JP2008228387A - 熱電子発電装置 - Google Patents

熱電子発電装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008228387A
JP2008228387A JP2007059645A JP2007059645A JP2008228387A JP 2008228387 A JP2008228387 A JP 2008228387A JP 2007059645 A JP2007059645 A JP 2007059645A JP 2007059645 A JP2007059645 A JP 2007059645A JP 2008228387 A JP2008228387 A JP 2008228387A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emitter
collector
side member
temperature side
high temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007059645A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Makino
至洋 牧野
Teruo Kido
照雄 木戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2007059645A priority Critical patent/JP2008228387A/ja
Publication of JP2008228387A publication Critical patent/JP2008228387A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

【課題】複数の熱電子発電素子(10)を直列に接続することにより出力電圧を高めた熱電子発電装置(1)を、効率よく製造可能にする。
【解決手段】エミッタ部(21)と、コレクタ部(22)と、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とを互いに連結する導電性連結部(23)と、が一体化された結合電極(20)を複数備える。複数の結合電極(20)は、その内の一の結合電極(20)のエミッタ部(21)と、それとは別の結合電極(20)のコレクタ部(22)とが所定の間隙を隔てて配置されるように、所定の方向に並んで配置される。それによって、複数の熱電子発電素子(10)が電気的に直列に接続される。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱電子を放出するエミッタと該熱電子を捕集するコレクタとが所定の間隙を隔てて配置された熱電子発電素子を備えかつ、エミッタを相対的に高温の第1熱源に接続した熱電子発電装置に関する。
従来より、高温の金属表面から熱電子が放出される現象を利用して、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換する熱電子発電素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。熱電子発電素子は、熱電子を放出するエミッタと該熱電子を捕集するコレクタとを備えている。熱電子発電装置は、エミッタを高温熱源に接続する一方、コレクタを低温熱源に接続することによって構成されており、エミッタとコレクタは、熱電子発電素子の発電効率を高めるために、例えば真空中で所定の間隙を隔てて配置され、熱的にほぼ絶縁されている。
ここで、固体から真空中に電子を放出するのに必要な最低エネルギーは仕事関数と呼ばれており、熱電子発電素子の起電力はエミッタの仕事関数とコレクタの仕事関数の差によって定められる。このため、起電力を高める上では、エミッタの仕事関数は大きいことが望ましく、コレクタの仕事関数は小さいことが望ましい。エミッタについては、より高温の熱源を採用すれば、仕事関数の大きな材料を使用でき、そうすると出力電圧もより大きくなる。逆に、コレクタについては、材料の特性上、仕事関数の下限値があり、その値は一般に2eV程度であるが、電極間にセシウムを封入すると、セシウムがコレクタに吸着されてコレクタの仕事関数が小さくなることが知られている。この熱電子発電素子でエミッタに仕事関数がおよそ2eVの材料を用いた場合、従来は、エミッタ側の温度をおよそ1200K以上の高温に設定することが必要であった。
一方、低温度域で熱電子発電を行うことを考えた場合、例えばエミッタ側の熱源の温度をT=500Kとすると、仕事関数と温度の関係式(リチャードソン−ダッシュマンの式)から仕事関数はおよそ0.7eV以下でなければならないが、従来は上述したようにこのような条件を満たす材料は発見されていなかった。しかし、2003年に発見された、12CaO・7Alの結晶を母体とするエレクトライド(C12A7エレクトライド:例えば、非特許文献1参照)は、常温常圧で安定して存在し、仕事関数がおよそ0.6eVを示す場合がある。そこで、この材料を用いると、500K程度の低温度域での熱電子発電が可能になると考えられる。尚、エレクトライドは、イオン結晶の中で、陰イオンの占めるべき位置を電子が占める物質である。
特開平7−322659号公報 「機能材料」,シーエムシー出版,2005年3月5日発売号(2005年4月号),Vol.25 No.4,p.56〜64
しかし、低温度域での発電では、出力電圧が小さくならざるを得ない。そこで、出力電圧を上げるために、複数の熱電子発電素子を導線で直列に接続することが考えられる。
ところが、そうした熱電子発電装置を製造しようとすれば、次のような工程が必要になる。つまり、エミッタとコレクタとを所定の間隙となるようにそれぞれ配置することによって1つの熱電子発電素子を作成する工程と、その工程を複数回繰り返して、複数の熱電子発電素子を作成する工程と、それら複数の熱電子発電素子を所定の配置で並べる工程と、その後に、隣り合う熱電子発電素子同士を導線で接続する工程と、が少なくとも必要になる。この製造方法は、工程数が多く、製造効率が悪い。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の熱電子発電素子を直列に接続することにより出力電圧を高めた熱電子発電装置を、効率よく製造可能にすることにある。
第1の発明は、熱電子を放出するエミッタ(11)と該熱電子を捕集するコレクタ(12)とが所定の間隙を隔てて配置された熱電子発電素子(10)を備えかつ、前記エミッタ(11)を相対的に高温の第1熱源に接続した熱電子発電装置を前提としている。
そして、この熱電子発電装置は、前記熱電子発電素子(10)におけるエミッタ(11)を構成するエミッタ部(21)と、前記コレクタ(12)を構成するコレクタ部(22)と、前記エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とを互いに連結する導電性連結部(23)と、が一体化された結合電極(20)を複数備え、前記複数の結合電極(20)が、その内の一の結合電極(20)のエミッタ部(21)と、それとは別の結合電極(20)のコレクタ部(22)とが所定の間隙を隔てて配置されるように、所定の方向に並んで配置され、それによって、複数の熱電子発電素子(10)が電気的に直列に接続されていることを特徴としている。
この第1の発明では、エミッタ部(21)と、コレクタ部(22)と、導電性連結部(23)とが一体化されて結合電極(20)となっているため、この結合電極(20)を並べることで、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とを対向させて熱電子発電素子(10)を作成することと、熱電子発電素子(10)同士を導電性連結部(23)により接続することと、が同時に行い得る。つまり、複数の結合電極(20)を並べることだけで、複数の熱電子発電素子(10)を直列に接続した構成が得られる。
第2の発明は、第1の発明において、前記導電性連結部(23)が、当該導電性連結部(23)を介した前記エミッタ部(21)からコレクタ部(22)への熱伝導を抑制するヒートチョーク(24)を有していることを特徴としている。
この第2の発明では、熱電子発電装置の発電効率の低下が抑制される。つまり、熱電子発電素子(10)は、効率よく発電するために高温側のエミッタ(11)と低温側のコレクタ(12)を熱的にほぼ絶縁する必要がある。これに対して、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とが導電性連結部(23)により連結された構成では、その導電性連結部(23)を介してエミッタ部(21)からコレクタ部(22)へ熱が伝達されて、発電効率が低下してしまう虞がある。
これに対し第2の発明では、導電性連結部(23)がヒートチョーク(24)を有していることによって、エミッタ部(21)からコレクタ部(22)への熱伝導が抑制される。よって、熱電子発電装置の発電効率の低下が抑制される。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記熱電子発電装置が、前記第1熱源に接続される高温側部材(13)と、当該高温側部材(13)に対して第1方向に相対して配置されかつ、相対的に低温の第2熱源に接続される低温側部材(14)と、をさらに備え、前記複数の結合電極(20)が、前記エミッタ部(21)が前記高温側部材(13)に接触しかつ、前記コレクタ部(22)が前記低温側部材(14)に接触するように、前記高温側部材(13)と低温側部材(14)との間に並んで配置され、前記各エミッタ部(21)と各コレクタ部(22)とが、前記第1方向とは異なる第2方向に所定の間隙を隔てて配置されていることを特徴としている。
エミッタ部(21)とコレクタ部(22)との間隔は、発電効率を向上させる上で、比較的狭くかつ、均一にすることが望ましい。一方で、高温熱源に曝される熱電子発電装置においては、熱応力による歪みによって、高温側部材(13)と低温側部材(14)との第1方向に対する間隔が変化する場合がある。その場合、高温側部材(13)及び低温側部材(14)のそれぞれに接触しているエミッタ部(21)及びコレクタ部(22)は変位してしまう。ここで、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とが第1方向に間隙を隔てていた場合は、熱歪みによってその間隔が変化してしまい、発電効率が低下してしまったり、最悪の場合、エミッタ(11)とコレクタ(12)とが互いに接触して短絡してしまったりする虞がある。
これに対し、第3の発明では、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とを、第1方向とは異なる第2方向に所定の間隙を隔てて配置している。このため、熱歪みにより高温側部材(13)と低温側部材(14)との第1方向に対する間隔が変化したとしても、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)との間隔はほとんど変化しない。
第4の発明は、第3の発明において、前記第2方向が、前記複数の結合電極(20)の並び方向であることを特徴としている。
この第4の発明では、複数の結合電極(20)を並べて配置する際に、その結合電極(20)同士の間隔を調整することによって、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)との間隔が調整される。
第5の発明は、第3又は第4の発明において、前記熱電子発電装置が、前記高温側部材(13)と低温側部材(14)との間隔を調整する第1調整部材(31)と、前記各エミッタ部(21)と各コレクタ部(22)との間隔を調整する第2調整部材(32)と、をさらに備え、前記第1及び第2調整部材(31,32)によって、前記高温側部材(13)と低温側部材(14)との間隔と、前記各エミッタ部(21)と各コレクタ部(22)との間隔とが、互いに独立して調整可能に構成されていることを特徴としている。
この第5の発明では、各エミッタ部(21)と各コレクタ部(22)との間隔調整が、高温側部材(13)と低温側部材(14)との間隔調整とは独立して行い得る。
上記第1の発明によれば、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)と導電性連結部(23)とを一体化して結合電極(20)としていることで、その結合電極(20)を並べることだけで、複数の熱電子発電素子(10)を直列に接続した構成を得ることができる。従って、出力電圧の高い熱電子発電装置を効率よく製造することができる。
上記第2の発明によれば、熱電子発電素子(10)同士を互いに接続する導電性連結部(23)がヒートチョーク(24)を有していることで、複数の熱電子発電素子(10)を直列に接続した構成において、熱伝導に起因する発電効率の低下を抑制することができる。
上記第3の発明によれば、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とが対向する方向(第2方向)を、高温側部材(13)と低温側部材(14)とが対向する方向(第1方向)とは異ならせることで、熱歪みに起因する発電効率の低下や短絡の発生を防止することができる。
上記第4の発明によれば、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とが対向する方向を結合電極(20)の並び方向に一致させることで、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)との間隔調整が容易になり、高効率の熱電子発電装置を、より効率よく製造することができる。
上記第5の発明によれば、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)との間隔を調整する部材(32)を、高温側部材(13)と低温側部材(14)との間隔を調整する部材(31)とは別にすることで、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)との間隔調整を独立して行うことができ、発電効率の高い熱電子発電装置を、効率よく製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態の熱電子発電装置は、自動車のエンジンの排気ガスを熱源として発電を行うように構成されている。
図1は、実施形態に係る熱電子発電装置(1)の電気回路を示す説明図である。この熱電子発電装置(1)は熱電子発電素子(10)を備え、熱電子発電素子(10)は、熱電子を放出するエミッタ(11)と、該熱電子を捕集するコレクタ(12)とを備えている。エミッタ(11)とコレクタ(12)は、真空中もしくは電気的に中性で電気の通りやすいプラズマ中で所定の微細な間隙を隔てて配置され、熱的にほぼ絶縁されている。
エミッタ(11)とコレクタ(12)には、負荷(R1)を介して発電回路(C1)が接続されている。この発電回路(C1)は、自動車のバッテリーに接続されている。
この実施形態では、12CaO・7Alの結晶を母体とするエレクトライド(C12A7エレクトライド)が、エミッタ(11)及びコレクタ(12)の材料として用いられている。但し、エミッタ(11)及びコレクタ(12)の材料はこれに限るものではない。このC12A7エレクトライドをエミッタ(11)及びコレクタ(12)に使うには、エレクトライド化した12CaO・7Alの単結晶をそのまま電極にする方法や、エレクトライド化した12CaO・7Alの微結晶を金属中に分散させて電極にする方法、また、導電体からなる電極表面にエレクトライド化した12CaO・7Alの薄膜を形成する方法等が考えられる。
図1において、エミッタ(11)に熱が印加されると、エミッタ(11)から熱電子が放出され、この熱電子がコレクタ(12)に捕集される。この熱電子は発電回路(C1)内を流れ、発電が行われることとなる。この実施形態では、排気ガスを熱源としており、500K程度という低温度域での発電であるから、熱電子発電素子(10)の1つについて出力電圧が小さい。そこで、本実施形態では、電圧を上げるために、複数の熱電子発電素子(10)を直列に接続するようにしている。
具体的には、図2に示すように、この熱電子発電装置(1)は、相対的に高温の熱源に接続された高温側部材(第1熱源)(13)と、高温側部材(13)に対して第1方向(図2における紙面上下方向)に所定の間隙を隔てて配置されかつ、相対的に低温の熱源に接続された低温側部材(第2熱源)(14)と、高温側部材(13)と低温側部材(14)との間で、第1方向に直交する第2方向(図2における紙面左右方向)に並んで配置された複数の結合電極(20)と、を備えている。
高温側部材(13)は、第2方向に延びる部材であり、図示していないが、自動車の排気ガスが流れる排気ガス通路を備えている。高温側部材(13)は、排気ガスの熱を、後述するエミッタ部(21)に伝達する。
低温側部材(14)は、高温側部材(13)と同様に、第2方向に延びる部材であり、図示していないが、冷却水が流れる冷却水通路を備え、この冷却水通路は、図示しないラジエータに接続されている。低温側部材(14)は、後述するコレクタ部(22)から放出される熱を冷却水に吸熱させる。
各結合電極(20)は、熱電子発電素子(10)におけるエミッタ(11)として機能するエミッタ部(21)と、熱電子発電素子(10)におけるコレクタ(12)として機能するコレクタ部(22)と、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とを電気的に互いに接続する連結部(23)と、を一体化した部材である。結合電極(20)は、導電材料を一体成形することにより作成してもよいし、別々に作成した各部分(21,22,23)を結合させることによって一体化してもよい。各結合電極(20)は正面視で、点対称性を有する略S字形状に形成されており、各結合電極(20)は、90°倒伏させた状態で用いられる。
エミッタ部(21)は、高温側部材(13)と低温側部材(14)との間に配置された結合電極(20)において、高温側部材(13)に当接してそこから熱を受ける部分である。エミッタ部(21)は、高温側部材(13)から低温側部材(14)に向かって突出しており、コレクタ部(22)に対し相対向する対向面(21a)は、第2方向を向くように設定されている。
コレクタ部(22)は、結合電極(20)において、低温側部材(14)に当接してそこに熱を放出する部分である。コレクタ部(22)は、低温側部材(14)から高温側部材(13)に向かって突出しており、コレクタ部(22)の対向面(22a)は、第2方向を向くように(但しエミッタ部(21)の対向面(21a)に対しては逆向きである)設定されている。
連結部(23)は、エミッタ部(21)の下端部から高温側部材(13)に沿って延びた後に、低温側部材(14)に向かって屈曲して第1方向に延びると共に、低温側部材(14)側において再び屈曲してその低温側部材(14)に沿って延びた後に、コレクタ部(22)の上端部に接続されている。このエミッタ部(21)からコレクタ部(22)に至る連結部(23)の経路中において、第1方向に延びる中間部分(24)は、横断面積が比較的小さくされたヒートチョーク構造を有している。このヒートチョーク構造によって、高温側部材(13)に接続されたエミッタ部(21)から、連結部(23)を介して、コレクタ部(22)に熱が伝達することを抑制するようにしている。
この熱電子発電装置(1)において、各結合電極(20)のエミッタ部(21)の上端面と連結部(23)との間には、絶縁材料からなる第1調整部材(31)が配置されており、この第1調整部材(31)によって、高温側部材(13)と低温側部材(14)との、第1方向に対する間隔が、所定の間隔となるように規定されている。尚、第1調整部材(31)の配設位置は、これに限るものではない。例えば、コレクタ部(22)の下端面と連結部(23)との間に、第1調整部材を配置してもよい。
また、各結合電極(20)におけるエミッタ部(21)の対向面(21a)とコレクタ部(22)の対向面(22a)との間には、絶縁材料からなる第2調整部材(32)が配置され、この第2調整部材(32)によって、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)との間隔が、所定の間隔となるように規定されている。この第2調整部材(32)としては、例えば直径がミクロンオーダーの、シリカ製やカーボン製のファイバ状部材を用いることができる。
−熱電子発電装置の製造−
前記構成の熱電子発電装置(1)は、例えば以下の手順によって製造することが可能である。すなわち先ず、前述の結合電極(20)を複数個と、高温側部材(13)と、低温側部材(14)とを、それぞれ用意する。
次に、高温側部材(13)(又は低温側部材(14)であってもよい)上に、複数の結合電極(20)を並べていく。
このときに、一の結合電極(20)のエミッタ部(21)と、それとは別の結合電極(20)のコレクタ部(22)との間に第2調整部材(32)を介在させるようにして、該エミッタ部(21)の対向面(21a)と該コレクタ部(22)の対向面(22a)との間隔が所定の間隔となるように配置する。この熱電子発電装置(1)では、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とが、結合電極(20)の並び方向(第2方向)に相対して配置されるため、複数の結合電極(20)を並べて配置する際に、その結合電極(20)の間隔を調整することによって、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)との間隔を調整することができるという利点がある。
ここで、例えば各結合電極(20)において、エミッタ部(21)及びコレクタ部(22)の少なくとも一方の対向面(21a,22a)に、第2調整部材(32)を予め担持しておくようにしてもよい。こうしておけば、結合電極(20)を配置するときに、第2調整部材(32)を、エミッタ部(21)及びコレクタ部(22)との間に一々、介在させる必要がなくなり、結合電極(20)の配置作業の容易化が図られる。
尚、各結合電極(20)におけるエミッタ部(21)とコレクタ部(22)との電極構成が同じであるときには、結合電極(20)は点対称性を有することになる。そのため、結合電極(20)の配置に方向性がなくなるため、結合電極(20)の配置をより一層容易に行い得る。
また、結合電極(20)を配置するときには、第1調整部材(31)を、エミッタ部(21)と連結部(23)との間に介在させておく。
高温側部材(13)(又は低温側部材(14))に対して結合電極(20)を全て配置すれば、その結合電極(20)に対して、低温側部材(14)(又は高温側部材(13))を取り付ける。このときに、第1調整部材(31)によって、高温側部材(13)と低温側部材(14)との間隔が、所定の間隔に規定されることになる。
そうして、第1方向に相対して配置された高温側部材(13)と低温側部材(14)との間で、複数の熱電子発電素子(10)が電気的に直列に接続された熱電子発電装置(1)が完成する。
尚、前記の製造手順は一例であり、適宜、その各工程の順番を入れ替えたり、所定の工程を省略したり、別の工程を追加したりすることが可能である。
−発電動作−
自動車の運転時、排気ガスが高温側部材(13)の排気ガス通路内を流れ、排気ガスの熱が各熱電子発電素子(10)のエミッタ部(21)に与えられる。これによって、各エミッタ部(21)から熱電子が放出され、各コレクタ部(22)で熱電子が捕集される。そうして各熱電子発電素子(10)において起電力が発生する。コレクタ部(22)から放出される熱は、低温側部材(14)の冷却水通路内を流れる冷却水に吸熱され、ラジエータとの間を循環する。
この実施形態では複数の熱電子発電素子(10)が連結部(23)で直列に接続されているので、出力電圧が所定値(バッテリー電圧)まで高められる。そうして、直列構造をとることによって、自動車の排熱のような低温度域の熱源で作動する熱電子発電装置(1)を実用化することができる。
−実施形態の効果−
以上のように、この実施形態では、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)と連結部(23)とを一体化した結合電極(20)を複数個、並べることによって、複数の熱電子発電素子(10)を直列に接続した構造としている。このため、熱電子発電装置(1)の製造が容易になり、製造効率を向上させることができる。
また、この実施形態では、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とは、高温側部材(13)と低温側部材(14)とが相対向する第1方向に直交する第2方向に、所定の間隙を隔てて配置されているため、仮に熱歪みによって高温側部材(13)と低温側部材(14)との間隔が第1方向に変化したとしても、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)との間隔は変化しない。それによって、発電効率が低下してしまったり、短絡してしまったりすることが防止できる。尚、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とは、第1方向に直交する方向でなくても、第1方向とは異なる方向に所定の間隙を隔てて配置すれば、前記と同様の作用効果が得られる。
そのように、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とを、第1方向とは異なる第2方向に、所定の間隙を隔てて配置する構成において、高温側部材(13)と低温側部材(14)との間隔を調整する第1調整部材(31)と、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)との間隔を調整する第2調整部材(32)と、を個別に設けることによって、各エミッタ部(21)と各コレクタ部(22)との間隔調整が、高温側部材(13)と低温側部材(14)との間隔調整とは独立して行い得るようになり、熱電子発電装置(1)の製造がより一層容易になる。
さらに、エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とが連結部(23)を介して互いに接続されているため、通常では、この連結部(23)を介してエミッタ部(21)からコレクタ部(22)に熱が伝達されてしまうが、この実施形態では、連結部(23)の中間部分(24)がヒートチョーク構造を有しているため、熱伝導が抑制される。その結果、熱電子発電装置(1)の発電効率が低下してしまうことを抑制することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では、熱電子発電装置を自動車の排気ガスの排熱を利用して発電するものとして説明したが、ガスバーナー、ガス給湯器又はガスストーブなどにおけるガスの燃焼熱を利用した発電装置に応用したり、燃料電池の排熱を利用した発電装置に応用することもできる。
また、本発明は低温度域での発電に特に有効であるが、それに限らず、高温度域の発電時に出力電圧を高めるのにも適用できる。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、熱電子を放出するエミッタと該熱電子を捕集するコレクタとが所定の間隙を隔てて配置された熱電子発電素子を用いて構成された熱電子発電装置について有用である。
実施形態に係る熱電子発電装置の電気回路を示す説明図である。 実施形態に係る熱電子発電装置の概略構成図である。
符号の説明
1 熱電子発電装置
10 熱電子発電素子
11 エミッタ
12 コレクタ
13 高温側部材
14 低温側部材
20 結合電極
21 エミッタ部
22 コレクタ部
23 連結部(導電性連結部)
24 中間部分(ヒートチョーク)
31 第1調整部材
32 第2調整部材

Claims (5)

  1. 熱電子を放出するエミッタ(11)と該熱電子を捕集するコレクタ(12)とが所定の間隙を隔てて配置された熱電子発電素子(10)を備えかつ、前記エミッタ(11)を相対的に高温の第1熱源に接続した熱電子発電装置であって、
    前記熱電子発電素子(10)におけるエミッタ(11)を構成するエミッタ部(21)と、前記コレクタ(12)を構成するコレクタ部(22)と、前記エミッタ部(21)とコレクタ部(22)とを互いに連結する導電性連結部(23)と、が一体化された結合電極(20)を複数備え、
    前記複数の結合電極(20)は、その内の一の結合電極(20)のエミッタ部(21)と、それとは別の結合電極(20)のコレクタ部(22)とが所定の間隙を隔てて配置されるように、所定の方向に並んで配置され、それによって、複数の熱電子発電素子(10)が電気的に直列に接続されていることを特徴とする熱電子発電装置。
  2. 請求項1に記載の熱電子発電装置において、
    前記導電性連結部(23)は、当該導電性連結部(23)を介した前記エミッタ部(21)からコレクタ部(22)への熱伝導を抑制するヒートチョーク(24)を有していることを特徴とする熱電子発電装置。
  3. 請求項1又は2に記載の熱電子発電装置において、
    前記第1熱源に接続される高温側部材(13)と、当該高温側部材(13)に対して第1方向に相対して配置されかつ、相対的に低温の第2熱源に接続される低温側部材(14)と、をさらに備え、
    前記複数の結合電極(20)は、前記エミッタ部(21)が前記高温側部材(13)に接触しかつ、前記コレクタ部(22)が前記低温側部材(14)に接触するように、前記高温側部材(13)と低温側部材(14)との間に並んで配置され、
    前記各エミッタ部(21)と各コレクタ部(22)とは、前記第1方向とは異なる第2方向に所定の間隙を隔てて配置されていることを特徴とする熱電子発電装置。
  4. 請求項3に記載の熱電子発電装置において、
    前記第2方向は、前記複数の結合電極(20)の並び方向であることを特徴とする熱電子発電装置。
  5. 請求項3又は4に記載の熱電子発電装置において、
    前記高温側部材(13)と低温側部材(14)との間隔を調整する第1調整部材(31)と、
    前記各エミッタ部(21)と各コレクタ部(22)との間隔を調整する第2調整部材(32)と、をさらに備え、
    前記第1及び第2調整部材(31,32)によって、前記高温側部材(13)と低温側部材(14)との間隔と、前記各エミッタ部(21)と各コレクタ部(22)との間隔とが、互いに独立して調整可能に構成されていることを特徴とする熱電子発電装置。
JP2007059645A 2007-03-09 2007-03-09 熱電子発電装置 Pending JP2008228387A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007059645A JP2008228387A (ja) 2007-03-09 2007-03-09 熱電子発電装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007059645A JP2008228387A (ja) 2007-03-09 2007-03-09 熱電子発電装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008228387A true JP2008228387A (ja) 2008-09-25

Family

ID=39846352

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007059645A Pending JP2008228387A (ja) 2007-03-09 2007-03-09 熱電子発電装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008228387A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014236058A (ja) * 2013-05-31 2014-12-15 株式会社デンソー 熱電子発電素子
US9000652B2 (en) 2011-05-26 2015-04-07 Denso Corporation Thermionic generator
WO2017138290A1 (ja) * 2016-02-11 2017-08-17 株式会社デンソー 熱電子発電素子
CN110086239A (zh) * 2019-05-13 2019-08-02 北京洪泰智造信息技术有限公司 一种电子设备及其热能利用***和方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9000652B2 (en) 2011-05-26 2015-04-07 Denso Corporation Thermionic generator
JP2014236058A (ja) * 2013-05-31 2014-12-15 株式会社デンソー 熱電子発電素子
WO2017138290A1 (ja) * 2016-02-11 2017-08-17 株式会社デンソー 熱電子発電素子
CN110086239A (zh) * 2019-05-13 2019-08-02 北京洪泰智造信息技术有限公司 一种电子设备及其热能利用***和方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7880079B2 (en) Dual gap thermo-tunneling apparatus and methods
JP5397414B2 (ja) 熱電子発電素子
JP2008294129A (ja) 熱電子発電素子、及び当該熱電子発電素子を備えた熱電子発電装置
US9951671B2 (en) Heat transfer device, temperature controller, internal combustion engine, exhaust system thereof, and melting furnace
JP4687305B2 (ja) 熱電子発電素子
TWI497698B (zh) 紅外線放射元件
JP2008228478A (ja) 熱電子発電装置
JP2008228387A (ja) 熱電子発電装置
CN105703214A (zh) 一种基于绝缘热沉的液体制冷半导体激光器
JP2008228386A (ja) 熱電子発電素子用の電極製造方法、その電極、及び、当該電極を用いた熱電子発電素子
JP2007157424A (ja) 固体酸化物形燃料電池
WO2017138290A1 (ja) 熱電子発電素子
JP2007037318A (ja) 熱電子発電素子
JP2008177356A (ja) 熱電発電素子
US10636953B2 (en) Thermoelectric conversion module and method for manufacturing the same
JP2010033788A (ja) 燃料電池
JP4706983B2 (ja) 熱電モジュールを含む暖房装置
JP2007005589A (ja) 熱電子発電装置
JP2008206302A (ja) ステータ
CN210723092U (zh) 一种隔热的半导体热电/电热转换元件
JP2002064180A (ja) 半導体モジュール
JP2017143011A (ja) 電子放出素子
KR102021664B1 (ko) 다중 다열 배열식 열전 발전장치 및 그 제조방법
JP2011238468A (ja) 蓄電装置及び車両
JPS63213980A (ja) 熱電装置