JP2008264802A - 連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】操業性の低下やコストの増加を招くことなく、浸漬ノズルの詰まりを抑制し、連続鋳造の操業の安定化及び連続鋳造鋳片の品質安定化させることが可能な連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】C≦0.02mass%かつTi≧0.01mass%を含むアルミキルド鋼をAl23:42〜52mass%、グラファイト:20〜30mass%、SiO2:15〜25mass%、SiC:5〜10mass%含む浸漬ノズルを用いて鋳型に溶鋼を供給する連続鋳造において、浸漬ノズル1本当り1000ton以上を連続して鋳造する場合、鋳造開始前までに前記溶鋼中のS濃度を(1)式で示す範囲および/または前記溶鋼中に希土類元素を(2)式で示す範囲になるように添加する。
[%S]≦0.004+[%Ti]/15 ・・・ (1)
0.08×[%Al]≦WREM≦0.2×[%Al] ・・・ (2)
REM : 希土類元素の添加量(kg/ton)
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動車用薄鋼板等に用いられるTiを含有した低炭素もしくは極低炭素アルミキルド鋼の連続鋳造方法に関するものである。
低炭素もしくは極低炭素アルミキルド鋼は、ブリキや自動車用薄鋼板など高級な薄鋼板への使用が多い鋼種である。自動車用薄鋼板においては、近年品質の厳格化が急速に進んでおり、特に連続鋳造時に鋳片への介在物混入を防止する必要がある。介在物としては、脱酸生成物であるアルミナがクラスタリングしたアルミナクラスターと連続鋳造時に鋳型と鋳片の潤滑性を保持するために使用する酸化物を主成分とするパウダーの混入に大きく分けられる。
大型のアルミナクラスターが鋳片表面に捕捉されると、圧延時に細長い筋状の欠陥となる。このような大型のアルミナクラスターの生成要因の一つとして、連続鋳造時に使用する浸漬ノズル内に付着したアルミナ粒子の凝集体の脱落が考えられる。また、浸漬ノズルへのアルミナ付着による詰まりが、ノズルから供給される溶鋼流れの偏りを誘因し、この溶鋼流れの偏りがパウダーの溶鋼中への巻き込みを助長することとなる。巻き込まれたパウダーは、プレス時の割れの起点となる。
浸漬ノズルのアルミナ付着による詰まりを抑制することが、鋳造の安定化及び欠陥発生の低減に繋がる。この浸漬ノズルのアルミナ付着による詰まり現象は、自動車用薄鋼板用の溶鋼で特に顕著であり、これまで種々の対策が講じられてきている。これまでの浸漬ノズル詰まり対策として、(1)浸漬ノズル内への不活性ガス吹き込み、(2)浸漬ノズル耐火物の改善、(3)脱酸生成物の組成制御などが挙げられる。(1)の浸漬ノズル内への不活性ガス吹き込みは最も一般的な方法であり、ノズル詰まり防止効果としては完全ではないものの、鋼種やその他の条件に関わらず効果がある。(2)の浸漬ノズルの耐火物では、耐火物中にCaOなどを混入させアルミナを耐火物に吸収させるもしくは低融点化させることで付着厚みを軽減するものである。この方法では、鋳造初期には効果を発揮するものの、耐火物へのアルミナ吸収能には限界があり完全な付着防止はできないこと、さらにCaOを含むため水分管理を厳重に行わないといけないなど作業性にも問題がある。(3)の脱酸生成物の制御の代表的な例としてCa添加が挙げられる。Ca添加は、Al脱酸した後に、Caを添加し酸化物の組成を低融点化し、ノズルへの付着を防止するものであり、低融点に完全に制御できれば詰まりを防止する最も効果的な方法である。しかしながら、Caの添加歩留は非常に悪くコスト増大を招くこと、さらにスラグなどからの再酸化により酸化物の融点が高くなるとアルミナ以上にノズル詰まりを起こしやすいといった問題がある。これに対して、微量の希土類元素を用いる方法が開示されている(特許文献1)。これによれば、微量の希土類元素添加で浸漬ノズルの詰まりが防止でき、コスト的にも制御性も有利であるとされている。
特開2004−52076号公報
連続鋳造時の浸漬ノズル詰まりを安価かつ簡便な方法で防止するために特許文献1のように微量の希土類元素を添加する方法が開示されており、希土類元素の添加量や添加方法、脱酸生成物の組成の制御範囲などが規定されている。しかしながら、これらの特許において規定されている項目のみでは浸漬ノズル詰まり防止効果にはばらつきがあり、さらなる改善が望まれていた。浸漬ノズルの詰まり現象は、浸漬ノズルの耐火物組成や溶鋼組成によりその形態が異なるため、浸漬ノズルへの付着機構も異なることが考えられる。また、希土類元素を添加して酸化物組成を制御する場合、溶鋼中に含まれる酸素濃度だけではなく、希土類元素以外の脱酸元素(特にAl)の濃度により変化する。このような観点での検討が不足していたため、上述したように希土類元素添加による浸漬ノズル詰まり抑制効果にばらつきが生じるものと推定される。
本発明の目的は、Tiを含有する低炭素もしくは極低炭素アルミキルド鋼の連続鋳造時の浸漬ノズル詰まりを安価かつ制御が容易な方法でばらつきがなく安定的に防止することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために更なる考察を進め、以下に記載するように連続鋳造時の浸漬ノズルの詰まり問題を安価かつ容易に制御できる方法を考案した。
手段1は、C≦0.02mass%かつTi≧0.01mass%を含むアルミキルド鋼をAl23:42〜52mass%、グラファイト:20〜30mass%、SiO2:15〜25mass%、SiC:5〜10mass%含む浸漬ノズルを用いて鋳型に溶鋼を供給する連続鋳造において、浸漬ノズル1本当り1000ton以上を連続して鋳造する場合、鋳造開始前までに前記溶鋼中のS濃度を(1)式で示す範囲にすることを特徴とする連続鋳造方法である。
[%S]≦0.004+[%Ti]/15 ・・・ (1)
ただし、[%S]、[%Ti]はそれぞれ溶鋼中のS、Tiの含有量(mass%)である。
手段2は、C≦0.02mass%かつTi≧0.01mass%を含むアルミキルド鋼をAl23:42〜52mass%、グラファイト:20〜30mass%、SiO2:15〜25mass%、SiC:5〜10mass%含む浸漬ノズルを用いて鋳型に溶鋼を供給する連続鋳造において、浸漬ノズル1本当り1000ton以上を連続して鋳造する場合、鋳造開始前までに前記溶鋼中に希土類元素を(2)式で示す範囲になるように添加することを特徴とする連続鋳造方法である。
0.08×[%Al]≦WREM≦0.2×[%Al] ・・・ (2)
ただし、WREMは希土類元素の添加量(kg/ton)、[%Al]は溶鋼中のAl含有量(mass%)である。
手段3は、C≦0.02mass%かつTi≧0.01mass%を含むアルミキルド鋼をAl23:42〜52mass%、グラファイト:20〜30mass%、SiO2:15〜25mass%、SiC:5〜10mass%含む浸漬ノズルを用いて鋳型に溶鋼を供給する連続鋳造において、浸漬ノズル1本当り1000ton以上を連続して鋳造する場合、鋳造開始前までに前記溶鋼中のS濃度を(1)式で示す範囲にし、前記溶鋼中に希土類元素を(2)式で示す範囲になるように添加することを特徴とする連続鋳造方法である。
[%S]≦0.004+[%Ti]/15 ・・・ (1)
0.08×[%Al]≦WREM≦0.2×[%Al] ・・・ (2)
ただし、[%S]、[%Ti]、[%Al]はそれぞれ溶鋼中のS、Ti、Alの含有量(mass%)、WREMは希土類元素の添加量(kg/ton)である。
なお、希土類元素とは、元素の周期律表の中のLaからLuまでの15元素である。
本発明によれば、連続鋳造時の浸漬ノズルの詰まり問題を安価かつ容易に制御できる方法でばらつきなく安定的に改善でき、連続鋳造時の操業及び品質の安定化を達成することが可能である。
本発明者らは、連続鋳造時の浸漬ノズルの付着物調査結果から推定した付着機構から、Tiを含有する低炭素及び極低炭素アルミキルド鋼において、Ti濃度に応じたS濃度とすることにより浸漬ノズルの詰まりを抑制可能なことを見出した。さらに、微量な希土類元素の添加に関しては、脱酸平衡を支配しているAl濃度レベルに応じて添加量を制御することにより、浸漬ノズル詰まり抑制効果を安定的に発揮させることができることを知見した。
以下に図表を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
Ti≧0.01mass%を含有する自動車用薄鋼板用鋳片を連続鋳造する場合、Tiを含有していない低炭素アルミキルド鋼よりも浸漬ノズルが詰まりやすい。このため、連続鋳造する際の浸漬ノズル詰まり現象に与えるTi含有の有無の影響を調査した。Al23=47mass%、グラファイト=26%、SiO2=18mass%、SiC=7mass%及びその他の微量酸化物から成る浸漬ノズル(アルミナグラファイト質ノズルと呼ぶ)の付着物をEPMA(X線マイクロアナライザー)により分析した結果、Tiを含有する自動車用薄鋼板では地金と酸化物の混合状態であるに対して、Tiを含有していない低炭素アルミキルド鋼は酸化物が主体の付着物である事が判明した。これは、付着物中に存在する地金が酸化物の付着力を増加させ脱落しにくくするために、詰まりが顕著であると推定される。また、S濃度が高くなると、地金と酸化物の混合層に加えて、酸化物のみの層が増加することがわかった。このようにTiとSにより付着形態及び付着厚みが変化することを知見した。Tiを含む極低炭素アルミキルド鋼に地金が付着しやすい原因として、アルミナグラファイト質の耐火物よりSiが溶鋼中に溶出してくるため、Tiの活性度が高くなり浸漬ノズル壁近傍の溶鋼中にTiNが析出し凝固しやすいと考えられる。このため、アルミナグラファイト質ノズルは熱間強度などの特性が優れるなどの理由で最も広く使用されている反面、Tiを含有している極低炭素アルミキルド鋼の鋳造に対しては不利となる側面もある。さらに、Tiが溶鋼に与える影響として、前述の析出物の影響以外にも(1)溶鋼の粘性を増加させる、(2)溶鋼の表面エネルギーを増加させることが挙げられ、Sが溶鋼に与える影響としては、(1)溶鋼の粘性を低下させる、(2)溶鋼の表面エネルギーを低下させることが挙げられる。上述のようにTiとSは、正反対の作用を及ぼす元素であり、両者の濃度バランスに適正値があると推定し、検討を行った。なお、C≦0.02mass%の場合、転炉や二次精錬において酸素により脱炭するために溶鋼中の酸素濃度が増加し、Alで脱酸する時に酸化物が多量に生成してしまう。このため、C≦0.02mass%のアルミキルド鋼は浸漬ノズル詰まりを生じやすい。また、Tiは、自動車用薄鋼板において固溶CやNなどを析出物として固定するために必要とされる元素であり、通常、0.01mass%以上添加される。
Figure 2008264802
表1のAに示す成分範囲(Tiを含有する自動車用薄鋼板)において、Ti濃度とS濃度を適宜変化させて浸漬ノズルの詰まり状況を調査した。連続鋳造の形態を以下に記載する。まず、転炉で脱炭した溶鋼を取鍋に受けて、RH(真空脱ガス装置)を用いて脱炭処理を行う。脱炭後、Alを添加し脱酸し、所定時間の攪拌を加えた後に、成分調整のための合金類を添加した。成分調整が終了した溶鋼は、取鍋から中間容器であるタンディッシュに耐火物製ノズルを介して供給し、タンディッシュから鋳型へAl23=47mass%、グラファイト=26%、SiO2=18mass%、SiC=7mass%及びその他の微量酸化物から成る浸漬ノズルを用いて供給した。浸漬ノズルからの溶鋼供給速度は、浸漬ノズル直上に設置されたスライディングノズルにより制御される。浸漬ノズル内には、詰まり防止のために不活性ガスとしてArを吹き込んでいる。浸漬ノズルには2つの孔があり、そこから鋳型へ溶鋼が供給される。ストランド当たり1600ton連々鋳した後の浸漬ノズルの付着物の最大厚みにより評価した。鋳造条件は、鋳造幅1900mm、鋳造厚280mm、鋳造速度1.3m/minである。浸漬ノズルへのArガス吹き込み速度は5(Nl/min)である。Ti濃度及びS濃度は、各連々鋳ではその間のチャージは、できるだけ成分をそろえて実施した。図1からわかるように、(1)式に示したTi濃度(mass%)とS濃度(mass%)の関係であれば、付着物の最大厚みが25mm未満の良好な状態である。なお、図中のTi濃度及びS濃度は、同一キャスト内の平均値としている。
[%S]≦0.004+[%Ti]/15 ・・・ (1)
なお、Ti濃度は、自動車用薄鋼板(極低炭素アルミキルド鋼)で通常添加する濃度範囲としてTi=0.01〜0.05mass%としている。
次に、表1のBに示す成分範囲(Tiを含有する自動車用薄鋼板)において、希土類元素の添加による浸漬ノズルの詰まり抑制について検討を行った。希土類元素を添加した場合の浸漬ノズルの付着物中の酸化物のほとんどは、アルミナに微量に希土類酸化物が含有されるものであった。それに対して、溶鋼をサンプリングして調査した酸化物は、希土類酸化物を含まないアルミナと希土類酸化物を含むアルミナが混在していた。従って、希土類元素を添加し浸漬ノズルの酸化物などの付着を抑制する効果は、少量の希土類酸化物を含むアルミナがノズルに優先的に付着し、大量に存在するアルミナの付着を防止することによるものと推定される。このことから、アルミナ中の希土類酸化物を含有する割合が重要であることがわかった。アルミナ中の希土類酸化物の濃度は、脱酸平衡を支配しているAl濃度により変化することが推定される。従って、Al濃度に応じた最適な希土類元素の添加量が存在すると推定される。そのため、連続鋳造時の浸漬ノズル詰まり抑制に対するAl濃度と希土類元素の添加量について検討を行った。希土類元素は、上述したプロセスの中で、RHにおける成分調整のための合金添加の際に最後に添加している。希土類元素の添加には、Fe−Si−30%REM合金を用いた。希土類元素の添加量は、同一キャスト内(同一の連々鋳内)で同じとし、Al濃度についても同一キャスト内でできるだけ一定となるようにした。浸漬ノズル詰まりの評価に関しては、前述の方法と全く同様である。図2からわかるように、(2)式に示したAl濃度(mass%)と希土類元素の添加量の関係であれば、付着物の最大厚みが25mm未満の良好な状態である。なお、図中のAl濃度は、同一キャスト内の平均値としている。
0.08×[%Al]≦WREM≦0.2×[%Al] ・・・ (2)
REM : 希土類元素の添加量(kg/ton)
図中の上側に外れた領域では、過剰に希土類元素を添加したために溶鋼中の酸化物のほとんどが、希土類酸化物を含んだアルミナとなり詰まりを助長したものと推定される。一方、図中の下側に外れた領域では、希土類元素の添加量が少ないために、希土類酸化物を含んだアルミナはほとんどなく、浸漬ノズルの付着物も地金とアルミナであった。なお、今回添加した希土類元素濃度は、タンディッシュにおいて分析下限値(1ppm)未満であり、表2中には添加元素として示していない。Ti濃度に関しては、前述したように自動車用薄鋼板(極低炭素アルミキルド鋼)で通常、添加される濃度範囲として、Ti=0.01〜0.05mass%としている。また、Al濃度に関しては、下限として脱酸に必要な濃度として0.02mass%以上とし、上限はコスト的な観点から0.06mass%としている。アルミナグラファイト質ノズルの成分は、熱間強度及び耐スポイル性などを考慮して、Al23:42〜52mass%、グラファイト:20〜30mass%、SiO2:15〜25mass%、SiC:5〜10mass%となるような範囲である。
最後に、これまでの説明してきた効果について、浸漬ノズル詰まり時の付着物除去作業を行った割合として整理した。浸漬ノズルの詰まりが甚だしい場合、所定の溶鋼供給速度に追いつかない状況が発生する。この時に、浸漬ノズルの付着物を機械的に除去する作業を行う。このような作業を行った前後に鋳造している鋳片には介在物などが多く1級品から降格してしまい、1級品の歩留低下と生産性の低下(作業中に鋳造速度を低下させる場合が多い)を招く。連々鋳単位において、浸漬ノズル詰まり時の付着物除去作業を行った割合を図3に示す。例えば、10回の連々鋳を行い、その内9回の連々鋳において浸漬ノズル詰まりの付着物除去作業を行った場合は、ノズル詰まり解消作業実施率が90%となる。図3中の“通常操業”とはTi及びS濃度の制御及び希土類元素も添加しない水準を示し、“希土類添加”とはAl濃度に対する希土類元素の制御を行わない水準を示し、“Ti,S制御”とは[%S]≦0.004+[%Ti]/15となるようにS濃度を制御した水準を示し、“適正希土類添加”とは0.08×[%Al]≦WREM≦0.2×[%Al]となるように希土類元素を添加した水準を示し、“適正希土類添加+Ti,S制御”とは前述の希土類添加とS濃度の制御を組み合わせた水準を示す。通常操業の場合、ほぼ全ての連々鋳単位で付着物除去作業を行っているのに対して、Ti及びS濃度の制御を行うことにより約1/3に低減する。また、希土類元素を添加すると付着物除去作業の頻度は約1/2に低減するものの、希土類元素を適正に添加した場合には約1/6に低減し大幅な浸漬ノズル詰まりの抑制が図られる。さらにTi及びS濃度の制御と希土類元素を適正に添加することを組み合わせることにより1/10以下に低減する。
本発明に係る溶鋼成分について、以下、説明する。C、Ti、Alについては前述した通りである。Siは、鉄鋼材料に不可避的に混入する元素であり、強度を確保するために添加する元素でもある。Siの範囲としては、0.005〜0.05mass%である。Mnも、Siと同様の元素であり、Mnの範囲としては、0.05〜1mass%である。Pも、Si、Mnと同様の元素であるが、偏析などによる悪影響もあることから0.005〜0.1%である。Sについては、0.001〜0.02mass%である。Nbについては、Tiと同様に侵入型元素(CやN)を析出物として固定するために添加する。Nbの範囲は、0.001〜0.04mass%である。また、侵入型元素を析出物として固定するためにBを添加する場合もあり、Bの範囲としては0.001mass%以下である。さらに、転炉において鉄スクラップを使用する際に混入する元素(Cu、Zn、Sn、Cr,Niなど)については、0.001〜0.04mass%である。
また、前記浸漬ノズルの詰まり(酸化物などの付着)は鋳造を進めるにつれて増加していき、臨界の付着厚みを超えると溶鋼供給量(スループット量)に追従できなくなるため、連々鋳(取鍋を交換して複数のチャージを連続して連続鋳造すること)を増加させた場合の品質の不安定や浸漬ノズルの詰まり解消作業による降格などの問題となる。このような浸漬ノズル詰まりに起因する上記の問題が、浸漬ノズル1本当たりの鋳造量として1000tonから顕在化してくるため、これ以上とした。
以下、実施例および比較例を示しながら、本発明に係る連続鋳造方法について、詳細に説明する。
以下の表2に示す条件で連続鋳造し、浸漬ノズル詰まり解消のための付着物除去作業の有無と鋳造後の浸漬ノズルの付着最大厚み及び製品での品質結果について比較した。連続鋳造の形態を以下に記載する。まず、転炉で脱炭した溶鋼を取鍋に受けて、RH(真空脱ガス装置)を用いて脱炭処理を行う。脱炭後、Alを添加し脱酸し、所定時間の攪拌を加えた後に、成分調整のための合金類を添加した。成分調整が終了した溶鋼は、取鍋から中間容器であるタンディッシュに耐火物製ノズルを介して供給し、タンディッシュから鋳型へAl23=47mass%、グラファイト=26%、SiO2=18mass%、SiC=7mass%及びその他の微量酸化物から成る浸漬ノズルを用いて供給した。浸漬ノズルからの溶鋼供給速度は、浸漬ノズル直上に設置されたスライディングノズルにより制御される。浸漬ノズル内には、詰まり防止のために不活性ガスとしてArを吹き込んでいる。浸漬ノズルには2つの孔があり、そこから鋳型へ溶鋼が供給される。ストランド当たり1600tonの溶鋼を鋳造した。鋳造条件は、鋳造幅1900mm、鋳造厚280mm、鋳造速度1.3m/minである。浸漬ノズルへのArガス吹き込み速度は5(Nl/min)である。浸漬ノズル詰まり現象は、一つの連々鋳単位での評価となるため、Ti濃度、S濃度及びAl濃度は、連々鋳の間、できるだけ成分をそろえて実施し、表2中に示した平均濃度は同一の連々鋳の全チャージの平均値を示している。また、希土類元素は、RHにおいて成分調整のための合金類を添加した後に添加した。希土類元素は、Fe−Si−30%REM合金を用いて添加した。表2に示したTi、S及びAl以外の成分は、表3に示す。表3には、各々の連々鋳単位(8チャージ)における成分の範囲を示す。 表2中に示した総合評価の基準を、表4に示す。表2中の表面欠陥発生率は冷延コイル本数比率とした。表面欠陥の有無は、冷延後の通板ラインで目視確認した表面疵の有無により判断している。
Figure 2008264802
Figure 2008264802
Figure 2008264802
本発明例1、3,5では、希土類元素を添加していないが、[%S]≦0.004+[%Ti]/15を満たしており、浸漬ノズル詰まり解消作業はなく、表面欠陥発生率も低位である。
本発明例6、8では、S濃度とTi濃度の適正範囲からずれているが、希土類元素を適正添加量(0.008×[%Al]≦WREM≦0.02×[%Al])となっているため、浸漬ノズル詰まり解消作業はなく、表面欠陥発生率も低位である。
本発明例2、4、7では、S濃度とTi濃度の適正範囲及び希土類元素の適正添加量とも満たされており、浸漬ノズルの付着最大厚み、表面欠陥発生率とも非常に低く抑制できている。
比較例1、4では、希土類元素を添加せず、S濃度とTi濃度の適正範囲からもずれているため、浸漬ノズルの詰まり解消作業を実施している。また、表面欠陥発生率も非常に高い。
比較例2、3、5、6では、S濃度とTi濃度の適正範囲からずれ、希土類元素の適正添加量からも外れている。そのため、比較例2、3、6は浸漬ノズルの詰まり解消作業は行っていないものの、浸漬ノズルの付着物厚みが厚く、溶鋼の片流れが生じて表面欠陥発生率が高くなっていると考えられる。
以上のように、本発明に係る連続鋳造方法によれば、操業性の低下やコストの増加を招くことなく、浸漬ノズルの詰まりを抑制し、操業及び品質の安定化を達成することが可能
浸漬ノズルの最大付着厚みとTi及びS濃度との関係を示す図。 浸漬ノズルの最大付着厚みとAl濃度及び希土類元素添加量との関係を示す図。 浸漬ノズルの詰まり解消作業実施率の比較を示す図。

Claims (3)

  1. C≦0.02mass%かつTi≧0.01mass%を含むアルミキルド鋼をAl23:42〜52mass%、グラファイト:20〜30mass%、SiO2:15〜25mass%、SiC:5〜10mass%含む浸漬ノズルを用いて鋳型に溶鋼を供給する連続鋳造において、浸漬ノズル1本当り1000ton以上を連続して鋳造する場合、鋳造開始前までに前記溶鋼中のS濃度を(1)式で示す範囲にすることを特徴とする連続鋳造方法。
    [%S]≦0.004+[%Ti]/15 ・・・ (1)
    ただし、[%S]、[%Ti]はそれぞれ溶鋼中のS、Tiの含有量(mass%)である。
  2. C≦0.02mass%かつTi≧0.01mass%を含むアルミキルド鋼をAl23:42〜52mass%、グラファイト:20〜30mass%、SiO2:15〜25mass%、SiC:5〜10mass%含む浸漬ノズルを用いて鋳型に溶鋼を供給する連続鋳造において、浸漬ノズル1本当り1000ton以上を連続して鋳造する場合、鋳造開始前までに前記溶鋼中に希土類元素を(2)式で示す範囲になるように添加することを特徴とする連続鋳造方法。
    0.08×[%Al]≦WREM≦0.2×[%Al] ・・・ (2)
    ただし、WREMは希土類元素の添加量(kg/ton)、[%Al]は溶鋼中のAl含有量(mass%)である。
  3. C≦0.02mass%かつTi≧0.01mass%を含むアルミキルド鋼をAl23:42〜52mass%、グラファイト:20〜30mass%、SiO2:15〜25mass%、SiC:5〜10mass%含む浸漬ノズルを用いて鋳型に溶鋼を供給する連続鋳造において、浸漬ノズル1本当り1000ton以上を連続して鋳造する場合、鋳造開始前までに前記溶鋼中のS濃度を(1)式で示す範囲にし、前記溶鋼中に希土類元素を(2)式で示す範囲になるように添加することを特徴とする連続鋳造方法。
    [%S]≦0.004+[%Ti]/15 ・・・ (1)
    0.08×[%Al]≦WREM≦0.2×[%Al] ・・・ (2)
    ただし、[%S]、[%Ti]、[%Al]はそれぞれ溶鋼中のS、Ti、Alの含有量(mass%)、WREMは希土類元素の添加量(kg/ton)である。
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