JP2008215307A - 一体型モータポンプ - Google Patents

一体型モータポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP2008215307A
JP2008215307A JP2007057536A JP2007057536A JP2008215307A JP 2008215307 A JP2008215307 A JP 2008215307A JP 2007057536 A JP2007057536 A JP 2007057536A JP 2007057536 A JP2007057536 A JP 2007057536A JP 2008215307 A JP2008215307 A JP 2008215307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
bearing member
stator
motor pump
integrated motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007057536A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Akiyama
勇治 秋山
Hideo Hayashi
英男 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ikutoku Gakuen School Corp
Original Assignee
Ikutoku Gakuen School Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ikutoku Gakuen School Corp filed Critical Ikutoku Gakuen School Corp
Priority to JP2007057536A priority Critical patent/JP2008215307A/ja
Publication of JP2008215307A publication Critical patent/JP2008215307A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】一体型モータポンプにおいて、モータ効率を向上させる。
【解決手段】内筒36,外筒38,端板42,44によって形成された密封容器37の内部に固定子10が設けられ、内筒36の内周側に磁石62を有する回転子12が同心に配設され、回転子12の内周面には回転羽根18が保持される。内筒36は、磁石62を有する回転子12と固定子10との間に位置することになるため、磁束の変化に起因してうず電流が発生する。また、コイル34と永久磁石62との間の距離が大きいと、磁石62に作用する力が小さくなるため、肉厚は薄い方が望ましい。これらの事情から、内筒36を合成樹脂によって形成し、肉厚を1mmとした。その結果、うず電流の発生を抑制し、モータ効率の向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動モータにより駆動されるポンプの改良に関するものである。
特許文献1には、(a)固定子鉄心にコイルが巻かれて成り、中空円筒状をなす固定子と、(b)中空円筒状をなし、前記固定子の内側に同心かつ相対回転可能に配設され、固定子との間の磁気的相互作用により回転する回転子と、(c)その回転子の内側に、回転子と一体的に回転可能に設けられた回転羽根と、(d)前記固定子を液密に保持する内筒とを含む一体型モータポンプが記載されている。
特開平11−112626号公報
上記一体型モータポンプにおいては、ポンプが電動モータの内部に構成されるため、小形化を図ることができる。また、回転子の内周側にポンプの回転羽根が設けられるため、ポンプにより圧送される液体が電動モータの中心を貫通して流れることとなり、この液体により電動モータの温度上昇を低く抑えることができる。
一方、モータ効率の向上を図る等、一体型モータポンプのさらなる改良が望まれている。例えば、固定子と回転子との間の部材には、この部材を通る磁束の変化に起因してうず電流が発生させられるが、このうず電流による電力の損失がモータ効率に大きな影響を及ぼす。そこで、本発明の課題は、一体型モータポンプにおいて、固定子と回転子との間の部材において発生させられるうず電流の低減を図り、モータ効率の向上を図ることである。
課題を解決するための手段および効果
請求項1の発明に係る一体型モータポンプは、(a)固定子鉄心にコイルが巻かれて成り、中空円筒状をなす固定子と、(b)中空円筒状をなし、前記固定子の内側に同心かつ相対回転可能に配設され、固定子との間の磁気的相互作用により回転する回転子と、(c)その回転子の内側に、回転子と一体的に回転可能に設けられた回転羽根と、(d)前記固定子と前記回転子との間を液密に仕切る仕切り壁とを含み、その仕切り壁が、合成樹脂により形成されたものである。
一体型モータポンプにおいては、回転子の回転に伴って回転羽根が回転させられ、それによって、流体としての液体が圧送される。この場合に、回転子と固定子との間を流体が流れるようにすることが望ましいが、固定子が液体に接触することは望ましくない。特に、液体が水である場合には、鉄心が錆びる等の問題がある。そこで、回転子と固定子との間に、これらを液密に仕切る仕切り壁が設けられるのであるが、この仕切り壁は内部の液圧に耐え得る強度を必要とするため、従来は金属製とされていた。
一方、固定子は固定子鉄心にコイルが巻かれて成るものであり、DCブラシレスモータである場合に、回転子は磁石を有するものであり、コイルと磁石との間の磁気的な相互作用によって回転子が回転させられる。そのため、固定子と回転子との間に設けられた仕切り壁には、その仕切り壁を通る磁束の変化によってうず電流が発生し、電力の損失が生じる。仕切り壁に発生するうず電流は、仕切り壁の肉厚が薄い場合は厚い場合より小さくなり、抵抗が小さい場合は抵抗が大きい場合より小さくなる。
それに対して、本一体型モータポンプにおいては、仕切り壁が、合成樹脂によって形成される。したがって、うず電流の発生を良好に回避することができ、電力の損失を小さくし、モータ効率を向上させることができる。また、仕切り壁は、回転子と固定子とを液密に仕切る(固定子を液体から遮断する)ものであるため、液体に接する。それに対して、仕切り壁が合成樹脂によって形成された場合には、液体が水である場合に、錆びることはない。この場合、合成樹脂は、液体に接しても化学反応が起き難い(耐液性が優れた)ものとされることが望ましい。また、形成された仕切り壁において液体を通す孔が全くないもの、あるいは、液体を通す孔が非常に少ないものとすることも望まれる。さらに、ポンプによって圧送される液体中に、異物(鉱物片、金属片等)が混じっている場合には、それら異物等によって摩耗され難いもの(耐摩耗性が優れたもの)とすることが望ましい。また、仕切り壁はコイルの近傍に配設されるため、耐熱性が優れたものとすることが望ましい。勿論、内部の液体の圧力に対抗し得ることが必要であるため、高強度を有する合成樹脂製であることが望ましい。
これらを考慮して仕切り壁を形成する合成樹脂が選択されるのであり、例えば、ポリフェニレンオキサイト樹脂(PPO樹脂)、ガラス繊維を含むポリフェニレンオキサイト樹脂(ガラス繊維を25%以上含む)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の合成樹脂から形成されるようにすることができる。また、1種類の合成樹脂から形成されるようにしても、複数種類の合成樹脂から形成されるようにしてもよい。さらに、セラミックスや金属等が含まれる合成樹脂から形成されるようにしてもよい。金属等が含まれている場合であっても、金属材料のみから形成される場合より、うず電流を小さくすることができる。いずれにしても、「合成樹脂から形成される」とは、主とする材料が合成樹脂であるという意味であり、セラミックス材料、金属材料を全く含まないという意味ではない。また、導電性を有する合成樹脂から形成された場合であっても、金属材料から形成された場合と比較すれば、充分に、うず電流の発生を抑制することができる。
回転羽根は、いかなる形態のものでもよく、回転羽根の形態によって、本一体型モータポンプは、渦巻ポンプ(半径流形,フランシス形,斜流形),軸流ポンプ等となる。また、電動モータも、DCブラシレスモータ,無整流子モータ,かご型誘導モータ等種々のものを採用可能である。
特許請求可能な発明
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組を、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
(1)固定子鉄心にコイルが巻かれて成り、中空円筒状をなす固定子と、
中空円筒状をなし、前記固定子の内側に同心かつ相対回転可能に配設され、固定子との間の磁気的相互作用により回転する回転子と、
その回転子の内側に、回転子と一体的に回転可能に設けられた回転羽根と、
前記固定子と前記回転子との間を液密に仕切る仕切り壁と
を含み、その仕切り壁が、合成樹脂により形成された一体型モータポンプ(請求項1)。
(2)前記仕切り壁の肉厚が、0.5mm以上2.0mm以下とされた(1)項に記載の一体型モータポンプ(請求項2)。
固定子と回転子との間の仕切り壁が合成樹脂で形成されたものである場合には、うず電流が発生し難いため、肉厚を厚しても差し支えない。しかし、固定子と回転子との間の距離が大きい場合には、磁石に作用する力が弱くなり、かえって、モータ効率が低くなる。それに対して、仕切り壁の肉厚を薄くすると、強度が小さくなり、望ましくない。以上の事情から、仕切り壁の肉厚を、0.5mm以上2.0mm以下とすることが望ましい。肉厚は、1.6mm以下とすれば一層望ましく、1.2mm以下とすればさらに望ましい。
(3)前記仕切り壁が中空円筒状の内筒の少なくとも一部を成し、その円筒の外周側に同心に中空円筒状の外筒が設けられ、それら仕切り壁と前記外筒との間に前記固定子が設けられるとともに、その固定子と前記仕切り壁および外筒との隙間に合成樹脂が充填された(1)項または(2)項に記載の一体型モータポンプ(請求項3)。
固定子は、中空円筒状の内筒と外筒との間に設けられ、これらの間に合成樹脂が充填される。合成樹脂が充填されて合成樹脂層が形成されれば、それによって、仕切り壁の強度を補ったり、固定子を液体から保護したりすることができる。また、熱伝導性がよくなり、コイルの冷却効果が得られるという利点もある。
内筒と外筒との間に固定子が設けられるが、固定子の軸方向の長さが、内筒の軸方向の長さとほぼ同じである場合には、内筒全体が仕切り壁であると考えることができる。それに対して、固定子の軸方向の長さが内筒の軸方向の長さに対して短い場合には、内筒の一部(固定子に対向する部分)が仕切り壁であると考えることができる。内筒の仕切り壁でない部分については、合成樹脂によって形成されることは不可欠ではない。また、内筒と外筒との間が合成樹脂によって充填されなくてもよい。
充填される合成樹脂は、熱硬化性の樹脂が望ましく、充填時に流れ易い(充填温度において粘度が小さい)樹脂とすることが望ましい。例えば、エポキシ樹脂とすることができる。
なお、外筒によって固定子が外部から液密に仕切られるようにすれば、一体型モータポンプ全体を液体中に設置することが可能となる。
(4)前記仕切り壁が、前記充填された合成樹脂とは異なる種類の樹脂によって形成された(3)項に記載の一体型モータポンプ。
本一体型モータポンプにおいて、充填される合成樹脂と仕切り壁を形成する合成樹脂とでは種類が異なる。例えば、充填される合成樹脂をABS樹脂として、仕切り壁を形成する合成樹脂を、PPO樹脂、PPO樹脂(ガラス繊維入り)とすることができる。
なお、充填される合成樹脂と仕切り壁を形成する合成樹脂とで、種類を同じにすることもできる。その場合には、充填によって形成された合成樹脂層の一部によって仕切り壁が構成されると考えることも可能である。
(5)前記仕切り壁が、金属層を有する(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ。
仕切り壁において、厚み方向に樹脂層と金属層とを重ねて設ければ、仕切り壁の強度を強くし、液体を通過させ難くすることができる。金属層は、蒸着メッキによって形成されても、金属箔を入れて樹脂成形(インサート成形)して形成されても、貼り合わせによって形成されてもよい。また、金属層を設ければ、合成樹脂の肉厚を薄くできるという利点もある。
なお、金属層は、仕切り壁の回転子側に設けること、すなわち、仕切り壁の固定子側を合成樹脂層とし回転子側を金属層とすることが望ましい。金属層を回転子側に設ければ、液圧中に異物が含まれていても、それによって、合成樹脂層が摩耗させられることを回避することができる。また、合成樹脂層が液体を浸透させるおそれがあっても、液体が浸透することを回避することができる。
(6)前記仕切り壁が、中空円筒部と、その中空円筒部から半径方向外向きに突出し、軸方向成分を有する方向に延びるリブとを有する(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ(請求項4)。
リブを設ければ、仕切り壁の強度を強くすることができる。また、リブが軸方向成分を有する方向に延びるため、仕切り壁の成形時に材料が流れ易くすることができ、成形性を向上させることができる。リブは、中空円筒部から半径方向外向きに、等しい間隔で(同じ中心角で)、複数設けられるようにすることが望ましい。
(7)前記固定子が、中空円筒状の内筒と、その内筒の外周側に同心に中空円筒状の外筒との間に設けられ、前記内筒が、小径部と大径部とを有し、小径部によって前記仕切り壁が構成され、大径部が位置決め機能を有する(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ。
固定子は、内筒の小径部である仕切り壁と外筒との間に設けられる。それに対して、内筒の固定子が設けられていない部分は大径部とされ、リブの半径方向の長さが、外筒の内周面に至る長さとされる。リブの先端が外筒の内周面に当接することによって内筒の外筒に対する相対位置が決まる。また、外筒にリブが当接することによって、外筒に内筒がリブを介して支持されることになる。
(8)固定子鉄心にコイルが巻かれて成り、中空円筒状をなす固定子と、
(a)その固定子の内周側に設けられた中空円筒状の内筒と、(b)その内筒の外側に同心に設けられた中空円筒状の外筒とを含み、これらの間に前記固定子を液密に保持する密封容器と、
中空円筒状をなし、前記固定子の内側に同心かつ相対回転可能に配設され、固定子との間の磁気的相互作用により回転する回転子と、
その回転子の内側に、回転子と一体的に回転可能に設けられた回転羽根と
を含み、前記内筒と外筒との間に合成樹脂を充填するとともに、前記内筒の肉厚を、0.9mm以下の金属材料で形成されたものとした一体型モータポンプ。
内筒が金属材料で形成されたものである場合には、うず電流が発生するが、肉厚を薄くするとうず電流が小さくなる。しかし、肉厚を薄くすると、強度が弱くなり望ましくない。それに対して、内筒の肉厚を薄くしても、内筒と外筒との間に合成樹脂が充填されて合成樹脂層が形成されれば、仕切り壁の強度不足を補うことができる。
内筒の肉厚は、0.9mm以下であり、0.7mm以下とすることが望ましく、さらに、0.2mm以下とすることが望ましい。
また、内筒は、液体が水である場合に錆びにくいステンレス鋼によって形成されるようにすることが望ましい。
本一体型モータポンプには、(1)項ないし(7)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(9)前記回転羽根が、それの外周面に設けられた弾性的に変形可能な少なくとも1つの第1係合爪を有し、前記回転子が、それの内周面の対応する位置に設けられた少なくとも1つの第1係合凹部を有し、それら第1係合爪と第1係合凹部との係合により、前記回転子が前記回転羽根と一体的に回転可能とされた(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ(請求項5)。
回転羽根が第1係合爪を有し、回転子が第1係合凹部を有する。第1係合爪が第1係合凹部に係合させられることにより、回転子と回転羽根とが一体的に回転可能とされる。回転子の回転に伴って回転羽根が回転させられ、それによって、ポンプとして作動する。
回転羽根に設けられる第1係合爪は、1つでも2つ以上でもよく、例えば、直径方向に隔たった2箇所に第1係合爪を設けることができる。第1係合爪を2つ以上設ければ、回転羽根の傾きを抑制して、良好に回転子に保持させることができる。
このように、回転羽根が第1係合爪と第1係合凹部との係合によって固定されるようにすれば、キー、ピン等によって固定される場合に比較して、部品点数を少なくし、作業工数を少なくすることができ、加工コストを低減させることができる。
「回転羽根が回転子に一体的に回転可能である」ということは、回転子が回転すると回転羽根も回転するということであり、回転子が回転しても、回転羽根が回転しなかったり、回転子の回転とは逆方向に回転したりすることがないということである。回転羽根の回転子に対する多少の相対回転は許容され、回転羽根の回転子に対するわずかな相対回転が阻止されるということではない。
(10)前記第1係合爪が、アームと、そのアームの先端に設けられ、外周側へ突出する突部とを含み、前記回転羽根の前記第1係合爪の周りの部分に、前記アームに沿って延びた割り溝が形成された(9)項に記載の一体型モータポンプ。
アームの突部に、回転子の内周面から内方(内周側)に向かう力が加えられるとアームが撓められる。突部に加えられる内方への力が除かれると、弾性力により戻され、突部が外方へ突出し、係合凹部に係合させられる。割り溝によってアームが形成され、また、アームの撓みが許容される。
(11)前記回転羽根が前記回転子の内側に複数段設けられ、当該一体型モータポンプが、(i)前記回転子の中心部に、その回転子と同心に設けられた固定軸と、(ii)その固定軸の外周側に、前記複数段の回転羽根の各々と交互に配設された複数段の案内羽根とを含み、前記案内羽根の各々が、それの内周面に設けられた弾性的に変形可能な少なくとも1つの第2係合爪を有し、前記固定軸が、それの外周面の、前記複数の案内羽根の各々の前記第2係合爪に対応する位置に設けられた複数の第2係合凹部を有し、前記案内羽根の各々における前記第2係合爪と第2係合凹部との係合により、前記固定軸に前記複数の案内羽根が固定的に保持された(9)項または(10)項に記載の一体型モータポンプ(請求項6)。
案内羽根の各々が第2係合爪を有し、固定軸が第2係合凹部を有する。第2係合爪が第2係合凹部に係合させられることにより、固定軸に案内羽根が固定的に保持される。案内羽根は複数設けられるため、固定軸において、第2係合凹部が、案内羽根各々の第2係合爪に対応して複数設けられる。案内羽根の各々に設けられる第2係合爪は1つであっても2つ以上であってもよい。
本一体型モータポンプは多段渦巻きポンプと称することができる。
第2係合爪についても同様に、第2係合爪を、アームと、そのアームの先端に設けられ、内周側へ突出する突部とを含むものとすることができる。
(12)前記回転羽根の各々についての少なくとも1つずつの第1係合凹部が、前記回転子に、軸方向および周方向において互いに異なる位置に設けられるとともに、前記案内羽根の各々についての少なくとも1つずつの第2係合凹部が、前記固定軸に、軸方向および周方向において互いに異なる位置に設けられた(11)項に記載の一体型モータポンプ(請求項7)。
複数の回転羽根は回転子に、軸方向に並んで保持されるのであり、第1係合凹部は、回転羽根の各々の第1係合爪に対応して、軸方向に隔たって、互いに異なる位置に設けられる。同様に、複数の案内羽根は固定軸に、軸方向に並んで保持されるが、固定軸の第2係合凹部は、軸方向に隔たって、案内羽根各々の第2係合爪に対応する位置に設けられる。換言すれば、回転子の第1係合凹部の位置によって回転羽根の軸方向の位置が決まり、固定軸の第2係合凹部の位置によって案内羽根の軸方向の位置が決まる。なお、1つの回転羽根や案内羽根に2つ以上の係合爪が設けられる場合には、それらに対応する2つ以上の係合凹部は、軸方向の同じ位置に設けられる。
また、実施例において詳述するが、複数の第1係合凹部の各々は、回転子の、周方向の同じ位置(同じ位相の位置)に設けるより、周方向に隔たった位置(異なる位相の位置、軸方向から見て、重ならない位置)に設けることが望ましい。同様に、複数の第2係合凹部の各々は、固定軸の、周方向に隔たった位置に設けることが望ましい。これら第1係合凹部、第2係合凹部を、周方向の同じ位置に設けた場合には、回転羽根、案内羽根を組み付ける場合に、回転羽根、案内羽根を回転子、固定軸に対して軸方向に相対移動させるとともに相対回転させる必要がある。回転羽根、案内羽根の係合爪がそれに対応しない係合凹部に係合させられてしまうことを回避するためである。それに対して、第1係合凹部、第2係合凹部が、周方向の互いに異なる位置に設けられれば、予め、係合爪とそれに対応する係合凹部との位相を合わせておけば、回転羽根、案内羽根を回転子、固定軸に対して軸方向に相対移動させることによって(相対回転させなくても)、係合爪をそれに対応する係合凹部に必ず係合させることができる。
(13)前記回転羽根が前記回転子の内側にn段設けられ、前記第1係合爪が、前記回転羽根の外周面の直径方向に隔たった位置にそれぞれ設けられ、前記第1係合凹部が、前記回転子の内周面の、軸方向に隔たって、中心角がπ/nだけ隔たった位置に設けられた(9)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ。
第1係合爪がk個設けられる場合には、第1係合凹部が、回転子の内周面に、中心角が2π/knだけ隔たった間隔で形成されることになる。
(14)前記案内羽根が前記回転軸の外側に、前記回転羽根と交互にn段設けられ、前記第2係合爪が、前記案内羽根の内周面に1つ設けられ、前記第2係合凹部が、前記固定軸の外周面の、軸方向に隔たって、中心角が2π/n隔たった位置に設けられた(11)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ。
(15)前記回転羽根が、合成樹脂によって形成されたものである(1)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ。
回転羽根は、液体に接しても反応し難く(防錆性が優れた)、異物等が混入していても摩耗し難い(耐摩耗性が優れた)ものとすることが望ましい。また、重量が軽いものとすることが望ましい。回転羽根の重量が軽くされれば、軸受が受ける荷重を小さくすることが可能となり、一体型モータポンプの軽量化を図ることができ、モータ効率ないしポンプ効率を向上させることができる。さらに、弾性変形可能な第1係合爪が設けられる場合には、適度に弾性変形し易いものとすることが望ましい。
以上の事情から、回転羽根を合成樹脂によって形成されたものとすることができ、例えば、前述のPPO樹脂(ガラス繊維入り)で形成することができる。
なお、回転羽根の形状によっては、複数の部分に分割してそれぞれ成形し、成形された複数の部分を合わせて(例えば、接着剤で接着し、高周波溶着によって固着したりすることができる)回転羽根が形成されるようにすることもできる。
また、案内羽根および返し通路(案内羽根および返し通路は、一体的に設けられることがある。例えば、複数に分割し、それぞれ、別々に成形した後、接着等により1つの部材とされることがあるのである。)も合成樹脂によって形成されたものとすることができる。
回転羽根や案内羽根を熱硬化性の比較的硬い合成樹脂によって形成されたものとした場合には、圧入によって回転子や固定軸に保持させることが困難である。合成樹脂によって形成された羽根は金属材料で形成された羽根と比較すると、強度が小さいため、大きなしめしろで圧入させると壊れるおそれがある。また、ピン、キー等を利用することも可能であるが、その場合には、部品点数が増えて、作業(加工、組立、部品管理等)工数が増えるため、望ましくない。それに対して、係合爪と係合凹部との係合によれば、回転羽根を回転子に、案内羽根を固定軸に、それぞれ、少ない作業工数で良好に保持させることが可能となる。
(16)前記回転羽根が、金属材料によって形成されたものである(1)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ。
回転羽根は、金属材料、例えば、防錆性が優れたステンレス鋼等によって形成されるようにすることができる。また、案内羽根および返し通路(案内羽根および返し通路は、一体的に設けられることがある。例えば、複数に分割し、それぞれ、別々に成形した後、接着等により1つの部材とされることがあるのである)も金属材料によって形成されたものとすることができる。
(17)前記仕切り壁を含み、前記固定子を保持する本体と前記回転子との間に設けられ、前記本体に前記回転子を相対回転可能に支持させる軸受であって、前記回転子に一体的に回転可能に設けられた回転側軸受部材と前記本体に設けられた固定側軸受部材とを有し、前記回転側軸受部材と前記固定側軸受部材とのいずれか一方が中空円筒状をなし、他方が、(i)前記一方の部材の軸方向と平行に延びた外周面と内周面とのいずれか一方に対向する周面を有する中空円筒状の第1軸受部材と、(ii)前記一方の部材の軸方向と直交する第1端面に対向する第2端面を有する中空円筒状の第2軸受部材とを含む(1)項ないし(16)項のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ(請求項8)。
例えば、回転側軸受部材と固定側軸受部材との両方を断面がL字形の円環状の部材として、それら回転側軸受部材と固定側軸受部材とを、回転側軸受部材の軸方向と直交する端面が固定側軸受部材の軸方向と直交する端面と接触し、回転側軸受部材の周面が固定側軸受部材の周面と接触する状態で設ければ、回転側軸受部材のスラスト方向の力とラジアル方向の力との両方が固定側軸受部材によって受けられるようにすることができる。一方、断面がL字形を成した円環状の部材については加工が困難であるため、加工コストが高くなる。特に、回転側軸受部材と固定側軸受部材とが互い接触する面においては、高い精度の研磨加工が要求されるが、断面がL字形を成す円環状部材を高精度で研磨加工することは困難である。それに対して、中空円筒状(断面形状が四角形である)の部材については、加工し易いため、同じ精度で加工が行われる場合において、加工コストを安くすることができる。
そこで、本一体型モータポンプにおいては、回転側軸受部材と固定側軸受部材とのいずれか一方を1つの中空円筒状の部材とし、他方を2つの中空円筒状(断面形状が四角形である)の第1軸受部材、第2軸受部材から成るものとした。第1軸受部材は、一方の部材の軸方向と平行に延びた外周面と内周面とのいずれか一方に対向する周面を有し、第2軸受部材は、一方の部材の軸方向と直交する第1端面に対向する第2端面を有する。そのため、一方の軸受部材と第1軸受部材とによってラジアル軸受が構成され、一方の軸受部材と第2軸受部材とによってスラスト軸受が構成されることになる。
(18)前記軸受がすべり軸受である(17)項に記載の一体型モータポンプ。
本一体型モータポンプに用いられる軸受は、圧送される液体を潤滑剤とするすべり軸受である。この場合、液体がすべり軸受を通して漏れるようにすることができる。軸受の内側の空間は勿論、外側の空間もポンプ本体の内部であり、漏れた液体がポンプ本体の外部へ流出するわけではない。このようにすべり軸受とすれば、メカニカルシール等の軸封装置が不要となり、騒音を小さくすることができる。さらに、原子力施設用のように、液漏れを極端にきらう用途や、クリーンルーム用のように、メカニカルシール等の軸封装置から漏れた液体が気化して周囲に拡散することすら許されない用途にも使用が可能になるのである。なお、軸封装置は省略可能であっても、軸受内へ異物が侵入することを防止するために、フィルタ等の異物除去部材や、実施例において詳述する異物除去装置等を設けることが望ましい場合もある。
なお、軸受がすべり軸受であり、回転子の内周側から外周側に液体が漏れる場合には、回転側軸受部材を一方の中空円筒状の部材とし、固定側軸受部材を第1軸受部材と第2軸受部材とを含むものとすることが望ましい。
(19)(i)前記回転側軸受部材と前記固定側軸受部材とのいずれか一方と、その一方が保持される前記回転子と前記本体とのいずれか一方との間と、(ii)前記第1軸受部材と、前記回転子と前記本体との他方との間と、(iii)前記第2軸受部材と、前記他方との間とのうちの少なくとも1つにトレランスリング(Tolerance ring)が設けられた(17)項または(18)項に記載の一体型モータポンプ。
トレランスリングは、半径方向の力によって半径方向の寸法が容易に変わる円環状の部材であり、周方向に並んだ凹凸を有する円形あるいは楕円形の環状部材(周の一部を欠く場合もある)である。
軸受を構成する軸受部材がトレランスリングを介して保持されるようにすれば、このトレランスリングの変形により、トレランスリングが設けられない場合に比較して、軸受部材に加わる力を軽減することができる。
また、軸受がすべり軸受である場合には、トレランスリングにより寸法誤差が吸収され、回転子の回転に伴って発生する調心力による軸受部材の移動が許容されるため、ポンプの作動中において、それら軸受部材がほぼ同心となる位置まで移動し(調心されて)、その位置で相対回転させられるようにすることができる。
なお、軸受がすべり軸受である場合には、複数の軸受部材が、小さい隙間が残るように組み付けられるのが普通であり、ポンプの停止状態において、複数の軸受部材が同心に位置しないこともある。しかし、ポンプの作動時には、相対回転する軸受部材間に存在する液体に発生する圧力に基づく調心力が発生するため、複数の軸受部材がトレランスリングを介して保持されるようにすれば、その調心力により複数の軸受け部材が調心され、軸受部材間の液体の流れを適度に許容しつつ、静粛に相対回転し、回転子を良好に回転させる。
その結果、軸受部材の加工精度を高くする必要性が低くなる。例えば、軸受部材の各々において、軸受部材同士が対向する面について高い精度で研磨加工が施されれば、それ以外の面については高い精度で研磨加工を施す必要性はないのである。
なお、トレランスリングは、ステンレス鋼によって形成されたものとすることができる。
(20)前記回転側軸受部材と前記固定側軸受部材との少なくとも一方が、セラミックスによって形成されたものである(17)項ないし(19)項のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ(請求項9)。
ポンプによって圧送される液体に異物が含まれている場合には、それによって軸受部材(回転側軸受部材や固定側軸受部材)が摩耗するおそれがある。それに対して、軸受部材が耐摩耗性が優れたセラミックスで形成されたものとすれば、異物等によって摩耗させられ、液体に混入することを回避することができる。
軸受がすべり軸受である場合でも、回転側軸受部材と固定側軸受部材とが直接接触して摺動することが殆どないため、軸受を構成する部材が摩耗して、ポンプによって圧送される液体に混入することは殆どない。また、回転側軸受部材と固定側軸受部材とが直接接触して摺動することがあっても、軸受部材が耐摩耗性が優れたセラミックスで形成されていれば、摩耗が良好に回避される。
また、回転側軸受部材と固定側軸受部材とが直接接触して摺動する場合には、過熱や焼き付きのおそれがある。それに対して、回転側軸受部材や固定側軸受部材が耐熱性に優れたセラミックス材料で形成されるようにすれば、過熱を抑制することができる。
これらの事情から、回転側軸受部材と固定側軸受部材との少なくとも一方が、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si34)、アルミナ(Al23)、ジルコニア(主成分がZrO2であり、CaO,Y23等が添加されることもある)等によって形成されることが望ましい。
回転側軸受部材と固定側軸受部材との両方をセラミックス材料によって形成されたものとすることも可能である。
また、金属材料で形成された部材にチタンコーティングを施した部材を回転側軸受部材と固定側軸受部材との少なくとも一方として使用しても同様の効果が得られる。
なお、セラミックス材料は金属材料に比較して脆いため、軸受部材がセラミックス材料で形成される場合には、研磨加工が困難である。その結果、高い精度が要求される場合には加工コストが高くなる。加工コストは、軸受部材が断面形状がL字形の円環状部材である場合には、より一層高くなる。それに対して、軸受部材が複数の中空円筒状(断面が四角形)の部材から成るものとすれば、高い精度が要求される場合であっても、加工コストを低くすることが可能となる。
(21)前記回転側軸受部材と前記固定側軸受部材との一方が、アルミナセラミックスによって形成されたものであり、他方がカーボン(カーボンブラック:微粉炭素)によって形成されたものである(17)項ないし(20)項のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ。
回転側軸受部材や固定側軸受部材が、カーボンで形成されるようにすれば、セラミックスで形成される場合より、材料費を低減させ、加工コストを低減させることができる。カーボンとして、モールドカーボン(含浸カーボンと称することがある)、焼成カーボン(不含浸カーボンと称することがある)等が知られている。モールドカーボンとは、カーボングラファイトのことで、カーボンをバインダによって固めたもので、カーボンを80%以上含むものをいい、焼成カーボンとは、バインダを含まないで焼成して得られるカーボンをいう。軸受部材としては、焼成カーボンを用いることが望ましい。また、すべり軸受において、カーボンで形成された部材を用いても、カーボンが摩耗することは殆どないが、摩耗して、微少量流体に混ざるおそれはある。そのため、カーボンで形成された軸受は、ポンプによって圧送される液体について高い純度が要求されない場合に適している。
また、実験等により、一対の軸受部材のうちの一方をカーボン製の部材として他方をアルミナセラミックス製の部材とした軸受(カーボン・アルミナセラミックス)、一方を炭化ケイ素製の部材として他方を炭化ケイ素以外のセラミックス製の部材とした軸受(炭化ケイ素・炭化ケイ素以外のセラミックス)、両方を炭化ケイ素とした軸受(炭化ケイ素・炭化ケイ素)等が望ましいことが知られている。炭化ケイ素製の部材とする場合には、多孔性のものとすることが望ましい。多孔性の部材とすれば、液体の潤滑性を向上させることができるからである。それに対して、両方をアルミナセラミック製の部材とした軸受、一方を炭化ケイ素製の部材として他方をカーボン製の部材とした軸受、両方をカーボン製の部材とした軸受等は適していないことが知られている。
(22)前記回転側軸受部材の、前記固定側軸受部材と軸方向において対向する面に複数の渦巻き状の溝が形成された(17)項ないし(21)項に記載の一体型モータポンプ(請求項10)。
回転側軸受部材に渦巻き状の溝部を形成すれば、軸受部材に回転羽根に類似の機能を与えることができ、また、液体による膜が形成され易くすることができて、すべり軸受として良好に機能させることが可能となる。また、軸受を介して液体をより確実に流れさせ、水膜を形成させることができるため、軸受部材間の隙間を小さくできるという利点もある。
(23)前記回転子が、軸方向に延びる磁石を複数含む(1)項ないし(22)項のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ。
磁石は、回転子の外周面に貼り付けても、回転子に埋め込んでもよい。また、外周面に貼り付けた場合には、磁石を外側から耐液性が優れた磁性材料で覆うことができる。
磁石が耐液性(防錆性)が優れたものである場合には、磁石を覆う必要性は低いが、耐液性が劣るものである場合には、液体との接触を防止するために覆うことが望ましい。
このように、磁石を回転子の外周面に貼り付けて覆う場合、あるいは、回転子の内部に埋め込む場合には、防錆性が劣るが磁力が強い磁石を使用することが可能となる。例えば、希土類磁石としてのネオジウム磁石(Nd−Fe−B)等がある。
なお、回転子は、磁性材料であり、かつ、防錆性、耐摩耗性を有する材料で形成されたものとすることが望ましく、例えば、ステンレス・ニッケル合金等が該当する。
(24)固定子鉄心にコイルが巻かれて成り、中空円筒状をなす固定子と、
中空円筒状をなし、前記固定子の内側に同心かつ相対回転可能に配設され、固定子との間の磁気的相互作用により回転する回転子と、
その回転子の内側に、回転子と一体的に回転可能に設けられた回転羽根と
を含み、前記回転羽根が、それの外周面に設けられた弾性的に変形可能な少なくとも1つの第1係合爪を有し、前記回転子が、それの内周面の対応する位置に設けられた少なくとも1つの第1係合凹部を有し、それら第1係合爪と第1係合凹部との係合により、前記回転子が前記回転羽根と一体的に回転可能とされた一体型モータポンプ。
本発明の課題は、回転羽根を良好に回転子に保持させることであり、回転羽根が合成樹脂によって形成されたものである場合に特に有効である。また、部品点数を増加させることなく、回転羽根を容易に組み付け可能とすることもできる。
本一体型モータポンプには、(1)項ないし(23)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(25)固定子鉄心にコイルが巻かれて成り、中空円筒状をなす固定子と、
中空円筒状をなし、前記固定子の内側に同心かつ相対回転可能に配設され、固定子との間の磁気的相互作用により回転する回転子と、
その回転子の内側に、回転子と一体的に回転可能に設けられた回転羽根と、
前記固定子を保持する本体と前記回転子との間に設けられ、前記本体に前記回転子を相対回転可能に支持させる軸受と
を含み、前記回転子に一体的に回転可能に設けられた回転側軸受部材と前記本体に設けられた固定側軸受部材とを有し、前記回転側軸受部材と前記固定側軸受部材とのいずれか一方が中空円筒状をなし、他方が、(i)前記一方の部材の軸方向と平行に延びた外周面と内周面とのいずれか一方に対向する周面を有する中空円筒状の第1部材と、(ii)前記一方の部材の軸方向と直交する第1端面に対向する第2端面を有する中空円筒状の第2部材とを含む一体型モータポンプ。
本発明の課題は、軸受の加工コストを低減させることであり、特に、軸受を構成する軸受部材がセラミックス材料で形成される場合に有効である。
本一体型モータポンプには、(1)項ないし(24)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(26)固定子鉄心にコイルが巻かれて成り、中空円筒状をなす固定子と、
中空円筒状をなし、前記固定子の内側に同心かつ相対回転可能に配設され、固定子との間の磁気的相互作用により回転し、それの内周面に設けられ、軸方向および周方向に隔たった複数の第1係合凹部を有する回転子と、
その回転子と一体的に回転可能に設けられ、外周面に設けられた少なくとも1つの弾性的に変形可能な第1係合爪を有する複数段の回転羽根と、
前記回転子の中心部に、その回転子と同心に設けられ、外周面に設けられ、軸方向および周方向に隔たった複数の第2係合凹部を有する固定軸と、
その固定軸の外周側に前記複数段の回転羽根の各々と交互に配設され、それの内周面に設けられた少なくとも1つの弾性的に変形可能な第2係合爪を有する複数の案内羽根と
を含む一体型モータポンプの組立方法であって、
前記回転羽根の第1係合爪の位相と、前記回転子の、その回転羽根に対応する第1係合凹部の位相とが一致する姿勢で、前記回転子の内部において、それら回転羽根と回転子とを軸方向に直線的に相対移動させて、前記第1係合爪を前記第1係合凹部に係合させることにより、前記回転羽根を前記回転子に一体的に回転可能に設けるとともに、前記案内羽根の第2係合爪の位相と前記固定軸の、その案内羽根に対応する第2係合凹部の位相とが一致する姿勢で、前記固定軸に沿って、それら案内羽根と固定軸とを軸方向に直線的に相対移動させて、前記第2係合爪を前記第2係合凹部に係合させることにより、前記案内羽根を前記回転子に固定させる一体型モータポンプの組立方法。
本発明の課題は、回転羽根と回転子との間、案内羽根と固定軸との間の摺動を可及的に少なくしつつ、組み立て作業を行い得るようにすることである。
組み立てる際には、回転羽根や案内羽根を固定して回転子や固定軸を移動させても、回転子や固定軸を固定して回転羽根や案内羽根を移動させても、これらの両方を移動させてもよい。
本組立方法によって組み立てられる一体型モータポンプには、(1)項ないし(25)項のいずれかに記載の技術的特徴を有するものとすることができる。
(27)固定子鉄心にコイルが巻かれて成り、中空円筒状をなす固定子と、
中空円筒状をなし、前記固定子の内側に同心かつ相対回転可能に配設され、固定子との間の磁気的相互作用により回転し、それの内周面に設けられ、軸方向および周方向に隔たった複数の第1係合凹部を有する回転子と、
その回転子と一体的に回転可能に設けられ、外周面に設けられた少なくとも1つの弾性的に変形可能な第1係合爪を有する複数段の回転羽根と、
前記回転子の中心部に、その回転子と同心に設けられ、外周面に設けられ、軸方向および周方向に隔たった複数の第2係合凹部を有する固定軸と、
その固定軸の外周側に前記複数段の回転羽根の各々と交互に配設され、それの内周面に設けられた少なくとも1つの弾性的に変形可能な第2係合爪を有する複数の案内羽根と
を含む一体型モータポンプを組み立てる組立装置であって、
前記回転子と前記固定軸とを含む半組立品を予め定められた姿勢で保持する半組立品保持部と、
その半組立品保持部に保持された前記半組立品の前記回転子と前記固定軸との間に、前記回転羽根と前記案内羽根とを、それぞれ、軸方向に直線的に交互に押し込む押込部と、
その押込部による押込位置を規定する位置決め部と、
前記押込部の作動を制御する押込制御装置と
を含む組立装置。
組立装置は、例えば、プレス加工装置を利用することができる。
本項の組立装置によって組み立てられる一体型モータポンプは、(1)項ないし(25)項のいずれかに記載の技術的特徴を有するものとすることができる。
(28)前記半組立品保持部と、前記押込部と、前記位置決め部とを備えた複数の組付ステーションと、
前記半組立品について、前記複数の組付ステーションのうちの一のステーションにおいて、前記回転羽根と前記案内羽根とのいずれか一方の1つが組み付けられた後、他方の1つを組み付けるために別の組付ステーションへを移動させるトランスファフィーダと
を含む組立装置であって、前記位置決め部の各々が、それぞれ、規定する押込位置が異なるものである(27)項に記載の組立装置。
複数の回転羽根と案内羽根とを、交互に連続的に組み付ける場合には、トランスファプレス装置を利用することができる。
図1に本発明の一実施例である一体型モータポンプを示す。
本一体型モータポンプは、ハウジング8と、固定子10および回転子12を備えた電動モータ14と、回転羽根18,案内羽根20および返し通路22を備えた多段渦巻ポンプ24とを含み、電動モータ14と多段渦巻きポンプ24とが一体化されて、ハウジング8内に設けられる。本一体型モータポンプは液体、特に水を圧送するに適したものとして設計されている。以下、水を圧送するポンプとして使用される場合について説明する。
固定子10は、固定子鉄心32にコイル34が巻かれて成り、ハウジング8および内筒36により構成される密封容器37により、液密に密封されている。ハウジング8は、外筒38および外筒38の両端部に設けられた吸入側端板42、吐出側端板44(以下、単に、端板と称することがある)等を含む。
外筒38および内筒36は共に中空円筒状をなし、端板42,44に、同心かつ液密に、それぞれ、Oリング46を介して固定される。その結果、内筒36、外筒36、端板42,44により固定子10が配設される空間が液密に閉塞されることになる。
吸入側端板42には軸方向に貫通する複数個の吸入口50が形成され、吐出側端板44には軸方向に貫通する複数個の吐出口52が形成される。また、端板42,44の端面の一部には接続部54が設けられる。接続部54において、凹部56に被接続部が嵌め込まれ、ピン58によって固定される。接続部54は、全周に渡って設けられるのではない。図1において、吸入側端板42については接続部54が設けられている部分を記載し、吐出側端板44については接続部54が設けられていない部分を記載した。本実施例においては、端板42,44の一部がフランジとしての機能を有する。
前記回転子12は、磁性材料製(防錆上、磁性を有するステンレス鋼が望ましい)の中空円筒である回転子本体としてのヨーク60の外周面に、複数の永久磁石62が等角度間隔に固定されて成る。
永久磁石62は、ヨーク60の外周面に貼り付けられて、カバー部材(磁石バンド)64によって覆われる。本実施例においては、永久磁石62は、ネオジウム磁石(Nd−Fe−B)とされ、カバー部材64は、ステンレス鋼とされる。
例えば、永久磁石62が接着剤(例えば、エポキシ樹脂を含む2液タイプの接着剤)によって貼り付けられ、カバー部材64が永久磁石62を覆う状態で接着剤で貼り付けられ、カバー部材64の両側部がへら絞り加工(スピニング加工)によって絞られる。それによって、永久磁石全体がステンレス鋼の板材で覆われることになる。
このように、永久磁石62がカバー部材64によって覆われて、水と接触することがないため、ネオジウム磁石のように、強い磁性を有するが、錆びやすい磁石を使用することも可能となる。
ヨーク60は、それの両端部において、一対の軸受(吸入側軸受68、吐出側軸受69)によってハウジング8に相対回転可能に支持される。軸受68、69は、それぞれ、ヨーク60と一体的に回転可能な回転側軸受部材70と、ハウジング8に固定の固定側軸受部材72とを含む。
本実施例においては、これら軸受部材70,72は、それぞれ、炭化ケイ素によって形成されたものである。炭化ケイ素は、耐摩耗性、耐熱性に優れたものであるため、仮に、ポンプによって圧送される水に異物が含まれていても、その異物等によって摩耗することがない。
また、軸受部材70,72は、それぞれ、断面がL字形を成した円環状部材であり、回転側軸受部材70の軸方向に直交する端面70aと固定側軸受部材72の軸方向に直交する端面72aとが接触し、回転側軸受部材70の円筒面70bと固定側軸受部材72の円筒面72bとが接触する状態で設けられる。固定側軸受部材72は、回転側軸受部材70の軸方向の力と、回転方向の力との両方を受けるのであり、軸受68、69は、ラジアル・スラスト軸受として機能する。
さらに、軸受68、69はすべり軸受であり、本一体型モータポンプは軸封装置を備えていない。したがって、本一体型モータポンプにより圧送される水が、各々の軸受部材70,72の摺動面間に水膜を形成し、潤滑剤として機能する。
また、吸入側軸受68の回転側軸受部材70の端面70aには、図2に示すように、複数の溝74が形成され、これら溝74の間がそれぞれ羽根75とされる。複数の溝74および羽根75は、途中で鋭角で曲げられた形状で形成されている。溝74(羽根75)は、外周側の羽根75oが、回転子12の矢印P方向の回転に伴って、外周側の水を掻き込み、内周側の羽根75iが溝74にある水を押し出す向きに傾斜して設けられる。また、内周面70bには、軸方向に沿った複数の溝76が形成される。
吐出側軸受69の回転側軸受部材70の端面70aには、図3に示すように、複数の溝78が形成され、これらの間が羽根79とされる。溝78(羽根79)は、回転子12の矢印Q方向の回転に伴って、通常の回転羽根のように内周側の水を吸い込み、外周側に吐き出す向きに傾斜して設けられる。また、内周面70bには、軸方向に沿った複数の溝80が形成される。
このように吸入側軸受68の回転側軸受け部材70の端面70a,吐出側軸受69の回転側軸受部材70の端面70aに形成された溝74(羽根85),溝78(羽根79)は、ポンプとしての機能することになる。
なお、回転側軸受部材70とヨーク60との間、固定側軸受部材72とハウジング8との間には、それぞれ、図6に示すトレランスリング82が配設される。トレランスリング82は、板状部材が周方向に並んで凹凸を有する状態で変形させられて成る円環状(一部を欠く)の部材であり、トレランスリング82により、公差が吸収され、回転子12の回転時に、調心力に起因する軸受部材70,72の移動が許容される。また、半径方向の力が過大となることを回避する機能も有する。
図1に示すように、ハウジング8の端板42,44には、固定軸84が、外筒38,内筒36と同心に、相対回転不能に支持されている。この固定軸84とヨーク60との間に前記回転羽根18,案内羽根20および返し通路22が複数段ずつ、軸方向に対して交互に配置されている。図示の例ではそれぞれ3個ずつ、すなわち、3段設けられている。案内羽根20および返し通路22は、固定軸84に固定的に保持され、回転羽根18が回転子12のヨーク60と一体的に回転可能に保持される。
それら回転羽根18、案内羽根20および返し通路22(以下、案内羽根20と称する)は、本実施例においては、耐摩耗性が優れた合成樹脂(例えば、ガラス繊維入りポリフェニレンオキサイト樹脂)によって形成される。回転羽根18,案内羽根20は、一体的に形成しても、複数に分割してそれぞれ形成した後、1つの部材としてもよい。本実施例においては、複数の部分に分割してそれぞれ成形した後、例えば、高周波溶着等により固着されて1つの部材とされる。
図4(a)、(b)に示すように、回転羽根18の外周面には、一対の第1係合爪100が直径方向に隔てて設けられる。一対の第1係合爪100は、それぞれ、アーム101とその先端に外周側に突出して設けられた先端突部102とを含む。また、回転羽根18の第1係合爪100の周辺には、割溝103がアーム101に沿って形成される。割溝103によってアーム101が形成されるのであり、割溝130によってアーム101の撓みが許容される。
それに対して、回転子12の内周面の軸方向に隔たった位置には、第1係合凹部104が設けられる。第1係合凹部104は、図4(b)に示すように、予め定められた点(例えば、固定軸84の外周面付近の点)を中心とした半径Rの溝であり、軸方向の同じ位置において、互いに直径方向に隔たった位置に設けられる。一対の第1係合爪100が一対の第1係合凹部104に係合させられることにより、回転羽根18が回転子12に一体的に回転可能に保持される。
本実施例においては、第1係合凹部104は、軸方向の同じ位置に2つずつ、軸方向の異なる位置に、一対の係合凹部104を通る直線Ki(i=1,2,3)が中心角120°(n段のポンプにおいて、2π/n)ずつ隔たった位置に、それぞれ、設けられる。また、軸方向に隣接する1つずつの第1係合凹部104が、互いに中心角60°(2π/kn:kは1つの回転羽根18に設けられる第1係合爪100の個数)だけ隔たって設けられる。その結果、第1係合凹部104は、それぞれ、異なる位相で設けられることになり、同じ位相上に位置することはない。なお、第1係合凹部104が設けられる軸方向の位置は、回転羽根18が保持される位置である。
図5(a)、(b)に示すように、案内羽根20の内周側には1つの第2係合爪106が設けられる。第2係合爪106は、アーム108とアーム108の先端に設けられ、内方へ突出する先端突部109とを含み、案内羽根20には、割溝110が形成されている。
また、固定軸84の外周面には、第2係合爪106に対応して軸方向に隔てて第2係合凹部112が形成されており、これら第2係合爪106と第2係合凹部112とが係合させられることにより、固定軸84に案内羽根20が固定的に保持される。第2係合凹部112は、軸方向の異なる位置に、1つずつ、中心角が120°(2π/n:n段のポンプ)隔たった位置に設けられる。軸方向に隔てて設けられた第2係合凹部112は、互いに異なる位相に形成されるのであり、同じ位相の位置に形成されることはない。第2係合凹部112の軸方向の位置は、案内羽根20等が設けられる位置である。
回転羽根18および案内羽根20の形状等については、通常の渦巻ポンプのそれらと同じであるため、詳細な説明は省略する。
回転羽根18,案内羽根20が金属材料で形成された場合には、圧入によって回転子12,固定軸84に容易に固定することができる。しかし、合成樹脂は金属材料より強度が小さく、圧入する場合に、しめしろを大きくすることができない。また、ピン、キー等を利用して固定する場合には、部品点数が増え、作業(加工、組立、部品管理等)工数が増えるため、望ましくない。それに対して、係合爪100,106と係合凹部104,112との係合で固定されるようにすれば、合成樹脂で形成されても、回転子12,固定軸84に良好に、少ない作業工数で固定することが可能となる。
図1に示すように、固定子10は、内筒36と外筒38との間に配設され、固定子10の周辺には合成樹脂が充填されて、合成樹脂層116が形成される。
内筒36は、図7(a)、(b)に示すように、大径部120と小径部122とを含む段付きの中空円筒状を成した部材であり、大径部120においても小径部122においても、それぞれ、中空円筒部124(大径円筒部),126(小径円筒部)と、円筒部124,126から半径方向外方へ突出する複数のリブ128(大径リブ),130(小径リブ)とから成る。大径円筒部124は、小径円筒部126より肉厚が厚く、大径リブ128は小径リブ130より半径方向への突出量が大きい。また、リブ128,130は、それぞれ、等間隔で(中心角が同じで)複数個ずつ、軸方向に延びて形成される。大径リブ128は、外筒38の内周面に至る長さ(内筒と外筒との間の長さ)とされ、小径リブ130は、図8に示すように、鉄心32の凹部131の内側(コイル34の間)に入り込む長さとされる。本実施例においては、固定子10が内筒36の小径部122と外筒38との間に設けられるのであり、小径部122によって仕切り壁が構成される。
大径リブ128が外筒38の内周面に当接することによって内筒36の外筒38に対する相対位置が決まる。また、外筒38に大径リブ128が当接することによって内筒36が外筒38に支持されるのであり、内筒36の強度を大きくすることができる。さらに、リブ128,130によって内筒36の成形性を向上させることもできる。
内筒36は、本実施例においては、耐熱性、耐摩耗性が優れた合成樹脂(例えば、ガラス繊維入りポリフェニレンオキサイト樹脂)によって形成される。仮に、内筒36が金属材料によって製造されたものである場合には、コイル34に流れる電流が変化したり、電流が流れるコイル34が変化したりして、磁束の向きが変化すると、それに伴って、内筒36を通る磁束が変化して、うず電流が生じる。うず電流が生じると、電力が損失し、モータ効率が悪くなる。それに対して、内筒36を合成樹脂によって製造されたものとすれば、うず電流の発生を良好に回避することができる。
また、内筒36の肉厚が厚くされると、コイル34と永久磁石62との間の距離が大きくなり、磁力が弱くなり、望ましくない。
そこで、本実施例において、大径円筒部124の肉厚が2〜3mmとされるのに対して、小径円筒部126の肉厚が1mmと薄くされるのである。
さらに、コイル34に電流を供給するための電源ケーブルが接続されたコネクタ140が、ハウジング8の吐出側端板44に設けられるのであるが、そのコネクタ140が接続される予定の穴から合成樹脂(例えば、ウレタン系の樹脂、ABS樹脂とすることができる)が流し込まれて合成樹脂層116が形成される。その場合に、合成樹脂層116は、内筒36の小径部122に対応する部分等に形成され、大径部120に対応する部分には形成されない。合成樹脂層116によって、コイル34が液密に保持され、内筒36の強度が補われる。また、放熱性を向上させることもできる。
次に、本一体型モータポンプの組み立て方法について説明する。一体型モータポンプは、図9、10に示すトランスファプレス装置200を利用して組み立てられる。トランスファプレス装置200は、本体202(本体の一部であるベッドを示す)と、その本体202に対して昇降可能に保持されたスライダ204とを含み、スライダ204に押込みロッド205が保持される。スライダ204は、油圧シリンダや電動モータ等の駆動装置により昇降させられる。
本体202には位置決め装置206が取り付けられる。位置決め装置206は、ワーク(半組付品)の位置を決めるワーク保持部208とスライダ204の下降端位置を決める一対の位置決めロッド210とを含む。図示は省略するが、スライダ204,位置決め装置206等は、複数個、本体202に、水平方向に並んで予め取り付けられている。複数個の位置決め装置206の各々について、位置決めロッド210の長さ(ベッド202からの高さ)Hiは、組立て工程が進むにつれて高くされるのであり、最初の工程に使用される位置決めロッド210が最も低い。位置決めロッド210の高さHiは、次に組み付けられる部材(回転羽根18、案内羽根20)に対応する回転子12,固定軸84の係合凹部の軸方向の位置が変化すると(高くなると)それに応じて高くされる。
図示を省略するが、トランスファフィーダの一対のフレーム214は、複数の位置決め装置206と平行に延ばされるのであり、本実施例においては、一対の位置決めロッド210の内側で、ワーク保持部208の両側に位置する。フレーム214には、複数対のグリップ216が保持される。複数対のグリップ216の各々は、ワークに対して接近・離間可能(グリップ位置と非グリップ位置とに移動可能)、かつ、垂直方向および水平方向に移動可能とされる。複数対のグリップ216は、図示しない駆動装置により一体的に移動させられる。ワークは、一対のグリップ216に把持されて、次の加工(組立)位置(組立ステーション)まで運搬されて、ワーク保持部208に保持される。
予め、固定軸84と回転子12(ヨーク60には、予め永久磁石62が固定されている)とを治具220に取り付けておく。固定軸84,回転子12は、それぞれ、垂直な姿勢で、かつ、予め定められた向きで取り付けられる。例えば、吐出側が下方(治具側)となること、最も下方に位置する係合凹部104,112が軸方向の基準線上に位置すること(固定軸84の姿勢については互いに対向する面222の向きで決まる)等予め定めて決められているのである。この予め定められた姿勢は、あくまで一例であり、吸入側が下方となる姿勢に決めておくこともできる。また、固定軸84と回転子12との相対位置関係は問わない。固定軸84についての基準線と回転子12についての基準線とは異なっていても差し支えないのである。回転羽根18,案内羽根20のいずれも、固定軸84と回転子12との両方に係合させられることがないからである。
このように、治具220に保持された固定軸84および回転子12(以下、これら全体をワーク224と称する。ワークは半組立品である)は、ワーク供給装置により、本体202の最も上流側に位置する位置決め装置206のワーク保持部208に保持される。
案内羽根20が、図5に示すように、第2係合爪106の位相と固定軸84の最も下方に形成された(最も吐出側に形成された)第2係合凹部112の位相とが一致する姿勢で保持されて、押込みロッド205によって、スライダ204が位置決めロッド210に当接するまで軸方向に押し込まれる(下方に直線的に移動させられる)。押し込まれる途中においては、第2係合爪106において、先端突部109に固定軸84の外周面から案内羽根20の内部に向かう力が加えられるため、アーム108が撓められる(割溝110に向かって撓められている)。第2係合爪106が第2係合凹部112に達すると、アーム108の弾性力によって戻され、アーム108の先端突部109が第2係合凹部112に係合させられる。本実施例においては、複数の第2係合凹部112が互いに異なった位相で形成されるため、予め第2係合爪106の位相と第2係合凹部112の位相とが一致した姿勢で、案内羽根20が押し込まれるようにすれば、第2係合爪106がそれに対応しない第2係合凹部112に係合させられることはない。
案内羽根20が組み付けられたワーク224は、トランスファフィーダによって次の加工位置(組立ステーション)まで移動させられて、ワーク保持部208に保持される。本実施例においては、一対のグリップ216が互いに接近させられ、ワーク224を把持し、垂直方向に上昇させられることによって、ワーク224がワーク保持部208から外される。その後、一対のグリップ216が水平方向に移動させられ、所定の位置において下降させられることによって、ワーク224が次の組立ステーションへ移動させられ、ワーク保持部208に保持される。この組立ステーションにおける位置決め装置206の位置決めロッド210は、前工程における位置決めロッド210より長い。軸方向に隣接する第1係合凹部104と第2係合凹部112との間の長さ、回転羽根18の第1係合爪100が設けられた位置、案内羽根20の第2係合爪106が設けられた位置、組み付け状態における回転羽根18および案内羽根20の隙間等によって決まる長さだけ、長くなるのである。
回転羽根18が、図4に示すように、一対の第1係合爪100の位相と、回転子12の最も下方に設けられた一対の第1係合凹部104の位相とが一致する姿勢で、押込みロッド205によって軸方向に押し込まれる。第1係合爪100において、先端突部102に、ヨーク60の内周面から力が加えられるため、アーム101が内方へ割溝103に向かって撓められる。スライダ204が位置決めロッド210に当接し、回転羽根18の一対の第1係合爪100が一対の第1係合凹部104に到達すると、アーム101の弾性力により、先端突部102が第1係合凹部104に係合させられる。この場合においても、第1係合凹部104が同じ位相に設けられることがないため、第1係合爪100が対応しない第1係合凹部104に係合させられることはない。
以上、案内羽根20の組付け、回転羽根18の組付けが交互に3回ずつ繰り返し行われると、案内羽根20と回転羽根18とが軸方向に交互に配設されることになり、3段のポンプが組立けられることになる。また、図1に示すように、回転羽根18と案内羽根20との間には、隙間が設けられるのであり、回転羽根18と案内羽根20とが、相対回転時に干渉することがない。
以下、軸受68,69、電動モータ14等が順次組み立てられて、本一体型モータポンプが組み立てられるのであるが、他の部材の組立方法は、本発明とは関係がないため、説明を省略する。
以上のように製造された一体型モータポンプには、例えば、接続部54において、吸入管、吐出管等が接続されて使用される。本一体型モータポンプの電動モータ14にはインバータ240を介して電源242が接続されるのであるが、コンピュータを主体とする制御装置244の指令に基づいてインバータ240が制御され、インバータ242によって制御された電流が供給される。
一体型モータポンプのコイル34に電流が供給されれば、固定子10により回転する磁界が形成され、その磁界と回転子12の永久磁石62の磁界との相互作用により、回転子12が固定子10の磁界の回転に伴って回転させられる。そのため、回転子12に固定の回転羽根18が回転し、水に運動エネルギを与えて内周側から外周側への移動を生じさせる。回転羽根18の外周側から放出された水は、案内羽根20の外周部に流入し、返し通路22により内周側へ案内されるうちに、圧力が高くなる。案内羽根20の内周部から放出された水は、返し通路22を経て回転羽根18の内周部へ流入し、再び運動エネルギを与えられる。以上の繰返しにより、最終段の案内羽根20の内周部からは水が高い圧力で放出される。
このように、一体型モータポンプの回転により、水が吸込口50から吸い込まれ、吐出口52から吐出されるのであるが、吸込側と吐出側との間に圧力差が生じるため、この圧力差がラジアル・スラスト軸受68,69にも作用する。ラジアル・スラスト軸受68,69には軸封装置は設けられていないため、上記液圧差により、ラジアル・スラスト軸受68,69の摺動面間に水が供給され、水膜を形成して潤滑作用をなす。
吐出側において、回転子12の回転に伴って吐出口側軸受69の回転側軸受部材70も回転させられる。図3に示すように、回転側軸受部材70が矢印Q方向に回転させられると、羽根79によって内周側から水が掻き込まれて外周側に向かって押し出されるのであり、周面70bに形成された溝80を経て水が吸い込まれて、ヨーク60の外周側に供給される。
また、吸入側において、回転子12の回転に伴って吸入側軸受68の回転側軸受部材70が図2の矢印Pの方向に回転させられる。羽根75によって外周側の水が溝74に沿って掻き込まれるが、溝74の折れ曲がった付近において、水圧が高くなり、回転側軸受部材70が固定側軸受部材72から離間し易くなる。また、外周側から掻き込まれた水は、内周側に押し出され、溝76に沿って回転子12の内周側に供給される。
このように、軸受68,69の回転側軸受部材70の端面70aにそれぞれ溝74,78を形成すれば、吐出口52側から吸入口50側への水の流れが促されるため、軸受部材70,72の間に設けられる隙間を小さくすることができる。また、溝74,78が形成されることにより、軸受部材70,72の間に水膜が良好に形成されて、潤滑溝として機能し、軸受部材70,72が直接摺動することをより確実に回避することができる。
また、上述のように、軸受68,69がすべり軸受であり、軸受部材70,72同士が摺動させられることは殆どないのであるが、仮に、摺動させられたとしても、軸受部材70,72が炭化ケイ素によって形成されたものであるため、軸受部材70,72が摩耗して、削れることがない。さらに、ポンプによって圧送される水に異物が含まれていても、異物等によって摩耗させられることがなく、ポンプによって圧送された水に摩耗した軸受部材70,72の破片が混入することもない。このことから、本一体型モータポンプは、ポンプによって圧送される水の純度が問題となる場合等に適している。なお、フィルタ、異物除去装置等と合わせて本一体型モータポンプを使用すれば、より一層、圧送された水への異物の混入を回避することができる。
さらに、本実施例においては、内筒36が合成樹脂によって形成されたものであるため、内筒36においてうず電流が発生しないようにすることができ、電力の損失を少なくして、モータ効率を向上させることができる。従来の内筒36がステンレス鋼によって形成された一体型モータポンプにおける場合より、20%程度モータ効率を向上させることができる。
また、回転羽根18,案内羽根20,戻り通路22等が合成樹脂によって形成されたものであるため、金属材料で形成されたものとした場合より軽量化を図ることができ、ポンプ効率を向上させることができる。
さらに、回転羽根18,案内羽根20が係合爪と係合凹部との係合によって固定されるようにされているため、キー、ピン等を利用して固定される場合に比較して、部品点数を低減させ、加工コストを低減させることができる。
また、回転子12の係合凹部104は、図4(b)に示すように、半径Rの溝とされ、周方向の寸法が係合爪の幅に対応する大きさとされていない。そのため、回転羽根18の周方向の多少の相対移動は許容されることになる。しかし、回転羽根18は、周方向に対して自由に相対回転するのではなく、ポンプの作動時に加えられるトルクと係合爪100と係合凹部104との間(回転羽根18と回転子12との間)の相対回転阻止力で決まる位置にある。すなわち、係合爪100が半径Rの溝の最も深い部分と係合している状態から回転子12に対して回転羽根18が相対的に回転すれば、係合爪100が溝の浅い部分と係合するようになり、係合爪100の弾性変形量が増して摩擦力が増大するとともに、係合爪100が上る斜面の勾配が大きくなって、斜面を上るのに要する力も増大する。これら摩擦力と斜面を上るのに要する力との和が相対回転阻止力であり、この相対回転阻止力がトルクに等しくなれば、回転羽根18は回転子12に対して相対回転しなくなるのである。
その結果、係合凹部104を、機械加工が容易(すりわりフライス、溝削りバイト等で加工することが可能)な半径Rの溝とすることが可能となり、その分、加工コストを低減させることが可能となる。
固定軸84の係合凹部112についても同様であるが、ポンプの作動時に案内羽根20に加えられるトルクは小さいため、案内羽根20が周方向に移動することは殆どないと考えられる。
なお、上記実施例においては、回転羽根18,案内羽根20が合成樹脂で形成されたものであったが、これら回転羽根18,案内羽根20は防錆性が優れたステンレス鋼等の金属材料で形成されたものとすることもできる。本実施例においても、係合爪と係合凹部との係合により、回転羽根18,案内羽根20が回転子12,固定軸84に保持されるようにすることができる。
また、係合凹部104,112を同じ中心角だけ隔てて設けることは不可欠ではない。係合凹部の位相が互いに異なればよいのである。
さらに、回転子12に設けられた第1係合凹部104,固定軸84に設けられた第2係合凹部112を、互いに周方向の異なる位置に設けることは不可欠ではなく、同じ位置に(同じ位相で)設けることもできる。その場合には、回転羽根18、案内羽根20が押し込まれる場合(軸方向に直線的に移動させられる場合)に、係合爪が、それに対応しない係合凹部に係合しないように、軸線周りに回転させられることになる。
また、上記実施例においては、内筒36が合成樹脂によって形成されたものであったが金属材料によって形成し、肉厚を薄くすることができる。内筒36に発生させられるうず電流は、肉厚を薄くすれば、小さくなるからである。この場合において、合成樹脂層116によって内筒36の強度が補われるため、内筒36の肉厚を0.2mmぐらいにすることも可能である。
さらに、合成樹脂層と金属層との両方を有するものとすることができる。金属層を設ければ、固定子10への水の浸透を良好に防止することができる。また、金属層が回転子側に設けられれば、水に異物が含まれていても、それによって合成樹脂層が摩耗させられることを防止することができる。
さらに、上記実施例においては、軸受部材70,72が炭化ケイ素によって形成されたものであったが、軸受部材70,72の一方をカーボンによって形成されたものとし、他方のアルミナセラミックスで形成されたものとすることもできる。カーボンとアルミナとは摺動しても削れ難いため、軸受部材の組み合わせに適している。また、炭化ケイ素によって形成される場合より、加工が容易であるため、加工コストを低減させることができる。軸受部材70,72が、カーボン、アルミナで形成される場合には、圧送される水の純度が問題とならない場合(例えば、家庭用)に適している。
また、軸受部材70の端面70aに溝74,78を形成することは不可欠ではない。溝74,78を形成しなくても、吐出側と吸入側との圧力差によって、軸受68,69はすべり軸受として良好に機能する。
さらに、上記実施例においては、軸受68,69を構成する軸受部材70,72が、それぞれ、断面がL字形を成した円環状の部材であったが、中空円筒状の部材とすることができる。その場合の一例を図11に示す。
本実施例においては、吸入側軸受250,吐出側軸受252が、それぞれ、回転側軸受部材254と、固定側軸受部材256とを含み、回転側軸受部材254が中空円筒状(断面が四角形)を成した部材であり、固定側軸受部材256が2つの中空円筒状(断面が四角形)を成した第1軸受部材258,第2軸受部材260から成る。
第1軸受部材258は、回転側軸受部材254と軸方向に並んで、回転側軸受部材254の軸方向に直交する端面(第1端面)262と、第1軸受部材258の端面(第2端面)263とが接触する状態で配設され、第2軸受部材260は回転側軸受部材254と周方向に並んで、回転側軸受部材254の内周面264と第2部材260の外周面265とが接触する状態で配設される。本実施例においては、回転側軸受部材254と第1軸受部材258とによってスラスト軸受が構成され、回転側軸受部材254と第2軸受部材260とによってラジアル軸受が構成される。
そして、回転側軸受部材254と回転子12との間、第1軸受部材258,第2軸受部材260とハウジング8との間には、それぞれ、トレランスリング270が設けられる。
また、吸入側軸受250の回転側軸受部材254の端面262に図2に示す溝74が形成されるとともに周面264に溝76が形成され、吐出側軸受252の回転側軸受部材254の端面262に図3に示す溝78が形成されるとともに周面264には溝80が形成される。
本実施例においては、回転側軸受部材254,第1軸受部材258,第2軸受部材260がいずれも炭化ケイ素によって形成されるが、これら軸受部材254,258,260のいずれもが中空円筒状を成したものである。断面形状がL字形の円環状部材でないため、炭化ケイ素によって形成されても、加工がし易くなり、加工コストを低減させることができる。
前述のように、トレランスリング270により寸法誤差が吸収され、回転子12の回転に伴って発生する調心力による移動が許容されるため、ポンプの作動中において、これら軸受部材254,258,260がほぼ同心となる位置まで移動し、その位置で相対回転させられるようにすることができる。軸受部材254,258,260が小さい隙間が残るように組み付けられ、ポンプの停止状態において、これら軸受部材254,258,260が同心に位置しない場合もあるが、トレランスリング270によれば、ポンプの作動時に調心され、軸受部材間の水の流れを適度に許容しつつ、静粛に相対回転させることができ、回転子12を良好に回転させることができる。その結果、それぞれの軸受部材254,258,260の各々について互いに接触する面(端面262,263および周面264,265)については高い精度で研磨加工が行われ、それ以外の面については高い精度で研磨加工が行われない(研磨加工が全く行われない場合も含む)ようにすることも可能となるのである。
また、上記実施例においては、電動モータ14が固定子10および回転子12をそれぞれ1個ずつ有するものとされていたが、複数対の固定子10および回転子12を電動モータ14の軸方向に直列に並べて配設することも可能である。このようにすれば、固定子や回転子の半径方向の厚さを小さくしつつ強力な電動モータを構成することが可能になり、電動モータの中心部に配設されるポンプの外径を大きくすることが可能になる。
さらに、上記実施形態においては、回転子12がヨーク60に永久磁石62のみが固定されたものとされ、電動モータ14の起動時に、インバータ240により回転速度を0から徐々に上昇させる制御が行われるようにされていたが、回転子12に永久磁石62と共に起動用の電気導体を設けることも可能である。起動時には電気導体に流れる電流による磁界と固定子10の磁界との相互作用によって、回転子12が回転させられ、回転子12が固定子10の磁界と同期して回転する状態となった後(同期引き入れ後)には、DCブラシレスモータとして作動する。さらに、かご型誘導モータの採用も可能である。これら回転子に電流が流れる形式の電動モータにおいては、回転子自体も発熱するため、前述のように、回転子が内周面と外周面との両方から冷却されることは非常に望ましいことである。
また、本一体型モータポンプは、異物除去装置と組み合わせて使用することができる。異物除去装置を組み合わせて使用すれば、吸入口50から、異物が除去された水が供給されるため、異物によって軸受部材70,72、回転羽根18,案内羽根20等が摩耗することが回避される。
異物除去装置については、本出願人によって先に出願されて、未だ公開されていない特願2006−61890号の明細書および図面等に記載されたものを使用することができる。異物除去装置は、サイクロン型異物除去装置であり、図12に示す。
図12に示すように、本サイクロン型異物除去装置288の本体部290は、横断面形状が円形の筒状を成し、上下方向に延び、円筒部292,円錐部294および堆積筒296を含む。円筒部292は、本体部290の上部に設けられ、直径が一定のストレート筒であり、円錐部294は円筒部292の下方に設けられ、円筒部292の下端から下に向かうに従って直径が直線状に漸減させられた形状を有する。堆積筒296は、円錐部294の下方に、円錐部294の下端から同軸に延びる状態で設けられ、直径が一定のストレート筒である。
本体部290の上端開口は天板300によって塞がれるとともに、天板300の中央部を貫通して流出筒302が上下方向に延びる状態で設けられている。流出筒302は、有底の円筒状を成し、その底部304は本体部290内に配置され、図15に示すように、複数の開口306が上下方向に貫通し、適宜の間隔を隔てて、本装置では等角度間隔に設けられ、本体部290内から流出筒302内への水の流入を許容する。流出筒302の本体部290から上方へ突出させられた上端部には、その開口周縁に半径方向外向きのフランジ310が形成され、前記一体型モータポンプ311のハウジング8に結合されている。それにより、サイクロン型異物除去装置288が一体型モータポンプ311の吸込口50に同軸に接続され、流出筒302が吸込口50に連通させられる。
本体部290の周壁318には、図13に示すように、その上端部であって、円筒部292の上部の天板300に隣接する部分に複数の流入口320が等角度間隔に形成されている。これら流入口320はそれぞれ、周壁318を厚み方向に、すなわち外周面から内周面まで貫通するとともに、円筒部292の軸線に対して軸対称な渦巻線であって、周壁318の外周面から内周面に向かうに従って反時計方向に旋回する向きの渦巻線に沿って形成されている。4つの流入口320はそれぞれ、周壁318内に形成されるとともに、本体部290の半径方向に対して傾斜させられているのである。また、4つの流入口320は、図12に示すように、本体部290の軸線に平行な方向において長いが、前記流出筒302の底部304より上側の位置に形成されている。
本体部290の前記堆積筒296の下端には、図12に示すように、異物排除口330が形成されている。この異物排除口330は、開閉体たる錐体332により開閉される。錐体332は、横断面形状が円形を成し、その外周面が、上部ほど横断面積が小さい凸錐面334とされ、堆積筒296の下端部に凸錐面334に対応する凹錐面336が形成されている。この凹錐面336により異物排除口330が画定され、錐体332の異物排除口330への嵌合により異物排除口330が閉じられる。なお、錐体332には、その下面ないし底面に開口する有底の孔339が形成され、重量軽減が図られている。
錐体332は、接続軸338によって羽根部材340に接続されている。羽根部材340は、複数の羽根342を備え、流出筒302の内部において昇降可能に設けられている。これら羽根342は、図14に示すように、羽根部材340の直径方向に隔たった位置に設けられ、それぞれ、上端と下端とが直角となるようにねじられて流出筒302の軸線に対して傾斜させられ、流出筒302内を下方から上方へ、すなわちサイクロン型異物除去装置288から一体型モータポンプ311側へ流れる水の通過を許容するとともに、その際、羽根342の両面(下向きの面と上向きの面)に作用する圧力の差に基づいて水から上昇力を受ける。羽根部材340は引上部材でもある。また、2枚の羽根342のねじり方向は流出筒302内を下方から上方へ流れる水に平面視において反時計方向の旋回を生じさせる向きとされている。
羽根部材340と前記錐体332とを接続する接続軸338は、実質的に剛体であり、本異物除去装置288においては、例えば、ステンレス鋼,銅等の錆び難い金属により作られている。接続軸338は、流出筒302に設けられた第一軸受部材350と、円錐部294と堆積筒296との境界部分に設けられた第二軸受部材352とにそれぞれ軸方向に摺動可能に嵌合され、接続軸338の上端部に羽根部材340の下端が嵌合されて固定され、下端部に錐体332の上端が嵌合され、固定されている。流出筒302の底部304の中央部にすべり軸受用ブッシュ354が嵌合され、底部304と共に第一軸受部材350を構成し、複数の開口306が第一軸受部材350の上下方向に貫通する開口を構成する。ブッシュ354は、錆び難い材料、例えば、ステンレス鋼,銅あるいは合成樹脂により作られ、接続軸338が軸方向に摺動可能に嵌合されている。
羽根部材340の下降端は、第一軸受部材350に当接することにより規定される。第一軸受部材350が規定部を構成し、接続軸338は、羽根部材340と錐体332との距離を、羽根部材340が第一軸受部材350に当接し、下降端位置に位置する状態において錐体332が異物排除口330から下方へ離間し、異物排除口330を開放する開位置に位置し、羽根部材340の上昇に伴って凸錐面334が凹錐面336に嵌合され、錐体332が異物排除口330を閉塞する距離に規定する長さを有するものとされている。
また、図15に示すように、第一軸受部材350と接続軸338との間に、両者の軸方向の相対移動を許容しつつ両者の相対回転を防止する相対回転防止装置360が設けられている。本相対回転防止装置360は、接続軸338に設けられ、軸方向に延びる係合部たる溝362と、すべり軸受用ブッシュ354に半径方向に嵌合されるとともに、一端部が接続軸338側へ突出させられ、溝362に軸方向に相対移動可能に嵌合された係合部を構成するキー364とを含む。
第二軸受部材352の本体370は、図12に示すように、横断面形状が円形の厚い板状を成し、円錐部294と堆積筒296との境界部分に嵌合され、固定されている。本体370には、その中央にすべり軸受用ブッシュ372が嵌合され、接続軸338が軸方向に摺動可能に嵌合されるとともに、本体370を上下方向に貫通する複数の開口374が、本体370の軸線まわりに等角度間隔に形成されている。これら開口374はそれぞれ、横断面形状が、例えば扇形を成し、円錐部294により集められた異物の堆積筒296内への沈降を許容する。このブッシュ372も、前記すべり軸受用ブッシュ354と同様に、錆び難い材料により作られている。
本体370の開口374を画定する外周側の壁は、図12に示すように、厚さ(本体370の半径方向の寸法)が上端において極く薄く、下方ほど厚くされ、内周面が下方ほど第二軸受部材352の軸線に接近する向きの傾斜面とされている。また、ブッシュ372および本体370の中央のブッシュ372が嵌合される嵌合部は、厚さが上端においてできるだけ薄くされるとともに下方ほど厚くされ、外面に下方ほど第二軸受部材352の軸線から遠ざかる向きの傾斜面が設けられている。さらに、本体370のその開口374を仕切る仕切部は、本体370の半径方向に直角な断面形状がほぼ三角形状を成すものとされ、その開口374を画定する2つの側面は、下方ほど互いに離間する向きの傾斜面とされている。
以上のように構成されたポンプ装置においては、非作動時には、図12に二点鎖線で示すように、羽根部材340が下降端位置に位置し、錐体332が開位置にあって異物排除口330を開いた状態にある。水を汲み上げるために電動モータ14により多段渦巻ポンプ24が作動させられれば、本体部290内に下方から上方への水の流れが生じ、本体部290から開口306を通って流出筒302内に流入するとともに吸込口50から多段渦巻ポンプ24に吸い込まれる。この際、下方から上方へ流れる水の力を2枚の羽根342が受けるが、羽根部材340の回転は相対回転防止装置360によって防止されているため、羽根部材340は単純に上方へ引き上げられることとなる。その結果、接続軸338により接続された錐体332も上方へ移動させられ、凸錐面334が凹錐面336に嵌合され、それら面334,336の傾斜による案内作用および楔作用により異物排除口330が確実に閉じられる。この位置が錐体332の閉位置である。
それにより、水は、本体部290に設けられた4つの流入口320からそれぞれ本体部290内に流入する状態となる。これら流入口320は渦巻線に沿って形成されているため、図12、13に矢印で示すように流入口320を通って本体部290内に流入させられた水は、渦巻の向きにより決まる方向、本異物除去装置216では底面視(図12におけるA−A断面視)において反時計方向(平面視においては時計方向)に旋回し、渦流が発生する。流入口320は、全体が流出筒302の底部304より上方に設けられ、底部304に設けられた開口306より上に位置するため、図12に実線で示すように、渦流は下方に向かう。また、流入口320はストレートな円筒部292に設けられているが、その下側には円錐部294が設けられ、本体部290の直径が下方ほど小さくなるため、渦流の流速が下方ほど増大し、遠心力により水中の異物、例えば、砂380が分離されるとともに、円錐部294の傾斜した内周面に案内されて落下し、第二軸受部材352の開口374を通って堆積筒296内に沈降し、堆積する。
第二軸受部材352の開口374の側面等の各面はいずれも傾斜面とされ、その外周部,中央の軸嵌合部および開口374の仕切部のいずれも上端の厚さが極く薄くされているため、それらの近傍を沈降する砂380が第二軸受部材352上に載ったままの状態になることがなく、傾斜面に案内され、堆積筒296内へ落下する。円錐部294内の水の旋回は、第二軸受部材352により、堆積筒296内の水に伝達されることが抑制され、堆積筒296内に沈殿した異物が攪拌され、再び巻き上げられて、円錐部294側へ逆移動することが回避される。本サイクロン型異物除去装置288においては、第二軸受部材352が旋回抑制部材を兼ねているのである。
本体部290内の水は、多段渦巻ポンプ24の吸込作用により流出筒302内に流入するが、下方への旋回と同じ方向に旋回したままの状態で開口306を通って流出筒302内に流入する。羽根342は、流出筒302内を下方から上方へ流れる水を、平面視において反時計方向に旋回させる向きにねじられており、その旋回方向は流入口320の傾斜によって発生させられる渦流の旋回方向とは逆である。そのため、旋回しつつ流出筒302内に流入した水は羽根342の作用により、その旋回がちょうど停止させられ、水はほぼ上下方向に流れる状態で多段渦巻ポンプ24に吸い込まれる。羽根342は、その寸法およびねじり角度が、流出筒302内に流入した水の旋回をちょうど停止させる大きさに設定されている。
一体型モータポンプ311が停止させられれば、水の流れがなくなり、羽根342に上昇力が作用しなくなって、羽根部材340および錐体332は自重により下方へ移動し、羽根部材340は第一軸受部材350に当接して下降端位置に位置し、錐体332は開位置に位置し、異物排除口330を開く。それにより、堆積筒296が開かれ、堆積した砂380等の異物が水中に捨てられる。堆積筒296内の空間は異物収容スペースであり、本サイクロン型異物除去装置288においては、羽根部材340および接続軸338は、一体型モータポンプの作動,停止に連動して錐体332を自動的に開位置と閉位置とに移動させ、異物排除口330を開閉させる開閉体開閉装置を構成している。
このように、一体型モータポンプ311によって水が汲み上げられるとき、水が旋回させられ、遠心力によって異物が分離され、除去されるため、フィルタを用いることなく、多段渦巻ポンプ24に侵入する異物を減少させることができる。その結果、より一層、軸受部材70,72(256,258,260)や回転羽根18,案内羽根20等の摩耗を抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これは例示に過ぎず、本発明は、前述に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
本発明の一実施例である一体型モータポンプの正面断面図である。 上記一体型モータポンプに含まれる吸入側軸受を構成する回転側軸受部材の側面図である。 上記一体型モータポンプに含まれる吐出側軸受を構成する回転側軸受部材の側面図である。 上記一体型モータポンプの回転羽根の組付け状態を表す図である。(a)は回転羽根の断面図であり、(b)は(a)のAA断面図である。 上記一体型モータポンプの案内羽根の組付け状態を表す図である。(a)は案内羽根の断面図であり、(b)は(a)のAA断面図である。 上記一体型モータポンプの軸受に設けられるトレランスリングの正面図である。 上記一体型モータポンプの内筒を表す図である。 上記一体型モータポンプの固定子と内筒とを示す側面図である。 上記一体型モータポンプを組み立てる組立装置の概略図である。 上記組立装置の一部を表す概略図である。 本発明の別の一実施例である一体型モータポンプの正面断面図である。 上記一体型モータポンプに接続された異物除去装置の正面断面図である。 上記異物除去装置のAA断面図である。 上記異物除去装置の羽根部材を示す平面図である。 上記異物除去装置の相対回転防止装置を示す平面断面図である。
符号の説明
8:ハウジング 10:固定子 12:回転子 14:電動モータ 18:回転羽根 20:案内羽根 22:返し通路 32:固定子鉄心 34:コイル 50:吸込口 52:吐出口 60:ヨーク 62:永久磁石 68:吸入側軸受 69:吐出側軸受 70:回転側軸受部材 72:固定側軸受部材 70a:端面 82:トレランスリング 84:固定軸 100:第1係合爪 101:アーム 102:突部 103:割溝 104:第1係合凹部 106:第2係合爪 107:アーム 108:突部 109:割溝 112:第2係合凹部 116:合成樹脂層 120:大径部 122:小径部 124,126:円筒部 128.130:リブ 200:トランスファプレス装置 210:位置決めロッド 220:治具 250,252:軸受 254:回転側軸受部材 256:固定側軸受部材 258:第1軸受部材 260:第2軸受部材 262,263:端面 264,265:周面

Claims (10)

  1. 固定子鉄心にコイルが巻かれて成り、中空円筒状をなす固定子と、
    中空円筒状をなし、前記固定子の内側に同心かつ相対回転可能に配設され、固定子との間の磁気的相互作用により回転する回転子と、
    その回転子の内側に、回転子と一体的に回転可能に設けられた回転羽根と、
    前記固定子と前記回転子との間を液密に仕切る仕切り壁と
    を含み、その仕切り壁が、合成樹脂により形成された一体型モータポンプ。
  2. 前記仕切り壁の肉厚が、0.5mm以上2.0mm以下とされた請求項1に記載の一体型モータポンプ。
  3. 前記仕切り壁が中空円筒状の内筒の少なくとも一部を成し、その円筒の外周側に同心に中空円筒状の外筒が設けられ、それら仕切り壁と前記外筒との間に前記固定子が設けられるとともに、その固定子と前記仕切り壁および外筒との隙間に合成樹脂が充填された請求項2に記載の一体型モータポンプ。
  4. 前記仕切り壁が、中空円筒部と、その中空円筒部から半径方向外向きに突出し、軸方向成分を有する方向に延びるリブとを有する請求項3に記載の一体型モータポンプ。
  5. 前記回転羽根が、それの外周面に設けられた弾性的に変形可能な少なくとも1つの第1係合爪を有し、前記回転子が、それの内周面の対応する位置に設けられた少なくとも1つの第1係合凹部を有し、それら第1係合爪と第1係合凹部との係合により、前記回転子が前記回転羽根と一体的に回転可能とされた請求項1ないし4のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ。
  6. 前記回転羽根が前記回転子の内側に複数段設けられ、当該一体型モータポンプが、(i)前記回転子の中心部に、その回転子と同心に設けられた固定軸と、(ii)その固定軸の外周側に、前記複数段の回転羽根の各々と交互に配設された複数段の案内羽根とを含み、前記案内羽根の各々が、それの内周面に設けられた弾性的に変形可能な少なくとも1つの第2係合爪を有し、前記固定軸が、それの外周面の、前記複数の案内羽根の各々の前記第2係合爪に対応する位置に設けられた複数の第2係合凹部を有し、前記案内羽根の各々における前記第2係合爪と第2係合凹部との係合により、前記固定子に前記複数の案内羽根が固定的に保持された請求項5に記載の一体型モータポンプ。
  7. 前記複数段の回転羽根の各々に対応する少なくとも1つずつの第1係合凹部が、前記回転子に、軸方向および周方向において互いに異なる位置に設けられるとともに、前記複数段の案内羽根の各々に対応する少なくとも1つずつの第2係合凹部が、前記固定軸に、軸方向および周方向において互いに異なる位置に設けられた請求項6に記載の一体型モータポンプ。
  8. 前記仕切り壁を含み、前記固定子を保持する本体と前記回転子との間に設けられ、前記本体に前記回転子を相対回転可能に支持させる軸受であって、前記回転子に一体的に回転可能に設けられた回転側軸受部材と前記本体に設けられた固定側軸受部材とを有し、それら回転側軸受部材と固定側軸受部材とのいずれか一方の部材が中空円筒状をなし、他方の部材が、(i)前記一方の部材の軸方向と平行に延びた外周面と内周面とのいずれか一方に対向する周面を有する中空円筒状の第1部材と、(ii)前記一方の部材の軸方向と直交する第1端面に対向する第2端面を有する中空円筒状の第2部材とを含む請求項1ないし7のいずれか1つに記載の一体型モータポンプ。
  9. 前記回転側軸受部材と前記固定側軸受部材との少なくとも一方が、セラミックスから成るものである請求項8に記載の一体型モータポンプ。
  10. 前記回転側軸受部材の、前記固定側軸受部材と軸方向において対向する面に複数の渦巻き状の溝が形成された請求項8または9に記載の一体型モータポンプ。
JP2007057536A 2007-03-07 2007-03-07 一体型モータポンプ Pending JP2008215307A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007057536A JP2008215307A (ja) 2007-03-07 2007-03-07 一体型モータポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007057536A JP2008215307A (ja) 2007-03-07 2007-03-07 一体型モータポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008215307A true JP2008215307A (ja) 2008-09-18

Family

ID=39835621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007057536A Pending JP2008215307A (ja) 2007-03-07 2007-03-07 一体型モータポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008215307A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014073054A1 (ja) * 2012-11-07 2016-09-08 日本オイルポンプ株式会社 ポンプ装置
WO2016152894A1 (ja) * 2015-03-24 2016-09-29 株式会社荏原製作所 ポンプ
JP2018046613A (ja) * 2016-09-13 2018-03-22 日本電産サンキョー株式会社 モータおよびポンプ装置
JP2019167862A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 株式会社川本製作所 ポンプ装置及びポンプケーシング
CN113294358A (zh) * 2020-03-29 2021-08-24 苏州市臻湖流体技术有限公司 一种智能排油烟直线风机
WO2023032366A1 (ja) * 2021-09-03 2023-03-09 株式会社荏原製作所 モータポンプ
WO2023032368A1 (ja) * 2021-09-03 2023-03-09 株式会社荏原製作所 モータポンプ

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63272993A (ja) * 1987-04-30 1988-11-10 Ebara Corp キヤンドモ−タポンプ
JPH01290996A (ja) * 1988-05-16 1989-11-22 Sanyo Electric Co Ltd キャンドポンプ
JP2000303986A (ja) * 1999-04-20 2000-10-31 Hideo Hayashi 一体型モータポンプ
JP2001280284A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Mitsuba Corp キャンドポンプ
JP2003201987A (ja) * 2001-12-28 2003-07-18 Ebara Corp キャンドモータポンプ
JP2004060585A (ja) * 2002-07-31 2004-02-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd ポンプ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63272993A (ja) * 1987-04-30 1988-11-10 Ebara Corp キヤンドモ−タポンプ
JPH01290996A (ja) * 1988-05-16 1989-11-22 Sanyo Electric Co Ltd キャンドポンプ
JP2000303986A (ja) * 1999-04-20 2000-10-31 Hideo Hayashi 一体型モータポンプ
JP2001280284A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Mitsuba Corp キャンドポンプ
JP2003201987A (ja) * 2001-12-28 2003-07-18 Ebara Corp キャンドモータポンプ
JP2004060585A (ja) * 2002-07-31 2004-02-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd ポンプ

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014073054A1 (ja) * 2012-11-07 2016-09-08 日本オイルポンプ株式会社 ポンプ装置
WO2016152894A1 (ja) * 2015-03-24 2016-09-29 株式会社荏原製作所 ポンプ
JP2016180365A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 株式会社荏原製作所 ポンプ
CN107407289A (zh) * 2015-03-24 2017-11-28 株式会社荏原制作所
JP2018046613A (ja) * 2016-09-13 2018-03-22 日本電産サンキョー株式会社 モータおよびポンプ装置
JP2019167862A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 株式会社川本製作所 ポンプ装置及びポンプケーシング
CN113294358A (zh) * 2020-03-29 2021-08-24 苏州市臻湖流体技术有限公司 一种智能排油烟直线风机
WO2023032366A1 (ja) * 2021-09-03 2023-03-09 株式会社荏原製作所 モータポンプ
WO2023032368A1 (ja) * 2021-09-03 2023-03-09 株式会社荏原製作所 モータポンプ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008215307A (ja) 一体型モータポンプ
US10323644B1 (en) High-speed modular electric submersible pump assemblies
EP1863152B1 (en) Methods and apparatus for using an electrical machine to transport fluids through a pipeline
US20160177962A1 (en) Circulating pump
US10767652B2 (en) Permanent magnet submersible motor with a one-piece rotor/yoke configuration and resin embedded magnets
US10612545B2 (en) Gear pump
EP2852031B1 (en) Rotor for brushless DC motor and brushless DC motor
JP2015027173A (ja) モータ
US20070071616A1 (en) Segmented driven-magnet assemblies for pumps, and pumps comprising same
CN109510369B (zh) 具有轴向磁通电动机的离心泵组件及其组装方法
US9482282B2 (en) Bearing for a rotary machine
US8333575B2 (en) Pump assembly
US3291056A (en) Electric motor pump
KR100190807B1 (ko) 마그네트펌프
CN109196229B (zh) 泵装置
CN216343036U (zh) 磁悬浮氢气循环泵
JPWO2013054412A1 (ja) 燃料ポンプ
CN109707633B (zh) 一种水泵
US20220349402A1 (en) Pump and method
US20200067378A1 (en) Biased Centralizing Arms Bearing In Submersible Pump Motor
JP6479127B2 (ja) 真空ポンプ
CN202026174U (zh) 一种盘式永磁同步电动机的转子永磁体安装结构
CN207127268U (zh) 一种接触式中心出水永磁同步电主轴
JP2020026794A (ja) 真空ポンプを製造するための方法
RU2049933C1 (ru) Центробежный насос с магнитным приводом

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120703