JP2008280737A - 電動シャッタ制御装置、及びそれを備えた建物 - Google Patents
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Abstract
【課題】建物内への雨の降り込みを抑制する電動シャッタ制御装置を提供する。
【解決手段】シャッタ装置12は、建物10の屋外側に設けられており、そのシャッタカーテン14によって窓部11が閉鎖されるようになっている。シャッタカーテン14は、多数のスラット20を上下に連結して構成されており、各スラット20は各々角度調整可能となっている。ホームサーバ16には、風情報検出装置17、雨量センサ18、気温センサ39、施解錠センサ19が接続されており、ホームサーバ16はこれらの検出信号から降雨量、降雨時の気象条件(風向、風速)を逐次算出する。シャッタコントローラ15は、ホームサーバ16から降雨量、降雨時の気象条件を取得し、これらの情報に基づいて雨の建物10内への降り込みを抑制すべくスラット20の角度を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】シャッタ装置12は、建物10の屋外側に設けられており、そのシャッタカーテン14によって窓部11が閉鎖されるようになっている。シャッタカーテン14は、多数のスラット20を上下に連結して構成されており、各スラット20は各々角度調整可能となっている。ホームサーバ16には、風情報検出装置17、雨量センサ18、気温センサ39、施解錠センサ19が接続されており、ホームサーバ16はこれらの検出信号から降雨量、降雨時の気象条件(風向、風速)を逐次算出する。シャッタコントローラ15は、ホームサーバ16から降雨量、降雨時の気象条件を取得し、これらの情報に基づいて雨の建物10内への降り込みを抑制すべくスラット20の角度を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電動シャッタ制御装置、及びそれを備えた建物に関する。
窓部に開閉式の窓サッシを備えた建物において、窓サッシよりも屋外側に電動シャッタ装置を設置し、その電動シャッタ装置のシャッタカーテンを開閉制御する技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の電動シャッタ制御装置では、太陽光の強弱に基づいてシャッタカーテンを開閉することにより、夜間におけるシャッタカーテンの閉め忘れを防止している。
実開平2−53493号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電動シャッタ制御装置では、昼間においてシャッタカーテンが開状態になる。この状態で、建物内の温度調整や換気のために窓サッシを開放していると、降雨によって建物内に雨が降り込むおそれがある。
本発明は、建物内への雨の降り込みを抑制する電動シャッタ制御装置、及びそれを備えた建物を提供することを主たる目的とするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
第1の発明では、建物の開口部を閉鎖するシャッタカーテンを有する電動シャッタ装置について、シャッタカーテンの開度を制御する。そのために、屋外の降雨情報を取得する降雨情報取得手段と、降雨情報取得手段により取得された降雨情報に基づいて、建物の開口部から建物内への雨の降り込みを抑制すべくシャッタカーテンの開度を制御する制御手段とを備える。ここで降雨情報には、降雨の有無以外にも降雨量の程度も含まれる。
第1の発明によると、降雨情報に基づいてシャッタカーテンの開度を制御することにより、次のとおり雨の降り込みを抑制することができる。すなわち、一般に降雨量が大きいほど、雨が建物内に降り込む蓋然性は高くなる。これに対し、第1の発明では、例えば降雨情報として降雨量を用いることにより、降雨量が大きいほどシャッタカーテンを閉側に制御することができる。これにより、雨の建物内への降り込みを抑制することができる。
第2の発明では、制御手段は、上記降雨情報から判断される降雨量が多いほどシャッタカーテンを閉側に制御する。上述したように降雨量が多いほど雨が建物内に降り込む蓋然性は高くなるため、降雨量が多いほどシャッタカーテンを閉側に制御することにより、雨の建物内への降り込みを抑制することができる。
第3の発明は、屋外の風速情報を取得する風速情報取得手段を更に備える。そして、制御手段は、風速情報取得手段により取得された風速情報に基づいて、建物の開口部から建物内への雨の降り込みを抑制すべくシャッタカーテンの開度を制御する。
一般に降雨時の風速が大きいほど、雨が風に流されて建物に吹き付ける結果となる。これにより、雨が建物内に降り込む蓋然性が高くなる。これに対して、第3の発明では、風速情報を利用してシャッタカーテンの開度を制御する。これにより、例えば第4の発明のように風速情報から判断される風速が大きいほどシャッタカーテンを閉側に制御することで、雨の建物内への降り込みを抑制することができる。
ここで、暴風時には、建物の開口部に配置された窓サッシ等が風によって飛散する飛散物により傷つくおそれがある。そこで、第5の発明では、制御手段は、上記風速情報から判断される風速が予め定めた値を超えた場合にシャッタカーテンを閉鎖するよう制御する。これにより、飛散物から窓サッシ等を保護し、飛散物により窓サッシ等が傷つくことを防止することができる。
第6の発明は、屋外の風向情報を取得する風向情報取得手段を更に備える。そして、制御手段は、風向情報取得手段により取得された風向情報に基づいて、風向がシャッタカーテンへ向いた成分を有する場合にシャッタカーテンの開度を閉側に制御する。
一般にシャッタカーテンに風が吹き付けていると、そのシャッタカーテンには雨が吹き付けられる。その結果、雨がシャッタカーテンを通って建物内に降り込む蓋然性が高くなる。これに対して、第6の発明では、風向がシャッタカーテンへ向いた成分を有する場合にシャッタカーテンの開度を閉側に制御することにより、雨の建物内への降り込みを抑制することができる。
第7の発明は、シャッタカーテンによる開閉対象である開口部に配置される窓サッシの開閉情報を取得する開閉情報取得手段を更に備える。そして、制御手段は、開閉情報取得手段により取得された開閉情報に基づいて、窓サッシが開状態である場合に上述した開度制御を実行する。これにより、窓サッシが開状態であるため雨が建物内に降り込むおそれがある場合には、上述した開度制御により雨の建物内への降り込みを抑制することができる。なお、窓サッシが閉状態であるため雨が建物内に降り込むおそれがない場合には、例えば屋内環境を良好に保つべくシャッタカーテンの開度を制御することができる。
第8の発明では、降雨情報取得手段は、シャッタカーテンよりも屋内側に配置されて雨を検知する雨検知手段から降雨情報を取得し、制御手段は、その降雨情報により降雨があると判断された場合にシャッタカーテンを閉側に制御する。第8の発明によると、実際にシャッタカーテンよりも屋内側に降り込んだ雨が検知されると、シャッタカーテンの開度が閉側に制御される。これにより、雨の建物内への降り込みを確実に抑制することができる。
なお、雨検知手段はシャッタカーテンの最下部近傍に配置することが望ましい。また、建物の開口部に窓サッシが配置されている場合には、雨検知手段は窓サッシよりも屋外側に配置されることが望ましい。雨が建物に吹き付ける蓋然性は建物の下方ほど高い。したがって、シャッタカーテンの最下部近傍に雨検出手段を配置することにより、シャッタカーテンよりも屋内側に降り込んだ雨を確実に検知することができる。また、窓サッシよりも屋内側に雨検知手段を配置することにより、実際に雨が建物内に降り込む前にシャッタカーテンの開度を閉側に制御することで未然に雨の降り込みを抑制することができる。
第9の発明は、建物の開口部近傍の屋外側に人がいるか否かを検知する人検知手段、及び人検知手段により検知された人が予め定めた特定人であるか否かを検知する特定人検知手段を更に備える。そして、制御手段は、人検知手段により人が検知されかつ特定人検知手段による検知結果が特定人でない場合には、シャッタカーテンを閉鎖するよう制御する。こうして特定人でない人(不審者)が建物の開口部近傍にいる場合にシャッタカーテンを閉鎖することにより、不審者の建物内への侵入を防ぐことができる。
第10の発明は、複数のスラットが上下方向に連結されかつ各スラットの角度調整が可能とされたシャッタカーテンを有する電動シャッタ装置を制御対象とする。そして、制御手段は、シャッタカーテンの開度制御としてスラットの角度制御を行う。
以下、本発明を具体化した複数の実施形態を図面に基づいて説明する。各実施形態において同一の符号が付された構成要素は、その符号が付された他の実施形態の構成要素と対応する。
(第1実施形態)
第1実施形態では、建物の窓部の屋外側に電動式のシャッタ装置を設け、このシャッタ装置を制御することで雨の建物内への降り込みを抑制するようになっている。図1は、シャッタ装置を設けた建物の概略構成を示す図である。
第1実施形態では、建物の窓部の屋外側に電動式のシャッタ装置を設け、このシャッタ装置を制御することで雨の建物内への降り込みを抑制するようになっている。図1は、シャッタ装置を設けた建物の概略構成を示す図である。
図1において、建物10には窓部11が複数設けられており、各窓部11の屋外側にはシャッタ装置12がそれぞれ設けられている。窓部11には、引き違い式の窓サッシが配置されており、窓サッシにはガラス板が設けられている。一方、シャッタ装置12は、窓部11の上方に取り付けられた横長箱状のシャッタケース13、このシャッタケース13内に巻かれた状態で収納されるスラット式のシャッタカーテン14などで構成されている。シャッタカーテン14がシャッタケース13から引き出される(降下する)ことにより窓部11が閉鎖され、シャッタカーテン14がシャッタケース13内に巻き取られる(上昇する)ことにより窓部11が開放されるようになっている。
シャッタ装置12にはシャッタコントローラ15が接続されている。このシャッタコントローラ15は、建物10内に設置されたホームサーバ16に接続されている。また、ホームサーバ16には、シャッタコントローラ15の他に、風情報検出装置17、雨量センサ18、気温センサ39、施解錠センサ19などが接続されている。
風情報検出装置17、雨量センサ18及び気温センサ39は、例えば屋根37に設置されている。風情報検出装置17には、風速センサ及び風向センサが内蔵されており、それらのセンサから風速及び風向を示す検出信号を出力する。雨量センサ18は降雨量を示す検出信号を出力し、気温センサ39は屋外気温を示す検出信号を出力する。施解錠センサ19は、例えば窓部11の窓サッシに設けられたクレセント錠に内蔵されており、同クレセント錠の施解錠を示す検出信号を無線により出力する。
ホームサーバ16は、上述した各種センサの検出信号に基づいて、風速、風向、降雨量、屋外気温を算出したり、クレセント錠の施解錠を判定したりすると共に、これらの情報を建物10に関する各種装置(シャッタコントローラ15など)に対して提供する。
次に、図2に基づいて、シャッタ装置12の構成を詳細に説明する。なお、図2では、説明の便宜上、シャッタ装置12の左右両端に設けられるガイドレールやシャッタケース13の図示を省略している。
シャッタカーテン14は、多数のスラット20を上下(スラット20の短手方向)に連結して構成されている。上下に隣り合うスラット20の一部は、互いに係合されている。これにより、多数のスラット20は一体となっている。スラット20間を係合する構成は周知であるため、ここでは図示による説明を省略する。
各スラット20のうち最上部のスラットには巻取ドラム21が連結されており、巻取ドラム21にはドラム駆動部22が連結されている。ドラム駆動部22は電動モータなどから構成されており、巻取ドラム21がドラム駆動部22によって正逆いずれかの方向に回転駆動されることにより、シャッタカーテン14(多数の連結されたスラット20)が巻き取り又は引き出される。
シャッタカーテン14の側方には、各スラット20の角度(以下「スラット角度」という)を調整するための開閉ガイド機23が設けられている。開閉ガイド機23は、各スラット20の一部にそれぞれ係合可能な係合リンク部24を有しており、係合リンク部24によってスラット角度が調整可能となっている。ここで、スラット角度の調整がなされていない場合、すなわち各スラット20が鉛直方向に立っている場合には、係合リンク部24は各スラット20に係合せず、スラット角度の調整がなされている場合には、係合リンク部24が各スラット20に係合してそれらの傾斜角度を変更する構成となっている。そして、電動モータ等からなるスラット駆動部25によって開閉ガイド機23が駆動されることにより、各スラット20が一斉に任意角度に調整されるようになっている。ドラム駆動部22及びスラット駆動部25は、上記シャッタコントローラ15に接続されている。
図3は、スラット角度について説明するための図である。図3では、各スラット20が鉛直方向に立った状態を基準にして、同スラット20を図の時計回り方向に回動させた場合のスラット角度をθsとしている。また、図3において、スラット20の左側を屋外側とし、スラット20の右側を屋内側としている。また、(a)はスラット角度θsを0°に調整した状態(全閉状態)を示し、(b)はスラット角度θsを45°に調整した状態(半開状態)を示し、(c)はスラット角度θsを−45°に調整した状態を示し、(d)はスラット角度θsを90°に調整した状態(全開状態)を示している。
次に、図4に基づいて、シャッタ装置12に関する制御システムの概要を説明する。
ホームサーバ16は、風情報検出装置17の風向センサ30及び風速センサ31や雨量センサ18や気温センサ39や施解錠センサ19の検出信号に基づいて、それぞれ風向、風速、降雨量、屋外気温、クレセント錠の施解錠を逐次算出する。
シャッタコントローラ15は、制御部32、記憶部33、操作部34などで構成されている。操作部34は、操作子(ボタンやスイッチなど)を有しており、マニュアルモード及びオートモードの切替操作を受け付けたり、マニュアルモードにおいてシャッタカーテン14の昇降やスラット角度の調整に関するマニュアル操作を受け付けたりする。記憶部33には、シャッタ装置12の制御に用いられる情報(各種パラメータ、各種マップなど)が記憶されている。ここで、マニュアルモードとは、建物10の関係者(居住者、使用者など)の指示に応じてシャッタ装置12を制御するモードであり、オートモードとは、気象条件などに基づいてシャッタ装置12を制御するモードである。
制御部32は、シャッタ装置12の制御に要する情報(風速、風向、降雨量、屋外気温、クレセント錠の施解錠など)をホームサーバ16に対して問い合わせる。そして、制御部32は、記憶部33に記憶されている情報やホームサーバ16から得た情報に基づいて、シャッタ装置12を制御する。詳しくは、制御部32には、シャッタ装置12のドラム駆動部22及びスラット駆動部25が接続されており、制御部32はこれらの駆動部に駆動制御信号を出力する。これにより、シャッタカーテン14の昇降量やスラット角度が調整される。上記風速、風向、降雨量、屋外気温がそれぞれ「風速情報」、「風向情報」、「降雨情報」、「気温情報」に相当する。
ところで、降雨の態様は降雨時の気象条件によって異なる。したがって、降雨時の気象条件に応じてシャッタ装置12を制御することにより、雨の建物10内への降り込みを効果的に抑制することができる。以下、各気象条件(降雨量/風向/風速)の違いに対する降雨態様の変化を説明した後に、各気象条件におけるスラット角度の制御について説明する。これらの説明では、シャッタ装置12のシャッタカーテン14は完全に降下しており、建物10の窓部11の窓サッシは開状態であるものとする。
雨の建物10内への降り込みやすさ(雨が建物10内に降り込む蓋然性)は、その時の降雨量が多いほど高くなる。図5及び図6は、風向の違いに対する降雨態様の変化を示す図である。図5において(a)は西風が吹いている時の降雨態様を示し、(b)は北風が吹いている時の降雨態様を示している。また、図5では、東西の側壁に窓部11が設けられていることを想定している。また図6では、シャッタ装置12の受風角度を次のとおり規定している。すなわち、完全に降下させたシャッタカーテン14のシャッタ面に対して垂直な方向であって屋外側に向かう方向をシャッタ装置12の取付方位とし、その取付方位と風向とがなす角度を受風角度θwと規定している。
図5(a)によると、西風が吹いている場合には、雨は西から東に流される。その結果、窓部11の窓サッシが開状態の場合には、西側のシャッタ装置12のシャッタカーテン14を通って雨が建物10内に降り込む蓋然性が高く、東側のシャッタ装置12のシャッタカーテン14を通って雨が建物10内に降り込む蓋然性は低くなる。一方、図5(b)によると、北風が吹いている場合には、雨は北から南に流される。その結果、窓部11の窓サッシが開状態であったとしても、西側のシャッタ装置12のシャッタカーテン14を通って雨が建物10内に降り込む蓋然性、及び東側のシャッタ装置12のシャッタカーテン14を通って雨が建物10内に降り込む蓋然性はいずれも低くなる。このように、シャッタ装置12の受風角度によって、同シャッタ装置12のシャッタカーテン14を通って雨が建物10内に降り込む蓋然性が異なる。
詳しくは、図6によると、風向がシャッタカーテン14へ向かう成分を有する場合、具体的には上記受風角度θwが90°よりも大きい場合には、雨が建物10内に降り込む蓋然性は高い(図6(a)参照)。一方、風向がシャッタカーテン14へ向かう成分を有していない場合、具体的には上記受風角度θwが90°以下の場合には、雨が建物10内に降り込む蓋然性は低い(図6(b)参照)。
図7は、風速の違いに対する降雨態様の変化を示す図である。図7において(a)は無風時の降雨態様を示し、(b)は弱風時の降雨態様を示し、(c)は強風時の降雨態様を示している。なお、図7の(a)〜(c)では、雨の降下軌跡を破線で示しており、風速以外の気象条件が等しいことを想定している。図7によると、風速が大きいほど雨の降下角度(雨の降下軌跡が水平面に対してなす角度)が0°に近づくことが分かる。また、台風などの強風時には雨が舞い上がることもある。その結果、シャッタ装置12の上述した受風角度θwが90°よりも大きい場合(同シャッタ装置12のシャッタカーテン14に対して風が吹き付けている場合)には、風速が大きくなるほど雨が建物10内に降り込む蓋然性は高くなる。
そこで、本実施形態では、窓部11の窓サッシが開状態である場合において次のとおりシャッタ装置12を制御するようにしている。第1に、降雨量が多いほどスラット20を閉側に制御する。第2に、上記受風角度θwが90°〜180°の場合には、風速が大きいほどスラット20を閉側に制御し、上記受風角度θwが90°以下の場合には、風速によらずスラット20を制御する。詳しくは、スラット角度のベース値を90°とし、このベース値に上記気象条件に応じた補正係数を掛け合わせることにより、スラット角度の目標値(以下「目標スラット角度」という)を算出する。そして、実際のスラット角度を目標スラット角度に制御する。
次に、図8に基づいて、目標スラット角度算出処理を説明する。この処理は、図8に示す目標スラット角度設定プログラムがシャッタコントローラ15により所定のタイミングで逐次実行されることにより実施される。なお、上述したようにスラット角度は−90°〜+90°の範囲内で角度の調整が可能となっている。しかしながら、スラット角度を負の角度にすると雨が降り込みやすくなるため(図3(c)参照)、図8に示す目標スラット角度算出処理では、目標スラット角度を0°〜90°の範囲内の角度に設定するようにしている。
図8において、まずステップS10では、シャッタコントローラ15は窓部11の窓サッシが開状態か否かを判定する。詳しくは、シャッタコントローラ15は、窓サッシのクレセント錠の施解錠をホームサーバ16に問い合わせる。そして、クレセント錠が解錠状態である場合には、窓部11の窓サッシが開状態である旨を判定し、クレセント錠の施錠状態である場合には、シャッタコントローラ15は窓部11の窓サッシが閉状態である旨を判定する。
そして、シャッタコントローラ15は、ステップS10で窓部11の窓サッシが開状態である旨を判定した場合には、ステップS11〜S16の処理を実行することによりスラット角度のベース値に対する補正係数を設定する。
すなわち、ステップS11では、シャッタコントローラ15は降雨量補正係数Rfを設定する。詳しくは、ホームサーバ16から降雨量を取得し、その降雨量に基づいて降雨量補正係数Rfを設定する。具体的には、降雨量Fと降雨量補正係数Rfとを関連付けるテーブルを用いて、ホームサーバ16から取得した降雨量に対応する降雨量補正係数Rfを設定する。より具体的には、例えば図9(a)に示すテーブルを用いて、降雨量Fが0mm/hである場合にはRfを1とし、降雨量Fが0mm/hより多く10mm/h以下である場合にはRfを2/3とし、降雨量Fが10mm/hよりも多い場合にはRfを1/3とする。なお、このテーブルは、シャッタコントローラ15の記憶部33に記憶しておけばよい。
次に、ステップS12では、シャッタコントローラ15はシャッタ装置12の受風角度θwを算出する。詳しくは、ホームサーバ16から風向を取得する。そして、取得した風向とシャッタ装置12の取付方位とに基づいて、同シャッタ装置12の受風角度θwを算出する。シャッタ装置12の取付方位はシャッタコントローラ15の記憶部33やホームサーバ16に記憶しておけばよい。
次に、ステップS13では、シャッタコントローラ15は、シャッタ装置12の受風角度θwが90°よりも大きいか否かを判定する。
そして、受風角度θwが90°よりも大きい旨を判定した場合には、シャッタコントローラ15は、ホームサーバ16から風速を取得し、その風速に基づいて風速補正係数Rwを設定する(ステップS14参照)。具体的には、風速Wと風速補正係数Rwとを関連付けるテーブルを用いて、ホームサーバ16から取得した風速に対応する風速補正係数Rwを設定する。より具体的には、例えば図9(b)に示すテーブルを用いて、風速Wが1m/sよりも小さい場合にはRwを1とし、風速Wが1m/s以上5m/s以下である場合にはRwを1/2とし、風速Wが5m/sよりも大きい場合にはRwを1/6とする。なお、このテーブルは、シャッタコントローラ15の記憶部33に記憶しておけばよい。
一方、受風角度θwが90°以下である旨を判定した場合には、シャッタコントローラ15は、風速補正係数Rwを1に設定する(ステップS15参照)。そして、ステップS14又はステップS15で風速補正係数Rwを設定した後に、気温補正係数Rtを1に設定する(ステップS16参照)。
これに対して、ステップS10で窓部11の窓サッシが閉状態である旨を判定した場合には、シャッタコントローラ15は、ステップS17,S18の処理を実行することによりスラット角度のベース値に対する補正係数を設定する。すなわち、ステップS17では、シャッタコントローラ15は、降雨量補正係数Rfを1とし、風速補正係数Rwを1とする。続くステップS18では、シャッタコントローラ15は、気温補正係数Rtを設定する。詳しくは、ホームサーバ16から屋外気温を取得し、その屋外気温に基づいて気温補正係数Rtを設定する。具体的には、気温Tと気温補正係数Rtとを関連付けるテーブルを用いて、ホームサーバ16から取得した屋外気温に対応する気温補正係数Rtを設定する。より具体的には、例えば図9(c)に示すテーブルを用いて、屋外気温Tが15℃以下である場合にはRtを1とし、屋外気温Tが15℃よりも高い場合にはRtを1/2とする。なお、このテーブルは、シャッタコントローラ15の記憶部33に記憶しておけばよい。
このようにして補正係数を設定した後、シャッタコントローラ15は、スラット角度のベース値(90°)に設定した補正係数を掛け合わせることにより、スラット角度の目標値を算出する(ステップS19参照)。そして、今回のプログラムの実行を終了する。この目標スラット角度設定処理によると、窓部11の窓サッシが開状態である場合には、降雨量が多くなるほど小さな降雨量補正係数Rfが設定され、結果として目標スラット角度は小さくなる。これにより、降雨量が多くなるほど、スラット角度が閉側に制御される。
また、窓部11の窓サッシが開状態である場合には、シャッタ装置12の受風角度θwが90°以上のとき(同シャッタ装置12に風が吹き付けていると推定されるとき)、風速が大きくなるほど小さな風速補正係数Rwが設定され、結果として目標スラット角度は小さくなる。これにより、風速が大きくなるほど、スラット角度が閉側に制御される。
これに対して、窓部11の窓サッシが閉状態である場合には、降雨量補正係数Rf及び風速補正係数Rwが1に設定される。また、屋外気温が15℃以下になると、気温補正係数Rtが1に設定され、スラット角度が90°(全閉角度)に制御される。一方、屋外気温が15℃よりも高くなると、気温補正係数Rtが1/2に設定され、スラット角度が45°(半開角度)に制御される。
以上の構成により、以下に示す有利な効果が得られる。
窓部11の窓サッシが開状態である場合において、降雨時の気象条件(降雨量、風向、風速)に応じてスラット角度を制御するようにした。具体的には、降雨量が多くなるほど、スラット角度を閉側に制御するようにした。また、風がシャッタ装置12に吹き付けていると推定される場合において風速が大きくなるほど、スラット角度を閉側に制御するようにした。これにより、降雨時に窓部11の窓サッシを閉め忘れたとしても、雨の建物10内への降り込みを抑制することができる。また、雨が降り止めば、採光や換気を再開することができる。
また、スラット角度を全開角度又は全閉角度の2段階に制御するのではなく、降雨時の気象条件に応じてスラット角度を多段階(5°/15°/30°/45°/60°/90°)に制御するようにした。これにより、屋内環境の悪化を抑制しつつ、雨の建物10内への降り込みを抑制することができる。具体的には、採光や換気をしながら、雨の建物10内への降り込みを抑制することができる。
また、窓部11の窓サッシが閉状態であり場合において、屋外気温が15℃以下である場合にはスラット角度を全閉角度に制御し、屋外気温が15℃よりも高い場合にはスラット角度を半開角度(45°)に制御するようにした。これにより、窓部11から雨が降り込むおそれがない場合において、屋内気温を快適な温度にすることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、シャッタ装置12の制御モードとして、通常モード、防災・防犯モードの2つのモードを有している。そして、都度の制御モードに応じたスラット角度制御を実施している。
第2実施形態では、シャッタ装置12の制御モードとして、通常モード、防災・防犯モードの2つのモードを有している。そして、都度の制御モードに応じたスラット角度制御を実施している。
本実施形態では、第1実施形態の構成に加え、人感センサ及びIDセンサを備えている。図10に示すように、人感センサ35及びIDセンサ36は、ホームサーバ16に接続されている。人検知手段としての人感センサ35は、その検知領域が窓部11近傍の屋外に設定されるように設置されており、その検知領域内の人を検出する(一点鎖線で示す領域参照)。特定人検知手段としてのIDセンサ36は、その検知領域内に少なくとも人感センサ35の検知領域が含まれるように設置されており、その検知領域内の人からIDを検出する。ここでIDとは、建物10に対応付けられた情報である。IDセンサ36は、ID要求信号を無線送信し、このID要求信号に対する応答信号としてのIDを受信する。この場合、建物10の関係者(居住者、使用者)がIDを送信する装置(例えば、電子キー、ICカードなど)を身に付けていることを前提とすれば、建物10の関係者とID送信装置を持たない不審者とを判別することができる。なお、図10においてIDセンサ36をシャッタ装置12ごとに設置するように図示したが、人感センサ35の検知領域内の人からIDの検出が可能であれば、シャッタ装置12ごとに設置する必要はない。
次に、各モードにおけるスラット角度制御について概説する。防災・防犯モードのスラット角度制御は、暴風の場合又は窓部11近傍の屋外に不審者がいる場合に実施される。詳しくは、防災・防犯モードのスラット角度制御は、風速が25m/s以上である場合、又は人感センサ35の検知領域内にいる人がIDを持っていない場合に実施される。この防災・防犯モードでは、降雨量やその時の気象条件によらず、スラット角度が全閉角度に制御される。一方、通常モードのスラット角度制御は、上述した防災・防犯モードの制御実施条件に該当しない場合に実施される。この通常モードでは、第1実施形態に準じてスラット角度制御が実施される。
図11は、本実施形態の目標スラット角度算出プログラムの流れを示すフローチャートである。このプログラムは第1実施形態の目標スラット角度算出プログラムに代えてシャッタコントローラ15により実行される。
図11において、ステップS20では、シャッタコントローラ15は、暴風か否かを判定する。詳しくは、ホームサーバ16から風速を取得し、風速が25m/s以上であるか否かを判定する。そして、シャッタコントローラ15は、暴風でない旨を判定した場合にはステップS21の処理を実行し、暴風である旨を判定した場合にはステップS24の処理を実行する。
ステップS21では、シャッタコントローラ15は、窓部11近傍の屋外に人がいるか否かを判定する。詳しくは、人感センサ35の検出信号に基づいて人感センサ35の検知領域内に人がいるか否かを判定する。そして、シャッタコントローラ15は、窓部11近傍の屋外に人がいない旨を判定した場合にはステップS23の処理を実行し、窓部11近傍の屋外に人がいる旨を判定した場合にはステップS22の処理を実行する。
ステップS22では、シャッタコントローラ15は、窓部11近傍の屋外にいる人がIDを持っているか否かを判定する。詳しくは、IDセンサ36によりID要求信号を送信させ、IDの受信を試みる。そして、シャッタコントローラ15は、IDセンサ36によりIDを受信した場合には、窓部11近傍の屋外にいる人がIDを持っている旨を判定し、ステップS23の処理を実行する。一方、IDセンサ36によりIDを受信できない場合には、窓部11近傍の屋外にいる人がIDを持っていない旨を判定し、ステップS24の処理を実行する。
ステップS23では、シャッタコントローラ15は、通常モードの目標スラット角度設定処理により目標スラット角度を設定する。この通常モードの設定処理は、第1実施形態の目標スラット角度設定プログラムの一連の処理に準じて実行される。一方、ステップS24では、シャッタコントローラ15は、防災・防犯モードの目標スラット角度設定処理により目標スラット角度を全閉角度(0°)に設定する。
この目標スラット角度設定処理によると、暴風の場合又は窓部11近傍の屋外に不審者がいる場合には、スラット20が全閉状態になる。
以上の構成により、第1実施形態の効果に加え、以下に示す有利な効果が得られる。
暴風時には、風に巻き上げられた飛散物により窓部11の窓サッシやガラス板が傷つくおそれがある。これに対し、暴風時には降雨の有無によらずスラット20を全閉状態にするようにした。これにより、窓部11の窓サッシやガラス板を飛散物から保護することができる。
また、窓部11近傍の屋外に不審者がいる場合には、その不審者が窓部11から建物10内に侵入するおそれがある。これに対し、窓部11近傍の屋外に不審者がいる場合には、降雨の有無によらずスラット20を全閉状態にするようにした。これにより、不審者の建物10内への侵入を防ぐことができる。
(第3実施形態)
図12に示すように、窓部11が設けられた側壁に対して構造物(例えば、屋根37やシャッタケース13やベランダなど)が屋外側に張り出している場合には、その窓部11の屋外側に設けられたシャッタ装置12のシャッタカーテン14に吹き付ける雨が構造物により遮られる。その結果、降雨時の風速によっては、シャッタカーテン14の一部のみに吹き付ける。詳しくは、図12において、(a)に示す微風時にはシャッタカーテン14の最下部のみに雨が吹き付け、(b)に示す弱風時にはシャッタカーテン14の最下部のみならずその上側の部分にも雨が吹き付け、(c)に示す強風時にはシャッタカーテン14の最上部にも雨が降り付ける。
図12に示すように、窓部11が設けられた側壁に対して構造物(例えば、屋根37やシャッタケース13やベランダなど)が屋外側に張り出している場合には、その窓部11の屋外側に設けられたシャッタ装置12のシャッタカーテン14に吹き付ける雨が構造物により遮られる。その結果、降雨時の風速によっては、シャッタカーテン14の一部のみに吹き付ける。詳しくは、図12において、(a)に示す微風時にはシャッタカーテン14の最下部のみに雨が吹き付け、(b)に示す弱風時にはシャッタカーテン14の最下部のみならずその上側の部分にも雨が吹き付け、(c)に示す強風時にはシャッタカーテン14の最上部にも雨が降り付ける。
そこで、第3実施形態では、降雨量に基づくスラット角度の制御対象領域を降雨時の風速に応じて変更するようにしている。本実施形態の構成は、シャッタ装置を除き、第1実施形態の対応する構成と実質的に同一である。
図13に示すシャッタ装置12は、シャッタカーテン14の下段領域A1、中段領域A2、上段領域A3の領域に含まれるスラット20を、領域毎に設定されたスラット角度に制御可能とされた構成を有している。具体的には、シャッタ装置12は、領域A1〜A3の各領域に含まれるスラット20と領域毎に係合する3つの開閉ガイド機構23a,23b,24cを有している。シャッタ装置12の開閉ガイド機構以外の構成は、第1実施形態の対応する構成と実質的に同一である。
図14は、降雨時の風速と制御対象領域との関係を示す図である。図14では、降雨量に基づくスラット角度の制御対象領域Arをハッチング枠で示し、屋外気温に基づくスラット角度の制御対象領域Atを破線枠で示している。図14において(a),(b),(c)は、それぞれ微風時における制御対象領域、弱風時における制御対象領域、強風時における制御対象領域を示している。
上述したように、微風時にはシャッタカーテン14の最下部のみに雨が吹き付ける(図12(a)参照)。そこで、微風時には、図14(a)に示すように、下段領域A1を降雨量に基づく制御対象領域Arとして設定し、中段領域A2及び上段領域A3を屋外気温に基づく制御対象領域Atとして設定する。また、弱風時にはシャッタカーテン14の下部のみならずその上側にも雨が吹き付ける(図12(b)参照)。そこで、弱風時には、図14(b)に示すように、下段領域A1及び中段領域A2を降雨量に基づく制御対象領域Arとして設定し、上段領域A3を屋外気温に基づく制御対象領域Atとして設定する。また、強風時にはシャッタカーテン14の最上部にも雨が吹き付ける(図12(c)参照)。そこで、強風時には、図14(c)に示すように、領域A1〜A3、すなわちシャッタカーテン14の全域を降雨量に基づく制御対象領域Arとして設定する。そして、制御対象領域Arに含まれるスラット20のスラット角度を降雨量に基づいて制御し、制御対象領域Atに含まれるスラット20のスラット角度を屋外気温に基づいて制御する。
図15は、本実施形態の目標スラット角度設定プログラムの流れを示すフローチャートである。このプログラムは第1実施形態の目標スラット角度設定プログラムに代えてシャッタコントローラ15により実行される。
図15において、まずステップS30では、シャッタコントローラ15は、風速に基づいて、降雨量に基づくスラット角度の制御対象領域Arと、屋外気温に基づくスラット角度の制御対象領域Atとを設定する。次に、ステップS31では、降雨量に基づく制御対象領域に含まれるスラット20の目標スラット角度を設定する。この設定処理は、第1実施形態の目標スラット角度設定プラグラム(図8参照)に準ずる。次に、ステップS32では、屋外気温に基づく制御対象領域に含まれるスラット20の目標スラット角度設定を設定する。この設定処理は、第1実施形態の目標スラット角度設定プログラムのステップS17及び18の処理(図8参照)に準ずる。
この目標スラット角度設定プログラムによって実施されるスラット角度制御処理によると、降雨量に基づく制御対象領域に含まれるスラット20が第1実施形態のスラット角度制御処理と同様に制御される。一方、屋外気温に基づく制御対象領域に含まれるスラット20が降雨量によらず屋外温度に基づいて制御される。
以上の構成により、第1実施形態の効果に加え、以下に示す有利な効果が得られる。
シャッタカーテン14の雨が吹き付ける領域を降雨量に基づく制御対象領域として設定し、シャッタカーテン14の雨が吹き付けない領域を屋外気温に基づくスラット角度の制御対象領域とした。これにより、屋外気温に基づく制御対象領域に含まれるスラット20の制御により屋内気温を快適な温度に維持しつつ、降雨量に基づく制御対象領域に含まれるスラット20の制御により雨の降り込みを抑制することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、図16に示すようにシャッタカーテン14よりも屋内側かつ窓部11の窓サッシよりも屋外側に雨検知手段としての雨滴センサ38が設置されている。具体的には、シャッタ装置12の下枠12aのシャッタカーテン14よりも屋内側の部分に取り付けられている。この雨滴センサ38はシャッタコントローラ15に接続されており、雨滴量を示す検出信号を出力する。シャッタコントローラ15は、第1実施形態の目標スラット角度算出処理と同様にして設定された目標スラット角度を、雨滴センサ38の検出信号に基づいて補正する。その他の構成は、第1実施形態の対応する構成と実質的に同一である。
第4実施形態では、図16に示すようにシャッタカーテン14よりも屋内側かつ窓部11の窓サッシよりも屋外側に雨検知手段としての雨滴センサ38が設置されている。具体的には、シャッタ装置12の下枠12aのシャッタカーテン14よりも屋内側の部分に取り付けられている。この雨滴センサ38はシャッタコントローラ15に接続されており、雨滴量を示す検出信号を出力する。シャッタコントローラ15は、第1実施形態の目標スラット角度算出処理と同様にして設定された目標スラット角度を、雨滴センサ38の検出信号に基づいて補正する。その他の構成は、第1実施形態の対応する構成と実質的に同一である。
図17は、本実施形態の目標スラット角度補正プログラムの流れを示すフローチャートである。このプログラムは、シャッタコントローラ15により所定のタイミングで逐次実行される。
図17において、まずステップS40では、シャッタコントローラ15は、雨滴センサ38の検出信号に基づいて、シャッタカーテン14より屋内側に降り込んだ雨滴量を算出する。続くステップS41では、シャッタコントローラ15は、算出した雨滴量が所定量以上か否かを判定する。そして、雨滴量が所定量より少ない旨を判定した場合には今回のプログラムの実行を終了し、雨滴量が所定量以上である旨を判定した場合にはステップS42の処理を実行する。
ステップS42では、第1実施形態の目標スラット角度設定処理により設定された目標スラット角度を閉側に補正する。詳しくは、目標スラット角度を所定角度(例えば1°)減補正する。そして、今回のプログラムの実行を終了する。
この目標スラット角度補正処理によると、シャッタカーテン14よりも屋内側に設置した雨滴センサ38によって所定量以上の雨滴が検出されている限り、目標スラット角度が閉側に補正される。
以上の構成により、以下に示す有利な効果が得られる。
降雨量や降雨時の気象条件に基づいて予め設定されたスラット角度に制御したとしても、雨の建物10内への降り込みを十分に抑制することができないことがある。これに対し、シャッタカーテン14よりも屋内側に設置した雨滴センサ38によって所定量以上の雨滴が検出されると、目標スラット角度を減補正するようにした。これにより、シャッタカーテン14よりも屋内側に雨が降り込まなくなるまで、スラット角度が閉側に制御される。このようにして、雨の建物10内への降り込みを確実に抑制することができる。
また、雨滴センサ38は、シャッタ装置12の下枠12aに取り付けた。ここで、雨が窓部11から建物10内に降り込むような場合においても、シャッタカーテン14の最下部以外の部分には雨が吹き付けない場合がある(図12参照)。この点、窓部11の最下部には雨が必ず吹き付ける。したがって、上述の如く雨滴センサ38をシャッタ装置12の下枠12aに取り付けて、シャッタカーテン14の最下部から降り込んだ雨滴を検出することにより、雨がシャッタカーテン14よりも屋内側に降り込んでいることを確実に検出することができる。
(他の実施形態)
なお、以上説明した実施の形態に限らず、例えば以下に別例として示した形態で実施することもできる。
なお、以上説明した実施の形態に限らず、例えば以下に別例として示した形態で実施することもできる。
・上記各実施形態では、スラット角度のベース値に補正係数を掛け合わせることにより目標スラット角度を算出するようにした。しかしながら、降雨量、受風角度、風速、屋外気温などのパラメータと目標スラット角度とを対応付けるマップを記憶しておき、このマップを用いて上記パラメータから目標スラット角度を算出するようにしてもよい。また、降雨量、受風角度、風速、屋外気温などの変数とする目標スラット角度の関数を記憶しておき、この関数を用いて目標スラット角度を算出するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、窓部11の窓サッシが開状態である場合には、降雨量、風向、風速をパラメータとしてスラット角度を制御したが、このパラメータとして風向や風速を含めなくてもよい。これによりシステムの構成を簡素化することができる。また、このパラメータとして降雨量、風向、風速以外の気象条件(例えば、気温や日照量)を含めてもよい。これにより屋内環境を良好に保つことができる。
・上記各実施形態では、窓部11の窓サッシが閉状態である場合には、屋外気温をパラメータとしてスラット角度を制御したが、このパラメータは、例えば屋内気温や日照量でもよい。また、このパラメータには、屋内気温や日照量などの気象条件を含めてもよい。このように窓部11の窓サッシが閉状態である場合、すなわち建物10内に雨が降り込むおそれがない場合には、上述の如く様々なパラメータでスラット角度を制御することにより、屋内環境を良好に保つことができる。
・上記各実施形態では、降雨量などの実測値をスラット角度制御のパラメータとしたが、降雨量などの予想値や降水確率をスラット角度制御のパラメータに含めてもよい。これにより、雨が実際に降り出す前に予防的にスラット角度を制御することで、雨の建物10内への降り込みを抑制することができる。また、これらの実測値、予想値、降水確率を、公衆回線や専用回線(例えば、インターネットなど)を介して建物10外のサーバから取得するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、シャッタ装置12のスラット角度を制御したが、シャッタカーテン14の昇降を制御することにより、雨の建物10内への降り込みを抑制してもよい。また、シャッタ装置12において各スラット間の隙間寸法を所定範囲(例えば0〜数10mm)で調整可能とする構成を付加し、その隙間寸法を降雨量などに基づいて制御してもよい。
・上記各実施形態では、ホームサーバ16から降雨量などを取得したが、シャッタコントローラ15に各種センサを接続し、シャッタコントローラ15においてこれらの検出信号から降雨量などを算出するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、雨量センサ18を屋根37に設置したが、降雨量を測定する小型のセンサをシャッタ装置12のシャッタカーテン14よりも屋外側に設置してもよい。また、施解錠センサ19の検出信号により窓部11の窓サッシの開閉を判定したが、窓サッシの可動部(窓サッシの開閉時に移動する部分)の位置を検出するセンサを設け、このセンサの検出信号により窓部11の窓サッシの開閉を判定するようにしてもよい。
・上記第1〜第3実施形態では、スラット角度を降雨時の気象条件に応じて多段階に制御したが、降雨の有無に応じてスラット角度を全開又は全閉の2段階に制御してもよい。
・上記第2実施形態では、通常モード、防災・防犯モードの2つのモードに応じたスラット角度制御を実施するようにした。しかしながら、通常モードと防災モードと防犯モードの3つのモードに応じたスラット角度制御を実施するようにしてもよい。すなわち、防災モードと防犯モードとで異なるスラット角度制御を実施するようにしてもよい。また、通常モードと防災モードの2つのモードに応じたスラット角度制御を実施してもよいし、通常モードと防犯モードの2つのモードに応じたスラット角度制御を実施してもよい。
・上記第3実施形態では、シャッタカーテン14において3つの領域A1〜A3の各領域に含まれるスラット20が領域毎に角度調整可能とした。この点につき、このような領域を2つ又は4つ以上設定可能な電動シャッタ装置、又は各スラット20を個別に角度調整可能な電動シャッタ装置にも適用することもできる。
・上記第4実施形態では、目標スラット角度の補正量を一定量(1°)としたが、この補正量を雨滴センサ38により検出された雨滴量に基づいて設定するようにしてもよい。例えば、上記雨滴量が所定値よりも少ない場合には目標スラット角度を1°閉側に補正し、上記雨滴量が所定値以上である場合には目標スラット角度を5°閉側に補正するようにしてもよい。
・上記第4実施形態では、第1実施形態の目標スラット角度を閉側に補正するようにしたが、第2及び第3実施形態の目標スラット角度を閉側に補正するようにしてもよい。また、降雨量などに基づいて算出した目標スラット角度を補正するのではなく、スラット角度のベース値を補正するようにしてもよい。この場合、雨滴センサ38により検出された雨滴量に基づいて目標スラット角度を開側に補正するようにするとよい。詳しくは、雨滴センサ38により雨滴が検出されず所定期間が経過した場合には、上記ベース値を所定角度だけ開側に補正するとよい。
10…建物、11…窓部(開口部)、12…シャッタ装置、14…シャッタカーテン、15…シャッタコントローラ(制御手段、降雨情報取得手段、風速情報制御手段、風向情報取得手段、開閉情報取得手段)、16…ホームサーバ、17…風情報検出装置、19…施解錠センサ、20…スラット、30…風向センサ、31…風速センサ、35…人感センサ(人検知手段)、36…IDセンサ(特定人検知手段)、37…屋根、38…雨滴センサ(雨検知手段)。
Claims (11)
- 建物の開口部を開閉するシャッタカーテンを有する電動シャッタ装置の制御装置であって、
屋外の降雨情報を取得する降雨情報取得手段と、
前記降雨情報取得手段により取得された降雨情報に基づいて、前記開口部から建物内への雨の降り込みを抑制すべく前記シャッタカーテンの開度を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする電動シャッタ制御装置。 - 前記制御手段は、前記降雨情報から判断される降雨量が多いほど前記シャッタカーテンを閉側に制御するものである請求項1に記載の電動シャッタ制御装置。
- 屋外の風速情報を取得する風速情報取得手段を更に備え、
前記制御手段は、前記風速情報取得手段により取得された風速情報に基づいて、前記開口部から建物内への雨の降り込みを抑制すべく前記シャッタカーテンの開度を制御する請求項1又は2に記載の電動シャッタ制御装置。 - 前記制御手段は、前記風速情報から判断される風速が大きいほど前記シャッタカーテンを閉側に制御するものである請求項3に記載の電動シャッタ制御装置。
- 前記制御手段は、前記風速情報から判断される風速が予め定めた値を超えた場合に前記シャッタカーテンを閉鎖するよう制御するものである請求項3又は4に記載の電動シャッタ装置。
- 屋外の風向情報を取得する風向情報取得手段を更に備え、
前記制御手段は、前記風向情報取得手段により取得された風向情報に基づいて、風向が前記シャッタカーテンへ向いた成分を有する場合に前記シャッタカーテンの開度を閉側に制御する請求項1乃至5のいずれかに記載の電動シャッタ制御装置。 - 前記シャッタカーテンによる開閉対象である開口部に配置される窓サッシの開閉情報を取得する開閉情報取得手段を更に備え、
前記制御手段は、前記開閉情報取得手段により取得された開閉情報に基づいて、前記窓サッシが開状態である場合に前記制御を実行する請求項1乃至6のいずれかに記載の電動シャッタ制御装置。 - 前記降雨情報取得手段は、前記シャッタカーテンよりも屋内側に配置されて雨を検知する雨検知手段から前記降雨情報を取得するものであり、
前記制御手段は、当該降雨情報により降雨があると判断された場合に前記シャッタカーテンの開度を閉側に制御する請求項1乃至7のいずれかに記載の電動シャッタ装置。 - 前記開口部近傍の屋外側に人がいるか否かを検知する人検知手段、及び前記人検知手段により検知された人が予め定めた特定人であるか否かを検知する特定人検知手段を更に備え、
前記制御手段は、前記人検知手段により人が検知されかつ前記特定人検知手段による検知結果が特定人でない場合には、前記シャッタカーテンを閉鎖するよう制御するものである請求項1乃至8のいずれかに記載の電動シャッタ装置。 - 複数のスラットが上下方向に連結されかつ各スラットの角度調整が可能とされたシャッタカーテンを有する電動シャッタ装置に適用され、
前記制御手段は、前記シャッタカーテンの開度制御として前記スラットの角度制御を行うものである請求項1乃至9のいずれかに記載の電動シャッタ制御装置。 - 建物本体に形成されて屋内外を連通させる開口部と、その開口部に設置された窓サッシと、その窓サッシより屋外側に設置された電動シャッタ装置と、その電動シャッタ装置を制御する請求項1乃至10のいずれかに記載の電動シャッタ制御装置と、を備えることを特徴とする建物。
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