以下に、本発明に係る弾球遊技機の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図4は、本実施形態に係る弾球遊技機の説明に供する図である。図1は本実施形態に係る弾球遊技機の概略的な構成を示す正面側の斜視図を、図2は図1に示した本実施形態に係る弾球遊技機の概略的な構成を示す背面側の斜視図を、図3は図1に示した本実施形態に係る弾球遊技機における遊技盤の概略的な構成を示す正面図を、図4は図3に示した本実施形態に係る弾球遊技機における遊技盤の概略的な構成を示す背面図を、図5は本実施形態に係る弾球遊技機における可変入賞装置の概略的な構成を示す斜視図である。
以下、本発明に係る弾球遊技機として特別電動役物を備えた第2種的パチンコ遊技機を例に挙げて説明する。また、各図面において、同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。なお、本明細書中で「入賞」と称する場合は、入賞ゲートや入賞口に遊技球が「通過」または「入球」することを含み、「演出」と称する場合は、文字、図形、または画像を用いた種々の演出態様を含む意味である。
図1に示すように、遊技機本体100は、外枠110と、外枠110に開閉自在に取り付けられた前枠120とを備えている。
前枠120は遊技盤300(図3参照)を裏側から着脱自在に装着する機能を備え、外枠110の一端部に設けられた上下一対のヒンジ部110aによって、縦軸回りに開閉自在に取り付けられている。また、前枠120にはガラス扉枠121と前面板123とが縦軸回りに開閉自在に取り付けられている。
ガラス扉枠121は、遊技盤300に形成された遊技領域を視認可能とするための窓部121aが形成されている。窓部121aは、遊技盤300と外部との接触を遮断し、遊技領域を視認可能とする透明板121bによって覆われている。
また、前枠120の上部には、遊技状態に応じた効果音を発生するスピーカ130が配置されている。また、スピーカ130は、警告音を発生させて、不正行為が行われている旨を外部に報知する不正報知手段としての役割を果たす。
前面板123には、遊技球を貯留したり、貯留された遊技球を発射装置(図示はしていない)に供給したりする上受け皿125aが配置されている。また、前面板123の下部には、余剰の遊技球を貯留したり、貯留した遊技球を外部に取り出したりする球抜き部125cを備えた下受け皿125bと、発射装置を作動させる発射ハンドル140とが配置されている。
ガラス扉枠121と前面板123とには、光の装飾によって遊技状態に応じた演出効果を奏するための装飾ランプ部150(図には一部の装飾ランプ部を示している)が配置されている。装飾ランプ部150は、発光素子(例えば、LED)を含んで構成されている。
外枠110の下端部前面側には下部外枠111が配置され、この内部にはスピーカ130が配置されている。
次に、図1に示した遊技機本体100の背面側の構成を説明する。
図2に示すように、遊技機本体100は、遊技盤300を裏側から固定する裏機構板215と、裏機構板215または遊技盤300の裏面側に装着され、各種制御基板を覆う裏カバー220とが開閉自在に装着されている。
裏機構板215には、遊技盤300の裏側の一部の領域を取り囲むように開口部が形成され、前記開口部の上部には、パチンコホール側の遊技球補給装置(図示はしていない)から供給された遊技球を貯留する貯留タンク230と、貯留した遊技球を賞球払出カセット240に供給するタンクレール231とが配置されている。タンクレール231は、賞球払出カセット240に遊技球が供給されるように傾斜して配置されている。
賞球払出カセット240は、払出駆動モータ241によって駆動する水車型の払出回転体(図示はしていない)を備えた賞球払出装置である。賞球払出カセット240は、前記払出回転体が駆動制御されることによって、遊技球を所定の個数ずつ(例えば、1個ずつ)払い出されるように構成されている。
裏カバー220は、遊技盤300に配置された各種の遊技部品(図3および図4参照)の裏面側を保護するためものである。また、裏カバー220の内側には、遊技動作全般の制御を司る主制御基板400、演出を制御する演出制御基板420、賞球の払い出しを制御する払出制御基板430、発射装置を制御する発射制御基板440、電源を制御する電源制御基板450、遊技機からの信号を外部に送信するための外部端子基板460が装着されている。
また、裏カバー220は上記各制御基板を収納する、主制御基板ケース400a、演出制御基板ケース420a、払出制御基板ケース430a、発射制御基板ケース440a、および電源制御基板ケース450aを含み、これらの基板ケースが遊技機本体100から着脱自在に装着されている。なお、電源制御基板450は、電源コード(図示はしていない)を介して外部電源に接続される。また、主制御基板400は、外部端子基板460を介して、ホール全体の遊技機を統括的に管理するホール管理用コンピュータ(図示はしていない)に接続されている。なお、上記各制御基板が有する機能については後述する。
次に、図3および図4を参照しつつ、本実施形態に係る弾球遊技機における遊技盤300の構成について説明する。
図3に示すように、遊技盤300の正面側には、発射された遊技球を誘導するための誘導レール305によって画定された遊技領域310が形成されている。
遊技領域310には遊技に供するための各種遊技部品が配置されており、主として、可変入賞装置320、アタッカー330、第1特別図柄始動口340、第2特別図柄始動口341、特別図柄表示装置350、普通図柄始動ゲート360、普通図柄表示装置370、一般入賞口380、複数の風車390、複数の遊技くぎ(図示はしていない)、および複数の装飾ランプ(図示はしていない)が配置されている。また、可変入賞装置320の後方には、演出表示装置329が配置されている。なお、上記各遊技部品の配置構成は、図3および図4に示すような配置構成に限定されず、目的に応じて適宜変更することができる。
また、図4に示すように、遊技盤300の背面側には、主として、遊技盤300の各種遊技部品を動作させるための電気的駆動源(上大入賞口ソレノイド521、第1可動式役物駆動モータ524a、第2可動式役物ソレノイド524b、回転体役物駆動モータ524c、V入賞口駆動モータ526、下大入賞口ソレノイド530、普通電動役物ソレノイド541)、演出表示装置329を収納するための液晶ユニットケース329a、遊技機本体100(遊技盤300)に発生する振動を検出する振動センサ777、V入賞口326または可動式役物324a〜324cのそれぞれ動作位置を検出する位置検出スイッチ(図示はしていない)が配置されている。
ここで、本発明の理解を容易なものとするために、本実施形態に係る弾球遊技機における可変入賞装置320の構成について詳細に説明しておく。
図5に示すように、可変入賞装置320は、一対の羽根部材321a、321bと上大入賞口322とを備え、いわゆる、特別電動役物としての機能を有するものである。
羽根部材321a、321bは、後述する第1特別図柄始動口340または第2特別図柄始動口341への遊技球の入球を契機として、所定の態様で開閉動作を実行するものであり、開閉部材として機能する。羽根部材321a、321bは、上大入賞口322への遊技球の入球を可能とする開状態(遊技者に対して有利な遊技状態)と遊技球の入球を困難または不可能とする閉状態(遊技者に対して不利な遊技状態)とに変換可能に構成され、後述する特別図柄表示装置350に特定の特別図柄が停止表示された場合(補助遊技状態(詳細は後述する)に当選した場合)、上大入賞口ソレノイド521によって所定の態様で開閉動作が実行されるようになっている。また、羽根部材321a、321bは、前記開状態において上大入賞口322に遊技球を入球し易いようにするために羽根形状で形成されており、いわゆる、チューリップ型の電動役物として構成されている。
羽根部材321a、321bの開閉動作によって上大入賞口322に入球した遊技球を遊動させる遊技空間部(遊技球を遊動させるための可変入賞装置320の内部)には、その内部に入球した遊技球を下流側に誘導するためのステージ328aおよびステージ328bが形成されている。前記遊技空間部は、ステージ328aおよびステージ328bによって、上部球遊動領域322a、中央部球遊動領域322b、および下部球遊動領域322cに区画されている。なお、ステージ328aは上大入賞口322に入球した遊技球を上部球遊動領域322aから中央部球遊動領域322bに流下させることができるように、ステージ328bは上大入賞口322に入球した遊技球を中央部球遊動領域322bから下部球遊動領域322cに流下させることができるように形成されている。
ステージ328aの羽根部材321aに近接する位置には、上大入賞口検出スイッチ323が形成されている。上大入賞口検出スイッチ323は、上大入賞口322に入球した遊技球を検出する機能を有し、遊技球を検出した場合、その検出した旨の検出情報を生成する。本実施形態では、ステージ328aが傾斜して形成されているので、羽根部材321b側から入球した遊技球も上大入賞口検出スイッチ323によって検出することができるようになっている。
中央部球遊動領域322bには、第1可動式役物324aおよび第2可動式役物324bが形成されている。第1可動式役物324aおよび第2可動式役物324bは、上大入賞口322に入球した遊技球の動き(遊技球の落下方向や転動方向)に変化を与えて、後述するV入賞口326またはハズレ入賞口327に遊技球を誘導するものである。第1可動式役物324aは第1可動式役物駆動モータ524aによって、第2可動式役物324bは第2可動式役物ソレノイド524bによって、所定の態様で動作されるように構成されている。本実施形態では、第1可動式役物324aは所定の軸を中心として左右に揺動するように構成され、第2可動式役物324bは第2可動式役物324bの本体の動作に連動して、その上部に形成された横軸回りに回動可能な球誘導はしご324dが揺動するように構成されている。なお、第1可動式役物324aおよび第2可動式役物324bの動作位置は、可動式役物324a、324bのそれぞれの動作位置を検出する位置検出スイッチ(図示はしていない)によって検出される。
また、中央部球遊動領域322bの後方には、透明板(図示はしていない)を介して演出表示装置329が配置されている。演出表示装置329は、遊技状態に応じた演出や遊技に関する情報を表示するものである。なお、演出表示装置329は、液晶表示装置、電子ペーパを用いた表示装置、回胴式遊技機に用いられるような回転式ドラム、または7セグメントのような表示装置など、種々の表示装置を用いることができる。
下部球遊動領域322cには、一対の回転体可動式役物324c、V入賞口326、V入賞口排出検出スイッチ326a、ハズレ入賞口327、およびハズレ入賞口排出検出スイッチ327aが形成されている。
回転体可動式役物324cは、第1可動式役物324aおよび第2可動式役物324bと同様に、上大入賞口322に入球した遊技球の動きに変化を与えて、後述するV入賞口326またはハズレ入賞口327に遊技球を誘導するものである。回転体可動式役物324cは、回転体役物駆動モータ524cによって所定の態様で動作されるように構成され、本実施形態では、一の回転体可動式役物324cは時計回りに、他の回転体可動式役物324cは反時計回りに回転するように構成されている。なお、回転体可動式役物324cの動作位置は、回転体可動式役物324cの動作位置を検出する位置検出スイッチ(図示はしていない)によって検出される。
V入賞口326は、特別遊技状態(詳細は後述する)の発生の契機となる入賞口であり、特定入賞領域として機能する。V入賞口326は、その内部に入球した遊技球をV入賞口排出検出スイッチ326aに誘導させるための誘導溝を含んで形成されている。V入賞口326は、V入賞口駆動モータ526によって所定の態様で動作されるように構成され、本実施形態では、所定の軸を中心として左右に揺動するように構成されている。このV入賞口326に入球した遊技球は、V入賞口排出検出スイッチ326aを通過して下部球遊動領域322cの下側から可変入賞装置320外部に排出される。なお、V入賞口326の動作位置は、V入賞口326の動作位置を検出する位置検出スイッチ(図示はしていない)によって検出される。
V入賞口排出検出スイッチ326aは、V入賞口326の下流側に形成され、V入賞口326に入球した遊技球を検出する機能を有し、遊技球を検出した場合、その検出した旨の検出情報を生成する。V入賞口排出検出スイッチ326aによって生成された検出情報は、特別遊技状態を発生させるための検出情報および遊技球が可変入賞装置320の外部に排出されたことを示す検出情報としての役割を果たす。
ハズレ入賞口327は、V入賞口326とは異なる領域に形成され(図5では、ハズレ入賞口327はV入賞口326よりも下流側に形成されている)、特別遊技状態の発生の契機とはならない入賞口であり、一般入賞領域として機能する。ハズレ入賞口327は、その内部に入球した遊技球を検出するハズレ入賞口排出検出スイッチ327aを含む。ハズレ入賞口327に入球した遊技球は、ハズレ入賞口排出検出スイッチ327aを通過して下部球遊動領域322cの下側から可変入賞装置320の外部に排出される。
ハズレ入賞口排出検出スイッチ327aは、ハズレ入賞口327の下流側に形成され、ハズレ入賞口327に入球した遊技球を検出する機能を有し、遊技球を検出した場合、その検出した旨の検出情報を生成する。ハズレ入賞口排出検出スイッチ327aによって生成された検出情報は、遊技球が可変入賞装置320の外部に排出されたことを示す検出情報としての役割を果たす。
なお、本実施形態では、V入賞口排出検出スイッチ326aとハズレ入賞口排出検出スイッチ327aとが別個に形成されていると説明したが、これに限らず、V入賞口排出検出スイッチ326aの機能を分離して、特別遊技状態を発生させるための検出情報のみを生成する特定領域検出スイッチを形成しても良い。この場合、V入賞口326またはハズレ入賞口327を通過した遊技球を一箇所に集合させる球誘導路を形成して、下部球遊動領域322cの下側から可変入賞装置320の外部に排出される遊技球を纏めて検出する排出球検出スイッチを形成する。
再び、図3および図4を参照する。図3および図4に示すように、振動センサ777は、可変入賞装置320の近傍の位置に形成され、遊技機本体100に外部から物理的な衝撃が加えられた場合、その衝撃によって遊技機本体100に発生する振動を検出するものであり、振動検出手段として機能する。振動センサ777としては、例えば、水晶式センサ(水晶式圧電効果型加速度計)、力平衡式センサ(サーボ加速度計)、振り子式センサ(振り子式加速度計)などの機械電気変換素子を使用することができる。
振動センサ777は、例えば、可変入賞装置320の内部に入球した遊技球をV入賞口326へ誘導させることを目的として、遊技球の動きや可動式役物324a〜324cの動きを見計らって遊技機本体100に衝撃が加えられたときに発生する異常な振動(不正な振動)を検出するためのものである。検出した振動は、その大きさに比例した電気信号に変換され、演出制御基板420に送信される。
本実施形態に係る弾球遊技機のような第2種的弾球遊技機において、不正を目的とした衝撃が遊技機本体100に加えられた場合、この衝撃によって発生した振動がV入賞口326への入球確率(遊技球が入球する確率)に直接影響を及ぼしてしまう。このため、振動センサ777は、上記不正を目的とした衝撃を精度良く検出するため、可変入賞装置320またはV入賞口326の近傍の位置(例えば、ステージ328aまたはステージ328b)に形成することが好ましい。なお、振動センサ777が形成される位置は特に限定されず、上記のような不正を目的とする衝撃や振動を検出することが可能な位置であれば、遊技機本体100の任意の位置(例えば、上受け皿125a、下受け皿125b、遊技盤300の表面側(遊技部品も含む)や裏面側)に形成しても良い。また、振動センサ777は1つに限らず、複数個形成しても良い。
また、本実施形態に係る弾球遊技機のように、V入賞口326またはハズレ入賞口327に遊技球を誘導するための可動式役物が複数個形成されている場合、通常、V入賞口326までの到達経路が複数形成されている。可変入賞装置320の内部に入球した遊技球は、各可動式役物324a〜324cによって選択された前記到達経路に沿って誘導され、V入賞口326またはハズレ入賞口327に入球していく。この種の弾球遊技機の場合、遊技に興奮した遊技者やゴト師(不正目的で利益を得る行為(ゴト行為)を行う者)が複数回に分けて断続的に小さな衝撃〜大きな衝撃を遊技機に加え、V入賞口までの到達経路が有利になるように遊技球の動きに変化を与える場合(いわゆる、「ドツキゴト行為」が該当する)が想定される。このような場合を想定し、本発明では、振動センサ777によって所定レベル以上の振動が第1の所定時間継続して検出された場合か、または振動センサ777によって第2の所定時間内に当該所定レベル以上の振動を検出された累積回数が所定値に達した場合のいずれか一方の条件を満たしたときに、V入賞口326へ遊技球を入球させるために遊技者が故意に与えた不正な振動であるとして、不正行為を検出するようにしている。例えば、振動センサ777が所定レベル以上の振動(通常の遊技状況では発生する可能性の低い振動レベル)を検出した場合、オン状態(振動を検出した旨の状態)に設定されるが、このとき、20ms間、継続してオン状態である場合(継続的に所定レベル以上の振動を検出している場合、例えば、V入賞口326に遊技球が入球する最終到達経路を選択する段階で加えられる大きな衝撃)には不正な振動であるとして、不正行為が行われているとみなすようにしている。
一方、振動センサ777が上記のように20ms間、オン状態ではない場合、例えば、ゴト師が振動感知機構などのゴト防止装置を警戒して、遊技機本体100に加えた衝撃が比較的小さい場合、不正行為が行われているのにもかかわらず、20ms間、オン状態ではない可能性がある(20ms未満の間、断続的に振動が検出される)。このような場合も想定し、本発明では、第2の所定時間内に前記オン状態の累積回数が所定値に達した場合も、不正な振動であるとして、不正行為が行われているとみなすようにしている。
この結果、単に、所定レベル以上の振動を検出した場合に一律に不正行為として検出する従来の方法よりも、不正行為の誤検出を排除して、効果的に不正行為を検出することができるようになる。特に、それぞれの形態(または動作態様)が異なる可動式役物が複数形成された機種の場合、可動式役物の形態やその動作に応じて、遊技球をV入賞口へ誘導させるために遊技機に加える衝撃の強さが異なっていたとしても、不正行為を正確に検出することができるようになるので有用である。
また、上記不正な振動の検出方法とは異なり、振動センサ777によって第1の所定レベル以上の振動が第1の所定時間検出された場合か、または振動センサ777によって第2の所定時間内に第2の所定レベル以上(第1の所定レベル以上とは異なる振動レベル)の振動を検出された累積回数が所定値に達した場合のいずれか一方の条件を満たしたときに、V入賞口326へ遊技球を入球させるために遊技者が故意に与えた不正な振動であるとして、不正行為を検出するようにしても良い。この場合、前記第1の所定レベルと前記第2の所定レベルとを異ならせることにより、多様な機種に応用することが可能である。さらに、前記第1の所定レベルと前記第2の所定レベルとを異ならせたり、または同じにしたりして、可動式役物の形態やその動作に応じて、複数の振動検出条件を組み合わせて構成しても良い。
また、図示はしていないが、振動センサ777からの信号を増幅するための増幅器と増幅器から出力される信号の中から特定の周波数の信号のみを通過させるバンドパスフィルタを含む信号抽出装置を備えていても良い。前記増幅器は増幅率を調整する一般的な増幅率調整回路を含んで構成し、振動センサ777の感度を調整しても良い。前記バンドパスフィルタは、振動センサ777によって抽出された信号から、抽出したい信号の周波数帯域に応じてそのフィルタの構成を変更することができ、例えば、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、または、これらの組み合わせたものから構成することができる。特定の周波数帯域の信号を抽出するように構成した場合、例えば、弾球遊技機の枠開閉の際に発生する振動波形や振動ピークなどの不正な振動ではないとされる振動の特性(振動センサ777から検出される振動波形、振動レベルのピーク、P−P値などの物理量)を実験等によりあらかじめ求めて記憶しておき、抽出した信号から前記物理量を算出し、記憶した前記振動の特性と比較することによって、ゴト行為の意図が無い振動と不正行為によって生じた振動とを選別して検出することができる。
なお、不正な振動が検出された場合、スピーカ130、装飾ランプ部150(発光手段を含む)、または演出表示装置329を用いて、音、光、または画像などにより、不正行為が行われている旨を報知して、所定の不正行為防止措置を講じるようにしている。
また、上記不正な振動の検出は、上大入賞口検出スイッチ323(図4参照)によって遊技球が検出されたことを契機として開始させ、当該遊技球がV入賞口排出検出スイッチ326aまたはハズレ入賞口排出検出スイッチ327aに検出され、可変入賞装置320の外部へ遊技球が総て排出されたことを確認してから終了させることが好ましい。
このようにする理由は、ゴト師が遊技機本体100に衝撃を加えるのは、通常、可変入賞装置320に遊技球が入球している間である。したがって、可変入賞装置320に遊技球が入球している間、不正な振動の検出を行うことによって、ゴト行為の意図が無い振動を誤って検出してしまうということを最小限に抑えることができるようになる。なお、不正な振動の検出開始時期および終了時期は、上記のような時期に限らず、後述する第1特別図柄始動口340または第2特別図柄始動口341への遊技球の入球を契機として開始させ、所定時間を経過した後、終了させても良く、目的に応じて種々の態様に変更することができる。
アタッカー330は、可変入賞装置320とは異なる位置に形成され、アタッカー330下部側の横軸回りに開閉自在に形成された開閉扉330bと、その内部に入球した遊技球を検出するアタッカースイッチ330aとを備え、いわゆる、特別電動役物としての機能を有するものである。
開閉扉330bは、アタッカー330の内部空間への遊技球の入球を可能とする開状態と遊技球の入球を困難または不可能とする閉状態とに変換可能に構成され、後述する特別図柄表示装置350に特定の特別図柄が停止表示された場合、下大入賞口ソレノイド530によって所定の態様で開閉動作が実行されるようになっている。
第1特別図柄始動口340は、遊技球の入球に基づき、上大入賞口ソレノイド521または下大入賞口ソレノイド530を作動させて、通常の遊技状態よりも遊技者に対して有利な遊技状態(以下、「補助遊技状態」と称する)を発生させるか否かの当否抽選(乱数抽選に基づく当否抽選)の開始の契機となる入賞口である。第1特別図柄始動口340は、その内部に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ340aを含む。第1始動口スイッチ340aは、第1特別図柄始動口340に入球した遊技球を検出した場合、その検出した旨の検出情報を生成する。なお、第1特別図柄始動口340への入球に基づく前記当否抽選の結果は、後述する特別図柄表示装置350に表示されるようになっている。
第2特別図柄始動口341は、遊技球の入球に基づき、前記補助遊技状態を発生させるか否かの当否抽選の開始の契機となる入賞口である。第2特別図柄始動口341は、その内部に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ341aを含む。第2始動口スイッチ341aは、第2特別図柄始動口341に入球した遊技球を検出した場合、その検出した旨の検出情報を生成する。なお、第2特別図柄始動口341への入球に基づく前記当否抽選の結果は、後述する特別図柄表示装置350表示されるようになっている。
また、第2特別図柄始動口341は、第1特別図柄始動口340とはその形態が異なり、普通電動役物ソレノイド541によって可動する一対の可動翼片341b、341cを備え、いわゆるチューリップ型の電動役物として構成されている。
可動翼片341b、341cは、普通電動役物ソレノイド541が作動する条件となる特定の普通図柄が普通図柄表示装置370に表示された場合に作動し、第2特別図柄始動口341の入賞領域を開放または拡大するものである。したがって、普通電動役物ソレノイド541が作動しない場合には、可動翼片341b、341cによって第2特別図柄始動口341の入賞領域が閉鎖または縮小された状態となっているため、第1特別図柄始動口340の入球確率よりも第2特別図柄始動口341の入球確率の方が低い入球確率となっている。
特別図柄表示装置350は、補助遊技状態を発生させるか否かの当否抽選の結果を報知するための特別図柄を所定の表示態様で変動させながら表示して、当該当否抽選の結果に応じた特別図柄をその変動を停止させることによって表示するものである。特定の特別図柄が特別図柄表示装置350に停止表示された場合、羽根部材321a、321bや開閉扉330bの開閉動作が所定の態様で実行され、前記補助遊技状態が発生する。なお、特別図柄は、識別情報として機能を有するものであれば特に限定はされず、文字、図形、数字、またはこれらの組み合わせの総てを含む。また、特別図柄の変動回数は、変動中のものを除き、所定の上限値(例えば、4回)まで記憶可能となっており、記憶されている値(保留球数)は、それぞれ特別図柄保留記憶数表示装置(図示はしていない)によって表示されるようになっている。
ここで、本発明に係る弾球遊技機の理解を容易なものとするために、前記補助遊技状態および前記特別遊技状態について簡単に説明しておく。
本実施形態では、補助遊技状態として、「小当たり」、「中当たり」、「大当たり」の3態様の補助遊技状態が設定されている。これらの当たりは、特定の特別図柄が特別図柄表示装置350に停止表示されたことを契機として発生する。補助遊技状態は、「小当たり」〜「大当たり」の順に遊技者に対して有利な遊技状態となるように設定され、「小当たり」〜「大当たり」の順に当選確率(例えば、「小当たり」は398分の249、「中当たり」は398分の147、「大当たり」は398分の1で当選)が低くなるように設定されている。なお、補助遊技状態は、上記のような態様に限られるものではなく、1つまたは複数の補助遊技状態を設定することができる。
羽根部材321a、321bの開閉動作は、「小当たり」の場合には「開状態維持時間0.4秒×開閉動作回数1回」とし、「中当たり」の場合には「開状態維持時間0.4秒(閉状態維持時間0.8秒)×開閉動作回数2回(閉状態回数1回)」として設定して、「小当たり」よりも「中当たり」の方が羽根部材321a、321bの開状態維持時間を長くし、遊技者に対して有利な遊技状態を提供することができるようにしている。なお、「中当たり」の場合、開閉動作1回目と2回目との間に、0.8秒間のインターバル時間(閉状態維持時間)が設定されている。
さらに、「大当たり」の場合、「小当たり」および「中当たり」よりも遊技者に対して有利な遊技状態となるように、羽根部材321a、321bの動作を中断(特別図柄の変動の開始を中断して、特別図柄表示装置350に特定の特別図柄を表示されないようにする)して、アタッカー330が備える開閉扉330bを所定の態様で動作するようにしている。例えば、開閉扉330bの開閉動作を「開状態維持時間29.8秒(またはアタッカー330の内部空間に所定の個数の遊技球が入球した場合(アタッカースイッチ330aが所定の個数の遊技球を検出した場合)に開状態維持時間内であっても閉状態に変換)×開閉動作回数15回(閉状態回数14回)」として、「小当たり」および「中当たり」よりも、短時間で多くの賞球を獲得できるようにしている。
なお、羽根部材321a、321bや開閉扉330bの開閉動作は、上記のような動作態様(所定の回数交互に繰り返したり、一定時間、開状態または閉状態を維持したりする時間)に限られることはなく、様々な動作態様に適宜変更することができる。また、「大当たり」が終了した後、普通図柄や特別図柄の変動時間を短縮する時短状態や、「大当たり」に当選する確率を変動させる確率変動状態を発生させても良い。
本実施形態では、「大当たり」の場合、条件装置(特別図柄表示装置350に特定の特別図柄(大当たり用の特別図柄)が停止表示されるか、またはV入賞口326に遊技球が入球したことを条件として作動する装置。図示はしていない)の作動を条件として、役物連続作動装置(特別電動役物を連続して作動させることができる装置)が作動し、開閉扉330bの開閉動作が所定の回数繰り返し実行されるように構成されている。
前記役物連続作動装置によって、例えば、開閉扉330bの開閉動作を繰り返し実行させる場合、開閉扉330bの1回の開閉動作である「開状態維持時間29.8秒×開閉動作回数1回」を1ラウンドとして設定し、所定のラウンド数、例えば、最大継続ラウンド数を15ラウンドとして設定し、設定したラウンド数が終了するまで繰り返し実行するように構成することができる。このとき、第1ラウンド終了から所定の時間(ラウンド間のインターバル時間)が経過した後に第2ラウンドが開始されるように構成しても良い。
また、前記特別遊技状態は、「小当たり」または「中当たり」に当選したときの羽根部材321a、321bの開閉動作によって上大入賞口322に入球した遊技球が、V入賞口326が備えるV入賞口排出検出スイッチ326aを通過したことを契機として特別遊技状態(以下、必要に応じて「V当たり」と称する)を発生させるようにしている。
前記特別遊技状態は、羽根部材321a、321bの開閉動作を「開状態維持時間0.9秒(閉状態維持時間0.5秒)×開閉動作回数18回(閉状態回数17回)」を1ラウンド(なお、上大入賞口322に所定の個数の遊技球が入球した場合(上入賞球検出スイッチ323が所定の個数の遊技球を検出した場合)、開閉動作回数が18回未満であっても閉状態に変換して1ラウンドを終了させる)として、15ラウンドを最大継続ラウンドとして設定し、遊技者に対して有利な遊技状態を発生させるようにしている。本実施形態では、V入賞口326に遊技球が入球した旨の検出情報に基づき、条件装置が作動するようにしている。そして、条件装置の作動に伴い役物連続作動装置が作動し、羽根部材321a、321bの開閉動作が所定の態様で繰り返し実行されるように構成されている。
また、「小当たり」または「中当たり」の当たり状態に応じて、特別遊技状態発生における前記ラウンド数を変更するように構成しても良い。例えば、「小当たり」状態のときにV入賞口326に遊技球が入球した場合にはラウンド数を7回とし、「中当たり」状態のときにV入賞口326に遊技球が入球した場合にはラウンド数を15回と設定して、特別遊技状態が複数の遊技状態を有するように構成しても良い。なお、羽根部材321a、321bの特別遊技状態における開閉動作は、上記のような動作態様に限られることはなく、種々の動作態様に変更することができる。
普通図柄始動ゲート360は、普通電動役物ソレノイド541を作動させるか否かの当否抽選の開始の契機となる始動ゲートである。普通図柄始動ゲート360は、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ360aを含み、いわゆるゲート型形状で形成されている。ゲートスイッチ360aは、普通図柄始動ゲート360を通過した遊技球を検出した場合、その検出した旨の検出情報を生成する。
普通図柄表示装置370は、普通電動役物ソレノイド541を作動させるか否かの当否抽選の結果を報知するための普通図柄を所定の表示態様で変動させながら表示して、当該当否抽選の結果に応じた普通図柄をその変動を停止させることによって表示するものである。普通図柄表示装置370によって特定の普通図柄が停止表示された場合、普通電動役物ソレノイド541によって可動翼片341b、341cが作動し、第2特別図柄始動口341の入賞領域が開放または拡大される。なお、普通図柄は、識別情報として機能を有するものであれば特に限定はされず、文字、図形、数字、またはこれらの組み合わせの総てを含む。また、普通図柄始動ゲート360への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動は、変動中のものを除き、遊技に応じて所定の上限値(例えば、4回)まで記憶可能となっており、記憶される値は、普通図柄保留記憶数表示装置(図示はしていない)よって表示されるようになっている。
なお、特別図柄表示装置350に表示される特別図柄や普通図柄表示装置370に表示される普通図柄を、前述した演出表示装置329を用いて表示させたり、特別図柄保留記憶数表示装置や普通図柄保留記憶数表示装置に表示する保留球数を表示させたりするように構成しても良い。
一般入賞口380(図では一部の一般入賞口について示している)は、遊技球の入球を検出する入賞口スイッチ380aを含み、一般入賞口に遊技球が入球した場合、所定の個数の遊技球のみが払い出されるように構成された入賞口である。
風車390は、羽根車状に形成されており、遊技球の落下の方向に変化を与えるものである。
遊技くぎは、くぎ状のもので形成され、遊技球の落下の方向に変化を与えるものである。図示はしていないが、遊技くぎは、遊技領域310上にその一部を埋設して複数形成され、目的に応じて所定の形態で配置されている。遊技くぎは、風車390と相まって、遊技球の落下の方向に様々な変化を与え、遊技の興趣を高める手段の一つとして形成される。
装飾ランプは、主として、遊技領域310に形成される遊技部品または遊技領域310に複数形成され、遊技状態に応じて光の装飾による演出効果を奏するものである。装飾ランプは、発光素子(例えば、LED)を含む。また、装飾ランプは、警告光を発生させて、不正行為が行われている旨を外部に報知する不正報知手段として役割を果たす。
次に、図6〜図15を参照しつつ、本発明に係る弾球遊技機の制御系について詳細に説明する。図6は図1〜図3に示した弾球遊技機の制御系の概略的な構成を示すブロック図を、図7〜図15は図6に示した弾球遊技機の遊技動作に関する処理内容の説明に供する図である。なお、図1〜図5と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
図6に示すように、本実施形態に係る弾球遊技機の制御系は、遊技状態に応じた遊技動作を制御する制御手段として、主制御基板400、演出制御基板420、払出制御基板430、発射制御基板440、および電源制御基板450を備えている。
主制御基板400は、遊技動作全般の制御を司るものである。主制御基板400は、遊技動作を制御するための制御プログラムを記憶する主制御用ROM401、作業領域として一時的にデータを記憶する主制御用RAM402、前記制御プログラムにしたがって遊技動作に係る処理を実行する主制御用CPU403を含み、図示はしていないが、特別図柄表示装置350や普通図柄表示装置370、そして、各制御基板(演出制御基板420〜電源制御基板450)に制御信号を送信するためのI/Oポートおよびその他の周辺回路を含む基本回路が形成されている。なお、後述する演出制御基板420、払出制御基板430、発射制御基板440、および電源制御基板450についても、各制御基板がそれぞれ有する機能に応じた基本回路が形成されている。
また、前記基本回路には、各種スイッチ(上大入賞口検出スイッチ323、V入賞口排出検出スイッチ326a、ハズレ入賞口排出検出スイッチ327a、第1始動口スイッチ340a、第2始動口スイッチ341a、ゲートスイッチ360a、アタッカースイッチ330a、入賞口スイッチ380a、その他、遊技動作に係る各種スイッチ(図示はしていない)を含む)から送信される検出情報が入力される入力ドライバ回路(図示はしていない)、各種電気的駆動源(上大入賞口ソレノイド521、第1可動式役物駆動モータ524a、第2可動式役物ソレノイド524b、回転体役物駆動モータ524c、V入賞口駆動モータ526、下大入賞口ソレノイド530、普通電動役物ソレノイド541)を駆動制御する駆動信号を出力するための駆動回路(図示はしていない)が形成されている。
主制御基板400は、図示はしていないが、上記各種スイッチからの検出情報を管理処理する入力管理手段、各種遊技動作を制御するために必要な時間を管理するタイマ管理手段、普通図柄の表示態様の決定や普通電動役物ソレノイド541を作動させるか否かの当否抽選を行う普通図柄制御手段、普通図柄制御手段による当否抽選結果に基づき普通電動役物ソレノイド541を駆動制御する普通電動役物制御手段、特別図柄の表示態様の決定や上大入賞口ソレノイド521または下大入賞口ソレノイド530を作動させるか否かの当否抽選を行う特別図柄制御手段、特別図柄制御手段による当否抽選結果に基づき上大入賞口ソレノイド521または下大入賞口ソレノイド530を駆動制御する特別電動役物制御手段、可動式役物324a〜324cおよびV入賞口326の動作を管理して第1可動式役物駆動モータ524a、第2可動式役物ソレノイド524b、回転体役物駆動モータ524c、V入賞口駆動モータ526を駆動制御する可動物制御手段、賞球の払い出しを管理する入賞処理手段、遊技動作の異常を監視するエラー管理手段、および電源遮断時における遊技状態のバックアップや電源遮断時における遊技状態を復旧させたりする遊技復旧手段を備えている。
主制御基板400において生成された遊技動作に関する各種の制御信号は、制御コマンドとして、I/Oポートや周辺基板(インターフェース基板や中継基板)を介して一方向通信により、各制御基板(演出制御基板420〜電源制御基板450)、特別図柄表示装置350や普通図柄表示装置370に送信される。なお、演出制御基板420〜電源制御基板450は、前記制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドに基づき所定の処理を実行するように構成されている。
また、演出制御基板420および払出制御基板430は、主制御基板400から送信された制御コマンドを一時的に記憶する制御コマンド記憶手段(図示はしていない)を備えており、この制御コマンド記憶手段に記憶された制御コマンドを読み出し、読み出した制御コマンドを解析して、所定の処理を実行するように構成されている。なお、制御コマンドを送信する場合、ノイズなどの電気的な妨害による送信ミスを防止するため、所定の時間間隔をおいて制御コマンドを複数回送信するようにしている。前記制御コマンドには、演出制御基板420、払出制御基板430を制御するための種々の制御コマンドが含まれる。
演出制御基板420は、主制御基板400から送信される演出に関する演出制御コマンドを解析して、解析した演出制御コマンドに基づき、スピーカ130、装飾ランプ部150、演出表示装置329などの演出手段を制御するものである。演出制御基板420は、各種演出手段を制御するための演出用制御プログラムや演出パターン(画像データ、音声データなどの演出用データ)を記憶する演出制御用ROM421、作業領域として一時的にデータを記憶する演出制御用RAM422、前記演出用制御プログラムにしたがって演出に係る処理を実行する演出制御用CPU423を含む。なお、図示はしていないが、演出制御基板420にはスピーカ130の音声出力を制御する音声制御手段(図示はしていない)、装飾ランプ150などが備える発光素子(発光手段)を制御する発光制御手段、演出表示装置329に表示する装飾図柄を作成したり、演出表示装置329の表示態様を制御したりする演出表示制御手段(例えば、VDP(Video Display Processor))が含まれる。演出制御用CPU423は、主制御基板400から送信される演出制御コマンドに基づき、演出制御用ROM421に記憶された演出パターン用テーブルから、解析した制御コマンドに対応する演出パターンを選択して、選択した演出パターンに基づき、装飾ランプ、スピーカ130、または演出表示装置329を制御する。なお、演出パターンは、規則的に同じ演出が実行されることを防止するため、所定の乱数抽選に基づき決定される。
さらに、本実施形態における演出制御用CPU423は、振動センサ777からの検出情報(振動信号)を受信し、受信した信号に基づき、不正な振動であるか否かを判定する不正振動判定手段としての機能を有している。演出制御用ROM421には、前記不正な振動であるか否かを判定するための判定プログラムが記憶され、演出制御用RAM422は振動センサ777からの検出情報を一時的に記憶する記憶領域を有している。演出制御用CPU423は、演出制御用ROM421および演出制御用RAM422と連携することによって、振動センサ777からの検出情報に基づき、不正な振動であるか否かを判定する。そして、不正な振動であると判定した場合には、スピーカ130、装飾ランプ部150、演出表示装置329などの演出手段を制御して、その旨を報知するように構成されている。
前記不正な振動であるか否かの判定は、既に説明したように、振動センサ777によって所定レベル以上の振動が第1の所定時間検出された場合か、または振動センサ777によって第2の所定時間内に当該所定レベル以上の振動が検出された累積回数が所定値に達した場合のいずれか一方の条件を満たしたときに、不正な振動であると判定する。
本実施形態では、演出制御基板420によって不正な振動であるか否かを判定する機能を有していると説明したが、これに限らず、上記不正振動判定手段としての機能を主制御基板400(エラー管理手段)に持たせても良い。
なお、図示はしていないが、演出制御基板420にはスピーカ130の音声出力を制御する音声制御手段(図示はしていない)、装飾ランプ150などが備える発光素子(発光手段)を制御する発光制御手段、演出表示装置329に表示する装飾図柄を作成したり、演出表示装置329の表示態様を制御する演出表示制御手段(例えば、VDP(Video Display Processor))が含まれる。各種演出は、演出パターン用のテーブルから、解析した制御コマンドに対応する演出パターンを選択して、選択した演出パターンに基づき、装飾ランプ、スピーカ130、または演出表示装置329を制御する(例えば、演出表示装置329に不正行為である旨を表示したり、スピーカ130から警告音を発生させたり、装飾ランプによって通常とは異なる発光態様で発光させたりする)。
払出制御基板430は、主制御基板400から送信された賞球の払い出しに関する賞球制御コマンド(払出制御コマンド)に基づき、賞球払出カセット240における払出駆動モータ241を駆動制御したり、賞球の払い出し球数を記憶したりするものである。
払出制御基板430は、払い出し数に未払いの賞球の記憶がある場合、その未払い出し分の賞球を所定の払い出し数を1単位として優先的に払い出すように払出駆動モータ241を駆動制御する。なお、所定の払い出し数は、例えば、アタッカー330に対する賞球数(遊技球1個の入賞に対する払い出し数)が15個で、一般入賞口380に対する賞球数が10個の場合、その最も多い払い出し個数15個よりも多い数(例えば、25個)に設定されている。また、払出制御基板430は、賞球の払い出しに関する状態信号を主制御基板400に送信している。また、払出制御基板430は、発射制御基板440に発射制御信号を送信し、発射装置を制御している。
発射制御基板440は、払出制御基板430によって制御され、発射装置が備える発射停止スイッチや発射強度を調整する発射強度センサなどの発射動作に関する発射制御コマンドを受信して、遊技球を発射するための発射装置を制御するものである。
電源制御基板450は、遊技機本体100に電源を供給または遮断したり、バックアップ用の電源を保持したりするものである。
次に、以上に説明した本実施形態に係る弾球遊技機の遊技動作について簡単に説明しておく。
まず、遊技者は、遊技機本体100とは別に設置された遊技媒体貸出ユニット(遊技機に対して遊技媒体の貸し出し実行する遊技媒体貸出装置、図示はしていない)に金銭または遊技媒体貸し出し用のプリペイドカードを挿入する。そうすると、挿入した金銭の額に応じた遊技球が前記遊技球貸出ユニットから払い出される(一般的には、遊技球貸出ユニットからの遊技球は、遊技機本体100の賞球払出カセット240を介して上受け皿125aに払い出される)。そして、払い出された遊技球を上受け皿125a入れ、遊技の準備をする。
次に、遊技者が発射ハンドル140を操作すると、上受け皿125aの遊技球が発射動作に連動して発射装置に供給されると共に、前記発射装置が備える打撃槌によって遊技球が1個ずつ打撃(連発して)され、打ち出される。打ち出された遊技球は、誘導レール305に沿って、遊技領域310の上部に送られる。
遊技領域310の上部に到達した遊技球は、遊技領域310上を落下していくが、この落下している間、可変入賞装置320、遊技くぎ、または風車390などの遊技部品によって落下の方向に変化を与えらながら落下していき、第1特別図柄始動口340、第2特別図柄始動口341、普通図柄始動ゲート360、または一般入賞口380に入賞したり、そのまま、遊技領域310最下部へと落下してアウト口に入球したりする。
普通図柄始動ゲート360を遊技球が通過した場合、普通図柄表示装置370における普通図柄の変動表示が開始される。このとき、普通図柄表示装置370に特定の普通図柄が停止すれば、所定の開放パターンに基づき、可動翼片341b、341cが作動する。この結果、第2特別図柄始動口341への遊技球の入球が容易になる。
第1特別図柄始動口340または第2特別図柄始動口341に遊技球が入球した場合、特別図柄表示装置350における特別図柄の変動または停止表示に連動して、演出表示装置329によって所定の演出が実行される。このとき、特別図柄表示装置350に特定の特別図柄が停止表示された場合、「小当たり」、「中当たり」、または「大当たり」のいずれかが発生して、それぞれの当たりに応じて羽根部材321a、321b、または開閉扉330bの開閉動作が実行され、上大入賞口322、アタッカー330の内部空間(下大入賞口)が開放される。
羽根部材321a、321bの開閉動作によって上大入賞口322に入球した遊技球は、第1可動式役物324a、第2可動式役物324b、または回転体可動式役物324cによって、その落下方向や転動方向に変化が与えられつつ、V入賞口326またはハズレ入賞口327に誘導され、いずれかの入賞口へ入球していく。このとき、投資金額が嵩んだ遊技者が興奮して遊技機本体100に打撃(衝撃)を加えたり、ゴト師が不正の目的で遊技機本体100に打撃を加えたりして遊技盤300に異常な振動が生じた場合、その振動が振動センサ777によって検出され、不正行為である旨が報知される。
V入賞口326に遊技球が入球した場合、特別遊技状態が発生して、羽根部材321a、321bの開閉動作が実行される。
なお、遊技中は、装飾ランプ部150、スピーカ130、または演出表示装置329などの演出手段によって遊技状態に応じた演出が実行される。
次に、図7〜図15を参照しつつ、本実施形態に係る弾球遊技機の動作内容について詳細に説明する。なお、以下で説明する各処理内容においては、各処理内容を実行するために設定した条件(処理状態に応じて成立または更新される変数(いわゆる、フラグ))は、処理状態に応じて一時的に記憶され、更新されるようにしている。
図7は、本実施形態の弾球遊技機における主制御基板400によって実行される主制御側メイン処理を示すフローチャートである。
まず、遊技機本体100に対して外部から電源が投入されると、電源制御基板450によって各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送信される。そして、主制御基板400は、図7に示す主制御側メイン処理を開始する。主制御側メイン処理において、主制御基板400は、遊技動作開始前における必要な初期設定をするため処理(以下、「初期設定処理」と称する)を実行する(ステップS10)。この初期設定処理では、主として、主制御基板400は、まず、割り込み禁止に設定し、割込モードを所定の割り込みモードに設定し、主制御基板400が備えるCPUに内蔵されているRAMを書き込み許可に設定する。そして、入出力ポート(PIO)などの周辺回路および乱数生成の初期設定を行う。
次に、主制御基板400は、入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号の状態(ONかOFFかを)を確認する(ステップS11)。RAMクリアスイッチがOFFの場合(ステップS11:NO)、主制御基板400は、遊技機本体100への電源が遮断されたときに遊技復旧手段のバックアップ領域(バックアップRAM)のデータの処理状態が有効か否かを判定する(ステップS12)。バックアップRAMに記憶されているバックアップデータの処理状態が有効か否かの判定は、例えば、電力遮断時においてバックアップRAMに設定されるバックアップフラグの状態による。具体的には、主制御基板400は、電源が遮断された場合、電源遮断発生直前において処理した内容をバックアップRAMに保存する。このとき、チェックサムを算出して保存している。電源復旧時には、チェックサムの比較が実行される。そして、比較した結果に基づき、バックアップRAMに保存されているデータが、電源遮断時のデータとは異なっている場合には、バックアップが有効でないと判定するようにしている。バックアップが有効でないと判定した場合(ステップS12:NO)、ステップS14の処理へ進む。一方、バックアップが有効であると判定した場合(ステップS12:YES)、バックアップRAMに記憶されているバックアップデータに基づき、遊技復旧手段によって遊技復旧処理が実行される(ステップS13)。この遊技復旧処理では、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技動作を開始するように処理を実行する。
RAMクリアスイッチがONの場合(ステップS11:YES)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定し、RAMを初期化する処理を実行する(ステップS14)。
次に、主制御基板400は、RAMの初期化に伴い、RAMをクリアした旨の情報を初期化制御コマンド(例えば、演出表示装置329に待機中画面を表示させるための制御コマンド)として、各制御基板に送信する(ステップS15)。
次に、主制御基板400は、タイマ割り込み(本実施形態で用いられる主制御基板400は、タイマ/カウンタ回路(CTC:Counter Timer Circuit)を含み、CTCは、外部クロック/タイマトリガ、タイマ出力ZC/TOを備えている)を4ms周期で使用するための設定をする(ステップS16)。この設定によって、初期値として4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定され、後述する主制御側タイマ割り込み処理(図8参照)が4ms周期ごとにかかるように設定される(後述する演出制御基板420によって実行される演出制御側メイン処理においても同様に演出制御側タイマ割り込み処理が4ms周期ごとにかかるように設定されている)。
次に、ステップS14〜ステップS16の処理が終了した後、主制御基板400は、ステップS18〜ステップS19の乱数初期値更新処理を実行するため、タイマ割り込み処理の割り込みを禁止状態に設定する(ステップS17)。
次に、主制御基板400(普通図柄乱数生成手段または特別図柄乱数生成手段、図示はしていない)は、普通図柄用初期値乱数更新処理(ステップS18)および特別図柄用初期値乱数更新処理(ステップS19)を実行する。普通図柄用初期値乱数更新処理は、普通電動役物を作動させるか否かの当否抽選に用いるための乱数などの普通図柄用乱数の初期値変更に使用する乱数の更新(例えば、カウンタのカウント値を更新する処理)を実行する処理であり、特別図柄用初期値乱数更新処理は、補助遊技状態を発生させるか否か(特別電動役物(本実施形態では、羽根部材321a、321bまたは開閉扉330bの作動、すなわち、上大入賞口ソレノイド521または下大入賞口ソレノイド530の作動が該当する)を作動させるか否か)の当否抽選に用いるための乱数などの特別図柄用乱数の初期値変更に使用する乱数の更新を実行する処理である。
次に、タイマ割り込み処理を許可状態に設定し(ステップS20)、ステップS17〜ステップS20の処理を繰り返し実行する。なお、ステップS17の処理で割り込みを禁止状態に設定し、ステップS20の処理で割り込みを許可状態に設定しているのは、普通図柄用初期値乱数更新処理(ステップS18)および特別図柄用初期値乱数更新処理(ステップS19)に該当する処理が後述するタイマ割り込み処理によっても実行されているので、主制御側メイン処理における普通図柄用初期値乱数更新処理および特別図柄用初期値乱数更新処理と、後述する割り込み処理における乱数更新処理とが、混在してしまうことを回避するためである。
次に、図8を参照して、主制御側メイン処理において、4msごとに実行される主制御側タイマ割り込み処理について詳細に説明する。
主制御基板400が備えるCTCの時間定数レジスタには、4msに相当する値が設定されている。前述した主制御側メイン処理において、4msごとにタイマ割り込みが発生する。このとき、主制御基板400は以下に示すような主制御側タイマ割り込み処理を実行する。主制御側タイマ割り込み処理は、本実施形態に係る弾球遊技機の一連の遊技動作を実行するための処理であって、この主制御側タイマ割り込み処理に基づき、各レジスタの退避処理、各処理内容の読み込みまたは呼び出し、各レジスタの復帰などの処理を実行するようにしている。
まず、主制御基板400は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS25)を実行する。
次に、主制御基板400は、普通図柄用乱数および特別図柄用乱数を定期的に更新するために定期乱数更新処理を実行する(ステップS26)。定期乱数更新処理は、図7に示したステップS18およびステップS19の処理を基本的に同じ処理を含み、普通電動役物制御手段(普通図柄乱数生成手段)および特別図柄制御手段(特別図柄乱数生成手段)によって、普通図柄用初期値乱数、普通図柄用乱数、特別図柄用乱数初期値乱数、および特別図柄用乱数を定期的に更新する処理である。上記各種の乱数の更新は、乱数が一周するごとに乱数の初期値を変更したり、乱数を加算(例えば、カウンタのカウント値に1を加算する)したりすることによって乱数を定期的に更新するようにし、乱数が規則的に生成されることを防止している。この結果、特定の補助遊技状態を遊技者が意図的に狙い当てることができないようになっている。
次に、主制御基板(タイマ管理手段)は、タイマ管理処理を実行する(ステップS27)。タイマ管理処理は、遊技動作に係るタイマが設定されている場合、設定されたタイマからタイマ割り込み処理ごとにタイマ値の減算処理を実行して、遊技動作に使用する時間を管理するための処理である。
次に、主制御基板(入力管理手段)400は、入力管理処理を実行する(ステップS28)。入力管理処理は、各種検出スイッチ(上大入賞口検出スイッチ323、V入賞口排出検出スイッチ326a、ハズレ入賞口排出検出スイッチ327a、ゲートスイッチ360a、アタッカースイッチ330a、入賞口スイッチ380a、その他、遊技動作に係わるスイッチ(図示はしていない)を含む)により生成された検出情報を記憶したり、その情報を更新したりする処理である。本処理では、例えば、上入賞球検出スイッチ323からの検出情報に基づき、可変入賞装置320に入球した入球数をカウントしたり、V入賞口排出検出スイッチ326aまたはハズレ入賞口排出検出スイッチ327aからの検出情報に基づき、可変入賞装置320内部に入球した遊技球の排出数をカウントしたりする。また、上大入賞口検出スイッチ323、V入賞口排出検出スイッチ326a、ハズレ入賞口排出検出スイッチ327a、ゲートスイッチ360a、アタッカースイッチ330a、入賞口スイッチ380aが遊技球を検出した場合、演出制御基板420にその旨を示す入賞コマンドが送信される。
次に、主制御基板(入賞処理手段)は、賞球管理処理を実行する(ステップS29)。賞球管理処理は賞球の払い出しに係る処理である。本処理では、各種入賞口(可変入賞装置320、アタッカー330、第1特別図柄始動口340、第2特別図柄始動口341、普通図柄始動ゲート360、および一般入賞口380)に遊技球が入球した場合、遊技球が入球した旨の検出情報を確認して、それぞれの入賞口に応じた賞球数の払い出し個数を決定する。そして、決定した賞球数の払い出しに関する賞球払出制御コマンドを生成して、生成した賞球払出制御コマンドを払出制御基板430に送信する。
次に、主制御基板(エラー管理手段)400は、エラー管理処理を実行する(ステップS30)。エラー管理処理は、各種スイッチ(上大入賞口検出スイッチ323、V入賞口排出検出スイッチ326a、ハズレ入賞口排出検出スイッチ327a、第1始動口スイッチ340a、第2始動口スイッチ341a、ゲートスイッチ360a、アタッカースイッチ330a、入賞口スイッチ380a、その他、遊技動作に係わるスイッチを含む)により生成された検出情報に基づき、不正入賞があるか否かを監視したり、可動式役物が正常に作動しているか否かを監視したり、可変入賞装置320の内部に入球した遊技球の排出に異常があるか否かを監視したりして、遊技動作に異常が発生したか否かを監視し、遊技動作に異常が発生した場合にはその旨を外部に報知させたり、場合によっては、遊技の一部を強制停止させるようにしたりする処理である。
次に、主制御基板(普通図柄制御手段)400は、普通図柄管理処理を実行する(ステップS31)。普通図柄管理処理は、普通電動役物ソレノイド541に係る動作を制御し、具体的には、普通図柄表示装置370に表示するための普通図柄の表示態様を制御したり、普通電動役物ソレノイド541を作動させるか否かの当否を決定したりする処理である。
次に、主制御基板(普通電動役物制御手段)400は、普通電動役物管理処理を実行する(ステップS32)。普通電動役物管理処理は、普通図柄管理処理(ステップS31)における当否抽選の結果に基づき、普通電動役物ソレノイド541を駆動制御して、可動翼片341b、341cの開閉動作の開始から終了までの一連の動作を制御するための処理である。
次に、主制御基板(特別図柄制御手段)400は、特別図柄管理処理を実行する(ステップS33)。特別図柄管理処理は、上大入賞口ソレノイド521または下大入賞口ソレノイド530に係る動作を制御し、具体的には、特別図柄表示装置350に表示するための各特別図柄の表示態様を制御したり、各補助遊技状態発生の当否を決定したりする処理である。なお、保留球が複数ある場合、一の保留球に対応する特別図柄の処理が終了するまで、他の保留球に対応する特別図柄の処理は実行されないようにしている。
次に、主制御基板(特別電動役物制御手段)400は、特別電動役物管理処理を実行する(ステップS34)。特別電動役物管理処理は、補助遊技状態や特別遊技状態の発生に当選した場合、補助遊技状態や特別遊技状態に応じた上大入賞口ソレノイド521または下大入賞口ソレノイド530の動作パターンを設定し、設定された動作パターンに基づき、上大入賞口ソレノイド521または下大入賞口ソレノイド530を駆動制御して、羽根部材321a、321bまたは開閉扉330bの開閉動作の開始から終了までの一連の動作を制御するための処理である。
次に、主制御基板(可動物制御手段)400は、可動物管理処理を実行する(ステップS35)。可動物管理処理は、第1可動式役物324a、第2可動式役物324b、回転体可動式役物324c、およびV入賞口326の一連の動作を制御するための処理である。本処理では、第1可動式役物324a、第2可動式役物324b、回転体可動式役物324c、V入賞口326を所定の態様で動作させるために、それぞれの可動式役物を動作させるための電気的駆動源(第1可動式役物駆動モータ524a、第2可動式役物ソレノイド524b、回転体役物駆動モータ524c、V入賞口駆動モータ526)を駆動制御するための処理である。
次に、主制御基板(LED管理手段)400は、LED管理処理を実行する(ステップS36)。LED管理処理は、遊技状態に応じて、装飾ランプ部150などの発光手段を制御する処理である。
そして、ステップS26〜ステップS36の処理を実行した後、レジスタの内容を復帰させる(ステップS37)。
図9は、本実施形態の弾球遊技機における演出制御基板420によって実行される演出制御側メイン処理を示すフローチャートである。なお、図9に示す主制御側メイン処理と実質的に同様の処理内容については、重複記載を避けるため、適宜省略して説明する。
まず、遊技機本体100に対して外部から電源が投入されると、電源制御基板450によって各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送信される。そして、電源投入信号を受信した演出制御基板420は、図8に示す演出制御側メイン処理を開始する。メイン処理において、演出制御基板420は、遊技動作開始前における必要な初期設定をするため処理を実行するため、まず、割り込み禁止状態に設定して、割込モードを所定の割り込みモードに設定する(ステップS40)。そして、電源投入時の初期設定、例えば、演出制御用RAM422を書き込み許可に設定したり、演出パターン抽選用乱数生成の初期設定をしたり、バックアップが有効であれば、バックアップRAMに記憶されているバックアップデータに基づき電源遮断時における遊技状態に復帰させたりする(ステップS41)。
次に、割り込み禁止状態から割り込み許可状態に設定し(ステップS42)、演出パターン用乱数更新処理をループ処理にて実行する(ステップS43)。この演出パターン用乱数更新処理では、演出が規則的に発生してしまうことを防止するために、演出パターンを選択するために用いられる乱数(演出パターン用乱数)を定期的に更新する。
次に、図10を参照して、演出制御基板420が実行するメイン処理において、主制御基板400からの制御コマンドを受信した場合に実行されるコマンド受信割り込み処理について詳細に説明する。以下に説明するコマンド受信割り込み処理は、演出制御基板420が主制御基板400からの演出制御コマンド(入賞コマンド、排出完了コマンドを含む)を受信した場合、最優先に実行される処理である。
まず、演出制御基板420は、主制御基板400からの演出制御コマンド(入賞コマンド、排出コマンドを含む)を受信した場合、演出制御基板420は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS50)を実行する。
次に、演出制御基板420は、受信したコマンドを所定のコマンド格納領域に一時的に格納して(ステップS51)、レジスタの内容を復帰させて(ステップS52)、処理を終了する。
次に、図11を参照して、演出制御基板420が実行するメイン処理において、4msごとに実行される演出制御側タイマ割り込み処理について詳細に説明する。
演出制御基板420が備えるCTCの時間定数レジスタには、上述した主制御基板400と同様に、4msに相当する値が設定されている。前述したメイン処理において、4msごとにタイマ割り込みが発生する。このとき、演出制御基板420は以下に示すような演出制御側タイマ割り込み処理を実行する。演出制御側タイマ割り込み処理は、遊技状態に応じた演出を実行するための処理であって、このタイマ割り込み処理に基づき、各レジスタの退避処理、各処理内容の読み込みまたは呼び出し、各レジスタの復帰などの処理を実行するようにしている。
まず、演出制御基板420は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS60)を実行する。
次に、演出制御基板420は、センサ入力管理処理(ステップS61)を実行する。センサ入力管理処理は、チャンスボタン(所定の演出が発生した場合、遊技者の操作によって演出態様を変化させるためのスイッチ、図示はしていない)の入力情報や振動センサ777の入力情報を記憶したり、その情報を更新したりする処理である。
次に、演出制御基板420は、演出決定管理処理(ステップS62)を実行する。演出決定処理は、コマンド格納領域に記憶されているコマンドの内容を解析して、そのコマンドに応じた演出パターンを、前記演出パターン用乱数値と演出パターン用テーブルとに基づき決定する処理である。これらの演出は、各種入賞口への入賞の有無、補助遊技状態や特別遊技状態などの遊技状態に応じて主制御基板400から送信された演出制御コマンドに基づきそれぞれ決定される。なお、不正行為によるエラーや下皿満杯エラーなどの所定のエラーを報知する場合には、前記演出パターン用乱数値によっては決定せず、それぞれのエラー状態に応じた固有の演出パターンが選択されるようになっている。
次に、演出制御基板420は、演出出力管理処理(ステップS63)を実行する。演出出力管理処理は、演出決定管理処理(ステップS62)において決定された演出パターンに基づき、前記音声制御手段はスピーカ130を、前記発光制御手段は装飾ランプ部150(各種発光手段を含む)を、前記演出表示制御手段は演出表示装置329をそれぞれ制御させる処理である(ステップS63)。
次に、演出制御基板420は、不正振動監視処理(ステップS64)を実行する。振動監視処理は、振動センサ777から検出される振動に基づき、不正な振動であるか否かを判定するための処理である。
そして、ステップS60〜ステップS64の処理を実行した後、レジスタの内容を復帰させて(ステップS65)、処理を終了する。
図12は、図11の不正振動監視処理(ステップS64)における処理内容を示すフローチャートである。
まず、不正振動監視処理を説明する前に、不正振動監視処理において主要な処理であるセンサ有効時間管理処理(ステップS641)、振動センサ管理処理(ステップS642)、振動エラー判定処理(ステップS643)ついて簡単に説明しておく。
センサ有効時間管理処理(ステップS641)は、振動センサ777からの検出情報を有効または無効にする処理である。本実施形態では可変入賞装置320の内部に遊技球の入球が確認されたときに、不正振動監視処理を実行するようにしている。このため、本処理では、上大入賞口検出スイッチ323によって遊技球が検出された場合に振動センサ777からの検出情報を有効にするセンサ有効フラグをオンにし、V入賞口排出検出スイッチ326aまたはハズレ入賞口排出検出スイッチ327aによって当該遊技球が検出された場合(すなわち、可変入賞装置320の内部から遊技球が総て排出されたことが確認された場合)に前記センサ有効フラグをオフに設定するようにしている。
振動センサ管理処理(ステップS642)は、振動センサ777によって振動が検出されたか否かを確認したり、振動センサ777によって振動が検出された場合、検出された振動に基づき不正な振動であるか否かを判定したりする処理である。
振動エラー判定処理(ステップS643)は、振動センサ管理処理(ステップS642)における判定結果に基づき、不正行為である旨を報知するか否かを判定する処理である。
以下に、図12を参照しつつ、不正振動監視処理(ステップS64)における処理内容について詳細に説明する。
まず、演出制御基板420は、「大当たり」中であるか否かを確認する(ステップS640)。本実施形態における「大当たり」中においては、アタッカー330を所定の態様で開放する一方、羽根部材321a、321bの動作を中断している。したがって、「大当たり」中である場合には、可変入賞装置320の内部に遊技球が入球することがないので、不正な振動であるか否かの判定は実行しないようにしている。
「大当たり中」である場合(ステップS640:YES)、ステップS644の処理に進む。一方、「大当たり」中ではない場合(ステップS640:NO)、次に、センサ有効時間管理処理を実行する(ステップS641)。そして、振動センサ管理処理を実行し(ステップS642)、振動エラー判定処理を実行する(ステップS643)。
次に、エラー報知フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS644)。エラー報知フラグとは、後述する振動エラー判定処理(ステップS643)のステップ673の処理(図15参照)において設定されるフラグで、不正行為である旨を外部に報知するか否かを確認するために用いられる。エラー報知フラグがオンではない場合(ステップS644:NO)、そのまま処理を終了する。一方、エラー報知フラグがオンである場合(ステップS644:YES)、スピーカ130、装飾ランプ部150(発光手段)、または演出表示装置329を制御して、振動エラー、すなわち、不正行為である旨を報知する(ステップS645)。
次に、エラー報知タイマから所定のタイマ値を減算する(ステップS646)。エラー報知タイマとは、後述する振動エラー判定処理(ステップS643)のステップS674の処理(図15参照)において設定されるタイマで、不正行為である旨を報知させる時間である。なお、本実施形態では上述したように、「大当たり」中である場合、不正な振動であるか否かの判定は実行されないが、不正行為である旨の報知は「V当たり」中であっても、エラー報知タイマがタイムアウトするまでは継続して行われる。したがって、このときに発生した「V当たり」は、不正行為によって発生したものと判断することができる。
次に、エラー報知タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS647)。エラー報知タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS647:NO)、そのまま処理を終了する。一方、エラー報知タイマがタイムアウトした場合(ステップS647:YES)、エラー報知フラグ、カウンタエラーフラグ、およびタイマカウンタエラーフラグをオフに設定して(ステップS648)、処理を終了する。なお、カウンタエラーフラグおよびタイマカウンタエラーフラグについては後述する。
図13は、図12の不正振動監視処理(ステップS64)におけるセンサ有効時間管理処理(ステップS641)の処理内容を示すフローチャートである。
まず、演出制御基板420は、主制御基板400から入賞コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS650)。本処理では、前記コマンド格納領域(図10のコマンド受信割り込み処理におけるステップS51の処理内容を参照)に上大入賞口入賞コマンドがあるか否かを確認する。上大入賞口入賞コマンドとは、上大入賞口検出スイッチ323が遊技球を検出した場合に主制御基板400から送信される入賞コマンドである。
上大入賞口入賞コマンドを受信していない場合(ステップS650:NO)、ステップS652の処理に進む。一方、上大入賞口入賞コマンドを受信していた場合(ステップS650:YES)、センサ有効フラグをオンに設定する(ステップS651)。
次に、主制御基板400から排出完了コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS652)。排出完了コマンドとは、可変入賞装置320の内部に入球した遊技球の排出が総て完了した場合に主制御基板400から送信されるコマンドであり、可変入賞装置320に入球した入球数のカウント数と、可変入賞装置320の内部に入球した遊技球の排出数のカウント数とが一致した場合、前記排出完了コマンドが主制御基板400から送信されるようになっている(主制御基板400には、上大入賞口検出スイッチ323と、V入賞口排出検出スイッチ326aまたは327aハズレ入賞口排出検出スイッチ327aとからの検出情報に基づき、可変入賞装置320の内部に入球した遊技球の排出が完了したか否を判定する排出完了判定手段が備えられている)。したがって、可変入賞装置320の内部に遊技球が残存している間は、不正な振動であるか否かの判定が実行される。
排出完了コマンドを受信していない場合(ステップS652:NO)、そのまま処理を終了する。一方、排出完了コマンドを受信していた場合(ステップS652:YES)、センサ有効フラグをオフに設定し(ステップS653)、後述する振動センサカウンタ(振動センサ管理処理(ステップS642)のステップS661の処理内容(図14)を参照)を初期化(クリア)して(ステップS654)、処理を終了する。
図14は、図12の不正振動監視処理(ステップS64)における振動センサ管理処理(ステップS642)の処理内容を示すフローチャートである。
まず、演出制御基板420は、センサ有効フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS660)。センサ有効フラグがオンではない場合(ステップS660:NO)、振動センサ777からの検出情報は無効であるので、そのまま処理を終了する。一方、前記センサ有効フラグがオンである場合(ステップS660:YES)、振動センサ777からの検出情報があるか否かを判定する(ステップS661)。
振動センサ777からの検出情報がない場合(ステップ661:NO)、ステップS663の処理に進む。一方、振動センサ777からの検出情報がある場合(ステップS661:YES)、その検出情報に基づき、振動センサカウンタに1を加算する。具体的には、振動センサ777が所定レベル以上の振動を検出した場合、その旨を示す検出情報(HIレベル信号)を演出制御側割り込み処理によって4msごとに確認し、当該HIレベルの信号が確認されるごとに、これをカウントするカウンタ(以下、「センサカウンタ」と称する)に1を加算していく。
次に、センサカウンタが所定値(以下、この所定値を「VSCmax値」と称する)に達したか否かを判定する(ステップS663)。本処理では、VSCmax値を16回に設定、前記HIレベル信号が検出される累積回数が16回(断続的に振動が検出された時間の累積が64ms(4ms(演出制御側タイマ割り込み処理)×16回)に達したか否かを判定している。また、センサカウンタにカウントされる値は、演出制御用RAM422に一時的に記憶される。なお、前記VSCmax値は16回に設定されていると説明したが、これに限定されず、目的に応じて適宜変更することができる。
センサカウンタがVSCmax値に達した場合(ステップS663:YES)、不正な振動であるとみなして、不正な振動を検出した旨を示すカウンタエラーフラグをオンに設定する(ステップS664)。一方、センサカウンタがVSCmax値に達していない場合(ステップS663:NO)、ステップS665の処理に進む
次に、ステップS661の処理と同様に、振動センサ777からの検出情報があるか否かを判定する(ステップS665)。振動センサ777からの検出情報がある場合(ステップS665:YES)、振動センサ777からの検出情報が継続的に検出されていることを確認するために、これを記憶するカウンタ(以下、「センサタイマカウンタ」と称する)に1を加算する(ステップS666)。そして、このセンサタイマカウンタが所定値(以下、この所定値を「VSTmax値」と称する)に達した場合(ステップS667:YES)、不正な振動であるとみなして、不正な振動を検出した旨を示すタイマエラーフラグをオンに設定する(ステップS668)。一方、センサタイマカウンタがVSTmax値に達していない場合(ステップS667:NO)、そのまま処理を終了する。本処理では、VSTmax値を5回に設定している。すなわち、前記HIレベル信号が検出される時間が継続して20msに達した場合、不正な振動であるとみなすようにしている。また、センサタイマカウンタにカウントされる値は、演出制御用RAM422に一時的に記憶される。なお、本処理では、VSTmax値は5回に設定されていると説明したが、これに限定されず、目的に応じて適宜変更することができる。
再び、ステップS665の処理を説明する。振動センサ777からの検出情報がない場合(ステップS665:NO)、センサタイマカウンタを初期化(クリア)し(ステップS669)、処理を終了する。
ここで、上述したステップS663の処理では、振動センサ777からの検出情報を確認し、当該検出情報がある場合にはセンサカウンタにカウント値を加算していき、振動センサ777からの検出情報がない場合であっても、センサ有効フラグがオフになるまでは、そのカウント値を保持するようにしている(センサ有効時間管理処理(ステップS641)のステップS653および654の処理内容(図13)を参照)。これに対し、本処理では、振動センサ777からの検出情報がない場合、センサタイマカウンタの値をクリアするようにしている。このようにすることで、本発明では、ゴト師が断続的に小さな衝撃を遊技機に加えた場合に発生する不正な振動を検出すると共に、大きな衝撃を加えた場合に発生する不正な振動を検出することができるようにしている。
図15は、図12の不正振動監視処理(ステップS64)における振動エラー判定処理(ステップS643)の処理内容を示すフローチャートである。
まず、演出制御基板420は、センサ有効フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS670)。センサ有効フラグがオンではない場合(ステップS670:NO)、振動センサ777からの検出情報は無効であるので、そのまま処理を終了する。一方、前記センサ有効フラグがオンである場合(ステップS670:YES)、次に、カウンタエラーフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS671)。カウンタエラーフラグがオンである場合(ステップS671:YES)、エラー報知フラグをオンに設定し(ステップS673)、エラー報知タイマ(例えば、30秒)を設定する(ステップS674)。そして、エラー報知タイマを設定した後、処理を終了する。なお、前記エラー報知タイマは、目的に応じて任意の時間に設定することができる。
一方、カウンタエラーフラグがオンではない場合(ステップS671:NO)、次に、タイマエラーフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS672)。タイマエラーフラグがオンである場合(ステップS672:YES)、エラー報知フラグをオンに設定する(ステップS673)し、エラー報知タイマを設定する(ステップS674)。そして、エラー報知タイマを設定した後、処理を終了する。
以上、本発明に係る弾球遊技機として、電動役物を備えた弾球遊技機を例に挙げて説明したが、これに限られることはなく、電動役物を備えていない弾球遊技機にも適用することができる。
本発明は、可動式役物によって当たりを抽選したり、クルーンのような非可動式役物によって当たりを抽選したりする弾球遊技機に効果的である。特に、可動式役物や非可動式役物が複数形成され、複数回にわたり、段階的に当たりを抽選する弾球遊技機に効果的である。