JP2008273998A - 電子部品搬送用成形体 - Google Patents

電子部品搬送用成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP2008273998A
JP2008273998A JP2007109500A JP2007109500A JP2008273998A JP 2008273998 A JP2008273998 A JP 2008273998A JP 2007109500 A JP2007109500 A JP 2007109500A JP 2007109500 A JP2007109500 A JP 2007109500A JP 2008273998 A JP2008273998 A JP 2008273998A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
ionomer
resin composition
weight
potassium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007109500A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichiro Yamamoto
幸一郎 山本
Shigenori Nakano
重則 中野
Nobuyuki Maki
伸行 牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dow Mitsui Polychemicals Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd filed Critical Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
Priority to JP2007109500A priority Critical patent/JP2008273998A/ja
Publication of JP2008273998A publication Critical patent/JP2008273998A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Packages (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Packaging Frangible Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】表面が傷つきにくく、耐摩耗性、耐スクラッチ性に優れ、且つ、帯電防止性(表面導電性)に顕著に優れると共に割れ性等を含む機械特性にも優れた電子部品搬送用トレー、テープ等の成形体を提供する。
【解決手段】カリウムアイオノマー(a)100〜10重量部と熱可塑性樹脂(b)0〜90重量部とからなる樹脂又は樹脂組成物(A)を成形してなる電子部品搬送用成形体、及び、その樹脂又は樹脂組成物(A)を表層とし、これを熱可塑性樹脂(B)から成る基材層に積層した積層体を成形してなる電子部品搬送用成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子部品搬送用成形体に関し、より詳細には、特定のアイオノマー又は該アイオノマーを含む樹脂組成物からなり、表面の耐摩傷性、耐摩耗性及び帯電防止性が良好なため収納電子部品の保護性に顕著に優れた、トレー、テープ等の電子部品搬送用成形体に関する。
従来、ICチップやLSIチップ等を用いた電子部品の搬送用収納具にはインジェクショントレーや真空成形トレー等の合成樹脂製のトレー類、或いは、エンボスキャリアテープやカバーテープ等のテープ類が多く用いられてきている。
そしてこれらトレー等の成形体を構成する合成樹脂素材としては、比較的安価で、結晶性が無いため成形の際の寸法安定性に優れる、電導性フィラーとして用いられるカーボンブラックを多量に添加しても流動性や成形性の著しい低下がない等の点からポリスチレン等のスチレン系樹脂が多く用いられ、特に、耐割れ性を含む機械特性、成形性に優れることから高耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)やその樹脂組成物等が好んで使用されている。
因みに、特許文献1には、シート打ち抜き時やスリット時にバリや毛羽の発生がなく成形性に優れたHIPSを含む透明性ポリスチレン系樹脂組成物からなる電子部品搬送用容器の発明が開示されている。
又、前記HIPS等を基材層に用い、その片面又は両面にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂層を積層した積層材も広く使用され、これら積層体はスチレン系樹脂単層のものに比較して表面の耐摩傷性や摩耗性に優れ、汎用の練り込み形帯電防止剤とも相溶性が良い等の利点を有する。
特開2006−131693号公報
しかしながら、上記スチレン系樹脂からなる容器は、耐摩耗性やスクラッチ性が、必ずしも充分とは云えず、又、静電気による塵埃付着防止等の防汚性にも劣る欠点を有する。
更に、スチレン系樹脂は一般に例えばポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂に比べて汎用の練り込み形帯電防止剤に対する相溶性が若干低い。
又、前記HIPS等のスチレン系樹脂を基材層に用い、片面又は両面にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等を積層した積層材は、前記スチレン系樹脂単体のものよりも表面の耐摩傷性等が良好で、帯電防止剤等に対する相溶性も良好であるが、帯電防止剤の均質練り込み等や積層に手間がかかりコスト高となる。
近年に至り、LSI等の集積度の高度化やチップの微小化等による電子部品の微細精密化に伴いその搬送用トレー等にもその表面耐摩傷性の改善や帯電防止性の一層の向上等収容電子部品の保護性能向上に対する要求が一段と強くなってきた。
本発明者等は、上記性質が改善され、然も製造コスト上昇が可及的に抑制された電子部品搬送用成形体を開発すべく、その成形用素材樹脂の性能改善に向け鋭意研究を重ねた。
その結果、特定のアイオノマー又は該アイオノマーを含む樹脂組成物を成形用素材として採用したものが上記問題点を解決出来ることを見出しこの知見に基づき本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、表面が傷つきにくく、耐摩耗性、耐スクラッチ性に優れ、且つ、帯電防止性(表面導電性)に顕著に優れると共に割れ性等を含む機械特性にも優れ、然も、スリット性等の成形性にも優れた特定アイオノマー又はそれを含む樹脂組成物を成形用素材としてなる、トレー、テープ等の電子部品搬送用成形体を提供するにある。
又、本発明の他の目的は、前記特定アイオノマー又はそれを含む樹脂組成物を表層とし、これを熱可塑性樹脂基材層に積層した積層体からなる電子部品搬送用成形体を提供するにある。
本発明によれば、カリウムアイオノマー(a)100〜10重量部と熱可塑性樹脂(b)0〜90重量部とからなる樹脂又は樹脂組成物(A)を成形してなる電子部品搬送用成形体が提供される。
本第1発明の電子部品搬送用成形体は、カリウムアイオノマー又は該アイオノマーを含む樹脂組成物を素材樹脂として用いる点が構成上の特徴であり、従来一般に用いられていたHIPS等のポリスチレン系樹脂を素材樹脂として成形してなるトレー、テープ等の成形体に比べ表面耐摩傷性、耐摩耗性、帯電防止特性に顕著に優れるのみならず割れ性等を含む機械特性にも優れ、然も、HIPS等と同等程度又はそれ以上の成形性を保持する点が効果上の特徴である。
従って、従来のHIPS樹脂の場合のように帯電防止剤練り込み等の処理を必要としない。
又、本第2発明によれば、前記樹脂又は樹脂組成物(A)を表層とし、これを熱可塑性樹脂(B)からなる基材層に積層した積層体を成形してなる電子部品搬送用成形体が提供される。
前記熱可塑性樹脂(B)が高耐衝撃性スチレン系樹脂からなるものが好ましい。
本発明の電子部品搬送用成形体は、カリウムアイオノマー又は該アイオノマーを含む樹脂組成物を成形してなるか、前記アイオノマー又はアイオノマー含有樹脂組成物を表層とし、HIPS等の熱可塑性樹脂を基材層とする積層体を成形してなるため、表面の耐摩傷性や摩耗性に優れ、且つ、練り込み形帯電防止剤等を配合しない場合でも、従来品に比べ顕著に帯電防止性(導電性)に優れる。
然も、割れ性等を含む機械特性にも優れ、更に、成形に際してはHIPS等と同等程度又はそれ以上の成形性、スリット性を保持する。
以下に、本発明の好適実施形態について、詳細且つ具体的に説明する。
既に述べたとおり、本発明は、カリウムアイオノマー又はカリウムアイオノマーを含む樹脂組成物を成形してなるか(第1態様)、前記カリウムアアイオノマー又はカリウムアイオノマー含有樹脂組成物を表層とし、HIPS等の熱可塑性樹脂を基材層とする積層体を成形してなる(第2態様)電子部品搬送用成形体に関する。
本発明において電子部品搬送用成形体とは、ICチップ、LSIチップやそれらを用いた精密電子部品のような電子部品を搬送するために用いる、電子部品を収容あるいは保持若しくは載置する成形体を意味し、具体的には、インジェクションや真空成形によって、電子部品を収容する凹部を少なくとも1カ所、通常、所定間隔で複数設けたトレー状の成形体、或いは、真空成形等によって電子部品を保持若しくは載置するための凹凸又は突起を所定間隔で設けたテープ状の成型体が挙げられる。
本発明に於いて、前記電子部品搬送用成形体の構成樹脂乃至樹脂成分であるカリウムアイオノマーは、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体からなるベースポリマー、或いは、更に任意に他の極性基モノマーを共重合させたベースポリマーのカルボキシル基の一部又は全部をカリウムイオンで中和したものである。
このようなベースポリマーは、成分モノマーを、例えば、高温、高圧下でラジカル共重合することにより得られる。
ここに不飽和カルボン酸(モノマー)としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示することができるが、とくにアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。
また共重合成分となりうる極性モノマーとしては、酢酸ビニル、ピロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素などであり,とくに不飽和カルボン酸エステルは好適な共重合成分である。
上記カリウムアイオノマーとしては、それを成形して例えばトレー、テープ等とした際、その表面非耐電性(導電性、耐電防止性)を高度に発現させるためには不飽和カルボン酸含量が10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%、他の極性基モノマー含量が0〜40重量%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで中和したものであって、そのカリウムイオンによる中和度が60%以上、好ましくは70%以上のものを使用するのが好ましい。
又、よりカリウムイオン量を少なくして、表面非耐電性を含む防汚性能の優れたものを得るために、平均酸含量の異なる2種以上のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムアイオノマーを用いてもよい。
例えば、平均酸含量が10〜30重量%、好ましくは11〜20重量%である2種以上の共重合体であって、最高酸含量と最低酸含量のものの酸含量差が1重量%以上、好ましくは2〜20重量%異なるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムイオンによる中和度が60%以上、好ましくは70%以上の混合カリウムアイオノマーを用いることができる。 種々の性状を考慮すると、このような混合カリウムアイオノマーの使用がより好ましい。
カリウムアイオノマーのベースポリマーとなる上記のようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体には、すでに述べたような極性モノマーが40重量%以下、好ましくは30重量%以下の割合で共重合されていてもよい。
カリウムアイオノマーとしてはまた、加工性や他成分を配合する場合の混和性等を考慮すると、190℃,2160g荷重(JIS K7210に準拠)におけるメルトフローレートが、0.1〜100g/10分、とくに0.2〜50g/10分のものを使用するのが好ましい。
本発明では、成形用樹脂素材として、前記カリウムアイオノマーの他に、10重量部以上の前記カリウムアイオノマーに90重量部迄の熱可塑性樹脂をブレンドした樹脂組成物を用いることもできる。
このような熱可塑性樹脂としては、後記する積層体態様の成形体(第2態様)の基材層として用いる高分子材料の中から選択することができる。
これらの中では、オレフィン系重合体、とくにエチレン単独重合体、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合体、エチレンと酢酸ビニルや不飽和カルボン酸エステルなどの不飽和エステルとの共重合体などから選択されるエチレン系重合体やポリプロピレン等のプロピレン系重合体の使用が好ましい。
前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体に於ける不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸又はメタクリル酸等の不飽和カルボン酸と炭素数1乃至20の脂肪族アルコールとのエステルを挙げることができ、より具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iープロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸i−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル等を例示出来る。
前記熱可塑性樹脂の適当な配合量は、カリウムアイオノマーと熱可塑性樹脂との合計量100重量部に対し、90重量部以下(0〜90重量部)、即ち、カリウムアイオノマーの配合量は10重量部以上である。
カリウムアイオノマーの配合量が、カリウムアイオノマーと熱可塑性樹脂との合計量100重量部に対し10重量部未満のものでは、本発明の目的とする帯電防止性等の効果が充分に発揮されない。
前記アイオノマーやアイオノマー含有樹脂組成物の非帯電性を更に向上させるために、アルコール性水酸基を2個以上有するポリヒドロキシ化合物を配合することもできる。
具体的には各種分子量のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、グリセリン,ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトールのような多価アルコール及びこれらのエチレンオキシド付加物、多価アミンとアルキレンオキシドの付加物などを例示することができる。
ポリヒドロキシ化合物の有効な配合割合は、カリウムアイオノマーに対し20重量%以下、好ましくは15重量%以下、一層好ましくは10重量%未満の範囲である。
本発明の電子部品搬送用成形体に於いて成形用材として、カリウムアイオノマー又はそれを含有する樹脂組成物を表層とし、熱可塑性樹脂を基材層とした積層体を用いる態様(第2態様)の場合、その基材層に用いられる熱可塑性樹脂としては、前記表層樹脂又は樹脂組成物に積層が可能で、且つトレー、テープ等の成形体を形成できる強度や加工性を有する限り特に限定されること無く用いることができる。
このような基材層に、特に好適な熱可塑性樹脂として、具体的には、エチレンの単独重合体又はエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体、たとえば高圧法ポリエチレン、中・高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、とくに密度が940kg/m以下の直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等、炭素数3以上のポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等、エチレンと極性モノマーとの共重合体、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸などとの共重合体又はそのNa、Li、ZnもしくはMgなどのアイオノマー等、エチレンと不飽和カルボン酸エステル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸ー2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸ジメチルなどとの共重合体等、エチレンと上記のような不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸エステルの共重合体又はそのNa、Li、ZnもしくはMgなどのアイオノマー、エチレンと一酸化炭素と任意に不飽和カルボン酸エステルや酢酸ビニルとの共重合体等、ポリオレフィン系エラストマーの如きオレフィン系エラストマー重合体、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレンやABS樹脂のようなゴム強化スチレン系樹脂のようなスチレン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルエラストマーのようなポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、あるいはこれら2種以上の混合物などを例示することができる。
これらの内では、特に、ハイインパクトポリスチレン(HIPS:高耐衝撃性スチレン系樹脂)やABS樹脂、ゴム強化スチレン系樹脂等のスチレン系重合体が好ましく、又、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンも好適に用いられる。
上記本発明のトレー、テープ等の成形体の成形用素材であるカリウムアイオノマー又はアイオノマー樹脂組成物層(A)あるいは基材層(B)には、更に、必要に応じて各種添加剤を配合することができる。
このような添加剤の例として、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、無機充填剤などを例示することができる。
特に、カリウムアイオノマー又は樹脂組成物には、無機充填材として、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラックを配合することがその導電性の一層の向上の観点から好ましい。
前記カリウムアイオノマー(樹脂組成物)(A)を表層とし、熱可塑性樹脂(B)を基材層とする本発明の第2態様に於いては、その積層構成は、基材層の片面にのみカリウムアイオノマー(樹脂組成物)(A)を配する層構成、((A)表層/(B)基材層)の他、基材層の両面にカリウムアイオノマー(樹脂組成物)(A)を配する((A)表層/(B)基材層/(A)表層)3層構成のものも好適に用いられる。
本発明の電子部品搬送用成形体に於いて、その構成樹脂層の厚さは特に限定されず、使用態様に応じて適宜設定されてよいが、例えば、トレー状或いはテープ状の成形体では、単層材の場合0.2乃至3.0mm程度、積層材の場合、例えば、(A)層の片面積層構成((A)表層/(B)基材)では表層(A)0.01〜2.0mm/基材層(B)0.1〜3.0mm程度、両面積層構成((A)表層/(B)基材層/(A)表層)では、層(A)0.01〜1.0mm/層(B)0.1〜3.0mm/層(A)0.01〜1.0mm程度が好ましい。
上記積層体の場合、全体の肉厚に占める前記カリウムアイオノマー又はカリウムアイオノマー含有樹脂組成物層の割合は片面積層の場合5〜50%程度、両面積層の場合5〜50%程度が好ましい。
前記樹脂素材から本発明の成形体を成形する方法としては、この種の成形体に通常用いられる成形法を、特に限定されることなく用いることができる。
例えば、トレーを成形する場合、押出や共押出法等により形成された前記樹脂単層体又は積層体シートを、真空成形、圧空成形、プラグ成形、プレス成形等によりトレー形状に成形してもよく、又、単層体の場合は、素材樹脂から直接射出成形により成形することもできる。
更に、積層体の場合では、前記共押出以外に(A)層/(B)層、(B)層/(A)層の層間を接着樹脂を用いて接合しても良く、又、コーティング層等が更に介在しても差し支えない。
又、テープ状成形体では電子部品を保持(固定)載置するための凹凸、突起等の形状形成が容易にできる等のため真空成形が好適に用いられる。
又、本発明の成形体では、少なくとも電子部品を収容し、接触する側の表面に於ける表面固有抵抗値は1012Ω以下に、且つ、該表面に於ける23℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定した印加電圧+5000Vにおける10%減衰時間(500Vに減衰するまでの時間)が15秒以下、より好ましくは10秒以下、とすることが好ましい。
本発明を次の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
カリウムアイオノマー(1)(メタクリル酸含量17.5wt%、MFR60g/10min.のエチレン・メタクリル酸共重合体50重量部と、メタクリル酸含量5.0wt%、MFR33g/10min.のエチレン・メタクリル酸共重合体50重量部とからなる樹脂組成物のカリウムアイオノマー(カリウム中和度80モル%、MFR=0.4g/10min.)から作製したプレスシート(型締力50TON、熱盤400×400mm、デーライト200mm、ストローク150mm、ヒータ容量4.5kw×2面、ラム径180mmのプレス成形機(東邦マシナリー(株)社製TBDM50−2型機)を用い、熱盤温度160℃、初圧時間4min.、初圧3MPa、硬化時間4min.、硬化圧10Pa、冷却温度20℃、冷却時間4min.、冷却圧15MPaで作製した厚さ2mmのプレスシート)を、23℃、50%RHの測定条件下に下記評価項目1)〜3)を評価した。
「評価項目」
1)摩耗面積
東洋精機(株)製摩耗試験機使用、滑り片;綿帆布10号、往復速度60回/min.、往復回数;100回、荷重430g、試験片サイズ;8×28mm
2)飽和帯電、半減期
宍戸商会製 STATIC HONESTMER使用、試験条件;ASTM D4238 準拠
3)表面抵抗率
三菱化学(株)製 HIRESTA-UP使用、 印加電圧500V 試験条件; JIS K6911準拠
結果を表1に示した。
[比較例1]
線状低密度ポリエチレン(LLDPE:(株)プライムポリマー製、エボリューSP2320、MFR=1.9g/10min.、密度=919kg/m)を用いて作製したプレスシート試料について、上記項目1)〜3)を評価した。
結果を表1に示した。
Figure 2008273998
[実施例2]
カリウムアイオノマー(2)(メタクリル酸含量14.6wt%のエチレン・メタクリル酸共重合体のカリウムイオン密度1.47ミリモル/g、MFR1.0g/10min.のカリウムアイオノマー20重量部とメタロセン低密度ポリエチレン(mPE(1):(株)プライムポリマー製、エボリューSP2020;MFR=1.9g/10min.、密度=920kg/m)80重量部とからなるカリウムアイオノマー樹脂組成物)を用いて作製したインフレーションフィルム(30mmφインフレーション成形機(スクリュー;フルフライトタイプ、L/D=28、CR=3.0、ダイ;スパイラルダイ、リップクリアランス1.0)を用い、前記アイオノマーとポリエチレンをドライブレンドしたものを成形温度180℃、スクリュー回転数45minー1、ブロー比2.55、の条件下に作製した厚さ50μmのフィルム)を、23℃、50%RHの測定条件下にその摩擦帯電性と表面抵抗率を評価した。
尚、「摩擦帯電性」評価は、フィルム表面を木綿布で3秒間軽く擦り、鰹削り節に1cmまで近づけた際の付着の有無を目視で確認して評価した。
○:付着無し ×:付着あり
結果を表2に示した。
[比較例2]
実施例2で用いたのと同じメタロセン低密度ポリエチレン(mPE(1))を用いて作製したインフレーションフィルム試料について、実施例2と同様に評価した。
結果を表2に示した。
Figure 2008273998
[実施例3]
カリウムアイオノマー(3)(メタクリル酸含量14.6wt%のエチレン・メタクリル酸共重合体のカリウムイオン密度1.47ミリモル/g、MFR1.0g/10min.のアイオノマー20重量部とメタロセン低密度ポリエチレン(mPE(2):(株)プライムポリマー製、エボリューSP2540;MFR=3.8g/10min.、密度=924kg/m)80重量部からなるカリウムアイオノマー樹脂組成物)を用いて作製したキャストフィルム(40mmφキャスト成形機(スクリュー;フルフライトタイプ、L/D=32、CR=3.75、ダイ;ストレートマニホールドタイプダイ、ダイ幅=470mm、ディッケル無し、冷却;エアーナイフ、ロール冷却温度=20℃)を用い、成形温度220℃、スクリュー回転数100min.−1、ライン速度=25min.−1の条件で作製した厚さ30μmのフィルム)を、23℃、50%RHの測定条件下に表面抵抗率を評価した。
結果を表3に示した。
[比較例3]
実施例3で用いたのと同じメタロセン低密度ポリエチレン(mPE(2))を用いて作製したキャストフィルム試料について、実施例3と同様に評価した。
結果を表3に示した。
Figure 2008273998
[実施例4]
実施例3においてカリウムアイオノマーとして、カリウムアイオノマー(4)(メタクリル酸含量14.6wt%のエチレン・メタクリル酸共重合体のカリウムイオン密度1.47ミリモル/g、MFR1.0g/10min.のアイオノマー20重量部とポリプロピレンホモポリマー(PP:(株)プライムポリマー製、PP;F107DV;MFR=7.0g/10min.、密度=910kg/m)80重量部からなるカリウムアイオノマー樹脂組成物)を用いた以外は実施例3と同様にして作製したキャストフィルムを用い、実施例3と同様にして23℃、50%RHの測定条件下に表面抵抗率を評価した。
結果を表4に示した。
[比較例4]
実施例4で用いたのと同じポリプロピレンホモポリマー(PP)を用いて作製したキャストフィルム試料について、実施例3と同様に評価した。
結果を表4に示した。
Figure 2008273998

Claims (3)

  1. カリウムアイオノマー(a)100〜10重量部と熱可塑性樹脂(b)0〜90重量部とからなる樹脂又は樹脂組成物(A)を成形してなる電子部品搬送用成形体。
  2. 前記樹脂又は樹脂組成物(A)を表層とし、これを熱可塑性樹脂(B)からなる基材層に積層した積層体を成形してなる電子部品搬送用成形体。
  3. 請求項2に記載の熱可塑性樹脂(B)が高耐衝撃性スチレン系樹脂からなる電子部品搬送用成形体。
JP2007109500A 2007-01-23 2007-04-18 電子部品搬送用成形体 Pending JP2008273998A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007109500A JP2008273998A (ja) 2007-01-23 2007-04-18 電子部品搬送用成形体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007013040 2007-01-23
JP2007094451 2007-03-30
JP2007109500A JP2008273998A (ja) 2007-01-23 2007-04-18 電子部品搬送用成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008273998A true JP2008273998A (ja) 2008-11-13

Family

ID=40052414

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007109500A Pending JP2008273998A (ja) 2007-01-23 2007-04-18 電子部品搬送用成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008273998A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011104901A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Daicel Pack Systems Ltd 積層シート及び成形体
WO2013070340A1 (en) 2011-11-07 2013-05-16 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method to form an aqueous dispersion of an ionomer-polyolefin blend
JP2014133568A (ja) * 2013-01-08 2014-07-24 Toppan Printing Co Ltd 液体用紙容器

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004018660A (ja) * 2002-06-14 2004-01-22 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd アイオノマー組成物及びその用途
JP2006008748A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 樹脂組成物及び積層体
JP2006035848A (ja) * 2004-06-23 2006-02-09 Ube Ind Ltd 積層フィルム
JP2006513056A (ja) * 2002-12-27 2006-04-20 三井・デュポンポリケミカル株式会社 カリウムアイオノマーの多層構造体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004018660A (ja) * 2002-06-14 2004-01-22 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd アイオノマー組成物及びその用途
JP2006513056A (ja) * 2002-12-27 2006-04-20 三井・デュポンポリケミカル株式会社 カリウムアイオノマーの多層構造体
JP2006008748A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 樹脂組成物及び積層体
JP2006035848A (ja) * 2004-06-23 2006-02-09 Ube Ind Ltd 積層フィルム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011104901A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Daicel Pack Systems Ltd 積層シート及び成形体
WO2013070340A1 (en) 2011-11-07 2013-05-16 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method to form an aqueous dispersion of an ionomer-polyolefin blend
US8841379B2 (en) 2011-11-07 2014-09-23 E I Du Pont De Nemours And Company Method to form an aqueous dispersion of an ionomer-polyolefin blend
JP2014133568A (ja) * 2013-01-08 2014-07-24 Toppan Printing Co Ltd 液体用紙容器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5200043B2 (ja) カリウムアイオノマーからなる高分子型帯電防止剤
JP4395443B2 (ja) 有機酸塩で変性されたカリウムアイオノマーおよびそれから製造された構造体
EP1578601B1 (en) Multi-layer structure with potassium ionomer
JP4698588B2 (ja) 樹脂組成物及びその積層体
JP3842108B2 (ja) 積層体
JP2004018660A (ja) アイオノマー組成物及びその用途
JP2008273998A (ja) 電子部品搬送用成形体
JP4197901B2 (ja) 積層体
JP3878268B2 (ja) 防塵性積層体
JP4476887B2 (ja) シート
JP4675064B2 (ja) 樹脂組成物及び積層体
JP2000246842A (ja) 積層体
JP2003291283A (ja) 積層体
JP4916741B2 (ja) 積層体及び電子部品搬送用トレイ
JP5681251B2 (ja) 積層シート及び成形体
JP2006205433A (ja) 複合シート
JP5385693B2 (ja) 積層シート及び成形体
JP3756049B2 (ja) シート
JP2002367437A (ja) スリット性に優れた導電性のシート
JP4651320B2 (ja) 積層体
KR100732027B1 (ko) 포타슘 아이오노머를 갖는 다층구조체
JP2007283710A (ja) 複合シート
CN113453900B (zh) 层叠体、包装体、挠性容器内袋及挠性容器
JP2009035699A (ja) アイオノマー組成物およびその用途
JP3062016U (ja) 合成樹脂製書類又はカ―ドケ―ス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120306

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120626