JP2008216077A - 染色組織標本の陽性細胞の自動検出法 - Google Patents

染色組織標本の陽性細胞の自動検出法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008216077A
JP2008216077A JP2007054606A JP2007054606A JP2008216077A JP 2008216077 A JP2008216077 A JP 2008216077A JP 2007054606 A JP2007054606 A JP 2007054606A JP 2007054606 A JP2007054606 A JP 2007054606A JP 2008216077 A JP2008216077 A JP 2008216077A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
positive cell
positive
density
detected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007054606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4944641B2 (ja
Inventor
Makoto Wada
真 和田
Shigeru Kitazawa
茂 北澤
Tatsuki Taniguchi
達樹 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IVIS Inc
Juntendo University
Original Assignee
IVIS Inc
Juntendo University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IVIS Inc, Juntendo University filed Critical IVIS Inc
Priority to JP2007054606A priority Critical patent/JP4944641B2/ja
Publication of JP2008216077A publication Critical patent/JP2008216077A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4944641B2 publication Critical patent/JP4944641B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】細胞が密集して存在する領域においても、精度良く染色陽性細胞数を定量解析する新たな方法の提供。
【解決手段】染色された組織標本を撮像し、得られた画像をコンピュータにより処理して染色陽性細胞を検出する方法であって、(1)画像の最も輝度分布の多い濃度を背景濃度として検出して標準化を行う工程、(2)画像の最も高い濃度より低濃度側に閾値を設定し、該一定の閾値まで、高濃度側から低濃度側へ検出閾値を徐々に変動させて、各閾値で初めて検出される陽性細胞像のみを陽性細胞像として選択する工程を含み、前記工程(2)は、(a)検出閾値以上に染色された領域を検出する工程と、(b)検出された領域のうち、一定の大きさの細胞が染色された部分のみを陽性細胞像として選択する工程と、(c)検出された陽性細胞像の数及び重心の座標を記録する工程とを含むことを特徴とする染色された組織標本の陽性細胞の検出方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、組織学、病理学の分野における染色された組織標本における陽性細胞を客観的に定量するための方法に関する。
組織学、病理学の分野において、組織標本を免疫学的手段やハイブリダイゼーション等により染色し、その陽性細胞を定量解析することは、これらの分野における研究手段として、また病理学的診断の手段として極めて重要であり、広く実施されている。陽性細胞数の定量については、画像から実験者自ら設定した領域について、計数するという方法が用いられている(非特許文献1、2)。
Perrotti et al,J.Neuroscience,24(47):10594−10602(2005) Lai et al,J.Neuroscience,25(49):11239−11247(2005)
しかしながら、従来の定量方法では、実験者自らが設定した領域のみを定量するので、実験者が注目していない場所のデータを得ることができない、得られるデータは計数データのみであり設定した領域内の空間の情報が失われてしまうという問題があった。
そこで、本発明者は、染色された組織標本における陽性細胞数を定量解析するにあたり、画像処理工程において一定の閾値以上に染色された領域の検出に加えて、細胞の大きさによる検出を組み合せて染色陽性細胞を検出し、さらに陽性細胞像を擬似カラー化して陽性細胞密度として検出し、さらにその着色像を標準化するとともに、複数の標本を用いて平均値によるマップを作成することにより、領域設定が客観的になるとともに標準化と平均値マップの作成により空間情報を維持した上での定量データが可視化できることを見出し、先に出願した(特願2006−13465)。この方法により、標本の領域設定及び定量がコンピュータにより自動的にでき、かつ複数の標本のデータが同時に解析できるため一点だけのデータでなく空間情報を加味したデータの可視化が可能となった。
しかし、細胞密度が高い領域(>800/mm2)では、細胞の重なりが測定誤差の要因となり、正確に染色陽性細胞を検出できず、細胞密度が高い領域に関して云えば測定した染色陽性細胞の計数値は信頼性の低いものであった(Wada et al., Neuroscience Research, 56: 96-102 2006)。
したがって、本発明の目的は、細胞が密集して存在する領域においても、精度良く染色陽性細胞数を定量解析する新たな方法を提供することにある。
本発明者は、染色された組織標本を撮像した画像における染色陽性細胞の検出方法について種々検討したところ、取り込んだ画像の最も高い濃度(低輝度)より低濃度(高輝度)側に閾値を設定し、該一定の閾値まで、高濃度側から低濃度側へ検出閾値を徐々に変動させて、各閾値で初めて検出される陽性細胞像のみを陽性細胞像として検出することにより、細胞同士の重なりの見られるような高密度の領域であっても、従来の方法に比較して極めて高感度で陽性細胞を検出できることを見出した。
すなわち、本発明は、染色された組織標本を撮像し、得られた画像をコンピュータにより処理して染色陽性細胞を検出する方法であって、(1)画像の最も輝度分布の多い濃度を背景濃度として検出して標準化を行う工程、(2)画像の最も高い濃度より低濃度側に閾値を設定し、該一定の閾値まで、高濃度側から低濃度側へ検出閾値を徐々に変動させて、各閾値で初めて検出される陽性細胞像のみを陽性細胞像として選択する工程を含み、前記工程(2)は、(a)検出閾値以上に染色された領域を検出する工程と、(b)検出された領域のうち、一定の大きさの細胞が染色された部分のみを陽性細胞像として選択する工程と、(c)検出された陽性細胞像の数及び重心の座標を記録する工程とを含むことを特徴とする染色された組織標本の陽性細胞の検出方法を提供するものである。
また、本発明は、前記工程(2)により選択された各閾値における陽性細胞像の計数値を合計して、撮像した組織標本中における陽性細胞の計数値として採用する染色された組織標本の陽性細胞の計数方法を提供するものである。
本発明によれば、細胞が密集して存在する領域においても、精度良く染色陽性細胞を自動検出できる。また、本発明によれば、組織全体で陽性細胞数の計数を行うことや、複数グループ間の統計比較も容易にできるので、実験者の意図しない領域の組織変化等を明瞭にかつ客観的に観察できる。さらに、病理診断の現場においてもこの方法を適用することで、客観的な診断が可能になる。また、本発明方法は、stereologyを利用した細胞計数や核医学等における粒子解析での定量へ応用することも可能である。
本発明においては、まず、染色された組織標本を撮像し、得られた画像をコンピュータに入力する。ここで、組織標本としては、ヒトを含む動物、植物等の生体組織から採取した組織標本が用いられる。例えば、臓器全体像の凍結切片、手術により摘出した組織の切片等が挙げられる。また、染色手段としては、細胞核や細胞体のみが濃染する対象に対する免疫染色、in situ hybridizationあるいは、核染色等が挙げられる。撮像には、顕微鏡と撮像装置を用いるのが好ましい。撮像装置としては、例えばカラーCCDカメラ等のディジタル画像撮影が行えるカメラが用いられる。撮像装置により得られた画像は、ディジタル信号の画像データに変換されたコンピュータに送られる。
コンピュータによる画像処理は、入力装置、表示装置及びコンピュータにより行われる。
入力装置は、本発明方法の実施に関する指示入力の受付、各種文字及び記号を含むデータの入力等を行うための装置である。具体的には、前述した指示、データ等の入力に用いることができる、キーボード、マウス、タッチパネル、音声入力機器等の機器の組合せにより構成される。
表示装置は、メニュー画面、操作画面、指示画面等の他、取得した画像、計測結果、着色像等の表示を行うためのものである。具体的には、液晶、プラズマ等のフラットパネルディスプレイ、CRT等の表示管により画像の表示が行える装置が用いられる。この他に、拡大投影表示するための、スライドプロジェクタ等を接続することもできる。
コンピュータは、中央処理ユニット(CPU)と、メモリと、補助記憶装置とを有する。補助記憶装置には、CPUが実行するプログラム群、各種データ等が格納される。
以下の画像処理は、すべてコンピュータ上で行われる。
まず、染色された組織標本を撮像して得られた画像(図1)から、輝度分布を調べ、(1)最も輝度分布の多い濃度を背景濃度として検出してこれを最高値(例えば、8Bitの場合は255)とする標準化を行う(図2)。この操作は、例えばMATLABソフトウェア上で画像を行列データとして表現し、演算処理を加える事により行うことができ、これにより、細胞の検出条件を合わせるが可能となる。
この際、画像にバックグラウンドの染めムラ等ノイズが認められるときには、予め公知の画像処理ソフトウェア(NIH−image)等を用いて取り除いておくことが好ましい。
次に、(2)画像の最も高い濃度(輝度0/255)より低濃度側(高輝度側)に閾値を設定し、該一定の閾値まで、高濃度側から低濃度側へ検出閾値を徐々に変動させて、それぞれの閾値で陽性細胞を検出する。検出閾値は、一定の閾値までの間に1〜20程度の間隔、すなわち「0,20,40,60,80,100,120」(20間隔)といった具合に設定されるが、その変動の割合や設定数は、切片の状況、コンピュータの処理速度と検出精度の兼ね合いによって適宜決めることが可能である。
ここで、一定の閾値(最終検出閾値)は、実験者の経験から通常判断される閾値でよいが、背景値を基準にその半分から2/3程度(背景値が255の場合は120〜160程度)の濃度とするのが好ましい。
各閾値における陽性細胞の検出は、次のように行われる。
画像から、(a)検出閾値以上に染色された領域を検出する。この操作は、例えばMATLABソフトウェア上で行列データとして表現された画像から一定の数値以上のデータを選び出してくる操作を行うことで実現可能である。
この際、標本中のゴミや切片の傷などのノイズのデータへの混入を防ぐために、陽性細胞としてふさわしい(b)サイズの一定の大きさの細胞が染色された部分のみを陽性細胞として選択する。この部分のみを陽性像と判定する。ここで、一定の大きさの細胞の選択は、細胞サイズの大きさ、又は細胞核の大きさで判定することができる。この操作は、例えばMATLABソフトウェアに付加することができるimage processing toolboxに含まれる選択領域の面積を計算するライブラリ関数を利用することで実現できる。このようにして計算した各領域の面積のうち一定の範囲内のもののみを陽性細胞像として選び出すことが可能である。
次に、(c)検出された陽性細胞像の数及び重心の座標を記録する。この操作は、例えばMATLABソフトウェア上で画像と等しいサイズの空行列を用意し、重心の座標に一致した箇所にのみ数値を代入し変数として記録を行うことで実現可能である。
同様の操作を次の検出閾値においても行い、その閾値での陽性細胞を検出する。その際、既に検出され記録された陽性細胞像の重心座標を含む陽性領域を省いて、その閾値で初めて検出された陽性細胞像のみを陽性細胞像として選択する。これにより、細胞同士が重なりあう高密度の領域であっても、正確に陽性細胞を検出できる。
以上のようにして各閾値で検出された陽性細胞像の計数値の合計を計算して、その領域における計数値として採用する。
複数の濃度の閾値を元に分析を行うことで、従来の2値化による検出法と比較して、薄い像や細胞密度の高い領域であっても高精度に陽性細胞を自動検出できるので、組織全体で陽性細胞計数を行ったり、複数の個体のデータを合算してグループ比較を行ったりでき、細胞数の微妙な変化も検出可能である。また、本発明の検出法により検出した陽性細胞を特願2006−13465に記載の方法により可視化解析することや、本発明の方法をstereology等を利用した細胞計数、核医学等における粒子解析での定量等へ応用することも可能である。
本発明の方法を用いて検出された染色陽性細胞を、特願2006−13465に記載の方法により可視化解析する場合は、次のように行う。
すなわち、(3)画像を碁盤目状のピクセルに区切り、各ピクセル内の陽性細胞密度を測定する(図7(A))。この陽性細胞密度の計数は、計数ソフトウェアにより自動的に行われる。各ピクセルの大きさは、例えば示した例の場合、200μmブロックによって9等分とすることができる。この操作は、例えば、MATLABソフトウェアに付加することができるimage processing toolboxに含まれるライブラリ関数群によって実現できる。選択領域の重心を計算する関数によって各領域を1点で表すように変換し、この変換データに対してブロックごとに任意の数値演算を行うことが可能な関数によってブロック内の平均値を求めることで陽性細胞密度を計算することができる。
(4)各ピクセルを、陽性細胞密度に応じた擬似カラーを付し(図7(B))、組織標本全体の着色像を得る(図8)。これにより、組織標本全体で陽性細胞密度の高い領域がスクリーニングでき、それを着色で可視化した画像が得られる。この操作は、例えば、MATLABソフトウェアに含まれる画像データを任意のカラーマップによって表示する機能によって実現できる。
しかし、前記工程(4)で得られた画像は1個体1切片の結果である。全体の傾向をするには複数の切片、複数の個体から得られたデータを平均化する必要がある。しかし組織標本は、個体、条件によって形状が微妙に異なるので、そのままの形では複数の標本の画像と重ねあわせることができない。そこで、(5)組織標本全体の形状を既知の組織標本形状に合わせて標準化を行う工程が必要となる。この標準化は、既知の組織標本形状のデータ、例えば既知の脳地図のデータ(非特許文献2)をもとに、前記(4)の着色像を回転、拡大、縮小等を行って、データの標準化を行う(図9)。この標準化により、(4)で得られた着色画像を他の標本の画像と重ねあわせて平均値マップを作成可能なもととなる。この操作は、例えばMATLABソフトウェアに付加することができるimage processing toolboxに含まれるライブラリ関数群によって実現できる。任意の領域を選択する関数により切片全体像を選び出し、これを楕円に近似して特徴抽出する関数により長軸と短軸、回転角度を算出する。この値に基づき画像操作を行う関数により変換することで標準化データを得ることができる。MATLABソフトウェア上でこの情報は行列データとして表現されており、行列演算という形で各々のマップから平均値マップを計算することが可能である。
(6)複数の個体由来の組織標本について、前記(1)〜(5)の操作を行い、得られた複数の組織標本についての着色像の平均値マップを得る。これは、複数の個体由来の組織標本についての着色像を重ねあわせて、各ポイントごとの平均値を求め、それをマップ化すればよい(図10(A)及び(B))。
さらに、(7)複数の条件の個体群について、前記(1)〜(6)の操作を行い、群間の比較を行えば、群間の比較が可能である。図10(A)及び(B)は、異なる実験操作を行った群についての着色像である。図10(A)及び(B)では、陽性細胞密度が大きく異なる領域が腹側に存在することが判る。また、陽性細胞密度は、擬似カラー化されているが、定量化されており、定量解析もできる。ここで、組織標本の数は、統計学的有意差検定できる数、例えば5以上が好ましい。
さらに、群間比較の結果を、統計的パラメータとして数値化し、各ピクセルに擬似カラーを付せば、有意差検定で有意差があった部分のみを可視化することもできる。例えば、図10(B)のデータをもとに有意差がある部分(t検定)を擬似カラー化した図が図11である。図11によれば、右下の部分のみが、有意に陽性細胞が存在する部分であることがわかる。この操作は、例えばMATLABソフトウェアに含まれるt検定を行うための関数により実現できる。計算した統計量を対数値に変換する関数を利用し、前記工程(4)に記した方法で計算結果を可視的に表示することが可能である。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、画像解析をプログラミング上で表現する手段としてMATLABソフトウェアを用いた。
実施例1
(1)図3−Aに示すように、図の直線下(黄色)に4つの陽性細胞が目視可能である。しかしながら、従来の2値化による検出法では、この4つの細胞を分離検出することは極めて困難である。また、閾値を高濃度側(輝度0側)に設定すれば、グラフ左に示す比較的低濃度に染色された細胞像を検出できず、他方、閾値を低濃度側に設定すれば、グラフ右に示す密集する細胞像が一つに融合されてしまい、個々を検出できない。本発明は、高濃度側より複数設定した閾値においてそれぞれ陽性細胞を検出することで、検出精度の向上を実現している。
(2)神経細胞に特異的な標識蛋白NeuNに対する免疫染色を行った組織標本(マウス脳)に対して本発明を適用し、神経細胞核の自動検出を行った。具体的には、取り込んだ画像から検出した背景値を最高輝度(255)として標準化し、最終検出閾値を140に設定し、閾値20、40、120及び140でそれぞれ陽性細胞を検出した(図3−B)。比較例1として、閾値120でのみ陽性細胞を検出した。
検出された陽性細胞像を計数したところ、比較例1では41であり、目視による場合の50%程度の計数値だったのに対し(図4左)、本発明の検出法によれば66であり、目視による場合の85%程度の検出が可能であった(図4右)。
実施例2
(1)実施例1と同様の組織標本(マウス脳)に対して本発明を適用し、神経細胞核の自動検出を行った。具体的には、標準化された背景値255に対して、最終検出閾値を160に設定し、閾値0、20、40、60、80、100、120、140、160でそれぞれ陽性細胞像を検出した。各閾値では面積2ピクセル以上の像を陽性細胞像と判定した。また、比較例2として、閾値120又は閾値160の各1点のみで陽性細胞像を検出した。
結果を図5A、Bに示す。図中、赤い丸は本発明の検出法によって検出された陽性細胞像を示し、青い丸は従来の2値化(比較例2)によって検出された陽性細胞像を示す。図5から明らかなように、薄い像や細胞が融合して1つになってしまったりした領域においても本発明の検出法により細胞像を分離でき、正確な陽性細胞像のカウントが可能であった。
(2)また、切片像から任意に抽出した100×100μmの領域で目視(×20対物レンズ想到の解像度での計数)により陽性細胞像を計数し、前記自動検出法(閾値0〜160)及び従来の2値化(閾値120又は160)による検出法と比較した。その結果、図5Cに示すように、従来の2値化による検出法では細胞が20個を超えた密集領域になると目視に比して精度が大幅に低下するのに対し、本発明の検出法では目視の結果と強く相関しており、回帰直線が示すとおり、細胞が密集した領域であっても平均して目視の90%程度の値を確保していた。なお、実施例では比較的低解像度(対物×4に相当する1pixel=2.5μm)による解析を行ったが、解析画像の解像度は任意に設定可能である。
(3)前記NeuN染色切片のうち細胞が密集している領域(図6(A)中黒三角で示す領域;皮質IV層)の画像を取り込み(1pixel=2.5μm)、前記自動検出法(閾値0〜160)と従来の2値化による検出法(閾値120)でそれぞれ染色陽性細胞を検出した。
特願2006−13465に記載の方法を適用して、取り込んだ画像を100×100μmの領域(40×40ピクセル)に区切り、各領域内の陽性細胞密度を計測した。計測した結果は、陽性細胞密度の高い領域を赤〜黄とした擬似カラーとして陽性細胞密度マップとして表示した。
従来の2値化による検出法により検出され作成された陽性細胞密度マップを図6(B)に示し、本発明の検出法によって検出され作成された陽性細胞密度マップを図6(C)に示す。従来の2値化による検出法では、黒三角で示した領域は細胞密度が高いにもかかわらず、正しく認識できなかった(図6(B))。他方、本発明の検出法によれば、従来の方法ではうまく検出できなかった高密度の領域でも個々の細胞が検出できた(図6(C))。結果として、大脳皮質の層構造による神経細胞密度の違いを示す事が可能となった。
神経細胞に特異的な標識蛋白NeuNに対する免疫染色を行った組織標本(ラット脳)の染色陽性細胞像を示す図である。グラフ中の矢印は、細胞密度の高い領域での測定誤差を示す。 染色された組織標本を撮像して得られた画像(左)と、画像のうち最も輝度分布の多い濃度を背景濃度として自動検出して標準化した画像(右)を示す図である。 本発明の陽性細胞検出法の概念図を示す図である。 各検出閾値において神経細胞核(NeuN)を自動検出した図である。 従来の2値化による検出法により検出された陽性細胞像(左)と、本発明の検出法により検出された陽性細胞像(右)を計数した結果を示す図である。 (A)閾値120で検出された陽性細胞像を計数した結果(青丸)と、本発明の検出法により検出された陽性細胞像を計数した結果(赤丸)を示す図である。(B)閾値160で検出された陽性細胞像を計数した結果(青丸)と、本発明の検出法により検出された陽性細胞像を計数した結果(赤丸)を示す図である。(C)従来の2値化による検出法により検出された陽性細胞像の計数値と、本発明の検出法により検出された陽性細胞像の計数値とを、それぞれ目視による計数値と比較したグラフである。 (A)NeuN染色切片の画像を示す図である。(B)従来の2値化による検出法により検出され、作成された陽性細胞密度マップを示す図である。(C)本発明の検出法により検出され、作成された陽性細胞密度マップを示す図である。 (A)画像をピクセルに区切り、ピクセル内の陽性細胞密度を計測した結果の一例を示す図である。(B)iba−1陽性細胞密度に応じた擬似カラーを付した状態の一例を示す図である。 切片全体についてiba−1陽性細胞密度の高い領域が可視化された状態の一例を示す図である。 データの標準化を行った画像の一例を示す図である。 (A)複数の個体由来の組織標本の着色像の平均値マップの一例を示す図である(統制群)。(B)複数の個体由来の組織標本の着色像の平均値マップの一例を示す図である(薬物投与群)。 t−検定によりP値に基づいて擬似カラー化した画像の一例を示す図である(P<0.01)。

Claims (5)

  1. 染色された組織標本を撮像し、得られた画像をコンピュータにより処理して染色陽性細胞を検出する方法であって、(1)画像の最も輝度分布の多い濃度を背景濃度として検出して標準化を行う工程、(2)画像の最も高い濃度より低濃度側に閾値を設定し、該一定の閾値まで、高濃度側から低濃度側へ検出閾値を徐々に変動させて、各閾値で初めて検出される陽性細胞像のみを陽性細胞像として選択する工程を含み、前記工程(2)は、(a)検出閾値以上に染色された領域を検出する工程と、(b)検出された領域のうち、一定の大きさの細胞が染色された部分のみを陽性細胞像として選択する工程と、(c)検出された陽性細胞像の数及び重心の座標を記録する工程とを含むことを特徴とする染色された組織標本の陽性細胞の検出方法。
  2. 前記工程(2)により選択された各閾値における陽性細胞像の計数値を合計して、撮像した組織標本中における陽性細胞の計数値として採用する染色された組織標本の陽性細胞の計数方法。
  3. 請求項1記載の方法により検出された染色陽性細胞を可視化して解析する方法であって、(3)得られた画像を碁盤目状のピクセルに区切り、各ピクセル内の陽性細胞密度を測定する工程、(4)陽性細胞密度に応じた擬似カラーを付し、組織標本全体の着色像を得る工程、(5)組織標本全体の形状を既知の組織標本形状に合わせて標準化を行う工程、及び(6)複数の個体由来の組織標本について前記(1)〜(5)の操作を行い、複数の組織標本についての着色像の平均値マップを得る工程を含む、染色された組織標本の陽性細胞の可視化解析方法。
  4. さらに、(7)複数の条件の個体群について前記(1)〜(6)の操作を行い、群間の比較を行うことを特徴とする請求項3記載の染色された組織標本の陽性細胞の可視化解析方法。
  5. さらに、群間比較の結果を、統計的パラメータとして数値化し、各ピクセルに擬似カラーを付すことを特徴とする請求項4記載の染色された組織標本の陽性細胞の可視化解析方法。
JP2007054606A 2007-03-05 2007-03-05 染色組織標本の陽性細胞の自動検出法 Expired - Fee Related JP4944641B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007054606A JP4944641B2 (ja) 2007-03-05 2007-03-05 染色組織標本の陽性細胞の自動検出法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007054606A JP4944641B2 (ja) 2007-03-05 2007-03-05 染色組織標本の陽性細胞の自動検出法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008216077A true JP2008216077A (ja) 2008-09-18
JP4944641B2 JP4944641B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=39836284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007054606A Expired - Fee Related JP4944641B2 (ja) 2007-03-05 2007-03-05 染色組織標本の陽性細胞の自動検出法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4944641B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014085950A (ja) * 2012-10-25 2014-05-12 Dainippon Printing Co Ltd 細胞挙動解析装置、細胞挙動解析方法、及びプログラム
CN110956605A (zh) * 2018-09-27 2020-04-03 艾托金生物医药(苏州)有限公司 基于蛋白抗体试剂的***细胞学检测算法
CN112673249A (zh) * 2018-10-10 2021-04-16 Ckd株式会社 检查装置、ptp包装机和ptp片的制造方法
CN113903030A (zh) * 2021-10-12 2022-01-07 杭州迪英加科技有限公司 一种基于弱监督学习的液基细胞病理图像生成方法
WO2023276254A1 (ja) * 2021-06-29 2023-01-05 ソニーグループ株式会社 情報処理装置、顕微鏡システム、及び情報処理方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02269967A (ja) * 1989-04-12 1990-11-05 Hitachi Ltd 細胞観察方法及び細胞観察システム
JP2004286666A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Olympus Corp 病理診断支援装置および病理診断支援プログラム
JP2005258940A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 画像認識方法及び画像認識装置
JP2005283490A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Japan Tobacco Inc 小核自動計数プログラム、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び小核自動計数装置
JP2006506635A (ja) * 2002-11-18 2006-02-23 キネテイツク・リミテツド 有糸***活性の測定
JP2006507579A (ja) * 2002-11-21 2006-03-02 キネテイツク・リミテツド 核多形性の組織学的評価
JP2006314214A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Olympus Corp 細胞観察装置、細胞観察方法、及び細胞観察プログラム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02269967A (ja) * 1989-04-12 1990-11-05 Hitachi Ltd 細胞観察方法及び細胞観察システム
JP2006506635A (ja) * 2002-11-18 2006-02-23 キネテイツク・リミテツド 有糸***活性の測定
JP2006507579A (ja) * 2002-11-21 2006-03-02 キネテイツク・リミテツド 核多形性の組織学的評価
JP2004286666A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Olympus Corp 病理診断支援装置および病理診断支援プログラム
JP2005258940A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 画像認識方法及び画像認識装置
JP2005283490A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Japan Tobacco Inc 小核自動計数プログラム、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び小核自動計数装置
JP2006314214A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Olympus Corp 細胞観察装置、細胞観察方法、及び細胞観察プログラム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014085950A (ja) * 2012-10-25 2014-05-12 Dainippon Printing Co Ltd 細胞挙動解析装置、細胞挙動解析方法、及びプログラム
CN110956605A (zh) * 2018-09-27 2020-04-03 艾托金生物医药(苏州)有限公司 基于蛋白抗体试剂的***细胞学检测算法
CN112673249A (zh) * 2018-10-10 2021-04-16 Ckd株式会社 检查装置、ptp包装机和ptp片的制造方法
CN112673249B (zh) * 2018-10-10 2024-06-04 Ckd株式会社 检查装置、ptp包装机和ptp片的制造方法
WO2023276254A1 (ja) * 2021-06-29 2023-01-05 ソニーグループ株式会社 情報処理装置、顕微鏡システム、及び情報処理方法
CN113903030A (zh) * 2021-10-12 2022-01-07 杭州迪英加科技有限公司 一种基于弱监督学习的液基细胞病理图像生成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4944641B2 (ja) 2012-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rangan et al. Quantification of renal pathology by image analysis (Methods in Renal Research)
US9298968B1 (en) Digital image analysis of inflammatory cells and mediators of inflammation
JP4532261B2 (ja) 生物学的試料のための光線画像分析
US10083340B2 (en) Automated cell segmentation quality control
JP2017511473A (ja) 画像を処理して解析するための検査装置
JP6235886B2 (ja) 生体組織画像の再構成方法及び装置並びに該生体組織画像を用いた画像表示装置
JP5878981B2 (ja) 医療診断支援のための画像評価装置、医療診断支援システムおよびその操作制御方法
Cordelieres et al. Experimenters' guide to colocalization studies: finding a way through indicators and quantifiers, in practice
JPWO2008108059A1 (ja) 乳癌病理画像診断支援システム、乳癌病理画像診断支援方法、乳癌病理画像診断支援プログラム、及び、乳癌病理画像診断支援プログラムを記録した記録媒体
JP2019211468A (ja) 画像処理方法、薬剤感受性試験方法および画像処理装置
JP4791900B2 (ja) 画像処理装置および画像処理プログラム
JP5442542B2 (ja) 病理診断支援装置、病理診断支援方法、病理診断支援のための制御プログラムおよび該制御プログラムを記録した記録媒体
JP4944641B2 (ja) 染色組織標本の陽性細胞の自動検出法
WO2019230447A1 (ja) 画像処理方法、薬剤感受性試験方法および画像処理装置
US20180011000A1 (en) Methods for quantitative assessment of muscle fibers in muscular dystrophy
JP7026694B2 (ja) 画像解析装置、方法およびプログラム
CN108352062A (zh) 用于组织识别的方法和设备
JP6355082B2 (ja) 病理診断支援装置及び病理診断支援方法
WO2017171720A1 (en) Digital image analysis of inflammatory cells and mediators of inflammation
JP7114323B2 (ja) 医用情報処理システム及び医用情報処理装置
KR101559798B1 (ko) 디지털 병리학의 이미지 표준화 방법
JP6039132B2 (ja) 複合媒質からなる試片に対するx線ct画像の最小単位に存在する各純粋媒質の体積比の測定方法
US11776115B2 (en) System and method for estimating a quantity of interest based on an image of a histological section
EP2927684B1 (en) Image measuring device and image measuring method
Ulaganathan et al. A clinicopathological study of various oral cancer diagnostic techniques

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090508

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees