JP2008251583A - 蓄電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電デバイスの充放電性能や耐久性能を向上させる。
【解決手段】蓄電デバイス10は、電極積層ユニット12に巻き付けられた弾性フィルム17の収縮力を面内方向Xよりも積層方向Zに大きくしたので、電極積層ユニット12の湾曲を防止することができる。これにより、蓄電デバイス10の充放電性能や耐久性能を向上させることが可能となる。また、電極積層ユニット12と外装容器との間に弾性フィルム17を配置するようにしたので、電極積層ユニット12と外装容器との短絡を防止することができ、蓄電デバイス10の耐久性能を向上させることが可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、外装容器内に電極積層ユニットを収容する蓄電デバイスに適用して有効な技術に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車に搭載される蓄電デバイスや、各種パワーツールに組み付けられる蓄電デバイスとしては、高エネルギー密度や高出力密度が要求されることから、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタ等が候補として挙げられている。しかしながら、リチウムイオン二次電池にあっては、エネルギー密度は高いものの出力密度が低いという課題を有しており、電気二重層キャパシタにあっては、出力密度は高いもののエネルギー密度が低いという課題を有している。
そこで、エネルギー密度と出力密度との双方を満足させるため、リチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタとの蓄電原理を組み合わせたハイブリッドキャパシタとも呼ばれる蓄電デバイスが提案されている。このハイブリッドキャパシタは、正極に電気二重層キャパシタの活性炭を採用することにより、正極では電気二重層を利用して電荷を蓄積する一方、負極にリチウムイオン二次電池の炭素材料を採用することにより、負極では炭素材料にリチウムイオンを担持させることによって電荷を蓄積している。このような蓄電機構を採用することにより、出力密度およびエネルギー密度を向上させることが可能となっている。
また、リチウムイオン二次電池やハイブリッドキャパシタにおいて、負極の炭素材料に予めリチウムイオンをドーピングさせておくことが提案されている。負極に対してリチウムイオンをドーピングさせることにより、負極電位を低下させて出力電圧を上昇させることができるため、蓄電デバイスのエネルギー密度を大幅に上昇させることが可能となる(例えば、特許文献1〜4参照)。さらに、蓄電デバイス内の負極に対してリチウムイオンをドーピングさせるため、対向する負極と金属リチウムとを電気化学的に接触させる方法が提案されている。(例えば、特許文献5参照)。
ところで、蓄電デバイスの充放電性能を向上させるためには、正極と負極とを密着させて内部抵抗を引き下げることが重要となっている。また、蓄電デバイスの安全性を向上させるためにも、正極と負極とを密着させて局所的な電力集中を防止することが重要となっている。特に、電極にリチウムイオンをドーピングするため、蓄電デバイス内に金属リチウムを組み込むようにした蓄電デバイスにおいては、時間経過に伴う金属リチウムの消失によって隙間が生じ、電極間の接圧が低下する傾向にあるため、隙間が生じない構造を採用することが重要となっていた。
そこで、正極と負極とを積層した積層型の蓄電デバイスにおいて、外装容器の外側から蓄電デバイスを帯状体で捲くことにより、正極と負極とを密着させて局所的な電力集中を回避するようにした蓄電デバイスが提案されている(例えば、特許文献6参照)。さらに、正極と負極とを重ねて捲いた捲回型の蓄電デバイスにおいて、電極捲回ユニットを熱収縮チューブで覆うことにより、正極と負極とを密着させて内部抵抗を引き下げるようにした蓄電デバイスが提案されている(特許文献7参照)。
特開平8−107048号公報 特開平9−55342号公報 特開平9−232190号公報 特開平11−297578号公報 国際公開第98/033227号パンフレット(再公開特許公報) 特開2002−100326号公報 特開平11−121040号公報
ところで、装置や電極ユニットを収縮力のない絶縁材で巻き付けたのでは、電極ユニットの厚みが変化した場合に、電極間距離が広がって抵抗が大きくなってしまう問題がある。また、電極ユニット内に抵抗のバラツキが生じ、一部の活物質に負荷が集中する虞がある。これらは蓄電デバイスの放電特性の低下要因となる。
しかしながら、特許文献6および7に記載されるように、蓄電デバイスを熱収縮チューブで覆うことや帯状体で捲くことは、捲回型の蓄電デバイスにおいては有効であるものの、積層型の蓄電デバイスにおいては電極積層ユニットの変形を招く要因となっていた。つまり、捲回型の蓄電デバイスにおいては、円形の断面形状を備える電極捲回ユニットを有することから、この電極捲回ユニットを覆う熱収縮チューブ等からの収縮力が、電極間を狭める径方向だけに作用することになる。これに対し、積層型の蓄電デバイスにおいては、矩形の断面形状を備える電極積層ユニットを有することから、この電極積層ユニットを覆う熱収縮チューブ等からの収縮力が、電極間を狭める積層方向だけでなく電極の幅方向にも作用することになっていた。
このように、積層型の蓄電デバイスを熱収縮チューブ等で覆うことは、電極の幅方向に収縮力を作用させてしまうことから、電極積層ユニットを湾曲変形させてしまうおそれがある。そして、電極積層ユニットを変形させてしまうことは、電極間距離の不均一を招くとともに内部抵抗のバラツキを生じさせることになり、蓄電デバイスの充放電性能を低下させてしまう要因となっていた。また、内部抵抗のバラツキが局所的な電力集中を招くことから、蓄電デバイスの耐久性能を低下させる要因となっていた。
本発明の目的は、蓄電デバイスの充放電性能や耐久性能を向上させることにある。
本発明の蓄電デバイスは正極と負極とがセパレータを介して積層される電極積層ユニットと、前記電極積層ユニットの外側に巻き付けられる弾性フィルムと、前記電極積層ユニットおよび前記弾性フィルムを収容する外装容器とを有し、前記電極積層ユニットに巻き付けられた前記弾性フィルムの収縮力は、面内方向よりも積層方向に大きいことを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスは、前記弾性フィルムの積層方向の収縮力が10kN/m以上20000kN/m以下であることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスは、前記弾性フィルムの厚さが50μm以上1000μm以下であることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスは、前記弾性フィルムの突刺し強度が300g以上であることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスは、前記弾性フィルムが、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフルオライド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリアミドイミドから選択される少なくとも1種からなることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスは、前記負極と前記正極との少なくともいずれかに短絡するリチウムイオン供給源を備え、前記正極および前記負極が備える集電体にリチウムイオンが通過する貫通孔を形成し、前記正極と前記負極との少なくともいずれかに前記リチウムイオン供給源からのリチウムイオンを担持させることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスは、前記正極と前記負極とを短絡させたときの正極電位が2.0V(対Li/Li)以下であることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスは、負極活物質は、正極活物質に比べて、単位重量あたりの静電容量が3倍以上であり、かつ正極活物質重量が負極活物質重量よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、電極積層ユニットに巻き付けられた弾性フィルムの収縮力を面内方向よりも積層方向に大きくしたので、電極積層ユニットの湾曲を防止することができる。これにより、蓄電デバイスの充放電性能や耐久性能を向上させることが可能となる。
また、電極積層ユニットと外装容器との間に弾性フィルムを配置するようにしたので、電極積層ユニットと外装容器との短絡を防止することができ、蓄電デバイスの耐久性能を向上させることが可能となる。
図1(A)および(B)は本発明の一実施の形態である蓄電デバイス10の内部構造を概略的に示す斜視図であり、(A)にはその組立状態を示し、(B)にはその分解状態を示している。また、図2は蓄電デバイス10の内部構造を示す断面図であり、図3は図2に示される符号aの範囲で蓄電デバイス10の内部構造を示す拡大断面図である。
図1〜図3に示すように、蓄電デバイス10は、セパレータ13を介して正極14と負極15とを交互に積層させた電極積層ユニット12と、電極積層ユニット12の外側に巻き付けられる弾性フィルム17と、電極積層ユニット12および弾性フィルム17を収容する外装容器としてのラミネートフィルム11A,11Bとを備えている。また、蓄電デバイス10は、電極積層ユニット12が弾性フィルム17によって外側が巻き付けられた状態でラミネートフィルム11A,11B内に収容されている。なお、図2および図3に示すように、正極14と負極15とが積層される電極積層ユニット12の最外層には、リチウムイオン供給源であるリチウム極16が負極15に対向して配置されている。
図3に示すように、正極14は、多数の貫通孔14aを備える正極集電体14bと、正極集電体14bに塗工される正極活物質層14cとを備えており、負極15は、多数の貫通孔15aを備える負極集電体15bと、負極集電体15bに塗工される負極活物質層15cとを備えている。また、リチウム極16は、多数の貫通孔16aを備えるリチウム極集電体16bと、リチウム極集電体16bに貼り付けられる金属リチウム16cとを備えている。さらに、複数の正極集電体14bはリード20を介して互いに接続されるとともに、これらのリード20には正極端子18が接続されている。同様に、複数の負極集電体15bおよびリチウム極集電体16bはリード21を介して互いに接続されるとともに、これらのリード21には負極端子19が接続されている。
また、図3に示すように、3層構造を有するラミネートフィルム11A,11Bは、ポリプロピレン等を用いて形成される内層24と、ナイロン等を用いて形成される外層25と、アルミニウム箔等を用いて形成される中間層26とを備えている。このようなラミネートフィルム11A,11Bの内側には、弾性フィルム17が巻き付けられた電極積層ユニット12が収容されるとともに、リチウムイオンを移送可能な電解液が注入されるようになっている。なお、図1に示すように、ラミネートフィルム11A,11Bには深絞り加工が施されており、電極積層ユニット12を収容する際の位置決めが容易となっている。
なお、負極15とリチウム極16とはリード21を介して短絡されるため、電解液を注入することによって負極15に対するリチウムイオンのドーピングが開始される。また、正極集電体14b、負極集電体15b、リチウム極集電体16bには多数の貫通孔14a,15a,16aが形成されており、この貫通孔14a,15a,16aを介してリチウムイオンは各極間を自在に移動することができるため、積層される全ての負極活物質層15cに対してリチウムイオンをドーピングさせることが可能となる。このように、負極15に対して予めリチウムイオンをドーピングさせることにより、負極15の電位を低下させるとともに負極15の容量を高めることができるため、電気二重層キャパシタに比べてエネルギー密度を大幅に向上させることが可能となっている。
ここで、蓄電デバイス10は、容量の向上を図る観点から、正極14と負極15とを短絡させた後の正極14の電位(正極電位)が、例えば、2.0V(Li/Li)以下であることが好ましい。
また、本発明の蓄電デバイス10は、負極活物質の単位重量当たりの静電容量を、正極活物質の単位重量当たりの静電容量の3倍以上に設定することが好ましい。さらに、正極活物質重量が負極活物質重量よりも大きくなるように設定することが好ましい。このような構成とすることで、高電圧かつ高容量の蓄電デバイス10とすることができる。
ここで本発明では、正極あるいは負極の静電容量は、正極あるいは負極の単位電圧当たりセルに流れる電気量(放電カーブの傾き)とし、単位はF(ファラッド)で示す。また、正極あるいは負極の単位重量当たりの静電容量は、正極あるいは負極の静電容量を、セル内に充填している正極あるいは負極の活物質重量で除した値とし、単位はF/gで示す。
ここで、図4(A)〜(D)は電極積層ユニット12に対する弾性フィルム17の巻き付け手順の一例を示す斜視図である。弾性フィルム17を電極積層ユニット12の外側に巻き付ける際には、まず、図4(A)に示すように、広げられた弾性フィルム17のほぼ中央に電極積層ユニット12が配置される。次いで、図4(B)に示すように、弾性フィルム17の一端側17aを電極積層ユニット12の積層方向Zに引っ張るとともに、図4(C)に示すように、一端側17aを電極積層ユニット12の面内方向Xに引っ張りながら、弾性フィルム17の一端側17aが電極積層ユニット12に対して巻き付けられる。このとき、積層方向Zの引張力は面内方向Xの引張力より大きくなるように設定されている。同様に、図4(C)に示すように、弾性フィルム17の他端側17bを電極積層ユニット12の積層方向Zに引っ張るとともに、図4(D)に示すように、他端側17bを電極積層ユニット12の面内方向Xに引っ張りながら、弾性フィルム17の他端側17bが電極積層ユニット12に対して巻き付けられる。このとき、積層方向Zの引張力は面内方向Xの引張力より大きくなるように設定されている。
そして、図4(D)に示すように、弾性フィルム17を巻き付ける際に加えられた引張力を維持するように、つまり弾性フィルム17に生じている収縮力を維持するように、粘着テープ22を用いて弾性フィルム17の一端側17aと他端側17bとが固定されている。このように、粘着テープ22によって固定された弾性フィルム17は、面内方向Xよりも積層方向Zに大きな収縮力を保持した状態で電極積層ユニット12に巻き付けられている。続いて、電極積層ユニット12に巻き付けられた弾性フィルム17の機能について説明する。図5は弾性フィルム17に代えてセパレータ53が巻き付けられた蓄電デバイス50の内部構造を示す部分拡大図であり、図6は弾性フィルム17が巻き付けられた蓄電デバイス10の内部構造を示す部分拡大図である。なお、図5の蓄電デバイス50にあっては、弾性フィルム17に代えてセパレータ53が巻き付けられる点だけが蓄電デバイス10と相違しており、他の構造については蓄電デバイス10と同様の構造を有している。
まず、図5に示すように、蓄電デバイス50内の電極積層ユニット52には、負極55に対してリチウムイオンをドーピングするため、ドーピングの進行に伴って消滅するリチウム極56の金属リチウム56aが設けられている。蓄電デバイス50内に対して電解液が注入されると、リチウムイオンの溶出に伴って金属リチウム56aが消失するため、ドーピングの進行に伴って電極積層ユニット52は金属リチウム56aの厚み寸法bだけ薄くなる。つまり、金属リチウム56aが消失したドーピング後にあっては、蓄電デバイス50内に隙間が生じて電極積層ユニット52に緩みが生じてしまうことから、電極間距離にバラツキが生じて内部抵抗が上昇してしまうという問題が生じていた。このような電極間距離のバラツキは、蓄電デバイス50の充放電性能を低下させるだけでなく、活物質に対して局所的に負荷を集中させてしまうことから、蓄電デバイス50の耐久性能を低下させる要因となる。
そこで、本発明の蓄電デバイス10では、電極積層ユニット12の外側に弾性フィルム17を巻き付けるとともに、この弾性フィルム17によって電極積層ユニット12を積層方向Zに圧縮するようにしている。このように、弾性フィルム17を電極積層ユニット12の外側に巻き付けるようにしたので、図6に示すように、ドーピングの進行に伴って金属リチウム16cが消失し、金属リチウム16cの厚み寸法bだけ電極積層ユニット12が薄くなったとしても、弾性フィルム17が有する積層方向Zへの収縮力により、電極積層ユニット12を積層方向Zに圧縮して電極間距離を狭めることが可能となる。このように、金属リチウム16cが消失したとしても、電極間距離を狭めて内部抵抗のバラツキを抑制することができるため、蓄電デバイス10の充放電性能を向上させることが可能となる。
しかも、積層方向Zの収縮力よりも面内方向Xの収縮力が小さくなるように、電極積層ユニット12に対して弾性フィルム17を巻き付けるようにしたので、電極積層ユニット12の湾曲変形を防止することが可能となる。このように、電極積層ユニット12の変形を防止することにより、変形に伴う電極間距離のバラツキを抑制することができるため、内部抵抗の均一化を図って蓄電デバイス10の充放電性能を向上させることが可能となる。また、内部抵抗のバラツキに伴う活物質の局所的な負荷集中を回避することができるため、蓄電デバイス10の耐久性を向上させることも可能となる。
さらに、弾性フィルム17によって電極積層ユニット12を覆うようにしたので、電極積層ユニット12とラミネートフィルム11A,11Bとの短絡を防止することが可能となる。例えば、図6に符号cで示すように、ラミネートフィルム11A,11Bに対向するリチウム極16に対してバリ23が生じていた場合であっても、弾性フィルム17によってバリ23の突き抜けを防止することができ、リチウム極16とラミネートフィルム11A,11Bの中間層26との短絡を防止することが可能となる。これにより、ラミネートフィルム11A,11Bの腐食を防止することができるため、蓄電デバイス10の耐久性能を向上させることが可能となる。
このように、弾性フィルム17の電極積層ユニット12の積層方向Zにおける収縮力は、電極間に隙間を生じさせないようにする観点から、大気圧程度であることが好ましく、具体的には、10kN/m以上20000kN/m以下であることが好ましく、100kN/m以上5000kN/m以下であることがより好ましい。この収縮力が、10kN/m未満であると、電極間距離が広がり易くなることがある。一方、20000kN/m超とするのは物理的に困難である。また、弾性フィルム17の電極積層ユニット12の面内方向Xにおける収縮力は、積層方向Zの収縮力より弱ければ特に制限はないが、例えば0.1kN/m以上100kN/m以下であることが好ましく、1kN/m以上10kN/m以下であることがより好ましい。積層方向Zの収縮力および面内方向Xの収縮力は、例えば、巻き付け時の各方向への引張力をテンシロン万能試験機にて測定し、この引張力を収縮力とみなすことで求めることができる。ここで、弾性フィルムとは、引張により伸びても戻る力、すなわち収縮力が維持されるフィルムを意味する。収縮力の無いフィルムは引張りにより、変形して伸びるか切れる。つまり、伸びたり切れるまでは引張力は観測されるが、すぐに引張力は低下してしまう。また、電極積層ユニット12の面内方向とは、図示の例では電極積層ユニット12の短手幅方向であるが、電極積層ユニット12の面に沿った方向であれば特に制限はない。
弾性フィルム17の厚さは、バリ等の突き抜けを防止する観点から、50μm以上1000μm以下であることが好ましく、100μm以上500μm以下であることがより好ましい。この厚みが、50μm未満であると、バリ等の突き抜けを防止できなくなることがあり、1000μmを超えると、セルの体積が大きくなり、エネルギー密度が低下することがある。弾性フィルム17の厚みは、例えば、マイクロメーターにより測定できる。
また、弾性フィルム17は、バリ等の突き抜けを防止する観点から、例えば、針等の先端が尖ったもので刺しても穴が開かない程度の強度を有することが好ましく、具体的には突刺し強度が300g以上であることが好ましい。この突刺し強度が300g未満であると、電極のバリが弾性フィルムを貫通し、ラミネートフィルム11A,11Bの腐食を防止できなくなることがある。ここで、突刺し強度は、例えば、固定された弾性フィルム17に対して、所定形状の針(例えば、直径1mm、先端半径0.25mm)を所定速度(例えば、1mm/分)で突刺し、針が貫通するまでの最大荷重を測定することにより求めることができる。
また、前述した蓄電デバイス10にあっては、外装容器としてラミネートフィルム11A,11Bを備えているが、このラミネートフィルムに限られることはなく、外装容器として金属缶31を備える蓄電デバイスであっても、本発明を有効に適用することができる。ここで、図7は本発明の他の実施の形態である蓄電デバイス30の構造を概略的に示す斜視図である。図7に示すように、蓄電デバイス30は、セパレータを介して正極と負極とを交互に積層させた電極積層ユニット32と、電極積層ユニット32の外側に巻き付けられる弾性フィルム37と、電極積層ユニット32および弾性フィルム37を収容する外装容器としての金属缶31とを備えている。また、蓄電デバイス30が備える弾性フィルム37は、前述した蓄電デバイス10の弾性フィルム17と同様に、積層方向Zの収縮力よりも面内方向Xの収縮力が小さくなるように、電極積層ユニット32に対して巻き付けられている。
なお、蓄電デバイス30は、これより突出する正極端子38と負極端子39とを備えており、正極端子38には正極が接続される一方、負極端子39には負極が接続されている。また、電極積層ユニット32にはリチウムイオン供給源としてのリチウム極が設けられており、蓄電デバイス10と同様に、リチウム極を構成する金属リチウムが負極に対して接続されている。なお、金属缶31内にはリチウムイオンを移送可能な電解液が注入される。
このように、金属缶31を備える蓄電デバイス30にあっては、前述した蓄電デバイス10に比べて本発明を更に有効に適用することが可能である。つまり、蓄電デバイス30が備える金属缶31にあっては、蓄電デバイス10のラミネートフィルム11A,11Bのように、真空封止時に作用する大気圧によって大きく変形することがないため、ドーピングの進行に伴って金属リチウムが消失すると、蓄電デバイス30内に比較的大きな隙間が生じる傾向にある。しかしながら、電極積層ユニット32に対して弾性フィルム37を巻き付けるようにしたので、電極積層ユニット32の緩みを防止して内部抵抗の増大を抑制することができ、蓄電デバイス30の充放電特性を向上させることが可能となる。
また、積層方向Zの収縮力よりも面内方向Xの収縮力が小さくなるように弾性フィルム37の収縮力を設定するようにしたので、電極積層ユニット32の湾曲変形を防止することが可能となる。このように、電極積層ユニット32の変形を防止することにより、変形に伴う電極間距離のバラツキを抑制することができるため、内部抵抗の均一化を図って蓄電デバイス30の充放電性能を向上させることが可能となる。また、内部抵抗のバラツキに伴う活物質の局所的な負荷集中を回避することができるため、蓄電デバイス30の耐久性を向上させることも可能となる。
続いて、前述した蓄電デバイス10について、〔A〕弾性フィルム、〔B〕負極、〔C〕正極、〔D〕正極集電体および負極集電体、〔E〕リチウム極、〔F〕セパレータ、〔G〕電解液の順に詳細に説明する。
〔A〕弾性フィルム
弾性フィルム17の材質としては、絶縁性を有するフィルムであれば特に制限はないが、上述の諸物性を満たす観点からは、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフルオライド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリアミドイミドなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、弾性フィルム17は、単層フィルムであってもよいし、2層以上を積層した複層フィルムであってもよい。なお、ここでいうフィルムとは、薄膜、織物、不織布等のシート状の成形物の総称である。
[B]負極
負極15は、負極集電体15bとこれに一体となる負極活物質層15cとを有しており、負極活物質層15cにはリチウムイオンを可逆的にドープおよび脱ドープすることが可能な負極活物質が含有されている。負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に担持できるものであれば特に制限はなく、例えば、グラファイト、種々の炭素材料、ポリアセン系物質、錫酸化物、珪素酸化物等が挙げられる。特に、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であり、水素原子/炭素原子の原子数比(H/C)が0.50〜0.05であるポリアセン系有機半導体(PAS)は負極活物質として好適である。このPASはアモルファス構造を有することから、リチウムイオンのドープおよび脱ドープに対して膨潤または収縮といった構造変化がないためサイクル特性に優れており、リチウムイオンのドープおよび脱ドープに対して等方的な分子構造であるため急速充電や急速放電にも優れた特性を有している。
前述したPAS等の負極活物質は、粉末状、粒状、短繊維状等に形成され、この負極活物質をバインダーと混合してスラリーが形成される。そして、負極活物質を含有するスラリーを負極集電体15bに塗工して乾燥させることにより、負極集電体15b上に負極活物質層15cが形成される。なお、負極活物質と混合されるバインダーとしては、例えば、SBR等のゴム系バインダーや、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの中でもフッ素系バインダーを用いることが好ましい。また、負極活物質層15cに対して、アセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等の導電性材料を適宜加えるようにしてもよい。なお、本発明において、負極集電体の片面または両面に負極活物質層が塗布されている電極を負極15とする。
[C]正極
正極14は、正極集電体14bとこれに一体となる正極活物質層14cとを有しており、正極活物質層14cにはリチウムイオンやアニオン(例えばテトラフルオロボレート等)を可逆的にドープおよび脱ドープすることが可能な正極活物質が含有されている。正極活物質としては、リチウムイオンやアニオンを可逆的に担持できるものであれば特に制限はなく、例えば、活性炭、導電性高分子、ポリアセン系物質などが挙げられる。また、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であり、H/Cが0.50〜0.05であるPASを正極活物質として用いた場合には、高容量化を図ることができるために好適である。
前述したPAS等の正極活物質は、粉末状、粒状、短繊維状等に形成され、この正極活物質をバインダーと混合してスラリーが形成される。そして、正極活物質を含有するスラリーを正極集電体14bに塗工して乾燥させることにより、正極集電体14b上に正極活物質層14cが形成される。なお、正極活物質と混合されるバインダーとしては、例えば、SBR等のゴム系バインダー、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、正極活物質層14cに対して、アセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等の導電性材料を適宜加えるようにしてもよい。なお、本発明において、正極集電体の片面または両面に正極活物質層が塗布されている電極を正極14とする。
[D]正極集電体および負極集電体
正極集電体14bおよび負極集電体15bとしては、表裏面を貫く貫通孔14a、15aを備えているものが好適であり、例えば、エキスパンドメタル、パンチングメタル、網、エッチング箔、発泡体等が挙げられる。貫通孔の形状や個数等については、特に制限はなく、リチウムイオンの移動を阻害しないものであれば適宜設定することが可能である。また、正極集電体14bおよび負極集電体15bの材質としては、一般に有機電解質電池に提案されている種々の材質を用いることが可能である。例えば、正極集電体14bの材質として、アルミニウム、ステンレス鋼などが挙げられ、負極集電体15bの材質として、ステンレス鋼、銅、ニッケルなどが挙げられる。
[E]リチウム極
リチウム極16を構成するリチウム極集電体16bは、ステンレスメッシュ等の導電性多孔体からなる。また、リチウム極集電体16bに貼り付けられた金属リチウム16cは、これに代えて、リチウム−アルミニウム合金のように、リチウムイオンを供給することが可能な合金等を用いてもよい。なお、金属リチウム16cをリチウム極集電体16bによって支持するとともに、リチウムイオンを担持させる際に負極集電体15bとリチウム極集電体16bとを接触させることにより、金属リチウム16cの消失に伴って電極間に生じる隙間を少なくすることができ、リチウムイオンを負極15に対してスムーズに担持させることが可能となる。また、リチウム極集電体16bの厚さは10〜200μm程度が好ましく、金属リチウム16cの厚さは負極活物質量にもよるが50〜300μm程度が好ましい。なお、リチウム極集電体16bを、負極集電体15bや正極集電体14bと同じ材料によって形成することも可能である。
[F]セパレータ
セパレータ13としては、電解液、正極活物質、負極活物質等に対して耐久性があり、連通気孔を有する電子伝導性のない多孔質体等を用いることができる。通常は、ガラス繊維、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等からなる布、不織布あるいは多孔体が用いられる。セパレータ13の厚みは、蓄電デバイスの内部抵抗を小さくするために薄い方が好ましいが、電解液の保持量、流通性、強度等を勘案して適宜設定することができる。このセパレータ13には後述する電解液が含浸されている。
[G]電解液
電解液としては、高電圧でも電気分解を起こさないという点、リチウムイオンが安定に存在できるという点から、リチウム塩を含む非プロトン性有機溶媒を用いることが好ましい。非プロトン性有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホラン等を単独あるいは混合した溶媒が挙げられる。また、リチウム塩としては、例えば、CFSOLi、CSOLi、(CFSO)NLi、(CFSO)CLi、LiBF、LiPF、LiClOなどが挙げられる。
以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
<負極の製造>
厚さ0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコニット電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で50℃/時間の速度で500℃まで昇温した後、さらに10℃/時間の速度で700℃まで昇温して熱処理し、PASを合成した。このようにして得られたPAS板をディスクミルで粉砕することによりPAS粉体を得た。このPAS粉体のH/Cは0.17であった。
次に、上記PAS粉体100重量部と、ポリフッ化ビニリデン粉末10重量部をN−メチルピロリドン80重量部に溶解した溶液とを充分に混合することにより負極用のスラリーを作製した。
この負極用のスラリーを、厚さ32μm(気孔率50%)の銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)からなる負極集電体の両面にダイコーターにてコーティングして負極電極層を成形した。真空乾燥後、負極活物質の目付量が4.0mg/cmの負極を得た。
<正極の製造>
比表面積2000m/gの市販活性炭粉末85重量部、アセチレンブラック粉体5重量部、アクリル系樹脂バインダー6重量部、カルボキシメチルセルロース4重量部および水200重量部からなる組成にて充分混合することにより正極用のスラリーを得た。
この正極用のスラリーを、厚さ35μm(気孔率50%)のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)の両面に、非水系のカーボン系導電塗料(日本アチソン株式会社製:EB−815)をスプレー方式にてコーティングし、乾燥することにより導電層が形成された正極用集電体を得た。全体の厚さ(集電体厚さと導電層厚さとの合計)は52μmであり、貫通孔はほぼ導電塗料により閉塞された。
この正極用のスラリーを、ロールコーターにて上記正極集電体の両面にコーティングして正極電極層を成形した。真空乾燥後、正極全体の厚さ(両面の正極電極層厚さと両面の導電層厚さと正極集電体厚さとの合計)が152μmの正極を得た。正極の正極層の厚みは両面で100μm、また正極活物質の目付量は両面合せて4.5mg/cmであった。
<負極の単位重量当たりの静電容量測定>
上記負極を1.5×2.0cmサイズに切り出し、評価用負極とした。この負極に、対極として1.5×2.0cmサイズ、厚み200μmの金属リチウムを、厚さ50μmのポリエチレン製不織布をセパレータとして介し、組み合わせて模擬セルを組んだ。参照極としては、金属リチウムを用いた。電解液としては、プロピレンカーボネートに、1.2モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を用いた。
充電電流1mAにて負極活物質重量に対して620mAh/g分のリチウムイオンを充電し、その後1mAにて1.5Vまで放電を行った。放電開始1分後の負極の電位から0.2V電位変化する間の放電時間より、負極の単位重量当たりの静電容量を求めたところ1021F/gであった。
<正極の単位重量当たりの静電容量測定>
上記正極を1.5×2.0cmサイズに切り出し、評価用正極とした。この正極に、対極として1.5×2.0cmサイズ、厚み200μmの金属リチウムを、厚さ50μmのポリエチレン製不織布をセパレータとして介し、組み合わせて模擬セルを組んだ。参照極としては、金属リチウムを用いた。電解液としては、プロピレンカーボネートに、1.2モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を用いた。
充電電流1mAにて3.6Vまで充電し、その後定電圧充電を行い、総充電時間1時間の後、1mAにて2.5Vまで放電を行った。3.5V〜2.5V間の放電時間より正極の単位重量当たりの静電容量を求めたところ140F/gであった。
<電極積層ユニットの作製>
負極を6.0×7.5cm(端子溶接部を除く)にカットし、正極を5.8×7.3cm(端子溶接部を除く)にカットし、セパレータとして厚さ35μmのセルロース/レーヨン混合不織布を6.2×7.7cmにカットして用いて、正極集電体、負極集電体の端子溶接部がそれぞれ反対側になるよう配置し、正極、負極の対向面が40層になるように、かつ積層した電極の最外部の電極が負極となるように積層した。
最上部および最下部はセパレータを配置させて4辺をテープ留めし、正極集電体の端子溶接部(20枚)、負極集電体の端子溶接部(21枚)をそれぞれ幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmのアルミニウム製正極端子および銅製負極端子に超音波溶接して電極積層ユニットを作製した。
なお、正極は20枚、負極は21枚用いた。正極活物質重量は負極活物質重量の1.0倍であるが、正極と対向する負極表面積内に含まれる負極活物質の重量に対しては1.1倍となる。
<フィルム型キャパシタセルの作製>
リチウム極として、金属リチウム箔(厚さ122μm、サイズ6.0×7.5cm、300mAh/g相当)を厚さ80μmのステンレス網に圧着したものを用い、リチウム極を最外部の負極と完全に対向するように電極積層ユニットの上部および下部に各1枚配置した。さらに、電極積層ユニット最外部に、弾性フィルムとしてのポリエチレン製フィルムを、電極積層ユニットの面内方向の収縮力が100kN/m、積層方向の収縮力が400kN/mとなるように、すなわちテンシロン万能試験機にて測定した面内方向および積層方向、それぞれの引張力がこれらの値となるように巻きつけることにより被覆し、三極積層ユニットを作製した。なお、リチウム極集電体の端子溶接部(2枚)は負極端子溶接部に抵抗溶接した。
ここで、上記ポリエチレン製フィルムは、マイクロメーターにより厚みを測定した結果、100μmであった。また、上記ポリエチレン製フィルムを固定し、この上記ポリエチレン製フィルムの面に直径1mm、先端形状半径0.25mmの半円形の針を1mm/分の速度で突刺し、針が貫通するまでの最大荷重を測定することにより、突刺し強度を測定した結果、500gであった。
上記三極積層ユニットを、外装容器としての8.0mmに深絞りしたラミネートフィルムの内部へ設置し、このラミネートフィルムで覆い三辺を融着後、電解液(エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびプロピレンカーボネートを重量比で3:4:1とした混合溶媒に、1モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液)を真空含浸させた。
その後、残り一辺を融着させ、フィルム型キャパシタセルを25セル組み立てた。なお、セル内に配置された金属リチウムは負極活物質重量当たり600mAh/g相当である。
<セルの初期評価>
セル組み立て後20日間放置して、その後に各1セルずつ分解したところ、金属リチウムはいずれも完全に無くなっていた。このことから、負極活物質の単位重量当たりに1021F/g以上の静電容量を得るためのリチウムイオンが、予め充電により確実にドープされたと判断した。なお、負極の単位重量当たりの静電容量は正極の単位重量当たりの静電容量の7.3倍となる。
<セルの特性評価>
残ったフィルム型キャパシタの各セルを、1.5Aの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を1時間行った。次いで、1.5Aの定電流で、セル電圧が2.2Vになるまで放電した。この3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電における内部抵抗、セル静電容量およびエネルギー密度を評価した。続いて、同様の充電後、振動機にて20Hzの振動を1時間加えた後、セル外観を確認したところ、ラミネートフィルムに腐食の痕跡は見られなかった。内部抵抗、セル静電容量、エネルギー密度およびラミネートフィルムの不具合率の結果を表1に示す。ただし、データは24セルの平均である。
Figure 2008251583
上記評価終了後に1セルの正極と負極とを短絡させて正極の電位を測定したところ、0.95V程度であり、2.0V以下であった。正極と負極とを短絡させた時の正極電位が2.0V以下になるように負極と正極との少なくともいずれか一方に予めリチウムイオンを担持させることにより、高いエネルギー密度を有したキャパシタが得られた。
(比較例1)
保護フィルムとしてセパレータと同様の、厚さ20μmのポリエチレン製微多孔膜を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルム型キャパシタセルを作製した。
ここで、実施例1と同様にして測定した結果、上記ポリエチレン製微多孔膜の突刺し強度は450gであった。また、収縮力は面内方向および積層方向のいずれも120kN/mであった。
<セルの初期評価>
セル組み立て後20日間放置して、その後に各1セル分解したところ、金属リチウムはいずれも完全に無くなっていた。このことから、負極活物質の単位重量当たりに1021F/g以上の静電容量を得るためのリチウムイオンが、予め充電されたと判断した。
<セルの特性評価>
残ったフィルム型キャパシタの各セルを、1.5Aの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を1時間行った。次いで、1.5Aの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電した。この3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電における内部抵抗、セル静電容量およびエネルギー密度を評価した。続いて、同様の充電後、振動機にて20Hzの振動を1時間加えた後、セル外観を確認したところ、7セルのラミネートフィルムに腐食の痕跡が見られた。内部抵抗、セル静電容量、エネルギー密度およびラミネートフィルムの不具合率の結果を表2に示す。ただし、データは24セルの平均である。
Figure 2008251583
表2の結果から明らかなように、保護フィルムとして面内方向と積層方向とに収縮力の異方性がないポリエチレン製微多孔膜を用いた場合、エネルギー密度は実施例1と同様に高くなるものの振動による不具合率が高い結果となった。また、面内方向と積層方向とに収縮力の異方性を有する弾性フィルムを使用した実施例1の方が内部抵抗は低く、静電容量が高いことから、放電特性の改善効果が確認できた。
本発明を適用することが可能な蓄電デバイスとしては、前述したリチウムイオンキャパシタに限られることなく、リチウムイオンバッテリ、電気二重層キャパシタ等、他の形式のバッテリやキャパシタであってもよい。
なお、本発明の蓄電デバイスは、電気自動車やハイブリッド自動車等の駆動用蓄電源または補助用蓄電源として極めて有効である。また、例えば、電動自転車や電動車椅子等の駆動用蓄電源、太陽光発電装置や風力発電装置等に用いられる蓄電源、携帯機器や家庭用電気器具等に用いられる蓄電源として好適に用いることが可能である。
(A)および(B)は本発明の一実施の形態である蓄電デバイスの内部構造を概略的に示す斜視図である。 蓄電デバイスの内部構造を示す断面図である。 蓄電デバイスの内部構造を示す拡大断面図である。 (A)〜(D)は電極積層ユニットに対する弾性フィルムの巻き付け手順の一例を示す斜視図である。 セパレータが巻き付けられた蓄電デバイスの内部構造を示す部分拡大図である。 弾性フィルムが巻き付けられた蓄電デバイスの内部構造を示す部分拡大図である。 本発明の他の実施の形態である蓄電デバイスの構造を概略的に示す斜視図である。
符号の説明
10 蓄電デバイス
11A ラミネートフィルム(外装容器)
11B ラミネートフィルム(外装容器)
12 電極積層ユニット
13 セパレータ
14 正極
14a 貫通孔
14b 正極集電体(集電体)
14c 正極活物質層
15 負極
15a 貫通孔
15b 負極集電体(集電体)
15c 負極活物質層
16 リチウム極
16a 貫通孔
16b リチウム極集電体
16c 金属リチウム
17 弾性フィルム
30 蓄電デバイス
31 金属缶(外装容器)
32 電極積層ユニット
37 弾性フィルム
X 電極積層ユニットの面内方向
Z 電極積層ユニットの積層方向

Claims (8)

  1. 正極と負極とがセパレータを介して積層される電極積層ユニットと、
    前記電極積層ユニットの外側に巻き付けられる弾性フィルムと、
    前記電極積層ユニットおよび前記弾性フィルムを収容する外装容器とを有し、
    前記電極積層ユニットに巻き付けられた前記弾性フィルムの収縮力は、面内方向よりも積層方向に大きいことを特徴とする蓄電デバイス。
  2. 請求項1に記載の蓄電デバイスにおいて、
    前記弾性フィルムの積層方向の収縮力が10kN/m以上20000kN/m以下であることを特徴とする蓄電デバイス。
  3. 請求項1または2に記載の蓄電デバイスにおいて、
    前記弾性フィルムの厚さが50μm以上1000μm以下であることを特徴とする蓄電デバイス。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイスにおいて、
    前記弾性フィルムの突刺し強度が300g以上であることを特徴とする蓄電デバイス。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電デバイスにおいて、
    前記弾性フィルムが、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフルオライド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリアミドイミドから選択される少なくとも1種からなることを特徴とする蓄電デバイス。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電デバイスにおいて、
    前記負極と前記正極との少なくともいずれかに短絡するリチウムイオン供給源を備え、
    前記正極および前記負極が備える集電体にリチウムイオンが通過する貫通孔を形成し、
    前記正極と前記負極との少なくともいずれかに前記リチウムイオン供給源からのリチウムイオンを担持させることを特徴とする蓄電デバイス。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電デバイスにおいて、
    前記正極と前記負極とを短絡させたときの正極電位が2.0V(対Li/Li)以下であることを特徴とする蓄電デバイス。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の蓄電デバイスにおいて、
    負極活物質は、正極活物質に比べて、単位重量あたりの静電容量が3倍以上であり、かつ正極活物質重量が負極活物質重量よりも大きいことを特徴とする蓄電デバイス。
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