JP2008240958A - 無段変速機用ベルトおよびベルト式無段変速機 - Google Patents

無段変速機用ベルトおよびベルト式無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2008240958A
JP2008240958A JP2007084758A JP2007084758A JP2008240958A JP 2008240958 A JP2008240958 A JP 2008240958A JP 2007084758 A JP2007084758 A JP 2007084758A JP 2007084758 A JP2007084758 A JP 2007084758A JP 2008240958 A JP2008240958 A JP 2008240958A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
pulley
continuously variable
variable transmission
width direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007084758A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5061685B2 (ja
Inventor
Kazuya Arakawa
一哉 荒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007084758A priority Critical patent/JP5061685B2/ja
Publication of JP2008240958A publication Critical patent/JP2008240958A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5061685B2 publication Critical patent/JP5061685B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

【課題】プーリに対するエレメントの姿勢を矯正してエレメントやプーリの摩耗を抑制することのできる無段変速機用ベルトおよびベルト式無段変速機を提供すること。
【解決手段】リング3,4が巻掛けられて環状に結束されるエレメント2に、エレメント2が円弧状に湾曲して配列された状態で隣接する他のエレメント2に接触するロッキングエッジ14と、リング3,4が巻き掛けられた際にリング3,4の内周面と接触するサドル面12,13とが形成されているとともに、リング3,4とエレメント2とにより構成され、溝18,19の幅を変更可能な第1および第2プーリ16,17にエレメント2が巻き掛けられる無段変速機用ベルト1において、ロッキングエッジ14とサドル面12,13との間の距離δが、ベルト1の幅方向での一方で相対的に短く、かつ他方で相対的に長く設定されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、溝幅を変更できる少なくとも一対のプーリに巻き掛けられてこれらのプーリの間で動力を伝達し、かつ溝幅の変化に応じてプーリに対する巻き掛け半径が変化して変速比を連続的に変化させる無段変速機用ベルトおよびそのベルトを使用したベルト式無段変速機に関するものである。
この種のベルトとして、エレメントあるいはブロックなどと称される多数の金属片を環状に配列し、これらのエレメントを、リングあるいはバンドなどと称される金属製の環状の帯状体で結束した構成のベルトが知られている。そのエレメントのベルト幅方向におけるの左右両側面は、プーリの溝を形成しているテーパー状の2面(コーン面)に接触するように、いわゆるV字状の傾斜面として構成されている。そして、その傾斜面がプーリのコーン面に接触することにより、両者の間で生じる摩擦力によって動力を伝達するように構成されている。
また、その摩擦力を確保するために、プーリによってエレメントを挟み付けるように構成されており、これは、具体的には、プーリが、固定プーリと、これに対向する可動プーリとによって構成され、可動プーリを固定プーリ側に押圧することにより、これら固定プーリと可動プーリとの間にエレメントを挟み付けるようになっている。そして、このような挟持力(もしくは挟圧力)に対抗してベルトが環状を維持するように、各エレメントがリングによって結束されている。
上記のリングは、各プーリの間では直線状に引っ張られるが、プーリに巻き掛かっている部分は、その巻き掛け半径に応じた曲率で湾曲する。このような形状の変化が、無段変速機の動作中に繰り返し生じるので、従来では、薄板状の環状材を積層して前記リングを構成している。
このような構成のリングでは、これを構成している薄板状の環状材同士の間で摩擦が生じ、これに加えて最内層の環状材とエレメントとの間でも摩擦が生じる。それらの各部位での摩擦力が相違することによるリングの耐久性の低下を防止するために、無端状の金属リングを複数枚積層した金属リング集合体(リング)に、多数の金属ブロック(エレメント)を支持してなる無段変速機用ベルトであって、エレメントのサドル面に接触する最内層の金属リングとサドル面との間の摩擦係数と、相互に接触する金属リング同士の摩擦係数とが、ほぼ一致するように構成された無段変速機用ベルトに関する発明が、特許文献1に記載されている。
また、特許文献2には、Vベルト変速機の作動時に生じる駆動軸側および従動軸側の各プーリのテーパ面とVベルトの側面との接触が正規当たりとなるように、各プーリの一対のテーパ面とVベルトの両側面との少なくともいずれか一方が、非対称に形成されたVベルト変速機のアライメント補正構造に関する発明が記載されている。
そして、特許文献3には、積層ベルト(リング)と多数のV形ブロック(エレメント)とからなる伝動ベルトであって、エレメントが、ベルト屈曲時に隣接するエレメントに接触してピッチ円となるロッキングエッジを少なくとも2つ以上有している伝動ベルトに関する発明が記載されている。
特開平11−117998号公報 特開平11−22797号公報 特開平5−106691号公報
従来のベルト式の無段変速機は、上記のように、プーリが固定プーリと可動プーリとによって構成されているので、変速比を変えるために、一方のプーリにおける可動プーリを固定プーリ側に移動し、かつ他方のプーリにおける可動プーリを固定プーリから離れる方向に移動させた場合、それぞれのプーリにおける溝幅方向の中心位置が変動する。したがって、各プーリにおける溝幅方向での中心位置が相対的にずれている状態では、一方のプーリに巻き掛かっている部分でのベルトの幅方向の中心と、他方のプーリに巻き掛かっている部分でのベルトの幅方向の中心とが、軸線方向に相対的にずれてしまい、各プーリの間のベルトが直線状に配列されている部分は、各プーリに対して斜めに張られることになる。すなわちいわゆる芯ずれが生じる。
したがって、そのような芯ずれが生じている状態では、プーリに対してエレメントが斜めになって進入する。すなわち、エレメントが、プーリの中心軸線を含む面に対して平行にならずに、傾斜した姿勢でプーリの溝に進入する。そのために、エレメントの左右両端部が、プーリのコーン面に片当たり(もしくは肩当たり)し、その結果、両者の接触面積が小さくなって、接触面圧が増大し、これが原因となって、エレメントやコーン面の摩耗が進行する可能性があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、プーリに対するエレメントの姿勢を矯正してエレメントやプーリの摩耗を抑制することのできる無段変速機用ベルトおよびベルト式無段変速機を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、板状に形成されて互いに対向して環状に配列され、無端環状のリングが巻掛けられて環状に結束される多数のエレメントに、それら多数のエレメントが円弧状に湾曲して配列された状態で隣接する他のエレメントに接触するロッキングエッジと、前記リングが巻き掛けられた際に前記リングの内周面と接触するサドル面とが形成されているとともに、前記リングとエレメントとにより構成され、溝の幅を変更可能な第1および第2の2組のプーリに前記エレメントが挟み付けられるように前記溝に巻き掛けられる無段変速機用ベルトにおいて、前記ロッキングエッジと前記サドル面との間の距離が、前記ベルトの幅方向での一方で相対的に短く、かつ他方で相対的に長く設定されていることを特徴とする無段変速機用ベルトである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記エレメントが、前記ベルトの幅方向における中央部に前記エレメントの本体部分から前記ベルトの厚さ方向に延出するように形成された首部と、その首部を挟んだ前記ベルトの幅方向における左右2箇所に形成された前記サドル面とを有しているとともに、前記ロッキングエッジと前記ベルトの幅方向での一方における前記サドル面との間の距離が前記ロッキングエッジと前記ベルトの幅方向での他方における前記サドル面との間の距離よりも短くなるように形成されていることを特徴とする無段変速機用ベルトである。
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記ベルトの幅方向での一方が、前記ベルトの走行時に前記第1プーリの溝幅方向における中心位置と前記第2プーリの溝幅方向における中心位置とが相対的にずれた状態で前記エレメントが前記第1プーリの溝にその第1プーリの中心軸線を含む面に対して傾斜して進入する芯ずれが生じた際に、前記エレメントの進行方向に対して遅れる端部側であることを特徴とする無段変速機用ベルトである。
そして、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の前記無段変速機用ベルトを備えていることを特徴とするベルト式無段変速機である。
一方、請求項5の発明は、板状に形成されて互いに対向して環状に配列され、無端環状のリングが巻掛けられて環状に結束される多数のエレメントに、それら多数のエレメントが円弧状に湾曲して配列された状態で隣接する他のエレメントに接触するロッキングエッジと、前記リングが巻き掛けられた際に前記リングの内周面と接触するサドル面とが形成されているとともに、前記リングとエレメントとにより構成され、溝の幅を変更可能な第1および第2の2組のプーリに前記エレメントが挟み付けられるように前記溝に巻き掛けられる無段変速機用ベルトを備えたベルト式無段変速機において、前記ベルトの走行時に前記第1プーリの溝幅方向における中心位置と前記第2プーリの溝幅方向における中心位置とが相対的にずれた状態で前記エレメントが前記第1もしくは第2プーリの溝にその第1もしくは第2プーリの中心軸線を含む面に対して傾斜して進入する芯ずれが生じた際に、前記エレメントの前記ベルトの幅方向における左右両側面と前記第1もしくは第2プーリの前記溝面とのなす角度を、前記芯ずれが生じていない状態で前記左右両側面と前記溝面とがなす正規の角度に近づけるように、前記第1プーリの回転軸線方向と前記第2プーリの回転軸線方向との間に角度差を設けていることを特徴とするベルト式無段変速機である。
また、請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記角度差が、前記芯ずれの量に基づいて設定されていることを特徴とするベルト式無段変速機である。
そして、請求項7の発明は、請求項5または6の発明において、前記無段変速機用ベルトが、請求項1ないし3のいずれかに記載の無段変速機用ベルトを含むことを特徴とするベルト式無段変速機である。
したがって、請求項1の発明によれば、ベルトがプーリに巻き掛かっている部位では、エレメントとプーリとの間で動力を受け渡す箇所すなわち接触部と、リングがエレメントに接触している箇所とのプーリの中心からの半径が異なっているから、エレメントとリングとの間に相対的な滑りが生じる。そして、エレメントのロッキングエッジとサドル面との間の距離が、ベルトの幅方向すなわちプーリの溝幅方向での両側で異なっているため、ロッキングエッジとサドル面との間の距離が短い方の側に対して、前記距離が長い方の側で、エレメントとリングとの間の摩擦力が大きくなる。その結果、前記距離が長い方の側をベルトの走行方向の前方側に押す力が生じ、これがエレメントの向きを変化させるモーメントとなる。そのため、プーリの溝に進入するエレメントの向きが、そのトルクによって是正されて、エレメントのプーリに対するいわゆる片当たりやそれに伴うエレメントもしくはプーリの摩耗を防止もしくは抑制することができる。
また、請求項2の発明によれば、中央の首部を挟んで左右両側に2箇所のサドル面が形成されたエレメントと、左右のサドル面に巻き掛けられる2列のリングとから構成される無段変速機用ベルトに対して、エレメントのプーリに対するいわゆる片当たりやそれに伴うエレメントもしくはプーリの摩耗を防止もしくは抑制することができる。
さらに、請求項3の発明によれば、芯ずれが生じた際にエレメントの進行方向に対して遅れる端部側のロッキングエッジとサドル面との間の距離が、他方の端部側のロッキングエッジとサドル面との間の距離よりも短く形成されることで、前記遅れる端部側のエレメントとリングとの間の摩擦力が増大する。その結果、前記遅れる端部側をベルトの走行方向の前方側に押す力が生じ、これがエレメントの向きを変化させるモーメントとなる。そのため、ベルトを構成しているエレメントのプーリに対する姿勢もしくは傾きを積極的に矯正して、エレメントのプーリに対するいわゆる片当たりやそれに伴うエレメントもしくはプーリの摩耗を、より確実に防止もしくは抑制することができる。
そして、請求項4の発明によれば、ベルトのいわゆる芯ずれが生じている状態であっても、ベルトを構成しているエレメントのプーリに対する姿勢もしくは傾きを積極的に矯正して、エレメントのプーリに対するいわゆる片当たりやそれに伴うエレメントもしくはプーリの摩耗を防止もしくは抑制し、ひいては耐久性に優れたベルト式無段変速機を得ることができる。
一方、請求項5の発明によれば、ベルト式無段変速機が変速を行う際には、それぞれのプーリにおける溝幅方向の中心位置が変動し、いわゆる芯ずれが不可避的に生じるが、第1プーリの回転軸線方向と第2プーリの回転軸線方向との間に角度差が設けられていることで、エレメントの左右両側面とプーリの溝面とのなす角度が芯ずれが生じていない状態における正規の角度に近づけられる。すなわち、ベルトを構成しているエレメントのプーリに対する姿勢もしくは傾きが是正もしくは矯正される。その結果、エレメントのプーリに対するいわゆる片当たりやそれに伴うエレメントもしくはプーリの摩耗を防止もしくは抑制し、ひいては耐久性に優れたベルト式無段変速機を得ることができる。
また、請求項6の発明によれば、エレメントのプーリに対する姿勢もしくは傾きを是正もしくは矯正するために第1プーリの回転軸線方向と第2プーリの回転軸線方向との間に設けられる角度差が、芯ずれの量に応じて設定される。そのため、エレメントのプーリに対するいわゆる片当たりやそれに伴うエレメントもしくはプーリの摩耗を、より確実に防止もしくは抑制し、ひいては耐久性に優れたベルト式無段変速機を得ることができる。
そして、請求項7の発明によれば、ベルトのいわゆる芯ずれが生じている状態であっても、ベルトを構成しているエレメントのプーリに対する姿勢もしくは傾きを更に積極的に矯正して、エレメントのプーリに対するいわゆる片当たりやそれに伴うエレメントもしくはプーリの摩耗を抑制もしくは防止し、ひいては耐久性に優れたベルト式無段変速機を得ることができる。
つぎに、この発明を図面を参照して具体的に説明する。図5にこの発明に係る無段変速機用ベルト1の一部を示してあり、このベルト1は、多数のエレメント2を、それぞれの向きを揃えて環状に配列し、これを2本のリング3,4で結束して構成されている。そのエレメント2は、例えば図6に示すように、金属製の板片状の部材であって、その幅方向(図6での左右方向)における左右の両側面5,6がエレメント2を正面から見た状態でいわゆるV字状に傾斜した面として形成された基体(本体)部分である板部7を有し、それら傾斜した左右側面5,6が動力の伝達に関与する摩擦面となっている。
板部7の幅方向における中央部には、図6での上方に延びた、言い換えると、板部7からベルト1の厚さ方向に延出した首部8が形成されている。その首部8の上端部には、板部7の幅方向での両側に傘状に延びた頭部9が首部8と一体に形成されている。したがって板部7の図6での上側のエッジ部分と頭部9の図6での下側のエッジ部分との間に、図6での左右方向に開いたスリット部(溝部)10,11が形成されている。このスリット部10,11は、互いに密着して環状に配列されたエレメント2を環状に結束するためのリング3,4を挿入して巻き掛けるための部分であり、したがって板部7の図6での上側のエッジ部分が、リング3,4の内周面を接触させて載せるサドル面12,13となっている。
エレメント2は、互いにほぼ密着した状態で環状に配列され、かつリング3,4によって結束されるので、ベルト1の全体として湾曲する部分で、密着状態を維持して滑らかに湾曲するようにするために、各エレメント2の図6での下側の部分(環状に配列した状態での中心寄りの部分)が薄肉化されている。すなわち、板部7の一方の面(例えば図6における正面)における前記サドル面12,13より所定寸法下がった(オフセットされた)部分から下側(図6での下側)の部分が削り落とされた状態で次第に薄肉化されている。したがって、各エレメント2が扇形に拡がって接触する状態、言い換えると、各エレメント2が円弧状に湾曲して配列されてベルト1として湾曲する場合に、その板厚の変化する境界部分で接触する。この境界部分のエッジが、ロッキングエッジ14となっている。
また、各エレメント2の頭部9には、隣接するエレメント2同士の相対的な位置を決めるための凸部(ディンプル)15とその反対側の凹部(ホール)(図示せず)とが形成されている。すなわち、前述した首部8の延長位置(あるいは頭部9の中央部)に凸部15が形成され、この凸部15とは反対側の面に凹部(ホール)が形成されている。
リング3,4は、金属製の薄い帯状材を複数枚積層して構成されている。そして、一方のリング3が、向きを揃えて環状に配列された多数のエレメント2における一方のスリット部10に挿入され、また他方のリング4が他方のスリット部11に挿入され、それぞれのリング3,4がサドル面12,13に接触している。
上記のベルト1が使用される無段変速機(ベルト式無段変速機)CVTは、図7に示すように、中心軸線L1,L2を互いに平行にして配置された駆動プーリ16と従動プーリ17とを備えている。これらのプーリ16,17は、軸線方向に対して固定された固定プーリ16a,17aと、その固定プーリ16a,17aに対して接近・離隔するように軸線方向に対して移動可能に設けられた可動プーリ16b,17bとから構成されており、それぞれの可動プーリ16b,17bをその背面側に設けられた油圧アクチュエータ16c,17cによって軸線方向に移動させるようになっている。なお、一方のプーリ16,17における固定プーリ16a,17aの半径方向で外側に、他方のプーリ17,16における可動プーリ17b,16bが配置されている。これは、各プーリ16,17の軸線方向での中心位置が、変速比に応じてずれるいわゆる芯ずれを可及的に少なくするためである。
それぞれ対をなす固定プーリ16a,17aと可動プーリ16b,17bの互いに対向する側の面は、テーパー状のコーン面16d,17dとなっており、これらのコーン面16d,17dによって断面形状がV字状をなす溝18,19が形成されている。したがってその溝18,19の幅(各プーリ16,17の軸線方向に測った間隔)が、可動プーリ16b,17bを軸線方向に移動させることにより変化するようになっている。
前述した各エレメント2における左右の側面5,6は、上記の溝18,19の開き角度(傾斜角度)に一致するように傾斜しており、したがってベルト1を各プーリ16,17に巻き掛けることにより、各エレメント2が溝18,19に嵌り込んでコーン面16d,17dに面接触するように構成されている。また、その状態で、可動プーリ16b,17bを軸線方向に押圧することにより、ベルト1の挟圧力を生じさせて、伝達トルク容量を設定するようになっている。
無段変速機CVTでの変速比は、駆動プーリ16と従動プーリ17との回転数の比であるから、駆動プーリ16の溝幅を大きくしてベルト1の巻き掛け半径を小さくするとともに、従動プーリ17の溝幅を小さくしてベルト1の巻き掛け半径を大きくすれば、変速比が大きくなる。これとは反対に、駆動プーリ16の溝幅を小さくしてベルト1の巻き掛け半径を大きくするとともに、従動プーリ17の溝幅を大きくしてベルト1の巻き掛け半径を小さくすれば、変速比が小さくなる。このようにして変速比を大小に変化させる場合、各プーリ16,17における可動プーリ16b,17bを互いに反対方向に移動させるから、芯ずれGが生じる。その状態を図7に示してあり、この状態でベルト1が図7の矢印Aの方向に走行しているとすると、緩み側にある各エレメント2は、従動プーリ17における溝19に傾いた状態で進入する。ここで、傾いているとは、エレメント2が、プーリ16,17の中心軸線L1,L2を含む面に対して平行にならずに交差する方向を向いている状態である。
このように傾いた状態で溝19に進入したエレメント2の左右両側面5,6は、その全面でコーン面17dに接触せずに、図8の(a)に示すように、片当たり(もしくは肩当たり)する。前述したように、左右両側面5,6とコーン面17dとが片当たりすると、それらの間の接触面圧が大きくなり、左右両側面5,6あるいはコーン面17dの摩耗が進行するおそれがある。そこで、この発明によるエレメント2は、プーリ16,17の芯ずれが生じた場合に、エレメント2の姿勢をエレメント2とプーリ17との片当たりを解消する方向に矯正させるために、ロッキングエッジ14と左右のサドル面12,13との間の距離が左右で異なるように、すなわち、ロッキングエッジ14とサドル面12,13との間の距離が、ベルト1の幅方向での一方で相対的に短く、かつベルト1の幅方向での他方で相対的に長くなるように構成されている。
具体的には、図1に示すように、ロッキングエッジ14とサドル面12との間の距離δRが、ロッキングエッジ14とサドル面13との間の距離δLよりも短くなるようにエレメント2が形成されている。この図1に示す例では、板部7において、それぞれ同じ位置に形成されている、言い換えると、エレメント2の幅方向(図1での左右方向)において左右対称に形成されているサドル面12,13に対して、エレメント2の右側面5から左側面6へ向かうにつれて徐々にそれらサドル面12,13から遠ざかるように、ロッキングエッジ14が形成されている。したがって、エレメント2の右側面5におけるロッキングエッジ14とサドル面12との間の距離δRが、左側面6におけるロッキングエッジ14とサドル面13との間の距離δLよりも短くなっている。
図9,図10に示すように、駆動プーリ16におけるベルト1の巻き掛かり径をDinとすると、リング1のリング張力Tと、駆動プーリ16に入力される入力トルクTinとの間には、
T=Tin/Din ・・・・・(1)
の関係が成立し、入力トルクTinを一定(=const)とすると、
T=const/Din ・・・・・(2)
となり、リング張力Tは、入力トルクTinが一定の場合、ベルト巻き掛かり径Dinの大きさに応じて変化する。
一般に、プーリ16,17に巻き掛かっている部分のベルト1は、図10に示すように、ベルト巻き掛かり半径、すなわちプーリ16,17の中心からエレメント2のサドル面12,13までの距離r1と、プーリ16,17の中心からエレメント2のロッキングエッジまでの距離r2との大きさが相違していて、その結果、エレメント2とリング3,4との間の摩擦力とエレメント2とプーリ16,17との間の摩擦力とが相違することから、エレメント2とリング3,4との間で相対滑りが生じる。
また、図10に示すように、上記のベルト巻き掛かり径Dinは、ベルト巻き掛かり半径r1により、
Din=2・r1 ・・・・・(3)
として表され、また、エレメント2のロッキングエッジ14とサドル面12,13との間の距離δ、すなわち、いわゆるオフセット量δは、ベルト巻き掛かり半径r1、およびプーリ16,17の中心からエレメント2のロッキングエッジ14までの距離r2により、
δ=r1−r2 ・・・・・(4)
として表され、その結果、これら(1)ないし(4)式により、リング1のリング張力Tは、
T=const/{2(δ+r2)} ・・・・・(5)
として表すことができる。
ここで、エレメント2とリング3,4との間で生じる摩擦力Pは、リング張力Tに応じて変化する。したがって、リング張力T、すなわち摩擦力Pは、入力トルクTinが一定の場合、オフセット量δあるいはエレメント2のロッキングエッジ14の位置、言い換えると、エレメント2のロッキングエッジ14とサドル面12,13との間の距離の大きさに応じて変化することになる。
そのため、ロッキングエッジ14と左右のサドル面12,13との間の距離をエレメント2の幅方向の左右で異なるように、すなわち、ロッキングエッジ14とサドル面12,13との間の距離が、ベルト1の幅方向での一方で相対的に短く、かつベルト1の幅方向での他方で相対的に長くなるように、言い換えると、ロッキングエッジ14とサドル面12との間の距離と、ロッキングエッジ14とサドル面13との間の距離とを、エレメント2の幅方向の左右で異なるように構成することで、エレメント2すなわちベルト1の幅方向における左右で、エレメント2とリング3,4との間で作用する摩擦力Pを異ならせることができる。
そして、エレメント2とリング3,4との間には、例えば、図11,図12に示すような各種の力、すなわち、リング3,4の張力T,T+dT、その張力T,T+dTによりリング3,4からエレメント2の高さ方向(図11での上下方向、プーリ16,17の径方向)に作用する力Tdθ、エレメント2とリング3,4との間の摩擦係数をμ1とした場合に力Tdθによりエレメント2とリング3,4との間に作用する摩擦力μ1・Tdθ(=P)、ベルト1の走行時に隣接するエレメント2から受ける圧縮力C,C+dθ、エレメント2の左右側面5,6に作用するプーリ16,17から受ける圧縮力(挟圧力、狭持力)N、エレメント2とプーリ16,17との間の摩擦係数をμ2とした場合に挟圧力Nによりエレメント2とプーリ16,17との間に作用する摩擦力μ2・N、などの力の伝達が存在する。
したがって、上記のように、オフセット量δをエレメント2の幅方向での左右で異ならせることで、力Tdθを変化させて、エレメント2の幅方向での左右で摩擦力μ1・Tdθを異ならせ、前述の図8の(a)に示すような、エレメント2をスピンさせる力、すなわち、プーリ16,17の芯ずれの状態で、ベルト1がプーリ17における溝19に傾いた状態で進入する場合に、エレメント2とプーリ17との片当たりを解消する方向に矯正する力を作用させることができる。
前述したように、図8の(a)に示すようにプーリ17の溝19に進入したエレメント2においては、リング3,4とエレメント2との間に滑りが生じるが、この発明に係るベルト1では、そのリング3,4とエレメント2との間の滑りが生じた場合の摩擦力を利用して、エレメント2に対してその姿勢(もしくは向き)を矯正するトルクを生じさせことができるように、言い換えると、エレメント2もしくはベルト1の走行方向に対して後退している(もしくは遅れている)側端部において摩擦力が大きく、これとは反対側で摩擦力が相対的に小さくなるように構成されている。
すなわち、上記のように、ベルト1の進行方向に対して後退もしくは遅れている一方の端部側(遅れ側)(図8の(a)での上側)に位置する側のオフセット量δR、すなわちエレメント2のロッキングエッジ14とサドル面12との間の距離δRが、他方の端部側(進み側)(図8の(a)での下側)に位置する側のオフセット量δL、すなわちエレメント2のロッキングエッジ14とサドル面13との間の距離δLよりも短くなるように構成されている。
そのため、エレメント2の遅れ側に作用するリング3のリング張力TRが、エレメント2の進み側に作用するリング4のリング張力TLよりも大きくなり、すなわち、遅れ側に作用するエレメント2とリング3との間の摩擦力PRが、進み側に作用するエレメント2とリング4との間の摩擦力PLよりも大きくなることによって、遅れ側にこの部分を進める方向に大きい摩擦力が生じることになる。その結果、エレメント2の全体としては、その傾きを矯正する方向にトルクが作用して、図8の(b)に示すように、エレメント2の姿勢が、従動プーリ17の中心軸線L2と平行になり、エレメント2の駆動プーリ16に対するいわゆる片当たりが是正もしくは矯正される。
なお、エレメント2の姿勢の矯正が生じるのは、上述したトルクが生じることと併せて、プーリ16,17における溝18,19の幅が、軸の変形や各プーリ16a,17a,16b,17bの撓みなどによって入口側で広く、出口側で狭くなることが要因になっている。
このように、この発明に係るベルト1では、リング3,4によって結束されているエレメント2に対して、プーリ16,17との相対的な姿勢を矯正するトルクが生じるようにエレメント2の左右のオフセット量δL,δR、すなわちロッキングエッジ14とサドル面12との間の距離δRとロッキングエッジ14とサドル面13との間の距離δLとを異ならせているので、プーリ16,17のコーン面16d,17dとエレメント2との接触面積が狭くなることが防止もしくは抑制される。そのため、過度な摩耗が生じないので、ベルト1や無段変速機CVTの耐久性を向上させることができる。
また、上記の図1に示すエレメント2の構成例に対して、エレメント2のその他の構成例を、図2ないし図4に示す。先ず、図2において、上記の図1に示すエレメント2が、ロッキングエッジ14の位置がエレメント2の右側面5と左側面6との間で徐々に変化するように形成されているのに対して、この図2に示す例では、左右のサドル面12,13の位置がエレメント2の右側面5と左側面6との間で徐々に変化するように、エレメント2が形成されている。すなわち、板部7において、その幅方向(図2での左右方向)で同じ位置に形成されている、言い換えると、エレメント2の幅方向(図2での左右方向)において左右対称に形成されているロッキングエッジ14に対して、エレメント2の右側面5から左側面6へ向かうにつれて徐々にそのロッキングエッジ14から遠ざかるように、サドル面12,13が形成されている。したがって、エレメント2の右側面5におけるロッキングエッジ14とサドル面12との間の距離δRが、左側面6におけるロッキングエッジ14とサドル面13との間の距離δLよりも短くなっている。
さらに、図3において、上記の図1,図2に示すエレメント2が、ロッキングエッジ14、あるいはサドル面12,13の位置がエレメント2の右側面5と左側面6との間で徐々に変化するように形成されているのに対して、この図3に示す例では、それぞれ、互いに平行なロッキングエッジ14とサドル面12,13とが、エレメント2の幅方向(図3での左右方向)の左右でそれらの間の距離が異なるように、エレメント2が形成されている。すなわち、板部7において、それぞれ同じ位置に形成されている、言い換えると、エレメント2の幅方向において左右対称に形成されているサドル面12,13に対して、それぞれ、左右のサドル面12,13に平行な左右のロッキングエッジ14a,14bの位置が異なっている。
具体的には、サドル面12と平行で、かつ距離δRの位置に形成されているエレメント2の右側におけるロッキングエッジ14aに対して、サドル面13と平行で、かつ距離δRよりも長い距離δLの位置に、エレメント2の左側におけるロッキングエッジ14bが形成されている。そして、それらロッキングエッジ14aとロッキングエッジ14bとの間は、直線もしくは曲線で結ばれている。したがって、エレメント2の右側におけるロッキングエッジ14とサドル面12との間の距離δRが、左側におけるロッキングエッジ14とサドル面13との間の距離δLよりも短くなっている。
そして、図4において、上記の図3に示すエレメント2が、板部7において、それぞれ同じ位置に形成されているサドル面12,13に対して、それら左右のサドル面12,13にそれぞれ平行な、左右のロッキングエッジ14a,14bの位置が異なるように形成されているのに対して、この図4に示す例では、板部7において、それぞれ同じ位置に形成されているロッキングエッジ14に対して、そのロッキングエッジ14にそれぞれ平行な、左右のサドル面12,13の位置が異なるように、エレメント2が形成されている。すなわち、板部7において、それぞれ同じ位置に形成されている。言い換えると、エレメント2の幅方向(図4での左右方向)において左右対称に形成されているロッキングエッジ14に対して、それぞれ、そのロッキングエッジ14に平行な左右のサドル面12,13の位置が異なっている。
具体的には、ロッキングエッジ14と平行で、かつ距離δRの位置に形成されているエレメント2の右側におけるサドル面12に対して、ロッキングエッジ14と平行で、かつ距離δRよりも長い距離δLの位置に、エレメント2の左側におけるサドル面13が形成されている。したがって、エレメント2の右側におけるロッキングエッジ14とサドル面12との間の距離δRが、左側におけるロッキングエッジ14とサドル面13との間の距離δLよりも短くなっている。
このように、上記の図2ないし図4に示すエレメント2のその他の構成例においても、前述の図1に示すエレメント2の構成例と同様に、リング3,4によって結束されているエレメント2に対して、プーリ16,17との相対的な姿勢を是正するトルクが生じるようにエレメント2の左右のオフセット量δL,δR、すなわちロッキングエッジ14とサドル面12との間の距離δRとロッキングエッジ14とサドル面13との間の距離δLとを異ならせているので、プーリ16,17のコーン面16d,17dとエレメント2との接触面積が狭くなることを防止もしくは抑制することができ、ベルト1や無段変速機CVTの耐久性を向上させることができる。
なお、エレメント2の姿勢を矯正する必要があるのは、前述したベルト1の芯ずれGが生じた場合であるが、無段変速機CVTの変速比が“1”もしくはこれに近い値にある場合に、ベルト1の芯ずれGがほぼゼロとなるように構成するのが一般的であり、したがって変速比が“1”もしくはこれに近い値より大きい場合と小さい場合とでは、芯ずれGの方向が反対となり、それに伴ってエレメント2の姿勢のずれも反対になる。このような構成であれば、エレメント2の姿勢を矯正する方向が反対になるが、変速比が大きい状態でのエレメント2の姿勢を矯正する要請が強いので、左右いずれの側のオフセット量δL,δRを大きくするかは、変速比が大きい状態でのベルト1の芯ずれGの向きを考慮して決めればよい。また、オフセット量δL,δRの大きさは、ベルト1の芯ずれGの量に応じて、例えば、芯ずれGの量が多いほどオフセット量δLとオフセット量δRとの差が大きくなるように、適宜に設定すればよい。
この発明は、上記のような作用・効果を生じさせるものであり、したがってその作用・効果を更に促進させる構成を、無段変速機CVTに追加的に設けることができる。その構成の一例を図13に示す。なお、この図13に示す構成の無段変速機CVTは、前述の図7に示す無段変速機CVTの構成を一部変更したものであるため、図7に示す構成と同様の部分については、図7に付した符号と同様の符号を付してその説明を省略する。
前述の図7に示した(すなわち従来の構成の)無段変速機CVTが、中心軸線L1,L2を互いに平行にして駆動プーリ16と従動プーリ17とが配置された構成であるのに対して、この図13に示す無段変速機CVTは、従動プーリ17の中心軸線L3が駆動プーリ16の中心軸線L1(あるいは従来の従動プーリの中心軸線L2)に対して角度αをなすようにして、駆動プーリ16と従動プーリ17とが配置されている。言い換えると、駆動プーリ16の中心軸線L1と従動プーリ17の中心軸線L3との間に角度差αが設けられて、駆動プーリ16と従動プーリ17とが配置されている。
角度差αは、ベルト1の芯ずれGが生じた場合に、エレメント2のベルト1の幅方向(図13での上下方向)における左右両側面5,6と従動プーリ17のコーン面17dとのなす角度を、芯ずれGが生じていない状態で前記左右両側面5,6と従動プーリ17のコーン面17dとがなす正規の角度に近づけるため、すなわち、エレメント2の姿勢を矯正するために設定される角度である。
前述したように、無段変速機CVTは、変速比が“1”もしくはこれに近い値にある場合に、ベルト1の芯ずれGがほぼゼロとなるように構成するのが一般的であり、したがって変速比が“1”もしくはこれに近い値より大きい場合と小さい場合とでは、芯ずれGの方向が反対となり、それに伴ってエレメント2の姿勢のずれも反対になる。このような構成であれば、エレメント2の姿勢を矯正する方向が反対になるが、変速比が大きい状態でのエレメント2の姿勢を矯正する要請が強い。
すなわち、エレメント2の左右両側面5,6と、プーリ16,17のコーン面16d,17dとが片当たりして、左右両側面5,6とコーン面16d,17dとの間の接触面圧が最も厳しく(大きく)なるのは、無段変速機CVTの変速比が最大に設定された状態(すなわち従動プーリ17のベルト1の巻き掛かり径が最小となる状態)におけるエレメント2の左右両側面5,6と従動プーリ17のコーン面17dとの接触部分である。その状態から、無段変速機CVTの変速比が最大変速比よりも小さく設定されると(すなわち従動プーリ17のベルト1の巻き掛かり径が大径側に変化すると)、左右両側面5,6とコーン面17dとの片当たりは発生するが、従動プーリ17のベルト1の巻き掛かり径が大径側に変化することで、左右両側面5,6とコーン面17dとの間の接触面圧が低下する。したがって、角度差αを設ける際の従動プーリ17の中心軸線L3の向きは、変速比が大きい状態でのベルト1の芯ずれGの向きを考慮して決めればよい。また、角度差αの大きさは、ベルト1の芯ずれGの量に応じて、例えば、芯ずれGの量が多いほど角度差αが大きくなるように、適宜に設定すればよい。
なお、この図13に示す無段変速機CVTで用いられるベルト1は、前述したようなエレメント2の幅方向における左右のオフセット量δL,δR、すなわちエレメント2のロッキングエッジ14とサドル面12,13との間の距離δL,δRを、左右で異ならせた構成のものであってもよく、また、エレメント2の幅方向において左右対称形の従来の構成のものであってもよい。従来の構成のエレメント2により構成されるベルト1を用いた場合であっても、上記のようにベルト1の芯ずれGの状態を考慮して、駆動プーリ16従動プーリ17の間に角度差αを設けた構成とすることで、ベルト1の芯ずれGが生じた場合に、エレメント2の姿勢を適宜に矯正し、エレメント2の左右両側面5,6とプーリ16,17のコーン面16d,17dとの片当たりを防止もしくは抑制し、エレメント2の左右両側面5,6やプーリ16,17のコーン面16d,17dの摩耗を抑制することができる。
また、前述したような左右のオフセット量δL,δRを、左右で異ならせた構成のエレメント2により構成されるベルト1を用いた場合には、そのような左右のオフセット量δL,δRを異ならせたエレメント2により構成されるベルト1を用いることによる作用・効果と、上記のようなベルト1の芯ずれGの状態を考慮して駆動プーリ16従動プーリ17の間に角度差αを設けた構成による作用・効果とが相乗して、エレメント2の姿勢の矯正が円滑化あるいは迅速化され、コーン面16d,17dやエレメント2の摩耗を、より効果的に抑制することができる。
なお、この発明は、上述した具体例に限定されないのであって、エレメントの形状は、上述した具体例で示した形状以外のものであってもよい。また、上述した具体例で示したリングを左右に合計で2本使用するタイプのベルト以外に、1本のリングでエレメントを環状に結束するタイプのベルトにも適用することもできる。
この発明に係る無段変速機用ベルトの構成例を示す模式図であって、その無段変速機用ベルトを構成するエレメントの構成例を示す正面図である。 この発明に係る無段変速機用ベルトの構成例を示す模式図であって、その無段変速機用ベルトを構成するエレメントの他の構成例を示す正面図である。 この発明に係る無段変速機用ベルトの構成例を示す模式図であって、その無段変速機用ベルトを構成するエレメントの他の構成例を示す正面図である。 この発明に係る無段変速機用ベルトの構成例を示す模式図であって、その無段変速機用ベルトを構成するエレメントの他の構成例を示す正面図である。 この発明に係る無段変速機用ベルトの一部を示す斜視図である。 その無段変速機用ベルトを構成するエレメントの一つを示す正面図である。 この発明の無段変速機用ベルトを使用したベルト式無段変速機の模式図である。 プーリの溝に進入したエレメントの姿勢が矯正される前後の状態を示す模式図である。 プーリのベルト巻き掛かり径を説明するための模式図である。 プーリにベルトが巻き掛かった状態を説明するための模式図である。 リングおよびエレメントに作用する各種の力を説明するための模式図である。 特にエレメントに作用する各種の力を説明するための模式図である。 この発明に係るベルト式無段変速機の構成例を示す模式図である。
符号の説明
1…ベルト、 2…エレメント、 3,4…リング、 5,6…左右側面、 7…板部(基体部、本体部)、 8…首部、 12,13…サドル面、 14…ロッキングエッジ、 16…駆動プーリ、 17…従動プーリ、 18,19…溝、 CVT…無段変速機。

Claims (7)

  1. 板状に形成されて互いに対向して環状に配列され、無端環状のリングが巻掛けられて環状に結束される多数のエレメントに、それら多数のエレメントが円弧状に湾曲して配列された状態で隣接する他のエレメントに接触するロッキングエッジと、前記リングが巻き掛けられた際に前記リングの内周面と接触するサドル面とが形成されているとともに、前記リングとエレメントとにより構成され、溝の幅を変更可能な第1および第2の2組のプーリに前記エレメントが挟み付けられるように前記溝に巻き掛けられる無段変速機用ベルトにおいて、
    前記ロッキングエッジと前記サドル面との間の距離が、前記ベルトの幅方向での一方で相対的に短く、かつ他方で相対的に長く設定されていることを特徴とする無段変速機用ベルト。
  2. 前記エレメントは、前記ベルトの幅方向における中央部に前記エレメントの本体部分から前記ベルトの厚さ方向に延出するように形成された首部と、その首部を挟んだ前記ベルトの幅方向における左右2箇所に形成された前記サドル面とを有しているとともに、前記ロッキングエッジと前記ベルトの幅方向での一方における前記サドル面との間の距離が前記ロッキングエッジと前記ベルトの幅方向での他方における前記サドル面との間の距離よりも短くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機用ベルト。
  3. 前記ベルトの幅方向での一方は、前記ベルトの走行時に前記第1プーリの溝幅方向における中心位置と前記第2プーリの溝幅方向における中心位置とが相対的にずれた状態で前記エレメントが前記第1プーリの溝にその第1プーリの中心軸線を含む面に対して傾斜して進入する芯ずれが生じた際に、前記エレメントの進行方向に対して遅れる端部側であることを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機用ベルト。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の前記無段変速機用ベルトを備えていることを特徴とするベルト式無段変速機。
  5. 板状に形成されて互いに対向して環状に配列され、無端環状のリングが巻掛けられて環状に結束される多数のエレメントに、それら多数のエレメントが円弧状に湾曲して配列された状態で隣接する他のエレメントに接触するロッキングエッジと、前記リングが巻き掛けられた際に前記リングの内周面と接触するサドル面とが形成されているとともに、前記リングとエレメントとにより構成され、溝の幅を変更可能な第1および第2の2組のプーリに前記エレメントが挟み付けられるように前記溝に巻き掛けられる無段変速機用ベルトを備えたベルト式無段変速機において、
    前記ベルトの走行時に前記第1プーリの溝幅方向における中心位置と前記第2プーリの溝幅方向における中心位置とが相対的にずれた状態で前記エレメントが前記第1もしくは第2プーリの溝にその第1もしくは第2プーリの中心軸線を含む面に対して傾斜して進入する芯ずれが生じた際に、前記エレメントの前記ベルトの幅方向における左右両側面と前記第1もしくは第2プーリの前記溝面とのなす角度を、前記芯ずれが生じていない状態で前記左右両側面と前記溝面とがなす正規の角度に近づけるように、前記第1プーリの回転軸線方向と前記第2プーリの回転軸線方向との間に角度差を設けていることを特徴とするベルト式無段変速機。
  6. 前記角度差は、前記芯ずれの量に基づいて設定されていることを特徴とする請求項5に記載のベルト式無段変速機。
  7. 前記無段変速機用ベルトは、請求項1ないし3のいずれかに記載の無段変速機用ベルトを含むことを特徴とする請求項5または6に記載のベルト式無段変速機。
JP2007084758A 2007-03-28 2007-03-28 無段変速機用ベルトおよびベルト式無段変速機 Expired - Fee Related JP5061685B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007084758A JP5061685B2 (ja) 2007-03-28 2007-03-28 無段変速機用ベルトおよびベルト式無段変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007084758A JP5061685B2 (ja) 2007-03-28 2007-03-28 無段変速機用ベルトおよびベルト式無段変速機

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012081656A Division JP5304917B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 ベルト式無段変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008240958A true JP2008240958A (ja) 2008-10-09
JP5061685B2 JP5061685B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=39912547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007084758A Expired - Fee Related JP5061685B2 (ja) 2007-03-28 2007-03-28 無段変速機用ベルトおよびベルト式無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5061685B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014080517A1 (ja) * 2012-11-26 2014-05-30 トヨタ自動車株式会社 無段変速機用ベルト及びその製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6838571B2 (ja) * 2018-01-31 2021-03-03 トヨタ自動車株式会社 伝動ベルト

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01169146A (ja) * 1987-12-25 1989-07-04 Nissan Motor Co Ltd 伝動ベルト
JPH0483940A (ja) * 1990-07-25 1992-03-17 Nissan Motor Co Ltd 伝動ベルト
JPH05106691A (ja) * 1991-08-13 1993-04-27 Nissan Motor Co Ltd 伝動ベルト
JP2001200895A (ja) * 2000-01-17 2001-07-27 Honda Motor Co Ltd 無段変速機用ベルト
JP2002168305A (ja) * 2000-11-30 2002-06-14 Mitsubishi Motors Corp 無段変速機用ベルトのエレメント、及び無段変速機用ベルト

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01169146A (ja) * 1987-12-25 1989-07-04 Nissan Motor Co Ltd 伝動ベルト
JPH0483940A (ja) * 1990-07-25 1992-03-17 Nissan Motor Co Ltd 伝動ベルト
JPH05106691A (ja) * 1991-08-13 1993-04-27 Nissan Motor Co Ltd 伝動ベルト
JP2001200895A (ja) * 2000-01-17 2001-07-27 Honda Motor Co Ltd 無段変速機用ベルト
JP2002168305A (ja) * 2000-11-30 2002-06-14 Mitsubishi Motors Corp 無段変速機用ベルトのエレメント、及び無段変速機用ベルト

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014080517A1 (ja) * 2012-11-26 2014-05-30 トヨタ自動車株式会社 無段変速機用ベルト及びその製造方法
CN104822967A (zh) * 2012-11-26 2015-08-05 丰田自动车株式会社 无级变速器用带及其制造方法
JPWO2014080517A1 (ja) * 2012-11-26 2017-01-05 トヨタ自動車株式会社 無段変速機用ベルト及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5061685B2 (ja) 2012-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5304917B2 (ja) ベルト式無段変速機
WO2014156432A1 (ja) 無段変速機用金属ベルト
WO2008056706A1 (fr) Courroie sans fin pour transmission de puissance
JP5070900B2 (ja) 無段変速機用ベルトおよびベルト式無段変速機
US20070238566A1 (en) Power transmission chain and power transmission system
JP5072969B2 (ja) 無段変速機の駆動ベルト用の横方向エレメント
JP6257524B2 (ja) 互いに異なる幅を有する2つのタイプの横方向部材を備えた、無段変速機に用いられる駆動ベルト
KR101538201B1 (ko) 구동 벨트
JP5061685B2 (ja) 無段変速機用ベルトおよびベルト式無段変速機
JP4525204B2 (ja) 伝動用無端ベルト
US8182384B2 (en) Power transmission chain and power transmission apparatus
JP5678588B2 (ja) 無段変速機用ベルト
JP2007107586A (ja) 無段変速機用ベルトおよび無段変速機
JP5126016B2 (ja) ベルト式無段変速機
JP2009103152A (ja) 動力伝達チェーンの製造方法
JP4893562B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2008144825A (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2006226451A (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP5125648B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP4893561B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2008185119A (ja) 動力伝達装置
JP4216214B2 (ja) 組み立て式vベルト
JP4770554B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP4803340B2 (ja) 伝動用無端ベルトおよびこれを用いたベルト式無段変速機
JP2008215448A (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120710

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120723

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5061685

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees