JP2008273050A - 印画装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送経路が反転される印画紙に対して、安定した斜行補正を行う。
【解決手段】印画紙7aを搬送する搬送手段3と、印画紙7aをガイドすることにより搬送方向を反転させる反転部4と、印画紙7aに対して画像を形成する印画ヘッド5とを備え、反転部4は、印画紙7aの搬送方向をガイドするガイド面33に、印画紙7aの搬送方向と略直交する幅方向の両端に突設され同方向の中心に向かって漸次低くなるように傾斜する傾斜部35が設けられ、印画紙7aの印画ヘッド5に対する斜行を防止する。
【選択図】図4

Description

本発明は、印画紙の搬送手段と、印画紙に対する印画手段を備えた印画装置に関し、特に、印画手段に対する印画紙の搬送位置補正を行う補正手段を備えた印画装置に関する。
従来より、印画紙や映画フィルム等に熱転写やレーザ等により印画するプリンタ装置がある。このプリンタ装置は、複数の印画シートを積層状に収納可能なシート収納部と、該シート収納部に収納された印画シートを1枚ずつ取り出すピックアップ部と、該ピックアップ部により取り出された印画シートを搬送する搬送部と、該搬送部により搬送された印画シートに画像を形成する印画ヘッドと、印画ヘッドにおいて印画された印画シートを排出するシート排出部とを備える。
この種のプリンタ装置においては、シート収納部からピックアップ部により印画シートを取り出し搬送部によって印画ヘッドへ搬送する過程において、複数の搬送ローラ等により順次印画シートを搬送するため、印画ヘッドに対して印画シートの搬送位置にずれが生じるおそれがあった。かかる印画シートの位置ずれが起きると、印画シートがヘッドに対して正対せず、印画シートがヘッドに対して斜めに搬送されることとなる。そして、このような位置ずれが起こると印画シートの一部に画像が印刷されなくなり画像の欠落が生じたり、印画シートに対する画像の向きにずれが生じる等、印画不良の原因となり、また、装置本体内において印画シートのジャムを誘発し、プリンタ装置の故障や損傷を招くおそれもある。
また、長尺な印画紙がロール状に巻回されて装置本体内に収納され、印画後に所定の大きさに切断して排出するプリンタ装置においては、いったん印画シートの斜行が生じると、ずれ量が徐々に増大していき印画不良、ジャム発生のおそれも高く、印画シートを切断しても、斜行の影響が後続の印画シートに残存してしまう。
かかる印画シートあるいは長尺な印画紙ロールの斜行を防止するため、例えば、ガイド壁に対して印画シートを押し当てることにより印画シートの斜行を補正する補正手段を備えたものなど、種々の斜行補正手段が提案されている。
ところで、近年、プリンタ装置の中には、装置本体の小型化や操作性、デザイン性の向上といった要求に応じて、印画シートあるいは印画紙ロールの搬送経路を、装置本体内で略U字状に反転させ、装置本体の前面に画像が印刷された印画紙を排出するようにした機種が提案されている。かかる反転部を備えたプリンタ装置においては、印画紙あるいは印画紙ロールの搬送方向が反転されことにより印画シートあるいは印画紙ロールに曲げ応力がかかり、また搬送距離が長くなるなど、斜行の発生を誘発する因子が増える。
したがって、かかる反転部においても、斜行を防止する手段を施すことが望ましいが、反転部は湾曲した狭い経路で構成されているため、上述したようなガイド壁への押し当てによる斜行補正手段を配置することが困難である。また、反転部における印画シートあるいは印画紙ロールは、曲げ応力がかかっているため不安定な状態となっているため、ジャム発生の誘発を防止する観点からも、複雑な構成の斜行補正手段は採用しにくい。
特開2003−154717号公報
そこで、本発明は、印画紙の搬送経路を反転させる反転部を備えたプリンタ装置であって、反転部において不安定な状態における印画紙に対して、安定して斜行補正を行うことができる印画装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明にかかる印画装置は、印画紙を搬送する搬送手段と、上記印画紙をガイドすることにより搬送方向を反転させる反転部と、上記印画紙に対して画像を形成する印画ヘッドとを備え、上記反転部は、上記印画紙の搬送方向をガイドするガイド面に、上記印画紙の搬送方向と略直交する幅方向の両端に突設され同方向の中心に向かって漸次低くなるように傾斜する傾斜部が設けられ、上記印画紙の上記印画ヘッドに対する斜行を防止することを特徴とするものである。
本発明にかかる印画装置によれば、反転部は、印画紙が摺動するガイド面に傾斜部が設けられているため、印画紙に斜行が発生しても、傾斜部を滑ることで正規の位置へ補正することができる。したがって印画装置は、印画ヘッドに対して印画紙が正対して搬送されることから、印画紙の一部に画像の欠落が生じたり、印画紙の向きに対して画像が傾いて印刷されるなどの印刷不良を防止することができる。
以下、本発明が適用されたプリンタ装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、本発明が適用されたプリンタ装置1は、印画紙に対してインクリボンを密着させ、サーマルヘッドによる熱エネルギーでインクリボンに塗布された昇華性染料を昇華、印画紙上に転写させることにより画像を得るサーマルプリンタである。かかるプリンタ装置1は、長尺な印画紙がロール状に巻回されて装置本体2内に収納され、この印画紙ロール7より引き出された印画紙に対して画像を形成した後、所定の大きさに切断して排出することにより、所望の写真を得るものであり、略矩形状に形成された装置本体2内に、印画紙ロール7を搬送する搬送機構3と、搬送機構3による印画紙ロール7の搬送方向を反転させる反転部4と、反転部4の下流に位置され印画紙ロール7に対して画像を形成するサーマルヘッド5と、画像が印刷された印画紙を所定の大きさに切断する切断部6とが設けられている。
略矩形状に形成された装置本体2は、前面2aにドアパネル11、印刷された印画紙が排出される排紙口12及び画像が記録された記録メディアが挿入される記録メディア用スロットやUSBポートが形成されたインタフェース部13が設けられている。ドアパネル11は、前面2aの下部を支点に前方へ回動可能に形成され、内面側に排紙口12より排出される写真を受けるホルダが形成されている(図示せず)。また、装置本体2は、ドアパネル11を開くことにより、印画紙ロール7を装填する装填口が外方に臨まされ(図示せず)、印画紙ロール7の交換が可能となる。また排紙口12は、画像が印刷された印画紙ロール7が所定の大きさに切断された後、搬送機構3によって装置本体2外へ排出される。排紙口12から排出された写真は、前面側に回動されたドアパネル11のホルダに投函される。インタフェース部13は、各種記録メディアが挿入可能なスロットや、USBポートが設けられ、記録メディアやUSBを介して接続されたデジタルスチルカメラやカムコーダといった記録媒体に記録された画像情報が伝達され、かかる画像情報を元に所定の画像を印刷する。
また装置本体2は、上面2bにLCDパネル14が設けられている。LCDパネル14は、インタフェース部13を介してプリンタ装置1に取り込まれた画像や印刷工程、各種メッセージが表示されるとともに、印刷する画像や枚数の選択、印刷動作の開始といった各種操作を行うタッチディスプレーである。LCDパネル14は、略矩形状に形成され、前面2a側の側縁部を支点に、前面2a側に回動可能に形成され、ユーザによる視認性、操作性が向上されている。
なお、装置本体2は、右側面2cにインクリボンカートリッジの着脱を行うためのリボンドア15が設けられている。また、装置本体2の背面側には、図示しない主電源スイッチや外部機器との接続用コネクタが配設されている。
図2に、装置本体2内の概略構成を示す。プリンタ装置1は、装置本体2内に装填された印画紙ロール7より引き出された印画紙7aを搬送する搬送機構3を備える。搬送機構3は、印画紙ロール7より印画紙7aを引き出す給紙ローラ21と、反転部4より搬送経路の下流側に配設されたピンチローラ22及びキャプスタンローラ23と、サーマルヘッド5よりも装置本体2の前面2a側に設けられた排紙ローラ部とを備える。
そして搬送機構3は、給紙ローラ21によって印画紙7aを装置本体2の前面2a側から背面側に向かって引き出し、反転部4によって搬送方向が前面側に反転された印画紙7aをピンチローラ22及びキャプスタンローラ23によってサーマルヘッド5に対して往復搬送し、印刷が終了すると、排紙ローラ部にガイドされながら排紙口12より印画紙7aを排出する。
具体的に、搬送機構3は、印画紙7aに画像を印刷する際には、インクリボンのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の染料層及び印刷した画像を保護するラミネート層を1枚の印画紙7aに転写するために、ピンチローラ22及びキャプスタンローラ23によってサーマルヘッド5上を複数回往復させ、ラミネート層の転写が終了すると、排紙口12まで搬送する。すなわち搬送機構3は、印刷工程においては、印画紙ロール7より引き出された印画紙7aを、図2中矢印F方向及び矢印B方向へ往復搬送する。
反転部4は、印画紙7aの搬送経路を装置本体2の背面方向から前面方向に向かって反転させるものであり、図3及び図4に示すように、搬送方向が反転される印画紙7aの内面側が摺動する内周ガイド31と、搬送方向が反転される印画紙7aの外面側をガイドする外周ガイド32とが突き合わせ結合されて形成されている。そして反転部4は、これら内周ガイド31と外周ガイド32との間に、印画紙7aが挿通される断面略U字状の反転路30が形成されている。そして、反転部4は、給紙ローラ21によって引き出された印画紙7aを、図3中矢印i方向より反転路30内に挿入させ、搬送方向が反転された後、同図中矢印o方向より排出させる。
内周ガイド31は、略中空円筒状に形成されるとともに周壁の一部が切り欠かれて、内部が外方に臨まされた形状をなす。内周ガイド31の周壁は、印画紙7aが摺動されることにより搬送方向を反転させるガイド面33とされている。ガイド面33は、印画紙7aの摺動を妨げない円弧状の平滑な面とされている。またガイド面33は、印画紙7aの幅よりも広い幅を有し、幅方向の両端部には、印画紙7aの斜行を防止する傾斜部35,35が形成されている。
傾斜部35,35は、ガイド面33の幅方向の両端部に突設され、幅方向の中心側に向かって漸次下降していく傾斜面35aが設けられている。そして傾斜部35,35は、搬送中の印画紙7aが斜行すると、印画紙7aの搬送方向と直交する幅方向の両側縁が、傾斜面35aに摺動することにより、印画紙7aをガイド面33の中心方向にガイドする。図4に示すように、傾斜部35,35は、ガイド面33の両端における傾斜面35aとガイド面33との接点間の距離Lが印画紙7aの幅と略同一とされている。これにより、傾斜部35,35は、反転部4における印画紙7aに斜行が発生すると、印画紙7aは側縁部が傾斜面35aに乗り上がるが、傾斜面35a上を搬送されるにつれて下方に滑り落ち、正規の搬送位置に戻すことができ、斜行を効果的に補正することができる。
なお、本例の場合、傾斜部35は、その高さが最大0.3mm程度に設定されていることから、傾斜部35に乗り上げた印画紙7aにとっても過剰な負荷とはならず、また側縁部に巻き癖等のダメージがつくこともない。なお、傾斜部35の高さや傾斜面35aの角度は、印画紙7aのサイズや材質、搬送機構3による搬送時のテンション、反転部4の曲率などの各種パラメータに応じて、印画紙7aに過剰な負荷や巻き癖などのダメージを生じさせないように、適宜調整することができる。
またガイド面33は、傾斜部35,35のさらに幅方向の両端側には、後述する斜行防止片45の一端が係止される係止溝36が形成されている。また内周ガイド31は、長手方向の両側面31a,31aに、外周ガイド32との固定を図る固定軸42が貫通する内部貫通孔37が形成されている。
かかる内周ガイド31と結合される外周ガイド32は、内周面が円弧状に形成されたフレーム体である。外周ガイド32は、内周ガイド31よりも若干大きく形成され、内周面側に内周ガイド31が係合可能とされている。外周ガイド32の内周面には、印画紙7aの搬送方向に転動することにより印画紙7aの搬送を補助するガイドコロ38が、幅方向に亘って複数設けられている。そして、外周ガイド32は、印画紙7aが往復搬送されると、ガイドコロ38によって印画紙7aの外周面を摺接せずにガイドする。また、ガイドコロ38を設けることによって、印画紙ロール7から印画紙7aの先端を引き出し、反転路30内を挿通させる際にも、印画紙7aの先端をガイドすることで、ジャムの発生を防止することができる。
なお、外周ガイド32は、内周面の両端部には、内周ガイド31の係止溝36とともに斜行防止片45を狭持する嵌合溝39が形成されている。また、外周ガイド32は、長手方向の両側面32a,32aに、内周ガイド31に形成された内部貫通孔37と連続され、内周ガイド31との固定を図る固定軸42が貫通する外部貫通孔40が形成されている。
そして反転部4は、内周ガイド31を、ガイド面33を外周ガイド32の内周面に向けてガイドコロ38と対向するように挿入し、内部貫通孔37及び外部貫通孔40を連続させた後、固定軸42を貫通することにより、図6(b)に示すように、ガイド面33及びガイドコロ38が形成された外周ガイド32の内周面とに囲まれた反転路30が形成される。なお、図6(b)は、図6(a)におけるX−X断面図である。反転路30は、ガイド面33の湾曲方向に沿って印画紙7aをガイドし、これにより印画紙7aの搬送方向を反転させることができる。このとき、反転路30は、ガイド面33が平滑に形成されているため、印画紙7aをスムーズにガイドすることができ、また、印画紙7aが図2中矢印B方向へ逆送されたときに若干の弛みができた場合にも、ガイドコロ38が転動しながら印画紙7aをガイドすることによって、ジャムの発生が効果的に防止されている。
なお、図2に示すように、反転部4は、反転路30の湾曲方向が、印画紙ロール7の巻回方向と逆方向に設定されている。これにより反転部4は、印画紙7aが反転路30を搬送されることにより、印画紙ロール7の巻き癖が矯正された写真を得ることができる。
これら内周ガイド31の係止溝36及び外周ガイド32の嵌合溝39とに狭持される斜行防止片45は、印画紙7aが傾斜部35を乗り越えた場合に、印画紙7aの斜行を防止するものであり、金属材料を用いて形成されている。斜行防止片45は、図5に示すように、略U字状に形成された反転路30に応じて湾曲形状をなし、一端に係止溝36に係止される係止部46が形成され、他端に嵌合溝39に嵌合する嵌合片47が形成されている。そして、斜行防止片45は、係止部46が係止溝36に係止され、嵌合片47が嵌合溝39に嵌合されることにより、内周ガイド31及び外周ガイド32の間に狭持され、これにより反転路30の側方を閉塞する。
かかる斜行防止片45は、通常の印画紙7aの搬送中には印画紙7aと当接しないが、印画紙7aが傾斜部35を乗り越えるまでに斜行が進むと、印画紙7aが当接し、それ以上の斜行を防止することができる。斜行防止片45によって斜行が防止された印画紙7aは、傾斜部35によって次第にガイド面33の幅方向の中心側に向かってガイドされていき、斜行が補正される。
なお、斜行防止片45は、金属製であるため、樹脂により形成した場合に比して、印画紙7aの側縁が摺動した場合に磨耗することなく、長期に亘って性能を維持することができ、かつ、装置本体2内に削り粉などが発生することもない。
図7(a)に、図6(a)におけるY−Y断面図を示し、図7(b)に同図(a)の点線で囲んだ領域を拡大して示す。斜行防止片45は、図7(a)及び図7(b)に示すように、係止部46が係止溝36に係止され、嵌合片47が嵌合溝39に嵌合されることにより、反転路30内に係止部46や嵌合片47のエッジが臨まされていない。したがって、斜行防止片45は、これら係止部46や嵌合片47のエッジに生じたバリによって印画紙7aの紙粉の発生や印画紙7aの破損を引き起こすことがなく、また、係止部46と係止溝36との間や嵌合片47と嵌合溝39との間に印画紙7aが挟まってジャムが発生する恐れもない。これにより、反転部4は、狭く、湾曲してメンテナンスが困難である反転路30内において、印画紙7aの搬送不良を防止し、かつメンテナンスフリーとすることが可能となる。
次いで、プリンタ装置1に用いられるインクリボン、インクリボンの染料及びラミネート層が転写される印画紙7a、及び印画紙7aに画像を印刷するサーマルヘッド5について説明する。インクリボンは、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム等の合成樹脂フィルムからなる長尺な基材の一方の面に、画像を形成するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の染料と熱可塑性樹脂とで形成された染料層及び例えば染料層と同じ熱可塑性樹脂で形成されたラミネート層が一定の間隔を持って長手方向に順次繰り返し設けられている。そして、基材には、各染料層及びラミネート層を一組として、順次、長手方向に並んで形成されている。各染料層及び、ラミネート層は、サーマルヘッド5により印刷する画像データに応じた熱エネルギが印加されることによって、印画紙7aの受容層に順次熱転写される。かかるインクリボンは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各染料層及びラミネート層を1枚の画像を印刷するのに用いるようになっている。
また、インクリボンは、インクリボンカートリッジ内に設けられた一対のスプールに巻回されており、印刷の進行に従って、順次、一方のスプールから供給され、他方のスプールに巻き取られていく。かかるインクリボンが収納されたインクリボンカートリッジは、装置本体2の右側面2cに設けられたリボンドア15を開放することにより、装置本体2に対する着脱が行われる。なお、本発明で使用するインクリボンは、少なくとも一の染料層とラミネート層を有していれば、その他の構成は特に限定されるものではない。例えば、インクリボンは、ブラック(K)の染料層とラミネート層で構成されていても良く、また、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)ブラック(K)の染料層とラミネート層とで構成されていてもよい。
かかる染料層及びラミネート層が転写される印画紙7aは、基材一方の面に受容層が形成され、基材の他方の面に、バック層が形成されてなる。
基材は、パルプ等で形成された基紙の両面に樹脂層が形成されることによって構成されている。樹脂層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなり、ミクロボイド構造を含有し、クッション性を有している。したがって、特に、受容層側の樹脂層は、基紙と受容層との密着性を向上させると共に、断熱性を向上させ、サーマルヘッド5からの熱追従性を向上させるようにしている。また、樹脂層は、サーマルヘッド5との当たりを良くするようにしている。また、特に、受容層及び樹脂層は、熱可塑性樹脂であることから、サーマルヘッド5からの熱エネルギによって、熱変形すると共に、サーマルヘッド5から加えられる所定の圧力によって潰れクッション性を失う特性を有する。
受容層は、厚みが1μm〜10μm程度であり、インクリボンから転写される染料を受容し、受容した染料を保持する層であり、アクリル系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の樹脂で形成されている。またバック層は、印画紙7aが安定して走行できるように、キャプスタンローラ23やプラテンローラ48との間の摩擦を低減する。なお、印画紙7aは、受容層と樹脂層を有していれば、その他の構成は、特に限定されるものではない。
かかる印画紙7aに画像を形成するサーマルヘッド5は、図2に示すように、色材を熱転写する際の熱を放熱する放熱部材と、インクリボンに対して熱エネルギを印加するヘッド部5aとを備える。
ヘッド部5aは、印画紙7aの幅方向と略同一もしくは若干長く形成され、装置本体2内に固定配置されることにより、搬送機構3によって搬送された印画紙7aの全面に渡って画像を印刷することができるものである。このヘッド部5aは、ガラス層と、ガラス層上に設けられる発熱抵抗体と、この発熱抵抗体の両側に設けられる電源用及び信号用の一対の電極と、発熱抵抗体上及び発熱抵抗体の周囲に設けられる抵抗体保護層とを備え、各電極はヘッド部5aの長手方向に亘って微小間隔で複数形成されている。またヘッド部5aは、インクリボンと対向する外側の面に略円弧状の突部が形成され、発熱抵抗体の熱エネルギをこの突部からインクリボンに印加するとともに、インクリボンに対する当たりを良くすることができる。
かかるサーマルヘッド5は、印刷工程において、ヘッド部5aの突部がインクリボンを介してプラテンローラ48と対峙される。そしてサーマルヘッド5は、印画紙7a及びインクリボンがヘッド部5aの長手方向と直交する方向に亘って搬送されると、発熱抵抗体によってインクリボンを加熱し、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の染料及びラミネート層を印画紙7aに順次熱転写していく。
かかるサーマルヘッド5によって画像が印刷された印画紙7aは、排紙口12の近傍に配設された切断部6によって、所定の大きさに切断される。この切断部6は、印画紙ロール7から引き出された印画紙7aの搬送方向と直交する方向に移動可能とされたカッタキャリッジ6aを備え、このカッタキャリッジ6aに装着されたカッタによって印画紙7aを所定の大きさに切断する。
次いで、プリンタ装置1の印刷工程について説明する。プリンタ装置1は、印画紙ロール7が装填されると、搬送機構3の給紙ローラ21によって印画紙7aの先端が引き出され、図示しないガイドローラにガイドされながら、印画紙7aを図3中矢印i方向に示す反転路30へ挿入し、同図中矢印o方向に引き出し、ピンチローラ22及びキャプスタンローラ23へ渡していく。これにより、装置本体2の前面2a側より背面方向に向かって引き出された印画紙7aは、反転部4によって搬送方向が反転され、前面側に向かって搬送される。
このとき、反転部4は、平滑な湾曲面からなる内周ガイド31のガイド面33と、印画紙7aの搬送方向に転動可能なガイドコロ38が設けられた外周ガイド32の内周面によって印画紙7aをガイドするため、狭く湾曲した反転路30内においても、印画紙7aをスムーズに搬送することができ、紙詰まりなどの搬送不良が防止されている。
印刷動作に入ると、排紙口12の近傍まで搬送されていた印画紙7aは、ピンチローラ22及びキャプスタンローラ23によって図2中矢印B方向へ搬送される。これにより、印画紙7aは、インクリボンと密着された状態でサーマルヘッド5のヘッド部5aとプラテンローラ48によって狭持されるとともに、矢印B方向への搬送過程において、サーマルヘッド5によって熱転写が行われ、画像が印刷される。
この印刷工程は、インクリボンに形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各染料層及びラミネート層を印画紙7aに熱転写することにより行われる。具体的に、印画紙7aは、矢印B方向へ搬送される度に一の染料層ないしラミネート層の熱転写が行われ、一回の熱転写が終了すると矢印F方向へ搬送され、再度矢印B方向へ搬送されて次の熱転写が行われる。したがって、印画紙7aは、一つの画像を印刷するために、サーマルヘッド5と排紙口12との間に亘って4往復される。なおリンクリボンは、一の染料層の熱転写が終了するたびにスプールが巻き取られることにより、次の染料層ないしラミネート層が導出され、印画紙7aに密着可能とされる。
かかる搬送機構3による印画紙7aの往復搬送動作においては、印画紙7aが、狭く、湾曲した反転路30内を何度も往復される。かかる反転路30内における往復動作において、反転部4は、印画紙7aが摺動する内周ガイド31のガイド面33に傾斜部35が設けられているため、印画紙7aに斜行が発生しても、傾斜面35aを滑ることで正規の位置へ補正することができる。したがってプリンタ装置1は、サーマルヘッド5に対して印画紙7aが正対して搬送されることから、印画紙7aの一部に画像の欠落が生じたり、印画紙7aの向きに対して画像が傾いて印刷されるなどの印刷不良を防止することができる。また、印画紙7aが摺動する内周ガイド31のガイド面33に傾斜部35を形成することにより、効果的に印画紙7aの斜行を補正することができる。さらに、反転部4における斜行の補正は、印画紙7aの側縁部が傾斜部35の傾斜面35aを滑り落ちるだけであり、また、傾斜部35を乗り越えるほどの斜行が発生しない限り斜行防止片45との摺接は起こらないため、印画紙7aに対するダメージを最小限に抑えることができる。また、斜行防止片45は、傾斜部35を乗り越えるほどの斜行が発生した場合のみ印画紙7aと摺接するものであり、また金属素材で形成されているため、長期に亘って性能を維持することができ、また印画紙7aと摺接した場合にも削り粉などが発生することがなく、狭く、湾曲した反転路30内のメンテナンスが不要となる。
また反転部4は、印画紙7aの画像が形成される側にガイドコロ38を配しているため、画像が形成される面が擦れることによる損傷も防止されている。また、反転部4は、搬送方向が反転される印画紙7aの外周側に設けられた外周ガイド32にガイドコロ38を設けているため、印画紙7aが矢印B方向へ搬送された際に、外周ガイド32側に撓まされた印画紙7aをガイドコロ38でガイドすることで、ジャムの発生を効果的に防止することができる。
印画紙7aにラミネート層が熱転写され印刷が終了すると、印画紙7aは矢印F方向へ搬送され、排紙口12の近傍に設けられた切断部6によって所定の大きさに切断された後、排紙口12より排出される。排出された印画紙7aは、前面2a側に回動されたドアパネル11のホルダ内に投函される。
プリンタ装置1は、次の印刷工程に入るには、後続の印画紙7aをピンチローラ22及びキャプスタンローラ23により矢印B方向に搬送するとともにインクリボンをイエロー(Y)の染料層まで送り出し、画像データに基づいてサーマルヘッドによる熱転写を行っていく。
本発明が適用されたプリンタ装置1は、上述した反転部4の構成に限られず、他の反転部の構成を採用することもできる。なお、以下に説明する反転部の構成において上述した反転部4と同一の構成については、同一の符号を付してその詳細を省略する。図8(a)に示すように、反転部50は、搬送方向が反転される印画紙7aの内面側が摺動する内周ガイド51と、上記外周ガイド32とが突き合わされ、固定軸42が貫通することにより結合されて形成されている。
内周ガイド51は、上記内周ガイド31と同様に中空円筒状に形成され、周壁の一部が切り欠かれることにより、内部が外方に臨まされた形成をなす。内周ガイド51の周壁は、印画紙7aが摺動されることにより搬送方向を反転させるガイド面53とされている。ガイド面53は、印画紙7aの摺動を妨げない円弧状の平滑な面とされている。またガイド面53は、印画紙7aの幅よりも広い幅を有し、幅方向の両端部には、印画紙7aの斜行を防止する傾斜部54,54が形成されている。
傾斜部54,54は、ガイド面53の両端部から幅方向の中心側に向かって漸次下降していく傾斜面54aが設けられている。この傾斜部54,54は、図8(a)に示すように、ガイド面53の両端における傾斜面54aとガイド面53との接点間の距離が印画紙7aの幅よりも狭く、常時、印画紙7aの両側縁が傾斜面54aに乗り上げられている。これにより、反転部50は、印画紙7aの搬送方向と直交する幅方向の両側縁が、傾斜面54aに摺動することにより、印画紙7aをガイド面53の中心方向にガイドしながら搬送方向を反転させていく。
これにより反転部50は、印画紙7aを常時ガイド面53の中心方向にガイドさせながら搬送方向を反転させることができ、反転路30内における斜行の発生を防止することができる。
また、本発明が適用されたプリンタ装置1は、以下のように反転部を構成することもできる。図8(b)に示すように、内周ガイド61及び外周ガイド32が固定軸42によって結合されてなる反転部60は、内周ガイド61の周壁に形成されるガイド面63の全面に亘って傾斜部64が形成されている。
この傾斜部64は、ガイド面63の両端部から幅方向の中心にかけて漸次下降していく傾斜面64aが設けられ、ガイド面63の幅方向の中心が両傾斜面64aの最下部となっている。かかる傾斜部64は、印画紙7aの搬送方向と直交する幅方向の全面が傾斜面64aに摺動されることにより、印画紙7aをガイド面63の中心方向にガイドしながら搬送方向を反転させていく。
これにより反転部60は、印画紙7aを常時ガイド面63の中心方向にガイドさせながら搬送方向を反転させることがで、斜行の発生を防止することができる。また反転部60は、ガイド面63の全面に亘って傾斜面64aが形成されているため、紙幅による制約がなく、サイズの異なる印画紙7aに幅広く対応することができる。
また、本発明が適用されたプリンタ装置は、上述した内周ガイド31,51,61の各ガイド面33,53,63に設けられた傾斜部35,54,64を、傾斜面35a,54a,64aがガイド面33,53,63の幅方向の両端側に向かうにつれて傾斜角度が高くなっていくように形成することもできる。これにより、各傾斜部35,54,64は、印画紙7aの斜行が進むほど、傾斜の角度がきつくなることから、斜行の発生を防止し、また適正な位置に補正することができる。
また、本発明が適用されたプリンタ装置は、内周ガイド及び/又は外周ガイドに、上記傾斜部35,54,64を形成するようにしてもよい。
さらに、本発明が適用されたプリンタ装置は、印画紙ロール7を用いるプリンタ装置の他、所定の大きさに形成された印画シートが一枚ずつ搬送、印刷されるタイプのプリンタ装置に適用することもできる。また、本発明が適用されたプリンタ装置は、サーマルヘッドを用いて画像を印刷するプリンタ装置のほか、印画紙にインクを吐出することにより画像を印刷するプリンタ装置に適用することもできる。
本発明が適用されたプリンタ装置の外観斜視図である。 プリンタ装置内における印画紙の搬送経路を示す図である。 反転部の斜視図である。 反転部の分解斜視図である。 斜行防止片を示す斜視図である。 (a)は反転部の平面図であり、(b)は(a)のX−X断面図である。 (a)は反転部の断面図であり、(b)は斜行防止片との係合箇所を示す図である。 本発明の他の反転部を示す断面図である。
符号の説明
1 プリンタ装置、2 装置本体、3 搬送機構、4 反転部、5 サーマルヘッド、6 切断部、7 印画紙ロール、11 ドアパネル、12 排紙口、13 インタフェース部、14 LCDパネル、15 リボンドア、21 給紙ローラ、22 ピンチローラ、23 キャプスタンローラ、30 反転路、31 内周ガイド、32 外周ガイド、33 ガイド面、35 傾斜部、35a 傾斜面、36 係止溝、37 内部貫通孔、38 ガイドコロ、39 嵌合溝、40 外部貫通孔、42 固定軸、45 斜行防止片、46 係止部、47 嵌合片、48 プラテンローラ

Claims (12)

  1. 印画紙を搬送する搬送手段と、
    上記印画紙をガイドすることにより搬送方向を反転させる反転部と、
    上記印画紙に対して画像を形成する印画ヘッドとを備え、
    上記反転部は、上記印画紙の搬送方向をガイドするガイド面に、上記印画紙の搬送方向と略直交する幅方向の両端に突設され同方向の中心に向かって漸次低くなるように傾斜する傾斜部が設けられ、上記印画紙の上記印画ヘッドに対する斜行を防止することを特徴とする印画装置。
  2. 上記印画紙は、長尺に形成され、ロール状に巻回されて装置本体内に収納され、
    上記反転部による上記印画紙の反転方向は、上記巻回方向と逆方向であることを特徴とする請求項1記載の印画装置。
  3. 上記反転部は、平滑化された略円弧状の外壁を備えた内周ガイドと、上記外壁と所定のクリアランスを隔てて対向する略円弧状の内壁を備えた外周ガイドとが結合されることにより、上記印画紙が挿通する反転路が形成され、
    上記傾斜部は、上記内周ガイドの外壁及び/又は上記外周ガイドの内壁に形成されていることを特徴とする請求項1記載の印画装置。
  4. 上記印画紙の反転方向内周側に位置する上記内周ガイドの外壁を上記ガイド面とし、上記傾斜部が形成されるとともに、上記印画紙が摺動することを特徴とする請求項3記載の印画装置。
  5. 上記反転路には、上記傾斜部よりもさらに上記印画紙の搬送方向と直交する幅方向の両側に、上記印画紙の斜行を防止する斜行防止片が支持されていることを特徴とする請求項3記載の印画装置。
  6. 上記斜行防止片は、金属素材により形成されていることを特徴とする請求項5記載の印画装置。
  7. 上記斜行防止片は、上記内周ガイド及び上記外周ガイドに、その両端部が支持されることにより、上記反転路内には該両端部が臨まされていないことを特徴とする請求項6記載の印画装置。
  8. 上記印画ヘッドは、上記印画紙との間にインクリボンを介在させて該インクリボンの染料を該印画紙に熱転写するサーマルヘッドであり、
    上記印画紙は、印画工程において、複数回に亘って上記反転部を往復搬送されることを特徴とする請求項1記載の印画装置。
  9. 上記外周ガイドには、上記印画紙の搬送方向に転動するガイドコロが設けられていることを特徴とする請求項3記載の印画装置。
  10. 上記ガイド面の幅方向の両端に形成された上記傾斜部間の距離は、上記印画紙の幅と略同一であることを特徴とする請求項1記載の印画装置。
  11. 上記ガイド面の幅方向の両端に形成された上記傾斜部間の距離は、上記印画紙の幅よりも狭いことを特徴とする請求項1記載の印画装置。
  12. 上記ガイド面は、該ガイド面の幅方向の両端に形成された上記傾斜部が該幅方向の全面に亘って形成されていることを特徴とする請求項1記載の印画装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014118270A (ja) * 2012-12-17 2014-06-30 Seiko Epson Corp 搬送装置及び記録装置

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