JP2008275829A - 形状可変ミラー及びその製造方法、並びに光ピックアップ装置 - Google Patents

形状可変ミラー及びその製造方法、並びに光ピックアップ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】鏡面に局所的な歪みが発生することを抑制でき、且つ圧電アクチュエータの動作効率が良い形状可変ミラーを提供する。
【解決手段】形状可変ミラー1は、ベース2と、ベース2と対向配置され、ベース2と対向する面と反対側の面に鏡面3aが形成されるミラー基板3と、ベース2上に配置されてミラー基板3を支持する支柱4と、電圧を印加することにより伸縮する圧電体を有し、ベース2上に配置されて、ミラー基板3の支柱4に接合されていない可動部を変位させる圧電アクチュエータ5と、を備える。圧電アクチュエータ5のミラー基板3と対向する端部には、圧電体と異なる材料から成る高さ調整用の調整部材8が接合されており、調整部材8は、支柱4のミラー基板3と接合される端部と同一材料から成り、ミラー基板3と調整部材8とは接合されない。
【選択図】図1

Description

本発明は、鏡面の形状を変形可能に設けられる形状可変ミラーに関し、より詳細には、圧電アクチュエータの伸縮により鏡面の形状を変形可能とされる形状可変ミラーに関する。また、本発明は、そのような形状可変ミラーの製造方法に関する。更に、本発明は、そのような形状可変ミラーを備える光ピックアップ装置に関する。
従来、その鏡面の形状を変形して、入射する光ビームの光学的歪み等を補正する形状可変ミラーについて種々の提案がなされており、例えば、光ディスク装置、ビデオプロジェクタ、デジタルカメラ等の光学装置の分野で注目されている。
具体的には、例えば、光ピックアップ装置の分野において、特許文献1〜5に示されるように、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタル多用途ディスク)等の光ディスクを記録再生する際に発生するコマ収差や球面収差等の波面収差の補正を行うために形状可変ミラーを用いる技術が提案されている。なお、ここでコマ収差とは、光ディスクのディスク面が光軸に対して傾くことによって発生する収差で、球面収差とは、主に光ディスクの記録面を保護する透明樹脂(保護層)の厚さの違いが原因となって発生する収差である。
このような形状可変ミラーには、特許文献1に示されるような圧電素子を使用したユニモルフ又はバイモルフ形状の形状可変ミラーや、特許文献2に示されるような圧電膜等の薄膜を積層させて形成する形状可変ミラーがある。しかし、特許文献1や特許文献2に示される形状可変ミラーの場合、鏡面の変形量を大きくするのが容易でないといった問題がある。
特許文献1や2と異なる形状可変ミラーとして、特許文献3〜5に示されるような、柱状に形成される圧電素子(圧電アクチュエータ)の縦方向(形状可変ミラーが備える鏡面と直交する方向)の伸縮を利用して、鏡面を変形させる形状可変ミラーがある。図5は、特許文献3〜5に示されるような従来の形状可変ミラー100の構成を示す概略断面図で、図5(a)は鏡面102aが変形されていない状態を示し、図5(b)は鏡面102aが変形された状態を示している。
従来の形状可変ミラー100は、図5に示すように、ベース101と、ベース101に対向配置され、ベース101と対向する面と反対側の面に鏡面102aを有するミラー基板102と、ベース101上に配置されてミラー基板102を支持する支柱103と、ベース101上に配置されて、ミラー基板102の支柱103と接合される部分に囲まれる可動部を伸縮により変位させる圧電アクチュエータ104と、を備えている。
そして、例えば、圧電アクチュエータ104が伸びると、図5(b)の示すようにミラー基板102が変位し、それによって鏡面102aが変形する。このような構成の場合、薄膜を積層させて形成される形状可変ミラー等に比べて、鏡面102aの大きな変形を得やすいといった利点や製造が容易であるといった利点等も有する。
特開2004−109562号公報 特開2005−196859号公報 特開2006−302389号公報 特開2006−302390号公報 特開2006−351154号公報
しかしながら、圧電アクチュエータの縦方向の伸縮を利用して鏡面を変形させる従来の形状可変ミラー100は、次のような問題点を有する。
ミラー基板102と圧電アクチュエータ104とを接合すると、その接合時に用いる接着剤等の影響で、ミラー基板102の鏡面102aに局所的な歪みが発生する。この場合、局所的な歪みが発生した部分については、反射される光の方向が所望の方向とはならない。このため、形状可変ミラー100を用いても、光学的な歪みを十分に補正できないといった問題が生じる。
この点を考慮して、ミラー基板102と圧電アクチュエータ104とを接合しないのが好ましいが、この場合には図6に示すように、ミラー基板102と圧電アクチュエータ104との間に隙間dが生じる場合がある。これは、次のような理由により生じる。
形状可変ミラー100を構成する支柱103と圧電アクチュエータ104は、通常異なる材料からなっているために、別々に準備される。この際、圧電アクチュエータ104に電圧が印加されていない状態において鏡面102aが平滑となるように、支柱103と圧電アクチュエータ104はその高さが同じとなるように準備される。
しかし、製造時のばらつきにより、支柱103と圧電アクチュエータ104の高さに通常ばらつきが発生する。このために、支柱103と圧電アクチュエータ104の高さが揃うように研磨工程が実施される。この際、支柱103と圧電アクチュエータ104とは異なる材料で形成されているために、研磨時の加工レートに差が発生する。例えば、圧電アクチュエータ104の硬度が支柱103の硬度より小さい場合には、圧電アクチュエータ104の方がその高さが低くなってしまう。この場合、最終的に得られる形状可変ミラー100においては、ミラー基板102と圧電アクチュエータ104との間に隙間dが生じる。
そして、この隙間dが生じた場合には、例えば、圧電アクチュエータ104を伸ばしてミラー基板102の変形を行う場合に、圧電アクチュエータ104が伸びても隙間d分はミラー基板102の変形に寄与しないこととなる。このために、ミラー基板102の変形を行う際に、圧電アクチュエータ104に印加する電圧を大きくする必要が生じ、その動作効率が悪くなる。そして、場合によっては鏡面102aの十分な変形が得られない場合の生じる。
なお、圧電アクチュエータ104の方が、支柱103よりもその硬度が大きい場合には、圧電アクチュエータ104の方が支柱103より高くなり、この場合には、最終的に得られる形状可変ミラー100において、ミラー基板102の鏡面102aに局所的な歪みを生じる可能性があり、この場合も問題となる。
また、支柱103を圧電アクチュエータ104と同一の材料とすると、研磨時の支柱103と圧電アクチュエータ104との加工レートが同一となり、両者の高さを揃えることが可能となるが、このような場合には、コストの高い圧電アクチュエータを大量に使用することになって、形状可変ミラーの製造コストが高くなるといった問題が生じる。
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、圧電アクチュエータの伸縮により鏡面の形状を変形可能とされる形状可変ミラーにおいて、鏡面に局所的な歪みが発生することを抑制でき、且つ圧電アクチュエータの動作効率が良い形状可変ミラーを提供することである。また、本発明の他の目的は、そのような形状可変ミラーを製造する方法を提供することである。更に、本発明の他の目的は、そのような形状可変ミラーを備えることにより、低消費電力で情報の読み出しや書き込みを適切に行える光ピックアップ装置を提供することである。
上記目的を達成するために本発明は、ベースと、前記ベースと対向配置され、前記ベースと対向する面と反対側の面に鏡面が形成されるミラー基板と、前記ベース上に配置されて前記ミラー基板を支持する支柱と、電圧を印加することにより伸縮する圧電体を有し、前記ベース上に配置されて、前記ミラー基板の前記支柱に接合されていない可動部を変位させる圧電アクチュエータと、を備える形状可変ミラーにおいて、前記圧電アクチュエータの前記ミラー基板と対向する端部には、前記圧電体と異なる材料から成る高さ調整用の調整部材が接合されており、前記調整部材は、前記支柱の前記ミラー基板と接合される端部と同一材料から成り、前記ミラー基板と前記調整部材とは接合されないことを特徴としている。
この構成によれば、ミラー基板と圧電アクチュエータに接合される調整部材とを接合しない構成であるために、鏡面に発生する局所的な歪みを抑制することが可能である。また、支柱のミラー基板と接合される端部と、圧電アクチュエータのミラー基板と対向する端部に接合される調整部材と、が同一材料から成るために、支柱と圧電アクチュエータ(調整部材が接合されているものを指している)の高さを揃え易い。このために、ミラー基板と調整部材とを接合しない場合でも、ミラー基板と圧電アクチュエータ(調整部材が接合されているものを指している)との間に隙間が発生することを抑制でき、圧電アクチュエータの動作効率を良好なものとできる。更に、支柱を圧電アクチュエータと全く同一の材料とする構成でないので、上記の効果が得られる形状可変ミラーについて、その製造コストを低く抑えられる。
また、本発明は、上記構成の形状可変ミラーにおいて、前記支柱は、前記ミラー基板と接合される端部から前記ベースと接合される端部まで、同一材料で形成されることとしても構わない。
この構成によれば、支柱について、異なる材料からなる部材同士を貼り合わせて製造する必要がなく、形状可変ミラーの製造時の作業負担を低減できる。
また、上記目的を達成するために本発明は、ベースと、前記ベースと対向配置され、前記ベースと対向する面と反対側の面に鏡面が形成されるミラー基板と、前記ベース上に配置されて前記ミラー基板を支持する支柱と、電圧を印加することにより伸縮する圧電体を有し、前記ベース上に配置されて、前記ミラー基板の前記支柱に接合されていない可動部を変位させる圧電アクチュエータと、を備える形状可変ミラーの製造方法において、前記圧電アクチュエータの前記ミラー基板と対向する端部に、前記支柱の前記ミラー基板に接合予定の端部と同一材料から成る高さ調整用の調整部材を接合する工程と、前記支柱と前記調整部材が接合された前記圧電アクチュエータとを、前記ベースに接合した状態で同時に研磨する工程と、を具備することを特徴としている。
この構成によれば、形状可変ミラーの製造時において、形状可変ミラーが有する支柱と圧電アクチュエータ(研磨終了後にも調整部材が残る場合には、それも含めて圧電アクチュエータと表現している)の高さを研磨によって揃え易い。このために、ミラー基板と圧電アクチュエータとを接合しない場合においても、圧電アクチュエータの動作効率が良い形状可変ミラーを提供可能である。
また、本発明は、上記構成の形状可変ミラーを備える光ピックアップ装置であることを特徴としている。
この構成によれば、光ピックアップ装置が備える形状可変ミラーは、鏡面に発生する局所的な歪みを抑制しつつ、圧電アクチュエータの動作効率が良い。このために、形状可変ミラーによって、光ピックアップ装置の光学系で発生する波面収差を、低消費電力で適切に補正することが可能となる。すなわち、低消費電力で、情報の読み出しや書き込みを適切に行える光ピックアップ装置を提供することが可能となる。
本発明によれば、圧電アクチュエータの伸縮により鏡面の形状を変形可能とされる形状可変ミラーにおいて、鏡面に局所的な歪みが発生することを抑制でき、且つ圧電アクチュエータの動作効率が良い形状可変ミラーを提供できる。また、本発明の製造方法によれば、そのような形状可変ミラーを容易に製造できる。更に、本発明によれば、低消費電力で情報の読み出しや書き込みを適切に行える光ピックアップ装置を提供できる。
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。また、各図面は、本発明の内容を理解しやすいように描かれたものであり、図面中の各部材の大きさや厚み等は、実際の構成とは必ずしも一致しない。
図1は、本実施形態の形状可変ミラーの構成を示す概略斜視図で、説明の便宜上、ミラー基板のみ分解した状態で示している。また、図2は、図1のA−A位置における断面図である。この図1及び図2を参照しながら、本実施形態の形状可変ミラーの構成について説明する。
1は、形状可変ミラーであり、その鏡面を変形可能に設けられ、入射する光ビームの光学的な歪みを補正するために用いられるデバイスである。この形状可変ミラー1は、ベース2と、ベース2と対向配置されるミラー基板3と、ベース2上に配置されてミラー基板3を支持する支柱4と、ベース2上に配置されて、その伸縮によりミラー基板3を変位して、ミラー基板3の鏡面3aを変形する圧電アクチュエータ5と、を備える。以下、各部について詳細に説明する。
ベース2は、支柱4及び圧電アクチュエータ5を支持する役割を果たす。ベース2は、絶縁性の部材で構成され、例えば、ガラスやセラミックス等で形成される。ベース2上には、圧電アクチュエータ5に給電するための電極7を含む配線パターン6が形成されている。この配線パターン6は、例えば、ガラス基板上にシリコン(Si)パターンを形成し、その上に例えば金(Au)等の金属を蒸着することによって形成される。
ミラー基板3は、ベース2と略平行に対向配置され、ベース2と対向する面と反対側の面に鏡面3aが形成されている。このミラー基板3は、圧電アクチュエータ5の伸縮によって変位する可動部を有し、可動部の変位に伴ってミラー基板3の鏡面3aが変形されるように構成されている。
ここで上述のミラー基板3の可動部について説明しておく。ミラー基板3は後述するように支柱4と接合される。このために、支柱4と接合された部分は変位されないが、この支柱4によって接合された部分に囲まれる領域については、力を加えることによって変位可能である。すなわち、本実施形態の形状可変ミラー1が有するミラー基板3のうち、支柱4によって接合された部分に囲まれる領域が可動部に該当する。
ミラー基板3は、圧電アクチュエータ5の伸縮によって変位されるように、その厚みをある程度薄くしておく必要がある。また、ミラー基板3は圧電アクチュエータ5の伸縮に伴う変形で破壊されては困るために、剛性を有する物質で形成される必要がある。このような点を考慮して、本実施形態においては、このミラー基板3をシリコン(Si)基板によって形成している。ただし、ミラー基板3を構成する物質がシリコンに限定される趣旨ではなく、薄くすることが可能で剛性を有する物質であれば、他の物質でも構わない。
ミラー基板3の鏡面3aは、例えばミラー基板3上にアルミニウム(Al)の層を形成することにより得ている。Alの層の形成は、蒸着法やスパッタリング法等の方法で形成される。なお、鏡面3aは、アルミニウムに限らず、形状可変ミラー1の鏡面3aに入射する光ビームの反射光について所望の反射率を得られる物質であれば、例えば金(Au)や銀(Ag)等、種々の変更が可能である。また、本実施形態においては、ミラー基板3の上面全体を鏡面3aとする構成としているが、これに限定されず、入射する光ビームの入射径を考慮して、鏡面3aの領域を決定し、その部分にのみ反射層を形成する構成等としても構わない。
支柱4は、ベース2上に配置されてミラー基板3を支持する役割を果たす。本実施形態においては、支柱4は、ミラー基板3の四隅と、矩形に形成されるミラー基板3の各辺の中央部(四隅に配置される支柱4のうちの2つに挟まれる位置)と、の計8箇所でミラー基板3を支持している。なお、支柱4の配置については、本実施形態の構成に限定される趣旨ではなく、その目的等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態においては、支柱4は、異なる材料で構成される第1領域4aと第2領域4bとから成っている。第1領域は、ベース2と接合される端部を含む領域で、例えばガラスで形成される。一方、第2領域4bは、ミラー基板3と接合される端部を含む領域で、例えばシリコンで形成される。第1領域4aと第2領域4bは、例えばエポキシ樹脂等の接着剤で接合されている。
支柱4をこのように材料の異なる2つの領域4a、4bとするのは、支柱4と圧電アクチュエータ5との高さを揃え易いようにするためである。この点については、後述する。なお、支柱4と圧電アクチュエータ5との高さが揃っていない場合、上述のように、圧電アクチュエータ5の動作効率が悪くなったり、局所的な歪みが発生したりするといった問題があり、これを解消することを目的とするものである。
なお、本実施形態においては、支柱4とベース2との接合、及び支柱4とミラー基板3との接合は、いずれも、接合するものの間に接合層である金属層(例えばAu層)を介在させ、例えば、400℃から550℃の高温下、圧力を加えて接合する方式(熱圧着方式)によって行っている。ただし、これらの接合については、接着剤を用いて行う構成としても構わない。
圧電アクチュエータ5は、電圧を印加することにより伸縮する圧電体を有している。そして、この圧電体と、圧電体を挟むように配置される2つの内部電極(正極と負極)と、で構成される単位を一単位とし、これらが積層してなる積層型の圧電アクチュエータが、本実施形態の圧電アクチュエータ5となっている。積層型の圧電アクチュエータの構成は、公知であるためにその詳細な構成は、ここでは省略する。
なお、本実施形態では、大きな変位を得やすい等の理由で積層型の圧電アクチュエータとしているが、積層型でない圧電アクチュエータであっても構わない。また、圧電アクチュエータ5を構成する圧電体の種類としては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)やチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(ZrxTi1-x)O3)のような圧電セラミックスが挙げられるが、その種類は特に限定されるものではない。本実施形態においては、圧電特性が優れるチタン酸ジルコン酸鉛を用いている。
圧電アクチュエータ5は、ベース2に形成される電極7(正極と負極の2つの電極から成る)の上に配置され、これにより給電可能とされる。また、本実施形態では、圧電アクチュエータ5は、ミラー基板3を基準として、ミラー基板3の外周側に配置される支柱4よりも内側に配置される。そして、ベース2上に十字方向に4つ配置され、更に、向かい合う圧電アクチュエータ5同士が、鏡面3aの中心を通り鏡面3aと直交する軸に対して対称位置となるように配置されている。
このように圧電アクチュエータ5を配置するのは、圧電アクチュエータ5の数を多くしすぎず、鏡面3aの変形をバランス良く行い易いからである。ただし、圧電アクチュエータ5の配置及び数は、この構成に限定されず、種々の変更が可能である。
なお、圧電アクチュエータ5とベース2との接合は、金属層(例えばAu層)の介在により、高温下(例えば、400℃から550℃)で圧力を加えて接合する熱圧着方式でも良いし、接着剤を用いて行う方式でも構わない。
また、本実施形態の圧電アクチュエータ5においては、ミラー基板3と対向する端部に、圧電体と異なる材料から成る高さ調整用の調整部材8が、例えばエポキシ樹脂等の接着剤で接合されている。そして、この調整部材8を構成する材料は、支柱4の第2領域4bを構成する材料と同一材料(本実施形態ではシリコン)とされている。これは、支柱4と圧電アクチュエータ5との高さを揃え易くするためであり、この点については後述する。
なお、圧電アクチュエータ5に接合される調整部材8は、ミラー基板3とは接合されない。これは、ミラー基板3の鏡面3aに局所的な歪みが発生することを低減するためである。
次に、本実施形態の形状可変ミラー1の製造方法について説明する。なお、ここに示す製造方法は一例であり、必ずしもこの手順に限定される趣旨ではない。
まず、ベース2となるガラス基板に、シリコン基板が陽極接合によって接合される。次に、陽極接合によってガラス基板に接合されたシリコン基板について、例えばリソグラフィー手法を用いて、所望のシリコンパターンが形成されるように加工が施される。形成されたシリコンパターン上に、導電性層(例えばAu層)が蒸着法やスパッタリング法等によって形成される。これにより、ベース2上に電極7を含む配線パターン6が形成される。
なお、本実施形態においては、シリコンパターン上にAu層を形成する際に、ベース2上の支柱4が配置される位置にも、Au層を形成するようにしている。これは、支柱4を上述の熱圧着方式で接合するためである。
ベース2上に配線パターン6を形成する上記の工程と平行して、支柱4と圧電アクチュエータ5の準備をしておく。まず、支柱4の準備工程について説明する。支柱4の第1領域4aを形成する部分(例えばガラスから成る)及び第2領域4bを形成する部分(例えばシリコンから成る)を所定のサイズに切り出しておく。そして、その両者をエポキシ樹脂等から成る接着剤で接合する。
次に、圧電アクチュエータ5の準備工程について説明する。圧電アクチュエータ5についても、所定のサイズとなるように形成しておく。また、圧電アクチュエータ5のミラー基板3と対向する側の端部に配置する調整部材8(例えばシリコンから成る)についても所定のサイズに切り出しておく。そして、圧電アクチュエータ5に調整部材8を例えばエポキシ樹脂等から成る接着剤で接合する。
準備した支柱4及び圧電アクチュエータ5(調整部材8が接合されたもの)を、ベース2の所定の位置に接合する。この際、支柱4については、第1領域4aをベース2に接合する。接合の方式は、本実施形態では上述の熱圧着方式によって接合する構成となっている。ただし、接着剤で接合する等しても構わない。
ベース2に接合された支柱4と圧電アクチュエータ5(調整部材8が接合されたもの)は、研磨によってその高さが揃えられる。この際、研磨されるのは、支柱4の第2領域4bと圧電アクチュエータ5に接合された調整部材8であり、この両者はその構成材料が同一(本実施形成では、いずれもシリコン)であるために、上述したような研磨時の加工レートの差が発生することなく、両者の高さを正確に揃えることができる。
なお、この研磨工程で、支柱4の第2領域4b及び圧電アクチュエータ5に接合された調整部材8のうちのいずれか一方が、支柱4と圧電アクチュエータ5(研磨により調整部材8が残る場合は、調整部材8も含めて圧電アクチュエータとする)の高さが揃うと同時になくなるといった状態も想定できる。しかし、このような状態を狙って支柱4の第2領域4bや調整部材8を設けるのは困難であり、研磨される可能性があると推定される厚みより大きな厚みとなるように、支柱4の第2領域4bや調整部材8は設けられる。
支柱4及び圧電アクチュエータ5(調整部材8を含めて表現している)の研磨が終了すると、ミラー基板3と支柱4とが接合され、形状可変ミラー1が完成する。なお、この際の接合は、上述の熱圧着方式によっても構わないし、接着剤等によって接合しても構わない。
本実施形態の形状可変ミラー1は、ミラー基板3と、圧電アクチュエータ5のミラー基板3と対向する端部に接合される調整部材8と、が接合されないために、ミラー基板3の鏡面3aに発生する局所的な歪みを低減できる。そして、支柱3と圧電アクチュエータ5(調整部材8を含めて表現している)との高さを揃えられるので、圧電アクチュエータ5とミラー基板3との間に隙間が発生したり、鏡面3aに余計な歪みが発生したりするのを極力抑えることができる。このために、本実施形態の形状可変ミラー1は、鏡面に局所的な歪みが発生することを抑制でき、且つ圧電アクチュエータ5の動作効率が良い。
なお、以上に示した実施形態の形状可変ミラー1においては、支柱4について、構成材料の異なる第1領域4aと第2領域4bとから成る構成とした。しかし、この構成に限定される趣旨ではない。すなわち、図3に示すように、支柱4全体を同一材料で形成しても構わない。この場合、圧電アクチュエータ5に接合される調整部材8は、支柱4と同一材料(例えばシリコン)とされる。そして、支柱4について、第1領域4aと第2領域4bとを設け、それらを接合するという工程が不要となるために作業効率が良くなる。なお、図3は、本実施形態の形状可変ミラー1の変形例を説明するための説明図である。
次に、本実施形態の形状可変ミラー1が用いられる光ピックアップ装置について、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態の光ピックアップ装置の光学系の構成を示す概略図である。なお、光ピックアップ装置10は、光ディスク20にレーザ光を照射して、情報の読み取り及び情報の書き込みを可能とする装置である。
光ピックアップ装置10は、半導体レーザ11と、コリメートレンズ12と、ビームスプリッタ13と、形状可変ミラー1と、1/4波長板14と、対物レンズ15と、集光レンズ16と、光検出器17と、を備えている。
半導体レーザ11から出射されたレーザ光は、コリメートレンズ12で平行光に変換され、この平行光は、ビームスプリッタ13を通過して、形状可変ミラー1で反射され、1/4波長板14でレーザ光の偏光状態を変化された後に、対物レンズ15で集光されて光ディスク20に焦点を合わせる。また、光ディスク20から反射されたレーザ光は、対物レンズ15、1/4波長板14を通過後、形状可変ミラー1で反射されて、ビームスプリッタ13を介して、集光レンズ16によって光検出器17に集光される。
このような光ピックアップ装置10において、形状可変ミラー1は、1つは、従来の立ち上げミラーの役割を果たしている。一方で、形状可変ミラー制御部18からの命令により、その鏡面3aを適宜変形することによって、この半導体レーザ11から出射されたレーザ光に発生する光学的な歪み(コマ収差や球面収差等の波面収差)の補正を行う役割も果たしている。
形状可変ミラー制御部18は、例えば、予めメモリ(図示せず)に記憶しておいた情報に基づいて、形状可変ミラー1の鏡面3aを適宜変形するように形状可変ミラーの動作を制御する構成としても良い。また、光検出器17で得られた信号に基づいて好ましい鏡面3aの状態となるように、圧電アクチュエータ5に印加する電圧を適宜変化させながら、形状可変ミラー1の動作を制御する構成等としても構わない。
なお、本実施形態の光ピックアップ装置10においては、形状可変ミラー1は、立ち上げミラーとしての機能を有するように構成しているが、必ずしもこれに限定される趣旨ではなく、他の構成としても構わない。
また、以上においては、本発明の形状可変ミラー1が光ピックアップ装置10に用いられる場合を示した。しかし、本発明の形状可変ミラーは、入射する光ビームの光学的な歪みを補正できるために、光学装置に広く適用可能であり、例えばビデオプロジェクタやデジタルカメラ等にも適用できる。
その他、以上に示した実施形態では、形状可変ミラー1は、図1に示すように全体の形状が矩形状であるが、特にこの形状に制限されるものでなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、ベース2やミラー基板3等が円形に構成されても構わず、ベース2とミラー基板3とのサイズが異なる構成等としても構わない。
本発明の形状可変ミラーは、鏡面に発生する局所的な歪みを低減できるために、光ビームが有する光学的な歪みを適切に補正することが可能となる。また、鏡面を変形させる圧電アクチュエータの動作効率が良いために、消費電力を低く抑えることも可能である。従って、本発明の形状可変ミラー及びそれを備える光ピックアップ装置は有用である。
は、本実施形態の形状可変ミラーの構成を示す概略斜視図である。 は、図1のA−A位置における断面図である。 は、本実施形態の形状可変ミラーの変形例を説明するための説明図である。 は、本実施形態の形状可変ミラーを備える光ピックアップ装置の光学系の構成を示す概略図である。 は、従来の形状可変ミラーの構成を示す概略断面図である。 は、従来の形状可変ミラーの問題点を説明するための説明図である。
符号の説明
1 形状可変ミラー
2 ベース
3 ミラー基板
3a 鏡面
4 支柱
5 圧電アクチュエータ
8 調整部材
10 光ピックアップ装置

Claims (4)

  1. ベースと、
    前記ベースと対向配置され、前記ベースと対向する面と反対側の面に鏡面が形成されるミラー基板と、
    前記ベース上に配置されて前記ミラー基板を支持する支柱と、
    電圧を印加することにより伸縮する圧電体を有し、前記ベース上に配置されて、前記ミラー基板の前記支柱に接合されていない可動部を変位させる圧電アクチュエータと、
    を備える形状可変ミラーにおいて、
    前記圧電アクチュエータの前記ミラー基板と対向する端部には、前記圧電体と異なる材料から成る高さ調整用の調整部材が接合されており、
    前記調整部材は、前記支柱の前記ミラー基板と接合される端部と同一材料から成り、
    前記ミラー基板と前記調整部材とは接合されないことを特徴とする形状可変ミラー。
  2. 前記支柱は、前記ミラー基板と接合される端部から前記ベースと接合される端部まで、同一材料で形成されることを特徴とする請求項1に記載の形状可変ミラー。
  3. ベースと、前記ベースと対向配置され、前記ベースと対向する面と反対側の面に鏡面が形成されるミラー基板と、前記ベース上に配置されて前記ミラー基板を支持する支柱と、電圧を印加することにより伸縮する圧電体を有し、前記ベース上に配置されて、前記ミラー基板の前記支柱に接合されていない可動部を変位させる圧電アクチュエータと、を備える形状可変ミラーの製造方法において、
    前記圧電アクチュエータの前記ミラー基板と対向する端部に、前記支柱の前記ミラー基板に接合予定の端部と同一材料から成る高さ調整用の調整部材を接合する工程と、
    前記支柱と前記調整部材が接合された前記圧電アクチュエータとを、前記ベースに接合した状態で同時に研磨する工程と、
    を具備することを特徴とする形状可変ミラーの製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の形状可変ミラーを備えることを特徴とする光ピックアップ装置。
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