JP2008231312A - 粉体塗料の調色方法およびフルカラー用粉体スラリー塗料 - Google Patents

粉体塗料の調色方法およびフルカラー用粉体スラリー塗料 Download PDF

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勉 杉山
Katsuro Funato
克郎 舟戸
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Abstract

【課題】複数色の粉体塗料を混合して用いるにもかかわらず、色の偏析、まだら感、濃淡などの不良のない、ほぼ均一な色目を有する塗膜を形成することのできる新規な粉体塗料の調色方法およびフルカラー用粉体スラリー塗料を提供する。
【解決手段】イエロー(Y)粉体塗料、マゼンタ(M)粉体塗料およびシアン(C)粉体塗料の3色粉体塗料を水に分散、スラリー化した3色の粉体塗料を所望の比率で配合し所望の色を得る。または、Y粉体塗料、M粉体塗料およびC粉体塗料の外に、Y顔料とM顔料を80:20〜95:5の重量比で含有するYとMの混色(α)の粉体塗料、M顔料とC顔料を80:20〜95:5の重量比で含有するMとCの混色(β)の粉体塗料、および、Y顔料とC顔料を80:20〜95:5の重量比で含有するYとCの混色(γ)の粉体塗料の6色粉体塗料を水に分散、スラリー化した6色の粉体塗料を所望の比率で配合し所望の色を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数色の粉体塗料を配合して調色する調色方法およびフルカラー用粉体スラリー塗料に関するものである。
粉体塗装は、溶剤を用いずに空気を媒体として塗装するため安全性が高く、かつ環境に及ぼす影響が少ないので、家庭電化製品などの分野で普及しつつある。粉体塗装に用いられる粉体塗料は、一般に、粉体のもとになる結着樹脂中に、着色剤やその他の添加剤などを配合し、溶融混練したのち粉砕、分級して製造される。このように製造された粉体塗料を、摩擦やコロナ放電などによって一定の極性に帯電させた後、被塗物の表面に静電付着させる。その後、付着した粉体塗料を加熱溶融する。あるいは気流中に浮遊した粉体塗料中に、予熱された被塗物を挿入して、当該被塗物の表面に、上記予熱を利用して粉体塗料を溶融、流展させたりすることによって、被塗物の表面に連続した塗膜が形成される。
粉体塗料は、粉体のもとになる結着樹脂中に、目的とする色目にあわせて調色された着色剤を添加し、溶融混練することによって、あらかじめ所定の色目に調色された状態で製造される。この製造方法は、家庭電化製品のような、同じ色の塗料を大量に消費するいわゆる大ロットの塗装には適しているものの、多色の塗料が少量ずつ必要な小ロットの塗装の場合は、効率的な製造方法とはいえない。小ロットの場合は、予め決められた色に調色された何種類かの粉体塗料を、目的とする色目にあわせて調合し、回転翼式のミキサーなどの混合装置を用いてドライブレンドすることにより、所定の色目を有する粉体塗料を製造する方法が効率的な方法として検討されている。
特許文献1には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の、いわゆる色の3原色とブラック(K)の粉体塗料を用い、それらの所定量を被塗布物に付着させ、焼き付ける粉体塗装方法が開示されている。
特開平09−262536号公報
しかしながら、特許文献1に記載の粉体塗装方法の場合には、焼き付けにより形成される塗膜に、色の偏析、まだら感、濃淡などの不良が生じるという問題があった。また、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3原色にあらかじめ調色され透光性の粉体塗料を、目的とする色目にあわせてブレンドして調色を行ない、調色後の粉体塗料を用いて塗膜を形成する場合には、形成された塗膜に、同様に色の偏析、まだら感、濃淡などの不良が生じるという問題があった。特に、淡色のイエロー(Y)に濃色のシアン(C)やマゼンタ(M)を少量ブレンドしたとき、およびマゼンタ(M)にシアン(C)を少量ブレンドしたときに、上記不良が顕著に観察される。
その場合を、図2に示す従来のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色の粉体塗料による色相環図を用いて説明する。従来、図2の斜線部分の色相の粉体塗料をドライブレンドにより作製しようとすると、特に、塗膜に、色の偏析、まだら感、濃淡などの不良が生じるという問題があった。その解決法の一つとしては、粉体塗料の粒子径を小さくする方法が考えられるが、粒子径の小さな粉体塗料では流動性が低下するため塗装作業の効率が劣るという新たな問題が生じるため、問題解決には至っていなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数色の粉体塗料を混合して用いるにもかかわらず、色の偏析、まだら感、濃淡などの不良のない、ほぼ均一な色目を有する塗膜を形成することのできる新規な粉体塗料の調色方法およびフルカラー用粉体スラリー塗料を提供することにある。
本発明の粉体塗料の調色方法は、所定の色を有する複数色の粉体塗料を所望の比率で配合し所望の色を得る粉体塗料の調色方法において、上記所定の色を有する複数色の粉体塗料は、イエロー(Y)粉体塗料、マゼンタ(M)粉体塗料およびシアン(C)粉体塗料の3色粉体塗料を水に分散、スラリー化したものであることを特徴としている。また、本発明の粉体塗料の調色方法の他の態様は、所定の色を有する複数色の粉体塗料を所望の比率で配合し所望の色を得る粉体塗料の調色方法において、上記所定の色を有する複数色の粉体塗料は、イエロー(Y)粉体塗料、マゼンタ(M)粉体塗料およびシアン(C)粉体塗料の外に、イエロー顔料とマゼンタ顔料を80:20〜95:5の重量比で含有するイエローとマゼンタの混色(α)の粉体塗料、マゼンタ顔料とシアン顔料を80:20〜95:5の重量比で含有するマゼンタとシアンの混色(β)の粉体塗料、および、イエロー顔料とシアン顔料を80:20〜95:5の重量比で含有するイエローとシアンの混色(γ)の粉体塗料の6色粉体塗料を水に分散、スラリー化したものであることを特徴としている。
本発明の粉体塗料の調色方法は、イエロー(Y)粉体塗料、マゼンタ(M)粉体塗料およびシアン(C)粉体塗料の3色粉体塗料を水に分散、スラリー化することによって得られる粉体スラリー塗料を用いて塗膜を形成した場合は、上記3色粉体塗料をドライブレンドして得られる粉体塗料を用いて塗膜を形成した場合に比べて、色の偏析、まだら感、濃淡などの不良がほとんど生じない。さらに、各粉体塗料の粉体の粒子径を体積平均粒子径で2〜6μmと小さくし、かつ、上記3色粉体塗料に加え、イエローとマゼンタの混色(α)、マゼンタとシアンの混色(β)、イエローとシアンの混色(γ)の計6色の粉体塗料を水に分散、スラリー化することによって得られる粉体スラリー塗料を用いて塗膜を形成した場合は、色の偏析、まだら感、濃淡などの不良が全くない、ほぼ均一な色目を有する塗膜を形成することができる。
また、本発明の粉体塗料の調色方法によれば、上記3色あるいは6色の粉体塗料を用いることにより、色の偏析、まだら感、濃淡などのないフルカラーの塗装が可能となる。したがって、多色の塗料が少量ずつ必要な小ロットの塗装にも経済的に対応することが可能となる。
本発明に用いる粉体塗料について説明する。
本発明に用いる粉体塗料は、結着樹脂、着色剤、および所望により、硬化剤、その他の添加剤を含有している。結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が使用できる。表面に付着させることで適正な正帯電性を得ることができる。硬化剤としては、イソシアネート、アミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素酸、酸ジヒドラジド、イミダゾール等が挙げられる。その他の添加剤としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム等の充填剤、アクリルオリゴマー、シリコーン樹脂等の流展剤および発泡防止剤等が例示できる。
次に、上記粉体塗料に用いる着色剤について述べる。
イエロー(Y)系の着色剤としては、例えば、縮合アゾ系顔料、イソインドリン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料等が挙げられる。このうち縮合アゾ系顔料としては、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95等が挙げられる。また、イソインドリン系顔料としては、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110等が挙げられる。さらに、ベンズイミダゾロン系顔料としては、C.I.ピグメントイエロー154等が挙げられる。また、上記以外の他のイエロー系の着色剤としては、例えば、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、アンチモンイエロー等の無機顔料、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー115、C.I.ピグメントイエロー130、C.I.ピグメントイエロー133、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー169等の有機顔料、C.I.ソルベントイエロー16、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.ソルベントイエロー56、C.I.ソルベントイエロー60、C.I.ソルベントイエロー61、C.I.ソルベントイエロー162、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドイエロー23等の染料等が挙げられる。イエロー系の着色剤の配合量は、やはり鮮明な色味が得られ、しかも粉体塗料の透光性が低下しないようにするために、結着樹脂100重量部に対して1.0〜20重量部程度、好ましくは1.5〜8.0重量部、さらに好ましくは2.5〜4.0重量部、特に好ましくは2.5〜3.5重量部の範囲に設定される。
マゼンタ(M)系の着色剤としては、例えば、キナクリドン系顔料が使用される。キナクリドン系顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド122が挙げられる。また、上記以外の他のマゼンタ系の着色剤としては、例えば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、マンガン紫、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ等の無機顔料、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド60、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド90、パーマネントレッドFNG、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット25、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16等の有機顔料、スピロンレッド、インダンスレンブリリアントオレンジRK、インダンスレンブリリアントオレンジGKなどの染料等が挙げられる。マゼンタ系の着色剤の配合量は、マゼンタ(M)粉体塗料の場合、鮮明な色味が得られ、しかも粉体塗料の透光性が低下しないことを考慮すると、結着樹脂100重量部に対して1.0〜20重量部程度、好ましくは2.0〜8.0重量部、さらに好ましくは2.5〜4.0重量部、特に好ましくは2.5〜3.5重量部の範囲に設定される。
シアン(C)系の着色剤としては、特にフタロシアニン系顔料が好適に使用される。フタロシアニン系顔料の具体例としては、銅フタロシアニン系顔料、例えば、カラーインデックスによる分類のうちC.I.ピグメントブルー15やその誘導体が挙げられる。例えば、その塩素化物や、銅フタロシアニンのスルホン酸のバリウム塩(C.I.ピグメントブルー17)等がある。また、無金属フタロシアニン系顔料(C.I.ピグメントブルー16)等も用いることができる。上記以外の他のシアン系の着色剤としては、例えば紺青(プルシアンブルー)、コバルトブルー等の無機顔料、C.I.ピグメントブルー18、C.I.ピグメントブルー16等の有機顔料、C.I.バットブルー6、C.I.ソルベントブルー70等の染料等が挙げられる。これらシアン系の着色剤の配合量は、シアン(C)粉体塗料の場合、鮮明な色味が得られ、しかも粉体塗料の透光性が低下しないことを考慮すると、結着樹脂100重量部に対して1.0〜20重量部程度、好ましくは2.0〜8.0重量部、さらに好ましくは2.5〜4.0重量部、特に好ましくは2.5〜3.5重量部の範囲に設定される。
本発明では、少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色、あるいはこれらの3色に加えて、イエローとマゼンタの混色(α)、マゼンタとシアンの混色(β)、イエローとシアンの混色(γ)の3色を加えた計6色の粉体塗料を原色として使用する。
その際、混色(α)の粉体塗料は、イエロー顔料とマゼンタ顔料を80:20〜95:5の重量比で含有するように結着樹脂と混練した組成を有し、混色(β)の粉体塗料は、マゼンタ顔料とシアン顔料を80:20〜95:5の重量比で含有するように結着樹脂と混練した組成を有し、混色(γ)の粉体塗料は、イエロー顔料とシアン顔料を80:20〜95:5の重量比で含むように結着樹脂と混練した組成を有するのが好ましい。
本発明においては、さらにブラック単色で用いたり、他の色の微調整などの目的で、ブラック(K)粉体塗料を添加してもよい。ブラック系の着色剤としては、例えばカーボンブラック、複合酸化物顔料等が挙げられ、結着樹脂100重量部に対して1.0〜20重量部の範囲で含有される。
上記粉体塗料の製造方法については、上記成分からなる組成物を乾式混合し、熱溶融混練後、粉砕、分級することにより得ることができる。その他に、懸濁重合法、乳化重合法等の重合法を採用することもできる。
本発明に用いる粉体塗料の粒子径は、体積平均粒子径が2〜6μm(コールターカウンターTAII型での測定値)の範囲が好ましい。
本発明の粉体塗料の調色方法は、上記の方法で得られるイエロー(Y)粉体塗料、マゼンタ(M)粉体塗料およびシアン(C)粉体塗料の3色粉体塗料、あるいは、これら3色に加えイエローとマゼンタの混色(α)の粉体塗料、マゼンタとシアンの混色(β)の粉体塗料、および、イエローとシアンの混色(γ)の粉体塗料の6色粉体塗料を、所望の比率で配合し、これに水、および必要に応じて分散材を加えて混合装置(ホモジナイザーやプラネタリーミキサーなど)を用いて混合し、スラリー化することにより、所望の色に調色するものである。なお、混合中、分散を効率化するために加熱することもできる。
次に、この6色を用いた調色方法を説明する。図1は6色を用いた調色方法に用いる粉体塗料による色相環図の一例である。図において、αは混色(α)の色相、βは混色(β)の色相、γは混色(γ)の色相である。
調色方法を具体的に説明すると、イエロー(Y)粉体塗料とイエローとマゼンタの混色(α)の粉体塗料を水中に分散、スラリー化することによって橙黄色系の色相の粉体塗料が得られ、マゼンタ(M)粉体塗料とイエローとマゼンタの混色(α)の粉体塗料とを水中に分散、スラリー化することによって、橙赤色系の色相の粉体塗料が得られ、マゼンタ(M)粉体塗料とマゼンタとシアンの混色(β)の粉体塗料とを水中に分散、スラリー化することによって、青紫系の色相の粉体塗料が得られ、シアン(C)粉体塗料とマゼンタとシアンの混色(β)の粉体塗料とを水中に分散、スラリー化することによって、青系の色相の粉体塗料が得られ、シアン(C)の粉体塗料とイエローとシアンの混色(γ)の粉体塗料とをドライブレンドすることによって、緑系の色相の粉体塗料が得られ、イエロー(Y)粉体塗料とイエローとシアンの混色(γ)の粉体塗料とを水中に分散、スラリー化することによって、黄緑系の色相の粉体塗料が得られる。
本発明の6色を用いた調色方法によれば、塗膜に、色の偏析、まだら感、濃淡などの不良が生じやすい範囲(図2の斜線部分)の色相(図1のα、β、γ)を原色として用いることにより、形成された塗膜に、色の偏析、まだら感、濃淡などの不良が生じないあらゆる色相の粉体スラリー塗料を作製することが可能となる。
さらに、混色(α)、(β)、(γ)の粉体塗料を作製するときは、前述のイエロー(Y)系、マゼンタ(M)系、シアン(C)系の着色剤を混合して用いるが、この場合の配合量は、結着樹脂100重量部に対して1.0〜20重量部程度、好ましくは2.0〜8.0重量部、さらに好ましくは2.5〜4.0重量部、特に好ましくは2.5〜3.5重量部に設定される。
本発明では、粉体塗料を水中に分散、スラリー化してフルカラー化することが前提であり、着色剤の配合量は経験的に通常の粉体塗料よりやや少ない方が好適である。
次に、本発明の調色方法について、実施例と比較例を用いて、さらに詳細に説明する。
なお、以下において、「部」は重量部を意味する。
1.各色の粉体塗料の作製
(1)イエロー(Y)粉体塗料
ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製:GV−180) 84部
硬化剤(マックオーター社製:アルキュア4000) 16部
流展剤(BASF社製:アクロナール4F) 1部
発泡防止剤(みどり化学社製:ベンゾイン) 1部
イエロー顔料(クラリアント社製:トナーイエローHG) 3部
上記配合比からなる原料をスーパーミキサーにて混合した後に、110℃の温度条件下で加圧ニーダーにより溶融混練し、冷却後にハンマークラッシャーで粗粉砕した。その後、ジェットミルで粉砕しながら風力分級機により体積平均粒子径4μmの粉体塗料を得た。
(2)マゼンタ(M)粉体塗料
上記のイエロー顔料をマゼンタ顔料(大日精化社製:クロモファインマゼンタ6878)3部に変更した以外は、上記と同様の製造法で体積平均粒子径4μmの粉体塗料を得た。
(3)シアン(C)粉体塗料
上記のイエロー顔料をシアン顔料(大日精化社製:フタロシアニンブルー4920)3部に変更した以外は、上記と同様の製造法で体積平均粒子径4μmの粉体塗料を得た。
(4)イエローとマゼンタの混色(α)の粉体塗料
ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製:GV−180) 84部
硬化剤(マックオーター社製:アルキュア4000) 16部
流展剤(BASF社製:アクロナール4F) 1部
発泡防止剤(みどり化学社製:ベンゾイン) 1部
イエロー顔料(クラリアント社製:トナーイエローHG) 2.7部
マゼンタ顔料(大日精化社製:クロモファインマゼンタ6878) 0.3部
上記配合比からなる原料をスーパーミキサーにて混合した後に、110℃の温度条件下で加圧ニーダーにより溶融混練し、冷却後にハンマークラッシャーで粗粉砕した。その後、ジェットミルで粉砕しながら風力分級機により体積平均粒子径4μmの粉体塗料を得た。
(5)マゼンタとシアンの混色(β)の粉体塗料
上記のイエロー顔料とマゼンタ顔料をマゼンタ顔料(大日精化社製:クロモファインマゼンタ6768)2.7部とシアン顔料(大日精化社製:フタロシアニンブルー4920)0.3部に変更した以外は、上記と同様の製造法で体積平均粒子径4μmの粉体塗料を得た。
(6)イエローとシアンの混色(γ)の粉体塗料
上記のイエロー顔料とマゼンタ顔料をイエロー顔料(クラリアント社製:トナーイエローHG)2.7部とシアン顔料(大日精化社製:フタロシアニンブルー4920)0.3部に変更した以外は、上記と同様の製造法で体積平均粒子径4μmの粉体塗料を得た。
以上により、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および混色(α)、(β)、(γ)の合計6色からなる粉体塗料を得た。
2.調色
<実施例1>
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色を用いて表1に示す組み合わせの粉体スラリー塗料18種(調色粉体スラリー塗料No.1〜18)を作製した。作製は、表1の組み合わせの粉体20部に、水77.5部、界面活性剤2部、陰イオンアクリル重合体分散剤2部及びレオロジー調整剤0.5部を加えたのち、ホモジナイザーで攪拌した。しかる後、フルイ38μmでパスさせて粉体スラリーを得た。
Figure 2008231312
<実施例2>
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および混色(α)、(β)、(γ)の合計6色を用いて表2に示す組み合わせの粉体スラリー塗料18種(粉体スラリーNo.19〜36)を作製した。粉体スラリーの作製法は実施例1と同様である。
Figure 2008231312
<比較例1>
比較のために、上記イエロー(Y)粉体塗料、マゼンタ(M)粉体塗料およびシアン(C)粉体塗料の3色の粉体塗料を用い、上記実施例1の場合と色相が対応するように、下記表3に示す組合せでヘンシェルミキサーによりドライブレンドして18色の粉体塗料(調色粉体塗料No.1〜18)を作製した。なお、ここで用いた粉体塗料の粉体の体積平均粒子径は10μmであり、実施例1および2で用いた4μmのものより大きい。
Figure 2008231312
3.塗装
実施例1の調色粉体スラリー塗料1〜18、実施例2の調色粉体スラリー塗料19〜36を水性静電ハンドガンで0.8mm×70mm×150mmのテストピース(パルテック社製 商品名:PB−137T)に塗布した。他方、比較例1の調色粉体塗料1〜18をコロナ型粉体塗装機で実施例1および2と同じテストピース(パルテック社製 商品名:PB−137T)に塗布し、180℃で20分間焼き付けて塗膜を有する塗装板を得た。なお、塗膜の膜厚は10〜30μmになるように調整した。
塗膜の評価は、目視により 色の偏析、まだら感、濃淡などの不良を観察した。不良が全くみられないものを○、不良がわずかながら生じているものを△、不良が明確に確認できるものを×とした。これらの評価結果を表1〜表3に示す。
表1〜3から明らかなように、比較例1(表3)は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色のドライブレンドによる調色の結果である。淡色のイエロー(Y)に濃色のシアン(C)やマゼンタ(M)を少量ブレンドしたとき、およびマゼンタ(M)にシアン(C)を少量ブレンドしたときに、不良が生じていることがわかる。これに対して、実施例1(表1)のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色の調色粉体スラリー塗料では、ドライブレンドした場合と比較して、不良の程度が大きく低減していることが示された。さらに、実施例2(表2)のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエローとマゼンタの混色(α)、マゼンタとシアンの混色(β)、および、イエローとシアンの混色(γ)の合計6色の粉体塗料のスラリーを用いて調色した場合には、いずれの色相においても、色の偏析、まだら感、濃淡などの不良が全く生じることがなく、ほぼ均一な色目を有する塗膜を形成することができた。
本発明の調色方法に用いる粉体塗料による色相環図の一例である。 イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色の粉体塗料による色相環図である。

Claims (9)

  1. 所定の色を有する複数色の粉体塗料を所望の比率で配合し所望の色を得る粉体塗料の調色方法において、上記所定の色を有する複数色の粉体塗料は、イエロー(Y)粉体塗料、マゼンタ(M)粉体塗料およびシアン(C)粉体塗料の3色粉体塗料を水に分散、スラリー化したものであることを特徴とする粉体塗料の調色方法。
  2. 所定の色を有する複数色の粉体塗料を所望の比率で配合し所望の色を得る粉体塗料の調色方法において、上記所定の色を有する複数色の粉体塗料は、イエロー(Y)粉体塗料、マゼンタ(M)粉体塗料およびシアン(C)粉体塗料の外に、イエロー顔料とマゼンタ顔料を80:20〜95:5の重量比で含有するイエローとマゼンタの混色(α)の粉体塗料、マゼンタ顔料とシアン顔料を80:20〜95:5の重量比で含有するマゼンタとシアンの混色(β)の粉体塗料、および、イエロー顔料とシアン顔料を80:20〜95:5の重量比で含有するイエローとシアンの混色(γ)の粉体塗料の6色粉体塗料を水に分散、スラリー化したものであることを特徴とする粉体塗料の調色方法。
  3. 前記3色粉体塗料または6色粉体塗料の各色粉体塗料は、粉体の体積平均粒子径が2〜6μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の粉体塗料の調色方法。
  4. 前記3色粉体塗料または6色粉体塗料の各色粉体塗料は、着色剤の配合量が結着樹脂100重量部に対して1.0〜20重量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の粉体塗料の調色方法。
  5. イエロー(Y)粉体塗料、マゼンタ(M)粉体塗料およびシアン(C)粉体塗料の3色粉体塗料が水に分散し、スラリー化されたことを特徴とするフルカラー用粉体スラリー塗料。
  6. イエロー(Y)粉体塗料、マゼンタ(M)粉体塗料およびシアン(C)粉体塗料の外に、イエローとマゼンタの混色(α)の粉体塗料、マゼンタとシアンの混色(β)の粉体塗料およびイエローとシアンの混色(γ)の6色粉体塗料が水に分散し、スラリー化したフルカラー用粉体塗料スラリーであって、前記混色(α)の粉体塗料はイエロー顔料とマゼンタ顔料を80:20〜95:5の重量比で含有し、前記混色(β)の粉体塗料はマゼンタ顔料とシアン顔料を80:20〜95:5の重量比で含有し、前記混色(γ)の粉体塗料はイエロー顔料とシアン顔料を80:20〜95:5の重量比で含有することを特徴とするフルカラー用粉体スラリー塗料。
  7. 前記3色粉体塗料または6色粉体塗料の各色粉体塗料は、粉体の体積平均粒子径が2〜6μmであることを特徴とする請求項5または6に記載のフルカラー用粉体スラリー塗料。
  8. さらにブラック(K)粉体塗料を含有することを特徴とする請求項5または6に記載のフルカラー用粉体スラリー塗料。
  9. 前記3色粉体塗料または6色粉体塗料の各色粉体塗料は、着色剤の配合量が結着樹脂100重量部に対して1.0〜20重量部であることを特徴とする請求項5または6に記載のフルカラー用粉体スラリー塗料。
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