JP2008210572A - 電極触媒およびそれを用いた発電システム - Google Patents

電極触媒およびそれを用いた発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】質量活性および比活性の双方の活性に優れた電極触媒を提供する。
【解決手段】触媒成分100原子%に対して、70原子%以上の白金を含む触媒成分が導電性担体に担持されてなる電極触媒であって、サイクリックボルタンメトリー法による水素吸脱着波形の水素脱着電流における190〜230mVの範囲のピーク電流値(I190〜230mV)と、250〜270mVのピーク電流値または変曲点における電流値(I250〜270mV)とが、
Figure 2008210572

の関係を満たすことを特徴とする電極触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、電極触媒に関し、より詳しくは、高活性で耐久性に優れる電極触媒に関する。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、電気自動車用電源、定置型電源として応用すべく種々の燃料電池の開発が試みられている。燃料電池の構造としては、例えば、固体高分子形燃料電池では、フィルム状の固体高分子膜からなる電解質層を用い、一般的には、膜−電極接合体(以下、「MEA」とも称する。)をセパレータを介して積層した構造を内蔵している。
MEAは、電解質層がカソードとアノードとにより挟持されてなり、したがって、電極触媒層は少なくとも片面が電解質層に接する構造となっている。
従来、カソードおよびアノードともに白金または白金合金等の触媒金属を微細化して、カーボンブラック等の比表面積の大きい導電性担体に高分散担持させた電極触媒が用いられてきた。かような電極触媒は、触媒金属表面の電極反応面積が大きいため、触媒活性を高くすることができる。また、高価な白金の使用量を減少させることもできる。
しかし、導電性担体として炭素を用いた場合、電極が貴電位環境(約0.8V以上)となると、担体の電気化学的な酸化反応が起こり担体の腐食反応が進行するという問題があった。かような担体の腐食反応は、下記化学式に示すように、水を酸化剤として二酸化炭素を生成する反応である。
Figure 2008210572
これにより、担体が消失し、担体表面に担持されていた触媒金属の遊離・凝集を招く。触媒金属の遊離・凝集は、触媒金属の電極反応面積を低下させ、結果として、触媒活性の低下を招き、電池性能を低下させる要因となる。
一方、アノードにおいて燃料不足が起こった場合、所望の電流密度を保つために燃料の酸化反応に代わって水の電気分解や担体の酸化といった反応が進行する。したがって、カソードの場合と同様にアノードにおいても担体が腐食・消失し、触媒金属の遊離・凝集が起こる。
かような触媒活性の低下は、触媒として白金を用いた場合、白金が非常に高価な故、顕著な問題となる。
上記触媒活性の低下を防止して電極触媒の寿命特性を向上させる(耐久性を向上させる)ために、電極触媒をあらかじめ高温で熱処理する方法が従来採用されている。例えば、特許文献1では、サイクリックボルタンメトリー法による酸化還元電位が430mV以上(vs.SCE)(参照極にRHE(Reversible Hydrogen Electrode)を用いた場合、約680mV以上)である、白金含有燃料電池用触媒が提案されている。該触媒を得るために、特許文献1では、炭素担体に担持された白金を400〜1100℃、N:H=1:3の混合雰囲気下で2.5時間熱処理している。
特開2005−327721号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術を用いても、質量活性(質量あたりの活性)および比活性(実面積あたりの活性)の双方に優れた触媒が得られておらず、また耐久性においても、満足のいくものではなかった。
一般的に、炭素を担持体とする白金担持電極触媒を熱処理すればするほど、白金粒子は結晶性が高まり比活性は増加するものの、炭素担体上に担持された白金粒子は熱処理温度が高いほど粒子が凝集してしまい、質量活性が減少する。すなわち、質量活性と比活性とは相反する関係になっており、電極触媒を熱処理する場合に、質量活性に着目すると、比活性が維持できず、逆に比活性に着目すると質量活性が維持できないという問題点があった。
そこで、本発明が目的とするところは、質量活性および比活性の双方の活性に優れた電極触媒を提供することである。
本発明らは、上記課題を解決するため、鋭意検討を行った。その結果、触媒成分100原子%に対して、70原子%以上の白金を含む触媒成分が導電性担体に担持されてなる電極触媒であって、サイクリックボルタンメトリー法による水素吸脱着波形の水素脱着電流における190〜230mVの範囲のピーク電流値(I190〜230mV)と、250〜270mVのピーク電流値または変曲点における電流値(I250〜270mV)とが、
Figure 2008210572
の関係を満たすことを特徴とする電極触媒が、上記目的を解決することを見出し、本発明を完成させた。
本発明の電極触媒は、高活性で耐久性に優れた電極触媒であるため、燃料電池に適用した場合に自動車用、家庭用、電子機器用などに幅広く応用可能である。
本発明の第1は、白金を含む触媒成分が導電性担体に担持されてなる電極触媒であって、サイクリックボルタンメトリー法の水素吸脱着波形の水素脱着電流における190〜230mVの範囲のピーク電流値(I190〜230mV)と、250〜270mVのピーク電流値または変曲点における電流値(I250〜270mV)とが、
Figure 2008210572
の関係を満たすことを特徴とする電極触媒である。
触媒成分として使用される白金粒子が立方晶の単結晶からなること、およびこの立方晶は結晶子の大きさによって形状が異なり、(100)面のみが表れる立方形から(111)面のみが表れる八面体形まで様々な形があり、(111)面が多いほど安定性に優れ、(100)面が多いほど活性に優れることは、例えば特開2005−166409号にあるように従来から知られている。各単結晶面において、サイクリックボルタンメトリー法(CV)による波形をとると、(100)面の水素脱着電流におけるピークは、250〜270mV(vs.RHE)にあり、また(111)面の水素脱着電流におけるピークは、190〜230mV(vs.RHE)にある(J.Solla−Gullon et al.,Journal of Electroanalytical Chemistry 491(2000),P69〜77)。
本発明者らはこれらの事実に基づき、CVの水素脱着電流において、250〜270mVにおけるピーク電流と、190〜230mVにあるピーク電流とに着目した。その結果、サイクリックボルタンメトリー法の水素吸脱着波形の水素脱着電流における250〜270mVのピーク電流値または変曲点における電流値(I250〜270mV)に対する190〜230mVの範囲のピーク電流値(I190〜230mV)の比すなわちI250〜270mV/I190〜230mVで示されるIp値が、白金粒子の露出結晶面の存在割合を示す1つの重要な目安となることを、本発明者らは見出した。さらに、本発明者らは、該Ip値を最適化することにより、白金粒径が適度で、ゆえに比活性、質量活性の双方に優れた電極触媒が得られることを見出した。
図1は、CVで得られる水素吸脱着波形の一例である。波形の上側が水素脱着波形であり、下側が水素吸着波形である。触媒B(Ip値0.92)および触媒C(Ip値0.96)は本発明品であり、触媒Aは本発明品ではない(Ip値0.78)。Ip値の算出において、250〜270mVの範囲にピーク電流が現れる場合には、そのピーク電流値を、また、ピーク電流が現れない場合には、250〜270mVでの変曲点における電流値を、Ip値の算出に用いるものとする。250〜270mVの範囲の電流は、上述したように活性の高い(100)面を現すことから、ピーク電流として表れる形態のほうが好ましい。
本発明の第1において、電極触媒のIp値は、0.9〜1.1である。Ip値が0.9未満であると、酸素還元反応活性(ORR)が比較的低い(111)面が露出する割合が多くなり、電極触媒の活性が低くなる。また、Ip値が1.1を超えると、酸素還元反応活性が高い結晶面である(100)面がある程度露出した状態であるが、白金粒径が大きくなるため、質量活性が低くなる。一方、Ip値が、0.9〜1.1であれば、白金粒径が適当であり、質量活性のみならず、比活性も高い電極触媒となり、非常にバランスに優れた触媒となる。さらに、電極触媒の耐久性も高いものとなる。Ip値は、本願発明の効果がより顕著に発揮されることから、0.9〜1.05であることが好ましく、0.95〜1.0であることがより好ましい。
なお、Ip値を算出するために用いる水素脱着波形は、下記実施例に記載のCVによって求めるものとする。
本発明の電極触媒は、触媒成分100原子%に対して、70原子%以上の白金からなる触媒成分と、該触媒成分を担持してなる導電性担体とを含む。
用いられる導電性担体としては、触媒成分を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、充分な電子伝導性を有しているものであればよいが、主成分がカーボンであることが好ましい。具体的には、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;カーボンナノチューブ;カーボンナノファイバー;カーボンナノホーン;カーボンフィブリル;活性炭;コークス;天然黒鉛;人造黒鉛などの導電性炭素材料が挙げられる。カーボンブラックは、黒鉛化処理が施されていてもよい。中でも、低コストで大量生産に向いていることから、カーボンブラックが好ましい。なお、「主成分がカーボンである」とは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念である。場合によっては、燃料電池の特性を向上させるために、炭素原子以外の元素が含まれていてもよい。なお、「実質的に炭素原子からなる」とは、2〜3質量%程度以下の不純物の混入が許容されうることを意味する。
導電性担体のBET比表面積は、触媒成分を高分散担持させるのに充分な比表面積であればよいが、好ましくは50〜1500m/g、より好ましくは60〜1300m/gである。導電性担体の比表面積がかような範囲内の値であると、触媒成分の粒径が10nm以下で、かつ担持量30wt%以上となっても高分散の状態を維持できるため好ましい。
また、導電性担体の平均粒径は、特に限定されないが、担持の容易さ、触媒利用率などの観点からは、平均粒径が好ましくは10〜100nm、より好ましくは20〜50nmである。「導電性担体の平均粒径」は、走査型電子顕微鏡によって観察されるいわゆる一次粒子径によって規定される。
本発明における触媒成分は、触媒活性、一酸化炭素等に対する耐被毒性、耐熱性などの観点から、触媒成分100原子%に対して、70原子%以上の白金を含む。好ましくは80〜100原子%であり、より好ましくは、90〜100原子%であり、さらに好ましくは100原子%である。なお、触媒成分の含有比率は、ICP発光分光分析により測定でき、具体的には、エスアイアイ・ナノテクノロジー製誘導結合プラズマ発光分光分析装置SPS−1700HVR型を用いて測定した値を採用する。
触媒成分として、白金以外に含まれうる成分としては、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属が挙げられる。
触媒成分の形状は、特に制限されず公知の触媒成分と同様の形状が使用できるが、粒子状であることが好ましい。触媒成分の平均粒径は、好ましくは3〜7nmであり、より好ましくは3〜5nmである。かような範囲に触媒成分の粒径があれば、電極触媒の比活性および質量活性の双方が良好であるので好ましい。なお、本発明における「触媒成分粒子の平均粒径」は、X線回折法(X−Ray Diffraction:以下XRD法とする)によって測定される回折ピークの半値幅により求められる平均結晶子径を採用する。具体的には、実施例中で採用された方法によって求められる。
電極触媒100質量%に対して、触媒成分の含有量は、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。触媒成分の担持量がかような範囲内の値であると、導電性担体上での触媒成分の分散度と触媒性能とのバランスが適切に制御されうる。
本発明の第1の電極触媒の製造方法は、特に制限されるものではないが、以下好適な製造方法を述べる。
まず、平均粒径1〜5nm、好ましくは2〜5nm、より好ましくは2.5〜5nmである触媒成分が、BET比表面積50〜1500m/g、好ましくは60〜1200m/gである導電性担体に担持されてなる電極触媒前駆体を準備する。かような電極触媒前駆体は、市販品を用いてもよいし、公知の方法で製造してもよい。市販品としては、TEC10E50E(田中貴金属工業社製)、SA50BK(エヌ・イーケムキャット社製)、HiSPEC8000(Johnson Matthey社製)、などがある。電極触媒前駆体を製造する場合には、特に制限されるものではないが、含浸法、液相還元担持法、蒸発乾固法、コロイド吸着法、噴霧熱分解法、逆ミセル法等、公知の方法を利用することによって、容易に調製することができる。好ましくは、触媒成分を低コストで高分散担持可能な、液相還元担持法が用いられる。
次に、電極触媒前駆体を熱処理する。熱処理条件は、Ip値が0.9〜1.1になるように設定すれば、特に限定されないが、具体的には以下のようである。
熱処理する場合の熱処理温度は、触媒成分の粒径が適切な範囲となるため、好ましくは200〜1000℃、より好ましくは400〜1000℃、さらに好ましくは600〜1000℃、特に好ましくは600〜800℃である。また、熱処理する場合の熱処理時間は、好ましくは0.5〜3時間、より好ましくは1〜3時間、さらに好ましくは1時間である。かような範囲の熱処理時間であれば、粒径が適切な範囲となり、活性が高くなり、また導電性担体のメタン化反応があまり進行しない。
また、熱処理時の雰囲気は、窒素ガスと水素ガスとの混合雰囲気下で行うことが好ましい。熱処理時の窒素ガスと水素ガスとの混合雰囲気下は、窒素ガスおよび水素ガスの流量が全混合ガス流量100%中、好ましくは100%である。水素ガスおよび窒素ガス以外に、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが含まれうる。さらに、水素ガスの流量は、水素ガスおよび窒素ガスの全流量(N+H)に対して、流量比でH/(N+H)=5〜25であることが好ましく、5〜20であることがより好ましく、10〜20であることがさらに好ましい。かような範囲であれば、粒径が適切な範囲となり、活性が高くなり、また導電性担体のメタン化反応があまり進行しない。
上記のとおり、熱処理における温度、時間、雰囲気の各条件を適切に設定することにより、本発明の第1の電極触媒を得ることができる。適切な熱処理条件により、Pt表面に水素が吸着し、表面エネルギーが下がるため、小さな粒径を維持したまま、表面エネルギーの高い結晶面が露出できると考えられる。
本発明の製造方法によって得られる電極触媒は、上述のように、優れた活性および耐久性を有し、燃料電池に適用した場合に電池の耐久性向上に大きく寄与する。電極触媒の適用用途としては、PEFCが挙げられる。PEFCにおいて、電極触媒は触媒層に配置される。PEFCの一般的な構成としては、セパレータ、ガス拡散層、カソード触媒層、固体高分子電解質膜、アノード触媒層、ガス拡散層、およびセパレータが、この順序で配置された構成が挙げられる。ただし、PEFCにおける基本的な構成は上記に限定されるわけではなく、他の構成を有するPEFCにも、本発明を適用することが可能である。
本発明の電極触媒は、アノードおよびカソードの双方の電極触媒として好適に用いられる。しかしながら、アノードにおける水素の酸化反応に対してカソードでの還元反応は作動電位が高電位であるため、電極触媒の劣化が生じやすい。したがって、前記電極触媒は、少なくともカソードに使用される形態が好ましい。
さらに、燃料電池に適用した場合の適用用途としては、自動車用燃料電池、家庭用燃料電池、電子機器用燃料電池など幅広く適用可能である。本発明のPEFCは、触媒層が劣化しづらく、耐久性に優れる。即ち、本発明のPEFCは、長期間に亘ってPEFCを使用した場合であっても、電圧低下が少ない。そのため、自動車用燃料電池、家庭用燃料電池、電子機器用燃料電池など幅広く適用可能である。さらに、長期間に渡る耐久性が求められる用途において、本発明の電極触媒を含む燃料電池は特に有益である。かような用途としては、自動車用が挙げられる。本発明のPEFCは長期間に亘って発電特性が維持されうるため、本発明のPEFCを搭載してなる自動車の寿命の長期化や自動車価値の向上が達成されうる。
本発明の第2は、触媒成分100原子%に対して、70原子%以上の白金を含む触媒成分が導電性担体に担持されてなる電極触媒の活性評価方法であって、サイクリックボルタンメトリー法による水素吸脱着波形の水素脱着電流における190〜230mVの範囲のピーク電流値(I190〜230mV)と、250〜270mVのピーク電流値または変曲点における電流値(I250〜270mV)との比に基づいて電極触媒の活性を評価する、活性評価方法である。上述したように、Ip値は白金粒子の露出結晶面の存在割合を示す1つの重要な目安となり、Ip値によって、その触媒の活性の程度を予測することが可能となる。例えば、Ip値が小さすぎる場合には、比活性の点で問題となり、Ip値が大きすぎる場合には、質量活性の点で問題となる場合があることが予測可能である。評価例としては、Ip=0.9〜1.1、より好ましくは0.95〜1.0である電極触媒が、触媒として活性に優れたものであると判定する例が挙げられる。
以下、実施例を用いて、より具体的に本発明を説明する。なお、本発明が下記実施例に
限定されることはない。
(実施例1)
触媒成分として平均粒径2.5nmの白金のみがBET比表面積800m/gであるケッチェンブラックに担持されてなる電極触媒(田中貴金属工業社製:TEC10E50E、白金担持量50wt%)を管状炉に入れて30分間、H/(H+N)=10である雰囲気ガス(水素ガスおよび窒素ガス)でパージした(流量;水素ガス:10mL/分、窒素ガス:90mL/分)。その後、ガスを流したまま、昇温速度は10℃/分で800℃まで昇温し、800℃(熱処理温度)で1時間(熱処理時間)保持した後、自然冷却(急冷)し、100℃以下になった時点で、流すガスをエアーに切り替え、室温まで冷却して熱処理触媒を作製した。
(実施例2)
熱処理温度を600℃に変更した以外は、実施例1と同様の手順にて触媒を作製した。
(実施例3)
熱処理温度を1000℃に変更した以外は、実施例1と同様の手順にて触媒を作製した。
(実施例4)
雰囲気をH/(H+N)=5である雰囲気のガスに変更した以外は、実施例1と同様の手順にて触媒を作製した。
(実施例5)
雰囲気をH/(H+N)=25である雰囲気のガスに変更した以外は、実施例1と同様の手順にて触媒を作製した。
(実施例6)
熱処理時間を3時間に変更した以外は、実施例1と同様の手順にて触媒を作製した。
(比較例1)
触媒成分として平均粒径2.5nmの白金のみがBET比表面積800m/gであるケッチェンブラックに担持されてなる電極触媒(田中貴金属工業社製:TEC10E50E、白金担持量50wt%)を、比較例1の触媒とした。
(比較例2)
熱処理温度を200℃に変更した以外は、実施例1と同様の手順にて触媒を作製した。
(比較例3)
熱処理温度を400℃に変更した以外は、実施例1と同様の手順にて触媒を作製した。
(比較例4)
雰囲気を100%窒素ガスに変更した以外は、実施例1と同様の手順にて触媒を作製した。
(比較例5)
雰囲気を100%水素ガスに変更した以外は、実施例1と同様の手順にて触媒を作製した。
(比較例6)
熱処理時間を6時間に変更した以外は、実施例1と同様の手順にて触媒を作製した。
上記実施例1〜6および比較例1〜6を以下の評価方法にて評価を行なった。
(評価例1:触媒成分の結晶子径測定方法)
各実施例および比較例の触媒成分の結晶子径を、XRD法により測定し、39°近傍のピーク値からシェラー式を用いて結晶子径を算出した。
XRDの測定条件は、以下の通りである;
測定機器:マックサイエンス社製 X線回折装置(MXP18VAHF型)、線源:(CuKα)、出力設定:電圧40kV、電流300mA、発散スリット1.0°、散乱スリット1.0°、受光スリット0.3mm、走査範囲5〜90°。
(評価例2:触媒評価方法)
(1)電気化学測定装置系
回転ディスク電極装置(北斗電工社製HZ−301)を使用し、対極に白金線、参照極には標準水素電極、作用極にはグラッシーカーボン電極に触媒インクを塗布し、電解液には0.5mol/L硫酸水溶液(和光純薬工業社製)を用いた。電気化学測定は、ポテンショスタット(北斗電工社製電気化学測定システムHZ−5000)によって測定した。
(2)電気化学測定準備
作製した触媒Pt/Cのカーボン量が20mgになるように秤量しビーカーに入れた。このビーカーに水18mL、イソプロパノール6mL、5wt% Nafion(登録商標)溶液(Du pont社製)を0.2mL入れ、超音波攪拌を30分間行なった。この触媒インクをマイクロピペットを用いて10μLを5mmφのGC(グラッシーカーボン)電極に塗布し、80℃の乾燥炉で10分間乾燥させた。
(3)電気化学測定
(3−1)サイクリックボルタンメトリー
回転ディスク電極装置に電極、電解液をセットして、電解液を窒素で30分間パージした後に、サイクリックボルタンメトリーを電位走査速度は50mV/s、電位走査範囲は0〜1200mV(vs.RHE)、室温の条件で行なった。判定に用いたサイクリックボルタモグラム(サイクリックボルタンメトリーで測定したグラフを表す)は、上記条件で測定した15サイクル目の結果を採用した。サイクルは計15サイクル行った。
(3−2)耐久性評価
1.0〜0.6V(vs.RHE)の電位範囲で5秒間のパルス波を1サイクルとし、窒素パージした電解液中でこれを2000サイクル行なった。サイクル試験を行った後、上記サイクリックボルタンメトリーと同条件で測定し、ECA値を算出し比較例1の触媒を基準として実施例3の触媒について比較評価した。なお、ECA値は、Pt質量あたりの電気化学的な比表面積を示す値であり、算出方法は以下の通りである。まず、Ptの電気化学による表面積を求めるために、サイクリックボルタモグラムから電位の幅50mV〜400mVの間で起こる水素吸着電荷量(還元側の電位×電流から求めた面積)を、単位白金面積あたりの水素吸着する電荷量(210μC/cm−Pt)で割ることによりPt表面積を求める。この求めたPt表面積を、触媒中のPt質量で割ることでECA値が求められる。
(3−3)酸素還元活性評価(比活性)
上記(3−1)のサイクリックボルタンメトリー後に、電解液中を酸素で30分間パージした後、作用極を1600rpmで回転させて200mVから1200mV(vs.RHE)に電位走査して酸素還元電流を測定した。900mV(vs.RHE)のときの酸素還元電流値を上記(3−2)で求めたPt表面積で割ることにより、実施例および比較例の比活性を算出した。
(3−4)酸素還元活性評価(質量活性)
(3−3)で求めた比活性に(3−2)で求めたECA値を積算することにより、実施例および比較例の質量活性を算出した。
結果を下記表1に示す。
Figure 2008210572
以上の結果から、Ip値が0.9〜1.1の範囲である電極触媒は、質量活性および比活性の双方の活性のバランスに優れた触媒であることがわかった。さらに、耐久性にも優れた電極触媒であった。
サイクリックボルタモグラムの一例である。

Claims (8)

  1. 触媒成分100原子%に対して、70原子%以上の白金を含む触媒成分が導電性担体に担持されてなる電極触媒であって、
    サイクリックボルタンメトリー法による水素吸脱着波形の水素脱着電流における190〜230mVの範囲のピーク電流値(I190〜230mV)と、250〜270mVのピーク電流値または変曲点における電流値(I250〜270mV)とが、
    Figure 2008210572
    の関係を満たすことを特徴とする電極触媒。
  2. 前記導電性担体を構成する材料がカーボンである、請求項1に記載の電極触媒。
  3. 平均粒径1〜5nmである触媒成分が、BET比表面積50〜1500m/gである導電性担体に担持されてなる電極触媒前駆体を、温度が200〜1000℃、雰囲気がガス流量比でH/(H+N)=5〜25、時間が1〜3時間である条件下で熱処理してなる、請求項1または2に記載の電極触媒。
  4. 触媒成分の平均粒径が、3〜7nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極触媒。
  5. 燃料電池用である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極触媒。
  6. 請求項5に記載の電極触媒を自動車用燃料電池、家庭用燃料電池、電子機器用燃料電池のいずれかに用いることを特徴とする発電システム。
  7. 触媒成分100原子%に対して、70原子%以上の白金を含む触媒成分が導電性担体に担持されてなる電極触媒の活性評価方法であって、サイクリックボルタンメトリー法による水素吸脱着波形の水素脱着電流における190〜230mVの範囲のピーク電流値(I190〜230mV)と、250〜270mVのピーク電流値または変曲点における電流値(I250〜270mV)との比に基づいて電極触媒の活性を評価する、活性評価方法。
  8. 平均粒径1〜5nmである触媒成分が、BET比表面積50〜1500m/gである導電性担体に担持されてなる電極触媒前駆体を、温度200〜1000℃、雰囲気H/(H+N)=5〜25(ガス流量比)、処理時間1〜3時間で熱処理する、電極触媒の製造方法。
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