現在では、移動ユーザに提供される通信サービスを更に拡張するために、第3世代セルラ通信システムが展開されている。最も広く採用されている第3世代通信システムは、CDMA(Code Division Multiple Access)及びFDD(Frequency Division Duplex)又はTDD(Time Division Duplex)に基づく。CDMAシステムでは、ユーザ分離は、異なる拡散符号及び/又はスクランブル符号を同じ搬送周波数及び同じ時間間隔で異なるユーザに割り当てることにより得られる。TDDのユーザ分離は、TDMAと同様に、異なる時間スロットを異なるユーザに割り当てることにより実現される。しかし、TDMAと対照的に、TDDは、上りリンク伝送と下りリンク伝送の双方に使用される同じ搬送周波数を提供する。この原理を使用した通信システムの例は、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)である。CDMA、特にUMTSのWCDMA(Wideband CDMA)モードの更なる説明については、‘WCDMA for UMTS’、Harri Holma(編集)、Antti Toskala(編集)、Wiley&Sons、2001、ISBN0471486876にある。
拡張通信サービスを提供するために、第3世代セルラ通信システムは、パケット型データ通信を含み、様々な異なるサービスのために設計されている。同様に、GSM(Global System for Mobile communications)のような既存の第2世代セルラ通信システムも、更なる数の異なるサービスをサポートするように拡張されている。このような拡張の1つはGPRS(General Packet Radio System)であり、GPRSは、GSM通信システムでパケットデータ型通信を可能にするように開発されたシステムである。パケットデータ通信は、例えばインターネットアクセスのような動的に変化する通信要件を有するデータサービスに特に適している。
トラヒック及びサービスが一定ではないデータレートを有するセルラ移動通信システムでは、特定の時点でのニーズに従ってユーザ間で無線リソースを動的に共有することが効率的である。これは、一定のデータレートのサービスと対照的であり、一定のデータレートのサービスでは、サービスデータレートに適切な無線リソースは呼の持続時間のような長期的に割り当てられ得る。
現在のUMTS TDD標準では、上りリンク共有無線リソースは、RNC(Radio Network Controller)のスケジューラにより動的に割り当てられ得る(スケジューリングされ得る)。しかし、効率的に動作するために、スケジューラは、個々の移動ユーザでの上りリンク伝送を待機している上りリンクデータ量を認識する必要がある。このことにより、スケジューラは、最も必要としているユーザにリソースを割り当てることが可能になり、特に、送信するデータを有していない移動局に割り当てられることによりリソースが浪費されることを回避する。
効率的なスケジューリングの更なる態様は、ユーザ無線チャネル状況の考慮である。他のセルへの無線パス利得が現在のサービングセル(serving cell)への無線パス利得と同様であるユーザは、他のセルでかなりの干渉を生じ得る。スケジューラがネットワークの特定の場所でユーザから各セルへの相対パス利得を考慮に入れる場合、システム効率はかなり改善され得ることが示され得る。このような方式では、1つ以上の非サービングセル(non-serving cell)へのパス利得が現在のサービングセルへのパス利得と同様の大きさであるユーザによる送信電力は、もたらされるセル間干渉が制御及び管理されるように制限される。逆に、サービングセルへのパス利得が他のセルのものよりかなり大きいユーザによる送信電力は、このようなユーザにより生じる送信電力単位当たりのセル間干渉は小さいため、比較的小さく制限される。
実際のシステムでは、無線状況及び保留データ量状態が非常に迅速に変化し得る。これらの変化が生じたときにシステム効率を最適化するために、スケジューラの動作のタイムリーな調整が行われ得るように、ネットワークのスケジューラが非常に最新の状況を通知されることが重要である。
例えば、典型的な動作中のセッションの間に、(例えば、電子メールを送信する場合、完了したインターネットフォームを送信する場合、又はウェブページのような対応する下りリンク転送のTCP肯定応答を送信する場合)送信する上りリンクデータの周期的な送出(spurt)が存在する。これらの短いパケット送出はパケット呼として知られており、これらの持続期間は、典型的に数ミリ秒から数秒に及ぶことがある。パケット呼の間に、上りリンクリソースは頻繁に割り当てられており、バッファ量及び無線チャネル情報がこれらの上りリンク伝送に抱き合わせられ、ユーザのデータ送信ニーズに関してスケジューラを継続的に更新することが効率的である。しかし、パケット呼が完了したとき(送信する全てのデータが送信され、送信バッファが一時的に空であるとき)、上りリンクリソースの割り当ては一時中断される。この状況で、スケジューラに(新しいパケット呼の開始時に)新しいデータの到達を通知する手段がなければならない。このシグナリングにおける何らかの遅延を最小化することが重要である。この理由は、このことがユーザに認識される伝送速度に直接寄与するからである。
3GPP UMTS TDDの技術仕様書のリリース99は、PCR(PUSCH(Physical Uplink Shared Channel) Capacity Request)メッセージと呼ばれるレイヤ3メッセージを規定している。PCRを運ぶ論理チャネル(SHCCH(Shared Channel Control Channelと呼ばれる)は、利用可能なリソースの存在に応じて異なるトランスポートチャネルに中継されてもよい。例えば、PCRメッセージは、RNC内で終端されるRACH(Random Access CHannel)で送信されてもよい。他の例として、リソースが利用可能である場合、PCRはまた、或る場合にはUSCH(Uplink Shared CHannel)で送信されてもよい。
しかし、この手法は多くのアプリケーションに適切であるが、他の多くのアプリケーションには最適ではない。例えば、規定されたシグナリングは、スケジューラに基づいてスケジューリング情報をRNCに提供することを目的としており、このアプリケーションのために設計されており、特にこの目的に適した動的性能及び遅延で設計されている。具体的には、シグナリングは比較的遅く、RNCスケジューラによる割り当て応答は、(Iubインタフェースでの)基地局とRNCとの間の通信に関連する遅延と、ピア・ツー・ピアのレイヤ3シグナリングを介したPCRの受信及び割り当て許可メッセージの送信でのプロトコルスタックの遅延とのため、特に速くはない。
近年、3GPPシステムの上りリンク性能を特に改善することにかなりの取り組みが投資されている。これを行う1つの方法は、送信及び再送信の待ち時間が低減され得るように、スケジューリングエンティティをRNCから基地局に移動することにある。その結果、かなり高速且つ効率的なスケジューリングが実現され得る。次に、このことは、認識されるエンドユーザのスループットを増加する。このような実装では、(RNCではなく)基地局にあるスケジューラは、上りリンクリソースの許可についての制御を仮定する。個々の移動局についてのスケジューリングの効率及び伝送遅延を改善する際に、ユーザのトラヒックニーズ及びチャネル状況に対する高速なスケジューリング応答が望ましい。
しかし、スケジューリング動作の効率は、利用可能な十分な情報に依存しているため、シグナリング機能の要件はますます厳しくなる。具体的には、シグナリングがレイヤ3シグナリングによりRNCに送信される既存の手法は非効率であり、基地局式スケジューラのスケジューリング性能を制限する遅延を導入する。特に、従来技術と同じ技術を使用すること(PCRメッセージの使用等)は、使用されるトランスポートチャネルがRNCで終端される(従って、シグナリング情報はスケジューラが存在するものと異なるネットワークエンティティで終端し、これを基地局スケジューラに送信する際に更なる遅延が導入される)という事実のため、魅力的ではない。
例えば、3GPP TDDシステムでは、上りリンク及び下りリンク無線チャネルが相互関係にあるという事実のため、無線チャネル状況のタイムリーな更新が特に重要になる。従って、ユーザが(例えば下りリンクで測定された)非常に最新のチャネル状況をネットワークスケジューラに通知することができ、スケジューラが最小の遅延で応答することができる場合、スケジューラは相互関係を利用し、上りリンク伝送がスケジューリングされて送信される時間まで無線チャネル状況が比較的変化しないことを仮定し得る。移動局により報告され得るチャネル状況は、スケジューラのセルのチャネル状況を有してもよく、また、他のセルに関するチャネル状況をも有してもよい。これにより、他のセルの瞬時の状況ともたらされる結果のセル間干渉とを考慮した高速且つ効率的なスケジューリングが可能になる。
他の例として、3GPP FDDシステムでは、移動局のバッファ量状態は上りリンク伝送自体の中でシグナリングされる。データは他の上りリンクペイロードデータと同じPDU(Protocol Data Unit)内に含まれ、具体的にはMAC-e PDUヘッダに含まれる。しかし、このことは、シグナリング情報が上りリンクデータ伝送自体の性能及び特性に依存することを意味する。
特に、上りリンクデータ伝送は、効率的なスループットと送信されるデータに適した特性とについて設計されている。
パケットデータ伝送により受ける遅延は、ユーザの待ち行列による成分と、伝送自体による成分とを有する。負荷のあるシステムでは、待ち行列遅延が伝送遅延より大きいことが一般的である。システムの容量は、無線リソースをより効率的に使用することにより改善され得る。高容量は、ユーザが更に迅速にサービス提供されることを意味し得るため、待ち行列遅延は低減され得る。しかし、1つ以上の無線インタフェース再送信を含む或る技術は、効率(従って容量)の増加に余裕があるが、伝送遅延を犠牲にする。従って、エンドユーザにより認識されるシステム性能を最適化するシステム動作点を見つけるために、待ち行列遅延と伝送遅延との間に均衡が取られなければならない。典型的には、多くのパケットデータサービスは、比較的遅延に耐性があるため、通信特性は、しばしば最小の無線インタフェースリソースを使用した効率的なデータ伝送を目的とする。その結果、データトラヒックの待ち行列遅延を低減するために、リンク効率が伝送遅延より高く優先される。しかし、結果の増加した伝送遅延は、制御シグナリング情報を基地局スケジューラに運ぶのに不適切な手法にすることがあり、このスケジューラによる非効率なスケジューリングを生じることがある。
特に、無線インタフェースリソースを通じたデータビットの効率的な通信を実現するために、正確に受信されないデータパケットの再送信が、ほとんどの3GPPパケットデータサービスで指定されている。このようなシステムでは、データ再送信は通常のことであり、典型的にはハイブリッド及び高速再送信方式が使用される。この理由は、(再送信に続いて誤りのない送信ビット当たりに必要なエネルギーの観点で)最適なリンク効率は、第1回の送信の誤りの確率が比較的高いときに(例えば10%〜50%)実現されるからである。しかし、再送信に関連する無線インタフェース伝送遅延は非常に高い。この理由は、肯定応答のフィードバック処理の遅延(例えば、再送信を決定する前の可能性のある肯定応答を待機する遅延)と、再送信データパケットのスケジューリングの遅延とを有するからである。
従って、現在のシグナリング技術は、多くの基地局式スケジューラにとって次善である。例えば、3GPP FDD上りリンクに採用される上りリンクシグナリング技術は、TDD上りリンクシステムに適用されたときに、実現可能な性能のレベルに関してそのTDDシステムの性能をかなり低下し得る待ち時間を受ける。
従って、セルラ通信システムでの改善したシグナリングが有利であり、特に、更なる柔軟性、低減したシグナリング遅延、改善したスケジューリング、基地局式スケジューリングの適合性、及び/又は改善した性能を可能にするシステムが有利である。
従って、本発明は、好ましくは、前記の欠点のうち1つ以上を単独で又は何らかの組み合わせで緩和、軽減又は除去することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、セルラ通信システムでシグナリング情報を送信する装置が提供され、基地局式スケジューラについてのスケジューリング支援データを生成する手段であり、スケジューリング支援データはユーザ装置のパケットデータ通信に関する手段と、スケジューリング支援データを第1のトランスポートチャネルに割り当てる手段と、他のデータを第2のトランスポートチャネルに割り当てる手段と、第1の物理リソースの多重トランスポートチャネルとして、第1及び第2のトランスポートチャネルを送信する手段とを有する。この装置は、第1の物理リソースの多重トランスポートチャネルとして、第1及び第2のトランスポートチャネルを異なる伝送信頼度で送信する手段を更に有し、第2のトランスポートチャネルは再送信方式を使用し、第1のトランスポートチャネルは再送信方式を使用しない。
本発明により、基地局式スケジューラによる改善したスケジューリングが可能になり、全体としてセルラ通信システムの改善した性能を生じ得る。本発明により、エンドユーザにより認識される改善した性能が可能になり得る。本発明は、例えば、更なる容量、低減した遅延及び/又は更に効率的なスループットを提供し得る。本発明により、柔軟なシグナリングが可能になり、スケジューリング支援データが短い遅延で提供されることが可能になり得る。特に、本発明は、基地局に基づくスケジューラに特に適切なスケジューリング支援データのシグナリングを提供し得る。
本発明は、他のデータが、再送信に続いて高いリンク効率で通信されることを可能にする一方で、単一の物理リソースが、スケジューリング支援データの改善したシグナリングを提供することを可能にし得る。特に、他のデータの十分に高い信頼度及びリンク効率を確保しつつ、スケジューリング支援データのシグナリングの遅延が低減され得る。遅延とリンク効率との間の個々のトレードオフが、スケジューリング支援データ及び他のデータの送信について行われてもよい。本発明は、3GPPセルラ通信システムのようないくつかの既存の通信システムと互換性を有してもよい。
例えば、スケジューリング支援データは、UEで送信を保留しているデータ量の指示及び/又はUEの無線インタフェースチャネル状況の指示を有してもよい。
例えば、物理リソースは、セルラ通信システムの1つ以上の物理チャネルのグループでもよい。例えば、UEのパケットデータ通信は、共有上りリンク又は下りリンクパケットデータサービス及び/又はチャネルでもよい。
上りリンクシグナリング情報を受信する装置はユーザ装置でもよい。
第1及び第2のトランスポートチャネルを異なる伝送信頼度で送信することにより、改善した通信が可能になり、特に、第2のトランスポートチャネルの高いリンク効率を実現しつつ、スケジューリング支援データの小さい遅延の送信が可能になり得る。伝送信頼度は、スケジューリング支援データの送信と、再送信を使用したデータ通信との個々の特性及び嗜好に最適化されてもよい。従って、第1の物理リソースで送信されるデータは、1つの伝送信頼度を有する第1のトランスポートチャネルのデータと、異なる伝送信頼度を有する第2のトランスポートチャネルのデータとを有してもよい。
従って、送信する手段は、第1のトランスポートチャネルのデータと第2のトランスポートチャネルのデータとについて、異なる伝送信頼度でデータパケットを送信するように構成されてもよい。再送信は、結果の受信誤り率に更に影響を及ぼしてもよく、特に、第2のトランスポートチャネルでの誤りを実質的に回避してもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、送信する手段は、第2のトランスポートチャネルより低いビット誤り率で第1のトランスポートチャネルを送信するように構成される。
第2のトランスポートチャネルのデータは、例えば第1のトランスポートチャネルより10倍高いデータパケット誤り率で送信されてもよい。このことは、第2のトランスポートチャネルについて高いリンク効率と効率的な再送信動作とを提供しつつ、スケジューリング支援データの効率的で小さい遅延の通信を可能にし得る。ビット誤り率は、前方誤り訂正復号に続くビット誤り率(すなわち、復号の後であるが再送信前の情報ビットレート)に関係してもよい。第1及び第2のトランスポートチャネルの信頼度は、前方誤り訂正復号に続くブロック又はパケット誤り率メトリックにより表されてもよい。
従って、送信する手段は、第1のトランスポートチャネルのデータと第2のトランスポートチャネルのデータとについて、異なるビット誤り率でデータパケットを送信するように構成されてもよい。再送信は、結果の受信誤り率に更に影響を及ぼしてもよく、特に、第2のトランスポートチャネルでの誤りを実質的に回避してもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、送信する手段は、第1の伝送方式に従って第1のトランスポートチャネルを送信し、異なる第2の伝送方式に従って第2のトランスポートチャネルを送信するように構成される。
このことにより、改善した性能が可能になり、特にスケジューリング支援データの高速な送信を確保しつつ、他のデータの効率的な通信が可能になり得る。特に、実用的で複雑でない実装が可能になり、共通の第1の物理リソースを使用してスケジューリング支援データと他のデータとの通信について、個々の最適化及びトレードオフが可能になり得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、第1の伝送方式及び第2の伝送方式は、異なる誤り訂正符号化を有する。
このことにより、改善した性能が可能になり、特にスケジューリング支援データの高速な送信を確保しつつ、他のデータの効率的な通信が可能になり得る。特に、実用的で複雑でない実装が可能になり、共通の第1の物理リソースを使用してスケジューリング支援データと他のデータとの通信について、個々の最適化及びトレードオフが可能になり得る。特に、有効ビット誤り率/パケット誤り率は、所望の性能を提供するように効率的に制御されてもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、送信する手段は、第1のトランスポートチャネルと第2のトランスポートチャネルとのレートマッチングを実行するように構成される。
レートマッチングは、第1及び第2のトランスポートチャネルの誤り訂正機能を調整するために実行されてもよい。このことにより、改善した性能及び実用的な実装が可能になり、特に、少なくとも第1及び第2のトランスポートチャネルの間で物理リソースの改善した共有を提供し得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、送信する手段は、第1のトランスポートチャネルと第2のトランスポートチャネルとに異なるレートマッチング特性を適用するように構成される。
異なるレートマッチング特性は、再送信の前に第1及び第2のトランスポートチャネルのデータについて異なる伝送信頼度を生じるように選択されてもよい。このことにより、改善した性能が可能になり、特にスケジューリング支援データの高速な送信を確保しつつ、他のデータの効率的な通信が可能になり得る。特に、実用的で複雑でない実装が可能になり、共通の第1の物理リソースを使用してスケジューリング支援データと他のデータとの通信について、個々の最適化が可能になり得る。特に、有効ビット誤り率/パケット誤り率は、所望の性能を提供するように効率的に制御されてもよい。例えば、レートマッチングは、第1及び第2のトランスポートチャネルについて異なるコードパンクチャリング(puncturing)又はチャネルシンボル反復特性を使用してもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、第1のトランスポートチャネルは、基地局式スケジューラの基地局で終端される。
このことにより、改善したスケジューリングが可能になり、特に、スケジューリング支援データの高速で複雑でないシグナリングが可能になり得る。特に、既存のセルラ通信システムでは、特に基地局で実行されるスケジューリング及び/又はスケジューリング支援データと他のデータとの共有の通信に特に適した新しいトランスポートチャネルが導入されてもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、第1のトランスポートチャネルは、第2のトランスポートチャネルと異なる終端点を有する。
第1のトランスポートチャネルは、第2のトランスポートチャネルと異なるネットワークエンティティで終端されてもよい。例えば、第2のトランスポートチャネルはRNCで終端される一方、第1のトランスポートチャネルは、基地局で終端されてもよい。この特徴により、特に適したシグナリングシステムが可能になり、スケジューリング支援データの高速のシグナリングが可能になり、従って、物理リソースの効率的な共有を可能にしつつ、改善したスケジューリングが可能になり得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、再送信方式は、無線ネットワークコントローラ制御の再送信方式である。
このことにより、多くの通信システムで改善した性能が可能になり、例えば、他のデータが無線ネットワークコントローラにより効率的に制御されることが可能になりつつ、スケジューリング支援データが基地局式スケジューラに効率的に通信されることが可能になり得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、再送信方式は、基地局制御の再送信方式である。
このことにより、多くの通信システムで更なる互換性及び/又は改善した性能が可能になり得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、再送信方式は、ハイブリッドARQ(Automatic Repeat request)再送信方式である。
このことにより、既存の通信システムとの更なる互換性が可能になり、及び/又は多くの通信システムで改善した性能が可能になり得る。特に、スケジューリング支援データの通信に使用されるものと同じ物理リソースで、他のデータの特に効率的な通信が可能になり得る。特に、高いパケットデータ誤り率が使用され得る場合に、ハイブリッドARQ方式は、特に高いリンク効率を提供し得る。ハイブリッドARQ方式では、データパケットの前の送信は、受信機でデータパケットの再送信と結合される。
本発明の任意選択の特徴によれば、この装置は、第2の物理リソースを使用してスケジューリング支援データを送信する手段と、第1の物理リソースと第2の物理リソースとの間を選択する選択手段とを更に有する。
このことは、性能を改善し、物理リソースの現在の状況及び現在の特性に特に適したスケジューリング支援データの通信を可能にし得る。例えば、3GPPシステムでは、この装置は、物理ランダムアクセスチャネル(例えばPRACH)、個別物理チャネル(例えばDPCH)及び/又は基地局式スケジューラによりスケジューリングされる上りリンクチャネルの間を選択してもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、選択手段は、第1の物理リソースと第2の物理リソースとの可用性に応じて、第1の物理リソースと第2の物理リソースとの間を選択するように構成される。
このことにより、効率的なシグナリングが可能になり、例えば、スケジューリング支援データが現在利用可能なリソースで通信されることが可能になり得る。このため、スケジューリング支援データが、利用可能である限り異なるリソースで通信される動的なシステムが可能になる。このような構成により、特に、シグナリング遅延が実質的に低減されることが可能になり得る。例えば、3GPPシステムでは、この装置は、ランダムアクセス物理チャネル(例えばPRACH)、個別物理チャネル(例えばDPCH)及び/又は基地局式スケジューラによりスケジューリングされる上りリンクチャネルの間を、これらのチャネルのうちどれが現在設定されているかに応じて選択してもよい。可用性は、例えば物理リソースが利用可能になってからの持続時間でもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、選択手段は、第1の物理リソース及び第2の物理リソースのトラヒック負荷に応じて、第1の物理リソースと第2の物理リソースとの間を選択するように構成される。
このことにより、効率的なシグナリングが可能になり、例えば、スケジューリング支援データが余分な容量を有する物理リソースで通信されることが可能になり得る。例えば、3GPPシステムでは、この装置は、物理ランダムアクセスチャネル(例えばPRACH)、個別物理チャネル(例えばDPCH)及び/又は基地局式スケジューラによりスケジューリングされる上りリンクチャネルの間を、これらのチャネルのうちどれが余分な容量を有しているかに応じて選択してもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、選択手段は、第1の物理リソース及び第2の物理リソースに関連する待ち時間特性に応じて、第1の物理リソースと第2の物理リソースとの間を選択するように構成される。
このことにより、効率的なシグナリングが可能になり、例えば、スケジューリング支援データがスケジューリング支援データの最低の遅延を生じる物理リソースで通信されることが可能になり得る。このことは、低減した遅延のため、改善した性能及びスケジューリングを提供し得る。待ち時間特性は、例えば、各物理リソースでのスケジューリング支援データの送信についての推定上、仮定上又は計算上の遅延でもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、第1の物理リソースは、基地局式スケジューラにより管理されない。
このことは、スケジューリング支援データの効率的で小さい遅延のシグナリングを提供し得る。第1の物理リソースのデータは、基地局式スケジューラによりスケジューリングされない。むしろ、第1の物理リソースのデータは、例えば基地局式スケジューラの基地局をサポートするRNCのスケジューラによりスケジューリングされてもよい。第1の物理リソースは、基地局式スケジューラが制御関係及び/又は情報を有していないリソースでもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、第2の物理リソースは、基地局式スケジューラにより管理される物理リソースである。
第2の物理リソースは、基地局式スケジューラによりスケジューリングされるデータをサポートしてもよい。第2の物理リソースは、特に基地局式スケジューラが情報をスケジューリングするユーザデータチャネルをサポートしてもよい。例えば、3GPPシステムでは、この装置は、物理ランダムアクセスチャネル(例えばPRACH)、RNCにより制御される個別物理チャネル(例えばDPCH)及び/又は基地局式スケジューラによりスケジューリングされるパケットデータ上りリンクチャネルの間を選択してもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、第1の物理リソースは第1のトランスポートチャネルに関連し、第2の物理リソースは第3のトランスポートチャネルに関連し、選択手段は、スケジューリング支援データを第1又は第3のトランスポートチャネルに関連付けることにより、スケジューリング支援データを割り当てるように構成される。
このことは、かなり有利な手法を提供し、特に、スケジューリング支援データの伝送特性の個々の最適化を可能にしつつ、最適な物理リソースの効率的な選択を可能にし得る。トランスポートチャネルは、トランスポートチャネルの物理リソースに関連する特性に応じて選択されてもよい。或る実施例では、第3のトランスポートチャネルは、第2のトランスポートチャネルと同じでもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、第1の物理リソースはランダムアクセスチャネルである。
ランダムアクセスチャネルは、他の物理チャネルが利用可能でないときに使用され得るため、特に適切なチャネルを提供し得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、パケットデータ通信は、上りリンクパケットデータ通信である。本発明は、特に上りリンクパケットデータ通信サービスでもよい上りリンクパケットデータ通信サービスに特に有利な性能を提供し得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、セルラ通信システムは3GPP(3rd Generation Partnership Project)システムである。
3GPPシステムは、特にUMTSセルラ通信システムでもよい。本発明により、3GPPセルラ通信システムで改善した性能が可能になり得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、セルラ通信システムは、時分割双方向(TDD)システムである。
本発明により、TDDセルラ通信システムで改善した性能が可能になり、特に、上りリンクチャネル及び下りリンクチャネルの双方に適用可能なチャネル状況情報の改善したシグナリングを利用することにより、改善したスケジューリングが可能になり得る。
本発明の第2の態様によれば、セルラ通信システムでシグナリング情報を受信する装置が提供され、多重トランスポートチャネルとして、異なる伝送信頼度で第1のトランスポートチャネルと第2のトランスポートチャネルとを有する第1の物理リソースを受信する手段と、第1のトランスポートチャネルから基地局式スケジューラのスケジューリング支援データを抽出する手段であり、スケジューリング支援データはユーザ装置のパケットデータ通信に関する手段と、第2のトランスポートチャネルから他のデータを抽出する手段とを有し、第2のトランスポートチャネルは再送信方式を使用し、第1のトランスポートチャネルは再送信方式を使用しない。
上りリンクシグナリング情報を送信する装置に関して前述した任意選択の特徴、コメント及び/又は利点は、上りリンクシグナリング情報を受信する装置にも同様に当てはまり、任意選択の特徴は、個々に又は何らかの組み合わせで上りリンクシグナリング情報を受信する装置に含まれてもよいことがわかる。
上りリンクシグナリング情報を受信する装置は、基地局でもよい。
本発明の第3の態様によれば、セルラ通信システムでシグナリング情報を送信する方法が提供され、基地局式スケジューラについてのスケジューリング支援データを生成し、スケジューリング支援データはユーザ装置のパケットデータ通信に関し、スケジューリング支援データを第1のトランスポートチャネルに割り当て、他のデータを第2のトランスポートチャネルに割り当て、第1の物理リソースの多重トランスポートチャネルとして、第1及び第2のトランスポートチャネルを送信し、第1の物理リソースの多重トランスポートチャネルとして、第1及び第2のトランスポートチャネルを異なる伝送信頼度で送信することを有し、第2のトランスポートチャネルは再送信方式を使用し、第1のトランスポートチャネルは再送信方式を使用しない。
上りリンクシグナリング情報を送信する装置に関して前述した任意選択の特徴、コメント及び/又は利点は、上りリンクシグナリング情報を送信する方法にも同様に当てはまり、任意選択の特徴は、個々に又は何らかの組み合わせで上りリンクシグナリング情報を送信する方法に含まれてもよいことがわかる。
例えば、本発明の任意選択の特徴によれば、第1のトランスポートチャネル及び第2のトランスポートチャネルは、異なる伝送信頼度で送信される。
他の例として、本発明の任意選択の特徴によれば、第1のトランスポートチャネルは第1の伝送方式に従って送信され、第2のトランスポートチャネルは、異なる第2の伝送方式に従って送信される。
他の例として、本発明の任意選択の特徴によれば、第1のトランスポートチャネルは、基地局式スケジューラの基地局で終端される。
本発明の第4の特徴によれば、セルラ通信システムでシグナリング情報を受信する方法が提供され、多重トランスポートチャネルとして、異なる伝送信頼度で第1のトランスポートチャネルと第2のトランスポートチャネルとを有する第1の物理リソースを受信し、第1のトランスポートチャネルから基地局式スケジューラのスケジューリング支援データを抽出し、スケジューリング支援データはユーザ装置のパケットデータ通信に関し、第2のトランスポートチャネルから他のデータを抽出することを有し、第2のトランスポートチャネルは再送信方式を使用し、第1のトランスポートチャネルは再送信方式を使用しない。
本発明の前記及び他の態様、特徴及び利点は、以下に説明する実施例から明らかになり、実施例を参照して説明する。
本発明の実施例について、添付図面を参照して一例のみとして説明する。
以下の詳細な説明は、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)セルラ通信システム及び特にTDD(Time Division Duplex)モードで動作するUTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)に適用可能な本発明の実施例に焦点を当てる。しかし、本発明はこの用途に限定されず、例えばGSM(Global System for Mobile communication system)セルラ通信システムを含む多くの他のセルラ通信システムにも適用され得る。
図1は、本発明の実施例が使用され得るセルラ通信システム100の例を示している。
セルラ通信システムでは、地理的領域は、基地局によりそれぞれ提供される複数のセルに分割される。基地局は、基地局間でデータを通信することができる固定ネットワークにより相互接続される。移動局は、移動局が存在するセルの基地局による無線通信リンクを介してサービス提供される。
移動局が移動すると、1つの基地局のサービスエリアから他のサービスエリアに(すなわち、1つのセルから他のセルに)移動することがある。移動局が基地局に近づくと、2つの基地局の重複サービスエリアの領域に入り、この重複範囲内で、新しい基地局によりサポートされるように変わる。基地局が新しいセルに更に移動すると、新しい基地局によりサポートされ続ける。このことは、セル間での移動局のハンドオーバ又はハンドオフとして知られている。
典型的なセルラ通信システムは、典型的には全国にサービスエリアを広げており、数千又は数百万の移動局をサポートする数百又は数千のセルを有する。移動局から基地局への通信は上りリンクとして知られており、基地局から移動局への通信は下りリンクとして知られている。
図1の例では、第1のユーザ装置(UE)101及び第2のUE103は、基地局105によりサポートされる第1のセルにある。UEは、例えば、遠隔ユニット、移動局、通信端末、携帯情報端末、ラップトップコンピュータ、埋め込み式通信プロセッサ、又はセルラ通信システムの無線インタフェースで通信する如何なる通信要素でもよい。
基地局105はRNC107に結合される。RNCは、無線リソース管理と適切な基地局へ及び適切な基地局からのデータの中継を含み、無線インタフェースに関する多数の制御機能を実行する。
RNC107はコアネットワーク109に結合される。コアネットワークはRNCを相互接続し、何らか2つのRNCの間でデータを中継するように動作可能である。これにより、セルの遠隔ユニットが他のセルの遠隔ユニットと通信することが可能になる。更に、コアネットワークは、PSTN(Public Switched Telephone Network)のような外部ネットワークに相互接続するゲートウェイ機能を有する。これにより、移動局は陸線電話及び陸線により接続された他の通信端末と通信することが可能になる。更に、コアネットワークは、データを中継する機能、許可制御、リソース割り当て、加入者課金、移動局認証等を含む通常のセルラ通信ネットワークを管理するために必要な機能のほとんどを有する。
明瞭性及び簡潔性のため、本発明のいくつかの実施例の説明に必要なセルラ通信システムの特定の要素のみが図示されており、セルラ通信システムは、他の基地局及びRNCと、SGSN、GGSN、HLR、VLR等のような他のネットワークエンティティとを含み、多数の他の要素を有してもよいことがわかる。
通常では、無線インタフェースでのデータのスケジューリングはRNCにより実行される。しかし、最近では、共有チャネルでデータをスケジューリングするときに変動するチャネル状況を利用しようとするパケットデータサービスが提案されている。具体的には、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)が3GPPにより現在標準化されている。HDDPAにより、スケジューリングは、個々のUEの状況を考慮に入れて実行されることが可能になる。従って、チャネル伝搬がUEにとって低いリソース使用で通信されることを可能にするときに、UEのデータがスケジューリングされてもよい。しかし、動的な変化に追従するためにこのスケジューリングが十分に高速になることを可能にするために、HSDPAは、スケジューリングがRNCではなく基地局で実行されることを要求する。スケジューリング機能を基地局に配置することは、基地局対RNCのインタフェース(Iubインタフェース)での通信の要件を除去し、これにより、関連するかなりの遅延を低減する。
スケジューリングが効果的になるために、基地局スケジューラは、チャネル状況の現在の情報を必要とする。従って、TDD HSDPAシステムでは、移動局は、下りリンクスケジューラにより制御されるチャネルを使用して情報を基地局に送信することにより、情報を提供する。UEが下りリンクHSDPAデータの割り当てを受信したときに、上りリンクリソース(HS-SICHで示す)は暗示的に割り当てられ、これにより、その下りリンクデータの肯定応答又は否定応答が基地局式下りリンクスケジューラに返信され得る。暗示的に割り当てられた上りリンク物理リソースで肯定応答情報を送信することに加えて、UEはまた、チャネル状況の現在情報を有する。従って、情報は、HSDPA通信を制御するスケジューラにより設定及び制御されるHS-SICHでスケジューラに送信される。更に、個別リソースが上りリンクシグナリングに使用され、HS-SICHは、所要の情報を提供するために不変に設定されてもよい。
HSDPAと同様の上りリンクパケットデータサービスを導入することが、最近提案されている。特に、このようなサービスは、上りリンクパケットチャネルでユーザデータをスケジューリングするために基地局式スケジューラを利用する。しかし、このようなシステムが効率的に動作するためには、スケジューラが最小の遅延でUEから情報を提供されることが必要である。上りリンクユーザデータと共に情報を含めることにより、この情報を提供することが提案されている。具体的には、このようなデータを上りリンクユーザデータPDU(Packet Data Unit)のMAC-eヘッダに含めることにより、使用データパケットのデータと抱き合わせることが提案されている。
しかし、シグナリングデータがユーザデータPDUで送信される対策は、多くの状況で次善である。特に、柔軟でないシステムをもたらし、可能なスケジューリングを制限する。具体的には、ユーザデータの効率的な通信を実現するために、PDUについて再送信方式を使用することが提案されている。特に、PDUの前の送信が受信機で再送信と結合されるARQ方式を使用することが提案されている。しかし、このような方式が効率的に動作するために、PDU誤り率は比較的高く選択され、各PDUのリソース使用は低くなるが、かなりの数の再送信を生じる。従って、基地局スケジューラのシグナリングデータは本質的に高い誤り率を有し、典型的には正確に受信される前に再送信を必要とする。しかし、このことは、非常に大きい遅延を導入し、スケジューラの実現可能な性能をかなり低減する。特にTDDシステムでは、増加した遅延は、実現可能な性能にかなり影響を及ぼし得る。
以下では、スケジューリング支援データの遅延が低減され、これにより、改善したスケジューリング性能と、改善したエンドユーザに認識されるサービス品質と、全体として改善したセルラ通信システムの性能とを生じることを確保しつつ、スケジューリング支援データと他のデータとの間の物理リソースの効率的な共有が実現されるいくつかの実施例について説明する。
図2は、図1の例のUE101と、RNC107と、基地局105とを詳細に示している。この例では、RNC107は、例えば当業者に既知のDPCH(Dedicated Physical CHannel)のような通常の3GPP物理チャネルをスケジューリングする役目をするRNCスケジューラ201を有する。したがって、RNCスケジューラ201は、3GPP技術仕様書のリリース99に規定された無線インタフェースで通信するデータをスケジューリングする。
図2の例では、基地局105は、IubインタフェースでRNC107と通信する役目をするRNCインタフェース203を有する。RNCインタフェース203は、基地局105の動作を制御する基地局コントローラ205に結合される。基地局コントローラ205は、無線インタフェースでUE101と通信するように動作可能なトランシーバ207に結合される。基地局コントローラ205は、RNC107から受信したデータをUE101に送信するため及びUE101から受信したデータを受信してRNC107に転送するために必要な全ての機能を実行する。
基地局105は、基地局コントローラ205に結合された基地局スケジューラ209を更に有する。基地局スケジューラ209は、上りリンク共有パケットデータサービスでもよい上りリンクパケットデータサービスのデータをスケジューリングする役目をする。具体的には、基地局スケジューラ209は、共有物理リソースの共有トランスポートチャネルでユーザデータをスケジューリングし、共有物理リソースのリソース割り当て情報を生成する。割り当て情報は基地局スケジューラ209に供給され、無線インタフェースでUE101、103に送信される。
基地局スケジューラ209は基地局105にあるため、(RNCスケジューラ201に必要な)Iubインタフェースでの割り当て情報の通信に必要な更なる遅延なしに、データをスケジューリングすることができる。
基地局スケジューラ209は、異なる情報に基づいて上りリンクトランスポートチャネルのデータをスケジューリングする。特に、基地局スケジューラ209は、UEの個々の無線インタフェースチャネル伝搬特性と現在の送信バッファ要件とに応じて、データをスケジューリングしてもよい。従って、この情報は、UE101、103から基地局105に送信されるスケジューリング支援データから得られることが好ましい。効率的なスケジューリングを有するために、スケジューリング支援データは、小さい遅延及び頻繁な間隔で受信されることが好ましい。従って、まずIubインタフェースでスケジューリング支援データをRNC107に送信してRNC107から受信することなく、スケジューリング支援データが基地局スケジューラ209に提供されることが望ましい。
図2の例では、UE101は、3GPP技術仕様書に従って無線インタフェースで基地局105と通信するように動作可能なトランシーバ211を有する。UE101は、3GPPセルラ通信システムのUEに必要な機能又は望ましい機能を更に有する。
UE101は、3GPP技術仕様書に従って、個々の物理リソースにデータを割り当てるように動作可能なチャネルコントローラ213を有する。図2の特定の例では、UE101は、ユーザデータ通信に関与し、RNC107に送信されるユーザデータを生成するユーザデータ源215を有する。ユーザデータ源215は、上りリンクDCH(Dedicated Channel)又はUSCH(Uplink Shared Channel)のような適切なトランスポートチャネル(以下ではユーザデータトランスポートチャネルと呼ばれる)にユーザデータを割り当てる第1のトランスポートチャネルコントローラ217に結合される。
第1のトランスポートチャネルコントローラ217は、再送信コントローラ219に更に結合される。再送信コントローラ219は、トランシーバに結合され、ユーザデータに使用されるトランスポートチャネル(すなわちDCH)の再送信方式を動作するように構成される。再送信方式は、特に3GPP技術仕様書に従ってRNC107により制御されるARQ再送信方式である。
ユーザデータを有するデータパケットがRNC107により承認されると、受信機211は、再送信コントローラ219に肯定応答を供給する。従って、再送信コントローラ219は、受信した肯定応答を監視し、データパケットが承認されていないか否かを検出する。このことが生じると、再送信コントローラ219は、第1のトランスポートチャネルコントローラ217に通知し、基地局105に送信される次の(又は続く)PDUのDCHトランスポートチャネルにこのデータを含めるように進める。従って、第1のトランスポートチャネルコントローラ217は、パケット誤りが生じたとしても全てのユーザデータが基地局により受信されることを確保する。
図2の例では、UE101は、基地局スケジューラ209によりスケジューリングされるパケットデータ通信に更に関与する。例えば、UE101は、上りリンクパケットデータサービスによりサポートされるインターネットアクセスアプリケーションに関与してもよい。この例では、UE101は、特に上りリンク共有チャネルでもよい上りリンクチャネルでの送信にスケジューリングされるまで、パケットデータを格納するパケットデータ送信バッファ217を有する。しかし、ユーザデータ源からのユーザデータの通信に対して、このパケットデータ通信のスケジューリングは、RNCスケジューラ210ではなく、基地局スケジューラ209により実行される。
パケットデータ送信バッファ221は、基地局スケジューラ209により制御される適切な物理リソースとトランスポートチャネルとを使用して、基地局にパケットデータを送信するように構成されたチャネルコントローラ213に結合される。具体的には、チャネルコントローラ213は、E-DCH(Enhanced Dedicated CHannel)でパケットデータを送信してもよい。
パケットデータ送信バッファ221は、基地局105に送信するスケジューリング支援データを生成するスケジューリング支援データ生成器223に結合される。特に、スケジューリング支援データは、UE101で利用可能であり、データをスケジューリングするときに基地局スケジューラ209により使用され得る情報に関係する。
図2のUE101では、スケジューリング支援データ生成器223は、パケットデータ送信バッファ221に結合され、これから現在のバッファ負荷の動的情報を取得する。従って、スケジューリング支援データ生成器223は、どのくらいのデータが上りリンクチャネルで送信を保留しているパケットデータ送信バッファ221に現在格納されているかを決定する。
スケジューリング支援データ生成器223は、スケジューリング支援データのこの保留送信データ量の指示を有する。更に、スケジューリング支援データ生成器223は、現在の伝搬状況を示す情報を提供されてもよく、スケジューリング支援データにこの情報を含めてもよい。共有物理リソースの伝搬状況は、例えば受信信号の信号レベル測定から決定されてもよい。TDDシステムの例では、上りリンクと下りリンクとの双方が同じ周波数を使用するため、この下りリンク伝搬データは、上りリンク伝搬データにも同様に適用可能であると考えられ得る。
スケジューリング支援データ生成器223は、スケジューリング支援データを第2のトランスポートチャネル(以下ではシグナリングトランスポートチャネルと呼ばれる)に割り当てる第2のトランスポートチャネルコントローラ225に結合される。
第1のトランスポートチャネルコントローラ217及び第2のトランスポートチャネルコントローラ225は、ユーザデータトランスポートチャネルとシグナリングトランスポートチャネルとを多重するように構成されたトランスポートチャネルマルチプレクサ227に結合される。トランスポートチャネルマルチプレクサ227は、物理リソースで多重トランスポートチャネルとして第1及び第2のトランスポートチャネルを送信するように動作可能であるチャネルコントローラ213に更に結合される。
従って、この例では、スケジューリング支援データは、2つの異なるトランスポートチャネルにより共有される物理リソースにより、ユーザデータと同じ物理リソースで送信される。例えば、無線インタフェースで送信される所定のPDUは、ユーザデータトランスポートチャネルとシグナリングトランスポートチャネルとの双方からのデータを有してもよい。更に、一方のトランスポートチャネルが再送信方式を使用するが、他方のトランスポートチャネルが使用しない効率的で最適化された共有通信が実現される。特に、ユーザデータは、高効率であり低いリソースの通信を提供し得るが、かなりの遅延を有し得る再送信方式を使用して送信される。スケジューリング支援データは、再送信方式を使用しないシグナリングトランスポートチャネルで送信されてもよい。従って、基地局スケジューラ209は、データをスケジューリングする前に再送信を待つ必要はない。
或る実施例では、パケットデータ送信バッファは、第1のトランスポートチャネルで送信されてもよい。従って、或る実施例では、スケジューリング支援データは、スケジューリング支援データが関係するデータを運ぶトランスポートチャネルと同じリソースに多重されるトランスポートチャネルで送信されてもよく、他の実施例では、他のデータを運び、場合によってはパケットデータ送信バッファからのパケットデータの上りリンクデータ通信に関係のないトランスポートチャネルに多重されてもよい。第1のトランスポートチャネルは、例えばユーザデータ、制御データ又は他のシグナリングデータを運んでもよい。
図2の例では、ユーザデータトランスポートチャネルは、再送信がRNC107により制御されるDCHチャネルである。このような実施例では、RNC107は、基地局105から正確に受信されたPDUを受信した場合にのみ、UE101に肯定応答メッセージを送信してもよい。従って、基地局105がうまく復号できずにPDUを受信すると、受信したシンボルサンプルは格納されてもよい。肯定応答がUE101に送信されない場合、PDUを再送信するため、新しい送信が基地局105により受信されると、データは格納されたシンボルサンプルと結合される。このことにより、PDUが回復可能である場合、これがRNC107に送信され、次に、RNC107は肯定応答メッセージをUE101に送信する。そうでない場合、基地局105はデータを格納し、UE101からの次の再送信を待機する。
他の実施例では、再送信は他で制御されてもよい。例えば、或る実施例では、基地局105がUE101からうまくPDUを受信すると、基地局コントローラ205は、受信機207によりUE101に送信される肯定応答メッセージを生成する。従って、この例では、再送信は基地局105により制御される。このような実施例では、再送信方式は、特にハイブリッドARQ方式でもよい。
図2の例では、チャネルコントローラ213は、基地局式スケジューラにより管理されていない物理リソースでスケジューリング支援データを送信する。特に、チャネルコントローラ213は、RNCスケジューラ201により制御されていない物理チャネルを選択する。
一例として、チャネルコントローラ213は、回線交換の音声電話に使用される個別物理リソースでスケジューリング支援データを送信してもよい。特に、チャネルコントローラは、RNCスケジューラ201により設定及び制御されるように割り当てられたDPCH物理リソース上に、RNCスケジューラ201により設定及び制御されたDPDCHとスケジューリング支援データを抱き合わせてもよい。他の例として、チャネルコントローラは、ランダムアクセスチャネル(PRACHチャネル)でスケジューリング支援データを送信してもよい。
基地局105で通信が受信されると、図2の例では、基地局コントローラ205は、スケジューリング支援データを抽出し、これを基地局スケジューラ209に供給するように構成される。例えば、基地局コントローラ205は、DPDCH及び/又はPRACHを監視してもよく、スケジューリング支援データが受信されていることを検出すると、このデータを復号して基地局スケジューラ209に送信してもよい。
或る実施例では、RNCスケジューラ201は、スケジューリング支援データの通信用の物理リソースのセグメントを特に割り当ててもよく、これらのセグメントを特定する情報が基地局105とUE101との双方に通信されてもよい。
従って、この例では、スケジューリング支援データは、RNCでのスケジューリングによりサポートされる他のサービスにより共有される物理リソースで受信される。或る実施例では、スケジューリング支援データは、HSDPAのHS-SICHの場合のように、基地局105の異なるスケジューラによりサポートされる物理リソースで受信されてもよい。特に、これらのサービスは、通常のリリース99、リリース4又はリリース5のサービスでもよい。従って、下位互換性を維持すると共に、基地局スケジューラ209がスケジューリング支援データのリソースを割り当てる必要がある要件を回避しつつ、スケジューリング支援データの効率的且つ柔軟な通信が実現される。むしろ、多くの状況で、RNCスケジューリングされた物理リソースの未使用のリソースが、スケジューリング支援データの通信に使用され得る。
更に、シグナリングが基地局105とRNC107との間のIubインタフェースでの通信に固有の遅延を回避するため、図2のシステムにより、スケジューリング支援データの非常に高速な通信が可能になる。
この例では、基地局スケジューラ209は、(効率的なリソース利用のため)頻繁な間隔で非常に小さい遅延で、無線インタフェースチャネル状況とUE101、103の送信データ要件とを示すスケジューリング支援データを提供されてもよい。このことにより、高速に変化する特性を考慮してかなり高速なスケジューリングが可能になり、かなり改善したスケジューリングを生じる。このことは、全体としてセルラ通信システムの改善したリソース利用及び増加した容量をもたらす。
図2の例では、スケジューリング支援データはシグナリングトランスポートチャネルで通信される。トランスポートチャネルは、物理レイヤ及びMACレイヤに対してPDUを運ぶチャネルでもよい。物理チャネルは無線インタフェースでビットを運ぶ。物理チャネルは、特にレイヤ1(物理レイヤ)チャネルである。論理チャネルは、MACレイヤとRLC(Radio Link Control)レイヤとの間でPDUを運ぶ。
特に、3GPPシステムでは、トランスポートチャネルは、3GPP多重アクセス制御(MAC:Multiple Access Control)エンティティと3GPP物理レイヤエンティティとの間の情報伝達インタフェースである。物理チャネルは、3GPPでは特定の拡散コード及び無線インタフェースでの期間占有として規定された送信リソースの単位である。論理チャネルは、MACへの送信入力での情報伝達インタフェースである。
図2の例では、物理リソースは、同じ物理リソースに多重される2つ以上のトランスポートチャネルをサポートする。特に、スケジューリング支援データの通信のために新しいトランスポートチャネルが規定されてもよく、このトランスポートチャネルは、1つ以上のDCHと共に、3GPPシステムでDCHが運ばれる1つ以上のDPCHチャネルに多重されてもよい。
3GPPシステムでは、2つ以上の別々の情報ストリームが、以下の複数の方法で物理リソースの共通のセットに多重されてもよい。
・物理レイヤフィールド多重
物理レイヤフィールド多重では、複数の情報ストリームは(必要に応じて)別々に符号化され、送信ペイロードの相互に排他的な(通常では連続する)部分を占有する。逆多重は、ストリーム毎に送信ペイロードの関連部分を抽出し、これらを後に独立して扱うことにより実現される。
・トランスポートチャネル多重
トランスポートチャネル多重では、多重情報ストリームは別々に符号化され、レートマッチング後のビットの総数が送信ペイロードに正確に適合するように、協調レートマッチング方式が各ストリームに適用される。一般的には、これは、通常では各情報ストリームに対応するビットが最後の送信ペイロードで不連続であるということを除いて、物理レイヤ多重と同様である。更に、レートマッチング方式は、各ストリームに適用されるFECの量が柔軟に変化し得るように設計され、様々な異なる品質要件が各ストリームに独立して満たされることが可能になる。逆多重は、送信機に適用されるレートマッチング方式アルゴリズムを認識する受信機を介して可能になる。
・論理チャネル多重
論理チャネル多重では、複数の情報ストリームは、各ストリームに適用されるヘッダと共に、物理レイヤによる誤り訂正符号化の前にMACレイヤにより多重され、受信機での逆多重を可能にする。FEC符号化は、合成(多重)ストリームに適用されるため、各ストリームは同じ伝送信頼度を受ける。
DPCHチャネルのような物理リソースはRNCスケジューラにより制御されるが、個別トランスポートチャネルDCHはRNC107で終端され、スケジューリング支援データに使用されるトランスポートチャネルは基地局105で終端されることが好ましいことがわかる。従って、スケジューリング支援データに使用されるトランスポートチャネルと他のデータに使用されるトランスポートチャネルとは、同じ物理リソースに多重されるが、異なるエンティティで終端する。このことにより、特に効率的且つ柔軟なシグナリングが可能になり、特にスケジューリング支援データの遅延を最小化し得る。具体的には、RNC終端のトランスポートチャネルでスケジューリング支援データを受信してこれを基地局105に再送信することに関連する遅延を回避し得る。
図2のUE101は、トランスポートチャネル多重を使用する。トランスポートチャネルの多重は、特に記載の実施例に適した複数の利点及び選択肢を提供する。
例えば、物理レイヤ多重に対して、3GPP技術仕様書に大きい影響を与えることなく、上りリンクシグナリングが従来のチャネル(例えば、リリース99で規定されたチャネル)と多重されることが可能になる。更に、3GPP内でのトランスポートチャネルの多重の既存の手法が、技術仕様書への最小の影響で再利用可能であり、従って、改善した下位互換性が実現され得る。
更に、トランスポートチャネル多重の使用は、個々のトランスポートチャネルの性能を個々に最適化するために使用されてもよい。或る実施例では、異なるトランスポートチャネルについて異なる再送信方式が使用される。特に、異なる伝送信頼度を生じる異なる再送信方式が使用されてもよい。
特定の例として、前方誤り訂正符号化がトランスポートチャネル毎に個々に選択されてもよく、例えば、ユーザデータトランスポートチャネルより高い信頼度の前方誤り訂正符号化が、シグナリングトランスポートチャネルに選択されてもよい。
特定の例として、第1のトランスポートチャネルコントローラ217は、1/2レートのViterbi符号化方式のような第1の前方誤り訂正符号化方式を適用してもよく、第2のトランスポートチャネルコントローラ225は、異なる符号化方式又は異なる符号化レートを適用してもよい。例えば、第2のトランスポートチャネルコントローラ225は、1/3レートのViterbi符号化方式を適用してもよい。
いくつかのこのような実施例では、トランスポートチャネルマルチプレクサ227は、第1のトランスポートチャネルコントローラ217と第2のトランスポートチャネルコントローラ225とのデータを、物理リソースで送信されるPDUに結合することにより、単にトランスポートチャネルを多重してもよい。
特定の例では、ユーザデータより高い伝送信頼度がスケジューリング支援データについて実現される。シグナリングトランスポートチャネルの有効ビット誤り率及びパケット誤り率は、ユーザデータトランスポートチャネルより実質的に低く(例えば10の係数だけ)選択されてもよい。
このことは、再送信に結合されるデータパケット当たりの低いリソース使用により、高いリンク効率が得られるため、かなり有利になり得る。同時に、スケジューリング支援データの高い信頼度の伝送が実現され得る。この通信は、ユーザデータが受信信号から決定できない場合であっても、スケジューリング支援データが第1の送信から受信され得ることを確保し得る。従って、スケジューリング支援データについて更なる信頼度及び低減した遅延が実現される。
他の例として、第1のトランスポートチャネルコントローラ217及び第2のトランスポートチャネルコントローラ225は、異なる変調方式を使用することにより、異なる伝送信頼度を提供してもよい。例えば、第1のトランスポートチャネルコントローラ217は、8-PSK(Phase Shift Keying)シンボルを使用してユーザデータトランスポートチャネルを生成してもよく、第2のトランスポートチャネルコントローラ225は、QPSK(Quaternary Phase Shift Keying)データシンボルを使用してもよい。
或る実施例では、トランスポートチャネルマルチプレクサ227は、ユーザデータとシグナリングトランスポートチャネルとのレートマッチングを実行するように更に動作可能である。このことにより、第1のトランスポートチャネルコントローラ217及び第2のトランスポートチャネルコントローラ225によりPDUに割り当てられたチャネルデータが、PDUの容量を合致するように調整されることが可能になる。或る実施例では、トランスポートチャネルマルチプレクサ227は、特にユーザデータトランスポートチャネルとシグナリングトランスポートチャネルとに異なるレートマッチング特性を適用してもよい。
例えば、レートマッチングは、第1のトランスポートチャネルコントローラ217及び/又は第2のトランスポートチャネルコントローラ225の符号化データ出力のパンクチャリングを有してもよい。符号のパンクチャリングは、符号化データからいくつかの冗長シンボルを除去することを有し、結果の符号化データレートを低減するために使用され得る。
代替として又は更に、レートマッチングは、第1のトランスポートチャネルコントローラ217及び/又は第2のトランスポートチャネルコントローラ225からの符号化データのいくつかの反復を有してもよい。符号化シンボルの反復は、符号化データからのいくつかのシンボルの反復を有し、結果の符号化データレートを増加するために使用され得る。
更に、増加したパンクチャリングは、結果の誤り率を増加し得るが、反復は誤り率を低減し得る。従って、パンクチャリング及び反復特性を調整することにより、トランスポートチャネルマルチプレクサ227は、送信データの信頼度を調整してもよく、2つのトランスポートチャネルについて異なるパンクチャリング及び反復を使用することにより、異なる伝送信頼度が実現される。
トランスポートチャネルマルチプレクサ227は、ユーザデータトランスポートチャネルとシグナリングトランスポートチャネルとの間の所望の相対的な信頼度の差を得つつ、特に所望のデータレート又はデータ量を得るためにパンクチャリングと反復とを使用してもよい。
従って、この例では、ユーザデータトランスポートチャネルは、誤ったデータがUE101から再送信される再送信方式を使用するが、シグナリングトランスポートチャネルは、再送信方式を使用せず、より信頼度の高い誤り符号化でデータを送信する。この例では、単一の物理リソースは、遅延に敏感でないデータの送信に使用される第1のトランスポートチャネルを有してもよい。送信は、約10〜30%の高いデータパケット誤り率を有することがあり、多数の再送信を生じるため、増加した遅延をもたらすが、非常に効率的なリソース使用をもたらす。同時に、物理リソースは、スケジューリング支援データの送信に使用されるシグナリングトランスポートチャネルをサポートしてもよく、このトランスポートチャネルは、非常に低いデータレートを有してもよい。このため、パケットデータが小さい遅延で確実に受信されることを確保し、基地局スケジューラ209による改善したスケジューリングを生じる。
例えば、RNC107により制御される物理リソースが、スケジューリング支援データの通信をサポートするために使用されてもよいことがわかる。
例えば、前述のように、DPCH又はPRACH物理チャネルが使用されてもよい。或る実施例では、UE101及び基地局105は、基地局スケジューラ209により管理される物理リソースでスケジューリング支援データを通信する機能を更に有してもよい。従って、この例では、UE101は、複数の異なる物理リソースで通信する機能を有してもよい。図2の例では、スケジューリング支援データを通信するための適切な物理リソースは、現在の状況と動作環境とに応じて選択されてもよく、適切な物理チャネルは、現在の状況で最善の性能を提供するように選択されてもよい。
従って、この例では、基地局スケジューラ209により拡張上りリンクスケジューリング処理(enhance uplink scheduling process)を支援するために使用されるシグナリングは、現在の嗜好及び状況に従って、異なる上りリンク物理リソースでインテリジェントに中継及び送信される。特に、物理リソースは、これらの上りリンク物理リソースの存在又は欠如に基づいて選択されてもよい。更に、スケジューリング支援データは、基地局105で終端されるトランスポートチャネルで通信されてもよい。
代替の手法では、基地局スケジューラ209により拡張上りリンクスケジューリング処理を支援するために使用されるシグナリングは、異なるトランスポートチャネル(このため、ネットワークの制御でネットワーク対UEのシグナリング手段を介した物理リソース)で中継及び送信されてもよい。
インテリジェント中継手法について、例を参照して示す。3つの特定の構成が考えられる。
・シナリオ1
ユーザ装置101は、その現在のパケットデータ送信バッファ状態又は無線状況について、基地局スケジューラ209に通知しようとするが、拡張上りリンクリソースが送信に許可されておらず、他の上りリンク無線リソースも存在せず、又は利用可能でない。この状況は、UE101が前にパケット呼の伝送を終了しており、ある期間アイドルになっており、新しいデータがUE101のパケットデータ送信バッファ217に到達したときによく生じる。ユーザは、新しいデータを送信するための送信リソースの必要性を、基地局スケジューラ209に通知しなければならない。
・シナリオ2
ユーザ装置101は、新しい無線インタフェース状況情報又はバッファ情報で基地局スケジューラ209を更新しようとし、基地局スケジューラ209によりスケジューリングされたパケットデータ上りリンクリソースが既に利用可能になっている。この場合、UE101は、上りリンクパケットデータ伝送自体の送信に許可されたリソースの一部を使用して、上りリンクシグナリングを抱き合わせてもよい。
・シナリオ3
ユーザ装置101は、新しいチャネル又はバッファ情報で基地局スケジューラ209を更新しようとし、基地局スケジューラ209により管理されたパケットデータ上りリンクリソースが利用可能でないが、他のRNC管理の上りリンクリソースが存在して利用可能である。この場合、UE101は、既存の上りリンクリソースの一部を使用してシグナリングを抱き合わせてもよい。
従って、或る実施例では、UE101のチャネルコントローラ213及び基地局105のチャネルコントローラ205は、異なる物理リソースの間を選択する機能を有する。更に、この選択は、異なる物理リソースが利用可能であるか否かに応じて実行されてもよい。
特定の例として、チャネルコントローラ213は、まず、基地局スケジューラ209により制御される上りリンクパケットデータチャネルが利用可能であるか否かを評価してもよい。利用可能である場合、このチャネルがスケジューリング支援データの送信に選択される。そうでない場合、チャネルコントローラ213は、(DPCHのように)RNCスケジューラ201により制御される上りリンク物理チャネルが設定されているか否かを評価してもよい。設定されている場合、スケジューリング支援データは、このチャネルで送信される。しかし、このようなチャネルが利用可能でない場合、チャネルコントローラ213は、ランダムアクセスチャネル(PRACH)を使用して、スケジューリング支援データを送信し続けてもよい。
異なる実施例では、物理リソースの選択は、異なるパラメータ又は特性に応じて行われてもよい。例えば、チャネルコントローラ213及び基地局コントローラ205は、以下のようなパラメータを考慮に入れてもよい。
・上りリンク物理リソース形式の存在又は欠如。
・上りリンクリソース形式が最後に存在したときの時間。例えば、所定の物理リソースは、所定の時間間隔内で利用可能になっている場合にのみ選択されてもよい。
・上りリンクリソース形式にマッピングされたチャネルのトラヒック負荷。例えば、物理リソースは、トラヒック負荷が低く、余分な利用可能なリソースが存在する場合に選択されてもよい。
・上りリンクシグナリングの送信待ち時間の考慮。例えば、各物理リソースは、シグナリング遅延、符号化等により、関連する遅延時間を有してもよく、最低の待ち時間を有する物理リソースが他の物理リソースに優先して選択されてもよい。
代替として又は更に、物理リソースの選択は、固定ネットワークによる構成、特にRNCに応じて実行されてもよい。例えば、何らかのシグナリングルートが、固定ネットワークにより明示的に許可又は無効にされてもよい。
物理リソースの選択は、例えばトランスポートチャネルを選択し、このトランスポートチャネルを送信するために物理リソースを選択することにより行われてもよい。他の例として、物理リソースの選択は、異なるトランスポートチャネルを異なる物理チャネルに関連付けさせ、適切なトランスポートチャネルを選択することにより行われてもよい。
図3は、これらの例示的な切り替え実施例の間の原理を示している。特に、図3aは、上りリンク物理リソース形式の間での単一のトランスポートチャネルの切り替えの例を示している。図3bは、物理リソース形式と固定の関連をそれぞれ有する2つ以上のトランスポートチャネルにシグナリング情報ストリームを切り替える例を示している。
図3aの例では、スケジューリング支援データは、新しいトランスポートチャネル(TrCH#1)に含まれる。トランスポートチャネルは、所望の物理リソース形式に応じて、第1又は第2のトランスポートチャネルマルチプレクサに切り替えられる。選択されたトランスポートチャネルマルチプレクサは、トランスポートチャネルと物理リソースで通信される他のトランスポートチャネルとを多重する。
図3bの例では、スケジューリング支援データは、第1のトランスポートチャネル(TrCH#1)又は第2のトランスポートチャネル(TrCH#2)に含まれる。トランスポートチャネルのそれぞれは、異なる物理リソースによりサポートされ、選択されたトランスポートチャネルは、物理リソースで送信される前に他のトランスポートチャネルと多重される。スケジューリング支援データについての特定のトランスポートチャネルの選択は、個々のトランスポートチャネルに関連する物理リソースの特性に応じて行われてもよい。
或る実施例では、物理リソースのトランスポートチャネルは、固定ネットワークの異なる点で終端されてもよい。具体的には、トランスポートチャネルは、ユーザデータ通信に使用されてもよく、RNC107で終端されてもよいが、第2のトランスポートチャネルは、スケジューリング支援データの通信に使用され、基地局105で終端される。従って、同じ物理リソースは、個々に最適な位置で終端されるトランスポートチャネルをサポートしてもよい。このことは、スケジューリング支援データに関連する遅延を低減し、基地局スケジューラ209のスケジューリング性能を改善し得る。
図4は、本発明の或る実施例によるシグナリングシステムの例を示している。特に、図示の機能は、図2のチャネルコントローラ213に実装されてもよい。前述した3つの特定の例示的な3GPP UTRAN TDDのシナリオを参照して、動作を説明する。
・シナリオ1
シナリオ1では、既存のRACHがRNC107で終端されるという事実のため、基地局105は、必要な上りリンクシグナリングを運ぶためにこのトランスポートチャネルを使用することができない。RACHは基地局105に“可視”ではなく、単にRNCへの途中で基地局を通過する。受信した情報を、新しいIubシグナリングを介してRNCからNode-Bに返送することも可能であるが、この技術は、これらの複数の送信区間に含まれる待ち時間をかなり受ける。
非ランダムアクセス方法(巡回ポーリング等)も考えられ得るが、このような技術も同様に、待ち時間の増加を受ける(ユーザの送信バッファへのデータの到達と、上りリンクリソースがそのデータを提供するために許可されることとの間に潜在的にかなりの遅延が存在する)。
図4の例によれば、スケジューリング支援データを基地局スケジューラ209に直接伝達することができる新しい基地局終端のランダムアクセスチャネルが規定される。
新しいランダムアクセスチャネルは、図4の例では、“E-SACHR(Enhanced Uplink Scheduler Assistance Channel)”と呼ばれる。“R”の下付文字は、チャネルが事実上ランダムアクセスである(すなわち、スケジューリングでなく、基地局スケジューラ209により特にスケジューリング又は管理されない)という事実に関する。チャネルは、新しいデータがユーザの送信バッファに到達し、実際に上りリンク無線リソースの要求であるという指示を基地局スケジューラ209に運ぶことができる。これはまた、現在のチャネル状況の指示も運んでもよく、送信はランダムアクセスであるため、基地局スケジューラ209がリソースを割り当てるユーザを認識するように、ユーザ識別情報の指示も運んでもよい。
・シナリオ2
基地局スケジューラ209によりスケジューリングされた1つのトランスポートチャネル(E-DCH(Enhanced-Dedicated CHannel)で示す)で運ばれる上りリンクデータペイロードで、上りリンクシグナリングは、別々のトランスポートチャネル(図4でE-SACHEで示す)で運ばれてもよい。E-SACHRと同様に、E-SACHEは基地局105で終端される。“E”の下付文字は、スケジューリング支援情報が基地局スケジューラ209によりスケジューリングされた拡張上りリンク伝送に抱き合わせられることを示すために使用される。しかし、スケジューリングされた伝送で伝達されるため、シグナリングでユーザ識別情報を運ぶ必要はない。従って、E-SACHE PDUのPDUサイズは、E-SACHR PDUのPDUサイズと異なる傾向にある。2つ(以上)のトランスポートチャネルが物理リソースの同じセット(CCTrCHと呼ばれる)に多重される。更に、E-SACHE及びE-DCHに適用されるFEC符号化の程度を調整し、各トランスポートチャネルの伝送信頼度を所望のように最適化することも可能である。例えば、スケジューラ情報が(通常では単一の送信で)高い信頼度でスケジューラに到達し、E-DCHが最適なリンク信頼度で各送信インスタンスを動作することによりARQ(再送信)効率を利用することができるように(しばしば誤りなしに受信される前にデータのユニット当たりの複数の送信が関与する)、E-SACHEがE-DCHより高度のFEC保護を与えられることが望ましいことがある。
・シナリオ3
このシナリオはシナリオ2と同様であるが、主な違いは、上りリンクシグナリングが拡張上りリンク伝送に直接関連せず、基地局スケジューラ209によりスケジューリングされない上りリンクリソースで抱き合わされているという点にある。これらの上りリンクリソースは、ここでは“補助”と呼ばれる。例えば、拡張パケットデータ上りリンクは、HSDPA下りリンクパケットデータサービスと共に使用されてもよい。このような場合、(典型的にはTCP(Transmit Power Control)肯定応答のような高レイヤユーザデータと、イベント(ハンドオーバ等)を制御するレイヤ3制御トラヒックとを運ぶために使用される)関連する上りリンクDCHが存在する。このような場合、スケジューリング支援データは、上りリンクDPCH物理リソース又はHS-SICH(High Speed-Shared Information Channel)のような他の上りリンクHSDPAチャネルで送信されてもよい。
他の上りリンク伝送リソースが利用可能でないが、更新情報をスケジューラに送信する必要がある場合、E-SACHRランダムアクセス手順を使用するのではなく、(待ち時間の理由で又は効率の節約を得るため)ユーザがスケジューリング支援データの上りリンクシグナリングを補助上りリンクリソースに抱き合わせることが好ましいことがある。
この場合にも同様に、補助トラヒック及び上りリンクシグナリングに適用される前方誤り訂正符号化の程度の制御を容易にするため、及びそれぞれの別々の検出を可能にするため、E-SACHDと呼ばれる別々のトランスポートチャネルが上りリンクシグナリングに使用される。シナリオ2と同様に、E-SACHDは基地局105で終端され、他のデータと共に、補助上りリンク無線リソースの共通のセット(補助上りリンクCCTrCH)に多重される。
明瞭にするために前述の説明は、異なる機能ユニット及び処理に関して本発明の実施例を記載していることがわかる。しかし、本発明を逸脱することなく、異なる機能ユニット又はプロセッサ間での何らかの適切な分配が使用されてもよいことが明らかである。例えば、別々のプロセッサ又はコントローラにより実行されるように示されている機能は、同じプロセッサ又はコントローラにより実行されてもよい。従って、特定の機能ユニットへの参照は、厳密的な論理的又は物理的構造又は構成を示すのではなく、所望の機能を提供する適切な手段への参照のみとしてみなされる。
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの何らかの組み合わせを含み、如何なる適切な形式で実装されてもよい。任意選択で、本発明は、1つ以上のデータプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサで動作するコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実装されてもよい。本発明の実施例の要素及び構成要素は、如何なる適切な方法で物理的、機能的及び論理的に実装されてもよい。実際に、機能は単一のユニットに実装されてもよく、複数のユニットに実装されてもよく、又は他の機能ユニットの一部として実装されてもよい。従って、本発明は、単一のユニットに実装されてもよく、異なるユニット及びプロセッサの間に物理的及び機能的に分配されてもよい。
いくつかの実施例に関して本発明を説明したが、ここに示した特定の形式に限定することを意図するのではない。むしろ、本発明の範囲は特許請求の範囲のみにより限定される。更に、機能は特定の実施例に関して記載されているように見えるが、当業者は記載の実施例の様々な特徴が本発明に従って結合され得ることを認識する。請求項において、有するという用語は、他の要素又はステップの存在を除外しない。
更に、個々に記載されているが、複数の手段、要素又は方法のステップが、例えば単一のユニット又はプロセッサにより実装されてもよい。更に、個々の特徴が異なる請求項に含まれることがあるが、これらは場合によっては有利に結合されてもよく、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能及び/又は有利ではないことを意味するのではない。また、請求項の1つのカテゴリに特徴が含まれることは、このカテゴリへの限定を意味しているのではなく、特徴が必要に応じて他の請求項のカテゴリにも同様に適用可能であることを示す。更に、請求項への特徴の順序は、特徴が動作されなければならない特定の順序を示すのではなく、特に、方法の請求項の個々のステップの順序は、ステップがこの順序で実行されなければならないことを示すのではない。むしろ、ステップは如何なる適切な順序で実行されてもよい。更に、単数への言及は複数を除外しない。従って、“1つ”、“第1の”、“第2の”等への言及は複数を除外しない。