JP2008254714A - 羽ばたき飛行機 - Google Patents

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紘二 磯貝
Hiroyuki Sato
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Abstract

【課題】複雑かつ重量な駆動制御回路装置を要することなく、高い羽ばたき振動数で羽ばたき翼の大振幅のフラッピング振動振幅およびフェザリング振動振幅を得ることにより、理想的な羽ばたき運動を実現して大推力を出力することで、機敏な高機動飛行をすることができる優れた羽ばたき飛行機を提供する。
【解決手段】共振型羽ばたき飛行機において、一の弾性棒材を翼軸とし、当該一の弾性棒材に翼板として一の弾性板材を接着固定することで羽ばたき翼を構成し、当該羽ばたき翼を当該一の弾性棒材の固有振動数においてフラッピング運動方向に一定振幅で強制振動駆動することにより、当該一の弾性棒材をフラッピング運動方向に共振振動させるとともに、当該一の弾性板材を空力弾性変形させることにより羽ばたき運動を得る。
【選択図】図6

Description

発明の詳細な説明
本発明は羽ばたき飛行機に関し、詳細には共振型羽ばたき飛行機に関する。本発明は羽ばたき飛行により飛翔する小型飛翔体(MicroAerialVehicle)に好適である。
近年、産業製品の小型化、微細化とその製造技術の進歩に伴い、小型飛翔体(MicroAerialVehicle)の実現的開発が急速に進められている。小型飛翔体(MicroAerialVehicle)とは、主に自律飛行が可能な小型で無人の航空機を指し、その特徴である機動性及び自律性を活かして有意義な観測活動をおこなうことができるものとされている。
なかでも羽ばたき飛行により飛翔する昆虫型の小型飛翔体(MicroAerialVehicle)の開発は、閉鎖小空間内における自律観測活動をも可能とするホバリングや急発進、急停止、急旋回といった高機動飛行を実現することができるものと期待され、具体的に例示すれば、人による観測活動に危険を伴う火災現場や、有害物質漏洩現場、あるいは倒壊のおそれのある建物内等における迅速な状況把握を目的とする無人観測活動他において活躍することが期待されている。
羽ばたき飛行により飛翔する昆虫型の小型飛翔体(MicroAerialVehicle)は優れた飛行特性を有する昆虫の羽ばたき運動を利用することにより、従来の航空機の飛行性能を大幅に凌ぐ驚異的な高機動飛行を実現しようとするものであるが、そもそも昆虫の羽ばたき運動は、その各々が多様な値を取り得る多数の設計変数の組み合わせによって構成される極めて複雑な運動であって、これらを単純な機械的機構に置き換えたうえに、空気力学的出力として大きな推力を得ることは極めて困難であるものといえる。例えば多くの研究開発努力にもかかわらず、簡易軽量な羽ばたき機構により創出した推力を当該羽ばたき飛行機の鉛直上方へ偏向出力することで、当該羽ばたき機構が創出する推力のみにより当該羽ばたき飛行機の自重を支え、ホバリング飛行を実現することができる優れた羽ばたき機構の実例は未だ知られていない。
羽ばたき飛行機の羽ばたき機構については数多くの発明がなされているが、その大多数は多様なカム、リンク機構等を用いた強制振動型羽ばたき機構である。強制振動型羽ばたき機構は概して剛体に設けられた翼軸をアクチュエータにより一定振幅で強制振動駆動して羽ばたき運動を得るものであって、例えば、直流電磁モータの回転出力を連結歯車列を介して適度にギア・ダウンした後、当該羽ばたき飛行機の機軸線の左右に一対に設けられた回転円盤に伝達し、当該回転円盤にそれぞれ偏芯して取り付けられた同じく当該羽ばたき飛行機の機軸線の左右に一対に設けられた連結ロッドを上下方向に往復して振動駆動することにより、当該羽ばたき飛行機の機軸線上に設けられた一本の支点ピンをともに当該回転支軸として当該羽ばたき飛行機に組み付けられた左右一対の羽ばたき翼を予め定められた一定の振幅で上下方向に強制振動駆動するリンク機構を用いた強制振動型の羽ばたき機構が知られている(特許文献1参照。)。
米国特許US6550716B1号公報
この強制振動型の羽ばたき機構によれば、前記羽ばたき翼の強制振動駆動により当該羽ばたき翼のフラッピング運動を得ることができるほか、いわゆるメンブレーン方式により、当該フラッピング運動によって生じる慣性力と空気力とを当該羽ばたき翼の翼面を構成する当該複数の翼骨により展張された一枚の翼膜(メンブレーン)に作用させることで、当該羽ばたき翼にフェザリング運動を生じさせて推力を創出することができる。しかしながらこのような強制振動型の羽ばたき機構は、当該羽ばたき翼を機械的に強制振動駆動してフラッピング運動させるものであるため、当該強制振動型羽ばたき機構を20Hz以上の高い羽ばたき振動数で羽ばたき運動させることは困難であって、当該強制振動型羽ばたき機構を用いることにより当該羽ばたき飛行機を水平飛行あるいは上昇飛行させるために必要な通常推力については創出することができるものの、当該通常推力を超えるホバリングや急発進、急旋回などの高機動飛行を実現するために必要な大推力までもは創出することができないものであった。
一方、羽ばたき翼の翼軸を弾性体で構成し、当該羽ばたき翼を前記羽ばたき翼の翼軸の固有振動数において共振振動させることにより、当該羽ばたき翼の翼軸の固有振動モードにおいて当該羽ばたき翼のフラッピング運動を得るものとするいわゆる共振型の羽ばたき機構は、前記強制振動型の羽ばたき機構に比べて比較的高い羽ばたき振動数での羽ばたき運動を実現することができる優れた羽ばたき機構ではあるものの、当該羽ばたき翼の翼軸の共振振動によって得ることができる当該羽ばたき翼のフラッピング運動の振動振幅は、前記強制振動型の羽ばたき機構によるフラッピング運動の振動振幅に比べて極めて小さなものにとどまるものであることから、結果として、従来の共振型羽ばたき機構は極めて小さな推力しか創出することができないものであった。
こうした問題を解決することができる共振型羽ばたき機構として、カーボン(グラファイト)繊維強化エポキシ樹脂製のフレーム(翼軸および翼骨を一体成形した翼枠)にラテックス樹脂製の翼膜(メンブレーン)を接着して成る羽ばたき翼にピエゾ素子を用いたひずみセンサーを備え、当該羽ばたき翼をフラッピング運動方向に加振振動する際に、前記ひずみセンサーが検知する当該羽ばたき翼の固有振動数に当該羽ばたき翼の加振振動の振動数が周波数同調するように当該羽ばたき翼の加振振動の振動数を変動制御して大振幅の羽ばたき運動を得るものとする共振型の羽ばたき機構が知られている(特許文献2参照。)。
米国特許US6840476B1号公報
しかしながら、特許文献2において開示される共振型の羽ばたき機構は、ひずみセンサーや周波数同調回路など当該羽ばたき翼の加振振動制御のための複雑な制御装置を必要とするものであるため、当該羽ばたき飛行機の機構構造の複雑化を招き、同時に、相応の重量増加を強いるものである点で問題があるものといえる。
また、特許文献2において開示される共振型の羽ばたき機構を用いることにより、当該羽ばたき翼を当該羽ばたき翼の翼軸の固有振動数において共振振動させることができたとしても、任意の形状、構造により成る当該羽ばたき翼の固有振動により生じる当該羽ばたき翼のフラッピング運動の振動振幅(以下「フラッピング振動振幅」という。)は、当然に当該羽ばたき翼の形状、構造、重量およびその重量分布等により異なるものであるため、必ずしも特許文献2において開示される共振型の羽ばたき機構を用いることのみにより、大振幅のフラッピング振動振幅を得ることができるものとはいえない点で問題があるものといえる。
また、たとえ特許文献2において開示される当該共振型羽ばたき機構を用いることにより当該羽ばたき翼のフラッピング運動において大振幅のフラッピング振動振幅を得ることができたとしても、当該フラッピング運動のみによっては推力を創出することはできず、当該フラッピング運動に対して90°の位相進み角を有することを理想とする当該羽ばたき翼のフェザリング運動においても大振幅により当該羽ばたき翼のフェザリング運動の振動振幅(以下「フェザリング振動振幅」という。)を得ることができなければ、当然に推力を創出することはできないものといえるため、必ずしも当該特許文献2において開示される共振型の羽ばたき機構を用いることのみによっては、期待される推力を創出することができるものとはいえない点で問題があるものといえる。
言い換えれば、当該羽ばたき運動において、羽ばたき振動数が高いこと、フラッピング振動振幅が大きいこと、フェザリング振動振幅が大きいこと、フラッピング運動に対するフェザリング運動の位相進み角が適切であることの各個別の条件は、それぞれ望まれる大推力を創出し得る理想的な羽ばたき運動を実現するための必要条件に過ぎないのであって、これらすべての必要条件を当該十分条件として同時に満たすことのできる理想的な羽ばたき運動を実現する優れた共振型羽ばたき機構についてのより具体的な発明の開示が望まれているものといえる。
しかしながら、当該共振型羽ばたき機構により実現される当該羽ばたき運動を構成する前記羽ばたき振動数、フラッピング振動振幅、フェザリング振動振幅、フラッピング運動に対するフェザリング運動の位相進み角の各設計変数は、各々恣意的に決定することができるものではなく、当該羽ばたき翼の共振振動および空力弾性変形応答の結果として相互拘束的に決定されるものであるため、当該各設計変数のうちのいずれかを独立して恣意的に決定または変更しようとする場合には、当該一の設計変数の決定または変更が他の全ての設計変数の意図しない変動を引き起こすものとなるなど、当該共振型羽ばたき機構の具体的な設計および改善は極めて困難であるものといえる。
具体的に例示すれば、当該羽ばたき運動により得られる推力をさらに大きなものとするために、より大きなフラッピング振動振幅を得る目的で、当該羽ばたき翼の翼軸をより細いもの(剛性の低いもの)へと変更する場合には、当該変更が当該羽ばたき翼の共振振動特性に影響を及ぼすこととなる結果、当該羽ばたき翼の共振振動状態における羽ばたき振動数の減少を引き起こすこととなるとともに、当該羽ばたき振動数の減少が当該羽ばたき翼の空力弾性変形応答に連鎖的な影響を及ぼすこととなる結果、当該羽ばたき翼のフェザリング振動振幅の減少および当該フラッピング運動に対する当該フェザリング運動の位相進み角の変動をも引き起こすこととなることに十分な留意が必要であって、こうした考察が十分になされないときには、当初の改善意図に反して当該羽ばたき運動により得られる推力が減少してしまう結果ともなりかねないのである。
さらに、当該共振型羽ばたき機構の具体的な設計および改善においては、上記振動工学的考察および空気力学的考察に加え、同時に材料力学的考察をおこなうことも必要とされる。すなわち、既述の空気力学的考察においては当該羽ばたき翼を高い羽ばたき振動数により大振幅のフラッピング振動振幅およびフェザリング振動振幅をもって羽ばたき運動させることが望ましいとの結論に至るわけであるが、これに反して、材料力学的考察によれば、当該共振型羽ばたき機構は当該羽ばたき翼の翼軸を大振幅で共振振動させることにより、当該羽ばたき翼の翼軸に繰り返し大きなひずみ変形を生じさせ、当該翼軸の材料を徐々に疲労破壊させてゆくものであるため、当該羽ばたき翼の翼軸の高い振動数による大振幅での共振振動は材料力学的にみて好ましくないものであるとの結論に至ることとなり、当該空気力学的考察による結論と当該材料力学的考察による結論との間に二律背反が生じることとなるため、当該共振型羽ばたき機構の具体的な設計および改善はさらに困難なものとなることとなる。
本発明はこれらの事情に鑑みてなされたものであり、複雑な駆動制御装置等を必要とすることなく、簡易軽量な羽ばたき機構を用いて理想的な羽ばたき運動を実現することにより大推力を創出し、ホバリングや急発進、急停止、急旋回などの高機動飛行を行い得る優れた羽ばたき飛行機を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するために次の構成を備える。即ち、本発明による羽ばたき飛行機は、共振型羽ばたき飛行機において、一の弾性棒材を翼軸とし、当該一の弾性棒材に翼板として一の弾性板材を接着固定することで羽ばたき翼を構成し、当該羽ばたき翼を当該一の弾性棒材の固有振動数においてフラッピング運動方向に一定振幅で強制振動駆動することにより、当該一の弾性棒材をフラッピング運動方向に共振振動させるとともに、当該一の弾性板材を空力弾性変形させることにより羽ばたき運動を得ることを特徴とする。
また当該一の弾性棒材はカーボン繊維強化プラスチックにより成り、当該一の弾性板材は発泡ポリプロピレンにより成ることを特徴とする。
また当該一の弾性棒材は断面直径が0.8mmから1.2mmの範囲の中実棒形状により成り、当該羽ばたき翼を60Hzから90Hzの範囲の振動数においてフラッピング運動方向に一定振幅で強制振動させることを特徴とする。
本発明によれば、共振型羽ばたき飛行機において、一の弾性棒材を翼軸とし、当該一の弾性棒材に翼板として一の弾性板材を接着固定することで羽ばたき翼を構成し、当該羽ばたき翼を当該一の弾性棒材の固有振動数においてフラッピング運動方向に一定振幅で強制振動駆動することにより、当該一の弾性棒材をフラッピング運動方向に共振振動させるとともに、当該一の弾性板材を空力弾性変形させることにより羽ばたき運動を得る構成とすることで、複雑な駆動制御装置等を必要とすることなく、製作容易かつ簡易軽量な羽ばたき翼および羽ばたき機構により当該羽ばたき翼の強制振動駆動に基づくフラッピング運動および当該羽ばたき翼の翼軸の共振振動に基づくフラッピング運動の双方を足し合わせた大振幅のフラッピング振動振幅による当該羽ばたき翼のフラッピング運動および当該一の弾性板材の空力弾性変形に基づく当該羽ばたき翼の翼根から翼端へ向かうに従って徐々にフェザリング振動振幅が増加する態様の当該羽ばたき翼のフェザリング運動よりなる理想的な羽ばたき運動を高い羽ばたき振動数で得ることができる。
また本発明によれば、当該一の弾性棒材はカーボン繊維強化プラスチックにより成り、当該一の弾性板材は発泡ポリプロピレンにより成る構成とすることで、当該共振型羽ばたき飛行機において、高い羽ばたき振動数による当該羽ばたき翼の大変形を伴う当該羽ばたき翼のフラッピング運動およびフェザリング運動を当該羽ばたき翼を破損することなく実現することができる。
また本発明によれば、当該一の弾性棒材は断面直径が0.8mmから1.2mmの範囲の中実棒形状により成り、当該羽ばたき翼を60Hzから90Hzの範囲の振動数においてフラッピング運動方向に一定振幅で強制振動させる構成とすることで、当該羽ばたき翼の共振振動特性および空力弾性変形特性を画定し、大推力を創出し得る理想的な羽ばたき運動を実現することができる優れた共振型羽ばたき飛行機を実現することができる。
以下、本発明に係る羽ばたき飛行機の実施の形態について詳述する。図1は、本実施例の羽ばたき飛行機における羽ばたき翼を翼上面より見て示す説明図である。本実施例に示す羽ばたき翼1は、断面直径が1mmの中実棒形状のカーボン繊維強化プラスチック製の翼軸11に、スパン長が100mm、コード長が20mm、板厚が1mmの発泡ポリプロピレン製の翼板12を当該翼板12の下面の1/4翼弦線上の全幅にわたってスチレンイソプレンゴム系強力接着剤により接着した極めて簡易な構造により成り、当該羽ばたき翼1の重量は僅か0.27gである。
また、当該羽ばたき翼1は、本実施例の羽ばたき飛行機の胴部2の占める空間を確保するためおよび翼板12と当該羽ばたき飛行機の胴部2との干渉を防ぐため、本実施例の羽ばたき飛行機におけるフラッピング運動軸である機軸線上よりスパン方向へ40mm離間した位置に当該羽ばたき翼1の翼根部が位置する配置において、翼軸11を当該羽ばたき飛行機の胴部2より10mm突出させた状態で、当該翼軸11を当該羽ばたき飛行機の胴部2に埋没固定して設けられている。なお、本実施例に示す羽ばたき飛行機は、図1に示す羽ばたき翼1をタンデムに2対、合計4枚を備えるトンボ型のMAV(MicroAerialVehicle)である。
図2から図7までは、本実施例における羽ばたき飛行機の羽ばたき翼の駆動機構を示す駆動実験装置100の説明図である。図2において既述の翼軸11および翼板12より成る羽ばたき翼1は、既述のとおり翼軸11を当該固定部より10mm突出させた状態で、当該羽ばたき翼1の翼軸11を図2に示す駆動板21と固定板25との間においてねじ止めにより挟圧することで駆動実験装置100に固定して設けられている。もちろん、羽ばたき翼1を駆動板21に直接埋没固定するよう設けることも可能である。なお、駆動実験装置100は本発明による羽ばたき翼の駆動手段を実験的に実証し、かつ、当該羽ばたき翼の駆動により創出される推力を定量的に測定することを目的として製作されているものであるため、当該構成部品の軽量化については志向されることがなく、駆動板21および固定板25をはじめとして略全ての構成部品が鋼鉄材により成るものである。
駆動板21は本実施例において示す羽ばたき飛行機の機軸線上に配置されたフラッピング運動軸に相当する当該駆動実験装置100におけるフラッピング運動支軸上に設けられた鋼鉄製のベアリング付ボルトである前後一対の支点ピン22および鋼鉄製の支柱23によってフラッピング運動方向に回動自在に軸支され、支柱23は鋼鉄製の底板24にボルト結合により締結固定されている。また駆動実験装置100には図3に示す駆動モータ41(GWS社製CN12−R−XC)、ピニオンギア42、減速ギア43、ベアリング付ケース44よりなるギアダウン・ユニット(フィガオ社製FG−12GB−350−2)、マウントブロック45およびクランクロッド33、ベアリング付ボルト32、コネクティングロッド31により成るクランク機構が駆動板21の一端に連結されて設けられている。
以上示した機構において、駆動実験装置100を強制振動駆動することにより、羽ばたき翼1を5°の振動振幅によりフラッピング運動させることができる。図4および図5は、駆動実験装置100を強制振動駆動した際の羽ばたき翼1のフラッピング運動の最上点および最下点における状態を羽ばたき翼1の後方より見て示す説明図である。本実施例の羽ばたき飛行機および駆動実験装置100に示す羽ばたき翼1のフラッピング運動方向における強制振動駆動においては、当該強制振動駆動による羽ばたき翼1のフラッピング振動振幅が当該羽ばたき飛行機の羽ばたき運動におけるフラッピング振動振幅に比較して小さく設定されているため、駆動モータ41により供給される限られた駆動出力によっても、羽ばたき翼1を高い羽ばたき振動数でフラッピング運動方向に強制振動駆動することができる。本実施例の羽ばたき飛行機および駆動実験装置100では、羽ばたき翼1の翼軸11のフラッピング運動方向の固有振動数である75Hzよりも僅かに低い振動数である65Hzで羽ばたき翼1をフラッピング運動方向に強制振動駆動するものとしている。
本実施例において示す羽ばたき飛行機および駆動実験装置100においては、上記羽ばたき翼1の強制振動駆動により得ることのできるフラッピング振動振幅に加え、羽ばたき翼1のフラッピング運動方向への共振振動による大振幅のフラッピング振動振幅を得ることができる。図6および図7は、羽ばたき翼1の翼軸11が本実施例において示す羽ばたき飛行機および駆動実験装置100による既述の羽ばたき翼1の強制振動駆動により共振振動する際の最上点および最下点における状態を示す説明図である。カーボン繊維強化プラスチック製の翼軸11は固有振動数が高く、かつ高い弾性特性を有するため、本実施例に示す65Hzという高い振動数で共振振動させることができるうえ、大きなひずみ変形を伴う弾性変形の繰り返しに耐え、破損してしまうことがない。
なお、本実施例において翼軸11の断面形状を当該断面直径が1mmの中実円形状としたのは、材料力学的に必要な強度と振動特性とを確保したうえで、断面2次モーメントを比較的小さく抑え、大振幅のフラッピング振動振幅を得ることができるよう設けたものである。しかしながら、制作上の都合等により、翼軸11の断面直径が0.8mmから1.2mmの範囲で変動したとしても、当該翼軸11の材料力学的強度および振動特性に大きな影響を与えるものではないため、この範囲における翼軸11の断面直径の変動は許容され得る。
なおもちろん、羽ばたき翼1を翼軸11の固有振動数である75Hzで共振振動させることは可能であるが、この場合にはさらに大きなフラッピング振動振幅を得ることができる一方で、翼軸11の疲労破壊による材料力学的寿命が比較的短いものとなってしまうため、必ずしも材料力学的に好ましい設定であるとはいうことができない。材料力学的に好ましくは、羽ばたき翼1が当該羽ばたき運動により推力を発生し始める振動数である60Hzから翼軸11の固有振動数である75Hzに至るまでの範囲の振動数であって、翼軸11の固有振動数である75Hzより低い範囲の振動数で翼軸11を共振振動させることが望ましい。
また、翼軸11の固有振動数である75Hzを超え、90Hzに至るまでの範囲の振動数による羽ばたき翼1の共振振動では、当該共振振動数が高いものとなるため材料力学的にみて不利な設定とはなるものの、当該共振振動数が翼軸11の固有振動数である75Hzより離れて高い振動数となるにしたがって、共振点から外れることにより、羽ばたき翼1のフラッピング振動振幅が徐々に小さいものとなることから、大きな材料力学的不利益を伴うことなく羽ばたき翼1を共振振動させることができる。しかしながら90Hzを超える振動数における羽ばたき翼1の共振振動おいては、翼軸11が2次モードによる共振振動に入りやすいものとなるため、当該設定は避けるべきである。
以上示した羽ばたき翼1の強制振動駆動および共振振動によるフラッピング運動に伴い発泡ポリプロピレン製の弾性板材により成る羽ばたき翼1の翼板12が空力弾性変形することにより、図6および図7に示す羽ばたき翼1の翼根から翼端へと向かうに従ってフェザリング振動振幅が概ね徐々に増加する態様の理想的なフェザリング運動を生じさせることができる。このように羽ばたき翼の翼根から翼端へと向かうに従ってフェザリング振動振幅が徐々に増加する態様の羽ばたき運動は、定性的に、羽ばたき翼のスパン方向における全ての翼素の有効迎角を理想的な値に近いものとして、羽ばたき運動の推進効率の向上を実現し得る優れた羽ばたき運動であるものといえるが、機構的には、当該羽ばたき翼の翼面を捻じって羽ばたき運動をさせる必要があるため、一般的に実現することが困難な羽ばたき運動であるものと評価することができる。
本実施例において示す発泡ポリプロピレン製の翼板12は弾性板材でありながら、衝撃吸収材としても用いられる当該発泡ポリプロピレンの弾性特性により、羽ばたき翼1の固有振動数の成立に殆ど影響を与えることがなく、また羽ばたき翼1のフラッピング運動方向への共振振動に応答して大きく空力弾性変形することができるうえに、当該大きな空力弾性変形の繰り返しによっても破壊してしまうことがない。もちろん、本実施例に示す羽ばたき翼1の翼板12の平面形状および板厚の設定値は例示的なものであって、当該羽ばたき翼1の空力弾性変形応答が当該モードとして変化しない限りにおいて変更することが可能である。
本実施例に示す羽ばたき飛行機および駆動実験装置100に関する定量的測定実験の結果としては、既述の駆動実験装置100により駆動する羽ばたき翼1のフラッピング運動およびフェザリング運動を複数の高速度カメラにより撮影し、当該撮影した複数の高速度カメラの映像を統合して画像解析するPhotron社製の3次元運動解析システムによる解析により、羽ばたき翼1のフラッピング角が打ち上げ時で41.4°、打ち下ろし時で35.9°、75%セミスパン位置におけるフェザリング角が打ち上げ時で58.4°、打ち下ろし時で48.4°、当該フラッピング運動に対する当該フェザリング運動の位相進み角が111°であることがそれぞれ測定され、これにより羽ばたき翼1が理想的な羽ばたき運動をおこなっていることが実験的に確認されている。また、駆動実験装置100による羽ばたき翼1の駆動により創出された推力は14gfであり、この際の消費電力は8.11Wであることが同時に行われた実験的計測により確認されている。
すなわち、本実施例に示す羽ばたき飛行機および駆動実験装置100による羽ばたき翼1の駆動によれば、1枚の羽ばたき翼につき14gfという驚異的な大推力を創出することができることを実験的に確認することができたものということができ、本実施例に示す複数の羽ばたき翼1を備える羽ばたき飛行機においては、ホバリングや急発進、急停止、急旋回などの高機動飛行を実現し得る驚異的な大推力を創出することができる優れた羽ばたき飛行機を実現することができるものということができる。
以上、本発明に係る羽ばたき飛行機の実施の形態について個別具体的な形態を提示して詳述したが、ここに提示した例示的実施の形態は、本発明について好適な実施を導くために開示されたものであって本発明の実施の形態についてその技術的適用範囲を規定するものではなく、本発明に係る実施の形態は、本発明に基づくあらゆる実施の形態に及ぶものである。例えば、本発明の実施例として示した強制振動駆動機構を任意の公知の強制振動駆動機構に置き換えて羽ばたき飛行機を構成するものとしたものも、本発明の実施例において中実円形状として示した羽ばたき翼の翼軸の断面形状を単に中空円形状あるいは中実角形状とするものと変更したものも、当然に本発明に係る実施の形態であるものと解される。
本発明による羽ばたき飛行機の羽ばたき翼を翼上面より見て示す説明図である。 本発明による羽ばたき飛行機の羽ばたき翼の駆動機構を羽ばたき翼の後上方より見て示す説明図である。 本発明による羽ばたき飛行機の羽ばたき翼の駆動機構を別角度より見て示す説明図である。 本発明による羽ばたき飛行機の羽ばたき翼の強制振動駆動による最上点の状態を羽ばたき翼の後方より見て示す説明図である。 本発明による羽ばたき飛行機の羽ばたき翼の強制振動駆動による最下点の状態を羽ばたき翼の後方より見て示す説明図である。 本発明による羽ばたき飛行機の羽ばたき翼の打ち上げの最上点の状態を羽ばたき翼の後方より見て示す説明図である。 本発明による羽ばたき飛行機の羽ばたき翼の打ち下ろしの最下点の状態を羽ばたき翼の後方より見て示す説明図である。
符号の説明
1:羽ばたき翼
2:羽ばたき飛行機の胴部
11:翼軸
12:翼板
21:駆動板
22:支点ピン
23:支柱
24:底板
25:固定板
31:コネクティングロッド
32:ベアリング付ボルト
33:クランクロッド
41:駆動モータ
42:ピニオンギア
43:減速ギア
44:ベアリング付ケース
45:マウントブロック
100:駆動実験装置

Claims (3)

  1. 共振型羽ばたき飛行機において、一の弾性棒材を翼軸とし、前記一の弾性棒材に翼板として一の弾性板材を接着固定することで羽ばたき翼を構成し、前記羽ばたき翼を前記一の弾性棒材の固有振動数においてフラッピング運動方向に一定振幅で強制振動駆動することにより、前記一の弾性棒材をフラッピング運動方向に共振振動させるとともに、前記一の弾性板材を空力弾性変形させることにより羽ばたき運動を得ることを特徴とする羽ばたき飛行機。
  2. 前記一の弾性棒材はカーボン繊維強化プラスチックにより成り、前記一の弾性板材は発泡ポリプロピレンにより成ることを特徴とする請求項1に記載の羽ばたき飛行機。
  3. 前記一の弾性棒材は断面直径が0.8mmから1.2mmの範囲の中実棒形状により成り、前記羽ばたき翼を60Hzから90Hzの範囲の振動数においてフラッピング運動方向に一定振幅で強制振動させることを特徴とする請求項2に記載の羽ばたき飛行機。
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