JP2008232312A - 2ピースオイルリング用線材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、上下レール方向に方向性のある2ピースオイルリングの上下方向判別が容易な2ピースオイルリング用線材を提供することを目的とする。
【解決手段】2ピースオイルリング用線材本体のウェブに設けられる通油孔を、レール外周側から見て、上下レール方向で一方向に揃えられた非対称形状の通油孔を含むものとすることで、2ピースオイルリングの上下方向判別を容易にする。具体的な通油孔形状は略台形、略三角形等である。
【選択図】 図2

Description

本願発明は、内燃機関の2ピースオイルリング用線材に関する。
従来から、往復動内燃機関においては、燃焼ガスや潤滑オイルのシールのために、ピストンリングが用いられている。ピストンリングには燃焼ガスをシールする圧力リングとオイルをシールするオイルリングがあり、更に、オイルリングには主にガソリンを燃料とするエンジンに使われる3ピースオイルリングと呼ばれるものと、軽油を燃料とするディーゼルエンジンに使われる2ピースオイルリングと呼ばれるものがある。両者とも内周側から板状或いはコイル状バネによりシリンダ内面に上下レール摺動面部が一定の接触圧力で接触して、上下レール間の潤滑油をシリンダ内面に塗布すると共に、余剰の潤滑オイルを掻き落し、適切な油膜を形成する役割をなしている。しかしながら、自動車ガソリンエンジンの低燃費化の要請から、3ピ−スオイルリングではピストン軸方向厚さを薄幅にする方向にあり、その結果、従来の3ピースオイルリングではオイルコントロール性能が不十分となってきており、ガソリンエンジンにも2ピースオイルリングが使われるようになってきている。
2ピースオイルリングはシリンダ内面と摺動するレール部とそれをつなぐ柱部(以後、ウェブ)から成る略M字型の本体とその本体を内周側から拡張するためのコイル状バネの2つで構成される。従来の2ピースオイルリング本体は、鋳鉄から加工により略M字型に削りだし、上下方向の中間部のウェブに切削により通油孔が形成されていた。しかしながら、近年、エンジンの高性能化に伴い、オイルンリングも高強度が望まれるようになり、2ピースオイルリングも鋳鉄製から鋼製に置換されるに至った。その結果、線材メーカーにおいて、丸線素材を焼鈍・圧延を繰り返し行い、略M字型の異形線材とした後、ウェブに穿孔により通油孔を設け、熱処理によって硬化する。その後、ピストンリングメーカーにより、コイリング、切断、外周加工、表面処理加工等が行われ2ピースオイルリング本体が作られるように成ってきている。
オイルリングは潤滑オイルのシールという役割から圧力リングに比べその面圧は数倍という高さに設定されていたが、自動車エンジンの低燃費化にあっては、オイルリングの摩擦力の低減が重要となってきており、面圧を下げる方向にある。しかしながら、一方では、一層のオイル消費の低減も求められて来ている。このようなことから、2ピースオイルリング外周摺動面の形状を見直すことが行われるように成ってきた。何故なら、4サイクル往復動内燃機関はピストンがシリンダ内周面を単に往復動するのであるが、吸気、圧縮、燃焼、排気という異なった4工程を1サイクルとするものであり、ピストンリングにあっては、その各工程で求められる機能も異なるものである。従って、従来のように、ピストン運動方向(ピストンリング上下方向)に対称な形状を有する必要はなく、上記各工程に適した形状が望ましいと思われるに至った。
このような2ピースオイルリングとして、例えば、特開平9−144881号には、ピストン上昇工程時の潤滑オイル掻き作用を抑制し、潤滑オイル消費量を低減する組合せオイルリングの形状として、ピストンリングの上下レールの外周摺動面が、シリンダ内周面と摺動する当り面と、当り面の上方に配置し当り面から離れるに従って径が小さくなるテーパ面とからなる構造としている。即ち、このようなオイルリングにあっては、ピストンリングの上昇時には、テーパ面によって油膜に乗り上げやすくなり、レール摺動面の潤滑オイル掻き上げ作用が抑制されると同時に摺動抵抗を低減することが出来る。又、ピストンリング下降時には摺動面下側のエッジでオイル掻き下げ能力が向上し、潤滑オイル消費量が低減するとしている。
このように、オイルリングの性能の向上を考えた場合、2ピースオイルリングにあっては、レール外周摺動面形状がピストンリング上下方向で非対称となる2ピースオイルリングが作られるようになってきた。このような中、回収した潤滑オイルの通り道である通油孔形状を見直すことも行われてきている。
特開昭63−277844号は、オイルリングの強度を損なうことのない通油孔の形状として、楕円形あるいは菱形にすることにより、通油孔の縁の周辺における断面二次モーメントの変化を緩やかにすることができ、オイルリングが曲げられた時に生じる膨出を小さくすることができることを開示するものである。
特開2006−22903号は、オイルリング軸方向高さが薄いオイルリングの強度を損なうことなく通油孔の面積を確保することが可能なオイルリングを提供することを目的としたもので、通油孔は、両端部に向き合うように配置された2つの円弧と、上記弧部の幅よりも広い幅方向の距離を有するように配置された2つの平行直線部と、上記弧部と上記平行直線部とを結ぶ斜行部とを有するものである。
特開2003−286899号は、ピストンのオイル戻し孔から燃焼ガスが漏れることを防止することが出来る2ピースオイルリングとして、ピストンリングに形成される通油孔がオイルリング下側のレールを貫通してオイルリング下側面に通じていることを特徴とする2ピースオイルリング本体を開示する。
特開2006−194272号は、オイルの通油性に優れたオイルリングに用いられる2ピースオイルリング用線材に関するもので、そのオイル通油孔の開口面積がオイルリング外周側よりもオイルリング内周側が大きくなるように、オイルリ通油孔の側壁の少なくとも一方が傾斜しているオイルリング用線材を開示する。
以上のように、2ピースオイルリングにおいては、通油孔形状に関する特許が数多く出願されているが、オイルリング上下方向で対称な形状の通油孔を持つものばかりであり、通油孔から、その上下方向を容易に判別できるものは無かった。
ところで、ピストンリング上下方向に非対称である外周摺動面形状を持つことを特徴とする2ピースオイルリング、例えば前記特開平9−144881号のようなオイルリングにあっては、その機能を発揮するためには、狙いとした方向でピストンに組付けされる必要があることは言うまでもない。従って、ピストンにピストンリングを組付ける時、ピストンリングの上下方向を正しく組むことが重要となる。上下方向を誤って組付けた場合、本来の目的とは違った働きとなるので、前記の潤滑オイル消費量の低減が行えず、却って、潤滑オイル消費量の悪化、摺動抵抗の増大をもたらすことになる。
ところが、このような従来の2ピースオイルリングにあっては上下レール部のシリンダとの接触面は極微細加工面であるので、目視でこの摺動面から2ピースオイルリングの上下方向の判別は非常に困難である。従って、上下方向を誤ってピストンに組付けること(以後、誤組)が発生した。そのため、ピストンリング製造メーカーと自動車メーカーとの間で誤組を防止するために、ピストンリングの合い口の一方側に標識を付ける等の取り決めを行い誤組の発生を防止している。
しかしながら、ピストンリング製造メーカーからピストンリングの組付けが行われる所へピストンリングを搬送する時には防錆油等を付けることが行われるので、この標識が消える可能性がある。又、標識を付ける前には、ピストンリング製造メーカーで上下方向判別を行う必要があるが、上記の理由で、この判別作業が容易とは言えない。そのため、これら2ピースオイルリングの生産コスト的は高いものとなっており、このような方向性のあるオイルリングの普及の妨げとなっていた。
即ち、オイルリング外周摺動面を上下方向に方向性のある摺動面を設けた2ピースオイルリングにあっては、その後、前記標識を付けるためにも、方向性を容易に判別可能な2ピースオイルリングが望ましく、更に、標識を設けずとも容易に方向判別が出来る2ピースオイルリングが一層望ましいと言える。
特開平9−144881号 特開昭63−277844号 特開2006−22903号 特開2003−286899号 特開2006−194272号
本願発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、2ピースオイルリングの上下レール部の外周摺動面形状に方向性を持たせた2ピースオイルリングの製造に於いて、これら方向性が容易に判別可能な2ピースオイルリング用線材を提供することを目的とするものである。
本願発明では上記課題を解決するために次の手段を用いる。
本願第一の発明は、油掻きを目的とした上下レール(10、11)とそれをつなぐウェブ(15)とからなり、前記ウェブ(15)には、複数の通油孔(2)が設けられている2ピースオイルリング用線材において、前記通油孔(2)は、上下レール方向で一方向に揃えられた非対称形状の通油孔を含むことを特徴とする2ピースオイルリング用線材である。また、本願第二の発明は、上下レール方向で非対称形状の通油孔が略台形又は略三角形の形状であることを特徴とする本願第一の発明の2ピースオイルリング用線材である。
ここで、通油孔(2)が「上下レール方向で非対称形状」とは、2ピースオイルリング用線材をレール摺動面側から見た時に通油孔の平面形状が上下レールの上下方向中心線に対して線対称ではないことを意味する。
又、ここで云う「上下レール方向で一方向に揃えられた」とは、略台形又は略三角形等の非対称な形状の通油孔が2ピースオイルリング用線材の線材方向に移動した如く、同じ方向を向いた形をしていること意味する。例えば、非対称な形状が略三角形の場合では、その底辺が2ピースオイルリング用線材の一方のレール側に有ることで揃っている通油孔であることを意味する。
又、更に、ここで言う「略台形」とは上下方向の辺の長さが異なるものであって、図形の上下方向が判別できる程度のもので良く、数学的な台形を意味するものではない。従って、通油孔のオイルリング周方向の両辺が曲線であるものも含まれる。「略三角形」は三辺で形成されていて、上下方向が判別できるものをいう。尚、両形状とも、各辺の交点が曲線であるものも含まれる。
図1は上レール(10)の外周摺動面形状(12)がレール外周面の軸方向中心より軸方向下寄りを頂点として、軸方向上方に縮径したテーパ面で形成され、上レール上斜面(14)につながっており、下レール(11)の外周摺動面(12)も上レールの外周面と同様に、下レール外周面の軸方向中心より軸方向下寄りを頂点として、軸方向上方に縮径したテーパ面で形成され、下レール上面(16)につながっているように構成されている2ピースオイルリングである。このような2ピースオイルリングでは、その外周摺動面形状の目的とする効果を発揮させるには、ピストンに2ピースオイルリングを組付ける際に、上記のようにピストンリングを組付けなければならない。しかしながら、従来の2ピースオイルリングに有っては、上下方向の判別は前記外周摺動面(12)の形状から判別するほかなく、ピストンリング全加工が終了後に判別装置を用いて判別し、自動車メーカーでの組付け時に上下方向が判るように標識を付けていた。しかしながら、この標識も消えることが多く確実なものとは言えなかった。
そこで、本願発明では2ピースオイルリングを外周レール側から、通油孔の形状を見ることで上下方向判別ができるように、2ピースオイルリング用線材の穿孔の段階で上下方向に非対称な形状の通油孔を設けておき、上下レール外周摺動面に方向性のある加工を行う時に、通油孔形状を拠り所に、前もって決めておいた方向に合わせて加工する。このように加工すると、後工程で上下方向が不揃いになっても、最終段階での方向合わせを目視又は自動判別機で容易に行えるし、ピストンへのオイルリング組付け時に於いても、組付け機に上下方向を間違えることなく取り付けることができるから、誤組を解消することが出来る。
以下、本願発明の内燃機関用2ピースオイルリング用線材について図面を用いて具体的に説明する。
図2は本願発明に係る2ピースオイルリング用線材(a)(b)及び従来の2ピースオイルリング用(c)線材をピストンリングの外周面側となるレール側から見た平面図である。上下レール(10,11)に挟まれたウェブ(15)に複数の通油孔が設けられている。図2(a)の2ピースオイルリング用線材は、通油孔が上下レール方向で非対称形状の一形態である略台形の通油孔(2a)と上下レール方向で対称形状の一形態である略長円の通油孔(2c)から成るものである。前記非対称形状の略台形の通油孔(2a)は、上レール側の長直線(3)と下レール側の短直線(4)と前記長直線及び前記短直線の左端部を結ぶ左辺(5)と前記長直線及び前記短直線の右端部を結ぶ右辺(6)から成るものであり、上レール側を長辺とする一方向に揃えられている。この例では、1つの略台形の通油孔と1つの略長円の通油孔が繰り返されて形成されている。
ここで、図2(a)は本発明の一実施形態であり、本発明はこれに限定されるものではなく、上下レール方向非対称な形状としては、前記略台形以外に、三角形(2b)、平行四辺形等を用いることが出来る。又、上下レール方向対称な形状としては、円、楕円、長円、正方形、長方形等を用いることが出来る。又、上下レール方向非対称な形状の通油孔は上下レール方向対称な形状の通油孔1から5個置きに繰り返し形成されている。尚、ピストンリングに成形した場合には、ピストンリング周方向両端が前記通油孔に掛かることがあるので、この限りではない。
次に、本願発明の2ピースオイルリング線材の製造方法について述べる。本願発明の2ピースオイルリングは冷間引抜き法或いはロールダイスの温間加工法にてより製造する異形線材であり、上下レール(10,11)の外周摺動面形状が、非対称の2ピースオイルリングに用いられることが好ましく、線材の両レール外周摺動面形状を目的とする方向性もったものに近い形状に成形することで加工量低減が図られ望ましいが、この非対称外周摺動面形状は外周摺動面加工時に本願発明の通油孔の方向性を目安に加工することも出来るので、特にそのような線材である必要はない。尚、通油孔形状の方向性と外周摺動面形状の方向性には望ましい関係があるとも考えられるが、上記の通り、外周摺動面加工は通油孔の方向性に合わせ加工することも出来るのでここで限定しない。
まず、スチール素材を熱間圧延後焼鈍したコイル材の表面疵を除去した後、温間伸線によりオイルリング本体寸法にあった線径にし、四方ロールにより長方形断面の平角線材にする。これを温間及び冷間での孔型ロールダイスによる連続異形ロール加工を施し、本願発明の2ピースオイルリング用の異形線材を得る。通油孔の形成は、一般的には、打ち抜きパンチにより形成される。その後、焼入れ焼戻しを行い、2ピースオイルリング用線材にする。打抜き穿孔では、複数の並べられた打抜きパンチで穿孔し、同時に複数の通油孔を作製する。従って、そのパンチの一部又は全部を上下方向に非対称の形状が打抜けるパンチとし、残りを上下方向対称な通油孔が打抜けるパンチとすれば、非対称形状の通油孔と対称形状の通油孔が規則的に周期的に配列した線材を得ることが出来る。このように、2ピースオイルリング用線材を作ると、2ピースオイルリングに成形してからも、形成した上下方向非対称な通油孔があるパターンで両端を除き、繰り返しで一視野内に現れるから、2ピースオイルリングの上下の方向性を容易に確認できる。
本願発明の2ピースオイルリング線材は、外周摺動面に硬質クロムめっき皮膜やイオンプレーティング皮膜を設け使用される軟鋼線材やガス窒化層、塩浴窒化層等を形成して使用される耐摩耗性や耐熱性向上に富むマルテンサイト系ステンレス鋼等の高合金鋼の素材から成形されるので穿孔には打抜きパンチによる穿孔が行われてきたが、近頃は、オイルリングの薄幅化に伴い通油孔が微細になってきたことから、打抜きパンチによる穿孔のほか、レーザーや電子ビーム等を用い、通油孔を形成することも行われるようになってきている。
本願第二の発明においては上下方向非対称の通油孔の形状を略台形又は略三角形にする。略台形の通油孔は従来の長円や四角形状の通油孔と比べてもオイル通過性能や上下方向の強度の低下が少ないので非対称の通油孔として好ましい。略台形の角や軸方向辺を円弧状にすれば、断面モーメントの変化も小さくなるのでより好ましい。略三角形とすると視認性が良くなり、誤った組付け等の恐れが一層少なくできる。尚、三角形形状とした場合は、穿孔でのパンチの寿命やリング強度等から、底辺の長い三角形が望ましい。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本願発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示して本願発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
素材材質がC:0.85、Si:0.35、Mn:0.30、P:0.03、S:0.02、Cr:18.0、Mo:1.25、V:0.10、Fe:残部(質量%)(JIS SUS440B相当)のスチール丸線を熱間圧延後焼鈍し、更に、コイル材の表面疵を除去した後、温間伸線によりオイルリング本体寸法にあったφ5.5mmにした。これを四方ロールにより長方形断面の平角線材にし、温間及び冷間での孔型ロールダイスによる連続異形ロール加工を施し2ピースオイルリング用の異形線材を得る。通油孔の形成は、打ち抜きパンチにより形成した。打抜きパンチは5穴を同時に穿孔するもので、その中央のパンチを略台形の形状が打ち抜けるものにし、他は従来の長円形状が打抜けるものにした。その後、焼入れ焼戻しを行い、上下方向幅が1.5mm、内外径厚さが1.5mmの2ピースオイルリング用線材を得た。通油孔の形状は、略台形と長円であり、略台形が2個に長円が3個の割合で配置されているものである。
この線材を、外径が75.0mmになるようにピストンリング用コイリング装置により成形し、コイリング状態のものをある程度外周摺動面に近似した形状に砥石加工を行い、切断、その後、熱処理で成形時の応力の除去を行い、さらに、表面処理としてガス窒化層を形成した。その後、レール外周摺動面を砥石加工により、レールの外周摺動面形状がピストン軸方向中心からピストン軸方向下寄りを頂点とした非対称形状から形成され上レール上面につながっており、下レールの外周摺動面も上レールの外周面と同様に、下レールのピストン軸方向からピストン軸方向下寄りを頂点とした非対称形状から形成され、下レール下面につながっているように構成されている方向性のある外周摺動面形状を作成した。次に、リング合口部を整え、本体の高さh1が1.5mmになるように側面の加工を施すという工程で2ピースオイルリング本体を製造した。
前記外周摺動面加工は、2ピースオイルリング本体を略台形の通油孔の長辺が上となるように方向合わせを行い、プロフィール研磨で1本ずつ行った。この時、コイリング状態で外周摺動面に近似した形状に砥石加工を行った方向に合わせる必要があったが、2ピースオイルリングの非対称通油孔を目印に目視により行ったが、上下方向の判別は容易であり、又、方向が間違っていたものはなかった。次に、全ての加工が終了してから、標識を付ける工程において、ピストンリングの上下方向判別も非対称通油孔を目印に実施したが、ピストンリングの上下方向判別が目視により容易に行えた。
[実施例2]
素材材質がC:0.75、Si:0.25、Mn:0.75、P:0.01、S:0.02、Fe:残部(質量%)(JIS SWRH77B)のスチール丸線を実施例1と同様な加工によって、2ピースオイルリング用の異形線材を得た。その後、通油孔の形成を行った。通油孔は非対称形状を略三角形、対称形状を長円とした。その後焼き入れ入れ焼戻しを行い、上下方向幅が2.0mm、内外径厚さが2.0mmの2ピースオイルリング用線材を得た。通油孔は略三角形が1個に長円が4個の割合で配置されているものである。この線材を、外径が83.0mmになるようにピストンリング用コイリング装置により成形し、切断、その後、熱処理で成形時の応力の除去を行った。
上記熱処理が終わった2ピースオイルリングの外周加工を行い、レールの外周摺動面形状がピストン軸方向中心からピストン軸方向下寄りを頂点とした非対称形状から形成され上レール上面につながっており、下レールの外周摺動面も上レールの外周面と同様に、下レールのピストン軸方向からピストン軸方向下寄りを頂点とした非対称形状から形成され、下レール下面につながっているように構成されている方向性のある外周摺動面形状を作成した。この時、外周面加工の方向性は三角形の頂点を目印に行った。
その後、表面処理としてイオンプレーティング皮膜を形成し、ダイヤモンド砥粒を用いてラッピングにより外周摺動面のあたり確認を行い、さらに、リング合口部を整え、本体の高さh1が2.0mmになるように側面の加工を施し、最後に、防錆用にリン酸塩皮膜を施し、2ピースオイルリング本体を完成させた。
最後に、出荷にむけて、外周摺動面に標識を付ける目的で、三角形の頂点が一方向となるように約100本の2ピースオイルリングを揃え、レーザー光を用いた外周面形状自動判別機により確認したところ、方向が異なっているものはゼロであった。
上下レール外周摺動面形状が上下方向非対称な2ピースオイルリングの断面図。 本願発明の2ピースオイルリング線材及び従来の2ピースオイルリング線材を外周レール側から見た概略平面図であり、(a)(b)は本願発明品、(c)は従来品
符号の説明
1−−2ピースオイルリング本体
2−−通油孔
2a−−略台形の通油孔
3−−上辺
4−−下辺
5−−左辺
6−−右辺
10−−上レール
11−−下レール
12−−レール外周摺動面
13−−上レール下斜面
14−−上レール上斜面
15−−ウェブ
16−−下レール下斜面
17−−下レール下斜面
18−−コイルエキスパンダ

Claims (2)

  1. 油掻きを目的とした上下レール(10、11)とそれをつなぐウェブ(15)とからなり、前記ウェブ(15)には、複数の通油孔(2)が設けられている2ピースオイルリング線材において、前記通油孔は、上下レール方向で一方向に揃えられた非対称形状の通油孔を含むことを特徴とする2ピースオイルリング用線材。
  2. 前記上下レール方向で非対称形状の通油孔が略台形又は略三角形の形状であることを特徴とする請求項1記載のピースオイルリング用線材。
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