JP2008223932A - ボールジョイント - Google Patents
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Abstract
【課題】ソケットの内部側を容易に確認可能なボールジョイントを提供する。
【解決手段】ボールスタッド2のボール部11を摺動可能に収容したソケット4の外部から、ソケット4の内部側を目視可能な窓部59を設ける。ボールジョイント1を分解、あるいは切断などをすることなく、ソケット4の内部を、窓部59を介して容易に観察可能となり、分解、あるいは切断などの作業が不要となり、使い勝手が向上する。
【選択図】図1
【解決手段】ボールスタッド2のボール部11を摺動可能に収容したソケット4の外部から、ソケット4の内部側を目視可能な窓部59を設ける。ボールジョイント1を分解、あるいは切断などをすることなく、ソケット4の内部を、窓部59を介して容易に観察可能となり、分解、あるいは切断などの作業が不要となり、使い勝手が向上する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ソケットの内室に少なくとも一部が摺動可能に収容されたボールスタッドを備えたボールジョイントに関する。
従来、例えば、自動車の懸架装置、あるいは操舵装置などに用いられるボールジョイントは、内部に内室を有する金属製のソケットと、このソケットの内室に収容された略筒状のベアリングシートとしてのボールシートと、このボールシート内に保持されるボール部を備えた金属製のボールスタッドとを有している。ソケットは、両端に開口部を有する略円筒状のソケット本体を有し、このソケット本体の一端側の開口部が、閉塞部材としてのキャップである円板状のプラグにより閉塞されている。また、ボールスタッドのボール部は、潤滑剤であるグリースを介してボールシート内に摺動可能に保持されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−300264号公報(第5頁、図3)
例えば、このようなボールジョイントの開発に当たり、ボールジョイントの性能評価試験をする場合には、この性能評価試験の後、ソケットの内部、例えばボールシートの摩耗量や摩耗状態、グリースの残量や残存状態、あるいは、ボール部の表面状態などを目視により観察及び確認することがある。
しかしながら、上述のボールジョイントでは、試験後に上記各項目を確認するために、ボールジョイントの各種部品を一時的に取り外したり、ボールジョイントそのものを切断したりする必要があり、このような作業に手間が掛かるだけでなく、これら作業の後、性能評価試験を続けて実施することも容易でないという問題点を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ソケットの内部側を容易に確認可能として使い勝手を向上したボールジョイントを提供することを目的とする。
請求項1記載のボールジョイントは、内室を有するソケットと、このソケットの内室に少なくとも一部が収容されたボールスタッドと、前記ソケットの外部から内部の少なくとも一部を目視可能な視認部とを具備したものである。
そして、ソケットの外部から内部を目視可能な視認部を設けることで、分解あるいは切断などをすることなくソケットの内部側を、視認部を介して容易に観察可能となり、使い勝手が向上する。
請求項2記載のボールジョイントは、請求項1記載のボールジョイントにおいて、ボールスタッドは、ソケットの内室に摺動可能に収容されたボール部を備え、視認部は、前記ボール部を目視可能であるものである。
そして、ソケットの内室に摺動可能に収容されたボール部を視認部によりソケットの外部から目視可能とすることで、ボール部の表面状態が視認部を介して容易に観察される。
請求項3記載のボールジョイントは、請求項1記載のボールジョイントにおいて、ソケットの内室に設けられ、ボールスタッドの少なくとも一部を摺動可能に保持するベアリングシートを具備し、視認部は、前記ベアリングシートの内部の少なくとも一部を目視可能であるものである。
そして、ボールスタッドの少なくとも一部を摺動可能に保持するベアリングシートの内部の少なくとも一部を視認部によりソケットの外部から目視可能とすることで、ベアリングシートの摩耗量及び摩耗状態などが視認部を介して容易に観察される。
請求項4記載のボールジョイントは、請求項1記載のボールジョイントにおいて、ボールスタッドは、少なくとも一部がソケットの内室に摺動可能に保持され、前記ソケットの内部に設けられ、前記ボールスタッドの少なくとも一部の摺動用の潤滑剤を収容する潤滑剤収容部を具備し、視認部は、前記潤滑剤収容部内を目視可能であるものである。
そして、ボールスタッドの少なくとも一部の摺動用の潤滑剤を収容した潤滑剤収容部の内部を視認部によりソケットの外部から目視可能とすることで、潤滑剤の残量及び潤滑剤の状態などが視認部を介して容易に観察される。
請求項5記載のボールジョイントは、請求項1ないし4いずれか一記載のボールジョイントにおいて、ソケットは、両端に開口部を有する略筒状のソケット本体と、このソケット本体の一端側の開口部を閉塞して内室を区画する閉塞部材とを備え、視認部は、少なくとも一部が前記閉塞部材に設けられているものである。
そして、視認部の少なくとも一部を閉塞部材に設けることで、ソケットの内部側を目視可能な視認部が容易に形成される。
本発明によれば、ソケットの内部側を容易に確認可能として使い勝手を向上できる。
以下、本発明の一実施の形態のボールジョイントの構成を、図1を参照して説明する。
図1において、1はボールジョイントを示し、このボールジョイント1は、例えば、自動車の懸架装置、あるいは操舵装置などに用いられるものである。そして、このボールジョイント1は、ボールスタッド2の一部を摺動可能に保持したベアリングシートとしての略筒状のボールシート3が、ソケット4の内室5に収容されている。
なお、以下、便宜的に図1に示す上下方向を上下方向として説明する。
ボールスタッド2は、例えば鋼鉄製であり、ボールシート3に摺動可能に保持される球状のボール部11と、このボール部11の軸方向に直線状に突設された略円柱軸状のスタッド部12とを一体に有している。
ボールシート3は、上側に位置する第1シート本体21と、この第1シート本体21の下端側の内周に位置する第2シート本体22とを備えている。
第1シート本体21は、例えば可撓性を有するポリアセタールなどの合成樹脂により、ボールスタッド2のスタッド部12側が挿通される挿通開口25を上端に備え嵌合開口26を下端に備えた略円筒状に形成され、ソケット4の内室5の内周面に嵌着されている。また、この第1シート本体21の内周側の上下方向の略中心から上側には、ボールスタッド2のボール部11の上側の外周面を摺動可能に保持する略球面状の第1摺動面27が形成されている。さらに、この第1シート本体21の内周側の上下方向の略中心から下側には、第2シート本体22が嵌着される嵌着面28が円筒面状に形成されている。そして、この第1シート本体21の嵌合開口26の縁部には、中心軸方向へと縮径されるように突出したシート突出部29が形成されている。
一方、第2シート本体22は、クッションシートとも呼ばれるもので、例えば弾性を有するポリウレタン、ポリエステル、あるいはゴムなどの合成樹脂により、上端に摺動開口31を備え、下端に開口32を備えた略円筒状に形成され、第1シート本体21の嵌着面28に嵌着されている。また、この第2シート本体22の内周面は、摺動開口31側から開口32側へと縮径される球面状の第2摺動面33となっている。すなわち、この第2摺動面33は、挿通開口31と開口32とに連通している。そして、この第2摺動面33は、第1シート本体21の第1摺動面27とともに、ボールスタッド2のボール部11を摺動可能に保持する摺動面35を構成している。さらに、第2シート本体22の外周部には、シート突出部29と嵌合するシート凹部37が形成されている。
また、開口32は、ボール部11のスタッド部12側と反対側の頂部に対向して開口されている。さらに、この開口32は、ソケット4との間に、潤滑剤としてのグリースGを収容した空間部である潤滑剤収容部としてのグリース収容部38を区画している。このグリースGは、ボール部11と摺動面35との隙間に入ることで、ボール部11と摺動面35との摺動性を確保するものである。
そして、ソケット4は、ハウジングなどとも呼ばれるもので、例えばアルミニウムなどの部材を鋳造、あるいは鍛造して成形後、切削成形されて上下両端に開口部41,42を有する略円筒状のソケット本体43を備え、このソケット本体43の一端である下端側の開口部42が、閉塞部材としてのプラグ44により閉塞されていることで、全体として有底円筒状に形成され、内室5が内部に区画されている。
また、ソケット本体43の開口部41側の外周部には、この開口部41を覆うダストカバー46が取り付けられる嵌合凹部47が設けられている。ここで、ダストカバー46は、ブーツとも呼ばれ、内室5内への塵埃などの侵入を防止するもので、弾性変形可能な、例えばゴム、あるいは軟質の合成樹脂などにて略円筒状に形成されている。そして、このダストカバー46は、上端部の外周部に円環状の押さえリング48が嵌着されて嵌合凹部47に保持されている。
開口部41には、ボールスタッド2のスタッド部12が挿通されて、このスタッド部12がソケット4の外部へと突出している。
開口部42の内周縁部には、プラグ44が嵌着される段差部51が設けられている。
そして、プラグ44は、例えば所定の金属などの部材により略円板状に形成されている。また、このプラグ44は、ソケット本体43の段差部51に嵌着され、開口部42の下端縁部を中心軸側へとかしめ変形することで形成されたかしめ部55により外周縁部が保持されることで、ソケット本体43に対して抜け止め固定されている。この結果、プラグ44は、ボールスタッド2のボール部11を保持したボールシート3をソケット4の内室5内に保持している。そして、このプラグ44の中央部には、ボールシート3の第2シート本体22の開口32に対向する略円形状の観察窓56が開口形成されている。
観察窓56は、開口32と略等しい平面視円形状に形成され、透光性を有する覆い部材としての透光性部材58により覆われて閉塞されている。
透光性部材58は、例えばガラス、あるいは樹脂などにより形成され、観察窓56に対して、ねじ込み、あるいは圧入されることで固定されている。
そして、観察窓56と開口32とにより、ソケット4の外部からボールシート3の内部を目視可能な視認部としての窓部59が構成されている。
次に、上記一実施の形態の作用を説明する。
例えばボールジョイント1の開発などの際の性能評価試験などにおいては、ボールスタッド2のスタッド部12側を所定の被接続部に接続し、負荷を与えつつボール部11をボールシート3の摺動面35内で摺動させる。
このとき、ソケット4の外部から内部を目視可能な窓部59を設けることで、ボールジョイント1の各部品を取り外して分解したり、あるいは切断したりすることなく窓部59を介してソケット4の内部側を容易に観察可能となり、あるいは切断などをすることなくソケットの内部側を、窓部59を介して容易に観察可能となり、それら作業の手間や時間が不要となり、開発スピードが向上するなど、使い勝手が向上する。
具体的に、窓部59が、ソケット4の内室5に摺動可能に収容されたボール部11を目視可能であることで、ボール部11の表面状態を容易に観察できる。
また、窓部59が、ボールシート3の内部の少なくとも一部を目視可能であることで、ボールシート3の摩耗量及び摩耗状態を容易に観察できる。
さらに、窓部59が、グリース収容部38内を目視可能であることで、グリースGの残量及びその状態などを容易に観察できる。
そして、従来のようにボールジョイントを分解あるいは切断する場合には、その分解あるいは切断したボールジョイントが廃棄物になってしまうのに対して、本実施の形態では、観察対象の試験評価品であるボールジョイント1を、そのまま使用して評価を続行できるため、最低限のサンプル数で試験評価が可能になり、廃棄物の削減が可能で、環境負荷の低減にも寄与できる。
また、ソケット本体43の開口部42を閉塞するプラグ44に窓部59の一部である観察窓56を設けることで、ボールシート3の内部を観察可能な窓部59を簡単な構成で容易に形成できる。
しかも、観察窓56はグリース収容部38に連通しているから、ボールシート3の内部側をソケット4の外部から目視するための開口などを別個に設ける必要がなく、製造性を向上でき、かつ、ボールシート3の強度の低下なども防止できる。
そして、観察窓56は、透光性部材58で覆われているため、グリースGが観察窓56からソケット4の外部に漏れでることもない。
なお、上記一実施の形態において、窓部59を設ける位置は、ソケット4の内部側を目視可能であれば、プラグ44以外でも、例えばソケット本体43の側部など、任意の位置とすることが可能である。
また、ソケット4を、例えばプラグを用いない略有底円筒状のものとした場合でも、窓部59を設けることで同様の作用効果を奏することができる。
さらに、窓部59の構成及び形状などは、上記に限定されるものではない。
1 ボールジョイント
2 ボールスタッド
3 ベアリングシートとしてのボールシート
4 ソケット
5 内室
11 ボール部
38 潤滑剤収容部としてのグリース収容部
41,42 開口部
43 ソケット本体
44 閉塞部材としてのプラグ
59 視認部としての窓部
G 潤滑剤としてのグリース
2 ボールスタッド
3 ベアリングシートとしてのボールシート
4 ソケット
5 内室
11 ボール部
38 潤滑剤収容部としてのグリース収容部
41,42 開口部
43 ソケット本体
44 閉塞部材としてのプラグ
59 視認部としての窓部
G 潤滑剤としてのグリース
Claims (5)
- 内室を有するソケットと、
このソケットの内室に少なくとも一部が収容されたボールスタッドと、
前記ソケットの外部から内部の少なくとも一部を目視可能な視認部と
を具備したことを特徴としたボールジョイント。 - ボールスタッドは、ソケットの内室に摺動可能に収容されたボール部を備え、
視認部は、前記ボール部を目視可能である
ことを特徴とした請求項1記載のボールジョイント。 - ソケットの内室に設けられ、ボールスタッドの少なくとも一部を摺動可能に保持するベアリングシートを具備し、
視認部は、前記ベアリングシートの内部の少なくとも一部を目視可能である
ことを特徴とした請求項1記載のボールジョイント。 - ボールスタッドは、少なくとも一部がソケットの内室に摺動可能に保持され、
前記ソケットの内部に設けられ、前記ボールスタッドの少なくとも一部の摺動用の潤滑剤を収容する潤滑剤収容部を具備し、
視認部は、前記潤滑剤収容部内を目視可能である
ことを特徴とした請求項1記載のボールジョイント。 - ソケットは、
両端に開口部を有する略筒状のソケット本体と、
このソケット本体の一端側の開口部を閉塞して内室を区画する閉塞部材とを備え、
視認部は、少なくとも一部が前記閉塞部材に設けられている
ことを特徴とした請求項1ないし4いずれか一記載のボールジョイント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007064835A JP2008223932A (ja) | 2007-03-14 | 2007-03-14 | ボールジョイント |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101357452B1 (ko) | 2012-05-16 | 2014-02-05 | 주식회사 센트랄 | 볼 조인트 및 그 제조방법 |
WO2020200615A1 (de) * | 2019-04-02 | 2020-10-08 | Zf Friedrichshafen Ag | Kugelgelenk für ein fahrwerk eines fahrzeugs und verfahren zum herstellen eines solchen kugelgelenks |
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JPS60208622A (ja) * | 1984-03-30 | 1985-10-21 | Musashi Seimitsu Kogyo Kk | ボ−ルジヨイント |
WO2006098124A1 (ja) * | 2005-03-15 | 2006-09-21 | Thk Co., Ltd. | ボールジョイント |
-
2007
- 2007-03-14 JP JP2007064835A patent/JP2008223932A/ja active Pending
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