右の部分の他方の部分が当接する平板状をなすものであるが、その平板部に材料軽減のための浅い凹部が形成されている。更に、前記溝部29が形成される反対側の面(外側面)には、図9及び図13(B)に示すように、上支持金具45の垂下片部53が挿入される凹部30(側枠板13の凹部30は図10に表示)が形成されている。
そして、上記のように形成される軸支側の側枠板12には、連結部材19を取り付けるための構成以外に、その上部に上支持金具45の垂下片部53を側枠板12の外側に止着ビス32で止着するための取付穴31が穿設されると共に、その下部に下支持金具66の垂直当接片72に形成される取付穴69と一致させて止着ビス34で止着するための取付穴33が穿設されている。また、取付穴33の下部であって側枠板12の前方部分に側枠板12と下部前面板14とを止着ビス36で止着するための取付穴35が形成されている。
一方、開放側の側枠部13には、連結部材19を取り付けるための構成以外に、その上部に閉鎖用突起38を取付ネジ39で取り付けるための取付穴37が穿設され、その下部に閉鎖用突起41を取付ネジ42で取り付けるための取付穴40が穿設されると共に、さらに最下方に側枠板13と下部前面板14とを止着ビス44で止着するための取付穴43が形成されている。
なお、この閉鎖用突起38,41は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取り付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図67参照)と係合するものであり、後に詳述するように錠装置1000のシリンダー錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖用突起38,41との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
また、下枠板11と左右の側枠板12,13の下部前面に固定される下部前面板14は、閉止時においてその上面に本体枠3が載置されるものであり、下部前面板14の表面及び側面は、装飾カバー板15によって被覆されているが、装飾カバー板15の裏面に、その後端に弾性爪が形成される止着突起16(図12参照)が突設され、その止着突起16が下部前面板14に貫通される止着穴17に貫通させられることにより下部前面板14に取り付けられている。なお、外枠2の装飾カバー板15の開放側の上面には、本体枠3の閉止時に該本体枠3をスムーズに案内するための案内板18が交換可能に装着されている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支する構造として、上枠板10と側枠板12とを連結する機能も兼用する上支持金具45と下部前面板14の一側上面に沿って取り付けられる下支持金具66とが設けられている。上支持金具45には、前方に突出している支持突出片46に該支持突出片46の側方から先端中央部に向かって屈曲して形成された支持鉤穴47が形成されており、この支持鉤穴47に本体枠3の後述する上軸支金具503の軸支ピン504(図25参照)が着脱自在に係合されるようになっている。
また、下支持金具66も前方に突出した形状に形成されているが、この突出した部分に上向きに支持突起68が突設され、この支持突起68に本体枠3の後述する枠支持板506(図26参照)に形成される支持穴が挿入される。したがって、外枠2に本体枠3を支持するためには、下支持金具66の支持突起68に本体枠3の枠支持板506に形成される支持穴を係合させた後、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504を支持鉤穴47に掛け止めることにより簡単に開閉自在に軸支することができる。
また、上支持金具45は、上枠板10の軸支側の上面及び前面に凹状に形成される取付段部49に装着されるものであるが、その装着に際し、上支持金具45に形成される複数(図示の場合2個)の取付穴48と取付段部49に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴50とを一致させて取付ビス51を上方から差し込み、上枠板10の裏面から押し当てられる挟持板52に止着することにより上支持金具45が上枠板10に堅固に固定される。
また、上支持金具45の外側側方には、側枠板12の外側に当接する垂下片部53があり、その垂下片部53にも取付穴が穿設され、この取付穴と前記取付穴31とを止着ビス32で止着することにより、上支持金具45と側枠板12とを固定すると共に、上枠板10と側枠板12とを上支持金具45を介して連結している。
一方、下支持金具66は、前述したように側枠板12の取付穴33と垂直当接片72の取付穴69とを一致させた状態で止着ビス34で止着し、さらに、下支持金具66の水平面の中程に穿設される取付穴70に取付ネジ71を差し込むことにより、前記装飾カバー板15を介して前記下部前面板14の上面に止着されるものである。
上記のように構成される外枠2において、その構成部材である上枠板10と下枠板11と側枠板12,13とを連結部材19で連結することにより、連結部材19が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材19と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、その組み付け強度が高く頑丈な方形状の枠組みとすることができる。上記した連結部材19と上枠板10及び下枠板11との係合状態に加え、連結部材19の側枠板12,13への取り付けに際し、溝部29に連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる構造であるため、連結部材19の側枠板12,13への取り付けが強固となり、これによっても方形状の枠組みの強度を向上することができると共にその位置決めを正確に行うことができる。
また、連結部材19によって上枠板10、下枠板11、側枠板12,13を連結した後、上支持金具45を所定の位置に取り付けたときに、図11及び図12に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材は存在しないので、パチンコ機1を図示しないパチンコ島台に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸器)と密着して取り付けることができる。また、下支持金具66を取り付けたときにも、下部前面板14の上面と下支持金具66の上面とがほぼ同一平面となるようになっている。
〔扉枠〕
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図14乃至図19を参照して説明する。図14は、扉枠5の正面図であり、図15は、扉枠5の背面図であり、図16は、図14に表示されるA−A断面図であり、図17は、図14に表示されるB−B断面図であり、図18は、扉枠5の正面から見た分解斜視図であり、図19は、扉枠5の背面から見た分解斜視図である。
図14、図15、図18及び図19に示すように、扉枠5は、方形状に形成される扉枠本体100の上部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、該遊技窓101の前面周囲に扉レンズユニット120が取り付けられ、また、遊技窓101の下方の板状部の前面に扉枠本体100に皿ユニット300が設けられ、その皿ユニット300の一側(開放側)にハンドル装置460の操作ハンドル部461が突設固定されている。また、扉枠本体100の裏面には、遊技窓101の周囲に補強板金210が固定され、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット250が取り付けられると共に、前記遊技窓101の下方の板状部の裏面に、前記操作ハンドル部461に対応するジョイントユニット480、装着台280、及び枠装飾中継基板290がそれぞれ取り付けられている。なお、ガラスユニット250の裏面下部には、防犯機能を有する防犯カバー270も装着されている。以下、扉板5を構成する上記の各構成部材のより詳細な構造について説明する。
<扉枠本体>
図18及び図19に示すように、扉枠本体100は、合成樹脂によって額縁状に形成され、前述したように上方部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、その遊技窓101の下方が板状部となっている。遊技窓101の上部左右には、後述するスピーカ163を貫通させる円形状のスピーカ用開口102が形成され、そのスピーカ用開口102の下方に後述するガラスユニット250の止め片254を係止するための止めレバー108(図15参照)が回動自在に設けられている。なお、本実施形態に係る遊技窓101は、従来に比べて上下方向及び左右方向の寸法が大きくなった遊技盤4が取り付けられるため、遊技窓101の上下方向及び左右方向の寸法も大きくなっている。このため、後述する扉枠レンズユニット120の形状が従来一般的に知られているものと大きく相違する。
一方、遊技窓101の下方の板状部には、軸支側上部に皿ユニット300の賞球連絡樋451が貫通する賞球通過口103が開設され、その斜め中央寄りに後述する側面開口蓋406を脱着するための蓋用開口105が開設され、その蓋用開口105の開放側の隣接する位置に球送りユニット287を装着するための球送り開口104が開設され、さらに球送り開口104のさらに開放側寄りにシリンダー錠1010が貫通するための錠穴106が開設されている。
また、球送り開口104の下方の板状部の裏面側にジョイントユニット480を取り付けるためのジョイントユニット装着凹部107が形成され、同じく下方の板状部の裏面側の遊技窓101の下部左右にガラスユニット250の掛止突片255を掛け止めるための係合受片(図示せず)が形成され、その係合受片の側方に防犯カバー270の後述する装着弾性片273が装着される装着開口部110が形成されている。また、板状部の前面中央には、前方に向って後述する皿ユニット300の案内穴456(図16参照)に挿入される係合突起111が形成されている。更に、扉枠本体100の下辺は、後方に突出した扉枠突片112となっており、後述するように、この扉枠突片112と本体枠3に形成される係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
<扉レンズユニット>
次に、上記した扉枠本体100の前面側の上部に取り付けられる扉レンズユニット120の構成について説明する。扉レンズユニット120は、前面側を反射面とするリフレクタと、リフレクタの前面及び内側に取り付けられる冷陰極管及びLED基板と、リフレクタの前方を覆う光透過性のあるレンズカバー150と、レンズカバー150に取り付けられるスピーカ163と、レンズカバー150のベースとなるレンズベース体121と、から構成されている。
レンズカバー150は、レンズベース体121における上レンズカバー部151と、側方レンズカバー部156,157とが透過性の樹脂によって形成されている。そして、前述したように扉枠本体100に形成される遊技窓101の開口寸法が従来よりも大きく形成されているため、扉枠本体100の外周辺と遊技窓101の内周辺との間の寸法、換言するならば、レンズカバー150が取り付けられるための寸法(特に、左右両側部の寸法)が狭くなっているため、本実施形態におけるレンズカバー150は、上レンズカバー部151と側方レンズカバー部156,157のすべての最大前方突出部において、その基部寸法(扉枠本体100に当接する部分の幅寸法)に対して前方に向って突出する突出寸法が大きくなるような断面楔形状となっている。より詳細に説明すると、上レンズカバー部151及び側方レンズカバー部156,157は、共に白色レンズ部として断面楔状の前方膨出部が合成樹脂で成形され、その白色レンズ部の下部後端の遊技窓101を縁取る内側に着色の異なる合成樹脂で成形された赤色レンズ部を連結して構成されるものである。
ところで、上レンズカバー部151は、内部が空洞で後方が開放した断面楔状に形成されると共に平面視においてブーメラン形状に構成されるものであり、前述した「く」字状に形成される上冷陰極管とその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。そして、上レンズカバー部151の楔状先端部外側には、銀色に着色された不透明な先頭モール部材154が固着されており、上レンズカバー部151のほぼ全体に相当する断面楔状の前方膨出面を上冷陰極管で照明している。また、側方レンズカバー部156,157は、内部が空洞で後方が開放して断面楔状に形成される点で上レンズカバー部151と同様であるが、側方視において楔状の突出量が上レンズカバー部151に比べて少なく、また全体としてなだらかな曲線を有するブーメラン形状に構成されるものであり、前述した直線状に形成される側方冷陰極管とその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。
また、本実施形態において、扉枠5の前面周囲を装飾する照明手段として冷陰極管を使用している理由は、以下の通りである。扉枠5の前面周囲を装飾する際に、発光源とその発光源の前面に配置されるレンズカバーの距離をあまり大きく取ることができないという制約がある。この制約は、扉枠5は常に開閉されるため、あまり突出量を大きくすると、開放時における作業等に支障を来たすおそれがあるからである。しかして、発光源とレンズカバーとの間の距離があまりとれない状況において、従来のように、発光源として、ランプやLEDを点在させた場合に、レンズカバーを通して視認できる光装飾は、連続した状態の光装飾が視認できるものではなく光が強い部分と弱い部分との斑模様に視認できるに過ぎない。これに対し、本実施形態のように、発光源として連続した冷陰極管を使用した場合に、冷陰極管とレンズカバー150との距離が短くても、レンズカバー150を通して視認できる光装飾は、連続した状態の美しい光装飾が視認できるものである。このため、正に遊技盤4を囲む領域が連続した美しい光装飾により縁取られた状態となるので、従来のパチンコ遊技機にはない装飾効果を奏することができる。なお、発光源とレンズカバーとの距離をある程度とることができる場合には、LED等の点在する発光源を使用しても光が拡散してレンズカバーの全域をあまり強弱がなく照明することができる。
更に、レンズカバー150の側方レンズカバー部156,157の下方に装飾部材取付領域184が形成され、その装飾部材取付領域184に装飾部材185が取り付けられている。この装飾部材185は、上記したスピーカカバー165と類似した形状にして、レンズカバー150を扉枠本体100の表面に取り付けたときに、レンズカバー150の上部左右と下部左右とがバランスのとれた印象を与えるために取り付けられるものである。なお、上記したスピーカカバー165及び装飾部材185は、上記したように単にスピーカ163の前方を覆ったり、あるいはレンズカバー150の下部を装飾したりするだけではなく、その周囲がLEDで光装飾される構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係るスピーカカバー165及び装飾部材185は、扉枠5の遊技窓101を囲む領域において、前述した冷陰極管及びLED基板による光装飾とは別に四隅を重点的に光装飾するように構成されているので、遊技窓101の下辺を除く全周が漫然と光によって装飾されるのではなく、強弱のある光装飾とすることができる。特に、扉枠5の左右上部における光装飾は、従来、スピーカだけが配置される傾向が強く、そのスピーカ周りの光装飾が行われないため遊技窓101の外周周りの光装飾に斑がある印象を与えていたが、本実施形態のように構成することにより、遊技窓101の下辺を除く全周を効果的に光装飾を行うことができるものである。
<補強板金>
扉枠本体100の前面側には、上記した扉レンズユニット120が取り付けられると共にその下方に皿ユニット300が取り付けられる。ここで、皿ユニット300の構造を説明する前に、扉枠本体100の裏面側に取り付けられる補強板金210、ガラスユニット250、防犯カバー270、装着台280、枠装飾中継基板290、ハンドル装置460について順次説明する。まず、補強板金210について主として図18、図19、及び図15乃至図17を参照して説明する。
補強板金210は、図18及び図19に示すように、扉枠本体100の上辺部裏面に沿って取り付けられる上側補強板金211と、扉枠本体100の軸支側辺部裏面に沿って取り付けられる軸支側補強板金212と、扉枠本体100の開放側辺部裏面に沿って取り付けられる開放側補強板金213と、扉枠本体100の遊技窓101の下辺裏面に沿って取り付けられる下側補強板金214と、が相互にビス等で締着されて方形状に構成されるものである。
図18に示すように、軸支側補強板金212の上下端部には、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン219を有する上軸支部218と、その下面に軸ピン221(図15参照)を有する下軸支部220と、が一体的に形成されている。そして、上下の軸ピン219,221が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具503及び下軸支金具509に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に設けられるものである。
下側補強板金214は、所定幅を有して扉枠本体100の横幅寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁が後方に向って折曲した下折曲突片229となっており、上方長辺端縁の両側部が後方に向って折曲した上折曲突片230となっているものの、その両側部の上折曲突片230に挟まれる部分が垂直方向に延設される垂直折曲突片231となっている。下折曲突片229の突出量はあまり大きくなく、この下折曲突片229が溝部や凹部と係合して凹凸係合をなすものではなく、強度を高めるために形成されているのに対し、両側部の上折曲突片230の突出量は下折曲突片229の突出量よりもやや大きく下方からの不正具の侵入を多少防止するが、むしろ、本実施形態における下側補強板金214の構成で最も特徴的な構成は、垂直折曲突片231である。
この垂直折曲突片231は、その上端縁形状が後述するガラスユニット250のユニット枠251の下端形状に合致するように凹状に形成され、ガラスユニット250を扉枠5の裏面側に固定したときに、垂直折曲突片231の上端片がガラスユニット250のユニット枠251の幅方向のほぼ中央の外周に沿って形成される係合溝261に係合するようになっている(図17参照)。なお、下側補強板金214には、扉枠本体100に形成される賞球通過口103の底面を除く外周を保護する賞球通過口被覆部228が形成されている。
<ガラスユニット(透明板ユニット)>
次に、扉枠5の裏面に取り付けられる透明板ユニットとしてのガラスユニット250について説明する。ガラスユニット250は、図18及び図19に示すように、遊技窓101よりも大きな開口を有する合成樹脂で成型した環状の縦長八角形状のユニット枠251と、ユニット枠251の開口の外周前後面に2枚の透明板としてのガラス板262(ガラス板でなくても透明な合成樹脂板でもよい。)を(ホットメルト系接着剤で)接着することにより構成されるものである。なお、図示は省略するが、ユニット枠251には、内部に乾燥剤を封入する乾燥剤封入空間部が形成されている。
<防犯カバー>
次に、上記したガラスユニット250の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与された防犯カバー270について、主として図15、図17、図18、及び図19を参照して説明する。防犯カバー270は、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金212,213の間のガラスユニット250の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部が遊技盤4の内レール603の下方円弧面に沿った円弧状の当接凹部271として形成されていると共に、その当接凹部271に沿って後方に向って防犯後突片274が突設されている。また、防犯カバー270を取り付けた状態で軸支側裏面には、防犯後端部突片275が斜め状に突設形成されている。一方、防犯カバー270の前面には、防犯カバー270を取り付けた状態で前記ガラスユニット250のユニット枠251の下方形状に沿った防犯前突片272が突設されると共に、下部両端にU字状に形成される装着弾性片273が前方に向けて突設形成されている。
上記のように構成される防犯カバー270は、装着弾性片273を扉枠本体100に形成される装着開口部110に装着することにより、扉枠5の裏面側に着脱自在に取り付けられる。そして、取り付けた状態では、図17に示すように、防犯前突片272がガラスユニット250のユニット枠251の後方下片面と対面するようになっている。また、防犯前突片272の前端は、垂直折曲突片231と当接している。また、防犯後突片274及び防犯後端部突片275は、後方へ突出した状態となっているが、扉枠5を閉じたときに、防犯後突片274の軸支側の半分は、遊技盤4に固定される内レール603の下側面に侵入して対面した状態となるが、防犯後突片274の開放側の半分は、遊技領域区画枠部材601の内レール603に形成されたレール防犯溝607に挿入された状態となり、また、防犯後端部突片275は、本体枠3の軸支側に形成される前記防犯突起608の上面に沿って重合状の位置となる(図30参照)。
しかして、防犯カバー270を取り付けて扉枠5を閉じた状態においては、前述した扉枠突片112と係合溝584,585とによる防犯構造、及び後述する防犯突片285と防犯空間586とによる防犯構造に加えて、ガラスユニット250の下方から不正具を侵入させようとしても、防犯前突片272とユニット枠251との重合により、防犯カバー270の前面下方方向からの不正具の侵入が防止され、防犯後突片274と遊技領域区画枠部材601を構成する内レール603との重合により、防犯カバー270の後面下方方向からの不正具の侵入が防止される。特に、扉枠5の軸支側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、防犯突起608と防犯後端部突片275との重合構造によって外レール602への不正具の侵入が阻止され、さらに内レール603と防犯後突片274との重合構造によって遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。同様に、扉枠5の開放側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、前述した開放側補強板金213の二重の折曲突片223,225による防犯構造に加えて、レール防犯溝607と防犯後突片274との凹凸係合によりさらに遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。なお、防犯カバー270の裏面側の防犯後突片274と防犯後端部突片275との間の垂直面は、扉枠5を閉じた状態で外レール602と内レール603とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うものであるため、当該誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板262への衝突を防止する機能も有している。
<装着台>
装着台280は、図15、図18、及び図19に示すように、扉枠本体100の板部裏面の上半分を覆うように取り付けられるものであり、防犯カバー270と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されるものである。この装着台280は、発射レール515から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台280の後面と本体枠3の板部511とによって発射レール515を挟持するように形成されるものであり、このため、装着台280の後面に球飛送誘導面286が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台280には、その軸支側上部に下側補強板金214に形成される賞球通過口被覆部228の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口281が形成され、その開放側下部に球送りユニット287を取り付ける球送りユニット取付凹部282が形成されている。この球送りユニット取付凹部282から斜め方向の領域が球飛送誘導面286となっている。また、球送りユニット取付凹部282に取り付けられる球送りユニット287は、後述する打球発射装置650の打球槌687の往復動差に対応して揺動する球送り部材が設けられ、この球送り部材の揺動動作によって皿ユニット300の誘導通路部の流下端にある球を発射レール515の発射位置に1個ずつ供給するものである。また、装着台280の中程下部に後述する側面開口蓋406を取り外す際に指を入れることができる蓋用開口283が形成されている。更に、装着台280の上辺の一部に垂直に立設される立壁284が形成されている。この立壁284は、図15に示すように、前記防犯カバー270を取り付けたときに、該防犯カバー270の前面と当接して防犯カバー270の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。
更に、本実施形態に係る装着台280の特徴は、上述した球飛送誘導面286の下方から賞球通過口用開口281にかけて斜め状に防犯突片285が後方に向って突設される構造である。この防犯突片285は、前述したように、本体枠3の板部511に形成される防犯空間586との間で、扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
<枠装飾中継基板>
上記した装着台280の下部の軸支側には、図15及び図18に示すように、枠装飾中継基板290が取り付けられ、その枠装飾中継基板290の後面を覆う中継基板カバー291が取り付けられている。この枠装飾中継基板290は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(冷陰極管、LED基板、スピーカ163、操作ハンドル部461内に設けられるスイッチ、貸球ユニット327、操作ボタンユニット329等)からの配線が集約して接続され、その枠装飾中継基板290からの配線が本体枠3の裏面に取り付けられる基板ユニット1100に組み込まれる扉中継基板1102等を介しての賞球払出制御基板や遊技盤4に取り付けられる主制御基板ボックス624の主制御基板1700(図112参照)に接続されている。
<皿ユニット>
次に、主として図14、図18及び図19を参照して皿ユニット300の構成について説明する。皿ユニット300は、大きく分けて外観を構成するユニット枠301と、ユニット枠301の内部に取り付けられる下部スピーカユニット340と、下部スピーカユニット340の上部に配置され且つ前記ユニット枠301の上面に臨むように設けられる皿体380と、皿体380に設けられる第二球抜弁の球抜き動作をするための第二球抜きリンクユニット(図示せず)と、ユニット枠301の後面を閉塞する皿蓋板450と、から構成されている。
ユニット枠301には、貸球ユニット327が備えられている。この貸球ユニット327は、パチンコ機1に隣接して球貸し機が設けられている場合に、貸出指令を導出するスイッチや貸出残表示器等が設けられるものである。また、ユニット枠301には、上面の前方中央に操作ボタンユニット329が備えられている。なお、操作ボタンユニット329は、複数(図示の場合は3個)の操作ボタンを有して構成されているが、この複数の操作ボタン330は、遊技盤4に設けられる液晶表示装置640等で行われる遊技内容に遊技者が参加する際に操作されるものである。
更に、皿ユニット300には、ユニット枠301の上面右側に、第一球抜ボタン316が配置されていると共に、ユニット枠301の中央下部に、第二球抜リンクユニットの一部を構成する第二球抜ボタン421が配置されている。なお、本実施形態において、第一球抜ボタン316と第二球抜ボタン421の2つの球抜ボタン316,421を設けたのは、第一球抜ボタン316の操作によって、皿体380の貯留部381及び誘導通路部に貯留されているすべての球を球抜きすることができるものの、その球抜動作は、誘導通路部382で一列状に整列された球を球抜するために多少時間がかかるのに対し、第二球抜ボタン421の操作によって、皿体380の貯留部381から上流側の球を径の大きな第二球抜開口から素早く球抜することができるため、球抜時間を短くすることができる。このため、遊技者が球抜きにかける時間の長短を選択することができるものである。
また、遊技中に大当りとなった場合に皿ユニット300に大量の球が払出されることになり、これを放置して遊技を継続すると皿ユニット300の上流側に設けられる満タンスイッチ916(図57参照)が機能して払出動作が停止されたり弾発動作が停止されて大当り中であるにもかかわらず遊技が継続できなくなるおそれがあり、このような場合に、第二球抜ボタン421の操作を行うことにより、皿ユニット300に貯留されつつある球を球抜すると同時に発射位置への球の供給を維持して大当り中の遊技を継続することができるようになっている。
<ハンドル装置>
次に、扉枠5の開放側下部に取り付けられるハンドル装置460について、主に図18、図19、及び図20を参照して説明する。図20は、ハンドル装置460と本体枠3に設けられる打球発射装置650との関係を示す斜視図である。ハンドル装置460は、扉枠5の開放側下部前面に設けられる操作ハンドル部461と、操作ハンドル部461に対応する扉枠5の裏面に組み付けられて操作ハンドル部461の回動操作に応じて回転する回転軸465と連携され且つ回転軸465の回転運動をスライド運動に変化させるジョイントユニット480と、から構成されている。
このハンドル装置460には、図示は省略するが、操作ハンドル部461を回転操作するとONとなるマイクロスイッチと、マイクロスイッチがONとなっている状態で押圧操作するとマイクロスイッチがOFF状態となる単発ボタンと、操作ハンドル部461の外周表面に施された導電性のメッキを介して遊技者の操作ハンドル部461への接触を検知するタッチセンサとを備えている。そして、遊技者が操作ハンドル部461を回動してマイクロスイッチがONとなり且つタッチセンサが接触を検出しているときに打球発射装置650の後述する発射モータ695(図37参照)が回転駆動されるようになっている。また、回転軸465の先端には、勾玉状に形成されたカムが固定されており、このカムが回転することで、ジョイントユニット480のスライド突片492が左右方向に移動するようになっている。
このジョイントユニット480のスライド突片492のスライド移動が、図20に示すように、打球発射装置650のスライド部材710に伝達されて打球発射装置650の付勢バネ684(図37参照)の張力を調節し、もって打球槌687の付勢力の強弱を調整して遊技者の望む打球の弾発力を得ることができる。なお、ハンドル装置460と打球発射装置650との関係については、打球発射装置650についての説明の後で詳細に説明する。
〔本体枠〕
次に、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置650と、賞球を払い出すための賞球タンク720とタンクレール部材740と球通路ユニット770と賞球ユニット800(本発明の払出ユニットに相当)と満タンユニット900と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置1000と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100と、後面開口580を覆うカバー体1250と、等の各種の部品が本体枠主体500に装着されることにより構成される本体枠3について、図面を参照して説明する。
まず、図21〜図29を参照して、上記した各種の部品が装着される本体枠主体500及び各種の部品が装着された本体枠3について説明する。図21は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の正面図であり、図22は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の背面図であり、図23は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の側面図であり、図24は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の背面から見た斜視図であり、図25は、部品を取り付けた本体枠3の前方から見た斜視図であり、図26は、部品を取り付けた本体枠3を外枠2に軸支した状態を前方から見た斜視図であり、図27は、部品を取り付けた本体枠3の背面図であり、図28は、部品を取り付けた本体枠3の背面から見た斜視図であり、図29は、パチンコ機1の中程(主制御基板ボックス624部分)の水平線で切断したパチンコ遊技機の断面平面図である。
図21において、本体枠主体500の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具503及び下軸支金具509(共に図25参照)を取り付けるための軸支金具取付段部501,502が形成され、この軸支金具取付段部501,502に上軸支金具503及び下軸支金具509を取り付けた状態では、本体枠主体500の上辺及び側辺が上軸支金具503の上辺及び側辺とほぼ同一平面状となり、本体枠主体500の下辺及び側辺が下軸支金具509の下辺及び側辺とほぼ同一平面状となっている(図27参照)。ここで、上軸支金具503と下軸支金具509について図25と図27を参照して説明する。上軸支金具503は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその上端辺が前方に突出し、その前方に突出した上面に軸支ピン504が立設固定され、その軸支ピン504の側方に扉軸支穴505が穿設されている。一方、下軸支金具509は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその下端辺及びやや上部に2つの支持板506,507が一体的に突設されている。下方に位置する支持板506は、本体枠3を外枠2の下支持金具66に支持するための枠支持板506を構成するものであり、上方に位置する支持板507は、扉枠5の下軸支部220を本体枠3に支持するための扉支持板507を構成するものである。このため、枠支持板506に外枠2の下支持金具66の支持突起68を挿入するための軸支穴(図示しない)が形成され、扉支持板507に扉枠5の下軸支部220に突設される軸ピン221を挿入するための軸支穴508が穿設されている。
ところで、本体枠主体500は、正面から見た場合に、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部510(図25参照)となっており、その遊技盤設置凹部510の下方のやや奥まった領域が板部511となっている。また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部及び前面開放側辺部は、扉枠5の裏面と対面するように所定幅を有して形成されており、前面上辺部には、横方向に平行状に突設される突起によって上部防犯二重溝581が形成され、正面から見て右側の前面開放側辺部には、外側に側部防犯溝582が形成されると共に内側に後端が第一側面壁540に接続される傾斜面となっている内壁によって形成される防犯凹部583が形成され、正面から見て左側の前面軸支側辺部は、前面上辺部や前面開放側辺部と異なり扉枠5の裏面と対面する所定幅を有するように形成されていないが、本体枠主体500の前面軸支側辺部が前面上辺部や前面開放側面部に比べて前方への突出量が多い軸支辺部587となっている。
より詳細に説明すると、前面上辺部に形成される上部防犯二重溝581は、扉枠5の上辺部裏面に取付固定される上側補強板金211の両長辺端を後方に向って折曲される折曲突片215,216がそれぞれ挿入されるようになっているものである。また、前面開放側辺部に形成される側部防犯溝582及び防犯凹部583は、扉枠5の開放部裏面に取付固定される開放側補強板金213の両長辺端を後方に向って折曲される開放側外折曲突片223及び開放側内折曲突片225がそれぞれ挿入されるようになっているものである。更に、前面軸支側辺部の軸支辺部587には、扉枠5の軸支側裏面に取付固定される軸支側補強板金212の軸支側L字状折曲突片217の先端部が当接するようになっている。そして、上記した構造によって扉枠5と本体枠3との当接面の隙間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を防止することができ、特に、最も不正行為が行われやすい開放側辺部や次いで不正行為が行われやすい上辺部における不正行為の防止をはかることができる構造となっている。もちろん、軸支側における軸支側補強板金212と軸支側L字状折曲突片217との当接による不正行為の防止も充分に機能するが、多くの場合、軸支側は、頑丈な支持金具45,66と軸支金具503,509とで本体枠3と扉枠5とが連結されているため、上辺部及び開放側辺部に比べて本体枠3と扉枠5との間に隙間が作り難い。このため、本実施形態においては、二重の防犯構造ではなく、一重の防犯構造としている。これらの点については、後に詳述する。
また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部、前面開放側辺部、及び前面軸支側辺部には、上記した構成以外に前面開放側辺部の上部、中間部、下部に本体枠3の開放側裏面に取り付けられる後述する錠装置1000に設けられる扉用フック部1041(図67参照)を貫通させて前方に飛び出させるための扉用フック穴549が開設されており、また、前面軸支側辺部の内側面に遊技盤4に形成される位置決め凹部611と係合するための盤位置決め突起576が設けられている。更に、前面軸支側辺部の盤位置決め突起576のやや下方位置の内側前方面に、扉枠5を閉じた状態で軸支側補強板金212の軸支側L字状折曲突片217の先端が挿入される上下2つの規制突起577が突設されている。この規制突起577の作用については前述した通りである。また、図21に示すように、開放側の平面部分と遊技盤設置凹部510との境目の上下に遊技盤4に設けられる遊技盤止め具614の端部が係合される盤止め具挿入穴578が形成されている。
次に、板部511の構成について図21乃至図26を参照して説明する。板部511の上面は、遊技盤4を載置するための遊技盤載置部512となっており、その遊技盤載置部512のほぼ中央に、当該載置部512に遊技盤4を載置したときに遊技盤4に形成されるアウト口606(図30参照)の下面を支持する通路支持突起513が突設されている。また、図21に示すように、板部511の前面の中央部から開放側の端部に向かってレール取付ボス514が所定間隔を置いて突設され、このレール取付ボス514に発射レール515(図25参照)がビス止め固定されている。また、発射レール515の先端位置に対応する板部511の前面には、レール接続部材516が突設され、遊技盤設置凹部510に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の内レール603の下流端である接続通路部609(図30参照)と隣接するようになっている。また、レール接続部材516の側方位置(発射レール515と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具519(図25参照)の上端部を取り付けるための固定具取付ボス517が突設され、その斜め下方にストッパー518が突設されている。即ち、遊技盤固定具519は、固定具取付ボス517を中心にして回転自在に設けられ、前記遊技盤載置部512に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具519を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。また、遊技盤を取り外す場合には、遊技盤固定具519を反時計方向に回して取り外すことにより、簡単に行うことができる。この場合、遊技盤固定具519はストッパー518により反時計方向の余分な回転ができないようになっている。
また、板部511の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部520が形成されており、この発射装置取付部520に本体枠主体500の裏面から打球発射装置650が固定されている。この点については、後に詳述する。上記した発射装置取付部520の前面壁部分には、前述したジョイントユニット480のスライド突片492と連携されるスライド部材710(図41参照)が収納されるハンドル連結窓522が形成され、該ハンドル連結窓522の隣接する位置に打球槌687の軸受689(図37参照)の端面が臨む軸用穴523が開設されている。また、発射装置取付部520の上壁部分には、打球発射装置650の打球槌687が上方に突出するための槌貫通開口521が切欠形成され、その槌貫通開口521の斜め上方の板部511の前面に錠装置1000のシリンダー錠1010が貫通するシリンダー錠貫通穴526が開設されている。
一方、板部511の裏面には、図22に示すように、軸支側の上部から板部511の中央部分に向けて延設された後下方に向かう球抜排出通路524が形成されている。この球抜排出通路524は、後述する球抜接続通路880(図25参照)から排出される球をパチンコ機1の下方から島の内部に排出するためのものである。また、上述した発射装置取付部520の上方には、円柱状の案内突起525が後方に向かって突設され、この案内突起525に後述する基板ユニット1100の案内孔1212(図73参照)が差し込まれて基板ユニット1100の取付けを容易にしている。また、基板ユニット1100をビスで取り付けるための取付穴部527が板部511の左右上下に形成され、この取付穴部527に基板ユニット1100の取付片1122を対応させてビスで止着する。また、発射装置取付部520の凹状の内部には、打球発射装置650を取り付けるための発射装置取付ボス529が後方に向かって突設され、更に、開放側の最下端部には、図24に示すように、本体枠3を外枠2に対して閉じる際に、装飾カバー板15の上面に当接しながら本体枠3の閉止動作を案内するために先端が先細状で縦長形状の案内突片528が後方に向かって突設されている。
板部511には、以上説明した構成以外に、図24に示すように、軸支側の端部上面に前記球抜排出通路524の上流端の開口である球抜接続開口530が形成されている。この球抜接続開口530に球抜接続通路880の下流端が接続されるようになっている。また、球抜接続開口530に隣接する部分は、後に詳述する満タンユニット900(図25参照)を載置するための満タンユニット載置部531が板部511と直交するように水平状に形成され、その満タンユニット載置部531の前方部分に満タンユニット900の係合片924(図57参照)と係合するユニット係合溝532が形成されている。更に、図25に示すように、満タンユニット載置部531の前方の板部511の前面には、扉枠5の開放時に満タンユニット900の出口921から排出される賞球を堰き止める出口開閉装置579が設けられている。この出口開閉装置579については、詳細に説明しないが、扉枠5が閉じているときには、扉枠5の裏面に当接するレバーによって開閉板が下降した状態となっているが、扉板5が開放されるとレバーへの当接がなくなるため開閉板が上昇して出口921を閉塞するものである。このため、扉枠5の開放時においても満タンユニット900内に貯留された賞球が出口921から零れ落ちることがない。また、図25に示すように、板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている。この締結連杆534は、本体枠3からの遊技盤4の取り外しを防止するための機構である。
次に、遊技盤設置凹部510の構成について説明する。遊技盤設置凹部510は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される第一側面壁540と、該第一側面壁540から後方に周設される第二側面壁541と、該第二側面壁541から後方に周設される第三側面壁542と、該第三側面壁542から後方に周設される第四側面壁543、とにより、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。なお、第一側面壁540〜第四側面壁543は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が段差をもって後方に真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が第一側面壁540から第四側面壁543に向かうにしたがって内側に傾斜する段差状(図29参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の第一側面壁540から第四側面壁543までを後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、第四側面壁543の最後端部が外枠2の側枠板13の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の第一側壁面540から第四側面壁543までが内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。それと同時に開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取り付けられるが、その取付けを第一側面壁540の後端辺に設けられる錠取付穴547(図63参照)を利用して行うため、その錠取付穴547を形成するためにも開放側の第一側面壁540から第四側面壁543を傾斜段差状に形成したものである。更に、第一側面壁540〜第四側面壁543の段差の寸法も、第一側面壁540と第二側面壁541との段差は、後述する遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それ以外の段差は、極めて小さな段差となっている。もちろん、第二側面壁541〜第四側面壁543までは段差を形成することなく連続的に形成してもよい。
そして、上記した側面壁540〜543は、図23に示すように、それぞれ奥行き幅寸法d1,d2,d3,d4を有するように形成され、本実施形態の場合、d1+d2+d3+d4=約135mmとなっている。特に、第一側面壁540の幅寸法d1は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。つまり、第一側面壁540は、遊技盤4の厚さとほぼ同じ奥行寸法を有する前側面壁を構成し、第二側面壁541〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部裏面と当接する段差部を有して第一側面壁540から後方に向かってほぼ当該第一側面壁540と平行状に延設され且つ遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁を構成するものである。特に、本実施形態の場合には、図5に示すように、第二側面壁541〜第四側面壁543のすべての部位の後方への突出量が、本体枠3の裏面側上部に固定される賞球タンク720の球を貯留する貯留部728の後面壁722とほぼ同じ位置となるように形成されている。これにより、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、図22及び図24に示すように、第四側面壁543の後端辺からは背面から見てその左辺(開放側)、上辺及び右辺(軸支側)に、開放側後面壁544、上後面壁545及び後面壁としての軸支側後面壁546がそれぞれパチンコ機の正面と平行となるように内側に向かって突設されている。軸支側後面壁546は、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に球払出機構を構成する後述の球通路ユニット770と賞球ユニット800とが着脱自在に取り付けられるようになっている。したがって、軸支側後面壁546の内側への突出幅寸法は、球通路ユニット770と賞球ユニット800とを取り付ける幅があれば充分である。また、上後面壁545は、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に後述するタンクレール部材740が取り付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。したがって、上後面壁545の内側への突出幅は、傾斜状に取り付けられるタンクレール部材740の高さ幅寸法があれば充分である。更に、開放側後面壁544には、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に後述するカバー体1250を軸支するカバー体支持筒部575が形成されている。したがって、開放側後面壁544の内側への突出幅寸法は、カバー体支持筒部575を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、第四側面壁543の後端辺から内側に向かって突設される開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の内側は、後面開口580となっており、この後面開口580が後述するカバー体1250によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
なお、本実施形態における第一側面壁540は、本発明の前側面壁に相当し、本例の第二側面壁、第三側面壁、及び第四側面壁は、本発明の後側面壁に相当している。
次に、遊技盤設置凹部510の更に詳細な構成について説明すると、前述したように、開放側の平面部分には、錠装置1000の扉枠用フック部1041が貫通する扉用フック穴549が上中下の3箇所開設されているが、その上下の扉用フック穴549のさらに上中下に錠装置1000の後述する係止突起1004が係合される錠係止穴548(図22参照)が形成されている。また、開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取り付けられるが、その取付けをビスで行うための錠取付穴547(図22参照)が第一側面壁540の後端部の上部と中程に形成されている。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003と前記シリンダー錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させてビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取り付けられるようになっている。
また、図24に示すように、第一側面壁540の上辺前方の左右には、本体枠3を外枠2に対して閉止する際に、外枠2の上枠板10の内周面と当接する案内円弧突起552が突設され、第一側面壁540の後端辺中央に後述する賞球タンク720の切欠部729と連通する逃げ凹部551が形成され、第一側面壁540と第二側面壁541と接続する垂直面にタンク取付溝550が形成されている。そして、このタンク取付溝550に賞球タンク720の取付鍔部733を取り付けたときには、図28に示すように、賞球タンク720の切欠部729が逃げ凹部551と連通して賞球タンク720内に貯留された球の球圧が増加したときに圧抜きして球詰まりが発生しないように機能する。また、賞球タンク720を本体枠3に取り付けたときには、平面視で賞球タンク720の正面側から見て奥側の後面壁722と第四側面壁543の後端辺がほぼ一致(図5参照)するようになっている。なお、上記した案内円弧突起552は、本体枠3の上辺を外枠2の上枠板10の内周面と当接させることにより、本体枠3を持ち上げて本体枠3の下辺と装飾カバー板15との間に隙間を形成し、その隙間から不正器具を挿入するような不正行為を防止するためのものである。
また、前述した上後面壁545には、タンクレール部材740を取り付けるためのレール係止溝553が後面開口580の開口縁に沿って形成されており、また、第四側面壁543と上後面壁545の屈曲部にレール係止溝554が形成されている。そして、これらレール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750(図45参照)を係止させることにより、タンクレール部材740を本体枠3に取り付けることができる。また、タンクレール部材740を取り付けたときの下流側に対応する上後面壁545の上部には、レール掛止弾性片555が形成され、レール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750を係止させて、タンクレール部材740を本体枠3に取り付けたときに、その係止状態が外れないようにレール掛止弾性片555がタンクレール部材740の下流側上端の上から当接するようになっている。タンクレール部材740を取り外すときには、レール掛止弾性片555を後方へ押圧しておいてからレール係止溝553,554と係止突片749,750との係止状態を解除すべくタンクレール部材740を上方に持ち上げればよい。また、レール掛止弾性片555の側方に逃げ穴556が穿設され、レール掛止弾性片555の下方にアース線接続具557形成されている。逃げ穴556は、タンクレール部材740に設けられる整列歯車747の軸ピン748の端部を逃がすために穿設されるものであり、また、アース接続具207は、タンクレール部材740の内部に貼着される金属製の導電板(図示しない)に接触していると共に、電源基板に設けられるアース用コネクタに接続される配線が接続されるものである。
また、軸支側後面壁546には、図22及び図24に示すように、軸支側後面壁546の左右両端に垂直状の立壁560を立設し、その立壁560の間に球通路ユニット770と賞球ユニット800とが取り付けられる。また、左右の立壁560の間の最上流部から中流部よりやや上方まで賞球案内突起561が屈曲状に突設されている。この賞球案内突起561は、軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように後方に向かって突設され、後述する球通路ユニット770を取り付けたときに、該球通路ユニット770の球落下通路772(図50参照)に対応するもので、賞球を一列状に誘導するものである。また、賞球案内突起561の左右には、球通路ユニット770をビスで止着するための通路ユニット取付ボス562、及び位置決めするための位置決めピン574が突設されると共に、後述する球切れスイッチ778(図50参照)に対面するスイッチ対応突起563が突設されている。通路ユニット取付ボス562及び位置決めピン574については、後に詳述する。
更に、左右の立壁560の中流部から下流部にかけて賞球ユニット800の係合部としての鉤状係合部824(図52参照)と係合する係止部としての係合突片565と、賞球ユニット800のボタン挿通係合穴821(図52参照)と係合するロック用弾性爪564と、が形成されると共に、賞球ユニット800のスプロケット807の回転軸808(図52参照)の端部が受け入れられる逃げ穴566が形成されている。また、軸支側後面壁546の下方には、払出モータ用逃げ開口部572が形成されており、この払出モータ用逃げ開口部572に賞球ユニット800の駆動モータとしての払出モータ815が臨むようになっている(図25参照)。そして、賞球ユニット800は、軸支側後面壁546の裏面最下端に形成される係止溝573のその下端を係止して前記係合突片565及びロック用弾性爪564によって軸支側後面壁546に着脱自在に取り付けられるようになっている。この着脱自在の構成については、後に詳述する。
また、軸支側後面壁546の開放側の端部には、そのカバー体1250の開放側の端辺が入り込むカバー体当接溝567が形成されていると共に、該カバー体当接溝567の下方に施錠壁569が突設されている。カバー体当接溝567には、カバー体1250の止め穴1253(図28参照)に対応する止め穴568が形成されており、これら止め穴1253,568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができるようになっている。また、施錠壁569には、平面視U字状の施錠用突出鉤片570が突設され、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570をカバー体1250に形成される貫通穴1254(図28参照)を貫通させ、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
以上、遊技盤設置凹部510及び板部511とからなる本体枠主体500の構成について説明してきたが、上記に説明した以外に、板部511の最下端辺部に、扉枠5を閉じたときに、扉枠本体100の下辺を後方に向けて折曲した扉枠突片112,113(図19参照)が挿入される係合溝584,585(図21参照)が形成されている。係合溝584は、前述した発射装置取付部520の下方に形成される溝であり、係合溝585は、前記係合溝584の一端から軸支側に向って形成される溝である。なお、係合溝585に対応する扉枠突片112は、係合溝584に対応する扉枠突片113の突出量よりも大きくなるように後方に向って突設されている。ただし、開放端下部には、突出量の多い扉枠突片112が僅かに形成されている。そして、上記した扉枠突片112,113と係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
上記のように板部511には、発射レール515や出口開閉装置579が設けられ且つレール接続部材516や発射装置取付部520が突設形成されているが、発射装置取付部520及び発射レール515の板部511における配置位置が開放側に偏り、しかもそれらが板部511の表面よりも突出して形成されている。このため、扉枠5を閉じた状態において、発射装置取付部520及び発射レール515が配置される板部511のほぼ中央部から開放側にいたる領域は、扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面とが密着した状態となるため、前述した扉枠突片112と係合溝585との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具を扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面との間をさらに上手にすり抜けさせて遊技盤4の表面側若しくは遊技盤4の裏面側に到達させることは極めて困難である。
一方、発射装置取付部520及び発射レール515が配置されない板部511のほぼ中央部から軸支側にいたる領域は、板部511の表面に突出した部分がないため、扉枠5を閉じた状態において、扉枠5の裏面と板部511の前面との間に空間586が生じてしまう。このため、前述した扉枠突片112と係合溝584との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具が扉枠5の裏面と板部511の前面との間の空間586を簡単にすり抜けてしまうことができるため、この空間586を不正具が上方に向ってすり抜けないように、扉枠5の裏面下部に取り付けられる装着台280には、扉枠5を閉じた状態で該空間586に侵入する防犯突片285が形成されている。この防犯突片285は、板部511のほぼ中程から軸支側端部までいたるように装着台280に形成されている。したがって、発射レール515及び遊技盤4に取り付けられる外レール602の下方空間は、装着台280に突設される防犯突片285を受け入れる防犯空間586を構成している。そして、この防犯突片285と防犯空間586とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
本体枠3は、上記したように、遊技盤4、打球発射装置650、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、満タンユニット900、錠装置1000、基板ユニット1100及びカバー体1250が取り付けられるが、以下、これらを順次説明する。
<遊技盤の概略構成>
遊技盤4の概略構成について図30乃至図35を参照して説明する。図30は、遊技盤4の正面から見た斜視図であり、図31は、遊技盤4の正面図であり、図32は、遊技盤4の背面図であり、図33は、遊技盤4の平面図であり、図34は、遊技盤4に形成される取り外し防止機構部分の拡大斜視図であり、図35は、遊技盤4の取り外し防止機構に対する本体枠側の構造を示す本体枠3の部分斜視図である。
図30において、遊技盤4は、透明板状の遊技パネル599を保持したほぼ正方形状のパネルホルダ600と、パネルホルダ600の前面に遊技領域605を囲むように取り付けられる遊技領域区画枠部材601と、から構成されている。遊技パネル599の表面には、遊技領域605に各種の遊技装置や多数の障害釘(いずれも図示省略)が植立されている。そして、それらの遊技装置や障害釘が設けられた後に遊技領域区画枠部材601がパネルホルダ600の前面に取り付けられるが、その遊技領域区画枠部材601は、遊技パネル599の周囲を囲むように内部が円形の空洞状に形成され且つ外形がパネルホルダ600の外形に沿った形状に形成されており、その下辺中程から上辺の中心を過ぎた斜め上方までの円弧面が外レール602として形成され、その外レール602の終端に設けられる衝止部620の下部位置から上辺の前記衝止部620の対称の逆流防止部材604が設けられる位置までが内レール603として形成されている。外レール602は、その始端部に前記発射レール515の延長状に設けられたレール接続部材516に連接する接続通路部609が斜め状に形成されており、その接続通路部609に隣接してファール口610が形成されている。また、ファール口610の上流端から衝止部620までの外レール602には、金属製のレールが密着して取り付けられている。なお、衝止部620は、勢いよく外レール602を滑走してきた打球が衝突したときに、その衝突した打球を遊技領域605の内側に反発させるようにゴムや合成樹脂の弾性体が設けられるものであり、逆流防止部材604は、一端発射されて遊技領域605の内側に取り入れられた打球が再度外レール602に逆流しないように防止するものである。更に、外レール602の下部一側には、金属製のレールの一部に沿うように防犯突起608が突設されている。この防犯突起608は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー270に突設される防犯後端部突片275と上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の軸支側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を防止するものである。
また、内レール603の下部中央には、アウト口606が設けられ、そのアウト口606から逆流防止部材604までの内レール603と外レール602との間は、発射された打球が遊技領域605まで誘導される誘導通路を構成するものであるが、遊技領域605に到達せずに外レール602を逆流した打球はファール口610に取り込まれて後述する満タンユニット900のファール球入口923に導かれて再度皿ユニット300に排出されるようになっている。なお、遊技領域605は、実質的に内レール603によって囲まれる領域である。また、内レール603のアウト口606から衝止部620に向かう途中の遊技領域区画枠部材601には、レール防犯溝607が形成されている。このレール防犯溝607は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー270に突設される防犯後突片274の一部が侵入するように溝状に形成されており、このレール防犯溝607と防犯後突片274との凹凸係合により、上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の開放側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を最終的に防止するものである。
ところで、遊技盤4の一側には、本体枠3に形成される前記盤位置決め突起576に嵌合する位置決め凹部611が形成され、遊技盤4の他側には、本体枠3に形成される前記盤止め具挿入穴578に挿入される遊技盤止め具614が設けられている。遊技盤止め具614は、押し込み固定したときにその端部が盤止め具挿入穴578に挿入されるようになっている。しかして、遊技盤4を本体枠3に固定するためには、本体枠3の前面側から位置決め凹部611が盤位置決め突起576に嵌合するように斜め方向から差し込んだ後、遊技盤4の全体を本体枠3の第一側面壁540に押し込み、その状態でフリーな状態となっている遊技盤止め具614を押し込み固定してその端部を盤止め具挿入穴578に挿入して固定する。その後、遊技盤固定具519を回動して遊技盤4の下部前面を固定する。これによって遊技盤4を本体枠3に簡単に装着することができる。遊技盤4を取り外すには、上記の手順と逆の手順で取り外せばよい。
ところで、本実施形態における遊技盤4は、遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを極めて簡単に防止する構成を有している。即ち、図30及び図34に示すように、遊技盤4の下方の前記通路用切欠部613と反対側の下端部に遊技盤4の前後に貫通する取付用切欠部616を形成し(正確には、遊技領域区画枠部材601に取付用切欠部616が形成されている。)、その取付用切欠部616の下部に水平方向に締結バー617を掛け渡し固定する。締結バー617には、そのほぼ中央に締結バンド619を掛け止めるための帯溝状の締結部618が形成されている。一方、本体枠3に設けられる取り外し防止機構としては、前述したように、本体枠3下方の板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている(図35参照)。
上記のように構成される遊技盤4を本体枠3の遊技盤設置凹部510に収納配置したときには、図34に示すように、締結バー617が遊技盤載置部512に当接して載置した状態になると共に、締結部618と締結連杆534とが一致した状態となる。そして、その状態で締結部618と締結連杆534との一致している部分に対して、締結バー617の上方から一般的に市販されている締結バンド619の先端を取付用切欠部616に差し込んで下方に向けて締結穴533に差し込み前方に導き、その先端を締結バンド619の締結具部分に係合させる。そして、締結バンド619の締結具より前方に飛び出した不必要な先端部分を切断しておく。このようにすれば、締結バンド619を切断しない限り、遊技盤止め具614と遊技盤固定具519等の固定を解除しても、遊技盤4を本体枠3から取り外すことができない。締結バンド619を切断すれば、遊技盤4を本体枠3から取り外すことはできるものの、例えば、締結バンド619をパチンコ店独特のものを使用することにより、異なる締結バンドが締結されていれば、遊技盤4を取り外して何らかの不正行為を行われたことが容易に理解することができるものである。このように極めて簡単な取り外し防止機構により遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを防止することができる。
また、遊技盤4の外形形状は、その上部左右に前記扉枠5の裏面に設けられるスピーカ163の後方突出部分を受け入れるようにスピーカ用切欠部612が形成され、また、ファール口610の側方斜め下に後述する満タンユニット900の前方誘導通路920部分の一部が挿入される通路用切欠部613が形成されている。また、遊技領域区画枠部材601の下方左右には、証明確認用の証紙を貼付する証紙貼付部615が設けられている。
一方、遊技盤4の裏面には、遊技領域605に設けられる各種の遊技装置(例えば、大入賞口装置や一般入賞口等の入賞口)に入賞した球を下流側に整列して誘導する入賞空間形成カバー体621が取り付けられており、その入賞空間形成カバー体621の裏面に遊技領域605のほぼ中央に配置される表示装置としての液晶表示装置640(図74参照)の表示を制御する表示装置制御基板が収納される表示制御基板ボックスとしての液晶表示制御基板ボックス622が取り付けられている。
更に、遊技盤4の裏面には、入賞空間形成カバー体621の下方に盤用基板ホルダ623が固定されている。この盤用基板ホルダ623は、その前方に前記入賞空間形成カバー体621によって整列誘導された入賞球を集めるように空間部(この空間部は、前後方向の幅が入賞空間形成カバー体621の幅よりも比較的広いものとして形成されている。)が形成され、その空間部の底面に落下口629(図29参照)が形成されている。この落下口629は、前記アウト口606の後面部分で合流して後述する基板ユニット1100に形成されるアウト球通路1119(図73参照)に連通するものである。また、盤用基板ホルダ623には、その裏面に遊技動作を制御する主制御基板1700を収納する主制御基板ボックス624と、後述する基板ユニット1100に設けられる払出制御基板1186や電源基板等と接続するための中継端子板625と、が取り付けられている。中継端子板625には、遊技盤4を本体枠3に装着するだけで自動的に前記基板ユニット1100に設けられるドロワコネクタ1200,1202と接続されるドロワコネクタ626,627が設けられている。また、盤用基板ホルダ623には、ドロワコネクタ626,627の間から中継端子板625を貫通するように後方に向かって突出する接合案内突起628が形成されている。この接合案内突起628は、後に詳述するように遊技盤4を本体枠3に装着する作業を行ったときに、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627とが自然に接続されるように基板ユニット1100の枠用基板ホルダ1101に形成される接合案内孔1213に挿入される(図73参照)ものである。なお、これらドロワコネクタの接続については、後に詳述する。
<打球発射装置>
打球発射装置650について図36乃至図41を参照して説明する。図36は、打球発射装置650の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)であり、図37は、打球発射装置650の分解斜視図であり、図38は、打球発射装置650と発射レール515との関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)であり、図39は、操作ハンドル部461を操作していない状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図40は、操作ハンドル部461を操作している状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図41は、打球発射装置650に設けられるスライド部材710の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。
打球発射装置650は、発射ベース枠651に打球槌687を回動自在に軸支すると共に、その打球槌687に往復回動を付与する発射モータ695を発射ベース枠651に取り付け、さらに打球槌687に復帰する付勢力を付与する付勢バネ684の付勢力を調節するスライド杆677及びスライド部材710が発射ベース枠651に設けられることにより構成される。
より詳細に説明すると、図37に示すように、発射ベース枠651は、合成樹脂によって横長な長方形状に成型されるものであり、そのほぼ中心に打球槌687の軸受689が嵌合される軸受筒652が形成され、その上部及び側方に打球槌687の発射原点位置を規制するゴムストッパー部材653,654が取り付け固定されている。即ち、ゴムストッパー部材653,654は、打球槌687が付勢バネ684の付勢力により発射原点位置に戻ったときに打球槌687の衝撃を受け止めるものである。また、発射ベース枠651の後方(発射レール515の下方に対応する部位の反対側)の上方に横長細溝状のスライド案内孔655が形成され、そのスライド案内孔655の下方にスライド部材収納空間656が形成されている。スライド案内孔655は、後述するスライド杆677の後端上部に突設される案内係止片678が挿入されてスライド杆677のスライド移動を案内するものであり、スライド部材収納空間656には、スライド部材710が左右方向に移動可能に収納されるものである。なお、スライド杆677の前方部分のスライド案内は、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682によって発射ベース枠651に形成される止め穴662に止着される案内ブッシュ681を貫通させることにより行われる。また、スライド部材収納空間656の底面には、図38に示すように、長方形状の連結開口664が形成されている。
また、発射ベース枠651の上辺の前方部分には、発射ベース枠651の本体に対して庇部が形成されており、前記軸受筒652の上方の庇部に作動片用開口657が穿設されている。この作動片用開口657には、前記扉枠5の皿ユニット300の下流側の打球供給口288(図15参照)に臨んで設けられている供給揺動片289(図15参照)と当接する作動片658が作動片用開口657の開口縁の後方上部に突設されている取付部660に止めピン659によって揺動自在に設けられるものである。作動片658は、「て」字状に形成され、その上辺の後端部が止めピン659によって軸支され、その軸支部から下方の円弧部に打球槌687と一体的に回動するベース板690に突設される作動片当接部693と当接し、打球槌687の往復動作に連動して上辺部が供給揺動片289を揺動させ、供給揺動片289の揺動動作により打球供給口288から流出する打球を1個ずつ発射レール515の発射位置に供給するようになっている。
更に、発射ベース枠651には、発射モータ695を内蔵するモータカバー694を止着するためのモータ取付ボス661が後方下部に2箇所と前方上部に1箇所の合計3箇所に突設されていると共に、前記スライド部材収納空間656の下部後方にスライド杆677をスライドさせるためにスライド部材710と連結される揺動片672の下端の軸穴673が挿入される揺動片用ボス663が突設されている。
上記した発射ベース枠651には、打球発射装置650の剛性を高めるために金属プレート665がほぼ密着するように取り付けられている。このため、金属プレート665には、軸受筒652、下方のゴムストッパー部材653、スライド案内孔655、案内ブッシュ681、及び揺動片用ボス663にそれぞれ対応する貫通孔666,667,668,669,671が形成されていると共に、スライド部材710の連結凸部712が貫通する横長楕円状の貫通孔670も貫通されている。上記のように構成される金属プレート665は、スライド部材710をスライド部材収納空間656に収納した後、それぞれの貫通孔666〜671がそれに対応する部材652,653,655,681,712,663を貫通あるいは一致させるように発射ベース枠651に密着させてビス止めすることにより発射ベース枠651に固定されるものである。
金属プレート665が取り付けられた発射ベース枠651の揺動片用ボス663の先端部分が貫通孔671から頭を出しているが、その頭の部分に揺動片672の軸穴673が挿通されて、揺動片672が下端を中心にして揺動自在に軸支される。揺動片672は、図37に示すように、縦長杆状に形成され、その下端に前記軸穴673が形成され、その中程にスライド部材710の連結凸部712が挿入されるやや縦長穴形状の連結穴674が形成されている。そして、その連結穴674より上方の前方面がスライド杆677の一端(後端)と当接する当接部675となっている。しかして、揺動片672を揺動片用ボス663に挿通し、且つ貫通孔670から頭を出しているスライド部材710の連結凸部712に連結穴674を挿入してワッシャ付きピン676を連結凸部712に止着することにより、揺動片672が発射ベース枠651に取り付けられる。そして、取り付けられた揺動片672は、スライド部材710のスライドに伴って下端を中心にしてその上方部分が揺動するようになっている。
また、金属プレート665の上部前面には、横長杆状のスライド杆677が左右方向にスライド可能に取り付けられる。即ち、スライド杆677の後方上部に突設されるL字状の案内係止片678を金属プレート665の貫通孔668に貫通係合させ、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682を有する案内ブッシュ681を貫通させて止めネジ682を止め穴662に止着する。上記した案内係止片678と貫通孔668、及び案内長孔680と案内ブッシュ681とにより、スライド杆677が金属プレート665を介して発射ベース枠651にスライド可能に装着される。また、スライド杆677には、その一端(後端)に上述した揺動片672の当接部675と当接する被当接部679が形成され、その他端(前端)に付勢バネ684の一端の係止輪685を掛け止めるためのバネ係止部683が突設されている。
金属プレート665が取り付けられた発射ベース枠651の軸受筒652が貫通孔666から突出しているが、その軸受筒652には、打球槌687の軸受689が抜け落ちないように嵌合されている。軸受689の軸には、打球槌687の下端部が固着されると共に同時にベース板690が固着される。ベース板690には、その前方裏面側に前記作動片658と当接する作動片当接部693が突設され、その前方前面に付勢バネ684の他端の係止輪686を掛け止めるためのバネ係止部692が突設され、さらにその後方前面に発射モータ695のモータカム697と係脱するモータ当接突片691が突設されている。打球槌687の上端には、合成樹脂製の槌先688が固着されており、この槌先688が発射レール515の下端部とその上方に固着される発射位置ストッパー702とによって形成される発射位置に突入するように臨んでいる。
一方、発射ベース枠651の前述したモータ取付ボス661には、モータカバー694に収納された発射モータ695が取り付けられる。より具体的には、図38(B)に示すように、モータカバー694は、内部に発射モータ695を収納するように形成された円筒部と、該円筒部の前方に拡大して前記モータ取付ボス661に取り付けるための取付固定穴699が形成される取付部と、が一体的に形成され、円筒部の内部に収納される発射モータ695のモータ軸696の先端に逆回転防止カム698とモータカム697とが固定されている。逆回転防止カム698の外周には、多数の逆歯が形成されており、ストッパー片取付ボス701に揺動自在に固定されるストッパー片700(図39参照)と係合して発射モータ695の逆方向の回転を防止している。これは、モータカム697が逆方向に回転してモータカム697とモータ当接突片691とが噛み合って打球発射装置650が駆動できなくなる故障が発生しないように防止するためである。また、モータカム697は、勾玉状に形成されており、発射モータ695の回転に伴いモータ当接突片691と係脱しながら打球槌687を往復動作させる。なお、モータカバー694をモータ取付ボス661に取り付けたときには、図36(A)に示すように、打球発射装置650の主たる構成が後面から見て被覆されたような状態となっている。
ところで、前述したスライド部材収納空間656に収納されてスライド移動するスライド部材710は、図41に示すように、後方が開放した直方体状に形成され、その前面に楕円形状の楕円凸部711が突設され、さらに該楕円凸部711の後方位置に円形状の連結凸部712が突設されている。また、上面及び下面には、スライド部材収納空間656内をスライドし易いように断面円弧状のスライド用当接突部713がその両端に突設されている。一方、直方体状に形成されるスライド部材710の空間は、前記扉枠5の裏面下部に設けられるジョイントユニット480のスライド突片492が挿入される挿入空間714となっている。しかして、この挿入空間714は、スライド方向前方の側壁手前側に第一傾斜面715が形成されると共に、その第一傾斜面715のやや後方寄りに上面及び下面の内側から内部に向かって突設され且つ相互の先端間に所定の間隔が形成される挟持片716が形成されている。挟持片716の手前側にも奥に向かって側方視でハ字状に傾斜する第二傾斜面717も形成されている。しかして、スライド突片492が挿入空間714に挿入された状態では、図41(B)に示すように、スライド突片492の傾斜辺493側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態となっている。なお、スライド部材710の挿入空間714の側方に空間部718が形成されているが、この空間部718は、特に機能を奏しているわけではない。
しかして、上記のように構成されるスライド部材710は、スライド部材収納空間656に収納された状態で、図38(A)に示すように、スライド部材収納空間656の底面に形成される楕円形状の連結開口664に挿入空間714が臨むように形成されていると共に、スライド部材710がスライド部材収納空間656の一方の空間内壁に当接した状態(図38(A)では左の空間内壁に当接しているように図示されているが、通常の状態では右の空間内壁に当接した状態となっている。)となっている。
そこで、まず、スライド部材710と打球発射装置650の付勢バネ684の強弱を調整する関係について説明すると、スライド部材710がスライド部材収納空間656の内部の初期位置(図38(A)において右の空間内壁に当接した位置)にあるときには、図39に示すように、該スライド部材710の連結凸部712に連結された揺動片672がほぼ垂直状態となっている。このため、揺動片672と当接しているスライド杆677も付勢バネ684の付勢力により一方向(図39において左側方向)に付勢された状態で揺動片672の当接部675とスライド杆677の被当接部679とが当接した状態となっている。この状態では、付勢バネ684が張力されていないので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動しても、打球槌687の復帰力も弱く、発射位置にある打球が弾発されても遊技盤4の遊技領域605に到達することはない。
一方、スライド部材収納空間656の内部をスライド部材710が初期位置から他方方向に移動したとき(図38(A)において左の空間内壁方向に向かって移動したとき)、図40に示すように、揺動片672が下端の軸穴673を軸として揺動して傾動するため、当接部675と被当接部679との当接によりスライド杆677が他方向(図40において右側方向)に向かってスライド移動する。すると、スライド杆677のバネ係止部683に係止されている付勢バネ684も張力されて伸びた状態となる。この状態では、付勢バネ684が張力されているので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動したときの打球槌687の復帰力が強くなり、発射位置にある打球が強く弾発されて遊技盤4の遊技領域605に到達する。そして、この打球の弾発力の強弱は、スライド部材710のスライド部材収納空間656内でのスライド量に応じて調整することができる。
上記したように、スライド部材710を移動させることにより、打球発射装置650による弾発力を調整することができるが、このスライド部材710の移動は、前述したハンドル装置460の操作ハンドル部461の回動操作部材464の回動操作に応じて移動するジョイントユニット480のスライド体483の移動と連動するようになっている。この点について図20、を参照して説明する。
前述したように、ハンドル装置460の操作ハンドル部461の回動操作部材464を回転させることにより、回転軸465の先端に固着される勾玉状のカム466も回転するため、ジョイントユニット480のスライド体483が収納体481の内部を一方向に向かってスライド移動する。このため、スライド体483の前面に突設されるスライド突片492も同じ方向にスライド移動することになる。スライド体483のスライド突片492は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態では、本体枠5の発射装置取付部520に形成される連結開口664を貫通してスライド部材710の挿入空間714に挿入されるようになっている。この場合の挿入状態は、前述したようにスライド突片492の傾斜辺493側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態である。したがって、スライド突片492が一方向に向かってスライド移動すると、スライド部材710も同一方向に向かってスライド移動することになる。このとき、前述したように、スライド部材710のスライド移動に伴ってスライド杆677もスライド移動するので、付勢バネ684の付勢力を調整することができる。つまり、ハンドル装置460の回動操作部材464を回動操作することにより、打球発射装置650の打球の弾発力を調整することができるものである。
ところで、本実施形態においては、ハンドル装置460が扉枠5に設けられ、打球発射装置650が本体枠3に設けられているので、扉枠5を開閉する毎にハンドル装置460のスライド突片492と打球発射装置650のスライド部材710とが連携したり離れたりすることになる。しかし、本実施形態においては、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じることにより、スライド突片492がスライド部材710の挿入空間714に自動的に挿入されてハンドル装置460と打球発射装置650とが連携され、逆に、本体枠3に対して扉枠5を開放することにより、スライド突片492が挿入空間714から離れてハンドル装置460と打球発射装置650とを分離することができるので、極めて簡単に扉枠5の開閉に伴ってハンドル装置460と打球発射装置650との連携・分離を行うことができる。特に、スライド突片492が挿入空間714に挿入される際には、スライド突片492の位置が上下方向に多少ずれていても、挿入空間714内に突設される挟持片716の第二傾斜面717によってスライド突片492がスムーズに挟持位置に挿入されるようになっている。
また、時として、操作ハンドル部461の回動操作部材464に遊技者が詰め物を詰めてある程度回動した位置で固定している場合があるが、遊技場の店員がその詰め物を知らずに扉枠5を開閉する場合がある。このような場合でも、扉枠5を開放する場合には、単にスライド突片492が挿入空間714から離れるだけであるので問題はないが、扉枠5を閉める場合に、スライド突片492の位置が多少一方向にずれた状態となっているものの、スライド突片492の傾斜辺493とスライド部材710の第一傾斜面715との協働作用により、扉枠5の閉止動作に伴ってスライド部材710を一方向に移動させながら最終的にスライド突片492とスライド部材710とが係合するようになっている。つまり、本実施形態においては、操作ハンドル部461の回動操作部材464がどのような回動位置で固定されていても、操作ハンドル装置460と打球発射装置650との連携を行うことができるものである。
<賞球タンク>
次に、本体枠3の裏面上部に取り付けられる賞球タンク720について、主として図42を参照して説明する。図42は、賞球タンク720の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。賞球タンク720は、前述したように、本体枠3の裏面上部に形成されるタンク取付溝550(図24参照)に着脱自在に取り付けられるものである。しかして、賞球タンク720は、長方形状の箱状に形成され、パチンコ機1の正面側から見て、その前面壁721に切欠部729が形成され、その底面が上流側壁724から下流側壁723に向かって傾斜する第一傾斜底面726と前面壁721から次に説明する排出口730に向かって傾斜する第二傾斜底面727とによって貯留部728が形成されている。また、その第二傾斜底面727の傾斜下端に排出口730が形成されるが、この排出口730は、パチンコ機1の正面側から見て賞球タンク720の後面壁722よりも外側に突出するように下流側壁723と後面壁722とをコ字状に連結する排出口突出壁725に囲まれるように形成されている。また、賞球タンク720の前面壁721の両端外側には、前記タンク取付溝550と係合する取付鍔部733が形成されていると共に、賞球タンク720の底面の裏面側に本体枠3の前記第四側面壁543に載置当接する載置当接片731,732が突設され、さらに、賞球タンク720の上流側の後面壁722の下部に後述する球ならし部材744を取り付けるための球ならし取付軸735が突設されている。また、排出口730を除く賞球タンク720の後面壁722及び上流側壁724には、球の跳ね飛びを防止するための溢れ防止部材734が着脱自在に取り付けられるようになっている。
上記のように構成される賞球タンク720においては、本体枠3のタンク取付溝550に対して取付鍔部733を上方から差し込むように取り付け、載置当接片731,732を本体枠3の第四側面壁543に当接させる。これによって、賞球タンク720が本体枠3の裏面側上部に載置して取り付けられるが、この取り付けられた状態においては、図28に示すように、前面壁721の切欠部729を介して貯留部728と本体枠3の裏面に形成された逃げ凹部551とが連通し、また、図5に示すように、排出口730が次に説明するタンクレール部材740の上流端部に臨むようになっている。したがって、賞球タンク720において、球を貯留する貯留部728(第一傾斜底面726及び第二傾斜底面727に対応する貯留空間部分)の前後方向の幅は、本体枠3の第二側面壁541〜第四側面壁543までの前後方向の幅とほぼ同じとなるように形成されると共に、それらの側面壁541〜543までの上部に載置されるようになっている。しかして、前述したように、本体枠3の第一側面壁540〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部の後方突出空間を覆うように深く形成されているので、その側面壁541〜543の上部に載置される賞球タンク720の貯留部の深さは、従来の貯留タンクにくらべて浅く形成されているものの、賞球が貯留されて重量が増加しても賞球タンク720の全体を本体枠3の側面壁542〜543で支持しているので、傾斜底面726,727が変形することなく貯留された球をスムーズに排出口730に導くことができる。また、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているため、貯留部728に貯留された球の流れが第二傾斜底面727から外側に向かって流れるように構成されている。このため、従来のように傾斜底面の一部に開口を設けて排出口としていた賞球タンクに比べて、排出口近傍の貯留部に球詰まり解消のための球崩し突部を突出形成することなく球詰まりが発生し難い構造とすることができる。
そして、本実施形態においては、前述したように、遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に賞球タンク720の貯留部が載置された状態で、しかも、賞球タンク720の排出口730が貯留部の後面壁722よりも外側に突出して設けられているため、タンクレール部材740が賞球タンク720の貯留部の外側(パチンコ機1の正面から見て奥側)に位置して、タンクレール部材740と賞球タンク720の貯留部728とが上下方向に重複しない位置となっているので、遊技盤4の裏面に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上辺を本体枠3の上辺に近い位置で後方に向って突出させることができ、これにより、遊技装置の後方突出部が遊技盤4の上辺部で突出していても後側面壁541〜543の内部に楽に収納することができる。
更に、賞球タンク720の貯留部728が遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に載置されているか否かに関係なく、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているという構成だけで従来の賞球タンクにはない独特の効果を奏するものである。これについて図43を参考にして説明する。図43は、従来の賞球タンク(A),(B)と本実施形態に係る賞球タンク(C)との排出口部分における球の圧力状態を示す平面図である。図において、通常時、賞球タンク720に貯留される球は、賞球タンク720の貯留部に貯留されて滞留した状態となっている。この場合、従来の賞球タンクのように貯留部の傾斜底面の一部を開口して排出口730Aを形成している場合、例えば、図43(A)に示すように、球崩し突部736Aと反対側に排出口730Aが形成された賞球タンクや、図43(B)に示すように、球崩し突部736Bに隣接して排出口730Bが形成されている場合には、排出口730A,730Bの部分では、貯留された球の圧力とその圧力に基づく賞球タンクの側壁からの反作用により、常に排出口730A,730B部分に四方から球圧がかかった状態となっている。このため、たまたま球の重合具合によって球同士の圧力が釣り合い、下流側の球が流れ出ても、排出口730A,730B部分で球噛み状態が発生し球詰まりが発生することがあった。これに対し、本実施形態に係る賞球タンク720では、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているので、図43(C)に示すように、排出口730部分における貯留された球の圧力は、貯留部から排出口730方向に向かう作用力とその反作用だけの二方向からの圧力であり、従来のように四方から圧力を受けるわけではない。このため、下流側の球が流れ出ても、排出口730部分における球噛み状態が発生し難く、球詰まりが発生しないという優れた効果を奏することができる。
<タンクレール部材>
上記した賞球タンク720の下方に配置されるタンクレール部材740について主として図44乃至図46を参照して説明する。図44は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の背面側から見た斜視図であり、図45は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の正面側から見た斜視図であり、図46は、タンクレール部材740の下流部と球通路ユニット770の上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。
タンクレール部材740は、前述したように、本体枠3の上後面壁545のレール係止溝553,554(図24参照)に着脱自在に取り付けられるものである。そのため、タンクレール部材740には、その後面側の側面の左右辺及び下辺にレール係止溝553に上から差し込まれる複数の係止突片749が突設されると共に、その後面側側面の上辺中央にレール係止溝554に上から掛け止められる鉤状の係止突片750が突設されている。しかして、タンクレール部材740は、上面が開放した傾斜樋状に形成され、その上流端上面が賞球タンク720の排出口730に臨み、その下流端下面が後に詳述する球通路ユニット770に臨んでいる。また、タンクレール部材740の内部は、図5に示すように仕切壁741によって球が2列に整列して流下する通路742となっている。なお、通路742の底面は、細溝が切り欠けられており、通路742を球と一緒に転動する異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、通路742の側壁には、静電気を除去するための金属板(図示しない)が貼付されており、この金属板の下流端が前述したアース線接続具557(図22参照)に接続されている。このため、タンクレール部材740を流下する球に帯電していた静電気が金属板からアース線接続具557を介して電源基板のアース用コネクタを経て外部にアースされるようになっている。
また、タンクレール部材740の中流域のやや下流側に重錘を有する卵形状の球ならし部材744が揺動自在に設けられている。この球ならし部材744は、前述した賞球タンク720の球ならし取付軸735に揺動自在に軸支されるものであり、タンクレール部材740の2列のそれぞれの通路742内に向かって垂下され、各通路742を流下する球が上下方向に複数段で流下してきたときに1段となるように整流するものである。また、球ならし部材744の設置位置より下流側のタンクレール部材740の上面が球押え板745によって被覆されている。この球押え板745は、球ならし部材744によって1段とならなかった球を強制的に1段とするように傾斜円弧状に形成されるものである。更に、タンクレール部材740の下流端部には、それぞれの通路742に臨んで一対の整列歯車747が軸ピン748によって回転自在に軸支されている。この整列歯車747は、外周に複数の歯が形成され、一対の整列歯車747の歯のピッチが半ピッチずつずれるようにして軸ピン748に固定されている。このため、タンクレール部材740の各通路742を流下してきた球の上部が整列歯車747の歯と噛み合いながら下流側に流下するときに2列の通路742の球が交互に1つずつ送られることになる。この場合、図46に示すように、各通路742を流れてきた球は、整列歯車747と噛み合いながら2列の通路742の下部に形成される傾斜面743に沿って中央方向に誘導され、その誘導中に次に説明する球通路ユニット770の球落下通路772の上端入口773に2列の通路742からの球を交互に一列状にして落下するようになっている。なお、整列歯車747は、その上面を円弧状の歯車カバー746によって被覆されている。
<球通路ユニット>
上記したタンクレール部材740から一列状に落下される球を賞球ユニット800に導くための球通路ユニット770について、主として図47乃至図51を参照して説明する。図47は、本体枠3と球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す分解斜視図であり、図48は、球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す背面図であり、図49は、球通路ユニット770の背面から見た斜視図であり、図50は、球通路ユニット770の正面図であり、図51は、球通路ユニット770と賞球ユニット800との連結構造を説明するための側面図である。なお、図48及び図49において、賞球ユニット800部分は、ギヤカバー866、アルミ放熱板841、ユニットサブ板825が削除され、ユニットベース体801に形成された球通路部分をわかりやすく描いたものである。ただし、ギヤ等については、球通路との関係を理解し易くするため、一点鎖線で示してある。
球通路ユニット770は、ほぼ長方形状の板材の裏面(背面から見える面を表面という。)に屈曲した一対の屈曲通路壁771によって球落下通路772が形成されている。この球落下通路772は、図46(A)に示すように、その上流が前後方向(背面から見て奥行方向)に屈曲する前後屈曲通路部772aと、該前後屈曲通路部772aに連通して左右方向(背面から見て左右方向)に屈曲する左右屈曲通路部772bと、該左右屈曲通路部772bに連通してほぼ垂直状となっている垂直通路部772cとからなっている。前後屈曲通路部772aは、図46(A)に示すように、上述したタンクレール部材740から落下する上端入口773の位置が前述したように2列の通路742のほぼ中央であるため、本体枠3の上後面壁545及び軸支側後面壁546の表面から背面側に離れた位置となっているので、前後屈曲通路部772aと軸支側後面壁546に突設される前記賞球案内突起561とによって球落下通路772を軸支側後面壁546の表面に近い位置とするように前後方向に屈曲するものである。また、左右屈曲通路部772bは、図50に示すように、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球の勢いを弱めるために球通路ユニット770のほぼ横幅一杯にコ字状に屈曲して形成されるものである。更に、垂直通路部772cもほぼ垂直状に形成されているものの若干緩やかに湾曲して形成され、その垂直通路部772cを構成する一方の屈曲通路壁771に切欠部775が形成され、その切欠部775に上端が支軸777によって軸支される球切れ検出片776が揺動自在に取り付けられている。この球切れ検出片776の側方には、球切れスイッチ778が取り付けられ、球切れスイッチ778のアクチュエータ779が球切れ検出片776に当接している。球切れ検出片776及び球切れスイッチ778によって垂直通路部772cでの球切れを検出する球切れ検出機構が構成されている。
しかして、垂直通路部772cに球が存在しているときには、垂直通路部772cに存在する球によって球切れ検出片776が押圧されてアクチュエータ779を押して球切れスイッチ778をONとするが、垂直通路部772cに球詰まりや球欠乏により球が存在しなくなると球切れ検出片776が垂直通路部772c内に向かって揺動するので、アクチュエータ779が球切れスイッチ778をOFFとする。球切れスイッチ778がOFFになると、後述する賞球ユニット800の払出モータ815の回転が停止して賞球の払出が停止されるようになっている。なお、切欠部775の下端部には、球切れ検出片776の通路部と反対側への過剰な揺動を防止するためにストッパー突起780が形成されており、また、球通路ユニット770の球切れ検出片776に対応する垂直通路部772cに球詰まり用挿入溝781が形成されている。この球詰まり用挿入溝781は、球詰まり等で球切れ検出片776の揺動動作が行われ難い場合に、球通路ユニット770の後面側からピンを差し込んで球切れ検出片776部分の球詰まりの解消を図るために設けられるものである。更に、球切れ検出片776に対面する他方の屈曲通路壁771は、若干球切れ検出片776側に向かって膨出状に形成されている。これは、垂直通路部772cに球が存在しているときに確実に球切れ検出片776を押圧して球切れスイッチ778をONにするためである。
また、球通路ユニット770には、上記した球落下通路772を避けた位置に止め穴782と位置決めボス783とが形成されている。位置決めボス783は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される位置決めピン574に係合されるものであり、止め穴782は同じく軸支側後面壁546に形成される通路ユニット取付ボス562に対応するものである。しかして、球通路ユニット770を本体枠3に取り付けるには、図47に示すように、位置決めボス783を位置決めピン574に係合させながら通路ユニット取付ボス562と止め穴782とを一致させ、その状態で止め穴782からビス784を螺着することにより行うことができる。更に、球通路ユニット770には、その一側中程にカバー体1250の係合片と係合するカバー体係合溝785が形成されていると共に、下部に賞球ユニット800と連結するための連結蓋部材786が回動自在に設けられている。
連結蓋部材786は、図49に示すように、長方形状の板材の裏面に円弧状に突設される一対の通路壁790を突設することにより構成されており、球通路ユニット770の下部表面の左右両端部に突設される軸支部としての支持突片787に、連結蓋部材786の両端部から延びる支持片788の先端に突設される回転軸部としての突起軸789を嵌合することにより回動自在に軸支されるものである。また、連結蓋部材786は、閉じることにより球通路ユニット770の下方に延長されて通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通した状態(図51(B)に示す状態)と、開放することにより通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通しない状態(図51(A)に示す状態)と、に回動し得るが、開放した状態から閉じた状態に移行する際に、連結蓋部材786の支持片788を案内する案内突起791が球通路ユニット770の後面下端部に突設されている。
しかして、球通路ユニット770を本体枠3の軸支側後面壁546に固定した状態で、しかも、後述するように賞球ユニット800を同じく軸支側後面壁546に装着した状態(図51(A)に示す状態)で、連結蓋部材786を閉じて賞球ユニット800に設けられる係止弾性爪820によってその後面を係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772と賞球ユニット800の屈曲通路803とを通路壁790にて連通して、球通路ユニット770の球落下通路772を落下する球を賞球ユニット800の屈曲通路803に導くことができるものである。このように球通路ユニット770に回動自在な連結蓋部材786を設けた理由は、後述するように賞球ユニット800を本体枠3に対して着脱自在に装着し易くすることと、その着脱自在に装着したことに起因して球通路ユニット770と賞球ユニット800との間に形成される空間が球のスムーズな落下を阻害しないようにするためである。
また、球通路ユニット770に突設される一対の屈曲通路壁771の間に本体枠3の軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように突設される賞球案内突起561を挿入することで、球落下通路772の上端入口773がタンクレール部材740の2列の通路742のほぼ中央下部に位置するように、球落下通路772の上流部を背面からみて前後方向に屈曲する前後屈曲通路部772aとして形成する。これにより、一対の整列歯車747によって2列で流下する球を交互に1個ずつ賞球ユニット800側に送り出す構成において、球落下通路772を通して球を1個ずつスムーズに賞球ユニット800に送り出すことができる。また、この構成によれば、複数の部材の組立体から球落下通路772を構成する必要がないため、球落下通路772を構成する部品点数を削減することができると共に、球落下通路772の組み付け作業性を向上することができる。
また、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球は、左右屈曲通路部772bを通過することでその勢いを弱め、その後、垂直通路部772cを通って賞球ユニット800に送られる。また、勢いが弱められた状態で球が送り込まれる垂直通路部772cには、球切れを検出するための球切れ検出機構(球切れ検出片776及び球切れスイッチ778)が設けられる。これにより、球落下通路772での球切れ、言い換えれば賞球ユニット800に供給する球が切れたこと(球切れ)を確実に検出することができる。
<賞球ユニット>
次に、上記した球通路ユニット770の下流側に配置される賞球ユニット800について、主として図52乃至図55を参照して説明する。図52は、賞球ユニット800の背面側から見た分解斜視図であり、図53は、払出モータ815と払出部材としてのスプロケット807との関係を説明するための背面図であり、図54は、賞球ユニット800の通路と駆動関係を説明するための背面図であり、図55は、図54のA−A断面図である。
図52において、賞球ユニット800は、一対の屈曲通路壁802によって球通路を構成する屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成されるユニットベース体801と、該ユニットベース体801の後面を覆うユニットサブ板825と、該ユニットサブ板825の上部表面(後面側)に取り付けられる中継基板830と、前記ユニットサブ板825のほぼ中央表面領域(後面側領域)に設けられるギヤ群843,844,847及び検出円盤850(回転伝達部材)を被覆するギヤカバー866とから構成されている。以下、これらの構成を順次説明する。
ユニットベース体801は、ほぼ長方形状の板状(この板部分を「底面」という場合がある。)に形成され、その板状のユニットサブ板825側に向かって突設される一対の屈曲通路壁802によって屈曲通路803が形成されている。屈曲通路壁802は、ユニットベース体801の上部中央から下流側のほぼ中程まで球の直径よりもやや大きな間隔で突設されるが、その中程から下流側に大きく左右に分かれて中程から下流端までユニットベース体801の両端辺の側壁を兼ねている。また、中程の屈曲通路壁802が大きく左右に分かれた部分は、球送り回転体としてのスプロケット807が配置される振分空間805を構成し、その振分空間805の下部からユニットベース体801の下流端までに左右に分かれた前記屈曲通路壁802の対をなすように通路区画壁809が突設形成されている。つまり、中程から下流側の左右の屈曲通路壁802と通路区画壁809とによって振分空間805から左右に2つの通路が構成されることなり、一方の通路が賞球通路810を構成し、他方の通路が球抜通路811を構成している。なお、通路区画壁809も左右に大きく分かれており、その分かれた通路区画壁809の内側に払出モータ815を収納するモータ収納空間814が形成されている。即ち、払出モータ815は、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)を避けた位置であって当該球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納固定される。なお、屈曲通路803は、該通路803内に停留する球のスプロケット807への圧力を弱めるために蛇行状に形成されて振分空間805に到達しているが、その振分空間805の上流側の底面に楕円形状の開口804が形成されている。この開口804は、屈曲通路803内に入った小さなゴミ等を貯留するもので、賞球ユニット800を本体枠3から取り外したときに溜まったゴミ等を取り出すことができるようになっている。
また、上記した振分空間805には、外周に球が嵌り合う複数(図示の場合は、3つ)の凹部が形成された払出部材としてのスプロケット807が回転自在に配置されるが、このスプロケット807が固定される回転軸808の他端を軸支する軸受筒806が振分空間805の底面に形成されている。また、振分空間805の底部を構成する通路区画壁809の上端部は、スプロケット807の回転円弧に沿った凹円弧状に形成され、その一方に形成される賞球通路810の上流部には、払出球検出センサ812が着脱自在に装着されている。払出球検出センサ812は、先端部に球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、その後端部の形状と合致するスイッチ嵌合凹部865を屈曲通路壁802で形成することにより、簡単に着脱自在に取り付けられるものである。なお、払出球検出センサ812からの配線(図示しない)は、後述する中継基板830に接続されるようになっている。更に、賞球通路810を構成する屈曲通路壁802の下流側には、ユニットサブ板825と一体的に形成される通路蓋板部859に形成される係止部860と係合する係止爪813が複数形成されている。ただし、複数の係止爪813のうち、通路蓋板部859の下端の一方の係止部860と係合する係止爪813は、通路区画壁809側に形成されている。
また、ユニットベース体801の下方であって賞球通路810と球抜通路811との間には、払出モータ815を収納する円形状のモータ収納空間814が形成されるが、このモータ収納空間814の内部に払出モータ815の円筒状本体が収納されるようになっている。ただし、払出モータ815は、その前面に形成される一対の取付片816によってユニットサブ板825の下方に取り付けられるアルミ放熱板841の裏面側にビス817で固着されるようになっている。そして、払出モータ815がユニットサブ板825のアルミ放熱板841に取り付けられた状態で、払出モータ815のモータ軸818は、アルミ放熱板841に穿設された軸挿通穴842を貫通して第一ギヤ843が固着されるようになっている。また、ユニットサブ板825及びアルミ放熱板841でユニットベース体801の後面側を被覆することにより、上記した屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成される奥行幅方向の空間内に払出モータ815の円筒状本体部分も収納配置されることになる。そして、払出モータ815を収納するモータ収納空間814と前述したスプロケット807が配置される振分空間805とが、上下方向の極めて近い位置関係に形成されているため、ユニットベース体801の上下方向の長さを短くすることができ、結果的に賞球ユニット800のコンパクト化を図ることができる。
更に、ユニットベース体801には、上記した球抜通路811の最下端に球抜きされた球を賞球ユニット800の裏面側に誘導する誘導突片819が突設され、この誘導突片819に誘導された球が後述する球抜接続通路880に誘導されて最終的にパチンコ機1の外部(島台の下方に設けられる回収樋)に放出されるようになっている。また、ユニットベース体801の上部には、前述した球通路ユニット770の連結蓋部材786を係止する係止弾性爪820が突設されると共に、賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に着脱自在に取り付けるためのボタン挿通係合穴821及び鉤状係合部824と、ユニットベース体801とユニットサブ板825を挟持した状態でギヤカバー866とを連結するための取付ボス823が設けられている。ボタン挿通係合穴821には、ユニットベース体801の上部一側に設けられて棒状の着脱ボタン822が奥行幅方向に摺動自在に取り付けられるものであり、後述するように、その前方先端が本体枠3の軸支側後面壁546に形成されるロック用弾性爪564に対応している。また、ボタン挿通係合穴821の後端面は、図47に示すように、ロック用弾性爪564の先端部が入り込むように凹状となっている。また、鉤状係合部824は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される係合突片565と係合するもので、賞球ユニット800を軸支側後面壁546に押し当てて下方に押下げることにより、鉤状係合部824と係合突片565とが係合するものである。そして、その係合状態においてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合するので、賞球ユニット800の上方向の移動ができないようになっている。なお、鉤状係合部824は、ユニットベース体801の上部左右に形成されている。また、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギヤカバー866とを連結するための取付ボス823は、後面側に向かって長く突設され、ユニットサブ板825に穿設される貫通穴858を貫通した後、ギヤカバー866の取付穴867に対応させ、そのギヤカバー866の表面からネジ868を螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギヤカバー866とを連結している。
上記したユニットベース体801を被覆するユニットサブ板825の構成について説明すると、ユニットサブ板825は、ユニットベース体801の屈曲通路803部分と振分空間805部分と賞球通路810部分とを覆う合成樹脂製の板材に払出モータ815が取り付けられると共に球抜通路811の下流部分とを覆うアルミ放熱板841を取り付けることにより構成されている。そして、ユニットサブ板825の合成樹脂板部の表側(後面側)には、中継基板830を取り付けるための中継基板領域826が上部に形成され、その下方に複数のギヤ843,844,847や検出円盤850が取り付けられるギヤ領域840が形成されている。中継基板領域826は、ほぼ正方形状に形成され、その正方形状に沿って中継基板830を載置する載置リブ827が突設され、その一側垂直辺の上下に後述する基板カバー835の係合突起836と係合する係合溝部828が形成され、その他側垂直辺の中央に基板カバー835の係止突部837と係合する係止爪部829が形成されている。また、中継基板領域826には、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴834と中継基板830をビス(図示しない)で止着するための取付ボス部832が形成されている。
上記した中継基板領域826に取り付けられる中継基板830は、賞球ユニット800に設けられる上述した払出球検出センサ812、払出モータ815、及び後述するセンサ855からの配線と、後述する払出制御基板1186(図25及び図72参照)からの配線とを中継するもので、そのために複数のコネクタが設けられると共に、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴833と前記取付ボス部832に対応する取付穴831とが穿設されている。しかして、中継基板830を中継基板領域826の載置リブ827に載置した状態で取付穴831と取付ボス部832とを合致させて図示しないビスで止着することにより中継基板830をユニットサブ板825の表面(後面)に止着することができる。
また、上記のように取り付けられる中継基板830は、基板カバー835によって被覆される。基板カバー835は、ほぼ正方形状の前面側が開放したボックス状に形成され、その一側垂直辺の上下基部に係合突起836と他側垂直辺のほぼ中央側面に係止突部837が形成されている。また、基板カバー835の正方形状の垂直面には、ボタン開口838と接続開口部839とが形成されている。しかして、基板カバー835の係合突起836を中継基板領域826の係合溝部828に差し込んで係合した後、係止突部837と係止爪部829とを係合させることにより、簡単に基板カバー835で中継基板830を被覆することができる。逆に、取り外す場合には、係止爪部829を弾性変形させて係止突部837との係合を解除すると共に基板カバー835を斜め手前側に引いて係合突起836と係合溝部828との係合を解除することができる。なお、基板カバー835を被覆した状態では、ボタン挿通係合穴821に係合されている着脱ボタン822の頭部がボタン挿通穴833,834を挿通してボタン開口838から外部に僅かに臨んでいる。また、中継基板830に接続された配線は、接続開口部839から外部に引き出されるようになっている。
次に、ユニットサブ板825に形成されるギヤ領域840に設けられるギヤ843,844,847、及び検出円盤850について説明する。前述したように、払出モータ815のモータ軸818の先端は、ユニットサブ板825のアルミ放熱板841に穿設される軸挿通穴842を貫通してユニットサブ板825の表面(後面側)に突出しており、その突出した部分に第一ギヤ843(駆動ギヤ)が固着されている。第一ギヤ843の上方には、該第一ギヤ843と噛合する第二ギヤ844(回転伝達ギヤ)がギヤカバー866の裏面(前面側)に一端が圧入され且つアルミ放熱板841に穿設される軸穴846に他端が支持される軸845に回転自在に設けられ、その第二ギヤ844の上方には、該第二ギヤ844と噛合する第三ギヤ847(回転伝達ギヤ)がユニットサブ板825に形成される軸穴849に圧入された軸848に回転自在に設けられている。更に、第三ギヤ847の上方には、該第三ギヤ847と噛合するギヤ部852(従動ギヤ)を有する検出円盤850が前記スプロケット807を軸支する回転軸808に回転自在に設けられている。なお、図55に示すように、モータ軸818の先端部がギヤカバー866に形成される受穴に遊嵌されている。また、回転軸808は、その一端がユニットベース体801に形成される軸受筒806に圧入されて支持され、その他端がギヤカバー866に形成される軸受穴に支持されるものであるが、ギヤ領域840の中央よりやや下方に形成された軸貫通穴864を貫通して振分空間805においてスプロケット807を回転自在に軸支し、ユニットサブ板825とギヤカバー866とによって形成される空間において検出円盤850を回転自在に軸支している。ただし、図55に示すように、スプロケット807の後端部が検出円盤850の中心前面部と係合した状態となっているので、スプロケット807と検出円盤850とは、回転軸808を中心として一体的に回転するようになっている。したがって、払出モータ815が回転駆動すると、その回転が第一ギヤ843、第二ギヤ844、第三ギヤ847、検出円盤850のギヤ部852を介してスプロケット807を回転するように伝達される。
検出円盤850の外周は、ギヤ部852の円よりも一回り大きく形成されており、そのギヤ部852よりも外側に突出している外周部分には、スプロケット807の凹部と同じ数(図示の場合には、3個)の検出切欠851が形成されている。この検出切欠851は、ユニットサブ板825の表面に形成される基板取付部857に挟持支持されるセンサ基板854に設けられる投受光方式のセンサ855(回転位置検出手段)によって検出されるものである。そして、センサ855は、払出動作時において所定のインターバル時間内に検出切欠851の検出個数を検出することにより、スプロケット807が正常に回転しているか否かを監視するためのものである。仮に、センサ855により、異常回転が検出されたとき(多くは、スプロケット807による球噛み状態)には、スプロケット807を所定回数正逆回転させて異常状態(例えば、球噛み状態)を解消するものである。なお、実際に払いだされた球の個数は、前述した賞球通路810に設けられる払出球検出センサ812によって検出して計数のために使用している。なお、図55に示すように、センサ基板854の他端辺もギヤカバー866に形成される基板取付部に挟持されるようになっている。
上述したように、ギヤ領域840に設けられる複数のギヤのうち、第二ギヤ844だけがギヤカバー866側に圧入される回転軸845に回転自在に設けられているところ、ギヤ領域840を覆うギヤカバー866には、前記ユニットベース体801に突設されてユニットサブ板825の貫通穴858を貫通する取付ボス823の先端部に対応する位置に穿設される取付穴867が形成されている。そして、ギヤカバー866側に設けられる第二ギヤ844の歯とユニットサブ板825側に設けられる第一ギヤ843及び第三ギヤ847の歯とを噛み合わせながら、取付穴867と取付ボス823とを一致させた状態でギヤカバー866の後面からネジ868で螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持する状態でベースユニット体451とギヤカバー866とが一体的に固定される。また、ギヤカバー866の一側側面には、前記中継基板830に接続される配線(例えば、中継基板830と後述する払出制御基板1186とを接続する配線等)を掛け留めて纏める配線処理片869が突設されている。
以上、賞球ユニット800の構成について説明してきたが、ユニットベース体801とユニットサブ板825と中継基板830と基板カバー835とギヤカバー866とを組み付けた状態においては、図55に示すように、払い出すべき球が導かれる屈曲通路803の下方位置に払出モータ815の円筒状の本体部分が収納されるように位置する。また、ユニットベース体801には、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)内に配置されたスプロケット807と、球通路を避けた位置であって球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納された払出モータ815と、を設け、ユニットサブ板825には、その非閉塞面側に沿って払出モータ815のモータ軸818の回転をスプロケット807の回転軸808に伝達する回転伝達部材(第一ギヤ843、第二,3ギヤ844,847、及び検出円盤850のギヤ部852)を設け、しかも、払出モータ815と屈曲通路803の振分空間805に配置される払出部材としてのスプロケット807とをユニットサブ板825の後面のギヤ領域840に設けられる複数のギヤ843,844,847,850(852)によって回転駆動するように連結した構造となっている。即ち、ユニットベース体801とユニットサブ板825との間に形成される球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)の奥行き幅内にスプロケット807と払出モータ815とを収納し、しかも、スプロケット807と払出モータ815とを連結する回転伝達部材(第一ギヤ843、第二,3ギヤ844,847、及び検出円盤850のギヤ部852)をユニットサブ板825の非閉塞面側の所定幅内に沿って設けたので、球通路の外側に払出モータやスプロケットの一部を配置したものに比べて、賞球ユニット800を薄型化することができる。また、このような賞球ユニット800は、当該賞球ユニット800内の球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)が一条の通路形状で形成されることにより、より一層の薄型化が図られている。即ち、従来のように、払出モータ815を賞球ユニットの前面側又は後面側又は側方側に突出させるものと異なり、本体枠3の軸支側後面壁546の後面側に取り付けたときに、賞球ユニット800のいずれの部分もさらに後方に向かって突出することがない構造とすることができる。なお、図55において、払出モータ815の前端部分がユニットベース体801の後面よりも僅かに突出して構成されているが、この突出部分は、図25に示すように、軸支側後面壁546の下方の払出モータ用逃げ開口部572から本体枠3の前方部分に臨むようになっているため、結果的にその突出寸法から軸支側後面壁546の板厚寸法を差し引いた寸法だけ突出する程度となり、軸支側後面壁546よりも前方に向かう突出量は僅かなものとなっている。また、このような構成をとることにより、本実施形態では、賞球ユニット800が取り付けられる本体枠3の軸支側後面壁546と遊技盤4の裏面との間に、遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部分を収納する収納空間を奥行き幅方向で大きくとることができる。
また、上記のように構成される賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に取り付けるためには、図47に示すように、鉤状係合部824と係合突片565とを対応させて位置合わせした後、賞球ユニット800の下端を係止溝573に掛け止め且つ鉤状係合部824と係合突片565とを係合させるために賞球ユニット800を軸支側後面壁546に密着させたまま下方に押下げる。このとき、賞球ユニット800の下端部と係止溝573とが係合し且つ鉤状係合部824と係合突片565とが係合しているので、取付自体は完了しているが、賞球ユニット800を上方に移動させることにより簡単に上記のそれぞれの係合状態が解除されてしまうため、これを防止するために、ロック用弾性爪564がボタン挿通係合穴821に係合するようになっている。つまり、ロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合することにより、取付状態で賞球ユニット800の上方への移動を防止している。このように、賞球ユニット800を取り付けた後に、球通路ユニット770の連結蓋部材786を前述したように回動して係止弾性爪820で係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772下流端と賞球ユニット800の屈曲通路803の上流端とを一対の通路壁790によって構成される通路を介して連通化することができる。また、賞球ユニット800を取り付けた状態では、賞球通路810の下流端と後に詳述する満タンユニット900の賞球入口927とが接続され、球抜通路811の下流端が球抜接続通路880の上流端と接続される。
一方、賞球ユニット800を取り外すときは、係止弾性爪820による係合を解除して連結蓋部材786を手前側に回動し、その後、着脱ボタン822を押圧してロック用弾性爪564を前面側に移動させてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821との係合を解除させ、その後着脱ボタン822を押圧したままの状態で賞球ユニット800を上方に引き上げて賞球ユニット800の下端部と係止溝573との係合及び鉤状係合部824と係合突片565との係合を解除して賞球ユニット800を手前側に引き出すことにより、賞球ユニット800を簡単に取り外すことができる。
<満タンユニット>
上記した賞球ユニット800の下流側に配置される満タンユニット900について、主として図56乃至図62を参照して説明する。図56は、賞球ユニット800と満タンユニット900との関係を示す斜視図であり、図57は、満タンユニット900の斜視図であり、図58は、満タンユニット900の正面から見た分解斜視図であり、図59は、満タンユニット900の背面から見た分解斜視図であり、図60は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す一部破断斜視図であり、図61は、満タンユニット900に設けられる底面揺動板907部分で切断した横断面図であり、図62は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す断面図である。
満タンユニット900は、前述したように本体枠3の満タンユニット載置部531に載置固定されるものであり、図58に示すように、上面が開放したボックス状に形成されるボックス主体901と、該ボックス主体901の上面を覆う蓋体926とから構成されている。ボックス主体901は、賞球通路810の下流端から流入した球が内部をジグザグ状に誘導されて出口921から排出されるようになっている。このため、その上流部に蓋体926に形成される賞球入口927から流入した球を一端から他端に向かって側方に誘導する側方誘導通路902が形成されている。側方誘導通路902の賞球入口927の直下の一端部には、球を側方に向かって誘導するように凹円弧状に形成される側方誘導受部903が設けられ、側方誘導通路902の他端内面に側方誘導通路902を流れてきた球の衝撃を受け止めて該球を下流側に誘導する緩衝部材904が設けられている。
また、側方誘導通路902の他端内面に設けられる緩衝部材904に衝突した球は、向きを下流側に変えた後、側方誘導通路902の球の流れと逆方向に流れるように誘導される逆側方誘導通路905が形成されている。逆側方誘導通路905を流れた球は、その後、前方に向かって形成される前方誘導通路920に導かれて該前方誘導通路920の流下端に形成される出口921から前述した皿ユニット300の賞球連絡樋451に導かれる。
ところで、前記逆側方誘導通路905の上流側の底面には、その底面の全域に亘って開口する底面開口906が形成され、その底面開口906を底面揺動板907が揺動自在に閉塞している。底面開口906は、上面が開放されたほぼ正方形の凹状に形成され、その内部の正面から見て前後方向の側壁に一対の軸支突起911が突設されている。また、底面開口906の凹状の底面にバネ913の下端を位置決めするための円形状のバネ載置凹部912が形成されている。一方、底面開口906を閉塞する底面揺動板907は、ほぼ正方形状に形成され、その裏面下流側に正面から見て前記軸支突起911に嵌合することにより軸支される半円形状の軸受部908が突設形成されている。また、底面揺動板907の裏面中央には、図61に示すように、バネ913の上端が係止されるバネ係止突起910が下方に向かって突設されている。したがって、底面揺動板907は、バネ913の付勢力によりその上流側が常に上方へ揺動された方向に付勢されている。そして、バネ913は、通常の賞球の払出個数(例えば、15個)が一度に底面揺動板907上に載置したときでも底面揺動板907が下方に揺動せず、賞球の払出個数以上の所定個数の球が底面揺動板907上に載置したときに下方に揺動するようなバネ係数を有するバネ部材によって形成されている。更に、底面揺動板907の上流側に検出突片909が前方に向かって突出されている。この検出突片909は、底面揺動板907の軸受部908を軸支突起911に嵌合軸支したときに、連通孔929を貫通して次に説明するスイッチ収納空間914に位置するようになっている。
また、逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側には、満タンスイッチ916を収納するためのスイッチ収納空間914が一体的に形成されている。スイッチ収納空間914に満タンスイッチ916を取り付けるために、スイッチ収納空間914の上部であって逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側面にスイッチ取付部918が形成され、そのスイッチ取付部918に満タンスイッチ916を保持するスイッチホルダ915の取付片917がネジ919によって止着されている。満タンスイッチ916は、投光器と受光器とからなるスイッチとして構成され、その受光器と投光器との間を検出突片909が上下に揺動することによりON・OFFを検出するものである。
更に、逆側方誘導通路905の下流側の一側方にファール球通路922が形成されている。ファール球通路922は、その上流側のファール球入口923が図60に示すように、前述したファール口610に連通し、その下流側が前方誘導通路920の上流側に連通するように屈曲して形成されている。このため、ファール口610に取り入れられたファール球は、ファール球入口923から屈曲したファール球通路922を通って前方誘導通路920に導かれ、さらに出口921及び賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に戻される。
また、ボックス主体901には、前記出口921の両側方と前記ファール球入口923の一側方に前記満タンユニット載置部531に形成されるユニット係合溝532に係合される係合片924が突設されると共に、蓋体926に形成される掛止片928と係合する掛止突起925が形成されている。この掛止突起925は、ボックス主体901の左右後方の側壁上部に適宜形成されている。
一方、蓋体926は、ボックス主体901の側方誘導通路902、逆側方誘導通路905、前方誘導通路920、及びファール球通路922の上面を覆うような板形状に形成され、前記側方誘導通路902に上流端に対応する位置に正方形状の賞球入口927が開口されている。また、蓋体926の周囲には、ボックス主体901の前記掛止突起925と係合するための掛止片928が下方に向かって突設されている。
上記のように構成される満タンユニット900においては、図56に示すように、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球が賞球入口927から側方誘導通路902の上流側に入って側方誘導受部903によって側方に向かって誘導されて緩衝部材904に衝突する。緩衝部材904に衝突した球は、そのまま下流側に向かって逆側方誘導通路905を前記側方誘導通路902の誘導方向と逆方向に誘導されて前方誘導通路920に導かれ、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に導かれる。また、ファール球入口923から入ったファール球も屈曲したファール球通路922によって球の勢いを弱められて前方誘導通路920に合流し、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に導かれる。
そして、通常時、満タンユニット900内を球が自然に流れているときには、側方誘導通路902から逆側方誘導通路905に球が移動する際に、底面揺動板907に落下するが、通常の賞球の払出個数程度では、バネ913の弾発力が強いので、底面揺動板907が揺動することがなく、図61の実線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間に入ってスイッチが導通しない状態(OFF)となっている。これに対し、皿ユニット300に賞球が貯留されて満タンユニット900内にも球が充満してきたときには、前方誘導通路920及び逆側方誘導通路905の上流側の全域に形成される底面揺動板907上に貯留された球の圧力により底面揺動板907がバネ913の付勢力に抗して下方に揺動し、図61の二点鎖線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間から外れてスイッチが導通した状態(ON)となる。満タンスイッチ916がONすると、賞球ユニット800の払出モータ815の回転駆動が停止(所定個数の賞球を払出している最中にON信号が導出された場合には、その所定個数の賞球が払出されてから停止)するようになっている。
上記したように、満タンユニット900においては、球が流下する通路(図示の場合には、逆側方誘導通路905)の通路底面の幅とほぼ同じ幅の底面揺動板907によって満タンスイッチ916を作動させるようにすると共に、通常時の球の流れによって揺動せずある程度の球が載置したときに底面揺動板907揺動するように付勢部材(バネ913)で付勢したので、従来のように一部の通路の底面等に球が載置したことにより球詰まりを検出するものに比べて、その一部の通路部分における球の載置が球詰まりによって検出されない事態を確実に防止することができる。このことは、球の満タンを確実に検出することができるものである。
上記したように、本実施形態に係る満タンユニット900においては、本体枠3の満タンユニット載置部531に着脱自在に取り付けるものであるため、従来のように、満タン装置を本体枠に形成された払出通路の内部に組み付けるものに比べて、本体枠に満タン構造のための通路を形成する必要がない。また、満タンユニット900の内部をジグザグ状の通路とすることにより、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球の勢いを弱めながら皿ユニット300に誘導することができるので、払い出された賞球が皿ユニット300から外に飛び出すこともない。更に、本実施形態に係る満タンユニット900は、ファール球を導くファール球通路922が賞球を払い出す前方誘導通路920の途中に球の勢いを弱めて合流するようになっているので、賞球の流れを阻害することなくファール球を合流させることができる。
<錠装置>
次に、本体枠3の開放側の裏側端辺に沿って垂直方向に取り付けられる錠装置1000について主として図63乃至図71を参照して説明する。図63は、錠装置1000と本体枠3との関係を示す背面斜視図であり、図64は、錠装置1000の本体枠3への掛け止め構造を示す拡大側方断面図であり、図65は、パチンコ機1の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図であり、図66は、錠装置1000と本体枠3の側壁540,541との詳細な関係を示す拡大断面図であり、図67は、錠装置1000の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)であり、図68は、錠装置1000の背面側から見た斜視図(A)、錠装置1000のコ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の斜視図(B),(C)であり、図69は、錠装置1000の分解斜視図であり、図70は、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の作用を説明するための正面図であり、図71は、不正防止部材1023,1032の作用を説明するための正面図である。
錠装置1000は、本体枠3の開放側の第一側面壁540に沿って本体枠3のほぼ上端から下端にかけて取り付けられるものであり、図63に示すように、本体枠3の外周側辺と第一側面壁540の立ち上がり部との間の上下端近い部分及び中程に形成される複数(図示の場合、3個)の錠係止穴548と、第一側面壁540の垂直面の上部と中程に切り欠けられて形成される錠取付穴547とシリンダー錠貫通穴526の上部近傍に形成される錠取付穴547と、によって次に説明する錠装置1000のコ字状基体1001が支持固定されるものである。そこで、以下、錠装置1000の構造について詳細に説明する。
図67乃至図69に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、該コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、前記コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、該本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取り付けられる不正防止部材1023,1032と、からなる。
コ字状基体1001は、金属を断面コ字状となるように折り曲げ、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設けるものであるが、その横幅寸法は従来の断面L字状に成形された基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これは、前述したように遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしたため、側面壁540と本体枠3の外周辺との間の寸法が極めて小さくなっていることにより、本実施形態に係る錠装置1000の横幅寸法を小さく形成して錠装置1000を本体枠3の裏側に取り付けることができるような取付構造として改良したためである。そして、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取り付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態の不正防止構造となっている。
まず、コ字状基体1001の開放側と反対の閉塞側上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通される長方形状のフック貫通開口1002が開設されると共に、閉塞側であって第一側面壁540と密着する側面1001b(図69参照)上部と中程に水平方向にビス止め部1003が突設され、更に、開放側の第一側面壁540と密着しない側面1001a(図69参照)の上端部及び中間部と、開放側の両側面1001a,1001bの下端部に係止突起1004が突設形成されている。ビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取り付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ(図64参照)、その状態でビス止め部1003と錠取付穴547とが一致するため、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができる。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003と前記シリンダー錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させて図示しないビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取り付けられるようになっている。
また、その取り付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中の2箇所に形成されたビス止め部1003及びコ字状基体1001の開放側(前方部)に形成されたビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定し且つ錠装置1000の下方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。換言するならば、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前方部と後方部との係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
また、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に挿通穴1005が形成され、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることにより、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取り付けることができる。即ち、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されるリベット用長穴1042と本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052にそれぞれ1つずつ形成されるリベット用長穴1055,1061にリベット1006を貫通させることにより、扉枠用摺動杆1040が上方に移動できるようにし、本体枠用摺動杆1050が下方に移動できるようになっている。したがって、図68(B)に示すように本体枠用摺動杆1050のリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、図68(C)に示すように扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通している。
更に、コ字状基体1001の下方部には、その閉塞側面に不正防止切欠部1007が形成されると共に、その開放側の本体枠3の第一側面壁540と密着する側面1001bの前端部にシリンダー錠1010を取り付けるための錠取付片1008が側方に向かって突設され、更に、第一側面壁540と密着する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022がそれぞれ形成されている。不正防止切欠部1007は、後に説明する第一不正防止部材1023のストッパー片部1027が進退するようになっている。この点については、後に詳述する。また、錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取り付けた状態で、遊技盤設置凹部510の下端辺よりも下方の位置となるようにコ字状基体1001の側面1001bの前端部から側方に向かって突設されるが、この錠取付片1008には、シリンダー錠1010が貫通する錠挿通穴1009が形成されると共にシリンダー錠1010の錠取付基板1011に形成される取付穴1013をビス1012で取り付けるための取付穴1014が上下2箇所に穿設され、更に、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取り付けるためのビス止め部1003が穿設されている。また、挿入縦開口1020は、シリンダー錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダー錠1010の回動時に侵入するための開口であり、バネ係止片1021は、不正防止部材1023,1032に設けられるバネ1035が係止されるものであり、逃げ横穴1022は、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を構成するものである。この点については後に詳述する。
上記した錠取付片1008に取り付けられるシリンダー錠1010について説明すると、シリンダー錠1010は、錠取付基板1011の前方に円筒状のシリンダー錠本体が固定され、そのシリンダー錠本体の錠軸1015が錠取付基板1011より後面に出ており、その錠軸1015の後端に係合カム1016がビス1019によって固定されている。係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、その一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017となっており、その他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018となっている。そして、上記のように構成されるシリンダー錠1010は、円筒状のシリンダー錠本体部分を錠挿通穴1009に挿通して錠取付基板1011の上下2箇所に形成される取付穴1013と錠取付片1008の取付穴1014とを一致させてビス1012で螺着することにより、シリンダー錠1010をコ字状基体1001に固定することができる。
次に、コ字状基体1001に取り付けられる不正防止部材1023,1032,について図69を参照して説明する。不正防止部材1023,1032は、シリンダー錠1010を正式な鍵で回動せずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。しかして、不正防止部材1023,1032は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、上端の揺動軸穴1025を中心にして揺動自在に構成される縦長の板状に形成され、その揺動軸穴1025を前述したコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取り付けるための挿通穴1005及びリベット1006のうち、最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取り付けられる。
また、第一不正防止部材1023には、その板状面に前記挿入縦開口1020と重複する縦長な突片挿入穴1026が開設され、この突片挿入穴1026に第二係合突片1018が挿入し得るようになっている。つまり、突片挿入穴1026と挿入縦開口1020を第二係合突片1018が貫通することにより、コ字状基体1001の内部に設けられる扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026の開設位置の斜め上方の外形線が傾斜部1024となっている。この傾斜部1024は、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接するもので、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と傾斜部1024とが当接することにより第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図71(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023には、前記突片挿入穴1026の斜め下方の外形線上にストッパー片部1027が突設され、そのストッパー片部1027の下方に規制突片1031が突設され、該規制突片1031の前方部にピン穴1029と連結穴1030とが上下に形成されている。ストッパー片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に前記不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合して本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにするものである。また、規制突片1031は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とはバネ1035によって連結されるが、そのバネ1035で連結されたときに第二不正防止部材1032の付勢方向への移動を規制するものである。ピン穴1029は、ガイドピン1028が固定されるものであり、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側からピン穴1029に固定された状態で、そのガイドピン1028を前記挿入縦開口1020の最下端部に形成される横長状開口部に係合させることにより、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内するものである。更に、連結穴1030は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結するためのものである。
上記した第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033が形成され、その上部他端にバネ係止穴1036が穿設され、下方端部に当接部1037が設けられている。連結穴1033は、第一不正防止部材1023の連結穴1030と一致させて連結ピン1034で連結するためのものであり、バネ係止穴1036は、一端がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されるバネ1035の他端を係止するものである。また、当接部1037は、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定される閉鎖用突起41と当接するものである。なお、上記した第一不正防止部材1023及び第二不正防止部材1032の作用については、後に詳述する。
次に、コ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050について説明する。まず、扉枠用摺動杆1040は、縦長の金属製の板状部材から構成され、その一側縦辺の上中下の3箇所に扉枠用フック部1041が前方に向かって一体的に突設されている。この扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に収納したときに、その開放側から前方に突出しているもので、錠装置1000を本体枠3の裏面に固定したときに、本体枠3に形成される扉用フック穴549(図21及び図22参照)から前方に突出し、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー227(図15参照)に係止するものである。なお、扉枠用フック部1041は、下向きの係合爪形状となっているため、扉枠用摺動杆1040を上昇させることにより扉枠用フック部1041とフックカバー227との係止状態を解除することができる。
また、扉枠用摺動杆1040の上中下の側面中央に、前記リベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042が形成され、該リベット用長穴1042のうちの最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端にガイド突起1043が突設されている。リベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が貫通されるものであり、しかも、このリベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。そして、通常状態においては、リベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通当接した状態となっている。また、ガイド突起1043は、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成される突片移動穴1056,1064に挿通されるものであり、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内するようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040の上端部にスプリングフック部1046が形成され、このスプリングフック部1046にスプリング1048の一端が係止され、そのスプリング1048の他端が本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051に形成されるスプリングフック部1057に係止される。これにより、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、それぞれ相互に付勢されている。扉枠用摺動杆1040の中程には、当接弾性片1047が凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレスで打ち出して凸状に形成したものであり、コ字状基体1001の内側面に当接して内部で扉枠用摺動杆1040がガタつかないようにするものである。更に、扉枠用摺動杆1040の下方部分の側面には、共に縦長な遊び穴1044と上昇係合穴1045とが形成されている。遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動しえる空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040の縦辺下部後方には、前記不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きな切欠である逃げ切欠部1049が形成されている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパー片部1027を確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合させるために邪魔しないように形成されるものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1052と、から構成されている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されているわけではなく、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。このため、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができる。
ところで、上フック部材1051には、その上端部に後方に向かってフック部1054が突設され、その板面部にリベット用長穴1055と突片移動穴1056とが形成され、また、その前方の縦辺下端部にスプリングフック部1057と連結穴1058とが形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1059が形成されている。フック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に設けられる閉鎖用突起38に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、上フック部材1051が下方に向かって移動することができるようになっている。突片移動穴1056は、前述したように扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。スプリングフック部1057は、前述したようにスプリング1048の他端が係止されるものである。また、連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるものである。更に、当接部1059は、コ字状基体1001に収納されたときに、該コ字状基体1001の内部側壁に当接して上フック部材1051の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
一方、下フック部材1052には、その下端部に後方に向かってフック部1065が突設され、その板面部の上方から下方にかけてリベット用長穴1061と下降係合穴1062と遊び穴1063と突片移動穴1064とが順次形成され、また、その前方の縦辺上端部に連結穴1060が、その後方の縦辺下部に係合切欠部1066がそれぞれ形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1067が形成されている。フック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に設けられる閉鎖用突起41に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1061にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動し得る空間を構成するものである。突片移動穴1064は、前述したように扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。また、連結穴1060は、連結線杆1053の下端が折り曲げられて挿入されるものである。更に当接部1067は、コ字状基体1001に収納されたときに、該コ字状基体1001の内部側壁に当接して下フック部材1052の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
以上、錠装置1000を構成する各部材について説明してきたが、この錠装置1000を組み付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とをコ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入する。その後、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。この際、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。ただし、最下端のリベット1006を差し込むときには、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取り付ける必要がある。なお、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取り付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し且つガイドピン1028をピン穴1029に図示しないビスで止着しておき、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片(穴)1021,1036に掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009にシリンダー錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダー錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、このとき係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入し、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入した状態となるようにシリンダー錠1010を錠取付片1008に取り付ける。
上記のようにして組み付けた錠装置1000を本体枠3の裏面に取り付けるためには、前述したように、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠3に形成される扉用フック穴549に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、図63に示すように、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
ところで、本体枠3の裏面に取り付けられた錠装置1000の作用について図70及び図71を参照して説明する。まず、図70を参照して本体枠3の開閉動作と扉枠5の開閉動作について説明する。本体枠3が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図70(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー227とが係止した状態となっている。その状態でシリンダー錠1010に図面示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図70(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。このため、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止状態が解除されるため、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図70(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖用突起38,41の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、遂には、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖用突起38,41とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻る。
一方、シリンダー錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図70(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー227と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるため、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図70(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているため、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー227の上端部と当接するので、扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、遂には、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー227とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長とほぼ同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面のほぼ全長に亘って取り付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているため、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠が確実に行われ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないという利点もある。
上記したように、本実施形態に係る錠装置1000は、シリンダー錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。この場合、シリンダー錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させる不正行為が行われることがあるが、本実施形態においては、このような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図71を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態においては、図71(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパー片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパー片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。このため、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパー片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができない。
一方、シリンダー錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図71(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパー片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。このため、ストッパー片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。このとき、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖用突起38,41との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じるときには、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図71(A)に示す状態とほぼ同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図71(A)に示す状態となる。このため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠3を閉じるときに邪魔になることはない。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係る錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダー錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤の下端辺よりも下方となる位置としたので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取り付けることができる。そして、断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取り付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができない。また、錠装置1000の取り付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003及びビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
なお、上記した実施形態においては、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダー錠貫通穴526の上部近傍に形成した錠取付穴547とを螺着する構造としたが、これに代えて、シリンダー錠1010を錠取付片1008に取り付けるビス1012を利用して、該ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダー錠貫通穴526の上下に形成する構造でも良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付穴547との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定されることを確認している。更に、上記した実施形態においては、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものとしたが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を第一側面壁540に密着しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、第一側面壁540に密着する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としてもよい。この場合でも、実施形態と同じような取付構造及び不正防止構造とすることができる。
<基板ユニット>
次に、本体枠3の裏面下部に取り付けられる基板ユニット1100について、主として図72及び図73を参照して説明する。図72は、基板ユニット1100を背面側から見た斜視図であり、図73は、基板ユニット1100を前面側から見た斜視図である。
基板ユニット1100は、本体枠3の裏面下部に複数形成されるホルダ用の取付穴部527(図22,図24参照)に取り付けられるものであり、図示すように、合成樹脂成形された枠用基板ホルダ1101に、扉中継基板、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、払出制御基板ボックス1105、主ドロワ中継基板、及び副ドロワ中継基板の各種基板を取り付けることにより構成されている。上記の基板のうち、扉中継基板、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、及び払出制御基板ボックス1105は、枠用基板ホルダ1101の後面側に前後方向に重複して取り付けられ、主ドロワ中継基板及び副ドロワ中継基板は、枠用基板ホルダ1101の前面側に取り付けられるものである。なお、払出制御基板ボックス1105の裏面には、電源基板等からの電磁波の影響を防止するためにシールド板が取り付けられ、また、主ドロワ中継基板及び副ドロワ中継基板は、基板カバー1109に被覆されて取り付けられている。
まず、枠用基板ホルダ1101は、横長状に合成樹脂で成形され、図示すように、その後面側一側部に配線用開口1124が形成され、図示は省略するが、配線用開口1124の内側に扉中継基板を取り付けるための中継基板用凹部が形成されている。この枠用基板ホルダ1101の左右両辺及び下辺には、基板ユニット1100を本体枠3に取り付けるための取付片1122が外側に向かって突設され、該取付片1122を本体枠3の前記取付穴部527(図22参照)に対応させて図示しないビスで止着することにより、基板ユニット1100が本体枠3の背面下部に取り付けられる。なお、取付穴部527は、図24に示すように、取付片1122の外形形状に合致する外周壁を有して形成されている。更に、枠用基板ホルダ1101の他端側(図73の右側)側壁の外側に、配線を係止するための配線掛止片1123が突設形成されている。
また、枠用基板ホルダ1101の前面側のほぼ中央には、アウト球通路1119が逆さL字状に形成されている。このアウト球通路1119は、前述したアウト口606(図31参照)、球抜排出通路524(図22参照)の下流側、及び落下口629(図29参照)と対応するように上方が幅広く形成され、下流側が球を列状に排出するように幅狭く形成されている。したがって、基板ユニット1100を本体枠3に取り付けたときには、図25に示すように、アウト球通路1119の幅広上流部がアウト口606の下面を支持する通路支持突起513の後方に位置するようになっている。そして、アウト球通路1119の下流端からアウト球や入賞球、あるいは球抜き球がパチンコ遊技機の外部(一般的に、島の回収樋)に向かって放出されるものである。
基板カバー1109には、主ドロワ中継基板に設けられる主ドロワ中継コネクタ1200及び払出制御基板用コネクタ1201と、副ドロワ中継基板に設けられる副ドロワ中継コネクタ1202及び扉枠用コネクタ1203とが基板カバー1109の外側に突出するための長方形状のコネクタ用開口が開設されている。
払出制御基板ボックス1105は、横長の長方形状の払出制御基板が固定されるボックス主体と、ボックス主体に取り付けられて払出制御基板の表面を覆うカバー体と、から構成されている。ボックス主体とカバー体とは、その一側辺を係合させ、その他側辺に分離切断部1183でカシメ固定している。これによってボックス主体とカバー体とを分離するためには、分離切断部1183を切断しないと分離できないようになっている。ただし、分離切断部1183におけるカシメ固定は、複数箇所(図示の場合は、1〜4の数字で示す4箇所)のうち、いずれかをカシメ部材でカシメれば良く、例えば、検査等で分離する必要がある場合には、3回まで行うことができる。もちろん、不正に分離した場合には、切断した痕跡が残ることになるので、不正行為があったか否かを直ちに知ることができるようになっている。
<カバー体>
次に、カバー体1250について、図6、図24及び図28を参照して説明する。カバー体1250は、本体枠3の後面開口580を覆うものであり、その一側の上中下の3箇所に本体枠3の背面一側に形成されるカバー体支持筒部575に上方から挿入される軸支ピン1251が形成され、その他側のほぼ中央に球通路ユニット770に形成されるカバー体係合溝785と係合する係合片1252が形成されている。しかして、カバー体1250の軸支ピン1251をカバー体支持筒部575に差し込むことにより、カバー体1250を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片1252をカバー体係合溝785に係止することにより、カバー体1250を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる各種部品の背面を保護することができる。なお、開放する場合には、係合片1252とカバー体係合溝785との係合を解除すればよい。
また、図示の場合のカバー体1250においては、開放側の係合片1252の上下に止め穴1253が形成され、また、本体枠3の施錠壁569に突設される施錠用突出鉤片570を貫通させる貫通穴1254が形成され、更に詳細に図示しないが、次に説明する第二実施形態に係るカバー体1270と同じように、接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブが形成されている。これら接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブは、第二実施形態に係るカバー体1270の接続操作用開口1283、立壁1284、当接突起1285、補強リブ1286と同じ位置に設けられて同じ機能を奏するものである。しかして、カバー体1250を閉じた状態で、カバー体1250の止め穴1253と本体枠3側の止め穴568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができる。そして、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570がカバー体1250の貫通穴1254を貫通しているので、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
<遊技盤の詳細構成>
遊技盤4の詳細な構成について、主に図74乃至図78を参照して説明する。図74は、遊技盤の正面図であり、図75は、遊技盤を正面から見た斜視図であり、図76は、遊技盤を背面から見た斜視図であり、図77は、遊技盤を構成する主な部材ごとに分解して正面から見た斜視図であり、図78は、図77の分解図を背面から見た斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール602及び内レール603を有し、遊技者が操作ハンドル部461を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域605の外周を区画形成する枠状の遊技領域区画枠部材601と、遊技領域区画枠部材601の後側で遊技領域605を閉鎖するように配置される透明板状の遊技パネル599と、遊技パネル599の外周を覆うと共に遊技パネル599を前側から着脱可能に保持し、遊技領域区画枠部材601の後側に取付けられる枠状のパネルホルダ600と、パネルホルダ600の後側に取付けられる裏ユニット1500と、裏ユニット1500の後側に配置され、所定の演出画像を表示可能な演出表示手段としての液晶表示装置640とを備えている。
遊技盤4における遊技領域605には、その略中央部分に枠状のセンター役物1400が配設されており、このセンター役物1400の枠内を通して前方(遊技者)から液晶表示装置640に表示される演出画像を視認できるようになっている。このセンター役物1400の外周左縁には、チャッカー入口1401とチャッカー出口1402とが上下に並んで形成されており、チャッカー入口1401とチャッカー出口1402とを結ぶように遊技球が流通可能なチャッカー通路1403が形成されている(図82参照)。このチャッカー通路1403内には、流通する遊技球を検出するゲートセンサ1404が備えられており、チャッカー入口1401から進入した遊技球がゲートセンサ1404で検出された後にチャッカー出口1402からセンター役物1400の左側の遊技領域605内へ戻されるようになっている。
また、センター役物1400には、チャッカー出口1402の下側にワープ入口1405が形成されており、このワープ入口1405へ進入した遊技球が、ワープ通路1406を介して、センター役物1400の下枠上面に形成されたステージ1407上に導かれるようになっている。
この遊技領域605には、センター役物1400の中央下方に、アタッカユニット1430が配設されている。このアタッカユニット1430は、上方に常時開口し遊技球が入賞可能な第一始動口1431と、第一始動口1431の下方に設けられ開閉可能な一対の可動片1432によって入賞可能な状態と入賞不能な状態とに変化する第二始動口1433と、第二始動口1433の下方に配置され左右方向に延びた開閉部材1434が開閉することで遊技球が入賞可能な状態と入賞不能な状態とに変化する大入賞口1435と、大入賞口1435の左右に夫々配置され、常時遊技球が入賞可能とされた一般入賞口1436とを備えている。
更に、遊技領域605には、図74に示すように、アタッカユニット1430の右側に、二つの一般入賞口1436を有した入賞口部材1470と、特別図柄表示器1481や普通図柄表示器1482等を有した図柄表示部材1480とを備えている。この図柄表示部材1480の上面には、左端が低くなったスロープ1483が備えられており、図柄表示部材1480上に流下した遊技球が、スロープ1483によって、遊技領域605の左右方向中央へ寄せられるようになっている。
この図柄表示部材1480には、その他に、普通図柄表示器1482において普通図柄が変動中に、ゲートセンサ1404で遊技球が検出された場合に普通図柄の変動開始を保留する保留数(例えば、四つ)を表示する普通図柄保留数表示器1484が備えられている。また、図柄表示部材1480には、特別図柄表示器1481において特別図柄が変動表示中や、特別有利遊技状態(例えば、大当り遊技状態)の発生中等の時に、第一始動口1431や第二始動口1433へ遊技球が入賞した場合に、特別図柄の変動開始を保留する保留数(例えば、四つ)を表示する特別図柄保留数表示器1485が備えられている。
また、遊技領域605には、図柄表示部材1480とは左右方向反対側に、センター役物1400の左側を流下してきた遊技球を、アタッカユニット1430の方向へ誘導する誘導部材1490が更に備えられている。この誘導部材1490の上面には、右端が低くなったスロープ1491が形成されており、このスロープ1491によって、遊技球がアタッカユニット1430の配置された中央側へ誘導されるようになっている。
本例のパチンコ機1では、一般入賞口1436、第一始動口1431、第二始動口1433、及び大入賞口1435に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出されるようになっている。例えば、遊技球が一般入賞口1436に入賞すると、10個の遊技球が、第一始動口1431に入賞すると3個の遊技球が、第二始動口1433に入賞すると4個の遊技球が、そして、大入賞口1435に入賞すると13個の遊技球が夫々払出される。
また、チャッカー入口1401から進入した遊技球がゲートセンサ1404によって検出されると、所定の抽選が行われ、普通図柄表示器1482において図柄が変動表示された後に、抽選結果を示唆する図柄が停止表示される。この普通図柄表示器1482において「当り」を示唆する図柄が表示されると、第二始動口1433を閉状態としている一対の可動片1432が所定時間(例えば、0.5秒)開状態となり、その間、第二始動口1433へ入賞が可能となる。
一方、第一始動口1431及び第二始動口1433に遊技球が入賞すると、夫々において所定の抽選が行われる。そして、この抽選に基づいて、特別図柄表示器1481において特別図柄の変動表示が開始された後に、抽選結果を示唆する所定の態様で特別図柄が停止表示されるようになっている。この特別図柄表示器1481において、「大当り」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット1430の開閉部材1434が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態(例えば、大当り遊技)が発生し、その間に大入賞口1435へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。なお、特別図柄表示器1481は、第一始動口1431及び第二始動口1433と対応するように、第一特別図柄表示器1481a及び第二特別図柄表示器1481bの二つの図柄表示器を有している。また、特別図柄保留数表示器1485もまた、第一特別図柄表示器1481aと第二特別図柄表示器1481bとに対応して、第一特別図柄保留数表示器1485aと第二特別図柄保留数表示器1485bとが備えられている。
なお、詳細は後述するが、アタッカユニット1430の各始動口1431,1433、大入賞口1435や一般入賞口1436、及び入賞口部材1470の一般入賞口1436に入賞した遊技球は、遊技パネル599の後側へ送られて遊技領域605外へと排出されるようになっている。また、アタッカユニット1430の第一始動口1431と一般入賞口1436、及び入賞口部材1470の一般入賞口1436に入賞した遊技球は、遊技パネル599の後側の裏ユニット1500に備えられた球誘導ユニット1560を介して排出されるようになっている。
本例の遊技盤4は、表面(前面)に障害釘が植設された遊技パネル599が、透明板状とされ、遊技者から遊技パネル599の後側を視認することができるようになっている。この遊技パネルには、前後方向に貫通し内周形状が所定形状とされた開口部599e(図図80及び図81等を参照)が複数形成されており、これら開口部599eに対応するように、センター役物1400、アタッカユニット1430、入賞口部材1470、及び図柄表示部材1480が夫々遊技パネルの599の前側から遊技パネル599に対して固定されている。
この遊技パネル599における開口部599eは、切削加工や切断加工等の後加工によって形成されていると共に、開口部599eの加工の際にその内周面が白濁状(図75における網掛け部分)となるように加工されている。そして、図75に示すように、遊技パネル599の開口部599eの内周面を白濁状に形成することで、開口部599e内に挿入されるセンター役物1400の挿入部1400bの外周面、アタッカユニット1430のケーシング1430a、入賞口部材1470の本体部1471等が遊技者側から見辛くなり、それらが見えることで遊技盤4全体の意匠性が低下するのを防止することができるようになっている。
また、図示するように、遊技パネル599の後側に配置された裏ユニット1500には、液晶表示装置640の外周を囲むように立体的に造形された装飾体1520が備えられており、この装飾体1520が遊技パネル599を通して視認することができるようになっている。つまり、本例のパチンコ機1では、遊技パネル599の後側すなわち遊技領域605の後側に、立体的な装飾体1520が見えるこれまでのパチンコ機には無い特徴的な外観を有しており、他のパチンコ機との差別化を図ることができると共に、遊技者の関心を強く引き付けることができるようになっている。
なお、装飾体1520におけるアタッカユニット1430や入賞口部材1470の後側に配置された右下発光装飾体1524には、少なくとも遊技球が通過可能な大きさの切欠き部1524d(図93参照)が形成されており、その切欠き部1524dを通して左下発光装飾体1524の後側に配置された球誘導ユニット1560へ、アタッカユニット1430や入賞口部材1470に入賞した遊技球が導かれるようになっていると共に、球誘導ユニット1560が右下発光装飾体1524によって隠蔽されて、遊技者から見えないようになっている(図75参照)。
[遊技盤における遊技パネルの保持構造]
遊技盤4における遊技パネル599の保持構造について、主に図79乃至図81を参照して説明する。図79は、遊技盤における遊技領域区画枠部材、遊技パネル、及びパネルホルダを組立てた状態で縦方向に切断して示す断面図であり、図80は、遊技盤を主に構成する遊技領域区画枠部材、遊技パネル、及びパネルホルダ等を分解して正面から見た分解斜視図であり、図81は、図80を背面から見た分解斜視図である。
本実施形態の遊技盤4は、上述したように、遊技領域605と対応する大きさの透明な合成樹脂からなる板状の遊技パネル599と、遊技パネル599を前方から着脱可能に保持する合成樹脂からなる枠状のパネルホルダ600と、パネルホルダ600の前側に配置され遊技領域605の外周を区画形成すると共に遊技領域605内に遊技球を案内する案内する外レール602及び内レール603を備えた遊技領域区画枠部材601と、パネルホルダ600の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内に配置される板状のパネル裏板635とを主に備えている。
この遊技領域区画枠部材601は、図示するように、その後面側に、後方へ突出する複数の位置決めボス601a及び位置決め突起601bが備えられている。これら位置決めボス601a及び位置決め突起601bは、詳細は後述するが、後側に配置されるパネルホルダ600や盤用基板ホルダ623、及び遊技パネル599と位置決めできるようになっている。
遊技盤4における遊技パネル599は、その外形が遊技領域605よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂板により形成されている。なお、遊技パネル599の板厚は、パネルホルダ600によりも薄く、図示しない障害釘を植設しても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。
この遊技パネル599には、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔599aと、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔599bが夫々備えられている。これら嵌合孔599a及び長孔599bは、遊技領域605よりも外側に配置されており、パネルホルダ600との位置決めを行うものである。また、遊技パネル599には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部599cが夫々備えられている。この係合段部599cは、遊技パネル599の板厚の略半分を切り欠いた形態とされると共に、嵌合孔599a及び長孔599bと同様に、遊技領域605よりも外側に配置されており、遊技パネル599をパネルホルダ600へ係合固定するためのものである。
また、遊技パネル599には、所定位置に内レール固定孔599dが複数備えられている。この内レール固定孔599dに内レール603の後側から突出する位置決め突起599bを嵌合固定させることで、内レール603を所定の位置に固定することができるようになっている。
更に、遊技パネル599には、センター役物1400、アタッカユニット1430、入賞口部材1470、及び図柄表示部材1480等が備えられるように内径が所定形状で前後方向に貫通する開口部599eが形成されていると共に、それらを固定するための固定孔が適宜位置に形成されている。
遊技盤5におけるパネルホルダ600は、遊技パネル599を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、従来のパチンコ機の遊技盤における木製合板からなる部材(例えば、遊技盤ベース等)の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた熱可塑性合成樹脂からなるものである。このパネルホルダ600には、遊技パネル599を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部600aと、保持段部600aの内側において略遊技領域605と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口600bとを主に備えている。
パネルホルダ600の保持段部600aは、前面からの深さが遊技パネル599の厚さと略同じ深さとされており、保持段部600a内に保持された遊技パネル599の前面がパネルホルダ600の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部600aは、その前側内周面が、遊技パネル599の外周面に対して所定量のクリアランスCが形成される大きさとされている。このクリアランスCにより、温度変化や経時変化により相対的に遊技パネル599が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている(図79参照)。なお、クリアランスC内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ600には、保持段部600aに保持される遊技パネル599に形成された嵌合孔599a及び長孔599bと対応する位置に配置され、保持段部599aの前面から前方に向かって延び、遊技パネル599の嵌合孔599a及び長孔599bに嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン599cを備えている。これらの突出ピン600cを遊技パネル599の嵌合孔599a及び長孔599bに嵌合及び挿通することで、パネルホルダ600と遊技パネル599とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ600には、遊技パネル599の係合段部599cと対応する位置に、係合段部599cと係合する係合爪600d及び係合片600eを供えている。詳述すると、図79及び図80に示すように、係合爪600dは、パネルホルダ600の上側の保持段部600aに配置されており、遊技パネル599における上側の係合段部599cと対応し、保持段部600aの前面から前方に向かって突出し係合段部599cと弾性係合するようになっている。この係合爪600dは、その先端がパネルホルダ600の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片600eは、パネルホルダ600の下側の保持段部600aに配置され、遊技パネル599における下側の係合段部599cと対応し、保持段部600aの前面との間に遊技パネル599の係合段部599cが挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ600の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪600d及び係合片600eに遊技パネル599の係合段部599cを係合させることで、遊技パネル599がパネルホルダ600に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ600には、遊技領域区画枠部材601に備えられた位置決めボス601aを挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔600fを備えており、このボス挿通孔600fに遊技領域区画枠部材601の位置決めボス601aを挿通することで、パネルホルダ600と遊技領域区画枠部材601とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ600には、図79及び図81に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部600gが備えられている。この取付支持部600gにより、パネルホルダ600の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部600gに取付固定される裏ユニット1500における裏箱1510のフランジ状の固定部1510d(図90等参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部600gに所定の部材を取付固定することで、その固定部1510dがパネルホルダ600よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ600すなわち遊技盤4をパチンコ機1の遊技盤設置凹部510内に確実に設置装着できるようになっている。
また、パネルホルダ600の後面側には、下端より所定高さまでの所定範囲内で取付支持部600gが形成された位置より下側に形成され、前側に向かって窪み、パネル裏体635を収容可能な収容凹部600hと、この収容凹部600h内に前後方向に貫通するように配置されパネル裏板635に形成された係止爪635cを係止可能な係止部600iとを更に備えている。この収容凹部202hは、パネル裏板635の係止爪635cを係止部600iに係止させることでパネル裏板635を着脱可能に収容すると共に、収容されたパネル裏板635の後面が、パネルホルダ600の後面と略同一面となるように形成されている。
更に、パネルホルダ600には、図81に示すように、後面側の取付支持部600g内及び収容凹部600hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔600jが所定配列で配置されている。また、パネルホルダ600には、取付孔600jと対応するように配置される複数の位置決め孔600kが備えられている。この位置決め孔600kは、取付孔600jを用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱1510の固定部1510dに形成された位置決め突起1510f)が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔600kは、背面視略矩形状の止り孔とされている。
なお、取付孔600jに対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔600jを用いるようにしても良い。
更に、パネルホルダ600には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部600lが形成されており、肉抜き部600lによりパネルホルダ600の重量が軽減されるようになっている。図80に示すように、収容凹部600hの前側、つまり、パネルホルダ600の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部600lが形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ600の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される遊技領域区画枠部材601の接続通路部609の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ600は、図示するように、肉抜き部600lが形成されることで、取付孔600j等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ600の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ600には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部600mが形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル599を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ600の下部には、遊技領域区画枠部材601のアウト口606と連通する開口600nと、遊技領域区画枠部材601のファール口610と連通する連通孔600oとが更に備えられている。
次に、パネル裏板635は、パネルホルダ600の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内の肉抜き部600lを覆うように配置されると共に、パネルホルダ600の収容凹部600hに後面同士が略同一面となるように収容可能とされ、平面状の後面に所定配列で配置され所定のビスを螺合可能な複数のビス孔635aと、ビス孔635aと対応するように配置される複数の位置決め孔635bと、パネルホルダ600の係止部600iに係止可能な係止爪635cと、前面側から貫通しないように陥没する減量用の凹陥部635dとを備えている。
なお、このパネル裏板635におけるビス孔635a及び位置決め孔635bは、パネルホルダ600における取付孔600j及び位置決め孔600kと略同じ構成とされている。また、このパネル裏板635もパネルホルダ600と同様に、凹陥部635dにより、ビス孔635a及び位置決め孔635b等が形成された部分がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネル裏板635の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。更に、パネル裏板635には、パネルホルダ600の開口600n、連通孔600o、及びボス挿通孔600fと対応した位置に前後方向に貫通する開口635eが備えられている。
このパネル裏板635は、パネルホルダ600の収容凹部600hに収容させると共に、パネル裏板635の係止爪635cをパネルホルダ600の係止部600iに係止させることで、パネルホルダ600と一体となり、その状態では、パネル裏板635の後面が、パネルホルダ600の後面と略同一面となる。このようにパネルホルダ600とパネル裏板635とを一体化することで、パネルホルダ600の後面側には、貫通口600bの外周側で略全周に亘って所定配列で取付孔600j、ビス孔635a等からなる取付孔と、位置決め孔600k及び635bが配置されることとなり、それら取付孔の存在により、所定の部材を任意の位置に取付固定できるようになっている。
上述したように、本例における遊技パネル599の保持構造によると、前方からパネルホルダ600の保持段部600a内へ遊技パネル599を嵌合挿入して、係合爪600d及び係合片600eと、係合段部599cとを係合させることで、パネルホルダ600に遊技パネル599を保持させることができると共に、遊技パネル599とパネルホルダ600の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくても遊技パネル599をパネルホルダ600に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、遊技領域605を有した遊技盤4を、遊技パネル599、パネルホルダ600、及び遊技領域区画枠部材601に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化する遊技パネル599を交換パーツとすると共に、パネルホルダ600及び遊技領域区画枠部材601を共通パーツとすることができ、パネルホルダ600や遊技領域区画枠部材601等をリサイクル可能とすることができると共に遊技パネル599のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ600に予め複数の取付孔600jが所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ600の後面側に取付固定される裏ユニット1500や盤用基板ホルダ623等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔600jの位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ600を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[センター役物]
センター役物1400の詳細な構成について、図82乃至図84を参考にして説明する。図82は、センター役物の正面図であり、図83は、センター役物を正面から見た斜視図であり、図84は、センター役物を背面から見た斜視図である。
センター役物1400は、遊技領域605の幅方向に対して、4分の3以上の幅を占める大きさであり(図74等参照)、遊技パネル599に形成された開口部599eの周縁に略沿った枠状に形成されている。このセンター役物1400の枠内を通して、後方に配置された液晶表示装置640に表示された演出画像を視認することができるようになっている。
このセンター役物1400の上縁部には、左右方向中央からやや右よりの位置に、「MAGMA ZONE」、「FREEZE ZONE」の文字が円形状に施された演出用装飾体1408が配置されている。この演出用装飾体1408の上面には、右側が低くなった誘導棚1409が備えられており、演出用装飾体1408の上側に打ち込まれた遊技球が、誘導棚1409に誘導されて、センター役物1400の右側外周へと誘導されるようになっている。一方、上縁部における演出用装飾体1408よりも左側の上面は、左側が低くなった誘導棚1410が備えられており、誘導棚1410上へ流下した遊技球が、センター役物1400の左側外周へ誘導されるようになっている。
センター役物1400の演出用装飾体1408は、図74に示すように、その誘導棚1409と遊技領域605における内周上部との間に遊技球の径よりも若干大きい隙間が形成されるように上方へ延びだしており、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が、遊技領域605の内周に沿って転動しないかぎり、演出用装飾体1408を越えてセンター役物1400の右側外周を流下しないようになっている。
センター役物1400の左縁部には、その外周面に上から、チャッカー入口1401、チャッカー出口1402、及びワープ入口1405が備えられている。チャッカー入口1401とチャッカー出口1402は、チャッカー通路1403により連通しており、このチャッカー通路1403内に配置されたゲートセンサ1404によって、チャッカー通路1403内を流通する遊技球を検出することができるようになっている。
また、センター役物1400の右縁部には、その外周が遊技領域605の内周右部との間で遊技球の径よりも若干大きい隙間が形成された状態となる右縁誘導路1411を備えており、演出用装飾体1408を越えて誘導棚1409に誘導された遊技球が、右縁誘導路1411を流通して、図柄表示部材1480のスロープ1483上へ供給されるようになっている。なお、この右縁誘導路1411には、誘導路内へ向かって突出する凸条1412が複数形成されており、この凸条1412に右縁誘導路1411内を流通する遊技球が当接することで遊技球の流通速度が減衰し、遊技球の流下速度が速くなるのを抑制することができるようになっている。これにより、右縁誘導路1411から放出された遊技球によって、右縁誘導路1411の下方に配置された図柄表示部材1480等が破損するのを防止することができるようになっている。
センター役物1400の下縁部には、その枠内の上面に、左右方向へ遊技球が転動可能なステージ1407が形成されている。このステージ1407は、左右方向中央が低くなった形態とされており、その転動面の形状が異なり前後方向に配置された第一ステージ1407aと第二ステージ1407bとから構成されている。このステージ1407の左右方向中央の下方に、第一始動口1431、第二始動口1433、及び大入賞口1435が配置されている。このステージ1407へは、ワープ入口1405に進入した遊技球が供給されるようになっており、遊技領域605内でセンター役物1400の左側を流下する遊技球が、ワープ入口1405に進入すると、ステージ1407上へと供給され、ステージ1407上を左右方向に転動した後に、第一始動口1431や第二始動口1433へ遊技球が高い確率で入賞するように放出することができるようになっている。
本例のセンター役物1400は、遊技パネル599における開口部599eの前側周縁部と当接するフランジ状部1400aと、フランジ状部1400aとは略直角方向に延び遊技パネル599の開口部599e内へ挿入される挿入部1400bとを備えている。このフランジ状部1400aと挿入部1400bとによって、遊技パネル599における開口部599eの内周面(切断面)が遊技者から隠蔽されるようになっている。なお、挿入部1400bは、その一部分が裏ユニット1500の内部で、液晶表示装置640の前面付近まで延びだした形態とされている。また、詳細は後述するが、センター役物1400の挿入部1400bは、その一部が裏ユニット1500に配置された発光装飾体1520の壁状側面と連続するような形状に形成されている。
このセンター役物1400は、上縁部の演出用装飾体1408から右縁部の下端にかけて、白色の不透明部材と白色の透光性部材とを組合わせた部材により構成すると共に、演出用装飾体1408の左側に配置された誘導棚1410から、左縁部及び下縁部(ステージ1407を含む)が、無色の透明部材により構成されており、図75に示すように、センター役物1400におけるステージ1407や透明な部分等を通してもステージ1407よりも下側やセンター役物1400よりも後側に配置された裏ユニット1500の装飾体1520を遊技者側から視認することができるようになっている。
また、図示するように、センター役物1400の外表面が、氷や氷山を模した形状に造形されており、本パチンコ機1のコンセプトが遊技者に伝わるようになっていると共に、透明な部分では、それらの造形により光を屈折撹乱させることができ、遊技パネル599の開口部599eが遊技者から目立たないようになっている。また、第一ステージ1407a及び大にステージ1407bには、前側が低くなると共に前側へ向かうに従って左右に広がる湾曲状の誘導凹部が複数形成されており、この誘導凹部により遊技球を各ステージ1407から前側へ放出し易くしていると共に、誘導凹部によりステージ1407を通して後側(下側)が歪んで見えるようになっている。
[アタッカユニット及び入賞口部材]
アタッカユニット1430及び入賞口部材1470の構成について、主に図85を参考に説明する。図85(A)はアタッカユニットを前斜め上方から見た斜視図であり、(B)はアタッカユニットを後斜め上方から見た斜視図である。
このアタッカユニット1430は、前方から遊技パネル599の開口部599eに挿入されて、遊技パネル599の後側から後方へ突出するケーシング1430aと、ケーシング1430aの前面から遊技パネル599の面に沿って延び開口部599eの前側周縁部と当接するフランジ部1430bとを備えている。このケーシング1430aには、第二始動口1433を開閉する一対の可動片1432を開閉駆動するための始動口ソレノイド1437と、大入賞口1435を開閉する開閉部材1434を開閉駆動するためのアタッカソレノイド1438とが備えられており、始動口ソレノイド1437及びアタッカソレノイド1438は、夫々図示しないリンク機構によって一対の可動片1432及び開閉部材1434を開閉駆動することができるようになっている。
また、ケーシング1430aには、第二始動口1433に入賞した遊技球を検出する第二始動口センサ1439と、大入賞口1435に入賞した遊技球を検出するカウントセンサ1440とが備えられている。なお、図示は省略するが、これら第二始動口センサ1439及びカウントセンサ1440によって検出された遊技球は、ケーシング1430aの下面に形成された異なる排出口から夫々下方へ排出されるようになっている。
アタッカユニット1430におけるフランジ部1430bの前面には、図示するように、第一始動口1431、第二始動口1433、及び一般入賞口1436が、前方へ突出するように備えられている。また、第一始動口1431、及び一般入賞口1436からは、フランジ部1430bと一体成形された誘導樋1441が後方へ延びだしている。このフランジ部1430bには、貫通する複数の取付孔1442が形成されており、これら取付孔1442を介して所定のビスを遊技パネル599の前面にねじ込むことで、アタッカユニット1430を遊技パネル599に取付固定することができるようになっている。
なお、図中符号1443は、遊技パネル599に対してアタッカユニット1430の固定位置を位置決めするための突起であり、この突起1443と対応する遊技パネル599の位置に、突起1443が挿入される位置決め孔が穿設されている(図示は省略)。
一方、入賞口部材1470は、上下方向に並んだ二つの一般入賞口1436を有した本体部1471と、本体部1471の後方から遊技パネル599の前面に沿うように延びるフランジ部1472と、本体部1471の各一般入賞口1436から後方へ向かって延びる誘導樋1473とを備えている。入賞口部材1470のフランジ部1472には、貫通する取付孔1474が形成されており、この取付孔1474を介して所定のビスを遊技パネル599の前面にねじ込むことで、入賞口部材1470を遊技パネル599へ固定することができるようになっている。
なお、上述したアタッカユニット1430及び入賞口部材1470の各誘導樋1441,1473は、遊技パネル599の開口部599eを貫通して遊技パネル599の後面から後方へ延びだした長さとなっており、各誘導樋1441,1473が、後述する裏ユニット1500に備えられた球誘導ユニット1560と連通し、各誘導樋1441,1473を介して誘導された遊技球が、球誘導ユニット1560内の各センサによって検出された後に、下方へ排出されるようになっている。
また、本例では、アタッカユニット1430及び入賞口部材1470は、白色の不透光性部材により形成されており、上述したセンター役物1400と同様に、氷山等の氷や雪をイメージした外形及び色とされている。
[裏ユニット]
裏ユニット1500の詳細な構成について、主に図86乃至図95を参照して説明する。図86は、裏ユニットの正面図であり、図87は、裏ユニットを前方斜め上から見た斜視図であり、図88は、裏ユニットを後方斜め上から見た斜視図であり、図89は、裏ユニットを各部材ごとに分解して前方斜め上から見た分解斜視図であり、図90は、裏ユニットを各部材ごとに分解して後方斜め上から見た分解斜視図である。また、図91(A)は裏ユニットにおける左上発光装飾体を各部材ごとに分解して前方斜め上から示す分解斜視図であり、(B)は(A)における拡散レンズ部材を後方斜め上から見た斜視図である。図92は、裏ユニットにおける左下発光装飾体を各部材ごとに分解して前方斜め上から見た分解斜視図である。図93(A)は裏ユニットにおける右上発光装飾体を各部材ごとに分解して前方斜め上から見た分解斜視図であり、(B)は裏ユニットにおける右下発光装飾体を各部材ごとに分解して前方斜め上から見た分解斜視図である。図94は、裏ユニットにおける右下隅発光装飾体を各部材ごとに分解して前方斜め上から見た分解斜視図である。更に、図95(A)は裏ユニットにおける左右の上発光装飾体を写した図面代用写真であり、(B)は裏ユニットにおける左右の下発光装飾体を写した図面代用写真である。
また、図96は、右中可動発光装飾体を前方斜め上から見た斜視図であり、図97(A)は右中可動発光装飾体における一対の第一表面形成部材が開いた状態を示す左側面図であり、(B)は一対の第一表面形成部材が閉じた状態を示す左側面図であり、図98(A)は右中可動発光装飾体が閉じた状態を写した図面代用写真であり、(B)は右中可動発光装飾体が開いた状態を写した図面代用写真である。また、図99は、左上可動発光装飾体を前方斜め上から見た斜視図であり、図100は、左上可動発光装飾体における移動機構を分解して示す分解斜視図であり、図101は、左上可動発光装飾体における移動体アッシーを分解して示す分解斜視図である。図102は、左下可動発光装飾体を前方斜め上から見た斜視図であり、図103は、左下可動発光装飾体における移動機構を分解して示す分解斜視図であり、図104は、左下可動発光装飾体における移動体アッシーを分解して示す分解斜視図である。また、図105は、左中上発光装飾体の正面図であり、図106は、左中上発光装飾体を分解して示す分解斜視図であり、図107は、左中下発光装飾体を分解して示す分解斜視図であり、図108は、図74のA−A断面図である。更に、図109(A)は図95(A)と対応し左上可動発光装飾体が左側へ移動した状態を写した図面代用写真であり、(B)は図95(B)と対応し左下可動発光装飾体が左側へ移動した状態を写した図面代用写真である。
更に、図110は、可動発光装飾体が閉状態時の各発光装飾体の配色を示す正面図であり、図111は、可動発光装飾体が開状態時の各発光装飾体の配色を示す正面図である。
本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における裏ユニット1500は、パネルホルダ600の後側に取付けられ前側が開放された所定深さ(奥行)の箱状で後壁1510aに貫通する開口部1510bを有した裏箱1510と、裏箱1510内で後壁1510aの開口部1510bの外周に配置される複数の発光装飾体1520とを備えている。
裏ユニット1500における裏箱1510は、正面視外形が矩形状とされ前後方向に所定幅で延びる角筒状の外筒部1510cと、外筒部1510cの前端から外方へ延びるフランジ状の複数の固定部1510dと、外筒部1510cの後端開口を閉鎖する後壁1510aと、後壁1510aを貫通する矩形状の開口部1510bとを備えている。固定部1510dには、前後方向に貫通する固定孔1510eと、前方へ突出する位置決め突起1510fとが形成されている。この固定部1510dをパネルホルダ600の後面側に当接させた上で、固定孔1510eを介して所定のビスを、パネルホルダ600やパネル裏板635の取付孔600j,635aにねじ込むことで、裏箱1510つまり裏ユニット1500をパネルホルダ600の後側に取付固定することができるようになっている。また、位置決め突起1510fは、パネルホルダ600やパネル裏板635の後面側に形成された位置決め孔600k,635bと嵌合することで、パネルホルダ600と裏ユニット1500との相対位置を位置決めできるようになっている。なお、図示するように、固定部1510dには、位置決め突起1510fが形成されていないものもある。
裏箱1510の後壁1510aには、その前面側に、発光装飾体1520等を取付固定するための取付孔や、先端に取付孔が穿設されたボス等が適宜位置に形成されている。また、後壁1510aの後面側には、主制御基板ボックス624の主制御基板1700等と遊技盤4とを接続するためのパネル中継基板1511、パネル中継基板1511と接続され各発光装飾体1520等の装飾を制御する第一装飾制御基板1513aを有した第一装飾制御基板ボックス1513、及び第一装飾制御基板ボックス1513の第一装飾制御基板1513aと接続されると共に第一装飾制御基板1513aと協働して各発光装飾体1520等の装飾を制御する第二装飾制御基板1515aを有した第二装飾制御基板ボックス1515を取付固定するための、パネル中継基板固定部1510g、第一装飾制御基板ボックス固定部1510h、及び第二装飾制御基板ボックス固定部1510iを備えている。
また、裏箱1510には、後壁1510aの後面側で、開口部1510bの左右両側に、液晶表示装置640着脱可能に取付固定するための液晶固定部1510jが備えられている。左右一方(背面視右側)の液晶固定部1510jには、上下方向にスライド可能なスライド片1516が備えられており、このスライド片1516を上方にスライドさせた状態で、他方(背面視左側)の液晶固定部1510jに液晶表示装置640の固定片640a(図77及び図78参照)を挿入させた上、反対側の固定片(図示せず)を対応する液晶固定部1510jに挿入し、スライド片1516を下方へスライドさせることで、液晶表示装置640を裏箱1510の後側に取付固定することができるようになっている。
この裏箱1510は、後壁1510aの後面側に液晶表示装置640を取付固定することで、後壁1510aの開口部1510bが液晶表示装置640によって閉鎖された状態となる。そして、裏箱1510に液晶表示装置640を取付固定することで、裏箱1510が筒状の外筒部1510cと後壁1510a及び液晶表示装置640とによって、前方が開放された箱状となり、この裏箱1510により、前方側を除いて略密閉された所定容積の空間を遊技パネル599の後側に形成することができるようになっている。本例では、この空間内に種々の演出が可能な発光装飾体1520が配置されている。なお、この空間内に遊技球を流通させても良い。また、本例の裏箱1510は、図示するように、後壁1510aが一面の平面に形成されておらず、裏箱1510の前面から後壁1510aまでの距離(深さ)が、50mm〜100mmの範囲内とされている。
裏ユニット1500における発光装飾体1520は、裏箱1510内の左***よりに配置される左上発光装飾体1521と、左上発光装飾体1521の右側に隣接して配置される右上発光装飾体1522と、裏箱1510内の左下中央よりに配置される左下発光装飾体1523と、左下発光装飾体1523の右側に隣接して配置される右下発光装飾体1524とを備えている。また、裏箱1510内の右側で上下方向略中央には、遊技状態に応じて可動可能な右中可動発光装飾体1525が配置されている。
更に、発光装飾体1520は、裏箱1510内の左端に上部で左上発光装飾体1521の左側に隣接して配置され、遊技状態に応じて可動可能な左上可動発光装飾体1526と、左上可動発光装飾体1526の下側に隣接して配置される左中上発光装飾体1527と、左中上発光装飾体1527の下側に隣接し裏ユニット1500の上下方向略中央に配置される左中発光装飾体1528と、左中発光装飾体1528の下側に隣接して配置される左中下発光装飾体1529と、左中下発光装飾体1529の下側に隣接すると共に左下発光装飾体1523の左側に隣接して配置され、遊技状態に応じて可動可能な左下可動発光装飾体1530と、これら左上可動発光装飾体1526、左中上発光装飾体1527、左中発光装飾体1528、左中下発光装飾体1529、及び左下可動発光装飾体1530は、図示するように、裏箱1510内の左端に、上下方向に並んで配置されている。
裏箱1510内の左側に、上下方向に列設された発光装飾体1520は、左上可動発光装飾体1526の前面に「E」の文字が、左中上発光装飾体1527の前面に「AG」の文字が、左中下発光装飾体1529の前面に「CE」の文字が、そして、左下可動発光装飾体1530の前面に「I」の文字が夫々形成されており、これらによって、パチンコ機1の機種を特徴付ける「ICEAGE」のロゴが現されるようになっている。
なお、右中可動発光装飾体1525は、詳細は後述するが、一対の第一表面形成部材1525aが開くと第二表面形成部材1525bが突出するように現れ、一対の第一表面形成部材1525aが閉じると第二表面形成部材1525bが引っ込んで隠れるような動きをすることができるようになっている。
また、左上可動発光装飾体1526と左下可動発光装飾体1530は、夫々左右方向に移動可能とされており、最も右側へ移動した状態で、左上発光装飾体1521と左下発光装飾体1523の左半分を略覆うことができるように形成されている。
また、発光装飾体1520は、裏箱1510内の右下隅に配置され、右下発光装飾体1524の右側に隣接して配置される右下隅発光装飾体1531を更に備えている。なお、図89及び図90中、符号1532は、裏箱1510の左上隅前面に配置される左上隅装飾部材であり、符号1533は、裏箱1510の左下隅前面に配置される左下隅装飾部材である。
発光装飾体1520における左上発光装飾体1521は、図91に示すように、配置角度が異なる平面を複数組合わせた形態の表面形状とされた第一表面形成部材1521aと、第一表面形成部材1521aに隣接して配置され湾曲凸条を複数組合わせた形態の表面形状とされた第二表面形成部材1521bと、第一表面形成部材1521a及び第二表面形成部材1521bの後側に配置された拡散レンズ部材1521cと、拡散レンズ部材1521cの後側に配置され複数のLED1540が表面に実装された上部左基板1541及び上部右奥基板1544の一部とから構成されている。
左上発光装飾体1521の第一表面形成部材1521aは、青色の透明部材が用いられていると共に、表面形状が角張った多面状に形成されている、つまり、表面に比較的大きな多面状のプリズムが複数形成されており、これにより、前方側からの光やLED1540からの光が緩やかに乱反射して、波立った海面(水面)を表現しているものである。また、第二表面形成部材1521bは、赤色の透明部材が用いられていると共に、表面形状が湾曲した凸条が曲線的に複数列設されており、流れ出る溶岩(マグマ)を表現しているものである。
また、左上発光装飾体1521の拡散レンズ部材1521cは、無色透明な部材が用いられていると共に、前面側に断面が円弧状で曲線状に上下方向に延びる複数の第一凸条1521dと、後面側に第一凸条1521dの配置間隔よりも狭い間隔で配置され断面が円弧状で波状に左右方向に延びる複数の第二凸条1521eとを備えている(図91(B)参照)。この第一凸条1521dによって、拡散レンズ部材1521cの前面側は、第二表面形成部材1521bと同様に流れを表現している。また、第二凸条1521eによって、海中の波を表現している。また、この拡散レンズ部材1521cは、表面形状による見た目の他に、第一凸条1521dと第二凸条1521eのレンズ作用によって、後側に配置されたLED1540からの光をより広く拡散させることができると共に、拡散レンズ部材1521cの厚さを薄くすることができるようになっている。
この左上発光装飾体1521は、拡散レンズ部材1521cが、第一表面形成部材1521aよりも左側に延びだした形態とされており、この延びだした部分が、第一表面形成部材1521aを介さずに直接前側へ露出することができるようになっている。なお、この拡散レンズ部材1521cの左側へ延びだした部分は、左上可動発光装飾体1526が右端側へ移動した状態で、左上可動発光装飾体1526によって前側への露出が被覆され(図86参照)、左上可動発光装飾体1526が左端側へ移動した状態で、前側へ露出するようになっている。
なお、上部左基板1541及び上部右奥基板1544に備えられたLED1540のうち、少なくとも拡散レンズ部材1521cが前側へ露出する部分の後側に配置されたLED1540は、少なくとも白色光及び赤色(オレンジ色を含む)光を発光可能とされている。
発光装飾体1520における左下発光装飾体1523は、図92に示すように、配置角度が異なる平面を複数組合わせた形態の表面形状とされた第一表面形成部材1523aと、第一表面形成部材1523aに隣接して配置され湾曲凸条を複数組合わせた形態の表面形状とされた第二表面形成部材1523bと、第一表面形成部材1523a及び第二表面形成部材1523bの後側に配置された拡散レンズ部材1523cと、拡散レンズ部材1523cの後側に配置され複数のLED1540が表面に実装された下部左基板1542及び下部中基板の一部とから構成されている。
この左下発光装飾体1523もまた、左上発光装飾体1521と同様に、第一表面形成部材1523aが、青色の透明部材が用いられ、表面に形成された比較的大きな多面状の複数のプリズムにより波立った海面を表現していると共に、第二表面形成部材1523bが、赤色の透明部材が用いられ、流れ出る溶岩(マグマ)を表現しているものである。また、拡散レンズ部材1523cも、左上発光装飾体1521の拡散レンズ部材1521cと同様の構成とされ、無色透明な部材に対して、前面側に複数の第一凸条1523dが、後面側に複数の第二凸条(図示せず)が夫々形成されており、下部左基板1542等のLED1540からの光を広く拡散させることができるようになっている。
この左下発光装飾体1523は、拡散レンズ部材1523cが、第一表面形成部材1523aよりも左側に延びだした形態とされており、この延びだした部分が、第一表面形成部材1523aを介さずに直接前側へ露出することができるようになっている。なお、この拡散レンズ部材1523cの左側へ延びだした部分は、左下可動発光装飾体1530が右端側へ移動した状態で、左下可動発光装飾体1530によって前側への露出が被覆され(図86参照)、左下可動発光装飾体1530が左端側へ移動した状態で、前側へ露出するようになっている。
なお、下部左基板1542及び下部中基板1545に備えられたLED1540のうち、少なくとも拡散レンズ部材1523cが前側へ露出する部分の後側に配置されたLED1540は、少なくとも白色光及び赤色光を発光可能とされている。
発光装飾体1520における右上発光装飾体1522は、図93(A)に示すように、表面に複数のLED1540が実装された円形状の上部右前基板1543と、前面側に上部右前基板1543を取付固定する円形状の基板固定部1522aを有し、前面が略平坦面とされた表面形成部材1522bと、表面形成部材1522bの後側で前側から視認可能な位置に配置された装飾補助部材1522cと、表面形成部材1522b及び装飾補助部材1522cの後側に配置され複数のLED1540が表面に実装された上部右奥基板1544及び上部左基板1541の一部とから構成されている。
この右上発光装飾体1552における表面形成部材1522bは、白色の透光性部材が用いられている。また、右上発光装飾体1522の装飾補助部材1522cは、白色の不透光性部材が用いられており、正面視の外形形状が地割れをイメージした形状(図86参照)とされていると共に、前後方向に貫通し内形が外形と略沿った形状とされた貫通部1522dを備えている。なお、この貫通部1522dは装飾補助部材1522cの下端において下方へ抜けた(開放された)形態となっている。
なお、図示するように、表面形成部材1522b及び装飾補助部材1522cと、上部右奥基板1544との間には、左中可動発光装飾体1525を裏箱1510へ支持するための逆L字状の支持ベース1535の一部が配置されており、この支持ベース1535の前面に形成された取付ボス1535aに装飾補助部材1522cが取付固定されるようになっている。この支持ベース1535は、無色透明な部材により構成されており、上部右奥基板1544等のLED1540からの光を表面形成部材1522b側へ透過して良好な状態で発光装飾できるようになっている。
この右上発光装飾体1522は、上述したセンター役物1400の演出用装飾体1408及び誘導棚1409を含むセンター役物1400の上縁部右側の後方に配置されるものであり、センター役物1400の演出用装飾体1408と対応する後側の位置に、表面形成部材1522bの前面に固定された上部右前基板1543が位置するようになっている。そして、センター役物1400の上縁部右側の装飾部と、右上発光装飾体1522とが協働して、氷山や白濁した氷等を表現した装飾となっている。
なお、装飾補助部材1522cの貫通部1522dと対応するように上部右奥基板1544の表面に実装されたLED1540は、表面形成部材1522bの色と同じ白色光の他に、白色光とは全く異なる赤色光(オレンジ色を含む)も発光可能とされており、そのLED1540を赤色に発光させた場合、センター役物1400の上縁部右側に、貫通部1522dの内形と同形状の地割れ状に赤く光った発光演出を投影することができるようになっている。
また、右上発光装飾体1522の表面形成部材1522bには、前後方向の延びる壁状側面1522eを有しており(図90等参照)、この壁状側面1522eは、裏箱1510の深さと略同じ長さとされ、裏箱1510の後壁1510a付近まで延びだしている。
発光装飾体1520における右下発光装飾体1524は、図93(B)に示すように、前面側に遊技盤4面と略沿った段状の平面が形成され、側面側に前後方向に延び細長い平面が側面方向(前後方向とは直交する方向)に複数列設されたような多面形状に形成された形態の表面形状の表面形成部材1524aと、表面形成部材1524aの後側に配置された装飾補助部材1524bと、表面形成部材1524a及び装飾補助部材1524bの後側に配置され複数のLED1540が表面に実装された下部中基板1545及び下部右基板1546とから構成されている。
この右下発光装飾体1524の表面形成部材1524aは、白色の透光性部材が用いられていると共に、前面側表面にシボ加工が施されている。また、装飾補助部材1524bは、右上発光装飾体1522の装飾補助部材1522cと同様に、白色の不透光性部材が用いられており、正面視の外形形状が地割れをイメージした形状とされていると共に、前後方向に貫通し内形が外形と略沿った形状とされた貫通部1524cを備えている。更に、表面形成部材1524aの前面は、遊技パネル599の後面と接近するように前側へ突出したような形状となっている。
この右下発光装飾体1524では、装飾補助部材1524bの後側に配置された下部右基板1546において、装飾補助部材1524bの貫通部1524cと対応する位置に配置されたLED1540は、表面形成部材1524aの色と同じ白色光の他に、白色光とは全く異なる赤色光(オレンジ色を含む)も発光可能とされており、そのLED1540を赤色に発光させた場合、表面形成部材1524aに、貫通部1524cの内形と同形状の地割れ状に赤く光った発光演出を投影することができるようになっている。
なお、この右下発光装飾体1524は、図74等に示すように、アタッカユニット1430及び入賞口部材1470の後側に配置されており、表面形成部材1524aには、アタッカユニット1430の後端を挿通可能な切欠き部1524dと、入賞口部材1470の誘導樋1473を挿通可能な挿通部1524eとが形成されている。
また、図93(B)に示すように、右下発光装飾体1524の表面形成部材1524aと、下部中基板1545及び下部右基板1546との間には、球誘導ユニット1560が配置されている。この球誘導ユニット1560は、右下発光装飾体1524の表面形成部材1524aに形成された切欠き部1524d及び貫通部1524eを通して表面形成部材1524aの後側へ突出したアタッカユニット1430や入賞口部材1470の各誘導樋1441,1473により誘導された遊技球を受取った上で、何れの入賞口から入賞したかをセンサにより検出して下方へ排出するものである。なお、この球誘導ユニット1560は、左下発光装飾体1524の表面形成部材1524aよりも薄い白色透明部材により構成されており、下部中基板1545や下部右基板1546等のLED1540から放射されるの光を表面形成部材1524a側へ充分に透過させることができると共に、LED1540からの光を拡散させることができるようになっている。
なお、本例では、右下発光装飾体1524の表面形成部材1524aが、白色の透光性部材とされており、また、アタッカユニット1430及び入賞口部材1470が白色不透光性部材で、球誘導ユニット1560が白色透明部材で夫々形成されているので、表面形成部材1524aによって、アタッカユニット1430と入賞口部材1470の遊技パネル599よりも後側へ突出した部分、及び球誘導ユニット1560を遊技者側から見え難くすることができるようになっている。詳述すると、表面形成部材1524aの色(ここでは、白色)に対して、アタッカユニット1430、入賞口部材1470、及び球誘導ユニット1560の色が、略同色とされているので、表面形成部材1524aの色に対してアタッカユニット1430や球誘導ユニット1560等の色が溶け込んでしまい、表面形成部材1524aの後側に配置されたが球誘導ユニット1560等を前側から見え難くすることができるようになっている(図95(B)参照)。
また、右下発光装飾体1524の表面形成部材1524aには、前後方向に延びる壁状側面1524fを有しており、この壁状側面1524fは、裏箱1510の深さと略同じ長さとされ、裏箱1510の後壁1510a付近まで延びだしている。
発光装飾体1520における右下隅発光装飾体1531は、図94に示すように、前面側に遊技盤4面と略沿った段状の平面が形成され、左側面側に前後方向に延び細長い平面が側面方向(前後方向とは直交する方向)に複数列設されたような多面形状に形成された形態の表面形状の表面形成部材1531aと、表面形成部材1531aの後側に配置された拡散レンズ部材1531bと、表面形成部材1531a及び拡散レンズ部材1531bの後側に配置され複数のLED1540が表面に実装された下部右基板1546及び右部下基板1547とから構成されている。なお、図示は省略するが、右部下基板1547の前面は、透明な支持ベース1535の下端に被覆されるようになっている。
この右下隅発光装飾体1531は、図74に示すように、図柄表示部材1480の後側に配置されるものであり、図柄表示部材1480の後側に接続される配線を通すための溝1531cが、表面形成部材1531aの前面に形成されている。この溝1531cは、右側へ抜けた形態とされており、配線を裏箱1510の右側外方へ導くことができるようになっている。
右下隅発光装飾体1531の表面形成部材1531aは、右下発光装飾体1524の表面形成部材1524aと同様に、白色の透光性部材が用いられていると共に、前面側表面にシボ加工が施されている。また、右下隅発光装飾体1531の拡散レンズ部材1531bは、無色の透明部材が用いられており、左上発光装飾体1521や左下発光装飾体1523の拡散レンズ部材1521c,1523cと同様に、前面側に複数の第一凸条1531dが、後面側に複数の第二凸条(図示せず)が夫々形成されており、下部右基板1546等のLED1540からの光を広く拡散させることができるようになっている。
また、右下隅発光装飾体1531の表面形成部材1531aには、前後方向に延びる壁状側面1531eを有しており、この壁状側面1531eは、裏箱1510の深さと略同じ長さとされ、裏箱1510の後壁1510a付近まで延びだしている。
この右下隅発光装飾体1531は、右下発光装飾体1524との境界部分では、それらの表面形成部材1531a,1524aの対向する壁状側面1531e,1524f同士が、互いに接触せずその深さよりも狭い隙間が形成されるようになっており、この隙間によって氷河や雪渓上に発生したクレバスが表現されている。なお、この隙間の底(奥)には、拡散レンズ部材1531aの第一凸条1531dが望むように配置されており、この第一凸条1531dにより、クレバス内を流れる流体が表現されるようになっている(図86参照)。また、この隙間と対応する位置に配置されたLED1540は、青色光や白色光の他に、赤色光も発光可能とされており、遊技状態に応じて赤色に発光させることで、地割れしたクレバス内からマグマが出てきたような発光演出をすることができるようになっている。
この発光装飾体1520は、上述したような構成とされており、本例では氷山や氷河等を表現している装飾体であり、図95に示すように、例えば、左上発光装飾体1521や左下発光装飾体1523の第一表面形成部材1521a,1523aのように、表面に多面状のプリズムが複数形成されているものでは、前方側からの光に対しては、様々な方向へ乱反射させることができるので、割れた氷の表面や、波立つ海面をよりリアルに再現することができる。更に、それらの後面側に配置された複数のLED1540を適宜点滅させることで、波の煌きを表現することができ、固形物である左上発光装飾体1521及び左下発光装飾体1523を、遊技者に対してあたかもそこに海面が実在するかのように錯覚させて、関心を強く引き付けることができるようになっている。
また、図95(B)に示すように、右上発光装飾体1522、右下発光装飾体1524、及び右下隅発光装飾体1531の表面形成部材1522b,1524a,1531aのように、白色の透光性部材や表面にシボ加工が施されたものでは、その後面側に配置された部材を遊技者側から見えなくすることができると共に、後面側に配置されたLED1540からの光のあたり具合(光軸とのズレや、他の部材による遮蔽や透過及び反射)により、その表面において白色の濃淡が現れるので、その濃淡により遊技者に対してあたかも氷の厚さが異なっているかのように錯覚させて氷の厚さを表現することができ、限られた空間内で奥行を強く感じさせることができるようになっている。また、表面に形成されたシボにより、前方側からの光が細かく乱反射して、面状に反射するのを防止することができるので、平らな雪棚や氷山棚等に見せることができ、表現している氷山等のリアル感が増すようになっている。
発光装飾体1520における右中可動発光装飾体1525は、図96乃至図98にも示すように、上下方向に並んで配置された一対の第一表面形成部材1525aと、一対の第一表面形成部材の間且つ後側に配置される第二表面形成部材1525bと、第二表面形成部材1525bの後側に配置され表面に複数のLED1540が実装された右中基板1525c(図97参照)と、第二表面形成部材を前進させると一対の第一表面形成部材を互いに離反させ、第二表面形成部材を後進させると一対の第一表面形成部材を互いに接近させるように、第一表面形成部材及び第二表面形成部材を夫々移動させる移動機構1525dとを備えている。
この右中可動発光装飾体1525は、移動機構1525dによって、一対の第一表面形成部材1525aが開くと第二表面形成部材1525bが突出するように現れ、一対の第一表面形成部材1525aが閉じると第二表面形成部材1525bが引っ込んで隠れるような動きをすることができるようになっている。
右中可動発光装飾体1525の移動機構1525dを詳述すると、この移動機構1525dは、回転軸1525eを有したモータ1525fと、モータ1525fの回転軸1525eと共に回転するピニオンギヤ1525gと、ピニオンギヤ1525gと噛合するラックギヤ1525hを有し先端側に右中基板1525c及び第二表面形成部材1525bが固定されるスライド部材1525iと、スライド部材1525iから外方へ突出する検知片1525jと、検知片1525jを検知可能なスライド位置センサ1525kと、スライド部材1525iを前後方向へ摺動可能に保持すると共にモータ1525f及びスライド位置センサ1525k等を保持するベース部材1525lとを備えている。
また、移動機構1525dは、スライド部材1525iの右中基板1525cが固定された位置よりも後側の位置に配置され、スライド方向に対して直角方向外方へ突出する伝達ピン1525mと、伝達ピン1525mに対して略鉛直方向に対応した位置でベース部材1525lに回動可能に軸支され、その軸支された部位からスライド方向に略沿って前方へ延びた一端側に第一表面形成部材1525aが固定されると共に、軸支された部位からスライド方向に対して略直角方向でスライド部材1525iの方向へ延びた他端側に伝達ピン1525mを挿通可能な長孔1525nが形成された略L字形状の棹部材1525oとを更に有している。なお、図96及び図97に示すように、棹部材1525oは、スライド部材1525iを挟んで上下に対向するように一対備えられていると共に、ベース部材1525lを挟んで左右にも夫々備えられており、スライド部材1525iを挟んで上側の棹部材1525oが上側の第一表面形成部材1525aを、下側の棹部材1525oが下側の第一表面形成部材1525aを夫々支持するようになっている。
この移動機構1525dは、モータ1525fの回転によりその回転軸1525eに固定されたピニオンギヤ1525gが回転し、ピニオンギヤ1525gと噛合したラックギヤ1525hの送り作用によりスライド部材1525iが前後方向へスライド移動できるようになっている。そして、例えば、モータ1525fの回転によりスライド部材1525iを前側へスライドさせた場合、スライド部材1525iと共に伝達ピン1525mが前進するので、その伝達ピン1525mの前進が長孔1525nを介して棹部材1525oの他端側へと伝達され、棹部材1525oの他端側が前方へと移動することとなる。その際に、棹部材1525oがベース部材1525lに軸支されているので、伝達ピン1525mが長孔1525n内を摺動すると共に、棹部材1525oが軸支された部位を中心として回転し、棹部材1525oの一端側がスライド部材1525iから遠ざかる方向へ移動することとなる。
つまり、スライド部材1525iを前進させることで、その先端に固定された第二表面形成部材1525bが前進すると共に、棹部材1525oの一端側に固定された第一表面形成部材1525aがスライド部材1525iつまり第二表面形成部材1525bから遠ざかる方向へ移動することとなる。そして、本実施形態では、棹部材1525o及び第一表面形成部材1525aが、スライド部材1525iを挟んで対向するように備えられているので、スライド部材1525iを前進させることで、一対の第一表面形成部材1525aが互いに離反する方向へ移動すると共に、その間から第二表面形成部材1525bが突出するような感じで前進移動することとなる(図97(A)参照)。
一方、モータ1525fを逆回転させてスライド部材1525iを後進させた場合は、上述とは逆に、伝達ピン1525mが後進するので、それに伴って、棹部材1525oの他端側も後進するように回転し、これにより、棹部材1525oの一端側がスライド部材1525iに接近する方向へ移動することとなる。つまり、スライド部材1525iを後進させることで、第二表面形成部材1525bが後退すると共に、一対の第一表面形成部材1525aが互いに接近する方向へと移動することとなる(図97(B)参照)。
また、図97(B)に示すように、一対の第一表面形成部材1525aが閉じた状態となる位置までスライド部材1525iが後進(後退)すると、スライド部材1525iに形成された検知片1525jを、スライド位置センサ1525kが検知するようになっている。なお、本例では、スライド位置センサ1525kとして、フォトセンサが用いられている。
右中可動発光装飾体1525は、第一表面形成部材1525aが、白色の不透光性部材で形成されていると共に、第二表面形成部材1525bが、赤色の透明部材で形成されている。また、詳細な図示は省略するが、第二表面形成部材1525bには、その前面側に断面が円弧状で曲線状に左右方へ延びる複数の第一凸条が形成されていると共に、後面側に前面側の第一凸条の配置間隔よりも狭い間隔で配置され断面が円弧状で上下方向に延びる複数の第二凸条とが形成されており、赤い溶岩の流れを表現している(図98(B)参照)と共に、右中基板1525cのLED1540からの光を広く拡散させることができるようになっている。
この右中可動発光装飾体1525は、上述した通り、モータ1525fの回転によりスライド部材1525iを進退させることで、上下方向に配置された一対の第一表面形成部材1525aを開いたり閉じたりして、その間に配置された第二表面形成部材1525bを出現させたり隠蔽したりすることができると共に、その際に第二表面形成部材1525bを前進させたり後退させたりすることができるようになっており、この動きによって、遊技者の関心を強く引き付けたり、遊技者を楽しませたりして、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、右中可動発光装飾体1525は、第一表面形成部材1525aが白色とされていると共に、第二表面形成部材1525bが赤色とされており、図98に示すように、一対の第一表面形成部材1525aによって第二表面形成部材1525bを出現させたり、隠蔽させたりすると、形状的な装飾態様だけでなく、色彩的な装飾態様も大きく変化させることができ、遊技者の関心を更に強く引き付けることができるようになっている。
発光装飾体1520における左上可動発光装飾体1526は、図99乃至図101にも示すように、発光装飾可能な移動体アッシー1526aと、移動体アッシー1526aを左右方向へ移動させる移動機構1526bとを備えている。左上可動発光装飾体1526の移動体アッシー1526aは、図101に詳しく示すように、配置角度が異なる平面を複数組合わせた形態の表面形状とされ、前面側に所定の内周形状(ここでは、E字形状)とされた開口1526cを有した不透光性の外殻部材1526dと、外殻部材1526dの開口1526cを閉鎖する透光性を有した前面形成部材1526eと、前面形成部材1526eの後側に配置され表面に微細なプリズムが複数形成されたシート状の拡散レンズ部材1526fと、拡散レンズ部材1526fの後側に配置され前面形成部材1526eと協働して拡散レンズ部材1526fを狭持する透明な保持部材1526gと、保持部材1526gの後側に配置され複数のLED1540が表面に実装された左上基板1526hと、左上基板1526h及び保持部材1526gを少なくとも収容すると共に外殻部材1526dの後側開口を閉鎖するベース部材1526iとを備えている。
この左上可動発光装飾体1526のベース部材1526iは、図99にも示すように、外殻部材1526dよりも右側へ延びだした延出部1526jを有しており、この延出部1526jの表面形状は、外殻部材1526dの表面形状と同様に、配置角度が異なる平面を複数組合わせた形態とされている。
本例の左上可動発光装飾体1526では、外殻部材1526dの表面に、銀色のメッキ処理が施されており、雪景色における銀世界を表現していると共に、開口1526cの内周形状によりロゴの文字「E」が現されている。また、前面形成部材1526eは、無色透明とされており、その前面側が、緩やかで滑らかな凹凸を有した形状とされ、開口1526cにより「E」形状の透明な氷を表現している。更に、ベース部材1526iは、青色の透明部材とされており、右側へ延びだした延出部1526jが、左上発光装飾体1521の第一表面形成部材1521aや、左下発光装飾体1523の第一表面形成部材1523aと同様に、波立った海面(水面)を表現している。
この左上可動発光装飾体1526における移動機構1526bは、図100に示すように、回転軸1526kを有したモータ1526lと、モータ1526lの回転軸1526kと共に回転するピニオンギヤ1526mと、ピニオンギヤ1526mと噛合するラックギヤ1526nを有したスライド部材1526oと、スライド部材1526oから外方へ突出する検知片1526pと、検知片1526pを検知可能なスライド位置センサ1526qと、スライド部材1526o及び移動体アッシー1526aを左右方向へ摺動可能に保持すると共に、モータ1526l及びスライド位置センサ1526q等を所定位置に保持するベース部材1526rとを備えている。
この移動機構1526bは、ベース部材1526rの後側にスライド部材1526oが配置されている。そして、このベース部材1526rのスライド部材1526oと対応する位置に、左右方向に延びるスリット1526sが形成されていると共に、スリット1526sを挟んでスライド部材1526oと対向するように横長の支持部材1526tが配置されており、スライド部材1526oと支持部材1526tとがスリット1526sを介して連結ピン1526uで連結されることで、ベース部材1526rにスライド部材1526oがスライド可能に保持されるようになっている。なお、図示するように、スライド部材1526oと支持部材1526tとは、その長手方向(左右方向)両端同士が連結ピン1526uによって互いに連結されている。
また、ベース部材1526rには、スリット1526sの下側に、スリット1526sと平行に延びるもう一つのスリット1526vが形成されている。このスリット1526vを挟んで前側には、スリット1526vを貫通する突出ピン1526wを有したスライド支持部材1526xが配置されていると共に、スリット1526vの後側には、スライド支持部材1526xの突出ピン1526wと嵌合する固定ブッシュ1526yが配置されており、スリット1526vを貫通したスライド支持部材1526xの突出ピン1526wに固定ブッシュ1526yを嵌合させることで、ベース部材1526rに対してスライド支持部材1526xをスライド可能に保持することができるようになっている。
そして、この移動機構1526bは、支持部材1526t及びスライド支持部材1526xに、移動体アッシー1526aを固定することで、移動体アッシー1526aが、左右方向にスライド移動できるようになっている。なお、移動体アッシー1526aは、支持部材1526tの他にスライド支持部材1526xによってもスライド可能に支持されているので、このスライド支持部材1526xによりガタツクことなく左右方向にスライドできるようになっている。また、図100中、符号1526zは、モータ1526lをベース部材1526rの後側に固定するためのブラケットである。
この左上可動発光装飾体1526は、移動機構1526bのモータ1526lの回転駆動によって、移動体アッシー1526aを左右方向へスライド移動させることができると共に、モータ1526lにおける回転軸1526kの回転を適宜制御することで、スライド部材1526r(移動体アッシー1526a)を、右側移動端と左側移動端との間で自由に行き来させて、所望の演出動作をさせることができるようになっている。なお、スライド位置センサ1526qは、スライド部材1526rの右側移動端を検知するように配置されている。
また、左上可動発光装飾体1526は、その移動機構1526bにより移動体アッシー1526aが右側移動端の位置に移動した時に、移動体アッシー1526aの延出部1526jによって、左上発光装飾体1521における拡散レンズ部材1521cの前面側に露出した部分の前面側を覆い隠すようになっており(図95(A)及び図110参照)、この移動体アッシー1526aが左側へ移動することで、左上発光装飾体1521の拡散レンズ部材1521cの一部を前面側へ露出させて遊技者から視認させることができるようになっている(図109(A)及び図111参照)。
換言すると、左上可動発光装飾体1526の移動体アッシー1526aが右側へ移動することで、青色の延出部1526jの右側端部が、左上発光装飾体1521における青色の第一表面形成部材1521aの左側端部と重なって青色の部材同士が閉じたような状態(閉状態)となり、その後側に配置された左上発光装飾体1521における透明な拡散レンズ部材1521cの露出部分が遮蔽されて視認不能な状態となる。一方、左上可動発光装飾体1526の移動体アッシー1526aが左側へ移動することで、青色の延出部1526jの右側端部が左上発光装飾体1521における青色の第一表面形成部材1521aの左側端部から離反するように遠ざかって青色の部材同士が開いたような状態(開状態)となり、その後側で遮蔽されていた透明な拡散レンズ部材1521cの露出部分が現れて視認可能な状態となる。なお、拡散レンズ部材1521cの後側に配置された上部左基板1541及び上部右奥基板1544の表面が白色とされているので、LED1540の消灯時には、青色の延出部1526jの右側端部と、青色の第一表面形成部材1521aの左側端部との間が白色に見えるようになっている。
この左上可動発光装飾体1526は、上述した通り、移動機構1526bによって移動体アッシー1526aを左右方向へスライド移動させることができるので、LED1540によって発光装飾された前面形成部材1526e等が移動することで、遊技者の関心を引き付けることができるようになっていると共に、移動機構1526bにより移動体アッシー1526aと共に青色の延出部1526jを移動させることで、その後側に配置された透明(白色)の拡散レンズ部材1521cを出現させたり、隠蔽させたりすることができ、形状的な装飾態様の変化だけでなく、色彩的な装飾態様も変化させることができ、遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
発光装飾体1520における左下可動発光装飾体1530は、図102乃至図104にも示すように、基本的な構成は左上可動発光装飾体1526と略同じ構成となっており、発光装飾可能な移動体アッシー1530aと、移動体アッシー1530aを左右方向へ移動させる移動機構1530bとを備えている。左下可動発光装飾体1530の移動体アッシー1530aは、図104に詳しく示すように、配置角度が異なる平面を複数組合わせた形態の表面形状とされ、前面側に所定の内周形状(ここでは、I字形状)とされた開口1530cを有した不透光性の外殻部材1530dと、外殻部材1530dの開口1530cを閉鎖する透光性を有した前面形成部材1530eと、前面形成部材1530eの後側に配置され表面に微細なプリズムが複数形成されたシート状の拡散レンズ部材1530fと、拡散レンズ部材1530fの後側に配置され前面形成部材1530eと協働して拡散レンズ部材1530fを狭持する透明な保持部材1530gと、保持部材1530gの後側に配置され複数のLED1540が表面に実装された左下基板1530hと、左下基板1530h及び保持部材1530gを少なくとも収容すると共に外殻部材1530dの後側開口を閉鎖するベース部材1530iとを備えている。
この左下可動発光装飾体1530のベース部材1530iは、図102にも示すように、外殻部材1530dよりも右側へ延びだした延出部1530jを有しており、この延出部1530jの表面形状は、外殻部材1530dの表面形状と同様に、配置角度が異なる平面を複数組合わせた形態とされている。
本例の左下可動発光装飾体1530では、外殻部材1530dの表面に、銀色のメッキ処理が施されており、雪景色における銀世界を表現していると共に、開口1530cの内周形状によりロゴの文字「I」が現されている。また、前面形成部材1530eは、無色透明とされており、その前面側が、緩やかで滑らかな凹凸を有した形状とされ、開口1530cにより「I」形状の透明な氷を表現している。更に、ベース部材1530iは、青色の透明部材とされており、右側へ延びだした延出部1530jが、左上発光装飾体1521の第一表面形成部材1521aや、左下発光装飾体1523の第一表面形成部材1523aと同様に、波立った海面(水面)を表現している。
この左下可動発光装飾体1530における移動機構1530bは、図103に示すように、回転軸1530kを有したモータ1530lと、モータ1530lの回転軸1530kと共に回転するピニオンギヤ1530mと、ピニオンギヤ1530mと噛合するラックギヤ1530nを有したスライド部材1530oと、スライド部材1530oから外方へ突出する検知片1530pと、検知片1530pを検知可能なスライド位置センサ1530qと、スライド部材1530o及び移動体アッシー1530aを左右方向へ摺動可能に保持すると共に、モータ1530l及びスライド位置センサ1530q等を所定位置に保持するベース部材1530rとを備えている。
この移動機構1530bは、ベース部材1530rの後側にスライド部材1530oが配置されている。そして、このベース部材1530rのスライド部材1530oと対応する位置に、左右方向に延びるスリット1530sが形成されていると共に、スリット1530sを挟んでスライド部材1530oと対向するように横長の支持部材1530tが配置されており、スライド部材1530oと支持部材1530tとがスリット1530sを介して連結ピン1530uで連結されることで、ベース部材1530rにスライド部材1530oがスライド可能に保持されるようになっている。なお、図示するように、スライド部材1530oと支持部材1530tとは、その長手方向(左右方向)両端同士が連結ピン1530uによって互いに連結されている。
また、ベース部材1530rには、スリット1530sの下側に、スリット1530sと平行に延びるもう一つのスリット1530vが形成されている。このスリット1530vを挟んで前側には、スリット1530vを貫通する突出ピン1530wを有したスライド支持部材1530xが配置されていると共に、スリット1530vの後側には、スライド支持部材1530xの突出ピン1530wと嵌合する固定ブッシュ1530yが配置されており、スリット1530vを貫通したスライド支持部材1530xの突出ピン1530wに固定ブッシュ1530yを嵌合させることで、ベース部材1530rに対してスライド支持部材1530xをスライド可能に保持することができるようになっている。
そして、この移動機構1530bは、支持部材1530t及びスライド支持部材1530xに、移動体アッシー1530aを固定することで、移動体アッシー1530aが、左右方向にスライド移動できるようになっている。なお、移動体アッシー1530aは、支持部材1530tの他にスライド支持部材1530xによってもスライド可能に支持されているので、このスライド支持部材1530xによりガタツクことなく左右方向にスライドできるようになっている。また、図103中、符号1530zは、モータ1530lをベース部材1530rの後側に固定するためのブラケットである。
この左下可動発光装飾体1530は、移動機構1530bのモータ1530lの回転駆動によって、移動体アッシー1530aを左右方向へスライド移動させることができると共に、モータ1530lにおける回転軸1530kの回転を適宜制御することで、スライド部材1530r(移動体アッシー1530a)を、右側移動端と左側移動端との間で自由に行き来させて、所望の演出動作をさせることができるようになっている。なお、スライド位置センサ1530qは、スライド部材1530rの右側移動端を検知するように配置されている。
また、左下可動発光装飾体1530は、その移動機構1530bにより移動体アッシー1530aが右側移動端の位置に移動した時に、移動体アッシー1530aの延出部1530jによって、左下発光装飾体1523における拡散レンズ部材1523cの前面側に露出した部分の前面側を覆い隠すようになっており(図95(B)及び図110参照)、この移動体アッシー1530aが左側へ移動することで、左下発光装飾体1523の拡散レンズ部材1523cの一部を前面側へ露出させて遊技者から視認させることができるようになっている(図109(B)及び図111参照)。
換言すると、左下可動発光装飾体1530の移動体アッシー1530aが右側へ移動することで、青色の延出部1530jの右側端部が、左下発光装飾体1523における青色の第一表面形成部材1523aの左側端部と重なって青色の部材同士が閉じたような状態(閉状態)となり、その後側に配置された左下発光装飾体1523における透明な拡散レンズ部材1523cの露出部分が遮蔽されて視認不能な状態となる。一方、左下可動発光装飾体1530の移動体アッシー1530aが左側へ移動することで、青色の延出部1530jの右側端部が左下発光装飾体1523における青色の第一表面形成部材1523aの左側端部から離反するように遠ざかって青色の部材同士が開いたような状態(開状態)となり、その後側で遮蔽されていた透明な拡散レンズ部材1523cの露出部分が現れて視認可能な状態となる。なお、拡散レンズ部材1523cの後側に配置された下部左基板1542及び下部中基板1545の表面が白色とされているので、LED1540の消灯時には、青色の延出部1530jの右側端部と、青色の第一表面形成部材1523aの左側端部との間が白色に見えるようになっている。
この左下可動発光装飾体1530は、上述した通り、移動機構1530bによって移動体アッシー1530aを左右方向へスライド移動させることができるので、LED1540によって発光装飾された前面形成部材1530e等が移動することで、遊技者の関心を引き付けることができるようになっていると共に、移動機構1530bにより移動体アッシー1530aと共に青色の延出部1530jを移動させることで、その後側に配置された透明(白色)の拡散レンズ部材1523cを出現させたり、隠蔽させたりすることができ、形状的な装飾態様の変化だけでなく、色彩的な装飾態様も変化させることができ、遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
発光装飾体1520における左中上発光装飾体1527は、図105及び図106にも示すように、前面側に緩やかで滑らかな凹凸が形成された無色透明な第一表面形成部材1527aと、第一表面形成部材1527aによって閉鎖される所定の内周形状(ここでは、A字形状及びG字形状)の開口1527bを前面側に有し、配置角度が異なる平面を複数組合わせた形態の表面形状とされた不透光性の外殻部材1527cと、外殻部材1527cの内部で第一表面形成部材1527aの後側に配置され表面に微細なプリズムが複数形成されたシート状の拡散レンズ部材1527dと、拡散レンズ部材1527dの後側に配置され第一表面形成部材1527aと協働して拡散レンズ部材1527dを狭持保持する透明な保持部材1527eと、保持部材1527eの左側面に配置され外殻部材1527cの側面と続くような外形形状とされた有色透明な第二表面形成部材1527fとを備えている。
また、左中上発光装飾体1527には、保持部材1527eの後側に配置されると共に裏箱1510の後壁1510aの前面側に支持され、複数のLED1540が表面に実装された左中基板1548が備えられている。詳しくは、左中基板1548の上下方向中間よりも上側の部分が、保持部材1527eの後側に配置されている。なお、左中基板1548は、発光装飾用の基板として、左中上発光装飾体1527の他に、左中発光装飾体1528及び左中下発光装飾体1529を発光装飾させるための複数のLED1540も実装されている。
この左中上発光装飾体1527は、外殻部材1527cの後側からその開口1527bを閉鎖するように第一表面形成部材1527aが嵌め込まれるようになっており、この外殻部材1527cの内部に、拡散レンズ部材1527d及び保持部材1527eが配置されるようになっている。なお、第二表面形成部材1527fが、外殻部材1527cの後側に固定されることで、第一表面形成部材1527a、拡散レンズ部材1527d、及び保持部材1527eが、外殻部材1527cの内部から抜けないように支持されるようになっている。
本例の左中上発光装飾体1527は、外殻部材1527cの表面に、銀色のメッキ処理が施されており、雪景色における銀世界を表現していると共に、開口1527bの内周形状によりロゴの文字「A」と「G」とが現されており、開口1527bを通して第一表面形成部材1527aにより「A」及び「G」形状の透明な氷が表現されている。また、第二表面形成部材1527fは、青色の透明部材とされており、波立った海面(水面)を表現すると共に、その前側に配置された外殻部材1527cが水面から突出している(浮かんでいる)ような状態を表現している。
また、左中上発光装飾体1527には、センター役物1400におけるチャッカー通路1403内のゲートセンサ1404が配置された位置と対応する位置(真後側)に、ゲートセンサ1404に接続される配線コードを、裏箱1510の後側へ導くための導通路1527gが形成されている。この導通路1527gは、詳述すると、左中上発光装飾体1527における「A」の文字が形成された部分の左側に配置され、外殻部材1527cを前後方向に貫通すると共に、左側面に開放された形態となっており、側面に開放された部分は正面視でクランク状に屈曲した形状となっている。この導通路1527gに、ゲートセンサ1404に接続される配線コードを挿通させることで、配線コードを遊技者から見え難く隠蔽することができると共に、側面に開放された部分を通して導通路1527g内へ配線コードを簡単に挿通させることができるようになっている。なお、左中上発光装飾体1527の第二表面形成部材1527fは、導通路1527gが形成された部分で二つに分割された状態となっている。
また、左中上発光装飾体1527には、その側面に前後方向に延びる壁状側面1527hを有しており、この壁状側面1527hは、裏箱1510の深さと略同じ長さとされ、裏箱1510の後壁1510a付近まで延びだしている。また、この壁状側面1527hは、センター役物1400の挿入部1400bと連続するような形状に形成されている(図74及び図75参照)。
発光装飾体1520における左中発光装飾体1528は、図106及び図107にも示すように、前面側に断面が円弧状で曲線状に左右方向へ延びる複数の凸条1528aが形成された赤色の透明部材とされており、その後側に表面に複数のLED1540が実装された左中基板1548の上下方向略中間部分が配置されている。この左中発光装飾体1528は、前面側に形成された複数の凸条1528aにより、赤い溶岩の流れを表現している。
また、左中発光装飾体1528には、前後方向に延びる壁状側面1528bを有しており、この壁状側面1528bは、裏箱1510の深さと略同じ長さとされ、裏箱1510の後壁1510a付近まで延びだしている。また、この壁状側面1528bは、センター役物1400の挿入部1400bと連続するような形状に形成されている(図75参照)。
発光装飾体1520における左中下発光装飾体1529は、図107にも示すように、前面側に緩やかで滑らかな凹凸が形成された無色透明な第一表面形成部材1529aと、第一表面形成部材1529aによって閉鎖される所定の内周形状(ここでは、C字形状及びE字形状)の開口1529bを前面側に有し、配置角度が異なる平面を複数組合わせた形態の表面形状とされた不透光性の外殻部材1529cと、外殻部材1529cの内部で第一表面形成部材1529aの後側に配置され表面に微細なプリズムが複数形成されたシート状の拡散レンズ部材1529dと、拡散レンズ部材1529dの後側に配置され第一表面形成部材1529aと協働して拡散レンズ部材1529dを狭持保持する透明な保持部材1529eと、保持部材1529eの左側面に配置され外殻部材1529cの側面と続くような外形形状とされた有色透明な第二表面形成部材1529fとを備えている。
また、左中下発光装飾体1529は、その保持部材1529eの後側に、表面に複数のLED1540が実装された左中基板1548の上下方向中間よりも下側の部分が配置されている。
この左中下発光装飾体1529は、外殻部材1529cの後側からその開口1529bを閉鎖するように第一表面形成部材1529aが嵌め込まれるようになっており、この外殻部材1529cの内部に、拡散レンズ部材1529d及び保持部材1529eが配置されるようになっている。なお、第二表面形成部材1529fが、外殻部材1529cの後側に固定されることで、第一表面形成部材1529a、拡散レンズ部材1529d、及び保持部材1529eが、外殻部材1529cの内部から抜けないように支持されるようになっている。
本例の左中下発光装飾体1529は、外殻部材1529cの表面に、銀色のメッキ処理が施されており、雪景色における銀世界を表現していると共に、開口1529bの内周形状によりロゴの文字「C」と「E」とが現されており、開口1529bを通して第一表面形成部材1529aにより「C」及び「E」形状の透明な氷が表現されている。また、第二表面形成部材1529fは、青色の透明部材とされており、波立った海面(水面)を表現すると共に、その前側に配置された外殻部材1529cが水面から突出している(浮かんでいる)ような状態を表現している。
また、左中下発光装飾体1529には、その側面に前後方向に延びる壁状側面1529gを有しており、この壁状側面1529gは、裏箱1510の深さと略同じ長さとされ、裏箱1510の後壁1510a付近まで延びだしている。また、この壁状側面1529gは、センター役物1400の挿入部1400bと連続するような形状に形成されている(図74及び図75参照)。
発光装飾体1520の左中基板1548は、図108に示すように、裏箱1510の後壁1510aの前面側に近接するように支持されており、左中上発光装飾体1527、左中発光装飾体1528、左中下発光装飾体1529の前面に対して可及的に遠ざかった位置に配置されており、遊技者側から左中基板1548に備えられたLED1540の光が、遊技者側から見て点状に発光しているのが判り難いようになっていると共に、発光装飾体1520の奥行感を高められるようになっている。
また、発光装飾体1520における左上可動発光装飾体1526、左中上発光装飾体1527、左中下発光装飾体1529、及び左下可動発光装飾体1530の拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fは、表面に複数の微細なプリズムが形成されたプリズムシートとされており、そのプリズムの作用により前側から入射した光を前側へ放射することも可能とされ、後側に配置されたLED1540が発光していなくても、パール状にキラキラ光らせることができると共に、その後側を遊技者から視認不能な状態とすることができるようになっている(図109参照)。また、拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fの後側に配置されたLED1540を発光させると、その光を様々な方向へ細かく拡散させることができ、遊技者側から見て、更にパール状にキラキラ輝かせることができるようになっている。
また、発光装飾体1520における左上可動発光装飾体1526、左中上発光装飾体1527、左中下発光装飾体1529、及び左下可動発光装飾体1530の前面形成部材1526e、第一表面形成部材1527a、第一表面形成部材1529a、及び前面形成部材1530eは、上述したように、その表面が滑かな凹凸状に形成されていると共に、その後面が略平坦に形成されており、その厚さが滑かで不均一な厚さとされている。これにより、表面意匠が歪んで見え、透明な氷を自然な感じで再現することができるようになっている。
続いて、裏ユニット1500における発光装飾体1520の配色関係について、図110及び図111に基づいて説明する。なお、図110及び図111において、間隔の狭い斜線で示す部分が赤色等の熱色系の装飾部材を示し、間隔の広い斜線で示す部分が青色等の冷色系の装飾部材を示し、また、その他の部分は、透明を含む白色の冷色系の装飾部材を示している。
裏ユニット1500における発光装飾体1520の配色関係は、図110に示すように、右中可動発光装飾体1525、左上可動発光装飾体1526、及び左下可動発光装飾体1530が閉状態の時では、裏箱1510内で開口部1510bの上部には、赤色の左上発光装飾体1521における第二表面形成部材1521bが左右方向の略中央に配置され、この第二表面形成部材1521bの左側に、青色の左上発光装飾体1521における第一表面形成部材1521a、左上可動発光装飾体1526における延出部1526j、及び左上隅装飾部材1532が順次配置されていると共に、赤色の第二表面形成部材1521bの右側に、白色の右上発光装飾体1522における表面形成部材1522bが配置されている。これにより、裏箱1510内の開口部1510bの上部では、左右方向の略中央に所定幅で上下方向へ長く延びる赤色が配色され、左右方向の中央から右側に白色が、左側に左上可動発光装飾体1526における「E」字の表面形成部材1526e(白色に見える)と外殻部材1526d(銀色)を除いて青色が夫々配色されている。
一方、裏箱1510内で開口部1510bの下部には、赤色の左下発光装飾体1523における第二表面形成部材1523bが左右方向の略中央に配置され、この第二表面形成部材1523bの左側に、青色の左下発光装飾体1523における第一表面形成部材1523a、左下可動発光装飾体1530における延出部1530j、及び左下隅装飾部材1533が順次配置されていると共に、赤色の第二表面形成部材1523bの右側に、白色の右下発光装飾体1524における表面形成部材1524a、及び右下隅発光装飾体1531における表面形成部材1531aが配置されている。これにより、裏箱1510内の開口部1510bの下部では、左右方向の略中央に上下方向へ長く延びる赤色が配色され、左右方向中央から右側に白色が、左側に左下可動発光装飾体1530における「I」字の表面形成部材1530e(白色に見える)と外殻部材1530d(銀色)を除いて青色が夫々配色されている。つまり、裏箱1510内の開口部1510bの上部及び下部は、略同じような配色とされている。
また、裏箱1510内で開口部1510bの左部には、赤色の左中発光装飾体1528が上下方向の略中央に配置され、この左中発光装飾体1528の上下には、白色に見える左中上発光装飾体1527及び左中下発光装飾体1529における「AG」及び「CE」字の表面形成部材1527a,1529aと、銀色の左中上発光装飾体1527及び左中下発光装飾体1529における外殻部材1527c,1529cが夫々配置されている。また、青色の左中上発光装飾体1527及び左中下発光装飾体1529における第二表面形成部材1527f,1529fが、開口部1510bの内周後方側面に配置されている。これにより、裏箱1510内の開口部1510bの左部では、上下方向の略中央に左右方向へ長く延びる赤色が配色され、その上下に白色と銀色が配色されていると共に、開口部1510b内周の後部に青色が配色されている。
一方、裏箱1510内で開口部1510bの右部には、白色の右中可動発光装飾体1525における第一表面形成部材1525a、右上発光装飾体1522における表面形成部材1522b、及び右下隅発光装飾体1531における表面形成部材1531aが配置されている。これにより、裏箱1510内の開口部1510bの右部では、白色が配色されている。
本実施形態の発光装飾体1520は、上述したように、裏箱1510における開口部1510bの外周の略全周に亘って、白色、青色、及び銀色等の冷たい感じのする冷色系の色の部材が配置され、上下部の左右方向の略中央と左側の上下方向の略中央等、開口部1510bの外周の一部分に、赤色の熱い感じのする熱色系の色の部材が配置されており、発光装飾体1520の全体としては、冷色系の部材が目立つような配色とされている。
なお、図111に示すように、各可動発光装飾体1525,1526,1530を開状態とした時は、裏箱1510内の開口部1510bの上下部では、左上可動発光装飾体1526における青色の延出部1526j及び左下可動発光装飾体1530における青色の延出部1530jと、左上発光装飾体1521における青色の第一表面形成部材1521a及び左下発光装飾体1523における青色の第一表面形成部材1523aとの間に、左上発光装飾体1521における白色に見える拡散レンズ部材1521c及び左下発光装飾体1523における白色に見える拡散レンズ部材1523cが現れると共に、裏箱1510内の開口部1510bの右部では、右中可動発光装飾体1525における赤色の第二表面形成部材1525bが現れるようになっている。これにより、裏箱1510内の開口部1510bの外周では、赤色の熱色系の部材が若干増えて、熱さが増すようになっていると共に、熱色系の部材が「十」字の放射状に配置された状態となるようになっている。
また、青色の延出部1526j,1530jと、青色の第一表面形成部材1521a,1523aとの間から望む拡散レンズ部材1521c,1523cの後側に配置されたLED1540を、赤色や緑色等の青色の成分を含まない色に発光させると、青色の延出部1526j,1530jや第一表面形成部材1521a,1523aでは、青色以外の色を透過させないので、延出部1526j,1530jと第一表面形成部材1521a,1523aとの間の部分のみが発光することとなり、延出部1526j,1530jと第一表面形成部材1521a,1523aとで形成される地割れ状の形状に、青色以外の発光色(特に、赤色)で明確に発光させることができるようになっている。
なお、本実施形態における遊技パネル599の開口部599eが、本発明の貫通孔に相当している。また、本実施形態におけるアタッカユニット1430、及び入賞口部材1470が、本発明の受入口部材に夫々相当している。更に、本実施形態における第一始動口1431及び一般入賞口1436が、本発明の受入口に相当している。また、本実施形態における発光装飾体1520が本発明の装飾体に相当していると共に、本実施形態の右下発光装飾体1524及び表面形成部材1524aが本発明の装飾部材に夫々相当している。更に、本実施形態における上部左基板1541、下部左基板1542、上部右前基板1543、上部右奥基板1544、下部中基板1545、下部右基板1546、右部下基板1547、左中基板1548が、本発明の発光装飾基板に夫々相当している。また、本実施形態の球誘導ユニット1560が、本発明の遊技媒体誘導ユニットに相当している。
<主制御基板及び周辺制御基板による制御構成>
パチンコ機1の制御構成について、主に図112及び図113を参照して説明する。図112は、パチンコ機における主制御基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。図113は、パチンコ機における周辺制御基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続および方向を示し、細線の矢印は信号の接続および方向を示している。本実施形態のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主制御基板1700のグループ(図112に示す)と、周辺制御基板1800のグループ(図113に示す)とで分担されている。主制御基板1700のグループは遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺制御基板1800のグループは演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
図112に示すように、主制御基板1700は、中央演算装置としてのCPU1701、読み出し専用メモリとしてのROM1702および読み書き可能メモリとしてのRAM1703を備えている。このCPU1701は、ROM1702に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺制御基板1800や払出制御基板1186に出力するコマンド信号を作成したりする。また、RAM1703には、主制御基板1700で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。なお、主制御基板1700は、中継端子板625、払出制御基板1186、及び電源中継端子板を介して電源基板に接続されており、電源基板から作動用電力が供給されるようになっている。
この主制御基板1700の入力インタフェースには、パネル中継端子板1511を介して、チャッカー入口1401からチャッカー通路1403へ進入した遊技球を検出するゲートセンサ1404、一般入賞口1436に入賞した遊技球を検出する一般入賞口センサ1706、第一始動口1431に入賞した遊技球を検出する第一始動口センサ1707、第二始動口1433に入賞した遊技球を検出する第二始動口センサ1439、アタッカユニット1430の大入賞口に入賞した遊技球を検出するカウントセンサ1440、及び、全ての入賞口に対する入賞数をカウントするための全入賞口入賞数検出センサ1708が接続されている。
また、主制御基板1700の入力インタフェースには、中継端子板625を介して、遊技球を遊技領域605へ打ち込むための遊技者によって操作される操作ハンドル部461の操作状態を検出する操作センサ1709、本体枠3の開放状態を検出する本体枠開放スイッチ1710、及び扉枠5の開放状態を検出する扉枠開放スイッチ1711も接続されている。
一方、パネル中継端子板1511の出力インタフェースには、第二始動口1433を開閉可能な一対の可動片1432を開閉駆動する始動口ソレノイド1437、及びアタッカユニット1430の大入賞口1435を閉鎖可能な開閉部材1434を開閉駆動するアタッカソレノイド1438が接続されており、主制御基板1700から駆動信号が出力されるようになっている。また、パネル中継端子板1511の出力インタフェースには、普通図柄・特別図柄表示基板1712を介して、普通図柄表示器1482、特別図柄表示器1481、普通図柄保留数表示器1484、及び特別図柄保留数表示器1485が接続されており、主制御基板1700から、普通図柄表示器1482や特別図柄表示器1481等へ駆動信号を出力することが可能になっている。
一方、払出制御基板1186は、中央演算装置としてのCPU1713、読み出し専用メモリとしてのROM1714および読み書き可能メモリとしてのRAM1715を備えている。そして、払出制御基板1186は、主制御基板1700から入力したコマンド信号を処理し、払出モータ815や、発射制御基板1716に接続された発射モータ695に対して、駆動信号を出力する。これにより、払出モータ815は、駆動信号に従って遊技球を払い出し、発射モータ695は駆動信号に従って遊技球を発射させることが可能になる。
なお、払出制御基板1186には、賞球タンク720内に貯留された遊技球が無くなったことを検出する球切れスイッチ778が接続されており、この球切れスイッチ778の検出に基づいて、遊技者及びホール側(ホールコンピュータ)へ球切れの報知がなされる。また、払出制御基板1186には、皿ユニット300の貯留部381に貯留された遊技球が満タンになったことを検出する満タンスイッチ916が接続されており、この満タンスイッチ916の検出に基づいて、「遊技球を貯留部381から取り出して下さい」旨の報知がなされるようになっている。
また、主制御基板1700と払出制御基板1186との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、たとえば主制御基板1700が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板1186から主制御基板1700にACK信号が返されるようになっている。
更に、主制御基板1700および払出制御基板1186には、外部端子板1717が接続されており、始動口1431,1433や大入賞口1435等への入賞状態、普通図柄・特別図柄の変動状態および抽選結果に基づく遊技状態等の各種情報が、遊技施設に設けられたホールコンピュータ等へ出力されるようになっている。
一方、周辺制御基板1800は、図113に示すように、CPU1801をはじめROM1802やRAM1803等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することが可能となっている。また、周辺制御基板1800には、音声や音楽の基となる音源を記憶したROM1804と、ROM1804に記憶された音源を基に、演出内容等に応じた音声や音楽を出力する音源IC1805とが設けられている。なお、上記の主制御基板1700と周辺制御基板1800との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板1700から周辺制御基板1800へのコマンド送信はあっても、その逆は行われないようになっている。また、周辺制御基板1800に対しても電源中継端子板1704を介して電源基板1705から作動用電力が供給されるようになっている。
この周辺制御基板1800には、液晶表示装置640での演出画像の表示を制御する液晶表示制御基板1806が接続されている。この液晶表示制御基板1806には、液晶表示装置640が接続されており、液晶表示制御基板1806には、周辺制御基板1800から送信されたコマンド信号を処理し、液晶表示装置640に対して駆動信号を出力する。詳しく説明すると、液晶表示制御基板1806には、CPU1807、RAM1808、ROM1809、VDP1810及び画像ROM1811が備えられている。
液晶表示制御基板1806のCPU1807は、周辺制御基板1800から送られてきたコマンド信号を、入出力インタフェースを介して受信すると共に、そのコマンドを基に演算処理を行って、VDP1810の制御を行う。RAM1808は、CPU1807の作業領域を提供すると共に、表示コマンドに含まれる情報を一時的に記憶する。また、ROM1809は、CPU1807用(表示制御用)のプログラムを保持する。
また、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)1810は、液晶表示装置640に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する描画回路である。VDP1810の内部には、レジスタが設けられており、VDP1810の動作モードや各種表示機能の設定情報等を保持しておくことが可能となっている。そして、このレジスタに保持される各種情報をCPU1807が書き換えることにより、液晶表示装置640における表示態様を種々変化させることが可能となる。画像ROM1811は、各種の画像データを記憶する不揮発性メモリであり、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データおよび背景画像用のJPEG形式画像データ等が記憶されている。
なお、周辺制御基板1800と液晶表示制御基板1806との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。また、液晶表示制御基板1806に対しても、周辺制御基板1800及び電源中継端子板1704を介して電源基板1705から作動用電力が供給されるようになっている。
また、周辺制御基板1800には、枠装飾中継端子板290を介して、扉枠5に備えられた扉枠装飾ランプ1812、三つの操作ボタン330、及びスピーカ163等が接続されており、周辺制御基板1800から、これらランプやスピーカ163等に対して駆動信号が出力されるようになっている。
更に、周辺制御基板1800には、第一装飾制御基板1513a、及び第一装飾制御基板1513aを介した第二装飾制御基板1515aが接続されている。なお、図示は省略するが、これら装飾制御基板1513a,1515aには、CPU、ROM、RAM等が備えられており、周辺制御基板1800から送信されたコマンドに基づいて、発光装飾体1520の各種基板に備えられたLED1540や、各可動発光装飾体1525,1526,1530を適宜駆動して、所定の発光装飾演出が行われるようになっている。なお、周辺制御基板1800と、第一装飾制御基板1513aや第二装飾制御基板1515aとの間でも、双方向に通信が行われるようになっている。
詳述すると、第一装飾制御基板1513aには、下部右基板1546、右部下基板1547、右部下基板1547を介した左中基板1525c、下部左基板1542、及び下部左基板を介した左下基板1530hが夫々接続されていると共に、各基板に実装されたLED1540を発光駆動するようになっている。なお、下部左基板1542は、自身に実装されたLED1540の他に、左中基板1548の上下方向略中央に配置されたLED1540、すなわち、左中発光装飾体1528と対応するLED1540を駆動するように接続されている。
一方、第二装飾制御基板1515aには、左中基板1548、上部右奥基板1544、上部右奥基板1544を介した上部右前基板1543、上部左基板1541、及び上部左基板1541を介した左上基板1526hが夫々接続されていると共に、各基板に実装されたLED1540を発光駆動するようになっている。また、第二装飾制御基板1515aには、右中可動発光装飾体1525のモータ1525fとセンサ1525kが接続されていると共に、上部左基板1541を介して左上可動発光装飾体1526のモータ1526lとセンサ1526q、及び左下可動発光装飾体1530のモータ1530lとセンサ1530qが夫々接続されており、周辺制御基板1800からのコマンドに応じて各可動発光装飾体1525,1526,1530を駆動させて所定の可動演出が行われるようになっている。
<発光装飾体及び液晶表示装置による演出態様>
裏ユニット1500における発光装飾体1520及び液晶表示装置640による発光装飾及び演出画像の演出態様の一例について、主に図110、図111、及び図114を参照して説明する。図114は、発光装飾体及び液晶表示装置による演出態様の一例を示す正面図である。
本実施形態のパチンコ機1では、上述したように、裏箱1510の開口部1510bの外周に配置された発光装飾体1520が、略全周に亘って白色、青色、及び銀色等の冷たい感じのする冷色系の装飾部材が配置されており、本パチンコ機1のモチーフとなっている物語の舞台である氷河期をイメージした配色とされている。そして、通常の遊技状態では、発光装飾体1520の各可動発光装飾体1525,1526,1530が図110に示すような閉じた状態となっていると共に、発光装飾体1520に備えられた各LED1540が、白色光や青色光等の冷色系の光を発光させた状態となっており、寒々とした氷河期をイメージした状態の発光演出が行われるようになっている。
そして、遊技者の操作によって遊技領域605に打ち込まれた遊技球が、第一始動口1431や第二始動口1433に入賞すると、所定数の遊技球が払出される他に、主制御基板1700において所定のプログラムにより具現化された抽選手段(例えば、所定の数値範囲内から大当り乱数を抽出)によって所定の抽選結果が抽選され、その抽選結果に基づいて特別図柄表示器1481では特別図柄の変動表示が開始されると共に、液晶表示装置640では複数列(例えば、三列)の画像による図柄列の変動表示が開始する。なお、特別図柄表示器1481の特別図柄よりも、液晶表示装置640に表示される図柄の方が大きく見易いため、一般的に遊技者は液晶表示装置640に表示された図柄に注目することとなる。また、第一始動口1431や第二始動口1433に遊技球が入賞した時に、特別図柄を変動表示させることができない状態の時は(例えば、特別図柄の変動表示中、大当り遊技中等の特別有利遊技状態の発生中、等の時)、その変動表示の開始が保留され、特別図柄保留数表示器1485に保留数として表示されるようになっている。但し、この保留数には上限(例えば、四つまで)が設定されており、その上限を超えた場合は、その図柄の変動表示が破棄されるようになっている。
ところで、特別図柄表示器1481での特別図柄の変動表示は、主制御基板1700によって直接制御されるようになっているのに対して(図112参照)、液晶表示装置640での図柄の変動表示は、主制御基板1700から周辺制御基板1800へ送信される抽選結果に係るコマンドに基づいて周辺制御基板1800及び液晶表示制御基板1806によって制御されるようになっている。これにより、特に遊技者が注目する液晶表示装置640での図柄の変動表示を周辺制御基板1800等で制御するようにしているので、主制御基板1700から送信されてくる抽選結果に係る或る一つのコマンドに対して、複数の図柄の変動パターンを予め用意することで、液晶表示装置640における図柄の変動パターンをより多くすることができ、主制御基板1700における演算処理の負荷を高めることなく変動パターンを増やすことで、遊技者をより楽しませて飽きられ難いパチンコ機1とすることができるようになっている。
液晶表示装置640において変動表示が開始された複数の図柄列は、抽選結果に応じて順次停止表示し、全ての図柄列が停止することで停止表示された図柄の組合わせにより抽選結果が示唆されるようになっている。この複数の図柄列が変動表示する演出画像の一つとして、一つの変動する図柄列を残して停止表示された図柄の組合せが特定条件(リーチ)を充足するように表示された後に、変動表示している残りの図柄列を強調して表示する演出画像(所謂、リーチ演出画像)がある。
本例のパチンコ機1では、液晶表示装置640にリーチ演出画像が表示されるのに伴って、発光装飾体1520による発光演出として、例えば、図111に示すように、各可動発光装飾体1525,1526,1530を閉状態から開状態へ可動させると共に、可動発光装飾体1525,1526,1530の移動によって現れる第二表面形成部材1525aや、拡散レンズ部材1521c,1523cの後側に配置されたLED1540を各種色に発光させることで、遊技者に対して通常とは異なる状態であることを発光装飾体1520によっても認識させて遊技(大当り遊技)に対する期待感を高められるようになっている。なお、第二表面形成部材1525aや、拡散レンズ部材1521c,1523cの後側に配置されたLED1540を赤色に発光させることで、通常状態では冷たい感じの発光装飾体1520に対して、温か味を付与して遊技者の興趣をより高められるようになっている。
そして、液晶表示装置640において全ての図柄列が停止して、停止表示された図柄の組合せが「大当り」を示唆する組合せであると、大当り遊技(特別有利遊技状態)として、遊技領域605内におけるアタッカユニット1430の大入賞口1435を閉鎖する開閉部材1434が所定のパターンで開閉動作して、大入賞口1435へ遊技球が入賞可能となるようになっている。この大当り遊技が開始される前に、液晶表示装置640では画面の略中央から地割れが放射状に延びる演出画像が表示されると共に、発光装飾体1520では各可動発光装飾体1525,1526,1530が閉状態から振動しながら徐々に開状態へと移行する。この時、演出画像の地割れは、発光装飾体1520における赤色に発光装飾可能な部分へ向かって放射状に延びるように表示される。
その後、演出画像の地割れが液晶表示装置640の周縁に到達すると、図114に示すように、発光装飾体1520における赤色に発光装飾可能な部分、詳しくは、左上発光装飾体1521における第二表面形成部材1521b及び拡散レンズ部材1521cの前面に露出した部分(第一表面形成部材1521aよりも左側の部分)、右上発光装飾体1522における装飾補助部材1522cの内側、左下発光装飾体1523における第二表面形成部材1523b及び拡散レンズ部材1523cの前面に露出した部分(第一表面形成部材1523aよりも左側の部分)、右下発光装飾体1524における装飾補助部材1524bの内側、右中可動発光装飾体1525の第二表面形成部材1525b、及び左中発光装飾体1528が、演出画像の地割れと繋がるように赤く発光装飾され、これまで青白く冷色系に装飾されていた発光演出が、赤い熱色系の発光演出に変化し、遊技者の気分を高揚させて遊技(大当り遊技)に対する興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
なお、図114中、間隔の狭い斜線で示す部分が、赤色等の熱色系に発光装飾される部分である。
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、外枠2における側枠板12,13を金属製の押出し型材とすることで本体枠3における遊技盤設置凹部510の左右方向の寸法を大きくすると共に、扉枠5前面の皿ユニット300を一つのみ備えるようにすることで遊技窓101の上下方向の寸法を大きくし、更に、本体枠3における後側面壁541,542,543の後方突出量を賞球タンク720の後端辺と略同じ位置とすることで遊技盤設置凹部510の奥行を可及的に大きくなるようにしているので、より大きな遊技盤4を良好に支持することができる。つまり、遊技盤4をより大型化することができると共に、その際に、遊技領域605を形成する透明な遊技パネル599の後側に、
装飾体1520が配置されていると共に、装飾体1520におけるアタッカユニット1430及び入賞口部材1470の後側に配置された右下発光装飾体1524の表面形成部材1524aを立体的な形状とした上で遊技パネル599の後面に近接配置し、各入賞口に受入れられた遊技球を右下発光装飾体1524の後側へ誘導するようにしており、アタッカユニット1430等の後側に配置された立体的な右下発光装飾体1524も視認させることが可能となって、遊技領域605の略全域に亘って透明な遊技パネル599の後側の立体的な装飾体1520を遊技者に対して見せることができるので、従来のように平面的な印象の高いパチンコ機と比較して、装飾体1520による立体的な印象のあるパチンコ機1とすることができ、遊技者に対して従来とは全く異なる印象を一見して与えることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けて、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができると共に、遊技者に対して飽きられ難いパチンコ機1とすることができる。
また、各入賞口に受入れられた遊技球を、右下発光装飾体1524の後側に配置された球誘導ユニット1560へ誘導するようにしており、遊技パネル599の後側における装飾機能を右下発光装飾体1524で担うと共に、遊技球の誘導機能を球誘導ユニット1560で担うことができるので、右下発光装飾体1524及び球誘導ユニット1560を夫々装飾機能及び誘導機能に特化させて右下発光装飾体1524におけるデザインの制約を抑制することができ、装飾効果の高い右下発光装飾体1524(装飾体1520)を配置して遊技者の関心をより強く引き付けられるパチンコ機1とすることができる。
更に、右下発光装飾体1524の後側に球誘導ユニット1560を配置している。つまり、遊技領域605から排出される遊技球を誘導する球誘導ユニット1560を装飾体1520の右下発光装飾体1524によって隠蔽するようにしているので、従来のパチンコ機のように排出する遊技球を隠蔽するためにアタッカユニット1430等を大型化する必要が無く、アタッカユニット1430等を可及的に小さくして透明な遊技パネル599の後側に配置された立体的な装飾体1520を見易くすることができ、透明な遊技パネル599を通して見える装飾体1520によって遊技者の関心を強く引き付けて、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、装飾体1520における右下発光装飾体1524の表面形成部材1524aを不透明としているので、その後側に配置された球誘導ユニット1560が表面形成部材1524aを通して視認し難くすることができ、球誘導ユニット1560が視認できることで装飾体1520全体の意匠性が低下するのを防止することができ、装飾体1520による所望の装飾効果を確実に発揮させて遊技者の関心を強く引き付けられるパチンコ機1とすることができる。
更に、遊技パネル599における開口部599eの内周面が白濁状に形成されているので、その白濁状の内周面によって、アタッカユニット1430等の誘導樋1441,1473、開口部599eの後側に配置された表面形成部材1524aの切欠き部1524dや、切欠き部1524dから望む球誘導ユニット1560等を視認し辛くすることができ、意匠性の低い切欠き部1524dや球誘導ユニット1560等を見辛くして装飾体1520の装飾効果が低下するのを防止することができる。
また、アタッカユニット1430等に開口部599eと切欠き部1524dを貫通する誘導樋1441,1473が備えられているので、遊技球が開口部599eや切欠き部1524dと直接接触するのを防止することができ、遊技球の接触により開口部599eや切欠き部1524d等が汚れたり、破損したりするのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、球誘導ユニット1560の後側にLED1540を有した下部中基板1545や下部右基板1546を備えるようにしているので、球誘導ユニット1560を介して右下発光装飾体1524を発光装飾させることができ、装飾体1520や右下発光装飾体1524の発光装飾により、遊技者の関心を更に強く引き付けることができると共に、装飾体1520等の発光演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
更に、球誘導ユニット1560の透光性を、右下発光装飾体1524の表面形成部材1524aの透光性よりも高くしているので、球誘導ユニット1560における光量の減衰を低減させることができ、右下発光装飾体1524をより明るく発光装飾させて遊技者の関心を引き付けられるものとすることができる。また、表面形成部材1524aよりも球誘導ユニット1560の方が白色の薄い色としているので、表面形成部材1524aを通して球誘導ユニット1560が透けて見えるのを抑制することが可能となり、球誘導ユニット1560が透けて見えることで右下発光装飾体1524の意匠性が低下するのを防止することができ、上述したような所望の装飾効果を発揮することが可能な右下発光装飾体1524(表面形成部材1524a)として遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、球誘導ユニット1560を介して右下発光装飾体1524の表面形成部材1524aを発光装飾させるようにしているので、下部中基板1545や下部右基板1546の前側に拡散レンズ部材等を配置しなくても、球誘導ユニット1560によりLED1540からの光を拡散させることができるので、LED1540の点光源が視認できたり不均一な発光装飾となったりするのを防止して、表面形成部材1524a全体を良好に発光装飾させることができると共に、拡散レンズ部材等を必要しないので右下発光装飾体1524(表面形成部材1524a)の発光装飾にかかるコストを低減させることができる。
更に、透明な遊技パネル599に形成された開口部599eの内周面が白濁状に形成されているので、少なくとも一部を透明としたり可及的に大きさを小さくしたりしたセンター役物1400、アタッカユニット1430や入賞口部材1470等を、開口部599eに対して遊技パネル599の前面に固定してその開口部599eが遊技者から視認可能となっても、開口部599eを通してセンター役物1400等の挿入部1400b等が見えたり、開口部599eの内周面を通して遊技パネル599の外周側面の外方が見えてしまうのを防止することが可能となり、遊技パネル599の後側に配置された装飾体1520の装飾性を妨げるのを回避させて装飾体1520による所望の装飾効果を発揮させることができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、遊技パネル599における開口部599eの内周面を白濁状とすることで、開口部599eが遊技者から視認できても遊技盤の意匠性に与える影響を可及的に少なくすることが可能となっており、開口部599eに対して固定されるセンター役物1400やアタッカユニット1430等を、少なくともその一部を透明としたり大きさを可及的に小さくしたりすることができ、センター役物1400やアタッカユニット1430等によって後側に配置された装飾体1520が見辛くなるのを抑制して、裏ユニット1500の装飾体1520による装飾効果を確実に発揮させて遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。また、センター役物1400等の挿入部1400b等に装飾等を施す必要がないので、センター役物1400等にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、センター役物1400等に挿入部1400bとフランジ状部1400aとを備えるようにしているので、この挿入部1400bとフランジ状部1400aとで開口部599eの内周面を覆って、開口部599eを見えなく或いは見え難くして開口部599eを認識し辛くすることができ、上述した作用効果を確実に発揮させて、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、枠状のセンター役物1400が固定される開口部599eも、その内周面が白濁状に形成された開口部599eとしているので、この内周面を通して遊技パネル599の外周側面の外方が視認可能となって装飾体1520等の意匠性が低下するのを防止することができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なものとすることができると共に、遊技者がセンター役物1400のステージ1407に注目しても開口部599eを認識し辛くすることができる。
また、センター役物1400の一部を透明としているので、その透明な部分を通して後側に配置された装飾体1520を遊技者側から視認することができ、立体的な装飾体1520を確実に視認させることで装飾体1520による装飾効果を発揮させて、他のパチンコ機と確実に差別化し本パチンコ機1に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、ステージ1407が形成されたセンター役物1400を備えるようにしているので、従来のセンター役物を備えたパチンコ機と似たパチンコ機1とすることができ、従来のパチンコ機に慣れた遊技者に対して、「全く未知なパチンコ機」との印象を持ち難くして、違和感無く遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させることができる。
また、センター役物1400におけるフランジ状部1400aの透明部分を、光を屈折撹乱可能な凹凸状に形成しており、フランジ状部1400aの透明部分で光が屈折撹乱されるので、フランジ状部1400aを通して開口部599eの内周面がハッキリ見えるのを抑制して、内周面を見辛くすることができるので、センター役物1400を固定する開口部599eの内周面が認識できて意匠性が低下するのを防止することができ、上述した作用効果を確実に奏するものとすることができる。
更に、遊技球を受入可能なアタッカユニット1430や入賞口部材1470が固定される開口部599eも、その内周面が白濁状に形成された開口部599eとしているので、この内周面を通して遊技パネル599の外周側面の外方が視認可能となって装飾体1520等の意匠性が低下するのを防止することができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なものとすることができると共に、遊技者がアタッカユニット1430等の入賞口に注目しても開口部599eを認識し辛くすることができる。また、アタッカユニット1430や入賞口部材1470のケーシング1430aや本体部1471に遊技球を誘導可能な誘導樋1441,1473が形成されているので、遊技球が開口部599eの内周面と接触するのを防止することができ、遊技球との接触により白濁状の内周面に汚れが付着して内周面が目立つようになったり、白濁が薄くなって透明度が増して遊技パネル599の外周側面の外方が視認できるようになったりするのを防止して、上述した作用効果を良好に維持することができる。
また、各入賞口に受入れられた遊技球を遊技パネル599の後側へ誘導するようにしており、入賞口へ受入れられて遊技領域605から排出する遊技球の排出処理を遊技パネル599の前側つまり遊技領域605内で排出処理する必要が無く、遊技パネル599の後側で遊技球の排出処理を行うことができるので、実際に遊技球が流下する遊技領域605が狭くなるのを防止して、遊技球の流下を充分に楽しませて興趣が低下するのを抑制することが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、遊技領域605を形成する透明な遊技パネル599の後側に、演出画像が表示される液晶表示装置640の外周を囲うように冷たい感じの立体的な冷色の左上発光装飾体1521の第一表面形成部材1521a、右上発光装飾体1522、左下発光装飾体1523の第一表面形成部材1523a、右下発光装飾体1524、右中可動発光装飾体1525の第一表面形成部材1525a、左上可動発光装飾体1526、左中上発光装飾体1527、左中下発光装飾体1529、左下可動発光装飾体1530、右下隅発光装飾体1531、左上隅装飾部材1532、及び左下隅装飾部材1533が配置されていると共に、それらの装飾部材の所々に赤く熱い感じの立体的な左上発光装飾体1521の第二表面形成部材1521b、左下発光装飾体1523の第二表面形成部材1523b、及び左中発光装飾体1528が配置され、遊技領域605内の受入口としての第一始動口1431や第二始動口1433等に遊技球が受入れられることで、それら装飾部材が適宜色に発光装飾されるパチンコ機1とすることができるので、遊技パネル599の後側に配置された立体的な発光装飾体1520により、従来のように平面的な印象の高いパチンコ機と比較して、立体的な印象のあるパチンコ機1とすることができ、遊技者に対して従来とは全く異なる印象を一見して与えることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けて、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、発光装飾体1520における熱色系の装飾部材1521b,1523b,1528の割合が冷色系の装飾部材よりも少ない割合とされているので、発光装飾体1520が冷色に発光装飾されている時は、全体的に冷色に発光装飾されて熱色系の装飾部材1521b,1523b,1528が目立たなくなる一方、発光装飾体1520の熱色系の装飾部材1521b,1523b,1528を熱色に発光装飾させると、冷色と比較して熱色は目立ち易いため、その割合が少なくても熱色系の装飾部材1521b,1523b,1528が目立つようになり、遊技者に対して熱くなった印象を与えることができる。そして、第一始動口1431等への遊技球の受入れに応じて発光装飾体1520の発光装飾の色が変化するので、その色の変化により遊技者に対して遊技状態が変化するのではないかと言う期待感を抱かせることができ、遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
更に、熱色系の装飾部材1521b,1523b,1528が放射状に配置されているので、熱色系の装飾部材1521b,1523b,1528を発光装飾させると、裏箱1510の開口部1510bつまり液晶表示装置640を中心として熱色系の光が四方八方へ広がるような発光演出をすることができ、遊技者を驚かせることができると共に、広がる感じの発光演出により遊技者に何がしかの期待感を抱かせることができ、遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。また、熱色系の装飾部材1521b,1523b,1528を放射状に配置することで熱色系の装飾部材1521b,1523b,1528が分散配置されることとなるので、冷色に発光装飾している時は熱色系の装飾部材1521b,1523b,1528を目立ち難くすることができると共に、熱色系の装飾部材1521b,1523b,1528を発光装飾している時は各方向から熱色の光が見えることで全体的に熱色に発光しているような錯覚を起こさせることができ、冷色と熱色のギャップにより遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
また、熱色に発光可能なLED1540を放射状に配置すると共に、その前側の冷色系の装飾部材を、透明を含む白色としているので、裏箱1510内で開口部1510bの外周の略全周に亘って冷色系の装飾部材を配置しても、LED1510を熱色に発光させると、放射状に熱色で発光装飾することができ、光り輝く日照や、放射状に地割れした部分からマグマが現れたような印象を遊技者に対して強く与えることができ、遊技者の関心を引き付けて、遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
更に、透明な遊技パネル599の後側に配置された冷色系の装飾部材の一部つまり可動発光装飾体1525,1526,1530が移動機構1525d,1526b,1530bによって移動すると共に、可動発光装飾体1525,1526,1530の移動に伴ってその後側の熱色系の第二表面形成部材1525bや冷色系の拡散レンズ部材1526c,1530cが視認可能となったり視認不能となったりするので、LED1540を発光させなくても、発光装飾体1520の配色を変化させることができ、遊技者の関心を引き付けられるものとすることができる。また、透明な遊技パネル599の後側に配置された発光装飾体1520の冷色系の可動発光装飾体1525,1526,1530が、移動機構1525d,1526b,1530bによって移動するので、更に遊技者の関心を強く引き付けることができ、これまでのパチンコ機にはない印象を強く与えて、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めて、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、熱色に発光可能なLED1540が装飾補助部材1522c,1524bにより所定形状で囲われているので、LED1540を熱色に発光させると、白色の冷色装飾部材としての表面形成部材1522b,1524aの一部を装飾補助部材1522c,1524bの形状、つまり、熱色に発光するLED1540の配置意図に略沿った形状で熱色に発光装飾させることができ、表面形成部材1522b,1524aの形状とは異なる形状に浮び上がる熱色の発光装飾により、遊技者の関心を強く引き付けることが可能となって遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、冷色装飾部材として拡散レンズ部材1521c,1523c,1526f,1527d,1529d,1530f,1531bが透明であっても、拡散レンズ部材1521c,1523c,1526f,1527d,1529d,1530f,1531bを通してその後側に配置された白色の各基板が見えることで、冷たい感じがしなくなるのを抑制し、透明でも冷色系の装飾部材としての機能を発揮させることができる。また、LED1540を実装した各基板の表面を白色とすることで、基板の表面での光の反射率を高めることができ、発光装飾体1520をより明るく発光装飾させることができると共に、全ての色を反射させることができるので、LED1540の発光色に影響され難くして、発光装飾体1520を意図した色に確実に発光装飾させることができる。
更に、遊技領域605を形成する透明な遊技パネル599の後側に、透明な前面形成部材1526e、第一表面形成部材1527a、第一表面形成部材1529a、及び前面形成部材1530eの後側に微細なプリズムを複数有した拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fと左上基板1526h、左下基板1530h、及び左中基板1548とを順次備えた装飾体1520が配置されているので、その装飾体1520の拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fによって入射した光が分光拡散し、キラキラと七色の光を放つこととなると共に、遊技者の見る位置によって光具合が変化することとなり、従来のパチンコ機のように平面的な図柄や画像等とは全くことなる印象を一見して遊技者に与えることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けて、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、装飾体1520に微細なプリズムを複数有した拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fが配置されているので、拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fの後側に配置されたLED1540や左上基板1526h、左下基板1530h、及び左中基板1548等を前側から見えなくすることができ、拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fの後側に配置されたLED1540等が視認できることで装飾体1520の装飾性が損なわれて遊技者の興趣を低下させてしまうのを防止することができる。また、拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fにより装飾体1520の前側から拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fに入射してきた光を、前側へ放射することができるので、LED1540が発光していなくても、ある程度装飾体1520をキラキラと輝かせることができて遊技者の関心を引き付けることができる。
更に、所定深さの裏箱1510内に装飾体1520を配置するようにしており、装飾体1520を立体的に造形したものとすることができ、従来のパチンコ機では、遊技領域内において平面的な図柄や画像等が視認できた位置に、透明な遊技パネル599を通して立体的な装飾体1520を視認することができるので、一見して遊技者に対して従来のパチンコ機とは異なる印象を与えることが可能となり、他のパチンコ機に対して本パチンコ機1を大きく差別化することができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1が選択される可能性を高くすることができる。
また、透明な前面形成部材1526e、第一表面形成部材1527a、第一表面形成部材1529a、及び前面形成部材1530eの厚さを不均一としているので、透過する光の屈折を不均一なものとすることが可能となり、遊技者側からその後側に配置された拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fが歪んで見えるようにすることで、遊技者に前面形成部材1526e、第一表面形成部材1527a、第一表面形成部材1529a、及び前面形成部材1530eの形状を認識させ易くすることができ、形状による装飾効果を発揮させて上述した作用効果を確実に奏することができるものを具現化することができる。また、前面形成部材1526e、第一表面形成部材1527a、第一表面形成部材1529a、及び前面形成部材1530eの後側に配置された拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fが、遊技者側から歪んで見えるようにすることができるので、幾何学的な拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fの表面意匠が歪んで見え人工的な感じがするのを低減させることができ、立体的な装飾体1520(前面形成部材1526e、第一表面形成部材1527a、第一表面形成部材1529a、及び前面形成部材1530e)のリアル感をより高めて遊技者の関心を強く引き付けられるものとすることができる。また、拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fが歪んで見えることで、拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fから放射される光も不均一となり、キラキラ光る拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fの光具合が不均一となって更にキラキラ感を増させることができ、遊技者の関心を強く引き付けられるものとすることができる。
更に、LED1540を有した左上基板1526h、左下基板1530h、及び左中基板1548を備えているので、LED1540からの光を拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fで広く拡散させることできると共に、拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fをパール状にキラキラ発光させることができ、装飾体1520の発光装飾によって、遊技者の関心をより強く引き付けて本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めることができる。
また、拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fを前面形成部材1526e、第一表面形成部材1527a、第一表面形成部材1529a、及び前面形成部材1530eと保持部材1526g,1527e,1529e,1530gとで狭持して保持することができるので、シート状とされることで柔軟性のある拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fを確実に保持することができ、上述した作用効果を確実に奏することができるパチンコ機1を具現化することができる。
また、拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fを前面形成部材1526e、第一表面形成部材1527a、第一表面形成部材1529a、及び前面形成部材1530eと保持部材1526g,1527e,1529e,1530gとで狭持するようにしており、蓋然的に拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fが前面形成部材1526e、第一表面形成部材1527a、第一表面形成部材1529a、及び前面形成部材1530eの前面の後側と接する位置に配置され、而して、前面形成部材1526e、第一表面形成部材1527a、第一表面形成部材1529a、及び前面形成部材1530eの前面と共に裏箱1510の前面付近に拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fが配置されることとなる。これにより、拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fと裏箱1510の後壁1510aとの間に距離を取ることが可能となり、その間に、LED1540を有した各種基板を配置したり、装飾体1520を移動させる移動手段(移動機構)を配置したりすることができ、装飾体1520の装飾効果をより高めることができる。
また、拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fが、前方から入射した光を前方へ放射可能とされており、装飾体の前方から拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fに入射した光が、プリズムにより反射したり屈折したりして拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fから前方へ放射されるので、拡散レンズ部材1526f,1527d,1529d,1530fよりも前側に光源があれば、パチンコ機1における遊技状態に関係なく装飾体1520をいつでもキラキラ輝かせることができ、遊技者に対する訴求力を高めて遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させることができる。
更に、遊技領域605を形成する透明な遊技パネル599の後側に、50mm〜100mmの深さの裏箱1510を配置した上で遊技パネル599の面に対して略垂直方向(前後方向)に延び裏箱1510の深さと略同じ長さの壁状側面1524f,1527h,1528b,1529g,1531eを備えた発光装飾体1520、つまり、壁状側面1524f,1527h,1528b,1529g,1531eにより奥行(前後方向)が強調された右下発光装飾体1524、左中上発光装飾体1527、左中発光装飾体1528、左中下発光装飾体1529、及び右下隅発光装飾体1531が配置されているので、この立体的な発光装飾体1520により従来のパチンコ機における遊技盤とは一見して全く異なるものであると認識させて遊技者の関心を強く引き付けることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めて遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、右下発光装飾体1524、左中上発光装飾体1527、左中発光装飾体1528、左中下発光装飾体1529、及び右下隅発光装飾体1531は、裏箱1510の深さと略同じ長さの壁状側面1524f,1527h,1528b,1529g,1531eを備えており、これにより、発光装飾体1520の前面が裏箱1510の前面つまり遊技パネル599の後面に近接した位置に配置されることとなるので、遊技者に対して、発光装飾体1520の前面と、遊技領域605内を流下する遊技球との距離の差を小さくすることが可能となり、発光装飾体1520と遊技球との間での焦点移動を可及的に少なくすることができ、発光装飾体1520と遊技球の両方を同時に見易くすることができると共に、早期に眼球疲労が発生するのを防止して、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、透明な遊技パネル599の後側に、裏箱の深さと略同じ長さの壁状側面1524f,1527h,1528b,1529g,1531eを備えた発光装飾体1520(右下発光装飾体1524、左中上発光装飾体1527、左中発光装飾体1528、左中下発光装飾体1529、及び右下隅発光装飾体1531)が配置されていると共に、裏箱1510の後側に液晶表示装置640が配置されているので、遊技者の焦点距離が遊技盤面(遊技パネル599)により規制されるのを回避させて、焦点距離の規制範囲をより遠くすることができるので、遊技盤4と対面する遊技者に対して圧迫感を与えるのを抑制することができ、遊技者をリラックスさせて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、裏箱1510の深さを50mm〜100mmの深さとすると共に、その後壁1510aの開口部1510bに液晶表示装置640を配置するようにしているので、液晶表示装置640の表示画面を遊技盤面から所定の距離(裏箱の深さの距離)後側に配置されることとなる。つまり、従来のパチンコ機よりも液晶表示装置640が遊技者から遠ざかった位置に配置されているので、蓋然的に演出画像に対する焦点距離も遠くなり、眼球疲労の発生を抑制して遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
更に、液晶表示装置640が配置された裏箱1510の開口部1510bに略沿うように発光装飾体1510の壁状側面1524f,1527h,1528b,1529g,1531eが配置されているので、液晶表示装置640の外周を壁状側面壁状側面1524f,1527h,1528b,1529g,1531eで略覆って縁取ることができ、液晶表示装置640と発光装飾体1520とを明確に分離して外見上メリハリのある遊技盤4とすることで遊技者の関心を引き付けることができると共に、遊技盤4に対して上下或いは左右の斜め方向から液晶表示装置640の表示画面に向かって入射してくる光を遮ることができ、これにより、不要な光の映り込みを防止して液晶表示装置640に表示される演出画像を見易くすることができる。
また、裏箱1510の深さを50mm〜100mmの範囲内としているので、裏箱1510内に、奥行方向(深さ方向)に起伏の富んだ立体感の高い発光装飾体1520を確実に配置することができ、遊技者の関心を強く引き付けて、本パチンコ機1による遊技に対する期待感を高められるパチンコ機1とすることができる。
更に、上部右奥基板1544、下部中基板1545、下部右基板1546、右部下基板1547、及び左中基板1548によって右下発光装飾体1524、左中上発光装飾体1527、左中発光装飾体1528、左中下発光装飾体1529、及び右下隅発光装飾体1531を発光装飾させることが可能となり、点灯・点滅したり、種々の色に発光したりする発光装飾体1520によって、更に、遊技者の関心を引き付けることが可能となり、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、右下発光装飾体1524、左中上発光装飾体1527、左中発光装飾体1528、左中下発光装飾体1529、及び右下隅発光装飾体1531を発光装飾させることができるので、透明な遊技パネル599の後側に配置された発光装飾体1520が暗くて見辛くなるのを防止することができ、発光装飾体1520による装飾効果をより高めて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、右下発光装飾体1524、左中上発光装飾体1527、左中発光装飾体1528、左中下発光装飾体1529、及び右下隅発光装飾体1531には裏箱1510の深さと略同じ長さの壁状側面1524f,1527h,1528b,1529g,1531eを有しており、上述したように発光装飾体1520の前面が、裏箱1510の前面付近に配置されることとなるので、上部右奥基板1544、下部中基板1545、下部右基板1546、右部下基板1547、及び左中基板1548を裏箱1510の後壁1510a付近に容易に配置することができ、発光装飾体1520の前面(表面)とLED1540とを可及的に遠ざけることで、点状に発光するLED1540の光がより広がって発光装飾体1520全体を略均一に発光装飾させることができると共に、点状に発光するLED1540の光源を目立ち難くすることができる。また、遊技者側から上部右奥基板1544、下部中基板1545、下部右基板1546、右部下基板1547、及び左中基板1548やLED1540を見難くして、発光装飾体1540の装飾効果が低下するのを抑制することができる。
また、壁状側面1524f,1531e同士を対向配置させた部位では、その間隔よりも深さの方が深いので、底の部分が見辛くなってその深さが強調されることとなり、発光装飾体1520の奥行感を更に強調させて、遊技者の関心を強く引き付けられるものとすることができる。また、壁状側面1524f,1531e同士が対向した底の部分が見辛くなるので、遊技者に対して、その部分に何かがあるように思わせることが可能となり、その部分に対して何がしかの期待感を抱かせて、遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。更に、壁状側面1524f,1531e同士を対向配置した部位により、地割れやクレバス、穴等を表現することができ、よりリアルな発光装飾体1520とすることができる。また、壁状側面1524f,1531e同士が対向した部位の底にLED1540を有した基板を配置しているので、地割れ等から光が放射されるような発光演出が可能となり、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
更に、遊技パネル599の後側に配置され発光装飾体1520の壁状側面1524f,1527h,1528b,1529g,1531eと連続するように形成された挿入部1400bを有したセンター役物1400が遊技パネル599の前面に配置されているので、壁状側面1524f,1527h,1528b,1529g,1531eと挿入部1400bとにより、センター役物1400の前面、つまり、遊技盤4の前面から裏箱1510の後壁1510aに至るまでの長さを有した奥行方向(前後方向)に延びる壁状の部分が遊技盤4に形成されることとなり、この奥に長い壁状部分によって、より一層遊技盤4の奥行感を強調することができ、従来のパチンコ機と比較して、際立った奥行のあるパチンコ機1とすることができ、一見して他のパチンコ機と見分けられ本パチンコ機1に対する関心を強く引き付けることができ、本パチンコ機1による遊技に対する期待感を高めて、遊技者の興趣を高められる効果を期待できるパチンコ機1とすることができる。また、遊技パネル599に液晶表示装置640の外周を囲うような枠状のセンター役物1400が備えられているので、従来のセンター役物を備えたパチンコ機と似たパチンコ機1とすることができ、従来のパチンコ機に慣れた遊技者に対して、「全く未知なパチンコ機」との印象を持ち難くして、違和感無く遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させることができる。
また、遊技盤設置凹部510の奥行を大きくすることができるので、パネルホルダ600から後側、つまり、裏ユニット1500の奥行(裏箱1510の深さ)を大きくすることができる。これにより、発光装飾体1520の壁状側面1524f,1527h,1528b,1529g,1531eをより長くして、遊技パネル599後側の空間の奥行感をより強調することができ、従来の平面的な遊技盤に対して、明らかに異なる外観の遊技盤4を提供することが可能となり、この遊技盤4によって遊技者の関心を強く引き付けて、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができるパチンコ機1となる。
更に、パチンコ機1の機種を特徴付ける所定物を模した移動する第一表面形成部材1525a及び移動体アッシー1526a,1530aと、第一表面形成部材1525a及び移動体アッシー1526a,1530aの移動に伴って現れる第二表面形成部材1525b及び拡散レンズ部材1521c,1523cとが配置されているので、従来のパチンコ機のように平面的な絵や画像とは全くことなる印象を一見して遊技者に与えることが可能となると共に、これまでのパチンコ機では変化しなかった部分が形状的に変化することで、大型の遊技盤4と相まって遊技者の関心を強く引き付けることができ、本パチンコ機1に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、透明な遊技パネル599の後側に配置された第一表面形成部材1525a及び移動体アッシー1526a,1530aを移動機構1525d,1526b,1530bによって移動させることで、遊技盤4の背景を変化させるようにしているので、透明遊技盤の後側に大型の液晶表示装置を配置して、その演出画像(動画も含む)により遊技盤の背景を変化させるようにした場合と比較して、変化の仕方を判りやすく単純なものとすることができ、発光装飾体1520の前側を遊技球が流通しても、遊技球が見辛くなるのを抑制して遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
更に、左上基板1526h及び左下基板1530hにより移動体アッシー1526a,1530aを発光装飾させることができると共に、移動体アッシー1526a,1530aを移動機構1526b,1530bにより移動させることができるので、左上基板1526h及び左下基板1530hに備えられたLED1540によって、移動体アッシー1526a,1530aを、点灯・点滅させたり、種々の色に発光させたりすることができ、発光演出により遊技者の関心を更に強く引き付けることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、移動体アッシー1526a,1530aを発光装飾させることができるので、透明な遊技パネル599の後側に配置された移動体アッシー1526a,1530aが暗くて見辛くなるのを防止することができ、移動体アッシー1526a,1530aによる装飾効果をより高めて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、移動体アッシー1526a,1530aの内部に左上基板1526h及び左下基板1530hを備えるようにしているので、前側から照明する場合と比較して、移動体アッシー1526a,1530aの前後方向(奥行)の寸法を可及的に大きく取ることが可能となり、移動体アッシー1526a,1530aの形状をより立体感のあるものとすることができ、リアルな移動体アッシー1526a,1530aにより遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。また、左上基板1526h及び左下基板1530hを保持部材1526g,1530gの後側に配置しているので、LED1540をできる限り後方に配置することが可能となり、LED1540と前面形成部材1526e,1530eの前面と距離を可及的に大きく取ることができ、点状に発光するLED1540の光源を目立ち難くすることができる。
更に、前面形状部材1526e,1530eの後側でLED1540が発光するので、前面形状部材1526e,1530eの表面形状が強調されるのを抑制することが可能となり、前面形状部材1526e,1530eに模された所定物としての透光性を有した氷を、その形状がリアルなだけでなく質感もリアルに再現することができ、よりリアルな前面形状部材1526e,1530eによって遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、移動機構1525d,1526b,1530bによる第一表面形成部材1525a及び移動体アッシー1525a,1530aの移動に伴って、第二表面形成部材1525b及び拡散レンズ部材1521c,1523cが出現したり、隠れたりするので、遊技盤4の形状的な装飾態様を大きく変化させることができ、遊技者の関心をより引き付けられるものとすることができると共に、装飾態様の変化によって遊技に対する期待感を持たせることが可能となり、その期待感によって遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。更に、第二表面形成部材1525b及び拡散レンズ部材1521c,1523cの色を、第一表面形成部材1525a及び移動体アッシー1525a,1530aのそれとは異なる色としているので、移動機構1525d,1526b,1530bによる第一表面形成部材1525a及び移動体アッシー1525a,1530aの移動により、色の異なる第二表面形成部材1525b及び拡散レンズ部材1521c,1523cが現れることとなり、一見して発光装飾体1520の装飾態様が変化したことを遊技者に認識させることができ、遊技者の関心を強く引き付けることができる。
また、発光装飾体1520の表面形成部材1521a等を所定物としての氷山や氷河等と略同じ色とすると共に、その後側に配置されたLED1540を所定物と略同じ色又は白色で発光するようにしているので、表面形成部材1521a等が所定物と近似した感じに発光することとなり、表面形成部材1521a等がよりリアルな感じとなって、遊技者に対する訴求力が高くなり、遊技者の関心を強く引き付けることができる。
更に、従来のパチンコ機では、遊技領域内において平面的な絵や画像等が視認できた位置に、透明な遊技パネル599を通して立体的な表面形成部材1521a等が配置されているので、一見して遊技者に対して従来のパチンコ機とは異なる印象を与えることが可能となり、他のパチンコ機に対して本パチンコ機1を大きく差別化することができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択する可能性を高くすることができる。
また、遊技パネル599の後側に配置される表面形成部材1521a等は、LED1540の発光により所定の色に発光する発光装飾体1520とされているので、単に発光が点滅したり色が変化したりするだけであり、従来のパチンコ機のように動画が表示された場合と比較して、遊技パネル599の前面を流下する遊技球が見辛くなるのを抑制することができ、遊技球が見辛くなることに起因して遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
更に、遊技パネル599の後側に配置された立体的な表面形成部材1521a等によって、パチンコ機1の機種を特徴付けることができるので、従来のパチンコ機のように、遊技領域内に、機種を特徴付けるための特徴的な形状の役物や装飾体等を別途配置する必要が無く、それらによって遊技球の流域が狭くなるのを抑制することができ、遊技球の動きが単調なものとなるのを防止して、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
また、表面形成部材1521a等の表面に多面状のプリズム又はシボが形成されているので、表面形成部材1521a等を透明度の高い素材で形成しても、遊技者側から表面形成部材1521a等の後側の部材を認識し辛くすることができ、LED1540が発光していない時等に、表面形成部材1521a等の後側に配置された発光装飾用の各基板1541等やLED1540等が認識できて、表面形成部材1521a等のリアル感が低下して遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
更に、遊技盤設置凹部510の奥行を大きくすることができるので、パネルホルダ600から後側、つまり、裏ユニット1500の奥行を大きくすることができる。これにより、奥行の大きな表面形成部材1521a等としたり、表面形成部材1521a等と発光装飾用の各基板1541等との距離を大きく取ったりすることが可能となり、より所定物に似せたよりリアルな発光装飾体1520を具現化し易くすることができ、遊技者の関心を強く引き付けて、興趣が低下するのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、遊技盤4を大型化することができるので、液晶表示装置640による演出画像の表示領域を広くしても、遊技球の流域が狭くなるのを抑制して、遊技球の動きと演出画像の両方を共に楽しめるようにすることができると共に、遊技盤4の遊技領域605を大きくして、流下する遊技球に様々な動きを付与したり、大型の可動役物や装飾体(可動装飾体)等を配置したりして、遊技者を楽しませてより興趣を高められるパチンコ機1とすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。