JP2008233706A - レーザモジュールの組立方法および装置 - Google Patents

レーザモジュールの組立方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008233706A
JP2008233706A JP2007075812A JP2007075812A JP2008233706A JP 2008233706 A JP2008233706 A JP 2008233706A JP 2007075812 A JP2007075812 A JP 2007075812A JP 2007075812 A JP2007075812 A JP 2007075812A JP 2008233706 A JP2008233706 A JP 2008233706A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
optical system
light source
outer cylinder
laser light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007075812A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Nagano
和彦 永野
Shinichiro Sonoda
慎一郎 園田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2007075812A priority Critical patent/JP2008233706A/ja
Publication of JP2008233706A publication Critical patent/JP2008233706A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)

Abstract

【課題】レーザ光源と、光ファイバに入射させるレーザビームを集光する集光光学系を各々保持した2つの筒状部材を互いに溶接固定した構造を有するレーザモジュールを、レーザ光源と集光光学系との相対位置を最適にして組み立てる。
【解決手段】レーザ光源11と、そこからのレーザビームBを集光する集光光学系12と、レーザ光源11および集光光学系12の一方を保持した外筒30aと、この外筒30a内に固定され、レーザ光源11および集光光学系12の他方を保持した内筒31aと、集光されたレーザビームBが入射する光ファイバ13とを備えてなるレーザモジュールを組み立てる方法において、光ファイバ13から出射したレーザビームBの出力をモニタし、外筒30aと内筒31aとを、レーザ光源11と集光光学系12との距離が最適値よりも大になっている状態にして溶接開始し、この溶接毎に確認する出力が所定値以上となるまで溶接を繰り返す。
【選択図】図1

Description

本発明はレーザモジュール、特に詳細には、半導体レーザ等のレーザから発せられたレーザビームを集光光学系により集光して光ファイバに入射させる構成を有するレーザモジュールを組み立てる方法および装置に関するものである。
従来、例えば特許文献1に示されるように、複数の半導体レーザが発したレーザビームをそれぞれ集光光学系で集光して光ファイバに入射させ、その光ファイバから合波された1本のレーザビームを出射させるようにしたレーザモジュールが公知となっている。
そのようなレーザモジュールが画像露光装置の露光光源やあるいは画像記録装置の記録光源等として用いられる場合、上記レーザとしては小型の半導体レーザが広く適用されているが、近時、半導体レーザの高出力化が進んでいることから、1個の半導体レーザが発したレーザビームを集光光学系で集光して光ファイバに入射させ、その光ファイバからレーザビームを出射させるようにしたレーザモジュールも提供されている。上記特許文献1には、そのように1個のレーザを用いるレーザモジュールも示されている。
上述のような集光光学系および光ファイバを備えてなるモジュールにおいては、例えば特許文献2に示されるように、集光光学系や光ファイバを筒状の部材に保持した上で、その筒状の部材を他の部材に溶接で固定することが広く行なわれている。なお、そのような溶接は、レーザビーム照射によるスポット溶接を複数箇所において行なうことでなされることが多い。またこの特許文献2には、溶接による熱変形を利用して、レーザビームを平行光化するコリメーターレンズの傾きを修正する技術も開示されている。
また、上述のような集光光学系を半導体レーザと組み付ける際には、半導体レーザも筒状の部材に保持させた上で、その筒状部材を、集光光学系を保持した筒状部材と筒軸方向に摺動自在に組み合わせ、集光光学系と半導体レーザとの距離を最適に設定した後、両筒状部材を溶接することが考えられている。その最適な距離とは、集光光学系で集光されたレーザビームの集光スポットが、光ファイバのコアの入射端面上で最も小さくなるような位置である。つまり、そのような状態になっていれば、レーザビームがコアから外れた位置に照射されることがなくなり、レーザビームの光ファイバへの入力効率を最大にすることができる。
そのために従来、光ファイバから出射するレーザビームの出力をモニタし、その出力が最大となるように2つの筒状部材の相対位置を設定し、その状態で両筒状部材を溶接固定することが提案されている。
特開2004−253783号公報 特開2002−139643号公報
ところが、そのようにして2つの筒状部材を溶接固定する場合、溶接前は光ファイバから出射するレーザビームの出力が最大になっていたのに、溶接後はその出力が低下してしまう、つまり集光光学系と半導体レーザとの距離が最適の設定値から外れてしまうという問題が認められている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、レーザ光源と、光ファイバに入射させるレーザビームを集光する集光光学系を各々保持した2つの筒状部材を互いに固定した構造を有するレーザモジュールを、レーザ光源と集光光学系との相対位置を最適あるいはそれに近い状態にして組み立てることができる方法を提供することを目的とする。
また本発明は、そのような方法を実施することができるレーザモジュールの組立装置を提供することを目的とする。
本発明による第1のレーザモジュールの組立方法は、
レーザ光源と、
このレーザ光源から発せられたレーザビームを集光する集光光学系と、
前記レーザ光源および集光光学系の一方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した外筒と、
この外筒の内周面と摺動可能な外周面を有して該外筒内に固定され、前記レーザ光源および集光光学系の他方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した内筒と、
前記集光光学系によって集光されたレーザビームが入射する光ファイバとを備えてなるレーザモジュールを組み立てる方法において、
前記光ファイバから出射したレーザビームの出力をモニタし、
前記外筒と内筒とを、前記レーザ光源と集光光学系との距離が最適値よりも大になっている状態にして、これら両筒を外筒の外周面側から溶接し、
この溶接を行なう毎に前記出力を確認し、
この出力が予め設定した所定値以上となるまで前記溶接を繰り返して、前記外筒と内筒とを固定することを特徴とするものである。
また、本発明による第2のレーザモジュールの組立方法は、上記と同様のレーザ光源と、集光光学系と、外筒と、内筒と、光ファイバとを備えてなるレーザモジュールを組み立てる方法において、
前記光ファイバから出射したレーザビームの出力をモニタし、
前記外筒と内筒とを、前記レーザ光源と集光光学系との距離が最適値よりも大になっている状態にして、これら両筒を外筒の外周面側から溶接し、
この溶接を行なう毎に前記出力を確認し、
この出力が、前回の確認時よりも小さくなるまで前記溶接を繰り返して、前記外筒と内筒とを固定することを特徴とするものである。
また、本発明による第3のレーザモジュールの組立方法は、上記と同様のレーザ光源と、集光光学系と、外筒と、内筒と、光ファイバとを備えてなるレーザモジュールを組み立てる方法において、
前記集光光学系を経たレーザビームのビーム径を光ファイバへの入射位置でモニタし、
前記外筒と内筒とを、前記レーザ光源と集光光学系との距離が最適値よりも大になっている状態にして、これら両筒を外筒の外周面側から溶接し、
この溶接を行なう毎に前記ビーム径を確認し、
このビーム径が予め設定した所定値以下になるまで前記溶接を繰り返して、前記外筒と内筒とを固定することを特徴とするものである。
また、本発明による第4のレーザモジュールの組立方法は、上記と同様のレーザ光源と、集光光学系と、外筒と、内筒と、光ファイバとを備えてなるレーザモジュールを組み立てる方法において、
前記集光光学系を経たレーザビームのビーム径を光ファイバへの入射位置でモニタし、
前記外筒と内筒とを、前記レーザ光源と集光光学系との距離が最適値よりも大になっている状態にして、これら両筒を外筒の外周面側から溶接し、
この溶接を行なう毎に前記ビーム径を確認し、
このビーム径が前回の確認時よりも大きくなるまで前記溶接を繰り返して、前記外筒と内筒とを固定することを特徴とするものである。
なお、上記第3および第4のレーザモジュールの組立方法においては、ビーム径として一般的な1/e2径等をモニタする他、径方向のビーム強度分布状態、例えばビーム中心から径方向に所定距離離れた位置のビーム強度等を測定することにより、間接的にビーム径をモニタするようにしてもよい。
また、以上述べた本発明による第1〜4のレーザモジュールの組立方法は、特にレーザモジュールが、前記光ファイバを保持し、前記集光光学系を保持している外筒あるいは内筒に対して突き当てることにより、光ファイバ軸方向の位置が規定される光ファイバ保持手段を有するものである場合に適用されることが望ましい。
また、以上述べた本発明による第1〜4のレーザモジュールの組立方法は、特にステンレス鋼からなる外筒および内筒を用いる場合に適用されることが望ましい。
一方、本発明による第1のレーザモジュールの組立装置は、これも上述と同様のレーザ光源と、集光光学系と、外筒と、内筒と、光ファイバとを備えてなるレーザモジュールを組み立てる装置において、
前記光ファイバから出射したレーザビームの出力をモニタする出力モニタ手段と、
前記外筒と内筒とを外筒の外周面側から溶接する溶接手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明による第2のレーザモジュールの組立装置は、上記と同様のレーザ光源と、集光光学系と、外筒と、内筒と、光ファイバとを備えてなるレーザモジュールを組み立てる装置において、
前記集光光学系を経たレーザビームのビーム径を光ファイバへの入射位置でモニタするビーム径モニタ手段と、
前記外筒と内筒とを外筒の外周面側から溶接する溶接手段とを備えたことを特徴とするものである。
なお上記のビーム径モニタ手段は、ビーム径として一般的な1/e2径等をモニタする手段の他、径方向のビーム強度分布状態、例えばビームの所定半径位置のビーム強度等を測定することにより間接的にビーム径をモニタするような手段も適用可能である。
本発明者の研究によると、2つの筒状部材を溶接固定する場合、溶接前は光ファイバから出射するレーザビームの出力が最大になっていたのに、溶接後はその出力が低下してしまうという従来技術の問題は、溶接による筒状部材の熱変形(収縮)に起因していることが判明した。つまり、レーザ光源および集光光学系の一方、他方を保持している外筒および内筒にそのような熱収縮が発生すると、レーザ光源と集光光学系との間の距離が短縮して、最適の設定値から外れてしまうのである。
そして本発明者はさらに、レーザ光源と集光光学系との間の距離は、溶接を1回行う毎に段階的に短縮するものであることも見出した。本発明はこの知見に基づいて得られたもので、溶接による筒状部材の段階的短縮を利用して、レーザ光源と集光光学系との間の距離を最適値に設定可能としたものである。
すなわち、本発明による第1のレーザモジュールの組立方法は、光ファイバから出射したレーザビームの出力をモニタし、外筒と内筒とを、レーザ光源と集光光学系との距離が最適値よりも大になっている状態にして、これら両筒を外筒の外周面側から溶接し、この溶接を行なう毎に(つまり、外筒および内筒の熱収縮が進行する毎に)前記出力を確認し、この出力が予め設定した所定値以上となるまで溶接を繰り返して外筒と内筒とを固定するようにしたので、上記所定値の設定次第で、レーザ光源と集光光学系との間の距離が略最適値になっている状態(集光されたレーザビームが最大効率で光ファイバに入射して、モニタされる出力が最大になる状態である)に外筒と内筒とを固定可能となる。
なお、外筒と内筒とがそのような状態になる出力の所定値は、実験あるいは経験に基づいて予め知ることができる。他方、レーザ光源と集光光学系との距離が最適値よりも大になるような外筒と内筒との相対位置関係も、実験あるいは経験に基づいて知ることができる。
また本発明による第2のレーザモジュールの組立方法は、光ファイバから出射したレーザビームの出力をモニタし、外筒と内筒とを、レーザ光源と集光光学系との距離が最適値よりも大になっている状態にして、これら両筒を外筒の外周面側から溶接し、この溶接を行なう毎に(つまり、外筒および内筒の熱収縮が進行する毎に)前記出力を確認し、この出力が、前回の確認時よりも小さくなるまで溶接を繰り返して、外筒と内筒とを固定するようにしたので、光ファイバから出射するレーザビームの出力が最大値(レーザ光源と集光光学系との間の距離が最適値になっているときに得られる値である)から僅かだけ低くなっている状態に外筒と内筒とを固定可能となる。
一方本発明による第3のレーザモジュールの組立方法は、集光光学系を経たレーザビームのビーム径を光ファイバへの入射位置でモニタし、外筒と内筒とを、レーザ光源と集光光学系との距離が最適値よりも大になっている状態にして、これら両筒を外筒の外周面側から溶接し、この溶接を行なう毎に前記ビーム径を確認し、このビーム径が予め設定した予め設定した所定値以下になるまで溶接を繰り返して、外筒と内筒とを固定するようにしたので、上記所定値の設定次第で、レーザ光源と集光光学系との間の距離が略最適値になっている状態(集光されたレーザビームが最大効率で光ファイバに入射する状態)に外筒と内筒とを固定可能となる。なお、外筒と内筒とがそのような状態になる上記ビーム径の所定値は、実験あるいは経験に基づいて予め知ることができる。
また、本発明による第4のレーザモジュールの組立方法は、集光光学系を経たレーザビームのビーム径を光ファイバへの入射位置でモニタし、外筒と内筒とを、レーザ光源と集光光学系との距離が最適値よりも大になっている状態にして、これら両筒を外筒の外周面側から溶接し、この溶接を行なう毎に前記ビーム径を確認し、このビーム径が前回の確認時よりも大きくなるまで溶接を繰り返して、外筒と内筒とを固定するようにしたので、光ビームに入射するレーザビームのビーム径が最小値(レーザ光源と集光光学系との間の距離が最適値になっているときに得られる値である)から僅かだけ大きくなっている状態に外筒と内筒とを固定可能となる。
また、以上述べた本発明による各レーザモジュールの組立方法が、集光光学系を保持している外筒あるいは内筒に対して突き当てることにより、光ファイバ軸方向の位置が規定される光ファイバ保持手段を有するレーザモジュールの組立に適用された場合は、レーザビームの光ファイバへの入力効率を高める効果が特に顕著なものとなる。すなわち、このような構成のレーザモジュールにおいては、集光光学系に対する光ファイバの軸方向位置が調整不可能であることから、レーザ光源と集光光学系との距離が不適切になっているとレーザビームの光ファイバへの入力効率が低くなりがちであるが、前述の通りにしてレーザ光源と集光光学系との距離を随意に設定できれば、この入力効率を高く確保できるようになる。
一方、本発明による第1のレーザモジュールの組立装置は、光ファイバから出射したレーザビームの出力をモニタする出力モニタ手段と、前記外筒と内筒とを外筒の外周面側から溶接する溶接手段とを備えているので、前述した本発明による第1および第2のレーザモジュールの組立方法を実施できるものとなる。
また、本発明による第2のレーザモジュールの組立装置は、集光光学系を経たレーザビームのビーム径を光ファイバへの入射位置でモニタするビーム径モニタ手段と、前記外筒と内筒とを外筒の外周面側から溶接する溶接手段とを備えているので、前述した本発明による第3および第4のレーザモジュールの組立方法を実施できるものとなる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態によるレーザモジュールの組立装置100を示す一部破断側面図であり、また図2は、この装置によって組み立てられるレーザモジュール10を示す一部破断側面図である。
まず図2を参照して、レーザモジュール10について説明する。図示の通りこのレーザモジュール10は、レーザ光源としてのチップ状態の半導体レーザ11と、この半導体レーザ11から発せられたレーザビームBを集光する集光レンズ12と、一端面が入射端面13a、他端面が出射端面13bとされ、集光レンズ12により集光されたレーザビームBを入射端面13aから受け入れる位置に配された光ファイバ13と、この光ファイバ13の少なくとも入射端面近傍部分を収容固定したガラス製のフェルール14と、光ファイバ13の入射端面13a並びにそれと整合するフェルール14の後端面14aに接合された透明部材15と、この透明部材15およびフェルール14を収容固定したスリーブ60とを有している。
上記半導体レーザ11は、例えば発光幅が10μm、出力が500mWのマルチモードブロードエリアレーザである。この半導体レーザ11は、概略円板状のステム16、キャップ17および該キャップ17の光出射窓17aを閉じる窓ガラス18からなるいわゆるCANパッケージ20の中に配設されている。すなわち、ステム16には銅等からなる放熱性の良いヒートブロック19が固定され、このヒートブロック19に例えばAuSnロウ材を用いて半導体レーザ11が実装されている。このようにして半導体レーザ11が実装された後、ステム16に対して例えば低抵抗溶接によりキャップ17が接合され、CANパッケージ20の内部が封止される。なお、CANパッケージ20の内部には、不活性ガスを充填させておくことが望ましい。
半導体レーザ11は、ステム16を貫通するリード21を介して、パッケージ外の半導体レーザ駆動回路(図示せず)と接続される。そして上記CANパッケージ20は、円筒状部分30aおよびフランジ部30bを有するステンレス鋼製のレーザホルダ30内に保持されている。つまり上記円筒状部分30aがレーザ保持部とされ、その内周面にCANパッケージ20のステム16が圧入固定されている。なお、このような圧入固定によらず、その他YAG溶接等の溶接、半田、あるいは接着剤等によって上記円筒状部分30aにステム16を固定することも可能である。
レーザホルダ30の円筒状部分30aは、上述のようにしてCANパッケージ20が(つまり半導体レーザ11が)そこに保持された状態では、半導体レーザ11の光軸方向に延びる状態となるが、この円筒状部分30aは光学系ホルダ収容部も構成している。すなわち、円筒状部分31aおよびフランジ部31bを有する光学系ホルダ31の円筒状部分31a内に集光レンズ12が接着固定され、この円筒状部分31aがレーザホルダ30の円筒状部分30a内に溶接によって固定されている。ここで集光レンズ12は、その光軸と平行となる円筒状部分31aに対して、上記接着の他、圧入等によって固定されても構わない。
レーザホルダ30の円筒状部分30a、光学系ホルダ31の円筒状部分31aは各々本発明における外筒、内筒を構成するものであり、例えばSUS304やSUS430等のステンレス鋼から形成されている。それら両者は円筒状部分30aの外周面側からYAG貫通溶接によって固定されるが、この溶接については後に詳しく説明する。
光ファイバ13の入射端面13aに近い部分は、被覆が剥がされて素線状態とされ、その部分がフェルール14内に収容固定されている。そしてこのフェルール14の後端面14a並びに光ファイバ13の入射端面13aと、透明部材15の前端面15aとが、前述の常温接合により接合されている。すなわち、それらの後端面14a並びに入射端面13aと、透明部材15の前端面15aとは、平滑化加工された後に紫外線洗浄され、次いで適当な圧力で加圧しながら突き合わせることにより、接合される。
本実施形態では、株式会社テクノビジョン製紫外線オゾン洗浄装置UV−312を用い、ピーク波長253.7nm/184.9nmで、パワー密度10mW/cm2の紫外線を1000秒間照射することによって上記の紫外線洗浄が行われる。
なお、上記常温接合における加圧中に、接合面に短波長の光を照射すると、より安定な接合状態が得られる。本実施形態の場合、フェルール14は透明なガラスであるので、そこを透過させて斜方から接合面に短波長の光ビームを照射することができる。具体的に本例では、波長405nmでパワー密度1100W/mm2の紫外線を4時間照射した。あるいは、光ファイバ13の出力側から短波長の光ビームを照射してもよい。そうする場合は、ファイバコア部に輝度の高い光が照射されるので、非常に安定した接合が得られる。
透明部材15は概略円柱状に形成され、フェルール14とともに例えば円筒状のスリーブ60内に収容されている。そしてこのフェルール14の外周面の一部とスリーブ60の端面とが接着剤61によって接合されることにより、該フェルール14および透明部材15がスリーブ60内に固定されている。
上記スリーブ60は、透明部材ホルダ32内に収容固定されている。そしてこの透明部材ホルダ32が、前記光学系ホルダ31に固定されている。これらのホルダ32および31も一例としてステンレス鋼製とされ、それら両者はYAG溶接により固定されている。なおそれらの固定は、YAG溶接の他、接着剤や半田を用いて行ってもよい。
以上の構成を有する本実施形態のレーザモジュール10においては、半導体レーザ11から発せられたレーザビームBが集光レンズ12によって集光され、光ファイバ13の入射端面13a上で収束する。そこでレーザビームBがこの入射端面13aから光ファイバ13のコア(図示せず)内に入射し、そこを導波して、光ファイバ13の出射端面13bから出射する。
次に図1も参照して、このレーザモジュール10の組立について説明する。ここで用いられる図1のレーザモジュール組立装置100は、テーブル40と、下面Pが球面の一部をなす形状とされて上部にテーブル40を固定した揺動台41と、上記下面Pと摺動自在にして緊密に組み合わされた凹面形状の上面Qを有する球面受け42と、テーブル40と連結されて該テーブル40とともにレーザホルダ保持手段を構成するクランプ43と、YAGレーザ溶接機44と、光学系ホルダ31を保持する光学系ホルダ保持手段45と、透明部材ホルダ32を保持するファイバ端部保持手段46と、光ファイバ13から出射したレーザビームBの光強度を検出するレーザパワーメータ48と、このレーザパワーメータ48に接続された表示手段49とから構成されている。
球面受け42は、上記凹面Qの1本の法線がz方向を向き、そして間に揺動台41を置いて光ファイバ13と向き合う状態に配設されている。また本装置100において、レーザホルダ30を固定するクランプ43は、球面受け42側に連結されている。そしてこれらのクランプ43の下側を向いた先端面、つまりレーザホルダ30のフランジ部30を抑える部分は、z方向に対して正確に直角な向きとなるように形成されている。
YAGレーザ溶接機44は図1では1台のみ示してあるが、実際には、レーザモジュール組立装置100にセットされたレーザホルダ30の円筒状部分30aおよび光学系ホルダ31の円筒状部分31aの筒軸周りに、等角度間隔つまり120°間隔で3台配設されている。このYAGレーザ溶接機44としては一例として、射出する溶接用レーザビームWBのエネルギーが5J、溶接箇所におけるビームスポット径が400μm、ビームパルス幅が10ms(マイクロ・秒)のものが用いられている。
ファイバ端部保持手段46は、透明部材ホルダ32を保持することによって間接的に光ファイバ13の端部を保持し、その保持している光ファイバ13の軸方向(矢印z方向)に微小量ずつ移動可能とされ、さらにこのz方向と直交する2方向すなわち矢印x、y方向にも移動可能に形成されている。なお上記z方向は、球面受け42の下面に対して直角な方向で、これが基準方向となる。
一方光学系ホルダ保持手段45は、光学系ホルダ31のフランジ部31bの近傍部分を把持することによって該光学系ホルダ31を保持し、上記z方向にファイバ端部保持手段46と同期して移動可能に形成されている。この光学系ホルダ保持手段45およびファイバ端部保持手段46は、図示外のアクチュエータにより上述のよう移動するようになっている。
次に、上記構成を有するレーザモジュール組立装置100の作用について説明する。本実施形態においては、集光レンズ12として、焦点距離が2.1mmで倍率4倍のレンズが用いられている。一方光ファイバ13としては、NAが0.22で、コア径が33μmのマルチモードファイバが適用されている。半導体レーザ11および集光レンズ12が光軸方向の最適相対位置に設定されたとき、レーザビームBの集光ビーム径は、半導体レーザ11の活性層と平行な方向の長径が28μm、活性層に垂直な方向の短径が3μmとなる。この集光状態が、光ファイバ13の直径33μmのコア端面上で得られるように半導体レーザ11、集光レンズ12および光ファイバ13を光軸方向に位置合わせするために、以下のようにして本発明の組立方法が適用される。
レーザホルダ30の円筒状部分30aおよび光学系ホルダ31の円筒状部分31aは、前者の内周面に対して後者の外周面が摺動可能な状態に形成され、それらの筒軸方向の相対位置が最適となる状態、つまり半導体レーザ11および集光レンズ12が上記最適相対位置になる状態にして、両者が溶接によって固定される。そのために、外筒である円筒状部分30aには、図2に示す通り円環状の溝30cが2本形成されている。そして、円筒状部分30aが部分的に薄肉状態になっているこの溝30cの部分に向けて、3台のYAGレーザ溶接機44からYAGレーザビームWBが照射されることにより、該円筒状部分30aと、光学系ホルダ31の円筒状部分31aとが溶接される。
まず本装置100による組立の前工程において、予めCANパッケージ20がレーザホルダ30内に固定され、集光レンズ12が光学系ホルダ31に固定され、透明部材15が透明部材ホルダ32に固定される。そしてレーザホルダ30の円筒状部分30a内に光学系ホルダ31が組み込まれ、その状態でレーザホルダ30がテーブル40の上にセットされる。
次いでクランプ43が作動され、該クランプ43の先端面によってレーザホルダ30のフランジ部30が上方から抑え付けられる。このとき、テーブル40上のレーザホルダ30が、その筒軸方向がz方向と一致していない状態にあれば、フランジ部30が上述の通りのクランプ43によって抑え付けられることにより、揺動台41が球面受け42の上で滑動してx軸周りおよび/またはy軸周りに揺動し、レーザホルダ30はその筒軸方向がz方向と一致する状態に保持されるようになる。その後揺動台41は、この状態を維持するように図示外のロック機構によりロックされる。こうして、半導体レーザ11および集光レンズ12の光軸方向が光ファイバ13の軸方向と一致する状態にして、レーザホルダ30がテーブル40上に保持される。
次に、以上の状態を保ったまま光学系ホルダ31が光学系ホルダ保持手段45に把持され、またファイバ端部保持手段46により透明部材ホルダ32が保持される。次いでファイバ端部保持手段46がz方向(下向き方向)に移動され、透明部材ホルダ32が、光学系ホルダ31の前端面31cに圧接される。なおこの際の圧接力を、例えば光学系ホルダ31やテーブル40に設置したロードセル等の荷重測定手段によって検出し、その圧接力が適正値に設定されるようにするのが望ましい。
これ以降、半導体レーザ11が連続的に駆動される。この半導体レーザ11から射出されたレーザビームBは集光レンズ12によって集光され、光ファイバ13に入射してそこを伝搬し、光ファイバ13から出射する。そして、光ファイバ13から出射したレーザビームBの出力がレーザパワーメータ48によって連続的に測定(モニタ)される。
次に、透明部材ホルダ32が光学系ホルダ31の前端面31cに圧接した状態を保ったまま、光学系ホルダ保持手段45およびファイバ端部保持手段46がz方向に同期して移動されるとともに、ファイバ端部保持手段46が光学系ホルダ保持手段45に対してx、y方向に移動される。このように光学系ホルダ保持手段45およびファイバ端部保持手段46がz方向に移動すると、光学系ホルダ31の円筒状部分31aはレーザホルダ30の円筒状部分30a内で摺動しつつ移動するので、半導体レーザ11と集光レンズ12との間の距離が変化する。またファイバ端部保持手段46が光学系ホルダ保持手段45に対してx、y方向に移動すると、半導体レーザ11および集光レンズ12に対する光ファイバ13のx、y方向相対位置が変化する。
以上の操作がなされている間、レーザパワーメータ48によりレーザビームBの出力が測定される。そしてレーザパワーメータ48に接続された表示手段49は、光学系ホルダ保持手段45およびファイバ端部保持手段46を駆動するアクチュエータからの位置信号も受けて、ファイバ端部保持手段46の(つまり光ファイバ13の)x、y方向位置および、光学系ホルダ保持手段45およびファイバ端部保持手段46の(つまり集光レンズ12および光ファイバ13の)z方向位置毎に、該位置と対応付けてレーザビームBの出力を表示する。
組立作業者は表示手段49における上記の表示を確認して、ファイバ端部保持手段46の光学系ホルダ保持手段45に対するx、y方向相対位置を、レーザビームBの最大出力が得られたときの位置に固定する一方、光学系ホルダ保持手段45およびファイバ端部保持手段46のz方向位置を、レーザビームBの最大出力が得られたときの位置に設定する。ここで上記最大出力をP00と示す。
次に、光学系ホルダ保持手段45およびファイバ端部保持手段46が、つまり集光レンズ12および光ファイバ13が図中上方に、一例として10μm移動させられる。そこで集光レンズ12と半導体レーザ11との間の距離は、最適と考えられる値よりも10μmだけ大きな値となる。なおこの10μmという値は、実験あるいは経験に基づいて設定されるものであるが、集光レンズ12と半導体レーザ11との間の距離を大きくする方向の値であれば、それ以外の値が設定されても構わない。こうすることにより、光ファイバ13のコア端面上におけるレーザビームBのビーム径がコア径よりも大きくなるので、そのときレーザパワーメータ48が測定するレーザビームBの出力P01は、上記出力P00よりも小さくなる。
次に、レーザホルダ30と光学系ホルダ31とを固定するために、まず第1回目の溶接がなされる。このとき3台のYAGレーザ溶接機44は、2本の円環状の溝30cのうち下側の溝30cの周外方に位置する状態とされ、その状態で3台が同時に駆動される。それにより各YAGレーザ溶接機44から発せられた溶接用レーザビームWBが、円筒状部分30aの外周面側から該部分30aに照射され、両円筒状部分30a、31aが3点で貫通溶接される。
このような3点でのスポット溶接は後述するように複数回なされ、その溶接がなされる毎に、レーザビームBの出力がレーザパワーメータ48によって測定され、その測定値が表示手段49に表示される。この第1回目の溶接後のレーザビームBの出力をP1と示す。こうして溶接がなされると、ステンレス鋼製の円筒状部分30a、31aが前述したように熱収縮する結果、集光レンズ12が下方に動いて半導体レーザ11との間の距離が短くなる。その結果、光ファイバ13の入射端面13a上のビーム径がより小さくなって、レーザビームBの光ファイバ13への入力効率が上がるので、出力P1は前記出力P01よりも大きくなる。
なお図3に、溶接回数に対する集光レンズ12の下方への動き量、つまり円筒状部分30a、31aの収縮量を測定した結果を3例示す。ここに示される通り、溶接回数を重ねる毎に集光レンズ12はより下方へと動いて行く。
次に、3台のYAGレーザ溶接機44を円筒状部分30aおよび31aの筒軸周りに30°回転させ、その状態で第2回目の溶接がなされる。引き続き3台のYAGレーザ溶接機44を上記と同様にしてさらに30°回転させ、その状態で第3回目の溶接がなされ、また3台のYAGレーザ溶接機44をさらに30°回転させ、その状態で第4回目の溶接がなされる。通常は、溶接当初の第2回目、第3回目、第4回目の溶接後のレーザビームBの出力をそれぞれP2、P3、P4とすると、P1<P2<P3<P4のように溶接回数を重ねる毎に出力が増大するが、後述する通り、この出力増大傾向が無くなるまで溶接が次々となされる。なお、3台のYAGレーザ溶接機44を回転させる代わりに、円筒状部分30aおよび31aを回転させても構わない。
ここで、第4回目の溶接がなされると、溶接スポットは30°間隔で12箇所に及ぶので、もし第5回目以降も溶接がなされる場合は、円筒状部分30aおよび31aの筒軸方向に位置を変えて溶接が行なわれる。すなわち、第5回目の溶接がなされる前に、3台のYAGレーザ溶接機44が2本の円環状の溝30cのピッチ分だけ上方に移動され、第5回目以降の溶接は、上側の溝30cの部分に溶接用レーザビームWBを照射することによってなされる。
第5回目以降の溶接も、上に述べたのと同様に1回当たり3箇所に溶接用レーザビームWBを照射して、そして1回毎に溶接箇所を30°ずつ変えてなされる。こうして溶接は最大8回までなされるが、表示手段49に表示される第n回目の溶接後のレーザビームBの出力をPnとすると、以下の条件が満たされたところで、溶接は終了となる。
Pn<P(n−1)
P00×α≦Pn 〔αは所定の係数で例えば0.97等〕
図3に示した通り、溶接回数を重ねる毎に集光レンズ12はより下方へ動き、それに従って光ファイバ13の入射端面13a上のレーザビームBのビーム径がより小さくなって行くが、集光レンズ12が最適位置(該集光レンズ12と半導体レーザ11との距離が最適値となって上記ビーム径が最小となる位置)よりも下方まで動き過ぎると、そこで上記ビーム径が増大傾向に転じる。そのようになると、このビーム径が光ファイバ13のコア径より大きくなって、レーザビームBの光ファイバ13への入力効率が低下するので、上記出力P(n)がそれまでの増大傾向から低下傾向に転じる。
そこで、上述したようにPn<P(n−1)となった回数nで溶接を終了させれば、光ファイバ13から出射するレーザビームBの出力が最大値から僅かだけ低くなっている状態に円筒状部分30aおよび31aを固定できるようになる。
基本的には、以上の通りにするだけで半導体レーザ11と集光レンズ12との光軸方向相対位置を最適あるいはそれに近い状態に設定することができるが、本実施形態ではさらにP00×α≦Pnであること、つまりn回溶接した後のレーザビームBの出力が所定値以上であることも溶接終了の条件としている。こうすることにより、半導体レーザ11と集光レンズ12との光軸方向相対位置をより確実に最適に近い状態に設定することができる。
なお、特にPn<P(n−1)の判定はせずに、P00×α≦Pnとなったところで溶接を終了するようにしても、半導体レーザ11と集光レンズ12との光軸方向相対位置を最適あるいはそれに近い状態に設定することができる。
また表示手段49には、第1〜n回目の溶接後のレーザビームBの各出力P1〜Pnを並べて表示させるだけで、上記2つの不等式の条件が満足されているかどうかは作業者が判別するようにしてもよいし、あるいはそれを演算回路に判別させて、該条件が満足されたときその旨を音声や文字表示等によって作業者に知らせるようにしてもよい。
その後、透明部材ホルダ32が光学系ホルダ31に固定される。この固定も例えばYAG溶接によって行われるが、その他に、接着剤等を利用して行っても構わない。なおこの固定を行なう前に、再度光学系ホルダ31に対して透明部材ホルダ32をx、y方向に微量ずつ移動させ、そのときレーザパワーメータ48が測定するレーザビームBの出力が最大となる位置で透明部材ホルダ32を光学系ホルダ31に固定してもよい。またこの固定は、前記最大出力P00が測定された時点で行なってもよい。
なお、レーザビームBのビーム径は通常いわゆる1/e2径で規定されるので、そのビーム径の外側の範囲にも弱いビームが存在する。そこで、ビーム径が小さくなるにつれてレーザビームBの光ファイバ13への入力効率が大きくなる傾向は、ビーム径が光ファイバ13のコア径より大きい範囲では勿論、ビーム径が光ファイバ13のコア径よりある程度小さい範囲でも認められるものである。
ここで、上述のような溶接回数の制御がなされない場合には、どの程度の不具合が発生し得るものであるか具体的に説明する。先に述べた通り本実施形態では、集光レンズ12の焦点距離は2.1mm、倍率は4倍である。一方光ファイバ13のNAは0.22、コア径は33μmである。また、半導体レーザ11と集光レンズ12とが光軸方向の最適相対位置に設定されたとき、レーザビームBの集光ビーム径は、半導体レーザ11の活性層と平行な方向の長径が28μm、活性層に垂直な方向の短径が3μmとなる。そして、集光されたレーザビームBのNAは、半導体レーザ11の活性層と平行な方向、垂直な方向についてそれぞれ0.04、0.15であるので、レーザビームBの集光位置が光軸方向にdずれたとすると、集光ビーム径はこれら2方向について各々0.04d、0.15d拡大することになる。
例えば、光学系ホルダ31とレーザホルダ30とを溶接したとき、集光レンズ12が光軸方向に5μm動いたとする。図3から分かる通り、この程度の動きは、溶接を数回行なえば発生するものである。このように集光レンズ12が動くと、レーザビームBの集光位置がレンズ倍率の2乗倍変化する。そこで、倍率が4倍である本実施形態では、レーザビームBの集光位置が5×42=80倍変化する。
よって半導体レーザ11の活性層と平行な方向に関してビーム径(直径)は、80×0.04×2=6.4μm拡大することになる。つまり、この方向に関してビーム径は28+6.4=34.4μmとなり、光ファイバ13のコア径33μmを超えてしまう。この状態では、レーザビームBの一部が光ファイバ13のコアに入射し得ないので、その分、レーザビームBの光ファイバ13への入力効率が低下することになる。本発明によれば、前述した通りにして、半導体レーザ11と集光レンズ12の光軸方向位置が最適に設定されるので、このような不具合の発生を防止できる。
なお、半導体レーザ11の活性層に垂直な方向に関してビーム径(直径)は、80×0.15×2=24μm拡大することになる。つまり、この方向に関してビーム径は3+2427μmとなる。
次に図4を参照して、本発明の第2の実施形態によるレーザモジュール組立装置200について説明する。なおこの図4において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。
このレーザモジュール組立装置200は、図1に示した装置と比較すると基本的に、レーザパワーメータ48に代えてビーム径モニタ手段70が適用されている点が異なるものである。このビーム径モニタ手段70は、外形形状が前述のフェルール14と同じものとされて、スリーブ60内に収容固定されている。そしてこのスリーブ60は、レーザモジュールの組立の際にだけ使われるダミーの透明部材ホルダ32内に固定されている。
ビーム径モニタ手段70は、図中下端面が例えばCCD等からなる撮像面とされたものである。そしてこのビーム径モニタ手段70は、レーザモジュール10を構成する通常の透明部材ホルダ32内にスリーブ60を介して固定される光ファイバ13の入射端面13a(図2参照)と同じ位置に上記撮像面が位置するようにして、スリーブ60内に固定されている。
ダミーの透明部材ホルダ32は、円筒状部分30aおよび31aを互いに溶接するに当たり、前述の第1の実施形態におけるのと同様にファイバ端部保持手段46に保持され、その後は前述と同様にして溶接処理がなされる。ただしこの場合、レーザビームBの出力は測定されず、その代わりに、ビーム径モニタ手段70によってレーザビームBのビーム径が連続的に測定(モニタ)される。このモニタされたビーム径は、表示手段49に表示される。具体的にこの表示は、ビーム径モニタ手段70が撮像したビーム断面像を拡大してそのままスケールと並べて表示手段49に表示したり、あるいはビーム断面像に基づいて画像処理により具体的に何μmと求めて、その数値を表示手段49に表示したりすることによりなされる。
溶接を始める前には、まずファイバ端部保持手段46がx、y方向に微量ずつ動かされて、ビーム径モニタ手段70が、レーザビームBを受ける位置に設定される。次に光学系ホルダ保持手段45およびファイバ端部保持手段46が一体的にz方向に微量ずつ動かされて、モニタされるビーム径が最小となる位置に光学系ホルダ31が設定される。このときのビーム径を、D00とする。
次に、光学系ホルダ保持手段45およびファイバ端部保持手段46が、つまり集光レンズ12および光ファイバ13が図中上方に、一例として10μm移動させられる。そこで集光レンズ12と半導体レーザ11との間の距離は、最適と考えられる値よりも10μmだけ大きな値となる。こうすることにより、ビーム径モニタ手段70の撮像面上のレーザビームBのビーム径は、上記D00よりも大きいD01となる。
以後は第1実施形態におけるのと同様にして、第1回目、第2回目・・・と最大8回目まで、円筒状部分30aと31aとが3台のYAGレーザ溶接機44によって溶接される。このとき、表示手段49に表示される第n回目の溶接後のレーザビームBのビーム径をDnとすると、以下の条件が満たされたところで、溶接は終了となる。
Dn>D(n−1)
D00×β≧Dn 〔βは所定の係数〕
図3に示した通り、溶接回数を重ねる毎に集光レンズ12はより下方へ動き、それに従ってビーム径モニタ手段70がモニタするレーザビームBのビーム径がより小さくなって行くが、集光レンズ12が最適位置(該集光レンズ12と半導体レーザ11との距離が最適値となって上記ビーム径が最小となる位置)よりも下方まで動き過ぎると、そこで上記ビーム径が増大傾向に転じる。
そこで、上述したようにDn>D(n−1)となった回数nで溶接を終了させれば、ビーム径モニタ手段70の撮像面上のレーザビームBのビーム径が最小値から僅かだけ大きくなっている状態に円筒状部分30aおよび31aを固定できるようになる。この溶接処理が終了した後、ダミーの透明部材ホルダ32は実際に使用される光ファイバ13を保持している透明部材ホルダ32に替えられ、その透明部材ホルダ32が光学系ホルダ31の前端面31cに接合される。そのとき、光ファイバ13の入射端面13aは上記撮像面と一致した位置に来るので、結局、この入射端面13a上のレーザビームBのビーム径が最小値から僅かだけ大きくなっている状態になる。
基本的には、以上の通りにするだけで半導体レーザ11と集光レンズ12との光軸方向相対位置を最適あるいはそれに近い状態に設定することができるが、本実施形態ではさらにD00×β≧Dnであること、つまりn回溶接した後のレーザビームBのビーム径が所定値以下であることも溶接終了の条件としている。こうすることにより、半導体レーザ11と集光レンズ12との光軸方向相対位置をより確実に最適に近い状態に設定することができる。
なお、特にDn>D(n−1)の判定はせずに、D00×β≧Dnとなったところで溶接を終了するようにしても、半導体レーザ11と集光レンズ12との光軸方向相対位置を最適あるいはそれに近い状態に設定することができる。
また、光ファイバ13の入射端面13a上のレーザビーム径を測定するには、以上述べたようなビーム径モニタ手段70以外の手段を用いることもできる。すなわち、例えば図1の構成において、光ファイバ13を保持しているファイバ端部保持手段46をxあるいはy方向に一定速度で移動させ、そのとき光ファイバ13から出射するレーザビームBの出力をレーザパワーメータ48で連続的に測定する。そのとき測定される出力は、光ファイバ13のコアがレーザビームBの集光位置から外れている範囲では0(ゼロ)を示し、集光されたレーザビームBがコアに入射するようになるとある値まで立ち上がり、そして光ファイバ13のコアがレーザビームBの集光位置を通り過ぎると再度0(ゼロ)まで低下する。上述のようにしてレーザビームBの出力が立ち上がっている時間は、レーザビームBのビーム径に比例するので、この時間を計測することにより、間接的にレーザビームBのビーム径を測定することができる。
本発明の第1実施形態によるレーザモジュールの組立装置を示す一部破断側面図 図1の装置によって組み立てられるレーザモジュールの一部破断側面図 溶接回数と集光レンズの動きの量との関係を示すグラフ 本発明の第2実施形態によるレーザモジュールの組立装置を示す一部破断側面図
符号の説明
10 レーザモジュール
11 半導体レーザ
12 集光レンズ
13 光ファイバ
14 フェルール
15 透明部材
30 レーザホルダ
31 光学系ホルダ
32 透明部材ホルダ
40 テーブル
41 揺動台
42 球面受け
43 クランプ
45 光学系ホルダ保持手段
46 ファイバ端部保持手段
48 レーザパワーメータ
49 表示手段
60 スリーブ
70 ビーム径モニタ手段
100、200 レーザモジュール組立装置

Claims (8)

  1. レーザ光源と、
    このレーザ光源から発せられたレーザビームを集光する集光光学系と、
    前記レーザ光源および集光光学系の一方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した外筒と、
    この外筒の内周面と摺動可能な外周面を有して該外筒内に固定され、前記レーザ光源および集光光学系の他方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した内筒と、
    前記集光光学系によって集光されたレーザビームが入射する光ファイバとを備えてなるレーザモジュールを組み立てる方法であって、
    前記光ファイバから出射したレーザビームの出力をモニタし、
    前記外筒と内筒とを、前記レーザ光源と集光光学系との距離が最適値よりも大になっている状態にして、これら両筒を外筒の外周面側から溶接し、
    この溶接を行なう毎に前記出力を確認し、
    この出力が予め設定した所定値以上となるまで前記溶接を繰り返して、前記外筒と内筒とを固定することを特徴とするレーザモジュールの組立方法。
  2. レーザ光源と、
    このレーザ光源から発せられたレーザビームを集光する集光光学系と、
    前記レーザ光源および集光光学系の一方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した外筒と、
    この外筒の内周面と摺動可能な外周面を有して該外筒内に固定され、前記レーザ光源および集光光学系の他方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した内筒と、
    前記集光光学系によって集光されたレーザビームが入射する光ファイバとを備えてなるレーザモジュールを組み立てる方法であって、
    前記光ファイバから出射したレーザビームの出力をモニタし、
    前記外筒と内筒とを、前記レーザ光源と集光光学系との距離が最適値よりも大になっている状態にして、これら両筒を外筒の外周面側から溶接し、
    この溶接を行なう毎に前記出力を確認し、
    この出力が、前回の確認時よりも小さくなるまで前記溶接を繰り返して、前記外筒と内筒とを固定することを特徴とするレーザモジュールの組立方法。
  3. レーザ光源と、
    このレーザ光源から発せられたレーザビームを集光する集光光学系と、
    前記レーザ光源および集光光学系の一方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した外筒と、
    この外筒の内周面と摺動可能な外周面を有して該外筒内に固定され、前記レーザ光源および集光光学系の他方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した内筒と、
    前記集光光学系によって集光されたレーザビームが入射する光ファイバとを備えてなるレーザモジュールを組み立てる方法であって、
    前記集光光学系を経たレーザビームのビーム径を光ファイバへの入射位置でモニタし、
    前記外筒と内筒とを、前記レーザ光源と集光光学系との距離が最適値よりも大になっている状態にして、これら両筒を外筒の外周面側から溶接し、
    この溶接を行なう毎に前記ビーム径を確認し、
    このビーム径が予め設定した所定値以下になるまで前記溶接を繰り返して、前記外筒と内筒とを固定することを特徴とするレーザモジュールの組立方法。
  4. レーザ光源と、
    このレーザ光源から発せられたレーザビームを集光する集光光学系と、
    前記レーザ光源および集光光学系の一方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した外筒と、
    この外筒の内周面と摺動可能な外周面を有して該外筒内に固定され、前記レーザ光源および集光光学系の他方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した内筒と、
    前記集光光学系によって集光されたレーザビームが入射する光ファイバとを備えてなるレーザモジュールを組み立てる方法であって、
    前記集光光学系を経たレーザビームのビーム径を光ファイバへの入射位置でモニタし、
    前記外筒と内筒とを、前記レーザ光源と集光光学系との距離が最適値よりも大になっている状態にして、これら両筒を外筒の外周面側から溶接し、
    この溶接を行なう毎に前記ビーム径を確認し、
    このビーム径が前回の確認時よりも大きくなるまで前記溶接を繰り返して、前記外筒と内筒とを固定することを特徴とするレーザモジュールの組立方法。
  5. 前記レーザモジュールが、前記光ファイバを保持し、前記集光光学系を保持している外筒あるいは内筒に対して突き当てることにより、光ファイバ軸方向の位置が規定される光ファイバ保持手段を有するものであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載のレーザモジュールの組立方法。
  6. 前記外筒および内筒として、ステンレス鋼からなるものを用いることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載のレーザモジュールの組立方法。
  7. レーザ光源と、
    このレーザ光源から発せられたレーザビームを集光する集光光学系と、
    前記レーザ光源および集光光学系の一方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した外筒と、
    この外筒の内周面と摺動可能な外周面を有して該外筒内に固定され、前記レーザ光源および集光光学系の他方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した内筒と、
    前記集光光学系によって集光されたレーザビームが入射する光ファイバとを備えてなるレーザモジュールを組み立てる装置であって、
    前記光ファイバから出射したレーザビームの出力をモニタする出力モニタ手段と、
    前記外筒と内筒とを外筒の外周面側から溶接する溶接手段とを備えたことを特徴とするレーザモジュールの組立装置。
  8. レーザ光源と、
    このレーザ光源から発せられたレーザビームを集光する集光光学系と、
    前記レーザ光源および集光光学系の一方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した外筒と、
    この外筒の内周面と摺動可能な外周面を有して該外筒内に固定され、前記レーザ光源および集光光学系の他方を、その光軸が筒軸と平行になる状態に保持した内筒と、
    前記集光光学系によって集光されたレーザビームが入射する光ファイバとを備えてなるレーザモジュールを組み立てる装置であって、
    前記集光光学系を経たレーザビームのビーム径を光ファイバへの入射位置でモニタするビーム径モニタ手段と、
    前記外筒と内筒とを外筒の外周面側から溶接する溶接手段とを備えたことを特徴とするレーザモジュールの組立装置。
JP2007075812A 2007-03-23 2007-03-23 レーザモジュールの組立方法および装置 Withdrawn JP2008233706A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007075812A JP2008233706A (ja) 2007-03-23 2007-03-23 レーザモジュールの組立方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007075812A JP2008233706A (ja) 2007-03-23 2007-03-23 レーザモジュールの組立方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008233706A true JP2008233706A (ja) 2008-10-02

Family

ID=39906531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007075812A Withdrawn JP2008233706A (ja) 2007-03-23 2007-03-23 レーザモジュールの組立方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008233706A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012150329A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 光モジュールの製造方法
JP2018120137A (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 オリンパス株式会社 光学ユニット
WO2018139180A1 (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 オリンパス株式会社 光学ユニットの組立方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012150329A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 光モジュールの製造方法
JP2018120137A (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 オリンパス株式会社 光学ユニット
WO2018139180A1 (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 オリンパス株式会社 光学ユニットの組立方法
WO2018139235A1 (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 オリンパス株式会社 光学ユニット
JP2018120136A (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 オリンパス株式会社 光学ユニットの組立方法
CN109952522A (zh) * 2017-01-26 2019-06-28 奥林巴斯株式会社 光学单元
US11141817B2 (en) 2017-01-26 2021-10-12 Olympus Corporation Optical unit

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100450755C (zh) 用激光束连接三维形状的塑料工件的方法和装置
TWI292353B (en) Laser machining device, laser machining temperature measuring device and laser machining method, and laser machining temperature measuring method
KR0171374B1 (ko) 광집속렌즈를 포함하는 레이저 모듈 및 그 렌즈 고정방법
US20170371113A1 (en) Optical axis alignment method, optical axis alignment apparatus and method for manufacturing optical device
KR20110098672A (ko) 재료들을 재료 결합식으로 연결하는 방법 및 장치
US6827501B2 (en) Optical communication part and method of fabricating the same
JP3140994B2 (ja) レーザーエネルギーの手段で2つの各々の接触する素子間の接続を生成するデバイス
JP5184775B2 (ja) 光加工装置
JP2002014257A (ja) 半導体レーザモジュール
JP2008233706A (ja) レーザモジュールの組立方法および装置
JP2007065437A (ja) ファイバーコリメータ
JP2007225696A (ja) 光モジュールの製造方法、光モジュール、及び光モジュール用部材
JP4629842B2 (ja) 光モジュールの製造方法及び光モジュール
JP4514316B2 (ja) 半導体レーザモジュールの製造方法
JP4287494B2 (ja) 調芯固定方法および調芯固定装置
JP4401795B2 (ja) 光軸ずれの調整方法、及び光軸調整装置
CN107764294B (zh) 一种光纤法珀传感器熔接封装装置
US7021838B2 (en) Optimizing alignment of an optical fiber to an optical output port
JP2804238B2 (ja) 光半導体モジュールの製造方法
JP2002023019A (ja) 光素子モジュールの組み立て装置及び光軸調整方法
JP4233625B2 (ja) 金属薄板の溶接方法
JP3207939U (ja) 光線整形光学系、およびそれを用いたレーザはんだ溶着装置
JP2007304469A (ja) レーザモジュールおよびその組立装置
JP4127986B2 (ja) 調芯固定方法および調芯固定装置
JP4823715B2 (ja) 眼鏡用金属部材のレーザー光溶接方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100601