JP2008216566A - 廃液晶パネルのガラス基板を回収する方法および装置 - Google Patents

廃液晶パネルのガラス基板を回収する方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない労力とエネルギーを用いガラスを再利用することが可能であるとともに、液晶、透明導電膜中のインジウムを回収することが可能である、廃液晶パネルのガラス基板を回収する方法および装置を提供する。
【解決手段】貼り合わされた2枚のガラス基板を分離するガラス基板分離工程と、分離されたガラス基板上の液晶およびインジウムを回収する液晶およびインジウム回収工程と、液晶およびインジウムを回収した後の液晶ガラス基板からバス電極材料を除去する電極除去工程と、バス電極を除去した後のガラス基板を回収するガラス基板回収工程とを含む、廃液晶パネルからガラス基板を回収する方法、ならびに、廃液晶パネルから分離されたガラス基板をプラズマ処理する手段として、プラズマ発生装置を備える、廃液晶パネルからガラス基板を回収するために用いられる装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃液晶パネルのガラス基板を回収する方法および装置に関する。
近年、社会における生産・消費活動全般について一般廃棄物や産業廃棄物が増加し、不法投棄や埋立地逼迫など地球環境問題が注目を集め、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済システムから資源循環型経済システムへの転換が社会的に重要な課題となってきている。
このような状況を受けて、たとえば2001年4月には家電リサイクル法は施行された。家電リサイクル法においては、2007年1月現在において、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家電4品目のリサイクルが義務付けられ、また、それぞれの製品の再商品化率についてはエアコン60%以上、テレビ55%以上、冷蔵庫50%以上、洗濯機50%以上の法定基準値が定められている。
これら家電4品目においては、関係者の鋭意努力のもと、法律施行当初に比べリサイクルが格段に進んでいる。現在、家電4品目に使用されている鉄、銅、アルミニウムなどの金属はもとより、プラスチックについてもリサイクルが拡大しつつある。また、テレビにおいては、CRT(Cathode Ray Tube)のガラスを切断して電子銃や蛍光体を除去した後、ガラスカレットとして元のCRT用ガラスに再生使用するリサイクル技術が既に実用化されている。
ところで、近年、液晶パネルを用いたテレビ、パーソナルコンピュータ、モニタ、ビデオ、カメラ、携帯電話、カーナビゲーション、情報携帯端末、小型ゲーム機などの製品が急速に普及している。ここで、上述した液晶パネルとは、貼り合せた2枚のガラス基板の内側に液晶材料を注入、封入し、各ガラス基板の外側に偏光板(樹脂)を貼り付けたものを指す。液晶パネルを用いた製品の普及に伴い、液晶パネルの廃棄物(本明細書中では「廃液晶パネル」と呼称する。)の数量も急速に増加しているが、環境との共存が期待される循環型社会の形成の中、廃液晶パネルについてもリサイクルし資源を有効に利用することが要望されている。
現在、家電製品や情報機器などの廃棄物に含まれる廃液晶パネルは、廃棄物の量としては少ないこともあって、廃棄物の処理施設にて製品ごとに破砕された後、プラスチックを多量に含むシュレッダーダストと共に、埋め立て処理あるいは焼却処理されている。
廃液晶パネルのリサイクルにおいて考慮すべき点は、ガラス、インジウム、液晶などの材料の再生である。液晶パネルの基材は、主にガラス基板が用いられている。ガラスは製品重量の大半を占めるため、リサイクル率向上の観点からも再資源化が望ましく、再度同一製品のガラス原料として再生するなどの高品位なリサイクルを行うことがより望ましい。また、ガラス基板上には透明導電膜としてITO(Indium Tin Oxide)などのインジウム化合物が形成されている。インジウムは希少金属であり、昨今の液晶パネル市場拡大も影響し価格が高騰してきており、回収、リサイクルが模索されている。また、2枚のガラス基板間に封入された液晶は非常に高価な材料であり回収再利用する声がある。加えて、液晶はその毒性が問題にならないほど小さいことが分かってはいるが、自然には非常に分解しにくい材料であるため、高収率で回収し、環境中への拡散をできるだけ少なくすることが望ましい。
上述の観点から、液晶パネル中のガラス、インジウムおよび液晶の回収、リサイクルは非常に意義深いものであるが課題も多い。たとえばガラスの同一材料への再生においては大きく2点の課題が挙げられる。1点目は不純物の完全な除去、2点目はガラスの分別である。前者においてはガラス基板上に形成された電極材料やカラーフィルタ、配向膜、また、ガラス基板間に封入された液晶材料など、ガラス以外の成分は完全に除去する必要がある。特に、ガラス基板に直接付着している電極材料は、ガラスとの付着力が強固であり、かつ、液晶パネルとしての信頼性の観点から、タンタル、チタンなどの耐腐食性の高い金属を使用しているため、酸溶解などの手段により除去するのは容易ではない。後者は組成の異なるガラスは特性が変わるために分別する必要があり、製造メーカの異なるガラスは勿論のこと、同一メーカでもグレートの異なるガラスは分別する必要がある。一方、インジウムについては回収方法が種々検討されてきているが、廃液晶パネルからのインジウム回収は経済性が伴わず、製造工程で発生する使用済みターゲットや装置、冶具に付着したITO残渣を回収するに留まっている。また、液晶パネルに使用されている液晶の量は微量であるため、少ない労力とエネルギーで液晶を高純度で劣化を伴わずに回収し再利用することが望ましい。
液晶パネルの製造工場から排出される不良の廃液晶パネルや家電製品および情報機器などの廃棄物に含まれる廃液晶パネルの処理方法として、液晶パネルの製造工場や廃棄物の処理施設にて製品ごと破砕後、非鉄精錬炉に投入し珪石の代替材料として処理する方法が一部で実施されている(たとえば、特開2000−84531号公報(特許文献1)を参照。)。この特許文献1に開示された方法では、有機物は炉内で完全燃焼され、二酸化炭素や水素などに分解される。しかしながらこの方法では、液晶パネルは、ガラス成分がスラグとなりセメント材料として再利用されるのみでガラス材料としては再利用されず、また、透明導電膜に含まれるインジウムも再利用されていない。
また液晶パネルに用いられているガラスを回収する方法として、たとえば、特開2005−292394号公報(特許文献2)には、塩酸、硫酸、硝酸、フッ化水素酸などの強酸溶液を用いてガラス表面に付着している金属薄膜などの無機成分を除去する方法が提案されている。しかしながら、この特許文献2に開示された方法では、強酸を使用するため、発生する廃液の処理に多大な労力とエネルギーを必要とする。
液晶パネルに用いられているインジウムの回収方法として、たとえば特開2005−334838号公報(特許文献3)には、液晶パネルを塩酸溶液に浸漬することによって、ガラス表面のITO膜を溶出し、インジウムを回収する方法が提案されている。しかしながらこの方法では、塩酸を使用するため、作業環境が悪化するとともに、発生する廃液の処理に多大な労力とエネルギーとを必要とする。
また、たとえば特開2000−169991号公報(特許文献4)には、インジウム含有物を塩酸で溶解した後、中和して金属イオンを析出させて除去させ、さらに硫化させた後電解を行なうことでインジウムを回収する方法が提案されている。しかしながら、この特許文献4に開示された方法では塩酸を用いるため、インジウムを回収した後に発生する廃液の処理に多大な労力とエネルギーを必要とする。
液晶パネルに用いられている液晶材料の回収方法として、アセトン、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤を用いて液晶パネル表面の液晶を溶解することにより回収する方法が提案されている(たとえば、特開2001−305502号公報(特許文献5)を参照。)。しかし、特許文献5では上述したような有機溶剤を用いて液晶を溶解させるため、液晶パネル表面の配向膜、カラーフィルタなどの有機物が溶解されてしまう。このため、不純物が混入してしまうことになり、高純度で液晶を回収することができない。また、アセトンなどの有機溶剤は、揮発性が高く、人体に有害である。さらに、この方法では、液晶が溶解させた有機溶剤を蒸留によって有機溶剤と液晶とに分離することで液晶を回収するものであるが、液晶は温度依存性が高いため、蒸留の際に変質してしまう虞がある。
また特開2002−126688号公報(特許文献6)には、液晶パネルに用いられている液晶材料の回収方法として、超臨界流体を用いて、液晶材料を分解する方法が提案されている。しかし、このような方法を具現化する設備を用いる場合、耐圧、耐腐食性の要件から、通常設備のイニシャルコストが大きくなり、ランニングコストも高くなる。また、大量のエネルギーを使用するため二酸化炭素の排出量が増大し環境に対する負荷も大きくなる。
特開2000−84531号公報 特開2005−292394号公報 特開2005−334838号公報 特開2000−169991号公報 特開2001−305502号公報 特開2002−126688号公報
液晶パネルは、省電力・省資源に貢献できる表示装置であるので、今後、高度情報化社会の進展に伴って、急激に生産量が増大するとともに、その表示面積も大型化することが予測され、これに伴って、今後、廃液晶パネルも、数・量ともに急激に増大すると予想される。
従来では、適切な液晶パネルの処理方法が確立されておらず、CRT(Cathode Ray Tube)その他の家電製品や部品と比較して技術確立などが遅れているのが実情である。したがって、今後、廃液晶パネルの増加に備えた処理方法の確立が早急に要求される。
液晶パネルの重量の大半を占めるガラスは、廃棄物の低減と資源を大切にする観点から、酸などを使用することのない、環境負荷の低い方法で再生利用することが望ましい。さらに、複雑な設備を用いたり廃液処理に多大な労力およびエネルギーを必要とすることなく、液晶およびインジウムを廃液晶パネルから高純度、高収率で回収することのできる処理方法は未だ提案されていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、少ない労力とエネルギーを用いガラスを再利用することが可能であるとともに、液晶、透明導電膜中のインジウムを回収することが可能である、廃液晶パネルのガラス基板を回収する方法および装置を提供することである。
本発明は、廃液晶パネルからガラス基板を回収する方法であって、貼り合わされた2枚のガラス基板を分離するガラス基板分離工程と、分離されたガラス基板上の液晶およびインジウムを回収する液晶およびインジウム回収工程と、液晶およびインジウムを回収した後の液晶ガラス基板からバス電極材料を除去する電極除去工程と、バス電極を除去した後のガラス基板を回収するガラス基板回収工程とを含むことを特徴とする。
ここにおいて、前記電極除去工程は、プラズマ処理によって、ガラス基板に付着した電極材料を除去する工程であることが好ましい。
また本発明は、廃液晶パネルからガラス基板を回収するために用いられる装置であって、廃液晶パネルから分離されたガラス基板をプラズマ処理する手段として、プラズマ発生装置を備える装置についても提供する。
本発明によれば、経済的にかつ高純度かつ高収率で、劣化を伴わずに液晶の回収を行うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、希少金属であるインジウムを経済的に高純度で回収することができるという効果が奏される。さらに本発明によれば、ほとんど廃棄物を排出せず、ガラスを再利用することができるという効果を奏する。したがって本発明により、少ない労力とエネルギーを用いて、液晶を完全に回収することができるとともに、透明導電膜に含まれる希少金属であるインジウムを回収することができ、さらにガラスカレット(ガラス片)も再利用することができる。したがって、ほとんど廃棄物を排出せず、経済的な廃液晶パネルの処理が可能となる。
図1は、廃液晶パネルのガラス基板を回収する本発明の方法の好ましい一例を模式的に示すフローチャートである。本発明は、廃液晶パネルからガラス基板を回収する方法であって、〔1〕ガラス基板分離工程(ステップS1)、〔2〕液晶およびインジウム回収工程(ステップS2)、〔3〕電極除去工程(ステップS3)、〔4〕ガラス基板回収工程(ステップS6)を基本的に含む。また、図1のフローチャートに示すように、電極除去工程(ステップS3)とガラス基板回収工程(ステップS6)との間に、廃液晶パネルから偏光板を剥離する偏光板剥離工程(ステップS4)およびガラス基板をガラスの種類(品種)別に選別するガラス基板選別工程(ステップS5)をさらに含むことが好ましい。このような本発明の方法によれば、少ない労力とエネルギーを用いて、液晶を完全に回収することができるとともに、透明導電膜に含まれる希少金属であるインジウムを回収することができ、さらにはガラスカレット(ガラス片)も再利用することができ、ほとんど廃棄物を排出しない経済的な廃液晶パネルの処理が可能となる。
上記各工程の具体的な説明に先立ち、本発明に供される液晶パネルの典型的な構造について、まずは説明する。図2は、本発明の方法に供される典型的な一例の液晶パネル1を模式的に示す断面図である。本発明には、従来公知の適宜の構造の液晶パネルを特に制限されることなく供することができる。たとえば、液晶パネルの製造工場において廃棄される液晶パネル、液晶表示装置の組立工場にて廃棄された液晶表示装置を分解処理して排出される液晶パネル、液晶を応用した製品の製造工場にて廃棄された製品を分解処理して排出される液晶パネル、ならびに、市場にて廃棄された情報表示装置、映像表示装置などを解体処理して排出される液晶パネルを適用することができる。図2には、一例として、TFT(Thin Film Transistor)などのアクティブ素子(図示せず)を備えた液晶パネル1を示しているが、本発明には、TN(Tweisted Nematic)液晶パネル、STN(Super Twisted Nematic)液晶パネルなどのデューティ液晶パネルも勿論適用可能である。
図2に示す例の液晶パネル1は、たとえば、対向配置された厚さ0.4〜1.1mm程度の2枚のガラス基板(カラーフィルタ側ガラス基板2a、TFT側ガラス基板2b)を備える。これらガラス基板2a,2bは、対向配置された側(内面側)に、周縁部に沿ってシール樹脂体(シール材)3が設けられ、互いに貼り合わされてなる。また、これらガラス基板2a,2bとシール樹脂体3とによって密封された領域には、液晶が封入され、厚さ4〜6μm程度の液晶層4が形成されている。また、各ガラス基板2a,2bの対向配置された側とは反対側(外面側)に、厚さ0.2〜0.4mm程度の偏光板5が粘着剤により貼着されている。
ここで、図3は、図2に示した例の液晶パネル1のカラーフィルタ側ガラス基板2aおよびその周辺を一部拡大して示す断面図である。典型的な液晶パネル1では、図3に示すように、カラーフィルタ側ガラス基板2aの内面側に、カラーフィルタ6、反射防止膜7、透明導電膜8および配向膜9が形成されている。カラーフィルタ6は有機物を主体とした材料からなる。反射防止膜7は炭素を主成分とした薄膜などからなる。透明導電膜8はインジウムなどを含む薄膜からなる。配向膜9はポリイミドなどの有機物からなる。カラーフィルタ側ガラス基板2aの表面には、反射防止膜6の材料およびカラーフィルタ7の材料が直接付着している。
また図4は、図2に示した例の液晶パネル1のTFT側ガラス基板2bおよびその周辺を一部拡大して示す断面図である。典型的な液晶パネル1では、図4に示すように、TFT側ガラス基板2bの内面側に、画素電極10、バス電極11、絶縁膜12、透明導電膜8および配向膜9が形成されている。透明導電膜8は、インジウムなどを含む薄膜からなる。画素電極10およびバス電極11はタンタル、モリブデン、アルミニウム、チタンなどの金属を主成分とする薄膜からなる。TFT側ガラス基板2bの表面には、バス電極11の材料および絶縁膜12の材料が直接付着している。前記カラーフィルタ6、反射防止膜7、透明導電膜8、配向膜9、画素電極10、バス電極11および絶縁膜12の膜厚は、前記2枚のガラス基板2a,2bの厚さと比較して、十分に薄い。
廃液晶パネルからガラス基板を回収する本発明の方法には、たとえば上述したような構造を備える液晶パネルの廃棄物(廃液晶パネル)を適用する。以下、本発明の方法における各工程について、図2に示した例の液晶パネル1を適用する場合を例に挙げて詳細に説明する。
〔1〕ガラス基板分離工程
まず、図1のフローチャートに示すように、貼り合されたガラス基板2a,2bを、2枚に分離する(ステップS1)。分離方法としては、たとえばシール樹脂体3を加熱する方法、ガラス基板2a,2bのエッジ部分を切断する方法などが挙げられる。ガラス基板2a,2bを分離すると、ガラス基板2a,2bの隙間に封入されていた液晶層4が表面に露出する。
シール樹脂体3を加熱して分離する方法では、シール樹脂体3を加熱し、シール樹脂体3の強度を低下させることにより分離する。上述したように、ガラス基板2a,2bは、通常、対向配置された側(内面側)に、周縁部に沿ってシール樹脂体3が設けられ、互いに貼り合わされてなる。シール樹脂体3としては、通常、エポキシ系樹脂などが用いられ、加熱することでシール樹脂体3の強度を低下させることができる。シール樹脂体3の加熱温度としては、シール樹脂体3の形成材料に応じて適宜選択することができ、特に制限されるものではないが、たとえばエポキシ系樹脂のシール樹脂体3の場合には、300℃以上が望ましく、400℃以上がより望ましい。加熱の方法としては、たとえば、ランプ加熱、赤外線加熱、ヒートプレスなどが挙げられる。加熱によりシール樹脂体3の強度を低下させることで、手作業で容易にガラス基板2a,2bを分離することが可能となる。
また、ガラス基板2a,2bのエッジ部分を切断することによってガラス基板2a,2bを分離する場合には、ガラス基板2,2bの内側の四辺を切断することで、それぞれ1枚ずつガラスを切り出すようにすればよい。ガラス基板2a,2bの切断には、たとえば、ガラスカッター、ダイヤモンドソー、スクライバーなどを用いることができる。
〔2〕液晶およびインジウム回収工程
次に、上述のようにして分離されたガラス基板2a,2b上に露出する液晶を回収する(ステップS2)。ここで、図5は、本発明における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、液晶の回収方法の一例を模式的に示す図である。液晶は、たとえば、ガラス基板2a,2bの表面を液晶回収用のスクレーパ21を用いてスクレーピングすることによって回収することができる(図5には、カラーフィルタ側ガラス基板2a側の液晶を回収する場合を示している)。液晶回収用のスクレーパ21としては、ガラス基板2a,2b上に形成されている配向膜9より柔らかいポリプロピレンゴム、ポリエチレンゴムなどで形成されたスクレーパを好適に用いることができる。このような液晶回収用のスクレーパ21を用いることにより、配向膜9を削り取らずに液晶のみを回収することができる。
インジウムは、たとえば、上述のように液晶を回収した後に、ガラス基板2a,2bの内面側に形成された反射防止膜6、カラーフィルタ7、透明導電膜8、配向膜9、画素電極10、バス電極11および絶縁膜12などの薄膜(カラーフィルタ側ガラス基板2aの側では、反射防止膜6、カラーフィルタ7、透明導電膜8および配向膜9などの薄膜、TFT側ガラス基板2bの側では、透明導電膜8、配向膜9、画素電極10、バス電極11および絶縁膜12などの薄膜)と一緒にガラス基板から回収し、高純度のインジウム含有粉末を得て、回収する。
上述した薄膜を除去する方法としては、たとえばスクレーピングを好適に用いることができる。スクレーピングを採用する場合、たとえば薄膜除去用のスクレーパ31を用いて、ガラス基板2a,2bの内面側に形成された上記薄膜をそれぞれ削り取る。ここで、図6は、本発明における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、カラーフィルタ側ガラス基板2a側の薄膜の除去方法の第1の例を模式的に示す図である。カラーフィルタ側ガラス基板2aの内面側には、反射防止膜6、カラーフィルタ7、透明導電膜8および配向膜9が形成されているが、このうちカラーフィルタ側ガラス基板2aに直接付着している材料は、反射防止膜6およびカラーフィルタ7である。反射防止膜6およびカラーフィルタ7は、有機物を主体とした材料からなり、ファンデルワールス力によりガラス基板2aに付着しているため、スクレーピングにより反射防止膜6、カラーフィルタ7、透明導電膜8および配向膜9の全ての薄膜を容易に除去することができる。薄膜除去用のスクレーパ31としては、たとえばステンレス、チタン合金などの金属製のスクレーパを好適に用いることができる。
上述のようにインジウムは透明導電膜8に含まれる。スクレーピングによりガラスフィルタ側ガラス基板2aの内面側から除去されたこの透明導電膜8を含む薄膜は、有機物とITO粉末とからなるインジウム含有粉末として回収される。このインジウム含有粉末を焼成することで、有機物を燃焼させて、残存したITO粉末を回収することができる。回収されたITO粉末は、非鉄精錬メーカなどにより金属インジウムに精製あるいはITOターゲットに加工される。また、スクレーピングにより反射防止膜6、カラーフィルタ7、透明導電膜8および配向膜9が除去されたカラーフィルタ側ガラス基板2aは、後述のガラス基板回収工程(ステップS6)でガラスへとリサイクルされる。
また図7は、本発明における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、TFT側ガラス基板2b側の薄膜の除去方法の第1の例を模式的に示す図である。TFT側ガラス基板2bの内面側には、透明導電膜8、配向膜9、画素電極10、バス電極11および絶縁膜12が形成されている。図7に示すように、カラーフィルタ側ガラス基板2aと同様に、薄膜除去用のスクレーパ41を用いて、スクレーピングにより、透明導電膜8、配向膜9、画素電極10、バス電極11および絶縁膜12を除去することができる。薄膜除去用のスクレーパ41としては、上述した薄膜除去用のスクレーパ31と同様に、たとえばステンレス、チタン合金などの金属製のスクレーパを好適に用いることができる。
ここで、図8は、図7に示したようにスクレーピングを行った後の状態のTFT側ガラス2bを模式的に示す断面図である。TFT側ガラス基板2bの内面側において、TFT側ガラス基板2bに直接付着しているのは、タンタル、モリブデン、アルミニウムまたはチタンなどで形成された金属薄膜からなるバス電極11である。バス電極11とTFT側ガラス基板2bとはアンカー効果により付着しているため付着力が強く、図7に示したようなスクレーピングでは完全に除去することができず、一部残存する(図8)。このため、バス電極11は、後述する電極除去工程(ステップS3)にて除去する。
スクレーピングによりTFT側ガラス基板2bの内面側から除去された透明導電膜8を含む薄膜は、有機物とITO粉末と画素電極材料である金属からなるインジウム含有粉末として回収される。このインジウム含有粉末を焼成することで、有機物を燃焼させて、残存したITO粉末および画素電極材料の金属を回収することができる。回収されたITO粉末および画素電極材料の金属は、非鉄精錬メーカなどにより金属インジウム、画素電極材料の金属をそれぞれ回収することができる。
また、本発明における液晶およびインジウム回収工程では、サンドブラストを用いて液晶を除去した後のガラス基板2a,2bの内面側に形成された上記薄膜を除去するようにしてもよい。サンドブラストを採用する場合、微粒子の砂をガラス基板2a,2bに勢いよく吹き付けて、上記薄膜をそれぞれ除去する。ここで、図9は、本発明における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、カラーフィルタ側ガラス基板2a側の薄膜の除去方法の第2の例を模式的に示す図である。図9に示すように、カラーフィルタ側ガラス基板2aに微粒子の砂をブラストガン51により吹き付けると、カラーフィルタ側ガラス基板2aの内面側に形成されている反射防止膜6、カラーフィルタ7、透明導電膜8および配向膜9を全て除去することができる。
サンドブラストによりガラスフィルタ側ガラス基板2aの内面側から除去された透明導電膜8を含む薄膜は、有機物とITO粉末とからなるインジウム含有粉末と、サンドブラストに用いた微粒子の砂との混合物として回収される。この混合物から、まず、分級によって微粒子の砂を分離する。分離した砂は、サンドブラストに再使用することができる。次に、砂と分離したインジウム含有粉末を焼成することにより有機物を燃焼し、残存するITO粉末を回収する。回収されたITO粉末は、非鉄精錬メーカなどにより金属インジウムに精製あるいはITOターゲットに加工される。また、サンドブラストにより反射防止膜6、カラーフィルタ7、透明導電膜8および配向膜9が除去されたカラーフィルタ側ガラス基板2aについても、後述のガラス基板回収工程(ステップS6)でガラスへとリサイクルされる。
また図10は、本発明の液晶ガラスの回収方法における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、TFT側ガラス基板2b側の薄膜の除去方法の第2の例を模式的に示す図である。TFT側ガラス基板2bの内面側には、透明導電膜8、配向膜9、画素電極10、バス電極11および絶縁膜12が形成されている。図10に示すように、カラーフィルタ側ガラス基板2aと同様にブラストガン61によりTFT側ガラス基板2bに微粒子の砂を勢いよく吹き付けることで、TFT側ガラス基板2bの内面側に形成された透明導電膜8、配向膜9、画素電極10および絶縁膜12を除去することができる。しかしながらバス電極11についてはサンドブラストによって除去されずに、TFT側ガラス基板2b上に残存するため、サンドブラストを行った後は、図8に示したのと同様の状態となる。
サンドブラストによりTFT側ガラス基板2bの内面側から除去された透明導電膜8を含む薄膜は、有機物とITO粉末と画素電極材料である金属からなるインジウム含有粉末と、サンドブラストに用いた微粒子の砂との混合物として回収される。この混合物から、まず、分級によって微粒子の砂を分離する。分離した砂は、サンドブラストに再使用することができる。次に、砂と分離したインジウム含有粉末インジウム含有粉末を焼成することで、有機物を燃焼させて、残存したITO粉末および画素電極材料の金属を回収することができる。回収されたITO粉末および画素電極材料の金属は、非鉄精錬メーカなどにより金属インジウム、画素電極材料の金属をそれぞれ回収することができる。
さらに、本発明における液晶およびインジウム回収工程では、回転研磨を用いて液晶を除去した後のガラス基板2a,2bの内面側に形成された上記薄膜を除去するようにしてもよい。回転する金属ブラシあるいは研磨パッドによりガラス基板2a,2b上の付着物を研磨する。ここで、図11は、本発明における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、カラーフィルタ側ガラス基板2a側の薄膜の除去方法の第3の例を模式的に示す図である。図11に示すように、カラーフィルタ側ガラス基板2aに研磨パッド71により回転研磨処理を施すと、カラーフィルタ側ガラス基板2aの内面側に形成されている反射防止膜6、カラーフィルタ7、透明導電膜8および配向膜9を全て除去することができる。
回転研磨によりガラスフィルタ側ガラス基板2aの内面側から除去された透明導電膜8を含む薄膜は、有機物とITO粉末とからなるインジウム含有粉末として回収される。この粉末を焼成することにより有機物を燃焼し、残存するITO粉末を回収する。回収されたITO粉末は、非鉄精錬メーカなどにより金属インジウムに精製あるいはITOターゲットに加工される。また、回転研磨によりカラーフィルタ7、反射防止膜6、透明導電膜8および配向膜9が除去されたカラーフィルタ側ガラス基板2aについても、後述のガラス基板回収工程(ステップS6)でガラスへとリサイクルされる。
また図12は、本発明の液晶ガラス基板の回収方法における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、TFT側ガラス基板2b側の薄膜の除去方法の第3の例を模式的に示す図である。TFT側ガラス基板2bの内面側には、透明導電膜8、配向膜9、画素電極10、バス電極11および絶縁膜12が形成されている。図12に示すように、カラーフィルタ側ガラス基板2aと同様に研磨パッド81により回転研磨によりTFT側ガラス基板2bの内面側に形成された透明導電膜8、配向膜9、画素電極10および絶縁膜12を除去することができる。しかしながらバス電極11については回転研磨によって除去されずに、TFT側ガラス基板2b上に残存するため、回転研磨を行った後は、図8に示したのと同様の状態となる。
回転研磨によりTFT側ガラス基板2bの内面側から除去された透明導電膜8を含む薄膜は、有機物とITO粉末と画素電極材料である金属からなるインジウム含有粉末として回収される。このインジウム含有粉末を焼成することで、有機物を燃焼させて、残存したITO粉末および画素電極材料の金属を回収することができる。回収されたITO粉末および画素電極材料の金属は、非鉄精錬メーカなどにより金属インジウム、画素電極材料の金属をそれぞれ回収することができる。
〔3〕電極除去工程
次に、TFT側ガラス基板2bのバス電極11を除去する(ステップS3)。除去の方法としては、たとえば、プラズマ照射による方法を用いる。バス電極11は、タンタル、モリブデン、アルミニウムあるいはチタンなどのバス電極形成材料がアンカー効果によりガラス基板2bに付着しており、機械的手法により容易に除去できない。酸性溶液などを用いてこれらのバス電極材料を溶解し除去するようにしてもよいが、この方法では、酸性雰囲気により作業環境が悪化するほか、廃液処理に多大なエネルギーと労力を必要とし、環境に悪影響を及ぼす虞がある。また、タンタルおよびモリブデンなどの高融点金属は、フッ酸などの酸化力が非常に強い酸性溶液を使用しなければ除去できない場合もあり、作業安全上の問題も生じる。
液晶パネルに用いられるガラス基板をリサイクルするためには、リサイクルされたガラス基板の機械的および光学的特性の劣化を避けるため、ガラス基板表面の不純物を完全に除去する必要がある。このガラス基板表面の不純物の中では、上述のようにガラス基板表面に直接付着したバス電極材料が、除去が最も困難であり、環境負荷の低い方法で除去することが必要とされる。本発明においては、このバス電極の除去に、プラズマ処理を利用することが好ましい。プラズマ処理を利用してガラス基板表面からバス電極を除去することによって、従来の酸性溶液を用いた場合とは異なり環境に負荷を与える物質を使用することがないという利点がある。さらに、プラズマ処理を利用すれば、水を使用することもないので乾燥などにエネルギーが不要であり地球にやさしい技術で、持続可能な環境を維持するための材料リサイクルを実現することができる。
図13は、本発明における電極除去工程に用いられる好ましい一例のプラズマ発生装置101を模式的に示す図である。ここで、プラズマ処理に用いる放電方式・プラズマ発生方法は公知のものを適宜使用することができ、特に制限されるものではないが、たとえば図13に示すようなプラズマ発生装置101が好適に利用され得る。図13には、円筒状金属で形成されたA電極105と、その対となる金属棒状または線状のB電極106とが、一定の間隔をあけ、その間にB電極106に密着して内側から覆う円筒状の誘電体107を介在させるように配置されたトーチ103を備えるように構成された例のプラズマ発生装置101を示している。図13に示す例では、A電極105およびB電極106に電源104が電気的に接続され、また、A電極105と誘電体107との間には、原料ガスを供給するためのガス供給路108が形成されている。
図13に示すプラズマ発生装置101において、まず、トーチ103内のガス供給路108に原料ガスを供給しつつ、電源104からA電極105およびB電極106に電圧を印加する。電源104は、空気や水蒸気およびその他の気体を活性化し得る電源であれば、直流、交流、パルスのいずれでもよいが、パルス電源が好ましく使用される。電源104よりA電極105およびB電極106にある値以上の電圧が印加されると、A電極105とB電極106とが対向する領域で放電を生じるが、図13に示すような誘電体バリア放電の場合、片方の電極(すなわちB電極106)の内側が誘電体107で覆われているため、放電が生じる領域が集中することなく、誘電体107で覆われた領域に応じて広く分布して放電が生じ、大きなプラズマ領域を得ることができるという利点がある。
ここで、電源104をパルス電源とした場合、周波数は特に限定されないが、たとえば1〜100kHzとすることができる。A電極105の形成材料としては、たとえばタングステンなどが使用できるがこれに限定されるものではなく、従来公知の適宜のものが使用できる。B電極106の形成材料としては、たとえばSUS、真鍮、銅などが使用できるがこれに限定されるものではなく、従来公知の適宜のものが使用できる。また、誘電体107の形成材料としては、たとえば石英ガラス、アルミナなどが使用できるがこれに限定されるものではなく、従来公知の適宜のものが使用できる。
なお、図13に示すようなプラズマ発生装置101を用いた誘電体バリア放電は、あくまでも一例であって、たとえば他に熱プラズマ、コロナ放電やグロー放電、アーク放電など種々の放電発生方式、あるいはそれらの組み合わせを有する従来公知の適宜のプラズマ発生装置を本発明におけるバス電極除去工程に好適に適用可能である。
バス電極除去工程にプラズマ処理を利用する場合、上述したようにして発生したプラズマを、液晶およびインジウムを回収した後のガラス基板表面に照射することによって、ガラス基板に残存したバス電極材料を除去する。すなわち、放電によってガス供給路108から入ってくるガスの成分が高速に加速された電子と衝突することにより、電離・解離・励起され、ガスの成分に起因する各種のイオンやラジカルが生成する。これらのラジカルがガラス基板に残存したバス電極材料に作用し、ガラス基板からバス電極材料を分離させる。
ガラス基板表面にプラズマを照射する時間は、ガラス基板上のバス電極材料が除去できるのであれば特に限定されないが、たとえば、1秒〜1時間である。また、ガラス基板の表面をより高度に洗浄するために、たとえば、ガラス基板上のバス電極材料を除去した後に、さらにプラズマ照射を行なってもよい。
プラズマ発生装置101における電源電圧、周波数もまた、特に限定されず、プラズマ処理の途中で変更してもよい。プラズマを発生させる領域とガラス基板との間の距離も特に限定されず、たとえば数mm〜数mの直線距離とすることができる。
プラズマ発生装置101に供給される原料ガスとしては、たとえば、酸素ガス、窒素ガス、空気、水蒸気、ヘリウムガス、アルゴン、二酸化炭素、水素ガス、メタンガス、アンモニアガス、フッ素ガスなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
ここで、ガラス基板からバス電極材料を除去するのに有効なラジカルは種々存在するが、有毒であるものや高価なものは避けるべきであり、空気そのものを原料ガスとして用いるのが好ましいが、プラズマ処理領域における酸素ラジカル濃度を上げるために、空気に少量の酸素ガスを付加するか、あるいは、水蒸気を付加するのが好ましい。なお、水蒸気を付加する方法は、酸素ガスを付加する方法と比較して簡便であり、より好適である。
また上述のように酸素ガスまたは水蒸気を付加した空気を原料ガスとして用いる場合には、付加した酸素ガスまたは水蒸気を供給段階で制御するよりは、プラズマ発生装置2によりプラズマを照射する領域を観察して、この観察された結果に応じて電源6の周波数を変化させるように制御して、当該領域における酸素ラジカルの濃度を調整するように実現することが好ましい。すなわち、空気そのものを原料ガスとして用いることが経済的で安全ではなるが、湿度の変化がプラズマを照射する領域における酸素ラジカル濃度の変化として現れてくることは好ましくなく、これを適正に保つために、電源6の周波数の制御、酸素ガスまたは水蒸気の添加量の制御などを行うことが好ましい。
バス電極11が完全に除去されたTFT側ガラス基板2bは、表面の付着物が除去された素ガラスの状態であり、続くガラス回収工程においてガラスへとリサイクルすることができる。なお、ガラス基板からバス電極材料が除去され、ガラス基板が十分に洗浄されていることは、たとえば、エネルギー分散型X線分析装置を用いてガラス基板表面を分析することにより、確認することができる。また、プラズマ処理を施したガラス基板にスクレーピング、サンドブラスト、回転研磨等の機械的な処理を施すことにより、バス電極材料の残存をさらに少なくすることもできる。
〔4〕偏光板剥離工程
たとえば図2に示したように、各ガラス基板2a,2bの外面側に偏光板5が貼着された液晶パネル1の場合には、偏光板5を剥離する工程を含むことが好ましい(ステップS4)。なお、図1のフローチャートでは、この偏光板剥離工程(ステップS4)を電極剥離工程(ステップS3)とガラス基板選別工程(ステップS5)(後述)との間に行う場合を例示しているが、偏光板剥離工程は後述するガラス基板回収工程(ステップS6)の前のいずれかのステップで行えばよく、この順序に限定されるものではない。たとえば、パネル分離工程(ステップS1)の前、液晶およびインジウム回収工程(ステップS2)の前、電極除去工程(ステップS3)の前のいずれかに行うようにしてもよい。また、偏光板を有しない液晶パネルの場合には、この偏光板剥離工程を削除しても勿論よい。
偏光板5の剥離は、機械的な手法によって行うことができる。機械的な手法によって偏光板5を剥離することで、液晶回収前に当該偏光板剥離工程を行った場合(たとえば、上述のようにパネル分離工程(ステップS1)の前に行う場合、液晶およびインジウム回収工程(ステップS2)の前に行う場合)であっても、液晶を加熱処理しないため、加熱処理による液晶の変質を防止でき、液晶を高品質な状態で回収することが可能となる。偏光板5の剥離は、たとえば手作業で行ってもよく、また市販の偏光板剥離装置を用いるようにしてもよい。
〔5〕ガラス基板選別工程
次に、ガラス基板2a,2bをガラスの種類(品種)別に選別する(ステップS5)。なお、図1のフローチャートでは、このガラス基板選別工程(ステップS5)を偏光板剥離工程(ステップS4)とガラス基板回収工程(ステップS6)(後述)との間に行う場合を例示しているが、ガラス基板選別工程は後述するガラス基板回収工程(ステップS6)の前のいずれかのステップで行えばよく、この順序に限定されるものではない。たとえば、パネル分離工程(ステップS1)の前、液晶およびインジウム回収工程(ステップS2)の前、電極除去工程(ステップS3)の前、偏光板剥離工程(ステップS4)の前のいずれかに行うようにしてもよい。
液晶パネルに用いられるガラス基板は、ガラスメーカーによって、あるいはガラス品種、品番などによって組成が異なる。したがって、回収したガラス基板をたとえばガラス基板用の材料として再利用するためには、多種多様なガラス基板を品種別に選別することが必要となる。また、回収したガラス基板をたとえば一般ガラス用の材料として再利用する場合にも、ある程度、ガラス基板を品種別に選別することが要求される場合がある。
液晶パネルのガラス基板を品種別に選別する方法としては、たとえば、液晶パネルにガラス品種の表示を設けることによって行うことができる。ここで図14は、ガラス品種の表示を設ける場合を模式的に示す斜視図である。図14には、図2に示した例の液晶パネルの斜視図を示している。たとえば図14に示すように、ガラス基板2a,2bの少なくとも一方(図14に示す例では、カラーフィルタ側ガラス基板2a)に、ガラス品種表示201を設ける。ガラス品種表示201は、ガラス品種を印刷したシールなどを貼着したり、または文字・記号・バーコードなどの印刷もしくは刻印、または表面加工によってガラス基板に設けることが可能である。このガラス品種表示201を識別することで、ガラス基板を種類(品種)別に短時間で、確実に、かつ経済的に選別することができる。
また本発明においては、蛍光X線装置を用いて、液晶パネルのガラス基板のガラスを品種別に選別するようにしてもよい。この場合、具体的には、エネルギー分散型蛍光X線分析装置を用いガラス基板に軟X線を直接照射することが挙げられる。これにより、ガラス基板に含まれるそれぞれの元素に特有なエネルギーをもった蛍光X線が発せられる。この蛍光X線を蛍光X線センサにてエネルギーごとにカウントすることで、ガラス基板にどのような元素がどのような割合で含まれているかを測定(分析)する。ガラスの化学組成を品種ごとに予め調べておき、それらの値とガラス基板の測定値とを比較することにより、ガラス基板をガラス品種ごとに短時間で、確実に、かつ経済的に選別することができる。
〔6〕ガラス基板回収工程
次に、表面の付着物が除去されたガラス基板2a,2bからガラスを回収する(ステップS6)。回収の方法としては、たとえば、表面の付着物が除去されたガラス基板を液晶パネルの製造工程へ投入する方法、あるいは、ガラス基板2a,2bを破砕し、ガラスメーカーで同一用途に再生する方法、珪石代替材料やタイル材料として再資源化する方法などが挙げられる。
ガラス基板2a,2bを破砕し、リサイクルする具体的方法について以下に説明する。まず、ガラス基板2a,2bの破砕を行う。ガラス基板2a,2bは、上述したガラス基板選別工程(ステップS5)において既にガラス品種別に選別されており、単一の品種のガラス基板ごとに破砕する。ガラス基板2a,2bの破砕においては、市販の各種方式の破砕機を使用することができる。破砕機の種類は特に限定されるものではないが、塵の発生が少なく容易に破砕することができ、環境に悪影響を及ぼさず、かつ、ランニングコストが安価であるなどの観点から、2軸剪断方式の破砕機がより好ましい。該破砕機は、サイズの揃った破砕物が得られやすいこと、微粉末の発生比率が小さく、破砕物をガラスカレットとして最終的に再利用しやすいことなどの利点も有している。破砕のサイズは自由であるが、15mm以下が好ましい。
回収されたガラスカレットは、上述したガラス基板選別工程(ステップS5)において既にガラス品種別に選別されている。このため、回収されたガラスカレットは、単一の品種のガラスであり、かつ、ガラス基板用の原料ガラスと代わらない化学組成を有している。それ故、ガラスカレットを原料ガラスに添加混合することにより、または、原料ガラスに置き換えて、再使用(マテリアルリサイクル)することができる。再使用する際には、たとえば、ガラスカレットを原料ガラスと共に溶融炉で溶融させればよい。さらに、回収されたガラスカレットは、たとえば、一般ガラス用の材料として再使用することもできる。なお、ガラス基板2a,2bは、ガラスカレットの状態で回収されることで、その保管、運搬および再処理に必要なスペースを小さくすることができ、かつ、保管作業および運搬作業を容易に行うことができるという利点もある。このように本発明の液晶ガラス基板の回収方法では、ほとんど廃棄物を排出することなく、液晶、および透明導電膜中のインジウムを回収でき、ガラスについても再利用することができる。
以上のような本発明の方法によって回収された液晶、インジウムおよびガラスは、各種材料として再利用することができる。なお、本発明の方法は、上述したようにガラス基板分離工程(ステップS1)、液晶およびインジウム回収工程(ステップS2)、バス電極除去工程(ステップS3)およびガラス基板回収工程(ステップS6)を少なくとも含んでいればよく、図1のフローチャートに示した手順に限定されるものではなく、図1に示されていないステップが必要により付加されてもよい。
また本発明では、好ましくはバス電極除去工程にプラズマ処理を利用する。ここで、プラズマ発生の技術自体は、IC産業や電子部品産業の分野で実用化が進んでいる物質の分解や改質に関する技術として応用されている。しかしながら、本発明においては、当該プラズマ技術を液晶パネルのリサイクルの分野に応用しようとするものであり、具体的には表面に不純物が残存したガラス基板にプラズマを照射することにより、残存したバス電極材料を除去し、ガラス基板をリサイクルする方法である。このような着眼は、従来にはない、画期的なものである。
ここで、図15は、本発明の好ましい一例の装置301を模式的に示す図である。本発明は、廃液晶パネルからガラス基板を回収するために好適に用いられる装置についても提供するものである。本発明の装置は、液晶パネルから分離されたガラス基板をプラズマ処理する手段としてプラズマ発生装置を備えるものであれば特に制限されるものではないが、図15に示すような構成を備える装置301にて実現されることが好ましい。このような本発明の装置は、上述した本発明の方法におけるバス電極除去工程(ステップS3)に好適に利用され得る。
図15に示す例の装置301は、プラズマ発生装置302と、プラズマ発生装置302において発生したプラズマ309によって処理するためのガラス基板313を収容するための反応炉304とを備える。プラズマ発生装置302は、図13に示した例と同様に、たとえば円筒状金属で形成されたA電極と、その対となる金属棒状または線状のB電極とが一定の間隔をあけ、その間にB電極に密着して内側から覆う円筒状の誘電体を介在させるように配置されたトーチ303を備える。また、図13に示した例と同様に、A電極と誘電体との間には、原料ガスを供給するためのガス供給路が形成されている(図15において、A電極、B電極、誘電体およびガス供給路は図示していない)。図15に示す例では、プラズマ発生装置302のトーチ303に電源304が電気的に接続されており(図示しないが、電源304は、トーチ303内のA電極およびB電極に電気的に接続されている)、またトーチ303に所定の原料ガスを供給するガスボンベ311a,311bと、トーチ303に供給する原料ガスの流量を所定量に調整するガス弁312a,312bとガス供給路308とを基本的に備える(図示しないが、ガスボンベ311a,311bから供給された原料ガスは、ガス供給路308を通過し、トーチ303内のA電極と誘電体との間に形成されたガス供給路に供給されるように構成されている)。
図15に示した装置301を用いたプラズマ発生は、まず、ガスボンベ311a,311bよりガス弁312a,312bを介してトーチ103内のガス供給路に原料ガスを供給しつつ、電源304からトーチ303内のA電極およびB電極に電圧を印加することによって、プラズマ309を形成させる。このようにした発生したプラズマ309を、反応炉314内に載置されたガラス基板313に照射することで、ガラス基板表面に付着したバス電極材料などの不純物を除去し、ガラス基板表面を洗浄することが可能となる。
図15に示す例におけるプラズマ発生装置302でも、各電極および誘電体の形成材料、電源および原料ガスの種類、放電方式などは、図13に示したプラズマ発生装置101を例に挙げて説明したのと同様に、特に制限されるものではない。なお、図15に示す例の装置301では、原料ガスの供給は、たとえば、ガスボンベ311aより酸素ガスを、ガスボンベ311bより窒素ガスを供給することができるが、原料ガスの供給方法はこれに限定されるものではなく、従来公知の方法を適宜使用することができる。原料ガスの1つに空気を用いる場合には、送風機を用いて供給するようにしてもよい。
なお、図15に示した装置301はあくまでも一例であり、本発明の装置は、廃液晶パネルからガラス基板を回収するために用いられ、廃液晶パネルから分離されたガラス基板をプラズマ処理する手段としてプラズマ発生装置を備えるものであれば、その具体的構造は特に制限されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例>
図2に示したような15型の廃液晶パネル1について、以下の手順にて処理を行った。
〔1〕パネル分離工程(ステップS1)
廃液晶パネル1のシール樹脂体3を、ハロゲンランプにより450℃で30秒間加熱した後、手作業で2枚のガラス基板に分離した。
〔2〕液晶およびインジウム回収工程(ステップS2)
次に、分離した各ガラス基板2a,2bから、ポリプロピレン製のスクレーパを用いて、液晶を回収した。廃液晶パネルに含有されている液晶量は380mgであったのに対し、回収された液晶の量は346mgであり、91%という高い収率で液晶を回収できた。なお、液晶の定量分析にはガスクロマトグラフィを用いた。
次に、ステンレス製のスクレーパを使用し、カラーフィルタ側ガラス基板2aから、インジウムの回収を行った。残ったカラーフィルタ側ガラス基板2aの表面を蛍光X線で分析した結果、内面側の付着物は完全に除去されていることが確認できた。カラーフィルタ側ガラス基板2a上のカラーフィルタ6、反射防止膜7、透明導電膜8および配向膜9は完全に除去されていた。
次に、ステンレス製のスクレーパを使用し、TFT側ガラス基板2bから、インジウムの回収を行った。残ったTFT側ガラス基板2bの表面を蛍光X線で分析した結果、内面側には、バス電極11の形成材料であるタンタルのみが残存していた。
〔3〕電極除去工程(ステップS3)
次に、TFT側ガラス基板2bの内面側に残存するバス電極11の除去を行った。図15に示した例のプラズマ発生装置302を備える本発明の装置301を用い、縦10mm、横10mmのサイズに切断した液晶パネルディスプレイをサンプルとして、プラズマ処理の実験を行った。プラズマ発生装置は、負極であるA電極としてタングステン製電極、正極であるB電極としてSUS製電極を用い、誘電体として石英ガラスチューブ製のものを用いた(トーチ303の長さ:100mm、ノズル径:2mm、A電極−B電極間距離:2mm)。原料ガスとしては窒素ガスを用いた(総ガス流量:30リットル/分)。サンプルは、プラズマジェットのノズルとの間の距離が5mmとなるように配置した。電源304からの出力は、電圧値V+,V−が4kV、パルスの立ち上がり時間および立ち下がり時間が1μsec、パルス幅が2μsec、周波数が5kHz、電力が400Wとなるように設定した。このような条件で、プラズマ処理を5分間行った。さらに、プラズマ処理後のガラス基板2b表面をステンレス製のスクレーパを用いてスクレーピング処理した。
この電極除去工程を行う前にTFT側ガラス基板2bに付着していたバス電極材料であるタンタル量は0.23mgであったのに対し、電極除去工程を行った後にTFT側ガラス基板2bに付着していたタンタル量は検出限界以下であり、電解エッチングによってバス電極11の形成材料であるタンタルはほぼ完全にTFT側ガラス基板2bから除去されていることが確認された。なお、TFT側ガラス基板2bに付着しているタンタル量の定量分析には、当該TFT側ガラス基板2bから酸性の水溶液を用いて抽出したサンプルをICP発光装置を用いて分析した。
〔4〕ガラス基板回収工程(ステップS6)
上記〔2〕で得られたカラーフィルタ側ガラス基板2aおよび上記〔3〕で得られたTFT側ガラス基板2bを、2軸剪断方式の破砕機を用いて破砕し、ガラスカレットとして回収した。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
廃液晶パネルの埋立地への投棄量を極力抑え、資源を有効に利用することのできる液晶ガラス基板の回収方法および回収装置を提供することができる。
廃液晶パネルのガラス基板を回収する本発明の方法の好ましい一例を模式的に示すフローチャートである。 本発明の方法に供される典型的な一例の液晶パネル1を模式的に示す断面図である。 図2に示した例の液晶パネル1のカラーフィルタ側ガラス基板2aおよびその周辺を一部拡大して示す断面図である。 図2に示した例の液晶パネル1のTFT側ガラス基板2bおよびその周辺を一部拡大して示す断面図である。 本発明における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、液晶の回収方法の一例を模式的に示す図である。 本発明における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、カラーフィルタ側ガラス基板2a側の薄膜の除去方法の第1の例を模式的に示す図である。 本発明における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、TFT側ガラス基板2b側の薄膜の除去方法の第1の例を模式的に示す図である。 図7に示したようにスクレーピングを行った後の状態のTFT側ガラス2bを模式的に示す断面図である。 本発明における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、カラーフィルタ側ガラス基板2a側の薄膜の除去方法の第2の例を模式的に示す図である。 本発明における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、TFT側ガラス基板2b側の薄膜の除去方法の第2の例を模式的に示す図である。 本発明における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、カラーフィルタ側ガラス基板2a側の薄膜の除去方法の第3の例を模式的に示す図である。 本発明における液晶およびインジウム回収工程に好適に採用され得る、TFT側ガラス基板2b側の薄膜の除去方法の第3の例を模式的に示す図である。 本発明における電極除去工程に用いられる好ましい一例のプラズマ発生装置101を模式的に示す図である。 ガラス品種の表示を設ける場合を模式的に示す斜視図である。 本発明の好ましい一例の装置301を模式的に示す図である。
符号の説明
1 液晶パネル、2a ガラス基板(カラーフィルタ側ガラス基板)、2b ガラス基板(TFT側ガラス基板)、3 シール樹脂体、4 液晶層、5 偏光板、6 反射防止膜、7 カラーフィルタ、8 透明導電膜、9 配向膜、10 画素電極、11 バス電極、21 液晶回収用のスクレーパ、31,41 薄膜除去用のスクレーパ、51,61 ブラストガン、71,81 研磨パッド、101,302 プラズマ発生装置、103,303 トーチ、104,304 電源、105 A電極、106 B電極、107 誘電体、108,308 ガス供給路、109,309、プラズマ、201 ガラス品種表示、301 液晶ガラス基板の回収装置、311a,311b ガスボンベ、312a,312b ガス弁、313 ガラス基板、314 反応炉。

Claims (3)

  1. 廃液晶パネルからガラス基板を回収する方法であって、
    貼り合わされた2枚のガラス基板を分離するガラス基板分離工程と、
    分離されたガラス基板上の液晶およびインジウムを回収する液晶およびインジウム回収工程と、
    液晶およびインジウムを回収した後の液晶ガラス基板からバス電極材料を除去する電極除去工程と、
    バス電極を除去した後のガラス基板を回収するガラス基板回収工程とを含む、方法。
  2. 前記電極除去工程が、プラズマ処理によって、ガラス基板に付着した電極材料を除去する工程であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 廃液晶パネルからガラス基板を回収するために用いられる装置であって、廃液晶パネルから分離されたガラス基板をプラズマ処理する手段として、プラズマ発生装置を備える、装置。
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