JP2008279663A - 銅張り積層板用Al被膜付き銅箔及び銅張り積層板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面にAl被膜を形成したことを特徴とする銅張積層板Al被膜付き銅箔であり、被膜のAl濃度は、85質量%以上、被膜の厚みが0.4nm以上であればよい。
【選択図】なし
Description
防錆処理、クロメート処理、シランカップリング剤等の表面処理を行わずとも金属層を形成させることで絶縁樹脂との密着性、特には加熱処理後も密着性に優れる銅箔を提供することである。
(1)表面にAl被膜を形成したことを特徴とする銅張積層板Al被膜付き銅箔。
(2)Alが質量%で85%以上の濃度であることを特徴とする上記(1)に記載の銅張積層板用Al付き銅箔。
(3)Al被膜の厚みが0.4nm以上であることを特徴とする上記(1)〜(2)に記載の銅張積層板用Al被膜付き銅箔。
(4)Al被膜の表面粗さRaが0.3μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)に記載の銅張積層板用Al被膜付き銅箔。
(5)上記(1)〜(4)に記載の銅張積層板用Al被膜付き銅箔を用いたことを特徴とする銅張積層板。
<Al被膜の組成>
本発明は、ファインピッチ化で要求される平滑な表面の銅箔において防錆処理、クロメート処理、シランカップリング剤等の表面処理を行わずとも、絶縁樹脂との密着性に関するものであり、特には加熱処理後の密着性に関するものである。
Al被膜は表面に緻密なAl酸化物層を形成してそれ以上の酸化を抑制するので、加熱を行った後も高い耐熱ピール強度が得られる。
Al被膜の厚みは0.4nm未満の場合、緻密な酸化被膜が得られず、耐熱ピール強度が低下する部分が生じる。Al被膜厚みの上限について技術的な制約はないが、積層板として不必要に厚くする必要はないので、好ましい上限は、100nmと考える。
本発明における「銅箔」は圧延銅箔でも電解銅箔でもよい。また、タフピッチ銅や無酸素銅で作られた銅箔でもよく、銅合金箔でもよい。銅合金としてはAg入り銅、Sn入り銅、Cu−Ni−Si系合金、Cu−Cr−Zr系合金などが挙げられるが、例に過ぎず、これに限定されるものではない。
Al被膜を形成した銅箔の表面粗さについては、本発明の耐熱性の効果を得るには制約はないものの、本来の技術方向性からファインピッチ用の銅箔としての表面粗さRaは0.3μm以下であることが望ましい。
Al被膜の形成方法は乾式の成膜方法が好ましい。具体的にはスパッタリングや蒸着、イオンプレーティング等があり、連続的に銅箔にAl被膜を形成する場合はスパッタリング法や真空蒸着法が好ましい。なお、湿式成膜方法の代表である電気めっきではAl被膜を形成することが困難である。また溶融アルミめっきは連続的に銅箔に表面処理を行う方法としては不向きである。
本発明の積層板に用いられる絶縁樹脂としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、およびそれらを混合させたものがあげられる。また、それらを接着剤として使用し、絶縁樹脂として他の樹脂フィルムを使用しても良い。ただし、ポリイミドに関してはアミック酸型のワニスを直接銅箔に塗布するとAl被膜が溶け、銅の素地が露出するため、使用できる樹脂からは除く。
<銅箔の作製>
JISで規定されるタフピッチ銅(C1100)のインゴットを冷間圧延、焼鈍を繰り返して厚み18μmの圧延銅箔を製造した。
(1)発明例
上記の圧延銅箔に、DCマグネトロンスパッタリング法でAl被膜を形成した。ターゲットはJISに規定される1080、3004、7075のAl合金を成形して使用した。またZnが質量8%と10質量%の7075系Al合金を鋳造、圧延し、ターゲットに成形して使用した。Al被膜の組成分析は、樹脂フィルム上に1μmの厚みのAl被膜を形成したものを酸に溶解してICP発光分析法で行った。Al被膜の組成はCuを除いたICPの分析結果を質量%に換算したものである。
(Niめっき)
上記で得た銅箔に一般的なアルカリ電解脱脂および酸洗を施し、厚み50nmのNiめっきを下記の条件で成膜した。
電気ニッケルめっき
・液組成:
硫酸ニッケル(NiSO4・6H2O) 240g/L
塩化ニッケル(NiCl2・6H2O) 45g/L
ほう酸 30g/L
・pH 4
・温度 50℃
・電流密度 1A/dm2
・アノード ニッケル
さらに、東レ・ダウコーニング社製のアミノ系シランカップリング剤であるSH6020の1g/L水溶液に30秒間浸漬させ、130℃で30分間大気乾燥させたものを作製した。(実施例No.25〜27)
上記で得た銅箔に一般的なアルカリ電解脱脂および酸洗を施し、厚み50nmのZnめっきを下記の条件で成膜した。
電気Znめっき
・液組成:
酸化亜鉛(ZnO) 15g/L
水酸化ナトリウム(NaOH) 100g/L
・温度 室温
・電流密度 3A/dm2
・アノード ステンレス板
得られたAl被膜の厚みは、表面からXPS測定装置(アルバック・ファイ株式会社製 5600MC)を用いて以下の条件で測定した。
到達真空度:6.65×10−8Pa(5×10−10Torr)、但し、Arガス導入時は1.33×10−6Pa(1×10−8Torr)
X線:単色化Al Kα、X線出力300W、検出面積800μmφ、試料と検出器のなす角度は45度
イオン線:イオン種はAr+、加速電圧1kV、掃引面積2×3mm2、スパッタリングレート1.2nm/min(SiO2換算)
このXPS装置を用い、Arスパッタ時間に対するAl濃度のプロファイル(デプスプロファイル)を作成した。このプロファイルからAl濃度が1atomic%以上の時間を割り出し、SiO2換算でAl被膜の厚みを算出した。
各試料の表面粗さRaは、触針式表面粗さ測定器(小坂研究所製 Surf coder SE−3400)を用い、JIS B 0601−2001に規定される方法に従い、カットオフ値0.8mm、測定長さ4mmで測定した。
なお、表面処理前の銅箔の表面粗さRaは0.16μmであった。
(1)エポキシ樹脂
松下電工株式会社製のガラスエポキシマルチR1661に上記の銅箔を用いて、圧力10kg/cm2、温度120℃で30分間、その後圧力30kg/cm2、温度170℃で60分間熱圧着して銅張積層板を得た。
桐油872g、フェノール1200gを4ツ口フラスコに投入して攪拌し、さらに予め55gのメタノールに溶解した10.5gのパラトルエンスルホン酸を添加し、攪拌しながら75℃まで15分間を要して昇温させる。このように調製した反応物に37%ホルマリン1150gを添加して十分に攪拌した後、25%アンモニア水35mlとトリエチルアミン55mlを加え、攪拌しながら加熱して約20分を要して80℃まで昇温させる。そしてこの温度に達したときから120分間この温度を維持しながら攪拌・反応を進め、この後脱水してメタノール1530gを加えることによって、フェノール樹脂ワニスを調製した。
500ml四つ口フラスコにN,N−ジメチルアセトアミド300ml、3,3’−DABP31.85g(0.15モル)を入れ、15℃、乾燥窒素気流下、攪拌しながらBTDA粉末48.33g(0.15モル)を徐々に添加し、さらに4時間攪拌を続けて反応を終了させ、得られたポリアミド酸水溶液をガラスクロス(日東紡WF―230)に含浸させた。取り出したポリアミド酸溶液含浸ガラス繊維布を、更に無水酢酸43g、ピリジン14g、N,Nジメチルアセトアミド55gよりなるイミド化剤溶液に30分間浸漬した。得られたプリプレグシートを100℃で1時間、150℃で30分、180℃で30分、200℃で1時間乾燥してポリイミド含浸プリプレグシートを得た。このプリプレグシートと銅箔を圧力5kg/cm2、温度340℃で10分間熱圧着して銅張積層板を得た。
上記の方法で作製した銅張積層板をエッチングし、銅箔の長さ100mm、幅3mmの試料を作成した。これを用いて、JIS C−6471に規定される方法に従い、短辺の端から銅箔を剥離し、そのとき測定した応力値(ピール強度)を密着性の指標とした。剥離角度は90度、剥離速度は50mm/minで実施した。
Claims (5)
- 表面にAl被膜を形成したことを特徴とする銅張積層板Al被膜付き銅箔。
- Alが質量%で85%以上の濃度であることを特徴とする請求項1に記載の銅張積層板用Al付き銅箔。
- Al被膜の厚みが0.4nm以上であることを特徴とする請求項1〜2に記載の銅張積層板用Al被膜付き銅箔。
- Al被膜の表面粗さRaが0.3μm以下であることを特徴とする請求項1〜3に記載の銅張積層板用Al被膜付き銅箔。
- 請求項1〜4に記載の銅張積層板用Al被膜付き銅箔を用いたことを特徴とする銅張積層板。
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JP4659140B2 (ja) * | 2009-06-30 | 2011-03-30 | Jx日鉱日石金属株式会社 | プリント配線板用銅箔 |
CN112041485A (zh) * | 2018-04-27 | 2020-12-04 | Jx金属株式会社 | 表面处理铜箔、覆铜积层板及印刷配线板 |
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JPS62136092A (ja) * | 1985-10-23 | 1987-06-19 | 日立電線株式会社 | プリント配線回路用金属箔 |
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2007
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