JP2008219413A - 可変フィルタ - Google Patents

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奈穂 浜田
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亮司 林
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Abstract

【課題】可変フィルタにおいて、入力信号に対するサンプル平均数の増大に応ずるキャパシタ数の増加率を低減すること。
【解決手段】充放電回路部は、縦続接続された複数の充放電部21,22を構成して成る。これらの充放電部のうち、電圧電流変換部202に接続される初段の充放電部21は、並列に接続される複数のキャパシタ203,204を有するキャパシタバンク24および並列に接続される複数のキャパシタ205,206を有するキャパシタバンク25を備えて構成される。キャパシタバンク24,25に蓄積された電荷は所定のタイミングで後段の充放電部22に移送され、充放電部22のキャパシタ218〜220とキャパシタ221との間で共有された電荷が所定のクロック周波数で出力される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フィルタ特性を変更することができる可変フィルタに関するものである。
例えば無線通信システムにおいて、マルチモード、マルチバンド対応とするためには、それぞれの機能を持った複数の無線通信装置を準備する必要がある。しかし、複数の無線通信装置を準備するとなると、機器の大型化やコストの増大などといった問題が発生するため、無線通信機器のマルチモード、マルチバンド対応の実現には、ソフトウェア無線技術を用いる必要がある。
ここで、ソフトウェア無線技術とは、高周波増幅器、周波数変換、AD変換器、DA変換器およびディジタル信号処理部などのハードウェアを共通とし、フィルタ、変復調部などの処理機能をプログラマブル化することである。なお、プログラマブル化とは、ソフトウェアの書き換えによって変調方式、送受信周波数、帯域幅、伝送速度などのシステム固有の無線仕様を必要に応じて変更可能とすることである。
ソフトウェア無線技術を適用した受信機(以下「ソフトウェア受信機」という)は、アンテナに直結するAD変換器やディジタル信号処理部などの組み合わせとして構成される。しかしながら、このような構成では、アンテナ端から高レベルの妨害波が入力した場合に、AD変換器にて入力信号が飽和し、希望信号を正確に再生することができない。そのため、受信機には、AD変換器の前段に妨害波を減衰するためのブロッキングフィルタが必要となる。
また、ソフトウェア受信機を具備する無線通信システムでは、希望信号の帯域がシステム毎に変化し、妨害波が位置する周波数もシステム毎に異なる。したがって、前述のブロッキングフィルタの特性が可変でない場合には、決められた周波数の妨害波しか減衰させることができない。例えば、AD変換器の希望信号チャネルに高レベルの妨害波が入力した場合には、AD変換器の出力が飽和してしまうことになる。そのため、AD変換器の出力を飽和させないためには、AD変換器のダイナミックレンジを非常に大きくしなくてはならない。
しかしながら、AD変換器のダイナミックレンジを大きくするような設計手法は、現段階では現実的ではなく、また効果的ではない。そのため、ブロッキングフィルタの特性を可変として妨害波を効果的に抑制することで、AD変換器のダイナミックレンジへの要求を緩和しなければならない。すなわち、ソフトウェア受信機においては、ブロッキングフィルタにおけるフィルタ特性可変機能が必須となる。
特性可変フィルタとして、例えばスイッチトキャパシタ技術を用いたスイッチトキャパシタ回路がある。このスイッチトキャパシタ回路では、コンデンサに接続するスイッチが周期的に開閉制御されることによって、キャパシタの充放電が制御される。なお、このような充放電の際に流れる電流量は、キャパシタの容量や充電されるキャパシタの個数、あるいはスイッチを制御するクロック周波数などによって決定される。つまり、スイッチトキャパシタ回路では、キャパシタに流す充放電電流を制御することにより、フィルタ特性が可変となり、キャパシタの容量や充電されるキャパシタの個数、クロック周波数などを変更することによってフィルタの周波数応答を可変することができる。
なお、スイッチトキャパシタ技術を用いたフィルタ技術を開示した文献として、下記特許文献1や下記非特許文献1などが存在する。
例えば特許文献1示されるフィルタ回路は、信号を入力するための入力端子と、この入力端子から入力された電圧信号を電圧電流変換するための電圧電流変換部、この電圧電流変換部の出力電流によって電荷を充電するための6個のキャパシタからなる第1のキャパシタ群と、電圧電流変換部と第1のキャパシタ群との間に位置し電圧電流変換部の出力電流が入力されるキャパシタを選択するための第1のスイッチ群と、第1のキャパシタ群に並列に設けられ電圧電流変換部の出力電流によって電荷を充電するための6個のキャパシタからなる第2のキャパシタ群と、電圧電流変換部と第2のキャパシタ群との間に位置し電圧電流変換部の出力電流が入力されるキャパシタを選択するための第2のスイッチ群と、これらの第1、第2のキャパシタ群に充電された電荷を共有するための電荷共有キャパシタと、第1のキャパシタ群と電荷共有キャパシタとの間に位置し電荷共有キャパシタとの間で所定の電荷を共有するキャパシタの選択を行うための第3のスイッチ群と、第2のキャパシタ群と電荷共有キャパシタとの間に位置し電荷共有キャパシタとの間で所定の電荷を共有するキャパシタの選択を行うための第4のスイッチ群と、電荷共有キャパシタに電荷が充電されることによって生じる電位差を信号として出力するための出力端子と、第1のキャパシタ群に充電された電荷を放電し次の充電に備えるための第5のスイッチ群と、第2のキャパシタ群に充電された電荷を放電し次の充電に備えるための第6のスイッチ群と、を備えている。
すなわち、このフィルタ回路は、第1のキャパシタ群および第1、第3、第5のキャパシタ群を具備する第1のキャパシタバンクと、第2のキャパシタ群および第2、第4、第6のスイッチ群を具備する第2のキャパシタバンクとから構成され、第1のキャパシタ群および第2のキャパシタ群は、それぞれ自己のスイッチ群を介して電荷共有キャパシタに対し交互に接続され、所定の電荷の共有がなされる。また、このフィルタ回路は、入力信号に対して平均化処理と間引き処理を行うフィルタ動作を行い、入力信号に対するクロック周波数をfsとした場合に、入力信号の6サンプルに対して平均化処理を行い、平均値をサンプル周波数fs/6にて出力するフィルタとして機能する。
米国特許出願公開第2003/0083035号明細書 R.B.Staszewski他、"All−Digital Frequency Synthesizer and Discrete−Time Receiver for Bluetooth Radio in 130−nm CMOS"、IEEE Journal of Solid−State Circuits、Vol.39、No.12、pp.2278−2291、Dec.2004
上述のように、従来のフィルタ回路では、第1、第2のキャパシタ群および、これらのキャパシタ群との間で電荷を共有する電荷共有キャパシタを備えており、サンプル平均数N(Nは自然数)のフィルタ特性を実現するために、(2N+1)個のキャパシタ数を必要としていた。このため、Nの値を大きくして狭帯域の低域通過特性を実現する場合に、フィルタを構成するキャパシタ数が多くなって、フィルタの占有面積が大きくなるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、入力信号に対するサンプル平均数の増大に応じて所要の増加を余儀なくされるキャパシタ数の増加率を低減することができる可変フィルタを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる可変フィルタは、入力信号を電圧電流変換する電圧電流変換部と、前記電圧電流変換部の出力電流に基づく電荷が充電される複数のキャパシタ、該複数のキャパシタを充電するための充電経路を形成する充電経路形成手段、該複数のキャパシタに蓄積された電荷を所定のキャパシタに移送するための移送経路を形成する電荷移送経路形成手段、および該複数のキャパシタに蓄積された電荷を放電するための放電経路を形成する放電経路形成手段をそれぞれ具備する充放電回路部と、前記充放電回路部からの放電電荷を電荷共有するための電荷共有キャパシタと、を備え、前記充放電回路部は、縦続接続されたn個(nは2以上の整数)の充放電部を構成して成るとともに、前記縦続接続されたn個の充放電部のうち、前記電圧電流変換部に接続される初段の充放電部は、並列に接続される複数のキャパシタをそれぞれ有して成るM個(Mは2以上の整数)のキャパシタバンクを構成して成り、前記電荷共有キャパシタに蓄積された電荷を所定の出力クロック周波数で出力することを特徴とする。
本発明にかかる可変フィルタによれば、縦続接続されたn個(nは2以上の整数)の充放電部を構成して成る充放電回路部において、電圧電流変換部に接続される初段の充放電部が、並列に接続される複数のキャパシタをそれぞれ有して成るM個(Mは2以上の整数)のキャパシタバンクを構成して成り、電荷共有キャパシタに蓄積された電荷を所定の出力クロック周波数で出力するように動作するので、入力信号に対するサンプル平均数が増大する場合であっても、キャパシタ数の増加率を低減可能とする可変フィルタを提供することができるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる可変フィルタの好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
まず、実施の形態1にかかる可変フィルタについて説明する。図1は、実施の形態1にかかる可変フィルタを搭載可能なソフトウェア受信機の一般的な構成を示す図であり、図2は、実施の形態1にかかる可変フィルタの構成を示す図である。
(ソフトウェア受信機の構成)
まず、ソフトウェア受信機の構成について説明する。図1に示すように、ソフトウェア受信機は、信号を受信するアンテナ部101、アンテナ部101の出力信号を増幅するための電力増幅部102、電力増幅部102の出力信号に対して周波数変換を行う周波数変換部103、周波数変換部103の出力信号に対して妨害波の除去を行うためのブロッキングフィルタ104、ブロッキングフィルタ104の出力信号に対してAD変換を行うためのAD変換部105、およびAD変換部105の出力信号に対して復調処理を行うための復調部106を備えて構成される。なお、本発明にかかる可変フィルタは、上記ブロッキングフィルタ104の機能を有する一機能部として構成されるものである。
(可変フィルタの特徴)
ここで、実施の形態1にかかる可変フィルタの構成を説明する前に、実施の形態1にかかる可変フィルタの特徴について説明する。実施の形態1にかかる可変フィルタは、フィルタ回路部におけるサンプル平均数および間引き率(デシメーション比)Nを、N=N1・N2・・・・Nnに因数分解し、因数Nk(k=1、2、…、n)に応じてサンプル平均化数および間引き率Nkの充放電部をそれぞれ構成するとともに、それらの充放電部を縦続接続するように構成する。なお、図2に示す構成例は、N=6の場合を示すものであり、N=6=2×3と因数分解して、N1=2、N2=3に設定している。すなわち、実施の形態1にかかる可変フィルタは、サンプル平均化数および間引き率N1=2のフィルタ群を構成する初段(前段)の充放電部と、サンプル平均化数および間引き率N2=3のフィルタ群を構成する後段の充放電部と、を備えて構成されている。
(可変フィルタの構成)
つぎに、可変フィルタの詳細な構成について説明する。図2において、実施の形態1にかかる可変フィルタは、信号を入力するための入力端子201、入力端子201より入力された電圧信号を電圧電流変換する電圧電流変換部202、電圧電流変換部202の出力電流に基づく電荷を充電するとともに、充電された電荷を所定のタイミングで放電(電荷移送)するように動作する初段(前段)の充放電部を構成してなる充放電部21、充放電部21に縦続接続され、充放電部21から供給される電荷を所定のタイミングで充電するとともに、充電された電荷を所定のタイミングで放電(電荷移送)するように動作する後段の充放電部を構成してなる充放電部22、充放電部22に充電された電荷を共有するための電荷共有キャパシタであるキャパシタ221、およびキャパシタ221に電荷が充電されることによって生じる電位差を信号として出力するための出力端子223を備えて構成される。
充放電部21は、第1のキャパシタバンクを構成してなるキャパシタバンク24と、キャパシタバンク24に並列に接続され、キャパシタバンク24と同等の構成を有する第2のキャパシタバンクを構成してなるキャパシタバンク25と、を備えている。
キャパシタバンク24は、電圧電流変換部202の出力電流に基づく電荷が充電されるキャパシタ203,204と、キャパシタ203,204にそれぞれ直列に接続され、電圧電流変換部202の出力電流が入力される入力先キャパシタを選択するためのスイッチ207,208と、キャパシタ203,204にそれぞれ並列に接続され、キャパシタ203,204に充電された電荷を放電して次回の充電に備えるためのスイッチ224,225と、キャパシタ203,204の各一端と充放電部22の入力端との間にそれぞれ接続され、キャパシタ203,204に充電された各電荷を所定のタイミングで充放電部22に供給するためのスイッチ214,215と、を備えている。
キャパシタバンク25は、電圧電流変換部202の出力電流に基づく電荷が充電されるキャパシタ205,206と、キャパシタ205,206にそれぞれ直列に接続され、電圧電流変換部202の出力電流が入力される入力先キャパシタを選択するためのスイッチ209,210と、キャパシタ205,206にそれぞれ並列に接続され、キャパシタ205,206に充電された各電荷を放電して次回の充電に備えるためのスイッチ226,227と、キャパシタ205,206の各一端と充放電部22の入力端との間にそれぞれ接続され、キャパシタ205,206に充電された各電荷を所定のタイミングで充放電部22に供給するためのスイッチ216,217と、を備えている。
充放電部22は、充放電部21のキャパシタバンク24,25から供給される電荷が充電されるキャパシタ211〜213と、キャパシタ211〜213の各一端とキャパシタ221との間に接続され、スイッチ218〜220との協調動作によりキャパシタ211〜213とキャパシタ221との間の接続の選択切換を行うスイッチ222と、キャパシタ211〜213にそれぞれ並列に接続され、キャパシタ211〜213に充電された各電荷を放電して次回の充電に備えるためのスイッチ228〜230と、を備えている。
上記のように、スイッチ207〜210、スイッチ218〜220のそれぞれは、充電経路を形成する充電経路形成手段として機能し、スイッチ214〜217、スイッチ218〜220のそれぞれは、電荷移送経路を形成する電荷移送経路形成手段として機能し、スイッチ224〜227、スイッチ228〜230のそれぞれは、放電経路を形成する放電経路形成手段として機能する。なお、スイッチ218〜220のそれぞれは、充電経路形成手段および電荷移送経路形成手段の双方の機能を備えている。
(可変フィルタの動作)
つぎに、実施の形態1にかかる可変フィルタの動作について図2〜4を参照して説明する。ここで、図3は、図2に示す可変フィルタの動作を説明するためのタイミングチャートであり、各スイッチのオンオフ状態とサンプル時間の関係について示している。また、図4は、サンプル時間毎にキャパシタ203〜206に充電される電荷をQk(k:サンプル時間)と表した場合のキャパシタ203〜206、キャパシタ211〜213およびキャパシタ221に充電される電荷を時系列的に示す図である。なお、図3における1サンプル時間とは、入力信号に対するクロック周波数をfsとするときの時間1/fsを表しており、同図ではサンプル時間1〜24までを示している。また、図4では、キャパシタ203〜206、キャパシタ211〜213およびキャパシタ221の各容量値をC203〜C206、C211〜C213、C221と表すとともに、これらの各容量値間には、Cr=C203=…C206=C211=…=C213、Cout=C221の関係があるものとして示している。
(サンプル時間1での動作)
サンプル時間1では、電圧電流変換部202と接続しているスイッチ207〜210のうちスイッチ207のみがオン状態であり、他のスイッチ208〜210はオフ状態である。入力端子201より入力された電圧信号は、電圧電流変換部202において電圧電流変換され、充放電部21のキャパシタバンク24のキャパシタ203に電圧電流変換部202の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。
(サンプル時間2での動作)
サンプル時間2では、電圧電流変換部202と接続しているスイッチ207〜210のうちスイッチ208のみがオン状態であり、他のスイッチ207,209,210はオフ状態である。入力端子201より入力された電圧信号は、電圧電流変換部202において電圧電流変換され、充放電部21のキャパシタバンク24のキャパシタ204に電圧電流変換部202の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。
(サンプル時間3での動作)
サンプル時間3では、電圧電流変換部202と接続しているスイッチ207〜210のうちスイッチ209のみがオン状態であり、他のスイッチ207,208,210はオフ状態である。入力端子201より入力された電圧信号は、電圧電流変換部202において電圧電流変換され、充放電部21のキャパシタバンク25のキャパシタ205に電圧電流変換部202の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。また、同サンプル時間3に、充放電部21および充放電部22を接続するためのスイッチ214〜217、スイッチ218〜220のうちスイッチ214とスイッチ215とスイッチ218がオン状態となることによってキャパシタ203,204はキャパシタ211と接続され、キャパシタ203,204に充電された電荷はキャパシタ211と電荷共有される。このとき、キャパシタ203〜206とキャパシタ211〜213の各容量値をCr[F]とし、共有直前にキャパシタ203,204に充電されていた電荷をそれぞれQ1,Q2とすると、
キャパシタ211に充電される電荷は、
(Q1+Q2)/3 …(1)
と表すことができる(図4参照)。
(サンプル時間4での動作)
サンプル時間4では、電圧電流変換部202と接続しているスイッチ207〜210のうちスイッチ210のみがオン状態であり、他のスイッチ207〜209はオフ状態である。入力端子201より入力された電圧信号は、電圧電流変換部202において電圧電流変換され、充放電部21のキャパシタバンク25のキャパシタ206に電圧電流変換部202の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。
(サンプル時間5での動作)
サンプル時間5では、電圧電流変換部202と接続しているスイッチ207〜210のうちスイッチ207のみがオン状態であり、他のスイッチ208〜210はオフ状態である。入力端子201より入力された電圧信号は、電圧電流変換部202において電圧電流変換され、予めスイッチ224がオン状態となることによって先の充電の電荷を放電して次の充電に備えていたキャパシタ203に電圧電流変換部202の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。また、同サンプル時間5に、充放電部21と充放電部22を接続するためのスイッチ214〜217、スイッチ218〜220のうちスイッチ216とスイッチ217とスイッチ219がオン状態となることによってキャパシタ205,206はキャパシタ212と接続され、キャパシタ205,206に充電された電荷はキャパシタ212と電荷共有される。このとき、共有直前にキャパシタ205,206に充電されていた電荷をそれぞれQ3,Q4とすると、
キャパシタ212に充電される電荷は、
(Q3+Q4)/3 …(2)
と表すことができる(図4参照)。
(サンプル時間6での動作)
サンプル時間6では、電圧電流変換部202と接続しているスイッチ207〜210のうちスイッチ208のみがオン状態であり、他のスイッチ207,209,210はオフ状態である。入力端子201より入力された電圧信号は、電圧電流変換部202において電圧電流変換され、予めスイッチ225がオン状態となることによって先の充電の電荷を放電して次の充電に備えていたキャパシタ204に電圧電流変換部202の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。
(サンプル時間7での動作)
サンプル時間7では、電圧電流変換部202と接続しているスイッチ207〜210のうちスイッチ209のみがオン状態であり、他のスイッチ207,208,210はオフ状態である。入力端子201より入力された電圧信号は、電圧電流変換部202において電圧電流変換され、予めスイッチ226がオン状態となることによって先の充電の電荷を放電して次の充電に備えていたキャパシタ205に電圧電流変換部202の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。また、同サンプル時間7に、充放電部21と充放電部22を接続するためのスイッチ214〜217、スイッチ218〜220のうちスイッチ214とスイッチ215とスイッチ220がオン状態となることによって、キャパシタ203,204はキャパシタ213と接続され、キャパシタ203,204に充電された電荷は、キャパシタ213と電荷共有される。このとき、共有直前にキャパシタ203,204に充電されていた電荷をそれぞれQ5,Q6とすると、
キャパシタ213に充電される電荷は、
(Q5+Q6)/3 …(3)
と表すことができる(図4参照)。
(サンプル時間8での動作)
サンプル時間8では、電圧電流変換部202と接続しているスイッチ207〜210のうちスイッチ210のみがオン状態であり、他のスイッチ207〜209はオフ状態である。入力端子201より入力された電圧信号は、電圧電流変換部202において電圧電流変換され、予めスイッチ227がオン状態となることによって先の充電の電荷を放電して次の充電に備えていたキャパシタ206に電圧電流変換部202の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。また、同サンプル時間8に、スイッチ218〜220およびスイッチ222がオン状態となることによって電荷が充電されたキャパシタ211〜213は、キャパシタ221と接続され、キャパシタ211〜213の充電された電荷は、キャパシタ221と電荷共有される。このとき、キャパシタ221の容量をCout[F]とした場合、
キャパシタ221に充電される電荷は、
(Q1+Q2+Q3+Q4+Q5+Q6)/(3A) …(4)
と表すことができる(図4参照)。
ただし、上式におけるAは、
A=Cout/(3Cr+Cout) …(5)
として固定値で表すことができる(図4参照)。
前述した事項より、サンプル時間1〜6において、電圧電流変換部202の出力電流の平均化処理が行われ、その平均値がキャパシタ221に電荷として充電されるとともに、当該充電動作によって生じる電位差が出力信号として、サンプル時間8に出力端子223より出力される。
キャパシタ221との間で電荷共有がなされた後は、スイッチ228〜230がオン状態となることによってキャパシタ211〜213に充電されていた電荷が放電され、次の充電のための準備が整えられる。また、スイッチ226,227もオン状態になることによって電荷が放電され、次の充電のための準備が整えられる。
前述の一連の動作は繰り返し実行される。つまり、充放電部21において、キャパシタバンク24にてキャパシタ211〜213のいずれか一つと接続されて電荷共有が行われている間は、キャパシタバンク25で電圧電流変換部202の出力電流によって電荷が順次充電される。
一方、キャパシタバンク24にて電圧電流変換部202の出力電流によって電荷が順次充電されている間は、キャパシタバンク25にてキャパシタ211〜213のいずれか一つと接続されて電荷共有が行われる。
なお、キャパシタバンク24,25の双方ともに、キャパシタ211〜213のいずれかとの電荷共有後は、スイッチ224〜227をオン状態にして電荷共有後に充電されていた電荷を放電して次の充電に備える。また、充放電部22において、キャパシタ211〜213が充放電部21のキャパシタバンク24またはキャパシタバンク25のキャパシタと電荷共有することによって電荷が充電され、キャパシタ211〜213の全てに電荷が充電された後にキャパシタ221と接続され、キャパシタ211〜213に充電された電荷が電荷共有される。キャパシタ221との電荷共有後は、スイッチ228〜230をオン状態とすることによってキャパシタ211〜213に充電されていた電荷を放電し次の充電に備える。
このようにして、図2に示す可変フィルタは、入力信号の6サンプル分に対する平均化処理を行うとともに、6サンプル毎に平均値を出力するフィルタとして機能し、その周波数応答特性はfs/6毎に急峻な減衰のヌル点を持つ図5に示すような特性となる。
なお、各キャパシタバンクにおけるキャパシタ数を増やすと平均化サンプル数が大きくなり、また、平均化サンプル数を大きくすればフィルタ周波数応答特性を狭帯域化することができる。つまり、各キャパシタバンクにおけるキャパシタ数を増やすようにすれば、フィルタ周波数応答特性をより狭帯域な低域通過特性にすることができる。
本実施の形態にかかる可変フィルタでは、上述の充放電動作により、初段(前段)の充放電部21にてサンプル平均数および間引き数N1=2の処理がなされるとともに、後段の充放電部22にてサンプル平均数および間引き数N2=3の処理がなされ、全体として、サンプル平均数および間引き率N=6のフィルタが実現される。このため、充放電部21のサンプル平均数および間引き数2のフィルタに対する所要キャパシタ数は2×2=4、充放電部22のサンプル平均数および間引き数3のフィルタに対する所要キャパシタ数は3となり、フィルタ全体を構成するキャパシタ総数は、電荷共有キャパシタを含めて8(=4+3+1)となる。
また、本実施の形態にかかる可変フィルタは、図2に示す構成からも明らかなように、後段の充放電部22は、初段(前段)の充放電部21のように2つのキャパシタバンクを持つ必要はない。この事実は、つぎのように説明することができる。
図2において、前段の充放電部21に具備されるスイッチ207〜210、スイッチ224〜227は、後段の充放電部22の充放電動作に関与することなく前段の充放電部21のみの充放電動作に関係するスイッチである。一方、前段の充放電部21に具備されるスイッチ214〜217および後段の充放電部22に具備されるスイッチ218〜220、スイッチ222、スイッチ228〜230は、後段の充放電部22の充放電動作に関係するスイッチである。
図3に示すタイミングチャートによれば、前段の充放電部21のみの充放電動作に関係するスイッチを制御するためのクロックパルスのパルス幅が1/fsであるのに対し、後段の充放電部22の充放電動作に関係するスイッチを制御するためのクロックパルスのパルス幅は1/(2fs)に設定されている。すなわち、後段の充放電部22の充放電を制御するクロック周波数を、前段の充放電部21の充放電を制御するクロック周波数の2倍に設定することにより、後段の充放電部22における充放電間隔を前段の充放電部21における充放電間隔よりも長く設定することができる。したがって、本実施の形態にかかる可変フィルタでは、初段以外の充放電部を1つのキャパシタバンクのみで構成することが可能となる。
図11は、上記特許文献1に示された従来フィルタの構成を示す図である。図11に示す従来フィルタは、キャパシタ1101〜1106によるバンク1と、キャパシタ1107〜1112によるバンク2とが設けられ、入力信号に対するクロック周波数fsに対し、入力信号6サンプルに対する平均化処理を行うとともに、平均値をサンプル周波数fs/6にて出力するフィルタである。すなわち、図11に示す従来フィルタは、本実施の形態にかかる可変フィルタと同様な動作を行う。
しかしながら、図11に示す従来フィルタは、フィルタ全体を構成するキャパシタ総数が13(=2×6+1)であるため、フィルタを構成するキャパシタ数を多く必要とし、フィルタの占有面積の増大を余儀なくされていた。
これに対し、図2に示す可変フィルタでは、充放電部を複数の縦続構成にすることで、後段の充放電部のキャパシタバンクを共通化して一つとすることができ、かつ、前後段を併せたキャパシタ数も各1つ(6−(2+3)=1)減らすことが可能となる。そのため、本実施の形態の可変フィルタでは、キャパシタ総数を8(=2×2+3+1)として構成することができ、従来フィルタよりもキャパシタ総数を5つ削減することが可能となる。
本実施の形態では、縦続2段の構成について示したが、Nがさらに多くの因数に分解できる場合には、3段以上の多段に構成することができる。なお、3段以上の多段に構成した場合でも、本実施の形態と同様に、初段以外の充放電部における所要キャパシタバンク数を1とすることができる。したがって、N=N1・N2・・・・Nn(Nk:k=1、2、…、n)として因数分解した場合には、可変フィルタを構成するキャパシタの総数は、[2N1+(N2+・・・Nn)+1]となる。
なお、サンプル平均数N=6の場合に、N=6=2×3として縦続2段に構成した場合にはキャパシタ総数が8(=2×2+3+1)となるのに対し、N=6=3×2として縦続2段に構成した場合にはキャパシタ総数が9(=2×3+2+1)となる。したがって、キャパシタ総数の削減効果を高めるためには、サンプル平均数Nを因数分解したときの最も小さい因数を、初段の充放電部を構成する各キャパシタバンクのキャパシタ数として設定することが好ましい。
図6は、サンプル平均数および間引き率(デシメーション比)Nに対する実施の形態1の構成におけるキャパシタ数および従来構成と比較した場合のキャパシタ数の比を示す図表である。
ここで、サンプル平均数N=12における本実施の形態と従来構成とを図6を参照して比較する。
例えば、本実施の形態にかかる可変フィルタをN1=3、N2=4として縦続2段に構成した場合には、キャパシタ総数が11(=2×3+4+1)であるのに対し、従来構成によるキャパシタ総数は25(=2×12+1)であり、従来構成と比較した場合のキャパシタ数の比は0.44(=11/25)となって、キャパシタ総数の大幅な削減が可能となるとともに、フィルタ占有面積の縮小化が可能となる。
一方、例えば、本実施の形態にかかる可変フィルタをN1=2、N2=2、N3=3として縦続3段に構成した場合には、キャパシタ総数が10(=2×2+2+3+1)であるのに対し、従来構成によるキャパシタ総数は25(=2×12+1)であり、従来構成と比較した場合のキャパシタ数の比は0.40(=10/25)となって、縦続2段構成に比べて、キャパシタ総数の削減およびフィルタ占有面積の縮小化をより効果的に行うことが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる可変フィルタによれば、サンプル平均数N、間引き率Nのフィルタにおいて、Nを因数に分解し、分解した因数に応じて構成した充放電部を縦続接続するように構成しているので、可変フィルタを構成するキャパシタ数の削減が可能となる。
また、本実施の形態にかかる可変フィルタによれば、縦続接続されたn個(nは2以上の整数)の充放電部を有して構成される充放電回路部において、電圧電流変換部に接続される初段の充放電部が、並列に接続される複数のキャパシタをそれぞれ有するM個(Mは2以上の整数)のキャパシタバンクを構成して成り、電荷共有キャパシタに蓄積された電荷を所定の出力クロック周波数で出力するように動作するので、入力信号に対するサンプル平均数が増大する場合であっても、キャパシタ数の増加率を低減することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、サンプル平均数N、間引き率Nの可変フィルタにおいて、Nを因数に分解し、分解した因数に応じて構成した充放電部を縦続接続で構成することにより、通常1つの充放電部に対して2つのキャパシタバンクが必要なところを、初段以外の充放電部においてキャパシタバンクを共通化し(すなわち一つに削減し)、フィルタ全体のキャパシタ総数を削減するようにしていた。一方、本実施の形態では、初段の充放電部に対しても、キャパシタバンク数を削減する実施形態を示すものである。
(可変フィルタの構成)
図7は、実施の形態2にかかる可変フィルタの構成を示す図であり、サンプル平均化数および間引き率(デシメーション比)NをN=N1・N2=2×3=6とし、初段の充放電部をN1=2の充放電部71、後段の充放電部をN2=3の充放電部72として構成している。図7において、本実施の形態にかかる可変フィルタは、信号を入力するための入力端子701、入力端子701より入力された電圧信号を電圧電流変換する電圧電流変換部702、電圧電流変換部702の出力電流に基づく電荷を充電するとともに、充電された電荷を所定のタイミングで放電するように動作する初段(前段)の充放電部を構成してなる充放電部71、充放電部71に縦続接続され、充放電部71から供給される電荷を所定のタイミングで充電するとともに、充電された電荷を所定のタイミングで放電するように動作する後段の充放電部を構成してなる充放電部72、充放電部72に充電された電荷を共有するための電荷共有キャパシタであるキャパシタ718、およびキャパシタ718に電荷が充電されることによって生じる電位差を信号として出力するための出力端子720を備えて構成される。
充放電部71は、図2の構成とは異なり、一つのキャパシタバンクを構成して成る。具体的に、充放電部71は、電圧電流変換部702の出力電流に基づく電荷が充電されるキャパシタ703〜705と、キャパシタ703〜705にそれぞれ直列に接続され、電圧電流変換部202の出力電流が入力される入力先キャパシタを選択するためのスイッチ706〜708、キャパシタ703〜705にそれぞれ並列に接続され、キャパシタ703〜705に充電された電荷を放電して次回の充電に備えるためのスイッチ721〜723と、キャパシタ703〜705の各一端と充放電部72の入力端との間にそれぞれ接続され、キャパシタ703〜705に充電された各電荷を所定のタイミングで充放電部72に供給するためのスイッチ712〜714と、を備えている。
充放電部72は、充放電部71から供給される電荷が充電されるキャパシタ709〜711と、キャパシタ703〜705の各一端とキャパシタ718との間に接続され、スイッチ715〜717との協調動作によりキャパシタ703〜705とキャパシタ718との間の接続の選択切換を行うスイッチ719と、キャパシタ709〜711にそれぞれ並列に接続され、キャパシタ709〜711に充電された各電荷を放電して次回の充電に備えるためのスイッチ724〜726と、を備えている。
上記のように、スイッチ706〜708、スイッチ715〜717のそれぞれは、充電経路を形成する充電経路形成手段として機能し、スイッチ712〜714、スイッチ715〜717のそれぞれは、電荷移送経路を形成する電荷移送経路形成手段として機能し、スイッチ721〜723、スイッチ724〜726のそれぞれは、放電経路を形成する放電経路形成手段として機能する。なお、スイッチ715〜717のそれぞれは、充電経路形成手段および電荷移送経路形成手段の双方の機能を備えている。
(可変フィルタの動作)
つぎに、実施の形態2にかかる可変フィルタの動作について図7〜9を参照して説明する。ここで、図8は、図7に示す可変フィルタの動作を説明するためのタイミングチャートであり、各スイッチのオンオフ状態とサンプル時間の関係について示している。また、図9は、サンプル時間毎にキャパシタ703〜705に充電される電荷をQk(k:サンプル時間)と表した場合のキャパシタ703〜705、キャパシタ709〜711およびキャパシタ718に充電される電荷を時系列的に示す図である。なお、図8における1サンプル時間とは、入力信号に対するクロック周波数をfsとするときの時間1/fsを表しており、同図ではサンプル時間1〜24までを示している。また、図8では、キャパシタ703〜705、キャパシタ709〜711およびキャパシタ718の各容量値をC703〜C705、C709〜C711、C718と表すとともに、これらの各容量値間には、Cr=C703=…C705=C709=…=C711、Cout=C718の関係があるものとして示している。
(サンプル時間1での動作)
サンプル時間1では、電圧電流変換部702と接続しているスイッチ706〜708のうちスイッチ706のみがオン状態であり、他のスイッチ707,708はオフ状態である。入力端子701より入力された電圧信号は、電圧電流変換部702において電圧電流変換され、充放電部71のキャパシタ703に電圧電流変換部702の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。
(サンプル時間2での動作)
サンプル時間2では、電圧電流変換部702と接続しているスイッチ706〜708のうちスイッチ707のみがオン状態であり、他のスイッチ706,708はオフ状態である。入力端子701より入力された電圧信号は、電圧電流変換部702において電圧電流変換され、充放電部71のキャパシタ704に電圧電流変換部702の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。
(サンプル時間3での動作)
サンプル時間3では、電圧電流変換部702と接続しているスイッチ706〜708のうちスイッチ708のみがオン状態であり、他のスイッチ706,707はオフ状態である。入力端子701より入力された電圧信号は、電圧電流変換部702において電圧電流変換され、充放電部71のキャパシタ705に電圧電流変換部702の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。また、同サンプル時間3に、充放電部71と充放電部72を接続するためのスイッチ712〜714、スイッチ715〜717のうちスイッチ712とスイッチ713とスイッチ715がオン状態となることによってキャパシタ703,704は、キャパシタ709と接続され、キャパシタ703,704に充電された電荷はキャパシタ709と電荷共有される。このとき、キャパシタ703〜705とキャパシタ709〜711の容量をCr[F]とし、共有直前にキャパシタ703,704に充電されていた電荷をそれぞれQ1,Q2とすると、
キャパシタ709に充電される電荷は、
(Q1+Q2)/3 …(6)
と表すことができる(図9参照)。
(サンプル時間4での動作)
サンプル時間4では、電圧電流変換部702と接続しているスイッチ706〜708のうちスイッチ706のみがオン状態であり、他のスイッチ707,708はオフ状態である。入力端子701より入力された電圧信号は電圧電流変換部702において電圧電流変換され、予めスイッチ721がオン状態となることによって先の充電の電荷を放電して次の充電に備えていたキャパシタ703に電圧電流変換部702の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。
(サンプル時間5での動作)
サンプル時間5では、電圧電流変換部702と接続しているスイッチ706〜708のうちスイッチ707のみがオン状態であり、他のスイッチ706,708はオフ状態である。入力端子701より入力された電圧信号は電圧電流変換部702において電圧電流変換され、予めスイッチ722がオン状態となることによって先の充電の電荷を放電して次の充電に備えていたキャパシタ704に電圧電流変換部702の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。また、同サンプル時間5に、充放電部71と充放電部72を接続するためのスイッチ712〜714、スイッチ715〜717のうちスイッチ714とスイッチ712とスイッチ716がオン状態となることによってキャパシタ705,703は、キャパシタ710と接続され、キャパシタ705,703に充電された電荷はキャパシタ710と電荷共有される。このとき、共有直前にキャパシタ705,703に充電されていた電荷をそれぞれQ3,Q4とすると、
キャパシタ710に充電される電荷は、
(Q3+Q4)/3 …(7)
と表すことができる(図9参照)。
(サンプル時間6での動作)
サンプル時間6では、電圧電流変換部702と接続しているスイッチ706〜708のうちスイッチ708のみがオン状態であり、他のスイッチ706,707はオフ状態である。入力端子701より入力された電圧信号は電圧電流変換部702において電圧電流変換され、予めスイッチ723がオン状態となることによって先の充電の電荷を放電して次の充電に備えていたキャパシタ705に電圧電流変換部702の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。
(サンプル時間7での動作)
サンプル時間7では、電圧電流変換部702と接続しているスイッチ706〜708のうちスイッチ706のみがオン状態であり、他のスイッチ707,708はオフ状態である。入力端子701より入力された電圧信号は電圧電流変換部702において電圧電流変換され、予めスイッチ721がオン状態となることによって先の充電の電荷を放電して次の充電に備えていたキャパシタ703に電圧電流変換部702の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。また、同サンプル時間7に、充放電部71と充放電部72を接続するためのスイッチ712〜714、スイッチ715〜717のうちスイッチ713とスイッチ714とスイッチ717がオン状態となることによってキャパシタ704,705は、キャパシタ711と接続され、キャパシタ704,705に充電された電荷はキャパシタ711と電荷共有される。このとき、共有直前にキャパシタ704,705に充電されていた電荷をそれぞれQ5,Q6とすると、
キャパシタ711に充電される電荷は、
(Q5+Q6)/3 …(8)
と表すことができる(図9参照)。
(サンプル時間8での動作)
サンプル時間8では、電圧電流変換部702と接続しているスイッチ706〜708のうちスイッチ707のみがオン状態であり、他のスイッチ706,708はオフ状態である。入力端子701より入力された電圧信号は、電圧電流変換部702において電圧電流変換され、予めスイッチ722がオン状態となることによって先の充電の電荷を放電して次の充電に備えていたキャパシタ707に電圧電流変換部702の出力電流が入力され、所定の電荷が充電される。また、同サンプル時間8に、スイッチ715〜717およびスイッチ719がオン状態となることによって電荷が充電されたキャパシタ709〜711は、キャパシタ718と接続され、キャパシタ709〜711の充電された電荷は、キャパシタ718と電荷共有される。このとき、キャパシタ221の容量をCout[F]とした場合、
キャパシタ221に充電される電荷は、
(Q1+Q2+Q3+Q4+Q5+Q6)/(3A) …(9)
と表すことができる(図9参照)。
ただし、上式におけるAは、
A=Cout/(3Cr+Cout) …(5)
として固定値で表すことができる(図9参照)。
前述した事項より、サンプル時間1〜6において、電圧電流変換部202の出力電流の平均化処理が行われ、その平均値がキャパシタ718に電荷として充電されるとともに、当該充電動作によって生じる電位差が出力信号として、サンプル時間8に出力端子720より出力される。
キャパシタ718との間で電荷共有がなされた後は、スイッチ724〜726がオン状態となることによってキャパシタ709〜711に充電されていた電荷が放電され、次の充電のための準備が整えられる。
このように、実施の形態2では、初段の充放電部71のキャパシタ703〜705の3つのキャパシタのうちのいずれか2つのキャパシタが後段の充放電部72のキャパシタ709〜711のいずれか1つのキャパシタと電荷共有される際、初段の充放電部71のキャパシタ703〜705のうちのいずれか2つのキャパシタを巡回式に組み合わせる制御が行われる。
すなわち、この実施の形態の可変フィルタでは、初段の充放電部71において、仮想的な2つのキャパシタバンクが構成されることになる。例えば、サンプル時間1〜4では、キャパシタ703,704からなる第1のキャパシタバンクと、キャパシタ705,703からなる第2のキャパシタバンクとが構成され、サンプル時間5〜8では、キャパシタ704,705からなる第1のキャパシタバンクと、キャパシタ703,704からなる第2のキャパシタバンクとが構成されることになる。このように、この実施の形態の可変フィルタでは、初段の充放電部71におけるキャパシタを巡回式にシフトさせて組み合わせる制御を行うようにしているので、実施の形態1のキャパシタバンクに1のキャパシタを付加するだけで、初段の充放電部71における2つのキャパシタバンクのうちの1つを削減(すなわちキャパシタバンクを1つに)することが可能となる。
なお、図7に示す可変フィルタでは、キャパシタ総数を7(=3+3+1)として構成することができるので、従来フィルタ(キャパシタ総数:13)よりもキャパシタ総数を5つ削減することが可能となるとともに、実施の形態1の可変フィルタキャパシタ総数:8)よりもキャパシタ総数を1つ削減することが可能となる。
また、本実施の形態では、縦続2段の構成について示したが、Nがさらに多くの因数に分解できる場合には、3段以上の多段に構成することができる。なお、3段以上の多段に構成した場合でも、本実施の形態と同様に、全ての充放電部における所要キャパシタバンク数を1とすることができる。したがって、N=N1・N2・・・・Nn(Nk:k=1、2、…、n)として因数分解した場合には、可変フィルタを構成するキャパシタの総数は、[(N1+1)+(N2+・・・Nn)+1]となる。
図10は、サンプル平均数および間引き率(デシメーション比)Nに対する実施の形態2の構成におけるキャパシタ数および従来構成と比較した場合のキャパシタ数の比を示す図表である。
ここで、サンプル平均数N=12における本実施の形態と従来構成とを図10を参照して比較する。
例えば、本実施の形態にかかる可変フィルタをN1=3、N2=4として縦続2段に構成した場合には、キャパシタ総数が9(=3+1+4+1)であるのに対し、従来構成によるキャパシタ総数は25(=2×12+1)であり、従来構成と比較した場合のキャパシタ数の比は0.36(=9/25)となって、キャパシタ総数の大幅な削減が可能となるとともに、フィルタ占有面積の縮小化が可能となる。
また、本実施の形態にかかる可変フィルタをN1=2、N2=2、N3=3として縦続3段に構成した場合にも、キャパシタ総数は9(=2+1+2+3+1)となり、縦続2段に構成した場合と同様な効果が得られる。
なお、図10に示した比較例では、縦続2段構成と縦続3段構成との差異は現れていないが、サンプル平均数(間引き率)の増大に応ずる削減効果は縦続3段構成の方が大きくなる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる可変フィルタによれば、サンプル平均数N、間引き率Nのフィルタにおいて、Nを因数に分解し、分解した因数に応じて構成した充放電部を縦続接続するとともに、実施の形態1にかかる初段の充放電部の1のキャパシタバンクにおけるキャパシタを1つ増加させ、この増加したキャパシタを含む各キャパシタを巡回式に組み合わせる制御を行うようにしているので、初段の充放電部における2つのキャパシタバンクを1つに削減することができ、可変フィルタを構成するキャパシタ数のさらなる削減が可能となる。
なお、上記実施の形態1,2では、可変フィルタを構成する充放電部のすべてのキャパシタに対し、順次電荷が充電されることを前提として説明したが、受信する信号に応じて電荷が充電されるキャパシタと充電が全くされないキャパシタを制御することによってサンプル平均値および間引き率を制御することができ、サンプル平均値および間引き率Nの可変化が可能となる。
例えば、図2の回路において、ある無線システムAの信号を受信する場合はN=6に設定するものとすれば、図3に示したスイッチ制御が実行されることになる。一方、ある無線システムBの信号を受信する場合はN=4に設定するものとすれば、図3に示したタイミングチャートにおいて、スイッチ220がオン状態とならず、常時オフ状態となるようなスイッチ制御が実行されることになる。なお、このとき、常時オフ状態となるように制御されるスイッチは、スイッチ220である必要はなく、スイッチ218あるいはスイッチ219であってもよい。また、常時オフ状態となるように制御されるスイッチは、後段の充放電部22のスイッチである必要はなく、初段(前段)の充放電部21のスイッチであってもよい。
以上のように、本発明にかかる可変フィルタは、キャパシタ数の増加率を低減することができる発明として有用である。
実施の形態1にかかる可変フィルタを搭載可能なソフトウェア受信機の一般的な構成を示す図である。 実施の形態1にかかる可変フィルタの構成を示す図である。 図2に示す可変フィルタの動作を説明するためのタイミングチャートである。 図2に示す可変フィルタの各キャパシタに充電される電荷をサンプル時間毎に時系列的に示す図である。 可変フィルタ出力の周波数応答特性を示す図である。 サンプル平均数および間引き率(デシメーション比)Nに対する実施の形態1の構成におけるキャパシタ数および従来構成と比較した場合のキャパシタ数の比を示す図表である。 実施の形態2にかかる可変フィルタの構成を示す図である。 図7に示す可変フィルタの動作を説明するためのタイミングチャートである。 図7に示す可変フィルタの各キャパシタに充電される電荷をサンプル時間毎に時系列的に示す図である。 サンプル平均数および間引き率(デシメーション比)Nに対する実施の形態2の構成におけるキャパシタ数および従来構成と比較した場合のキャパシタ数の比を示す図表である。 特許文献1に示された従来フィルタの構成を示す図である。
符号の説明
21,22,71,72 充放電部
24,25 キャパシタバンク
101 アンテナ部
102 電力増幅部
103 周波数変換部
104 ブロッキングフィルタ
105 AD変換部
106 復調部
201,701 入力端子
202,702 電圧電流変換部
203〜206,211〜213,221,703〜705,709〜711,718 キャパシタ
207〜210,214〜220,222,224〜230,706〜708,712〜717,719,721〜726 スイッチ
223,720 出力端子

Claims (9)

  1. 入力信号を電圧電流変換する電圧電流変換部と、
    前記電圧電流変換部の出力電流に基づく電荷が充電される複数のキャパシタ、該複数のキャパシタを充電するための充電経路を形成する充電経路形成手段、該複数のキャパシタに蓄積された電荷を所定のキャパシタに移送するための移送経路を形成する電荷移送経路形成手段、および該複数のキャパシタに蓄積された電荷を放電するための放電経路を形成する放電経路形成手段をそれぞれ具備する充放電回路部と、
    前記充放電回路部からの放電電荷を電荷共有するための電荷共有キャパシタと、
    を備え、
    前記充放電回路部は、縦続接続されたn個(nは2以上の整数)の充放電部を構成して成るとともに、
    前記縦続接続されたn個の充放電部のうち、前記電圧電流変換部に接続される初段の充放電部は、並列に接続される複数のキャパシタをそれぞれ有して成るM個(Mは2以上の整数)のキャパシタバンクを構成して成り、
    前記電荷共有キャパシタに蓄積された電荷を所定の出力クロック周波数で出力することを特徴とする可変フィルタ。
  2. 前記充電経路形成手段は、前記電圧電流変換部または前段の充放電部から移送された電荷を充電するキャパシタを選択するためのスイッチ手段をキャパシタごとに備えるとともに、
    前記電荷移送経路形成手段は、
    前記M個のキャパシタバンクに具備される各キャパシタ数をK個とするとき、
    前記各キャパシタバンクのキャパシタに充電された電荷を同時刻に後段の充放電部または電荷共有キャパシタに移送するNk(Nk(k=1,2,…,n)は、2≦Nk≦Kを満たす整数)個のキャパシタを選択するためのスイッチ手段を各キャパシタごとに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の可変フィルタ。
  3. 前記初段の充放電部におけるサンプリングクロック周波数fsに対し、縦続接続最終段の充放電部である第n段目の充放電部の出力端子から、該初段の充放電部に入力される入力信号のN(=N1・N2・…Nn)個ごとの平均値がfs/Nの出力クロック周波数で出力されることを特徴とする請求項2に記載の可変フィルタ。
  4. 前記M個のキャパシタバンクは、各並列に接続されるとともに、その各入力端が前記電圧電流変換部に接続されるように構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の可変フィルタ。
  5. 前記初段の充放電部は、2×N1個のキャパシタバンクを備えて構成され、
    前記N1個のキャパシタバンクに電荷が充電される時間内に、残りのN1個のキャパシタバンクに充電された電荷が次段の充放電部に電荷移送されることを特徴とする請求項3または4に記載の可変フィルタ。
  6. 前記M個のキャパシタバンクのそれぞれは、前記初段の充放電部に具備される複数のキャパシタのうちの所定数のキャパシタを巡回式にシフトさせて組み合わせたキャパシタ群で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の可変フィルタ。
  7. 前記初段の充放電部は、(N1+1)個のキャパシタバンクを備えて構成され、
    前記1個のキャパシタバンクに電荷が充電される時間内に、残りのN1個のキャパシタバンクに充電された電荷が次段の充放電部に電荷移送されることを特徴とする請求項3または6に記載の可変フィルタ。
  8. 前記次段の充放電部に電荷移送するN1個のキャパシタバンクの組合せが、時間的に変化することを特徴とする請求項7に記載の可変フィルタ。
  9. 前記電荷移送経路形成手段によって形成される電荷移送形路のうち、所定の電荷移送形路が常時形成されないように、該所定の電荷移送形路の形成に関与する電荷移送経路形成手段を制御することにより、前記所定の出力クロック周波数を可変制御することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の可変フィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016017702A1 (ja) * 2014-07-31 2016-02-04 株式会社 東芝 積分回路及びad変換器

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