JP2008204768A - マイクロリレー、無線通信機、計測器、携帯情報端末 - Google Patents

マイクロリレー、無線通信機、計測器、携帯情報端末 Download PDF

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Abstract

【課題】高度のアライメント精度を必要とすることなく、接点間の容量結合成分を可能な限り小さくすることにより、アイソレーション特性が高く、容易に製造可能なマイクロリレーを提供する。
【解決手段】可動電極を備えた可動基板と、
前記可動基板に対向して配置され、かつ固定電極を備えた固定基板とからなり、
前記可動基板の一部は前記固定基板に接合され、かつ弾性的に支持されており、
前記可動基板の前記固定基板に対向する側に可動接点が配置されており、
前記固定基板の前記可動基板に対向する側に、その端部が固定接点である一対の信号線が前記端部を対向させるように配置されており、
前記可動接点と前記固定接点が接離可能であるマイクロリレーにおいて、
少なくとも一方の固定接点において、前記可動接点と前記固定接点が当接する箇所の少なくとも一部に凹部を設けていることを特徴とするマイクロリレー。
【選択図】図3

Description

本発明は、微小な機械的動作により接点間の開閉動作が行われるマイクロリレー無線装置、計測装置、および携帯情報端末に関する。
従来の技術として、特許文献1に開示されたマイクロリレーがある。図1(a)はこの従来のマイクロリレーの外観斜視図であり、図1(b)は上面図である。また、図2(a)は接点部を拡大して模式的に表した上面図であり、図2(b)は図2(a)のAA‘断面図である。
固定基板10は固定電極12を有しており、可動基板20は可動電極23を有している。可動基板20は第1弾性支持部22を介して固定基板に支持されている。可動基板20の固定基板側には絶縁膜を介して可動接点28が設けられている。固定電極12と可動電極23との間に静電引力を発生させると、可動電極が固定電極側に引き寄せられて、可動接点28が固定基板10に形成した2つの信号線13、14の端部にそれぞれ設けた固定接点13a、14aに当接する。一方、可動電極23と固定電極12の間に静電引力が発生していない状態では、可動接点28は固定接点13a、14aから離れる。このようにして、マイクロリレーは、前記信号線を電気的に開閉する。また、固定電極12は信号線13、14の長手方向に沿って両側に等距離で設けられており、高周波GND電極と共用した構成となっている。
この構成によれば、特性インピーダンスを、信号線幅と、信号線と同一平面状に配置された固定電極(GND電極)との距離の比率、及び、固定基板の誘電率により決定することが可能となり、良好な高周波特性が得られ無線通信機や携帯情報端末などへの応用が期待されている。また、その製造方法はMEMSプロセスを用いて製造される。すなわち、固定基板になるウエハ(例えばガラスウエハ)と可動基板になるウエハ(例えばシリコンウエハ)に、フォトリソグラフィにより電極、固定接点および可動接点などをそれぞれ形成し、ウエハ同士を陽極接合等によって接合する。その後、接合されたウエハをダイシングなどにより分割することでマイクロリレーが同時に多数得られ、量産性に向いた方法で製造される。
特開2000−113792
前述のとおり、従来のマイクロリレーでは、固定接点と可動接点が対向するように、固定基板と可動基板が配置されており、マイクロリレーを可動基板側から平面視したときに、接点どうしが重なる部分(以下、オーバーラップ領域Bとする)が存在する。
このような従来のマイクロリレーでは、オーバーラップ領域Bがコンデンサ構造を形成し、マイクロリレーがオフ状態であっても、図2(c)に示すとおり、固定接点と可動接点間に容量結合(C1、C2)が形成される。この容量結合により、マイクロリレーがオフ状態であるときのアイソレーション特性が低下するので、アイソレーション特性を向上させるためには容量結合を低減する必要がある。
一般に、接点間の距離をd、オーバーラップ領域Bの面積をS、接点間にある物質の誘電率をεとしたとき、容量結合の大きさCは数式(1)のように表すことができる。
C=εS/d ・・・(数式1)
つまり、容量結合の大きさCは接点間の距離dに反比例し、接点同士が重なる部分の面積Sに比例することがわかる。従って、容量結合の大きさを低減するための第1の方法として接点間の距離dを大きくする方法がある。
しかし、接点間の距離を大きくすると、従来のマイクロリレーでは可動電極と固定電極の間の距離も大きくなる。可動電極と固定電極の間の距離が大きくなると、両電極間の静電引力が小さくなってしまうので、駆動電圧(動作電圧)を大きくする、もしくは電極の面積を大きくする必要がある。これでは、現在のマイクロリレーに求められている低電圧駆動および小型化という需要に逆行する。
また、容量結合を小さくする別の方法として、オーバーラップ領域Bの面積Sを小さくする方法がある。
しかし、この方法では、固定基板と可動基板の張り合わせの作業において、高精度のアライメントが必要となり、アライメントの際のずれの許容範囲が小さくなる。特に、MEMSプロセスを用いて製造する場合には、ウエハのフォトリソグラフィ、接合およびダイシングの際にずれが生じやすくなり、接点どうしの接触を確実にすることが難しくなり、歩留まりの低下を招くおそれがあった。
したがって、従来の技術では、アイソレーション特性が良好で、低電圧で駆動する小型のマイクロリレーを実現できないという課題があった。
この発明の課題は、高度のアライメント精度を必要とすることなく、接点間の容量結合成分を可能な限り小さくすることにより、アイソレーション特性が高く、容易に製造可能なマイクロリレーを提供することにある。
本発明に係るマイクロリレーは、可動電極を備えた可動基板と、前記可動基板に対向して配置され、かつ固定電極を備えた固定基板とからなり、前記可動基板の一部は前記固定基板に接合され、かつ弾性的に支持されており、前記可動基板の前記固定基板に対向する側に可動接点が配置されており、前記固定基板の前記可動基板に対向する側に、その端部が固定接点である一対の信号線が前記端部を対向させるように配置されており、前記可動接点と前記固定接点が接離可能であるマイクロリレーにおいて、少なくとも一方の固定接点において、前記可動接点と前記固定接点が当接する箇所の少なくとも一部に凹部を設けていることを特徴とする。上記構成によれば、少なくとも一方の固定接点において、可動接点と固定接点が当接する箇所の少なくとも一部に凹部を設けているので、可動接点と固定接点とのオーバーラップ領域の一部において、従来よりも可動接点と固定接点との距離を大きい領域を設けることができる。従って、従来のマイクロリレーよりも容量結合成分を小さくすることが可能となり、アイソレーション特性を良好にすることができる。また、従来の接点間距離よりも大きくする必要が無いので、可動電極と固定電極との距離を大きくする必要がない。従って、マイクロリレーの大型化および駆動電圧の上昇を伴うことなく、アイソレーション特性を良好にすることができる。
本発明に係るマイクロリレーは、前記固定接点の幅は前記可動接点の幅よりも大きくしても良い。また、本発明に係るマイクロリレーは、前記凹部の開口部の幅は、前記可動接点の幅よりも大きくても良い。固定基板と可動基板を陽極接合等で接合する際に、高度のアライメント精度を要することなく、アイソレーション特性が良好なマイクロリレーを製造することが出来る。
また、本発明に係るマイクロリレーは、前記可動接点と前記固定接点が閉成時において、前記可動接点の端辺が前記凹部の開口部にあり、前記可動接点の端辺は前記固定接点と当接しないことを特徴としても良い。上記構成によれば、より一層アイソレーション特性が良好なマイクロリレーを製造することができる。
また、本発明のマイクロリレーは、前記凹部は貫通部であってもよい。 上記構成によれば、より一層アイソレーション特性が良好なマイクロリレーを製造することができる。
また、本発明のマイクロリレーは、可動電極が前記可動基板に形成されており、かつ、固定電極が前記固定基板に形成されており、前記可動基板は前記可動電極と前記固定電極の間の静電引力により駆動されるマイクロリレーであっても良い。
本発明に係る無線機は、アンテナと内部回路との間の電気信号を開閉するように、上記マイクロリレーを備えたことを特徴とする。
本発明の計測装置は、測定対象物と内部回路との間の電気信号を開閉するように上記マイクロリレーを備えたことを特徴とする。
本発明の携帯情報端末は、内部の電気信号を開閉するように上記マイクロリレーを備えたことを特徴とする。
なお、本発明の以上説明した構成要素は、可能な限り任意に組み合わせることが出来る。
以上のように、本発明のマイクロリレーによれば、アイソレーション特性が良好で小型のマイクロリレーを容易に作製することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。
図3は、本発明の一実施例であるマイクロリレーの構造を示す図である。図3(a)は本実施例にかかるマイクロリレーの分解斜視図であり、図3(b)は上面図である。図4(a)は本実施例に係るマイクロリレーの接点部分を模式的に拡大したものの上面図であり、図4(b)はAA´断面図である。
本実施例のマイクロリレーは、固定基板10の上面に可動基板20が一体化されている。固定基板10は、ガラス基板10aの上面に固定電極12と、2本の信号線13、14とをそれぞれ設けたものである。信号線13および14は固定基板10の表面側からRuとAuを順番に積層して形成されている。固定電極12の表面は絶縁膜17で被覆され、配線12a1、12a2、12a3、12a4を介して接続パッド12b1、12b2、12b3、12b4、12b5、12b6にそれぞれ接続されている。信号線13、14は同一直線上に配置されている。各信号線13、14の一端部は所定間隔で設けられる固定接点13a、14aとなっており、各信号線13、14の他端部は接続パッド13b、14bに接続されている。固定電極12は、信号線13,14の両側に配置されており、信号線から同一距離になるように形成されると共に、高周波GND電極と兼用されることにより、コプレナ構造を構成している。尚、信号線13,14の両側に位置する固定電極12どうしは、固定接点13a、14a間でお互いに接続されるように形成されている。これにより、開閉信号の発生する電気力線は、固定接点13a、14a間の高周波GND電極で終端される。なお、前記固定電極12は、信号線13,14よりも低い位置に形成されている。また、固定接点13a、14aには凹部18、19が設けられている。
可動基板20は、略矩形板状の半導体(例えばシリコンなどの)基板を、アンカ21a、21bにより、第1弾性支持部22を介して可動電極23を弾性支持し、その中央部に第2弾性支持部24を介して可動接点部25を弾性支持する構成としたものである。
アンカ21a、21bは固定基板10の上面2カ所に立設され、それぞれが固定基板10の上面に設けた配線15a、16aを介して接続パッド15b、16bに電気的に接続されている。前記第1弾性支持部22は、可動基板20の両側縁部に沿って設けたスリット22aにより形成され、端部下面に前記各アンカ21a、21bが一体化されている。
可動電極23は、固定電極12に対向し、接続パッド15b(あるいは16b)を介して両電極12、23間に電圧を印加することにより発生する静電引力によって固定電極12に吸引される。また、可動電極23は、固定接点に対向する可動接点部分を除いて信号線13、14に対向する部分26a、26bが除去されている。これにより、可動電極で信号線13と14とは接続されない構成となっている。そして、残された部分が第2弾性支持部24及び可動接点部25となる。第2弾性支持部24は、可動電極23と可動接点部25とを連結する幅狭の梁であり、接点閉成時、前記第1弾性支持部22よりも大きな弾性力を得られるように構成されている。可動接点部25は、第2弾性支持部24に支持される平坦部25aの下面に絶縁膜27を介して可動接点28を設けたものである。可動接点28は、各固定接点13a、14aと対向し、両固定接点13a、14aと閉成することにより、信号線13、14を電気的に接続するようになっている。
間隔をあけて隣接するように固定基板上に一直線上に配置した信号線13、14の端部、即ち、固定接点13a、14aに凹部18、19を設けている。尚、この凹部は、図4(b)に示すように固定基板まで完全に貫通しておらず、凹部の底面に一部信号線を残した状態で形成されている。可動接点28の端部はそれぞれ固定接点13a、14aに設けられた凹部18、19に対向するように配置されている。したがって、オーバーラップ領域Bには、実際に可動接点と当接する領域(以下、実際の接点部B1とする)と、実際には当接しない領域(以下、見かけの接点部B2とする)ができる。即ち、可動基板側から接点部を上面視したときに、可動接点と固定接点はオーバーラップ領域Bの面積は従来の静電マイクロリレーと同じだが、実際には、可動接点は凹部18、19の縁部と固定接点の端部の間すなわち、実際の接点部のみで当接しており、見かけの接点部では当接しない構造となっている。したがって、オーバーラップ領域Bの面積および実際の接点部における接点間の距離については従来の静電マイクロリレーと同じだが、見かけの接点部における接点間の距離については、従来の静電マイクロリレーの接点間距離よりも大きくなっている。
尚、本実施例では、固定接点部13a、14aの両方に凹部を設けているが、いずれか一方の固定接点部のみに凹部を形成しても良い。
以下、本実施例に係る静電マイクロリレーの接点部における容量結合について説明する。
図6(a)は本実施例に係る静電マイクロリレーにおける見かけの接点部と実際の接点部とで生じる容量結合成分を模式的に示した図である。
本実施例に係る静電マイクロリレーでは、図示するように、見かけの接点部では容量結合成分C3bおよびC4bが形成され、実際の接点部では容量結合成分C3aとC4bが形成される。このとき、オーバーラップ領域で形成される容量結合成分をC3、C4とすると、
C3=C3a+C3b
C4=C4a+C4b
と表すことができる。
本実施例にかかる静電マイクロリレーでは、見かけの接点部における接点間の距離は、実際の接点部における接点間の距離よりも大きくなるので、凹部に形成される容量結合成分C3b、C4bについて
C3b<C3a
C4b<C4a
となる
従って、本実施例に係る静電マイクロリレーの接点間で形成される容量結合成分は小さくなり、アイソレーション特性が向上する。
本実施例に係る静電マイクロリレーにおいては、可動接点の大きさや、オーバーラップ領域の面積を小さくする必要が無いので、アライメントについて高い精度を必要としない。従って、アライメント精度不足による歩留まりの低下を招くことなく、アイソレーション特性の優れたマイクロリレーを容易に製造することができる。
次に、実施例とは異なる本発明の別の一実施例に係るマイクロリレーについて説明する。
図5(a)は本実施例のマクロリレーの接点部を模式的に拡大したものの上面図であり、図5(b)はAA’の断面図である。また、図4(a)(b)と同様に、いずれの図も可動基板20の構成要素のうち、可動接点28以外は省略されている
実施例1では凹部は貫通しておらず信号線が一部残されているのに対して、本実施例では凹部が固定基板表面まで貫通しており、凹部の底面に信号線が残されていない点で異なっている。尚、本実例では、固定接点部13a、14aの両方に凹部を設けているが、いずれか一方の固定接点部のみに貫通した凹部を形成しても良い。
本実施例に係る静電マイクロリレーでは、固定接点部13a、14bに設けた凹部の底面には信号線が残されておらず、貫通した構造になっているので、図6(b)に示すように、見かけの接点部における容量結合成分は発生せず、実際の接点部において発生する容量結合成分C5およびC6のみが発生する。従って、第1の実施例に係る静電マイクロリレーによりも、更に、容量結合成分の低減を図ることが可能となり、アイソレーション特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施例における前記凹部の形状を変えたときの高周波特性について、シミュレーション結果に基づいて説明する。
図7(a)はシミュレーションモデルの断面模式図であり、図7(b)は上面模式図である。尚、図示している模式図は、見やすくするために実際の寸法とは異なる比率となっている。
前記凹部の形状を決めるパラメータを、図示したように凹部の深さをD、上面図での凹部の幅をW、信号線13および14の長手方向に延びる長さをLとした。ただし、説明の便宜上、接点の周囲だけを強調して図示している。尚、凹部の幅Wとは、一直線上に配置された信号線13および14の長手方向に略直交する方向に延びる長さのことである。
図13は、凹部の深さD、幅W、長さLをそれぞれ変化させて、そのときのアイソレーションおよびインサーションロスとの関係を示したものである。
尚、全てのシミュレーションモデルにおいては、可動接点の幅、可動接点と固定接点との距離、信号線どうしの距離は同じである。また、固定基板の材料はガラスであり、可動基板の材料はシリコンである。
Type1は固定接点部に凹部を設けていない従来の静電マイクロリレーであり、Type2と3は、それぞれ実施例1に係る静電マイクロリレーの高周波特性を示す。尚、Type2とType3の見かけの接点部の面積は同じだが、Type3はType2に比べて凹部の開口部を大きく、実際の接点部の面積が異なっている。両者の結果を比較すると、凹部の開口部を大きくして実際の接点部の面積を小さくすると、アイソレーション特性が向上することがわかる。
Type5乃至Type9は、それぞれ実施例2に係る静電マイクロリレーの高周波特性を示す。尚、Type5乃至Type7においては、それぞれの見かけの接点部どうし、それぞれの実際の接点部どうしの面積および凹部のLどうしは同じ値であるが、Wの値のみを変えている。また、Type8および9は、それぞれの見かけの接点部どうし、それぞれの実際の接点部どうしの面積および凹部のLどうしは同じ値であるが、両者はWの値のみが異なっている。
Type2とType4および、Type3とType5は凹部の開口部の大きさ、および実際の接点部の面積は同じだが、Type2および3では凹部の底面に信号線が残っており貫通していないのに対して、Type4および5では凹部の底面に信号線が残されておらず、貫通している。従って、両者は実際の接点部の面積は同じだが、Type4および5では、見かけの接点部における容量結合成分が発生しないので、Type4および5は、それぞれ、Type2および3よりもアイソレーション特性が優れていることがわかる。
また、同じ凹部の底面が貫通しているType4乃至7で比較してみると、Wの値が大きく、実際の接点部の面積が小さいほど、アイソレーション特性が優れていることがわかる。
図8(a)は特に実際の接点部の面積だけに着目し、アイソレーション特性と実際の接点部の面積との関係をグラフ化したものである。このグラフからも、凹部を大きくし、実際の接点部の面積を小さくすると、容量結合に寄与する接点同士の重なり部分の面積が減るので、アイソレーション特性が向上していることがわかる。
尚、容量結合成分は、接点間だけでなく固定接点と可動基板の間でも発生する。そのため凹部の開口部を大きくすれば更に効果を上げることができる。
また、信号の挿入損失の指標であるインサーションロス特性は図8(b)に示した通り、いずれのTypeでもほとんど変わらないことがわかる。従って、本発明のマイクロリレーであればインサーションロス特性の低下を招くことなく、アイソレーション特性を向上させることが可能である。
以上の実施例では、凹部が矩形である場合を示したがこれに限らない。図9には、本発明に適用できる様々な凹部の形状を示す。例えば、図9(a)のように凹部に切れ目があってもよく、さらに接点どうしの重なり部分の面積を低減することができ、アイソレーション特性は向上する。また、2つの固定接点に設ける凹部の形状は必ずしも左右対称である必要は無い(図9(b))。 また、凹部の開口部の形状は矩形ではなく楕円などでもよい。(図9(c)) また、凹部のない接点の形状を尖頭形にしたり、凸形にしてもよい。(図9(d))
次に、本発明のさらに別の実施例について図10を参照しつつ説明する。図10は、本実施例の無線通信機41の概略構成を示している。無線通信機41では、マイクロリレー42が内部処理回路43とアンテナ44との間に接続されている。マイクロリレー42をオン,オフすることによって、内部処理回路43がアンテナ44を通じて送信または受信可能な状態と、送信または受信不能な状態とに切り替えられるようになっている。本実施例では、マイクロリレー42に、実施の形態1または2に記載のマイクロリレー1を利用している。これにより、マイクロリレー42において、アイソレーション特性に優れているので、内部処理回路43が送オフのときの高周波信号の漏れを抑えることができる。
次に、本発明のさらに別の実施例について図10を参照しつつ説明する。図10は、本実施例の無線通信機41の概略構成を示している。無線通信機41では、マイクロリレー42が内部処理回路43とアンテナ44との間に接続されている。マイクロリレー42をオン,オフすることによって、内部処理回路43がアンテナ44を通じて送信または受信可能な状態と、送信または受信不能な状態とに切り替えられるようになっている。本実施例では、マイクロリレー42に、実施の形態1または2に記載のマイクロリレー1を利用している。これにより、マイクロリレー42において、アイソレーション特性に優れているので、内部処理回路43が送オフのときの高周波信号の漏れを抑えることができる。
次に、本発明のさらに別の実施例について図11を参照しつつ説明する。図11は、本実施例の計測器51の概略構成を示している。計測器51では、複数のマイクロリレー52が、1つの内部処理回路56から複数の測定対象物58に至る複数の信号線57の途中にそれぞれ接続されている。各マイクロリレー52をオン、オフすることにより、内部処理回路56が送信または受信すべき測定対象物58を切り替えられるようになっている。
本実施例では、マイクロリレー52に、実施の形態1または2に記載のマイクロリレー1を利用している。これにより、マイクロリレー52において、アイソレーション特性に優れているので、内部処理回路56がオフのときの高周波信号の漏れを抑えることができる。
次に、本発明の他の実施例について図12を参照しつつ説明する。図12は、本実施例の携帯情報端末61の要部構成を示している。携帯情報端末61では、2つのマイクロリレー62a,62bが利用されている。一方のマイクロリレー62aは、内部アンテナ63と外部アンテナ64とを切り替える働きをしており、他方のマイクロリレー62bは、信号の流れを送信回路側の電力増幅器65と受信回路側の低ノイズ増幅器66とに切り替えられるようにしている。
本実施例では、マイクロリレー62a,62bに、実施の形態1または2に記載のマイクロリレー1を利用している。これにより、マイクロリレー62a,62bにおいて、アイソレーション特性に優れているので、電力増幅器65、または低ノイズ増幅器66がオフのときの高周波信号の漏れを抑えることができる。
図1(a)は、従来のマイクロリレーの外観斜視図である。図1(b)は、従来のマイクロリレーの上面図である。 図2(a)は、従来のマイクロリレーの接点部を拡大して模式的に表した上面図である。図2(b)は、図2(a)のAA‘断面図である。図2(c)は、接点部における容量結合を模式的に示す図である。 図3(a)は、本発明の一実施例であるマイクロリレーの分解斜視図である。図3(b)は、本発明の一実施例であるマイクロリレーの上面図である。 図4(a)は、本発明の一実施例に係るマイクロリレーの接点部を模式的に拡大して示す上面図である。図4(b)は(a)のAA’における断面を示す図である。 図5(a)は、本発明の一実施例であるマイクロリレーの接点部を模式的に拡大して示す上面図である。図5(b)は、図5(a)のAA’における断面を示す図である。 図6(a)および図6(b)は、本発明の一実施例である静電マイクロリレーにおけるみかけの接点部と実際の接点部とで生じる容量結合を模式的に示した図である。 図7(a)は、シミュレーションで用いたマイクロリレーの接点部の断面を示す模式図である。図7(b)は、図7(a)の上面図である。 図8(a)は、実際の接点部の面積とアイソレーション特性との関係を示すグラフである。図8(b)は、接点部に設けた凹部の形状とインサーションロスとの関係を示すグラフである。 図9は、本発明に適用できる接点の接点凹部の形状の例を示す図である。 図10は、本発明の一実施例に係るマイクロリレーを備えた無線通信機の概略構成を示す図である。 図11は、本発明の一実施例に係るマイクロリレーを備えた計測器の概略構成を示す図である。 図12は、本発明の一実施例に係るマイクロリレーを備えた携帯情報端末の要部構成を示す図である。 図13は、凹部の深さD、幅W、長さLをそれぞれ変化させて、そのときのアイソレーションおよびインサーションロスとの関係を示したものである。
符号の説明
10 固定基板
10a ガラス基板、
12 固定電極
12a1、12a2、12a3、12a4 配線
12b1、12b2、12b3、12b4、12b5、12b6 接続パッド
13、14 信号線
13a、14a 固定接点
18、19 凹部
20 可動基板
21a、21b アンカ
22 第1弾性支持部
23 可動電極
24 第2弾性支持部
25 可動接点部
25a 平坦部
28 可動接点
41 無線通信機器
42 マイクロリレー
43 内部処理回路
44 アンテナ
51 計測器
52 マイクロリレー
56 内部処理回路
58 測定対象物
61 携帯情報端末
62a、62b マイクロリレー
63 内部アンテナ
64 外部アンテナ
65 電力増幅器
66 低ノイズ増幅器

Claims (9)

  1. 可動電極を備えた可動基板と、
    前記可動基板に対向して配置され、かつ固定電極を備えた固定基板とからなり、
    前記可動基板の一部は前記固定基板に接合され、かつ弾性的に支持されており、
    前記可動基板の前記固定基板に対向する側に可動接点が配置されており、
    前記固定基板の前記可動基板に対向する側に、その端部が固定接点である一対の信号線が前記端部を対向させるように配置されており、
    前記可動接点と前記固定接点が接離可能であるマイクロリレーにおいて、
    少なくとも一方の固定接点において、前記可動接点と前記固定接点が当接する箇所の少なくとも一部に凹部を設けていることを特徴とするマイクロリレー。
  2. 請求項1に記載のマイクロリレーにおいて、前記固定接点の幅は前記可動接点の幅よりも大きいことを特徴とするマイクロリレー。
  3. 前記凹部の開口部の幅は、前記可動接点の幅よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロリレー。
  4. 前記可動接点と前記固定接点が閉成時において、前記可動接点の端辺が前記凹部の開口部にあり、前記可動接点の端辺は前記固定接点と当接しないことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロリレー。
  5. 請求項1に記載のマイクロリレーにおいて、前記凹部は貫通部であることを特徴とするマイクロリレー。
  6. 請求項1に記載のマイクロリレーにおいて、可動電極が前記可動基板に形成されており、かつ、固定電極が前記固定基板に形成されており、
    前記可動基板は前記可動電極と前記固定電極の間の静電引力により駆動されることを特徴とする、静電マイクロリレー。
  7. アンテナと内部回路との間の電気信号を開閉するように、請求項1に記載のマイクロリレーを備えたことを特徴とする無線機。
  8. 測定対象物と内部回路との間の電気信号を開閉するように請求項1に記載のマイクロリレーを備えたことを特徴とする計測装置。
  9. 内部の電気信号を開閉するように請求項1に記載のマイクロリレーを備えたことを特徴とする携帯情報端末。
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