JP2008231979A

JP2008231979A - 消音チャンバーダクト

Info

Publication number: JP2008231979A
Application number: JP2007070402A
Authority: JP
Inventors: Takayuki Ichikawa; 高行市川
Original assignee: Roki Co Ltd
Current assignee: Roki Co Ltd
Priority date: 2007-03-19
Filing date: 2007-03-19
Publication date: 2008-10-02
Also published as: US20080230306A1; CN101270711A

Abstract

【課題】高周波数帯の音の低減効果を保ちながら中周波数帯の音の低減効果を向上する消音チャンバーダクトを提供する。
【解決手段】吸気システム（１）に組み込まれると共に吸気システム（１）内の音を逃す第1の孔（１１ａ、２１ａ、３１ａ）を有したパイプ（１１、２１、３１）と、音が減衰されるようにパイプ（１１、２１、３１）を覆うと共に第２の孔（１３ａ、２３ｄ、３３ｂ）を有したカバー（１３、２３、３３）を含む。
【選択図】図２

Description

本発明は、例えば、内燃機関、空調機、空気圧縮機の吸気システムに適用される消音チャンバーダクトに関する。

一般の吸気ダクトは、空気を吸い込み、又は、排出する際に、音を発生する。

関連の吸気ダクトは、吸気口部分と、樹脂ダクト部分と、吸気口部分と樹脂ダクト部分とを連結する繊維ダクト部分とを含む。繊維ダクト部分は、通気性を有する織布からなる（特許文献１参照）。

別の吸気ダクトは、第１のダクトと第２のダクトとの間に接続した円筒状のインナーフレームと、インナーフレームを覆う外筒と、外筒の内周面に貼り付けられた吸音材と、インナーフレーム及び外筒の端部間に充填された端部壁部材とを含む（特許文献２参照）。

特開２００３−３４３３７３号公報特開２００４−３４６７５０号公報

特許文献１の吸気ダクトは、中周波数帯の吸気音の低減について大きな効果を有する。しかし、この吸気ダクトでは、高周波数帯の吸気音の低減効果は小さい。

特許文献２の吸気ダクトは、高周波数帯の吸気音の低減について大きな効果を有する。しかし、この吸気ダクトでは、中周波数帯の吸気音の低減効果は小さい。また、この吸気ダクトは低周波数帯の吸気音の低減について効果を発揮しない。

そこで、本発明の課題は、高周波数帯の音の低減効果を保ちながら中周波数帯の音の低減効果を向上する消音チャンバーダクトを提供することである。

以下、符号を参照して発明の特徴を説明する。なお、符号は参照のためであり、発明の特徴は実施の形態に限定されない。

本発明の特徴は、次の要素を含む消音チャンバーダクト（５）である。同ダクトは、吸気システム（１）に組み込まれると共に吸気システム（１）内の音を逃す第1の孔（１１ａ、２１ａ、３１ａ）を有したパイプ（１１、２１、３１）を含む。同ダクトは、音が減衰されるようにパイプ（１１、２１、３１）を覆うと共に第２の孔（１３ａ、２３ｄ、３３ｂ）を有したカバー（１３、２３、３３）を含む。

第１の孔（１１ａ、２１ａ、３１ａ）と第２の孔（１３ａ、２３ｄ、３３ｂ）とは変位している。

第１の孔（１１ａ、２１ａ、３１ａ）と第２の孔（１３ａ、２３ｄ、３３ｂ）とはパイプ（１１、２１、３１）の周方向に離れている。

第１の孔（１１ａ、２１ａ、３１ａ）及び第２の孔（１３ａ、２３ｄ、３３ｂ）はパイプ（１１、２１、３１）の径方向に向いている。

第１の孔（１１ａ、２１ａ、３１ａ）はパイプ（１１、２１、３１）の径方向に向いており、第２の孔（１３ａ、２３ｄ、３３ｂ）はパイプ（１１、２１、３１）の周方向に向いている。

第１の孔（１１ａ、２１ａ、３１ａ）はパイプ（１１、２１、３１）の縦方向に向いており、第２の孔はパイプ（１１、２１、３１）の横方向に向いている。

パイプ（１１、２１、３１）は吸音材（１２、２２、３２）を含む。

以上の発明の特徴によれば、第２の孔は高周波数帯の音の低減効果を保たせつつ、中周波数帯の音を低減させる。

また、第２の孔は、第１の孔と重ならないので、低周波数帯の音の著しい漏れを防止する。

以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。

第１の実施形態
図１を参照して、吸気システム１は、空気を吸い込むためのインテークダクト２と、インテークダクト２と接続したエアクリーナ３と、エアクリーナ３と接続すると共にエンジン側に配置されたエアフローチューブ４と、インテークダクト２に組み込まれた消音チャンバーダクト５を含む。

図２を参照して、消音チャンバーダクト５は、インテークダクト２と接続したパイプとしてのインナーパイプ１１と、インナーパイプ１１を囲むパイプとしての吸音材１２と、吸音材１２を囲むカバーとしてのアウターパイプ１３を含む。

図３を参照して、円筒状のインナーパイプ１１は、円筒軸方向（以下、軸方向と称する。）の両端部に一対のフランジ１１ｂを有する。インナーパイプ１１は、フランジ１１ｂの間に配置され、軸方向に延びる第１の孔としての長孔１１ａを有する。長孔１１ａは、周方向に２列に配置され、時計方向に、例えば、３０度、１２０度、１５０度、２１０度、３３０度に配置される（図３（Ｃ）参照）。この長孔１１ａはインテークダクト２内の音を逃がし、インテークダクト２内の共鳴を防止する。

円筒形の吸音材１２は、インナーパイプ１１のフランジ１１ｂの間に保持され、長孔１１ａを覆う。吸音材１２は、例えば、連続気泡を有するポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、メラニン樹脂フォーム、不織布、繊維体などを用いる。

円筒形のアウターパイプ１３は、インナーパイプ１１のフランジ１１ｂ間に配置される。アウターパイプ１３は、軸方向に配列された第２の孔としての逃し孔１３ａを有する（図３（Ｂ）参照）。この逃し孔１３ａは、時計方向において、例えば、９０度、２７０度の位置に形成される。すなわち、逃し孔１３ａは長孔１１ａに対して周方向に離れるように変位し、つまり、逃し孔１３ａは長孔１１ａと重ならないように所定の角度で変位している。また、逃し孔１３ａはインナーパイプ１１の壁と向き合う。逃し孔１３ａは長孔１１ａと同様にインナーパイプ１１の径方向に向いている。

次に、吸気システム１の使用方法を説明する。

図１を参照して、例えば、エンジンが始動し、吸気バルブは空気を吸入する。空気はインテークダクト２内に流れ、エアクリーナ３を通過し、エアフローチューブ４からエンジン側へ吸気される。空気は吸気バルブ内で脈動を生じ、吸気音を発生させ、その吸気音が上記の逆路で伝達し吸気口から放射する。

このとき、図２を参照して、インナーパイプ１１は長孔１１ａから吸気音をアウターパイプ１３内へ逃がす。吸音材１２は逃げた吸気音の内１０００Ｈｚ以上の高周波数帯の吸気音を吸収する。アウターパイプ１３の逃し孔１３ａは２００Ｈｚ〜４００Ｈｚの中周波数帯の吸気音を外部へ逃がし、チャンバーダクト５内の気柱共鳴を防止し、中周波数帯の吸気音の低減を図る。ここで、逃し孔１３ａは、長孔１１ａに対して周方向の位置について変位し、インナーパイプ１１の壁と向き合っている。この構造は、１５０Ｈｚ以下の低周波数帯の吸気音の著しい漏れを防止する。

以上の消音チャンバーダクト５によれば、逃し孔１３ａは高周波数帯の音の低減効果を保たせつつ、中周波数帯の音を低減させる。

また、逃し孔１３ａは、長孔１１ａと重ならないので、低周波数帯の音の著しい漏れを防止する。

次に、図４を参照して、消音チャンバーダクト１の実験結果を説明する。

図４（Ａ）、（Ｂ）に示すグラフは、実施例と比較例１とを比較した結果である。実施例は、本実施形態の消音チャンバーダクトであり、比較例１は消音器を有しないダクトである。横軸は吸気音の周波数を示し、縦軸は所定の周波数の吸気音の減衰量を示す。

実施例は、比較例１と比較して、２０００Ｈｚ〜５０００Ｈｚの高周波数帯及び２００Ｈｚ〜４００Ｈｚの中周波数帯の吸気音について、最大４０ｄＢ程度の大きな減衰量を示す。さらに、実施例は、１５０Ｈｚ以下の低周波数帯の吸気音について、比較例１と略同じ程度の減衰量を示す。

図４（Ｃ）、（Ｄ）に示すグラフは、実施例と比較例２とを比較した結果である。比較例２は、本実施形態に類似の消音チャンバーダクトであり、アウターパイプに孔を有しない構造を有する。

実施例及び比較例２は２０００Ｈｚ〜５０００Ｈｚの高周波数帯において吸気音の等しい減衰量を示す。一方、実施例は、１５０Ｈｚ〜２８０Ｈｚの中周波数帯について、比較例２より最大２０ｄＢの大きな減衰量を示す。また、実施例は、１５０Ｈｚ以下の低周波数帯について、比較例２より最大５ｄＢ程度の僅かに大きな減衰量を示す。

以上から、実施例は、高周波数帯及び中周波数帯の吸気音を大きく減衰するとともに、低周波数帯の吸気音を略維持することが確認された。

第２の実施形態
図５（Ａ）、（Ｂ）を参照して、消音チャンバーダクト５Ａは、パイプとしてのインナーパイプ２１と、インナーパイプ２１の上に配置されたパイプとしての吸音材２２と、吸音材２２の周囲に配置されたカバーとしてのアウターカバー２３とを含む。

インナーパイプ２１は、上半周面に所定の角度の間隔で配列された第１の孔としての孔２１ａを有する（図５（Ｂ）参照、図５（Ａ）は、代表として頂部の孔を示す。）。これらの孔２１ａは、軸方向にも所定の間隔で配列される。

吸音材２２は、半円筒形であり、インナーパイプ２１の孔２１ａを覆う。

アウターカバー２３は、周方向に延びると共に吸音材２２の外面を覆う半円筒形の基壁２３ａを含む。アウターカバー２３は、基壁２３ａの周方向端から径方向内方へ延びると共に吸音材２２の周方向の端面を覆う周方向端壁２３ｂを含む。アウターカバー２３は、基壁２３ａの軸方向端から径方向内方へ向けて延びると共に吸音材２２の軸方向端面を覆う軸方向端壁２３ｃとを有する。

周方向端壁２３ｂは、軸方向に配列された第２の孔としての逃し孔２３ｄを有する。この逃し孔２３ｄは、孔２１ａに対して周方向において離れるように変位している。また、逃し孔２３ｄはインナーパイプ２１の周方向に向いているのに対して、長孔２１ａはインナーパイプ２１の径方向に向いている。よって、逃し孔２３ｄは、消音チャンバーダクト５Ａに第１の実施形態と同様の効果を与える。

また、図５（Ｃ）を参照して、変形の態様に係わる消音チャンバーダクト５Ｂは、パイプとしての断面矩形のインナーパイプ３１を含む。インナーパイプ３１は第１の孔としての孔３１ａを形成した上壁を有する。同ダクト５Ｂは、前記孔３１ａを覆うようにインナーパイプ３１の上壁に配置された断面矩形の吸音材３２を含む。同ダクト５Ｂは、吸音材３２の周囲に配置されたカバーとしてのアウターカバー３３を含む。

このアウターカバー３３は、横方向に対向する側壁３３ａを有する。両側壁３３ａは、孔３１ａ対して断面横方向に離れるように変位する第２の孔としての逃し孔３３ｂを有する。逃し孔３３ｂはインナーパイプ３１の横方向に向いているのに対して、孔３１ａはインナーパイプ３１の縦方向に向いている。この逃し孔３３ｂも消音チャンバーダクト５Ｂに第１の実施形態と同様の効果を与える。
なお、本発明は、実施の形態に限定されず、実施の形態の修正及び変更は発明の趣旨を逸脱しない範囲で可能である。

本発明の第1の実施形態に係わる消音チャンバーダクトを適用した吸気システムの概要図である。図１に示す消音チャンバーダクトの平面図である。（Ａ）は消音チャンバーダクトの分解斜視図であり、（Ｂ）はアウターパイプの拡大斜視図であり、（Ｃ）はチャンバーダクトの断面図である。（Ａ）、（Ｂ）は、実施例と比較例１とを比較した消音効果を示すグラフであり、（Ｃ）、（Ｄ）は、実施例と比較例２とを比較した消音効果を示すグラフである。（Ａ）は第２の実施形態に係わる消音チャンバーダクトの斜視図であり、（Ｂ）は同消音チャンバーダクトの断面図であり、（Ｃ）は変形の形態に係わる消音チャンバーダクトの断面図である。

符号の説明

１吸気システム
２インテークダクト
３エアクリーナ
４エアフローチューブ
５消音チャンバーダクト
１１インナーパイプ
１１ａ長孔
１２吸音材
１３アウターパイプ
１３ａ逃し孔
２１インナーパイプ
２１ａ孔
２２吸音材
２３アウターカバー
２３ｄ逃し孔
３１インナーパイプ
３２吸音材
３３アウターカバー
３３ｂ逃し孔

Claims

吸気システムに組み込まれると共に吸気システム内の音を逃す第1の孔を有したパイプと、
音が減衰されるように前記パイプを覆うと共に第２の孔を有したカバーとを含む消音チャンバーダクト。
前記第１の孔と前記第２の孔とは周方向に離れている請求項１に記載の消音チャンバーダクト。
前記第１の孔及び前記第２の孔は前記パイプの径方向に向いている請求項２に記載の消音チャンバーダクト。
前記第１の孔は前記パイプの径方向に向いており、前記第２の孔は前記パイプの周方向に向いている請求項２に記載の消音チャンバーダクト。
前記第１の孔は前記パイプの縦方向に向いており、前記第２の孔は前記パイプの横方向に向いている請求項２に記載の消音チャンバーダクト。
前記パイプは吸音材を含む請求項１に記載の消音チャンバーダクト。