JP2008226796A - 基板型温度ヒューズ及び基板型温度ヒューズの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】抵抗が低く、かつ安定で、溶断作動性に優れ、しかも、リード導体の引き抜け強度が高いアキシャルタイプの基板型温度ヒューズを提供する。
【解決手段】絶縁基板1の片面に一対の膜電極2,2が形成され、一直線状に対向するリード導体4のそれぞれの端部が前記の各膜電極2,2に溶接され、両リード導体4,4の先端端面間に低融点可溶合金片3が溶接され、この低融点可溶合金片を覆って保護外被6が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】絶縁基板1の片面に一対の膜電極2,2が形成され、一直線状に対向するリード導体4のそれぞれの端部が前記の各膜電極2,2に溶接され、両リード導体4,4の先端端面間に低融点可溶合金片3が溶接され、この低融点可溶合金片を覆って保護外被6が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明はアキシャルタイプの基板型温度ヒューズ及びその基板型温度ヒューズの製造方法に関するものである。
合金型温度ヒューズは、低融点可溶合金片をヒューズエレメントとしており、被保護機器に熱的に接触して取付けられ、機器の過電流に基づく異常発熱で低融点可溶合金片が溶融され、溶融合金の表面張力に基づく球状化で分断されて機器への給電が遮断される。従って、機器の火災等の事故の発生を未然に防止できる。
この基板型温度ヒューズの一形式として、ラジアルタイプの基板型温度ヒューズが汎用されている。(例えば、特許文献1、2)
特開2007−59295号公報
特開2004−14188号公報
この基板型温度ヒューズの一形式として、ラジアルタイプの基板型温度ヒューズが汎用されている。(例えば、特許文献1、2)
図2は従来のラジアルタイプの基板型温度ヒューズを示す一部切欠上面図を示し、セラミックス基板等の耐熱・熱良伝導性絶縁基板1’の片面上に一対の並行膜電極2’,2’を導体ペーストの印刷・焼付けにより形成し、各膜電極2’,2’の後端側に互いに並行なリード導体4’,4’を溶接し、両膜電極2’,2’の先端部間に低融点可溶合金片3’を溶接し、この低融点可溶合金片3’にフラックス5’を塗布し、絶縁基板の片面上にエポキシ樹脂を滴下塗装して保護外被6’を設けてある。
前記ラジアルタイプの基板型温度ヒューズに対し、アキシャルタイプが要求されることがある。
しかしながら、基板型温度ヒューズにおいて、ヒューズエレメントからリード導体への電気的導通は、ヒューズエレメントと膜電極との間の溶接界面→膜電極→膜電極とリード導体との間の溶接界面を経て行われ、リード導体とヒューズエレメントとを直接突合せ溶接しているアキシャルタイプ筒型温度ヒューズに較べてリード導体−ヒューズエレメント間の抵抗が高い。
しかしながら、基板型温度ヒューズにおいて、ヒューズエレメントからリード導体への電気的導通は、ヒューズエレメントと膜電極との間の溶接界面→膜電極→膜電極とリード導体との間の溶接界面を経て行われ、リード導体とヒューズエレメントとを直接突合せ溶接しているアキシャルタイプ筒型温度ヒューズに較べてリード導体−ヒューズエレメント間の抵抗が高い。
旧来、合金型温度ヒューズのヒューズエレメントには、Pbを主成分とする合金が使用されている。しかしながら、鉛部品乃至鉛合金部品の廃棄による環境汚染が問題視され、近来、多くの分野で鉛フリー化が企画され、温度ヒューズの分野においても、ヒューズエレメントの鉛フリー化が進められている。
この鉛フリーヒューズエレメントのうち、Bi−In−Sn系にAgまたはCuを添加したものにおいては、ヒューズエレメントの比抵抗値を20μΩ・cm〜25μΩ・cmといった低比抵抗値にできる。
この鉛フリーヒューズエレメントのうち、Bi−In−Sn系にAgまたはCuを添加したものにおいては、ヒューズエレメントの比抵抗値を20μΩ・cm〜25μΩ・cmといった低比抵抗値にできる。
しかしながら、従来のラジアルタイプ基板型温度ヒューズを単にアキシャルタイプにしても、ヒューズエレメントとリード導体との間に前記した高抵抗部位が介在する以上、温度ヒューズエレメントの合理的な低抵抗化を図ることは困難である。
従って、基板型温度ヒューズのアキシャル化には、リード導体とヒューズエレメントとを直接突合せ溶接することが有効である。
従って、基板型温度ヒューズのアキシャル化には、リード導体とヒューズエレメントとを直接突合せ溶接することが有効である。
本発明の目的は、抵抗が低く、かつ安定で、溶断作動性に優れ、しかも、リード導体の引き抜け強度が高いアキシャルタイプの基板型温度ヒューズを提供することにある。
本発明に係る基板型温度ヒューズは、絶縁基板の片面に一対の膜電極が形成され、一直線状に対向するリード導体のそれぞれの端部が前記の各膜電極に溶接され、両リード導体の先端端面間に低融点可溶合金片が溶接され、この低融点可溶合金片を覆って保護外被が設けられていることを特徴とし、低融点可溶合金片には、In−Bi−Sn系合金、In−Bi−Sn系にAgまたはCuを添加した合金、Cu−In−Sn系合金、Bi−Sn−Sb系合金、Sn−Bi系合金の何れかを使用することができる。
本発明に係る基板型温度ヒューズの製造方法は、一直線状に対向する一対のリード導体の先端端面間に低融点可溶合金片を溶接したのち、一対の膜電極を片面に有する絶縁基板の各膜電極に前記の各リード導体を溶接固定することを特徴とする。
本発明に係る基板型温度ヒューズの製造方法は、一直線状に対向する一対のリード導体の先端端面間に低融点可溶合金片を溶接したのち、一対の膜電極を片面に有する絶縁基板の各膜電極に前記の各リード導体を溶接固定することを特徴とする。
(1)ヒューズエレメントとリード導体との間の抵抗が両者の直接の突合せ溶接のために低く、比抵抗率の低い低融点可溶合金をヒューズエレメントに使用することによる温度ヒューズの低抵抗化を良好に達成できる。
(2)ヒューズエレメントの溶断時で溶融合金の膜電極への濡れ拡がりにより溶断速度を迅速化できる。
(3)リード導体が膜電極に溶接固定されているから、実装時に樹脂外被が熱軟化されてもリード導体の耐引き抜け強度をよく保持できる。
(2)ヒューズエレメントの溶断時で溶融合金の膜電極への濡れ拡がりにより溶断速度を迅速化できる。
(3)リード導体が膜電極に溶接固定されているから、実装時に樹脂外被が熱軟化されてもリード導体の耐引き抜け強度をよく保持できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1の(イ)は本発明に係る基板型温度ヒューズを示す一部欠切平面図、図1の(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面図である。
図1において、1は耐熱性・熱良伝導性の絶縁基板であり、セラミックス基板を使用できる。
2,2は絶縁基板の片面上に長手方向に所定の間隔を隔てて形成した膜電極であり、導体ペースト例えば銀ペーストの印刷・焼き付けによって形成することができる。
3はヒューズエレメントとしての低融点可溶合金片、4,4は低融点可溶合金片3の両端端面に突合せ溶接したリード導体であり、各リード導体4を各膜電極2に溶接し、ヒューズエレメント3の両端部を各膜電極2,2に接触させてある。リード導体4には、銅線の他、銅メッキ鉄線または銅メッキ鋼線を使用することができる。
5はヒューズエレメントに塗布したフラックスである。
6は絶縁基板1の片面上に、前記のフラックス塗布ヒューズエレメントを覆って被覆した樹脂外被であり、樹脂にはエポキシ樹脂を使用できる。この樹脂外被の表面に、温度ヒューズの性能等を印字することができる。
図1の(イ)は本発明に係る基板型温度ヒューズを示す一部欠切平面図、図1の(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面図である。
図1において、1は耐熱性・熱良伝導性の絶縁基板であり、セラミックス基板を使用できる。
2,2は絶縁基板の片面上に長手方向に所定の間隔を隔てて形成した膜電極であり、導体ペースト例えば銀ペーストの印刷・焼き付けによって形成することができる。
3はヒューズエレメントとしての低融点可溶合金片、4,4は低融点可溶合金片3の両端端面に突合せ溶接したリード導体であり、各リード導体4を各膜電極2に溶接し、ヒューズエレメント3の両端部を各膜電極2,2に接触させてある。リード導体4には、銅線の他、銅メッキ鉄線または銅メッキ鋼線を使用することができる。
5はヒューズエレメントに塗布したフラックスである。
6は絶縁基板1の片面上に、前記のフラックス塗布ヒューズエレメントを覆って被覆した樹脂外被であり、樹脂にはエポキシ樹脂を使用できる。この樹脂外被の表面に、温度ヒューズの性能等を印字することができる。
本発明に係る基板型温度ヒューズは、(1)ヒューズエレメントとリード導体との突合せ溶接、(2)リード導体付きヒューズエレメントのリード導体の膜電極付き絶縁基板の膜電極への溶接固定、(3)樹脂外被の被覆の工程を経て製造される。
(1)の工程においては、低融点可溶合金片の両端端面に各リード導体の先端端面を突き合わせ、各リード導体の先端部を加熱溶融させると共にリード導体を軸方向に押しつけて突合せ界面を溶着することができる。
(2)の工程においては、各リード導体の先端部と各膜電極とに抵抗溶接機の正負ピン電極を当接し、溶接電流の通電により各リード導体先端部を各膜電極にスポット溶接することができる。
(3)の工程の樹脂には、常温硬化性のエポキシ樹脂を用い、滴下塗装法により被覆することができる。
(1)の工程においては、低融点可溶合金片の両端端面に各リード導体の先端端面を突き合わせ、各リード導体の先端部を加熱溶融させると共にリード導体を軸方向に押しつけて突合せ界面を溶着することができる。
(2)の工程においては、各リード導体の先端部と各膜電極とに抵抗溶接機の正負ピン電極を当接し、溶接電流の通電により各リード導体先端部を各膜電極にスポット溶接することができる。
(3)の工程の樹脂には、常温硬化性のエポキシ樹脂を用い、滴下塗装法により被覆することができる。
前記低融点可溶合金片の合金には、鉛フリーの低比抵抗率合金を用いることができる。例えば、Bi7〜12重量%,Sn40〜46重量%,残部In、またはBi7〜12重量%,Sn40〜46重量%,残部Inの100重量部にAgまたはCuを0.5〜3.5重量部添加したものを使用できる。その他、、Cu−In−Sn系合金、Bi−Sn−Sb系合金、Sn−Bi系合金等も使用できる。
かかる低比抵抗率のヒューズエレメントを使用することにより、低抵抗ヒューズエレメントのアキシャルタイプ基板型温度ヒューズを提供をでき、実質上自己発熱のない正確な作動を保証できる。
かかる低比抵抗率のヒューズエレメントを使用することにより、低抵抗ヒューズエレメントのアキシャルタイプ基板型温度ヒューズを提供をでき、実質上自己発熱のない正確な作動を保証できる。
本発明に係る基板型温度ヒューズにおいては、ヒューズエレメントの溶断時、溶融合金が膜電極へ濡れ拡がって球状化分断が促進されるから、溶断速度の迅速化が期待できる。
また、本発明に係る基板型温度ヒューズを実装する際、例えばFETのベース基板にはんだ付けする際、外被の常温硬化エポキシ樹脂が熱軟化しても、リード導体を膜電極に溶接固定してあるから、リード導体の耐引き抜け強度をよく保持でき、リード導体による安定な支持を保持できる。
また、本発明に係る基板型温度ヒューズを実装する際、例えばFETのベース基板にはんだ付けする際、外被の常温硬化エポキシ樹脂が熱軟化しても、リード導体を膜電極に溶接固定してあるから、リード導体の耐引き抜け強度をよく保持でき、リード導体による安定な支持を保持できる。
1 絶縁基板
2 膜電極
3 低融点可溶合金片
4 リード導体
5 フラックス
6 樹脂外被
2 膜電極
3 低融点可溶合金片
4 リード導体
5 フラックス
6 樹脂外被
Claims (3)
- 絶縁基板の片面に一対の膜電極が形成され、一直線状に対向するリード導体のそれぞれの端部が前記の各膜電極に溶接され、両リード導体の先端端面間に低融点可溶合金片が溶接され、この低融点可溶合金片を覆って保護外被が設けられていることを特徴とする基板型温度ヒューズ。
- 低融点可溶合金片が、In−Bi−Sn系合金、In−Bi−Sn系にAgまたはCuを添加した合金、Cu−In−Sn系合金、Bi−Sn−Sb系合金、Sn−Bi系合金の何れかであることを特徴とする請求項1記載の基板型温度ヒューズ。
- 一直線状に対向する一対のリード導体の先端端面間に低融点可溶合金片を溶接したのち、一対の膜電極を片面に有する絶縁基板の各膜電極に前記の各リード導体を溶接固定することを特徴とする基板型温度ヒューズの製造方法。
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JP2007067689A JP2008226796A (ja) | 2007-03-16 | 2007-03-16 | 基板型温度ヒューズ及び基板型温度ヒューズの製造方法 |
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JP2004071552A (ja) * | 2002-07-22 | 2004-03-04 | Uchihashi Estec Co Ltd | 薄型温度ヒューズ |
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2007
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