JP2008206849A - 油タンク及び油タンクの消火構造並びに油火災の消火方法 - Google Patents

油タンク及び油タンクの消火構造並びに油火災の消火方法 Download PDF

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Abstract

【課題】油に引火して生じた大規模な油タンクの火災であっても、消火を行うことができる油タンクの消火構造及び油火災の消火方法を提供する。
【解決手段】タンク内部の油に引火して生じた油火災を消火する油タンクの消火構造であって、前記油の表面に、中空形状に成型した殻体の内部に水ガラス乾燥物を収容した浮体を予め浮遊させ、火災の際に熱で崩壊した同浮体より前記水ガラス乾燥物が漏出するように構成した。また、容器内部の油に引火して生じた油火災を消火する油火災の消火方法であって、前記油の表面に、火災の熱で発泡した水ガラス乾燥物を浮遊させて消火することとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、油タンク及び油タンクの消火構造並びに油火災の消火方法に関する。
従来、外国からタンカーで輸入されてきた原油等の油は、日本全国各所の湾岸等に設けられた備蓄タンクに貯留されており、この貯留されている油の量は国内需要の数日分であるため、膨大な量であるといえる。
また、各地の工業地帯にも、企業各社が設けた油タンクが多数存在しており、大量の油が油タンク内に貯留されていることが知られている。
ところで、これらの油は、火気や電気等の火花により発火して炎上するため、大量の油を備蓄する油タンクでは、一旦火の手が上がると大規模な火災になりやすい。
そこで、油タンクには、火災の前兆を検知して初期消火や報知を行うための消火設備が備えられている(例えば、特許文献1参照。)。
このような消火設備によれば、油タンクに火災が生じても、初期段階の火災であれば消火を行うことができる。
特開2007−14583号公報
しかしながら、上記従来の消火設備は、油タンク内の油に引火して大規模な火災になった場合には、十分な消火活動を行えるものではなかった。
また、油タンクの大規模な火災を消火するためには、地上より化学消防車で消火剤を放出したり、上空よりヘリコプターで消火剤を散布するが、火災による強風で消火剤が火元に到達しないことや、高温のため消防士が近づけないことが多く、自然消火を待つしかない場合があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、油に引火して生じた大規模な油タンクの火災であっても、消火を行うことができる油タンクの消火構造及び油火災の消火方法を提供する。
上記課題を解決するための、本発明に係る油タンクの消火構造では、タンク内部の油に引火して生じた油火災を消火する油タンクの消火構造であって、前記油の表面に、中空形状に成型した殻体の内部に水ガラス乾燥物を収容した浮体を予め浮遊させ、火災の際に熱で崩壊した同浮体より前記水ガラス乾燥物が漏出するように構成した。
また、以下の点にも特徴を有する。
(1)前記殻体は、中空形状に成型した網目状の骨材の表面に、同骨材の網目を塞ぐように水ガラス乾燥被膜を形成したものであり、火災の際に熱により前記水ガラス乾燥被膜が崩壊して、前記殻体の表面に網目が形成されるようにしたこと。
(2)前記油の表面には、複数の前記浮体をそれぞれ連結して構成した連結浮体を浮遊させること。
(3)網目状のシート骨材の表面を水ガラス乾燥被膜で被覆して、シート状の防燃体を形成するとともに、同防燃体を、前記連結浮体上に載置していること。
(4)タンク内部の油に引火して生じた油火災を消火する油タンクの消火構造であって、網目状のシート骨材の表面を水ガラス乾燥被膜で被覆して、シート状の防燃体を形成するとともに、同防燃体をタンク内部の天面に吊設し、火災の際に前記防燃体を落下させて燃焼部を覆うようにしたこと。
(5)前記水ガラス乾燥物及び/または前記水ガラス乾燥被膜は、溶液状の水ガラスに空気を混入させた後に乾燥させて形成したものであること。
また、本発明に係る油タンクでは、油を収納する容器本体の表面に、同容器本体の周囲で発生した火災からのもらい火を防止する類焼防止膜を備えた油タンクであって、前記類焼防止膜は、水ガラスと、セメントとの混合物を乾燥して形成することとした。
また、本発明に係る油火災の消火方法では、容器内部の油に引火して生じた油火災を消火する油火災の消火方法であって、前記油の表面に、火災の熱で発泡した水ガラス乾燥物を浮遊させて消火することとした。
請求項1に記載の油タンクの消火構造では、タンク内部の油に引火して生じた油火災を消火する油タンクの消火構造であって、油の表面に、中空形状に成型した殻体の内部に水ガラス乾燥物を収容した浮体を予め浮遊させ、火災の際に熱で崩壊した同浮体より水ガラス乾燥物が漏出するように構成したため、火災の熱で発泡した不燃性の水ガラス乾燥物を油面上に浮遊させ、油と空気との接触を減少させることができ、油に引火して生じた大規模な油タンクの火災であっても、消火を行うことができる。
また、請求項2に記載の油タンクの消火構造では、殻体は、中空形状に成型した網目状の骨材の表面に、同骨材の網目を塞ぐように水ガラス乾燥被膜を形成したものであり、火災の際に熱により前記水ガラス乾燥被膜が崩壊して、殻体の表面に網目が形成されるようにしたため、浮体周囲の温度が水ガラス乾燥物の発泡温度に達してから殻体を崩壊させることができ、発泡した水ガラス乾燥物を油面上に効果的に浮遊させることができる。
また、請求項3に記載の油タンクの消火構造では、油の表面には、複数の浮体をそれぞれ連結して構成した連結浮体を浮遊させることとしたため、油面の一部で火災が生じて浮体が崩壊した場合でも、他の浮体が崩壊した浮体の浮力を補うことができて、崩壊した浮体が油中に沈降するのを防止することができる。
また、請求項4に記載の油タンクの消火構造では、網目状のシート骨材の表面を水ガラス乾燥被膜で被覆して、シート状の防燃体を形成するとともに、同防燃体を、前記連結浮体上に載置したため、火災が生じても、油面に供給される空気の量を減少させることができ、火災の鎮火を早めることができる。
また、請求項5に記載の油タンクの消火構造では、タンク内部の油に引火して生じた油火災を消火する油タンクの消火構造であって、網目状のシート骨材の表面を水ガラス乾燥被膜で被覆して、シート状の防燃体を形成するとともに、同防燃体をタンク内部の天面に吊設し、火災の際に前記防燃体を落下させて燃焼部を覆うようにしたため、炎に供給される酸素をできるだけ遮断することができて、炎の減衰を促進することができる。
また、請求項6に記載の油タンクの消火構造では、水ガラス乾燥物及び/または水ガラス乾燥被膜は、溶液状の水ガラスに空気を混入させた後に乾燥させて形成したものとしたため、発泡しない状態であっても、水ガラス乾燥物に大きな浮力を付与することができるとともに、火災の熱による発泡量を大きくすることができる。
また、請求項7に記載の油タンクでは、油を収納する容器本体の表面に、同容器本体の周囲で発生した火災からのもらい火を防止する類焼防止膜を備えた油タンクであって、前記類焼防止膜は、水ガラスと、セメントとの混合物を乾燥して形成したため、同油タンクは、耐火性と断熱性とを有し、しかも、風雨による劣化の少ない耐候性を備えることができる。
さらに、請求項8に記載の油火災の消火方法では、容器内部の油に引火して生じた油火災を消火する油火災の消火方法であって、油の表面に、火災の熱で発泡した水ガラス乾燥物を浮遊させて消火することとしたため、発泡した不燃性の水ガラス乾燥物で油面を覆うことができて、空気の供給を阻害し、火災を消火することができる。
本発明は、タンク内部に収納した原油等の油に引火して生じた油火災を消火する油タンクの消火構造であって、前記油の表面に、中空形状に成型した殻体の内部に水ガラス乾燥物を収容した浮体を予め浮遊させておくことにより、火災の際に熱で崩壊した同浮体より、熱で発泡して膨化した水ガラス乾燥物が漏出して油面に浮遊するように構成したことを特徴とする油タンクの消火構造を提供するものである。
すなわち、予め油面上に浮体を浮遊させておき、火災の熱で崩壊した浮体の中から、発泡した水ガラス乾燥物がこぼれ出すことにより、油面上をこの不燃性の発泡した水ガラス乾燥物で覆って消火するようにしている。
ここで、油を収納するタンクは、フローティングルーフタンク、ドームルーフタンク等の浮き屋根式の油タンクや、浮き屋根を備えない油タンク、コーンルーフタンク等あらゆる様式のタンクを選択することができ、また、そのタンクの大きさは特に限定されるものではない。
また、油は、原油、重油、ガソリン、軽油、灯油、食用油、機械油など液状の油であれば特に限定されるものではない。
水ガラス乾燥物は、液状の水ガラス(珪酸ナトリウムの高濃度水溶液)を乾燥して固化させたものであり、0.5〜2cm角程度のカレット状(破片状)とするのが望ましい。
なお、この水ガラス乾燥物は、炎などで強熱することにより、発泡して膨化するとともに、手などで容易に崩せる程度の脆弱性を備えるようになる。
したがって、発泡して膨化した水ガラス乾燥物は、比重が小さくなり、油面上に浮遊することができるようになる。
殻体は、中空形状に成型した網目状の骨材の表面に、同骨材の網目を塞ぐように水ガラス乾燥被膜を形成したものであり、火災の際に熱により前記水ガラス乾燥被膜が崩壊して、前記殻体の表面に網目が形成されるようにしている。
すなわち、前記水ガラス乾燥物が通り抜け可能な程度の網の目を有する骨材の表面に、この網の目を閉塞するように水ガラス乾燥物の被膜を形成し、殻体を構成している。
ここで骨材は、ステンレス線や鉄線等の線材を格子状に組み上げたものや、ガラス繊維や炭素繊維、アラミド繊維をネット状に編み上げたものを好適に用いることができる。
そして、この殻体が炎の熱で強熱されると、骨材表面に形成した水ガラス乾燥被膜が発泡しながら膨張し、殻体の表面に歪みが生じて崩壊する。
すると、骨材の網の目が露出することとなり、浮体内部に収納した水ガラス乾燥物がこの網の目から漏出する。また、同時にこの水ガラス乾燥物は、熱にさらされることとなるため、発泡することとなり、油面に浮遊することとなる。
ところで、この浮体は、複数の前記浮体をそれぞれ連結することで連結浮体を形成し、この連結浮体を油面状に浮遊させるようにしても良い。
連結浮体を形成することにより、たとえば、1つの浮体が火災の熱で崩壊して浮力を失った場合でも、他の浮体が浮力を補うこととなり、崩壊した浮体が油中に沈降してしまうことを防止でき、崩壊した浮体内部の水ガラス乾燥物を効率よく発泡させることができる。また、広い油面に対しても有効に作用させることができる。
また、網目状のシート骨材の表面を水ガラス乾燥被膜で被覆して、シート状の防燃体を形成するとともに、同防燃体を、前記連結浮体上に載置しても良い。
このような防燃体を連結浮体上に配設することにより、連結浮体同士の間にも、水ガラス乾燥被膜(水ガラス乾燥物)を備えることができ、火災の際により効果的に消火を行うことができる。
ところで、この防燃体は、タンク内部の天面に吊設し、火災の際に前記防燃体を落下させて燃焼部を覆うようにしても良い。
この際、天面より吊り下げる防燃体は、火災の熱で破断する素材で吊設部材を形成し、燃焼部に落下させるようにしても良く、また、感熱センサ等により熱を検知して落下させるようにしても良い。
このように防燃体を天面に吊設することにより、炎への酸素の供給をできるだけ遮断して、炎を減衰させ、鎮火させることができる。
なお、この天面に吊設した防燃体は、前述の浮体と併用しても良いことは勿論である。
水ガラス乾燥物及び/または前記水ガラス乾燥被膜は、溶液状の水ガラスに空気を混入させた後に乾燥させて形成すると良い。
熱により、水ガラス乾燥物中の空気が膨張して、さらに発泡を促進させることができるためである。
また、油タンクの外壁や天板の外面には、同油タンク周囲で発生した火災からのもらい火を防止する類焼防止膜を形成するとともに、この類焼防止膜は、水ガラスと、セメントとの混合物を乾燥して形成している。
したがって、水ガラスとセメントとを混合して類焼防止膜を形成することにより、同類焼防止膜に耐熱性や耐候性、耐久性とを付与することができる。
また、この類焼防止膜を形成するにあたり、水ガラスとセメントとの前記混合物には、バーミキュライトを添加するようにしても良い。
ここで、バーミキュライトやセメントは、いずれも鉱物からなる材料であり、耐火性を備えるとともに、水ガラスに良く混合される(良く馴染む)性質を有している。
しかも、バーミキュライトや水ガラス(乾燥物)は、火災の熱により発泡するため、類焼防止膜の断熱効果をより高めることができる。
併せて、セメントは、耐候性を高めるとともに、発泡したバーミキュライトや水ガラス(乾燥物)を強固に保持することとなるため、類焼防止膜が火災の熱で崩れ落ちるのを防止することができる。
すなわち、この類焼防止膜は、バーミキュライトと、水ガラスと、セメントとの混合物を乾燥して形成しているため、油タンク周囲で生じた火災の熱で防火性や断熱性を生起してもらい火を防ぐことのできる防火設備としても機能することとなる。なお、この類焼防止膜にも、空気を含ませて多孔質となるように形成しても良い。これにより更に断熱性を向上させることができる。
上述してきたように、本発明は、容器内部の油に引火して生じた油火災を消火する油火災の消火方法であって、前記油の表面に、火災の熱で発泡した水ガラス乾燥物を浮遊させて消火することを特徴とする油火災の消火方法を提供するものであるとも言える。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら詳説する。
図1は、本実施形態に係る消火構造を備えた油タンク1の断面説明図である。ずなわち、油タンク1は、容器状の貯留部2に、ドーム状の屋根体3を配設した密閉容器構造としており、貯留部2の下部には、バルブ4を備えた油出入口5を形成して、油タンク1内に油を貯留・取出し可能に形成している。
そして、油タンク1の内部には、前述の油出入口5を介して供給された油6を貯留しており、この油6の油面6a上に消火構造としての連結浮体7及び同連結浮体7を覆うように配設したシート状の防燃体8を備えている。
図2は、油面6aに浮いている連結浮体7の平面模式図である。連結浮体7は、油面上に同心円状に配設した浮体9を連結部材10で連結して構成しており、貯留部2の周形状と略同形状に油面6a上に広がるように形成している。
なお、この連結浮体7の形状は、本実施形態では油タンク1の周形状が円形であるため、油面上で円形に広がるように形成しているが、例えば、外壁の周形状が矩形であれば、油面上で矩形に広がるように形成するのが好ましい。
そして、図2中点線で示すように、連結浮体7の上部を覆うように、防燃体8を載置している。
連結浮体7を形成する浮体9は、図3に示すように、中空略球形に形成した殻体11の内部に、水ガラス乾燥物からなる破片状のカレット12を収納して形成している。
また、殻体11の上部には、エア抜き孔13を備えており、火災の熱で殻体11内部の空気が膨張した場合でも、同エア抜き孔13により内部の圧力を逃がすことができて、殻体11が破裂するのを防止できるようにしている。
また、各浮体9の側面部には、他の浮体9と連結するための連結部14を備えており、この連結部14に連結部材10を接続して連結浮体7を構成可能としている。
この連結部材10の素材は、不燃性や難燃性の素材であれば特に限定されるものではなく、例えば金属線や、炭素繊維で形成した紐などを用いることができる。
殻体11は、図4に示すように、中空略半球状の上部形成体15と、同様に中空略半球状の下部形成体16とに分離可能に形成しており、下部形成体16にカレット12を収納し、上部形成体15を下部形成体16で閉蓋して形成している。
この上部形成体15及び下部形成体16は、図5に示すように、網の目を備えたメッシュ状の骨材18に、水ガラス乾燥被膜20を形成して構成しており、火災の熱で水ガラス乾燥被膜20が崩壊すると、網目19が露出するとともに、浮体9内部に収納したカレット12が熱で発泡しながら油面6a上に漏出することとなる。
また、この図5に示す構成は、前述の防燃体8についても同様であり、この図5を用いて防燃体8の構造について説明すると、網の目を備えたメッシュ状のシート骨材22に、水ガラス乾燥被膜20を形成して構成しており、火災の熱で水ガラス乾燥被膜20が崩壊すると、シート骨材22から剥がれ、膨化しながら油面6a上に落下することとなる。
次に、本実施形態に係る消火構造で消火する様子を図6を用いて説明する。図6(a)は、油6に着火直後の状態を示しており、油タンク1内で火災が生じ、油6に引火すると、油面6a上に炎21があがる。
そして、図6(b)に示すように、この炎21の熱により、浮体9の殻体11を構成する水ガラス乾燥被膜20が発泡して油6に浮遊可能な浮遊消火体23となり、殻体11の表面から剥離して、油面6a上に浮遊する。
また、浮体9の内部にも熱が浸入し、浮体9内部のカレット12が発泡し、浮遊消火体23に変化し始めるとともに、このカレット12が変化した浮遊消火体23もまた油面6a上に漏出し浮遊する。
さらにこの際、連結浮体7上を覆う防燃体8の水ガラス乾燥被膜20もまた膨化して浮遊消火体23となり、防燃体8が崩壊して浮遊消火体23が油面6a上に降り注ぐ。
そしし、図6(c)に示すように、浮遊消火体23(発泡した水ガラス乾燥物)で油面6a上が覆われると、炎21は徐々に弱まり、鎮火することとなる。
このようにして、本実施形態に係る消火構造では、油火災の消火を行うようにしている。
図7は、本発明に係る油タンク1の消火構造の他の実施形態を示すものである。
この図7に示す油タンク1の消火構造は、前述の油タンクの消火構造と基本的な構造は同じであるが、防燃体8の配設位置と、貯留部2の外側面に設けた類焼防止膜25に特徴を有している。
以下、特徴的な点について述べると、油タンク1の内部には、屋根体3に吊設部材24を介して前述の防燃体8を吊設している。
この吊設部材24は、常温では防燃体8を吊すのに十分な強度を有しているが、炎21の熱など高温にさらされると強度を失って破断する樹脂製の紐を使用している。
そして、油面6a上で炎が上がると、炎21の熱により吊設部材24が切断されて、炎21上に防燃体8が覆うように落下し、炎21に供給される空気(酸素)を遮断して、鎮火を促すようにしている。
また、貯留部2の外側面には、バーミキュライトと、水ガラスと、セメントとの混合物を乾燥して形成した類焼防止膜25を備えている。
この類焼防止膜25は、液状の前記混合物を貯留部2の外側面に塗布して乾燥することで形成しても良く、また、予めシート状に形成した類焼防止膜25を貯留部2の外側面に貼付するようにしても良い。
このような構成とすることにより、油タンク1の周囲で火災が発生した場合でも、類焼防止膜25に含まれるバーミキュライトや水ガラス(乾燥物)が発泡することにより断熱効果を生起して、同油タンク1が受ける熱を軽減することができる。
しかも、類焼防止膜25にはセメントが混合されているため、バーミキュライトや水ガラス(乾燥物)が発泡した場合でも、バーミキュライトや水ガラス(乾燥物)を強固に保持することができ、同類焼防止膜25が変形して貯留部2の外側面から剥離するのを防止することができる。
また、セメントは、類焼防止膜25に含まれる水ガラス(乾燥物)やバーミキュライトが、風雨等により流出するのを防止する役割も担っている。
併せて、セメントは、液状の水ガラスが有する水分を奪って固化反応を進めるため、水ガラスもまた水分が奪われて固化が促進される。
すなわち、セメントは、類焼防止膜25を形成する上で、水ガラス(液状)の固化促進剤としても機能するものとも言える。
なお、この類焼防止膜25を形成する際に、前記混合物にさらにフライアッシュを添加するようにしても良い。
フライアッシュもまた、鉱物質の組成を有していることから、液状の水ガラス中での分散性が良く、しかも、セメントにも良く馴染むことから、水ガラスを構成する分子と、セメントを構成する分子とを更に密に結合させるバインダーの役割を生起させることができる。
しかも、フライアッシュを添加することにより、類焼防止膜25の熱発散効率を向上させることができるため、類焼防止膜25が火災で加熱した場合でも、効率よく熱を発散して、油タンク1の温度が上昇するのを効果的に防ぐことができる。
最後に、上述した実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。例えば、図2に示した構成では、複数の浮体9を連結して、平面視略円形状に連結浮体7を構成しているが、例えば、矩形状の周壁を備えるタンクの場合には、連結浮体7を矩形状に構成するようにしても良い。
また、浮体9を球状としているが、この形状に限定されるものではなく、直方体や三角錐など、油面6a上で浮力を得られる形状であれば、デザインや用途に応じて適宜選択可能であることは勿論である。
実施形態に係る消火構造を備えた油タンク1の断面説明図である。 油面に浮いている連結浮体の平面模式図である。 連結浮体を構成する浮体の断面を示した模式図である。 浮体の構成を示した説明図である。 殻体の構成を示した断面説明図である。 本実施形態に係る消火構造の消火方法を示した説明図である。 本発明に係る他の実施形態を示した説明図である。
符号の説明
1 油タンク
2 貯留部
6 油
7 連結浮体
8 防燃体
9 浮体
10 連結部材
11 殻体
12 カレット
18 骨材
20 水ガラス乾燥被膜
22 シート骨材
23 浮遊消火体
25 類焼防止膜

Claims (8)

  1. タンク内部の油に引火して生じた油火災を消火する油タンクの消火構造であって、
    前記油の表面に、中空形状に成型した殻体の内部に水ガラス乾燥物を収容した浮体を予め浮遊させ、火災の際に熱で崩壊した同浮体より前記水ガラス乾燥物が漏出するように構成したことを特徴とする油タンクの消火構造。
  2. 前記殻体は、中空形状に成型した網目状の骨材の表面に、同骨材の網目を塞ぐように水ガラス乾燥被膜を形成したものであり、火災の際に熱により前記水ガラス乾燥被膜が崩壊して、前記殻体の表面に網目が形成されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の油タンクの消火構造。
  3. 前記油の表面には、複数の前記浮体をそれぞれ連結して構成した連結浮体を浮遊させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の油タンクの消火構造。
  4. 網目状のシート骨材の表面を水ガラス乾燥被膜で被覆して、シート状の防燃体を形成するとともに、同防燃体を、前記連結浮体上に載置していることを特徴とする請求項3に記載の油タンクの消火構造。
  5. タンク内部の油に引火して生じた油火災を消火する油タンクの消火構造であって、
    網目状のシート骨材の表面を水ガラス乾燥被膜で被覆して、シート状の防燃体を形成するとともに、同防燃体をタンク内部の天面に吊設し、火災の際に前記防燃体を落下させて燃焼部を覆うようにしたことを特徴とする油タンクの消火構造。
  6. 前記水ガラス乾燥物及び/または前記水ガラス乾燥被膜は、溶液状の水ガラスに空気を混入させた後に乾燥させて形成したものであることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の油タンクの消火構造。
  7. 油を収納する容器本体の表面に、同容器本体の周囲で発生した火災からのもらい火を防止する類焼防止膜を備えた油タンクであって、
    前記類焼防止膜は、水ガラスと、セメントとの混合物を乾燥して形成したものであることを特徴とする油タンク。
  8. 容器内部の油に引火して生じた油火災を消火する油火災の消火方法であって、
    前記油の表面に、火災の熱で発泡した水ガラス乾燥物を浮遊させて消火することを特徴とする油火災の消火方法。
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