JP2008273796A - 光学素子のプレス成形シミュレーション方法及びプログラム - Google Patents

光学素子のプレス成形シミュレーション方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】計算結果を適切に評価でき、精度よく製品形状を予測可能なガラスのプレス成形シミュレーション方法を提供すること。
【解決手段】金型及びガラスの物性値、形状、接触条件を設定し、時間変化する温度及び荷重を境界条件、時間増分及び解析を制御するパラメータを解析条件として設定するステップS1、S3と、有限要素法モデルを生成するステップS2と、接触条件、境界条件、解析条件、有限要素モデルを用いて熱伝導・熱伝達解析を行なうステップS5と、解析条件、有限要素モデル及びステップS5の結果を用いて構造緩和解析を行なうステップS6と、接触条件、境界条件、解析条件、有限要素モデル、ステップS5、S6の結果を用いて変形応力解析を行なうステップS7と、この結果を用いて有限要素モデルを修正するステップS9とを含み、時間の経過に応じて温度及び荷重を決定し、ステップS5〜S9を連成して繰り返し行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、素材にガラスなどを用いてレンズなどの光学素子をプレス成形する際の成形条件を決定するとともに、成形した製品の形状や光学特性の経時変化を予測する際に必要なデータを得るためのシミュレーション方法及びプログラムに関する。
ガラスのプレス成形では、金型及びガラスを高温に保持して加圧成形した後、ガラスを金型と共に常温まで冷却する。成形品の寸法精度は金型の寸法精度だけでなく成形条件にも大きく依存する。新たに設計した形状や寸法の製品もしくは材質を変更した製品を成形する場合、良好な形状の製品を得るためには成形条件を変更して数多くの成形試験を繰り返す必要があり、場合によっては金型を作り直す必要が生じる。金型およびガラスが高温に保持されている加圧成形終了時点では、金型形状がガラスに正確に転写されていると考えられる。したがって、成形時における金型の弾性変形や冷却過程におけるガラス内部の温度勾配による熱応力および金型との接触応力が製品の形状不良を引き起こすと考えられる。
ガラスのプレス成形をシミュレーションして製品形状を精度よく予測できれば、成形条件や金型形状の最適化に役立てることができるため、シミュレーションに対する期待は大きい。ガラスのプレス成形シミュレーションに関しては、種々の方法が知られている。
例えば、複数の解析を連携させて行なう連成解析と呼ばれる方法が知られている(下記非特許文献2、3参照)。一般に、ガラス成形の連成解析においては、熱伝導・熱伝達解析を先に実施し、熱伝導・熱伝達解析結果である温度分布を利用して変形応力解析を行う。これは、変形応力解析に使用するガラスの変形抵抗などの物性値が温度依存性を有するためである。熱伝導・熱伝達解析及び変形応力解析は、時間を時間増分に区切り、時間経過方向に逐次積分することで行なわれる。
また、光学ガラスの変形応力解析では、成形品の光学性能を保証するために極めて微小な歪みを精度よく解析する必要がある。通常、解析結果の精度を上げるためには有限要素法における要素を小さくする、即ち要素分割数を多くする手法が採用される。しかし、要素分割数を多くすると計算時間が増大するという問題がある。これを解決するために、下記特許文献1では金型を要素分割せずに、数式によって定義する方法を開示している。
特開2005−325009号公報 Narayanaswamy O. S., Journal of the American Ceramics Society, Vol.61, No.3-4(1978) 有限要素法解析ソフトANSYS工学解析入門、CAD/CAE研究会編、理工学社(2001) 荒井政大,山本和也,中村淳之介,伊藤寛明,松倉利顕,杉本公一:有限要素法によるガラスレンズのプレス成形シミュレーション,日本機械学会論文集 A編,72巻,717号,2006,pp.683-690
しかし、熱伝導・熱伝達解析と変形応力解析を連成したこれまでのガラス成形解析では、構造緩和現象が考慮されていなかった。このため、精度の高い解析結果を得ることができず、成形品の光学性能を保証することが困難であった。
また、上記特許文献1には、金型を要素分割しないことで、計算負荷を低減するとともに要素分割による形状誤差(後述)を回避し、所定時間でより高精度の解析を行なう方法を開示しているが、この方法では金型の弾性変形を考慮することができず、十分な精度を確保することが難しいという問題がある。
一方、解析結果を精度よく評価するための工夫も必要である。従来の評価方法では、シミュレーション結果であるガラス表面上の各要素点と、それぞれに対応する設計曲線(常温時の金型形状に対応し、例えば円弧)上の点との距離の差を用いて評価する。解析結果を評価する場合、要素分割による形状誤差、即ち、解析で有限要素法を使用する場合に曲線部を直線で近似するために生じる外形形状の近似誤差がある。尚、有限要素法では、形状誤差に加えて計算の誤差も発生するが、ここでいう誤差は形状誤差であり、計算誤差は議論しない。図10は、シミュレーション結果の製品形状と、元の設計形状(要素分割された折れ線形状ではない)との差を示すグラフである。尚、図10において、Eを用いた表記は10のべき乗を表し、10E−4は10-4を意味する(後述する図においても同じ)。図10から分かるように、設計形状(円弧)と比較すると誤差が大きい。特に製品の接点位置が金型の接点位置とずれた場合に誤差が大きくなっている。また、解析結果を評価する場合、これまでは設計曲線(常温の金型形状)とガラス製品形状(接点座標値)を比較していたため、金型とガラスの線膨張係数の差に起因する誤差に関しては考慮されていなかった。
さらに、短納期に伴う型製作時間の短縮化、光学素子形状寸法の高精度化に伴う金型形状最適化が市場より強く求められるため、光学素子成形サイクルにおける、金型と成形する光学素子の熱過渡応答ならびに変形過程を連成してシミュレーションし、初期金型形状で付与できる光学素子形状を精度よく予測することがまず必要となる。加えて、求められる光学素子形状を獲得するように、金型形状をその初期形状から修正変更する、あるいは成形サイクルにおける圧力・温度履歴を最適化することで、最終的に一度の成形で目標とする光学素子形状を得る金型形状あるいは成形プロセス条件を求める、金型最適化は行われてこなかった。
さらにより重要な点は、光学素子設計ならびに製造における光学諸特性、動作パフォーマンスの予測が、市場より強く求められていることである。成形前の光学ガラス諸特性は、成形過程における熱過渡、変形履歴により変化し、成形前後の諸特性変化が予測できれば、光学素子製品の信頼度を大きく向上できることは、自明である。また成形時の熱過渡、変形履歴を制御することで、同一の諸特性をもつガラス原料から出発しても、成形で得られる光学ガラスの諸物性に傾斜あるいは分布を発生させ、光学的なパフォーマンスを向上できる。これまでは、その重要性は非特許文献1、2において認識されてきたが、上記成形シミュレーション解析にその機能を組み込み、1つの機能モジュールとして活用することは全くできなかった。
本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであり、
1)解析の精度を高めるとともに解析結果を適切に評価することができ、精度よく製品形状を予測すること、
2)熱過渡応答を追跡する解析機能、変形履歴を記述する解析機能、光学素子の諸特性ならびに光学的パフォーマンスを定量的に予測する解析機能を連成させ、出発素材から成形後の目標光学素子までの形状変化、最終成形製品の密度分布、屈折分布などの諸物性変化を予測すること、
3)目標とする光学素子形状が得られるように金型形状を最適化すること
ができる光学素子のプレス成形シミュレーション方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本願発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、熱伝導・熱伝達解析及び変形応力解析に構造緩和解析を加えた、多モジュールから構成された連成解析を行なう方法を見出した。また、要素分割による誤差及び金型とガラスの収縮率の差に起因する誤差を考慮して、解析結果を評価する方法を見出した。加えて構造緩和機能を開発し、成形プロセス過程におけるガラス物性変化、光学パフォーマンス付与を予測できる方法を見出した。さらに、金型最適化機能をも開発し、目的とする光学素子形状を獲得する金型形状を予測する方法を見出した。
即ち、本発明に係る光学素子のプレス成形シミュレーション方法は、金型を用いて光学素子をプレス成形する過程に関する有限要素法を用いたシミュレーション方法であって、金型および光学素子の熱伝導・熱伝達解析を行なう第1モジュールと、光学素子の構造緩和解析を行なう第2モジュールと、金型および光学素子の変形応力解析を行なう第3モジュールとを含み、時間増分ごとに各モジュールの解析結果を連成させるとともに、時間増分ごとに前記連成解析を繰り返し実行することを特徴としている。
前記第2モジュールの構造緩和解析において、前記光学素子の部位ごとに仮想温度を決定し、すべての材料の構造緩和挙動を1つの緩和曲線モデルで統一的に取り扱うとともに、同一の緩和曲線モデルを用いて前記光学素子材料の諸物性値の変化を算出することができる。
また、前記第3モジュールの変形応力解析において、接触する前記光学素子と金型の間に付着応力を作用させ、該付着応力を接触する前記光学素子と金型の材質と接触面の温度に応じた値に設定して解析を行うことができる。
また、前記第3モジュールの変形応力解析の解析結果を用いて、前記金型と前記光学素子が接触しているか否かを判断し、接触している境界面上には固体間熱伝達率、接触していない境界面上には雰囲気熱伝達率を設定し、次の時間増分における前記第1モジュールの熱伝導・熱伝達解析を行うことができる。
また、冷却過程において、前記第3モジュールの変形応力解析の解析結果を用いて前記光学素子の前記金型からの離型を検知し、離型時から常温に冷却された成形終了時までの前記光学素子と前記金型の冷却収縮量の差を考慮して成形終了時の前記光学素子の形状の金型形状からの偏差を求めるとともに偏差を最小化することを含む金型形状最適化を行う第4モジュールをさらに含むことができる。
前記第4モジュールにおいて、前記離型時の温度である離型温度における前記光学素子の節点に近接する、要素分割された前記金型の表面上に設定した仮想点を、前記光学素子の形状を評価するための仮の基準点とし、前記離型温度における前記光学素子の密度を、前記離型温度よりも低い評価温度における前記光学素子の密度で除算して収縮率を求め、前記仮の基準点の座標に前記収縮率を乗算して真の基準点を求めることができる。
前記第4モジュールにおいて、修正された前記評価温度における前記真の基準点と、前記光学素子の節点座標値の差を第1の偏差値として求め、前記収縮率を前記離型温度の前記金型の節点座標値に乗算した後、前記第1の偏差値を用いて前記乗算後の金型の節点座標位置における第2の偏差値を線形補間で求め、前記乗算後の金型接点座標値と第2の偏差値の和を評価温度における製品形状の予測座標とし、またここで評価温度を常温とすることにより予測座標を最終製品形状の予測座標とすることができる。
本発明に係る光学素子のプレス成形シミュレーションプログラムは、金型を用いて光学素子をプレス成形する過程に関する有限要素法を用いたシミュレーションプログラムであって、有限要素モデルを用いて熱伝導・熱伝達解析を行なう第1機能と、前記第1機能の結果を用いて構造緩和解析を行なう第2機能と、前記第1機能の結果、及び前記第2機能の結果を用いて変形応力解析を行なう第3機能を有し、コンピュータに、時間増分ごとに前記有限要素モデルを修正するとともに前記第1〜第3機能を連成し、繰り返し実行させることを特徴としている。
本発明に係る解析結果の評価プログラムは、上記のシミュレーションプログラムによる解析結果を用いて、前記光学素子の前記金型からの離型を検知し、離型時から常温に冷却された成形終了時までの前記光学素子と前記金型の冷却収縮量の差を考慮して成形終了時の前記光学素子の形状の金型形状からの偏差を求めるとともに偏差を最小化することを含む金型形状最適化機能を有することを特徴としている。
本発明によれば、熱伝導・熱伝達解析と変形応力解析の連成解析に構造緩和解析をさらに連成させることにより、構造緩和によるガラスの諸物性値の変化を変形応力解析に導入することができ、精度よく製品形状を解析することができる。
また、解析の結果としてガラス内部の密度分布、屈折率分布、応力分布などを得ることができ、製品の光学性能とその経時変化を予測・管理するために必要な情報を得ることが可能となる。
また、解析結果の評価において、離型時の金型の要素形状とガラス要素形状を基にして決定した評価の基準点を用いて解析結果を評価することで、従来の評価方法よりも正確に解析結果を評価することができる。
さらに、解析結果の評価において、離型発生時から評価温度までの金型と光学素子との収縮率の差を考慮して、評価の基準点を修正することによって、より一層正確に解析結果を評価するとともに、製品形状を正確に予測することができる。
先ず、本明細書で用いる用語の意味を説明する。
1)雰囲気熱伝達率
ガラス成形は通常、窒素ガスなどの不活性ガス中で実施され、この雰囲気と金型あるいは雰囲気と成形中のガラスとの熱伝達が、金型温度履歴、光学素子温度履歴に大きな影響を与える。この熱伝達率を雰囲気熱伝達率と呼び、その熱伝達率により熱流束−温度関係を定量化する。
2)固体間熱伝達率
金型表面と成形中のガラス表面とは、成形に伴い接触し、高温加圧時に、金型表面形状がガラス表面に転写され、両者の線膨張率の差異から、加圧状態であっても冷却過程で離型が生じ、最終的にガラス形状が決定される。この接触表面での熱伝達の率を固体間熱伝達と呼び、その熱伝達率により熱流束−温度関係を定量化する。
3)ガラス諸物性
ガラスの内部構造変化に起因して変化する物理的、化学的性質を総称する。例えば、密度ならびに屈折率はその代表である。加えてガラスの透過率、反射率、さらに組織振動特性なども含まれる。
4)連成解析
ガラス成形プロセスでは、過熱冷却プロセス、加圧除荷プロセスを制御し、金型ならびに成形中のガラスの温度履歴、変形履歴を変化させる。このため、熱伝導・熱伝達解析と変形応力解析とを、同時に実行し、金型、ガラスの変形抵抗の温度依存性、熱膨張収縮、熱応力などを定量的に評価する必要がある。これを連成解析と呼ぶ。さらにガラスの成形中の密度、屈折率などの諸物性変化、ならびにガラスを成形して作製した製品の光学的パフォーマンスを決定する諸物性の分布、傾斜を予測する構造緩和解析を連成させることで、成形に伴うガラスの形状変化とともにガラスの諸物性変化および分布、傾斜挙動を予測する。
5)構造緩和解析
ガラスに代表されるアモルファス固体(多くの金属、無機質がもつ特定の結晶構造をもたない固体)は、所定の温度に十分に保持すると、その保持温度に対応するガラス内部構造をもつ。この構造変化を構造緩和と呼び、また安定化したガラス内部構造に対応する温度を仮想温度と呼ぶ。構造緩和解析では、目標の光学素子を作成するためのガラスの構造緩和挙動測定から求めた緩和関数を利用し、成形時、加熱冷却時などの成形各段階におけるガラスの内部構造変化ならびにその分布、傾斜を、それぞれ仮想温度変化ならびに仮想温度分布、傾斜として、定量的に記述する。
緩和曲線を表現するモデルとしては、Adam-Gibbsモデル、Narayanaswamyモデルなどが提案されているが、当該ガラスの緩和挙動に適した緩和曲線モデルを選択する必要がある。Narayanaswamyモデルは上記の非特許文献1に公知であり、例えば、汎用の非線形構造解析プログラムであるMarcの機能として提供されている。実際にこのモデルを熱伝導・熱伝達解析、変形応力解析と連成させるには、時間増分の最適化に加えて、当該モデルで予測可能な温度範囲の制御などが不可欠である。さらに個別のガラス材料ごとに異なる緩和曲線をどのように取り扱うかなど、入力データ整備も必要となり、効率的かつ信頼度をもった解析に利することは、機能追加では実現不可能である。
6)ガラス物性予測
構造緩和解析では、ガラス部位ごとに仮想温度変化を予測するとともに、例えば比容積−保持温度関係(あるいは線膨張係数の温度依存性)より、ガラス部位ごとに密度変化を予測する。他の光学物性に関しても、例えば屈折率の温度依存性データを入力することで、構造緩和解析を通じて、屈折率変化を予測できる。密度あるいは屈折率の緩和曲線は一般的に異なるため、より精密な予測にはそれぞれの緩和曲線モデルを入力データとして整備する必要がある。1つの簡便法として、仮想温度の緩和曲線モデルを共通に用い、密度に関しては比容積−保持温度関係を、屈折率に関しては屈折率−保持温度関係を用いて、それぞれの物性変化を予測する方法が提案できる。
7)多緩和時間モデル
個別のガラス材料ごとに最適な緩和時間モデルは異なるため、前述のように1つの機能を用意しても、個別対応で個々のガラス材料の構造緩和解析することも、汎用で構造緩和解析することも難しい。多緩和時間モデルは、一般化Maxwelモデルを拡張し、最適化した項数の緩和時間モデルの組み合わせで、対象のガラス材料ごとの構造緩和モデルを表現する。すなわち、物性Pの緩和曲線をMpとすると
Mp=Σii×exp[−t/τi]
ここに、wiは最適化した重み係数、τiはi番目の緩和時間であり、Σiはiについての和を求める演算を表しており、項数、緩和時間の最適化を行うことが重要となる。
以下、本発明に係る実施の形態を、添付した図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光学素子のプレス成形シミュレーション方法を示すフローチャートである。本実施の形態に係るシミュレーション方法は、有限要素法を用いた数値計算法であり、コンピュータによって実行される。コンピュータは、CPU、メモリ、記録装置、入力装置(キーボードなど)、表示装置(グラフィックディスプレイなど)を備えている。従って、以下の説明において、特に断らない限りコンピュータのCPUが実行する処理として記載する。また、CPUは、メモリの一部をワーク領域として使用して処理を実行し、処理結果をメモリに一時的に記憶し、適宜記録装置にも記録する。
ステップS1において、プレス成形に用いる金型、ガラスの初期形状、初期条件および物性値(材料定数)の入力を受け付ける。これらの値は、キーボードなどの入力装置から入力されてもよく、予め記録装置に記録されたデータが用いられてもよい。
初期条件は、熱伝導・熱伝達解析に使用する金型およびガラスの温度、構造緩和解析に使用するガラスの仮想温度、変形応力解析用として金型およびガラスのひずみ、応力である。
また各物性値には、熱伝導・熱伝達解析に使用する物性値と、構造緩和解析に使用する物性値および変形応力解析に使用する物性値とがある。金型の物性値は、熱伝導・熱伝達解析用として熱伝導率、密度及び比熱であり、変形応力解析用として線膨張係数(密度)及び弾性率である。ガラスの物性値は、熱伝導・熱伝達解析用として熱伝導率、密度及び比熱であり、変形応力解析用として線膨張係数(密度、あるいは構造緩和解析と連成する場合には初期密度)、弾性率及び変形抵抗である。
雰囲気の物性値は、熱伝導・熱伝達解析用として熱伝達率及び輻射率であり、変形応力解析用の物性値は不要である。なお、後述するように、時間経過に応じて金型とガラスの接触状態が変化するので、計算においては接触状態に応じた境界条件を使用する。従って、非接触状態と接触状態の2種類の熱伝達率が入力される。即ち、非接触状態用として雰囲気熱伝達率が、接触状態用として固体間熱伝達率が入力される。また、当然のことながら接触状態にある場合のみガラスと金型間に接触力が作用する。ガラスの物性値は、構造緩和解析用として無次元緩和曲線モデルおよびパラメータ、予測する物性値の温度依存性である。対象とするガラス材料の種類に応じて、適切な無次元緩和曲線モデルは異なるため、ここでは、ガラス材料ごとのデータベースとともに、汎用の多緩和時間モデルを用意し、プリプロセッサーにより、ガラス材料ごとに用いる最適な無次元緩和曲線モデルの決定、無次元緩和曲線パラメータの導出、多緩和時間モデルパラメータの計算などを行い、すべての材料の構造緩和挙動を、1つの構造緩和モデルで統一的に取り扱っている。したがって、解析者はデータベース内で対象とするガラス種別を選択するか、あるいは個別のガラス材料ごとに測定した緩和時間データを入力することで、シミュレーションに用いる機能を準備することができる。
金型の形状データは、所定の座標軸における金型の外観形状を表すデータであり、3次元の場合、複数の立体形状の組み合わせ、複数の代表点及びその間の面形状を表す関数などによって設定される。必ずしも3次元的に設定する必要はなく、対称性がある場合には2次元的に設定することもできる。例えば、軸対象な形状であれば円筒座標を用いて、2次元的に設定される。
ステップS2において、有限要素法モデルを生成、即ち、ステップS1で入力された金型およびガラスの形状データを用いて、数値計算の対象となる空間を要素(メッシュ)に分割し、要素の頂点である節点の座標を計算する。要素分割の程度(分割数)は、入力装置から直接入力されてもよく、予め記録装置に記録されていたデータが用いられてもよい。なお、有限要素法モデルの生成方法は当業者には周知であるので、説明を省略する。また、要素にはステップS1で読み込んだ物性値を割り当てる。
ステップS3において、境界条件と接触条件(金型とガラス間の接触面における物性値)の入力を受け付ける。境界条件は、金型と周囲環境との境界部分における温度などの熱的データ(熱伝導・熱伝達解析で使用される)及び荷重などの機械的データ(変形応力解析で使用される)である。例えば、図2に示した構成の場合、上側の金型の上端面及び下側の金型の下端面での荷重(圧力)と、金型の外側面での温度とが入力される。熱的データ(温度など)、機械的データ(荷重など)は時間的に設定され、例えば図3に示したように設定される。図3で横軸は時間(sec)を表し、左右の縦軸は、それぞれ温度(℃)及び荷重(kN)を表す。この時間的に変化する温度及び荷重パターンは、プレス成形時の成形条件に対応する。接触条件は、熱伝導・熱伝達解析用として金型表面とガラス間の熱伝達率であり、変形応力解析用として摩擦係数および付着応力である。なお、後述するように、時間経過に応じて金型とガラスの接触状態が変化するので、計算においては接触状態に応じた境界条件を使用する。従って、非接触状態と接触状態の2種類の熱伝達率が入力される。即ち、非接触状態用として雰囲気熱伝達率が、接触状態用として固体間熱伝達率が入力される。
ステップS4において、ステップS1で読み込んだ金型およびガラスに関する初期の温度、仮想温度、密度、形状、応力、ひずみを初期条件として各要素に割り当てるとともに、解析条件の入力を受け付ける。解析条件は、繰返し処理の時間増分Δtや解析終了時刻tmax、増分内での解析精度を保障するためのパラメータ(解の収束を判断する基準値や接触を検出する領域幅)などである。時刻t=0(処理の開始時刻)と処理の終了時刻tmaxは、図3に示した点S(荷重が0N、温度が690℃)と、点E(荷重が0N、温度が20℃)とに対応する。
ステップS5、6、および7において、ステップS1〜S4で設定された値を用いて、有限要素法による熱伝導・熱伝達解析、構造緩和解析および変形応力解析を実行し、時刻tと対応させて解析結果を記録装置に記録する。解析条件および境界条件には、時刻tにおける条件を用いる。例えば、境界条件に関しては、ステップS3で設置された値(図3に示したグラフの時刻tにおける値)を用いる。初期条件に関しては、1回目の解析時にはステップS1〜S4で設定された初期値を用いるが、後述する処理を実行した後、再びステップS5、6、および7での処理を実行する場合には、それまでの解析結果によって修正された値を用いる。まず、ステップ5では、熱伝導・熱伝達解析をおこなう。解析の前に金型とガラスの接触状態を判断し、両者が接触している境界領域には固体間熱伝達率を用い、両者が非接触の境界領域には雰囲気熱伝達率を用いて解析を行なう。解析結果は、金型及びガラスの温度分布(各節点の温度)である。なお、有限要素法による熱伝導・熱伝達解析、即ち、所定の境界条件で、エネルギー保存則を有限要素法で数値計算する方法は当業者には周知であるので、説明を省略する。
ステップS6において、ステップS5での解析結果(ガラスの温度分布)を用いて、構造緩和解析を行ない、時刻tと対応させて各要素ごとの仮想温度、密度、光学物性変化を計算し、その解析結果を記録する。各時刻で得られた密度変化は、熱伝導・熱伝達解析、変形応力解析へ受け渡され、密度の更新、体積変化による応力効果などを定量評価するために利用される。また各時刻で予測された光物性変化、例えば屈折率変化は、要素ごとの履歴として記録される。
ステップS7において、ステップS5及びS6での解析結果から、金型及びガラスに関する上記した物性値を決定し、これらを用いて変形応力解析を行ない、時刻tと対応させて解析結果を記録する。ステップS5同様に金型とガラスの接触状態に応じた接触条件が用いられる。解析結果は、金型及びガラスの変形、応力分布及びひずみ分布即ち、各節点の座標、応力及びひずみである。なお、有限要素法による変形応力解析、即ち、所定の境界条件で、運動方程式(あるいは仮想仕事式)を有限要素法で数値計算する方法は、当業者には周知であるので説明を省略する。
ステップS8において、t≧tmaxか否かを判断し、終了時刻を経過したか否かを判断する。経過していないと判断した場合ステップS9に移行し、経過したと判断した場合ステップS10に移行する。
ステップS9において、時刻tに時間増分Δtを加算した値を新たな時刻tとし、ステップS7の解析結果(各節点の座標)を新たな初期条件として設定する。ステップS7の解析結果(各節点の座標)を用いることは、有限要素法モデルを修正することに該当する。
以上の処理によって、解析開始から解析終了までの間、Δtの時間間隔で各節点の座標、温度分布及び各要素の応力分布、ひずみ分布、及び密度分布を求めることができ、それらのデータを時刻tと対応させて記録することができる。また構造緩和解析と連成している場合には、Δtの時間間隔で仮想温度分布及び密度、屈折率などの光学物性分布を求めることができる。表1に、上記した解析の入出力データをまとめて示す。
表1において、構造緩和特性とは、緩和曲線パラメータ、比容積−保持温度関係、屈折率−保持温度関係を意味する。
次に、以上の解析上の留意点と金型形状最適化の手順について述べる。
ステップS10において、冷却の過程において金型とガラスとが分離(以下、離型と記す)する時刻tsを検知し、離型発生時の離型温度T1から所定の評価温度T2までのガラスの収縮履歴を求める。具体的には、ステップS8までの処理で記録された一連のデータを用いて、金型形状からガラスが剥離し、2固体間での表面力がゼロとなる離型時刻と、その時点のガラスの平均温度、即ち離型温度T1を決定する。離型温度T1から所定の評価温度T2まで冷却する間のガラスの収縮量βは、離型温度T1における密度ρ1および評価温度Tにおける密度ρ2を用いてβ=ρ1/ρ2によって求める。なお、評価温度T2は予め設定されていてもよく、入力手段から適宜入力されてもよい。
ステップS11において、離型時の温度T1における金型の「基準点」を求める。基準点とは、離型温度T1における、製品(レンズ)の表面を表す各節点に対応(近接)する金型表面上の仮想点を、ガラスの収縮率を考慮して修正して得られた点である。図4を用いて具体的に説明すれば次の通りである。
図4は、ガラスの表面及び上側の金型の表面の一部を示す図であり、金型表面の実形状を2点鎖線、金型表面の要素形状を点線、ガラス表面の要素形状を実線で示している。図4では、金型が軸対称であると仮定し、円筒座標を使用している。点A1〜A4は、離型温度T1における金型表面の節点であり、点B1〜B4は、離型温度T1におけるガラス表面上の節点である。要素の形状は多角形(要素の1辺は直線)であるので、図のように金型表面の実形状とは明らかな誤差(例えばC4とD4の距離)が生じる。そこでガラス節点B1〜B4と同一のr座標を持つ金型要素表面上の点(簡単のため同一座標としたが、B1〜B4に最も距離が近い金型要素上の点を算出しても良い)を隣接する2つの金型節点をA1〜A4用いて線形補間で求め、ガラスの形状(節点位置)を評価するための仮の基準点C1〜C4とする。図4では、ガラスと金型と形状差を明瞭に示すため、C1〜C4とB1〜B4間隔を大きく描画しているが、C1〜C4はそれぞれB1〜B4にほぼ一致している。
そして、求めたn個の仮の基準点の座標(Zj,rj)(j=1〜n)に、ステップS10で求めたガラスの収縮率β0を用いて、Zj’=Zj×β0によって、rj’=rj×β0によってZj’、rj’を求め、これを評価温度T(評価温度T<離型温度T1)における基準点とする。図4では、基準点を点C1’〜C4’で示している。
図4では、ガラスおよび金型が冷却されて収縮している様子を明瞭に示すため、間隔を大きく描画している。
ガラスの収縮率β0を用いて仮の基準点を修正するのは、ガラスと金型の収縮量の差を補正し、後述する評価精度を向上させるためのものである。
ステップS12において、一連の解析結果データから評価温度Tにおけるガラス表面上の各節点の座標を読み出し、各々に対応する金型表面上の基準点との距離(第一偏差)を算出して提示する。図4では、離型温度T1における節点である点B1〜B4に対応する、評価温度Tにおける節点を点B1’〜B4’で示している(温度変化による節点の座標の変化を破線矢印で示す)。従って、各接点の第一偏差はd1〜d4である。尚、図4ではr座標の変化が無い場合を示しているが、通常はr座標も変化するためr方向の偏差も算出する。偏差が提示されることによって、例えば表示装置にグラフとして表示されることによって、偏差の大きさを評価し、シミュレーション結果の適否を判断することができる。
また、図4においてA1’〜A4’は、金型節点座標A1〜A4に収縮率β0を乗算したものである。A1’〜A4’に対応する第二偏差を第一偏差より線形補間で求め、A1’〜A4’の座標値に加算することにより評価温度における製品形状の予測座標を得ることができる。ここで評価温度を常温にすれば、成形後の製品形状の予測座標となる。上記予測座標は、目標とするガラス形状寸法とは、一般的に異なる。この差異(第三偏差)は、初期の金型形状や成形条件が最適でないために生じている。
第三偏差が比較的大きい場合や局部的なゆがみが発生している場合は、成形条件(境界条件)を変更して再度成形シミュレーションを実行する。第三偏差が比較的小さい場合は、離型後の冷却時の収縮履歴が同一として、第三偏差を常温における金型形状に加算して金型形状を補正し、再度、成形シミュレーション解析を実行する。
このようにして、反復計算で求められた最終的な金型形状は、収縮履歴後のガラスの形状寸法が目的のガラスの形状寸法に最も近接する、最適な金型形状を与える。
ステップS13において、終了の指示があったか否かを判断し、終了の指示があるまで、ステップS1〜S12の処理を繰り返す。例えば、ステップS12での評価結果が満足できるもので無ければ、金型の初期形状もしくは成形条件(境界条件:温度及び荷重パターン(図4参照))を修正するためにステップS1に戻る。
以上によって、望ましい評価結果が得られた場合、そのときの金型の初期形状、並びに成形条件を決定し、決定された金型の初期形状に従って実際に金型を製作し、その金型を用いて、決定された成形条件に従って、ガラスのプレス成形を実行することができる。その結果、効率的に、精度よく所望のガラス製品を製作することができる。
本発明の評価方法の有効性を図5〜図8を用いて示す。図5は、軸対称の金型に関して、上記したようにシミュレーションを行い、離型が発生しない時点で仮の基準点(収縮率の差を考慮する前)を決定し、ガラス表面の各節点と仮の基準点との偏差を求めた結果を示すグラフである。図5には、比較のために、従来の方法で求めた偏差(図10参照)も示している。従来の方法では、例えば図4における点B4と点D4’(正確には、評価温度によらない、金型の設計形状における点)との間隔を偏差とする。これに対して、ここでは、点B4と点C4との間隔を偏差とする。図5から分かるように、本方法では要素分割に起因する誤差が発生しない。
図6は、一連のシミュレーション結果を用いて、690℃における金型形状より基準点を算出し、製品(ガラス)形状の偏差を、基準点を一定とする方法で評価した結果を示す。図6には、冷却開始前(690℃)、650℃、560℃、20℃の各温度における偏差を示している。ここでRは、評価基準温度での金型の曲率半径(本解析事例では金型形状は球面とした)であり、原点(半径方向位置=0)が一致するようにシフトして重ねて表示している(以下、図7,8,10も同様)。図6から分かるように、半径位置が大きくなるに従って偏差が大きくなるように見える。
一方、図7は、図6で使用したのと同じシミュレーション結果を用いて、690℃で離型すると仮定して、基準点を修正する方法で製品形状の偏差を評価した結果を示すグラフである。図6には、冷却開始前(690℃)、650℃、560℃、20℃の各温度における偏差を示す。図7から分かるように、微小な偏差が評価でき、製品の局部的な変形や成形のどの時点で形状の偏差が大きくなるかが明確である。この例では、冷却初期に偏差が大きくなる。また、半径方向位置が1.5mmの位置に明確な変局点が有ることが分かる。
また、図8は、成形条件を最適化することによって、形状偏差を小さくすることができた例を示すグラフである。図8には、離型温度が643℃の場合と620℃の場合の2つのグラフを示す。これから分かるように、離型温度が620℃になるように制御することによって、偏差を50nm以下と非常に小さくすることができる。これらのことから、本発明の評価方法の有効性が分かる。
ステップS10における離型発生の判断は、人が画像を見て離型の発生を判断することに限定されず、自動的に判断するようにしてもよい。例えば、ガラスと接触する金型表面上の節点に対応させてフラグを設け、変形応力解析の結果に応じて境界の接触を判断し、接触した節点に対応するフラグを変化させ、フラグ全体を時刻tと対応させて記録してもよい。例えば、フラグの初期値(非接触)として“0”をセットし、接触した場合“1”をセットし直す。これによって、一連の解析が終了した後に、フラグの状態に応じて、離型の発生を自動的に検知することができる。例えば、一旦全てのフラグが“1”になった後、少なくとも1つのフラグが“0”になったときや、全てのフラグが“0”になったときを離型発生時とすることができる。実際には、徐々に離型が進行する場合もあるので、所定数又は全フラグ中の所定割合のフラグが“1”になったときを、離型発生時としてもよい。
また、ステップS11において、離型温度T1における金型形状より決定した仮の基準点をガラスの収縮率を考慮して修正して基準点を求める場合を説明したが、これに限定されない。例えば、ステップS11を、評価温度Tにおける金型の形状(節点)を読み出し、これを用いて仮の基準点を求め、これを金型及びガラスの収縮率を考慮して修正して、離型時の基準点を求めるように変更してもよい。その場合、評価温度Tにおける仮の基準点は上記と同様に求めればよい。一方、仮の基準点を修正する方法は上記とは異なる。即ち、金型の収縮率β1をβ1=ρ1k/ρ2k(ここで、ρ1kは離型温度T1における金型の密度、ρ2kは評価温度T2における金型の密度である)によって求め、仮の基準点(Z1j,r1j)(j=1〜n)のZ座標Z1j、ステップS10で求めたガラスの収縮率β0、及び金型の収縮率β1を用いて、Z1j’=Z1j×(β0/β1)によって新たなZ座標Z1j’を求め、基準点(Z1j’,r1j)を決定すればよい。
また、上記では、所定の時間間隔で、熱伝導・熱伝達解析、構造緩和解析及び変形応力解析を実行する場合を説明したが、これに限らず、温度や荷重の変化に応じて適当な時間間隔に変更して解析を行ってもよい。
また、成形条件(境界条件:制御する温度、荷重の時間変化)の一例として、予め高温に設定された図4のグラフを示したが、これに限定されず、種々の成形条件を使用することができる。例えば、図9に示したように、所定の温度まで上昇させる最初の過程を含む成形条件を用いて解析してもよい。図9は、加熱が約60秒、保持が約20秒として、解析時間短縮のため加圧開始から解析を開始するように時間軸の原点を設定した例であるが、加熱の開始時刻から解析を開始してもよい。
また、上記では、収縮率によって離型温度での金型表面上の点を修正して基準点としたが、収縮率による修正をすることなく、離型温度での金型表面上の点、即ち上記した仮の基準点を基準点として偏差を求めてもよい。図5から分かるように、仮の基準点を基準点として用いても、従来の評価方法で生じる要素分割による誤差が生じないので、従来よりも精度よく解析結果を評価できる。
また、上記のシミュレーション方法で得られた結果は、ガラス製品(レンズ)の光学特性の評価に利用することができる。例えば、構造緩和解析の結果得られる仮想温度分布から屈折率分布を求め、ガラス製品の光学特性を評価することができる。
以上、本発明の実施の形態を用いて説明したが、これに限定されず、種々の変更を加えて実施することができる。
本発明の実施の形態に係るプレス成形シミュレーション方法を示すフローチャートである。 解析対象の構成の一例を示す図である。 成形条件である温度及び荷重の一例を示すグラフである。 金型の基準点を求める方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係るプレス成形シミュレーション方法による評価の有効性(要素分割による形状誤差の除去)を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係るプレス成形シミュレーション方法による解析結果を従来方法(収縮率による補正なし)で評価した結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係るプレス成形シミュレーション方法による解析結果を本発明の評価方法(収縮率による補正あり)で評価した結果を示すグラフである。 成形条件を最適化することによって形状の偏差を小さくすることができた例を示すグラフである。 成形条件の別の例を示すグラフである。 シミュレーション結果の製品形状と、元の設計形状(要素分割された折れ線形状ではない)との差を示すグラフである。
符号の説明
1 上側の金型
2 下側の金型
3 ガラス

Claims (9)

  1. 金型を用いて光学素子をプレス成形する過程に関する有限要素法を用いたシミュレーション方法であって、
    金型および光学素子の熱伝導・熱伝達解析を行なう第1モジュールと、光学素子の構造緩和解析を行なう第2モジュールと、金型および光学素子の変形応力解析を行なう第3モジュールとを含み、時間増分ごとに各モジュールの解析結果を連成させるとともに、時間増分ごとに前記連成解析を繰り返し実行することを特徴とする光学素子のプレス成形シミュレーション方法。
  2. 前記第2モジュールの構造緩和解析において、前記光学素子の部位ごとに仮想温度を決定し、すべての材料の構造緩和挙動を1つの緩和曲線モデルで統一的に取り扱うとともに、同一の緩和曲線モデルを用いて前記光学素子材料の諸物性値の変化を算出することを特徴とする請求項1に記載の光学素子のプレス成形シミュレーション方法。
  3. 前記第3モジュールの変形応力解析において、接触する前記光学素子と金型の間に付着応力を作用させ、該付着応力を接触する前記光学素子と金型の材質と接触面の温度に応じた値に設定して解析を行うことを特徴とする請求項1に記載の光学素子のプレス成形シミュレーション方法。
  4. 前記第3モジュールの変形応力解析の解析結果を用いて、前記金型と前記光学素子が接触しているか否かを判断し、接触している境界面上には固体間熱伝達率、接触していない境界面上には雰囲気熱伝達率を設定し、次の時間増分における前記第1モジュールの熱伝導・熱伝達解析を行うことを特徴とする請求項1に記載の光学素子のプレス成形シミュレーション方法。
  5. 冷却過程において、前記第3モジュールの変形応力解析の解析結果を用いて前記光学素子の前記金型からの離型を検知し、離型時から常温に冷却された成形終了時までの前記光学素子と前記金型の冷却収縮量の差を考慮して成形終了時の前記光学素子の形状の金型形状からの偏差を求めるとともに偏差を最小化することを含む金型形状最適化を行う第4モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光学素子のプレス成形シミュレーション方法。
  6. 前記第4モジュールにおいて、
    前記離型時の温度である離型温度における前記光学素子の節点に近接する、要素分割された前記金型の表面上に設定した仮想点を、前記光学素子の形状を評価するための仮の基準点とし、
    前記離型温度における前記光学素子の密度を、前記離型温度よりも低い評価温度における前記光学素子の密度で除算して収縮率を求め、
    前記仮の基準点の座標に前記収縮率を乗算して真の基準点を求めることを特徴とする請求項5に記載の光学素子のプレス成形シミュレーション方法。
  7. 前記第4モジュールにおいて、
    修正された前記評価温度における前記真の基準点と、前記光学素子の節点座標値の差を第1の偏差値として求め、
    前記収縮率を前記離型温度の前記金型の節点座標値に乗算した後、前記第1の偏差値を用いて前記乗算後の金型の節点座標位置における第2の偏差値を線形補間で求め、前記乗算後の金型接点座標値と第2の偏差値の和を評価温度における製品形状の予測座標とし、またここで評価温度を常温とすることにより予測座標を最終製品形状の予測座標とすることを特徴とする請求項6に記載の光学素子のプレス成形シミュレーション方法。
  8. 金型を用いて光学素子をプレス成形する過程に関する有限要素法を用いたシミュレーションプログラムであって、
    有限要素モデルを用いて熱伝導・熱伝達解析を行なう第1機能と、
    前記第1機能の結果を用いて構造緩和解析を行なう第2機能と、
    前記第1機能の結果、及び前記第2機能の結果を用いて変形応力解析を行なう第3機能を有し、
    コンピュータに、時間増分ごとに前記有限要素モデルを修正するとともに前記第1〜第3機能を連成し、繰り返し実行させることを特徴とする光学素子のプレス成形シミュレーションプログラム。
  9. 請求項8に記載のシミュレーションプログラムによる解析結果を用いて、
    前記光学素子の前記金型からの離型を検知し、離型時から常温に冷却された成形終了時までの前記光学素子と前記金型の冷却収縮量の差を考慮して成形終了時の前記光学素子の形状の金型形状からの偏差を求めるとともに偏差を最小化することを含む金型形状最適化機能を有することを特徴とする解析結果の評価プログラム。
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