JP2008209314A - 作業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】圃場等において土壌中のアンモニア態窒素含有量の測定結果より該アンモニア態窒素の残存日数(硝酸態窒素に変化する日数)を予測演算し、前記測定結果と演算結果に基づいて、欠乏する土壌成分を分析し、該欠乏する成分を有する肥料を施肥することが課題である。
【解決手段】土壌に赤外線を照射して、集められた拡散反射光をスペクトル分析して、土壌中の有効元素成分量を測定する拡散反射測定装置22を搭載する作業車両100であって、圃場の単位面積あたりにおける、窒素系肥料施肥量に対応した経時的アンモニア態窒素の減度合いに関するデータベース10を有し、該データベース10とアンモニア態窒素成分の測定結果に基づいて、圃場に欠乏する土壌成分を各測定部位ごとに算出し、表示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、圃場等において効果的な肥料の施肥作業をおこなう作業車両についての技術に関する。より詳しくは、土壌中のアンモニア態窒素含有量の測定結果から該アンモニア態窒素の減少度合いを演算し、前記測定結果と演算結果に基づいて、欠乏する土壌成分を分析し、該欠乏する土壌成分を有する肥料を施肥する技術に関する。
従来より、農作物を栽培する圃場等においては成長を促進し、収穫量が増加するように施肥作業が行われている。すなわち、農作物の成長には窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の元素が必要であり、自然状態と異なって同じ土壌で繰り返し農作物を栽培する圃場等では該農作物の吸収により、これら元素が不足するため、補給する必要がある。
前記元素のうち窒素、リン、カリウムは肥料の三要素とも呼ばれ、農作物の成長を助長し、開花結実、または、根の発育等に関して特に重要なものであり、施肥作業により大量に農作物に与える傾向にある。
ここで、図9に示すように、窒素は亜硝酸菌、硝酸菌等による微生物43の作用により、アンモニア態窒素44、亜硝酸態窒素45、硝酸態窒素46へと順次性状を変化させていく。つまり、与えられる肥料としては有機肥料41、無機肥料42があり、施肥すると有機肥料41はアンモニア態窒素44に、また、無機肥料42は硝酸態窒素46にそれぞれ土壌中のバクテリア(菌)により変化する。
アンモニア態窒素44は土壌中に吸収、保持され易い性状を持つが栄養分としての利用範囲は限定され、イネやブルーベリー等の一部を除いて一般の農作物には吸収されにくい。また、大量の摂取はアンモニアガスの発生や悪臭を放つため、環境汚染に繋がる。
一方、硝酸態窒素46は土壌に吸収、保持されにくく、地下水や河川等により流亡しやすいが、多くの農作物に吸収され栄養源として利用される。しかし、前記アンモニア態窒素44と同じく、河川等による大量の流亡は硝酸汚染を招くため、適確な施肥量の管理が必要となる。
このように、窒素は土壌中でバクテリアにより性状を変化させ、有毒なアンモニアガスを発生させたり、自身を有害物質に変化させたりするため、施肥量の管理が必要となる。この施肥量の管理において、最適な施肥計画の情報を提供するシステムとして「特許文献1」が公知となっている。
特開2003−307515号公報
前記「特許文献1」によれば、土壌中のアンモニア態窒素や硝酸態窒素における濃度を測定し、該測定結果をもとに土壌中の窒素濃度分布を演算し、該窒素濃度分布の積分による計算結果から土壌中の窒素量を求め、該窒素量の目標値に対する過不足量を表示するため、前記システムの利用者は測定対象とする土壌の状態を定量的に把握することができ、能率的な施肥計画を実施することができる。
しかし、前記システムでは現状の土壌の状態を把握することは可能であっても、将来における土壌の状態を予測するまでには及ばない。また、採取した土壌の位置は分からないため、平均した値の肥料を散布するので、濃度にバラツキがあった。
そこで、本発明においては、圃場等において土壌中のアンモニア態窒素含有量の測定結果より該アンモニア態窒素の残存日数(硝酸態窒素に変化する日数)を予測演算し、前記測定結果と演算結果に基づいて、欠乏する土壌成分を分析し、該欠乏する成分を有する肥料を施肥することが課題である。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、土壌に赤外線を照射して、集められた拡散反射光をスペクトル分析して、土壌中の有効元素成分量を測定する拡散反射測定装置を搭載する作業車両であって、圃場の単位面積あたりにおける、窒素系肥料施肥量に対応した経時的アンモニア態窒素の減度合いに関するデータベースを有し、該データベースとアンモニア態窒素成分の測定結果に基づいて、圃場に欠乏する土壌成分を各測定部位ごとに算出し、表示するものである。
請求項2においては、土壌に赤外線を照射して、集められた拡散反射光をスペクトル分析して、土壌中の有効元素成分量を測定する拡散反射測定装置を搭載する作業車両であって、圃場の単位面積あたりにおける、窒素系肥料施肥量に対応した経時的アンモニア態窒素の減度合いに関するデータベースを有し、該データベースとアンモニア態窒素成分の測定結果に基づいて、圃場に欠乏する土壌成分を各測定部位ごとに算出し、同時に欠乏する肥料の施肥作業を行うものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、土壌に赤外線を照射して、集められた拡散反射光をスペクトル分析して、土壌中の有効元素成分量を測定する拡散反射測定装置を搭載する作業車両であって、圃場の単位面積あたりにおける、窒素系肥料施肥量に対応した経時的アンモニア態窒素の減度合いに関するデータベースを有し、該データベースとアンモニア態窒素成分の測定結果に基づいて、圃場に欠乏する土壌成分を各測定部位ごとに算出し、表示することにより、作業者は特段の専門的知識等を要する必要も無く、容易に土壌中の欠乏する有効元素成分量を把握することが可能であり、適切な施肥作業をおこなうことができる。
請求項2においては、土壌に赤外線を照射して、集められた拡散反射光をスペクトル分析して、土壌中の有効元素成分量を測定する拡散反射測定装置を搭載する作業車両であって、圃場の単位面積あたりにおける、窒素系肥料施肥量に対応した経時的アンモニア態窒素の減度合いに関するデータベースを有し、該データベースとアンモニア態窒素成分の測定結果に基づいて、圃場に欠乏する土壌成分を各測定部位ごとに算出し、同時に欠乏する肥料の施肥作業を行うことにより、土壌診断を行いながら、その診断結果に基づいて即時に施肥作業を行うことができ、一つの圃場内で成分欠乏する成分がムラとなって存在していても、略均一とすることができて、作物の生育ムラを減少し、また、生育不良も未然に防ぐことができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る作業車両の全体的な構成を示した概略図である。
図2は作業車両に搭載される土壌分析システムの構成を示したブロック図である。
図3は施肥作業の一連の流れを示すフローチャートである。
図4は図3において、土壌診断装置による有効元素成分量の測定の詳細な流れを示すフローチャートである。
図5も同じく、図3において、土壌診断装置による有効元素成分量の測定の詳細な流れを示すフローチャートである。
図6はアンモニア態窒素の減少度合いを示すグラフである。
図7は施肥作業実施中における出力画面を示す参考図である。
図8は同じく、施肥作業終了後における施肥実績を示す参考図である。
図9は一般的なアンモニア態窒素から硝酸態窒素への変換形態を示す状態図である。
[作業車両100]
まず、本発明の一実施例における、作業車両100の概略構成について、図1を用いて説明する。
作業車両100には土壌分析施肥システム1が搭載される。前記土壌分析施肥システム1は、土壌中の有効元素成分量を測定する測定装置22や、施肥作業を行う施肥機23や、作業車両100の圃場内における正確な位置を把握するグローバル・ポジショニング・システム(GPS)24や、これら装置類22・23・24等を制御するコントローラ25から構成され、前記作業車両100の略中央部から後部にかけて配設されている。
すなわち、測定装置22と施肥機23は各々近接して作業車両100の後部に配設され、コントローラ25は該作業車両100の略中央部に設けられる運転席の前方部に配設される。また、GPS24のアンテナ部はルーフ後方に配設されており、このような配置を設けることで、作業者は後述のとおり、運転席で作業車両100を操作しながら、土壌分析と施肥作業とを同時に行うことを可能としている。
ここで前記測定装置22(以下、拡散反射測定装置22と示す。)はFT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)により構成される。FT−IRとは赤外線を用いて有効元素成分量の測定を行う装置であり、本実施例では、主として拡散反射法を用いた測定装置により構成されて、コントローラ3と接続されている。
前記拡散反射法とは赤外分光法の一種であり、測定対象とする土壌に照射し、その後、該土壌により反射された赤外線からスペクトルを測定し、該スペクトルを変換することで有効元素成分量の測定を行う方法である。
すなわち、物質に赤外線が照射されると該物質を構成する原子の種類によって、その振動エネルギーに相当するだけの赤外線が吸収されることになり、この照射後の赤外線の吸収度合いを調べることで、物質を構成する有効元素成分量を測定する方法が赤外分光法である。
このうち、物質に赤外線を照射した場合、該物質の粒子の表面で正反射される赤外線(正反射光)と、該物質の粒子の内部に一旦入り込み、その後、透過して別の物質の粒子表面で正反射され、あるいは、再び別の物質の粒子内部に入り込み、複雑な透過、反射を繰り返して外部に反射される赤外線(拡散反射光)とがあり、後者の拡散反射光を用いて物質のスペクトルを得る方法が拡散反射法である。
[土壌分析施肥システム1の構成]
次に土壌分析施肥システム1の構成について、図2を用いて説明をする。
土壌分析施肥システム1は該システムに各種情報を入力する入力手段2と、入力された情報を演算処理する処理手段(コントローラ)3と、該処理手段3によって演算処理された結果を外部に出力表示する表示手段4と、各種情報を蓄積するデータベース10等により構成される。
ここで前記情報には測定対象とする土壌の圃場名称や地理的位置、該圃場中の測定個所、あるいは、過去に施肥された肥料の名称・成分や、理想とする土壌中の各成分に関する基準範囲等からなる施肥・圃場情報6と、拡散反射測定装置22により測定されたアンモニア態窒素の土中含有量の測定結果7と、同じく、拡散反射測定装置22により測定されたリン(P)・カリウム(K)・カルシウム(Ca)・マグネシウム(Mg)等の各種成分の土中含有量(有効元素成分量)の測定結果13等を含むものである。
入力手段2はキーボードやバーコードリーダー等があり、前記情報を処理手段3に入力するものである。そして、本実施例においては、前記拡散反射測定装置22を処理手段3に接続することにより、測定結果を直接、該処理手段3に入力することとしている。つまり、土壌中の成分分析を拡散反射測定装置22によって実行することで、アンモニア態窒素の土中含有量7、および、P・K・Ca・Mg等の土中含有量13を測定し、その測定値を直接処理手段3へ送信するのである。
また、GPS24が処理手段3に接続されており、後述する作業車両100による施肥作業において、容易、かつ、正確に自己の現在位置を検知して把握することができ、土壌分析を実施した場所の正確な位置情報を得ることを可能としている。
処理手段3はRAMやROM等の記憶部8と演算処理装置(CPU)9とインターフェース等により構成される。演算処理装置9の命令により前記入力手段2からの情報は一時的に該記憶部8に保存され、データベース10の必要なデータを読み出して演算処理が実行され、アンモニア態窒素や硝酸態窒素の残存日数が演算結果として出力されデータベース10に蓄積(記憶)される。
また、前記演算処理装置9には、上述の施肥機23の肥料選択手段や繰出量変更手段と、作業車両100の走行部の変速手段やエンジンの回転数変更手段とも接続されており、圃場等での拡散反射測定装置22による測定結果を基にして、即座に施肥作業を行うことを可能としている。
データベース10はハードディスクやコンパクトディスク等の記憶媒体から構成されており、データベース10の既存データには、土質または土性毎の、または、圃場毎の単位面積あたりの経過日数ごとに測定した土壌中のアンモニア態窒素濃度が蓄積されており、後述の『アンモニア態窒素の減少度合い情報』として蓄積される。
表示手段4はモニター11やプリンター等により構成されており、前記演算処理装置9により出力された演算結果を外部に可視可能としている。ここで、表示手段4により表示される内容は、後述のとおり、測定対象とする土壌の『アンモニア態窒素の残存日数』だけでなく、現状における土壌の成分分析や、後述する施肥作業後の施肥実績等が表示される。
また、本実施例においては、表示手段4としてモニターを操縦席前方の操作パネル近傍に配置することで、作業者は操縦席に居ながら、土壌分析と施肥作業とを同時に行うことを可能としている。
ここで、測定対象は畑や田の土壌であり、土性や土質毎に測定しておくことが好ましい。そして、圃場毎に名称を付して測定される。測定方法は、複数の個所から採取し、例えば圃場の周囲の複数箇所と中央部の複数箇所で測定する。この測定箇所は多いほどよく、異なる日時で測定する場合は、その測定位置は同じ位置で測定する。これら試料の拡散反射測定装置22による測定値は、最大値と最小値、あるいは、平均値がデータベース10に記憶される。
すなわち、前記データベース10に入力する土壌中のアンモニア態窒素濃度の測定値は、測定対象とする一つの圃場に対して、複数入力することとし、該複数の測定値のうち、最大値と最小値または平均値から単位面積あたりの窒素系肥料の施肥量に対応した経時的アンモニア態窒素の減少度合い情報としてデータベース化される。こうして、土壌の測定個所における、測定結果のムラを極力抑えることができ、以後、同じ土壌の土質を分析しても、確実に変化の割合を把握することができる。
前記施肥機23は複数のホッパーと繰出装置を備え、各ホッパーには種類の異なる肥料が充填される。例えば、窒素、リン、カリウムの三要素を主成分として比率が異なるものと、カルシウム(Ca)・マグネシウム(Mg)等ミネラル分を含む肥料等である。そして、各繰出装置は演算処理装置9と接続されて、不足する成分が検出されると、その不足する成分を含む肥料を充填した繰出装置が駆動され、不足する量の肥料が施肥される。
[作業車両100による施肥作業の流れ]
次に、作業車両100による施肥作業の流れについて、図3を用いて説明をする。
まず、作業者は施肥作業を行う前段階として、圃場に関する情報、すなわち、施肥作業をおこなう圃場の地理的位置や、該圃場中の測定個所等を予め土壌分析施肥システム1に入力し、作業車両100を所定の場所まで移動させる(ステップS01)。
作業車両100が所定の位置に到着すると、GPS24が検知し、ブザー等により作業者にその旨が知らされ(ステップS02)、作業者は作業車両100を停止させる(ステップS03)。
その後、拡散反射測定装置22により、土壌中の有効元素成分量が測定され(ステップS04)、該測定結果から、現状の不足する有効元素成分の種類と、理想とする含有量に対する不足量とが演算され、該演算結果に基づき、施肥機23において不足する有効元素成分を充填したホッパーの繰出装置が選択されて、作業車両100の走行速度に合わせて繰出装置が駆動されて施肥される(ステップS05)。
ここで、施肥を行う領域は、予め設定された圃場中の限られた領域内にであって、土壌を分析した範囲内である。すなわち、圃場を複数のブロックに分けて、各ブロック毎に土壌を分析し、ブロック毎に施肥し、その作業領域はGSP24により検知されて、表示手段により作業者に認識させるとともにデータベースに保存される。
そして、前記領域内の施肥作業により、圃場全域の施肥作業が終了すれば、一連の施肥作業は完了とされ、後述の施肥実績等をモニター11に表示する(ステップS06、S07)。
このように、土壌に赤外線を照射して、集められた拡散反射光をスペクトル分析して、土壌中の有効元素成分量を測定する拡散反射測定装置22を搭載する作業車両100であって、圃場の単位面積あたりにおける、例えば、窒素系肥料施肥量に対応した経時的アンモニア態窒素の減度合いに関するデータベース10を有し、該データベース10とアンモニア態窒素成分の測定結果に基づいて、その圃場のアンモニア態窒素成分が欠乏しているかを演算し、不足していたならば、各測定部位ごとに表示し、同時に不足する量の窒素成分を有する肥料の散布作業を行う。
こうして、土壌診断を行いながら、その診断結果に基づいて即時に施肥作業を行うので、土壌中に未だ残存するアンモニア態窒素に気付かず更に施肥を行い、土壌の窒素過多を引起こすことがなく、あるいは、欠乏する有効元素成分に気付かずに施肥を行わず、作物の生育不良を招くこともなく、効率の良い施肥作業をおこなうことができる。
[土壌分析施肥システム1による情報の流れ]
次に、土壌分析施肥システム1の情報の流れについて、図4、および、図5を用いて説明をする。
なお、以下に示す情報の流れは、上述の『作業車両100による施肥作業の流れ』に関する、ステップS04、すなわち、拡散反射測定装置22による土壌中の有効元素成分の分析手順の詳細を示す。
まず、図4において、拡散反射測定装置22から土壌に向かって赤外線が照射され(ステップS11)、該土壌の表面において反射された赤外線を再び拡散反射測定装置22により受光し(ステップS12)、赤外線のスペクトル情報としてアンモニア態窒素や他の有効元素成分に関する土壌中の含有量を測定する(ステップS13、S21)。
前記測定結果は検出部やAD変換部を介してデジタル信号に変換し、アンモニア態窒素の土中含有量の測定結果7(以下、アンモニア態窒素測定含有量7と示す。)や、同じくP・K・Ca・Mg(必須元素)等の各種成分の土中含有量の測定結果13(以下、各種成分測定含有量13と示す。)として、データベース10に蓄積する(ステップS14、S22)。
そして同時に、各種成分測定含有量13は基準値と比較し、不足していることや十分足りているなどの判定結果とともに(ステップS23)、測定値を表示手段に表示する(ステップS16)。
アンモニア態窒素測定含有量7は、測定したアンモニア態窒素測定含有量7がデータベース10に蓄積されている『アンモニア態窒素の減少度合い情報』からどのくらいの日時で硝酸態窒素に変化するかが演算される(ステップS15)。この演算結果が予測値として表示手段4に表示される。なお、『アンモニア態窒素の減少度合い情報』は後述する。
他方、図5において、その圃場の名称(割り当てた番号や記号等を含む)と、不足した場合に施肥する窒素系肥料の種類等を入力手段2により入力する(ステップS31)。なお、過去に施肥した窒素系肥料の種類や施肥量等が入力されていない場合にはこのときに入力する(ステップS32、S34)。
この場合、肥料の種類と施肥量から現在のアンモニア態窒素量の予測値が演算され(ステップS35)、前記測定値と比較し(ステップS36)、両者の値が大きく異なっている場合には、データベース10におけるデータを現在の計測値に書き換えられて、減少予想傾度合いも書き換えられる(ステップS37、S38)。
そして、前記測定した測定値と、基準値を比較演算して、不足する場合には、欠乏する有効元素成分の追加する量を演算し(ステップS33)、該演算結果に基づいて、施肥機23により施肥される。
このようにして得られた、土壌中に含有するP・K・Ca・Mg等の各種成分における欠乏、あるいは、余剰する成分種とその量に関する情報や、アンモニア態窒素の消滅日数に関する情報は、施肥作業を実施する前の測定結果として、前記施肥・圃場情報6とあわせてモニター11等により出力表示される。
すなわち、土壌に赤外線を照射して、集められた拡散反射光をスペクトル分析して、土壌中の有効元素成分量を測定する拡散反射測定装置を搭載する作業車両であって、圃場の単位面積あたりにおける、窒素系肥料施肥量に対応した経時的アンモニア態窒素の減度合いに関するデータベースを有し、該データベースとアンモニア態窒素成分の測定結果に基づいて、圃場に欠乏する土壌成分を各測定部位ごとに算出し、表示することにより、作業者は特段の専門的知識等を要する必要も無く、容易に土壌中の欠乏する有効元素成分量を把握することが可能であり、適切な施肥作業をおこなうことができる。
[アンモニア態窒素の残存日数の演算方法]
次に、土壌分析施肥システム1における、アンモニア態窒素の残存日数の演算方法について、図6を用いて説明をする。
データベース10には予め温度や天気等の気象情報や施肥量や肥料(有機肥料、無機肥料を含む)の種類とともに土質及び圃場毎にアンモニア態窒素の土壌中の含有量に関する測定データを蓄積しおく。該測定データを基にして既存の『アンモニア態窒素の減少度合い情報』が作成され、その後の『アンモニア態窒素の残存日数』の算出に利用される。
前記測定データは各圃場ごとの施肥量別における施肥日からの経過日数ごとに採取し蓄積されており、たとえば、図6に示すように、ある圃場において、硫安を70Kg/10a施肥した場合の経過日数ごとの測定値と、硫安を48Kg/10a施肥した場合の経過日数ごとの測定値と、がデータベース10に蓄積されている。
蓄積された個々の測定データは施肥量ごとにプロットされ、直線(あるいは曲線)のグラフ化を実行することにより『アンモニア態窒素の減少度合い情報』が作成され、該グラフ化された情報形式によりデータベース10に蓄積される。すなわち、前記『アンモニア態窒素の減少度合い情報』とは、土壌中のアンモニア態窒素の減少度合いを示したグラフを意味する。
なお、図6においては前記『アンモニア態窒素の減少度合い情報』として、説明の都合上、近似的に直線により示しているが、これに限られるものではなく、前記測定データの個数を増やして二次曲線、あるいは、三次曲線等によって表すことで、さらに精度を向上させることができることは言うまでもない。
ここで測定対象として、初期情報5により硫安60Kg/10aの情報が入力されると、データベース10に蓄積される情報の中から該硫安60Kg/10aの上下値に最も近い硫安70Kg/10aと、硫安48Kg/10aとの『アンモニア態窒素の減少度合い情報』が選択され、これら減少度合い情報をもとにして硫安60Kg/10aに関する『アンモニア態窒素の減少度合い情報(以下新減少度合い情報と示す。)』が予測算出されることになる。
ここで、上述のステップS13により入力される情報、つまり、測定対象とする土壌のアンモニア態窒素測定含有量7が得られると図6のグラフより、消滅して硝酸態窒素となる日数から測定したアンモニア態窒素測定含有量7に相当する日数を減ずることにより『アンモニア態窒素の残存日数』が算出される。
すなわち、図6において、土壌のアンモニア態窒素測定含有量7がBmg/100gである場合、新減少度合い情報では施肥後30日に該当し、かつ、アンモニア態窒素量が消滅するまでの日数は75日であることから、測定対象とする土壌の現状における『アンモニア態窒素の残存日数』は40日と算出される。
なお、上述のとおり、新たにデータベース10に入力されるアンモニア態窒素測定含有量7は全て該データベース10に蓄積されており、前記データベース10に記憶する経時的アンモニア態窒素の減少度合い情報は、土質または圃場毎に作成することで、常にデータベース10内における情報内容は補充されている。
[施肥作業中の出力画面29]
次に、施肥作業中の出力画面29について、図7を用いて説明する。
出力画面29は例えば、作業車両100の現状の位置を示すマップ画面26や、欠乏する各有効元素成分量を示す肥料中含有成分表27等により構成される。
マップ画面26は施肥作業を行う圃場内において、作業車両100の現在位置を表示するものであり、同時に、土壌分析、および、施肥作業を実施するうえでの作業領域を示す。
すなわち、マップ画面26では圃場の外郭26aが示され、該外郭26aが方眼線により複数の升目(ブロック)ごとに分割される。そして、前記各ブロックが施肥作業を連続して行う一つの領域とし、各ブロックごとに、土壌分析を行う測定個所26bを一箇所設ける。
ここで、前記測定個所26bは各ブロックにおける重心位置に配置され、例えば、土壌分析が未だ実施されていない場合には、白丸表示とし、土壌分析が実施され、施肥作業が完了すれば黒丸表示とする等、一目で施肥作業の進行状態が把握できるようになっている。
また、前記方眼線には縦にA・B・C・・・、横に1・2・3・・・等の記載を付加して、各ブロックの識別を可能としている。たとえば、図7において、作業車両100が現在停止しているブロックは「D−3」なる識別名称を具備する。
肥料中含有成分表27では、施肥される肥料に含有される各有効元素成分量が表示され、作業者は一目で施肥される肥料の成分を把握することができる。すなわち、図7において、黒の棒グラフにより各有効元素成分の含有量が示されており、たとえば、表示を切り換えて、以前に使用された分の累積含有量を表示させることにより、施肥機23へ新たに追加する必要のある有効元素成分を、容易に把握し、補充することができる。
[施肥実績を示す出力画面30]
次に、土壌分析施肥システム1の出力画面30について、図8を用いて説明をする。
出力画面30は例えば、土壌の診断結果を円グラフによって示すレーダーチャート31と、測定結果を数値的に表で示す診断表32と、土壌中の各成分の含有量を示す成分分析表33と、初期情報5として入力された圃場名や肥料種等を表示するサンプル表34と、これら表示内容31・32・33・34に該当するブロックの位置を示すマップ28等により構成されている。これらは各ブロックにおいて、一度に表示することも可能であるが、一つずつ、または複数ずつ組み合わせて表示することも可能である。
また、ブロックごとに表示を切り換えることによって、各々のブロックに関する前記表示内容31・32・33・34が表示される。
レーダーチャート31は拡散反射測定装置22によって測定された測定値を基に、処理手段3にて分析された、土壌中の硝酸態窒素や石灰や苦土(Mg)等に関する含有量、および、現状の土壌のPH値等を円グラフによって表示したものであり、これにより、本土壌分析施肥システム1の利用者は一目で現状の土壌の状態を把握することができる。
ここで、各測定項目に関しては、予め理想とする基準範囲が定められており、該基準範囲をグラフ上に「網掛け」によって示すことで、現状の土壌の良・否が瞬時に把握可能としており、また、表示設定を選択することで、前回の土壌の分析結果も合わせて表示可能であるため、土壌状態の変化が容易に把握できる。
診断表32は前記レーダーチャート31によって示された各項目に関する測定結果を数値で表示した表であり、土壌状態の良・否を定量的に判断することができ、より詳細な土壌状態を把握することが可能である。また、前記診断表32においては上述した『アンモニア態窒素の残存日数』を合わせて表示することで、土壌状態との関係もについても一目瞭然としている。
成分分析表33は拡散反射測定装置22によって測定された、土壌中の各成分の含有量を棒グラフによって表示したものであり、これにより、作業者は一目で現状の土質を把握することができる。
ここで、各成分に関しては、予め理想とする基準範囲が定められており、該基準範囲をグラフ上に「網掛け」によって示すことで、現状の土壌の土質が理想とする土質に対して、どのような傾向にあるかが瞬時に把握可能としている。
サンプル表34には、初期情報5として入力される施肥・圃場情報6の内容が表示され、作業者は測定対象とする土壌を容易に特定することができる。
マップ28は、前記マップ画面26を小規模に表示したものであり、現在表示されているレーダーチャート31や、診断表32や、成分分析表33や、サンプル表34に示される情報を有するブロックを図形的に示すものである。
なお、図8においては、一例として、ブロック「B−3」に関する各種情報を示しており、この場合、マップ28においては、ブロック「B−3」に該当する個所が斜線により特定され、表示される。
このような構成により、拡散反射測定装置22によって測定された測定結果は一圃場ごとに表示され、作業者は容易に土壌の土質に関する品質改善を行うことができるのである。
本発明の一実施例に係る作業車両の全体的な構成を示した全体概略図。 作業車両に搭載される土壌分析システムの構成を示したブロック図。 本発明の一実施例に係る作業車両による、施肥作業の一連の流れを示すフローチャート。 同じく、図3において、土壌診断装置による有効元素成分量の測定の詳細な流れを示し、赤外線の照射から、アンモニア態窒素の残存日数と、各欠乏成分との結果表示までを示すフローチャート。 同じく、図3において、土壌診断装置による有効元素成分量の測定の詳細な流れを示し、圃場名等のデータ入力から、施肥肥料の混合比率の演算までを示すフローチャート。 アンモニア態窒素の減少度合いを示すグラフ。 本発明の一実施例に係る作業車両による、施肥作業実施中における出力画面を示す参考図。 同じく、施肥作業終了後における施肥実績を示す参考図。 一般的なアンモニア態窒素から硝酸態窒素への変換形態を示す状態図。
符号の説明
1 土壌分析施肥システム
10 データベース
22 拡散反射測定装置
24 GPS
25 コントローラ
100 作業車両

Claims (2)

  1. 土壌に赤外線を照射して、集められた拡散反射光をスペクトル分析して、土壌中の有効元素成分量を測定する拡散反射測定装置を搭載する作業車両であって、圃場の単位面積あたりにおける、窒素系肥料施肥量に対応した経時的アンモニア態窒素の減度合いに関するデータベースを有し、該データベースとアンモニア態窒素成分の測定結果に基づいて、圃場に欠乏する土壌成分を各測定部位ごとに算出し、表示することを特徴とする、作業車両。
  2. 土壌に赤外線を照射して、集められた拡散反射光をスペクトル分析して、土壌中の有効元素成分量を測定する拡散反射測定装置を搭載する作業車両であって、圃場の単位面積あたりにおける、窒素系肥料施肥量に対応した経時的アンモニア態窒素の減度合いに関するデータベースを有し、該データベースとアンモニア態窒素成分の測定結果に基づいて、圃場に欠乏する土壌成分を各測定部位ごとに算出し、同時に欠乏する肥料の施肥作業を行うことを特徴とする、作業車両。
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