JP2008281745A - 自動演奏電子鍵盤楽器 - Google Patents
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Abstract
【課題】小さい駆動部にて大きい駆動力を発揮して鍵盤楽器の小型化に寄与すると共に、演奏性能を向上させる。
【解決手段】アクチュエータ30は、各鍵10に対応して鍵並び方向に沿って配置される。アクチュエータ30の外装31の内側の中心部において、上下方向に沿って超磁歪素子32が収容され、超磁歪素子32の周りにコイル33が巻回されている。超磁歪素子32は、入力磁界に応じて寸法が変化する性質を有し、コイル33に駆動電流が流れると、磁界が生じ、それによって、超磁歪素子32が伸縮する。超磁歪素子32が伸びると、スプリング39の付勢力に抗して磁石34を介して可動体42が押し上がる。すると、可動体42の押し子38によって鍵10の後端部10aが突き上げられて、鍵10が押鍵方向に回動する。
【選択図】図3
【解決手段】アクチュエータ30は、各鍵10に対応して鍵並び方向に沿って配置される。アクチュエータ30の外装31の内側の中心部において、上下方向に沿って超磁歪素子32が収容され、超磁歪素子32の周りにコイル33が巻回されている。超磁歪素子32は、入力磁界に応じて寸法が変化する性質を有し、コイル33に駆動電流が流れると、磁界が生じ、それによって、超磁歪素子32が伸縮する。超磁歪素子32が伸びると、スプリング39の付勢力に抗して磁石34を介して可動体42が押し上がる。すると、可動体42の押し子38によって鍵10の後端部10aが突き上げられて、鍵10が押鍵方向に回動する。
【選択図】図3
Description
本発明は、駆動部の駆動力を利用して鍵が押鍵駆動される自動演奏電子鍵盤楽器に関する。
従来、鍵を、ソレノイド等を利用してなる駆動部の駆動力を利用して押鍵駆動して、自動演奏を実現した自動演奏電子鍵盤楽器が知られている。
例えば、下記特許文献1では、アコースティックピアノに自動演奏用の駆動部を後付けで配設し、駆動部のソレノイドで突出動作するプランジャで鍵後部を突き上げ駆動するように構成される。
また、鍵に慣性を付与するためのハンマ体を各鍵に対応して鍵の下方に設けた自動演奏電子鍵盤楽器も知られている。例えば、下記特許文献2では、駆動ユニットで鍵後部を突き上げ駆動するように構成される。また、下記特許文献3では、駆動ユニットでハンマ体を突き上げ駆動し、該ハンマ体を介して、対応する鍵が揺動するように構成される。
特開平9−237082号公報
特開2004−29549号公報
特開2005−55541号公報
特開2006−222139号公報
しかしながら、鍵や鍵に連動して回動する部材を駆動する駆動部として、ソレノイドコイルを利用したものを採用する場合は、十分な駆動力を確保するために、駆動部のサイズを大きくする必要がある。そのため、実装スペースが大きくなって、鍵盤楽器の大型化につながるという問題があった。例えば、鍵盤楽器の上下方向の寸法を小さくするためには、駆動部のプランジャのストロークを小さくすればよく、そのためには、駆動される鍵等の部材の支点に極力近い位置に駆動部を配置するのが好都合である。しかし、そのような配置にするためには、大きい駆動力が必要であり、駆動部のサイズが大きくなってしまうと、結局、楽器全体の小型化に資することができない。
また、ソレノイドコイルを利用した駆動部は、演奏データに対するプランジャの動作の応答が速くないため、押鍵速度の分解能や連打性の点で十分に満足できず、演奏データに忠実に動作して高い演奏性能を発揮することが困難であるという問題があった。
ところで、上記特許文献4に示されるように、磁歪素子を用いた磁歪アクチュエータが知られているが、この磁歪アクチュエータの応用例は、スピーカや自動車等であり、楽器への応用は未だ検討されていない。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、小さい駆動部にて大きい駆動力を発揮して鍵盤楽器の小型化に寄与すると共に、演奏性能を向上させることができる自動演奏電子鍵盤楽器を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の自動演奏電子鍵盤楽器は、鍵フレーム(14)と、前記鍵フレームに並設され、鍵支点部(PK)を中心に各々押離鍵方向に揺動自在な複数の鍵(10)と、各々可動部(38)を有し、前記各鍵に対応して設けられ、対応する鍵または該鍵に対して固定された部材を前記可動部で駆動することで該鍵を押鍵方向に揺動させる複数の駆動部(30)とを有し、前記駆動部は、磁歪素子(32)を利用してなり、該磁歪素子の伸縮に応じて前記可動部が動作するように構成されていることを特徴とする。
上記目的を達成するために本発明の請求項2の自動演奏電子鍵盤楽器は、鍵フレームと、前記鍵フレームに並設され、鍵支点部を中心に各々押離鍵方向に揺動自在な複数の鍵と、前記各鍵に対応して前記鍵フレームにおいて前記鍵の並び方向に並列配置され、対応する鍵と連動して回動支点部(PH)を中心に前記押離鍵方向に対応する方向に各々回動する複数の回動部材(HM)と、各々可動部を有し、前記各回動部材に対応して設けられ、対応する回動部材を前記可動部で駆動することで該回動部材を介して対応する鍵を押鍵方向に揺動させる複数の駆動部とを有し、前記駆動部は、磁歪素子を利用してなり、該磁歪素子の伸縮に応じて前記可動部が動作するように構成されていることを特徴とする。
好ましくは、前記各駆動部と前記鍵フレームとの、上下方向及び水平方向の相対的位置を決める位置決め手段(40、17、31a、14a、15a、41)を有する(請求項3)。
なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1によれば、小さい駆動部にて大きい駆動力を発揮して鍵盤楽器の小型化に寄与すると共に、演奏性能を向上させることができる。
請求項2によれば、小さい駆動部にて大きい駆動力を発揮して鍵盤楽器の小型化に寄与すると共に、演奏性能を向上させることができる。
請求項3によれば、押鍵ストロークの精度を高く維持すると共に、鍵盤楽器の前後方向及び上下方向の寸法拡大を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る自動演奏電子鍵盤楽器の縦断面図である。同図(a)は非押鍵状態を示し、同図(b)は、押鍵状態を示す。本自動演奏電子鍵盤楽器は、例えば、自動演奏ピアノとして構成される。
図1(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る自動演奏電子鍵盤楽器の縦断面図である。同図(a)は非押鍵状態を示し、同図(b)は、押鍵状態を示す。本自動演奏電子鍵盤楽器は、例えば、自動演奏ピアノとして構成される。
本自動演奏ピアノは、自動演奏データに基づいて自動演奏が可能に構成される。楽器本体の一部である棚板15より下方に不図示の脚部を備えている。本自動演奏ピアノの楽器本体は、全体は図示しないが、棚板15及びそれより上方の部分が該当する。該楽器本体において、複数の鍵10を備える鍵盤部の上方に、不図示のカバーが設けられる。このカバー及び上記脚部は必須ではない。
棚板15上には、鍵盤シャーシ(以下、単に「シャーシ」と称する)14が配設固定される。棚板15に対するシャーシ14の固定は不図示の締結具等で行われるが、その固定手法は問わない。以降、本自動演奏ピアノの奏者側(図1の左方)を「前方」と呼称する。
シャーシ14には、複数の鍵10及び各鍵10に対応するハンマ体HMが個々に支持される。シャーシ14の水平部14aの後部14a1の上部には鍵回動支点PKが設けられる。また、シャーシ14の水平部14aの前部14a2の下部にはハンマ体回動軸PHが設けられる。鍵10は、押下操作され、鍵回動支点PKを中心として各々上下方向に回動(前端部が揺動)自在になっている。鍵10として白鍵10W及び黒鍵10Bがそれぞれ複数存在する。図1(b)では、黒鍵10Bの図示が省略されている。各鍵10の前部下部には、ハンマ体駆動部11が設けられる。
各鍵10の下方には、各鍵10に対応してハンマ体HMが配置される。各ハンマ体HMは、対応するハンマ体回動軸PHを中心に上下方向に回動(後端部が揺動)自在になっている。また、ハンマ体HMの前部に設けられた蟹のハサミ状の係合部21が、鍵10のハンマ体駆動部11と常に係合状態にあり、ハンマ体HMが鍵10に連動して回動するようになっている。
奏者による押鍵操作に応じて、鍵10のハンマ体駆動部11により係合部21が駆動され、ハンマ体HMがハンマ体回動軸PHを中心に同図反時計方向(押鍵方向に対応する方向)に回動することで、適切な慣性が付与され、良好な押鍵感触が得られる。各鍵10の構成、及び各ハンマ体HMの構成は、それぞれ同様である。なお、押鍵感触のキースケーリングを実現するために、白鍵用と黒鍵用とで、あるいは音高に応じてハンマ体HMの長さや重さ等を異ならせてもよい。
ハンマ体HMの自由端部である後部には、質量部22が設けられている。ハンマ体HMは、主に質量部22の自重によって、同図時計方向(離鍵方向に対応する方向)に常に付勢されている。鍵10の押鍵状態からの復帰力は、質量部22の重さによるハンマ体HMの復帰力によるものである。復帰時にも、ハンマ体HMは、対応する鍵10と連動して回動する。なお、ハンマ体HMを非押鍵位置に戻すための復帰力を発生させる補助手段として、復帰バネを設けてもよい。
シャーシ14の水平部14a、棚板15にはそれぞれ、フェルト等の上側ストッパ12及び下側ストッパ13が設けられている。上側ストッパ12は押鍵時にハンマ体HMの質量部22と当接して鍵10の押鍵終了位置を規制する(図1(b)参照)。下側ストッパ13は非押鍵時に質量部22と当接して鍵10の非押鍵状態への復帰位置を規制する(図1(a)参照)。
また、図示は省略するが、本自動演奏ピアノには、ハンマ体HMの前部によって押圧される鍵スイッチが設けられる。鍵スイッチは、キーベロシティを含む鍵動作を検出し、その検出結果に基づいて、楽音制御がなされる。
本自動演奏ピアノにはまた、自動演奏用の鍵駆動手段として、アクチュエータ30が複数配設される。アクチュエータ30は、各鍵10に対応して鍵並び方向に沿って一直線上に配置される。すべてのアクチュエータ30は、配置位置を除きいずれも同様に構成される。アクチュエータ30は、取り付け具50によって、シャーシ14の水平部14aの後部14a1の下部に配設され、鍵回動支点PKのすぐ後方であって、対応する鍵10の後端部10aの下方に配置される。アクチュエータ30の下方において、棚板15上に、アクチュエータ30の動作を制御するための基板16が配設される。
図2(a)は、アクチュエータ30の取り付け部分の分解斜視図である。図2(b)は、アクチュエータ30の取り付け状態を示す斜視図である。
取り付け具50は、全アクチュエータ30に共通に1つ設けられ、全鍵幅の長さを有する。図2(a)に示すように、取り付け具50の上部からは、前方及び後方にフランジ部50a、50aが延設され、フランジ部50a、50a間は、底部53を有して上方に開口した凹部となっている。各フランジ部50aには、鍵並び方向における適所数カ所において、締結用穴51が形成されている。底部53には、嵌合穴52が各アクチュエータ30に対応して設けられている。
一方、シャーシ14の水平部14aの後部14a1にも、締結用穴51に対応してネジ穴18が形成されている。後部14a1にはまた、アクチュエータ30の位置決め用の基準穴17が各アクチュエータ30に対応して設けられている。なお、取り付け具50は、各アクチュエータ30毎に構成してもよいし、複数のアクチュエータ30毎に構成してもよい。
図3は、1つのアクチュエータ30の縦断面図である。アクチュエータ30は、下記URL等に開示されているような公知の超磁歪素子32を用いてなる。
〈http://www.tdk.co.jp/techmag/illustrated/200310/index.htm〉
〈http://www.tdk.co.jp/tjbcg01/bcg00037.pdf〉
図3に示すように、アクチュエータ30は、円柱状の本体の上下が上部31a及び下部31bで閉塞された外装31を有して、外観が乾電池型に構成される。外装31の内側の中心部において、上下方向に沿って超磁歪素子32が収容され、超磁歪素子32の周りにコイル33が巻回されている。超磁歪素子32の上下には、必須ではないが、磁石34、35が配設される。磁石35及びコイル33の下側には、板部材36が配設される。
〈http://www.tdk.co.jp/techmag/illustrated/200310/index.htm〉
〈http://www.tdk.co.jp/tjbcg01/bcg00037.pdf〉
図3に示すように、アクチュエータ30は、円柱状の本体の上下が上部31a及び下部31bで閉塞された外装31を有して、外観が乾電池型に構成される。外装31の内側の中心部において、上下方向に沿って超磁歪素子32が収容され、超磁歪素子32の周りにコイル33が巻回されている。超磁歪素子32の上下には、必須ではないが、磁石34、35が配設される。磁石35及びコイル33の下側には、板部材36が配設される。
磁石34及びコイル33の上側には、縦断面逆T字状の可動体42が配設される。可動体42は、板状部37と板状部37の中心から上方に突設された押し子38とから一体に構成される。可動体42は、上下方向に移動自在に配設される。外装31の上部31aと可動体42の板状部37との間には、スプリング39が配設され、板状部37が、常に下方に付勢されている。外装31の上部31a、下部31bの外側には、それぞれ、外郭が円形で位置決め用の上側係合部40、下側係合部41が、外装31と一体または固定的に設けられる。押し子38は、上側係合部40の中心部を摺動自在に貫通して、対応する鍵10の後端部10aに常に当接している(図1(a)、(b)参照)。
超磁歪素子32は、公知のように、外部から入力される入力磁界に応じて寸法が変化する性質を有する。コイル33に駆動電流が流れると、磁界が生じ、それによって、超磁歪素子32が伸縮する。アクチュエータ30においては、自動演奏データ中のキーオンイベントに基づく駆動電流によって超磁歪素子32が伸びるように構成されている。超磁歪素子32が伸びると、スプリング39の付勢力に抗して磁石34を介して可動体42が押し上がる。すると、可動体42の押し子38によって鍵10の後端部10aが突き上げられて、鍵10が押鍵方向に回動し、それに連動してハンマ体HMも回動する。
自動演奏データ中のキーオフイベントに基づいて駆動電流が解除されると、スプリング39の付勢力によって可動体42が下方に移動するので、ハンマ体HMの自重によって、ハンマ体HM自身及び鍵10が離鍵方向に回動して初期位置に復帰する。
アクチュエータ30は、次のようにして取り付けられる。図2(a)、(b)に示すように、シャーシ14の後部14a1の各基準穴17に、対応するアクチュエータ30の上側係合部40を嵌合すると共に、外装31の上部31aを後部14a1の下面に当接させる。さらに、下方から取り付け具50を被せ、取り付け具50の底部53の各嵌合穴52に、対応するアクチュエータ30の下側係合部41を嵌合する。その状態で、下方から、取り付け具50のフランジ部50aの締結用穴51を介してネジ54(図1(a)、(b)参照)をシャーシ14のネジ穴18に螺合する。
これにより、全アクチュエータ30が、取り付け具50を介してシャーシ14の後部14a1の下部に一斉に固定される。各アクチュエータ30の押し子38は、後部14a1から突出して、対応する鍵10の後端部10aに当接する。シャーシ14の後部14a1と外装31の上部31aとの当接により、各アクチュエータ30の上下方向の位置が規定される。また、基準穴17と上側係合部40との嵌合によって、各アクチュエータ30の水平方向の位置が規定される。
本実施の形態によれば、アクチュエータ30が超磁歪素子32を利用してなるので、電磁弁を利用したアクチュエータに比し、小さいサイズにて大きい駆動力を発揮することができる。従って、実装スペースが少なくて済み、鍵盤楽器の小型化に寄与することができる。また、演奏データに対する動作の応答が速いため、押鍵速度の分解能や連打性の点で有利であり、演奏データに対して忠実に動作でき、演奏性能を向上させることができる。しかも、消費電力も少なくて済む。
また、アクチュエータ30が、鍵10の下方に配置されたので、ピアノ全体の前後方向の長さが長くなることがない。また、アクチュエータ30は、前後方向において鍵回動支点PKに近接して配置されたので、押し子38のストロークを小さく設定でき、ピアノ全体の上下方向の寸法拡大を抑制することができる。
ところで、アクチュエータ30が、鍵回動支点PKに近接して配置されたことで、押し子38のストロークに対する鍵10の変位量が相対的に大きくなるので、鍵10の押鍵ストロークの精度を高くするためには、押し子38の高い位置精度が必要となる。ところが、シャーシ14の後部14a1と外装31の上部31aとの当接によって各アクチュエータ30の上下方向の位置が規定され、基準穴17と上側係合部40との嵌合によって各アクチュエータ30の水平方向の位置が規定されるので、これらが各アクチュエータ30の位置決め手段の機能を果たす。これにより、部品点数をいたずらに増やすことなく、各アクチュエータ30の配置誤差を最小限に抑えることができる。その結果、鍵10の押鍵ストロークの精度を高く維持することができる。
また、アクチュエータ30が棚板15ではなくシャーシ14に固定されたので、製造段階で行う鍵盤部及びアクチュエータ30の製品試験乃至作動確認を、これらが楽器本体に取り付けられる前の状態で行うことが可能となる。
なお、本実施の形態では、アクチュエータ30で鍵10を直接駆動する構成を採用したが、これに限られない。例えば、鍵10に対して固定された部材であって、鍵10と一体に動作する部材(例えば、鍵10の後部に固定されて後方に延設された別部材等)をアクチュエータ30で駆動することで、押鍵動作を行うように構成してもよい。また、磁歪素子を利用することで鍵盤楽器を小型化すると共に演奏性能を向上させるという観点に限れば、ハンマ体HMを廃止してもよい。
(第2の実施の形態)
図4(a)、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る自動演奏電子鍵盤楽器の縦断面図である。同図(a)は非押鍵状態を示し、同図(b)は、押鍵状態を示す。図4(a)、(b)に示すように、ハンマ体HMが鍵10と連動して回動するように構成されている点では第1の実施の形態と同様である。第1の実施の形態では、アクチュエータ30で鍵10を直接駆動する構成であったが、本第2の実施の形態では、ハンマ体HMを介して鍵10を駆動する構成を採用する。
図4(a)、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る自動演奏電子鍵盤楽器の縦断面図である。同図(a)は非押鍵状態を示し、同図(b)は、押鍵状態を示す。図4(a)、(b)に示すように、ハンマ体HMが鍵10と連動して回動するように構成されている点では第1の実施の形態と同様である。第1の実施の形態では、アクチュエータ30で鍵10を直接駆動する構成であったが、本第2の実施の形態では、ハンマ体HMを介して鍵10を駆動する構成を採用する。
アクチュエータ30は、ハンマ体HMの下方で且つハンマ体回動軸PHのすぐ後方であって、棚板15上に、取り付け具50を介して配設される。基板16は、アクチュエータ30の後方においてアクチュエータ30に近接して配設される。アクチュエータ30自体の構成は第1の実施の形態と同様で図3に示した通りである。
また、棚板15には、各アクチュエータ30の下側係合部41(図3参照)が嵌合する位置決め用の基準穴15aがアクチュエータ30に対応して形成されている。各アクチュエータ30の下側係合部41が、対応する基準穴15aに嵌合していることで、各アクチュエータ30の水平方向の位置が規定される。また、各アクチュエータ30の外装31の下部31bが、棚板15の上面に当接していることで、各アクチュエータ30の上下方向の位置が規定される。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
ところで、本実施の形態では、棚板15に対するシャーシ14の上下及び水平方向の位置決めは、不図示のピンと穴の組合せ等による係合関係によって確保されているものとする。あるいは、棚板15の少なくとも基準穴15a及びその近傍に相当する部分をシャーシ14と一体に形成し、アクチュエータ30をシャーシ14に対して固定するようにしてもよい。
アクチュエータ30のコイル33に駆動電流が流れると、可動体42の押し子38によってハンマ体回動軸PHが突き上げられて押鍵方向に回動し、それに連動して鍵10も回動する。
本実施の形態によれば、アクチュエータ30の製品試験乃至作動確認を、楽器本体に取り付けられる前の状態で行うという効果を除き、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、第2の実施の形態では、アクチュエータ30が、慣性付与を目的としたハンマ体HMを駆動する構成であったが、これに限られず、アクチュエータ30で駆動される部材は、鍵10と連動して回動する部材であればよい。従って、鍵10とは異なる回動支点を中心に鍵10と連動して回動する部材であればよく、鍵10とハンマ体HMとの間に介在して回動する部材であってもよい。
なお、上記第1、第2の実施の形態において、押し子38のストロークを小さく設定してピアノ全体の上下方向の寸法拡大を抑制する観点からは、アクチュエータ30の前後方向の位置は、駆動される部材(鍵10、ハンマ体HM)の回動支点(鍵回動支点PK、ハンマ体回動軸PH)に極力近いのが望ましく、回動支点から自由端部までの距離の1/10以内とするのが望ましい。
なお、ハンマ体HMを有する鍵盤楽器においては、鍵10とハンマ体HMとの係合位置(ハンマ体駆動部11と係合部21との係合位置)、及び、押鍵に対するハンマ体HMの自由端部の移動方向は、上記第1、第2の実施の形態において例示したものに限定されない。
図5(a)は、上記第1、第2の実施の形態における鍵10、ハンマ体HM及びアクチュエータ30の配置関係を模式的に示した図である。図5(b)〜(d)は、該配置関係の変形例の模式図である。
例えば、図5(b)に示すように、ハンマ体回動軸PHを、鍵10とハンマ体HMとの係合位置よりも前側に設け、鍵10の後部がハンマ体HMと係合し、押鍵に伴い、ハンマ体HMの自由端部である前端部が上方に移動するような構成を採用してもよい。
あるいは、図5(c)に示すように、ハンマ体回動軸PHを、鍵10とハンマ体HMとの係合位置よりも前側に設け、鍵10の前部がハンマ体HMと係合し、押鍵に伴い、ハンマ体HMの自由端部である後端部が下方に移動するような構成を採用してもよい。あるいは、図5(d)に示すように、ハンマ体回動軸PHを、鍵10とハンマ体HMとの係合位置よりも後側に設け、鍵10の後部がハンマ体HMと係合し、押鍵に伴い、ハンマ体HMの自由端部である前端部が下方に移動するような構成を採用してもよい。なお、図5(c)、(d)に示す例では、ハンマ体HMが自重で非押鍵状態に復帰するように構成することが困難であるため、復帰用のバネ48を設けるのが望ましい。
10 鍵、 14 鍵盤シャーシ(鍵フレーム)、 14a 水平部(位置決め手段)、 15a 基準穴(位置決め手段)、 17 基準穴(位置決め手段)、 30 アクチュエータ(駆動部)、 31 外装、 31a 上部(位置決め手段)、 32 超磁歪素子、 38 押し子(可動部)、 40 上側係合部(位置決め手段)、 41 下側係合部(位置決め手段)、 42 可動体、 HM ハンマ体(回動部材)、 PK 鍵回動支点(鍵支点部)、 PH ハンマ体回動軸(回動支点部)
Claims (3)
- 鍵フレームと、
前記鍵フレームに並設され、鍵支点部を中心に各々押離鍵方向に揺動自在な複数の鍵と、
各々可動部を有し、前記各鍵に対応して設けられ、対応する鍵または該鍵に対して固定された部材を前記可動部で駆動することで該鍵を押鍵方向に揺動させる複数の駆動部とを有し、
前記駆動部は、磁歪素子を利用してなり、該磁歪素子の伸縮に応じて前記可動部が動作するように構成されていることを特徴とする自動演奏電子鍵盤楽器。 - 鍵フレームと、
前記鍵フレームに並設され、鍵支点部を中心に各々押離鍵方向に揺動自在な複数の鍵と、
前記各鍵に対応して前記鍵フレームにおいて前記鍵の並び方向に並列配置され、対応する鍵と連動して回動支点部を中心に前記押離鍵方向に対応する方向に各々回動する複数の回動部材と、
各々可動部を有し、前記各回動部材に対応して設けられ、対応する回動部材を前記可動部で駆動することで該回動部材を介して対応する鍵を押鍵方向に揺動させる複数の駆動部とを有し、
前記駆動部は、磁歪素子を利用してなり、該磁歪素子の伸縮に応じて前記可動部が動作するように構成されていることを特徴とする自動演奏電子鍵盤楽器。 - 前記各駆動部と前記鍵フレームとの、上下方向及び水平方向の相対的位置を決める位置決め手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の自動演奏電子鍵盤楽器。
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JP (1) | JP2008281745A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112992111A (zh) * | 2021-03-03 | 2021-06-18 | 吉林大学 | 一种磁致伸缩杠杆调音式自感知超弹记忆合金丝单弦弹拉琴 |
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2007
- 2007-05-10 JP JP2007125422A patent/JP2008281745A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112992111A (zh) * | 2021-03-03 | 2021-06-18 | 吉林大学 | 一种磁致伸缩杠杆调音式自感知超弹记忆合金丝单弦弹拉琴 |
CN112992111B (zh) * | 2021-03-03 | 2022-06-10 | 吉林大学 | 一种磁致伸缩杠杆调音式自感知超弹记忆合金丝单弦弹拉琴 |
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