JP2008215538A - 真空断熱材 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉体の飛散を抑制するために粉体を強固な成形体とする場合においても、断熱性能に優れた真空断熱材を提供することを目的とする。
【解決手段】真空断熱材1は、芯材2を外被材3で覆い外被材3の内部を減圧密封した真空断熱材1であって、芯材2が、少なくともシリカ粉体4と無機繊維5とを含む混合粉体を、それぞれの軟化点未満で水の沸点以上の温度での加熱成形で、無機繊維5を加圧状態で塑性変形させると共にシリカ粉体4を結合させることで、密度を100kg/m以上240kg/m以下としたものであり、芯材2は成形体の形状を確保し、高密度化することなく強固な成形体を得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空断熱材に関するものである。
真空断熱材の芯材としては、繊維系、粉体系、発泡樹脂系などの多孔体が用いられる。このうち、粉体系は微細な空隙を有することから内圧依存性に優れるために、長期に渡って断熱性能が要求される場合や比較的高温となる用途に適用されることが多い。
しかし、粉体を内袋に封入して使用しなければならないため、内袋が必要な分だけコストUPになる。また、廃棄時には粉が飛散し、作業環境が悪くなるという問題がある。ゆえに、それらを改善するために粉体を成形するという手段がある。
従来、粉体を成形体とする技術として、湿式法によって得られる超微粒子シリカと繊維材料を混合、圧縮した成形体を芯材とした真空断熱材がある(例えば、特許文献1参照)。
従来の真空断熱材は、低熱伝導率で耐圧縮性に優れた超微粒子シリカ成形体を支持材とすることによって、軽量で断熱性能に優れているものであった。
特開昭61−250481号公報
しかしながら、従来の成形体は、密度が220〜460kg/mと記載されているが、低密度では手で持つことができないほどの強度しかなく、ぼろぼろに崩れてしまう。崩壊の原因はおそらく、粉同士や粉と繊維の接触面積が小さいことと繊維のスプリングバックが抑制できないことが原因であると考える。また、密度を250kg/m以上にまで上げるとハンドリングが可能になるが、高密度化すると断熱性能が悪化してしまうという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、粉体の飛散を抑制するために粉体を強固な成形体とする場合においても、断熱性能に優れた真空断熱材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の真空断熱材は、芯材が、少なくともシリカ粉体と無機繊維とを含む混合粉体を、それぞれの軟化点未満で水の沸点以上の温度での加熱成形で、前記無機繊維を加圧状態で塑性変形させると共に前記シリカ粉体を結合させることで、密度を100kg/m以上240kg/m以下としたのである。
粒子径の小さい粉体を芯材として使用すれば、熱接触抵抗が大きくなるため良好な初期断熱性能が得られ、また微細な空隙を形成するために良好な経時断熱性能が得られる。シリカ粉体は、平均一次粒子径がナノオーダーである粉体の中でもコストが安いために、芯材として使用するには望ましい材料である。
粉体を成形する場合にも、シリカは表面に多数の水酸基を有するために成形体の強度が向上しやすい。また、繊維が無機の繊維であることによって、アウトガスを抑制するだけでなく、シリカ粉体との親和性が高いことで成形体強度がより向上する。
またこのとき、成形体強度を確保するためには高密度化するのが一般的な方法であるが、成形方法を加熱プレスという手段にすることによって、無機繊維が塑性変形することと、シリカ粉体が結合することにより、繊維のスプリングバックを抑制することで形状を確保するために、高密度化することなく強固な成形体を得ることができる。
本発明の真空断熱材は、芯材が内圧依存性に優れた粉体系であるため、長期に渡って断熱性能を確保することができる。また、シリカ粉体と無機繊維とからなる成形体は相互の親和性が高く、また、さらに加熱成形することで、塑性変形した無機繊維を、結合したシリカ粉体が保持することによって、常温で成形を行った場合よりも成形体強度が向上するためにハンドリング性が向上し、また、廃棄時の粉の飛散を抑制できる。
さらに成形体からの粉落ちが抑制できるために、箱体や外被材への芯材の挿入時にも粉の箱体や外被材への付着および芯材の削れが抑制されるために、作業性が向上する。また、高密度化することなく成形体が得られるため、良好な断熱性能を確保できる。
請求項1に記載の真空断熱材の発明は、芯材を外被材で覆い前記外被材の内部を減圧密封した真空断熱材であって、前記芯材が、少なくとも前記シリカ粉体と前記無機繊維とを含む混合粉体を、それぞれの軟化点未満で水の沸点以上の温度での加熱成形で、前記無機繊維を加圧状態で塑性変形させると共に前記シリカ粉体を結合させることで、密度を100kg/m以上240kg/m以下としたものであり、成形体強度が向上するために粉落ちが抑制できる。
シリカ粉体は、平均一次粒子径がナノオーダーであるために、熱接触抵抗が大きく、初期断熱性能に優れ、また、微細な空隙を形成するために、経時断熱性能に優れる。
シリカと無機繊維の組み合わせは、他の材料を使用した場合に比べて高い強度を有する成形体が得られる。この理由としては、シリカが粒子径の小さい粉体であるため分子間力が働き粒子同士が付着しやすいことや、シリカ表面に水酸基を有するため粒子同士が結合しやすいことや、あるいはシリカと無機繊維という親和性の高い組合せであるため相互に付着しやすいことなどが考えられる。
芯材が成形体であると、内袋が必要なくなるために、低コスト化が可能になる。また、固形化しない粉体の場合に比べ、厚みムラが小さくなるために薄肉化が容易になるとともに、大気圧中の厚みと減圧封止後の厚みとの差が小さく寸法安定性に優れた真空断熱材を得ることができる。また、ハンドリング性が向上し、廃棄時の粉立ちを抑制できる。
また、密度は、成形体としての形状を維持できるという観点から100kg/m以上、良好な断熱性能が得られるという観点から240kg/m以下の範囲が望ましい。
成形体は、繊維の塑性変形とシリカの結合が発生する方法であれば、特にその加熱成形方法は指定するものではない。ただし、無機繊維またはシリカの軟化点を超えると、繊維同士、あるいは粉同士、あるいは繊維と粉の結合箇所が顕著に増えることにより、固体による伝熱が増大し、断熱性能が悪化するため、加熱温度はそれぞれの軟化点未満の温度で行うことが望ましい。より良好な断熱性能を得るためには歪点以下の温度で行うことがより望ましい。また、温度が低すぎると、シリカ表面の吸着水がシリカ同士の結合を阻害するため、水の沸点以上の温度で行うのが望ましい。
本発明におけるシリカ粉体は、特に指定するものではなく、火炎法、アーク法、プラズマ法などの乾式法により製造される乾式シリカ、沈降法、ゲル法などの湿式法により製造される湿式シリカが使用可能である。平均一次粒子径が小さいと断熱性能が向上し、また加熱成形の低温化と短時間化が可能となるため、一次粒子径は50nm以下のものが望ましく、10nm以下のものがより望ましい。
また、本発明における無機繊維は、特に指定するものではない。繊維が細いほど、固体熱伝導率が低減できるために断熱性能が向上し、かつ繊維の表面エネルギーが増大することでシリカ粒子との結合力が向上することにより成形体の強度が向上し、また加熱プレスの低温化と短時間化が可能となるため、繊維径は10μm以下が望ましい。また、繊維長さは特に指定するものではないが、成形体強度を向上するためにはmm単位、望ましくは5mm以上の長さを有する繊維が存在することがより望ましい。
請求項2に記載の真空断熱材の発明は、請求項1に記載の発明における前記シリカ粉体が、湿式シリカを含むものであり、低コスト化が可能になるとともに、湿式シリカは乾式シリカに比べて材料のかさ密度が高いために、粉が飛散しにくい。
乾式シリカの場合、湿式シリカに比べて粒子同士の付着力が強いために、常温成形であっても低密度で強固な成形体を得ることが可能であるが、乾式シリカは湿式シリカに比べ5から10倍程度コストが高いため、材料コストが増大してしまう。
また、乾式シリカは、かさ密度が低いために粉が飛散しやすく、また静電気による装置などへの粉の付着が発生しやすいために、非常に扱いにくい。よって、シリカ粉体のうちでも湿式シリカを使用するのがより望ましいが、湿式シリカの場合、常温成形では、250kg/mを超える密度にしなければハンドリングが可能な強度を有する成形体を得るのは難しく、この場合には断熱性能が悪化する。しかし、加熱成形では、湿式シリカでも低密度で強固な成形体を得ることが可能になり、良好な断熱性能を確保できる。
なお、本発明におけるシリカ粉体は湿式シリカが100%であっても、乾式シリカなど他のシリカ粉体が混在していてもよいが、湿式シリカが多い方が低コストでの製造が可能となる。
請求項3に記載の真空断熱材の発明は、請求項1または2に記載の発明における前記無機繊維が、ガラス繊維を含むものであり、シリカとの付着力が向上し、より成形体の強度が向上することによって粉の飛散がさらに抑制できる。
シリカとガラス繊維の組み合わせは、ガラス繊維が表面に水酸基を有しているためにシリカ粉体表面に存在する水酸基との親和性が高く相互に付着しやすいことが影響し、粉飛散の抑制効果が他の材料を使用した場合に比べて高いだけでなく、粉と繊維の付着力が向上することによって、他の材料を使用した場合に比べて強固な成形体を得ることができる。
また、ガラス繊維がナトリウム、カリウム成分を含む含アルカリガラスであると、より低温での成形が可能となるため、より望ましい。
なお、本発明における無機繊維は、ガラス繊維が100%であっても、他の無機繊維が混在していてもよいが、ガラス繊維が多く含まれているほうが、成形体強度は向上する。
請求項4に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明における前記無機繊維の含有率が、1wt%以上60wt%以下であるものであり、強固な成形体を得ることができ、また良好な断熱性能を確保できる。
繊維は成形体において骨格の役割を果たすが、繊維がないと骨格構造が形成できないために強度確保が難しくなり、繊維が60wt%を超えると繊維が支配的となるためにスプリングバックが抑制できなくなり、強度が確保できなくなるとともに、空隙が粗大化することによって断熱性能の内圧依存性が悪化する。よって、強度と断熱性能の両面から、無機繊維の含有率は1wt%以上60wt%以下が望ましい。
請求項5に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明における前記芯材が、導電性粉体を含むものであり、断熱性能が向上する。
シリカに導電性粉体を混合すると断熱性能が向上する。この理由としては、導電性粉体によりシリカの凝集が解砕されることで、固体接触面積が減少することによる固体熱伝導率の低下が考えられる。
本発明における導電性粉体は、導電性を有する粉体であれば特に指定するものではなく、粉末状カーボン、金属粉体、金属酸化物粉体、金属ドープ粉体などが使用可能である。これらを複数種使用してもよい。中でも、コストと性能の面から粉末状カーボンが望ましい。その含有率は、1wt%でも断熱性能の向上が認められ、30wt%で熱伝導率は極小となり、それを超えると再び熱伝導率は増大する。
また、粉末状カーボンの含有率が増大すると粉末状カーボンからのアウトガスにより、経時断熱性能に影響が出てしまうことから、1wt%以上30wt%以下が望ましい。なお、ここでの導電性粉体の含有率とは、シリカ粉体と無機繊維とからなる混合粉体を100としたときの、導電性粉体の重量比率を指す。
本発明の構成であると、粉と粉、または繊維と粉を結着する作用のあるバインダーを使用しなくても強固な成形体を得ることができる。バインダーを使わないことによって、バインダーによる固体の伝熱が生じないために、バインダーを使用した場合に比べて断熱性能が向上する。
より強度を向上させるためには、バインダーを使用してもよいが良好な断熱性能を確保するためには、その添加量は5wt%以下が望ましい。バインダーとは、水ガラス、コロイダルシリカ、アルミナゾルなどの無機バインダー、澱粉、フェノール樹脂などの有機バインダーが使用可能であるが特に指定するものではない。
また、本発明における外被材は、バリア性を有するラミネートフィルムを使用したものが使用でき、その構成は特に指定するものではない。
ラミネートフィルムの最内層の熱溶着層には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、無延伸ポリエチレンテレフタレート、無延伸ナイロン、無延伸エチレン−ポリビニルアルコール共重合体樹脂などが使用可能であり、特に指定するものではない。
また、外部からのガス侵入を抑制するために、金属箔や、蒸着フィルム、コーティングフィルム、蒸着コーティングフィルムなどが使用可能である。その種類や積層数は特に指定するものではない。
金属箔は、アルミニウム、ステンレス、鉄やその混合物など、特に指定するものではない。また、蒸着やコーティングの基材となるプラスチックフィルムの材料は、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体樹脂、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミドなど特に指定するものではない。
また、蒸着の材料としては、アルミニウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、銀、シリカ、アルミナ、ダイヤモンドライクカーボンやそれらの混合物など、特に指定するものではない。また、コーティングの材料としては、PVA、ポリアクリル酸系樹脂やその混合物など特に指定するものではない。また、蒸着コーティングフィルムにおける蒸着とコーティングの積層順序は特に指定するものではない。
また、耐ピンホール性や耐摩耗性の向上、難燃性の付与、さらなるバリア性の向上などを目的としてさらに外層や中間層にフィルムを設けることも可能である。
ここで、外層や中間層に設けるフィルムは、ナイロン、エチレン・4フッ化エチレン共重合体樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体樹脂など、その種類や積層数は、特に指定するものではない。また、蒸着フィルムやコーティングフィルム、蒸着コーティングフィルムであってもよいし、さらに金属箔を積層してもよい。
また、外被材の袋形状は、四方シール袋、ガゼット袋、三方シール袋、ピロー袋、センターテープシール袋など、特に指定するものではない。
さらに、外被材は、バリア性を有する容器であってもよく、例えば樹脂を成形した容器などであってもよい。
その材料や構成も特に指定するものではなく、アルミニウム、ステンレス、鉄などの金属や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体樹脂、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミドなどの樹脂が使用可能である。またこれらの樹脂に蒸着やコーティング処理をしたものを使用してもよい。バリア性の向上のためにこれらの材料を多層化して使用してもよい。
また、真空断熱材の初期断熱性能や経時断熱性能をより一層向上させるために、水分吸着剤やガス吸着剤を使用することも可能である。吸着剤の種類は特に指定するものではなく、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、ゼオライト、シリカゲル、ハイドロタルサイトなどが使用可能であり、これらを単独で使用しても、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図である。図1に示すように、本実施の形態の真空断熱材1は、芯材2を外被材3で覆い外被材3の内部を減圧密封した真空断熱材1であって、芯材2が、少なくともシリカ粉体4と無機繊維5とを含む混合粉体を、それぞれの軟化点未満で水の沸点以上の温度での加熱成形で、無機繊維5を加圧状態で塑性変形させると共にシリカ粉体4を結合させることで、密度を100kg/m以上240kg/m以下としたものである。
以上のように構成された本実施の形態の真空断熱材1について、次に真空断熱材1の製造方法を説明する。
芯材2は、シリカ粉体4と無機繊維5とを所定割合で混合した粉体を成形型に充填し、加熱状態でプレスすることによって、成形体を得る。
外被材3は、片面に熱溶着層を有したガスバリア性の同じ大きさの長方形に切った2枚のラミネートフィルムの熱溶着層同士を向かい合わせて三辺をヒートシールし、袋状とする。
次に、三辺シールした外被材3の開口部から乾燥させた芯材2を挿入する。これをチャンバー内に設置し、内部を減圧した後、開口部をヒートシールすることでコア密度が100kg/m以上240kg/m以下の真空断熱材1を得る。
シリカ粉体4と無機繊維5との組み合わせは、相互の親和性が高いために強固な成形体が得られた。
また、成形体強度が高いことにより、粉落ちが抑制されたために、外被材3への挿入も容易になった。また、この成形体を箱体に挿入する場合にも粉落ちや表面層の削れが少なく、容易であった。また、廃棄時の粉飛散も抑制できた。
以下に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
芯材1は、シリカ粉体4として湿式シリカと、無機繊維5としてガラス繊維とから構成される成形体であり、その混合比率は100wt%:10wt%である。また、加熱プレスの条件は、200℃で1時間とした。また、真空断熱材1のコア密度は210kg/mである。
本実施例では、加熱成形によって、スプリングバックを抑制、強固な成形体を得ることができた。また、真空断熱材1の初期断熱性能は0.0055W/mKであり優れていた。経時断熱性能を想定した温度加速試験を行ったところ、100℃で1ヶ月経過後も0.0060W/mKであり優れていた。
(実施例2)
コア密度について検討した。なお密度以外の条件は、実施例1と同様である。
密度を下げていったところ、100kg/mまでは芯材2単体でのハンドリングが可能であったが、これを下回ると持ち上げることができなくなった。
また、密度を上げていったところ、強度は向上したが、それに伴い、断熱性能は徐々に悪化し、250kg/mで0.0080W/mK超えてしまい、内袋に入れた粉状のシリカ粉体を芯材として使用した場合よりも悪化するという結果になった。
ゆえに、芯材2の密度は、成形体としての形状が確保できるという観点から100kg/m以上、良好な断熱性能が得られるという観点から240kg/m以下が望ましい。
(実施例3)
無機繊維5の種類について検討した。なお、無機繊維5以外の条件は、実施例1と同様である。
無機繊維5として、ガラス繊維とシリカアルミナ繊維を比較した。どちらの繊維を使用した場合も、初期断熱性能は0.0055W/mKであり、ハンドリングに問題ない強固な成形体が得られたが、ガラス繊維を使用した方が、より強い成形体が得られた。よって、無機繊維5としてはガラス繊維を使用するのがより望ましい。
(実施例4)
無機繊維5の混合比率について検討した。なお、無機繊維5の混合比率以外の条件は、実施例1と同様である。
無機繊維5の混合比率を上げていったところ、無機繊維5の混合比率の増大に伴い、繊維のスプリングバックが難しくなるために強度が低下していくが、混合比率100wt%:60wt%までは、成形体としての形状が確保できた。
しかし、無機繊維5の混合比率が60wt%を超えると、スプリングバックの抑制が困難になり、ハンドリングが困難となった。また、無機繊維5の混合比率を下げていったところ、混合比率100wt%:1wt%では強固な成形体を得ることができたが、それを下回ると骨格構造が形成できなくなるために強度が悪化した。よって、無機繊維5の含有率は1wt%以上60wt%以下が望ましい。
(実施例5)
芯材2の成形のための加熱プレスの温度条件について検討した。なお、温度条件以外の条件は、実施例1と同様である。
加熱プレスの温度を下げていったところ、水の沸点である100℃以上の温度では、スプリングバックの抑制が可能であり、成形体が得られなかった。また、加熱プレスの温度を上げていったところ、無機繊維5もしくはシリカ粉体4の軟化点を超えると、無機繊維5同士もしくはシリカ粉体4同士もしくは無機繊維5とシリカ粉体4の結合箇所が顕著に増加したために、熱伝導率は0.0100W/mKを超えてしまった。
ゆえに、加熱プレスの温度は水の沸点以上、かつ、シリカ粉体もしくは無機繊維の熱変形温度未満の温度が望ましい。
(実施例6)
芯材2の導電性粉体含有の影響について評価した。導電性粉体として粉末状カーボンであるカーボンブラックを使用した。導電性粉体の含有量は、シリカ粉体4と無機繊維5との重量比を10:1に固定し、シリカ粉体4と無機繊維5の混合粉体を100としたときの導電性粉体の重量比率を変更することで評価した。なお、シリカ粉体4と無機繊維5の材料、加熱プレス条件については、実施例1と同様である。
導電性粉体を含まない場合の初期断熱性能が0.0055W/mKであるのに対し、導電性粉体が1wt%でも0.0054W/mKとなり断熱性能が向上、30wt%で極小値0.0050W/mKとなり、それを超えると再び悪化し始めた。
また、導電性粉体の重量比率が30wt%を超えると、導電性粉体からのアウトガスが多くなり、経時断熱性能に影響するため、断熱性能向上のために導電性粉体を添加するならば、その含有量は1wt%以上30wt%以下であることが望ましい。
(比較例1)
芯材のプレスを常温で行った。なお、プレス温度以外の条件は実施例1と同様である。
ガラス繊維のスプリングバックによりプレスを外してからの時間経過とともに成形体が崩壊し、粉々になってしまった。プレス時間を1日に延ばしても、やはりプレスを外してからの時間が経過するとともに崩壊が進んでしまった。
なお、常温プレスでも、密度を増大すれば成形体を得ることが可能であるが、ハンドリングが可能になる強度になるまで密度を上げると、断熱性能が0.0080W/mKとなり、悪化した。
よって、低密度で強固な成形体を得るのは、常温プレスでは困難である。
(比較例2)
芯材のプレス条件を変更した。条件は、混合粉体をプレスなしで200℃で1時間加熱し、その後常温にて1時間プレスを行った。なお、プレス条件以外は実施例1と同様である。
比較例1同様、ガラス繊維のスプリングバックにより、プレスを外してからの時間経過とともに成形体が崩壊してしまった。
よって、強固な成形体を得るためには、加熱と同時にプレスを行うことが必要である。
(比較例3)
無機繊維5としてガラス繊維のみ、またはシリカ粉体4として湿式シリカのみをそれぞれ加熱プレスした。条件は、実施例1と同様200℃1時間である。
無機繊維5のみの場合には、繊維は綿状のままであり成形体にはならなかった。シリカ粉体4のみの場合は、架橋構造がないために成形体強度が弱く、持ち上げようとすると小片に砕けてしまった。
よって、芯材2の材料は少なくともシリカ粉体4と無機繊維5の混合粉体である必要がある。
以上、実施の形態1における実施例と比較例より、シリカ粉体4を低密度で高強度な成形体とするには、シリカ粉体4と無機繊維5とからなる混合粉体であることが必要であり、この混合粉体を成形体とする場合には、加熱と加圧を同時に行うのが望ましく、また、このときの無機繊維(ガラス繊維)5の添加量は、1wt%以上60wt%以下が望ましいことがわかった。また、断熱性能を一層向上するためには導電性粉体を含有することが望ましいことがわかった。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における真空断熱材を適用した断熱箱体の一例である冷蔵庫の縦断面図である。
図2において、冷蔵庫6は、内箱7と外箱8とで構成される箱体内部に実施の形態1の真空断熱材1を、真空断熱材1以外の空間部を硬質ウレタンフォーム9で発泡充填している。また、機械室10と庫内11との間にも真空断熱材1を配設している。
このように構成された冷蔵庫の消費電力量を測定したところ、真空断熱材1を装着しない冷蔵庫よりも15%低下しており、優れた断熱効果を確認した。
本発明の真空断熱材1は経時断熱性能に優れるために、10年後を想定した加速試験を行ったところ、初期の消費電力量から2〜3%しか変化しなかった。
本発明にかかる真空断熱材は、芯材が内圧依存性に優れた粉体系であるため、長期に渡って断熱性能を維持できる。このため、非常に長い間断熱性能が要求される建築材料としての使用が可能である。また、冷蔵庫のような保冷機器や、電気湯沸かし器、炊飯器、保温調理器、給湯器などの保温機器に使用すれば長期に渡って優れた省エネ効果を示す。
また、芯材が成形体であることから、薄肉化した場合にも厚みムラが小さくなるために、省スペースで高い断熱性能が要求されるようなノート型コンピューター、コピー機、プリンター、プロジェクターなどの事務機器への適用も可能である。また、コンテナボックスやクーラーボックスなどの保冷が必要な用途や、防寒具や寝具などへの適用も可能である。
また、本発明の芯材は、ラミネートフィルムからなる外被材を有する真空断熱材への適用に限られたものではない。例えば、少なくともガスバリア性材料からなる外箱と内箱とからなり、前記外箱と前記内箱の間の空間に芯材を設け、前記空間を減圧することで真空断熱構造を有する真空断熱箱体への適用も可能である。
本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図 本発明の実施の形態2における真空断熱材を適用した冷蔵庫の縦断面図
符号の説明
1 真空断熱材
2 芯材
3 外被材
4 シリカ粉体
5 無機繊維

Claims (5)

  1. 芯材を外被材で覆い前記外被材の内部を減圧密封した真空断熱材であって、前記芯材が、少なくともシリカ粉体と無機繊維とを含む混合粉体を、それぞれの軟化点未満で水の沸点以上の温度での加熱成形で、前記無機繊維を加圧状態で塑性変形させると共に前記シリカ粉体を結合させることで、密度を100kg/m以上240kg/m以下としたことを特徴とする真空断熱材。
  2. 前記シリカ粉体が、湿式シリカを含むことを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記無機繊維が、ガラス繊維を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の真空断熱材。
  4. 前記無機繊維の含有率が、1wt%以上60wt%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材。
  5. 前記芯材が、導電性粉体を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の真空断熱材。
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