JP2008239914A - 燃料電池用燃料油 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池用燃料油を燃料電池システムで脱硫処理するに当たり、燃料電池システムで用いる脱硫剤の寿命を格段に延ばすことが可能であり、脱硫剤の交換頻度を低減することを可能とする燃料電池用燃料油を提供すること。
【解決手段】初留点が135〜170℃、95%留出温度が270℃以下の蒸留性状を有し、沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物由来の硫黄分が1質量ppm以下、かつ、全硫黄分が80質量ppm以下であることを特徴とする燃料電池用燃料油。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料電池システムに使用する燃料電池用燃料油に関する。さらに詳しくは、脱硫剤による脱硫処理を容易に行うことを可能とし、脱硫剤の寿命を格段に延ばすことができ、燃料電池システムで用いる脱硫剤の交換頻度を低くすることができる、石油系炭化水素油を用いた燃料電池用燃料油に関する。
近年、エネルギー源として、従来のエネルギーよりも環境への負荷を低減することが可能である新エネルギー技術が注目されおり、その技術の中でも燃料電池は、特に注目されている。燃料電池とは、水の電気分解の原理の逆反応であり、水素(燃料)と空気中の酸素(酸化剤)との反応で発生する化学エネルギーを間接的、あるいは直接的に電気エネルギーに変換することによって、高い発電効率を得ることができる。
燃料電池には、固体高分子型燃料電池、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池などの種類が知られており、定置用、移動用電源として使用されている。定置用としては、携帯電話やノートパソコン向けの携帯用電源、家庭用又は業務用電源又はコージェネレーションシステム、補助電源、災害時用電源、工業用の中・大規模発電など種々のものが提案されており、移動用としては、自動車用や鉄道用などのものが提案されている。
燃料電池で使用する水素を発生させる原料としては、メタンを主成分とする都市ガス、天然ガス、LPG、ナフサ、灯油、軽油などの石油系炭化水素、メタノール、エタノール及びジメチルエーテルなどの含酸素化合物などがあり、それらの原料の使用方法の研究が進んでいる。
石油系炭化水素には、原油や留分などの種類によって異なるが、メルカプタン類、チオフェン類、ベンゾチオフェン(BT)類、ジベンゾチオフェン(DBT)類、アルキルジベンゾチオフェン(R−DBT)類などの硫黄化合物が微量含まれており、この硫黄分は、燃料電池システムにおける水素製造工程では不利となる。すなわち、かかる硫黄分を含む石油系炭化水素を燃料電池用燃料油として用いると、水素製造工程の改質触媒は、用いた燃料電池用燃料油中の硫黄分によって被毒され、改質触媒の寿命が低下する。この問題を回避するために、燃料電池システムでは、一般に脱硫剤を用いる脱硫処理によって燃料電池用燃料油中の硫黄分を低減し、しかる後に燃料電池用燃料油を水素製造工程に供する方法が用いられている。
また、燃料電池システムに供給する燃料電池用燃料油自体の硫黄分の含有量を規制する方法が提案されており、かかる方法として、燃料電池システムに供給する燃料電池用燃料油の全硫黄化合物の含有量を規制する方法(例えば、特許文献1参照)や、該燃料電池用燃料油のアルキルジベンゾチオフェンなどの特定の硫黄化合物の含有量を規制する方法(例えば、特許文献2)などが提案されている。
しかし、上記従来提案されている硫黄分の含有量を規制した燃料電池用燃料油を用いても、燃料電池システムでの脱硫処理の脱硫剤の寿命を十分延ばすことが困難であり、燃料電池システムにおける脱硫剤の交換頻度が高い、あるいは多量の脱硫剤を使用する必要があるなどの課題を有している。
特開2002−83626号公報 特開2001−294874号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、燃料電池用燃料油として石油系炭化水素油を用い、該燃料電池用燃料油を燃料電池システムで脱硫処理するに当たり、燃料電池システムで用いる脱硫剤の寿命を格段に延ばすことが可能であり、脱硫剤の交換頻度を低減することを可能とする燃料電池用燃料油を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、燃料油中のある特定の硫黄化合物種が脱硫剤の寿命に影響を及ぼすことを知見し、これらの硫黄化合物を低減することによって、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の燃料電池用燃料油を提供する。
(1)初留点が135〜170℃、95%留出温度が270℃以下の蒸留性状を有し、沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物由来の硫黄分が1質量ppm以下、かつ、全硫黄分が80質量ppm以下であることを特徴とする燃料電池用燃料油。
(2)ジベンゾチオフェンより軽質な硫黄化合物由来の硫黄分が10質量ppm以下であることを特徴とする上記(1)に記載の燃料電池用燃料油。
本発明の燃料電池用燃料油を用いれば、燃料電池システムにおいて、燃料電池用燃料油の脱硫処理の脱硫剤を長期間使用でき、脱硫剤の交換頻度や使用量を低減できる。
以下に本発明の内容を更に詳しく説明する。
本発明の燃料電池用燃料油の蒸留性状は、初留点135〜170℃、好ましくは140〜170℃、95%留出温度270℃以下、好ましくは230〜270℃、より好ましくは240〜270℃である。初留点が170℃より低ければ、脱硫剤への負荷を低減できて好ましい。また、初留点が135℃より高ければ、単位容量当たりの水素発生量が増し、また引火点が低すぎず、取扱に際し安全性が増すため好ましい。95%留出温度が270℃より低ければ、改質工程において炭素析出を抑制でき、また脱硫剤への負荷を低減できるため好ましい。また、95%留出温度が230℃より高ければ、単位容量当たりの水素発生量が増すため好ましい。
本発明の燃料電池用燃料油は、沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物(以下「対象硫黄化合物」とも言う。)由来の硫黄分の含有量が1質量ppm以下であり、好ましくは0.5質量ppm以下である。沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物の由来の硫黄分含有量が1質量ppm以下であれば、脱硫剤の持続性を向上することができる。また、かかる硫黄分含有量は小さいほど好ましく、最も好ましくは0質量ppmである。対象硫黄化合物としては、アルキルベンゾチオフェン類などの芳香族環を有する化合物が考えられる。
上記対象硫黄化合物由来の硫黄分含有量の測定は、以下の方法により求めることができる。まず、脱硫処理前後の試料油中の全硫黄濃度を、JISK2541微量電量滴定法に準拠して分析する。次に、硫黄化合物の沸点の序列と保持時間が対応する沸点カラムを装着したGC−SCD(化学発光硫黄検出器付きガスクロマトグラフ)分析により得られたクロマトグラムにおいて、沸点が330℃および334℃の硫黄化合物が示すピークを特定し、これらの保持時間の間に検出されるピークの総面積(対象硫黄化合物由来のピーク面積)、並びに全硫黄化合物のピーク面積を求める。これらの測定結果を用い、下記計算式(1)に従って試料油中に含まれる「沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物由来の硫黄分量」を算出することができる。なお、沸点が330℃の硫黄化合物と、沸点が334℃の硫黄化合物が示すピークは、それぞれジベンゾチオフェン、4メチルジベンゾチオフェンのGC−SCDピークにより同定することができる。
計算式(1):
沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物由来の硫黄分(質量ppm)=試料中の全硫黄濃度×(GC-SCDで求めた沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物の面積値/GC-SCDで求めた全硫黄化合物の面積値)
さらに、本発明の燃料電池用燃料油は、全硫黄分が80質量ppm以下であり、10質量ppm以下であることが好ましい。本発明でいう全硫黄分とは、JIS K 2541微量電量滴定法に準拠して測定した値である。また、ここでいう全硫黄分とは、例えば硫化水素、メルカプタン類、硫化アルキル類、環状硫化物、チオフェン類等の燃料電池用燃料油に含有されている全ての硫黄分を意味する。脱硫剤の持続性を向上する上で、全硫黄分は80質量ppm以下とすることが好ましい。
また、本発明の燃料電池用燃料油は、ジベンゾチオフェン(DBT)より軽質な硫黄化合物由来の硫黄分が10質量ppm以下であることが好ましい。かかる硫黄化合物由来の硫黄分が10質量ppm以下であれば、硫黄分の負荷量を低減できるため、脱硫剤の持続性を向上することができる。ここで、ジベンゾチオフェンより軽質な硫黄化合物とは、GC‐SCD(化学発光硫黄検出器付きガスクロマトグラフィ)分析においてジベンゾチオフェンよりも保持時間の短い硫黄化合物を意味する。具体的にはアルキルメルカプタン類、アルキルチオフェン類等が挙げられる。
ジベンゾチオフェン(DBT)より軽質な硫黄化合物由来の硫黄分量は、以下の方法により求めることができる。まず、計算式(1)と同様に、試料油中の全硫黄濃度を求める。そして、GC-SCD法により、保持時間によって分離される燃料油中の各成分のピーク強度を表したクロマトグラムを得る。次に、得られたクロマトグラムにおいてジベンゾチオフェンを示すピークを同定し、ピーク総面積に対するジベンゾチオフェンより保持時間の短いピークの面積比から算出する。すなわち、下記計算式(2)にしたがって算出することができる。
計算式(2):
ジベンゾチオフェン(DBT)より軽質な硫黄化合物由来の硫黄分(質量ppm)=試料中の全硫黄濃度×(GC−SCDで求めたDBTより軽質な硫黄化合物の面積値/GC-SCDで求めた全硫黄化合物の面積値)
本発明の燃料電池用燃料油の製造方法は、製造される燃料電池用燃料油が本発明に規定する性状を有する限りにおいて、特に制限されるものではなく、種々の石油系原料を用いて、また種々の方法により本発明の燃料電池用燃料油を製造することができる。例えば、原油を常圧蒸留して得られる灯油留分を脱硫した脱硫灯油を用いることができる。さらに、直接脱硫装置から得られる直接脱硫灯油留分、及び重油や残油の水素化分解や熱分解あるいは接触分解して得られる灯油留分等を脱硫した脱硫灯油が使用可能である。また、市販の溶剤や、特開平6−158058号に代表される特許公開公報に記載されたフィッシャー・トロプシュ合成により製造される灯油留分を混合してもよい。
また、上記各種の石油留分の一般的な脱硫方法としては、無機酸化物担体に、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステンなどの遷移金属を適当な割合で含有する触媒を用いて、反応温度200〜400℃、反応圧力2〜20MPa−Gで水素化脱硫を行う方法や、ニッケル、銅、亜鉛などの金属を含有する脱硫剤を用いて、反応温度が常温〜300℃、反応圧力が常圧〜1MPa−Gで吸着脱硫を行う方法、あるいは両者を組み合わせた方法などを用いることができる。
また、燃料電池用燃料油を本発明に規定する性状を有するように調製するには、一般に、原料に用いる石油留分の蒸留性状や硫黄分、特に硫黄分を適宜選択することによって容易に行うことができる。
本発明の燃料電池用燃料油には、必要に応じて、各種の添加剤を適宜配合することができる。この添加剤としては、フェノール系、アミン系等の酸化防止剤、チオアミド化合物等の金属不活性剤、有機リン系化合物等の表面着火防止剤、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミン、ポリイソブチレンアミン等の清浄分散剤、多価アルコール及びそのエーテル等の氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステル等の助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の帯電防止剤、アルケニル琥珀酸エステル等の錆止め剤、及びアゾ染料等の着色剤等、公知の燃料添加剤が挙げられる。これらを1種又は数種組み合わせて添加することができる。これら燃料添加剤の添加量は任意であるが、通常、添加剤の合計量が燃料油の0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下である。
燃料電池システムにおいて、本発明の燃料電池用燃料油を脱硫処理するために用いる脱硫剤は、通常の脱硫処理に用いられる脱硫剤を使用できる。この脱硫剤は、担体として無機酸化物を用い、この担体に吸着活性金属成分を担持ないし混合したものが好ましく用いられる。担体の無機酸化物としては、例えばシリカ、アルミナ、マグネシア、シリカーアルミナ、タングステン、ジルコニアなどが挙げられ、これら1種以上の元素の酸化物、もしくは混合物、もしくは2種以上の元素の複合酸化物、その他にゼオライト、MCM−41などの結晶性化合物が挙げられる。特に好ましい無機酸化物として、シリカ、アルミナ、及びシリカ−アルミナを用いることができる。脱硫剤における無機酸化物成分の含有量については、特に制限はなく、使用条件等必要に応じて適宜選定すればよいが、通常は脱硫剤基準で0.5〜50質量%の範囲である。含有量が0.5質量%以上であれば、無機酸化物成分としての効果が十分に発揮され、また50質量%以下であれば、吸着活性金属成分量の低下により脱硫性能が低下することを回避できて好ましい。
上記吸着活性金属成分としては、ニッケル、銅、マンガン、リチウム、クロム、鉄などの金属成分が挙げられる。これらの金属性成分は担持でなく、調製時に担体に混合させても良い。ニッケルなどの金属成分の好ましい含有量としては、脱硫剤基準、元素換算で50〜99.5質量%の範囲である。
本発明の燃料電池用燃料油を脱硫剤で脱硫処理する方法の一例を以下に示す。上記脱硫剤を充填した充填塔に、水素を供給し、100〜500℃の温度で、まず脱硫剤を活性化させる。その後、燃料油を充填塔に供給し、脱硫処理を行う。充填塔への燃料油の供給は、上昇流でも下降流でもよい。この時の脱硫処理条件は、温度は常温から500℃、圧力は常圧から2MPa、液空間速度(LHSV)は0.05〜10h-1が好ましい。また、脱硫処理中に燃料油とともに水素を供給することもできる。
次に、実施例、比較例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<燃料電池用燃料油の調製>
実施例1
中東系の原油から常圧蒸留により得た直留灯油(蒸留カットレンジ150〜270℃、全硫黄分0.19質量%)を原料油とし、該原料油を水素化脱硫触媒としてCo−Mo系脱硫触媒(KF757、日本ケッチェン(株)製)を用いて、反応温度(WABT)325℃、水素分圧4.5MPa、液空間速度(LHSV)4.5h−1の条件下で水素化処理を行い、表1に示す性状を有する水素化脱硫灯油組成物(燃料油A、沸点範囲147.5〜274.0℃、沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物由来の硫黄分0.14質量ppm)を得た。
実施例2
中東系の原油から常圧蒸留により得た直留灯油(蒸留カットレンジ150〜250℃、全硫黄分0.21質量%)を原料油とし、該原料油を実施例1と同様の水素化脱硫触媒を用いて、反応温度(WABT)315℃、水素分圧4.5MPa、液空間速度(LHSV)3h−1の条件下で水素化処理を行い、表1に示す性状を有する水素化脱硫灯油組成物(燃料油B、沸点範囲149.0〜247.5℃、沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物由来の硫黄分0.03質量ppm)を得た。
比較例1
中東系の原油から常圧蒸留により得た直留灯油(蒸留カットレンジ150〜260℃、全硫黄分0.22質量%)を原料油とし、該原料油を実施例1と同様の水素化脱硫触媒を用いて、反応温度(WABT)310℃、水素分圧4.5MPa、液空間速度(LHSV)5h−1の条件下で水素化処理を行い、表1に示す性状を有する水素化脱硫灯油組成物(燃料油a、沸点範囲149.0〜281.5℃、沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物由来の硫黄分0.74質量ppm)を得た。
比較例2
中東系の原油から常圧蒸留により得た直留灯油(蒸留カットレンジ150〜270℃、全硫黄分0.24質量%)を原料油とし、該原料油を実施例1と同様の水素化脱硫触媒を用いて、反応温度(WABT)301℃、水素分圧4.5MPa、液空間速度(LHSV)6h−1の条件下で水素化処理を行い、表1に示す性状を有する水素化脱硫灯油組成物(燃料油b、沸点範囲149.0〜290.0℃、沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物由来の硫黄分1.34質量ppm)を得た。
実施例3
フィッシャー・トロプシュ合成により得た炭素数30以上のワックス分(硫黄分を含まず)を、水素化分解触媒として0.5質量%Pt/USYゼオライト系触媒(触媒化成工業(株)製)を用いて反応温度240℃、圧力3MPa、液空間速度1h−1の条件下で水素化分解した後、蒸留により灯油留分(蒸留カットレンジ150〜275℃)を得た。この灯油留分40容量%と、比較例2で得た水素化脱硫灯油組成物(燃料油b)60容量%とを混合して、表1に示す性状を有する灯油組成物(燃料油C、沸点範囲149.0〜289.0℃、沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物由来の硫黄分0.80質量ppm)を得た。
<燃料油中の硫黄分の分析>
なお、上記各燃料油の硫黄分の分析は、次のように行った。沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物由来の硫黄分(質量ppm)は、前述の計算式(1)により算出した。ジベンゾチオフェン(DBT)より軽質な硫黄化合物由来の硫黄分(質量ppm)は、前述の計算式(2)により算出した。この分析の際のGC-SCDの分析条件を下記に示す。
<GC-SCD>
装置:GC:GC-2010(SHIMAZU)
SCD:7090S(ANTEK)
カラム:HP-1MS
カラム温度:40℃−280℃(昇温)
測定時間:30min
Inlet温度:260℃、検出器温度:280℃
キャリアガス:He;90kPa
制御モード:線速度
Total flow:21.7mL/min
Purge flow:3.0mL/min
注入モード:スプリット レス、split ratio 5:1
Sample size:2.0μL
<脱硫剤の調製>
上記実施例、比較例で得た燃料油の脱硫試験に用いる脱硫剤を次のようにして作製した。
ベーマイトAP−3(触媒化成工業製)1.24gと1N HNO水溶液40mlとをイオン交換水1リットルに加えて80℃に加温後、Ni(NO)・6HOを149g加えて調製液Aを得た。別途用意したイオン交換水1リットルにコロイダルシリカ スノーテックスXS(日産化学製)を33.9g、炭酸ナトリウムを99.4g、(NHMo24・5HOを3g添加して80℃に加温し、調製液Bを得た。調製液AとBとを80℃に保ちながら、B液をA液に瞬時に加えて、沈殿物を形成させ、1時間攪拌した。その後、イオン交換水5リットルを用いて沈殿物の洗浄・ろ過を行ったのち、空気中、120℃で12時間乾燥し、400℃で1時間焼成して得られた固形状物質を12〜16メッシュに破砕し、脱硫剤を得た。
<脱硫試験>
上記実施例、比較例で得た燃料油と上記作製した脱硫剤を用いて次のようにして脱硫試験を行った。
脱硫剤12mlを内径16mmの鋼製反応管に充填し、常圧下で水素を下向きに供給しながら温度を150〜200℃まで上昇させ、3時間保持して脱硫剤を活性化させた。次に、反応管に上記実施例、比較例で得た燃料油をそれぞれ220℃、0.3MPa−G、LHSV=10h-1で反応管に上向きに流通させ、反応管から流出した脱硫処理油を採取し、その全硫黄分を測定した。そして、反応管から流出した脱硫処理油の全硫黄分が100質量ppbに達するまでの、脱硫処理開始からの通油時間を破過時間とした。この破過時間と、上記一定沸点範囲の硫黄化合物の含有量を表1に示した。
Figure 2008239914
表1から明らかなように、本発明に従った実施例1〜3の燃料油は、比較例1および2の燃料油と比べ、脱硫剤の寿命(脱硫処理した燃料油の全硫黄分が100質量ppbに達するまでの時間(破過時間)で評価)は、格段に長いことが分かる。

Claims (2)

  1. 初留点が135〜170℃、95%留出温度が270℃以下の蒸留性状を有し、沸点が330℃を超え、334℃未満の範囲にある硫黄化合物由来の硫黄分が1質量ppm以下、かつ、全硫黄分が80質量ppm以下であることを特徴とする燃料電池用燃料油。
  2. ジベンゾチオフェンより軽質な硫黄化合物由来の硫黄分が10質量ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用燃料油。
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