JP2008218127A - 光源装置及びプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、発光管の上部等である対象部分のみを局所的に冷却でき、失透や黒化の発生を有効に防止できる光源装置を提供すること。
【解決手段】仕切板5は、発光管1と接触することなく、水平状態に支持されて確実に固定される。また、仕切板5と発光管1との接触を避けることで、発光管1や仕切板5の機械的或いは熱的な劣化や損傷を防止でき、発光管1や仕切板5の寿命を長くすることができる。この際、仕切板5は、発光管1の本体部分11近傍を含む周辺空間を上下側空間US,LSに仕切るように延在しており、冷却風が本体部分11の裏側に回り込む現象を確実に抑えることができ、本体部分11の上半分のみを適度に空冷することができる。
【選択図】図1
【解決手段】仕切板5は、発光管1と接触することなく、水平状態に支持されて確実に固定される。また、仕切板5と発光管1との接触を避けることで、発光管1や仕切板5の機械的或いは熱的な劣化や損傷を防止でき、発光管1や仕切板5の寿命を長くすることができる。この際、仕切板5は、発光管1の本体部分11近傍を含む周辺空間を上下側空間US,LSに仕切るように延在しており、冷却風が本体部分11の裏側に回り込む現象を確実に抑えることができ、本体部分11の上半分のみを適度に空冷することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、発光源である発光管と発光管からの光を集める反射鏡とを有する光源装置及びこれを用いたプロジェクタに関する。
例えば、プロジェクタに用いる照明装置として、発光管、反射鏡等を備えるランプ装置と、このランプ装置を内蔵するランプハウスとを備えるものが存在する(特許文献1)。この照明装置では、光束射出方向を垂直方向としており、反射鏡の内面側において発光管の上側封止部を通過するように冷却風を通過させている。
また、プロジェクタに用いる別の照明装置として、発光管や反射鏡を収納するランプ筐体に一対の流通路を設けたものが存在する(特許文献2)。この照明装置では、通気路の切替により、プロジェクタを上下反転した場合にも、いずれかの流通路からの下降気流によって発光管を上側から冷却できるようにしている。
特開2005−70216号公報
特開2005−10505号公報
しかし、上記のような照明装置では、発光管の上部だけでなく、空気の巻き込みによって発光管の下部も付随的に冷却される。これにより、発光管の上部を適切な温度に維持した場合、発光管の下部の温度が必要以上に低下し、管内のハロゲンサイクルが妨げられて、下部において黒化現象が生じやすくなる。
そこで、本発明は、発光管の上部等である対象部分のみを局所的に冷却でき、失透や黒化の発生を有効に防止できる光源装置及びこれを組み込んだプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る光源装置は、(a)光源光を発生する発光管と、(b)発光管から射出された光源光を反射する反射鏡と、(c)発光管及び反射鏡に共通する光軸を含む面内に沿って設けられ、反射鏡の内側を略2分割する仕切板とを備える。ここで、略2分割とは、仕切板によって反射鏡の内側を隙間なく分割する場合に限らず、仕切板による仕切り効果を減殺しない程度の隙間や開口を設けて反射鏡の内側を分割する場合を含む。
上記光源装置では、仕切板が光軸を含む面内に沿って設けられて反射鏡の内側を略2分割するので、発光管のうち仕切板の一方側のみに冷却風を優先して供給することができ、加熱しやすい部分を局所的に冷却できる。これにより、発光管のうち失透が生じやすい部分のみを選択して効率的に冷却できるとともに、発光管のうち黒化が生じやすい部分が過剰に冷却されてしまうことを有効に防止できる。
また、本発明の具体的な態様又は観点では、上記光源装置において、仕切板が、発光管の近傍を含む周辺空間を仕切るように延在する。この場合、発光管(特にその本体部分)の周辺空間が仕切られるので、冷却風が発光管(特にその本体部分)の裏側に回り込む現象を確実に抑えることができる。つまり、発光管の冷却効率を高めつつ冷却風の回り込みによる過冷却を確実に防止できる。
本発明の別の態様では、仕切板が、発光管から射出される光源光を透過させる光透過性材料で形成されている。この場合、仕切板による光源光の遮断を低減できるので、光源光の無駄を抑えてより高輝度の照明光を取り出すことができる。
本発明のさらに別の態様では、仕切板の表面に反射防止コートが設けられている。この場合、仕切板での反射による光路の変化を防止して、光源光の外部への取り出し効率を高めることができる。
本発明のさらに別の態様では、仕切板が、発光管から延びる配線と略同一面内に配置される。この場合、配線によって遮断される光束の方向に仕切板が配置されることになり、仕切板の追加による減光をより抑えることができる。
本発明のさらに別の態様では、仕切板が、発光管の両端に設けられる一対の封止部と、反射鏡の不使用部分と、反射鏡を保持するハウジングとの少なくとも1箇所に固定される。この場合、仕切板を発光管の本体部分で支持する必要がなく、発光管や仕切板の機械的或いは熱的な劣化や損傷を防止でき、発光管や仕切板の寿命を長くすることができる。
本発明のさらに別の態様では、仕切板が、反射鏡の射出側に配置されて光源光を複数の光束に分割するフライアイレンズに形成される境界線と略同一面内に配置される。この場合、フライアイレンズに入射する際にロスすることになる光束の方向に仕切板が配置されることになり、仕切板の追加による減光をより抑えることができる。
本発明のさらに別の態様では、仕切板が、反射鏡の射出側に配置されて光源光の発散角を調節するレンズに近接する位置まで延在する。ここで、光源光の発散角を調節するレンズには、平行光束を射出させるためのコリメータレンズが含まれる。この場合、反射鏡の内側からレンズに至るまでの空間が全体的に分割され、仕切板による仕切り効果を確実なものとすることができる。
本発明のさらに別の態様では、仕切板が、発光管と反射鏡とが設置される環境における上下方向を基準として、反射鏡の内側空間を上下に分割する。この場合、仕切板の上側空間に冷却風を供給すれば、発光管の上側、すなわち対流等によって加熱されやすい上部が優先的に冷却され、発光管の上部に形成されやすい失透を予防することができるとともに、発光管の下部が過剰な冷却から保護される。なお、反射鏡や発光管に関して上下とは、これらの設置が予定される環境で重力を基準とした方向を意味する。
本発明のさらに別の態様では、発光菅を冷却する冷却風を受け入れる給気口と、空冷装置からの冷却風を外部に排出する排気口とを有するハウジングと、排気口が仕切板によって分割された上側の空間に臨むように排気口を移動させる移動部材とをさらに備える。この場合、発光管と反射鏡とが通常の状態に対して上下逆に使用されるいわゆる天吊り状態においても、発光管の上部を強制冷却して失透の発生を確実に防止できるとともに、発光管の下部が強制冷却によって過剰に冷却されることを防止できる。
本発明のさらに別の態様では、仕切板によって分割された上側の空間を少なくとも強制的に空冷する空冷装置をさらに備える。この場合、発光管の上部を強制冷却して失透の発生を確実に防止できる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係るプロジェクタは、(a)上述の光源装置と、(b)光源装置からの照明光によって照明される光変調装置と、(c)光変調装置を経た像光を投射する投射光学系とを備える。
上記プロジェクタによれば、上述の光源装置を備えており、発光管のうち失透が生じやすい部分のみを効率的に冷却できるとともに、発光管のうち黒化が生じやすい部分が過剰に冷却されてしまうことを有効に防止できるので、光源装置の長寿命の確保によって、高品位の画像を長期に亘って投射することができる。
〔第1実施形態〕
(1)光源ユニット
図1(A)及び1(B)は、本発明の第1実施形態に係る光源装置を示す平面断面図及び側方断面図である。本実施形態の光源装置100は、光源ユニット10と、電源装置70とを備える。光源ユニット10は、放電発光型の発光管1と、楕円型の主反射鏡であるリフレクタ2と、コリメート用の凹レンズ3と、収納用のハウジング4と、内部空間を分割するための仕切板5と、冷却用の送風装置6とを備える。電源装置70は、光源ユニット10に交流電流を供給して所望の状態に発光させるための電気回路である。
(1)光源ユニット
図1(A)及び1(B)は、本発明の第1実施形態に係る光源装置を示す平面断面図及び側方断面図である。本実施形態の光源装置100は、光源ユニット10と、電源装置70とを備える。光源ユニット10は、放電発光型の発光管1と、楕円型の主反射鏡であるリフレクタ2と、コリメート用の凹レンズ3と、収納用のハウジング4と、内部空間を分割するための仕切板5と、冷却用の送風装置6とを備える。電源装置70は、光源ユニット10に交流電流を供給して所望の状態に発光させるための電気回路である。
光源ユニット10において、発光管1は、例えば高圧水銀ランプやメタルハライドランプといった放電発光型のランプである。この発光管1は、中央部が球状に膨出した透光性の石英ガラス管から構成され、照明用の光を放射する本体部分11と、この本体部分11の両端側に延びる第1及び第2封止部13,14とを備える。
発光管1において、本体部分11内に形成される放電空間12には、タングステン製の第1の電極15の先端部と、同様にタングステン製の第2の電極16の先端部とが所定距離で離間配置されており、希ガス、金属ハロゲン化合物等を含む放電媒体であるガスが封入されている。この本体部分11の両端に延びる各封止部13,14の内部には、第1及び第2の電極15,16の根元部分に電気的に接続されるモリブデン製の金属箔17a,17bが挿入され、気密に封止されている。これらの金属箔17a,17bに接続されたリード線18a,18bに対して電源装置70により交流電圧を印加すると、一対の電極15,16間でアーク放電が生じ、本体部分11が高輝度で発光する。
リフレクタ2は、発光管1から射出された光源光を反射して集める反射鏡である。リフレクタ2は、発光管1に対して同軸に配置されており、リフレクタ2の回転対象軸と、発光管1の軸線とは、同一の光軸OA上に配置されている。リフレクタ2は、発光管1の第1封止部13が挿通される首状部2aと、この首状部2aから拡がる楕円曲面状の主反射部2bとを備えた石英ガラス製の一体成形品である。首状部2aは、第1封止部13を挿通させるとともに、第1封止部13との隙間に無機系接着剤MBを充填することによって主反射部2bを本体部分11に対してアライメントした状態で固定可能にしている。また、主反射部2bの内側ガラス面は、楕円曲面状に加工され、その表面上に反射面が形成されている。
凹レンズ3は、リフレクタ2に対向して同軸に配置されている。つまり、凹レンズ3の光軸は、リフレクタ2の回転対象軸と一致する光軸OA上に配置されている。凹レンズ3は、リフレクタ2で反射された光源光を平行化して射出させるコリメータレンズであり、凹レンズ3から射出された平行光束は、後述する第1フライアイレンズ23aに入射する。
ハウジング4は、樹脂等の加工によって形成され、リフレクタ2と凹レンズ3とをアライメントした状態で固定する。ハウジング4は、リフレクタ2と凹レンズ3との間に形成される内部空間を周囲から遮蔽しており、発光管1からの不要な光束が迷光として外部に漏れ出すことを防止している。ハウジング4の側面すなわち±Y方向の壁面には、一対の開口である給気口4aと排気口4bとが形成されている。一方の給気口4aは、冷却用の空気を外部から取り込むためのもので、他方の排気口4bは、冷却後の空気を外部に排出するためのものである。なお、給気口4a及び排気口4bは、光軸OAを含んでXY面に平行な2分割水平面よりも+Z側すなわち上側に配置されている。つまり、給気口4a及び排気口4bは、ハウジング4の内部空間のうち主に上側半分の冷却を目的とする。
仕切板5は、例えば石英やネオセラム(商標名)等の低熱膨張ガラス(α≦10−7/℃)で形成された薄板であり、発光管1から射出される光源光に対して光透過性を有する。また、仕切板5の上下面及び側面(加工端面)を含む表面には、光学研磨が施され、その上に反射防止コートが形成されており、仕切板5での反射によって光路が変化して光源光の利用効率が下がることを防止している。つまり、仕切板5による光源光の遮断を低減することで、光源光の無駄を抑えてより高輝度の照明光を取り出せるようにしている。仕切板5は、ハウジング4内に延在して内部空間を2分割する2分割水平面としての役割を有する。すなわち、仕切板5を設けたことによって、ハウジング4の内部空間すなわちリフレクタ2から凹レンズ3に至る空間が光軸OAよりも上側の上側空間USと光軸OAよりも下側の下側空間LSとに分割される。ただし、仕切板5の縁部5aは、発光管1、リフレクタ2、凹レンズ3、ハウジング4等の周囲部品との間に隙間を有しており、上側空間USと下側空間LSとは連通している。仕切板5の左右の両端からは、支持用の一対の突起5bが延びている。各突起5bは、ハウジング4の内面に形成された一対の支持溝4cにはめ込まれている。これにより、仕切板5を発光管1と接触させることなく、図示の水平状態に支持して確実に固定することができる。また、仕切板5と発光管1との接触を避けることで、発光管1や仕切板5の機械的或いは熱的な劣化や損傷を防止でき、発光管1や仕切板5の寿命を長くすることができる。
以上のような仕切板5を設け、発光管1の本体部分11近傍を含む周辺空間を上下側空間US,LSに仕切るように延在させることにより、冷却風が本体部分11の表側のみに到達するようにでき、冷却風が本体部分11の裏側に回り込む現象を確実に抑えることができる。
なお、仕切板5は、光軸OAを含んでXY面に平行な水平面に沿って配置されており、第1フライアイレンズ23aの中心を通る水平方向の境界線HLと略同一面内に配置されている。ここで、境界線HLは、第1フライアイレンズ23aを構成するセルレンズ間の境界部分であり、ここに入射した光束は通常有効に利用されない。本実施形態では、仕切板5が延在する水平面と境界線HLとを一致させているので、フライアイレンズ23aに入射する際にロスすることになる光束に対応して仕切板5が配置されることになり、仕切板5の追加による光源光のロスを抑えることができる。
送風装置6は、給気口4a及び排気口4bと協働して本体部分11の冷却を行う冷却装置である。送風装置6は、ハウジング4に形成された給気口4aに対向して配置されており、給気口4aからハウジング4の上側空間USに冷却用の空気を強制的に送り込む。これにより、ハウジング4内の上側空間US内の冷却後の空気が排気口4bを介して外部に押し出される。送風装置6は、不図示の制御駆動装置に駆動されて動作し、発光管1の本体部分11の周囲に所望の気流ACを形成し本体部分11のうち上半分を適度に空冷する。なお、ハウジング4内を略全体に亘って仕切る仕切板5の存在によって冷却風の回り込みがある程度防止され、ハウジング4内の下側空間LS内には十分な気流ACが殆ど形成されないので、発光管1の本体部分11の過剰な空冷が防止される。
以上説明した光源装置100によれば、仕切板5が光軸OAを含む面内に沿って設けられてハウジング4の内部空間であるリフレクタ2の内側を略2分割するので、発光管1の本体部分11うち仕切板5の上側のみに冷却風を優先的に供給することができ、加熱しやすい本体部分11の上半分を局所的に冷却できる。これにより、失透が生じやすい本体部分11の上半分のみを効率的に冷却できるとともに、黒化が生じやすい本体部分11の下半分が過剰に冷却されてしまうことを防止できる。つまり、本体部分11の上失透が防止され、かつ、本体部分11の下半分の黒化が防止され、結果的に発光管1ひいては光源装置100の長寿化を達成することができる。
なお、以上の説明では、ハウジング4の上側空間USのみを強制的に空冷するものとしたが、ハウジング4の側方壁面のうち下側空間LSに臨む部分に開口を設けて空冷を行うこともでき、この場合、上側空間USよりも下側空間LSの空冷が弱くなるように風量等の設定を行う。これにより、本体部分11の上半分を十分に冷却しつつ、本体部分11の下半分を過剰にならない程度に適度に冷却できる。
また、以上の説明では、給気口4aに面して送風装置6を設けているが、排気口4bに面してファンやモータ等からなる吸気装置を冷却装置として設けることができ、この場合も、ハウジング4の上側空間USに冷却風を循環させることができる。
(2)プロジェクタ
図2は、図1(A)及び1(B)に示す光源装置100を組み込んだプロジェクタを説明するための概念図である。本実施形態におけるプロジェクタ200は、光源装置100と、照明光学系20と、色分離光学系30と、光変調装置である液晶ライトバルブ40a,40b,40cと、クロスダイクロイックプリズム50と、投射光学系である投射レンズ60とを備える。なお、光源装置100は、第1実施形態のものと同一であるので説明を省略する。
図2は、図1(A)及び1(B)に示す光源装置100を組み込んだプロジェクタを説明するための概念図である。本実施形態におけるプロジェクタ200は、光源装置100と、照明光学系20と、色分離光学系30と、光変調装置である液晶ライトバルブ40a,40b,40cと、クロスダイクロイックプリズム50と、投射光学系である投射レンズ60とを備える。なお、光源装置100は、第1実施形態のものと同一であるので説明を省略する。
照明光学系20は、光を分割して重畳するためのインテグレータ光学系を構成する一対のフライアイレンズである第1及び第2フライアイレンズ23a,23bと、光の偏光方向を揃える偏光変換素子24と、両フライアイレンズ23a,23bを経た光を重畳させる重畳レンズ25と、光の光路を折り曲げるミラー26とを備え、これらにより均一化された照明光を形成する。照明光学系20において、第1及び第2フライアイレンズ23a,23bは、それぞれマトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって平行化レンズ22を経た光を分割して個別に集光・発散させる。偏光変換素子24は、PBSアレイで形成されており、第1フライアイレンズ23aにより分割された各部分光束の偏光方向を一方向の直線偏光に揃える役割を有する。重畳レンズ25は、偏光変換素子24を経た照明光を全体として適宜収束させて、後段の各色の光変調装置である液晶ライトバルブ40a,40b,40cの被照明領域に対する重畳照明を可能にする。
色分離光学系30は、第1及び第2ダイクロイックミラー31a,31bと、反射ミラー32a,32b,32cと、3つのフィールドレンズ33a,33b,33cとを備え、照明光学系20により形成された照明光を赤(R)、緑(G)及び青(B)の3色に分離するとともに、各色光を後段の液晶ライトバルブ40a,40b,40cへ導く。より詳しく説明すると、まず、第1ダイクロイックミラー31aは、RGBの3色のうちR光を透過させG光及びB光を反射する。また、第2ダイクロイックミラー31bは、GBの2色のうちG光を反射しB光を透過させる。次に、この色分離光学系30において、第1ダイクロイックミラー31aを透過したR光は、反射ミラー32aを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33aに入射する。また、第1ダイクロイックミラー31aで反射され、さらに、第2ダイクロイックミラー31bでも反射されたG光は、入射角度を調節するためのフィールドレンズ33bに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラー31bを通過したB光は、リレーレンズLL1,LL2及び反射ミラー32b,33cを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33cに入射する。
液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、入射した照明光の空間的強度分布を変調する非発光型の光変調装置であり、色分離光学系30から射出された各色光に対応してそれぞれ照明される3つの液晶パネル41a,41b,41cと、各液晶パネル41a,41b,41cの入射側にそれぞれ配置される3つの第1偏光フィルタ42a,42c,42cと、各液晶パネル41a,41b,41cの射出側にそれぞれ配置される3つの第2偏光フィルタ43a,43b,43cとを備える。第1ダイクロイックミラー31aを透過したR光は、フィールドレンズ33a等を介して液晶ライトバルブ40aに入射し、液晶ライトバルブ40aの液晶パネル41aを照明する。第1及び第2ダイクロイックミラー31a,31bの双方で反射されたG光は、フィールドレンズ33b等を介して液晶ライトバルブ40bに入射し、液晶ライトバルブ40bの液晶パネル41bを照明する。第1ダイクロイックミラー31aで反射され、第2ダイクロイックミラー31bを透過したB光は、フィールドレンズ33c等を介して液晶ライトバルブ40cに入射し、液晶ライトバルブ40cの液晶パネル41cを照明する。各液晶パネル41a〜41cは、入射した照明光の空間的強度分布を変調し、各液晶パネル41a〜41cにそれぞれ入射した3色の光は、各液晶パネル41a〜41cに電気的信号として入力された駆動信号或いは画像信号に応じて変調される。この際、第1偏光フィルタ42a〜42cによって、各液晶パネル41a〜41cに入射する照明光の偏光方向が調整されるとともに、第2偏光フィルタ43a〜43cによって、各液晶パネル41a〜41cから射出される変調光から所定の偏光方向の変調光が取り出される。以上により、各液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、それぞれに対応する各色の像光を形成する。
クロスダイクロイックプリズム50は、各液晶ライトバルブ40a,40b,40cからの各色の像光を合成する。より詳しく説明すると、クロスダイクロイックプリズム50は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、X字状に交差する一対の誘電体多層膜51a,51bが形成されている。一方の第1誘電体多層膜51aは、R光を反射し、他方の第2誘電体多層膜51bは、B光を反射する。クロスダイクロイックプリズム50は、液晶ライトバルブ40aからのR光を誘電体多層膜51aで反射して進行方向右側に射出させ、液晶ライトバルブ40bからのG光を誘電体多層膜51a,51bを介して直進・射出させ、液晶ライトバルブ40cからのB光を誘電体多層膜51bで反射して進行方向左側に射出させる。このようにして、クロスダイクロイックプリズム50によりR光、G光及びB光が合成され、カラー画像による画像光である合成光が形成される。
投射レンズ60は、クロスダイクロイックプリズム50を経て形成された合成光による画像光を所望の拡大率で拡大してスクリーン(不図示)上にカラーの画像を投射する。
本実施形態のプロジェクタ200は、図1に示す説明した光源装置100を用いているので、光源装置100の早期の劣化が防がれ、寿命が長くなり、したがって、光源の取替え回数を減らすことが可能である。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る光源装置を説明する。第2実施形態に係る光源装置は、第1実施形態に係る光源装置を変更したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態の装置と同様であるものとする。
以下、第2実施形態に係る光源装置を説明する。第2実施形態に係る光源装置は、第1実施形態に係る光源装置を変更したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態の装置と同様であるものとする。
図3は、第2実施形態に係る光源装置を構成する光源ユニットを示す平面断面図である。この光源ユニット110では、発光管1の一方の封止部14から延びる配線としてのリード線18bが発光管1と仕切板5との隙間に沿って配置されている。つまり、発光管1から延びるリード線18bと、発光管1の周辺領域を上下に分割する仕切板5とが、略同一面内に配置される。この場合、リード線18bによって遮断される光束の方向に仕切板5が配置されることになり、仕切板5を設けたことによる減光をより抑えることができる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る光源装置を説明する。第3実施形態に係る光源装置は、第1実施形態に係る光源装置を変更したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態の装置と同様であるものとする。
以下、第3実施形態に係る光源装置を説明する。第3実施形態に係る光源装置は、第1実施形態に係る光源装置を変更したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態の装置と同様であるものとする。
図4は、第2実施形態に係る光源装置を構成する光源ユニットを示す平面断面図である。この光源ユニット210の場合、仕切板205の支持方法が第1実施形態と異なる。つまり、仕切板205のうち根元側には固定用の突起205cが形成されている。この突起205cをリフレクタ2の首状部2aに充填された無機系接着剤MBを利用して固定することにより、仕切板205が一端側で固定される。また、仕切板205のうち先端側には固定部205dが形成されており、リード線18bを利用して封止部14の先端に仕切板205の他端側が固定される。なお、リフレクタ2の首状部2aは、光学的な意味でリフレクタ2の不使用部分となっている。
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態に係る光源装置を説明する。第4実施形態に係る光源装置は、第1実施形態に係る光源装置を変更したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態の装置と同様であるものとする。
以下、第4実施形態に係る光源装置を説明する。第4実施形態に係る光源装置は、第1実施形態に係る光源装置を変更したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態の装置と同様であるものとする。
図5(A)及び5(B)は、本実施形態の光源装置を示す平面断面図及び側方断面図である。この光源ユニット310の場合、ハウジング304内における冷却風の循環方法が第1実施形態と異なる。このハウジング304の上部には、給気口304aと排気口304bとが並んで形成されている。給気口304aからハウジング4の上側空間USに導入された冷却風は、発光管1の本体部分11の周囲に気流ACを形成し、本体部分11の上半分を空冷する。冷却後の空気は、リフレクタ2の内側面に沿って上昇し、排気口304bから外部に排出される。
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態に係る光源装置を説明する。第5実施形態に係る光源装置は、第1実施形態に係る光源装置を変更したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態の装置と同様であるものとする。
以下、第5実施形態に係る光源装置を説明する。第5実施形態に係る光源装置は、第1実施形態に係る光源装置を変更したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態の装置と同様であるものとする。
図6(A)及び6(B)は、本実施形態の光源装置を示す側方断面図及び平面断面図である。この光源ユニット410の場合、ハウジング404内における冷却風の循環方法が第1実施形態と異なる。ハウジング404の左右側面には、縦長で、上側空間USから下側空間LSに延びる給気口404aと排気口404bとが対向して形成されている。給気口404aの一対の側辺には、並行して延びる一対のスライドガイド404f,404fが形成されており、 スライドガイド404f,404fに案内された移動部材としての遮蔽板404gを昇降可能としている。排気口404bの一対の側辺にも、並行して延びる一対のスライドガイド404j,404jが形成されており、 スライドガイド404j,404jに案内された移動部材としての遮蔽板404kを昇降可能としている。図6(A)等に示すように、両遮蔽板404g,404kは、−Z方向の下端にあって、上側空間USへの吸気と上側空間USからの排気とを可能にしている。つまり、ハウジング4の上側空間USに送風装置6からの冷却風を送り込んで気流ACを形成することができ、本体部分11の上半分を空冷することができる。
図6(C)は、光源装置を上下逆にした使用状態、例えば光源ユニット410を組み込んだプロジェクタ200を天吊り状態とした場合の使用状態を説明する図である。この場合、両遮蔽板404g,404kは、+Z方向の下端にあって、上側空間USへの吸気と上側空間USからの排気とを可能にしている。なお、図6(C)の光源ユニット410において、上側空間USは、図6(A)の光源ユニット410において下側空間LSに相当し、下側空間LSは、図6(A)の光源ユニット410において上側空間USに相当する。以上から明らかなように、本実施形態の光源ユニット410の使用状態が上下逆になっても、常に上側空間USを直接強制空冷することができるので、発光管1の本体部分11の周囲に気流ACを形成し、本体部分11の上半分を空冷することができる。
なお、この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態の光源ユニット10〜410では、仕切板5がハウジング4内においてリフレクタ2から凹レンズ3にかけての空間を全体的に分割する形状を有しているが、仕切板5を小型にして発光管1の本体部分11の周辺領域のみを仕切るものとすることもできる。
上記実施形態の光源ユニット10〜410では、仕切板5が透明材料製であったが、仕切板5をSUS等の金属のほか、各種セラミックスで形成することもできる。
上記実施形態の光源ユニット10〜410では、仕切板5が単なる板状であったが、仕切板5の適所に1以上の開口を形成して、上側空間USと下側空間LSとの通気を確保することもできる。
上記実施形態の光源ユニット10〜410では、仕切板5がハウジング4側に固定されているが、例えば仕切板5を光軸OAのまわりに回転可能にすることもできる。この場合、光源ユニット10〜410を左右に傾斜した状態で使用することができ、発光管1の本体部分11の上部だけを冷却することができる。
上記実施形態の光源装置100では、光源ユニット10と、電源装置70を備えているが、電源装置70は別体としてプロジェクタ200に備えるようにしても良い。また、上記実施形態の光源ユニット10〜410では、冷却用の送風装置6を備えているが、送風装置6についても別体としてプロジェクタ200に備えるようにして、冷却装置6と給気口4a,304a,404aの間をダクトで接続するようにしても良い。
上記実施形態のプロジェクタ200では、光源装置100からの光を複数の部分光束に分割するため、一対のフライアイレンズ23a,23bを用いていたが、この発明は、このようなフライアイレンズすなわちレンズアレイを用いないプロジェクタにも適用可能である。さらに、フライアイレンズ23a,23bをロッドインテグレータに置き換えることもできる。
また、上記プロジェクタ200において、光源装置100からの光を特定方向の偏光とする偏光変換素子24を用いていたが、この発明は、このような偏光変換素子24を用いないプロジェクタにも適用可能である。
また、上記実施形態では、透過型のプロジェクタに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型プロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味している。反射型プロジェクタの場合、液晶ライトバルブは液晶パネルのみによって構成することが可能であり、一対の偏光フィルタは不要である。なお、光変調装置は液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、プロジェクタとしては、投写面を観察する方向から画像投写を行う前面プロジェクタと、投写面を観察する方向とは反対側から画像投写を行う背面プロジェクタとがあるが、図2に示すプロジェクタの構成は、いずれにも適用可能である。
また、上記実施形態では、3つの液晶パネル41a〜41cを用いたプロジェクタ200の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、或いは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
1…発光管、 2…リフレクタ、 2a…首状部、 2b…主反射部、 3…凹レンズ、 4…ハウジング、 4a…給気口、 4b…排気口、 4c…支持溝、 5…仕切板、 5a…縁部、 5b…突起、 6…送風装置、 10…光源ユニット、 11…本体部分、 12…放電空間、 13,14…封止部、 15,16…電極、 18a,18b…リード線、 20…照明光学系、 22…平行化レンズ、 23a,23b…フライアイレンズ、 24…偏光変換素子、 25…重畳レンズ、 30…色分離光学系、 31a,31b…ダイクロイックミラー、 33a,33b,33c…フィールドレンズ、 40a,40b,40c…液晶ライトバルブ、 41a,41b,41c…液晶パネル、 50…クロスダイクロイックプリズム、 60…投射レンズ、 70…電源装置、 100…光源装置、 200…プロジェクタ、 LS…下側空間、 US…上側空間、 OA…光軸
Claims (12)
- 光源光を発生する発光管と、
前記発光管から射出された光源光を反射する反射鏡と、
前記発光管及び前記反射鏡に共通する光軸を含む面内に沿って設けられ、前記反射鏡の内側を略2分割する仕切板と
を備える光源装置。 - 前記仕切板は、前記発光管の近傍を含む周辺空間を仕切るように延在する請求項1記載の光源装置。
- 前記仕切板は、前記発光管から射出される光源光を透過させる光透過性材料で形成されている請求項1及び請求項2のいずれか一項記載の光源装置。
- 前記仕切板の表面には、反射防止コートが設けられている請求項1から請求項3のいずれか一項記載の光源装置。
- 前記仕切板は、前記発光管から延びる配線と略同一面内に配置される請求項1から請求項4のいずれか一項記載の光源装置。
- 前記仕切板は、前記発光管の両端に設けられる一対の封止部と、前記反射鏡の不使用部分と、前記反射鏡を保持するハウジングとの少なくとも1箇所に固定される請求項1から請求項5のいずれか一項記載の光源装置。
- 前記仕切板は、反射鏡の射出側に配置されて光源光を複数の光束に分割するフライアイレンズに形成される境界線と略同一面内に配置される請求項1から請求項6のいずれか一項記載の光源装置。
- 前記仕切板は、反射鏡の射出側に配置されて光源光の発散角を調節するレンズに近接する位置まで延在する請求項1から請求項7のいずれか一項記載の光源装置。
- 前記仕切板は、前記発光管と前記反射鏡とが設置される環境における上下方向を基準として、前記反射鏡の内側空間を上下に分割する請求項1から請求項8のいずれか一項記載の光源装置。
- 前記発光菅を冷却する冷却風を受け入れる給気口と、前記空冷装置からの冷却風を外部に排出する排気口とを有するハウジングと、
前記排気口が前記仕切板によって分割された上側の空間に臨むように前記排気口を移動させる移動部材とをさらに備える請求項9記載の光源装置。 - 前記仕切板によって分割された上側の空間を少なくとも強制的に空冷する空冷装置をさらに備える請求項9または請求項10記載の光源装置。
- 請求項1から請求項11のいずれか一項記載の光源装置と、
前記光源装置からの照明光によって照明される光変調装置と、
前記光変調装置を経た像光を投射する投射光学系と
を備えるプロジェクタ。
Priority Applications (1)
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JP2015096907A (ja) * | 2013-11-15 | 2015-05-21 | Necディスプレイソリューションズ株式会社 | 光源装置、投写型表示装置および光源装置の冷却方法 |
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2007
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