JP2008255722A - 吸音パネル及びこれを用いた壁体並びにこれを用いた建築構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 人体に悪影響を与えることなく、簡素な構造で吸音効果を向上させて、しかも、その吸音効果を長期に渡って維持することの可能な吸音パネル及びこれを用いた壁体並びにこれを用いた建築構造体を提供すること。
【解決手段】 吸音材を充填する充填部5を対向する一対の板材間2,3に形成する。吸音材は粒状体10である。一対の板材2のうち少なくとも一方は音を通過させる複数の開口2aを有すると共に粒状体10の流出を防止する保護材4を備える。粒状体10は各粒子間に連続する多数の空隙を形成し、充填部5は鉛直方向に対し分割された複数の区画7a〜cよりなる。
【選択図】 図2
【解決手段】 吸音材を充填する充填部5を対向する一対の板材間2,3に形成する。吸音材は粒状体10である。一対の板材2のうち少なくとも一方は音を通過させる複数の開口2aを有すると共に粒状体10の流出を防止する保護材4を備える。粒状体10は各粒子間に連続する多数の空隙を形成し、充填部5は鉛直方向に対し分割された複数の区画7a〜cよりなる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、吸音パネル及びこれを用いた壁体並びにこれを用いた建築構造体に関する。さらに詳しくは、吸音材を充填する充填部を対向する一対の板材間に形成した吸音パネル及びこれを用いた壁体並びにこれを用いた建築構造体に関する。
従来、吸音材としては、グラスウールやセラミック系材料が一般的に使用されている。これらの吸音材は、各繊維間や粒子間を接着剤で固着させて連続する隙間を形成し、その隙間による熱交換や粘性抵抗によって吸音を行うものである。
しかし、この接着剤には化学物質が用いられており、その化学物質によって例えばシックハウス症候群等の人体への悪影響が問題となっていた。しかも、この隙間は直線状に形成されるため、吸音効果の向上に限界があった。また、グラスウールは産業廃棄物であり廃棄処理の費用が高く、またリサイクル化が困難であった。
一方、特許文献における上述の如き吸音パネルとして、例えば特許文献1,2に記載のものが知られている。特許文献1に記載の木製防音壁によれば、炭チップと生チップからなる炭化吸音材を壁枠内部に充填してある。炭チップは微細な孔部が形成されているので生チップと比べ音を吸収することは可能である。
しかし、上述の如く、吸音は連続する隙間により行われるため、炭チップ自体の吸音効果のみではグラスウールやセラミック系材料の吸音材と比べその吸音効果は不十分であった。
また、特許文献2に記載の防湿防音壁は、本体ボックス内部に木材チップを詰め込み音を減少させるものである。しかし、この木材チップは厚さ5〜10mm、大きさ20mm〜40mmと大きく、しかも植物油脂を湿らせてあるため、連続する隙間が十分に存在せず、十分な吸音効果を得ることが困難であった。
そして、これらの各従来技術において、上述の各吸音材は単に容器等に充填されるのみで、その充填には特段の配慮も見受けられない。
特開2005−282016号公報
特開2002−201616号公報
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、人体に悪影響を与えることなく、簡素な構造で吸音効果を向上させて、しかも、その吸音効果を長期に渡って維持することの可能な吸音パネル及びこれを用いた壁体並びにこれを用いた建築構造体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る吸音パネルの特徴は、吸音材を充填する充填部を対向する一対の板材間に形成した構成において、前記吸音材は粒状体であり、前記一対の板材のうち少なくとも一方は音を通過させる複数の開口を有すると共に前記粒状体の流出を防止する保護材を備え、前記粒状体は各粒子間に連続する多数の空隙を形成し、前記充填部は鉛直方向に対し分割された複数の区画よりなることにある。
上記特徴により、複数の開口からより多くの音が粒状体の各粒子間に形成される複数の空隙に導かれ、且つその粒状体は保護材により外部への流出が防止されているので、長期に渡って高い吸音効果を発揮することができる。しかも、充填部は複数の区画からなるので、充填される粒状体の積層された鉛直方向の荷重は区画の仕切りにより分断され、各区画に分割状態で支持される。従って、前記空隙は粒状体の荷重によって塞がれることはなく、且つ接着剤等を用いることなく充填することで吸音を行う複数の空隙を形成し維持することができる。よって、パネル全体で吸音効果を発揮すると共に、その吸音効果を維持することが可能となる。
前記充填部は筐体状に形成してあり、前記区画は前記充填部に設けられた鉛直方向の荷重を支持する仕切板により形成してもよい。また、前記区画は筐体よりなり、前記充填部は前記筐体を複数積層しても構わない。さらに、前記区画は音波が透過可能な材料よりなる収納体と、この収納体の鉛直方向の荷重を支持する固定手段とより形成してもよい。粒状体の鉛直方向の荷重を分割して支持する区画は、様々な態様で容易に形成することができる。そして、この区画によって、例え充填部を高くしても充填部の下部近傍において空隙が塞がれることはなく、パネル全体の高さに拘わらずパネル全体で吸音効果を発揮することができる。
前記一対の板材のうち他方の板材が前記充填部内部を通過する音を遮断する壁体により構成するとよい。後述する所定の条件においては遮音パネルとしても用いることができる。一方、前記一対の板材のうち他方の板材も前記複数の開口及び前記保護材を備えてもよい。一対の板材の双方から音を通過させることで吸音効率を向上させることができる。また、前記一方の板材を前記他方の板材の両側に一対設けても構わない。
前記保護材よりなる収納体を前記区画に装填しても構わない。これにより、粒状体の充填作業を効率よく行うことができる。
前記収納体は前記保護材を袋状に形成するとよく、前記収納体は交換可能であることが望ましい。粒状体の充填作業をさらに効率よく行うことができると共にメンテナンス作業も容易に行うことができる。また、前記保護材を布材により形成することで吸音性能を損ねずに通気性を向上させ、粒状体による吸音性能を長期に渡って維持することができる。
そして、上記いずれかに記載の吸音パネルは、壁体や建築構造体に用いられる。
そして、上記いずれかに記載の吸音パネルは、壁体や建築構造体に用いられる。
上記本発明に係る吸音パネル及びこれを用いた壁体並びにこれを用いた建築構造体の特徴によれば、人体に悪影響を与えることなく、簡素な構造で吸音効果を向上させて長期に渡って維持するに至った。しかも、パネル全体の高さに拘わらずパネル全体で吸音を行うことが可能となった。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、本発明に係る吸音パネル1は、大略、複数の開口を有する第一の板材2と、この第一の板材に対向する第二の板材3と、保護材4とよりなる。対をなす第一、第二の板材2,3間には吸音材10を充填する充填部5が形成されている。図示省略するが、これら各部材はリベット等の固定部材によって適宜固定される。この吸音パネル1は、同図に示すように、例えば住宅、スタジオ、工場等の建築構造体200における壁体201として用いる。
図1に示すように、本発明に係る吸音パネル1は、大略、複数の開口を有する第一の板材2と、この第一の板材に対向する第二の板材3と、保護材4とよりなる。対をなす第一、第二の板材2,3間には吸音材10を充填する充填部5が形成されている。図示省略するが、これら各部材はリベット等の固定部材によって適宜固定される。この吸音パネル1は、同図に示すように、例えば住宅、スタジオ、工場等の建築構造体200における壁体201として用いる。
図1,2に示すように、第一の板材2は、例えば複数の開口2aを有するパンチングメタルよりなる。この第一の板材2は音源となる室内203側に向けて配置され、開口2aが室内203で発生した音を充填部5に導く。この第一の板材2は、丸孔のパンチングメタルの他、ルーバー型のパンチングメタル、エキスパンドメタル、鋼製網、ルーバー、ガラリ、アルミ製不織布等、音源で発生した音を充填部5へ通過させる開口2aを有し、吸音パネル1の強度を維持できる限り、様々な材料により形成することができる。なお、開口2aの形状は適宜変更可能である。
この第一の板材2の内面側には、例えばガラスクロスよりなる布材を保護材4として張り付けてある。この保護材4は、開口2aから入射した音を充填部5へ通過させる一方、吸音材10が開口2aから外部へ流出、飛散するのを防止する。保護材4にはガラスクロスの他、麻布、不織布等の布材の他、網、ビニール、フィルム、シート、スポンジ等、充填部5へ音を通過させる一方で吸音材10の流出、飛散を防止すると共に吸音対象となる音波が取り込めるように通気性を有する材料であればよい。この保護材4により吸音材10は保護され、長期に渡り吸音効果を維持することができる。
第二の板材3は、断面略コの字状を呈する薄鋼板よりなり、第一の板材2及び保護材4が板材3の背面3bと対向し且つ、その内側に保護材4が位置するように固定される。この第二の板材3は、第一の板材2の開口2aから入射した音がパネル外部へ流出するのを抑制するよう遮音する遮音材として機能する。第二の板材3は、薄鋼板、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属板の他、吸音パネル1の強度を維持できる限り、ボード板、コンクリート板、ALC、硝子、ポリカーボネート、木板、スレート、合板等の様々な材料により形成することができる。そして、これら対をなす第一、第二の板材2,3により筐体が形成され、それら板材2,3間に吸音材10を充填する充填部5が筐体状に形成される。
充填する吸音材10には粒状体を用いる。粒状体10には、木材チップ、セラミック、レンガ、石材、プラスチック、金属等の材料が用いられる。この粒状体10は後述する荷重に耐えうる強度が確保される程度の大きさ、形状に形成してある。そして、その大きさ、形状は様々に形成されている。この大きさ、形状のばらつきにより、音の伝播経路となる空隙11が複数且つ複雑に入り組んで形成される。このように形成した粒状体10を充填部5に充填することで、その内部に図3(a)に示す如き吸音を行う多孔質構造を形成する。よって、接着剤等によって固着させて空隙11を形成する必要がなく、接着剤の化学物質によるシックハウス症候群等の人体への影響を排除することができる。
ここで、吸音の原理について説明する。
音波は空気の圧力振動であり、多孔質構造に音が入射するとその材料内に存在する空気も振動する。この際に材料中の孔や隙間部分でも空気が振動し、空気と材料表面とで生じる粘性抵抗や熱伝導により、音のエネルギーが熱に変換され吸音効果が得られる。この吸音効果を得るためには、材料中の孔又は材料間の隙間が表面から連続して存在する必要がある。さらに、吸音効果を向上させるためには、空気に接する孔の部分の表面積を大きくしたり、空気の伝搬経路を複雑にする必要がある。
音波は空気の圧力振動であり、多孔質構造に音が入射するとその材料内に存在する空気も振動する。この際に材料中の孔や隙間部分でも空気が振動し、空気と材料表面とで生じる粘性抵抗や熱伝導により、音のエネルギーが熱に変換され吸音効果が得られる。この吸音効果を得るためには、材料中の孔又は材料間の隙間が表面から連続して存在する必要がある。さらに、吸音効果を向上させるためには、空気に接する孔の部分の表面積を大きくしたり、空気の伝搬経路を複雑にする必要がある。
図3(a)に示すように、充填部5には粒状体10によって複数の微細な空隙11が形成される。そして、同図(b)に示す如く、その空隙11は粒状体10の大きさ、形状のばらつきにより複雑に入り組んで非直線状に連続して形成される。しかも、音Sが通過する伝播経路となる空隙11はその表面積が大きくなる。このように、粒状体10によって充填部5により高い吸音効果を発揮する多孔質構造が形成されることとなる。
しかし、音の伝播経路となる空隙11は、粒状体10を充填して形成されるので、粒状体10の充填状態の影響を受ける。例えば、図2(b)に示す如き吸音パネル100において、その充填部105の底部103c近傍には、充填した吸音材110の鉛直方向の全荷重Gが掛かるため、底部103cに近づくに従い、その荷重Gにより多くの空隙11が塞がってしまう。そのため、充填部5全体において、音の伝搬経路となる空隙11は減少し、その結果吸音効果も低下することとなる。
そこで、図1,2(a)に示すように、吸音パネル1における充填部5を複数の仕切板6を用いて複数の区画7a〜cに区切る。この仕切板6により、充填部5における吸音材10の鉛直方向の全荷重Gを区画7a〜c毎に荷重G1〜3にそれぞれ分割させる。これにより、底部3c近傍に過度な荷重が掛からず、各区画7a〜c内部において空隙11は塞がることがなく維持されて、充填部5全体において吸音効果を維持することができる。なお、この仕切板6は各区画7a〜cに充填される吸音材10の鉛直方向の積層荷重を支持できる強度を有するものであれば、材質や形状等は特に限定されるものではない。
上述の如く、充填部における吸音効果は、吸音材10の充填状態の影響を受ける。そこで、発明者らは吸音率と吸音材10の充填状態を表す嵩密度の関係に着目して実験を行った。実験には、吸音材10として杉及び檜を所定の大きさに切削成形した木材チップを用い、嵩密度における垂直入射吸音率を測定した。その結果、嵩密度が150kg/m3の場合に吸音率が最も高くなり、その前後において低下する傾向を見い出した。これにより、嵩密度を管理、維持することで、最適な吸音効果を発揮させうる点が確かめられた。
よって、吸音材10の鉛直方向の荷重が所定値以下となるように充填部5を鉛直方向に対し複数の区画7a〜cに分割し、その嵩密度を管理、維持することで最適な吸音効果を得ることができる。なお、吸音パネルの使用期間や吸音材10の劣化の影響等を考慮して複数の区画7a〜cを充填部5に設けても構わない。
図4,5に示すように、鉛直方向の荷重を分割させて支持する区画7a〜cに音波Sが入射すると、その音波Sは、その伝播経路11を形成する吸音材10との間で粘性抵抗が生じ、音のエネルギーが消費される。また、音のエネルギーは熱伝導により熱エネルギーHに変換されて一部が消失する。さらに、伝搬経路11は非直線状に形成され、分岐等を有する。例えば、小経路11a,11bに分岐する場合、音波Sはこの分岐によって音波Sa,Sbに***され、その一部が減衰する。この分岐や非直線形状等による形状抵抗によっても音エネルギーは減衰する。
このように、充填部5を複数の区画7a〜cに区切ることで空隙11が維持されて、より高い吸音効果を発揮する多孔質構造を形成することが可能となる。しかも、この区画を垂直方向に複数配列しても、パネル全体で吸音効果を発揮するので、吸音効果を維持しながら任意の高さの吸音パネルを容易に形成することができる。
また、充填部5に吸音材10を充填することで、充填部内部に板材3の振動を抑制する充填圧力F1が生じる。そして、所定の条件において、第二の板材3における遮音機能をも向上させることができる。図5(a)に示すように、一般に遮音材3’は、入射音S1に対し遮音材3’を透過する場合、遮音材3’が振動し、透過音S2はほとんど減衰することがなく、十分な遮音効果を得られない。一方、図5(b)に示すように、吸音パネル1の充填部5は複数の区画7a〜cに区切られている。この区画によって吸音材10の荷重が分断され、吸音材10が変形することなく多孔質状態が維持されて、パネル全体で高い吸音効果を発揮する。なお、変形に対し強度を有する材料の吸音材10を用いることで、各区画には充填圧力F1が作用して、第二の板材3の振動が抑制され、透過音S2が減少して遮音効果が向上することとなる。
このように、充填部5に充填される吸音材10の荷重Gを各区画7a〜cに分散することで、パネル全体の高さに拘わらずパネル全体でより高い吸音効果を発揮することができる。さらに、所定の条件においては、遮音効果をも向上させることができる。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。なお、上述の実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
上記実施形態において、複数の区画7a〜cは、吸音パネル1の充填部5を複数の仕切板6によって区切ることで形成した。しかし、本実施形態においては、図6に示すように、所定の高さに設定された筐体21a〜cを積層して吸音パネル1’を形成する。
上記実施形態において、複数の区画7a〜cは、吸音パネル1の充填部5を複数の仕切板6によって区切ることで形成した。しかし、本実施形態においては、図6に示すように、所定の高さに設定された筐体21a〜cを積層して吸音パネル1’を形成する。
この筐体21a〜cは、大略、複数の開口を有する第一の板材22a〜cと、この第一の板材22a〜cに対向する第二の板材24a〜cと、保護材25a〜cとよりなり、上記第一実施形態における吸音パネル1の構成と同一である。この筐体21a〜cは上記第一実施形態における複数の区画7a〜cに該当すると共に、これらの筐体21a〜cにより充填部26が形成される。この筐体21a〜cの高さは、内部に充填される粒状体10により形成される空隙が塞がらずに維持可能な高さである。すなわち、筐体21a〜cの高さによって空隙を形成する吸音材10の荷重Gを管理し、その筐体21a〜c内部に充填される吸音材の嵩密度を維持することで吸音効果を向上させる。
次に、図7(a)(b)に本発明の第三実施形態を示す。吸音材10を充填部5に直接充填した上記各実施形態と異なり、本実施形態においては、予め吸音材10を充填した吸音体を介して吸音材10を充填部5に充填すると共に、これら吸音体が複数の区画を形成する。
図7(a)に示すように、吸音体30は、例えばガラスクロスにより形成された袋状の収納体31と、この収納体31をパネル1の板材に取り付けて固定する固定手段32よりなる。収納体31の内部33に上述の吸音材10が充填される。この収納体31は、ガラスクロスに限られず上述の保護材4と同一の材料により形成することが可能であり、内部33に充填される吸音材10が外部に漏れず、且つ内部33に音を通過させる材料であればよい。
また、同図(b)に示す如き略方形を呈した吸音体40を用いてもよい。この吸音体40は、スポンジよりなる収納体41と、固定手段42とよりなる。また、吸音材10を充填する充填口44を備える。このスポンジは、上述した保護材4と同様に、内部32に充填される吸音材10が外部に漏れず、且つ内部32に音を通過させるよう形成してある。吸音体30,40又は収納体31,41はパネルに対して着脱自在に構成してあり、吸音材の劣化等に応じて適宜交換することができる。なお、固定手段32,42には、ボルト、ナット、ねじ、釘、ビス等様々な固定手段が用いられる。
これらの吸音体30,40は、例えば図7(c)に示す如く、積層された各筐体21a〜c内部に吸音材10を内部33a〜cに収納した収納体31を装填して、これら収納体31a〜cにより吸音を行うようにしてもよい。ここで、この収納体31a〜cが複数の区画7a〜cとなる。また、図7(d)に示す如く、適宜間隔をおいて吸音体30a〜cを固定手段32a〜cにより第二の板材3に取り付けることで、この吸音体30a〜cにより複数の区画7a〜cを形成して吸音を行ってもよい。このような吸音体30,40を用いることで、充填作業が簡素化され、またメンテナンスを容易に行うことができる。さらに、同図(e)に示すように、壁体201を直接第二の板材3として構成するようにしても構わない。なお、同図(c)〜(e)において、袋状の吸音体30を例に説明したが、吸音体40も同様に適用可能である。また、同図(c),(e)において、筐体21a〜cを積層させた吸音パネルを例に説明したが、上記第一実施形態の如き仕切板6により複数の区画を形成した吸音パネルにおいても同様に適用可能である。また、吸音体30,40を取り付ける箇所は第二の板材3に限られず、第一の板材2や仕切板6の裏面等、吸音材10の鉛直方向の荷重を分割できる位置であればよい。なお、ガラスクロス等保護材4に用いられる材料により収納体31,41を形成する場合には、板材2に保護材4を設けなくても構わない。
最後に、本発明のさらなる実施形態の可能性について言及する。もちろん、上記各実施形態及び以下の各実施形態を相互に組み合わせて実施することは可能である。
上記各実施形態では、図8(a)に示すように、複数の開口を設けた第一の板材と遮音材として機能する第二の板材とを対向させた吸音パネル1を用いた。しかし、吸音パネル1は上記構成に限られるものではない。
例えば、図8(b)に示すように、吸音パネル1a,1bの第二の板材3, 3を対向させて一対とし、その第二の板材3の両側を開口2aを有する第一の板材2,2とする吸音パネル1’としても構わない。吸音パネル1’の両側に音源が位置する場合に、双方の音源からの音をそれぞれ充填部に導いて吸音を行うことができる。このように構成した吸音パネル1’は、例えば室内の間仕切りに用いることができる。なお、同図(b)において、吸音パネル1a,1bを組み合わせて吸音パネル1’としたが、1枚の第二の板材3の両側に開口を有する第一の板材2,2を対向させて吸音パネルを構成しても構わない。
さらに、同図(c)に示すように、開口2aを有する板材2,2’を対向させて吸音パネル1’’としてもよい。係る吸音パネル1’’は、一方の板材2を壁体210に対向させて配置し、板材2と壁体210との間に下地材211等のスペーサーを介在させて空気層212を形成するとよい。上述の如き多孔質構造を形成する吸音材は、高い周波数の音ほど吸音率が大きくなる傾向がある。そのため、反射面となる壁体210と板材2との間に空気層212を設けることで低周波数領域の吸音率を向上させることができる。板材2’により導かれた音は、充填部5を通過しその一部が他方の板材2より空気層212へ伝播し、壁体210により反射する。そして、この反射した音波が空気層212を伝播して板材2から充填部5に入射する。この伝播過程で吸音が行われる。
また、上記各実施形態において、対をなす板材により吸音パネルを形成した。しかし、この板材は鋼板、木板等に限らず、図7(e)に示す如く、壁体201を板材として利用して吸音パネルとしてもよい。
本発明は、住宅、マンション、学校、病院、スタジオ、工場、ホール等の室内の壁体又はこれらの建築構造体に利用することができる。また、室内の壁体に限られず、屋外の例えば鉄道、道路等の防音壁等としても利用することができる。
1,1’,1’’:吸音パネル、2:第一の板材、2a:開口、3:第二の板材、3b:背面、3c:底部、4:保護材、5:充填部、6:仕切板、7a〜c:区画、10:吸音材(粒状体)、11:伝搬経路(空隙)、11a,b:小経路、20:吸音パネル、21a〜c:筐体、22a〜c:第一の板材、23a〜c:開口、24a〜c:第二の板材、25a〜c:保護材、26:充填部、30:吸音体、31:収納体、32:固定手段、33:内部、40:吸音体、41:収納体、42:固定手段、43:内部、44:充填口、100:吸音パネル、102:第一の板材、102a:開口、103:第二の板材、103b:背面、103c:底部、104:保護材、105:充填部、200:建築構造体、201:壁体、202:床、203:室内(音源)、210:壁体、211:下地材(スペーサー)、212:空気層、F1:充填圧力、G,Ga,Gb,Gc:荷重、H:熱エネルギー、S,Sa,Sb:音波、S1:入射音、S2:透過音、
Claims (13)
- 吸音材を充填する充填部を対向する一対の板材間に形成した吸音パネルであって、前記吸音材は粒状体であり、前記一対の板材のうち少なくとも一方は音を通過させる複数の開口を有すると共に前記粒状体の流出を防止する保護材を備え、前記粒状体は各粒子間に連続する多数の空隙を形成し、前記充填部は鉛直方向に対し分割された複数の区画よりなることを特徴とする吸音パネル。
- 前記充填部は筐体状に形成してあり、前記区画は前記充填部に設けられた鉛直方向の荷重を支持する仕切板により形成されることを特徴とする請求項1記載の吸音パネル。
- 前記区画は筐体よりなり、前記充填部は前記筐体を複数積層してなることを特徴とする請求項1記載の吸音パネル。
- 前記区画は前記保護材よりなる収納体と、この収納体の鉛直方向の荷重を支持する固定手段とよりなることを特徴とする請求項1記載の記載の吸音パネル。
- 前記一対の板材のうち他方の板材が前記充填部内部を通過する音を遮断する壁体により構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸音パネル。
- 前記一対の板材のうち他方の板材も前記複数の開口及び前記保護材を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸音パネル。
- 前記一方の板材を前記他方の板材の両側に一対設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の吸音パネル。
- 前記保護材よりなる収納体を前記区画に装填したことを特徴とする請求項2,3,5〜7のいずれかに記載の吸音パネル。
- 前記収納体は前記保護材を袋状に形成してあることを特徴とする請求項4又は8に記載の吸音パネル。
- 前記収納体は交換可能であることを特徴とする請求項4,8,9のいずれかに記載の吸音パネル。
- 前記保護材は布材よりなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の吸音パネル。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の吸音パネルを用いた壁体。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の吸音パネルを用いた建築構造体。
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-
2007
- 2007-04-06 JP JP2007101039A patent/JP2008255722A/ja active Pending
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