JP2008231812A - 複合防水工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリートなどの下地層のクラックに対する下地ひび割れ追従性に優れると共に、高耐久な防水性と良好な施工性とを併せ持ち、さらに平坦な仕上り面を形成できる防水工法の提供。
【解決手段】構造物の施工面にアスファルト系防水シート14を敷設する工程と、前記アスファルト系防水シートの上面にポリマーセメント組成物19を塗布する工程とを有する複合防水工法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、屋上、ベランダ、床、駐車場などに敷設することができる複合防水層の施工方法及びその複合防水構造に関する。
建築物の壁の補修方法として、外壁面からの雨水の漏洩或いは外壁面の損傷により一部剥落の生じた建築物の壁の補修方法に関し、特許文献1には基布の片面にゴムアスファルトが積層された防水シートの、ゴムアスファルト層を壁面に貼着し、防水シートの端部を壁面に固定し、防水シートの基布面にポリマーセメントペースト又はモルタルを塗布し、さらに、ポリマーセメントペースト又はモルタル層面に外装材を積層する構築物の補修方法が開示されている。
新設及び/又は既設の床面に、粘着剤層と布層とを両外層に有する少なくとも2層に積層された粘着シートの粘着剤層を貼り付け、その上面に、セルフレベリング材を施工して得られる床構造体及び床の施工方法及び改修方法に関し、特許文献2に無機製材料、樹脂製材料、木製材料、金属製材料、又はこれらが複数混在している床面に速硬性のアルミナセメント系などのセルフレベリング材を施工しても剥がれや膨れが起きることがなく、早期に床を施工、又は補修や改修が可能な方法が開示されている。
また、特許文献3には、初期の下地ひび割れの伸びが大きく、経年劣化後においても十分な下地ひび割れの伸びを有し、長期防水性に優れ、耐水性及び耐候性、施工性に優れるポリマーセメント組成物として、水硬性成分にアルミナセメントのほかにポルトランドセメント及び石膏から選ばれる成分を1種又は2種含むポリマーセメント組成物が開示されている。
特開昭63−297644号公報 特開2006−257855号公報 特開2004−293070公報
本発明は、コンクリートなどの下地層のクラックに対する下地ひび割れ追従性に優れると共に、高耐久な防水性と良好な施工性とを併せ持ち、さらに平坦な仕上り面を形成できる防水工法の提供を目的とした。
本発明者らは、下地ひび割れ追従性、耐水性、耐候性及び施工性に優れた改質アスファルト防水シート工法と、下地ひび割れ追従性、耐水性、耐候性及び施工性に優れるポリマーセメント組成物を用いた塗膜防水工法とを組合せて用いることにより、施工面のクラックに対するひび割れ追従性に優れ、極めて優れた防水性、耐久性と良好な施工性とを併せ持ち、さらに平坦な仕上り面を形成して良好な歩行安全性を確保できる防水工法を完成させた。
すなわち、本発明の第一は、
構造物の施工面にアスファルト系防水シートを敷設する工程と、
前記アスファルト系防水シートの上面にポリマーセメント組成物を塗布する工程とを有することを特徴とする複合防水工法である。
本発明の第二は、
構造物の施工面に防水シート用プライマーを施工する工程と、
前記プライマー層の上面にアスファルト系防水シートを敷設する工程と、
前記アスファルト系防水シートの上面にポリマーセメント組成物を塗布する工程と、
前記ポリマーセメント組成物の未硬化の塗布層に織布及び/又は不織布を敷設する工程と、
前記不織布の上面にポリマーセメント組成物を塗布して硬化させる工程とを有すること
を特徴とする複合防水工法である。
本発明の第三は、
本発明の第一又は本発明の第二によって得られる複合防水構造体である。
本発明の複合防水工法及び複合防水構造体の好ましい態様を以下に示す。これらは複数組み合わせることができる。
1)ポリマーセメント組成物の硬化層の上面にトップコート層を設ける工程とを有すること。
2)アスファルト系防水シートは、最下層に自己粘着性を有する改質アスファルト層であること。
3)ポリマーセメント組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン及び/又はアクリル共重合体エマルジョンとアルミナセメントとを含むコンクリート防水用ポリマーセメント組成物であること。
4)構造物の施工面は、新築建築物または既存建築物の屋上、ベランダ又はバルコニーのいずれかであること。
本発明の複合防水工法は、構造物の施工面と、ポリマーセメント組成物を用いて形成する防水層との間に、アスファルト系防水シートを介在させて施工面とポリマーセメント組成物硬化層(防水層)とに良好な接着状態を形成することによって、ポリマーセメント組成物のみを用いた場合、及び、アスファルト系防水シートのみを用いた場合と比較して、より以上の高い下地ひび割れ追従性を得ることができる。
また、防水性能及び防水層の耐久性についても、ポリマーセメント組成物またはアスファルト系防水シートのいずれかを用いた場合と比較して、複合防水となることから、極めて優れた防水性能を有しつつ高耐久性であり、長々期の供用に耐えてメンテナンス頻度を大幅に低減し、ライフサイクルコストの抑制に貢献するものである。
また、本発明ではアスファルト系防水シートを用いるが、該防水シートのみを用いた場合に仕上り面に発生する防水シートと防水シートの重ね合わせに伴う段差についても、本発明ではポリマーセメント組成物硬化層(防水層)を設ける過程で解消することが可能であり、仕上り面の歩行安定性も確保される。
さらに、ポリマーセメント組成物の硬化層(防水層)の上面にトップコート層を設けることによって、ポリマーセメント組成物の硬化層(防水層)とアスファルト防水シートとから構成される優れた複合防水層の耐候性をより一層高めることができる。
本発明は、構造物の施工面にアスファルト系防水シートを敷設する工程と、前記アスファルト系防水シートの上面にポリマーセメント組成物を塗布する工程とを有することを特徴とする複合防水工法と、該工法によって得られる複合防水構造体である。
さらに、本発明は、構造物の施工面に防水シート用プライマーを施工する工程と、前記プライマー層の上面にアスファルト系防水シートを敷設する工程と、前記アスファルト系防水シートの上面にポリマーセメント組成物を塗布する工程と、前記ポリマーセメント組成物の未硬化の塗布層に織布及び/又は不織布を敷設する工程と、前記不織布の上面にポリマーセメント組成物を塗布して硬化させる工程とを有することを特徴とする複合防水工法と、該工法によって得られる複合防水構造体である。
次に、本発明の複合防水工法の施工手順について説明する。
図2(a〜d)は、構造物の施工面(一例として屋上面)に本発明の複合防水工法を適用する手順を示す模式図である。
本発明の複合防水工法では、まず構造物30の施工面31の全面を対象として、施工面の表面に付着した汚れ、埃及び付着物などの除去を行い、防水シート用プライマーを施工面全体に塗布して乾燥させる。
次に、図2(a)に示すとおり、構造物の施工面31の全面にアスファルト系防水シートを敷設する工程では、先行して敷設された防水シートの長辺方向の端部と、後から敷設される防水シートの長辺方向の端部とを、好ましくは80〜120mm(図1(b)、r=80〜120mm)重ね合わせて敷設することで良好な防水性能が得られる。
構造物の施工面31の全面にプライマー層を設け、アスファルト系防水シート32を敷設した後、図2(b)に示すように、不織布からなる基材層と最下層全面が自己粘着性を有する改質アスファルトとを含む防水シート37を、先に敷設が完了しているアスファルト系防水シート32敷設部の周囲に、該防水シート敷設部と好ましくは100mm以上、さらに好ましくは200mm以上、特に好ましくは300mm以上、重なった部分が形成されるように敷設する。
最下層全面が自己粘着性を有する改質アスファルトである防水シート37は、施工面32から側壁部34、36までそれぞれ連続的に敷設することによって、側壁の壁面を伝って雨水が進入することを防止できることから好ましい。
また、防水シートの短辺部と短辺部とをつき合わせた部分については、最下層全面が自己粘着性を有する改質アスファルトの防水シートをつき合せ部分(図1(c))の上面に敷設して防水性能を確保する。
図2(c)に示すように前記敷設した防水シートの上面の全面にポリマーセメント組成物38を塗布・施工し、続いて図2(d)に示すようにポリマーセメント組成物38が未硬化な状態で織布39及び/又は不織布39を敷設してポリマーセメント組成物38を前記の織布39及び/又は不織布39に含浸させ、さらに、図2(e)に示すように、ポリマーセメント組成物38が含浸した前記の織布及び/又は不織布の敷設層上面にポリマーセメント組成物40を塗布・施工して、織布39及び/又は不織布39を中間層とするポリマーセメント組成物の塗膜防水層を形成させる。
耐候性の向上をはかる場合には、ポリマーセメント組成物が硬化したことを確認した後、図2(f)のように前記ポリマーセメント組成物の硬化層40の上面にトップコート層41を設けることが好ましい。
次に、本発明の複合防水工法によって得られる複合防水構造体について説明する。
図1(a〜c)は、本発明の複合防水工法によって得られる複合防水構造体の断面を模式的に示したものである。部分断面図(a)は、防水シートに繋ぎ目(接合部分)がないケースを示す部分を示す模式図であり、部分下面図(b)は、隣り合った防水シートの長辺部分が重なり合った部分21を示す模式図であり、部分断面図(c)は、防水シートの短辺部と防水シートの短辺部とを突合せた部分23を示す模式図である。
図1(b)は、防水シートの短辺部方向から見た複合防水構造体11の部分断面図であり、隣り合う防水シートの長辺部は重ね合わさった部分21を有していて、上部の防水シート下面の改質アスファルト自己粘着部と下部の防水シート上面とが強固に接着されている。(接着部22)
さらに、織布18及び/又は不織布18を中間層として含むポリマーセメント組成物硬化体層17及び19が、前記の防水シートの重ね合わさった部分21のシート上端より、好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.3mm以上、より好ましくは1.6mm以上、特に好ましくは2.0mm以上の厚さ(t1)に、防水シート施工部全体がほぼ平坦になるように形成され、特に防水シートの重ね合せ部分の段差が解消されるようにほぼ平坦に形成される。
更に耐候性の向上をはかるために、ポリマーセメント組成物の硬化体層の上面にはトップコート層20が設けられることが好ましい。
図1(c)は、防水シート14の短辺部と短辺部とを突合せて、さらに突合せ部24の上面に、最下層全面が改質アスファルト自己粘着層の防水シート25を施工したジョイント部分23を有する複合防水構造体11を、防水シートの長辺部方向から見た部分断面図である。
また、短辺部が突合わさった部分24の上部には、接合部分を跨ぐように好ましくは100mm以上、さらに好ましくは120mm以上、より好ましくは150mm以上、特に好ましくは200mm以上の幅(s)の自己粘着性防水シート25が敷設されている。
さらに、織布18及び/又は不織布18を中間層として含むポリマーセメント組成物硬化体層17及び19が、前記接合部分23の防水シートの重ね合わさった部分より好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.3mm以上、より好ましくは1.6mm以上、特に好ましくは2.0mm以上の厚さ(t2)に、防水シート施工部全体がほぼ平坦になるように形成され、特に防水シートの重ね合せ部分の段差が解消されるようにほぼ平坦に形成される。
更に耐候性の向上をはかるために、ポリマーセメント組成物の硬化体層の上面にはトップコート層20を設けることが好ましい。
本発明の複合防水工法で得られた複合防水構造体では、図1(b、c)に示すように、防水シート敷設時に避けることができない防水シートと防水シートとの重ね合わせ部分21、及び、防水シートと防水シートとの突合せ部分23の上部に、織布18及び/又は不織布18を中間層として含むポリマーセメント組成物の防水層を形成して、ポリマーセメント組成物の優れた防水性能によって、防水シートの重ね合わせ部分及び突合せ部分の防水性能の補強・向上をはかり、複合防水構造体11全体のシームレス性を高めて防水性能を飛躍的に高めることができ、長々期に渡る供用においても卓越した耐久性を提供できるものである。
さらに、防水シートを重ね合わせた部分の段差についても、その上面に施工するポリマーセメント組成物の硬化体層によって平坦化されて解消されることから、良好な歩行安全性が確保できる。
次に、本発明の複合防水工法に用いる各種材料について説明する。
本発明の通気性複合防水工法では、防水シートを敷設する下地面とアスファルト系防水シートの自己粘着部とを強固に粘着させるため、下地面に防水シート用プライマーを塗布施工することが好ましい。
防水シート用プライマーとしては、特に限定されるものではなく、改質アスファルトと強固な粘着力が得られる市販のプライマーを使用することができる。
本発明の複合防水工法では、基材層、改質アスファルト層、離型紙(又は離型フィルム)の順に積層されたアスファルト系防水シートを用いる。
該防水シートを構造物の施工面に敷設する際には、最下層の離型紙(又は離型フィルム)を剥離・除去して使用する。
本発明で用いるアスファルト系防水シートは、基材層、改質アスファルト層、離型紙(又は離型フィルム)の順に積層されたアスファルト系の防水シートであれば、特に限定されることなく使用することができる。
本発明で用いるアスファルト系防水シートを構成する基材層としては、不織布、織布、フィルムなど、改質アスファルト層の補強性を有する材料が好ましく使用できる。
基材層として用いる不織布、織布は、合成樹脂繊維又は化学繊維からなるもので、特に合成繊維からなる不織布が好ましい。
合成樹脂としては、特に制限はないが、例えばポリエチレンテレフタレートなどの芳香族系ポリエステルなどのポリエステル、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンなどを挙げることができる。これらの繊維は単独または併用して使用することができる。
基材層に用いる不織布または織布の目付は、特に限定されるものではないが、基材(1)層および基材(2)層に用いる不織布又は織布の目付は、好ましくは30〜200g/mの範囲、特に好ましくは30〜180g/mの範囲のものが可撓性を有し、施工作業性に優れるため好ましい。
本発明で用いるアスファルト系防水シートを構成する改質アスファルト組成物としては、特に限定されるものではなく、一般の防水シート用として使用されている改質アスファルト組成物を適宜選択して用いることができる。
前記の改質アスファルト組成物は、アスファルト、スチレン系合成ゴム、粘着性付与剤及び無機フィラーを含む改質アスファルト組成物を好ましく用いることができる。
前記の改質アスファルト組成物は、その構成材料の配合割合によって種々の特性が得られ、製造・加工上および燃料費面から改質アスファルト組成物の軟化点は100〜150℃、特に105〜145℃の範囲が好ましい。
また、本発明で用いるアスファルト系防水シートを生産する場合の生産性および加工性の点から、改質アスファルト組成物の粘度は、2000〜14000cps以下が好ましく、2200〜13000cps以下がさらに好ましく、2500〜12000cps以下が特に好ましい。
アスファルトの配合割合は、改質アスファルト組成物の25〜90質量%が好ましく、30〜70質量%がさらに好ましく、35〜50質量%が特に好ましい。
アスファルトは、原油を常圧もしくは減圧蒸留してガソリン、灯油、軽油、潤滑油などを取り除いて得られるもので、針入度10〜250程度のストレートアスファルトが好適に使用できる。
前記の改質アスファルト組成物に含まれるアスファルトは、ストレートアスファルト、ブローンアスファルトなどを用いることができる。
アスファルトは、ストレートアスファルトの軟化点やせん断力を改善するためにブローンアスファルトを合わせて用いることができ、ブローンアスファルトの配合量は、アスファルトの合計質量に対して、好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下で利用することができる。
ブローンアスファルトの配合量が40質量%を超えると改質アスファルト組成物の粘度が増加して、不織布など防水シートの基材への含浸性が低下するため好ましくない。
前記の改質アスファルト組成物に含まれるスチレン系合成ゴムとしては、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体から選ばれる1種或いは2種以上を用いることができ、特にスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体が好適に用いられる。また、官能基改善変性ポリマーも用いることができる。
スチレン系合成ゴムの配合割合は、アスファルト100質量部に対し、好ましくは5〜30質量部、さらに好ましくは6〜28質量部、より好ましくは、7〜26質量部、特に好ましくは8〜25質量部の範囲が特に好ましい。
スチレン系合成ゴムの配合割合が、5質量部未満では実用上充分なせん断接着強度を得られないことがあり、30質量部を超えると改質アスファルト組成物の粘度が高くなって、製造・加工上、特に基材への含浸性が低下することから好ましくない。
前記の改質アスファルト組成物では、本発明の特性を損なわない範囲で、粘着付与剤、無機充填材などの各種添加剤を適宜選択して添加することができる。
改質アスファルト組成物の自己粘着性を適正に向上させるためには、プロセスオイルやポリブテンなどの粘着性付与剤を適宜選択して適正量を用いることが好ましい。
無機充填材としては、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、クレー、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸バリウム、珪藻土、シリカ等の粒子状無機充填材、ワラストナイトやガラス繊維などの繊維状無機充填材を用いることができる。
本発明で用いるアスファルト系防水シートを構成する剥離層としては、剥離紙或いは剥離フィルムを使用できる。特に、剥離紙、剥離フィルムはいずれについてもクレープ加工されたもので伸縮性に優れたものが好適に用いることが出来る。
剥離フィルムとしては、合成樹脂フィルムが用いられ、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族系ポリエステルなどのポリエステルフィルム、ナイロン6などのポリアミドフィルムなどの合成樹脂フィルムを用いることが出来る。合成樹脂フィルムは、一軸延伸、二軸延伸などの延伸フィルム、又は無延伸フィルムが好ましい。
合成樹脂フィルムは、フィルムを2層以上に積層した積層フィルムを用いることが出来る。合成樹脂フィルム層としては、特に低密度ポリエチレンが柔軟性に優れているため好ましい。
合成樹脂フィルムの厚みは、製造時に支障がなく、施工時あるいは使用時に損傷を受けにくい適度な厚さであればよく、好ましくは3〜100μmの範囲、さらに好ましくは4〜75μmの範囲、特に好ましくは5〜50μmの範囲が好ましい。
合成樹脂フィルム層は、改質アスファルトコンパウンド層のアスファルトをほとんど、又はまったく透過させない合成樹脂フィルム層が、施工者の衣服や靴および建築部材や屋根部材などを汚さないために好ましい。
本発明では、高い防水性能を確保するためにアスファルト系防水シートの短辺部と短辺部とを突き合わせた箇所には、全面自己粘着タイプのアスファルト系防水シートを前記短辺部を突き合わせた箇所の上面に敷設する。
前記の全面自己粘着タイプのアスファルト系防水シートとしては、不織布からなる基材層、改質アスファルト層、離型紙(又は離型フィルム)の順に積層されたアスファルト系の防水シートであれば、特に限定されることなく使用することができる。
本発明では防水シート層を敷設した後、防水シート層全体および防水シート接合部分の防水性能をより高め、さらに防水シートの重ね合せ部分の段差を解消して歩行時の安全性を確保するためにポリマーセメント組成物を塗布・硬化させて平坦性に優れた防水仕上がり面を形成する。
本発明で用いるポリマーセメント組成物としては、アルミナセメントを含む水硬性成分、充填材、ポリマーエマルション及び増粘剤を含むスラリー状のポリマーセメント組成物を好適に用いることができる。
本発明で用いるポリマーセメント組成物は、防水シート層の上面に、吹き付け、鏝塗り、ローラー塗工の塗布方法により施工することができる。
水硬性成分は、アルミナセメントのほかに、ポルトランドセメント及び石膏から選ばれる成分を1種又は2種含むことができる。
水硬性成分は、水硬性成分100質量%中に、アルミナセメントを好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、より好ましくは30質量%以上、特に好ましくは50質量%以上含むものを用いることが好ましい。
特に水硬性成分は、水硬性成分100質量%中に、アルミナセメントを50質量%以上含むものを用いることが、硬化物の伸び率に優れるために好ましい。
アルミナセメントは、潜在的に急硬性を有しており、硬化後は耐化学薬品性、耐火性に優れた硬化体を与える。また、潜在水硬性を有する高炉スラグの存在により、その欠点である硬化体強度の経時的な低下も抑制される。アルミナセメントは鉱物組成が異なるものが数種知られ市販されており、何れも主成分はモノカルシウムアルミネート(CA)であるが、強度および着色性の面からは、CA成分が多く且つCAF等の少量成分が少ないアルミナセメントが好ましい。
ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメントなどのポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントなどの混合セメントなどを用いることができる。
石膏は、無水、半水等の各石膏がその種を問わず1種又は2種以上の混合物として使用できる。石膏は急硬性であり、また、硬化後の寸法安定性保持成分として働くものである。
充填材としては、珪砂、川砂、海砂、山砂、砕砂などの砂類、スラグ粉、フライアッシュ、シリカフーム、石灰石粉、タルク、カオリン、アルミナ粉、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどを用いることができ、これらの充填材を1種または2種以上用いることができる。特に珪砂を使用する場合、5〜7号の粒度を有するものを使用することが好ましい。
ポリマーエマルションとしては、公知のポリマーエマルションを用いることが出来る。
ポリマーエマルションとしては、ポリ酢酸ビニルエマルション、エチレンと酢酸ビニルの共重合体エマルション、エチレン、酢酸ビニルと(メタ)クリル酸誘導体の共重合体エマルション、エチレンと(メタ)クリル酸誘導体との共重合体エマルション、ポリ(メタ)クリル酸誘導体のエマルション、スチレンと(メタ)クリル酸誘導体との共重合体エマルション、ポリクロロプレンラテックス、酢酸ビニルと塩化ビニルの共重合体エマルション、スチレンとブタジエンの共重合体エマルション、アクリロニトリとブタジエンの共重合体エマルション、酢酸ビニルと(メタ)クリル酸誘導体のエマルションなどのエチレン、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)クリル酸誘導体などを少なくとも1種含む合成樹脂のエマルションを用いることができる。(メタ)クリル酸誘導体は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸、これらのエステルなどの酸誘導体を意味し、少なくともこれらの成分を1種以上含むものである。
ポリマーエマルションに含まれるポリマー成分のガラス転移温度は、特に限定されず市販のものを用いることができるが、好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−25℃以下、より好ましくは−25℃〜−50℃の範囲、特に好ましくは−33℃〜−50℃の範囲を有するものが、低温環境下でも優れた特性を有するために好ましく、さらに(メタ)クリル酸誘導体を含むガラス転移温度が0℃以下、好ましくは−25℃以下、特に好ましくは−25℃〜−50℃の範囲のエマルションを、硬化物の伸び率が優れているために好ましく用いることができる。
前記の(メタ)クリル酸誘導体は、アクリル酸誘導体及びメタクリル酸誘導体を示し、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、などである。
エマルションは、(メタ)クリル酸誘導体を1種または2種以上を使用して製造するアクリル系エマルションを用いることが特に好ましい。
ポリマーエマルションは、公知の製造方法により得られるものを用いることができ、例えば、乳化剤の存在下に、重合開始剤を用いて、水又は含水溶媒中で合成樹脂の原料となる重合性モノマーを乳化重合する方法などにより製造することができる。
乳化剤としては、公知のものを用いることができ、アニオン性、ノニオン性、カチオン性又は両性の界面活性剤やポリビニルアルコール等の保護コロイドなどを挙げることができる。
ポリマーエマルションは、水又は含水溶媒を含まない粉末状の合成樹脂粒子を含み、粉末状の合成樹脂粒子を用いると、水又は含水溶媒を除いた全成分を一つのパッケージとすることができ、施工現場では水を添加するだけで使用できるので便利である。
ポリマーエマルションは、水又は含水溶媒を含むものを使用する場合には、ポリマーセメント組成物単独で混練してモルタルを得ることができ、また粘度を調整する目的で、さらに必要に応じて水を加えることができる。
ポリマーエマルションとして粉末状の合成樹脂粒子を使用する場合には、ポリマーセメント組成物単独ではスラリー状のモルタルを得ることが出来ないため、ポリマーセメント組成物と水とを混練することにより均質なスラリーを製造することができる。
水又は含水溶媒を含まない粉末状の合成樹脂を除くエマルションは、エマルション中に含まれるポリマーの固形分を適宜選択することができるが、エマルション100質量部中、30〜80質量部が好ましく、40〜60質量部がより好ましい。
ポリマーセメント組成物は、エマルションのポリマー固形分100質量部に対し、水硬性成分を好ましくは15〜175質量部、さらに好ましくは20〜120質量部、より好ましくは22〜90質量部、特に好ましくは23〜70質量部含むものを用いることができる。
ポリマーセメント組成物は、エマルションのポリマー固形分100質量部に対し、水硬性成分と充填材とを含む粉体を好ましくは15〜350質量部、さらに好ましくは20〜330質量部、より好ましくは22〜300質量部、より好ましくは23〜270質量部、より好ましくは80〜250質量部、特に好ましくは150〜230質量部を含むものを用いることができる。
増粘剤は、ポリエーテル系、ウレタン系、アクリル系などの水溶性ポリマー系、セルロース系、蛋白質系、などの増粘剤を用いることができ、特に水溶性ポリウレタン系などの水溶性ポリマー系の増粘剤を好ましく用いることができる。
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で適宜添加量を調整することができ、水硬性組成物100質量%中、0.05〜1.0質量%、さらに0.1〜0.7質量部、特に0.2〜0.5質量部含むことが好ましい。
ポリマーセメント組成物は、本発明の特性を損なわない範囲で、凝結遅延剤や凝結促進剤の凝結調整剤、流動化剤、消泡剤などを配合することができる。
ポリマーセメント組成物の製造法の一例としては、攪拌容器にエマルションを所定量計量し、攪拌機でエマルションを攪拌しながら所定量のアルミナセメントを含む水硬性成分、充填材及び増粘剤を、さらに必要に応じて凝結遅延剤や凝結促進剤の凝結調整剤、流動化剤、消泡剤などを添加し、数分間攪拌・混合して、さらに必要に応じて水を添加し、所定の粘度を有するスラリー状の組成物を製造することができる。
ポリマーセメント組成物の製造法の一例としては、容器にポリマーセメント組成物の各成分を所定量を計量して加え、さらに必要に応じて凝結遅延剤や凝結促進剤の凝結調整剤、流動化剤、消泡剤などを添加し、攪拌機で数分間攪拌・混合して、さらに必要に応じて水を添加し、所定の粘度を有するスラリー状の組成物を製造することができる。
アルミナセメントを含む水硬性成分、充填材、増粘剤或いは添加剤などは、単独で添加しても良いし、予め他の数種と混合したものを添加しても良く、添加順序は特に選ばない。また、攪拌機は、一般的な固液攪拌機など撹拌機能を有するものを問題なく用いることができる。
水を添加する場合は、成分が分離しないように、均質なスラリーを得るように添加することが好ましい。
本発明で用いるポリマーセメント組成物は、ローラー、コテ及び吹き付け(スプレーなど)などを用いる一般的方法で、先に敷設した防水シート層の表面に塗布して施工することができる。
本発明では、防水シート層上面に塗布施工した未硬化の状態のポリマーセメント組成物上面に織布及び/又は不織布を敷設し、ポリマーセメント組成物を前記の織布及び/又は不織布に含浸させ、さらに前記の織布及び/又は不織布の上面にポリマーセメント組成物を塗布して、織布及び/又は不織布を中間層として含み一体化したポリマーセメント組成物の防水層を形成する。
ポリマーセメント組成物の中間層となる織布及び/又は不織布としては、ポリマーセメント組成物の防水層の補強性を有する材料が好ましく使用できる。
不織布、織布は、合成樹脂繊維又は化学繊維からなるもので、特に合成繊維からなる不織布が好ましい。
合成樹脂としては、特に制限はないが、例えばポリエチレンテレフタレートなどの芳香族系ポリエステルなどのポリエステル、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンなどを挙げることができる。これらの繊維は単独または併用して使用することができる。
不織布または織布の目付は、特に限定されるものではないが、好ましくは15〜100g/mの範囲、特に好ましくは30〜80g/mの範囲のものが可撓性を有し、施工作業性に優れるため好ましい。
本発明では、防水シート層上面に織布及び/又は不織布を中間層として含むポリマーセメント組成物の防水層を形成することによって、シート防水層と塗膜防水層とが一体化した複合防水構造体を得ることができる。
また、ポリマーセメント組成物が乾燥した後に更に同じ操作を繰り返し、複数層のポリマーセメント組成物層を形成させてより防水性能が高い構造体を得ることができる。
さらに、ポリマーセメント組成物が乾燥した後に、セメントモルタル層を形成させて、或いはコンクリート層を形成させて、防水性能を有する強靭な構造体を得ることができる。
本発明では防水シート層を敷設し、さらに防水性能をより高めるために施工したポリマーセメント組成物の硬化層の上面に、耐候性および耐久性を向上させるためにトップコート層を設けることができる。
本発明で用いるトップコートとしては、公知のポリマーエマルション系塗料を使用することができ、アクリルゴム系、ポリウレタン系等のエマルションを主成分とするトップコート材や、アクリルゴム系、ポリウレタン系等のエマルションと珪砂、スラグ砂、石灰石砂などの細骨材とを主成分とするトップコート材を適宜選択して使用することができ、防水層の保護や防水性の向上効果とを付与できることから好ましい。
本発明で用いるトップコートは、ローラー、コテ及び吹き付け(スプレーなど)などを用いる一般的方法で、先に施工したポリマーセメント組成物の硬化層の上面に塗布或いは吹付け施工することが出来る。
以下、本発明を実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
(評価および測定方法)
1)下地ひび割れ追従性の評価方法(−10℃ゼロスパン評価方法)
実施例1〜5及び参考例1は、中央に切り込みを入れた5mm厚スレート板(50×150mm)にアスファルト系防水シート用プライマーを0.2kg/mの量で塗布し、乾燥した後、プライマー塗布面にアスファルト系防水シートを転圧ローラーで張付け、試験体Aを得る。参考例2〜6は、中央に切り込みを入れた5mm厚スレート板(50×150mm)にポリマーセメント組成物用プライマーを0.2kg/mの量で塗布し、乾燥させて、試験体Bを得る。次に、試験体Aの防水シート面及び試験体Bのプライマー塗布面に、表2に示すポリマーセメント組成物を所定量で補強用基材が中間にくるように塗布し、23±2℃、湿度50±10%の条件で7日間養生し、試験体Cを得る。
下地ひび割れ追従性試験による伸びの測定は、試験体Cを測定温度−10℃の条件で、精密万能材料試験機((株)インテスコ製、210XLS)を用い、引張速度5mm/分の条件で行う。目視観察で試験体Cに亀裂などの欠陥が生じる時の伸びを測定し、その伸びを下地ひび割れ追従性とする。
[実施例1〜5および参考例1〜6]
原材料は以下のものを使用した。
1)アスファルト系防水シート用プライマー
・RA水性プライマー : アクリル系水溶性プライマー、宇部興産製。
2)アスファルト系防水シート
・改質アスファルト防水シート : RAシート(ZS21)、+特殊ゴム化アスファルトコンパウンド含浸不織布(ポリエステル不織布)タイプ、宇部興産製。
3)ポリマーセメント組成物用プライマー :
・アクリル樹脂系エマルション、宇部興産製。
4)ポリマーセメント組成物 :
・アルミナセメント(フォンジュ、ケルネオス社製、ブレーン比表面積3100cm/g)。
・ポルトランドセメント(早強セメント、宇部三菱セメント製、ブレーン比表面積4500cm/g)。
・II型無水石膏(セントラル硝子社製、ブレーン比表面積3460cm/g)。
・充填材 : 7号珪砂。
・凝結促進剤 : 炭酸リチウム:(本荘ケミカル社製)。
・凝結遅延剤a :重炭酸ナトリウム:重炭酸ナトリウム(東ソー社製)。
・凝結遅延剤b :クエン酸ナトリウム:クエン酸三ナトリウム(磐田化学工業製)。
・アクリル樹脂系エマルション : AS原液(AC)、宇部興産製。
5)不織布 : ASクロス(浸透タイプ)、ナイロン・ポリエステル不織布、宇部興産製。
6)トップコート
・耐候塗料(骨材入り) : ASトップ、水性アクリルゴム系、宇部興産製。
(ポリマーセメント組成物の調製)
表1に示す配合割合で水硬性成分、充填材、増粘剤、凝結促進剤及び凝結調整剤を、ロッキングミキサーを用いて混合し、該混合物とアクリル樹脂系エマルションとを表1に示す配合割合で3分間混合してポリマーセメント組成物を調製した。
得られたポリマーセメント組成物を表2に示す構成で試験体を作製し、−10℃ゼロスパンを評価した。結果を表2に示す。
(試験体の作製)
実施例1〜5及び参考例1は、中央に切り込みを入れた5mm厚スレート板(50×150mm)にアスファルト系防水シート用プライマーを0.2kg/mの量で塗布し、乾燥した後、プライマー塗布面にアスファルト系防水シートを転圧ローラーで張付け、試験体Aを得る。参考例2〜6は、中央に切り込みを入れた5mm厚スレート板(50×150mm)にポリマーセメント組成物用プライマーを0.2kg/mの量で塗布し、乾燥させて、試験体Bを得る。次に、試験体Aの防水シート面及び試験体Bのプライマー塗布面に、表2に示すポリマーセメント組成物を所定量で補強用基材が中間にくるように塗布し、23±2℃、湿度50±10%の条件で7日間養生し、試験体Cを得る。
Figure 2008231812
Figure 2008231812
1)アスファルト系防水シートを単独で施工した参考例1の場合、−10℃ゼロスパン評価結果は9.9mmであった。また、ポリマーセメント組成物Aを単独で施工した参考例2の場合、−10℃ゼロスパン評価結果は5.2mmであった。
2)アスファルト系防水シートを施工し、さらにその上面にポリマーセメント組成物Aを施工した実施例1の場合、−10℃ゼロスパン評価結果は17.3mmであり、アスファルト系防水シート又はポリマーセメント組成物をそれぞれ単独で用いた場合と比較して大幅に下地ひび割れ追従性が向上していた。
3)アスファルト系防水シートとポリマーセメント組成物Aとを用い、さらにトップコート層を設けた場合(実施例2)においても良好な下地ひび割れ追従性が得られた。
4)さらに、アスファルト系防水シートとポリマーセメント組成物Bとを用いた場合、及び、アスファルト系防水シートとポリマーセメント組成物Bとを用い、さらに塗膜防水層に含まれる不織布層を2層化した場合のいずれにおいても、−10℃ゼロスパン評価結果は良好であり、優れた下地ひび割れ追従性が得られた。
複合防水構造体の断面を模式的に示す部分断面図(a〜c)である。 複合防水工法の施工手順の一例を示す模式図(a〜f)である。
符号の説明
11 : 複合防水構造体
12 : 下地コンクリート
13 : アスファルト系防水材用プライマー層
14 : 自己粘着性改質アスファルト層(アスファルト防水シート下層)
15 : 基材層(改質アスファルト含浸不織布・アスファルト防水シート上層)
16 : 防水シート層表面
17 : ポリマーセメント組成物硬化体層
18 : 織布及び/又は不織布
19 : ポリマーセメント組成物硬化体層
20 : トップコート層
21 : 防水シート長辺方向の重ね合わせ部分
22 : 防水シート長辺方向の重ね合わせ部分の接合部
23 : 防水シート短辺方向の突合せ部の上面に自己粘着性改質アスファルト防水シート(テープ)を敷設した部分
24 : 防水シート短辺方向の突合せ部
25 : 自己粘着性改質アスファルト防水シート(テープ)
30 : 構造物
31 : 構造物の施工面
32 : アスファルト系防水シート
33 : 防水シート短辺部
34 : 施工面の側壁
35 : 防水シート長辺部
36 : 施工面の側壁
37 : 最下層全面が自己粘着性を有する改質アスファルトとを含む防水シート
38 : ポリマーセメント組成物の塗布層
39 : 織布及び/又は不織布の敷設層
40 : ポリマーセメント組成物の塗布層
41 : トップコート層

Claims (7)

  1. 構造物の施工面にアスファルト系防水シートを敷設する工程と、
    前記アスファルト系防水シートの上面にポリマーセメント組成物を塗布する工程とを有することを特徴とする複合防水工法。
  2. 構造物の施工面に防水シート用プライマーを施工する工程と、
    前記プライマー層の上面にアスファルト系防水シートを敷設する工程と、
    前記アスファルト系防水シートの上面にポリマーセメント組成物を塗布する工程と、
    前記ポリマーセメント組成物の未硬化の塗布層に織布及び/又は不織布を敷設する工程と、
    前記不織布の上面にポリマーセメント組成物を塗布して硬化させる工程とを有すること
    を特徴とする複合防水工法。
  3. ポリマーセメント組成物の硬化層の上面にトップコート層を設ける工程とを有すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の複合防水工法。
  4. アスファルト系防水シートは、最下層に自己粘着性を有する改質アスファルト層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合防水工法。
  5. ポリマーセメント組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン及び/又はアクリル共重合体エマルジョンとアルミナセメントとを含むコンクリート防水用ポリマーセメント組成物であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の複合防水工法。
  6. 構造物の施工面は、新築建築物または既存建築物の屋上、ベランダ又はバルコニーのいずれかであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の複合防水工法。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の複合防水工法によって得られる複合防水構造体。
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