JP2008275670A - 液晶表示素子の製造方法、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2枚の透明基板の少なくとも一方に液晶を滴下塗布し、他方の透明基板を貼り合わせることにより液晶セルを作製する滴下工法による液晶表示素子の製造方法であって、前記2枚の透明基板の少なくとも一方に、シール剤を用いて枠状のシールパターンを形成する工程、加熱することで前記シールパターンを増粘させる工程、及び、増粘させた前記シールパターンを介して他方の透明基板を貼り合せて液晶セルを作製する工程を有する液晶表示素子の製造方法。
【選択図】なし
Description
液晶表示素子は、通常、配向膜が形成された2枚の透明基板が、その外周付近に形成されたシール剤を介して貼り合わされ、これら2枚の透明基板とシール剤とで形成された空間内に液晶材料が封入された構造となっている。
以下に本発明を詳述する。
このような差し込み現象の問題を解決する方法として、例えば、粘度の高いシール剤を用いてシールパターンを形成することが考えられたが、このような高粘度のシール剤は、ディスペンス性が悪くなり、ディスペンス時のかすれ、線切れ等の弊害が生じてしまう可能性があった。
そこで、本発明者らは、更に鋭意検討した結果、液晶滴下工法による液晶表示素子の製造において、他の透明基板を貼り合わせて液晶セルを作製する工程を行う前に、未硬化のシール剤からなるシールパターンを増粘させておくことで、製造する液晶表示素子にシールパターンへの液晶の差し込み現象が生じることを防止することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の液晶表示素子の製造方法において、上記2枚の透明基板の少なくとも一方に液晶を滴下塗布する方法としては特に限定されず、公知の滴下工法と同様の方法が挙げられる。
また、上記液晶セルとは、2枚の透明基板と後述する未硬化のシール剤からなるシールパターンとで形成される空間内に液晶が満たされた構造体である。従って、上記液晶は、上記液晶セルを作製したときに、2枚の透明基板とシールパターンとが形成する空間内を満たすよう適宜調整して滴下塗布する。
上記透明基板としては特に限定されず、例えば、液晶表示素子を構成する基板として公知のものが挙げられ、例えば、ITO等の透明電極が設けられたガラス基板等が挙げられる。
また、形成するシールパターンの形状としては、枠状であれば特に限定されず、例えば、長方形、正方形、円形、楕円形、トラック形状等任意の形状が挙げられるが、通常、使用する透明基板の外形に沿った形状の枠状とすることが多い。
本工程では、加熱することで上記シールパターンを増粘させる。本工程を行うことで、上記シールパターンを、後述する液晶セルを作製する工程で他方の基板を貼り合わせた際に、広がろうとする液晶の圧力に対して充分に抗することができるものとなる。その結果、製造する液晶表示素子にシールパターンへのシール剤の差し込み現象が生じることを防止することができる。
ここで、滴下工法による液晶表示素子の製造において、上記シールパターンを光照射により増粘させる方法も考えられるが、光照射では増粘後のシールパターンの粘度をコントロールすることが非常に難しいという問題がある。
上記(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記プレゲル成分としては特に限定されず、例えば、メタクリル酸とアルキル化合物との共重合体や、ジベンジリデンソルビトール等の糖化合物等が挙げられる。このようなプレゲル成分のうち、市販されているものとしては、例えば、ゼオンF−320、ゼオンF−301、ゼオンF−340(以上、いずれも日本ゼオン社製)、ゲルオールD、ゲルオールMD(以上、いずれも新日本理化社製)等が挙げられる。
このようなプレゲル成分を含有するシール剤からなるシールパターンは、本工程で加熱すると、上記プレゲル成分のゲル化が進行して増粘される。
このような溶剤を含有するシール剤からなるシールパターンは、本工程で加熱すると該溶剤が揮発し増粘される。
上記熱硬化剤としては特に限定されないが、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記フィラーとしては特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム等の無機フィラーや、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機フィラーが挙げられる。
本工程を行うことで、2枚の透明基板が未硬化のシール剤からなるシールパターンを介して対向され、該2枚の透明基板及びシールパターンの形成する空間内に液晶が満たされた液晶セルが作製される。このような液晶セルを作製する方法としては特に限定されず、公知の滴下工法による液晶表示素子の製造における方法と同様の方法が挙げられる。
このような本発明の液晶表示素子の製造方法により製造されてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
下記表1に示す割合で各樹脂成分を遊星式攪拌装置にて混合攪拌した後、光重合開始剤を加熱溶解させた。
その後、フィラー、溶剤等を適宜添加し、遊星式攪拌装置にて混合攪拌した後、セラミックス3本ロールミルにて分散させて液晶滴下工法用シール剤(1)〜(6)を調製した。
なお、表1中、各材料の配合量は「重量部」を表し、「粘度」は、調製後の各シール剤の粘度をE型粘度計(ブルックフィールド社製「DV−III」)を用いて25℃、1.0rpmの条件で測定した測定値(Pa・s)である。
調製した液晶滴下工法用シール剤(1)〜(6)をシリンジに充填・脱泡した後、ディスペンサーにて配向膜が塗布されたITO付きガラス基板上に正方形を描くように塗布した。その後、下記表2に示す加熱温度及び時間で加熱した。なお、加熱温度及び加熱時間は、シール剤塗布基板を熱風オーブンに入れたときの熱風オーブンの設定温度(℃)と投入時間(分)とを表す。また、粘度の値は、各条件で加熱後、室温に戻しシール剤を25℃でE型粘度計(ブルックフィールド社製「DV−III」)を用いて25℃、1.0rpmの条件で測定した測定値(Pa・s)である。
次に、加熱したシール剤塗布基板に、適量の液晶(チッソ社製・JC−5004LA)微少液滴をシール枠内に滴下して真空貼り合わせ装置に設置し、50Paの真空下でもう一方の基板を重ね合わせた。
実施例及び比較例での液晶表示素子の製造過程、及び、製造した液晶表示素子について、以下の評価を行った。結果を表2に示した。
ディスペンサーを用いたシール剤塗布後のシール剤形成状態を目視にて観察し、以下の基準にて評価した。
○:特に問題なくシール剤パターンが形成されていた
×:シール剤切れ、かすれが起こっていた
製造した液晶表示素子の液晶に接触する付近のシール剤状態を目視にて観察し、以下の基準にて評価した。
○:特に問題なく差し込み現象は確認されなかった
×:差し込み現象が起こっていた
Claims (2)
- 2枚の透明基板の少なくとも一方に液晶を滴下塗布し、他方の透明基板を貼り合わせることにより液晶セルを作製する滴下工法による液晶表示素子の製造方法であって、
前記2枚の透明基板の少なくとも一方に、シール剤を用いて枠状のシールパターンを形成する工程、
加熱することで前記シールパターンを増粘させる工程、及び、
増粘させた前記シールパターンを介して他方の透明基板を貼り合せて液晶セルを作製する工程を有する
ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。 - 請求項1記載の液晶表示素子の製造方法により製造されてなることを特徴とする液晶表示素子。
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