JP2008277430A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

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裕志 高瀬
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哲三 上田
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Abstract

【課題】シリコン基板を用いた窒化物半導体発光素子において、高品質の窒化物半導体を形成でき、且つ、シリコン基板による光の吸収を低減して輝度の向上を実現できるようにする。
【解決手段】窒化物半導体発光素子は、シリコンからなる基板1と、基板1の主面上に形成され、複数の開口部2aを有するマスク膜2と、マスク膜2の上に各開口部2aからそれぞれ横方向に結晶成長してなるn型GaN層4と、該n型GaN層4の上に形成され、発光を供する活性層5及びp型GaN層6とを有している。マスク膜2の反射率は、活性層5からの発光波長において基板1の反射率よりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば各種表示用又は照明用の窒化物半導体発光素子に関する。
窒化ガリウム(GaN)に代表される、いわゆる窒化物半導体を用いることにより、紫外光から青色又は緑色の波長帯を有する高輝度の発光ダイオード(light emitting diode:LED)素子が実用化されている。今後、さらに高輝度化が進むことが予想され、青色光で蛍光材を励起して発光する白色LED素子を用いた半導体照明の実用化も期待されている。
窒化物半導体を用いた発光素子の製造は、GaN基板が高価なことから、これまでは一般にサファイア基板を用いたヘテロエピタキシャル成長法が用いられている。すなわち、サファイア基板上に、低温バッファ層を有するヘテロエピタキシャル成長、窒化インジウムガリウム(InGaN)からなる多重量子井戸構造を有する活性層成長、活性化アニール技術による低抵抗のp型GaN成長、選択成長技術による結晶の転位密度の低減化等の要素技術が確立され、窒化物半導体発光素子の特性向上が実現されてきた(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。しかしながら、サファイア基板が高価なことから、近年になって、低コストで大面積の基板が入手可能なシリコン(Si)基板を用いた窒化物半導体発光ダイオード素子の開発も進められている(例えば、非特許文献1を参照。)。
特開2000−277863号公報 特開2000−323417号公報 T.Egawa et. al., Jpn. J. Appl. Phys. Vol.41 (2002) L663.
シリコン基板は、窒化物半導体発光ダイオード素子の低コスト化に有利ではあるものの、六方晶系の結晶構造を有する窒化物半導体と、立方晶系のシリコンとの格子不整合率が約17%も存在するため、シリコン基板上に成長する窒化物半導体の結晶性が低下するという問題がある。
特に問題となるのは、基板との界面で発生して結晶成長と共に基板面に垂直な方向に引き継がれるいわゆる貫通転位で、その転位密度は10cm−2以上にも達し、高品質の窒化物半導体結晶を得ることができない。これとは別に、シリコンのバンドギャップが1.1eVと比較的に小さいため、可視域の波長を有する発光光をシリコン基板が吸収してしまうという問題もあり、高輝度化には限界がある。
本発明は、前記従来の問題に鑑み、シリコン基板を成長用基板に用いた窒化物半導体発光素子において、高品質の窒化物半導体を形成でき、且つ、シリコン基板による光の吸収を低減して輝度の向上を実現できるようにすることを目的とする。
なお、結晶軸の方向を表わすのに<1−100>、<11−20>を用いることがあるが、これはそれぞれ[数1]を示す。すなわち、結晶軸の方向を示すマイナスの符号は、‘バー’を意味する。
前記の目的を達成するため、本発明は、窒化物半導体発光素子を、シリコンからなる基板上に形成した開口部を有するマスク膜を介して窒化物半導体層を横方向成長させると共に、マスク膜に基板よりも発光光の反射率が大きい材料を用いる構成とする。
ここで、横方向成長とは、成長用基板の上に開口部を有するマスク膜を形成し、その開口部の内側から選択的に結晶成長させる方法である。このとき、成長条件を調整することにより、マスク膜の上面へ横方向(基板面に平行な方向)に成長させてマスク膜を埋め込むことが可能な方法である。本発明の半導体発光素子においては、この選択成長法を用い、窒化物半導体をマスク膜上へ横方向成長させる際に、基板面に垂直な方向の貫通転位を基板面に水平な方向へと曲げている。従って、マスク膜の上面に形成された窒化物半導体は、基板面に垂直な方向の転位が大幅に低減されて高品質となり、発光効率の向上を実現できる。また、活性層から発せられた発光光のうち基板側に向かう光をマスク膜によって基板とは反対側へ反射できるため、シリコン基板による光吸収の損失を低減できるので、光取り出し効率の向上をも実現できる。
具体的に、本発明に係る窒化物半導体発光素子は、シリコンからなる基板と、基板の主面上に形成され、複数の開口部を有するマスク膜と、マスク膜の上に各開口部からそれぞれ横方向に結晶成長してなる第1の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層の上に形成され、発光を供する活性層を含む第2の窒化物半導体層とを備え、マスク膜の反射率は、活性層からの発光波長において基板の反射率よりも大きいことを特徴とする。
本発明の窒化物半導体発光素子によると、マスク膜の上面に横方向に結晶成長してなる第1の窒化物半導体層及びその上に形成された第2の窒化物半導体層は、基板面に垂直な方向の転位が低減されて高品質となるため、発光効率が向上する。その上、マスク膜が活性層から基板側へ向かう光を反射するミラーとして機能するため、基板による光吸収損失が低減できるので、光取り出し効率を向上することができる。
本発明の窒化物半導体発光素子は、第1の窒化物半導体層における開口部の上側部分は選択的に露出されており、第1の窒化物半導体層における露出領域上に形成された第1の電極と、第2の窒化物半導体層の上であって、第1の窒化物半導体層におけるマスク膜上に横方向成長した終端部の上方部分又は開口部の上方部分に選択的に形成された第2の電極とをさらに備えていることが好ましい。
このようにすると、開口部の上側部分又はマスク膜上の横方向成長した終端部の上側部分の低品質の窒化物半導体の領域を非発光領域の電極部として有効に利用できるため、発光効率が低下しない。
本発明の窒化物半導体発光素子において、マスク膜は、屈折率が互いに異なる誘電体膜を交互に積層させてなる周期構造を有する誘電体積層膜により構成されていることが好ましい。
このようにすると、マスク膜による光の反射効率を確実に向上することができる。
この場合に、誘電体積層膜の各層の膜厚は、発光層から生ずる発光波長に相当する光学波長の4分の1倍であることが好ましい。
このようにすると、前記誘電体多層膜が高反射率を有するブラッグ反射器(Distributed Bragg Reflector:DBRミラー)として機能し、光の反射効率を大幅に向上することができる。
また、本発明の窒化物半導体発光素子において、マスク膜は金属からなることが好ましい。
このようにすると、マスク膜を高反射膜として機能させることができる。
本発明の窒化物半導体発光素子において、マスク膜の各開口部は、第1の窒化物半導体における結晶軸の<1−100>方向又は結晶軸の<11−20>方向に延びるストライプ形状を有していることが好ましい。なお、本願明細書において、結晶軸の指数に付された負符号は該負符号に続く一の指数の反転を便宜的に表わしている。
このようにすると、マスク膜上の横方向成長を促進することが可能となる。
この場合に、マスク膜のストライプ状部分の幅は0より大きく且つ15μm以下であり、各開口部の幅は0.1μm以上且つ15μm以下であることが好ましい。
このようにすると、第1の窒化物半導体層に不良な成長物が発生することを防止できる。また、第1の窒化物半導体層がマスク膜上に薄膜を形成せずに島状に堆積してしまう現象を防止でき、さらに、第1の窒化物半導体層の横方向成長によりマスク膜を完全に埋め込むことが可能となる。
また、本発明の窒化物半導体発光素子において、マスク膜の各開口部は、ドット状を有していることが好ましい。
このようにすると、マスク膜上の横方向成長を促進することが可能となる。
この場合に、各開口部は円形状を有していることが好ましい。
また、この場合に、円形状の開口部を有するマスク膜において、隣接する開口部同士の間隔は0より大きく且つ15μm以下であり、各開口部の直径は0.1μm以上且つ15μm以下であることが好ましい。
このようにすると、第1の窒化物半導体層に不良な成長物が発生することを防止できる。また、第1の窒化物半導体層がマスク膜上に薄膜を形成せずに島状に堆積してしまう現象を防止でき、さらに、第1の窒化物半導体層の横方向成長によりマスク膜を完全に埋め込むことが可能となる。
本発明の窒化物半導体発光素子において、第1の窒化物半導体層の上面は平坦であり、活性層は、平坦な第1の窒化物半導体層の上に形成されていることが好ましい。
このようにすると、基板面に対して垂直な方向の貫通転位が大幅に低減された良好な活性層が形成されるため、高品質の半導体発光素子を実現できる。
本発明に係る窒化物半導体発光素子によると、シリコン基板を成長用基板に用いても、高品質の窒化物半導体を形成でき、且つシリコン基板による光の吸収を低減して輝度の向上を図ることができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)及び図1(b)は本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子(発光ダイオード素子)であって、(a)は平面構成を示し、(b)は(a)のIb−Ib線における断面構成を示している。
図1(a)及び(b)に示すように、主面の面方位が(111)面のシリコン(Si)からなる基板1の主面上には、複数の開口部2aを有し且つ窒化物半導体が成長しない材料からなるマスク膜2が形成されている。
基板1の主面上には、マスク膜2の各開口部2aから露出する領域に厚さが40nmでマスク膜2よりも厚さが小さい窒化アルミニウム(AlN)からなるバッファ層(図示せず)を介して、選択的且つ横方向に成長してなる厚さが2μm以上のn型GaN層4が形成されている。n型GaN層4の上には、InGaNからなる多重量子井戸(MQW)活性層5と、厚さが200nmのp型GaN層6と、厚さが250nmのインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)からなるp側透明電極7とが順次形成されている。
n型GaN層4にはマスク膜2の各開口部2aの上側部分が露出され、露出領域の上に、チタン(Ti)/アルミニウム(Al)/ニッケル(Ni)/金(Au)の積層体からなるn側電極9が選択的に形成されている。
p側透明電極7上におけるマスク膜2の上方であって、n型GaN層4におけるマスク膜2の上に横方向成長した終端部の上方部分には、Ti/Al/Ni/Auの積層体からなるp側電極8が選択的に形成されている。
また、p側透明電極7の上のp側電極8を除く領域と、p型GaN層6、MQW活性層5及びn型GaN層4の露出した側面と、露出したn型GaN層4の上のn側電極9を除く領域とは、例えば膜厚が400nmの酸化シリコン(SiO)からなる保護膜10が形成されている。
本実施形態に係る発光ダイオード素子は、シリコンからなる基板1の主面上に形成するマスク膜2として、例えば、酸化チタン(TiO)と酸化シリコン(SiO)とを交互に積層させてなる誘電体多層膜を用いている。各誘電体膜の膜厚は、発光ダイオード素子の発光波長λに対して、mλ/(4n)(但し、nは各誘電体層の屈折率であり、mは正の奇数である。)に設定する。これにより、誘電体多層膜は、高反射率を有するDBR(Distributed Bragg Reflector)ミラーとして機能する。DBRミラーは、特定の周波数帯の波長を反射する際の波長幅(いわゆるストップバンド幅)が大きいことが望ましいため、奇数mとしては小さい値が望ましい。例えばm=1とした場合、TiOの屈折率nは波長λ=470nmに対して2.83であるから、その膜厚を42nmとし、SiOの屈折率nは波長λ=470nmに対して1.46であるから、その膜厚を80nmとして形成すればよい。
図2は、上記のような膜厚で構成されたTiO/SiO多層膜であるマスク膜2を基板1に形成し、その上に窒化物半導体からなる発光ダイオード素子を形成した場合の光取り出し効率について、TiO/SiO多層膜のペア数依存性を計算により得た結果を示したグラフである。図2からは、多層膜のペア数が2ペアよりも小さい範囲では光取り出し効率が大幅に減少していることが分かる。従って、ペア数としては2ペア以上が望ましい。第1の実施形態においては、SiO/TiO/SiO/TiO/SiOからなる2.5ペアの多層膜を用いる。従って、TiO/SiO多層膜の全膜厚は324nmである。
なお、第1の実施形態においては、DBRマスクの厚さが薄い方が選択成長しやすいため、その観点からも2.5ペアが望ましい。
また、誘電体多層膜の構成材料は、TiOとSiOとに限られず、例えばSiN(窒化シリコン)とSiOとの組み合わせや、TiOとSiNとの組み合わせを用いることができる。
また、マスク膜2は、必ずしも誘電体多層膜に限られず、酸化シリコン(SiO)からなる単層膜を用いることができる。
また、マスク膜2は誘電体に限られず、高反射率を有する金属膜、例えば、銀(Ag)又はアルミニウム(Al)等を用いることができる。
ここで、図1(a)に示すように、マスク膜2は、その一部がストライプ状にパターニングされている。ストライプ部の1本の幅は0より大きく且つ15μm以下とし、開口幅は0.1μm以上且つ15μm以下程度とする。
また、ストライプ部が延びる方向は、窒化ガリウムにおける結晶軸の<1−100>方向又は結晶軸の<11−20>方向である。このようにすると、マスク膜2の上の横方向成長が促進されるため、マスク膜2の上面を確実に覆うことができる。
第1の実施形態においては、前述したように、マスク膜2の膜厚が324nmであり、AlNからなるバッファ層は膜厚が40nmと薄いため、マスク膜2の開口部2aの内側にのみ成長する。続くn型GaN層は2μm以上と厚く成長させることにより、マスク膜2の上面にも横方向成長させてマスク膜2を埋め込ませ、n型GaN層4の上面が平坦化するまで成長を続ける。この横方向成長により、マスク膜2の開口部2aの上側において基板1との界面で発生した貫通転位は横方向成長時にその成長方向が90°曲げられるため、マスク膜2の上面では貫通転位は基板1の主面に対して垂直な方向には伝搬しなくなる。従って、活性層5のうちマスク膜2の上面に形成された部分では転位密度が低減されて高品質な窒化物半導体結晶を得ることができる。
図3は本発明の第1の実施形態に係るマスク膜2における開口幅が0.5μmで且つストライプ部の1本の幅が10μmのストライプ状マスクを結晶軸の<1−100>方向に形成した基板1の上に、窒化物半導体を選択成長させた後の平面写真である。図3からはマスク膜2の上面及び開口部2aの上面の全域にわたって窒化物半導体が成長して平坦化していることが分かる。
なお、マスク膜2の開口部2aの幅は小さい方が望ましい。なぜなら、開口部2aの幅を15μmよりも大きくすると、開口部2a上の窒化物半導体に黒く変質した不良な成長物が発生してしまうからである。一方、マスク膜2のストライプ部の1本の幅は15μm以下が望ましい。これは、マスク膜2の幅を15μmよりも大きくすると、マスク膜2の上面が横方向成長でも埋め込まれれず、マスク膜2の一部が露出してしまうからである。
このような不具合が発生する様子を図4に示す。図4は比較例であって、マスク膜2における開口幅が20μmで且つストライプ部の1本の幅が20μmのストライプ状マスクを結晶軸の<1−100>方向に形成した基板1の上に、窒化物半導体を選択成長させた後の様子を示す平面写真である。図4からは以下のことが分かる。
まず、マスク膜2の開口部2aに成長した窒化物半導体の一部に黒く変質した不良な成長物11が発生している。また、窒化物半導体がマスク膜2の上面を完全に埋めきれずにマスク膜2が露出した露出領域2bが形成されている。さらに、マスク膜2の一部に島状の堆積物12も発生している。このように、マスク膜2の開口幅又はマスク幅が大きい場合には、良好な横方向成長を実現できない。なお、本実施形態においては、開口幅の下限値を0.1μmとしている。これは0.1μmよりも小さい幅の微細加工が困難であるためである。
以上説明したように、第1の実施形態によると、n型GaN層4をマスク膜2を用いた選択成長法を用いることにより、n型GaN層4に成長するMQW活性層5は、基板面から垂直な方向に延びる貫通転位が低減されて高品質な結晶となるため、発光効率を向上させることができる。また、MQW活性層5からの発光光のうち基板1側に向かう光をマスク膜2によって基板1とは反対側へ反射できるため、シリコンからなる基板1による光吸収の損失を低減できるので、光取り出し効率の向上をも実現できる。
以下、前記のように構成された窒化物半導体発光素子の製造方法の一例について図面を参照しながら説明する。
図5(a)〜図5(c)及び図6(a)〜図6(c)は本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法の工程順の断面構成を示している。ここでは、図1(b)と対応する断面部分を用いて説明する。
まず、図5(a)に示すように、スパッタ法又は化学気相堆積(CVD)法により、主面の面方位に(111)面を持つSiからなる基板1の主面上の全面に、TiOとSiOとを2.5ペア分を積層してなるマスク形成膜2Aを形成する。
次に、図5(b)に示すように、リソグラフィ法及びエッチング法により、マスク形成膜2Aを選択的にエッチングして、マスク形成膜2Aから複数の開口部2aを有するマスク膜2を形成する。
次に、図5(c)に示すように、有機金属化学気相成長(Metal-Organic Chemical Vaper Deposition:MOCVD)法等の結晶成長法により、マスク膜2が形成された基板1の主面上に、厚さが40nmのAlNからなるバッファ層3、厚さが2μm以上のn型GaN層4、InGaNからなるMQW活性層5、厚さが200nmのp型GaN層6を順次成長する。
このうち、前述したように、バッファ層3はその厚さがマスク膜2の膜厚よりも小さいため、マスク膜2の開口部2aの内側にのみ成長する。次のn型GaN層は2μm以上と厚く成長させることにより、マスク膜2上面へも横方向成長させてマスク膜2を埋め込ませ、さらに、n型GaN層4の上面が平坦化するまで成長を続ける。その後、上面が平坦化されるまで成長したn型GaN層4の上に、MQW活性層5及びp型GaN層6をエピタキシャル成長する。
次に、図6(a)に示すように、リソグラフィ法及びエッチング法により、n型GaN層4におけるマスク膜2の各開口部2aの上側部分を選択的に露出する。
次に、図6(b)に示すように、p型GaN層6の上に厚さが250nmのITOからなるp側透明電極7を形成する。なお、p側透明電極7には、p型GaN層6に対して良好な電極が形成でき、且つ、発光ダイオード素子の発光波長に対して十分に高い透過率を有する限りは、例えばニッケル(Ni)と金(Au)との積層膜等を用いることができる。その一例として、Ni/Auからなる積層膜の好ましい膜厚は、合わせて10nm程度である。
次に、図6(c)に示すように、真空蒸着法等により、p側透明電極7の上にTi/Al/Ni/Auの積層体からなるp側電極8を選択的に形成する。このとき、エッチングにより露出したn型GaN層4の上にも、Ti/Al/Ni/Auの積層体からなるn側電極9を選択的に形成する。その後、CVD法により、p側透明電極7の上のp側電極8を除く領域、p型GaN層6、MQW活性層5及びn型GaN層4の露出した側面、並びに露出したn型GaN層4の上のn側電極9を除く領域とに、膜厚が400nmのSiOからなる保護膜10を形成する。
このように、第1の実施形態の製造方法によると、p型GaN層6におけるマスク膜2の上側部分にp側透明電極7及びp側電極8を形成するため、横方向成長法により形成されたn型GaN層4のうちマスク膜2の上側部分に形成された領域を発光領域として有効に利用することができる。その上、p側電極8は、マスク膜2の上に横方向成長した終端部の上側部分の低品質の領域に形成されているため、低品質の領域を非発光領域として有効に利用することができる。また、n側電極9はn型GaN層4における開口部2aの上側の露出部分に形成されており、開口部2aの上側部分は結晶欠陥が比較的に多いものの、該n側電極9も非発光領域に形成されている。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図7(a)及び図7(b)は本発明の第2の実施形態に係る窒化物半導体発光素子(発光ダイオード素子)であって、(a)は平面構成を示し、(b)は(a)のVIIb−VIIb線における断面構成を示している。図7(a)及び(b)において、図1(a)及び(b)と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図7(a)及び(b)に示すように、第2の実施形態に係る窒化物半導体発光素子は、シリコンからなる基板1の主面上に形されるマスク膜2における複数の開口部2aがいずれもドット状、すなわち平面円形状を有している。
マスク膜2の各開口部2aが円形状である場合は、n型GaN層4の良好な横方向成長を実現するために、円形状の開口部2aを周期的に配置している。ここで、互いに隣接する開口部2a同士の間隔は0よりも大きく且つ15μm以下とし、開口部2aの直径は0.1μm以上且つ15μm以下とするのが望ましい。
第2の実施形態においては、p側電極8は、p型GaN層6の上にp側透明電極7を介在させ、且つ直線状に配置された複数の開口部2aの上方に跨って延びるように形成されている。また、n側電極9は、露出したn型GaN層4の上で且つ直線状に配置された複数の開口部2aの上方に跨って延びるように且つp側電極8と交互に形成されている。
このようにすると、マスク膜2の開口部2aの上側に形成された窒化物半導体の高品質ではない領域を非発光部となる電極形成領域として有効に利用しながら、p側透明電極7により電流拡散を補助する機能を持たせることができる。
なお、マスク膜2には、第1の実施形態と同様に、DBRミラーとしての誘電体多層膜、誘電体単層膜又は反射率が高い金属膜を用いることができる。また、開口部2aの平面形状は、円形状に限られず、平面六角形状であってもよい。
以上説明したように、第2の実施形態によると、n型GaN層4をマスク膜2を用いた選択成長法を用いることにより、n型GaN層4に成長するMQW活性層5は、基板面から垂直な方向に延びる貫通転位が低減されて高品質な結晶となるため、発光効率を向上させることができる。また、MQW活性層5からの発光光のうち基板1側に向かう光をマスク膜2によって基板1とは反対側へ反射できるため、シリコンからなる基板1による光吸収の損失を低減できるので、光取り出し効率の向上をも実現できる。
本発明に係る窒化物半導体発光素子は、シリコンを成長用基板に用いても、高品質の窒化物半導体を形成でき、且つ基板による光の吸収を低減して輝度の向上を図ることができ、各種表示用又は照明用の窒化物半導体発光素子等に有用である。
(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のIb−Ib線における断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子における光取り出し効率のTiO/SiOペア数依存性を表わすグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子において、マスク幅を10μmとし、開口幅を0.5μmとするストライプ状マスク膜を用いた場合の窒化物半導体の選択成長後の様子を示す平面写真である。 比較用であって、マスク幅を20μmとし、開口幅を20μmとするストライプ状マスク膜を用いた場合の窒化物半導体の選択成長後の様子を示す平面写真である。 (a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法を示す工程順の断面図である。 (a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法を示す工程順の断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る窒化物半導体発光素子を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のVIIb−VIIb線における断面図である。
符号の説明
1 基板
2 マスク膜
2a 開口部
2b 露出領域
2A マスク形成膜
3 バッファ層
4 n型GaN層
5 活性層
6 p型GaN層
7 p側透明電極
8 p側電極
9 n側電極
10 保護膜
11 不良な成長物
12 島状の堆積物

Claims (11)

  1. シリコンからなる基板と、
    前記基板の主面上に形成され、複数の開口部を有するマスク膜と、
    前記マスク膜の上に前記各開口部からそれぞれ横方向に結晶成長してなる第1の窒化物半導体層と、
    前記第1の窒化物半導体層の上に形成され、発光を供する活性層を含む第2の窒化物半導体層とを備え、
    前記マスク膜の反射率は、前記活性層からの発光波長において前記基板の反射率よりも大きいことを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記第1の窒化物半導体層における前記開口部の上側部分は選択的に露出されており、前記第1の窒化物半導体層における露出領域上に形成された第1の電極と、
    前記第2の窒化物半導体層の上であって、前記第1の窒化物半導体層における前記マスク膜上に横方向成長した終端部の上方部分又は前記開口部の上方部分に選択的に形成された第2の電極とをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 前記マスク膜は、屈折率が互いに異なる誘電体膜を交互に積層させてなる周期構造を有する誘電体積層膜により構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記誘電体積層膜の各層の膜厚は、前記発光層から生ずる発光波長に相当する光学波長の4分の1倍であることを特徴とする請求項3に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記マスク膜は金属からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記マスク膜の各開口部は、前記第1の窒化物半導体における結晶軸の<1−100>方向又は結晶軸の<11−20>方向に延びるストライプ形状を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 前記マスク膜のストライプ状部分の幅は0より大きく且つ15μm以下であり、前記各開口部の幅は0.1μm以上且つ15μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の窒化物半導体発光素子。
  8. 前記マスク膜の各開口部は、ドット状を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  9. 前記各開口部は円形状を有していることを特徴とする請求項8に記載の窒化物半導体発光素子。
  10. 前記円形状の開口部を有するマスク膜において、隣接する開口部同士の間隔は0より大きく且つ15μm以下であり、前記各開口部の直径は0.1μm以上且つ15μm以下であることを特徴とする請求項9に記載の窒化物半導体発光素子。
  11. 前記第1の窒化物半導体層の上面は平坦であり、
    前記活性層は、平坦な前記第1の窒化物半導体層の上に形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
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