JP2008274577A - 止水部材、止水構造、コンクリート矢板の接合構造及び鋼管矢板の連結構造 - Google Patents

止水部材、止水構造、コンクリート矢板の接合構造及び鋼管矢板の連結構造 Download PDF

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Abstract

【課題】迅速かつ確実に止水できる止水構造を提供する。
【解決手段】構造物1,2の接合部に介在させる止水構造Pである。
そして、構造物1,2の対向する接合面に沿って一対の凹条15,25が設けられるとともに、接合の際には、この一対の凹条15,25が合わせられて挿入孔16が形成され、この挿入孔16には、棒状の芯材31と、この芯材31の外面に放射状に突出して取付けられた水膨張材32,・・・と、を備える止水部材3が挿入される。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造物の間に介在させる止水部材と、止水構造と、コンクリート矢板の接合構造と、鋼管矢板の連結構造と、に関するものである。
従来、鋼管矢板井筒基礎などを構築する場合、鋼管矢板の継手部から水が浸入することを防止する止水処理として、それぞれの鋼管矢板を建て込んだ後に、鋼管矢板の継手部に形成された空間にグラウト材を充填する止水処理が行われている。
上記した従来の止水処理では、グラウト材が硬化するまでの間は、主としてグラウト材の注入圧によって止水状態を保っているが、この注入圧の調整が難しく、継手部に水が浸透してグラウト材が希釈されて漏水が生じてしまう場合があった。
この問題を解決するために、特許文献1では、継手部に空間部を設けて、この空間部に芯部材の表面に水膨張材が貼設された止水部材を挿入する止水方法が開示されている。
この止水方法によれば、止水部材が挿入された後に水膨張材が空間部の内部で膨張するため、空間部を塞ぐことができる。
特開2006−249849号公報
しかしながら、前記した特許文献1の止水方法では、水膨張材が膨張するまでは、空間部と水膨張材との隙間から水が浸入してしまうという問題があった。
加えて、水膨張材が芯部材の表面で拘束されて充分に膨張せず、止水が不完全になる場合があった。
そこで、本発明は、迅速かつ確実に止水できる止水部材、止水構造、この止水構造を備えたコンクリート矢板の接合構造及び鋼管矢板の連結構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、構造物の間に介在させる止水部材であって、
棒状の芯材と、該芯材の外面に放射状に突出して取付けられた水膨張材と、を備えることを特徴とする。
また、前記芯材は、円形状断面を有するように形成することができる。
そして、前記芯材は、軸方向に貫通する中空孔を備えることが好ましい。
また、本発明の止水構造は、構造物の接合部に介在させる止水構造であって、前記構造物の対向する接合面に沿って一対の凹条が設けられるとともに、接合の際には、該一対の凹条が合わせられて挿入孔が形成され、該挿入孔には、上記したいずれかの止水部材が挿入されることを特徴とする。
さらに、前記止水部材の外径は、前記挿入孔の内径よりも大きく形成されることが好ましい。
そして、本発明のコンクリート矢板の接合構造は、前記した止水構造を備えることを特徴とする。
また、本発明の鋼管矢板の連結構造は、隣接する鋼管矢板の連結構造であって、前記鋼管矢板の対向する側面には一対の継手材が取付けられ、該一対の継手材によって前記鋼管矢板を連結させるとともに、前記一対の継手材によって形成された溝には、上記したいずれかの止水部材が挿入されることを特徴とする。
このように構成された本発明の止水部材は、棒状の芯材と、この芯材の外面に放射状に突出して取付けられた水膨張材と、を備えている。
したがって、放射状に突出した水膨張材によって、多段階に止水することができるため、確実に止水することができる。
また、芯材は、円形状断面を有することで、側面から作用する荷重を周方向の軸力に変えることができるため、水膨張材の膨張圧による反力などによって芯材が変形することを防止できる。
そして、芯材は、軸方向に貫通する中空孔を備えることで、軽量化できることに加え、中空孔を通じて圧送されたウォータージェットによって挿入孔を洗浄することもできる。
また、本発明の止水構造は、構造物の対向する接合面に沿って一対の凹条が設けられるとともに、接合の際には、一対の凹条が合わせられて挿入孔が形成され、挿入孔には、前記したいずれかの止水部材が挿入される。
したがって、対向する接合面がずれて目違いが生じても、隙間から水が浸入することを防止できる。
さらに、止水部材の外径は、挿入孔の内径よりも大きく形成されることで、水膨張材が挿入孔の内面に押し付けられて隙間を埋めるため、水膨張材が膨張する前の段階で接合面を止水することができる。
そして、本発明のコンクリート矢板の接合構造は、上記の止水構造を備えることで、迅速かつ確実に接合面を止水できる。
また、本発明の鋼管矢板の連結構造は、継手材が嵌合して形成される溝に、上記したいずれかの止水部材が挿入されることで、迅速かつ確実に鋼管矢板の継手管を止水できる。
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、本実施の形態のコンクリート矢板1,2の接合構造Jの全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態のコンクリート矢板1,2の接合構造Jは、コンクリート矢板1と、このコンクリート矢板1に隣接して接合されるコンクリート矢板2と、これらの隙間を止水する止水構造Pと、を備えている。
ここで、同一の構成を備えるコンクリート矢板1,2を代表して、コンクリート矢板1の構成について説明する。
このコンクリート矢板1は、図2に示すように、コンクリートによってプレキャスト部材として形成されるもので、壁体を構成する本体部10と、隣接するコンクリート矢板2に接続するための継手部11,11と、を備えている。
なお、このコンクリート矢板1としては、設置した状態で作用する土圧や水圧などに対応して、鉄筋の配置、部材厚さ、断面高さなどが異なる多種類のものが用意される。
本体部10は、コンクリートによって、コ字状の断面を有するように形成されるもので、継手部11,11が一体に設けられている。
そして、本体部10は、掘削深さなどに応じて、軸方向には所定の長さを有するように形成される。
また、継手部11,11は、コンクリートによって矩形状断面を有するように形成されて、本体部10のコ字の先端に接続するように設けられるもので、嵌合溝12と、保護板13と、接合面14と、凹条15と、面取部17と、掛止腕18と、保持板19と、を備えている。
この嵌合溝12は、継手部11の外水域W側に向いた側面に設けられるもので、接合面14から一定の距離を保ちつつ、継手部11の軸方向の全長に渡って溝状に形成される。
また、保護板13は、金属などによって略L字断面を有する長尺板状に形成され、嵌合溝12を保護するために設けられるもので、嵌合溝12の接合面14に近い側の角を覆うようにボルトなどによって取り付けられる。
さらに、接合面14は、継手部11において本体部10と繋がっている側の反対側に形成されるもので、コンクリート矢板1,2の接続方向に直交する方向の中央近傍には、接合面14の軸方向全長に渡って凹条15が形成されるとともに、接合面14の止水域D側の角には、面取部17が設けられている。
なお、この接合面14は、対向する接合面24と接続された際に隙間が生じないように、コンクリート矢板1,2の接続方向に対して略直交する平面となるように形成される。
そして、凹条15は、継手部11の接合面14における、コンクリート矢板1,2の接続方向に対して直交する方向の中央線、に沿って半円弧状の溝として形成されるもので、コンクリート矢板1の軸方向の全長に渡って設けられる。
また、面取部17は、継手部11における接合面14の止水域D側の角に設けられるもので、コンクリート矢板1,2を接合した後にシーリング材を注入することができるように、矩形状の溝として形成される。
さらに、掛止腕18は、金属などによって、先端に突起を備える板状に形成され、ボルトなどによって継手部11の外水域W側に断続的に複数設置されるもので、先端の突起は対向する継手部21の嵌合溝22に嵌合されている。
そして、保持板19は、金属などによって板状に形成されるもので、ボルトなどによって継手部11の止水域D側に断続的に複数設置され、対向する継手部21の止水域D側の面に沿うように、この面に接して設けられる。
なお、この掛止腕18や保持板19は、コンクリート矢板1を地盤に打設するよりも前に、あらかじめ継手部11に設置される。
さらに、コンクリート矢板1とコンクリート矢板2とを接続した状態では、この継手部11,11を合わせた長さと、本体部の台形状の頂辺の長さは略同一に形成されている。
そして、対向する接合面14,24にそれぞれ設けられた凹条15,25が合わせられて挿入孔16が形成されている。
この挿入孔16は、半円弧状の凹条15,25が合わせられて、円形状の孔として形成されるもので、コンクリート矢板1,2の接合面14,24の軸方向の全長に渡って設けられている。
そして、本実施の形態のコンクリート矢板1,2の接合構造Jでは、接合面14,24に止水構造Pが形成されている。
この止水構造Pは、コンクリート矢板1,2の接合面14,24に設けられた凹条15,25が合わせられて形成される上記の挿入孔16と、止水部材3と、を備えている。
この止水部材3は、図3に示すように、芯材31と、芯材31の外面に放射状に突出して取付けられた複数の水膨張材32,・・・と、を備えている。
芯材31は、金属などによって円形状断面を有する長尺状に形成され、軸方向に貫通する中空孔31aを備えている。
また、水膨張材32は、水と接触して膨張する水膨張ゴム、水膨張ウレタン、水膨張スポンジなどによって、芯材31と略同一の長さの長尺状に形成され、芯材31に取付けられる基部321と、基部321から突出する膨張部322と、を備える断面に形成されている。
なお、この水膨張材32の材質としては、周辺の土質、水質、水圧、化学物質の環境などの条件によって最適なものを選定する。
この基部321は、上記した水膨張ゴムなどによって、長尺板状に形成されるもので、水膨張材32の接着面が広くなるように、芯材31の周方向に対する幅が膨張部322の幅よりも広く形成され、芯材31の外面に接着剤などによって取り付けられている。
また、膨張部322は、上記した水膨張ゴムなどによって、基部321と一体の長尺の板状に形成されるもので、基部321から突出するように取り付けられるため、複数の水膨張材32,・・・の全体としては放射状に形成されることとなる。
そして、図3に示すように、この止水部材3の芯材31を挟んで対向する水膨張材32,32の先端間の距離としての止水部材3の外径Lは、コンクリート矢板1,2の接合面14,24に形成される挿入孔16の内径Rよりも大きく形成されている。
なお、芯材31の外径Lがこの挿入孔16の内径Rよりも小さく形成されることはいうまでもない。
次に、本実施の形態のコンクリート矢板1,2の接合構造Jの作用について説明する。
このように構成された本実施の形態のコンクリート矢板1,2の接合構造Jは、挿入孔16と、この挿入孔16に挿入される止水部材3と、を備えている。
そして、この止水部材3は、芯材31と、芯材31の外面に放射状に突出して取付けられる水膨張材32,・・・と、を備えている。
したがって、この放射状に突出した水膨張材32,・・・によって、多段階に止水することができるため、確実に止水することができる。
つまり、図4(b)に示すように、コンクリート矢板1,2に目違いが生じて、接合面14と接合面24との間に隙間が生じた場合には、外水域Wから隙間を通じて水が浸入してくる(破線矢印参照)。
この場合、第一段階として、最もこの隙間に近い水膨張材32が水と接触して膨張することで止水する。
しかしながら、小石などが芯材31と水膨張材32との間に挟まれるなどしてこの第一段階の止水が不完全であったとする。
そうすると、第二段階として、この一番目の水膨張材32をすり抜けた水が、二番目に隙間に近い水膨張材32と接触して、この二番目の水膨張材32が膨張することで止水する。
このように、複数設置された水膨張材32,・・・が、目違いによって生じた隙間に近い方から順番に膨張していくことで、多段階の止水が可能となっている。
この際、水膨張材32は、芯材31から突出して設けられることで、芯材31の外周面によって拘束されることがないため、充分に膨張することができ、止水の確実性を高めることができる。
つまり、従来のように芯材31の外周面に沿って水膨張材32を貼設する場合と異なり、芯材31の外周面から突出するように水膨張材32を形成することで、基部321以外では、芯材31の半径方向及び円周方向の双方向に膨張することができるため、充分な膨張量を確保することができることとなり、挿入孔16との隙間を確実に埋めることができる。
さらに、止水部材3の外径Lは、挿入孔16の内径Rよりも大きく形成されることで、水膨張材32が挿入孔16の内面に押し付けられて隙間が生じないため、水膨張材32が膨張する前の段階でも迅速に止水することができる。
すなわち、図4(a)に示した目違いが生じない場合と同様に、止水部材3を挿入した直後の状態では、水膨張材32,・・・はほとんど膨張しないが、この場合でも、止水部材3の外径Lが挿入孔16の内径Rよりも大きいことで、隙間が生じないため、外水域Wから止水域Dに水が浸入することを防止できる。
また、本実施の形態で説明するコンクリート矢板1,2などのプレキャスト部材を用いる工事では、工期を短縮することが重要な課題となっているため、迅速に止水できる効果は大きい。
そして、止水部材3を挿入孔16に挿入する際には、挿入孔16の内面と、水膨張材32,・・・の先端が接するだけであるため、挿入の際の摩擦抵抗が小さくなって、挿入しやすい。
加えて、このように、止水部材3の外径Lが挿入孔16の内径Rよりもある程度大きく形成されていれば、コンクリート矢板1,2を建て込んだ際に、施工誤差などによって目違いが生じた場合でも、この外径Lと内径Rとの差の範囲内であれば、止水部材3を挿入することが可能となる。
また、芯材31は、円形状断面を有することで、側面から作用する荷重を周方向の軸力に変えることができるため、水膨張材32の膨張圧による反力などによって芯材31が変形することを防止できる。
つまり、水膨張材32は、芯材31の周方向には断続的に設置されているため、この水膨張材32が水と接触して膨張すると、芯材31の側面は局所的に内側に押圧されることとなる。
このように膨張圧によって反力を受けた場合でも、芯材31が円形状に形成されていれば、膨張圧を周方向の軸力として伝達できるため、芯材31には曲げが発生せず、変形を防止できる。
特に、後述するように、芯材31が中空孔31aを有して形成されている場合には、局所的に変形しやすいため、円形状断面を有することの効果は大きい。
加えて、円形状断面を有することで、軸方向に対して対称な構造となるため、施工時に挿入する向きを規定する必要がなく、挿入作業が容易となる。
そして、芯材31は、軸方向に貫通する中空孔31aを備えることで、軽量化できることに加え、中空孔31aを通じて圧送されたウォータージェットによって挿入孔16を洗浄することもできる。
つまり、止水部材3を挿入孔16に挿入する際には、泥や小石などが混入しないように、あらかじめ挿入孔16内に中空ホースなどを挿入し、ウォータージェットによって挿入孔16を清掃しておくが、止水部材3を構成する芯材31自体が中空孔31aを備えていれば、この中空孔31aを通じてウォータージェットを噴射しつつ挿入することができる。
そうすると、従来別工程として実施していた清掃の工程を、止水部材3を挿入する工程において同時進行することが可能となるため、段取り替えをする手間が省けるとともに、全体の工期を短縮することができる。
また、止水部材3が芯材31を備えていることで、止水部材3を挿入する際にも、挿入作業が容易となる。
つまり、仮に、水膨張材32のみで止水部材3を構成したとすると、止水部材3と挿入孔16との摩擦のために、止水部材3が折れ曲がってしまい、挿入することが困難となるが、芯材31を備えることで、摩擦力よりも大きい軸力を伝達できるため、止水部材3を挿入孔16に挿入することができる。
さらに、剛性の大きい芯材31と、剛性の小さい水膨張材32と、の両方を備えることで、水膨張材32のみで止水部材3を構成した場合と比べて止水部材3の軸直交方向の変形を抑制することができるため、高い水圧が作用するような状況下でも止水部材3を適用することが可能である。
上記したように、本発明のコンクリート矢板1,2の接合構造Jを用いることで、迅速かつ確実に接合面14,24を止水できる。
つまり、止水部材3の外径Lが挿入孔16の内径Rよりも大きく形成されることで、止水部材3の挿入直後から迅速に止水できるとともに、放射状に複数の水膨張材32,・・・によって多段階に確実に止水することが可能となる。
次に、図5を用いて、本発明の止水部材3を備えた鋼管矢板5,6の連結構造J1について説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
この実施例では、止水部材3を、コンクリート矢板1,2の接合に用いるのではなく、鋼管矢板5,6の連結に用いる場合について説明する。
まず、構成から説明すると、図5(a)に示すように、本実施例の鋼管矢板5,6の連結構造J1は、鋼管矢板5と、この鋼管矢板5に隣接して連結される鋼管矢板6と、これらの隙間を止水する止水構造P1と、を備えている。
ここで、同一の構成を備えた鋼管矢板5,6を代表して、鋼管矢板5の構成を説明する。
鋼管矢板5は、本体管50と、この本体管50に取付けられた継手材としての継手管51,51と、を備えている。
この本体管50は、金属によって長尺の筒状に形成されるものであり、本体管50の外側面には、直径方向に対向する位置に、継手管51,51が溶接などによって取付けられている。
この継手材としての継手管51,51は、金属によって長尺の筒状に形成されるものであり、本体管50の径よりも小さい径に形成される。
さらに、図5(b)に示すように、この継手管51には、軸方向にスリット52が設けられており、隣接する鋼管矢板6に取付けられた継手管61に設けられたスリット62と嵌め合わされることで、鋼管矢板5,6が連結される。
そして、本実施例の鋼管矢板5,6の連結構造J1では、この継手管51,61が嵌合することによって形成される溝53に、止水部材3が挿入されて、止水構造P1を形成している。
さらに、この止水部材3は、前記実施の形態と同様に、芯材31と、水膨張材32,・・・と、を備えている。
また、この止水部材3の外径Lは、継手管51,61が嵌合して形成された溝53の連結方向の幅よりも小さく形成される。
次に、本実施例の作用について説明する。
本実施例の鋼管矢板5,6の連結構造J1は、継手管51,61が嵌合して形成される溝53に、止水部材3が挿入されている。
したがって、迅速かつ確実に鋼管矢板5,6の継手管51,61を止水できる。
すなわち、図5(b)に示すように、一般的に、鋼管矢板5,6では、継手管51,61を介して連結する場合に、継手管51,61が嵌め合わされた状態であっても、継手管51,61どうしは面で接合されていないため、外水域Wから隙間を通じて水が浸入してくる。
そうすると、複数設置された水膨張材32,・・・が、生じた隙間に近い方から順番に膨張していくことで、多段階の止水が可能となっている。
また、止水部材3の外径Lが、挿入孔16の内径Rよりも大きく形成されることで、水膨張材32が挿入孔16の内面に押し付けられて隙間が生じないため、水膨張材32が膨張する前の段階でも迅速に止水することができる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施の形態と略同様であるため説明を省略する。
次に、図6を用いて、前記実施の形態及び実施例1とは別の形態の水膨張材33,34,35を備える止水部材3A,3B,3Cについて説明する。なお、前記実施の形態及び実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
本実施例の止水部材3Aは、図6(a)に示すように、芯材31と、共通の基部331を介して連結された膨張部332,・・・を有する水膨張材33と、を備えている。
この基部331は、水膨張性の材料によって円筒状に形成され、芯材31の外側面を覆うように貼設されるもので、複数の膨張部332,・・・が突出するように取付けられている。
また、膨張部332,・・・は、基部331と一体の長尺の板状に形成されるもので、複数の膨張部332,・・・が基部331から突出するように設けられるため、全体としては放射状に形成される。
したがって、基部331の内側面の全面が、芯材31の外側面に接着されることで、芯材31と水膨張材33との接着面が広くなるため、芯材31から水膨張材33が剥がれることを防止できる。
また、本実施例の止水部材3Bは、図6(b)に示すように、芯材31と、基部341と膨張部342とを有する水膨張材34,・・・と、を備えている。
この膨張部342は、水膨張性の材料によって、突出方向に長径を備える楕円筒状に形成されていることで、楕円筒の内部に空隙を有するため、ある程度の剛性を備えるとともに、水と接触した際には充分な膨張量を備えることができる。
さらに、本実施例の止水部材3Cは、図6(c)に示すように、芯材31と、基部351と膨張部352とを有する水膨張材35,・・・と、を備えている。
この膨張材35は、水膨張性の材料によって、板状に形成されるもので、折り曲げることで突出した部分が膨張部352となる。
したがって、加工が極めて容易であるとともに、ある程度の剛性を備えつつ、充分な膨張量を備えることができる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施の形態及び実施例1と略同様であるため説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態及び実施例1,2を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例1,2に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態及び実施例1,2では、いずれも矢板の接合・連結に用いる止水構造について説明したが、これに限定されるものではなく、矢板以外の構造物の止水にも適用することができる。
また、前記実施の形態では、コンクリート矢板1,2は、鉄筋を配置した従来のものを用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、PC(プレストレストコンクリート)を用いて高強度化したものであってもよい。
さらに、前記実施の形態及び実施例1,2では、芯材31が円形状断面を有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、楕円状断面、多角形状断面、矩形状断面、又は板状断面などを有するものであってもよい。
そして、前記実施の形態及び実施例1,2では、芯材31として鋼管を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、水圧や水質などの条件によっては、塩化ビニル管やFRP管などを用いることもできる。
また、前記実施例1では、鋼管矢板5,6の継手管51,61として円形のものを用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、円形以外の継手管に適用することもできる。
本発明の最良の実施の形態のコンクリート矢板の接合構造の全体構成を説明する斜視図である。 本発明の最良の実施の形態のコンクリート矢板の接合構造の全体構成を説明する平面図である。 本発明の最良の実施の形態の止水構造における止水部材の外径と挿入孔の内径の大きさを比較して説明した断面図である。 本発明の最良の実施の形態の止水部材が備える水膨張材の設置状態を説明した断面図である。(a)は目違いが発生しない場合、(b)は目違いが発生した場合である。 本発明の実施例1の鋼管矢板の連結構造の構成を説明する断面図である。(a)は全体図、(b)は(a)のA部を拡大した部分拡大図である。 本発明の実施例2の止水部材が備える水膨張材の構成を説明する断面図である。(a)は連結された突起状の水膨張材の断面図、(b)は中空状の水膨張材の断面図、(c)は折曲状の水膨張材の断面図である。
符号の説明
J 接合構造
J1 連結構造
P,P1 止水構造
R 挿入孔の内径
L 止水部材の外径
1,2 コンクリート矢板
10,20 本体部
14,24 接合面
15,25 凹条
16 挿入孔
3,3A,3B,3C 止水部材
31 芯材
31a 中空孔
32,33,34,35 水膨張材
5,6 鋼管矢板
50,60 本体管
51,61 継手管(継手材)
52,62 スリット
53 溝

Claims (7)

  1. 構造物の間に介在させる止水部材であって、
    棒状の芯材と、該芯材の外面に放射状に突出して取付けられた水膨張材と、を備えることを特徴とする止水部材。
  2. 前記芯材は、円形状断面を有することを特徴とする請求項1に記載の止水部材。
  3. 前記芯材は、軸方向に貫通する中空孔を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の止水部材。
  4. 構造物の接合部に介在させる止水構造であって、
    前記構造物の対向する接合面に沿って一対の凹条が設けられるとともに、
    接合の際には、該一対の凹条が合わせられて挿入孔が形成され、
    該挿入孔には、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の止水部材が挿入されることを特徴とする止水構造。
  5. 前記止水部材の外径は、前記挿入孔の内径よりも大きく形成されることを特徴とする請求項4に記載の止水構造。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の止水構造を備えることを特徴とするコンクリート矢板の接合構造。
  7. 隣接する鋼管矢板の連結構造であって、
    前記鋼管矢板の対向する側面には一対の継手材が取付けられ、該一対の継手材によって前記鋼管矢板を連結させるとともに、
    前記一対の継手材によって形成された溝には、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の止水部材が挿入されることを特徴とする鋼管矢板の連結構造。
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